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特表2022-511853赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部を魚切身から自動的に除去するための装置および方法
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  • 特表-赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部を魚切身から自動的に除去するための装置および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部を魚切身から自動的に除去するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A22C 25/16 20060101AFI20220125BHJP
   B26D 11/00 20060101ALI20220125BHJP
   B26D 1/14 20060101ALI20220125BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20220125BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20220125BHJP
   B26D 5/34 20060101ALI20220125BHJP
   B65G 47/24 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A22C25/16
B26D11/00
B26D1/14 H
B26D7/18 E
B26D7/06 D
B26D5/34 Z
B26D1/14 F
B65G47/24 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531998
(86)(22)【出願日】2019-04-09
(85)【翻訳文提出日】2021-06-04
(86)【国際出願番号】 EP2019058973
(87)【国際公開番号】W WO2020207569
(87)【国際公開日】2020-10-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591042838
【氏名又は名称】ノルデイシェル・マシーネンバウ・ルド・バアデル・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲー
【氏名又は名称原語表記】NORDISCHER MASCHINENBAU RUD.BAADER GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG+COMPAGNIE KOMMANDITGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ルスコ,トルステン
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
3F081
4B011
【Fターム(参考)】
3C021DB06
3C021FC04
3C027NN02
3C027PP03
3C027PP06
3C027PP07
3F081AA48
3F081BD16
3F081CC01
3F081CC10
4B011KA01
4B011KE19
4B011KF02
(57)【要約】
本発明は、赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部(17)を魚切身(10)から自動的に除去するように設計および構成されている装置(18)であって、加工される魚切身(10)を、魚切身(10)が装置(18)に入る入口区域(E)から、魚切身(10)が装置(18)から出る出口区域(A)まで、移送経路に沿って移送方向Tに移送し、移送経路に沿って連続して出口区域(A)の方向に、入口区域(E)から出発するための搬送ユニット(19)と、加工される魚切身(10)中の赤身肉を検出するための第1の手段(20)と、魚切身(10)から赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を除去するための第1の切削器具(21)と、第1の切削器具(21)によって生成された、魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面(F1、F2)が、搬送ユニット(19)から離れて上方を向くような様式で、中央部分の細長い片部から解放された魚切身(10)を開くための手段(22)と、魚切身(10)から赤身肉の腹側および背側部分の細長い片部を除去するための切削ユニット(23)であって、腹側部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具(24)ならびに背側部分の細長い片部を除去するための第3の切削器具(25)を含む、切削ユニット(23)と、制御デバイス(26)と、を備え、赤身肉を検出するための少なくとも手段(20)および3つの切削器具(21、24、25)は、赤身肉を識別するための手段(20)によって決定されたデータならびに/または情報に基づいて、すべての切削を行うことができるような様式で、制御デバイス(26)に接続されていることを特徴とする、装置に関する。本発明は、対応する方法にさらに関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部(17)を魚切身(10)から自動的に除去するように設計および構成されている装置(18)であって、
加工される前記魚切身(10)を、前記魚切身(10)が前記装置(18)に入る入口区域(E)から、前記魚切身(10)が前記装置(18)から出る出口区域(A)まで、移送経路に沿って移送方向Tに移送し、前記移送経路に沿って連続して前記出口区域(A)の前記方向に、前記入口区域(E)から出発するための搬送ユニット(19)と、
加工される前記魚切身(10)中の赤身肉を検出するための第1の手段(20)と、
前記魚切身(10)から赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を除去するための第1の切削器具(21)と、
前記第1の切削器具(21)によって生成された、前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面(F1、F2)が、前記搬送ユニット(19)から離れて上方を向くような様式で、前記中央部分の細長い片部から解放された前記魚切身(10)を開くための手段(22)と、
前記魚切身(10)から赤身肉の前記腹側および前記背側部分の細長い片部を除去するための切削ユニット(23)であって、前記腹側部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具(24)ならびに前記背側部分の細長い片部を除去するための第3の切削器具(25)を含む、切削ユニット(23)と、
制御デバイスと、を備え、
赤身肉を識別するための少なくとも前記手段(20)および前記3つの切削器具(21、24、25)は、赤身肉を検出するための前記手段(20)によって決定されたデータならびに/または情報に基づいて、すべての切削を行うことができるような様式で、前記制御デバイス(26)に接続されていることを特徴とする、装置(18)。
【請求項2】
移送方向Tにおいて、加工される前記魚切身(10)中に残存する前記赤身肉を検出するための第2の手段(27)は、前記魚切身(10)を開くための前記手段(22)と前記切削ユニット(23)との間に配置されており、赤身肉を検出するための前記第2の手段(27)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(18)。
【請求項3】
移送方向Tにおいて、前記搬送ユニット(19)上で加工される前記魚切身(10)を自動的に整列させるための取扱デバイス(37)は、前記入口区域(E)に配置されている、赤身肉を検出するための前記第1の手段(20)と、前記中央部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具(21)との間に配置されており、前記取扱デバイス(37)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(18)。
【請求項4】
前記取扱デバイス(37)は、整列ツールとともに、ロボットメカニズム、例えば、デルタキネマティクスメカニズムを備えることを特徴とする、請求項3に記載の装置(18)。
【請求項5】
前記第1の切削器具(21)は、互いに固定角でV字型に設置された2つの丸刃(38、39)、および前記丸刃(38、39)のための駆動手段(40、41)を備え、前記2つの丸刃(38、39)は、垂直方向ならびに水平方向に調整可能に設計されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項6】
前記第1の切削器具(21)は、ロボットメカニズム(42)、例えば、デルタキネマティクスメカニズム上に配置されており、このメカニズムによって、前記搬送ユニット(19)に対する前記第1の切削器具(21)の位置が少なくとも垂直方向および水平方向に調整可能であり、前記ロボットメカニズム(42)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項7】
前記第2および第3の切削器具(24、25)は、互いに固定角でV字型に設置された2つの丸刃(54と55、56と27)、および前記丸刃(54と55、56と27)のための駆動手段(58と59、60と61)を各々備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項8】
前記第2および第3の切削器具(24、25)は、2つの刃ユニット(64と65、66と67)が割り当てられている刃キャリア(62、63)を各々備え、各刃ユニット(64と65、66と67)は、丸刃(54と55、56と27)、および前記丸刃(54~57)を回転中心軸M1、M2を中心に回転駆動するための駆動手段(58と59、60と61)を備え、前記2つの丸刃(54と55、56と27)は、角度αを囲む位置で実質的に互いにV字型に設置されており、前記角度αの大きさは、前記刃キャリア(62、63)上の前記刃ユニット(64と65、66と67)の調整可能な配置によって設定することができ、前記2つの回転中心軸M1、M2の互いのオフセットは、移送方向Tにおいてゼロに等しく、前記2つの刃ユニット(64と65、66と67)は、互いに専ら同期的に調整可能であるように設計および構成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項9】
