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特表2022-511808真空掃除機ブラシロール及び真空掃除機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】真空掃除機ブラシロール及び真空掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20220125BHJP
【FI】
A47L9/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531227
(86)(22)【出願日】2018-12-07
(85)【翻訳文提出日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2018083904
(87)【国際公開番号】W WO2020114605
(87)【国際公開日】2020-06-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516124465
【氏名又は名称】アクチエボラゲット エレクトロルックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カールション、ロジャー
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA04
3B061AA06
3B061AD03
3B061AD04
3B061AD13
3B061AE02
(57)【要約】
軸(ax)のまわりを回転するように配置されたブラシ本体(3)と、軸(ax)のまわりで第1の螺旋(7.1)に沿ってブラシ本体(3)の第1の軸方向半部(3')上に配置されたブラシ毛の第1の列(5.1)と、軸(ax)のまわりで第2の螺旋(7.2)に沿ってブラシ本体(3)の第2の軸方向半部(3'')上に配置されたブラシ毛の第2の列(5.2)とを備える真空掃除機ブラシロール(1)が開示される。第2の螺旋(7.2)のねじれは、第1の螺旋(7.1)のねじれに対向する。ブラシ毛の第1の列(5.1)は、第1のタイプのブラシ毛(11.1)を備え、ブラシ毛の第2の列(5.2)は、第1のタイプのブラシ毛(11.1)とは異なる特性を有する第2のタイプのブラシ毛(11.2)を備える。本開示はさらに、ブラシロール(1)を備える真空掃除機(30、31)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸のまわりを回転するように配置されたブラシ本体と、
前記軸のまわりで第1の螺旋に沿って前記ブラシ本体の第1の軸方向半部上に配置されたブラシ毛の第1の列と、
前記軸のまわりで第2の螺旋に沿って前記ブラシ本体の第2の軸方向半部上に配置されたブラシ毛の第2の列と
を備え、
前記第2の螺旋のねじれが、前記第1の螺旋のねじれに対向し、前記ブラシ毛の第1の列が、第1のタイプのブラシ毛を備え、前記ブラシ毛の第2の列が、前記第1のタイプのブラシ毛とは異なる特性を有する第2のタイプのブラシ毛を備える、
真空掃除機ブラシロール。
【請求項2】
前記第2のタイプのブラシ毛が、前記第1のタイプのブラシ毛より軟らかい、請求項1に記載のブラシロール。
【請求項3】
前記第2のタイプのブラシ毛が、前記第1のタイプのブラシ毛よりも前記軸からさらに延在する、請求項1又は2に記載のブラシロール。
【請求項4】
前記ブラシロールが、意図された回転方向に回転するように配置され、前記ブラシロールが前記軸のまわりを前記意図された回転方向に回転しているとき、前記ブラシ毛の第1の列及び前記ブラシ毛の第2の列の一部と前記軸を備える固定平面との間の交点を、前記第1の軸方向半部と前記第2の軸方向半部との間の分離平面の方へ移動させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のブラシロール。
【請求項5】
前記ブラシ毛の第2の列が、前記ブラシ毛の第1の列に隣接する、請求項1~4のいずれか一項に記載のブラシロール。
【請求項6】
前記ブラシロールが、前記軸のまわりで第3の螺旋に沿って前記第1の軸方向半部上に配置されたブラシ毛の第3の列と、前記軸のまわりで第4の螺旋に沿って前記第2の軸方向半部上に配置されたブラシ毛の第4の列とをさらに備え、前記第4の螺旋のねじれが、前記第1の螺旋及び前記第3の螺旋のねじれに対向する、請求項1~5のいずれか一項に記載のブラシロール。
【請求項7】
前記ブラシ毛の第3の列の前記ブラシ毛が、前記軸に垂直な平面において、前記ブラシ毛の第1の列の前記ブラシ毛から半回転して配置され、前記ブラシ毛の第4の列の前記ブラシ毛が、前記軸に垂直な平面において、前記ブラシ毛の第2の列の前記ブラシ毛から半回転して配置される、請求項6に記載のブラシロール。
【請求項8】
前記ブラシ毛の第1の列、第2の列、第3の列、及び第4の列のそれぞれが、それらのそれぞれの延長に沿って前記軸のまわりで約半回転ねじられる、請求項6又は7に記載のブラシロール。
