(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】回転センサのための統合型冷却ソリューション
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20220125BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
H05K7/20 H
H04N5/225 430
H04N5/225 100
H05K7/20 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531841
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(85)【翻訳文提出日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 US2019065160
(87)【国際公開番号】W WO2020131448
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】エルガス,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】アンドラーデ,ジャスティン,マシュー
【テーマコード(参考)】
5C122
5E322
【Fターム(参考)】
5C122DA11
5C122DA14
5C122EA03
5C122GE01
5C122GE04
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122HA75
5C122HA82
5E322BA01
5E322BA04
5E322BB03
5E322EA10
(57)【要約】
本技術は、センサ構成要素を冷却するためのシステムに関する。冷却システムは、センサハウジング215を有するセンサ201、モータ220、主ベント320、および側部ベント330を含み得る。内部センサ構成要素260は、センサハウジング内に位置付けられ得る。モータは、軸を中心にセンサハウジングを回転させるように構成され得る。センサハウジングの回転は、主ベントを通してセンサハウジングの内部に空気を引き込み得、センサハウジングの内部に引き込まれた空気は、センサハウジングの内部から側部ベントを通して排出され得る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ構成要素を冷却するためのシステムであって、
センサハウジングおよび前記センサハウジング内に位置付けられた内部センサ構成要素を有するセンサと、
モータであって、軸を中心に前記センサハウジングを回転させるように構成されている、モータと、
主ベントと、
側部ベントと、を備え、
前記センサハウジングの前記回転が、前記主ベントを通して前記センサハウジングの内部に空気を引き込み、
前記センサハウジングの前記内部に引き込まれた前記空気が、前記側部ベントを通して前記センサハウジングから排出される、冷却システム。
【請求項2】
前記主ベントが、前記センサハウジングの頂部上に位置付けられている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記側部ベントが、前記センサハウジングの前記頂部よりも基部の近くの前記センサハウジングの側壁上に位置付けられている、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記主ベントが、前記センサハウジングの基部上に位置付けられている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記側部ベントが、前記センサハウジングの底部よりも頂部の近くの前記センサハウジングの側壁上に位置付けられている、請求項4に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記センサハウジングに対して固定された1つ以上のガイドブレードをさらに備え、前記1つ以上のガイドブレードが、前記センサハウジングの前記内部に引き込まれた前記空気を前記軸から半径方向外向きに押し出すように構成されている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項7】