前記第2および第3の切削器具(24、25)は、移送方向Tにおいて前後に並んで配置されており、各々がロボットメカニズム(68、69)、例えば、デルタキネマティクスメカニズム上にあり、前記ロボットメカニズム(68、69)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項10】
前記搬送ユニット(19)は、複数の搬送要素(28、31)を備え、前記第1の切削器具(21)の領域にある第1の搬送要素(28)は、前記移送方向Tと平行に中心的に走るすき間(30)を有する回転駆動式二重ベルト(29)であり、一方、前記切削ユニット(23)の領域にある第2の搬送要素(31)は、断面が三角形の回転駆動式セグメントチェーン(32)であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項11】
前記二重ベルト(29)および前記セグメントチェーン(32)は、前記移送方向Tの移送経路に沿って連続した搬送ユニット(19)を形成し、前記セグメントチェーン(32)は、前記魚切身(10)を前記二重ベルト(29)から移動するために、少なくとも、前記二重ベルト(29)から前記セグメントチェーン(32)への移行領域
【数1】
において、前記すき間(30)を介して下から前記二重ベルト(29)に係合することを特徴とする、請求項10に記載の装置(18)。
【請求項12】
前記セグメントチェーン(32)は、前記魚切身(10)を開くための前記手段(22)を形成することを特徴とする、請求項10または11に記載の装置(18)。
【請求項13】
前記セグメントチェーン(32)は、前記魚切身(10)を前記セグメントチェーン(32)上に固定するために、その上側に前記切削ユニット(23)の方向を向いたスパイク状の突出部(45)を有することを特徴とする、請求項10~12のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項14】
前記魚を押さえるためのデバイス(48、49)は、少なくとも前記腹側および背側部分の細長い片部を除去するときに、前記開いた魚切身(10)を、前記魚を押さえるためのデバイス(48、49)とセグメントチェーン(32)との間で、前記セグメントチェーン(32)の両側に固定できるような様式で、少なくとも前記切削ユニット(23)の前記領域の前記セグメントチェーン(32)に割り当てられていることを特徴とする、請求項10~13のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項15】
固定手段(43)は、少なくとも前記中央の中心部分の細長い片部を除去するときに前記魚切身(10)を前記二重ベルト(29)上に固定できるような様式で、前記二重ベルト(29)の前記領域に設けられていることを特徴とする、請求項10~14のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項16】
前記第1の切削ユニット(23)に対応する第2の切削ユニット(70)は、移送方向Tにおいて、前記第2および第3の切削器具(24、25)を備える前記第1の切削ユニット(23)の下流側に配置されており、前記第2の切削ユニット(70)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項10~15のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項17】
赤身肉を検出するための第3の手段(71)は、移送方向Tにおいて、前記第1の切削器具(21)の下流側、および前記第2の切削ユニット(70)の上流側に配置されており、赤身肉を検出するための前記第3の手段(71)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項16に記載の装置(18)。
【請求項18】
前記除去された部分的な細長い片部を吸着によって抽出するための吸着手段(72、73)は、各切削器具(21、24、25)の前記領域に配置されていることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項19】
赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部(17)を魚切身(10)から自動的に除去するための方法であって、
-加工される前記魚切身(10)を、搬送ユニット(19)によって、移送方向Tの入口区域(E)から出口区域(A)まで、移送経路に沿って自動的に移送するステップと、
-赤身肉を検出するための手段(20)を使用して、加工される前記魚切身(10)中の前記赤身肉を自動的に検出するステップと、
-第1の切削器具(21)を使用して、赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を前記魚切身(10)から自動的に切削するステップと、
-前記中央の中心部分の細長い片部を除去するときに形成された、前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面(F1、F2)が、前記搬送ユニット(19)から離れて上方を向くような様式で、開くための手段(22)を使用して前記中央の中心部分の細長い片部から解放された前記魚切身(10)を自動的に開くステップと、
-第2および第3の切削器具(24、25)を使用して、前記腹側および背側部分の細長い片部を前記魚切身(10)から自動的に切削するステップと、を含み、
-前記切削器具(24、25)は、赤身肉を検出するための前記手段(20)によって決定されたデータおよび/または情報に基づいて、制御デバイス(26)を使用して制御されることを特徴とする、方法。
【請求項20】
赤身肉の前記細長い片部は、少なくとも3つのステップで前記魚切身(10)から自動的に除去され、最初に、前記中央の中心部分の細長い片部が前記魚切身(10)から切削され、続いて最初に、前記腹側部分の細長い片部、次に前記背側部分の細長い片部、または最初に赤身肉の前記背側部分の細長い片部、次に前記腹側部分の細長い片部が前記魚切身(10)から切削されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
最初に前記腹側部分の細長い片部の前記切削、次に前記背側部分の細長い片部の前記切削、またはその逆は、前記移送経路に沿って追加の切削器具によって第4および第5のステップで繰り返され、加工される前記魚切身(10)中の前記赤身肉は、前記第4および第5のステップの前に、赤身肉を検出するための手段(71)を使用して再度自動的に検出されることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
各魚切身(10)は、前記部分的な細長い片部の前記切削中に前記搬送ユニット(19)に固定されていることを特徴とする、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
すべての部分的な細長い片部の切削すべては、互いにV字型に設置されている丸刃(28と29、54と55、56と57)によって行われることを特徴とする、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
切削によって除去された前記部分的な細長い片部は、吸着によって抽出されることを特徴とする、請求項19~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項1~18のいずれか一項に記載された装置(18)を用いて行われることを特徴とする、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部を魚切身から自動的に除去するように設計および構成されている装置に関する。
【0002】
本発明はまた、赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部を魚切身から自動的に除去するための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
遠距離移動を行い、その結果特有の筋肉構造を有するマグロおよび類似種を加工するとき、筋肉構造の特殊性を十分に考慮しなければならない。マグロを例にとると、骨格から、特に背骨/中心骨から切り離された魚切身は、不均質な筋肉構造をしている。これは、肉と筋肉の割合が異なっていることを意味する。魚切身には、通常明るい色をした「正常な」筋肉に加えて、(除去された)中心骨の領域から皮目に向かって、血合肉の領域も有する。赤身肉と呼ばれる血合肉は、味の点で品質が劣るため、できるだけ完全に除去するべきである。
【0004】
中心骨の領域は、想定される背側部分切身と腹側部分切身に魚切身を分割する。言い換えれば、中心骨から出発して背びれに向かって上方に延在する魚切身の領域は、背側部分切身と呼ばれ、中心骨から出発して腹腔に向かって下方に延在する魚切身の領域は、腹側部分切身と呼ばれる。「魚切身」という用語は、もはや骨が全くないこのような製品だけでなく、具体的には、少なくとも中心骨が除去されており、その結果、皮目から離れた側にある赤身肉の細長い片部が露出しているこのような製品も指す。したがって、魚切身は、皮目を下にして加工される。
【0005】
しかしながら、血合肉とも呼ばれる赤身肉は、魚切身中に広がっているため、例えば、互いにV字型に設置された2つの丸刃で魚切身からV字型の細長い片部を切削するような一般的な切削器具では、赤身肉を除去することはできない。赤身肉の広がりは、実際には標準的なV字型ではなく、魚切身によって異なる。したがって、単純なV字型の切削では、魚切身中に赤身肉が残るか、または赤身肉に加えて白身肉が除去されるかのどちらかの結果になる。言い換えれば、一般的な切削器具で赤身肉を除去したときの加工結果は、一方では収量低下、他方では誤り率の高さにより受け入れられず、その結果、マグロまたは同等種の加工では、赤身肉を除去するときこれまでは手作業で行ってきた。
【0006】
