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特表2022-511810農作物における雑草の防除のための広域スペクトルの共力除草剤組成物、製品の調製のためのそのような組成物の使用、製品、および施用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】農作物における雑草の防除のための広域スペクトルの共力除草剤組成物、製品の調製のためのそのような組成物の使用、製品、および施用方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 47/38 20060101AFI20220125BHJP
   A01N 43/84 20060101ALI20220125BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20220125BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A01N47/38 A
A01N43/84 101
A01N25/00 102
A01P13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531247
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(85)【翻訳文提出日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 BR2019050520
(87)【国際公開番号】W WO2020113301
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】BR1020180751328
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520077872
【氏名又は名称】ユーピーエル コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】UPL CORPORATION LIMITED
【住所又は居所原語表記】5th Floor Newport Building, Louis Pasteur Street, Port Louis, Mauritius
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レンツ ジュヴァン
(72)【発明者】
【氏名】フォルリヴィオ ダニエル マルケス
(72)【発明者】
【氏名】ボネット マルク
(72)【発明者】
【氏名】ゴネラ ルイス グスタヴォ ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィエイラ デ カンポス ルイス カルロス
(72)【発明者】
【氏名】リバス ペレス カルロス エドゥアルド
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA06
4H011BB10
4H011BB14
4H011DF04
(57)【要約】
本発明は、雑草に対する除草剤の効力の増強の促進というより大きな目的を有する、農業の対象物であるあらゆる種類の植物の栽培において助けとなるものとしての、広域スペクトルの適用性を有する、農業部門に有意な利益をもたらす創意に富む解決法に関する。本発明では、作用機序が光化学系II阻害剤としての作用であるグループに属す第1の除草剤および作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す第2の除草剤を含み、それらがそれぞれの作用機序を共に増強し、その結果、雑草の根絶におけるそれらの効力を高める組成物を考案した。さらに、本発明は、除草剤製品の調製のための本組成物の使用、および雑草を駆除するための前記組成物の施用方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農作物における雑草の防除のための広域スペクトルの共力除草剤組成物であって、
1.0重量%から99.0重量%までの範囲の量の、作用機序が光化学系II阻害剤としての作用であるグループに属す第1の除草剤、
1.0重量%から99.0重量%までの範囲の量の、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す第2の除草剤、
許容される媒体
(ここで、各成分の量は、除草剤組成物の全質量に対する量である)
を含むことを特徴とする除草剤組成物。
【請求項2】
作用機序が光化学系II阻害剤としての作用であるグループに属す前記第1の除草剤と、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す前記第2の除草剤との間の重量比が、5~6部対1部であることを特徴とする、請求項1に記載の除草剤組成物。
【請求項3】
作用機序が光化学系II阻害剤としての作用であるグループに属す前記第1の除草剤が、トリアジン系の化学グループに属すことを特徴とする、請求項1または2に記載の除草剤組成物。
