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特表2022-511821多段階タスク割当システムにおける挙動ペアリングのための技法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】多段階タスク割当システムにおける挙動ペアリングのための技法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220125BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531550
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 US2019019706
(87)【国際公開番号】W WO2020117300
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】16/209,295
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514171625
【氏名又は名称】アフィニティ, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デレリス, デイビッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ホール, ランダル イー.
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
多段階タスク割当システムにおける、挙動ペアリングのための技法が、開示される。1つの特定の実施形態では、本技法は、多段階タスク割当システムに通信可能に結合され、かつその中で動作するように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、タスクの1つ以上の特性を決定するステップと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、少なくとも、タスクの1つ以上の特性に基づいて、エージェントのシーケンスを決定するステップと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、タスクとエージェントのシーケンスをペアリングするステップとを含む、多段階タスク割当システムにおける、挙動ペアリングのための方法として実現され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段階タスク割当システムにおける挙動ペアリングのための方法であって、
前記多段階タスク割当システムに通信可能に結合され、かつその中で動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、タスクの1つ以上の特性を決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、少なくとも、前記タスクの1つ以上の特性に基づいて、エージェントのシーケンスを決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記タスクと前記エージェントのシーケンスをペアリングすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記多段階タスク割当システムは、コンタクトセンターシステムである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多段階タスク割当システムは、処方薬剤調剤システムである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エージェントのシーケンスを決定することは、前記多段階タスク割当システムの性能を改良することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記エージェントのシーケンスを決定することは、挙動ペアリング方略を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エージェントのシーケンスは、短い期間にわたって、エージェントの別のシーケンスより低い予期される性能であるが、より長い期間にわたって、より高い予期される全体的性能を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エージェントのシーケンスを決定することは、前記多段階タスク割当システムを最適化し、複数の段階にわたる前記タスクのための平均総対処時間を短縮することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
多段階タスク割当システムにおける挙動ペアリングのためのシステムであって、
前記多段階タスク割当システムに通信可能に結合され、かつその中で動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、さらに、
タスクの1つ以上の特性を決定することと、
少なくとも、前記タスクの1つ以上の特性に基づいて、エージェントのシーケンスを決定することと、
前記タスクと前記エージェントのシーケンスをペアリングすることと
を行うように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ
を備える、システム。
【請求項9】
前記多段階タスク割当システムは、コンタクトセンターシステムである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記多段階タスク割当システムは、処方薬剤調剤システムである、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサはさらに、前記エージェントのシーケンスを決定し、前記多段階タスク割当システムの性能を改良するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサはさらに、挙動ペアリング方略を使用することによって前記エージェントのシーケンスを決定するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記エージェントのシーケンスは、短い期間にわたって、エージェントの別のシーケンスより低い予期される性能であるが、より長い期間にわたって、より高い予期される全体的性能を有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサはさらに、前記エージェントのシーケンスを決定し、前記多段階タスク割当システムを最適化し、複数の段階にわたるタスクのための平均総対処時間を短縮するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
多段階タスク割当システムにおける挙動ペアリングのための製造品であって、
非一過性プロセッサ可読媒体と、
前記媒体上に記憶される命令と
を備え、
前記命令は、前記多段階タスク割当システムに通信可能に結合され、かつその中で動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記媒体から読み取り可能であり、それによって、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサに、
タスクの1つ以上の特性を決定することと、
少なくとも、前記タスクの1つ以上の特性に基づいて、エージェントのシーケンスを決定することと、
前記タスクと前記エージェントのシーケンスをペアリングすることと
を行うように動作させるように構成される、製造品。
【請求項16】
前記多段階タスク割当システムは、コンタクトセンターシステムである、請求項15に記載の製造品。
【請求項17】
前記多段階タスク割当システムは、処方薬剤調剤システムである、請求項15に記載の製造品。
【請求項18】
前記命令はさらに、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサに、前記エージェントのシーケンスを決定し、前記多段階タスク割当システムの性能を改良するように動作させるように構成される、請求項15に記載の製造品。
【請求項19】
前記命令はさらに、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサに、挙動ペアリング方略を使用することによって、前記エージェントのシーケンスを決定するように動作させるように構成される、請求項15に記載の製造品。
【請求項20】
前記エージェントのシーケンスは、短い期間にわたって、エージェントの別のシーケンスより低い予期される性能であるが、より長い期間にわたって、より高い予期される全体的性能を有する、請求項15に記載の製造品。
【請求項21】