人々が赤身肉を除去しやすくするように、加工される製品は、加工前に調理される。調理することで、「正常な」身肉は(さらに)白くなり、血合肉はさらに濃く(ほとんど黒く)なるという色の変化が生じる。この色の変化により、人は構造と肉の内容物とをより良好に区別することができ、特に製品内の赤身肉の広がりをより良好に識別することができる。しかしながら、魚切身から赤身肉を手作業で除去することには、さまざまな欠点がある。一方では、手作業による除去は、非常に時間がかかり、したがってコストがかかる、特に、調理には時間のかかる追加の作業ステップが必要になるためである。他方では、手作業による除去は、収量低下を招く。加えて、切削結果は、実質的に製品を加工する人の経験とスキルに依存している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、確実に、赤身肉の細長い片部を魚切身から自動的に除去し、かつ、収量を最適化することを保証する装置を作製することである。また、本発明の目的は、対応する方法を作成することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、加工される魚切身を、魚切身が装置に入る入口区域から、魚切身が装置から出る出口区域まで、移送経路に沿って移送方向Tに移送し、移送経路に沿って連続して出口区域の方向に、入口区域から出発するための搬送ユニットと、加工される魚切身中の赤身肉を検出するための第1の手段と、魚切身から赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を除去するための第1の切削器具と、第1の切削器具によって生成された、魚切身に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および魚切身に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面が、搬送ユニットから離れて上方を向くような様式で、中央部分の細長い片部から解放された魚切身を開くための手段と、魚切身から赤身肉の腹側および背側部分の細長い片部を除去するための切削ユニットであって、腹側部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具ならびに背側部分の細長い片部を除去するための第3の切削器具を含む、切削ユニットと、制御デバイスと、を備え、赤身肉を検出するための少なくとも当該手段および3つの切削器具は、赤身肉を検出するための手段によって決定されたデータならびに/または情報に基づいて、すべての切削を行うことができるような様式で、制御デバイスに接続されていることを特徴とするという点で、前述のタイプの装置によって達成される。本発明による装置により、赤身肉を含む魚切身、具体的にはマグロの切り身を機械によって効率的かつ正確に赤身肉から解放することができる。移送方向Tにおいて前後に並んで配置された3つの切削器具により、除去される赤身肉の細長い片部を魚切身から段階的に切削ことができ、その際、第1の切り込みは、搬送ユニット上に皮目を平らにして横たわっている魚切身の皮目に向かって深部に入り、第2および第3の切り込みは、魚切身を開くか、または展開するための手段が部分的な切身を移動させる、すなわち、魚切身の腹側部および背側部を、第2ならびに第3の切削器具が魚切身を実質的に皮目と平行に貫通できる位置に移動させるため、主に腹側領域もしくは背側領域にそれぞれ入る。これにより、魚切身中の赤身肉の特定の広がりとは無関係に、魚切身ごとに赤身肉の細長い片部を個々に除去することができる。さらに、これは、具体的には生の、すなわち、調理されていない魚を加工するためにも使用することができる。
【0009】
本発明の好ましい展開では、移送方向Tにおいて、加工される魚切身中に残存する赤身肉を検出するための第2の手段は、魚切身を開くための手段と切削ユニットとの間に配置されており、赤身肉を検出するための第2の手段はまた、制御デバイスにも接続されている。これにより、第2および第3の切削器具を、それらの切り込みに関してさらに正確に制御することができる。赤身肉の第1の切削および第1の部分的な細長い片部の除去後、残存する赤身肉を検出するための第2の手段は、腹側領域ならびに背側領域に残存する赤身肉の正確な広がりを検出し、その結果、赤身肉の完全かつ収量に最適な除去が改善される。
【0010】
有利には、移送方向Tにおいて、搬送ユニット上で加工される魚切身を自動的に整列させるための取扱デバイスは、入口区域に配置された赤身肉を検出するための第1の手段と、中央の中心部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具との間に配置されており、この取扱デバイスも制御デバイスに接続されている。取扱デバイスにより、加工される各魚切身は、第1の切削器具の切削結果を最適化するために、赤身肉の細長い片部の整列に関して、第1の切削器具に対して最適に配向することができる。
【0011】
好ましい実施形態では、取扱デバイスは、整列ツールを備えたロボットメカニズム、例えば、デルタキネマティクスメカニズムを備えることを特徴とする。この実施形態では、魚切身を実質的に全方向に自由に移動させることができる、具体的には回転させることもでき、これにより、搬送ユニット上の特定の魚切身の開始場所/開始位置にかかわらず、第1の切削前に、搬送ユニット上の中心に横たわり、移送方向Tに実質的に平行に整列されている赤身肉の細長い片部を有する魚切身を個々に正確に位置決めすることを保証する。
【0012】
第1の切削器具は、好ましくは、互いに固定角でV字型に設置された2つの丸刃、および丸刃の駆動手段を備え、2つの丸刃は、垂直方向ならびに水平方向に調整可能に設計されている。これにより、赤身肉の中央の中心部分の細長い片部の、シンプルでありながら正確かつ効率的な除去を保証する。
【0013】
特に好ましくは、第1の切削器具は、ロボットメカニズム、例えば、デルタキネマティクスメカニズム上に配置されており、このメカニズムによって、搬送ユニットに対する第1の切削器具の位置が少なくとも垂直方向および水平方向に調整可能であり、このロボットメカニズムは、制御デバイスにも接続されている。具体的には、取扱デバイスとの組み合わせにより、魚切身と丸刃、および正確な切り込みを目的とした丸刃と魚切身との最適な整列が保証される。
【0014】
便宜上、第2および第3の切削器具は、互いにV字型に設置された2つの丸刃、ならびに丸刃の駆動手段を各々備える。本実施形態では、赤身肉の腹側および背側部分の細長い片部を特に効率的かつ正確に除去することができる。
【0015】
特に有利な実施形態では、第2および第3の切削器具は、2つの刃ユニットが割り当てられた刃キャリアを各々有し、各刃ユニットは、丸刃、および丸刃を回転中心軸M1、M2を中心に回転駆動するための駆動手段を備え、2つの丸刃は、角度αを囲む位置で実質的に互いにV字型に設置されており、刃キャリア上の刃ユニットの調整可能な配置により、角度αの大きさを設定することが可能であり、2つの回転中心軸M1、M2の互いのオフセットは、移送方向Tにおいてゼロに等しく、2つの刃ユニットは、互いに専ら同期的に調整可能であるように設計および構成されていることを特徴とする。これは、各切削器具が、腹側部および背側部における赤身肉の個々の広がりに合わせて調整ならびに適合させて、部分的な細長い片部の収量効率の良い除去を保証することができ、誤った切り込みを防止することを意味する。
【0016】
第2および第3の切削器具は、好ましくは、移送方向Tにおいて前後に並んで配置されており、各々がロボットメカニズム、例えば、デルタキネマティクスメカニズム上にあり、ロボットメカニズムはまた、制御デバイスにも接続されている。ロボットメカニズムにより、切削器具は、切削前および切削中に、加工される魚切身に対して最適に位置決めされ、切り込みを改善することができる。
【0017】
特に好ましい展開では、搬送ユニットは、複数の搬送要素を備え、第1の切削器具の領域にある第1の搬送要素は、移送方向Tと平行に中心的に走るすき間を有する回転駆動式二重ベルトであり、一方、切削ユニットの領域にある第2の搬送要素は、断面が三角形の回転駆動式セグメントチェーンであることを特徴とする。搬送ユニットのこの実施形態では、当該搬送ユニットは、魚切身が切削器具に対して最適な場所/位置に各々配設されるような様式で、関連する切削器具に適合される。
【0018】
有利には、二重ベルトおよびセグメントチェーンは、移送方向Tの移送経路に沿って連続した搬送ユニットを形成し、セグメントチェーンは、魚切身を二重ベルトから移動するために、少なくとも、二重ベルトからセグメントチェーンへの移行領域において、すき間を介して下から二重ベルトに係合する。したがって、移行領域では、魚切身は、一方では二重ベルトと、他方ではセグメントチェーンと接触している。これにより、装置全体を通して魚切身が連続的に搬送される。
【0019】
特に好ましくは、セグメントチェーンは、魚切身を開くための手段を形成する。これにより、開くか、または展開するための追加の手段が不要になる。セグメントチェーンの搬送手段および開く手段としての2つの機能により、魚切身の第2および第3の切削器具の下への、シンプルでありながら確実な位置決めを保証する。セグメントチェーンは、少なくとも部分的に三角形の断面を有し、二重ベルトから離れる際に、部分的な切身が重力のみで側方および下方に大きく折り畳まれ、第1の切削によって形成された切削面が依然として上方または少なくとも斜め上方を向いており、その結果、第2ならびに第3の切削器具は、腹側領域もしくは背側領域、つまり、皮目に実質的に平行な領域、すなわち、第1の切削器具が貫通できないか、あるいは収量低下なしに貫通できない領域にそれぞれ貫通することができる。
【0020】
有利には、セグメントチェーンは、その上側に切削ユニットの方向を向いたスパイク状の突出部を有しており、魚切身をセグメントチェーン上に固定する。これにより、セグメントチェーン上の魚切身をさらに確実に固定し、その結果、魚切身は、セグメントチェーン上で滑らずに固着され、移送されて正確に位置決めすることができる。スパイク状の突出部の別の効果は、部分的な切り身が、断面が三角形またはより正確には屋根形状であるセグメントチェーンの両側で曲がるのを支援することである、すなわち、魚切身を開く助けとなることである。
【0021】
好ましい展開では、魚を押さえるためのデバイスは、少なくとも腹側および背側部分の細長い片部を除去するときに、開いた魚切身を、魚を押さえるためのデバイスとセグメントチェーンとの間で、セグメントチェーンの両側に固定できるような様式で、少なくとも切削ユニットの領域のセグメントチェーンに割り当てられている。魚切身を移送方向Tに搬送するため、セグメントチェーンの両側に垂れ下がった魚切身または部分的な切身は、下から支えるセグメントチェーンと、上方から保持する魚を押さえるためのデバイスとの間を通り抜け、その結果、部分的な切身は、切削中に確実かつ正確に保持されることになる。したがって、魚を押さえるためのデバイスは、セグメントチェーンとともに、開くための手段を最終的に形成するか、または部分的な切身を確実に広げた位置に保持するように、少なくとも開くプロセス中にセグメントチェーンを支持することになる。
【0022】
好ましくは、固定手段は、少なくとも中央の中心部分の細長い片部を除去するときに魚切身を二重ベルト上に固定できるような様式で、二重ベルトの領域に設けられている。言い換えれば、二重ベルト上に皮目を平らにして横たわっている魚切身は、任意に、上方から二重ベルトに押し付けられるか、かつ/または下から二重ベルトに吸着される。
【0023】
