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特表2022-511831車両用変速機への統合のためのパーキングロックアクチュエータ
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  • 特表-車両用変速機への統合のためのパーキングロックアクチュエータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】車両用変速機への統合のためのパーキングロックアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 63/34 20060101AFI20220125BHJP
   B60T 1/06 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
F16H63/34
B60T1/06 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531659
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 DE2019100975
(87)【国際公開番号】W WO2020114548
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】102018130645.8
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ペーター グレープ
(72)【発明者】
【氏名】ラシュロ マン
【テーマコード(参考)】
3J067
【Fターム(参考)】
3J067AB01
3J067DA41
3J067EA90
3J067FA18
3J067FA36
3J067FA57
3J067FA63
3J067FA90
3J067FB83
3J067GA01
(57)【要約】
本発明は、車両用変速機(2)への統合のためのパーキングロックアクチュエータ(1)であって、少なくとも以下の構成要素、
-割り当てられたパーキングロックギヤ(5)の回転移動(4)を、歯溝(6)による割り当てられたパーキングロックギヤ(5)との確実な係合を用いて、ロックするためのロッキングカム(3)、
-作動力(8)を前記ロッキングカム(3)に伝達するための作動手段(7)であって、作動手段(7)が、ロックされた位置と開放位置との間で移動可能である、作動手段(7)、
-作動手段(7)を移動させるためのロッキング駆動装置(9)、および、
-作動力(8)を、作動手段(7)からロッキングカム(3)へと伝達するためのエネルギー蓄積器(11)、を有する、パーキングロックアクチュエータ(1)に関する。パーキングロックアクチュエータ(1)は主に、ロッキング駆動装置(9)の作動手段(7)が、中間要素(12)を用いて、走行経路(10)に沿って移動され得、中間要素(12)が、事前定義された中間経路(13)を介して、ロッキング駆動装置(9)に対して変位自在であることを特徴とする。
ここで提案されるパーキングロックアクチュエータにより、コンパクトな設計が可能になり、その結果、パーキングロックアクチュエータが、空間的要件を実質的に有さずに、車両用変速機に統合され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用変速機(2)への統合のためのパーキングロックアクチュエータ(1)であって、少なくとも以下の構成要素、
-割り当てられたパーキングロックギヤ(5)の回転移動(4)を、歯溝(6)による前記割り当てられたパーキングロックギヤ(5)との確実な係合を用いて、ロックするためのロッキングカム(3)、
-作動力(8)を前記ロッキングカム(3)に伝達するための作動手段(7)であって、前記作動手段(7)が、ロックされた位置と開放位置との間で移動可能であり、前記作動手段(7)の前記ロックされた位置において、前記関連付けられたパーキングロック(5)の回転移動(4)を、前記ロッキングカム(3)を用いてロック可能であり、前記関連付けられたパーキングロックギヤ(5)の回転移動(4)が、前記作動手段(7)の前記開放位置において可能である、作動手段(7)、
-前記作動手段(7)を移動させるためのロッキング駆動装置(9)、および、
-前記作動力(8)を、前記作動手段(7)から前記ロッキングカム(3)へと伝達するためのエネルギー蓄積器(11)、を有し、
前記作動手段(7)が、中間要素(12)を用いて、前記ロッキング駆動装置(9)によって、走行路(10)に沿って移動され得、前記中間要素(12)が、事前定義された中間経路(13)の上方で、ロッキング駆動装置(9)に対して変異自在であることを特徴とする、パーキングロックアクチュエータ(1)。
【請求項2】
前記作動手段(7)がロッキングヘッド(16)を有し、前記ロッキングヘッド(16)を用いて、前記ロッキングカム(3)が前記割り当てられたパーキングロックギヤ(5)の歯溝(6)において、確実な係合で保持され、好ましくはこの状態で、前記ロッキングヘッド(16)が、前記パーキングロックギヤ(5)の前記ギヤ軸(17)に関連して、支持停止部(18)に対して径方向に支持されている、請求項1に記載のパーキングロックアクチュエータ(1)。
【請求項3】
前記ロッキングカム(3)が、軸受中心軸(19)を中心として傾動可能なピボットレバー(20)上に配置されている、請求項1または2に記載のパーキングロックアクチュエータ(1)。
【請求項4】
前記エネルギー蓄積器(11)が、前記作動手段(7)に沿って軸力(21、22)を付与し、前記カム側で、前記軸力(21)が、前記作動手段(7)のドライバー停止部(24)に対して前記ロックされた位置へと伝達するように作用し、他方の側で、前記軸力(22)が前記ピボットレバー(20)の開放レバー(23)に対して前記開放位置へと伝達するように作用し、前記中間経路(13)の前記第1の端部(15)への到達後、前記作動手段(7)の前記ロッキングカム(3)へのてこ作用が、前記開放レバー(23)へのてこ作用よりも大きい、請求項3に記載のパーキングロックアクチュエータ(1)。
