IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャークニンジャ オペレーティング エルエルシーの特許一覧

特表2022-511780自律装置用光ビーコンおよび光ビーコンを使用するように構成される自律装置
<>
  • 特表-自律装置用光ビーコンおよび光ビーコンを使用するように構成される自律装置 図1
  • 特表-自律装置用光ビーコンおよび光ビーコンを使用するように構成される自律装置 図2
  • 特表-自律装置用光ビーコンおよび光ビーコンを使用するように構成される自律装置 図3
  • 特表-自律装置用光ビーコンおよび光ビーコンを使用するように構成される自律装置 図4
  • 特表-自律装置用光ビーコンおよび光ビーコンを使用するように構成される自律装置 図5
  • 特表-自律装置用光ビーコンおよび光ビーコンを使用するように構成される自律装置 図6
  • 特表-自律装置用光ビーコンおよび光ビーコンを使用するように構成される自律装置 図7
  • 特表-自律装置用光ビーコンおよび光ビーコンを使用するように構成される自律装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】自律装置用光ビーコンおよび光ビーコンを使用するように構成される自律装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20220125BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220125BHJP
【FI】
A47L9/28 Q
A47L9/28 E
G05D1/02 F
G05D1/02 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530118
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(85)【翻訳文提出日】2021-07-19
(86)【国際出願番号】 US2019063518
(87)【国際公開番号】W WO2020112940
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】62/772,394
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510053422
【氏名又は名称】シャークニンジャ オペレーティング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リーチ,アダム
(72)【発明者】
【氏名】カーウ,アダム
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン,コナー
【テーマコード(参考)】
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DA00
3B057DA04
3B057DA09
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD11
5H301EE09
5H301FF05
5H301FF09
5H301GG07
5H301GG08
(57)【要約】
光ビーコンは、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置される光エミッターと、光エミッターに光学的に連結された光学識別子発生器と、を含み得る。光学識別子発生器への入射光は、少なくとも一つの光学識別子に成形され得る。光学識別子は、ロボットクリーナーによる光学識別子の検出がロボットクリーナーに動作を行わせるように、ロボットクリーナーによって実行できる動作と関連付けられてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置される光エミッターと、
前記光エミッターに光学的に連結された光学識別子発生器であって、前記光学識別子発生器への入射光が少なくとも一つの光学識別子に成形され、前記光学識別子が、ロボットクリーナーによる前記光学識別子の検出が前記ロボットクリーナーに動作を行わせるように、前記ロボットクリーナーによって実行されることができる前記動作と関連付けられる、光学識別子発生器と、
を含む、光ビーコン。
【請求項2】
前記光学識別子発生器が、回折光学素子を含む、請求項1に記載の光ビーコン。
【請求項3】
前記光学識別子発生器が、プリズムを含む、請求項1に記載の光ビーコン。
【請求項4】
前記少なくとも一つの光学識別子が、複数の光学識別子を含み、
各光学識別子が、それに関連する対応する動作を有する、請求項1に記載の光ビーコン。
【請求項5】