特に好ましい展開では、第1の切削ユニットに対応する第2の切削ユニットは、移送方向Tにおいて、第2および第3の切削器具を備える当該第1の切削ユニットの下流側に配置されており、第2の切削ユニットはまた、制御デバイスにも接続されている。言い換えれば、切削ユニットは、腹側部分の細長い片部を除去するための2つの切り込みを各々の場合に連続して行うことができるように、また、背側部分の細長い片部を除去するための2つの切り込みを各々の場合に行うことができるように、二重になっている。これにより、一方では加工速度を向上させることができる。他方では、赤身肉の細長い片部を魚切身から除去するときの精度が向上する。
【0024】
便宜上、赤身肉を検出するための第3の手段は、移送方向Tにおいて、第1の切削ユニットの下流側、および第2の切削ユニットの上流側に配置されており、赤身肉を検出するための第3の手段はまた、制御デバイスにも接続されている。また、この実施形態では、切削精度が向上し、したがって加工結果が向上する。
【0025】
好ましい実施形態では、除去された部分的な細長い片部を抽出するための吸着手段は、各切削器具の領域に配置されていることを特徴とする。この開発の結果、切削領域は、既に除去された部分的な細長い片部または部分から常に解放され、これにより、赤身肉を検出するための下流側の手段による(残存する)赤身肉の検出が特に向上する。
【0026】
この目的は、加工される魚切身を、搬送ユニットによって、移送方向Tの入口区域から出口区域まで、移送経路に沿って自動的に移送するステップと、赤身肉を検出するための手段を使用して、加工される魚切身中の赤身肉を自動的に検出するステップと、第1の切削器具を使用して、赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を魚切身から自動的に切削するステップと、中央の中心部分の細長い片部を除去するときに形成された、魚切身に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および魚切身に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面が、搬送ユニットから離れて上方を向くような様式で、開くための手段を使用して中央の中心部分の細長い片部から解放された魚切身を自動的に開くステップと、第2および第3の切削器具を使用して、腹側および背側部分の細長い片部を魚切身から自動的に切削するステップと、を含み、切削器具は、赤身肉を検出するための手段によって決定されたデータおよび/または情報に基づいて、制御デバイスを使用して制御されることを特徴とする方法によって達成される。
【0027】
好ましくは、赤身肉の細長い片部は、少なくとも3つのステップで魚切身から自動的に切削され、最初に、中央の中心部分の細長い片部が魚切身から切削され、続いて最初に、腹側部分の細長い片部、次に背側部分の細長い片部、または最初に赤身肉の背側部分の細長い片部、次に腹側部分の細長い片部が魚切身から切削される。腹側部分の細長い片部の除去と背側部分の細長い片部の除去の順序は、任意である。
【0028】
有利には、最初に腹側部分の細長い片部の切削、次に背側部分の細長い片部の切削、またはその逆は、移送経路に沿って追加の切削器具によって第4および第5のステップで繰り返され、加工される魚切身中の赤身肉は、第4および第5のステップの前に、赤身肉を検出するための手段を使用して再度自動的に検出される。言い換えれば、このプロセスを繰り返すことによって精度を向上させるために、第2および第3の切削は、少なくとも1回、必要に応じて2回または数回各々繰り返され、したがって、毎回切削が更新され、魚切身中に依然として位置している赤身肉をより正確に検出する。
【0029】
好ましくは、各魚切身は、部分的な細長い片部の切削中に搬送ユニット上に固定される。
【0030】
特に好ましくは、すべての部分的な細長い片部の切削すべては、互いにV字型に設置されている丸刃によって行われる。
【0031】
任意に、切削によって除去された部分的な細長い片部は、吸着によって抽出される。
【0032】
特に好ましくは、本方法は、請求項1~18の1つ以上による装置を使用して行われる。
【0033】
このことから生じる更なる利点については、既に本装置に関連して説明されいるので、繰り返しを回避するために関連する箇所を参照することにする。
【0034】
本発明の装置および方法のさらなる好都合な特徴ならびに/または有利な特徴および開発は、従属請求項ならびに明細書から明らかになる。本発明の装置および方法の特に好ましい実施形態では、添付の図面を参照してより詳細に説明される。この図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】中心骨、および中心骨の反対側の皮目を有する、魚切身の軸方向断面図。
図2】皮目が搬送ユニット上に横たわる、中心骨のない図1に記載の魚切身。
図3図2に従って、赤身肉から構成される細長い片部を魚切身から自動的に除去するための装置の好ましい実施形態の概略図。
図4】二重ベルトの上方に配置された赤身肉を検出するための第1の手段と、赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を除去するための第1の切削器具と、魚切身を二重ベルト上に自動的に整列させるための取扱デバイスと、を備えた、搬送ユニットの一部としての二重ベルトの拡大図。
図5】セグメントチェーン上で開いた位置にある赤身肉の中央の中心部分の細長い片部から解放された魚切身を備えた、搬送ユニットの一部としてのセグメントチェーンの断面図。
図6】赤身肉を検出するための第2の手段と、魚切身の腹側または背側に位置している、赤身肉の部分的な細長い片部を除去するための切削ユニットの一部としての第2の切削器具を備えた、二重ベルトからセグメントチェーンへの移行領域の拡大図。
図7】セグメントチェーンの上方にある第2および第3の切削器具と、魚を押さえつけるためのデバイスとの斜視図の拡大図。
図8】移送方向Tから見た、図7に記載の図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図面に示す装置は、赤身肉の細長い片部を魚切身から自動的に除去するために使用される。本発明は、除去される血合肉を有するマグロの例を用いて説明される。しかしながら、本発明は、「正常な」身肉に加えて、魚切身中に赤身肉(血合肉)の細長い片部を有する他の魚種にも同様に適用可能である。これらの魚種は、具体的には、長距離を移動するという特性により、このような特殊な筋肉構造を有する。
【0037】
より良好な理解を促すために、初めに、マグロまたは魚切身10および同等種の筋肉構造について、図1ならびに図2に基づいて説明する。図1は、2つの切身を有するマグロの単一の魚切身10を示している。単一の魚切身10は、図示の中心骨11を依然として有する。背側部分切身12は、中心骨11から出発して図示されていない背びれに向かって上方に延在している。腹側部分切身14は、中心骨11から出発して腹腔13(図示のみ)に向かって下方に延在している。魚切身10の皮目15は、中心骨11の反対側に位置している。魚切身10は、主に「正常な」白身肉16から構成されている。しかしながら、赤身肉の部分的に非対称な細長い片部17は、中心骨11から出発して皮目15に向かって延在している。この細長い片部17は、魚切身10ごとに身肉16中で個々に広がっている。
【0038】
図2は、魚切身10が皮目15に接して横たわっている、中心骨11のない図1に記載の魚切身10を示している。その結果、赤身肉の細長い片部17は、上方を向いており、この細長い片部17は、魚切身10の長手方向の移送方向Tに実質的に配向している。
【0039】
図3以降に図示する装置18は、赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部17を魚切身10から自動的に除去するように設計および構成されている。この装置18は、加工される魚切身10を、魚切身10が装置18に入る入口区域Eから魚切身10が装置18から出る出口区域Aまで、移送経路に沿って移送方向Tに移送し、移送経路に沿って連続して出口区域Aの方向に、入口区域Eから出発するための搬送ユニット19と、加工される魚切身10中の赤身肉を検出するための第1の手段20と、魚切身10から赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を除去するための第1の切削器具21と、第1の切削器具21によって生成された、魚切身10に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および魚切身10に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面F1ならびにF2が、搬送ユニット19から離れて上方を向くような様式で、中央部分の細長い片部から解放された魚切身10を開くための手段22と、魚切身10から赤身肉の腹側および背側部分の細長い片部を除去するための切削ユニット23であって、腹側部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具24ならびに背側部分の細長い片部を除去するための第3の切削器具25を含む、切削ユニット23と、制御デバイス26と、を備え、赤身肉を識別するための少なくとも当該手段20および3つの切削器具21、24、25は、赤身肉を検出するための手段20によって決定されたデータならびに/または情報に基づいて、すべての切削を行うことができるような様式で、制御デバイス26に接続されていることを特徴とするという点で、本発明によって特徴付けられている。
【0040】
以下に説明する特徴および展開が単独で、または互いに組み合わせて用いられるときの好ましい実施形態を示している。特許請求の範囲および/または明細書ならびに/もしくは図面に要約されているか、あるいは共通の実施形態に記載されている特徴は、機能的に独立した様式で上述の装置18をさらに発展させることもできることが明示的に指摘されている。
【0041】
搬送ユニット19は、回転駆動および好ましくは連続駆動のための、明示的には示していない駆動手段を含む。この駆動手段は、好ましくは制御デバイス26にも接続されている。赤身肉を検出するための第1の手段20は、例えば、カメラを備えてもよい。カメラの代わりに、またはカメラに加えて、手段20はまた、X線器具もしくは他の器具を備えてもよく、それによって、赤身肉から構成される細長い片部17の大きさおよび/または範囲ならびに/あるいは整列および/または配向ならびに/もしくは分布を、身肉16中で検出することができる。
【0042】
好ましくは、移送方向Tにおいて、加工される魚切身10中に残存する赤身肉を検出するための第2の手段27は、魚切身10を開くための手段22と切削ユニット23との間に配置されており、赤身肉を検出するための第2の手段27はまた、制御デバイス26にも接続されている。言い換えれば、赤身肉を検出するための第2の手段27は、第1の切削器具21と切削ユニット23との間に位置している。赤身肉を検出するための第2の手段27は、赤身肉を検出するための第1の手段20に合わせて設計および構成されている。