【請求項5】
停車中の自動車(26)がローリングすることを防止するためのパーキングロック装置(25)であって、少なくとも以下の構成要素、
-好ましくは、車両用変速機(2)における変速機出力側の、自動車(26)のドライブトレイン(27)のためのパーキングロックギヤ(5)、および、
-請求項1~4のいずれか一項に記載のパーキングロックアクチュエータ(1)、を有し、前記ロッキングカム(3)が係合するときに、前記パーキングロックギヤ(5)が回転移動(4)を防止される、パーキングロック装置(25)。
【請求項6】
自動車(26)のドライトレイン(27)のための車両用変速機(2)であって、少なくとも以下の構成要素、
-駆動エンジン(29)からトルクを受けるためのトルク入力部(28)、
-受けたトルクを少なくとも1つの車両用ギア(31、32)へと出力するためのトルク出力部(30)、および、
-前記パーキングロックギヤ(5)をロックするための請求項5に記載のパーキングロック装置(25)、を有し、前記パーキングロックギヤ(5)が前記車両用変速機(2)のギヤを形成し、前記パーキングロックアクチュエータ(1)が、好ましくは前記車両用変速機(2)のハウジング(33)によって形成されたギヤ空間(34)に統合される、車両用変速機(2)。
【請求項7】
少なくとも1つの車両用車輪(31、32)と、請求項6に記載の少なくとも1つの車両用変速機(2)、および少なくとも1つの駆動エンジン(29)を有する、ドライトレイン(27)とを有する、自動車(26)であって、
前記トルクを、前記ドライトレイン(27)の前記少なくとも1つの駆動エンジン(29)から、前記少なくとも1つの車両用車輪(31、32)へと伝達可能であり、
少なくともパーキング回路において、前記パーキングロック装置(25)の前記パーキングロックギヤ(5)が、前記トルクフロー(35)に切り替えられ、その結果、前記少なくとも1つの車両用車輪(31、32)が前記パーキングロックギヤ(5)に回転可能に固定され、その結果、前記作動手段(7)が前記開放位置にあるときのみに該当する前記車両用車輪(31、32)を回転可能である、自動車(26)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用変速機への統合のためのパーキングロックアクチュエータであって、少なくとも以下の構成要素、
-割り当てられたパーキングロックギヤの回転移動を、歯溝による割り当てられたパーキングロックギヤとの確実な係合を用いて、ロックするためのロッキングカム、
-作動力をロッキングカムに伝えるための作動手段であって、作動手段が、ロックされた位置と開放位置との間で移動可能である、作動手段、
-作動手段を移動させるためのロッキング駆動装置、および、
-作動力を、作動手段からロッキングカムへと伝達するためのエネルギー蓄積器、を有する、パーキングロックアクチュエータに関する。パーキングロックアクチュエータは主に、ロッキング駆動装置の作動手段が、中間要素を用いて、走行経路に沿って移動され得、中間要素が、事前定義された中間経路を介して、ロッキング駆動装置に対して変位自在であることを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
パーキングロック装置は、パーキングされた、すなわち、通常は捨てられた車両が確実にローリングできないようにすることを意図している、先行技術から既知である。例えば、パーキングロック装置は、ロッキングカムがパーキングロックギヤの歯溝と係合する確実なロックとして作用する。自動車がローリングして離れることを防止するためのこのようなロックは、例えば、該当する自動車の2km/h[時速2キロメートル]未満の速度でのみ設定され、一方、4km/hを越えると、好ましくは、例えば、ロッキングカムを拒否することによって、ロックが自動的に防止される。自動変速機または電化作動駆動装置を有する自動車、例えばハイブリッド車両のためのこのようなロックが法により求められる。例えば、このようなパーキングロック装置が、続いて公開されたDE102017102804A1から既知である。
【0003】
自動車における多数の構成要素を考慮すると、構成要素の特に高い度合いのコンパ性を達成することが必要である。したがって、ロッキング駆動装置を車両用変速機に統合することであり、好ましくはすでに利用可能な設置空間がなるべく少なく使用されるべきである。一方でロック可能であるべきであり、他方で、-乗り上げ-位置では、なるべく少ない力で、割り当てられたパーキングロックギヤ上で作用するべきであり、さらに-歯が-溝上にある位置では、歯溝と確実に係合するべきであるロッキングカムの問題により、今まで、ロッキングカムの作動が選択されて、ロッキングカムが作動手段によってロックされた位置から押し出され、開放位置からロックされた位置へと解放されるのみであったが、その結果、ロッキングカムが次いで歯溝と自動的に係合し得る。しかし、これは、設置空間のために、ロッキング駆動装置の潜在的な取り付け位置に達するように長い距離がカバーされなければならないという不利な点がある。その結果、全体の増加した設置空間が求められ、システム、特に作動手段の機械的剛性が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこから進んで、本発明の目的は、先行技術から知られている欠点を少なくとも部分的に解消することである。本発明による特徴は、有利な実施形態が従属請求項に示されている独立請求項から生じる。特許請求の範囲の特徴は、任意の技術的に賢明な方法で組み合わせることができ、本発明の追加の実施形態を含む以下の詳細な説明および図における説明もまた、この目的のために使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、車両用変速機への統合のためのパーキングロックアクチュエータであって、少なくとも以下の構成要素、
-割り当てられたパーキングロックギヤの回転移動を、歯溝による割り当てられたパーキングロックギヤとの確実な係合を用いて、ロックするためのロッキングカム、