【請求項9】
前記ブラシ毛の第3の列が、前記第2のタイプのブラシ毛を備え、前記ブラシ毛の第4の列が、前記第1のタイプのブラシ毛を備える、請求項6~8のいずれか一項に記載のブラシロール。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のブラシロールを備える、真空掃除機。
【請求項11】
前記真空掃除機が、前記軸のまわりで前記ブラシロールを回転させるために配置されたモータを備える、請求項10に記載の真空掃除機。
【請求項12】
前記モータが、前記ブラシ本体内に配置される、請求項11に記載の真空掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作動中、軸のまわりを回転するように配置される真空掃除機ブラシロールに関する。本開示はさらに、ブラシロールを備える真空掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機は、床、カーペットなどの表面から塵及びごみを吸い上げるために、エアポンプ、多くの場合、遠心ファンを使用して部分真空をつくる装置である。一部の真空掃除機には、真空掃除機の作動中に回転するブラシロールが備えられている。ブラシロールは、清掃効率を改善することができるが、それは、ブラシロールのブラシ毛が、表面への当接によって、表面から粒子、塵、及びごみを取り除くことができるためである。
【0003】
一般に、真空掃除機及び真空掃除機の構成要素を設計する際、いくつかの問題及び要求が存在している。1つの例は、すでに上で示された、清掃効率である。真空掃除機の使用者は、労力をかけずに良好な清掃結果を得るために、高い清掃効率を期待している。別の問題は、作動中の騒音レベルである。真空掃除機によって発生する騒音は、通常、使用者にとって、そして、真空掃除機の近くの人にとって不快なものである。さらに別の問題は、簡単且つ直感的な方法で使用できる使い勝手の良い真空掃除機を提供することである。
【0004】
さらに、一般に、今日の消費者市場では、真空掃除機及び真空掃除機構成要素などの製品が、費用効率の高い方法での製造及び組立てに適した状態及び/又は特性を有する場合、それは利点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記問題及び欠点のうちの少なくともいくつかを克服、又は、少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によると、目的は、軸のまわりを回転するように配置されたブラシ本体と、軸のまわりで第1の螺旋に沿ってブラシ本体の第1の軸方向半部上に配置されたブラシ毛の第1の列と、軸のまわりで第2の螺旋に沿ってブラシ本体の第2の軸方向半部上に配置されたブラシ毛の第2の列とを備え、第2の螺旋のねじれが第1の螺旋のねじれに対向する、真空掃除機ブラシロールによって達成される。ブラシ毛の第1の列は、第1のタイプのブラシ毛を備え、ブラシ毛の第2の列は、第1のタイプのブラシ毛とは異なる特性を有する第2のタイプのブラシ毛を備える。
【0007】
第2の螺旋のねじれが第1の螺旋のねじれに対向するので、粒子、塵、及び屑をブラシロールの所定の部分に移動させて、集めるブラシロールが提供される。すなわち、ブラシロールを第1の回転方向に回転させることによって、粒子、塵、及び屑を、ブラシロールの中心部分に移動させて、集めることができる。それによって、ブラシロールの中心部分に吸引入口ノズルを有する真空掃除機にブラシロールが配置されるとき、真空掃除機の清掃効率は改善される。さらにまた、第1の回転方向とは反対の、第2の回転方向にブラシロールを回転させることによって、粒子、塵、及び屑を、ブラシロールのそれぞれの端部部分に移動させて、集めることができる。このようにして、ブラシロールの各端部部分に1つの吸引入口ノズルを有する真空掃除機にブラシロールが配置されるとき、真空掃除機の清掃効率は改善される。
【0008】
さらに、ブラシ毛の第1の列が第1のタイプのブラシ毛を備え、且つ、ブラシ毛の第2の列が第1のタイプのブラシ毛とは異なる特性を有する第2のタイプのブラシ毛を備えるので、ブラシロールを備える真空掃除機の使い勝手の良さを改善するブラシロールが提供される。これは、たとえば、真空掃除機上のレバー又は真空掃除機の清掃ノズル上のレバーを切り換えることによる清掃手順の中断をすることなく、第1のタイプのブラシ毛が清掃に最適である第1のタイプの表面上、及び、第2のタイプのブラシ毛が清掃に最適である第2のタイプの表面上で、ブラシロールを使用することができるためである。
【0009】
したがって、上記問題及び欠点の少なくともいくつかを克服、又は、少なくとも軽減するブラシロールが提供される。結果として、上記目的が達成される。
【0010】