【0043】
図4は、魚切身10の入口区域Eの拡大図である。搬送ユニット19は、複数の搬送要素を備え、第1の切削器具21の領域にある第1の搬送要素28は、移送方向Tと平行に中心的に走るすき間30を有する回転駆動式二重ベルト29であり、一方、切削ユニット23の領域にある第2の搬送要素31は、断面が三角形の回転駆動式セグメントチェーン32である。二重ベルト29は、別個の誘導要素および駆動要素を有する、2つの完全に別個のベルトで構成されてもよい。他の実施形態では、2つの部分的なベルトは、同じ誘導要素および駆動要素上に互いに距離を置いて配置されてもよい。すき間30は、二重ベルト29の長さの一部にわたって延在してもよいし、二重ベルト29の全長にわたって延在してもよく、移送方向Tに配向しているすき間30は、すき間30が二重ベルト29を対称的に分割するような様式で、すべての実施形態において中心的に配置されている。具体的には、すき間30が二重ベルト29の全長にわたって延在している場合、すき間30は、被覆要素33によって少なくとも部分的に覆われてもよい。
【0044】
セグメントチェーン32は、二重ベルト29に重なって配置されている。これは、移送経路に沿ったセグメントチェーン32が、二重ベルト29が終了する前に既に出発しており、その結果、重なった領域の各魚切身10は、二重ベルト29上に位置されていると同時に、セグメントチェーン32によって支持されていることを意味する。重なった領域では、被覆要素33はまた、セグメントチェーン32が、少なくとも、個々のセグメント36の先端35が切削器具21に対して上方に向いた状態で、二重ベルト29のすき間30を介して突出することができるすき間34も有し、被覆要素33のすき間34は、二重ベルト29によって画定された平面を超える(二重ベルト29の表面に対して)。他の実施形態では、セグメントチェーン32は、それ自体がその先端35とともに、二重ベルト29によって画定された平面内または平面下に横たわってもよい。二重ベルト29およびセグメントチェーン32は、制御デバイス26によって個々に制御可能である。好ましくは、二重ベルト29およびセグメントチェーン32は、例えば、同じ駆動速度で駆動されるような様式で、制御デバイス26によって同期的に制御可能である。
【0045】
移送方向Tにおいて、搬送ユニット19上で加工される魚切身10を自動的に整列させるための取扱デバイス37は、入口区域Eに配置されている赤身肉を検出するための第1の手段20と、中央の中心部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具21との間に配置されており、当該搬送ユニットは、実施例では二重ベルト29上に配置されており、また、取扱デバイス37は、制御デバイス26に接続されている。取扱デバイス37は、好ましくは、ロボットメカニズム、例えば、デルタキネマティクスメカニズムを備え、明示的には示していない整列ツールを備える。整列ツールは、例えば、握持手段および/または吸着手段を含んでもよく、これらの手段を使用して、魚切身10を二重ベルト29上で移送方向Tならびに特に移送方向Tに対して横方向にオフセットすることができ、また、とりわけ、赤身肉の細長い片部17がすき間30の領域に少なくとも部分的に、好ましくは完全に中心的に位置するように、垂直軸を中心に回転させることもできる。特に好ましくは、整列ツールは、例えば、プランジャなどを備えてもよく、これにより、魚切身10が二重ベルト29上に横たわっている間に魚切身10を移動および/もしくは回転させることができる。
【0046】
取扱デバイス37は、魚切身10がこれらの場所/位置に関してセグメントチェーン32上に予め位置決めされるような様式で、二重ベルト29上の魚切身10を自動的に整列させるように特に設計および構成されている。また、取扱デバイス37は、第1の切削器具21が、互いに固定角でV字型に設置された2つの丸刃38、39、および丸刃38、39のための駆動手段40、41を備え、2つの丸刃38、39が、垂直方向ならびに水平方向に調整可能に設計されている場合に特に好ましい。丸刃38、39を手動または自動で調整することが可能であってもよい。特に好ましくは、第1の切削器具21は、ロボットメカニズム42、例えば、パラレルキネマティクスメカニズム上に配置されており、このメカニズム42により、搬送ユニット19に対する第1の切削器具21の位置、従ってこの実施例では二重ベルト29に対する位置は、少なくとも垂直方向および水平方向に調整可能であり、ロボットメカニズム42は、制御デバイス26にも接続されている。
【0047】
任意に、固定手段43は、少なくとも中央の中心部分の細長い片部を除去するときに、魚切身10を二重ベルト29上に固定することができるような様式で二重ベルト29の領域に設けられている。図示の実施形態では、例えば、二重ベルト29の上方で切削器具21の上流側の移送方向Tに配置され、移送方向Tに対して横方向に整列して、魚切身10を上方から二重ベルト29上に押し付ける加圧ローラ44が設けられている。また、魚を押さえるための対応する加圧ローラ44または別の手段も、切削器具21の下流側の移送方向Tに代替的もしくは追加的に配置してもよい。また、吸着ユニットを固定手段43として使用してもよく、これを使用して魚切身10を下から二重ベルト29上で吸着する。各加圧ローラ44などは、能動的に駆動されてもよい。対応する駆動手段は、制御デバイス26に接続されてもよい。各加圧ローラ44は、好ましくは、駆動速度に関して二重ベルト29と同期的に駆動される。
【0048】
二重ベルト29およびセグメントチェーン32は、移送方向Tの移送経路に沿って連続した搬送ユニット19を形成しており、セグメントチェーン32は、上述したように、少なくとも、二重ベルト29からセグメントチェーン32までの移行領域
【0049】
【数1】
【0050】
において、すき間30を介して下から二重ベルト29に係合して魚切身10を二重ベルト29から移動する。セグメントチェーン32は、複数のセグメント36で構成されている。各セグメント36は、断面が三角形または屋根型である(例えば、図5および図8を参照)。各セグメント36は、切削器具24、25の方向を向いている上側に、好ましくは、スパイク状の突出部45を有する。他の実施形態では、セグメント36のうちのいくつかのみがそのような突出部45を有することが可能であり、各突出部45は、おそらく、魚切身10を保持または貫通するための粗面もしくは任意の他の手段のみを有する。
【0051】
セグメントチェーン32は、その形状および設計により、魚切身10を開くための手段22を任意に形成する。二重ベルト29上では、魚切身10は、その皮目15を平らにして二重ベルト29上に横たわっている。セグメントチェーン32によって魚切身10が移動した結果、部分的な切身12、14は、赤身肉の中央の中心部分の細長い片部の除去に支援されて、二重ベルト29を離れた後に側方および下方に落下し、その結果、依然として互いに接続している部分的な切身12、14は、セグメント36の表面46、47上に、斜め下方に広がりつつ皮目15を付けて横たわっており、その結果、切削面F1ならびにF2は、互いに向き合う位置から、切削面F1およびF2を切削器具24、25の方向のさらに上方に向ける位置にする(具体的には図5を参照)。魚切身10を開くための他の手段22はまた、セグメントチェーン32に追加的かつ別個に使用することもできる。例えば、部分的な切身を能動的に展開する手段をセグメントチェーンの上方に配置してもよい。
【0052】
好ましくは、魚を押さえるためのデバイス48、49は、少なくとも腹側および背側部分の細長い片部を除去するときに、開いた魚切身10を、魚を押さえるためのデバイス48、49とセグメントチェーン32との間で、セグメントチェーン32の両側に固定できるような様式で、少なくとも切削ユニット23の領域のセグメントチェーン32に割り当てられている。魚を押さえるためのデバイス48、49は、例えば、丸い外形であってもよい。しかしながら、好ましくは、魚を押さえるためのデバイス48、49は、回転駆動される搬送ベルト50、51であり、その誘導面52、53は、好ましくは、セグメント36の表面46、47と平行に整列している(具体的には図8を参照)。セグメント36の表面46、47からの誘導面52、53の距離は、調整可能である。魚を押さえるためのデバイス48、49は、好ましくは、部分的な切身12、14を開くための手段22として、部分的な切身12、14を開く助けとなる能動的な手段として、また、部分的な切身12、14を広げた位置に保持するために、セグメントチェーン32を支援するように設計および構成されている。
【0053】
第2および第3の切削器具24、25は、魚を押さえるためのデバイス48、49とともにセグメントチェーン32の上方に配置されている。第2および第3の切削器具24、25は、互いに固定角でV字型に設置された2つの丸刃54と55、ならびに56と57、および丸刃54~57のための駆動手段58と59、ならびに60と61を各々備える。単純な実施形態では、切削器具24、25は、切削器具21のように設計されてもよい、すなわち、固定角でV字型に設置された2つの丸刃54と55、ならびに56と57を備え、これらのナイフは、垂直方向および水平方向に調整可能に設計されている。具体的には、第2および第3の切削器具24、25では、丸刃54~57の代わりに、リングブレード、いわゆるウィザードナイフを使用してもよい。
【0054】
好ましくは、第2および第3の切削器具24、25は、2つの刃ユニット64と65、ならびに66と67が割り当てられた刃キャリア62、63を各々有し、各刃ユニット64~67は、丸刃54~57、および丸刃54~57を回転中心軸M1、M2を中心に回転駆動するための駆動手段58~61を備え、2つの丸刃54と55、ならびに56と57は、角度αを囲む位置で実質的に互いにV字型に設置されており、刃キャリア62、63上の刃ユニット64~67の調整可能な配置により、角度αの大きさを設定することが可能であり、2つの回転中心軸M1、M2の互いのオフセットは、移送方向Tにおいてゼロに等しく、2つの刃ユニット64と65、ならびに66と67は、互いに専ら同期的に調整可能であるように設計および構成されている。
【0055】
第2および第3の切削器具24、25は、好ましくは、移送方向Tにおいて前後に並んで配置されており、各々がロボットメカニズム68、69、例えば、パラレルデルタキネマティクスメカニズム上にあり、ロボットメカニズム68、69はまた、制御デバイス26にも接続されている。図示の実施形態では、最初に、腹側の細長い片部を除去するための第2の切削器具24が、続いて背側部分の細長い片部を除去するための第3の切削器具25が移送方向Tに配置されている。しかしながら、切削器具24、25の順序は、逆であってもよい。
【0056】
