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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】ワイヤテンション制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 59/38 20060101AFI20220125BHJP
   B65H 59/36 20060101ALI20220125BHJP
   B65H 59/10 20060101ALI20220125BHJP
   B65H 63/032 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
B65H59/38 W
B65H59/36
B65H59/10 Z
B65H63/032 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532132
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-06-04
(86)【国際出願番号】 KR2019018031
(87)【国際公開番号】W WO2020138832
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0168127
(32)【優先日】2018-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521214311
【氏名又は名称】ディーケーテック インダストリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、チュン シク
(72)【発明者】
【氏名】キム、チン ソ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ソン クン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン、ヒョン シク
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ヒョン ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ ヒョク
【テーマコード(参考)】
3F111
3F115
【Fターム(参考)】
3F111AA01
3F111AB01
3F111DA03
3F111DA08
3F111DB06
3F111DC01
3F111DD02
3F111DE01
3F115AA02
3F115CA23
3F115CA58
3F115CB08
3F115CC29
3F115CD05
3F115CF21
3F115CG02
(57)【要約】
本開示の一実施例に係るワイヤのテンションを制御するための制御装置は、回転によりワイヤを供給する巻き出しローラ(unwinding roller);巻き出しローラを回転させるモータ;巻き出しローラにより供給されたワイヤのテンションを支持し、一軸経路に沿って移動可能なテンションローラ(tension roller);ワイヤのテンションを支持するようにテンションローラに圧力を加えるエアシリンダ;一軸経路上においてテンションローラの位置を測定して、該位置を電圧値に変換するリニアポテンショメータ;及び、モータ及びエアシリンダを制御するための制御部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤのテンションを制御するための制御装置であって、
回転によりワイヤを供給する巻き出しローラと、
前記巻き出しローラを回転させるモータと、
前記巻き出しローラにより供給されたワイヤのテンションを支持し、一軸経路に沿って移動可能なテンションローラと、
前記ワイヤのテンションを支持するように、前記テンションローラに圧力を加えるエアシリンダと、
前記一軸経路上において前記テンションローラの位置を測定して、前記位置を電圧値に変換するリニアポテンショメータと、
前記モータ及び前記エアシリンダを制御するための制御部と、を含み、
前記制御部は、前記エアシリンダの圧力を制御して前記ワイヤのテンションを調節し、
前記制御部は、前記リニアポテンショメータが変換した前記電圧値に基づいて前記モータの回転速度を制御する、ワイヤテンション制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記リニアポテンショメータが変換した前記電圧値が閾電圧値から逸脱した場合、前記モータの回転速度を変更する、請求項1に記載のワイヤテンション制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記リニアポテンショメータが変換した前記電圧値が閾電圧値を超過した場合、前記モータの回転速度を増加させる、請求項1に記載のワイヤテンション制御装置。
【請求項4】
前記閾電圧値は、前記テンションローラの位置が、前記一軸経路上において中央に位置する場合の電圧値に対応される、請求項2又は3に記載のワイヤテンション制御装置。
【請求項5】
前記一軸経路の方向は、前記テンションローラを経由した前記ワイヤの進行方向と平行である、請求項1に記載のワイヤテンション制御装置。
【請求項6】
前記テンションローラを補助するための補助ローラをさらに含み、