【請求項4】
作用機序が光化学系II阻害剤としての作用であるグループに属す前記第1の除草剤が、アミカルバゾンであることを特徴とする、請求項3に記載の除草剤組成物。
【請求項5】
作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す前記第2の除草剤が、シクロヘキセンジカルボキシミド系の化学グループに属すことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項6】
作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す前記第2の除草剤が、フルミオキサジンであることを特徴とする、請求項5に記載の除草剤組成物。
【請求項7】
ai/ha当たり、700gのアミカルバゾンおよび125gのフルミオキサジンを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の除草剤組成物、および少なくとも1つの賦形剤を含むことを特徴とする、植付け前にまたは農作物に施用され得る除草剤製品。
【請求項9】
農作物に存在する雑草の駆除に用いるための除草剤製品の調製における、請求項1から7のいずれか一項に記載の除草剤組成物の使用。
【請求項10】
請求項9に定義の除草剤製品を施用する方法であって、
a)農業栽培場の区域を選択するステップと、
b)十分に有効な量の前記製品を、植物に施用する、および/または環境/栽培地/土壌に直接施用するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業の対象物であるあらゆる種類の植物、例えば、イネ、トウモロコシ、モロコシ、コムギ、オオムギ、オートムギ、穀類、ライコムギ、ダイズ、豆(乾燥豆などの様々な種類)、ワタ、果物(モモ、リンゴ、パイナップル、およびトマトなどの様々な種類)、ジャガイモ、サツマイモ、キャノーラ、アマ、エンドウマメ、レンズマメ、マスタード、ヒヨコマメ、ヒマワリ、アルファルファ、タマネギ、牧草、サトウキビ、ビートルート、サッカリン、ウコン、キャッサバ、ウリ類などの栽培において助けとなるものとしての、広域スペクトルの適用が可能な、農業部門に有意な利益もたらす解決法に関する。
【0002】
この農業の対象物である植物のリストは、この広域の適用スペクトルを限定するものではなく、そのように分類されているか、従来技術に公知であるか、または将来目録に載る可能性がある、あらゆる種類の植物に広げることができる。
【0003】
本発明は、農作物、例えば上述の農作物などにおける雑草の防除のための広域スペクトルの共力除草剤組成物であって、作用機序が光化学系II阻害剤としての作用であるグループに属する除草剤と、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属する少なくとも1種類の除草剤とを組み合わせた、少なくとも2種類の除草剤を含む共力除草剤組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
正確さを論証し、冒頭の節で説明した状況を明確にするために、殺有害生物剤製品、特に除草剤についての従来技術に関して、簡単な説明を提供するものとする。ここでは、除草剤の施用から利益を得る農作物に及ぼすそれらの技術的効果に関する当業者の理解、ならびにこの農業管理の実施法の限定的態様を示し、これによって、本発明の需要に関する節で既に述べた必要性の範囲を確定するものとする。
【0005】
a.対象の農作物の栽培の生産性:これは、主に、以下の幾つかの因子によって決定される:
- 対象の農作物の種類、
- 土壌(物理的、化学的、および生物学的特性)、
- 地域の気候、
- 有害生物防除、および
- 雑草防除。
【0006】
本発明では、雑草防除因子全般に着目することが適切であり、すなわち、あらゆる種類の対象の農作物に影響を与える雑草の全範囲を検討する。
【0007】
いかなる限定的効果も有さない単なる例として、農作物の生産性の低下を招く数種の雑草のリストを、下記の表1に示す:
【0008】
【表1】
【0009】
b.農作物における雑草を駆除するための除草剤の使用:これは、対象の農作物に被害を与えることのない、最も有効な雑草防除方法の1つである。ここでは、除草剤は、植物の生長を止めるか、抑制するか、または悪い方向に変更する有効成分として理解されるべきである。除草剤はまた、自然の発達からの逸脱、枯死、抑制、乾燥、遅滞などを引き起こし得る。一方で、除草剤の活性は、あらゆる生長段階で、もしくは植付け前または出芽時に、除草剤が植物体または植物の部位に直接施用されるとき、組成物中に存在する化学的化合物によって発揮される。さらに、観察される効果は、防除されるべき植物種、植物の生長段階、液滴サイズを考慮した組成物の施用条件、および成分の粒子などの幾つかの因子、ならびに環境条件、使用される補助剤、賦形剤、および媒体、土壌のタイプ、ならびに施用される化学製品の量および質などのその他の因子に依存する。
【0010】
雑草駆除を成功させるには、植物における除草剤の生理学、選択性に関与する因子、および土壌中における除草剤の挙動などの因子について、詳細な知識をもつことが必要である。