第1の切削ユニット23に対応する第2の切削ユニット70は、移送方向Tにおいて、第2および第3の切削器具24、25を備える当該第1の切削ユニット23の下流側に任意に配置されており、第2の切削ユニット70は、制御デバイス26にも接続されている。さらに、対応する設計を有する切削ユニットを設けてもよい。赤身肉を検出するための第3の手段71は、移送方向Tにおいて、第1の切削ユニット23下流側、および第2の切削ユニット70の上流側に配置されており、赤身肉を検出するための第3の手段71はまた、制御デバイス26にも接続されている。赤身肉を検出するための第3の手段71は、赤身肉を検出するための第1の手段20および第2の手段27に従って設計ならびに構成されている。
【0057】
任意に、除去された部分的な細長い片部を抽出するための吸着手段72、73は、個々の切削器具21、24、25または各切削器具21、24、25の領域に配置されている。例えば、吸着管は、それぞれ対の丸刃38と39、および54と55、ならびに56と57の下流側の移送方向Tに配置されており、吸着管の吸着開口部は、移送方向Tとは逆に向いている。魚切身10を加工するためのすべての構成要素、すなわち、少なくとも、赤身肉を検出するための手段20、27、71、およびすべての切削器具21、24、25は、魚切身10の加工が上方から行われるように、搬送ユニット19の上方に配置されている。
【0058】
加工プロセスに関与するすべての構成要素、すなわち、具体的には赤身肉を検出するための手段20、27、71、すべての切削器具21、24、25は、直接、またはロボットメカニズム42、68、69、ならびに取扱デバイス37、および搬送要素28、31の駆動手段を介して、有線または無線で制御デバイス26に接続されていることが好ましく、制御デバイス26は、とりわけ、評価ユニット、少なくとも1つのメモリユニット、および個々の構成要素を能動的に制御するための少なくとも1つの制御モジュールを備える。制御デバイス26は、プログラマブル論理制御装置として、またはマイクロプロセッサベースの制御装置として設計されてもよい。
【0059】
以下では、赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部17を魚切身10から自動的に除去する方法を図面に基づいてより詳細に説明しており、本方法は、以下のステップの組み合わせによって特徴付けられる。
【0060】
加工される魚切身10は、搬送ユニット19によって、移送方向Tの入口区域Eから出口区域Aまで、移送経路に沿って自動的に移送される。移送経路に沿って、まず初めに、赤身肉を検出するための手段20は、加工される魚切身10中の赤身肉を自動的に検出する。続いて、第1の切削器具21を使用して、赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を魚切身10から自動的に切削する。第1の切削後、開くための手段22を使用して中央の中心部分の細長い片部から解放された魚切身10は、中央の中心部分の細長い片部を除去するときに形成された、魚切身10に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および魚切身10に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面F1、F2が、搬送ユニット19から離れて上方を向くような様式で、自動的に開かれる。開かれた位置では、腹側および背側部分の細長い片部は、第2ならびに第3の切削器具24、25を使用して魚切身10から自動的に切削される。3つの部分的な細長い片部をすべて除去するための自動切削を実行するために、切削器具21、24、25は、赤身肉を検出するための手段20によって決定されたデータおよび/または情報に基づいて、制御デバイス26を使用して制御される。
【0061】
好ましくは、搬送ユニット19の駆動手段からのデータおよび/または情報は、切削器具21、24、25を制御するときにも使用される。赤身肉の細長い片部17全体の多段階除去は、本発明による方法の前景にある。赤身肉の細長い片部17は、少なくとも3段階で魚切身10から自動的に切削され、最初に、中央の中心部分の細長い片部が魚切身10から切削され、続いて最初に、赤身肉の腹側部分の細長い片部、次に背側部分の細長い片部、または最初に背側部分の細長い片部、次に腹側部分の細長い片部が魚切身から切削される。
【0062】
任意に、第1の切削前に、取扱デバイス37を使用して、魚切身10を切削器具21に対して最適な位置に自動的に持っていき、その位置では、除去される細長い片部17は、二重ベルト29のすき間30の領域に少なくとも主に中心的に位置し、その長手方向の延長において移送方向Tと実質的に平行に整列する。これを行うために、取扱デバイス37は、制御デバイス26によって制御される。第1の自動切削では、魚切身10は、好ましくは、固定手段43を使用して二重ベルト29上に保持されるか、または、当該二重ベルト上に押し付けられるか、かつ/もしくは、当該二重ベルト上に吸着される。第1の切削後、魚切身10は、搬送ユニット19のセグメントチェーン32によって二重ベルト29から移動され、魚切身10は、セグメントチェーン32上の二重ベルト29を離れた後に、好ましくは、重力のみによって、2つの部分的な切身12、14が横方および下方に折り畳まれるように自動的に開く。しかしながら、任意に、部分的な切身12、14は、能動的に開いた位置に持ってくることもできる。
【0063】
切削器具21による第1の切削後、および切削器具24による第2の切削前には、好ましくは、赤身肉を検出するための手段27を使用して、加工される魚切身10に残留する/残存する赤身肉を再度自動的に検出する。第2および第3の自動切削では、魚切身10は、好ましくは、魚を押さえるためのデバイス48、49によってセグメントチェーン32上に保持される。切削器具24、25、切削器具21と同様に、直接制御してもよい。しかしながら、好ましくは、切削器具21、24、25は、ロボットメカニズム42、68、69を介して制御デバイス26によって制御される。
【0064】
すべての切削は、互いにある角度でV字型に設置されている、対で配置された丸刃38と39、54と55、56と57を用いて行うのが好ましい。第2および第3の切削は、少なくともウィザードナイフを用いて行うこともできる。好ましくは、最初に腹側部分の細長い片部を切削し、次に背側部分の細長い片部を切削するか、またはその逆を行うことで、追加の切削器具によって第4および第5の切削を移送経路に沿って繰り返し、加工される魚切身10中の赤身肉は、赤身肉を検出するための手段71を使用して、第4および第5の切削前に再度自動的に検出される。好ましくは、自動切削によって除去された部分的な細長い片部は、吸着によって自動的に抽出される。
【0065】
特に好ましくは、本方法は、請求項1~18の1つ以上に記載された装置18を使用して行われる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部(17)を魚切身(10)から自動的に除去するように設計および構成されている装置(18)であって、
加工される前記魚切身(10)を、前記魚切身(10)が前記装置(18)に入る入口区域(E)から、前記魚切身(10)が前記装置(18)から出る出口区域(A)まで、移送経路に沿って移送方向Tに移送し、前記移送経路に沿って連続して前記出口区域(A)の前記方向に、前記入口区域(E)から出発するための搬送ユニット(19)と、
加工される前記魚切身(10)中の赤身肉を検出するための第1の手段(20)と、
前記魚切身(10)から赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を除去するための第1の切削器具(21)と、
前記第1の切削器具(21)によって生成された、前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面(F、F)が、前記搬送ユニット(19)から離れて上方を向くような様式で、前記中央部分の細長い片部から解放された前記魚切身(10)を開くための手段(22)と、
前記魚切身(10)から赤身肉の前記腹側および前記背側部分の細長い片部を除去するための切削ユニット(23)であって、前記腹側部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具(24)ならびに前記背側部分の細長い片部を除去するための第3の切削器具(25)を含む、切削ユニット(23)と、
制御デバイスと、を備え、
赤身肉を識別するための少なくとも前記手段(20)および前記3つの切削器具(21、24、25)は、赤身肉を検出するための前記手段(20)によって決定されたデータならびに/または情報に基づいて、すべての切削を行うことができるような様式で、前記制御デバイス(26)に接続されていることを特徴とする、装置(18)。
【請求項2】
移送方向Tにおいて、加工される前記魚切身(10)中に残存する前記赤身肉を検出するための第2の手段(27)は、前記魚切身(10)を開くための前記手段(22)と前記切削ユニット(23)との間に配置されており、赤身肉を検出するための前記第2の手段(27)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(18)。
【請求項3】
移送方向Tにおいて、前記搬送ユニット(19)上で加工される前記魚切身(10)を自動的に整列させるための取扱デバイス(37)は、前記入口区域(E)に配置されている、赤身肉を検出するための前記第1の手段(20)と、前記中央部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具(21)との間に配置されており、前記取扱デバイス(37)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(18)。
【請求項4】
前記取扱デバイス(37)は、整列ツールとともに、ロボットメカニズム、例えば、デルタキネマティクスメカニズムを備えることを特徴とする、請求項3に記載の装置(18)。
【請求項5】
前記第1の切削器具(21)は、互いに固定角でV字型に設置された2つの丸刃(38、39)、および前記丸刃(38、39)のための駆動手段(40、41)を備え、前記2つの丸刃(38、39)は、垂直方向ならびに水平方向に調整可能に設計されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項6】
前記第1の切削器具(21)は、ロボットメカニズム(42)、例えば、デルタキネマティクスメカニズム上に配置されており、このメカニズムによって、前記搬送ユニット(19)に対する前記第1の切削器具(21)の位置が少なくとも垂直方向および水平方向に調整可能であり、前記ロボットメカニズム(42)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項7】