前記巻き出しローラにより供給された前記ワイヤは、前記補助ローラを経由して前記テンションローラに供給され、
前記補助ローラは、前記テンションローラの前記一軸経路から逸脱して配置された、請求項1に記載のワイヤテンション制御装置。
【請求項7】
前記テンションローラを通過したワイヤのテンションを測定するための圧力センサが具備されたセンシングローラをさらに含み、
前記センシングローラは、前記圧力センサが測定した圧力値を前記制御部に提供し、
前記制御部は、前記圧力値に基づいて前記エアシリンダの圧力を制御する、請求項1に記載のワイヤテンション制御装置。
【請求項8】
前記センシングローラに具備された前記圧力センサは、前記ワイヤが前記センシングローラに対して前記ワイヤの進行方向の垂直方向に加える圧力を測定する、請求項7に記載のワイヤテンション制御装置。
【請求項9】
前記モータは、サーボモータに該当する、請求項1に記載のワイヤテンション制御装置。
【請求項10】
ワイヤのテンションを制御するための制御方法であって、
定圧レギュレータを介してワイヤテンション値が入力されるステップと、
制御部が、前記ワイヤテンション値に基づき、エアシリンダの圧力を制御するステップと、
リニアポテンショメータにより、前記エアシリンダが圧力を加えるテンションローラの位置を一軸経路上において測定して、前記テンションローラの位置を電圧値に変換するステップと、
制御部が、前記電圧値に基づき、前記ワイヤを供給する巻き出しローラを回転させるモータの回転速度を制御するステップと、を含み、
前記テンションローラは、前記一軸経路上において移動可能であり、前記巻き出しローラにより供給されたワイヤのテンションを支持する、ワイヤテンション制御方法。
【請求項11】
前記制御部が、前記電圧値に基づき、前記ワイヤを供給する巻き出しローラを回転させるモータの回転速度を制御するステップにおいて、
前記制御部は、前記電圧値が閾電圧値から逸脱した場合、前記モータの回転速度を変更するように制御する、請求項10に記載のワイヤテンション制御方法。
【請求項12】
前記制御部が、前記電圧値に基づき、前記ワイヤを供給する巻き出しローラを回転させるモータの回転速度を制御するステップにおいて、
前記制御部は、前記電圧値が閾電圧値を超過した場合、前記モータの回転速度を増加させるように制御する、請求項10に記載のワイヤテンション制御方法。
【請求項13】
前記閾電圧値は、前記テンションローラの位置が、前記一軸経路上において中央に位置する場合の電圧値に対応される、請求項11又は12に記載のワイヤテンション制御方法。
【請求項14】
圧力センサにより、前記テンションローラを通過したワイヤのテンションを測定するステップをさらに含む、請求項10に記載のワイヤテンション制御方法。
【請求項15】
測定した前記ワイヤのテンションに基づき、前記エアシリンダの圧力を制御するステップをさらに含む、請求項14に記載のワイヤテンション制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤテンション制御装置及び方法に関し、より詳細には、巻線装置に供給されるワイヤのテンションを制御するための制御装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、二次電池技術の発展及び政府補助金政策等と共に、電気自動車の普及が加速化されている。これにより、電気自動車に搭載される駆動モータの小型化、軽量化及び高出力化に対する要求が増加している。これを達成するために、ワイヤをコイルに巻線できる多様な方法が研究されている。
【0003】
特に、ワイヤを巻線する過程において、ワイヤに加えられるテンション(Tension;張力)を精密に制御する必要がある。ワイヤテンションは、ワイヤ特性の差によって変動が発生するか、或いは、同一のワイヤを継続的に巻線しても、巻線装置の負荷の変動によってワイヤテンションに変動が発生することもできる。巻線されるワイヤのテンションが一定に維持されなくて変動される場合、巻線形状に変形を招くことにより、品質低下の原因になり得る。よって、巻線されるワイヤのテンションを精密に制御して一定に維持する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書で開示する実施例は、ワイヤが巻線される過程において、テンションローラ(tension roller)によりワイヤに加えられるテンションを制御することで、ワイヤテンションを一定に維持でき、ワイヤの断線を防止できる装置及び方法を提供する。
【0005】
本明細書で開示する実施例は、ワイヤが巻線される過程において、テンションローラによりワイヤに加えられるテンションを一定に制御する際に、テンションローラの位置を調整できる装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施例に係るワイヤのテンションを制御するための制御装置は、回転によりワイヤを供給する巻き出しローラ(unwinding roller);巻き出しローラを回転させるモータ;巻き出しローラにより供給されたワイヤのテンションを支持し、一軸経路に沿って移動可能なテンションローラ;ワイヤのテンションを支持するように、テンションローラに圧力を加えるエアシリンダ(air cylinder);一軸経路上においてテンションローラの位置を測定して、該位置を電圧値に変換するリニアポテンショメータ(linear potentiometer);及び、モータ及びエアシリンダを制御するための制御部を含む。制御部は、エアシリンダの圧力を制御してワイヤのテンションを調節する。制御部は、リニアポテンショメータが変換した電圧値に基づいてモータの回転速度を制御する。