【0011】
c.除草剤の作用機序:これは、雑草の細胞内で影響を受ける最初の化学的または物理的反応として定義され、下記に列挙されている主要な既知の機序と共に、雑草の生長を変化させるものである。
【0012】
c.1.生長調節剤またはオーキシン模倣体(auxin mimic):これらは、双子葉植物の雑草に対してより大きな作用を示し、分裂組織に作用して、植物の生長における秩序の破壊を引き起こす。主としてシンプラストによる移行を示す。
【0013】
c.2.有糸分裂および初期生長阻害剤:ジニトロアニリン系のグループは、より多くのイネ科植物の防除、出芽後活性はもたない、幼茎および幼根によって吸収される、移行を示さない、多年生の雑草は防除せずに細胞分裂を阻害することによって作用するなどの特徴を示す。
【0014】
c.3.アミノ酸合成阻害剤:特に、ALS酵素の阻害剤は、アポ-シンプラスト移行を促進する。フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンといったアミノ酸の合成を阻害するEPSPS酵素阻害剤は、選択的ではない。これらは、双子葉植物の雑草およびイネ科植物を防除し、シンプラスト移行を制御する。
【0015】
c.4.色素阻害剤:これらは、カロチノイドの生合成に作用して白化組織を生成する。クロロフィルの減少は、クロロフィルを保護するカロチノイドが不足した結果、光による酸化(光酸化)を受けたことが原因である。移行はアポプラストである。
【0016】
c.5.呼吸阻害剤:これらは、シンプラストによる限定的な移行を示す。出芽後の状況において使用される。主にイネ科植物を防除する。高い温度および光度によってそれらの効力は高まる。
【0017】
c.6.膜破壊剤:これらは、酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PROTOX)を阻害;する。徴候は、壊死に至る葉の濃緑色斑である。アポプラスト移行の低下を示する。
【0018】
c.7.光化学系II阻害剤:このグループには、トリアジン系、トリアジノン系、置換尿素系、ウラシル系がある。トリアジン系は、通常、出芽前または出芽後早期の状況において使用され、これらは、双子葉植物の雑草および一部のイネ科植物に有効であり、アポプラスト移行を示す。
【0019】
d.作用機序による化学グループの範囲:本発明では、光化学系IIを阻害する機序、および膜破壊剤である酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PROTOX)の阻害剤についてのみ検討し、これらは、それぞれ、トリアゾリノン化学グループの除草剤、およびシクロヘキセンジカルボキシミド系のグループから選択される少なくとも1種類の除草剤に属すものである。
【0020】
d.1.PSII光合成の阻害剤のグループ:本発明では、この作用機序のグループに属する有効成分として「アミカルバゾン」が選択され、有効成分アミカルバゾンは、そのあらゆる形態および変形形態でさらに検討されるべきである。
【0021】
d.1.1.有効成分アミカルバゾン:その原体規格を、下記の表2に好ましい実現の形態で示す:
【0022】
【表2】
【0023】
d.1.2.臨界的分析:その特性は過去数十年にわたって証明されてきたにもかかわらず、トリアゾリノン群から選択され、特にPSII光合成阻害剤のグループに属する除草剤であるアミカルバゾンは、単独で施用されるときに限定的な結果しか示していない。この結果は、当業者には標的植物の防除の低下、残留期間の短縮、および同時に防除される雑草のリストの減少として現れる。
【0024】
この除草剤「アミカルバゾン」の作用の効力の低下は、この有効成分に固有の活性が雑草の全リストを有効に防除し得ないという事実によって説明することができる。
【0025】
結論として、有効成分「アミカルバゾン」の効力が徐々に失われる状況は、光合成II阻害剤を含む作用機序のグループに属す有効成分のすべてに拡大され得ると断言することができる。
【0026】
d.2.PROTOX阻害剤グループ:プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ酵素阻害剤とも呼ばれる。本発明では、作用機序のこのグループに属する、化学グループ「シクロヘキセンジカルボキシミド系」の有効成分「フルミオキサジン」が選択され、そのあらゆる形態および変形形態で検討されるべきである。
【0027】
d.2.1.有効成分フルミオキサジン:その原体規格を、下記の表3に実施形態の好ましい一形態で示す。
【0028】
【表3】
【0029】
d.2.2.臨界的分析:その特性が過去数十年にわたって証明されてきたにもかかわらず、「シクロヘキセンジカルボキシミド系」のグループから選択され、特に、酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ[PROTOX]の阻害剤のグループに属する除草剤「フルミオキサジン」は、単独で施用されるときに限定的な結果しか示していない。この結果は、当業者には標的雑草の防除の低下、残留期間の短縮、および同時に防除される雑草のリストの減少と現れる。