前記光学識別子が実質的に直線である、請求項1に記載の光ビーコン。
【請求項6】
前記光学識別子が、前記ハウジングの周りに延在し、有界領域を画定する、請求項1に記載の光ビーコン。
【請求項7】
前記光学識別子が、前記ハウジングの周りに環状に延在する、請求項6に記載の光ビーコン。
【請求項8】
前記動作が、クリーニング動作またはナビゲーション動作のうちの一つまたは複数である、請求項1に記載の光ビーコン。
【請求項9】
一つまたは複数の充電式電池をさらに含む、請求項1に記載の光ビーコン。
【請求項10】
前記一つまたは複数の充電式電池が、前記ロボットクリーナー用のドッキングステーションを使用して再充電され、
前記ドッキングステーションが、電源コンセントを介して電気グリッドに電気的に連結される、請求項9に記載の光ビーコン。
【請求項11】
前記一つまたは複数の充電式電池が、前記ロボットクリーナーを使用して再充電される、請求項9に記載の光ビーコン。
【請求項12】
ロボットクリーナーであって、
本体と、
掃除される表面を横切って前記本体を付勢するように構成される一つまたは複数の駆動輪と、
前記本体に連結されたカメラと、
少なくとも一つのメモリーに格納された一つまたは複数の命令を実行するように構成される少なくとも一つのプロセッサーであって、前記一つまたは複数の命令を実行すると、前記プロセッサーが、前記ロボットクリーナーに、
光ビーコンによって前記掃除される表面に投影される少なくとも一つの光学識別子を検出することと、
前記検出された光学識別子が、前記検出された光学識別子の少なくとも一部分と、前記メモリー内に格納された一つまたは複数の既知の光学識別子との比較に、少なくとも部分的に基づいて、既知かどうかを決定することと、
前記検出された光学識別子が既知であると決定することに応答して、前記検出された光学識別子に関連付けられた少なくとも一つの動作を決定することと、
前記ロボットクリーナーに、前記決定された動作を実行させることと、を含む、動作を実行させる、プロセッサーと、
を含む、ロボットクリーナー。
【請求項13】
前記動作が、前記光学識別子が不明であると決定することに応答して、前記ロボットクリーナーに、少なくとも一つの動作を前記検出された光学識別子と関連付けさせることをさらに含む、請求項12に記載のロボットクリーナー。
【請求項14】
複数の光学識別子が検出され、前記光学識別子の各々が既知であり、かつそれらに関連付けられた少なくとも一つのそれぞれの動作を有する、請求項12に記載のロボットクリーナー。
【請求項15】
前記複数の光学識別子のうちの少なくとも一つが、それに関連付けられた複数の動作を有する、請求項14に記載のロボットクリーナー。
【請求項16】
前記動作が、前記複数の光学識別子に対する検出順序を決定することをさらに含む、請求項15に記載のロボットクリーナー。
【請求項17】
前記ロボットクリーナーに、前記検出の順序に、少なくとも部分的に基づいて、前記光学識別子のうちの少なくとも一つに関連付けられた前記複数の動作のうちの一つまたは複数を実行させる、請求項16に記載のロボットクリーナー。
【請求項18】
前記光学識別子が、実質的に直線である、請求項12に記載のロボットクリーナー。
【請求項19】
前記光学識別子が、前記光ビーコンの周りに延在し、有界領域を画定する、請求項12に記載のロボットクリーナー。
【請求項20】
前記光学識別子が、前記光ビーコンの周りに環状に延在する、請求項19に記載のロボットクリーナー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、自律装置用光ビーコンと題する、2018年11月28日に出願の米国仮出願番号第62/772,394の利益を主張するものであり、参照により完全に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、自律装置で使用する光ビーコンに関連し、より具体的には、ロボットクリーナーに情報を通信するための識別子を生成するように構成される光ビーコンに関連する。
【背景技術】
【0003】
ロボットクリーナー(例えば、ロボット掃除機)は、環境内の表面を自律的に掃除するように構成される。例えば、ロボット掃除機のユーザーは、ロボット掃除機を環境内に位置付けて、ロボット掃除機にクリーニング動作を開始するように指示し得る。掃除中、ロボット掃除機は破片を収集し、後でユーザーが廃棄できるようにダストカップにそれを堆積させる。ロボット掃除機は、ロボット掃除機に給電する一つまたは複数の電池を充電するために、および/またはダストカップを空にするために、ドッキングステーションに自動的にドッキングするように構成され得る。
【0004】