【0007】
制御部は、リニアポテンショメータが変換した電圧値が閾電圧値から逸脱した場合、モータの回転速度を変更する。
【0008】
制御部は、リニアポテンショメータが変換した電圧値が閾電圧値を超過した場合、モータの回転速度を増加させる。
【0009】
閾電圧値は、テンションローラの位置が、一軸経路上において中央に位置する場合の電圧値に対応される。
【0010】
一軸経路の方向は、テンションローラを経由したワイヤの進行方向と平行である。
【0011】
ワイヤテンション制御装置は、テンションローラを補助するための補助ローラをさらに含み、巻き出しローラにより供給されたワイヤは、補助ローラを経由してテンションローラに供給され、補助ローラは、テンションローラの一軸経路から逸脱して配置される。
【0012】
ワイヤテンション制御装置は、テンションローラを通過したワイヤのテンションを測定するための圧力センサが具備されたセンシングローラをさらに含み、センシングローラは圧力センサが測定した圧力値を制御部に提供し、制御部は圧力値に基づいてエアシリンダの圧力を制御する。
【0013】
センシングローラに具備された圧力センサは、ワイヤがセンシングローラに対してワイヤの進行方向の垂直方向に加える圧力を測定する。
【0014】
モータは、サーボモータ(Servo Motor)に該当する。
【0015】
本開示の一実施例に係るワイヤのテンションを制御するための制御方法は、定圧レギュレータを介してワイヤテンション値が入力されるステップ;制御部が、ワイヤテンション値に基づき、エアシリンダの圧力を制御するステップ;リニアポテンショメータにより、エアシリンダが圧力を加えるテンションローラの位置を一軸経路上において測定して、テンションローラの位置を電圧値に変換するステップ;及び、制御部が、電圧値に基づき、ワイヤを供給する巻き出しローラを回転させるモータの回転速度を制御するステップを含み、テンションローラは、一軸経路上において移動可能であり、巻き出しローラにより供給されたワイヤのテンションを支持する。
【0016】
制御部が、電圧値に基づき、ワイヤを供給する巻き出しローラを回転させるモータの回転速度を制御するステップにおいて、制御部は、電圧値が閾電圧値から逸脱した場合、モータの回転速度を変更するように制御する。
【0017】
制御部が、電圧値に基づき、ワイヤを供給する巻き出しローラを回転させるモータの回転速度を制御するステップにおいて、制御部は、電圧値が閾電圧値を超過した場合、モータの回転速度を増加させるように制御する。
【0018】
閾電圧値は、テンションローラの位置が、一軸経路上において中央に位置する場合の電圧値に対応される。
【0019】
圧力センサにより、テンションローラを通過したワイヤのテンションを測定するステップをさらに含む。
【0020】
測定したワイヤのテンションに基づき、エアシリンダの圧力を制御するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0021】
本開示の多様な実施例によれば、テンションローラ及びエアシリンダによりワイヤに加えられるテンションを精密に制御できる。
【0022】
本開示の多様な実施例によれば、テンションローラ及びエアシリンダによりワイヤに加えられるテンションを制御する過程において、リニアポテンショメータにより測定されたテンションローラの位置に応じて、巻き出しローラの回転速度を制御することで、テンションローラの位置を調整することが可能である。
【0023】
本開示の効果は、これに制限されず、言及されない他の効果等は、請求範囲の記載から当業者であれば明確に理解されるべきである。
【0024】
本開示の実施例は、以下の添付図面に基づいて説明する。ここで、類似の参照番号は類似の要素を示すが、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示の一実施例によるワイヤテンション制御装置の主要部を示す図である。
図2図1に開示されたワイヤテンション制御装置の後面を示す図である。
図3】本開示の一実施例によってワイヤテンション制御装置のテンションローラが一軸経路上において移動する例を示す例示図である。
図4】本開示の他の実施例によってワイヤテンション制御装置のテンションローラが一軸経路上において移動する例を示す例示図である。
図5】本開示の一実施例によってワイヤテンション制御装置の巻き出しローラがワイヤを供給する場合、巻き出しローラを回転させるモータの回転速度を制御する例を示す例示図である。
図6】本開示の一実施例によるワイヤテンション制御方法を示す順序図である。
図7】本開示の他の実施例によるワイヤテンション制御装置の主要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示を実施するための具体的な内容を添付図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明では、本開示の要旨を不要にぼやかす恐れがある場合、公知の機能や構成に関する具体的な説明は省略する。
【0027】