前記命令はさらに、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサに、前記エージェントのシーケンスを決定し、前記多段階タスク割当システムを最適化し、複数の段階にわたるタスクのための平均総対処時間を短縮するように動作させるように構成される、請求項15に記載の製造品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際特許出願は、本明細書に完全に記載されている場合と同様に、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2018年12月4日に出願された、米国特許出願第16/209,295号の優先権を主張する。
【0002】
(開示の分野)
本開示は、概して、挙動ペアリングに関し、より具体的には、多段階タスク割当システムにおける、挙動ペアリングのための技法に関する。
【背景技術】
【0003】
(開示の背景)
典型的なタスク割当システムは、タスク割当システムに着信するタスクを、それらのタスクに対処するために対応可能なエージェントにアルゴリズム的に割り当てる。ある時は、タスク割当システムは、対応可能であり、かつタスクへの割当を待機するエージェントを有し得る。またある時は、タスク割当システムは、エージェントが割当のために対応可能な状態になるまで、1つ以上の待ち行列内でタスクを待機させ得る。
【0004】
いくつかの典型的なタスク割当システムでは、タスクは、着信時間に基づいて順序付けられたエージェントに割り当てられ、エージェントは、それらのエージェントが対応可能な状態になったときの時間に基づいて順序付けられたタスクを受信する。本方略は、「先入れ先出し」、「FIFO」、または「ラウンドロビン」方略と称され得る。例えば、「L2」環境では、複数のタスクが、エージェントへの割当のために待ち行列内で待機している。エージェントが対応可能な状態になると、待ち行列の先頭におけるタスクが、エージェントへの割当のために選択されるであろう。
【0005】
いくつかのタスク割当システムは、いくつかのタイプのタスクを他のタイプのタスクより上位に優先度付けする。例えば、いくつかのタスクは、高優先度タスクであり得る一方、他のタスクは、低優先度タスクであり得る。FIFO方略下では、高優先度タスクは、低優先度タスクより上位に割り当てられるであろう。
【0006】
他の典型的なタスク割当システムでは、タスク割当のためにより高実績のエージェントを優先度付けするための実績ベースルーティング(「PBR」)方略が、実装されてもよい。PBR下では、例えば、対応可能なエージェントの間で最も高実績のエージェントが、次の対応可能なタスクを受信する。他のPBRおよびPBR様の方略も、エージェントについての具体的な情報を使用するが、必ずしもタスクについての具体的な情報に依拠することなく、割当を行い得る
【0007】
いくつかの典型的なタスク割当システムでは、挙動ペアリング(BP)モデルが、タスク割当システムの実績を最適化するために、履歴タスク/エージェント割当データに基づいて発生され得る。例えば、コンタクトセンター環境では、BPモデルは、販売待ち行列内の収益を最適化する、または販売または顧客サービス待ち行列内の平均対処時間を短縮するように較正され得る。
【0008】
企業資源計画(ERP)システム(例えば、処方薬剤調剤システム)等のいくつかのタスク割当システムでは、単一のタスク(例えば、処方指示)が、複数のタイプのエージェントによって対処される、複数の段階の処理を要求し得る。
【0009】
前述に照らして、多段階タスク割当システムを最適化し得る、挙動ペアリングモデルの必要性が存在し得ることを理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
多段階タスク割当システムにおける、挙動ペアリングのための技法が、開示される。1つの特定の実施形態では、本技法は、多段階タスク割当システムに通信可能に結合され、かつその中で動作するように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、タスクの1つ以上の特性を決定するステップと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、少なくとも、タスクの1つ以上の特性に基づいて、エージェントのシーケンスを決定するステップと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、タスクとエージェントのシーケンスをペアリングするステップとを含む、多段階タスク割当システムにおける、挙動ペアリングのための方法として実現され得る。
【0011】
本特定の実施形態の他の側面によると、多段階タスク割当システムは、コンタクトセンターシステムまたは処方薬剤調剤システムであってもよい。
【0012】
本特定の実施形態の他の側面によると、エージェントのシーケンスを決定するステップは、多段階タスク割当システムの性能を改良するステップを含んでもよい。
【0013】
本特定の実施形態の他の側面によると、エージェントのシーケンスを決定するステップは、挙動ペアリング方略を使用するステップを含んでもよい。
【0014】
本特定の実施形態の他の側面によると、エージェントのシーケンスは、短い期間にわたって、エージェントの別のシーケンスより低い予期される性能であるが、より長い期間にわたって、より高い予期される全体的性能を有してもよい。
【0015】
本特定の実施形態の他の側面によると、エージェントのシーケンスを決定するステップは、多段階タスク割当システムを最適化し、複数の段階にわたるタスクのための平均総対処時間を短縮するステップを含んでもよい。
【0016】
別の特定の実施形態では、本技法は、多段階タスク割当システムに通信可能に結合され、かつその中で動作するように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、さらに、上記に説明される方法におけるステップを実施するように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサを備える、多段階タスク割当システムにおける、挙動ペアリングのためのシステムとして実現され得る。
【0017】
別の特定の実施形態では、本技法は、多段階タスク割当システムにおける挙動ペアリングのための製造品として実現され得、該多段階タスク割当システムは、非一過性プロセッサ可読媒体と、媒体上に記憶される命令とを備え、命令は、多段階タスク割当システムに通信可能に結合され、かつその中で動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、媒体から読み取り可能であり、それによって、少なくとも1つのコンピュータプロセッサに、上記に説明される方法におけるステップを実施するように動作させるように構成される。
【0018】
開示は、ここで、付随の図面に示されるようなその特定の実施形態を参照して、より詳細に説明されるであろう。本開示は、特定の実施形態を参照して以下に説明されるが、本開示が、それに限定されないことを理解されたい。本明細書の教示を利用できる当業者は、付加的実装、修正、および実施形態、および他の使用分野を認識し、これらは、本明細書に説明されるように本開示の範囲内であり、それらに関して、本開示は、有意に有用であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示のより完全な理解を促進するために、ここで、同様の要素が同様の番号を用いて参照される、付随の図面が、参照される。これらの図面は、本開示の限定として解釈されるべきではなく、例証にすぎないことが意図される。
【0020】
図1図1は、本開示の実施形態による、単一段階タスク割当システムのブロック図を示す。
図2図2は、本開示の実施形態による、多段階タスク割当システムのブロック図を示す。
図3図3は、本開示の実施形態による、処方薬剤調剤システムのブロック図を示す。
図4図4は、本開示の実施形態による、多段階タスク割当システムのブロック図を示す。
図5図5は、本開示の実施形態による、処方薬剤調剤システムのブロック図を示す。
図6図6は、本開示の実施形態による、多段階タスク割当方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
典型的なタスク割当システムは、タスク割当システムに着信するタスクを、それらのタスクに対処するために対応可能なエージェントにアルゴリズム的に割り当てる。ある時は、タスク割当システムは、対応可能であり、かつタスクへの割当を待機するエージェントを有し得る。またある時は、タスク割当システムは、エージェントが割当のために対応可能な状態になるまで、1つ以上の待ち行列内でタスクを待機させ得る。
【0022】