-作動力をロッキングカムに伝えるための作動手段であって、作動手段が、ロックされた位置と開放位置との間で移動可能であり、作動手段のロックされた位置において、割り当てられたパーキングロックギヤの回転移動を、ロッキングカムを用いてロック可能であり、作動手段の開放位置において、割り当てられたパーキングロックギヤの回転移動が可能である、作動手段、
-作動手段を移動させるためのロッキング駆動装置、および、
-作動力を、作動手段からロッキングカムへと伝えるためのエネルギー蓄積器、を有する、パーキングロックアクチュエータに関する。
【0006】
パーキングロックアクチュエータは主に、ロッキング駆動装置の作動手段が、中間要素を用いて、走行路に沿って移動され得、中間要素が、事前定義された中間経路を介して、ロッキング駆動装置に対して変位自在であることを特徴とする。
【0007】
ここで提案されたパーキングロックアクチュエータは、特に小さい空間において、例えば、変速ギヤリングにおいて、差動装置において、摩擦クラッチにおいて、または、内燃エンジンから車両用車輪へとトルクを伝達するためのトルクコンバータにおいて、車両用変速機に統合され得る。これは、ロッキング駆動装置が引き込むように設置され、ロックされた位置を解放する、すなわち、作動手段がロックされた位置からロッキング駆動装置の領域へと引き出されることで、達成される。これは、力誘導に関する制約として理解されるべきではない。対照的に、一実施形態において、ロッキング駆動装置から作動手段への力の付与は押すように行われる。先行技術において、パーキングロックギヤのロックを解放するために、作動手段は常に、ロッキング駆動装置の領域から延出され、この作動は、したがって、力誘導に関わらず、押圧作動と称されていた。ロックされた位置に移動するために、作動手段は次いで、後退し、自由経路がロッキングカムのために作成され、その結果、-乗り-上げ位置が存在するときに、自由経路の領域においてのみ移動する可能性があり、自動的に係合する可能性があった。
【0008】
ロッキングカムは、パーキングロックギヤの歯溝と確実に係合するように設計され、ロッキングカムは、(潜在的に別個の)エネルギー蓄積器によって正常位置に、かつ/または、重力によって開放位置に保持され、その結果、パーキングロックギヤは次いで、回転自在であり得る。作動手段が開放位置にあるときに、正常位置が存在する。一方で、ロッキングカムが、作動手段によってロックされた位置に移動される場合に、歯溝によるロッキングカムとの確実な係合は、パーキングロックギヤがそのギヤ軸を中心に回転することを防止する、または、法的に許容された制限内のみにある。車両用車輪はしたがって固定され、自動車はもはやローリングし得ない。
【0009】
作動手段は、例えば、押すことによる確実な、または不確実な接触の結果、ロッキングカムを開放位置からロックされた位置へと伝達するように設置され、以下、作動手段がロッキングカムをロックされた位置へと同様に移動させる、作動手段の対応する位置はまた、ロックされた位置とも称される。ロッキングカムが作動手段によって可能にされ、開放位置へと戻り得る位置は、したがって、作動手段の開放位置とも称される。
【0010】
作動手段が、ロックされた位置の方向で、ロッキングカムに作動力を付与するときに、作動力はそのロックされた位置にロッキングカムを伝達しなければならず、ロッキングカムは、したがって歯溝に対して位置決めされる、すなわち、-歯が-溝上にある位置に位置決めされる場合にのみ、確実な係合で歯溝に伝達されることが留意されるべきである。そうでない場合、ロッキングカムは-乗り-上げ位置に留まり、パーキングロックギヤは、(-歯が-溝上にある位置に達するまで)回転自在である。
【0011】
加えて、好ましい実施形態において、歯溝および/またはロッキングカムの形状により、パーキングロックギヤの過度な回転速度が存在するとき、結果として得られる、パーキングロックギヤとロッキングカムとの間の接線相対速度が大きいので、ロッキングカムは作動手段のロックされた位置にあり、作動手段からロッキングカムへと伝えられた作動力に関わらず、ロッキングカムは確実な係合へと移行しない。例えば、過度な速度は、4km/h[時速4キロメートル]を超える自動車速度に対応する。このような実施形態において、負荷が設計に従うとき、パーキングロックギヤまたはロッキングカムへの損傷はない。
【0012】
作動手段を駆動するために、ロッキング駆動装置、例えば、作動手段が走行経路に沿って移動され得る電動、空圧または油圧駆動装置が提供される。走行経路は、カム側に定義された端部および定義された対向端部を有する。ロッキングカムが歯溝との確実な係合(-歯が-溝上にある位置)の準備ができている場合、ロッキング駆動装置がカム側の走行経路の端部に達すると、作動手段およびロッキングカムのロックされた位置が存在する。しかし、作動手段が走行経路の対向端部にあり、したがって、開放位置に伝達されるとき、ロッキングカムは常に開放位置にある。
【0013】
ロッキング駆動装置の走行の経路は、直線経路または回転経路であることに留意すべきである。ロッキング駆動装置の走行経路に対する作動手段の位置のための自由経路を達成するために、例えば、圧縮ばねとして設計されたエネルギー蓄積器にエネルギーを蓄えることによって、ロッキング駆動装置の移動から結果として得られる作動力を蓄積するエネルギー蓄積器が提供される。あるいは、エネルギー蓄積器は空圧または油圧エネルギー蓄積器として設計され、機械的に入力されたエネルギー、つまり、力またはトルクは主に、機械的なエネルギーとして、つまり力またはトルクとして再び費やされた、高い効率レベルを有する手段である。すなわち、ロッキング駆動装置の作動力は機械的な力の形態でロッキングカムに伝えられないが、作動力はエネルギー蓄積器を介して、間接的にのみロッキングカムに伝えられる。これは、ロッキング駆動装置による作動とパーキングロックギヤの実際のロッキングとの間の時間差を可能にする。ロッキングカムが-乗り-上げ位置にある、またはパーキングロックギヤの事前定義された最大速度が超過される限り、ロッキング駆動装置から作動手段への作動力の出力に関わらず、パーキングロックギヤは移動自在のままである。ロッキングカムが(十分に長い時間)、-歯が-溝上にある位置にあるときに、パーキングロックギヤの回転移動は確実な噛合でロックされるのみである。