添付図面において、同一又は対応する構成要素には同一の参照符号が付与される。また、以下の実施例の説明において、同一又は対応する構成要素の重複記述は省略され得る。しかしながら、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図してはならない。相対的な位置を表現する用語は、図面に示す構成間の関係を説明するために使用されることができ、本開示はそのような用語により限定されるものではない。
【0028】
図1は、本開示の一実施例に係るワイヤテンション制御装置100の主要部を示す図、図2は、図1に開示されたワイヤテンション制御装置100の後面を示す図である。
【0029】
図1及び図2に示すX軸及びY軸の方向は正の方向を意味し、他の図でも同一の意味として使用される。
【0030】
ワイヤテンション制御装置100は、巻き出しローラ(unwinding roller)110、モータ120、テンションローラ(tension roller)140、エアシリンダ150(図2参照)、リニアポテンショメータ170(図2参照)及び制御部(図示せず)を含むことができる。ワイヤテンション制御装置100は、補助ローラ130及びセンシングローラ180をさらに含むことができる。
【0031】
巻き出しローラ110は、ワイヤを供給するためのローラである。例えば、巻き出しローラ110は、ボビン(bobbin、図示せず)に巻回されているワイヤをワイヤテンション制御装置100を介して巻線装置(図示せず)に供給でき、巻線装置に供給されたワイヤはコイルに巻線できる。ボビンはワイヤテンション制御装置100の左側(図1に示すX軸の負の方向、図示せず)に配置されることができ、巻線装置はワイヤテンション制御装置100の右側(図1に示すX軸の正の方向、図示せず)に配置されることができる。このとき、ワイヤが巻線される方向、或いは、ワイヤ進行方向は、右側方向(図1に示すX軸の正の方向)に該当できる。
【0032】
巻き出しローラ110は巻き出しローラ110と結合されたモータ120により回転でき、回転によりワイヤが供給できる。巻き出しローラ110は、巻き出しローラ110の中心に位置した回転軸を介してモータ120と連結できる。回転軸の一端は巻き出しローラ110と結合され、他端はモータ120と結合されることができる。モータ120は、制御部(図示せず)からの制御信号に基づき、巻き出しローラ110を一方向に回動させてワイヤが供給できる。モータ120はサーボモータ(Servo Motor)に該当できる。サーボモータを用いる場合、巻き出しローラ110の回転速度を制御信号に基づいてリアルタイムでより精密に制御できる。
【0033】
図1に示すように、ワイヤは、巻き出しローラ110から補助ローラ130を含む多数のローラを経由して、テンションローラ140に供給できる。図1では、ワイヤが巻き出しローラ110から多数のローラを経由して、テンションローラ140に供給されることを示しているが、これに制限されるものではない。ワイヤは、一つの補助ローラ130のみを経由して、テンションローラ140に供給されることもできる。
【0034】
テンションローラ140は、エアシリンダ150と結合され、一軸経路に沿って移動可能である。例えば、テンションローラ140は、一軸経路に沿って摺動可能である。テンションローラ140に対してエアシリンダ150が圧力を加えることができる。エアシリンダ150の圧力は、ワイヤがテンションローラ140を経由する間に一定に維持可能である。エアシリンダ150がテンションローラ140に加える圧力の方向は、巻線されるワイヤのテンション方向と実質的に反対であり得る。例えば、図1に示す方向のようにワイヤが巻線される時、巻線されるワイヤに加えられたテンション方向(図1に示すX軸の正の方向)と反対方向(図1に示すX軸の負の方向)に、エアシリンダ150がテンションローラ140に圧力を加えることができる。ここで、エアシリンダ150の圧力は、ユーザーが定圧レギュレータ160に入力された圧力値(或いは、ワイヤテンション値)により調整できる。
【0035】
エアシリンダ150がテンションローラ140に加える圧力により、テンションローラ140は、テンションローラ140を経由するワイヤに加えられるテンションが支持できる。エアシリンダ150がテンションローラ140に加える圧力の方向が、ワイヤに加えられるテンション方向と実質的に反対である場合、テンションローラ140は、ワイヤに加えられるテンションをより正確に支持でき、それによりワイヤテンションの精密な制御が可能である。
【0036】
本開示の一実施例によれば、テンションローラ140を経由して進行方向が変更されたワイヤの進行方向は、テンションローラ140が摺動可能な一軸経路の方向と実質的に平行である。このように構成する場合、エアシリンダ150がテンションローラ140に加える圧力の方向が、ワイヤに加えられるテンション方向と反対になることで、ワイヤテンションのより精密な制御が可能である。
【0037】
テンションローラ140の一軸経路上における位置は、エアシリンダ150がテンションローラ140に加える圧力と、テンションローラ140を経由するワイヤに加えられるテンションとにより決定できる。
【0038】