いくつかの典型的なタスク割当システムでは、タスクは、着信時間に基づいて順序付けられたエージェントに割り当てられ、エージェントは、それらのエージェントが対応可能な状態になったときの時間に基づいて順序付けられたタスクを受信する。本方略は、「先入れ先出し」、「FIFO」、または「ラウンドロビン」方略と称され得る。例えば、「L2」環境では、複数のタスクが、エージェントへの割当のために待ち行列内で待機している。エージェントが対応可能な状態になると、待ち行列の先頭におけるタスクが、エージェントへの割当のために選択されるであろう。
【0023】
いくつかのタスク割当システムは、いくつかのタイプのタスクを他のタイプのタスクより上位に優先度付けする。例えば、いくつかのタスクは、高優先度タスクであり得る一方、他のタスクは、低優先度タスクであり得る。FIFO方略下では、高優先度タスクは、低優先度タスクより上位に割り当てられ得る。
【0024】
他の典型的なタスク割当システムでは、タスク割当のためにより高実績のエージェントを優先度付けするための実績ベースルーティング(「PBR」)方略が、実装されてもよい。PBR下では、例えば、対応可能なエージェントの間で最も高実績のエージェントが、次の対応可能なタスクを受信する。他のPBRおよびPBR様の方略も、エージェントについての具体的な情報を使用するが、必ずしもタスクについての具体的な情報に依拠することなく、割当を行い得る。
【0025】
いくつかの典型的なタスク割当システムでは、挙動ペアリング(BP)モデルが、タスク割当システムの実績を最適化するために、履歴タスク/エージェント割当データに基づいて発生され得る。例えば、コンタクトセンター環境では、BPモデルは、販売待ち行列内の収益を最適化する、または販売または顧客サービス待ち行列内の平均対処時間を短縮するように較正され得る。
【0026】
企業資源計画(ERP)システム(例えば、処方薬剤調剤システム)等のいくつかのタスク割当システムでは、単一のタスク(例えば、処方指示)が、複数のタイプのエージェントによって対処される、複数の段階の処理を要求し得る。
【0027】
前述に照らして、多段階タスク割当システムを最適化し得る、挙動ペアリングモデルの必要性が存在し得ることを理解されたい。
【0028】
本明細書における説明は、1つ以上のモジュールを含み得る、タスク割当システムにおけるペアリング方略をベンチマーキングするためのシステムおよび方法のネットワーク要素、コンピュータ、および/またはコンポーネントを説明する。本明細で使用されるように、用語「モジュール」は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、および/またはそれらの種々の組み合わせを指すように理解され得る。しかしながら、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されない、または非一過性プロセッサ可読記録可能記憶媒体上に記録されないソフトウェアとして解釈されるべきではない(すなわち、モジュールは、それ自体はソフトウェアではない)。モジュールが、例示的であることに留意されたい。モジュールは、種々の用途をサポートするために組み合わせられる、統合される、分離される、および/または複製されてもよい。また、特定のモジュールにおいて実施されるように本明細書に説明される機能が、特定のモジュールにおいて実施される機能の代わりに、またはそれに加えて、1つ以上の他のモジュールにおいて、および/または1つ以上の他のデバイスによって実施されてもよい。さらに、モジュールは、相互にローカルまたは遠隔の複数のデバイスおよび/または他のコンポーネントを横断して実装されてもよい。加えて、モジュールは、1つのデバイスから移動され、別のデバイスに追加されてもよい、および/または両方のデバイス内に含まれてもよい。
【0029】
図1は、本開示の実施形態による、単一段階タスク割当システム100のブロック図を示す。単一段階タスク割当システム100は、タスク割当モジュール110を含んでもよい。タスク割当モジュール110は、待ち行列または切替コンポーネントまたは他のインターネットベース、クラウドベース、またはネットワークベースのハードウェアまたはソフトウェアソリューションを含む、種々のエージェント間でタスクを割り当てることに役立つためのスイッチまたは他のタイプのルーティングハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。
【0030】
タスク割当モジュール110は、着信するタスクを受信し得る。図1の実施例では、タスク割当モジュール110は、所与の期間にわたって、m個のタスク、すなわち、タスク130A-130mを受信する。m個のタスクはそれぞれ、サービス提供または他のタイプのタスク処理のために、単一段階タスク割当システム100のエージェントに割り当てられ得る。図1の実施例では、n人のエージェント、すなわち、エージェント120A-120nが、所与の期間の間、対応可能である。m個のタスクがそれぞれ、n人のエージェントのうちの1人によって処理された状態になるにつれて、タスク割当モジュール110は、タスク130A-130mに対応する、m個の出力(または成果)170A-170mを提供し得る。mおよびnは、1を上回るまたはそれに等しい、任意の大きさの有限の整数であり得る。コンタクトセンター等の実世界のタスク割当システムでは、シフトの間、コンタクトセンターにログインし、コンタクトと相互作用する、数十人、数百人等のエージェントが、存在し得、コンタクトセンターは、シフトの間、数十、数百、数千個等のコンタクト(例えば、コール)を受信し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、タスク割当方略モジュール140が、単一段階タスク割当システム100に通信可能に結合されてもよい、および/またはその中で動作するように構成されてもよい。タスク割当方略モジュール140は、個々のタスクを個々のエージェントに割り当てる(例えば、コンタクトとコンタクトセンタージエージェントをペアリングする)ために、1つ以上のタスク割当方略(または「ペアリング方略」)またはタスク割当方略の1つ以上のモデルを実装してもよい。所与のタスク待ち行列(例えば、コンタクトセンターシステム内の販売待ち行列、派遣待ち行列センター内のトラックロールまたは現場エージェント派遣待ち行列、請求処理センターにおける保険請求または代行訴訟等)に関して、タスク割当方略モジュール140は、1つを上回る条件または目標のために1つを上回るモデルを実装してもよい。例えば、販売待ち行列では、1つの目標は、販売待ち行列内でタスク(例えば、コールセンター内で、エージェントの会社からサービスを購入することに興味を持つ発信者と会話する)を処理するエージェントによって発生される、収益全体を増加させることであってもよい。第2の目標は、タスク(例えば、販売コールを比較的迅速に完了させる)のための平均対処時間(AHT)を短縮させることであってもよい。収益および持続時間情報の両方を含む、履歴タスク/エージェントペアリングデータが、(例えば、下記に説明される、履歴割当モジュール150から)入手可能であり得、収益を増加させる、または平均対処時間を短縮させる、それらの個別の目標に合わせて較正される、2つの異なるモデルまたはモデルのセットが、発生され得る。
【0032】
種々の異なるタスク割当方略が、タスク割当方略モジュール140によって考案かつ実装され、ランタイムにおいてタスク割当モジュール110に対して利用可能にされ得る。いくつかの実施形態では、例えば、最も長時間待機しているエージェントが次に対応可能なタスク(L1環境における)を受信する、または最も長時間待機しているタスクが次に対応可能なタスク(L2環境における)に割り当てられる、FIFO方略が、実装されてもよい。他のFIFOおよびFIFO様方略も、個々のタスクまたは個々のエージェントに特有の情報に依拠することなく、割当を行い得る。
【0033】
他の実施形態では、タスク割当のためにより高実績のエージェントを優先度付けするためのPBR方略が、実装されてもよい。PBR下では、例えば、対応可能なエージェントの間で最も高実績のエージェントが、次の対応可能なタスクを受信する。他のPBRおよびPBR様の方略も、具体的なエージェントについての情報を使用するが、必ずしも具体的なタスクまたはエージェントについての情報に依拠することなく、割当を行い得る。
【0034】