【0030】
この除草剤「フルミオキサジン」の作用の効力の低下は、この有効成分の固有活性が雑草の全リストを有効に防除し得ないという事実によって説明することができる。
【0031】
結論として、有効成分フルミオキサジンの効力が徐々に失われるという筋書きは、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ[PROTOX]を阻害するグループに属す有効成分のすべてに拡大され得ると断言することができる。
【0032】
以下は、本題に関する従来技術の教示の一部である。
【0033】
特許文献EP-A 294 666、EP-A 370 293、EP-A 391 187、EP-A 398 096、EP-A 399 294、EP-A 415 196、およびEP-A 477,646は、カルバモイルトリアゾリノン系を得る方法および/またはその施用方法を記載しており、例えば、ここでは有効成分は常に単独で検討されている。
【0034】
一方、特許文献PI9603223-5およびPI9603448-3は、置換アミノカルボニルトリアゾリノン系および置換アミノトリアゾリノン系を、それぞれ、やはり単独で得る方法を明らかにしている。
【0035】
さらに、特許文献JP 61-76486 AおよびJP 5-97848は、フルミオキサジンを生成する方法を記載している。
【0036】
特許文献BR 112014019707-5は、フルミオキサジン結晶に関するものであり、ここでも、有効成分は常に単独で引証されている。
【0037】
上述の2つの有効成分のうちの1つを含む混合物または組成物、およびその利用/方法を明らかにしている特許文献もあり、例えば、BR 10 2017 023313 8、BR 10 2016 007767 2、BR 11 2017 015652 0、BR 10 2013 009023 9、BR 11 2013 018114 1、PI 0413082-0、PI 0302668-0、PI 0211275-2、PI 0015670-1、PI 9704565-9、PI 9509362-1、およびPI 92059999-6などがある。
【0038】
除草剤の施用に重点をおく農作物管理の当業者による、有効成分であるアミカルバゾンおよびフルミオキサジンの両方についての個別の施用の結果からは、それらに対する雑草の抵抗性は、雑草がPSII光合成阻害剤および酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ[PROTOX]の阻害剤のような作用機序それぞれに対する感受性の低下を別々に獲得することが原因であるという、まずは妥当な結論が導かれている。
【0039】
結果として、ここまで論じられてきた作用機序が、有効成分アミカルバゾンおよびフルミオキサジンの能力を限定する原因であるとすれば、この影響は、有効成分の作用機序が同じグループに属すすべての除草剤に及ぶと結論づけられる。
【0040】
このように、技術的差別化因子、経済的利点、安全性、および信頼性を併せもつ、本発明においてここで提示した解決策と等価である、従来技術における解決策はない。
【0041】
専門用語
本発明の理解を深めるために、本明細書の文章中で言及した幾つかの用語の意味を以下に示す。
【0042】
商品:未加工状態(原料)のまたは工業化の程度が低い、ほとんど均一品質であり、様々な生産者によって大量に生産されたベース製品に関して主に使用される用語。「自然のままの」生産物である商品は、それらの保存に応じて、著しく品質が低下することなく所与の期間、貯蔵することができ、商品取引所を利用して相場付けされ、全世界的に取引される。本発明では、農業の対象物である植物は商品である。
【0043】
共力作用:一般的には、これは、2つの要素の組合せの結果がこれらの要素が個々に示すはずである結果の合計を超えるような、2つの要素の組合せとして定義され得る。これは、成分を接触させることによってのみ得られる予想外の結果であり、したがって、予測、推測、または連想することは不可能である。
【0044】
植物:発芽種子、挿し穂、出芽実生、ならびに根および例えば葉、茎、花、果実、分枝、大枝、根などの地上の部分を含む定着草木が含まれる。
【0045】
農業の対象物である植物:商用消費を目的としたあらゆる種類の植物として理解されるべきであり、食用もしくは食用に適さない草型、花卉または非花卉、樹木、イネ科植物[シバムギ、草本類、または牧草]の種類であってもよい。
【0046】
雑草:Lorenzi(2014年)によれば、これは、望ましくない場所で生育するあらゆる植物であり、直接かつ間接的に対象の作物に干渉し、これらの作物の全体的な生産性を著しく低下させる。
【0047】
生物要因:これは、生態系を形成する集団を決定する、生態系の生物によってもたらされる影響すべての合計として理解され得るものであり、本発明では、生物は雑草であると理解される。
【0048】