一つまたは複数のビーコンは、環境内に配置され、信号を発するように構成され得る。ロボットクリーナーは、放射信号の物理的特性(例えば、強度または波長)に基づいて信号を検出するように構成され得る。言い換えれば、信号の物理的特性は、信号がロボットクリーナーによって検出されるか、または検出されないかのいずれかとなるように選択することができる。信号の検出に応答して、ロボットクリーナーは、信号から離れて向きを変えるように引き起こされ得る。信号の強度に基づく信号の検出または非検出によって、ビーコンがロボットクリーナーに情報を通信することができることを制限し得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
これらおよびその他の特徴の利点は、以下の図面とともに以下の詳細な説明を読むことによってより良く理解される。
【0006】
図1図1は、本開示の実施形態と一致する、光学識別子を生成する光ビーコンおよび光学識別子を検出するように構成されるロボットクリーナーの概略実施例である。
【0007】
図2図2は、本開示の実施形態と一致する、複数の部屋間の開口部を横切って延在する光学識別子を生成する光ビーコンを有する、複数の部屋の概略実施例である。
【0008】
図3図3は、本開示の実施形態と一致する、図1の光ビーコンの一例であり得る光ビーコンの概略断面図である。
【0009】
図4図4は、本開示の実施形態と一致する、有界領域を画定する光学識別子を生成する光ビーコンを有する複数の部屋の概略実施例である。
【0010】
図5図5は、その中に配置されるドッキングステーションを有する部屋の概略実施例であり、ドッキングステーションは、本開示の実施形態と一致する、図4の光ビーコンの実施例であり得る。
【0011】
図6図6は、本開示の実施形態と一致する、図1の光ビーコンの一例であり得る光ビーコンの概略断面図である。
【0012】
図7図7は、本開示の実施形態と一致する、図1の光学識別子などの光学識別子の少なくとも一部分を検出することに応答して、図1のロボットクリーナーなどのロボットクリーナーを使用して動作を実施する方法の実施例のフローチャートである。
【0013】
図8図8は、本開示の実施形態と一致する、メイン光ビーコンおよびその中に配置されるサテライト光ビーコンを有する部屋の概略実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、一般に、情報をロボットクリーナー(例えば、ロボット掃除機)に通信するための光学識別子を生成するように構成されるビーコンに関する。ビーコンは、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置される光エミッターと、光エミッターに光学的に連結された光学識別子発生器とを含み、光学識別子発生器は、光エミッターによって放射される光を光学識別子に成形するように構成される。ロボットクリーナーは、光学識別子の検出が、ロボットクリーナーに一つまたは複数の動作(例えば、領域を回避すること、領域内の特定のクリーニング動作を実行すること、領域に対応するマップをロードすること、および/または類似のもの)を実行させるように構成される。
【0015】
光学識別子の使用は、(生成された信号の物理的特性のみに依存する場合と比較して)より堅牢な様式で、ロボットクリーナーに情報を通信することを可能にし得る。例えば、光学識別子が使用される場合、光学識別子の形状および/または構成を使用して、ロボットクリーナーに情報を通信し得る。一部の実例では、光学識別子の形状および/または構成に加えて、光学識別子を生成するために使用される光の物理的特性(例えば、波長および/または強度)も、ロボットクリーナーと通信するために使用され得る。対照的に、光学識別子を使用しない(例えば、光ビームのみを使用する)場合、ロボットクリーナーへの情報の通信は、生成された信号の物理的特性(例えば、使用される光の強度または波長)のみに基づいてもよい。
【0016】
本明細書で使用される場合、光学識別子は、一つまたは複数の固有セグメントを有する光射影を一般的に指し得る。ロボットクリーナーは、固有セグメントの少なくとも一部に、少なくとも部分的に基づいて、光学識別子に関連付けられた動作を識別するように構成され得る。一部の実例では、光学識別子は、パターンを画定する、複数の反復する固有セグメントを含み得る。このように、光学識別子は、ロボット装置によって検出されるときに、ロボット装置(例えば、ロボットクリーナー)に情報を伝達することができる形状および/または構成を有すると一般的に説明され得る。
【0017】