任意選択的に、第2のタイプのブラシ毛は、第1のタイプのブラシ毛より軟らかい。第2のタイプのブラシ毛が、第1のタイプのブラシ毛より軟らかいので、第2のタイプのブラシ毛は、第1のタイプのブラシ毛よりも、床面などの硬い表面の清掃により適している。逆に、第1のタイプのブラシ毛は、第2のタイプのブラシ毛より硬いので、第1のタイプのブラシ毛は、第2のタイプのブラシ毛よりも、カーペットなどのより軟らかい表面の清掃により適している。したがって、ブラシロールは、より軟らかいタイプのブラシ毛及びより硬いタイプのブラシ毛の両方を備えるので、たとえば、真空掃除機上のレバー又は真空掃除機の清掃ノズル上のレバーを切り換えることによる清掃手順の中断をすることなく、より硬い表面上及びより軟らかい表面上で使用することができる、汎用的なブラシロールが提供される。
【0011】
任意選択的に、第2のタイプのブラシ毛は、第1のタイプのブラシ毛よりも軸からさらに延在する。第2のタイプのブラシ毛が、第1のタイプのブラシ毛よりも軸からさらに延在するので、第2のタイプのブラシ毛は、第1のタイプのブラシ毛よりも、床面などの硬い表面の清掃により適している。逆に、第1のタイプのブラシ毛は、第2のタイプのブラシ毛よりも軸からの延在距離が短いので、第1のタイプのブラシ毛は、第2のタイプのブラシ毛よりも、カーペットなどのより軟らかい表面の清掃により適している。さらに、カーペットなどのより軟らかい表面を清掃するとき、第2のタイプのブラシ毛は、第1のタイプのブラシ毛が軟らかい表面に到達することを可能にするために曲がる。したがって、たとえば、真空掃除機上のレバー又は真空掃除機の清掃ノズル上のレバーを切り換えることによる清掃手順の中断をすることなく、より硬い表面上及びより軟らかい表面上で使用することができる汎用的なブラシロールが提供される。
【0012】
任意選択的に、ブラシロールは、意図された回転方向に回転するように配置され、ブラシロールが軸のまわりを意図された回転方向に回転しているとき、ブラシ毛の第1の列及びブラシ毛の第2の列の一部と軸を備える固定平面との間の交点を、第1の軸方向半部と第2の軸方向半部との間の分離平面の方へ移動させる。それによって、ブラシロールを意図された回転方向に回転させることによって、粒子、塵、及び屑を、ブラシロールの中心部分に移動させて、集める。それによって、清掃効率は改善され、ブラシロールの中心部分に吸引入口ノズルを有する真空掃除機のための状態が提供される。さらに、このようにして、費用効率の高い方法での製造及び組立てに適した状態及び特性を有する真空掃除機のための状態が提供される。
【0013】
任意選択的に、ブラシ毛の第2の列は、ブラシ毛の第1の列に隣接する。それによって、清掃効率はさらに改善される。これは、ブラシ毛が実質的にブラシ本体の全長を覆うため、且つ、ブラシ毛の第1の列及び第2の列のブラシ毛が、ブラシロールの中心部分において、被清掃面から真空掃除機の吸込口の方への粒子、塵、及び屑の移動を支援できるという事実のためである。
【0014】
任意選択的に、ブラシロールは、軸のまわりで第3の螺旋に沿って第1の軸方向半部上に配置されたブラシ毛の第3の列と、軸のまわりで第4の螺旋に沿って第2の軸方向半部上に配置されたブラシ毛の第4の列とをさらに備え、第4の螺旋のねじれは、第1の螺旋及び第3の螺旋のねじれに対向する。第4の螺旋のねじれが第1の螺旋及び第3の螺旋のねじれに対向し、且つ、第2の螺旋のねじれが第1の螺旋のねじれに対向するという事実は、第1の軸方向半部上に配置されたブラシ毛の第1の列及びブラシ毛の第3の列のねじれ方向が同じであり、且つ、第2の軸方向半部上に配置されたブラシ毛の第2の列及びブラシ毛の第4の列のねじれ方向が同じであることを示す。このようにして、清掃効率が改善され、粒子、塵、及び屑をブラシロールの所定の部分に移動させて集めるブラシロールが提供される。
【0015】
任意選択的に、ブラシ毛の第3の列のブラシ毛は、軸に垂直な平面において、ブラシ毛の第1の列のブラシ毛から半回転して配置され、ブラシ毛の第4の列のブラシ毛は、軸に垂直な平面において、ブラシ毛の第2の列のブラシ毛から半回転して配置される。このようにして、ブッシュロールによって発生する騒音は小さくなり、清掃効率はさらに改善される。
【0016】
任意選択的に、ブラシ毛の第1の列、第2の列、第3の列、及び第4の列のそれぞれは、それらのそれぞれの延長に沿って軸のまわりで約半回転ねじられる。それによって、ブッシュロールによって発生する騒音はさらに小さくなる。さらに、清掃効率はさらに改善される。これは、ブラシ毛の列の2つの部分が、ブラシロールの回転中、掃除対象表面に連続的に面するためである。そのさらなる結果として、ブラシロールは、ブラシロールの作動中、円滑で等しい抵抗トルクを提供する。
【0017】
任意選択的に、ブラシ毛の第3の列は第2のタイプのブラシ毛を備え、ブラシ毛の第4の列は第1のタイプのブラシ毛を備える。それによって、ブッシュロールによって発生する騒音はさらに小さくなる。これは、第1のタイプのブラシ毛を備えるブラシ毛の列の1つの部分及び第2のタイプのブラシ毛を備えるブラシ毛の列の1つの部分が、ブラシロールの回転中、掃除対象表面に連続的に面するためである。そのさらなる結果として、ブラシロールは、ブラシロールの作動中、円滑で等しい抵抗トルクを提供する。さらに、清掃効率はさらに改善される。これは、床面又はカーペットなどの表面の一部が、第1のタイプのブラシ毛及び第2のタイプのブラシ毛に周期的に面するためである。