農薬:殺虫剤、殺有害生物剤、殺生物剤、植物医薬、または植物衛生製品(plant sanitary product)としても知られ、農業において使用される種々の化学薬品についての包括的な用語である。世界保健機関(WHO、World Health Organization)は、殺有害生物剤または殺虫剤を、集団および環境に危険または危害をもたらすおそれのある有害生物を防除することができるあらゆる物質と定義している。これらはまた、昆虫(殺虫剤)、ダニ(ダニ駆除剤)、軟体動物(軟体動物駆除剤)、げっ歯類(殺鼠剤)、真菌(殺真菌剤)、雑草(除草剤)、細菌(抗生物質および殺菌剤)、ならびに公衆衛生および農業に対して有害なその他の形態の動物または植物生物の活動を妨げるかまたは直接殺すことを目的とした物質または物質の混合物と定義され得る。
【0049】
除草剤:殺有害生物剤の一種であり、雑草として分類される草本類の防除のために農業において使用される化学製品である。
【0050】
対象の除草剤:商業的に既知の除草剤のあらゆる製剤であり、増強の必要な対象は、施用の技術的効果であり、最小化の対象は、有害な影響である。
【0051】
有効成分:本発明では、これは除草剤の主要な化学物質として定義される。
【0052】
Ha:ヘクタール、100アールまたは平方ヘクトメートル(10,000m)に相当する農地面の測量単位。
【0053】
コルビー法:対象の除草剤間の相互作用で予想される反応を計算するために本発明において使用される、組合せの共力作用を証明するために最も広く使用される方法の1つ。
【0054】
除草剤抵抗性対策委員会[HRAC、Herbicide Resistance Action Committee]:産業に関連し、食糧農業機関(FAO、Food and Agriculture Organization)および国連世界保健機関(WHO)によって諮問組織として認められた専門家のグループ。
【0055】
本項で示した用語のリスト、技術、および技術的概念は、本発明の正確な理解のためのものと考えられるべきであり、本明細書の本文に必要な説明を十分に付与し、そして比較分析における研究の参照として使用されるべきでものである。比較分析は、本発明を示唆する従来技術の仮説的解決手段、あるいは本願の特許権者ではない権利保持者または第三者が開示および/または市販する、同じ性質および同じ国際特許分類(international patent classification(CPI))の製品についてのものである。
【0056】
発明の目的
したがって、本発明の目的は、対象の農作物植物は生物要因に曝されているという回避不能な現実を考慮して、除草剤タイプの殺有害生物剤の効果を増強させる必要性に応える除草剤組成物を提供することである。
【0057】
本発明の別の目的は、非常に多くのリストの雑草を駆除することができる除草剤組成物を提供することである。
【0058】
本発明の別の目的は、現在知られている結果よりも良好な結果を示す、従来技術で既知の除草剤を含む除草剤組成物を提供することである。なぜならば、新規分子の開発がますます難しく費用のかかるものとなっているからである。
【0059】
本発明の別の目的は、現在知られている結果よりも良好な結果を示す、従来技術で既知の除草剤を含む除草剤組成物を提供することである。なぜならば、PSII光合成およびプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ酵素[PROTOX]の除草剤阻害剤は、それぞれ、単独での施用の効力が次第に損なわれることがよく知られているからである。
【0060】
さらに、本発明の別の目的は、抵抗性生物型を防除するために使用される代替の除草剤を限られた数のみ有する、既知の成分を含む除草剤組成物を開発することである(ある雑草種を防除するために利用可能な有効成分の数は限定されている)。
【0061】
さらに、本発明の別の目的は、PSII光合成阻害剤除草剤およびプロトポルフィリノーゲン酵素オキシダーゼ[PROTOX]阻害剤の両方について、それぞれの最初の使用時に記録された効力に近い効力を回復する除草剤組成物を開発すること、すなわち、多種多様な対象の農作物からあらゆる雑草を排除することにおいて100%に近い効力を実証することである。
【0062】
本発明の別の目的は、農工業的、商業的、および技術的観点からの利点を示す除草剤組成物を提供することである。
【0063】
さらに、本発明の目的は、特に生物要因の防除におけるその効力に関して、対象の農作物の収穫の生産性の向上を助けることである。
【0064】
さらに、本発明の目的は、光化学系II阻害剤としての除草剤の効力を回復させると共に、酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ[PROTOX]の阻害剤としてのそれらの効力を回復させる、共力効果を得ることである。
【発明の概要】
【0065】
本発明は、
- 1.0重量%から99.0重量%までの範囲の量の、作用機序が光化学系II阻害剤としての作用であるグループに属す、第1の除草剤、および
- 1.0重量%から99.0重量%までの範囲の量の、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す、第2の除草剤、
- 許容される媒体
(ここで、上記量は、除草剤組成物の全質量に対するものである。)