モータが、前記1つ以上のガイドブレードを回転させて、前記センサハウジングの前記内部に引き込まれた前記空気を前記軸から半径方向外向きに押し出すように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサハウジングに対して固定された1つ以上の曲線ブレードをさらに備え、前記1つ以上の曲線ブレードが、前記センサハウジングの前記内部に引き込まれた前記空気を、前記側部ベントを通して押し出すように構成されている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項9】
モータが、前記1つ以上の曲線ブレードを回転させて、前記センサハウジングの前記内部に引き込まれた前記空気を、前記側部ベントを通して押し出すように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
1つ以上のガイドブレードと、1つ以上の曲線ブレードと、をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のガイドブレードが直線状であり、前記1つ以上の曲線ブレードが曲線状である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記センサが、車両に装着されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記車両をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
センサ構成要素を冷却するためのシステムであって、
回転可能なセンサハウジングを有するセンサと、
モータであって、軸を中心に前記センサハウジングを回転させるように構成されている、モータと、
前記センサハウジングに組み込まれた主ベントであって、前記センサハウジングの前記回転が、前記主ベントを通して前記センサハウジングの内部に空気を引き込む、主ベントと、
前記センサハウジングに取り付けられたスポイラ縁部であって、前記センサハウジングから半径方向外向きに延在し、排気ベントを含む、スポイラ縁部と、を備える、システム。
【請求項15】
前記センサハウジングの前記内部に引き込まれた前記空気が、前記排気ベントを通して前記センサハウジングから排出される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記排気ベントに接続された前記センサハウジング内の内部チャネルをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記センサハウジングの前記内部に引き込まれた前記空気が、前記内部チャネルを通って前記排気ベントに流れる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
1つ以上のガイドブレードをさらに備え、前記1つ以上のガイドブレードが、前記センサハウジングの前記内部に引き込まれた前記空気を前記軸から半径方向外向きに押し出すように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
1つ以上の曲線ブレードをさらに備え、前記1つ以上の曲線ブレードが、前記センサハウジングの前記内部に引き込まれた前記空気を、前記内部チャネルを通して前記排気ベントから押し出すように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
車両をさらに備え、前記センサが、前記車両に装着されている、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月17日に出願された米国出願第16/221,940号の利益を主張するものであり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
自律型車両、例えば、人間の運転手を必要としない車両は、ある場所から別の場所への搭乗者または物品の輸送を支援するために使用され得る。そのような車両は、完全自律モードで動作し得、完全自律モードでは、搭乗者が、乗車場所または目的地などのいくつかの初期入力を提供し得、車両は、搭乗者または任意の他の人間からの追加の入力を必要とすることなく、車両自体をその場所まで操縦する。したがって、そのような車両は、輸送サービスを提供するために使用され得る。
【0003】
