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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】栄養組成物
(51)【国際特許分類】
   C05G 5/23 20200101AFI20220125BHJP
   A01G 31/00 20180101ALI20220125BHJP
   C05B 7/00 20060101ALI20220125BHJP
   C05D 1/00 20060101ALI20220125BHJP
   C05D 9/00 20060101ALI20220125BHJP
   C05D 3/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
C05G5/23
A01G31/00 601A
C05B7/00
C05D1/00
C05D9/00
C05D3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021528352
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(85)【翻訳文提出日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 US2019062415
(87)【国際公開番号】W WO2020106841
(87)【国際公開日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】62/770,216
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503403135
【氏名又は名称】オーエムエス・インヴェストメンツ・インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188374
【弁理士】
【氏名又は名称】一宮 維幸
(72)【発明者】
【氏名】オルシ,ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】プリケット,アビゲイル
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】バーレンノット,ブライアン
【テーマコード(参考)】
2B314
4H061
【Fターム(参考)】
2B314MA14
4H061AA01
4H061BB01
4H061BB21
4H061BB51
4H061CC01
4H061EE02
4H061EE06
4H061EE07
4H061EE14
4H061EE15
4H061EE16
4H061EE17
4H061EE19
4H061FF02
4H061HH07
4H061KK08
(57)【要約】
植物成長用の栄養組成物が開示される。栄養組成物は、窒素、リン、およびカリウムを含む第1の主要栄養素、カルシウムおよび硫黄を含む第2の主要栄養素を含む。栄養組成物は、微量栄養素、およびマグネシウムのような追加の第2の主要栄養素を含むことができる。このような栄養源を含む栄養組成物は、有利な植物成長を示す。水耕栽培の栄養組成物、水溶性粉剤、および、栄養組成物を含有する植物成長培地、ならびに、栄養組成物を使用する方法が、さらに開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素源;
リン源;
カリウム源;
カルシウム源;および
硫黄源
を含む、水耕栽培システム用の栄養組成物であって、
2.5:1:4.5~3.5:1:3.5の窒素対リン対カリウム(NPK)比を有する、
栄養組成物。
【請求項2】
NPK比が、約3対1対4である、請求項1に記載の栄養組成物。
【請求項3】
窒素濃度が150ppmの場合、530ppm~685ppmの合計栄養素濃度を有する、請求項1または2に記載の栄養組成物。
【請求項4】
窒素、リン、カリウム、カルシウム、および硫黄(NPKCaS)の濃度が、495ppm~625ppmである、請求項1から3のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項5】
カリウム濃度が、窒素濃度より大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項6】
合計栄養素濃度に対するNPKCaSの濃度の割合が、85%~95%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項7】
合計栄養素濃度に対する窒素、リン、およびカリウムの濃度の割合が、60%~70%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項8】
合計栄養素濃度に対する窒素濃度の割合が、23%~25%であり;
合計栄養素濃度に対するリン濃度の割合が、8%~10%の範囲であり;
合計栄養素濃度に対するカリウム濃度の割合が、30%~35%の範囲であり;
合計栄養素濃度に対するカルシウム濃度の割合が、17%~19%の範囲であり;
合計栄養素濃度に対する硫黄濃度の割合が、8%~10%の範囲である、
請求項1から7のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項9】
130ppm~160ppmの窒素濃度;
45ppm~65ppmのリン濃度;
180ppm~215ppmのカリウム濃度;
95ppm~120ppmのカルシウム濃度;および
45ppm~65ppmの硫黄濃度
を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項10】