を含む共力除草剤組成物を通して、これらおよびその他の目的を達成するものである。
【0066】
本発明は、前述の除草剤組成物および少なくとも1つの賦形剤を含む除草剤製品を通して、これらおよびその他の目的を達成するものである。
【0067】
本発明は、農作物に存在する雑草を駆除するために用いるための除草剤製品の調製における前述の除草剤組成物の使用を通して、これらおよびその他の目的を達成するものである。
【0068】
さらに、本発明は、予防的または矯正的方法で農作物における雑草を駆除するための、前述の除草剤組成物および/または前述の除草剤製品の施用方法を通して、これらおよびその他の目的を達成するものである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
農作物栽培の専門的知見を以て、対象の農作物植物は生物要因に曝されるという回避不能な現実を考慮すると、除草剤タイプの殺有害生物剤の効果を増強させる必要性が明確となった。
【0070】
a.本発明の開発の動機づけ:一般的な農作物管理の当業者にとって、除草剤の使用が効果的な雑草の駆除を促進し、その結果、栽培場の面積[ヘクタール]当たりの生産性の損失が減少する一方で、他方では、この種類の殺有害生物剤の作用に対する抵抗性を獲得した植物のリストは絶えず増え続けているという知見は、公知の事実である。
【0071】
VARGAS,L.;ROMAN,E.S.は、Passo Fundo:Embrapa Trigo、2006.22p.html.(Embrapa Trigo.Documents Online、58)において「Weed resistance to herbicides:concepts,origin and evolution.」という見出しで発表された研究の中で、「[...]抵抗性生物型の防除のための使用に利用可能な代替の除草剤の数は限られているため、除草剤に対する雑草の抵抗性は、きわめて重要である。幾つかの雑草種を防除するために利用可能な有効成分の数は限られており、新規分子の開発はますます難しく費用のかかるものとなっている。複数の抵抗性の発現は、この場合、2つ以上の機序を置き換える必要があるため、問題をさらに悪化させる。よって、除草剤の使用による抵抗性生物型の防除は妥協せざるを得ず、この実施はその他の効果の低い方法に限定される。」と述べている。
【0072】
本発明の需要に従って、本発明の目的である「農作物における雑草の防除のための広域スペクトルの共力除草剤組成物であって、作用機序が光化学系IIの阻害剤としての作用であるグループに属す少なくとも1つの除草剤と、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す少なくとも1つの除草剤とを共に含む除草剤組成物を開発した」。この組成物は、従来技術により先行される対象の農業種の栽培のためのその他の組合せをベースとした除草剤管理技術からは、明らかなまたは明白な手法では得られず、農工業、商業、および技術的観点から利点を付与するものである。
【0073】
本発明が独自の手法で、作用機序が光化学系IIの阻害剤としての作用であるグループに属す少なくとも1つの除草剤と、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す少なくとも1つの除草剤とを共に含む革新的組成物を提供することは、注目に値する。
【0074】
これに加えて、驚くべきことに、作用機序が光化学系IIの阻害剤としての作用であるグループに属す少なくとも1つの除草剤と、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す少なくとも1つの除草剤との組合せからなる除草剤組成物の施用によって、対象の農作物を管理の後に、特に防除の共力作用を実証するために使用されるコルビー法を適用した場合、予想外の相乗効果が観察される。
【0075】
この共力除草剤組成物を雑草に施用するという独創性もまた、注目に値する。
【0076】
a.共力除草剤組成物
a.1.一般的な混合物:本発明では、次式を用いて定義される。
C=A+B
式中、
C=作用機序が光化学系IIの阻害剤としての作用であるグループに属す少なくとも1つの除草剤[A]と、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ[PROTOX]の阻害剤としての作用であるグループに属す少なくとも1つの除草剤[B]とを組み合わせた混合物であり、いずれも膜破壊剤である。
A=作用機序が光化学系IIの阻害剤としての作用であるグループに属す除草剤であり、下記の表4に列記した有効成分およびそれぞれの化学グループの群のリストから選択されるものである。
【0077】
【表4-1】
【0078】
【表4-2】
【0079】
【表4-3】
【0080】
表4に列記した化学グループおよびそれらの有効成分のリストは、網羅的ではなく、本発明のためのものである。その有効成分および対応する化学グループが、作用機序が光化学系IIの阻害であるグループに属すものとして除草剤抵抗性対策委員会[HRAC]によって分類されているかまたは分類されることになり得る、あらゆる除草剤が考慮されるべきである。