さらに他の実施形態では、具体的なタスクおよび具体的なエージェントの両方についての情報を使用してタスクをエージェントに最適に割り当てるためのBP方略が、使用されてもよい。対角線モデルBP方略、ペイアウトマトリクスBP方略、またはネットワークフローBP方略等のBP方略の種々のモデルが、使用されてもよい。これらのタスク割当方略および他のものが、例えば、米国特許第9,300,802号および米国特許第9,930,180号(参照することによって本明細書に組み込まれる)において、コンタクトセンターコンテキストに関して詳細に説明される。BP方略は、「L1」環境(エージェント余剰状態、1つのタスク、複数の対応可能/アイドル状態であるエージェントの中から選択する)、「L2」環境(タスク余剰状態、1つの対応可能/アイドル状態であるエージェント、待ち行列内の複数のタスクの中から選択する)、および「L3」環境(複数のエージェントおよび複数のタスク、ペアリング順列の中から選択する)において適用され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、タスク割当方略モジュール140は、1つのタスク割当方略から別のタスク割当方略に、またはタスク割当方略の1つのモデルからタスク割当方略の別のモデルにリアルタイムで切り替えるように構成され得る。単一段階タスク割当システム100または単一段階タスク割当システム100の特定の待ち行列を最適化するための目標は、いかなる瞬間においても変化し得る、単一段階タスク割当システム100内の条件またはパラメータに基づいて、ランタイムにおいて(すなわち、リアルタイムで)変化し得る。例えば、条件は、タスク待ち行列のサイズに基づき得る。単一段階タスク割当システム100が、LI(すなわち、エージェント余剰状態)において動作している、またはL2内のタスク待ち行列のサイズが、あるサイズ(例えば、5個、10個、20個のタスク等)より少ない(またはそれに等しい)とき、単一段階タスク割当システム100は、収益を増加させる目標を伴って動作してもよく、タスク割当方略モジュール140は、その目標に対応する、モデルまたはモデルのセットを選択してもよい。単一段階タスク割当システム100が、L2内のタスク待ち行列のサイズが、閾値サイズを上回る(またはそれに等しい)ことを検出すると、タスク割当方略モジュール140は、平均対処時間を短縮する目標を伴って動作することに切り替え、新しい目標に対応する、モデルまたはモデルのセットに切り替えてもよい。他の目標の実施例は、顧客満足(例えば、顧客満足(CSAT)スコアまたはネットプロモータスコア)を改良すること、アップグレード/抱き合わせ販売率を増加させること、顧客維持率を増加させること、AHTを短縮すること等を含んでもよい。他の条件またはパラメータの実施例は、L1とL2との間での切替(すなわち、エージェント余剰状態条件とタスク余剰状態条件との間での切替)、容量の予期しない低減(例えば、敷地/待ち行列/エージェントのワークステーション/サーバ/スイッチの障害または回復)、タスク待ち行列に割り当てられるエージェントの数(または対応可能である/ログインしている/アイドル状態である、エージェントの数)、(下記に説明されるように、2つのペアリング方略の間でのオン/オフサイクルのベンチマーキングと同様にベンチマーキングされ得る)目標およびモデルへのスケジュールベースの/巡回変化、(モデルおよびベンチマーキングのスケジュールベースの巡回のための)時刻または経過時間の量等を含んでもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、単一段階タスク割当システム100のオペレータまたはマネージャが、目標またはモデルを手動で選択または切り替えてもよい。オペレータの選択に応答して、タスク割当方略モジュール140が、モデルをリアルタイムで切り替えてもよい。他の実施形態では、タスク割当方略モジュール140は、ある条件またはパラメータに関して単一段階タスク割当システム100を監視してもよく、これらの条件またはパラメータの特定の変化を検出することに応答して、目標およびモデルを自動的に選択または切り替えてもよい。さらに他の実施形態では、目標またはモデルを切り替えることをトリガする条件が、(下記に説明される、履歴割当モジュール150から入手可能な)履歴タスク/エージェント割当データを分析するステップからのスーパーモデルまたはメタモデルの一部として、自動的に決定されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、履歴割当モジュール150が、タスク割当モジュール110および/またはタスク割当方略モジュール140等の他のモジュールを伴う、単一段階タスク割当システム100に通信可能に結合されてもよい、および/またはその中で動作するように構成されてもよい。履歴割当モジュール150は、すでに行われたエージェントのタスク割当についての情報を監視、記憶、読出、および/または出力すること等の種々の機能に関わり得る。例えば、履歴割当モジュール150は、タスク割当モジュール110を監視し、所与の期間内でタスク割当についての情報を収集してもよい。履歴タスク割当の各記録は、エージェント識別子、タスクまたはタスクタイプ識別子、成果情報、またはペアリング方略識別子(すなわち、タスク割当が、BPペアリング方略、またはFIFOまたはPBRペアリング方略等のある他のペアリング方略を使用して行われたかどうかを示す、識別子)等の情報を含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、かついくつかのコンテキストに関して、付加的な情報が、記憶されてもよい。例えば、コールセンターコンテキストにおいて、履歴割当モジュール150はまた、コールが開始した時刻、コールが終了した時刻、ダイヤルされた電話番号、および発信者の電話番号についての情報を記憶してもよい。別の実施例に関して、派遣センター(例えば、「トラックロール」)コンテキストにおいて、履歴割当モジュール150はまた、運転手(すなわち、現場エージェント)が派遣センターから出発する時刻、推奨されるルート、辿られたルート、推定移動時間、実際の移動時間、顧客の敷地において顧客のタスクに対処するために要した時間量等についての情報を記憶してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、履歴割当モジュール150は、タスク割当モジュール110へのタスク割当推奨または命令を行うためにタスク割当方略モジュール140によって使用され得る、ペアリングモデルまたは類似するコンピュータプロセッサ発生モデルを、ある期間(例えば、先週、先月、去年等)にわたる履歴割当のセットに基づいて、発生させ得る。他の実施形態では、履歴割当モジュール150は、履歴割当情報を、タスク割当方略モジュール140または次に説明されるベンチマーキングモジュール160等の別のモジュールに送信してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、ベンチマーキングモジュール160は、タスク割当モジュール110および/または履歴割当モジュール150等の他のモジュールを伴う、単一段階タスク割当システム100に通信可能に結合されてもよい、および/またはその中で動作するように構成されてもよい。ベンチマーキングモジュール160は、例えば、履歴割当モジュール150から受信され得る履歴割当情報を使用して、2つ以上のペアリング方略(例えば、FIFO、PBR、BP等)の相対的実績をベンチマーキングしてもよい。いくつかの実施形態では、ベンチマーキングモジュール160は、種々のペアリング方略間で巡回するためのベンチマーキングスケジュールを確立する、コホート(例えば、履歴割当のベースおよび測定値群)を追跡する等の他の機能を実施してもよい。ベンチマーキングは、例えば、米国特許第9,712,676号(参照することによって本明細書に組み込まれる)において、コンタクトセンターコンテキストに関して詳細に説明される。
【0041】
いくつかの実施形態では、ベンチマーキングモジュール160は、相対的実績測定値を出力または別様に報告または使用し得る。相対的実績測定値は、例えば、異なるタスク割当方略(または異なるペアリングモデル)が使用されるべきであるかどうかを決定する、またはこれが、1つのタスク割当方略を別のものの代わりに使用するように最適化または別様に構成されている間に単一段階タスク割当システム100内で達成された全体的実績(または実績利得)を測定するために、タスク割当方略の品質を査定するために使用されてもよい。
【0042】
図2は、本開示の実施形態による、多段階タスク割当システム200のブロック図を示す。多段階タスク割当システム200は、k個の段階、すなわち、段階1-kに対応する、k個のタスク割当モジュールである、タスク割当モジュール210.1-210.kを含んでもよい。タスク割当モジュール210はそれぞれ、待ち行列または切替コンポーネントまたは他のインターネットベース、クラウドベース、またはネットワークベースのハードウェアまたはソフトウェアソリューションを含む、段階1-kの各段階において種々のエージェント間でタスクを割り当てることに役立つための少なくとも1つのスイッチまたは他のタイプのルーティングハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。kは、1を上回るまたはそれに等しい、任意の大きさの有限の整数であり得る。
【0043】