【0018】
本発明の第2の態様によると、目的は、本開示のいくつかの実施形態によるブラシロールを備える真空掃除機によって達成される。真空掃除機がいくつかの実施形態によるブラシロールを備えるので、清掃効率の改善された使い勝手の良い真空掃除機が提供される。
【0019】
したがって、上記問題及び欠点の少なくともいくつかを克服、又は、少なくとも軽減する真空掃除機が提供される。結果として、上記目的が達成される。
【0020】
任意選択的に、真空掃除機は、軸のまわりでブラシロールを回転させるために配置されたモータを備える。それによって、真空掃除機の作動中、ブラシロールを確実に回転させる真空掃除機が提供される。
【0021】
本発明のさらなる特徴、及び利点は、添付の特許請求の範囲及び以下の詳細説明を検討するとき明らかになるであろう。
【0022】
その特定の特徴及び利点を含む本発明のさまざまな態様は、以下の詳細説明及び添付図面において論じられる例示的な実施形態から、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】いくつかの実施形態による、真空掃除機ブラシロールを示す。
図2】別の回転位置における、図1に示されたブラシロールを示す。
図3図1に示された平面内におけるブラシロールの断面を示す。
図4図1に示された平面内におけるブラシロールの断面を示す。
図5】いくつかの実施形態による真空掃除機を示す。
図6】いくつかのさらなる実施形態による真空掃除機を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで、本発明の態様がより完全に記載される。同じ数字は全体を通して同じ要素を指す。簡潔さ及び/又は明瞭さのために、よく知られている機能又は構成は必ずしも詳細に記載されるわけではない。
【0025】
図1は、いくつかの実施形態による、真空掃除機ブラシロール1を示す。簡潔さ及び明瞭さのために、真空掃除機ブラシロール1は、本明細書のいくつかの場所では「ブラシロール1」と呼ばれる。ブラシロール1は、軸axのまわりを回転するように配置されたブラシ本体3を備える。示された実施形態によると、ブラシ本体3は円筒状であり、軸axは、円筒状ブラシ本体3の中心軸と一致する。ブラシ本体3は、第1の軸方向半部3'と、第2の軸方向半部3''とを備え、それらは、以下で説明されるように、ブラシロール1の組立てプロセスで組み立てることができるそれぞれの個別の部分を備えてもよい。
【0026】
ブラシロール1は、軸axのまわりで第1の螺旋7.1に沿ってブラシ本体3の第1の軸方向半部3'上に配置されたブラシ毛の第1の列5.1を備える。さらに、ブラシロール1は、軸axのまわりで第2の螺旋7.2に沿ってブラシ本体3の第2の軸方向半部3''上に配置されたブラシ毛の第2の列5.2を備える。図1から分かるように、第2の螺旋7.2のねじれは、第1の螺旋7.1のねじれに対向する。さらに、以下でさらに説明されるように、ブラシ毛の第1の列5.1は、第1のタイプのブラシ毛11.1を備え、ブラシ毛の第2の列5.2は、第1のタイプのブラシ毛11.1とは異なる特性を有する第2のタイプのブラシ毛11.2を備える。
【0027】
示された実施形態によると、ブラシロール1は、意図された回転方向rdに回転するように配置され、ブラシロール1が軸axのまわりを意図された回転方向rdに回転しているとき、ブラシ毛の第1の列5.1及びブラシ毛の第2の列5.2の一部と軸axを備える固定平面p1との間の交点9.1、9.2を、第1の軸方向半部3'と第2の軸方向半部3''との間の分離平面p2の方へ移動させる。それによって、ブラシロール1の作動中、粒子、塵、及び屑は、分離平面p2の方へ、すなわち、ブラシロール1の中心部分に移動する。
【0028】
さらに、示された実施形態によると、ブラシロール1は、軸axのまわりで第3の螺旋7.3に沿って第1の軸方向半部3'上に配置されたブラシ毛の第3の列5.3と、軸axのまわりで第4の螺旋7.4に沿って第2の軸方向半部3''上に配置されたブラシ毛の第4の列5.4とをさらに備える。図1から分かるように、第4の螺旋7.4のねじれは、第1の螺旋7.1及び第3の螺旋7.3のねじれに対向する。したがって、第1の軸方向半部3'上に配置されたブラシ毛の第1の列5.1及びブラシ毛の第3の列5.3のねじれ方向は同じであり、第2の軸方向半部3''上に配置されたブラシ毛の第2の列5.2及びブラシ毛の第4の列5.4のねじれ方向は同じであること。それによって、意図された回転方向rdへのブラシロール1の回転の間、粒子、塵、及び屑は、第1の軸方向半部3'と第2の軸方向半部3''との間の分離平面p2の方へ、すなわち、ブラシロール1の中心部分に移動する。
【0029】