従来のワイヤテンション制御装置の場合、テンションローラが、本開示のように一軸に沿って摺動するものでなく、回転軸を中心に回転して搖動する方式により移動する。テンションローラが回転軸を中心に搖動する従来の方式は、テンションローラが回転した角度によってテンションローラを経由するワイヤテンションが急激に変化するため、ワイヤテンションの精密な制御が不可能である。反面、テンションローラ140が一軸経路に沿って摺動する場合、ワイヤテンションの精密な制御が可能である。
【0039】
リニアポテンショメータ170は、一軸経路上においてテンションローラ140の位置を測定して位置を電圧値に変換できる。リニアポテンショメータ170は、変換した電圧値を制御部(図示せず)に提供できる。
【0040】
例えば、リニアポテンショメータ170は、テンションローラ140の経路142上の位置を0V~5Vの一つの電圧値に変換できる。より具体的には、リニアポテンショメータ170は、テンションローラ140が移動経路142の右側(図1に示すX軸の正の方向)端に位置する場合、該位置を5Vの電圧値に変換でき、テンションローラ140が移動経路142の左側(図1に示すX軸の負の方向)端に位置する場合、該位置を0Vの電圧値に変換できる。リニアポテンショメータ170は、変換した電圧値に基づいて制御部(図示せず)に提供できる。
【0041】
或いは、リニアポテンショメータ170は、変換した電圧値を変位値に再変換して制御部に提供できる。例えば、リニアポテンショメータ170は、電圧値を0~4000の一つの変位値に再変換して制御部に提供できる。すなわち、電圧値の0Vは0に変換され、電圧値の5Vは4000に変換され、電圧値の2.5Vは2500に変換できる。本開示のように、リニアポテンショメータ170を用いる場合、一軸経路に沿って摺動するテンションローラ140の位置を毎度新しくセッティングする必要がない。例えば、ワイヤテンション制御装置100を再作動させる場合にも、ユーザーは経路142上でのテンションローラ140の位置を再セッティングする必要がない。装置が再作動する前に、テンションローラ140の位置に対応する電圧値が2.2Vである場合、装置が再作動した後に、リニアポテンショメータ170はテンションローラ140の現在位置に対応する電圧値の2.2Vをユーザーの別途セッティングなしも制御部にそのまま提供できる。
【0042】
制御部(図示せず)は、リニアポテンショメータ170が変換した電圧値に基づいてモータ120の回転速度を制御できる。制御部(図示せず)がテンションローラ140の位置に基づいてモータ120の回転速度を制御することで、テンションローラ140の位置を調整できる。本開示の一実施例によれば、制御部(図示せず)は、リニアポテンショメータ170が変換した電圧値が既定の閾電圧値から逸脱した場合、巻き出しローラ110と結合されたモータ120の回転速度を変更するように制御できる。例えば、リニアポテンショメータ170が変換した電圧値が閾電圧値を超過した場合、モータ120の回転速度を増加させるように制御できる。制御部が電圧値に基づいてモータ120の回転速度を制御する過程については、図3乃至図6を参照して詳細に後述する。
【0043】
リニアポテンショメータ170が変換した電圧値の代りに、制御部(図示せず)は、リニアポテンショメータ170が変換した変位値に基づいてモータ120の回転速度を制御できる。以下では、制御部(図示せず)が、リニアポテンショメータ170が変換した電圧値に基づいてモータ120の回転速度を制御することを説明しているが、制御部は、リニアポテンショメータ170が変換した変位値に基づいてモータ120の回転速度を制御できることに留意すべきである。
【0044】
補助ローラ130は、図1に示すように、ワイヤの進行経路上において巻き出しローラ110及びテンションローラ140間に配置できる。より具体的には、補助ローラ130の位置は、テンションローラ140の移動可能な経路142を考慮して決定される。補助ローラ130は、テンションローラ140の一軸上での経路142から逸脱して配置できる。本開示の一実施例によれば、テンションローラ140の移動経路142よりも右側(図1に示すX軸の正の方向に該当)に配置できる。このように構成する場合、テンションローラ140が経路142上において最右側に位置しても、補助ローラ130はテンションローラ140よりも右側に位置するため、テンションローラ140の位置と無関係にエアシリンダ150がテンションローラ140に加える圧力の方向が、ワイヤに加えられるテンション方向と常に実質的に反対になる。これにより、テンションローラ140は、ワイヤに加えられるテンションをより正確に支持できることで、ワイヤテンションの精密な制御が可能である。
【0045】
テンションローラ140を通過したワイヤは、センシングローラ180を経由して巻線装置(図示せず)に供給できる。センシングローラ180は、ワイヤによりセンシングローラ180に加えられる圧力を測定する圧力センサ182に連結できる。本開示の一実施例によれば、テンションローラ140の両側に二つのローラが配置できる。例示として、センシングローラ180の左側及び右側の側面に各々第1のローラ184及び第2のローラ186が配置できる。
【0046】