乗用車、トラック、オートバイ、バス、ボート、飛行機、ヘリコプター、芝刈り機、レクリエーション用車両、遊園地車両、農機具、建設機械、トラム、ゴルフカート、電車、トロリーなどの様々な種類の車両は、車両の環境内の物体を検出するために、様々な種類のセンサを装備し得る。例えば、自律車両などの車両は、LIDAR、レーダ、ソナー、カメラなどのセンサ、または車両の環境からデータをスキャンおよび記録する他のそのような撮像センサを含み得る。これらのセンサのうちの1つ以上からのセンサデータを使用して、物体およびそれらのそれぞれの特性(位置、形状、進行方向、速度など)を検出し得る。
【0004】
これらのセンサの動作は、センサ自体の内部の熱の蓄積によって悪影響を受ける場合がある。典型的に、センサは、センサの内部センサ構成要素を異物および汚染物質から保護するためにハウジングを含むが、経時的に、ハウジングは、太陽熱だけでなくセンサの様々な内部構成要素によって発生する熱を閉じ込め得る。このように、センサ構成要素は、動作中に最適ではない温度条件にさらされる場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の様々な態様は、センサ構成要素を冷却することを目的とし得る。いくつかの態様は、センサ構成要素を冷却するためのシステムを含むことができ、該システムは、センサハウジングおよびセンサハウジング内に位置付けられた内部センサ構成要素を有するセンサと、モータであって、軸を中心にセンサハウジングを回転させるように構成されている、モータと、主ベントと、側部ベントと、を備え、センサハウジングの回転は、主ベントを通してセンサハウジングの内部に空気を引き込み、センサハウジングの内部に引き込まれた空気は、側部ベントを通してセンサハウジングから排出される。
【0006】
いくつかの場合では、主ベントは、センサハウジングの頂部上に位置付けられ得る。いくつかの例では、側部ベントは、センサハウジングの頂部よりも基部に近いセンサハウジングの側壁上に位置付けられ得る。
【0007】
いくつかの場合では、主ベントは、センサハウジングの基部上に位置付けられ得る。いくつかの例では、側部ベントは、センサハウジングの底部よりも頂部に近いセンサハウジングの側壁上に位置付けられ得る。
【0008】
いくつかの場合では、システムは、センサハウジングに対して固定された1つ以上のガイドブレードをさらに備え得、1つ以上のガイドブレードは、センサハウジングの内部に引き込まれた空気を軸から半径方向外向きに押し出すように構成される。いくつかの例では、モータは、1つ以上のガイドブレードを回転させて、センサハウジングの内部に引き込まれた空気を軸から半径方向外向きに押し出すように構成され得る。
【0009】
いくつかの場合では、システムは、センサハウジングに対して固定された1つ以上の曲線ブレードをさらに備え得、1つ以上の曲線ブレードは、センサハウジングの内部に引き込まれた空気を、側部ベントを通して押し出すように構成される。いくつかの例では、モータは、1つ以上の曲線ブレードを回転させて、センサハウジングの内部に引き込まれた空気を、側部ベントを通して押し出すように構成され得る。
【0010】
いくつかの場合では、システムは、1つ以上のガイドブレードと、1つ以上の曲線ブレードと、をさらに備え得る。いくつかの例では、1つ以上のガイドブレードは直線状であり得、1つ以上の曲線ブレードは曲線状であり得る。
【0011】
いくつかの場合では、センサは、車両に装着され得る。いくつかの例では、システムは、車両をさらに含み得る
【0012】
本開示のいくつかの態様は、センサ構成要素を冷却するためのシステムを対象とすることができ、該システムは、回転可能なセンサハウジングを有するセンサと、モータであって、軸を中心にセンサハウジングを回転させるように構成される、モータと、センサハウジングに組み込まれた主ベントであって、センサハウジングの回転が、主ベントを通してセンサハウジングの内部に空気を引き込む、主ベントと、センサハウジングに取り付けられたスポイラ縁部であって、センサハウジングから半径方向外向きに延在し、排気ベントを含む、スポイラ縁部と、を備え得る。
【0013】
いくつかの場合では、センサハウジングの内部に引き込まれた空気は、排気ベントを通してセンサハウジングから排出され得る。
【0014】
いくつかの場合では、システムは、排気ベントに接続されたセンサハウジング内の内部チャネルをさらに備え得る。いくつかの例では、センサハウジングの内部に引き込まれた空気は、内部チャネルを通って排気ベントに流れ得る。
【0015】
いくつかの場合では、システムは、1つ以上のガイドブレードをさらに備え得、1つ以上のガイドブレードは、センサハウジングの内部に引き込まれた空気を軸から半径方向外向きに押し出すように構成される。
【0016】