【0081】
B=作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ[PROTOX]の阻害剤としての作用であるグループに属す除草剤。下記の表5に列記した有効成分および各化学グループのリストから選択されるものである。
【0082】
【表5-1】
【0083】
【表5-2】
【0084】
表5に列記した化学グループおよびそれらの有効成分のリストは、網羅的ではなく、本発明の目的のためのものである。このリストは、その有効成分および各化学グループが酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ[PROTOX]を阻害する作用機序のグループに属すものとして除草剤抵抗性対策委員会[HRAC]によって分類されているかまたは分類されることになり得る、あらゆる除草剤を包含するべきである。
【0085】
よって、本発明は、
- 1.0重量%から99.0重量%までの範囲の量の、作用機序が光化学系II阻害剤としての作用であるグループに属す第1の除草剤、
- 1.0重量%から99.0重量%までの範囲の量の、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す第2の除草剤、および
- 許容される媒体
(ここで、各成分の量は、除草剤組成物の全質量に対する量である)
を含む共力除草剤組成物に関する。
【0086】
好ましくは、本発明の目的である共力除草剤組成物は、5~6重量部の、作用機序が光化学系II阻害剤としての作用である群に属する第1の除草剤、これに対して1重量部の、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用である群に属する第2の除草剤、および許容される媒体を含む。ここで、各成分の量は、除草剤組成物の全質量に対するものであった。
【0087】
これら除草剤は共に、それぞれの作用機序を増強し、その結果、雑草の根絶におけるそれらの効力を高める。
【0088】
本発明の共力組成物の成分は、別々にまたは複数で構成される除草剤系の一部として適用され得る。
【0089】
さらに、本発明の目的である組成物は、より幅広い種類の望ましくない草木を防除するために、1つまたは複数のその他の除草剤および/または殺生物剤と併せて施用することができる。好ましくは、除草剤または殺生物剤は、本発明の組成物に加えられ、除草剤は処理されるべき作物に対して選択的であり、用いた施用の割合でこれら化合物によって防除される雑草のスペクトルを補完する。本発明の共力組成物と併せて使用することができる除草剤の一部としては、これに限定しないが、プロピソクロル、s-メトラクロール、アセトクロール、クレトジム、キザロホップ、ジクワット、グルホシネートアンモニウム、ピロキサスルホン、イマゼタピル、ジクロスラム、サフルフェナシル、グリホサート、2,4-D、トリクロピル、ジカンバ、アトラジン、クロリムロン、ジウロン、スルフェントラゾン、イソキサフルトール、ピクロラム、テブチウロン、テンボトリオン、メソトリオンが挙げられる。
【0090】
好ましい実施形態において、作用機序が光化学系II阻害剤としての作用であるグループに属す第1の除草剤は、アミカルバゾンであり、作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す第2の除草剤は、フルミオキサジンである。
【0091】
任意選択で、本発明の目的である組成物は、好ましくは媒体として水を含む。
【0092】
本発明の目的である共力除草剤組成物は、除草剤製品の調製のために使用することができる。よって、除草剤製品は、本発明の目的である組成物、および例えば以下のその他の任意選択の成分を含む:
- 除草剤/殺生物剤/殺有害生物剤/殺幼虫剤/殺真菌剤/殺虫剤、
- 除草剤保護剤、
- 媒体および溶媒、
- 油、
- 乳化剤/界面活性剤、
- 相溶化剤、
- 消泡剤、
- 金属イオン封鎖剤、
- 中和剤および緩衝液、
- 腐食抑制剤、
- 染料、
- 芳香剤、
- 分散剤(dispersal agent)、
- 浸透助剤、
- 被着剤、
- 拡散剤(dispersing agent)、
- 増粘剤、
- 凝固点降下剤、
- 抗菌剤、
- 植物生長調節剤、
- 除草剤製品に一般的に適用されるその他の成分。
【0093】
本発明はまた、栽培地における雑草を駆除するための本発明の目的である共力除草剤組成物の施用方法に関する。
【0094】
この方法は、
A)農業栽培場の区域を選択するステップと、
B)十分に有効な量の本発明の除草剤組成物または本発明の除草剤製品を、各植物または環境に施用するステップと
を含む。
【0095】
この組成物は、作物中に存在する植物のあらゆる野菜部分に直接作用させる、または化合物を環境に作用させることによって施用してもよい。組成物または製品の施用は、他の可能性の中でも、様々な方法、例えば、浸漬、噴霧、蒸発、ミスト、種子への直接施用、ならびに土壌、葉の部分、および土壌上のわらへの直接施用といった方法で行うことができる。
【0096】
