(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】生分解可能なポリエステル繊維の製造方法
(51)【国際特許分類】
D01F 6/84 20060101AFI20220125BHJP
C08L 101/16 20060101ALI20220125BHJP
C08G 63/682 20060101ALI20220125BHJP
C08G 63/78 20060101ALI20220125BHJP
C08G 63/85 20060101ALI20220125BHJP
D01F 6/92 20060101ALI20220125BHJP
C07C 31/20 20060101ALI20220125BHJP
C07C 29/17 20060101ALI20220125BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220125BHJP
【FI】
D01F6/84 301D
C08L101/16
C08G63/682
C08G63/78
C08G63/85
D01F6/92 301M
C07C31/20 Z
C07C29/17
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533240
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(85)【翻訳文提出日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 CN2019113873
(87)【国際公開番号】W WO2020134498
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】201811615787.7
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518015734
【氏名又は名称】江蘇恒力化繊股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 元華
(72)【発明者】
【氏名】丁 竹君
(72)【発明者】
【氏名】王 麗麗
【テーマコード(参考)】
4H006
4H039
4J029
4J200
4L035
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AB46
4H006AB84
4H006AC11
4H006AC41
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4J029AA03
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4L035AA05
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4L035BB77
4L035HH01
4L035JJ05
4L035JJ13
4L035JJ25
(57)【要約】
生分解性ポリエステル繊維およびその製造方法を提供することを課題とする。生分解性ポリエステル繊維の製造方法は、テレフタル酸とエチレングリコールと2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールとフッ素化ジカルボン酸とのセグメントより構造し、ドーピング修飾ZrO2粉末も含有する改質ポリエステルの融液を、延伸糸(Fully Oriented Yarn,FDY)技術で繊維になさせることである。得られた繊維は、25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間をかけて置いた後、固有粘度下りは23~28%である。この製造方法はコストがやすくて操業が便利であり、得られた分解性ポリエステル繊維は自然分解が速くて幅広い用途がある。
【選択図】無し
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解可能なポリエステル繊維の製造方法において、
FDYプロセスにより改質ポリエステル溶融体から改質ポリエステルFDY糸、即ち生分解可能なポリエステル繊維を製造し、
改質ポリエステルは、テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオール、フッ素含有ジカルボン酸、及びドーピングにより改質されたZrO
2粉末を均一に混合した後、エステル化反応及び重縮合反応をこの順で行うことにより製造され、
前記2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールの構造式は、
【化1】
であり、
前記フッ素含有ジカルボン酸は、2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸、2,2-ジフルオロ-1,4-コハク酸、2,2-ジフルオロ-1,5-グルタル酸又は2,2,3,3-テトラフルオロ-1,4-コハク酸であり、
ドーピングによりZrO
2を改質する方法は、以下の通りであり、
金属イオンM
x+を含有する溶液とZr
4+を含有する溶液を均一に混合した後、得られた混合溶液のpH値が9-10になるまで沈殿剤を滴下し、沈殿した生成物をカ焼し、
前記金属イオンM
x+は、Mg
2+、Li
+及びZn
2+のうちの一種以上である
ことを特徴とする生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項2】
前記2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールの合成方法は、以下の通りであり、
(1)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比が1~1.2:1:1.2~1.3:2.0~3.0となるように混合し、氷浴で2~4時間反応させ、反応が完了した後冷却して結晶化させ、遠心分離、洗浄、精製、乾燥を行い、オクチンジオールを取得し、
(2)オクチンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比が2~3:10:0.01~0.03となるように混合し、40~50℃の下で水素ガスを持続的に供給して50~60分間反応させ、反応が完了した後分離、精製して2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールを取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項3】