いくつかの場合では、システムは、1つ以上の曲線ブレードをさらに備え得、1つ以上の曲線ブレードは、センサハウジングの内部に引き込まれた空気を、内部チャネルを通して排気ベントから押し出すように構成される。
【0017】
いくつかの場合では、システムは、車両をさらに備え得、センサは、車両に装着される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の態様による、センサハウジングを有する車両の例示的な代表図である。
【
図2】本開示の態様による、内部センサ構成要素を有するセンサハウジングの例示的な外観図である。
【
図3】本開示の態様による、主ベントが頂部に位置するセンサを通る空気流の例示的な図である。
【
図4】本開示の態様による、主ベントが基部に位置するセンサハウジングを通る空気流の例示的な図である。
【
図5A】本開示の態様による、主ベントが頂部に位置するセンサハウジングの内部のガイドブレードの例示的な図である。
【
図5B】本開示の態様による、主ベントが頂部に位置するセンサハウジングの内部の曲線ブレードの例示的な図である。
【
図5C】本開示の態様による、主ベントが頂部に位置するセンサハウジングの内部を通る空気流の例示的な図である。
【
図6A】本開示の態様による、主ベントが基部に位置するセンサハウジングの内部のガイドブレードの例示的な図である。
【
図6B】本開示の態様による、主ベントが基部に位置するセンサハウジングの内部の曲線ブレードの例示的な図である。
【
図6C】本開示の態様による、主ベントが基部に位置するセンサハウジングの内部を通る空気流の例示的な図である。
【
図7】本開示の態様による、センサハウジングの内部のチャネルを通る空気流の例示的な図である。
【
図8】本開示の態様による、ハウジング窓を横断する空気流出力の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本技術は、対流空気流を使用することによって、センサハウジングの内部、およびその中に位置付けられた関連するコンピュータ構成要素を冷却することに関する。これに関して、センサは、センサおよびプロセッサなどの内部センサ構成要素、ならびにハウジングで構成され得る。ハウジングは、内部センサ構成要素およびプロセッサを雨、雪、塵、および他のそのような異物などの要素から保護し得る。しかしながら、内部センサ構成要素、プロセッサ、および太陽エネルギーの動作は、ハウジング内に過剰な熱をもたらし得る。そのような過剰な熱は、内部センサ構成要素およびプロセッサを尚早に劣化させ、場合によってはプロセッサをオーバーヒートさせ、それらを動作不能にし得る。
【0020】
センサハウジング内の熱を放散させるために、対流空気流を、センサハウジングに通過させ得る。これに関して、センサハウジングの回転は、センサの外側にある冷気をセンサハウジングの内部に引き込む求心力を発生させ得る。引き込まれた冷気は、センサの内部構成要素を横断するように方向付けられ、それによって、熱をセンサの内部構成要素から奪い得る。次いで、熱気は、センサハウジングの外へ方向付けられ得る。
【0021】
車両は、他の車両、車道の障害物、交通信号、標識、樹木などの、車両の外部にある物体を検出するために、1つ以上のセンサを有し得る。例えば、車両101は、
図1に示すように、コンピューティングデバイスによって車両内で処理することができる画像を取り込み、かつデータを記録する、レーザ、ソナー、レーダ、カメラ、および/または任意の他の検出デバイスを含み得る。LIDAR、レーダ、カメラ、ソナー、または他のそのような撮像センサなどの車両のセンサは、画像を取り込み、物体、ならびに該物体の場所、配向、サイズ、形状、タイプ、移動方向、および移動速度などの特徴を検出し得る。画像は、センサによって取り込まれた生の(すなわち、未処理の)データ、ならびに/またはカメラセンサによって取り込まれた映像およびビデオを含み得る。画像はまた、処理された生のデータも含み得る。例えば、センサからの生のデータおよび/または前述の特徴は、コンピューティングデバイスによる処理のために、記述関数またはベクトルに定量化または配置され得る。画像を分析して、車両の場所を判定し、必要に応じて物体を検出し、それに対応し得る。
【0022】
センサは、車両の外部または内部の周囲に配置され得る。例えば、ハウジング130、140、142、150、152は、例えば、1つ以上のLIDARデバイスを含み得る。センサはまた、テールライト/ターンシグナルライト104および/またはサイドミラー108などの、典型的な車両構成要素にも組み込まれ得る。いくつかの場合では、1つ以上のレーザ、レーダ、ソナー、カメラ、および/または他のそのような撮像センサは、マウント120に取り付けられたハウジング122内などの、ルーフ上に装着され得る。