前記第2および第3の切削器具(24、25)は、互いに固定角でV字型に設置された2つの丸刃(54と55、56と27)、および前記丸刃(54と55、56と27)のための駆動手段(58と59、60と61)を各々備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項8】
前記第2および第3の切削器具(24、25)は、2つの刃ユニット(64と65、66と67)が割り当てられている刃キャリア(62、63)を各々備え、各刃ユニット(64と65、66と67)は、丸刃(54と55、56と27)、および前記丸刃(54~57)を回転中心軸M、Mを中心に回転駆動するための駆動手段(58と59、60と61)を備え、前記2つの丸刃(54と55、56と27)は、角度αを囲む位置で実質的に互いにV字型に設置されており、前記角度αの大きさは、前記刃キャリア(62、63)上の前記刃ユニット(64と65、66と67)の調整可能な配置によって設定することができ、前記2つの回転中心軸M、Mの互いのオフセットは、移送方向Tにおいてゼロに等しく、前記2つの刃ユニット(64と65、66と67)は、互いに専ら同期的に調整可能であるように設計および構成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項9】
前記第2および第3の切削器具(24、25)は、移送方向Tにおいて前後に並んで配置されており、各々がロボットメカニズム(68、69)、例えば、デルタキネマティクスメカニズム上にあり、前記ロボットメカニズム(68、69)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項10】
前記搬送ユニット(19)は、複数の搬送要素(28、31)を備え、前記第1の切削器具(21)の領域にある第1の搬送要素(28)は、前記移送方向Tと平行に中心的に走るすき間(30)を有する回転駆動式二重ベルト(29)であり、一方、前記切削ユニット(23)の領域にある第2の搬送要素(31)は、断面が三角形の回転駆動式セグメントチェーン(32)であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項11】
前記二重ベルト(29)および前記セグメントチェーン(32)は、前記移送方向Tの移送経路に沿って連続した搬送ユニット(19)を形成し、前記セグメントチェーン(32)は、前記魚切身(10)を前記二重ベルト(29)から移動するために、少なくとも、前記二重ベルト(29)から前記セグメントチェーン(32)への移行領域
【数1】
において、前記すき間(30)を介して下から前記二重ベルト(29)に係合することを特徴とする、請求項10に記載の装置(18)。
【請求項12】
前記セグメントチェーン(32)は、前記魚切身(10)を開くための前記手段(22)を形成することを特徴とする、請求項10または11に記載の装置(18)。
【請求項13】
前記セグメントチェーン(32)は、前記魚切身(10)を前記セグメントチェーン(32)上に固定するために、その上側に前記切削ユニット(23)の方向を向いたスパイク状の突出部(45)を有することを特徴とする、請求項10~12のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項14】
前記魚を押さえるためのデバイス(48、49)は、少なくとも前記腹側および背側部分の細長い片部を除去するときに、前記開いた魚切身(10)を、前記魚を押さえるためのデバイス(48、49)とセグメントチェーン(32)との間で、前記セグメントチェーン(32)の両側に固定できるような様式で、少なくとも前記切削ユニット(23)の前記領域の前記セグメントチェーン(32)に割り当てられていることを特徴とする、請求項10~13のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項15】
固定手段(43)は、少なくとも前記中央の中心部分の細長い片部を除去するときに前記魚切身(10)を前記二重ベルト(29)上に固定できるような様式で、前記二重ベルト(29)の前記領域に設けられていることを特徴とする、請求項10~14のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項16】
前記第1の切削ユニット(23)に対応する第2の切削ユニット(70)は、移送方向Tにおいて、前記第2および第3の切削器具(24、25)を備える前記第1の切削ユニット(23)の下流側に配置されており、前記第2の切削ユニット(70)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項10~15のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項17】
赤身肉を検出するための第3の手段(71)は、移送方向Tにおいて、前記第1の切削器具(21)の下流側、および前記第2の切削ユニット(70)の上流側に配置されており、赤身肉を検出するための前記第3の手段(71)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項16に記載の装置(18)。
【請求項18】
前記除去された部分的な細長い片部を吸着によって抽出するための吸着手段(72、73)は、各切削器具(21、24、25)の前記領域に配置されていることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項19】
赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部(17)を魚切身(10)から自動的に除去するための方法であって、
-加工される前記魚切身(10)を、搬送ユニット(19)によって、移送方向Tの入口区域(E)から出口区域(A)まで、移送経路に沿って自動的に移送するステップと、
-赤身肉を検出するための手段(20)を使用して、加工される前記魚切身(10)中の前記赤身肉を自動的に検出するステップと、
-第1の切削器具(21)を使用して、赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を前記魚切身(10)から自動的に切削するステップと、
-前記中央の中心部分の細長い片部を除去するときに形成された、前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面(F、F)が、前記搬送ユニット(19)から離れて上方を向くような様式で、開くための手段(22)を使用して前記中央の中心部分の細長い片部から解放された前記魚切身(10)を自動的に開くステップと、
-第2および第3の切削器具(24、25)を使用して、前記腹側および背側部分の細長い片部を前記魚切身(10)から自動的に切削するステップと、を含み、
-前記切削器具(24、25)は、赤身肉を検出するための前記手段(20)によって決定されたデータおよび/または情報に基づいて、制御デバイス(26)を使用して制御されることを特徴とする、方法。
【請求項20】
赤身肉の前記細長い片部は、少なくとも3つのステップで前記魚切身(10)から自動的に除去され、最初に、前記中央の中心部分の細長い片部が前記魚切身(10)から切削され、続いて最初に、前記腹側部分の細長い片部、次に前記背側部分の細長い片部、または最初に赤身肉の前記背側部分の細長い片部、次に前記腹側部分の細長い片部が前記魚切身(10)から切削されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
最初に前記腹側部分の細長い片部の前記切削、次に前記背側部分の細長い片部の前記切削、またはその逆は、前記移送経路に沿って追加の切削器具によって第4および第5のステップで繰り返され、加工される前記魚切身(10)中の前記赤身肉は、前記第4および第5のステップの前に、赤身肉を検出するための手段(71)を使用して再度自動的に検出されることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
各魚切身(10)は、前記部分的な細長い片部の前記切削中に前記搬送ユニット(19)に固定されていることを特徴とする、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
すべての部分的な細長い片部の切削すべては、互いにV字型に設置されている丸刃(28と29、54と55、56と57)によって行われることを特徴とする、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
切削によって除去された前記部分的な細長い片部は、吸着によって抽出されることを特徴とする、請求項19~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項1~18のいずれか一項に記載された装置(18)を用いて行われることを特徴とする、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部(17)を魚切身(10)から自動的に除去するように設計および構成されている装置(18)であって、
加工される前記魚切身(10)を、前記魚切身(10)が前記装置(18)に入る入口区域(E)から、前記魚切身(10)が前記装置(18)から出る出口区域(A)まで、移送経路に沿って移送方向Tに移送し、前記移送経路に沿って連続して前記出口区域(A)の前記方向に、前記入口区域(E)から出発するための搬送ユニット(19)と、
加工される前記魚切身(10)中の赤身肉を検出するための第1の手段(20)と、
前記魚切身(10)から赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を除去するための第1の切削器具(21)と、
前記第1の切削器具(21)によって生成された、前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面(F、F)が、前記搬送ユニット(19)から離れて上方を向くような様式で、前記中央部分の細長い片部から解放された前記魚切身(10)を開くための手段(22)と、
前記魚切身(10)から赤身肉の前記腹側および前記背側部分の細長い片部を除去するための切削ユニット(23)であって、前記腹側部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具(24)ならびに前記背側部分の細長い片部を除去するための第3の切削器具(25)を含む、切削ユニット(23)と、
制御デバイスと、を備え、
赤身肉を識別するための少なくとも前記手段(20)および前記3つの切削器具(21、24、25)は、赤身肉を検出するための前記手段(20)によって決定されたデータならびに/または情報に基づいて、すべての切削を行うことができるような様式で、前記制御デバイス(26)に接続されていることを特徴とする、装置(18)。
【請求項2】