【0014】
トルク出力部のために設置されたロッキング駆動装置は、例えば、駆動軸を中心として回転され得、カム側端部から対向端部への走行経路は機械的に確保され、かつ/または、電子的に調整され、事前定義された数の回転からなる。作動手段は次いで、例えば、スピンドルまたはスピンドルナットである。作動手段がスピンドルである場合、スピンドルはトルク支持され、軸方向に移動され得る。作動手段がスピンドルナットである場合、スピンドルナットはトルク支持され、回転スピンドルによって軸方向に移動され得る。
【0015】
直線移動された作動手段はロッキングカムに作用する、または、枢動移動においてロッキングカムに作用することが指摘されるべきである。枢動移動の場合、作動手段はしたがって、好ましくは、ロッキング駆動装置と回転作動手段との間に介在されて、トルク増大変速ギヤで回転するように設置される。
【0016】
ここで、中間要素はロッキング駆動装置と作動手段との間に追加的に提供され、中間経路上で変位自在である。中間経路は、事前定義された第1の端部および事前定義された第2の端部を有する。中間要素は、ロッキングカムが-乗り-上げ位置にあるときに、エネルギー蓄積器によって連結解除を可能にする、すなわち、自由経路を作成するように設計される。これは、中間経路の長さがエネルギー蓄積器に合わせられていることを意味する。一実施形態において、中間経路は、作動手段のロックされた位置と開放位置との間の距離、すなわち、走行経路の長さ、または、カム側の端部と対向端部との間の距離に対応する。一実施形態において、中間経路はより長く、中間要素のための第1の停止部は作動手段がロックされた位置から外に誘導され得るように位置決めされ、第2の停止部は作動手段と中間要素との間で損失保護手段が形成されるように位置決めされる。第1の停止部は、機械的停止部である。第2の停止部は純粋に電子的に調整され、例えば、かつ/または、機械的な安全停止部が提供され、安全停止部は必ずしも第2の停止部と合同的に位置決めされない。ロッキング駆動装置がトルクを加え、かつトルク支持され、軸方向移動可能なスピンドルが作動手段として提供される場合、中間要素は、回転駆動スピンドルナットとして設計される。しかし、従来の駆動スピンドルナットとは対照的に、中間要素はすべての位置において軸方向に支持されないが、中間経路に沿って軸方向に変位可能である。この駆動スピンドルナットは、トルクから結果として得られる作動力とねじピッチとが互いに対向して方向づけられるときに、スピンドルの推進のための軸方向に支持された、カウンタ軸受を形成するのみである。したがって、中間要素は(力の方向によって)、第1の端部に達するときに、作動手段が次いで、ロックされた位置から開放位置へと伝達される、すなわち、後退するように、ロッキング駆動装置の作動力のためのカウンタ軸受を形成するのみである。
【0017】
代替的な実施形態において、作動手段は(逆に)、トルク支持され、軸方向移動可能なスピンドルナットによって形成され、中間要素は、回転駆動スピンドルによって形成され、先の説明によって、この駆動スピンドルは、従来の駆動スピンドルとは対照的に、すべての位置において軸方向に支持されないが、Is軸方向に沿って間で変位可能である。
【0018】
ロッキングカムの割り当てられたパーキングロックギヤに対する-乗り-上げ位置が存在する限り、中間要素は、中間要素が中間経路の第2の端部に達するまで、作動手段の移動の方向に対向する方向で移動する。エネルギー蓄積器は、中間要素のこのカウンタ移動を打ち消す。しかし、ロッキングカムが-乗り-上げ位置にあり、開放して保持され、したがって、ロックされた位置への作動手段の移動を防止するため、エネルギー蓄積器はロックされる。エネルギー蓄積器はしたがって、(ほぼ)蓄積位置における開放位置において、張力を与えられたままであり、すなわち、エネルギーを蓄えられ、例えば、圧縮ばねまたはスパイラルばねとして設計される。しかし、エネルギー蓄積器は次に、中間要素および作動手段の相互作用において張力を与えられず、作動手段は、中間要素が開放位置に応じた中間経路の第2の端部に達するときに、第1の端部で中間経路を介して支持されるが、そこで自由である。-乗り-上げ-位置において、開放して保持されたロッキングカムのみが、エネルギー蓄積装置が放出されることを防止する。エネルギー蓄積器を放出するために、中間経路の第1の端部から離間した中間経路の第2の端部での中間要素の位置の結果として、駆動側に対応する自由経路が作成される。
【0019】
パーキングロックギヤ回転およびロッキングカムによって-乗り-上げ位置が相殺され、エネルギー蓄積器を用いて予め負荷が加えられ、歯溝に係合することが可能である場合、エネルギーを蓄えられたエネルギー蓄積器が中間要素を中間経路の第2の端部から中間経路の第1の端部へと押圧するが、それは、ロッキングカムがここで、作動手段の移動を解放するためである。
【0020】
パーキングロックギヤの歯溝がロッキングカムに対して位置決めされるとすぐに、偏りの結果、ロッキングカムが歯溝に係合する。偏った状態では、好ましくは低い予張力によるロッキングカムとパーキングロックギヤとの間の低いレベルの摩擦で、パーキングロックギヤの回転移動はまだ防止されない。
【0021】
パーキングロックアクチュエータの有利な実施形態によって、作動手段はロッキングヘッドを有し、ロッキングヘッドを用いて、ロッキングカムは、割り当てられたパーキングロックギヤの歯溝において確実な係合で保持される。
【0022】
この実施形態によって、作動手段はロッキングヘッドを有し、ロッキングヘッドを用いて、ロックされた位置は確保され得る。負荷がない場合、ロッキングヘッドは、ロッキングカムが割り当てられたパーキングロックギヤの歯溝との係合から外れて移動され得るように、ロッキングカム自体によってそのロックされた位置から外に移動され得る。ロッキングヘッドは、開放力の結果としてロッキングカムが歯溝の外に移動され得るように、ロッキング駆動装置を用いて開放位置に向かって作動手段を積極的に移動させることによって、このロックされた位置から外に再び移動され得る。