図1は、少なくとも一つの光学識別子102を画定する光(例えば、赤外線光)を放射する光ビーコン100の概略図を示す。光学識別子102の少なくとも一部分は、ロボットクリーナー104が光ビーコン100に向かって一般に移動している時に、ロボットクリーナー104の移動方向に対して横方向に延在すると示される。光学識別子102は、光学識別子102の少なくとも一部分を検出すると、ロボットクリーナー104に関連する動作を行わせるように、ロボットクリーナー104の動作と関連付けられ得る。言い換えれば、光学識別子102は、光学識別子102の検出により、ロボットクリーナー104に、それに関連付けられた動作を実行させるように、ロボットクリーナー104によって実行されることができる動作と関連付けられる。
【0018】
ロボットクリーナー104は、本体105と、掃除される表面(例えば、床)を横切って本体105を促すように構成される、一つまたは複数の駆動輪106(隠線で表示)と、本体105に連結され、光学識別子102の少なくとも一部がカメラ108を使用して検出され得るように構成される、少なくとも一つのカメラ108(隠線で表示)(例えば、前方、上方、または下方方向に向けられた単眼またはステレオカメラ)と、少なくとも一つのメモリー112(隠線で表示)に連結される、少なくとも一つのプロセッサー110(隠線で表示)であって、メモリー112に格納された一つまたは複数の命令を実行するように構成され、一つまたは複数の命令は、ロボットクリーナー104に一つまたは複数の動作を実行させる、プロセッサー110と、を含む。例えば、光学識別子102がカメラ108を使用して検出されると、プロセッサー110は、ロボットクリーナー104に、検出された光学識別子102に関連付けられた動作を実行させることができる。動作には、一つまたは複数のナビゲーション動作(例えば、ロボットクリーナー104がエリアを回避または侵入するようにする動作)、クリーニング動作(例えば、吸引力および/またはブラシロール速度の調整など、ロボットクリーナーにクリーニング行為を変更させる動作)、マッピング動作(例えば、検出された光学識別子102に関連付けられたマップをロードすること、または現在のマップを検出された光学識別子102に関連付けること)、および/またはその他の動作が含まれてもよい。
【0019】
一部の実例では、光ビーコン100は、光ビーコン100が光学識別子を画定する光を生成することができるように、光ビーコン100に給電するための一つまたは複数の電池を含み得る。一つまたは複数の電池は、充電可能であり得る。追加的に、または代替的に、光ビーコン100は、電気グリッド(例えば、家庭内の電源コンセントを介して)に電気的に結合するように構成され得る。
【0020】
図2は、壁204によって第二の部屋202から分離された第一の部屋200を有する、床プランの概略実施例を示す。示されるように、図1の光ビーコン100の実施例であり得る光ビーコン206は、壁204の開口部208(例えば、戸口)内に配置される。光ビーコン206は、少なくとも第一の光学識別子210および第二の光学識別子212を生成するように構成される。第一および第二の光学識別子210および212は、実質的に直線的な構成を有し、光ビーコン206から離れる方向に延在し得る。しかしながら、他の構成も可能である(例えば、第一の光学識別子および第二の光学識別子のうちの一つまたは複数は、光ビーコン206の周りに少なくとも部分的に延在し得る)。光学識別子210および212のそれぞれは、それに関連付けられたロボットクリーナー104によって実行されることができる対応する動作を有し得る。
【0021】
例えば、第一の光学識別子210は、ナビゲーション動作(例えば、ロボットクリーナー104に開口部208を通過させる動作に対応する)に対応してもよく、第二の光学識別子212は、クリーニング動作(例えば、吸引力またはブラシロール回転速度に対応する)またはマッピング動作(例えば、第二の光学識別子212に関連付けられたマップのロード)に対応し得る。一部の実例では、複数の動作は、第二の光学識別子212と関連付けられてもよく、複数の動作のうちの少なくとも一つは、第一および第二の光学識別子210および212の検出の順序に、少なくとも部分的にさらに基づく。例えば、第二の光学識別子212が第一の光学識別子210の前に検出される場合、第二の光学識別子212は、ナビゲーション動作(例えば、ロボットクリーナー104に開口部208を通過させないようにさせる動作)に対応し得る。しかし、第一の光学識別子210が第二の光学識別子212の前に検出される場合、第二の光学識別子212は、クリーニング動作に対応し得る。言い換えれば、光ビーコン206は、開口部208の一つの方向ゲートウェイとして機能するように構成され得る。
【0022】