【0023】
車両センサは、内部センサ構成要素、および内部センサ構成要素を収容するためのハウジングで構成され得る。例えば、
図2に示すように、ハウジング122、130、140、142、150、および152に匹敵し得るハウジング215は、側壁205によってドーム形状の頂部217を有し、ハウジングが切頭体の形状であるように構成され得る。センサハウジングは、切頭体の形状で示しているが、センサハウジングは、球、円筒、直方体、円錐、角柱、角錐、立方体などの様々な形状およびサイズ、またはそのような形状の任意の組み合わせで構成することができる。センサハウジング215は、プラスチック、ガラス、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリエステルなどの材料で構成することができる。
【0024】
センサハウジングは、内部センサ構成要素が1つ以上の信号を、ハウジング窓を通して送信および受信することができるように、センサハウジング上の特定の位置に構築されたハウジング窓を含むことができる。例えば、
図2にさらに示すように、センサハウジング215の側壁205は、内部センサ構成要素260からの信号(図示せず)がセンサカバー215を透過することを可能にするためにハウジング窓216が組み込まれた、平坦部分226を含むことができる。ハウジング窓216は、
図2では円形であるように示されているが、様々な他の形状をハウジング窓に使用することもできる。加えて、ハウジング窓は、ハウジングの非平坦な表面に組み込むことができる。
【0025】
いくつかの場合では、センサハウジング215全体またはセンサハウジング215の大部分は、内部センサ構成要素によって送信および受信される信号を透過可能であり、それによって、センサハウジング215の大部分または全体がハウジング窓として機能することを可能にし得る。ハウジング窓216は、側壁205の一部分のみであるように示されているが、いくつかの場合では、側壁205全体がハウジング窓として構築され得る。さらに、複数のハウジング窓がセンサハウジング215上に位置付けられ得る。ハウジング窓216は、センサハウジング215と同じまたは異なる材料で構成され得る。
【0026】
センサ201および/またはセンサハウジング215は、センサシャフトを介してモータに取り付けられ得る。例えば、
図2にさらに示すように、センサシャフト230は、第1の端部232と、第2の端部234と、を含み得る。センサシャフトの第1の端部232は、センサモータ220に取り付けられ得、センサシャフトの第2の端部234は、センサカバーの基部206などの、センサ201および/またはセンサカバー215に接続され得る。これに関して、センサシャフトの第1の端部232は、ベルト、歯車、チェーン、摩擦ローラなどを介してモータ220に取り付けられ得る。モータ220は、センサシャフト230を第1の方向235に回転させて、センサ201全体および/またはセンサハウジング215も第1の方向235に回転させ得る。いくつかの実施形態では、センサシャフト230は、センサハウジング215のみを回転させ、センサの内部構成要素260を回転させない場合がある。センサ201、センサハウジング215、および/またはモータ220は、それぞれ、車両の内部または外部に位置し得る。
図2は、シャフト230を介してモータ220に取り付けられたセンサ201を示しているが、モータ220は、センサ201および/またはセンサハウジング215に組み込まれ得るか、または別様に直接接続され得る。
【0027】
センサハウジングは、そこを通って空気がセンサハウジングの内部に流れ得る主ベントを含み得る。主ベントは、センサハウジングの回転軸上またはその近くなどの、センサハウジングの外部にある空気とセンサハウジングの内部の空気との間の圧力差が生じる場所に位置付けられ得る。圧力差は、センサハウジングの回転がセンサハウジングの外側の空気に対するセンサハウジング内の圧力を低くすることによって生じる求心力によって形成され得る。これに関して、求心力は、空気が外向きに遠くへ流れるほど圧力を増加させる。したがって、回転軸の近くには低い圧力が生じ、本明細書で説明する側部ベントが位置する周辺部に向かって高い圧力が生じる。いくつかの場合では、センサハウジングは、2つ以上の主ベントを含み得る。圧力差は、主ベントを通して、センサハウジングのより低い圧力内部に空気を流れさせ得る。