マグネシウム、ホウ素、銅、鉄、マンガン、モリブデン、および亜鉛からなる群から選択される追加成分の1つまたは複数の供給源をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項11】
窒素源;
リン源;
カリウム源;
カルシウム源;
硫黄源;ならびに
マグネシウム、ホウ素、銅、鉄、マンガン、モリブデン、および亜鉛からなる群から選択される追加成分の1つまたは複数の供給源
からなる、請求項1から10のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項12】
水耕栽培システム用の栄養組成物であって、希釈された場合、
355ppm~440ppmの濃度の1つまたは複数の第1の主要栄養素であって、窒素源、リン源、およびカリウム源を含む、第1の主要栄養素;
140ppm~235ppmの濃度の1つまたは複数の第2の主要栄養素であって、カルシウム源および硫黄源を含む、第2の主要栄養素
を含む、栄養組成物。
【請求項13】
2.5:1:4.5~3.5:1:3.5の窒素対リン対カリウム(NPK)比を有する、請求項12に記載の栄養組成物。
【請求項14】
NPK比が、約3対1対4である、請求項12または請求項13に記載の栄養組成物。
【請求項15】
窒素濃度が150ppmの場合、530ppm~685ppmの合計栄養素濃度を有する、請求項12から14のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項16】
窒素、リン、カリウム、カルシウム、および硫黄(NPKCaS)の濃度が、495ppm~625ppmである、請求項12から15のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項17】
カリウム濃度が、窒素濃度より大きい、請求項12から16のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項18】
合計栄養素濃度に対するNPKCaSの濃度の比が、85%~95%である、請求項12から17のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項19】
合計栄養素濃度に対する窒素、リン、およびカリウムの濃度の割合が、60%~70%である、請求項12から18のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項20】
第2の主要栄養素が、マグネシウム源をさらに含む、請求項12から19のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項21】
第2の主要栄養素が、硫黄源、カルシウム源、およびマグネシウム源からなる、請求項12から20のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項22】
合計栄養素濃度に対するカルシウム濃度の割合が、17%~19%の範囲であり;
合計栄養素濃度に対する硫黄濃度の割合が、8%~10%の範囲であり;
合計栄養素濃度に対するマグネシウム濃度の割合が、5%~8%の範囲である、
請求項12から21のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項23】
硫黄濃度が、45ppm~65ppmであり;カルシウム濃度が、95ppm~120ppmであり;マグネシウム濃度が、30ppm~50ppmである、請求項12から22のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項24】
合計栄養素濃度に対する第1の主要栄養素および第2の主要栄養素の濃度の割合が、98%~99.5%である、請求項12から23のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項25】
1つまたは複数の微量栄養素をさらに含む、請求項12から24のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項26】
1つまたは複数の微量栄養素が、ホウ素源、銅源、鉄源、マンガン源、モリブデン源、および亜鉛源からなる群から選択される、請求項25に記載の栄養組成物。
【請求項27】
1つまたは複数の微量栄養素が、ホウ素源、銅源、鉄源、マンガン源、モリブデン源、および亜鉛源からなる、請求項25または請求項26に記載の栄養組成物。
【請求項28】
合計栄養素濃度に対する微量栄養素の濃度の割合が、0.5%~2%の範囲である、請求項25から27のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項29】
希釈された場合、1つまたは複数の微量栄養素の濃度が、3ppm以上である、請求項25から28のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項30】
希釈された場合、1つまたは複数の微量栄養素の濃度が、5ppm以上である、請求項25から29のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項31】
希釈された場合、1つまたは複数の微量栄養素の濃度が、5ppm~6ppmである、請求項25から30のいずれか一項に記載の栄養組成物。
【請求項32】
請求項1から31のいずれか一項に記載の栄養組成物を含む、水溶性粉剤。
【請求項33】
請求項1から31のいずれか一項に記載の栄養組成物を含む、植物成長培地。
【請求項34】
請求項1から31のいずれか一項に記載の栄養組成物を1つまたは複数の植物に供給するステップを含む、1つまたは複数の植物を成長させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に、栄養組成物に関する。栄養組成物は、望ましい植物成長を促進する。