図1に示すように、第1のローラ184及び第2のローラ186がセンシングローラ180に対向配置され、センシングローラ180に向かってワイヤを所定の圧力で加圧し、ワイヤは第1のローラ184、センシングローラ180及び第2のローラ186を順次経由する。第1のローラ184及び第2のローラ186がワイヤに加える圧力により、ワイヤがセンシングローラ180を押す圧力が生成される。ワイヤがセンシングローラ180を押す圧力は、センシングローラ180に具備された圧力センサ182で測定できる。一実施例によれば、圧力センサ182は、ワイヤがセンシングローラ180に対してワイヤの進行方向の垂直方向に加える圧力を測定できる。圧力センサ182により測定された圧力値は、制御部(図示せず)に提供できる。圧力値は、制御部によりワイヤに加えられるテンション値に変換できる。制御部(図示せず)は、変換したテンション値をユーザー端末や外部端末などに転送してユーザーに提供できる。したがって、ユーザーは、ワイヤに加えられるテンションをリアルタイムでモニターリングできる。
【0047】
本開示の一実施例によれば、制御部は、圧力センサ182により測定された圧力値に基づき、エアシリンダ150の圧力を制御できる。例えば、ユーザーが定圧レギュレータ160に入力したワイヤテンション値、及び、センシングローラ180から測定された圧力値を変換したテンション値間に差異がある場合、制御部は、その差異を低減するために、テンションローラ140と結合されたエアシリンダ150の圧力を制御できる。
【0048】
図3は、本開示の一実施例に係るワイヤテンション制御装置100のテンションローラ140が一軸経路上において移動する例を示す例示図である。
【0049】
テンションローラ140は、経路142に沿って摺動可能である。経路142は一軸に沿う直線に該当し、経路142の方向はテンションローラ140を経由したワイヤの進行方向と実質的に平行である。テンションローラ140の経路142上における位置は、エアシリンダ150がテンションローラ140に加える圧力と、テンションローラ140を経由するワイヤに加えられるテンションとにより決定できる。
【0050】
テンションローラ140の経路142上における位置は、リニアポテンショメータにより電圧値に変換できる。例えば、リニアポテンショメータは、テンションローラ140の経路142上の位置を0V~5Vの一つの電圧値に変換できる。リニアポテンショメータは、テンションローラ140が移動経路142の左側(図3に示すX軸の負の方向)端に位置する場合、対応する位置値を0Vの電圧値に変換し、テンションローラ140が移動経路142の右側(図3に示すX軸の正の方向)端に位置する場合、対応する位置値を5Vの電圧値に変換できる。テンションローラ140が移動経路142の中央に位置する場合、対応する位置値を2.5Vの電圧値に変換できる。リニアポテンショメータは、テンションローラ140の位置に対応する電圧値を制御部に提供できる。
【0051】
第1の動作310は、テンションローラ140の初期位置を示す。第1の動作310に示すように、テンションローラ140の初期位置は、例えば、位置Bであり得る。リニアポテンショメータは、テンションローラ140の位置Bをそれに対応する電圧値である3.6Vに変換して制御部に提供できる。位置Aは、経路142の中央に該当し、それに対応する電圧値は2.5Vであり得る。
【0052】
第2の動作320は、エアシリンダがテンションローラ140に加える力F1が、巻線装置(図示せず)によりワイヤに加えられるテンションF2よりも大きい場合、初期位置から移動したテンションローラ140の位置を示す。例えば、ユーザーが、定圧レギュレータを介してエアシリンダがテンションローラ140に加える圧力を上向調整するか、或いは、多様な要素によってワイヤに加えられるテンションの力を瞬間的に減少できる。このように、エアシリンダがテンションローラ140に加える力F1が、巻線装置(図示せず)によりワイヤに加えられるテンションF2よりも大きい場合、第2の動作320に示すように、テンションローラ140の位置が初期位置Bから新しい位置Cに移動できる。テンションローラ140が移動する間に、エアシリンダはテンションローラ140に一定の圧力を加えることができる。
【0053】
図3に示すように、エアシリンダの力F1の方向は、テンションローラ140を左側(図3に示すX軸の負の方向に該当)にプッシュする方向であり、ワイヤに加えられるテンションF2の方向は、F1の反対(図3に示すX軸の正の方向に該当)であり得る。テンションローラ140は、エアシリンダがテンションローラ140に加える力F1と、巻線装置(図示せず)によりワイヤに加えられるテンションF2とが一致する場合、例えば、位置Cで停止することができる。
【0054】
リニアポテンショメータは、テンションローラ140の変更された位置Cを電圧値(2.2V)に変換して制御部に提供できる。制御部は、変換された電圧値(2.2V)を既定の閾電圧値と比較でき、比較の結果に基づいて巻き出しローラの回転速度を制御できる。ここで、閾電圧値は、テンションローラ140の位置が経路142上において中央に位置する場合の電圧値(2.5V)に対応できる。
【0055】
図4は、本開示の他の実施例に係るワイヤテンション制御装置100のテンションローラ140が一軸経路上において移動する例を示す例示図である。
【0056】
第1の動作410は、テンションローラ140の初期位置を示す。第1の動作410に示すように、テンションローラ140の初期位置は、例えば、位置Dであり得る。リニアポテンショメータは、テンションローラ140の位置Dをそれに対応する電圧値である4Vに変換して制御部に提供できる。位置Aは、経路142の中央に該当し、それに対応する電圧値は2.5Vであり得る。
【0057】