追加的に、または代替的に、複数の動作は、第一または第二の光学識別子210および212のうちの一つまたは複数と関連付けられてもよく、少なくとも一つの動作は、一つまたは複数の所定の基準(例えば、掃除期間、移動距離、残りの電池電力、および/または同種のもの)にさらに関連付けられる。例えば、第一の光学識別子210および/または第二の光学識別子212は、所定の基準が満たされるまで(例えば、電池の残りの電力が閾値を下回る、クリーニング持続時間が閾値を超える、移動距離が閾値を超える、および/または類似のもの)、ナビゲーション動作(例えば、ロボットクリーナー104に開口部208を通過させない動作)に対応し得る。言い換えれば、光ビーコン206は、ロボットクリーナー104が、所定の基準が満たされるまで、第一の部屋200と第二の部屋202の間を通過するのを防止するように構成され得る。
【0023】
図3は、図1の光ビーコン100の実施例であり得る、光ビーコン300の概略断面図を示す。光ビーコン300は、一つまたは複数の線形光学識別子302(例えば、図2の第一および第二の光学識別子210および212)を生成するよう構成され得る。示されるように、光ビーコン300は、光ビーコン300のハウジング301内に少なくとも部分的に配置され、光学識別子発生器304に光(例えば、赤外線)を放射するように構成される、光エミッター303(例えば、発光ダイオード)を含む。このように、光エミッター303は、光学識別子発生器304に光学的に連結されるものとして一般的に説明され得る。光学識別子発生器304は、光学識別子発生器304への入射光が線形光学識別子302を形成するように成形されるように構成される。
【0024】
例えば、光学識別子発生器304は、光が表面(例えば、床、壁、天井、および/または任意の他の表面)を横切って直線的に延在するように、通過する光を成形するように構成され得る。これらの例では、光学識別子発生器304は、一つまたは複数の不透明な部分(非光透過性部分)と、それを通過する光が光学識別子302を画定するように成形されるように一つまたは複数の光透過性部分とを有する材料を含む。例えば、形状光は、ジグザグ形状、湾曲形状、斑点パターン、および/または任意の他の形状/パターンを画定し得る。
【0025】
光学識別子発生器304は、光がフィルムによって画定される識別子に従って通過するように、光透過性および不透明な部分を有するフィルムを含み得る。追加的に、または代替的に、光学識別子発生器304は、光学識別子302を投影するために協働するように構成される複数の光放射部分を有する光ガイドを含み得る。追加的に、または代替的に、光学識別子発生器304は、回折光学素子を含んでもよい。追加的に、または代替的に、光学識別子発生器304はプリズムを含んでもよい。
【0026】
図4は、開口部405(例えば、戸口)を有する壁404によって第二の部屋402から分離された第一の部屋400を有する床プランの概略実施例を示す。示されるように、図1の光ビーコン100の実施例であり得る光ビーコン406は、第二の部屋402内に配置される。光ビーコン406は、有界領域407を画定する光ビーコン406の周りに延在する少なくとも一つの光学識別子408を生成するように構成される。例えば、光学識別子408は、環状形状、正方形形状、長方形形状、五角形形状、三角形状、八角形形状、および/または任意の他の形状を有し得る。
【0027】
光学識別子408を検出すると、ロボットクリーナー104は、光学識別子408に関連付けられた一つまたは複数の動作(例えば、ナビゲーション動作、クリーニング動作、マッピング動作、および/または任意の他の動作)を実施するように引き起こされ得る。例えば、光ビーコン406は、有界領域407がロボットクリーナー104が移動しない領域を画定するように、第二の部屋402の一部分に配置され得る。さらなる例として、光ビーコンは、有界領域407が、ロボットクリーナー104に強化された掃除(例えば、吸引力および/またはブラシロール速度を増加させる)を行わせる領域を画定するように、第二の部屋402の一部分に配置され得る。
【0028】
一部の実例では、光ビーコン406は、複数の光学識別子408を生成するように構成され得る。図2に関連して論じたように、ロボットクリーナー104によって実行されるように引き起こされる動作は、ロボットクリーナー104が光学識別子408のそれぞれを検出する順序に、少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0029】
図5は、その中に配置されるドッキングステーション502を有する部屋500の概略的な床プランを示し、ドッキングステーション502は、図4の光ビーコン406の実施例であり得る。ドッキングステーション502は、ロボットクリーナー104の一つまたは複数の電池が再充電され得るように、ロボットクリーナー104に電気的に結合するように構成され得る。一部の実例では、ドッキングステーション502は、ロボットクリーナー104のダストカップから破片を除去するように構成され得る。