【背景技術】
【0002】
[0002]水耕栽培は、水および栄養素の液体溶液の移動または循環を使用する、植物の栽培である。植物は、無土壌であり得、または土壌などの植物成長培地に配置され得る。水耕栽培は、土壌での伝統的な成長より速く成長する、より健康的な植物を提供する。栄養素の植物への送達は、植物成長を最適化するために、より容易に調節することができる。現在の水耕栽培システムは、材料不相溶性または安定性の問題から、完全栄養を植物に供給するために2つまたは3つの異なる栄養溶液を必要とする。望ましい植物成長用に改良された即時使用可能な栄養組成物を供給することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
[0003]一態様によると、栄養組成物は、窒素源、リン源、カリウム源、カルシウム源、および硫黄源を含む。栄養組成物は、マグネシウム、ホウ素、銅、鉄、マンガン、モリブデン、および亜鉛のような追加成分の1つまたは複数の供給源を含み得る。栄養組成物は、2.5:1:4.5~3.5:1:3.5の窒素対リン対カリウム(NPK)比を有する。
【0004】
[0004]別の態様によると、栄養組成物は、355ppm~440ppmの濃度で第1の主要栄養素を含み、第1の主要栄養素は、窒素源、リン源、およびカリウム源を含む。栄養組成物は、140ppm~235ppmの濃度で第2の主要栄養素をさらに含み、第2の主要栄養素は、硫黄源、およびカルシウム源を含む。
【0005】
[0005]他の態様によると、栄養組成物は、水耕栽培の栄養組成物の一部、水溶性粉剤、または植物成長培地を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0006]下記は、植物成長用の栄養組成物を含む、様々な態様および詳細を提供することにより、態様の完全な理解を伝達することを意図している。しかし、本開示が、これらの具体的な態様および詳細に限定されず、例示のみであることは理解されたい。当業者が、公知の組成物、システム、および方法を考慮して、かなり多数の代替的な態様において、意図したそれらの目的および利点のために本開示の使用を理解するであろうことはさらに理解されたい。本組成物は、任意の植物成長培地に広く施用可能であり得るが、特に水耕栽培システムに有用であり得る。ある特定の態様において、水溶性粉剤は、栄養組成物を含む。さらに下に記載されるように、本明細書に記載の植物成長用の栄養組成物は、使用者が植物を成長させる容易さを改善する。
【0007】
[0007]栄養組成物の態様は、栄養素の組合せを含む。一般に、栄養素は、「第1の主要栄養素」、「第2の主要栄養素」、および「微量栄養素(micronutrient)」すなわち微量の栄養素(trace nutrient)に分類することができる。第1の栄養素は、総称して「NPK」である、窒素、リン、およびカリウムを含む。第1の主要栄養素は、通常、他の栄養素と比べて、最も大きな割合で必要とされる。第2の主要栄養素は、カルシウム、マグネシウム、および、多くの場合硫酸塩の形態である硫黄を含む。微量栄養素は、微量で必要とされ、ホウ素、銅、鉄、マンガン、モリブデン、および亜鉛を含む。追加の微量栄養素は、コバルト、ケイ素、および塩化物を含み得る。典型的には、第2の主要栄養素は、第1の主要栄養素より少量で、微量栄養素より多量で必要とされるが、いつもその通りではない。例えば、カルシウムまたは硫黄は、第2の主要栄養素であるが、第1の栄養素であるリンより多量に供給することができる。
【0008】
[0008]栄養素の各々は、栄養源により供給することができる。例えば、硝酸塩およびアンモニウムは、各々、窒素に対する栄養源であり得る。特定の栄養素の濃度とは、植物への送達に生物学的に利用可能である、栄養素の濃度を指す。栄養素濃度は、栄養源全体の濃度(すなわち、栄養源濃度)を指さない。
【0009】
[0009]栄養組成物の態様は、第1の栄養素-窒素、リン、およびカリウムの1つまたは複数を含む。ある特定の態様において、栄養組成物は、約2.5:1:4.5~約3.5:1:3.5、約2.8:1:4.2~約3.2:1:3.8、または約3:1:4の窒素対リン対カリウム(NPK)比を有し得る。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対する窒素の濃度の割合は、23%~25%、または24%である。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、窒素は、130百万分率(「ppm」)~160ppm、145ppm~155ppm、または150ppmの窒素濃度で窒素源に含まれ得る。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対するリンの濃度の割合は、8%~10%の範囲、または9%である。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、リンは、45ppm~65ppm、50ppm~60ppm、または54ppmのリン濃度でリン源に含まれ得る。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対するカリウムの濃度の割合は、30%~35%の範囲、または33%である。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、カリウムは、180ppm~215ppm、200ppm~210ppm、または205ppmのカリウム濃度でカリウム源に含まれ得る。カリウム濃度は、窒素濃度より大きくてもよい。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、第1の主要栄養素の濃度は、355ppm~440ppm、390ppm~430ppm、400ppm~420ppm、または409ppmである。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、窒素濃度が150ppmの場合には、栄養組成物は、560ppm~685ppm、580ppm~675ppm、600ppm~655ppm、620ppm~635ppm、または617ppmの合計栄養素濃度を有する。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対する窒素、リン、およびカリウムの濃度の割合は、60%~70%、または66%である。