第2の動作420は、エアシリンダがテンションローラ140に加える力F1が、巻線装置(図示せず)によりワイヤに加えられるテンションF2よりも小さい場合、初期位置から移動したテンションローラ140の位置を示す。例えば、ユーザーが、定圧レギュレータを介してエアシリンダがテンションローラ140に加える圧力を下向調整するか、或いは、多様な要素によってワイヤに加えられるテンションの力を瞬間的に増加できる。このように、エアシリンダがテンションローラ140に加える力F1が、巻線装置(図示せず)によりワイヤに加えられるテンションF2よりも小さい場合、第2の動作420に示すように、テンションローラ140の位置が初期位置Dから新しい位置Eに移動できる。
【0058】
図4に示すように、エアシリンダの力F1の方向は、テンションローラ140を左側(図4に示すX軸の負の方向に該当)にプッシュする方向であり、ワイヤに加えられるテンションF2の方向は、F1の反対(図4に示すX軸の正の方向に該当)であり得る。テンションローラ140は、エアシリンダがテンションローラ140に加える力F1と、巻線装置(図示せず)によりワイヤに加えられるテンションF2とが一致する場合、例えば、位置Eで停止することができる。
【0059】
リニアポテンショメータは、テンションローラ140の変更された位置Eを電圧値(4.5V)に変換して制御部に提供できる。制御部は、変換された電圧値(4.5V)を既定の閾電圧値と比較でき、比較の結果に基づいて巻き出しローラの回転速度を制御できる。ここで、閾電圧値は、テンションローラ140の位置が経路142上において中央に位置する場合の電圧値(2.5V)に対応できる。
【0060】
図3及び図4に基づいて説明した通り、テンションローラ140は、多様な要素により経路142上において右側又は左側に移動できる。このとき、テンションローラ140が経路142上において移動可能な範囲に限界があるため、テンションローラ140の位置を調整する必要がある。テンションローラ140の位置を調整するために、制御部は、テンションローラ140にワイヤを供給する巻き出しローラ110の回転速度を調節できる。
【0061】
図4に示すように、テンションローラ140が位置Dから位置Eに移動した場合、リニアポテンショメータが位置Eを変換した電圧値(4.5V)は閾電圧値である2.5Vを超過する値を持つことができる。したがって、制御部は、巻き出しローラ110を回転させるモータ120の回転速度を増加させるように制御して、テンションローラ140の位置を左側方向(X軸の負の方向)に移動させることができる。制御部は、テンションローラ140の位置を変換した電圧値が閾電圧値(2.5V)以下に該当するまで、モータ120の回転速度を制御できる。このとき、エアシリンダ150がテンションローラ140に加える力の強度は一定に維持され、モータ120の回転速度のみを変更できる。
【0062】
本開示の一実施例によれば、テンションローラの位置を変換した電圧値が閾電圧値を超過した場合、制御部は変換された電圧値と閾電圧値との差を算出でき、その差に基づいてモータ120の回転速度を制御できる。すなわち、変換された電圧値が閾電圧値から逸脱した程度に比例して、モータ120の回転速度を増加させることができる。このとき、エアシリンダ150がテンションローラ140に加える力の強度は一定に維持され、モータ120の回転速度のみを変更できる。
【0063】
例えば、テンションローラ140が位置Eよりも右側(X軸の正の方向)に位置できる。テンションローラ140の位置Eに対応する電圧値(4.5V)と閾電圧値(2.5V)との差は2Vに該当するが、テンションローラ140がそれよりも右側に位置する場合には、閾電圧値(2.5V)との差は2Vよりも大きい。このとき、制御部は、テンションローラ140が位置Eに位置する場合に比べて、テンションローラ140が位置Eよりも右側に位置する場合、モータ120の回転速度を一層増加させるように制御できる。すなわち、テンションローラ140の位置が経路142の中央から逸脱して右側に偏向する程度に比例して、制御部はモータ120の回転速度を一層増加させることができる。
【0064】
反面、図3に示すように、テンションローラ140が位置Bから位置Cに移動した場合、リニアポテンショメータが位置Cを変換した電圧値(2.2V)は閾電圧値である2.5V以下に該当するので、制御部はモータ120の回転速度を増加させる必要なしにそのまま維持できる。
【0065】
制御部が巻き出しローラ110を回転させるモータ120の回転速度を制御する過程については、図5を参照して詳細に後述する。
【0066】
図5は、本開示の一実施例に係るワイヤテンション制御装置100の巻き出しローラ110がワイヤを供給する場合、巻き出しローラ110を回転させるモータの回転速度を制御する例を示す例示図である。
【0067】
第1の動作510は、テンションローラ140の位置を変換した電圧値が閾電圧値を超過した場合、テンションローラ140の位置を示す。第1の動作510に示すように、テンションローラ140が経路142上において中央よりも右側に位置できる。リニアポテンショメータは、テンションローラ140の位置を電圧値に変換し、変換された電圧値を制御部に提供する。制御部は、リニアポテンショメータがテンションローラ140の位置を変換した電圧値を閾電圧値と比較する。ここで、閾電圧値は、テンションローラ140が経路142上において中央に位置する場合の電圧値である2.5Vに該当できる。