前記金属イオンM
x+を含有する溶液は、濃度が1~2wt%であり、溶剤が水であり、溶液におけるアニオンがNO
3
-であり、
前記Zr
4+を含有する溶液は、濃度が20~25wt%のZrO
2溶液であり、溶剤は、硝酸であり、
前記沈殿剤は、濃度が2mol/Lのアンモニア水であり、沈殿開始時に、混合溶液における金属イオンM
x+とZr
4+とのモル比は、5~8:100であり、
仮焼前に沈殿した生成物を洗浄して乾燥させ、乾燥温度は、105~110℃であり、乾燥時間は、2~3時間であり、
仮焼プロセスは、以下の通りであり、
400℃まで昇温した後2~3時間保持し、その後、700℃まで昇温した後1~2時間保持し、最後に空気中で冷却し、
ZrO
2をドーピングにより改質した後に粉碎して平均粒度が0.5μm未満の粉末が得られる
ことを特徴とする請求項2に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項4】
前記改質ポリエステルの製造工程は、以下のステップを含み、
ステップ(1)エステル化反応
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオール、及びフッ素含有ジカルボン酸をスラリーに調製し、ドーピングにより改質されたZrO
2粉末、触媒、艶消し剤及び安定剤を添加して均一に混合した後、窒素雰囲気中、常圧~0.3MPaの加圧環境及び250~260℃の温度の下でエステル化反応を行い、生成した水の蒸留量が理論値の90%以上を超える時点で反応を終了し、
ステップ(2)重縮合反応
エステル化反応終了後、負圧で低真空段階の重縮合反応を開始し、この段階において250~260℃の反応温度で30~50分間かけて常圧から500Pa以下の絶対圧力まで真空引きし、その後、引き続き真空引きし、高真空段階の重縮合反応を行い、さらに反応圧力を100Pa以下の絶対圧力まで減圧し、270~282℃の反応温度で50~90分間反応させる
ことを特徴とする請求項3に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項5】
前記テレフタル酸と前記エチレングリコールとのモル比は、1:1.2~2.0であり、
前記2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールとフッ素含有ジカルボン酸との総合添加量は、テレフタル酸の添加量の4~6mol%であり、
前記2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールとフッ素含有ジカルボン酸とのモル比は、1~2:1~2であり、
前記ドーピングにより改質されたZrO
2粉末、前記触媒、前記艶消し剤及び前記安定剤の添加量は、それぞれテレフタル酸の添加量の0.23~0.25wt%、0.03~0.05wt%、0.20~0.25wt%、0.01~0.05wt%である
ことを特徴とする請求項4に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項6】
前記触媒は、三酸化アンチモン、アンチモングリコレート又は酢酸アンチモンであり、
前記艶消し剤は、二酸化チタンであり、
前記安定剤は、リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル又は亜リン酸トリメチルである
ことを特徴とする請求項5に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項7】
前記改質ポリエステルは、数平均分子量が25000~30000であり、分子量分布指数が1.8~2.2である
ことを特徴とする請求項6に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項8】
前記FDYプロセスの手順は、計量、紡糸口金の押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りであり、
前記FDYプロセスにおいて、紡糸温度は、285~295℃であり、冷却温度は、19~22℃であり、ネットワーク圧力は、0.20~0.30MPaであり、第1ローラ速度は、2300~2700m/minであり、第1ローラ温度は、80~90℃であり、第2ローラ速度は、3800~4200m/minであり、第2ローラ温度は、115~130℃であり、巻取速度は、3730~4120m/minである
ことを特徴とする請求項1に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の製造方法により製造された生分解可能なポリエステル繊維であって、
前記生分解可能なポリエステル繊維は、改質ポリエステルFDY糸であり、
前記改質ポリエステルの分子鎖は、テレフタル酸セグメント、エチレングリコールセグメント、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールセグメント、及びフッ素含有ジカルボン酸セグメントを含み、
前記改質ポリエステルには、ドーピングにより改質されたZrO
2粉末が分散されており、
ドーピングによりZrO
2を改質する方法は、以下の通りであり、
金属イオンM
x+を含有する溶液とZr
4+を含有する溶液を均一に混合した後、得られた混合溶液のpH値が9~10になるまで沈殿剤を滴下し、沈殿した生成物をカ焼し、
前記金属イオンM
x+は、Mg
2+、Li
+及びZn
2+のうちの一種以上である
ことを特徴とする生分解可能なポリエステル繊維。
【請求項10】
前記生分解可能なポリエステル繊維は、単糸繊度が1.0~2.0dtexであり、破断強度が3.0cN/dtex以上であり、破断伸び率が32.0±4.0%であり、ネットワーク度が13±2個/mであり、線密度偏差率が1.0%以下であり、破断強度CV値が5.0%以下であり、破断伸度CV値が9.0%以下であり、沸水収縮率が6.5±0.5%であり、25℃の温度及び65%の相対湿度で60月間置いた後、固有粘度が23~28%低下する