タスク割当モジュール210はそれぞれ、着信するタスクを受信し得る。図2の実施例では、タスク割当モジュール210は、所与の期間にわたって、m個のタスク、すなわち、タスク230A-230mを受信する。m個のタスクはそれぞれ、サービス提供または他のタイプのタスク処理のために、対応するタスク割当モジュール210.1-210.kによって、逐次、段階1-kの各段階におけるエージェントに割り当てられてもよい。例えば、所与の期間の間、x人のエージェント、すなわち、エージェント220.1A-220.1xが、段階1において対応可能であり得、y人のエージェント、すなわち、220.2A-220.2yが、段階2において対応可能であり得、z人エージェント、すなわち、エージェント220.kA-220.kyが、段階kにおいて対応可能であり得る。m個のタスクがそれぞれ、ある段階においてエージェントによって処理された状態になるにつれて、成果が、後続の段階に提供されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、エージェントは、あるタイプの例外対処または例外処理として、(図2に点線矢印によって図示されるように)より早期の段階のいずれかにタスクを戻してもよい。いったんタスクが、段階毎にサービス提供または処理を受けると、タスク割当モジュール210は、対応する出力を提供してもよい。例えば、タスク割当モジュール210は、タスク230A-230mに対応するm個の出力(または成果)270A-270mを提供してもよい。いくつかの実施形態では、段階1-kのうちの1つ以上のものが、スキップされてもよい。いくつかの実施形態では、エージェントは、1つを上回る役割または技能セットを有してもよい。いくつかの実施形態では、エージェントは、同一のタスクのためのシーケンス内で複数回ペアリングされてもよい。m、x、y、およびzは、1を上回るまたはそれに等しい、任意の大きさの有限の整数であり得る。処方薬剤調剤システム等の実世界のタスク割当システムでは、シフトの間、処方薬剤調剤システムの段階の中にログインし、処方指示を処理する、数十人、数百人等の事務員、技師、および薬剤師が、存在し得、処方薬剤調剤システムは、シフトの間、数十個、数百個、数千個等の処方指示を受信し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、タスクが、別のタイプのエージェントによる介入を要求する(例えば、完了に先立って管理エージェントによる精査または承認のためにタスクにフラグを立てる)、例外(例えば、任意の段階に対する例外またはより早期の段階への戻し)または別のプロセスステップを受ける状態になると、タスク割当モジュール210は、タスクを特定の段階(例えば、特定のタイプのエージェント)および/または特定の段階に割り当てられた特定のエージェントに割り当ててもよい。いくつかの実施形態では、例外イベントに対処する段階は、例外対処および/または通常の対処を待機する、タスクの待ち行列を有してもよい。これらの実施形態では、タスク割当モジュール210は、タスクを待ち行列順序から外れて割り当ててもよい。例えば、タスク割当モジュール210は、1つ以上の性能メトリックに従って、タスク割当システムの生産性または効率等のタスク割当システムの全体的性能を改良するように、例外を受けるタスクを別の通常のタスクまたは例外を受ける別のタスクより早期に割り当ててもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、図2に示されていないが、タスク割当モジュール210.1-210.kはそれぞれ、タスク割当方略モジュール(例えば、タスク割当方略モジュール140)、履歴割当モジュール(例えば、履歴割当モジュール150)、およびベンチマーキングモジュール(例えば、ベンチマーキングモジュール160)のうちの1つ以上のものに通信可能に結合されてもよい。他の実施形態では、タスク割当モジュール210.1-210.kは、同一のタスク割当方略モジュール、履歴割当モジュール、および/またはベンチマーキングモジュールに通信可能に結合されてもよい。
【0047】
多段階タスク割当システム200の段階1-kのそれぞれまたはその全てに関して、タスク割当方略モジュールは、個々のタスクを個々のエージェントに割り当てるための、1つ以上のタスク割当方略またはペアリング方略(例えば、FIFO、PBR、BP等)またはタスク割当方略の1つ以上のモデルを実装してもよい。いくつかの実施形態では、タスク割当方略モジュールは、多段階割当システム200の各段階または全ての段階を最適化する目標のリアルタイムの変化に適合するように、1つのタスク割当方略から別のタスク割当方略に、またはタスク割当方略の1つのモデルからタスク割当方略の別のモデルにリアルタイムで切り替えるように構成されてもよい。
【0048】
多段階タスク割当システム200の段階1-kのそれぞれまたは全てにおいて、履歴割当モジュールが、すでに行われたエージェントのタスク割当についての情報を監視、記憶、読出、および/または出力してもよい。履歴割当モジュールは、タスク割当モジュール210.1-210.kのそれぞれまたは全てにタスク割当推奨または命令を行うためにタスク割当方略モジュールによって使用され得る、ペアリングモデルまたは類似するコンピュータプロセッサ発生モデルを、ある期間(例えば、先週、先月、去年等)にわたる履歴割当のセットに基づいて、発生させ得る。履歴割当モジュールは、履歴割当情報を、タスク割当方略モジュールまたはベンチマーキングモジュール等の別のモジュールに送信してもよい。
【0049】
多段階タスク割当システム200の段階1-kのそれぞれまたは全てにおいて、ベンチマーキングモジュールは、例えば、履歴割当モジュールから受信され得る履歴割当情報を使用して、2つ以上のペアリング方略(例えば、FIFO、PBR、BP等)の相対的実績をベンチマーキングしてもよい。ベンチマーキングモジュールは、種々のペアリング方略間で巡回するためのベンチマーキングスケジュールを確立する、コホートを追跡する等の他の機能を実施してもよい。ベンチマーキングモジュールは、相対的実績測定値を出力または別様に報告または使用し得る。相対的実績測定値は、例えば、異なるタスク割当方略(または異なるペアリングモデル)が使用されるべきであるかどうかを決定する、またはこれが、1つのタスク割当方略を別のものの代わりに使用するように最適化または別様に構成されている間に多段階タスク割当システム200内または段階1-kのそれぞれの中で達成された全体的実績(または実績利得)を測定するために、タスク割当方略の品質を査定するために使用されてもよい。
【0050】
図3は、本開示の実施形態による、処方薬剤調剤システム300のブロック図を示す。図3の実施例では、処方薬剤調剤システム300は、3つのタイプのエージェント、すなわち、事務員、技師、および薬剤師を伴う、3つの段階を含む。事務員は、典型的には、患者を識別し、氏名および住所情報を検証する、患者識別番号を更新する、保険給付を検証する等の他の一般的な前処理または事務機能を実施する。技師は、典型的には、薬物の名称およびタイプ、用量、ジェネリック代替物、他の投薬との相互作用等の技術的情報に関してスクリプトを精査する。薬剤師は、典型的には、確定されたスクリプトを精査および承認する。故に、処方薬剤調剤システム300は、3つの段階、すなわち、段階1-3を、3つのタイプのエージェントのそれぞれに1つずつ有するように示されている。
【0051】
図3の実施例では、処方薬剤調剤システム300は、m個の処方指示、すなわち、
【化1】
を受信する。m個の処方指示は、ドクターまたは医師による従来の紙の処方箋、電子処方箋または電子スクリプト、メール/ウェブによる指示、医師またはドクターの診療室からの着呼等の形態にあってもよい。典型的シーケンスでは、処方指示
【化2】
はそれぞれ、スクリプトを得ることから関連付けられる薬剤を発送することまで、3つの段階を通して進む。最初に、
【化3】
割当モジュールが、x人の事務員のうちの1人にスクリプトを割り当てる。事務員による処理の後、
【化4】
割当モジュールが、y人の技師のうちの1人にスクリプトを割り当てる。技師による処理の後、
【化5】
割当モジュールが、z人薬剤師のうちの1人による処理および承認のためにスクリプトを割り当て、その後、スクリプトと関連付けられる薬剤が、患者に発送、送達、または別様に与えられ得る。
【0052】