【0068】
第2の動作520は、テンションローラ140により多くの量のワイヤ190を供給するために、モータの回転速度を増加させて巻き出しローラの回転速度を増加させることを示す。変換された電圧値が閾電圧値を超過した場合(すなわち、テンションローラ140が経路142上において中央よりも右側に位置する場合)、第2の動作520に示すように、制御部は、モータの回転速度を増加させて巻き出しローラ110をより速く回転させることで、単位時間当たりより多くの量のワイヤ190を供給できる。
【0069】
第3の動作530は、テンションローラ140に供給された多量のワイヤにより、閾電圧値以下の電圧値に対応する位置まで移動されたテンションローラ140を示す。テンションローラ140に瞬間的により多くの量のワイヤ190が提供される場合、ワイヤに加えられるテンションの力が瞬間的に減少できる。したがって、テンションローラ140は、第3の動作530に示すように、エアシリンダにより提供される一定の圧力によりx軸の負の方向に移動経路に沿って移動でき、閾電圧値以下の電圧値に対応する位置まで移動できる。したがって、ワイヤテンション制御装置は、ワイヤを適切なテンションにより巻線装置に円滑に供給すると同時に、テンションローラ140の位置を調整できる。
【0070】
図6は、本開示の一実施例に係るワイヤテンション制御方法600を示す順序図である。
【0071】
本開示の一実施例によれば、ユーザーは、所望のワイヤテンション値を定圧レギュレータ160を介してワイヤテンション値を入力することにより開始することができる(ステップ610)。入力されたワイヤテンション値は制御部に提供できる。制御部は、ワイヤテンション値に基づいてエアシリンダ150の圧力を制御できる(ステップ620)。それにより、エアシリンダ150は経路に沿って移動可能なテンションローラ140に圧力を加える。テンションローラ140は、エアシリンダ150から受信した圧力を用いて、巻き出しローラにより供給されたワイヤのテンションを支持する。したがって、エアシリンダの圧力を制御することで、テンションローラによるワイヤテンションの制御が可能である。
【0072】
リニアポテンショメータ170は、エアシリンダ150と結合されたテンションローラ140の位置を一軸経路上において測定して、テンションローラ140の位置を電圧値に変換できる(ステップ630)。リニアポテンショメータ170は変換した電圧値を制御部に提供できる。
【0073】
制御部は、電圧値に基づき、ワイヤを供給する巻き出しローラ110を回転させるモータ120の回転速度を制御できる(ステップ640)。よって、テンションローラ140の経路上の位置を調整できる。
【0074】
一実施例において、制御部は、リニアポテンショメータ170が変換した電圧値が閾電圧値から逸脱した場合、モータ120の回転速度を変更するように制御できる。例えば、リニアポテンショメータ170が変換した電圧値が閾電圧値を超過したと判定された場合、制御部は、モータ120の回転速度を増加させるように制御し、巻き出しローラ110の回転速度を増加させて、単位時間当たりワイヤの供給量を増加させることができる。より多くの量のワイヤが単位時間当たり供給される場合、テンションローラ140の経路上の位置が調整されることができる。ここで、閾電圧値は、テンションローラの位置が一軸経路上において中央に位置する場合の電圧値に対応できる。テンションローラ140の位置が経路上において調整される間に、エアシリンダ150はテンションローラ140に一定の圧力を加えることができる。
【0075】
以後、テンションローラ140を通過したワイヤがセンシングローラ180に対して加える圧力を圧力センサ182により測定できる。制御部は、圧力センサ182が測定した圧力値に基づいてエアシリンダ150の圧力を制御できる。例えば、圧力センサ182が測定した圧力値を変換したワイヤテンション値が、ユーザーが定圧レギュレータ160に入力したワイヤテンション値よりも低い場合、制御部はエアシリンダ150の圧力を増加させるように制御できる。
【0076】
図7は、本開示の他の実施例に係るワイヤテンション制御装置700の主要部を示す図である。ワイヤテンション制御装置700は、巻き出しローラ110及びテンションローラ140間のワイヤの進行経路において、多数のローラでない1つの補助ローラ130のみを含むように構成できる。図7に示すように、ワイヤの進行経路上において一つの補助ローラ130が巻き出しローラ110及びテンションローラ140間に配置されてワイヤを支持できる。
【0077】
前述した本発明の好適な実施例は例示の目的により開示されたものであり、本発明に対して通常の知識を有した当業者であれば、本発明の思想及び範囲内で多様な修正、変更及び付加が可能であり、このような修正、変更及び付加は特許請求の範囲に属するものと理解されるべきである。
【0078】
本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者であれば、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で色々な置換、変形及び変更が可能であるので、本発明は前述した実施例及び添付図面により限定されるものでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】