【0010】
[0010]栄養組成物の態様は、第2の主要栄養素の1つまたは複数を含む。具体的には、栄養組成物の態様は、硫黄を含む。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対する硫黄の濃度の割合は、8%~10%の範囲、または9%である。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、硫黄は、45ppm~65ppm、50ppm~60ppm、または54ppmの硫黄濃度で硫黄源に含まれ得る。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、窒素、リン、カリウム、および硫黄(NPKS)の濃度は、400ppm~505ppm、445ppm~485ppm、455ppm~475ppm、または463ppmである。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対するNPKSの濃度の割合は、70%~80%、または75%である。追加の第2の主要栄養素は、カルシウムおよびマグネシウムを含み得る。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対するカルシウムの濃度の割合は、17%~19%もしくは17%~18%の範囲、または18%である。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、カルシウムは、95ppm~120ppm、105ppm~115ppm、または107ppmのカルシウム濃度でカルシウム源に含まれ得る。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、窒素、リン、カリウム、カルシウム、および硫黄(NPKCaS)の濃度は、495ppm~625ppm、540ppm~600ppm、540ppm~590ppm、または570ppmである。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対するNPKCaSの濃度の割合は、85%~95%、90%~95%、または93%である。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対するマグネシウムの濃度の割合は、5%~8%もしくは6%~7%の範囲、または7%である。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、マグネシウムは、30ppm~50ppm、35ppm~45ppm、または41ppmのマグネシウム濃度でマグネシウム源に含まれ得る。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、第2の主要栄養素の濃度は、175ppm~235ppm、195ppm~215ppm、200ppm~205ppm、または202ppmである。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対する第2の主要栄養素の濃度の割合は、25%~35%、または33%である。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対する第1の主要栄養素および第2の主要栄養素の濃度の割合は、98%~99.5%である。
【0011】
[0011]栄養組成物のある特定の態様は、ホウ素源由来のホウ素、銅源由来の銅、鉄源由来の鉄、マンガン源由来のマンガン、モリブデン源由来のモリブデン、および亜鉛源由来の亜鉛のような、1つまたは複数の微量栄養素を含む。ある特定の態様において、合計栄養素濃度に対する微量栄養素の濃度の割合は、0.5%~2%の範囲、または1%である。ある特定の態様において、施用において希釈される場合、1つまたは複数の微量栄養素の濃度は、3ppm以上、5ppm以上、または5ppm~6ppmである。
【0012】
[0012]ある特定の態様において、栄養組成物は、窒素源;リン源;カリウム源;カルシウム源;硫黄源;ならびに、マグネシウム、ホウ素、銅、鉄、マンガン、モリブデン、および亜鉛からなる群から選択される追加成分の1つまたは複数の供給源からなる。
【0013】
[0013]本明細書に記載の栄養組成物は、水耕栽培システムに、および/または、様々な異なる植物成長培地に含まれるのに好適であり得る。具体的には、栄養組成物は、好適な組成物と合わせて、園芸用土および鉢植え用土、播種マルチ、花卉および野菜の畝間被覆用途、ならびに鉢植え用混合物を形成することができる。理解されるように、このような植物成長培地は、栄養組成物を、適切な基本組成物(例えば、土壌、播種マルチなど)と合わせることにより形成することができる。ある特定の態様において、好適な基本組成物は、当該技術分野で公知の任意の材料で形成することができる。例えば、好適な基本組成物は、ミズゴケ、樹皮粉、パーライト、ユッカ、ココピート、ロックウール、木部繊維、および他の有機系化合物で形成することができる。ある特定の態様において、鉢植え用混合物は、土壌を実質的に含まない。他のある特定の態様において、庭の土壌のような土壌を含むことができる。