移送方向Tにおいて、加工される前記魚切身(10)中に残存する前記赤身肉を検出するための第2の手段(27)は、前記魚切身(10)を開くための前記手段(22)と前記切削ユニット(23)との間に配置されており、赤身肉を検出するための前記第2の手段(27)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(18)。
【請求項3】
移送方向Tにおいて、前記搬送ユニット(19)上で加工される前記魚切身(10)を自動的に整列させるための取扱デバイス(37)は、前記入口区域(E)に配置されている、赤身肉を検出するための前記第1の手段(20)と、前記中央部分の細長い片部を除去するための第2の切削器具(21)との間に配置されており、前記取扱デバイス(37)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(18)。
【請求項4】
前記取扱デバイス(37)は、整列ツールとともに、ロボットメカニズム、例えば、デルタキネマティクスメカニズムを備えることを特徴とする、請求項3に記載の装置(18)。
【請求項5】
前記第1の切削器具(21)は、互いに固定角でV字型に設置された2つの丸刃(38、39)、および前記丸刃(38、39)のための駆動手段(40、41)を備え、前記2つの丸刃(38、39)は、垂直方向ならびに水平方向に調整可能に設計されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項6】
前記第1の切削器具(21)は、ロボットメカニズム(42)、例えば、デルタキネマティクスメカニズム上に配置されており、このメカニズムによって、前記搬送ユニット(19)に対する前記第1の切削器具(21)の位置が少なくとも垂直方向および水平方向に調整可能であり、前記ロボットメカニズム(42)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項7】
前記第2および第3の切削器具(24、25)は、互いに固定角でV字型に設置された2つの丸刃(54と55、56と57)、および前記丸刃(54と55、56と57)のための駆動手段(58と59、60と61)を各々備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項8】
前記第2および第3の切削器具(24、25)は、2つの刃ユニット(64と65、66と67)が割り当てられている刃キャリア(62、63)を各々備え、各刃ユニット(64と65、66と67)は、丸刃(54と55、56と57)、および前記丸刃(54~57)を回転中心軸M、Mを中心に回転駆動するための駆動手段(58と59、60と61)を備え、前記2つの丸刃(54と55、56と57)は、角度αを囲む位置で実質的に互いにV字型に設置されており、前記角度αの大きさは、前記刃キャリア(62、63)上の前記刃ユニット(64と65、66と67)の調整可能な配置によって設定することができ、前記2つの回転中心軸M、Mの互いのオフセットは、移送方向Tにおいてゼロに等しく、前記2つの刃ユニット(64と65、66と67)は、互いに専ら同期的に調整可能であるように設計および構成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項9】
前記第2および第3の切削器具(24、25)は、移送方向Tにおいて前後に並んで配置されており、各々がロボットメカニズム(68、69)、例えば、デルタキネマティクスメカニズム上にあり、前記ロボットメカニズム(68、69)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項10】
前記搬送ユニット(19)は、複数の搬送要素(28、31)を備え、前記第1の切削器具(21)の領域にある第1の搬送要素(28)は、前記移送方向Tと平行に中心的に走るすき間(30)を有する回転駆動式二重ベルト(29)であり、一方、前記切削ユニット(23)の領域にある第2の搬送要素(31)は、断面が三角形の回転駆動式セグメントチェーン(32)であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項11】
前記二重ベルト(29)および前記セグメントチェーン(32)は、前記移送方向Tの移送経路に沿って連続した搬送ユニット(19)を形成し、前記セグメントチェーン(32)は、前記魚切身(10)を前記二重ベルト(29)から移動するために、少なくとも、前記二重ベルト(29)から前記セグメントチェーン(32)への移行領域
【数1】
において、前記すき間(30)を介して下から前記二重ベルト(29)に係合することを特徴とする、請求項10に記載の装置(18)。
【請求項12】
前記セグメントチェーン(32)は、前記魚切身(10)を開くための前記手段(22)を形成することを特徴とする、請求項10または11に記載の装置(18)。
【請求項13】
前記セグメントチェーン(32)は、前記魚切身(10)を前記セグメントチェーン(32)上に固定するために、その上側に前記切削ユニット(23)の方向を向いたスパイク状の突出部(45)を有することを特徴とする、請求項10~12のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項14】
前記魚を押さえるためのデバイス(48、49)は、少なくとも前記腹側および背側部分の細長い片部を除去するときに、前記開いた魚切身(10)を、前記魚を押さえるためのデバイス(48、49)とセグメントチェーン(32)との間で、前記セグメントチェーン(32)の両側に固定できるような様式で、少なくとも前記切削ユニット(23)の前記領域の前記セグメントチェーン(32)に割り当てられていることを特徴とする、請求項10~13のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項15】
固定手段(43)は、少なくとも前記中央の中心部分の細長い片部を除去するときに前記魚切身(10)を前記二重ベルト(29)上に固定できるような様式で、前記二重ベルト(29)の前記領域に設けられていることを特徴とする、請求項10~14のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項16】
前記第1の切削ユニット(23)に対応する第2の切削ユニット(70)は、移送方向Tにおいて、前記第2および第3の切削器具(24、25)を備える前記第1の切削ユニット(23)の下流側に配置されており、前記第2の切削ユニット(70)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項10~15のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項17】
赤身肉を検出するための第3の手段(71)は、移送方向Tにおいて、前記第1の切削器具(21)の下流側、および前記第2の切削ユニット(70)の上流側に配置されており、赤身肉を検出するための前記第3の手段(71)はまた、前記制御デバイス(26)にも接続されていることを特徴とする、請求項16に記載の装置(18)。
【請求項18】
前記除去された部分的な細長い片部を吸着によって抽出するための吸着手段(72、73)は、各切削器具(21、24、25)の前記領域に配置されていることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項19】
赤身肉、いわゆる血合肉から構成される細長い片部(17)を魚切身(10)から自動的に除去するための方法であって、
-加工される前記魚切身(10)を、搬送ユニット(19)によって、移送方向Tの入口区域(E)から出口区域(A)まで、移送経路に沿って自動的に移送するステップと、
-赤身肉を検出するための手段(20)を使用して、加工される前記魚切身(10)中の前記赤身肉を自動的に検出するステップと、
-第1の切削器具(21)を使用して、赤身肉の中央の中心部分の細長い片部を前記魚切身(10)から自動的に切削するステップと、
-前記中央の中心部分の細長い片部を除去するときに形成された、前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の腹側部分の細長い片部および前記魚切身(10)に依然として付着している赤身肉の背側部分の細長い片部の切削面(F、F)が、前記搬送ユニット(19)から離れて上方を向くような様式で、開くための手段(22)を使用して前記中央の中心部分の細長い片部から解放された前記魚切身(10)を自動的に開くステップと、
-第2および第3の切削器具(24、25)を使用して、前記腹側および背側部分の細長い片部を前記魚切身(10)から自動的に切削するステップと、を含み、
-前記切削器具(24、25)は、赤身肉を検出するための前記手段(20)によって決定されたデータおよび/または情報に基づいて、制御デバイス(26)を使用して制御されることを特徴とする、方法。
【請求項20】
赤身肉の前記細長い片部は、少なくとも3つのステップで前記魚切身(10)から自動的に除去され、最初に、前記中央の中心部分の細長い片部が前記魚切身(10)から切削され、続いて最初に、前記腹側部分の細長い片部、次に前記背側部分の細長い片部、または最初に赤身肉の前記背側部分の細長い片部、次に前記腹側部分の細長い片部が前記魚切身(10)から切削されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
最初に前記腹側部分の細長い片部の前記切削、次に前記背側部分の細長い片部の前記切削、またはその逆は、前記移送経路に沿って追加の切削器具によって第4および第5のステップで繰り返され、加工される前記魚切身(10)中の前記赤身肉は、前記第4および第5のステップの前に、赤身肉を検出するための手段(71)を使用して再度自動的に検出されることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
各魚切身(10)は、前記部分的な細長い片部の前記切削中に前記搬送ユニット(19)に固定されていることを特徴とする、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
すべての部分的な細長い片部の切削すべては、互いにV字型に設置されている丸刃(28と29、54と55、56と57)によって行われることを特徴とする、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
切削によって除去された前記部分的な細長い片部は、吸着によって抽出されることを特徴とする、請求項19~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項1~18のいずれか一項に記載された装置(18)を用いて行われることを特徴とする、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】