【0028】
例えば、
図3に示され、センサ201に匹敵し得るセンサ301は、頂部317の中心においてセンサハウジング315上に位置付けられた主ベント320を含む。
図3にさらに示すように、主ベント320は、センサ301が矢印327によって示される第1の方向に移動するときに、線326によって示される、該センサの回転軸上に位置付けられる。空気は、矢印370によって示すように、センサハウジング315の外側のより高い圧力の場所から、主ベント320を通って、センサハウジング315の回転によって生じるセンサハウジングの内部のより低い圧力の場所を通り得る。
【0029】
別の例では、
図4に示され、センサ201および/または301に匹敵し得るセンサ401は、基部418の中央においてセンサハウジング415上に位置付けられた主ベント420を含む。
図4にさらに示すように、主ベント420は、センサ401が矢印427によって示される第1の方向に移動するときに、線426によって示される、該センサの回転軸上に位置付けられる。センサ301は、主ベント320が頂部317の中央にあるように示されていて、センサ401は、主ベントが基部418の中央にあるように示されているが、主ベントは、回転軸からオフセットされてもよい。空気は、矢印470によって示すように、センサハウジング415の外側のより高い圧力の場所から、主ベント420を通って、センサハウジング415の回転によって生じるセンサハウジングの内部のより低い圧力の場所を通り得る。
【0030】
主ベントは、空気がセンサハウジングの内部を通ることを可能にしながら、同時に、粒子および異物がセンサハウジングの内部に入ることを阻止する、透過性カバーを含み得る。いくつかの場合では、フィルタを主ベント内またはその近くに位置付けて、センサハウジングの内部に引き込まれる冷気から粒子および異物を濾過し得る。例えば、センサ301の主ベント320は、粒子および異物が主ベント320を通って進行することを阻止する、フィルタカバー321を含む。
【0031】
側部ベントは、空気をセンサハウジングの外側に排出させるようにセンサハウジング上に位置付けられ得る。側部ベントは、空気がセンサハウジングの内部の高い圧力の場所からセンサハウジングの外側のより低い圧力の場所へと流れることを可能にするように構成された、センサハウジングの1つ以上の開口部であり得る。側部ベントは、粒子がセンサハウジングを通過することを防止し得る1つ以上のカバー、ルーバ、および/またはフィルタを含み得る。
【0032】
側部ベントは、センサハウジングから排出された空気をセンサハウジングの主ベントから離れるように方向付けて、センサハウジングを通して空気が再循環することを回避する、センサハウジング上の場所に位置付けられ得る。例えば、側部ベントは、主ベントに対して半径方向に空気を排出させる場所に位置付けられ得る。例えば、および
図3に示すように、側部ベント330は、主ベント320がセンサ301の頂部317にある場合、センサハウジング315の基部318の近くの側壁305上に位置付けられる。センサハウジング315内からの空気は、矢印372によって示すように、主ベント320に対して半径方向の方向に側部ベント330を通して出力され得る。
【0033】
別の例では、および
図4に示すように、側部ベント430は、主ベント420がセンサ401の基部418にある場合、頂部417の近くの側壁405上に位置付けられ得る。センサハウジング内からの空気は、矢印472によって示すように、主ベント420に対して半径方向の方向に側部ベント430を通して出力され得る。
【0034】
ガイドブレードは、センサハウジングの内部に位置付けられ、かつ装着され得るか、または別様に組み込まれ得る。これに関して、ガイドブレードは、空気が主ベントから離れて、センサハウジングの内部の他の部分へ移動するように、センサの回転軸の周囲に位置付けられ得る。ガイドブレードは、ハウジングに対して固定されたままであり得る。これに関して、ガイドブレードおよびセンサハウジングの回転は、同じ速度であり得、および/またはガイドブレードは、センサハウジングに恒久的に取り付けられ得る。例えば、および
図5Aのセンサ301の切り取り上面図に示すように、ガイドブレード511は、回転軸326の周囲に位置付けられ得る。
図6Aに示すセンサ401の切り取り底面図では、ガイドブレードは、回転軸426の周囲に位置付けられ得る。明瞭にする目的で、
図5Aおよび