【0030】
示されるように、ドッキングステーション502は、少なくとも第一の光学識別子504および第二の光学識別子506を生成するように構成され得る。第一の光学識別子504は、第一の動作(例えば、ナビゲーション動作、クリーニング動作、マッピング動作、および/または任意の他の動作)に対応してもよく、第二の光学識別子506は、第二の動作(例えば、ナビゲーション動作、クリーニング動作、マッピング動作、および/または任意の他の動作)に対応し得る。一部の実例では、第一および第二の光学識別子504および506に関連付けられた動作は、第一および第二の光学識別子504および506が検出される順序に、少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、第一の光学識別子504は、ロボットクリーナー104に、第一および第二の光学識別子504および506によって画定される有界領域508に入るようにさせるナビゲーション動作に対応することができる。第一の光学識別子504が第二の光学識別子506の前に検出されるとき、第二の光学識別子506は、例えば、ドッキングステーションのタイプ(例えば、ドッキングステーションがロボットクリーナーのダストカップから破片を除去できるかどうか)を示し得る。しかし、第二の光学識別子506が第一の光学識別子504の前に検出されると、第二の光学識別子506は、ナビゲーション動作(例えば、ロボットクリーナー104が有界領域508を出ることを防止する動作)に対応し得る。このように、ロボットクリーナー104は、ロボットクリーナー104がドッキングステーション502と係合できるように、ドッキングステーション502に近接して維持され得る。
【0031】
追加的に、または代替的に、第一および第二の光学識別子504および506のうちの一つまたは複数が、複数の動作と関連付けられてもよい。動作の少なくとも一つは、一つまたは複数の所定の基準(例えば、掃除期間、移動距離、残りの電池電力、および/または同種のもの)にさらに関連付けられてもよい。例えば、第二の光学識別子506は、電池電力の計測値が閾値を下回る場合、ロボットクリーナー104が有界領域508を出ることを防止するナビゲーション動作に対応し得る。
【0032】
図6は、図1の光ビーコン100の実施例であり得る、光ビーコン600の概略断面図を示す。光ビーコン600は、光ビーコン600の周りに環状に延在する光学識別子602を生成するように構成される。示されるように、光ビーコン600は、光ビーコン600のハウジング601内に少なくとも部分的に配置され、光経路606に沿って光(例えば、赤外線光)を放射するように構成される、光エミッター604(例えば、発光ダイオード)を含む。光経路606は、光エミッター604から延伸し、光学識別子発生器608に入射する。光経路606は、光学識別子発生器608から光ビーコン600を囲む環境内に延びる。
【0033】
光学識別子発生器608は、光学識別子発生器608への入射光が、周囲環境(例えば、床、壁、天井、および/または任意の他の表面)内に投影される識別子を有するように形状付けられるように構成され得る。例えば、光学識別子発生器608は、プリズム、円錐ミラー(例えば、生成される光学識別子の形状を画定する一つまたは複数の非反射部分を有する)、回折光学素子、および/または識別子を生成することができる任意の他の光学素子を含み得る。一部の実例では、光学識別子発生器608は、光を一つまたは複数のプリズムに方向づけるように構成される円錐ミラー、識別子を画定する不透明かつ透過性の部分を有する一つまたは複数のフィルム、一つまたは複数の回折光学素子、および/または識別子を生成することができる任意の他の光学素子を含み得る。
【0034】
図7は、図1の光学識別子102などの光学識別子の少なくとも一部を検出することに応答して、図1のロボットクリーナー104などのロボットクリーナーを使用して動作を実行する例示的な方法700のフローチャートを示している。方法700は、ステップ702を含み得る。ステップ702は、ロボットクリーナーのカメラを使用して、光ビーコンによって表面(例えば、床、壁、天井、および/または任意の他の表面)上に投影された光学識別子の少なくとも一部分を検出することを含み得る。例えば、光学識別子は、掃除される表面上に投影され得る。
【0035】