各タイプのエージェントは、あるタイプの例外対処または例外処理として、(図3に点線矢印によって図示されるように)処方指示を拒否する、またはそれをより早期の段階に戻してもよい。例えば、段階2における技師が、患者情報をルックアップすることができない場合、指示は、段階1における事務員に戻されてもよい。いくつかの実施形態では、技師が、投薬量を読み取ることができない場合、技師は、処方した医師への発呼を開始する、または電話で問い合わせるように、指示を事務員に戻してもよい。段階3における薬剤師が、別の処方との潜在的に危険な相互作用または任意の他の数の問題点を検出した場合、薬剤師は、スクリプトを拒否する、またはスクリプトを段階2における技師または段階1における事務員のいずれかに戻してもよい。これらの拒絶および処理遅延は、処方を指示することから、指示通り調剤し、薬剤を発送することまでに要する時間を増加させ得る。異なるタイプの処方指示は、エージェントの異なるシーケンス(例えば、技師のみ、または事務員および薬剤師、または事務員/技師/薬剤師、またはエージェントの異なる順序(事務員/技師または技師/事務員))を要求し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、処方指示が、例外(例えば、任意の段階に対する例外またはより早期の段階への戻し)を受ける状態になると、段階1-3における割当モジュールは、処方指示を特定の段階(例えば、事務員、技師、および薬剤師)および/または特定の段階に割り当てられた特定の事務員、技師、または薬剤師に割り当ててもよい。いくつかの実施形態では、例外イベントに対処する段階は、例外対処および/または通常の対処を待機する、処方指示の待ち行列を有してもよい。これらの実施形態では、段階1-3における割当モジュールは、処方指示を待ち行列順序から外れて割り当ててもよい。例えば、段階1-3における割当モジュールは、1つ以上の性能メトリックに従って、処方薬剤調剤システムの生産性または効率等の処方薬剤調剤システムの全体的性能を改良するように、例外を受ける処方指示を別の通常の処方指示または例外を受ける別の処方指示より早期に割り当ててもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、図3に示されていないが、
【化6】
割当モジュールはそれぞれ、タスク割当方略モジュール、履歴割当モジュール、およびベンチマーキングモジュールのうちの1つ以上のものに通信可能に結合されてもよい。他の実施形態では、
【化7】
割当モジュールは、同一のタスク割当方略モジュール、履歴割当モジュール、および/またはベンチマーキングモジュールに通信可能に結合されてもよい。
【0055】
処方薬剤調剤システム300の段階1-3のそれぞれまたはその全てに関して、タスク割当方略モジュールは、処方指示を個々の事務員、技師、または薬剤師に割り当てるための、1つ以上のタスク割当方略またはペアリング方略(例えば、FIFO、PBR、BP等)またはタスク割当方略の1つ以上のモデルを実装してもよい。タスク割当方略モジュールは、正確度を増加させる、戻し率(すなわち、例外対処率)を減少させる、過誤率を減少させる、顧客満足を増加させる、または対処/処理時間を減少させるために最も適切なペアリング方略を選定してもよい。いくつかの実施形態では、タスク割当方略モジュールは、処方薬剤調剤システム300の各段階または全ての段階を最適化する目標のリアルタイムの変化に適合するように、1つのタスク割当方略から別のタスク割当方略に、またはタスク割当方略の1つのモデルからタスク割当方略の別のモデルにリアルタイムで切り替えるように構成されてもよい。
【0056】
処方薬剤調剤システム300の段階1-3のそれぞれまたは全てにおいて、履歴割当モジュールが、すでに行われた事務員/技師/薬剤師の処方指示割当についての情報を監視、記憶、読出、および/または出力してもよい。履歴割当モジュールは、
【化8】
モジュールのそれぞれまたは全てにタスク割当推奨または命令を行うためにタスク割当方略モジュールによって使用され得る、ペアリングモデルまたは類似するコンピュータプロセッサ発生モデルを、ある期間(例えば、先週、先月、去年等)にわたる履歴割当のセットに基づいて、発生させ得る。履歴割当モジュールは、履歴割当情報を、タスク割当方略モジュールまたはベンチマーキングモジュール等の別のモジュールに送信してもよい。
【0057】
処方薬剤調剤システム300の段階1-3のそれぞれまたは全てにおいて、ベンチマーキングモジュールは、例えば、履歴割当モジュールから受信され得る履歴割当情報を使用して、2つ以上のペアリング方略(例えば、FIFO、PBR、BP等)の相対的実績をベンチマーキングしてもよい。ベンチマーキングモジュールは、種々のペアリング方略間で巡回するためのベンチマーキングスケジュールを確立する、コホートを追跡する等の他の機能を実施してもよい。ベンチマーキングモジュールは、相対的実績測定値を出力または別様に報告または使用してもよい。相対的実績測定値は、例えば、異なるタスク割当方略(または異なるペアリングモデル)が使用されるべきであるかどうかを決定する、またはこれが、1つのタスク割当方略を別のものの代わりに使用するように最適化または別様に構成されている間に処方薬剤調剤システム300内または段階1-3のそれぞれの中で達成された全体的実績(または実績利得)を測定するために、タスク割当方略の品質を査定するために使用されてもよい。
【0058】
図4は、本開示の実施形態による、多段階タスク割当システム400のブロック図を示す。多段階タスク割当システム400は、多段階タスク割当モジュール410を含んでもよい。多段階タスク割当モジュール410は、待ち行列または切替コンポーネントまたは他のインターネットベース、クラウドベース、またはネットワークベースのハードウェアまたはソフトウェアソリューションを含む、段階1-kの各段階において種々のエージェント間でタスクを割り当てることに役立つための少なくとも1つのスイッチまたは他のタイプのルーティングハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。kは、1を上回るまたはそれに等しい、任意の大きさの有限の整数であり得る。
【0059】
多段階タスク割当モジュール410は、着信するタスクを受信し得る。図4の実施例では、多段階タスク割当モジュール410は、所与の期間にわたって、m個のタスク、すなわち、タスク430A-430mを受信する。多段階タスク割当モジュール410は、サービス提供または他のタイプのタスク処理のために、m個のタスクのそれぞれを、段階1-kの任意の段階におけるエージェントに任意のシーケンスにおいて割り当ててもよい。所与の期間の間、x人のエージェント、すなわち、エージェント420.1A-420.1xが、段階1において対応可能であり得、y人のエージェント、すなわち、エージェント420.2A-420.2yが、段階2において対応可能であり得、z人のエージェント、すなわち、エージェント420.kA-420.kyが、段階kにおいて対応可能であり得る。m個のタスクがそれぞれ、段階1-kのいずれかまたは全てから、エージェントの所望または最適化されたシーケンスによって処理された状態になるにつれて、多段階タスク割当モジュール410は、対応する出力を提供してもよい。例えば、多段階タスク割当モジュール410は、タスク430A-430mに対応する、m個の出力(または成果)470A-470mを提供してもよい。いくつかの実施形態では、段階1-kのうちの1つ以上のものが、スキップされてもよい。いくつかの実施形態では、エージェントは、1つを上回る役割または技能セットを有してもよい。いくつかの実施形態では、エージェントは、同一のタスクのためのシーケンス内で複数回ペアリングされてもよい。m、x、y、およびzは、1を上回るまたはそれに等しい、任意の大きさの有限の整数であり得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、タスク割当方略モジュール440は、多段階タスク割当システム400に通信可能に結合され得る、および/またはその中で動作するように構成され得る。タスク割当方略モジュール440は、個々のタスクを段階1-kのいずれかにある個々のエージェントに割り当てるための、1つ以上のタスク割当方略またはペアリング方略(例えば、FIFO、PBR、BP等)またはタスク割当方略の1つ以上のモデルを実装してもよい。いくつかの実施形態では、タスク割当方略モジュール440は、多段階タスク割当システム400の段階1-kのいずれかにおいてエージェントのタスク割当を最適化する目標のリアルタイムの変化に適合するように、1つのタスク割当方略から別のタスク割当方略に、またはタスク割当方略の1つのモデルからタスク割当方略の別のモデルにリアルタイムで切り替えるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、タスクとエージェントのシーケンスをペアリングすることは、短い期間にわたって、タスクとエージェントの別のシーケンスをペアリングすることより低い予期される性能であるが、より長い期間にわたって、より高い予期される全体的性能を有し得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、履歴割当モジュール450は、タスク割当モジュール410および/またはタスク割当方略モジュール440等の他のモジュールを伴う、多段階タスク割当システム400に通信可能に結合され得る、および/またはその中で動作するように構成され得る。