図6Aでは、各センサ(すなわち、センサ301および401)の単一のガイドブレードのみがラベル付けされている。
【0035】
ガイドブレードは、センサハウジング内の任意の場所に位置付けられ得る。しかしながら、ガイドブレードが回転軸から半径方向外向きに離れて位置付けられるほど、より効率的に空気を回転軸から離れるように移動させ得る。これに関して、センサハウジングが回転すると、ガイドブレードも回転して、センサハウジング内の空気を押し出して、回転軸から離れた半径方向に、センサの側壁に向かって移動させ得る。例えば、および
図5Aに示すように、ガイドブレード511は、矢印512によって示すように、センサハウジング315内の空気を半径方向外向きに押し出し得る。同様に、ガイドブレード611は、矢印612によって示すように、センサハウジング415内の空気を半径方向外向きに押し出し得る。ガイドブレードが生成する圧力の変化は、回転軸から外向きに離れてガイドブレードが延在するほど増加し得る。このように、ガイドブレードが回転軸からより遠くに位置付けられるほど、ガイドブレードが生じさせ得る圧力の変化が大きくなる。ガイドブレード(例えば、511および611)は、直線状に示されているが、ガイドブレードは、曲線などの外形曲線を有し得る。
【0036】
曲線ブレードは、加温された空気をセンサハウジングから押し出すために、センサハウジングの内部に位置付けられて、装着され得るか、または別様に組み込まれ得る。これに関して、1つ以上の曲線ブレードは、温かい空気をセンサハウジング内からセンサハウジングの外側の場所へ押し出すように、側部ベントの近くに装着され得る。例えば、および
図5Bのセンサ301の切り取り底面図に示すように、曲線ブレード521は、回転軸326の周囲に位置付けられ得る。同様に、および
図6Bのセンサ401の切り取り上面図に示すように、曲線ブレード621は、回転軸426の周囲に位置付けられ得る。明瞭にする目的で、
図5Aおよび
図6Aでは、各センサ(すなわち、センサ301および401)の単一の曲線ブレードのみがラベル付けされている。曲線ブレード(例えば、521および621)は、直線状に示されているが、ガイドブレードは、曲線などの外形曲線を有し得る。
【0037】
センサハウジングの回転はまた、ガイドブレードおよび曲線ブレードも回転させて、センサハウジングを通した空気流を生じさせ得る。これに関して、センサハウジングの回転は、センサの外側にある冷気をセンサハウジングの内部に引き込む求心力を発生させ得る。引き込まれた冷気は、ガイドブレードの回転によって、センサの内部構成要素を横断して押し出され得る。対流を通して、内部センサ構成要素を過ぎて進行する空気は、内部構成要素から熱を奪い得る。次いで、曲線ブレードの回転によって、熱気をセンサハウジングの外へ方向付け得る。
【0038】
例えば、
図5Cは、センサハウジング315の頂部317に位置する主ベント320を含むセンサ301を通る空気流を示す。センサハウジング315が第1の方向327に回転すると、求心力が生じて、矢印370によって示すように、冷気を下向きに、主ベント320を通して引き込み得る。ガイドブレード511の回転は、矢印371によって示すように、冷気を、内部センサ構成要素360を横断して押し出し得る。内部センサ構成要素360を横断して通過する冷気は、内部センサ構成要素360から熱を奪い得る。次いで、曲線ブレード521の回転は、熱気を、センサハウジング315から側部ベント330を通して押し出し得る。
【0039】
図6Cは、センサハウジング315の基部部分418に位置付けられた主ベント420を含むセンサ401を通した空気流を示す。センサハウジング415が第1の方向427に回転すると、向心力が生じて、矢印470によって示すように、冷気を下向きに、主ベント420を通して引き込み得る。ガイドブレード611の回転は、矢印471によって示すように、冷気を、内部センサ構成要素460を横断して押し出し得る。内部センサ構成要素460を横断して通過する冷気は、内部センサ構成要素360から熱を奪い得る。次いで、曲線ブレード621の回転は、加温された空気を、センサハウジング415から側部ベント430を通して押し出し得る。
【0040】
センサハウジング内の空気の経路は、空気がセンサハウジングを通って流れるときに制御され得る。これに関して、センサハウジングは、流れが進み得る1つ以上のチャネルを含み得る。このように、空気流は、冷却を必要とし得る以前の内部センサ構成要素などの、センサハウジング内の特定の場所に方向付けることができるように制御され得る。