【0014】
[0014]ある特定の態様において、本明細書に記載の栄養組成物は、あるいは、粒状の基本組成物と合わせることができる。例えば、ある公知の粒状の植物成長培地は、栄養源として、鶏敷料のような有機系肥料、または徐放性無機肥料を含むことができる。
【0015】
[0015]理解されるように、植物成長培地は、追加成分を含むことができる。このような追加成分は、実質的に改変されなくてもよい。例えば、界面活性剤(または湿潤化剤)、生物学的刺激剤、微生物、および他の生物活性物質は、実質的に改変することなく、様々な態様において植物成長培地中に含むことができる。ある特定の態様において、植物成長培地のpHは、公知のpH調整剤を含むことで、当該技術分野で公知の通り、改変され得る。例えば、石灰石を添加して、約5~約5.5のpHを有する植物成長培地を形成することができる。
【0016】
[0016]追加成分および植物成長培地についての詳細は、米国特許第4,088,528号;米国特許第4,185,680号;米国特許第5,269,634号;米国特許第5,413,618号;米国特許第5,542,962号;米国特許第5,567,220号;米国特許第5,976,211号;米国特許第5,900,038号;米国特許第8,024,890号;米国特許第6,711,850号;欧州特許EPO923854号;ならびに、PCT出願WO99/57079号およびWO99/57080号に開示され、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例
【0017】
[0017]表1は、実施例栄養組成物の様々な栄養素の濃度を示す。
【0018】
【表1】
【0019】
[0018]表2は、実施例栄養組成物の様々な栄養素の配合栄養素分析を示す。実施例栄養組成物に存在する他の元素(例えば、硫酸イオンの酸素分子)は示さない。
【0020】
【表2】
【0021】
[0019]本明細書で使用する場合、全ての百分率(%)は、全組成物の重量パーセントであり、別段の指示がない限り、重量/重量%、%(w/w)、w/w、w/w%、または単に%とも表現される。
【0022】
[0020]本明細書に開示される寸法および値は、記載した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。代わりに、別段の定めがない限り、このような各寸法は、記載した値、およびその値周辺の機能的に等価な範囲の両方を意味することを意図する。
【0023】
[0021]本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、より小さいあらゆる数値限定を、あたかにそのようなより小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含むと理解すべきである。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最小数値限定は、より大きいあらゆる数値限定を、あたかもそのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を、あたかもそのような狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0024】
[0022]本明細書に引用されるあらゆる文書は、相互参照または関連する特許もしくは出願を含むが、別段明確に除外されるか、あるいは限定されない限り、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書に開示もしくは請求されるあらゆる技術に関する先行技術であるという承認するものではなく、または、それが単独で、もしくは、任意の他の1つまたは複数の参照文献とのあらゆる組合せにおいて、任意のこのような発明を教示、示唆、もしくは開示することを承認するものではない。さらに、本文献における用語のあらゆる意味または定義が、参照により組み込まれる文献における同じ用語のあらゆる意味または定義と矛盾する程度まで、本文献における用語に与えられた意味または定義が適用されるものとする。
【0025】
[0023]本明細書を通じて、「様々な態様」、「いくつかの態様」、「一態様」、「いくつかの実施態様」、「一実施態様」、または「態様」への言及は、あらゆる態様に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が、少なくとも1つの態様に含まれることを意味する。ゆえに、本明細書を通して様々な場面における成句「様々な態様において」、「いくつかの態様において」、「一態様において」、「いくつかの実施態様」、「一実施態様」、または「態様において」という表現は、必ずしも全て同じ態様を参照している必要はない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つまたは複数の態様においてあらゆる好適な方法で組み合わせることができる。
【0026】
[0024]態様および実施例の上の記載は、説明の目的で提示されている。記載した形態に網羅的であるか、または限定的であることを意図していない。上記の教示に照らして、多くの修正が可能である。この修正のいくつかは、議論されており、他は、当業者に理解されるだろう。態様は、様々な態様の例示として選ばれ、説明される。その範囲は、当然、本明細書で説明される実施例または態様に限定されないが、当業者によりあらゆる数の出願および等価の論文で利用することができる。むしろ、添付された特許請求の範囲で定義される範囲が意図される。
【国際調査報告】