a.2.好ましい実施形態:一般的な製剤を念頭におき、本発明では、以下の派生式によって表される本発明の除草剤組成物の好ましい実現の形態が提供される。
C1=A1+B1
式中、
C1=アミカルバゾン+フルミオキサジンの2種除草剤混合物、
A1=有効成分アミカルバゾン、
B1=有効成分フルミオキサジン
である。
【0097】
b.提示の形態:以下のようなあらゆる提示の形態が考慮されるべきである。カプセル化懸濁剤、分散性濃縮剤(dispersible concentrate)、乳剤、油中水型乳剤、水中油型乳剤、マイクロエマルション製剤、濃縮懸濁剤(concentrated suspension)、サスポ(suspo)-エマルション剤、可溶性粒剤、液剤、水溶剤、錠剤、直接施用用錠剤、水溶用錠剤、水和用錠剤、分散性粒剤(dispersible granule)、水和剤、塊、ペースト状濃縮ゲル、乳化性ゲル、水溶性ゲル、乳化性粒剤、乳化性粉末、油状分散体または油中フロアブル剤、分散性または混和性油中フロアブル剤、油剤、油中分散性粉末、カプセル化粒剤、乾燥粉末、静電気的/電気力学的噴霧用液剤、粒剤、噴霧/散布用油、微量懸濁剤、微量散布剤(ultra-low volume)、微粒剤、細粉、細粒剤、接触粉末(contact powder)、直接施用用錠剤、その他の液剤または接触ゲル(contact gel)、直接施用用濃縮懸濁剤、直接施用用のその他の液剤、その他の粉末、種子の乾燥処理用粉末、種子処理用エマルション剤、種子処理用濃縮懸濁剤、種子処理用液剤、種子処理用水溶剤、油中ペースト剤調製用粉末、水中ペースト剤調製用粉末、種子処理用カプセル化懸濁剤、種子処理用ゲル、エアゾル、燻蒸剤、挿入式燻蒸剤(fumigant insert)、ろうそく式燻蒸剤、カートリッジ式燻蒸剤、ロッド型燻蒸剤、燻蒸錠剤、燻蒸粒剤、加圧液化ガス、ガス発生器、熱噴霧用濃縮物、冷熱噴霧用濃縮物、ラッカー、野菜の小枝(vegetable rod)、ペースト剤、毒餌(bait)、毒餌用穀類、塊状毒餌、粒状毒餌、プレート状毒餌、小片状毒餌、水蒸気発生器、油性ペースト剤、調合袋、補助剤、展着剤、および接着性展着剤。
【0098】
c.試験:本発明の目的である組成物中に存在する除草剤化合物の間で観察された共力作用を証明するために、実施した試験の結果を下記に示す。
【0099】
プロトコール:雑草種子(未発芽)を含む、用意した土壌中に本発明の組成物を施用した。この試験を、2種の雑草:ブラキアリア・デクンベンス(Brachiaria decumbens)およびパニカム・マキシマムについて実施した。データは、組成物を土壌へ施用して35日後に収集し、計算した。
【0100】
d.共力効果の証明:本発明では、この共力効果の証明は、2本の柱:コルビーの式、および試験結果の前述の式への付託に基づいて適切に考察される。
【0101】
d.1.コルビーの式:コルビーの手法を使用して混合物における共力作用または拮抗作用を評価するために、混合物の成分は、混合物として、同じ研究において、成分のそれらの濃度で個々に試験されるべきである。
【0102】
混合物について観察された結果を、コルビーの式(Colby、1967年)の予想結果と比較する。この式は、独立性の確率の定義に由来することを留意されたい。
【0103】
解答を有害生物低減が0~100%の百分率の範囲で変動するものであると仮定すると、コルビーの式は、次式によって与えられる。
Ex+(100-X)(Y/100)(1)
X+Y-XY/100
式中、
X=有効成分[A1]アミカルバゾン(pグラムai/ha)で観察された結果、
Y=有効成分[B1]フルミオキサジン(qグラムai/ha)で観察された結果、
E=共力作用または拮抗作用がない場合の、有効成分[A1]アミカルバゾンと[B1]フルミオキサジン((p+q)グラムai/ha)との混合物についての予想結果。
【0104】
d.2.分析基準
- 観測値が予想値より高い場合(Obs>E):共力作用、
- 観測値が予想値未満である場合(Obs<E):拮抗作用。
【0105】
d.3.比較分析:既に示した表6を研究の範例として用いて、試験の共力作用または拮抗作用の分析を、下記の表6および7により大枠で示す:
【0106】
【表6-1】
【0107】
【表6-2】
【0108】
【表7】
【0109】
上記で示した結果から推断できるように、幾つかの割合について、本発明の目的である組成物中に存在する化合物間での共力作用が確認される。
【0110】
本節に記載した本発明の実施形態の好ましい形態の選択は、一例として示すものに過ぎない。作用機序が光化学系II阻害剤としての作用であるグループに属す少なくとも1つの除草剤と作用機序が酵素プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害剤としての作用であるグループに属す少なくとも1つの除草剤とを合わせた本発明の除草剤組成物のその他のあらゆる形態に、変更、修正、および変形を行うことが可能であり、そのような変更は当業者によって決定され得るが、本特許の請求に示された目的から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲によって排他的に定義されるものである。
【国際調査報告】