方法700はまた、ステップ704を含んでもよい。ステップ704は、検出された光学識別子が、検出された識別子の少なくとも一部分と、ロボットクリーナーのメモリー内に格納された一つまたは複数の既知の識別子との比較に、少なくとも部分的に基づいて、既知であるかを決定することを含み得る。検出された識別子が既知の識別子に対応することを示す比較に応答して、検出された識別子に関連付けられた少なくとも一つの動作(例えば、クリーニング動作、ナビゲーション動作、マッピング動作、および/または任意の他の動作)を決定する。一部の実例では、検出された識別子は、それに関連付けられた複数の動作を有するように決定され得る。検出された識別子が既知の識別子に対応していない(すなわち、検出された識別子が不明である)ことを示す比較に応答して、ロボットクリーナーは、検出された識別子を少なくとも一つの動作(例えば、クリーニング動作、ナビゲーション動作、マッピング動作、および/または任意の他の動作)と関連付けるように構成され得る。例えば、ロボットクリーナーは、ユーザーが検出された識別子に関連付ける動作を決定するように、問い合わせするように構成され得る。
【0036】
方法700はまた、ステップ706を含んでもよい。ステップ706は、複数の光学識別子の少なくとも一部が、所定の期間(例えば、0.5秒、1秒、2秒、および/または任意の他の所定の期間)内に検出されるかどうかを決定することを含み得る。例えば、複数の光学識別子が検出される場合(各々が既知であり、それに関連付けられた少なくとも一つの動作を有する)、ロボットクリーナーは、複数の光学識別子のうちの一つまたは複数に関連付けられた動作のうちの一つまたは複数が、第一および第二の光学識別子が検出される順序に関連付けられているかを決定するように構成され得る。動作が、検出の順序とも関連付けられていると決定される場合、光学識別子が検出される順序を決定し、ロボットクリーナーが、検出の順序および対応する光学識別子に関連付けられた動作を行うように構成され得る。言い換えれば、ロボットクリーナーに、検出された識別子に関連付けられた一つまたは複数の動作を、検出の順序に、少なくとも部分的に基づいて実行させることができる。動作が、検出の順序と関連付けられると決定されない場合、ロボットクリーナーは、それぞれの光学識別子に関連付けられた各動作を実施する、および/または動作を検出の順序(例えば、ロボットクリーナーのユーザーへの問い合わせに応答して)に少なくとも部分的に基づいている、検出された識別子のうちの一つまたは複数と関連付けるように構成され得る。
【0037】
方法700はまた、ステップ708を含んでもよい。ステップ708は、所定の基準(例えば、クリーニング期間、移動距離、残りの電池電力、および/または類似のもの)が、検出された光学識別子に対応する動作と関連付けられるかどうかを決定することを含み得る。所定の基準が動作と関連付けられる場合、ロボットクリーナーは、所定の基準が満たされる場合にのみ動作を実施するように構成され得る。
【0038】
方法700はまた、ステップ710を含んでもよい。ステップ710は、ロボットクリーナーに、一つまたは複数の光学識別子に関連付けられた一つまたは複数の動作を実行させることを含み得る。
【0039】
方法700は、命令が一つまたは複数のプロセッサーによって実行されるとき、方法700を実行させ得るように、少なくとも一つの非一時的コンピューター可読媒体において命令として具現化することができる。一部の実例では、方法700の一つまたは複数のステップを回路(例えば、特定用途向け集積回路)において具現化することができる。このように、方法700は、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアの任意の組み合わせを使用して実施することができる。
【0040】
図8は、部屋803内に配置されたメインビーコン800およびサテライトビーコン802の概略実施例を示す。メインビーコン800およびサテライトビーコン802は、図1の光ビーコン100の実施例であり得る。メインビーコン800は、電源コンセント804を介して電気グリッドに電気的に連結されるように構成され得る。一部の実例では、メインビーコン800は、ロボットクリーナー104の一つまたは複数の充電式電池を充電するように構成されるドッキングステーションであり得る。サテライトビーコン802は、一つまたは複数の充電式電池806(隠線で示される)によって給電されるように構成され得る。
【0041】
メインビーコン800は、サテライトビーコン802の一つまたは複数の充電式電池806を充電するように構成され得る。例えば、メインビーコン800は、サテライトビーコン802上に配置された複数のサテライト充電接点810に電気的に結合するように構成される複数のメイン充電接点808を含み得る。追加的に、または代替的に、一つまたは複数の充電式電池806は、電源ケーブルを介して、サテライトビーコン802を電源コンセント804に電気的に結合することによって再充電することができる。
【0042】