示された実施形態によると、ブラシ毛の第1の列5.1、第2の列5.2、第3の列5.3、及び第4の列5.4のそれぞれは、それらのそれぞれの延長に沿って軸axのまわりで約半回転ねじられる。さらに、ブラシ毛の第2の列5.2は、第1の軸方向半部3'と第2の軸方向半部3''との間の分離平面p2において、ブラシ毛の第1の列5.1に隣接し、分離平面p2にV字形を一緒に形成する。同様に、ブラシ毛の第3の列5.3は、第1の軸方向半部3'と第2の軸方向半部3''との間の分離平面p2において、ブラシ毛の第4の列5.4に隣接し、分離平面p2にV字形を一緒に形成する。
【0030】
図2は、別の回転位置における、図1に示されたブラシロール1を示す。上記のように、及び、図2で見ることができるように、ブラシ毛の第3の列5.3は、第1の軸方向半部3'と第2の軸方向半部3''との間の分離平面p2において、ブラシ毛の第4の列5.4に隣接し、分離平面p2にV字形を一緒に形成する。
【0031】
図1及び図2から分かるように、及び、図1に示されるように、ブラシ毛の第3の列5.3のブラシ毛11.3は、軸axに垂直な平面p3において、ブラシ毛の第1の列5.1のブラシ毛11.1から半回転して配置される。同様に、ブラシ毛の第4の列5.4のブラシ毛11.4は、軸axに垂直な平面p4において、ブラシ毛の第2の列5.2のブラシ毛11.2から半回転して配置される。
【0032】
図3は、図1に示された平面p3内におけるブラシロール1の断面を示す。図3から、ブラシ毛の第3の列5.3のブラシ毛11.3が、ブラシ毛の第1の列5.1のブラシ毛11.1から半回転して配置されていることは明らかである。
【0033】
図4は、図1に示された平面p4におけるブラシロール1の断面を示す。図4から、ブラシ毛の第4の列5.4のブラシ毛11.4が、ブラシ毛の第2の列5.2のブラシ毛11.2から半回転して配置されていることは明らかである。
【0034】
さらに、図1図4から分かるように、ブラシ毛の第1の列5.1及びブラシ毛の第4の列5.4は、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4を備える。さらにまた、ブラシ毛の第2の列5.2及びブラシ毛の第3の列5.3は、第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3を備える。第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3は、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4とは異なる清掃特性を有する。示された実施形態によると、第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3は、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4より軟らかく、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4よりも軸axからさらに延在する。したがって、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4は、第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3より硬く、第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3よりも軸axからの延在距離が短い。示された実施形態によると、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4は、カーペットなどのより軟らかい表面の清掃に特に適している。第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3は、床面などのより硬い表面の清掃に特に適している。床面などの硬い表面を清掃するとき、第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3は床面に当接する。カーペットなどのより軟らかい表面を清掃するとき、第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3は、表面と第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4との当接を可能にするために曲がる。
【0035】
第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4はそれ自体が、第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3より硬くてもよい。さらに、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4はそれぞれ、第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3より大きい直径を有してもよい。代案として、又は、さらに、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4は、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4を曲げるために必要な力を増加させるために、ブラシ本体3から突出する支持構造物13によって支持されてもよい。