【0023】
有利な実施形態では、ロックされた位置において、ロッキングヘッドは、パーキングロックギヤのギヤ軸に対して、支持停止部に対して径方向に支持されている。
【0024】
ロッキングヘッドの負荷は、支持停止部に対して径方向に支持されるように、低く維持される。ロッキングヘッドはしたがって、ロッキングカムと支持停止部との間の溝を埋め、その結果、作動手段が(例えば、スピンドル駆動装置として)ビームのように形成されるときに、作動手段への屈曲負荷が防止される。支持停止部は、好ましくは、作動手段の開放位置とロックされた位置との間の全長にわたって提供され、その結果、純粋に直線的に、好ましくは、ロッキング駆動装置の作動方向に対して軸平行に、屈曲負荷なく、作動手段が走行経路全体にわたって移動され得る。パーキングロックアクチュエータが車両用変速機に統合される場合、このような支持停止部は、別個の要素によって、または、車両用変速機のハウジングから直接形成される。作動手段は、好ましくは、走行経路全体または走行経路の一部分上で、しかし少なくともカム側の端部で、ロッキング駆動装置の作動軸に対して平行に誘導され、屈曲負荷に対して支持される。特に好ましくは、作動手段は、平行に、または同軸方向に、したがって継ぎ目なく、ロッキング駆動装置のこの作動軸に沿って誘導される。
【0025】
パーキングロックアクチュエータの有利な実施形態によって、ロッキングカムは、軸受中心軸を中心として傾動可能なピボットレバー上に配置されている。
【0026】
この実施形態において、ロッキングカムは、軸受中心軸を有するピボットレバー上に配置され、その結果、ロッキングカムは、開放位置において、パーキングロックギヤの径方向範囲の外に枢動され、ロックされた位置において、歯溝へと枢動される。このような構成において、ピボットレバーおよびロッキングカムを備えるアセンブリは、例えば、係止爪と称される。代替的な実施形態において、ロッキングカムは、例えば、パーキングロックギヤに対して径方向にピン軸と整列され、このピン軸に沿って移動可能である、パーキングロックギヤのギヤ軸へと直線移動可能なピンとして設計される。
【0027】
パーキングロックアクチュエータの有利な実施形態によって、エネルギー蓄積器は、作動手段に沿って軸力を付与し、ロックされた位置へと伝達するための軸力が、カム側で、作動手段のドライバー停止部に対して作用し、他方の側で、軸力は、ピボットレバーの開放レバーに対して開放位置へと伝達するためであり、中間経路の第1の端部の到達後、作動手段のロッキングカムへのてこ作用は、開放レバーへのてこ作用よりも大きい。
【0028】
ここで、エネルギー蓄積器が、例えば、圧縮コイルばねまたはガス圧縮ばねとして、軸力を付与するように設置される。エネルギー蓄積器は、2つの移動可能な要素間で、エネルギーを蓄えられ得、例えば、圧縮ばねとして、一方で、ロッキングカムのピボットレバーの開放レバーに対して、他方で、作動手段のドライバー停止部に対して、負荷が加えられ得る。作動手段の開放位置において、ドライバー停止部は、エネルギー蓄積装置のための軸方向軸受を形成し、ピボットレバーの開放レバーへの結果として得られた(第2の)軸力は、ロッキングカムを係合位置の外に移動させ、または、ロッキングカムを開放位置に保持し、その結果、パーキングロックギヤは次いで、そのギヤ軸を中心として自由に回転され得る。
【0029】
中間経路の第1の端部で支持された、すなわち、機械的停止部に載置された中間要素と相互作用して、ロッキング駆動装置を用いて、ドライバー停止部が開放位置からロックされた位置へと移動することが防止される。作動手段へのこの力の付与は、ここでは、引出作動と称される。この場合、エネルギー蓄積器はエネルギーを蓄えられ、中間要素は、ロッキング駆動装置によって、中間経路の第1の端部に対して保持される。
【0030】
中間要素が中間経路の第2の端部に達するとすぐに、作動手段はピボットレバーに作用し、次に、エネルギー蓄積器によって、ドライバー停止部に付与された軸力は、軸受中心軸を中心とした(閉鎖)トルクをもたらし、閉鎖トルクは、エネルギー蓄積装置によって開放レバーに付与された(拮抗)軸力の結果として得られた対向する(開放)トルクよりも大きい。これは、開放レバーのピボットレバーの軸受中心軸を中心としたレバーが、作動手段がピボットレバーに作用するレバーよりも短いことで達成される。てこ作用はここで、力およびレバー走行の生成を意味する。パーキングロックギヤの閉塞を解放するために、第2の軸力の結果として得られたピボットレバー上の開放移動は、第1の軸力の結果として得られたピボットレバー上の閉鎖移動よりも大きくなければならず、逆もまたしかりであり、好ましくは、開放のためには(好ましくは提供された)ロックが解放されなければならず、または、閉鎖のためには、-歯が-溝上にある位置が存在しなければならない。
【0031】
この目的のために、ピボットレバーは、好ましくは、ロッキングリンクを有し、ロッキングリンクに対して、特に好ましくはロッキングヘッドを用いて、作動手段が作用する。ロッキングリンクは、好ましくは、ピボットレバーの軸受中心軸へとロッキングカムとして離間する、同じ、または同様のレバーと配置される。
-乗り-上げ位置において、作動手段はピボットレバーに対して押圧され、エネルギー蓄積器は開放レバーに対して支持され、その結果、中間要素は、パーキングロック装置の閉鎖のために、ロッキング駆動装置の駆動経路の提供の結果として、中間経路の第2の端部に変位される。ピボットレバーの移動の結果として、エネルギー蓄積器は、中間要素を中間経路の第1の端部に向かって押圧することを試み、作動手段を(ロックされた)ピボットレバーに対して、伝達し、例えば押す。-歯が-溝上にある位置が(好ましくは十分にゆっくりと)達成された場合、開放レバーがより短く、ピボットレバーの軸受中心軸を中心としたトルク比により、ロッキングカムが関連する歯溝へと伝達されるため、ピボットレバーの軸受中心軸を中心とした、この結果として得られる閉鎖トルクは、より大きいカウンタトルク、すなわち、開放トルクによって対向されない。中間要素は次いで、中間経路の第1の端部に向かってシフトする。