履歴割当モジュール450は、段階1-kのいずれかにおいてすでに行われたエージェントのタスク割当についての情報を監視、記憶、読出、および/または出力してもよい。履歴割当モジュール450は、多段階タスク割当モジュール410にタスク割当推奨または命令を行うためにタスク割当方略モジュール440によって使用され得る、ペアリングモデルまたは類似するコンピュータプロセッサ発生モデルを、ある期間(例えば、先週、先月、去年等)にわたる履歴割当のセットに基づいて、発生させ得る。履歴割当モジュール450は、履歴割当情報を、タスク割当方略モジュール440または次に説明されるベンチマーキングモジュール460等の別のモジュールに送信してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、ベンチマーキングモジュール460は、タスク割当モジュール410および/または履歴割当モジュール450等の他のモジュールを伴う、多段階タスク割当システム400に通信可能に結合され得る、および/またはその中で動作するように構成され得る。ベンチマーキングモジュール460は、例えば、履歴割当モジュール450から受信され得る履歴割当情報を使用して、2つ以上のペアリング方略(例えば、FIFO、PBR、BP等)の相対的実績をベンチマーキングしてもよい。ベンチマーキングモジュール460は、種々のペアリング方略間で巡回するためのベンチマーキングスケジュールを確立する、コホートを追跡する等の他の機能を実施してもよい。ベンチマーキングモジュール460は、相対的実績測定値を出力または別様に報告または使用し得る。相対的実績測定値は、例えば、異なるタスク割当方略(または異なるペアリングモデル)が使用されるべきであるかどうかを決定する、またはエージェントおよびタスクのペアリングが最適化されている間、または1つのタスク割当方略が別のものの代わりとしてエージェントおよびタスクのペアリングのために使用されているときに、タスクを段階1-kのいずれかからのエージェントにペアリングするときに達成された全体的実績(または実績利得)を測定するために、タスク割当方略の品質を査定するために使用されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、タスク割当シーケンスモジュール480は、タスク割当モジュール410、タスク割当方略モジュール440、履歴割当モジュール450、および/またはベンチマーキングモジュール460等の他のモジュールを伴う、多段階タスク割当システム400に通信可能に結合され得る、および/またはその中で動作するように構成され得る。タスク430A-430mの差異を考慮するために、タスク割当シーケンスモジュール480は、段階1-kのいずれかまたは全てからのエージェントのシーケンスを最適化し、多段階タスク割当システム400の性能を最適化してもよい。例えば、挙動ペアリングが、タスクとエージェント(例えば、段階1からのエージェント420.1A、続いて、段階2からのエージェント420.2A、・・・、続いて、段階kからのエージェント420.kB)のシーケンスをペアリングするために使用されてもよい。タスク割当シーケンスモジュール480は、多段階タスク割当モジュール410に、タスク430A-430mについての情報、および/またはタスク割当方略モジュール440、履歴割当モジュール450、および/またはベンチマーキングモジュール460からの情報に基づいた、最適なシーケンスを提供してもよい。シーケンス全体(またはシーケンス全体の複数の段階)をペアリングすることは、多段階タスク割当システム200等のいくつかの環境における単一の段階を一度にペアリングすることの最適化を改良し得る。
【0064】
図4の実施例では、(段階間で点線矢印によって示されるように)より早期の段階にタスクを戻すことが可能である、段階1-kのいずれかからの任意のエージェントに加えて、段階1-kのいずれかからの任意のエージェントもまた、タスク割当シーケンスモジュール480にタスクを戻し、エージェントの新しいシーケンスへのタスクの再割当をトリガしてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態(図示せず)では、タスクは、現在の段階内の新しいエージェントへの、他の段階1-kのいずれかへのタスクの再割当をトリガする、他の種類の例外対処を受けてもよい。例外を受ける、再度割り当てられるタスクは、通常のタスクまたは例外を受ける他のタスクの待ち行列に加わってもよく、待ち行列に入れられたタスクは、1つ以上の性能メトリックに従ってタスク割当システムの全体的性能(例えば、生産性、効率)を最適化するように、待ち行列順序から外れて段階内のエージェントに割り当てられてもよい。
【0066】
図5は、本開示の実施形態による、処方薬剤調剤システム500のブロック図を示す。処方薬剤調剤システム500は、3つのタイプのエージェント、すなわち、事務員、技師、および薬剤師を伴う、3つの段階を含む。処方薬剤調剤システム500は、多段階
【化9】
割当モジュール510を含む。多段階
【化10】
割当モジュール510は、m個の処方指示、すなわち、
【化11】
を受信する。多段階
【化12】
割当モジュール510は、薬剤A-薬剤mが、対応する患者に発送、送達、または別様に与えられた状態になるように、m個の処方指示のそれぞれを、段階1におけるx人の事務員、段階2におけるy人の技師、段階3におけるz人の薬剤師のいずれかに任意のシーケンスにおいて割り当てる。そのような構成は、処方薬剤調剤システム500が、「スクリプトから発送まで」の全ての段階を横断した総対処時間を最小限にすることを可能にする。処方薬剤調剤システム500は、各個々の処方指示の各個々の段階にわたる個々の対処時間を最適化する代わりに、ある期間にわたってスクリプトの全てのための総対処時間を最適化するために、多段階挙動ペアリングアルゴリズムを採用してもよい。
【0067】
【化13】
割当方略モジュール540が、処方薬剤調剤システム500に通信可能に結合される、および/またはその中で動作するように構成される。
【化14】
割当方略モジュール540は、個々の
【化15】
を段階1-3のいずれかにある個々の事務員、技師、または薬剤師に割り当てるための、1つ以上の
【化16】
割当方略またはペアリング方略(例えば、FIFO、PBR、BP等)または
【化17】
割当方略の1つ以上のモデルを実装してもよい。
【化18】
割当方略モジュール540は、処方薬剤調剤システム500の段階1-3のいずれかにおける、
【化19】
割当を最適化する目標のリアルタイムの変化に適合するように、1つの
【化20】
割当方略から別の
【化21】
割当方略に、または
【化22】
割当方略の1つのモデルから
【化23】
割当方略の別のモデルにリアルタイムで切り替えるように構成されてもよい。
【0068】
履歴割当モジュール550は、多段階
【化24】
割当モジュール510および/または
【化25】
割当方略モジュール540等の他のモジュールを伴う、処方薬剤調剤システム500に通信可能に結合される、および/またはその中で動作するように構成される。履歴割当モジュール550は、段階1-3のいずれかにおいてすでに行われた
【化26】
割当についての情報を監視、記憶、読出、および/または出力してもよい。履歴割当モジュール550は、多段階
【化27】
割当モジュール510に
【化28】
割当推奨または命令を行うために
【化29】
割当方略モジュール540によって使用され得る、ペアリングモデルまたは類似するコンピュータプロセッサ発生モデルを、ある期間(例えば、先週、先月、去年等)にわたる履歴割当のセットに基づいて、発生させ得る。履歴割当モジュール550は、履歴割当情報を、
【化30】
割当方略モジュール540または次に説明されるベンチマーキングモジュール560等の別のモジュールに送信してもよい。
【0069】
ベンチマーキングモジュール560は、多段階
【化31】
割当モジュール510および/または履歴割当モジュール550等の他のモジュールを伴う、処方薬剤調剤システム500に通信可能に結合される、および/またはその中で動作するように構成される。ベンチマーキングモジュール560は、例えば、履歴割当モジュール550から受信され得る履歴割当情報を使用して、2つ以上のペアリング方略(例えば、FIFO、PBR、BP等)の相対的実績をベンチマーキングしてもよい。ベンチマーキングモジュール560は、種々のペアリング方略間で巡回するためのベンチマーキングスケジュールを確立する、コホートを追跡する等の他の機能を実施してもよい。ベンチマーキングモジュール560は、相対的実績測定値を出力または別様に報告または使用し得る。相対的実績測定値は、例えば、異なる
【化32】
割当方略(または異なるペアリングモデル)が使用されるべきであるかどうかを決定する、または
【化33】
ペアリングが最適化される間、または1つの
【化34】
割当方略が別のものの代わりとして
【化35】