【0036】
図1及び図2から明らかであるように、ブラシロール1の特徴のために、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4を備えるブラシ毛の列5.1、5.4の1つの部分、及び、第2のタイプのブラシ毛11.2、11.3を備えるブラシ毛の列5.2、5.3の1つの部分は、ブラシロール1の回転中、掃除対象表面に連続的に面する。それによって、ブラシロール1の作動中、ブラシロール1によって発生する騒音の量は少ない。さらにまた、ブラシロール1は、ブラシロール1の作動中、円滑で等しい抵抗トルクを提供する。さらに、ブラシロール1の特徴のために、清掃効率はさらに改善される。これは、床面又はカーペットなどの表面の一部が、第1のタイプのブラシ毛11.1、11.4及び第2のタイプのブラシ毛11.1、11.4に周期的に面するためである。
【0037】
前に示したように、示された実施形態によると、ブラシ本体3は、第1の軸方向半部3'と、第2の軸方向半部3''とを備え、それらは、それぞれの個別の部分を備える。ブラシ毛の列5.1、5.2、5.3、5.4のそれぞれは、ブラシ毛ストリップ上に配置される。ブラシロール1の組立てプロセスにおいて、組立作業者は、ブラシ毛ストリップを、第1の軸方向半部3'及び第2の軸方向半部3''に配置されるスロット14に挿入してもよい。スロット14は、図3に示されている。次いで、組立作業者は、たとえば、接着剤を使用して、第1の軸方向半部3'及び第2の軸方向半部3''を取り付けてもよい。よって、これらの特徴のために、費用効率の高い方法での製造及び組立てに適した状態及び特性を有するブラシロール1が提供される。
【0038】
図5は、いくつかの実施形態による真空掃除機30を示す図である。図5に示された実施形態によると、真空掃除機30は、スティックタイプ真空掃除機30である。真空掃除機30は、図1図4に示された実施形態によるブラシロール1を備える。さらに、真空掃除機30は、図1図4に示された軸axのまわりでブラシロール1を回転させるために配置されたモータ32を備える。モータ32は、電動モータ32であってもよく、又は、真空掃除機30の清掃ノズル34で吸引力を利用するために配置される空気圧モータであってもよい。図5に示された実施形態によると、モータ32は、ブラシロール1のブラシ本体内に配置された電動モータ32である。さらなる実施形態によると、電動モータ32は、ブラシロール1から間隔を空けて配置されてもよく、たとえば、ベルト駆動などを介して、ブラシロール1に接続されてもよい。
【0039】
図6は、いくつかのさらなる実施形態による真空掃除機31を示す。真空掃除機31は、図1図4に示された実施形態によるブラシロール1を備える。さらに、真空掃除機31は、図1図4に示された軸axのまわりでブラシロール1を回転させるために配置されたモータ32を備える。図6に示された実施形態によると、モータ32は、真空掃除機31の清掃ノズル34で吸引力を利用するために配置される空気圧モータである。しかしながら、さらなる実施形態によると、モータ32は電動モータ32であってもよい。そのような電動モータ32は、ブラシロール1のブラシ本体内に配置されてもよく、又は、ブラシロール1から間隔を空けて配置されてもよく、且つ、たとえば、ベルト駆動などを介して、ブラシロール1に接続されてもよい。
【0040】
上記はさまざまな例示的な実施形態の説明であり、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることが理解されるべきである。当業者は、例示的実施形態は修正されてもよく、例示的実施形態のそれぞれの特徴は、本明細書に記載された実施形態以外の実施形態を作成するために、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲を逸脱しない限り、組み合わされてもよいことを理解するであろう。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「備える(comprising)」又は「備える(comprises)」は開放式(open-ended)であり、1つ又は複数の説明された特徴、要素、ステップ、構成要素、又は機能を含むが、1つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ、構成要素、機能、又はその群の存在又は付加を排除するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】