【0032】
さらなる実施態様によって、停車中の自動車がローリングすることを防止するためのパーキングロック装置であって、少なくとも以下の構成要素、
-好ましくは、車両用変速機における変速機出力側の、自動車のドライブトレインのためのパーキングロックギヤ、および、
-上述の説明による、実施形態によるパーキングロックアクチュエータを有し、
ロッキングカムが係合するときに、パーキングロックギヤが回転を防止される、パーキングロック装置が提案される。
【0033】
ここで提案されたパーキングロック装置は、パーキングロックアクチュエータおよびパーキングロックギヤを備える。パーキングロックギヤは、好ましくは車両用変速機において、自動車のドライブトレインに統合され、先の説明による開放位置とロックされた位置との間で切り替えられ得、その結果、パーキングロックギヤが、ロックされた位置における回転を防止される。
【0034】
好ましい実施形態において、パーキングロックアクチュエータおよびパーキングロックギヤは、構造ユニットを形成する。このような構造ユニットは、一体的な構成要素として、設置のために送達され得、上述の構造ユニットを再び分解する必要なく、例えば、自動車において、意図されたアセンブリの場所で取り付けられ得る。
【0035】
自動車において設置される場合、ロッキングカムがロックされた位置にある、すなわち、パーキングロックギヤがもはや回転され得ないときに、車両用車輪のうちの少なくとも1つがもはや移動され得ないように、パーキングロックギヤが配置される。これに関して、パーキングロックギヤとロッキングカムとの間の、かつ、該当する車両用車輪に向かう接続剛性およびバックラッシュは考慮されていないため、車両用車輪は依然として、回転の小さな角度内で移動可能である可能性がある。しかし、自動車の機動性のための法的枠組みの条件は順守され得る。
【0036】
特に単純な実施形態において、パーキングロックギヤは、永続的にドライブトレインとともに回転するように設計され、別の実施形態において、少なくともロックされた位置におけるパーキングロックギヤは、(間接的に)少なくとも1つの車両用車輪に固定され、トルクを伝達する。
【0037】
クラッチアクチュエータの一実施形態において、パーキングロックギヤは、車両用変速機における変速機出力側のトルクフロー内に配置される。
【0038】
さらなる実施態様によって、自動車のドライブトレインのための車両用変速機であって、少なくとも以下の構成要素、
-駆動エンジンからトルクを受けるためのトルク入力部、
受けたトルクを少なくとも1つの車両用車輪へと出力するための-トルク出力部、および、
パーキングロックギヤをロックするための、上記説明による、一実施形態によるパーキングロック装置であって、パーキングロックギヤが車両用変速機のギヤを形成し、パーキングロックアクチュエータが、好ましくはハウジングによって形成された車両用変速機の変速空間に統合される、-パーキングロック装置、を有する、車両用変速機が提案される。
【0039】
車両用変速機、例えば、自動変速機は、パーキングロックギヤを備え、好ましくは、パーキングロックアクチュエータは、車両用変速機に統合され、例えば、ハウジングの変速空間において、収容され、支持される。例えば、パーキングロックギヤは、シフト可能変速ギヤの永続的またはシフト依存駆動ギヤ、例えば、スパーギヤを形成し、ロッキングカムの係合のための少なくとも1つの歯溝(以下の説明を参照)は、好ましくは、別個の凹部として形成され、すなわち、エンジントルクを伝えるスパーギヤ歯部の一部分ではない。
【0040】
車両用変速機は、トルク入力部、例えば1つ以上の変速機入力シャフト、およびトルク出力部、例えば1つ以上の変速機出力シャフトを有する。車両用変速機において、(差動装置としての)仕様ごとに、トルクが伝えられ、低減され、転換され、かつ/または、配分される。一実施形態において、車両用変速機は、トルクフローにおける、クラッチ、例えば、摩擦クラッチ、またはドッグクラッチである。トルク入力部は駆動エンジン側に配置されて、トルク出力部は駆動ギヤ側に配置されている。しかし、トルクの方向はまた、特にパーキング位置において、車両用車輪から駆動エンジンまたは発電機へと、対向していてもよい。
【0041】
さらなる態様によって、少なくとも1つの車両用車輪、ならびに、上記説明による、一実施形態による少なくとも1つの車両用変速機、および、少なくとも1つの駆動エンジンを有するドライブトレインを有する、自動車であって、
ドライブトレインの少なくとも1つの駆動エンジンが、少なくとも1つの車両用変速機を用いて、少なくとも1つの車両用車輪へとトルクを伝達し、
少なくとも1つの車両用車輪がパーキングロックギヤと回転可能に固定され、その結果、作動手段が開放位置にあるときにしか、該当する車両用車輪が回転され得ないように、パーキングロック装置のパーキングロックギヤが、少なくともパーキング回路において、トルクフローに切り替えられる、自動車が提案される。
【0042】
自動車は、例えば、乗用車、トラックまたは電動二輪車である。自動車は、少なくとも1つの駆動ユニット、例えば、内燃エンジンおよび/または電動駆動エンジンを備えるドライブトレインを有する。駆動ユニットによって出力され得るトルクは、車両用変速機を介して、少なくとも1つの車両用車輪、駆動ギヤへと出力される。ここで参照される車両用変速機は、好ましくは、シフト可能変速ギヤである。あるいは、車両用変速機は、例えば、固定変速機である、すなわち、変更不可能な変速機、もしくは差動装置またはスリップクラッチを備える。
【0043】