一部の実例では、ロボットクリーナー104は、サテライトビーコン802を再充電するように構成され得る。例えば、クリーニング動作を実施する時、ロボットクリーナー104が、サテライト光学識別子812を画定する光の強度が閾値を下回っていることを検出する場合、ロボットクリーナー104は、ロボットクリーナー104の一つまたは複数の充電式電池を使って、サテライトビーコン802の一つまたは複数の充電式電池806を充電するために、サテライトビーコン802(クリーニング動作の完了後)に電気的に結合ことができる。このように、一つまたは複数の充電式電池806は、ロボットクリーナー104のユーザーを関与させることなく再充電され得る。
【0043】
本開示と一致する光ビーコンの一例は、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置される光エミッターと、光エミッターに光学的に連結された光学識別子発生器とを含み得る。光学識別子発生器への入射光は、少なくとも一つの光学識別子に成形され得る。光学識別子は、ロボットクリーナーによる光学識別子の検出がロボットクリーナーに動作を行わせるように、ロボットクリーナーによって実行できる動作と関連付けられてもよい。
【0044】
一部の実例では、光学識別子発生器は、回折光学素子を含み得る。一部の実例では、光学識別子発生器はプリズムを含み得る。一部の実例では、少なくとも一つの光学識別子は、複数の光学識別子を含んでもよく、各光学識別子は、それに関連付けられた対応する動作を有する。一部の実例では、光学識別子は、実質的に直線であり得る。一部の実例では、光学識別子は、ハウジングの周りに延在し、有界領域を画定し得る。一部の実例では、光学識別子は、ハウジングの周りに環状に延在し得る。一部の実例では、動作は、クリーニング動作またはナビゲーション動作のうちの一つまたは複数であり得る。一部の実例では、光ビーコンは、一つまたは複数の充電式電池をさらに含み得る。一部の実例では、一つまたは複数の充電式電池は、ロボットクリーナー用のドッキングステーションを使用して再充電されてもよく、ドッキングステーションは、電源コンセントを介して電気グリッドに電気的に連結される。一部の実例では、一つまたは複数の充電式電池は、ロボットクリーナーを使用して再充電され得る。
【0045】
本開示によるロボットクリーナーの実施例は、本体と、掃除される表面を横切って本体を付勢するように構成される一つまたは複数の駆動輪と、本体に連結されたカメラと、少なくとも一つのメモリーに格納された一つまたは複数の命令を実行するように構成される少なくとも一つのプロセッサーとを含み得る。一つまたは複数の命令を実行すると、プロセッサーは、ロボットクリーナーに、光ビーコンによって掃除される表面に投影された少なくとも一つの光学識別子を検出することと、検出された光学識別子が、検出された光学識別子の少なくとも一部とメモリーに格納された一つまたは複数の既知の光学識別子との比較に少なくとも部分的に基づいて、既知であるかどうかを決定することと、検出された光学識別子が既知であるとの決定に応答して、検出された光学識別子に関連する少なくとも一つの動作を決定することと、ロボットクリーナーに決定された動作を実行させることと、を含む動作を実行させることができる。
【0046】
一部の実例では、動作は、光学識別子が不明であると決定することに応答して、ロボットクリーナーに、少なくとも一つの動作を検出された光学識別子と関連付けさせてもよい。一部の実例では、複数の光学識別子が検出されてもよく、光学識別子の各々が既知であり、かつそれに関連付けられた少なくとも一つのそれぞれの動作を有する。一部の実例では、複数の光学識別子のうちの少なくとも一つは、それに関連付けられた複数の動作を有し得る。一部の実例では、動作は、複数の光学識別子に対する検出の順序を決定することをさらに含んでもよい。一部の実例では、ロボットクリーナーは、検出の順序に、少なくとも部分的に基づいて、光学識別子の少なくとも一つに関連付けられた複数の動作のうちの一つまたは複数を実行させられ得る。一部の実例では、光学識別子は、実質的に直線であり得る。一部の実例では、光学識別子は、光ビーコンの周りに延在し、有界領域を画定し得る。一部の実例では、光学識別子は、光ビーコンの周りに環状に延在し得る。
【0047】
本発明の原理は本明細書に記載されるが、本記述は、例としてのみ行われ、本発明の範囲に限定されないことは、当業者によって理解されるべきである。その他の実施形態は、本明細書に示される例示的な実施形態に加えて、本発明の範囲内で意図される。当業者による修正および置換は、本発明の範囲内であると考えられ、以下の特許請求の範囲を除いて限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】