ペアリングのために使用されるときに、段階1-3のいずれかからの事務員、技師、および/または薬剤師への処方をペアリングするときに達成された全体的実績(または実績利得)を測定するために、
【化36】
割当方略の品質を査定するために使用されてもよい。
【0070】
【化37】
割当シーケンスモジュール580は、多段階
【化38】
割当モジュール510、
【化39】
割当方略モジュール540、履歴割当モジュール550、および/またはベンチマーキングモジュール560等の他のモジュールを伴う、処方薬剤調剤システム500に通信可能に結合される、および/またはその中で動作するように構成される。m個の処方指示、すなわち、
【化40】
の差異を考慮するために、
【化41】
割当シーケンスモジュール580は、段階1-3のいずれかまたは全てからの事務員、技師、および/または薬剤師のシーケンスを最適化し、処方薬剤調剤システム500の性能を最適化し得る。技師および薬剤師のいずれも、処方指示をより早期の段階または
【化42】
割当シーケンスモジュール580に戻し、事務員、技師、および/または薬剤師の新しいシーケンスへの処方の再割当をトリガすることが可能である。
【0071】
いくつかの実施形態(図示せず)では、処方指示は、現在の段階内の新しい事務員、技師、または薬剤師への、他の段階のいずれかへの処方指示の再割当をトリガする、他の種類の例外対処を受けてもよい。例外を受ける、再度割り当てられるタスクは、通常のタスクまたは例外を受ける他のタスクの待ち行列に加わってもよく、待ち行列に入れられたタスクは、1つ以上の性能メトリックに従って処方薬剤調剤システムの全体的性能(例えば、生産性、効率)を最適化するように、待ち行列順序から外れてそれらの個別の段階内の事務員、技師、または薬剤師に割り当てられてもよい。
【0072】
コンテキストを処方薬剤調剤システム500に追加するために、2人の薬剤師(薬剤師Aは、新人であり、経験がない一方、薬剤師Bは、10年超の経験および高評価を有する)を伴う、処方薬剤調剤システムを検討する。本システムはまた、2人の技師を有する。比較的低い過誤率または戻し率を有する、技師Bと比較して、技師Aは、比較的高い過誤率または戻し率を有する(すなわち、薬剤師は、技師Aにスクリプトを戻す可能性がより高い)。本システムは、いかなる事務員も有していない。
【0073】
全シーケンスを横断して最適化する、ペアリング方略は、薬剤師Bが、技師Aによって誤って投与されたスクリプトに有能に対処し得るため、好ましくは、いくつかのタイプのスクリプトと技師Aおよび薬剤師Bをペアリングしてもよい。他のタイプのスクリプトも、本より新しい薬剤師が、訓練され、有能な技師によってすでに対処されたスクリプトから経験を得るであろうように、好ましくは、技師Bおよび薬剤師Aとペアリングされてもよい。実績ベースのルーティング方略が、好ましくは、技師Bおよび薬剤師Bを通して可能な限り多くのスクリプトをルーティングしてもよい。それらのスクリプトが、最も迅速に、かつ最も低い過誤率を伴って処理される場合でも、技師Bおよび薬剤師Bが、疲弊した状態になり、技師Aおよび薬剤師Aが、習得し、経験を得る機会を殆ど得られない場合がある。
【0074】
さらに、全てのスクリプトが、等しいわけではない。例えば、特に困難、特異的、高価、およびリスクがあるスクリプトが、好ましくは、技師Bおよび薬剤師Bとペアリングされてもよい一方、特に日常的、安価、または低リスクのスクリプトが、好ましくは、技師Aおよび薬剤師Aとペアリングされてもよい。技師Aおよび薬剤師Aが、より低い複雑性のスクリプトに対処するためにより長い時間を要するであろう場合でも、これは、技師Bおよび薬剤師Bをより高い複雑性のスクリプトのために対応可能なままにしながら、また、全てのタイプのエージェントを横断して利用を均衡させるであろう。
【0075】
本システムの性能は、最適化されるべきメトリックまたは追跡されるべき成果に対してベンチマーキングまたは別様に測定されてもよい。例えば、エージェントあたりの対処時間、スクリプトから発送までの総対処時間、戻されたまたは跳ね返された状態になるスクリプトの頻度、薬剤のタイプ、過誤率等が、測定および記録されてもよい。また、外れ値(例えば、発送するために平均よりはるかに長い時間を要するスクリプト)の数を低減させる、患者の薬剤が発送されるために予期されるより長く待機する患者からの入来苦情を回避するための制約も、存在し得る。
【0076】
図6は、本開示の実施形態による、多段階タスク割当方法600を示す。多段階タスク割当方法600が、ブロック610において開始し得る。ブロック610において、多段階タスク割当システム内のタスクの1つ以上の特性が、決定され得る。例えば、処方薬剤システムでは、処方に基づく薬剤と関連付けられるレベルリスク、薬剤の費用、処方の特異性等が、決定され得る。多段階タスク割当方法600は、ブロック620に進み得る。ブロック620において、少なくとも、タスクの1つ以上の特性に基づいて、エージェントのシーケンスが、決定され得る。例えば、エージェントのシーケンスは、多段階タスク割当システムの性能を改良するために決定されてもよく、挙動ペアリング方略を使用することによって決定されてもよい。エージェントのシーケンスは、複数の段階にわたるタスクのための平均総対処時間を短縮するために、多段階タスク割当システムを最適化するために決定されてもよい。多段階タスク割当方法600は、ブロック630に進み得る。ブロック630において、タスクは、エージェントのシーケンスとペアリングされ得る。タスクとエージェントのシーケンスをペアリングした後、多段階タスク割当方法600は、終了し得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、タスク割当システムおよびタスク割当方法は、タスク割当システムのランタイム条件を最適化するために、所望のメトリックまたはメトリックの組み合わせに基づいて、複数のペアリングモデルの間でリアルタイムで切り替えてもよい。いくつかの実施形態では、タスク割当システムは、複数のモデルを同時に評価し、単一のタスク割当またはタスク割当のシーケンスに関する最も最適なペアリングを与える結果を選択してもよい。ペアリングモデルは、複数の目標、属性、または変数、および複数の目標、属性、または変数の間の相互依存または相互作用を考慮してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、タスク割当システムおよびタスク割当方法は、ある場合には、相互と矛盾し得る、ペアリングに関する1つ以上の制約を考慮してもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、タスク割当システムおよびタスク割当方法は、同一のエージェントによるバッチ処理のためのタスクを群化してもよい。例えば、2つの処方が両方とも、明確化のために同一の医師への割当を要求する場合、これらのタスクは、単一のコールまたは医師への他の割当に群化されてもよい。
【0080】
この時点で、上記に説明されるような本開示による、多段階タスク割当システムにおける挙動ペアリングが、入力データの処理および出力データの発生をある程度伴い得ることに留意されたい。本入力データ処理および出力データ発生は、ハードウェアまたはソフトウェアにおいて実装され得る。例えば、具体的電子コンポーネントが、上記に説明されるような本開示による、多段階タスク割当システムにおける挙動ペアリングと関連付けられる機能を実装するために、挙動ペアリングモジュールまたは類似または関連する回路において採用され得る。代替として、命令に従って動作する1つ以上のプロセッサが、上記に説明されるような本開示による、多段階タスク割当システムにおける挙動ペアリングと関連付けられる機能を実装し得る。そのような場合では、そのような命令が、1つ以上の非一過性プロセッサ可読記憶媒体(例えば、磁気ディスクまたは他の記憶媒体)上に記憶される、または1つ以上の搬送波において具現化される1つ以上の信号を介して、1つ以上のプロセッサに伝送され得ることも、本開示の範囲内である。
【0081】
本開示は、本明細書に説明される具体的実施形態によって範囲を限定されるべきではない。実際には、本明細書に説明されるものに加えて、本開示の他の種々の実施形態および修正が、前述の説明および付随の図面から当業者に明白となるであろう。したがって、そのような他の実施形態および修正は、本開示の範囲内に該当することが意図される。さらに、本開示は、少なくとも1つの特定の目的のための少なくとも1つの特定の環境における、少なくとも1つの特定の実装のコンテキストにおいて本明細書に説明されているが、当業者は、その有用性が、それに限定されず、本開示が、有益なこととして、任意の数の目的のために任意の数の環境において実装され得ることを認識するであろう。故に、以下に記載される請求項は、本明細書に説明されるような本開示の完全な範囲および精神に照らして解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】