ここで提案されるパーキングロック装置は、好ましくは、上述のように設計され、車両用変速機に統合され、好ましい実施形態において、パーキングロックおよび(追加の)パーキングブレーキは、単一の(共通の)車両用車輪に作用し、特に好ましくは、(共通の)ロッキング駆動装置のパーキングロックおよびパーキングブレーキの両方が作動される。あるいは、パーキングロックが第1の車両用車輪に作用し、パーキングブレーキが、第1とは異なる第2の車両用車輪に作用するように、パーキングロック装置が設計される。さらなる代替例において、従来の、別途配置され、別途作動可能なパーキングブレーキが提供される。
【0044】
パーキングロック(およびパーキングブレーキ)が解放されるときに、パーキング回路においてのみ、少なくとも1つの車両用車輪の回転移動は可能である。それ以外の場合は、前述の説明を参照されたい。
【0045】
上述した発明は、好ましい実施形態を示す関連する図面を参照して関連する技術的背景に基づいて以下に詳細に説明される。本発明は、純粋に概略的な図面を用いて決して制限されないが、図面は、寸法的に正確ではなく、比率を定義するのに適していないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】開放位置における、摩擦クラッチの概略断面図を示す。
図2】-乗り-上げ位置における、パーキングロック装置の概略断面図を示す。
図3】パワートレインの一部の概略断面図を示す。
図4】車両用変速機に統合されたパーキングロック装置を備えた自動車を、概略図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、ハウジング33内のその変速機空間34に統合されたパーキングロックアクチュエータ1を備えた、部分的に示された車両用変速機2における、パーキングロック装置25を、概略断面図で示す。ギヤ軸17を備えたパーキングロックギヤ5がここでは提供されその結果、パーキングロックギヤ5は、回転移動4に沿って回転され得る。したがって、この場合、1つの-歯が-溝上にある位置または-乗り-上げ位置(図2を参照)が存在するように、複数の歯溝6がロッキングカム3に対して位置決めされる。ロッキングカム3は、軸受中心軸19を中心として枢動され得るピボットレバー20上に配置されている。パーキングロックアクチュエータ1の示された状態において、この場合は電動のロッキング駆動装置9は、セルフロッキングを用いて、トルクを加え、またはそれを維持し、その結果、(図では右を指す)開放作動力8が、軸方向移動可能なスピンドルとして設計されている作動手段7に付与される。その結果、ここでは、限定された範囲で軸方向に変位可能である回転スピンドルナットとして設計されている中間要素12は、中間経路13の第1の端部14上で支持される。作動手段7は駆動側で、ロッキング駆動装置との軸方向重複へと完全に後退し、すなわち、引き込まれ、したがって、対向端部45の走行経路10に向かって誘導される。
【0048】
作動手段7の開放位置の結果、ここでは図1において、エネルギー蓄積器11に負荷が加えられ、ここでは圧縮コイルばねとして設計される。これは、エネルギー蓄積器11が作動手段7の、ここではロッキングヘッド16として設計された、カム側端部セクション上のドライバー停止部24と、ピボットレバー20の開放レバー23との間で、挟持されるためである。エネルギー蓄積器11は、ここでは圧縮コイルばねとして設計されるが、また、引張コイルばねまたはエラストマーなどとしても設計され得る。エネルギー蓄積器11はしたがって、第1の軸力21とともに、ドライバー停止部24に対してのみ作用する。しかし、これは、第1の端部14に向かって中間要素12によって伝達されたロッキング駆動装置9の作動力8を用いて保持される。エネルギー蓄積器11の(拮抗)第2の軸力22は、ピボットレバー20が開放位置に移動されるように、開放レバー23に作用する。ロッキングヘッド16はここで、(パーキングロックギヤ5のギヤ軸17に基づいて)軸平行支持停止部18上で径方向に支持され、軸平行支持停止部18は、作動手段7のロックされた位置と開放位置との間の全長にわたって、作動手段7のための平行な-接線支持レールを形成する。支持停止部18を形成するこの構成要素はまた、ここで、ハウジング33の壁要素上に支持される。この開放位置において、ロッキングヘッド16は、力のまったくかからない、または力の低い接触で、ロッキングカム3の後方でロッキングリンク43への作用から離れており、その結果、開放レバー23と相互作用する第2の軸力22は、ピボットレバー20へのより大きなてこ作用を有する。ロッキングカム3の開放位置は、したがって、安全に維持される。
【0049】
明確さのために、図2は、車両用変速機2におけるパーキングロック装置25の同じ構成を示し、ロックされた位置がここでは考えられ、ロックされた位置の方向に面する作動力8は、パーキングロックアクチュエータ9を用いて作動手段7に付与される。この作動力8のその結果として、中間要素12は中間経路13の第2の端部15へと変位され、その結果、エネルギー蓄積器11は圧縮され続ける。第2の端部15はここで、例えば、エネルギー蓄積器11の事前定義されたエネルギー蓄積を介した電子的力制御に基づく。あるいは、第2の端部15は、電子的に経路制御され、または、機械的停止部に基づく。ここで、しかし、作動手段7のカム側端部セクション、すなわち、ここではロッキングヘッド16は、ロッキングリンク43に対してすでに誘導されており、第1の軸力21のピボットレバー20へのてこ作用は、第2の軸力22の開放レバー23へのてこ作用よりも大きく、その結果、(パーキングロックギヤ5のギヤ軸17に対する)ロッキングカム3は、径方向にパーキングロックギヤ5に向かって押される。ここで、ロッキングカム3を備えたパーキングロックギヤ5は、-乗り-上げ位置にあり、その結果、ロッキングカム3またはピボットレバー20の移動はロックされ、したがって、エネルギー蓄積器11は緩和され得ない。ロッキングリンク43は、示されたピボットレバー20の径方向-作動手段側カムの一部分のみであり、ピボットレバー20は、カム側で作動手段7の端部セクション、すなわち、ここではロッキングヘッド16と相互作用して、ロッキングカム3がパーキングロックギヤ5の歯溝6へと伝達されるようなピッチを有することに留意すべきである。ここで、これは、軸方向作動手段側の、より急勾配な第1のフランクである。以下に説明され、図3に示されるように、後続の(任意選択的な)フランクが、ロックされた位置におけるロッキングカム3の(任意選択的な)ロックのための現在の実施例において、設置される。