【0041】
例えば、および
図7のセンサ701の切り取り上面図に示すように、センサ201、301、および401に匹敵し得るセンサ701は、センサハウジング715の頂部(センサハウジングの内部を示すことを可能にするために図示せず)に主ベント720を含み得る。センサ701の内部内には、それを通って空気が流れ得る制御された経路を提供するチャネル780が存在し得る。矢印727によって示す、第1の方向におけるセンサ701の回転は、センサハウジング715内に位置付けられた曲線ブレード721の回転と共に、破線781として示す空気をチャネル780の中へ押し出し得る。空気781は、チャネル780を通って、出力790でセンサハウジングの外へ流れ得る。いくつかの場合では、空気は、チャネル780を通ってセンサハウジング内の標的場所まで流れ得る。
【0042】
熱気は、センサハウジングのハウジング窓または他の部分を通り過ぎて排出されて、粒子の蓄積を防止し得る。これに関して、センサハウジングおよび/またはハウジング窓は、経時的に、水、塵、埃、凝固体、またはその他のそのような要素および異物などの粒子によって覆われ得る。このように、内部センサ構成要素によって送信および受信される信号が粒子の蓄積によって遮断され得るので、内部センサ構成要素の機能が妨げられ得る。
【0043】
これに対処するために、ベントを有するスポイラ縁部が、センサハウジングに組み込まれ得るか、または取り付けられ得る。例えば、そして、
図7および
図8に示すように、スポイラ縁部752は、ハウジング窓716に隣接して位置付けられ得、また、スポイラ縁部752がハウジング窓716および/またはセンサハウジング715から離れて延在するように構成され得る。
図7および
図8にさらに示すように、スポイラ縁部311は、第1の方向727に回転している間、スポイラ縁部がセンサ窓に対して前端位置にあるように位置付けられ得る。スポイラ縁部は、センサの内部からの加温された空気を出力させることができるベント792を含み得る。ベント792を通って出力された加温された空気は、矢印793によって示すように、ハウジング窓の表面を横断して出力されて、信号を送信および/または受信し得るセンサハウジングの領域に粒子が蓄積することを防止し得る。ベント792は、側部ベント330などの側部ベントの代わりに、またはそれと併せて使用され得る。
図7および
図8は、センサ701の頂部790上に位置付けられた主ベントを示しているが、主ベントは、センサの底部上に位置付けられてもよい。
【0044】
本明細書で説明する特徴は、センサハウジング内の熱の効果的な放散を可能にし得る。上記のように、対流空気流は、センサハウジング内の構成要素の冷却をもたらし得る。このように、センサハウジング内のセンサ構成要素によって生じる熱、ならびに太陽放射によって生じる熱が、効果的に除去され得る。さらに、センサハウジング内のガイドブレードおよび曲線ブレードを使用することによって、送風機を必要とすることなく、空気を、内部センサ構成要素の表面を横断して移動させることが可能である。センサ構成要素を冷却するために送風機を必要としないので、送風機によって導入される騒音および振動が回避される。さらに、送風機の必要性を回避することによって、センサハウジングの内部を冷却するために必要な駆動部品がより少なくなり、それによって、冷却システムの潜在的な破損点の数が減少する。さらに、ガイド入口ブレードおよび曲線ブレードは、追加の電源を必要としない。
【0045】
特段の記述がない限り、前述の代替的な例は、相互に排他的ではないが、独自の利点を達成するために様々な組み合わせで実装され得る。上述した特徴のこれらおよび他の変形および組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱することなく利用することができるので、実施形態の前述の説明は、特許請求の範囲によって定義される主題を限定するものとしてではなく、例示としてみなされるべきである。加えて、本明細書に記載された実施例、ならびに「など」、「含む」などと表現された語句の提供は、特許請求の範囲の主題を特定の実施例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、実施例は、多くの可能な実施形態のうちの1つだけを例示することが意図されている。さらに、異なる図面中の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を特定することができる。
【国際調査報告】