【0050】
図3において、明確化のために、車両用変速機2におけるパーキングロック装置25が、前の図のように示され、ロッキングカム3は、パーキングロックギヤ5の歯溝6と係合して、ロックされた位置にある。図2から、パーキングロックギヤ5は、示された歯溝6がロッキングカム3に対して-歯が-溝上にある位置にあるように、回転されている。次に、ロッキングリンク43との相互作用の結果として得られた、ピボットレバー20上の軸受中心軸19を中心とした第1の軸力21または(閉鎖)トルクは、第2の軸力22の結果として得られた(開放)トルクを克服し、ロッキングカム3を歯溝6に押圧するのに十分なほど大きい。ここで、作動手段7は(走行経路10に含まれた)超過走行を実行し、その結果、ロッキングヘッド16は、ロックされた位置へと伝達されるが、これは、特に、ロッキングカム3および/またはパーキングロックギヤ5への損傷を防止するためには、最も低い潜在的な閉鎖トルクが、好ましくは、エネルギー蓄積器11によって生成されるべきであるため、(パーキングロックギヤ5のギヤ軸17に対して)支持停止部18上で径方向に支持され、したがって、例えば、振動によって、ロッキングカム3の開放位置への戻り移動を防止することによって、トリガされ得る。ここで図3において示されるロックされた位置において、中間要素12が作動手段11によって引かれ、作動手段11は、エネルギー蓄積器11の放出の結果として、カム側の端部44に向かって、エネルギー蓄積器11から中間経路13の第1の端部14へと押圧される。ロッキング駆動装置9が、中間要素12を用いて、逆方向の作動力8(図1を参照)を付与するときにのみ、ロッキングヘッド16は再び、この位置の外に移動される。加えて、ピボットレバー20の軸受中心軸19へのてこ作用における第2の軸力22の結果として得られた開放トルクは再び増大し、または、作動手段7とロッキングリンク43との間の力伝達接触の克服後、ピボットレバー20へと作用する力のみになり、その結果、図1に見られるように、ロッキングカム3が再び、軸受中心軸19を中心とした第2の軸力22または結果として得られるトルクによって、歯溝6から外に持ち上げられる。図3に示されるロックされた位置からのこの開放移動の間、中間要素12は、中間経路13の第1の端部14で示された位置に留まるが、それは、図1に示されたように、ロッキング駆動装置9の作動力8の対向する配向のためのスラスト軸受を形成するためである。
【0051】
図4は、純粋に概略的に、例えば、図1~3に示されたように、左前方車両用車輪31および右前方車両用車輪32が、パーキングロック装置25を用いてロックされている、自動車26を示す。この目的のために、パーキングロックギヤ5は、車両26がローリングすることを防止され得るように、トルクフロー35における車両用変速機2において配置される。車両用車輪31および32の上方の駆動エンジン29は、自動車26のためのドライブトレイン27を形成し、駆動エンジン29は、トルク入力部28を介して車両用変速機2へと接続され、次いで、車両用変速機2は、トルクを伝達するように、トルク出力部30を介して、左前方車両用車輪31および右前方車両用車輪32へと接続される。パーキングロック装置25はここで、以下の動作要素、
-ギヤシフト36から、例えば、パークシフト位置「P」を用いて、
-パーキングレバー37、および、
-例えば、従来のイグニションキーでまた、動作され得るイグニションボタン38、のうちの少なくとも1つで作動され得る。
駆動エンジン29はここで、3-シリンダー内燃エンジンとして示される。車両用変速機2は、例えば、トルクの異なる変速のために、ギヤシフト36を用いて、かつ/または自動的に切り替えられ得る切り替え可能変速ギヤである。自動車26の運転席41の後部の長手軸42の方向において、左後方車両用車輪39および右後方車両用車輪40がまた提供され、それらは代替的な実施形態において、例えば、カルダンシャフトを介してトルクフロー35に切り替えられ、その結果、パーキングロックギヤ5は、トルクフロー35におけるロックされた位置において、後方車両用車輪39および40のみのために、または、すべての車両用車輪31、32、39および40のために配置され、その結果、自動車26はローリングすることを防止される。あるいは、示されたドライブトレイン27は、自動車26の後方に配置され、後方車両用車輪39を駆動するように設置される。
【0052】
ここで提案されるパーキングロックアクチュエータにより、コンパクトな設計が可能になり、その結果、パーキングロックアクチュエータが、空間的要件を実質的に有さずに、車両用変速機に統合され得る。
【符号の説明】
【0053】
1 パーキングロックアクチュエータ
2 車両用変速機
3 ロッキングカム
4 回転運動
5 パーキングロックギヤ
6 歯溝
7 作動手段
8 作動力
9 ロッキング駆動装置
10 走行経路
11 エネルギー蓄積器
12 中間要素
13 中間経路
14 第1の端部
15 第2の端部
16 ロッキングヘッド
17 ギヤ軸
18 支持停止部
19 軸受中心軸
20 旋回レバー
21 第1の軸力
22 第2の軸力
23 開放レバー
24 ドライバー停止部
25 パーキングロック装置
26 自動車
27 ドライブトレイン
28 トルク入力部
29 駆動エンジン
30 トルク出力部
31 左前方車両用ロッキングギヤ
32 右前方車両用ロッキングギヤ
33 ハウジング
34 ギヤコンパートメント
35 トルクフロー
36 ギヤシフト
37 パーキングレバー
38 イグニションボタン
39 左後方車両用車輪
40 右後方車両用車輪
41 運転席
42 長手軸
43 ロッキングリンク
44 カム側端部
45 対向端部
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】