ことを特徴とする請求項9に記載の生分解可能なポリエステル繊維。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してポリエステル繊維製造技術に関し、より詳しくは、一種の生分解性ポリエステル繊維およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1920年代の有機合成化学と高分子化学の発展によって始まった化学繊維は、登場以来わずか数十年で生産量にも応用量にも天然繊維をはるかに超えて業界の柱となっている。そのうちに、ポリエステル、ナイロン及びアクリルは三強を位置するが、発展速度が一番速くて、応用が一番広くて、生産量が一番高いポリエステルは化学繊維の首位に立って今の最も重要な紡績材料の一つである。
【0003】
合成繊維の一位を占めるポリエステル繊維は、テレフタル酸(PTA)またはテレフタル酸ジメチル(DMT)とエチレングリコール(EG)を原料として、エステル化またはエステル交換及び重合反応により繊維形成高分子のポリエチレンテレフタレート(PET)になさせて、さらに紡糸し後処理して得られたものである。PETは半結晶性高分子として良い熱可塑性を持って、服用、包装、生物、生産加工などの分野に広く使われている。PET産業の急発展とともに、PETは環境に直接的な害を及ぼさないだけど、その廃棄物の排出量が膨大で大気環境と微生物に高い耐性を持つため、もう世界的な有機環境汚染物質となった。圧倒的多数のPETは衣類に使用されるために、衣料品の消費量の急増に絆って衣類廃棄物も年々増えている。毎年中国だけで衣類廃棄物の排出量は約3000万トンとなっている。今のPET廃棄物処理は、埋立、焼却または再生利用等によって行っている。埋立や焼却は便利だが環境に悪影響もあるし、再生利用は有効的で科学的な適正処理である。しかしながら、緻密な構造・高い結晶度を持つポリエステルは自然分解が遅いだから、再生利用処理の割合はまだ小さく、リサイクルの比率が最も高い米国でも13%にとどまっている。近年中国のポリエステル再生利用はますます推し進められているが、回収率はまだ10%未満である。
【0004】
実用化のポリエステル分解方法は多く化学分解と採用している。化学分解は主に水、アルコール、アンモニア、アミンまたは熱などにより行うことで分けられている。しかしながら、今の化学分解によるポリエステル処理は、速度が遅くて効率が低いため、大量の衣類廃棄物の再生利用問題がまだ解決できない。とにかく、環境の保全、資源の有効な利用及び持続可能な発展を目指すことに対して、衣料品用ポリエステル繊維すなわちポリエステル長繊維の自然分解は喫緊の課題となっている。
【0005】
それゆえ、改質によりポリエステルの分解速度と分解効果を改進し、改質したポリエステルより優れた性能を有する繊維を製造するのは重要な意味を持つ。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、一種の分解速度が速くて分解効果が良いポリエステル繊維及びその製造方法を提供し、従来技術における遅い分解の欠点を克服した。
【0007】
以上の課題に対して、本発明は以下の解決手段を選択する。
【0008】
改質ポリエステル融液を延伸糸(Fully Oriented Yarn,FDY)の技術によりポリエステルFDYにして分解性ポリエステル繊維を得ること。
【0009】
前記改質ポリエステルの製造方法は、テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオール、フッ素化ジカルボン酸及びドーピング修飾ZrO2粉を均一に混合させた後、エステル化させさらに重縮合させることである。
【0010】
該2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールは、以下の構造式と示す。
【化1】
【0011】
該フッ素化ジカルボン酸は2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸、2,2-ジフルオロ-1,4-コハク酸、2,2-ジフルオロ-1,5-グルタル酸、または2,2,3,3-テトラフルオロ-1,4-コハク酸とする。
【0012】
該ZrO2粉のドーピング修飾工程は、まずMx+の溶液とZr4+の溶液を均一に混合し、次に沈殿剤を滴加して混合液のpH値を9~10に調整し、最後に沈殿物をカ焼することである。そのうち、金属イオンのMx+はMg2+とLi+とZn2+との中の一種以上とする。
【0013】
本発明は、ポリエステルの空孔型自由体積が著しく増大できる2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールによりポリエステルを改質した。2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールに含まれるテルトブチル基は、ポリエステル主鎖の活動性を変えて主鎖の間の相互作用力さらに主鎖の間の距離を変化させる。よって、ポリエステルの空孔型自由体積は増大して、スリット型自由体積より空気や水の繊維内部へ浸透することにもっと有利であって、ポリエステルの自然分解をある程度で促進する。
【0014】
なお、本発明はフッ素化ジカルボン酸及びドーピング修飾ZrO2粉によりポリエステルの自然分解性をさらに改進する。
【0015】
本発明におけるフッ素化ジカルボン酸はフッ素がα炭素に結合してあることを特徴とする。それで、改質ポリエステルの加水分解の際に、α炭素に結合するフッ素の強い電子吸引性のため、エステル基のC-O結合の電子密度が低下して四面体中間体アニオンの安定性も減って、エステルの加水分解に関する求核アシル置換反応がやすくなってある。一方、α炭素に結合するフッ素を有するジカルボン酸はテレフタル酸より立体障害が小さなので、求核アシル置換反応を利する。つまり、フッ素化ジカルボン酸の利用はポリエステルの分解を著しく加速させる。
【0016】
本発明は溶液ブレンド、共沈殿及びカ焼の工程によりZrO2を金属酸化物(酸化マグネシウムと
酸化リチウムと酸化亜鉛との中の一種以上)でドーピング修飾してZrO2の触媒する酸素還元過程に影響を与えてポリエステルの分解を加速する。酸素還元触媒とする高イオン伝導率のZrO2は、低価数金属イオン(Mg2+、Li+またはZn2+)でドーピングすると安定的な立方晶相が形成できる。なお、ある程度にドープイオンの半径がドープされたイオンの半径に近いほど,酸素活性点の形成及び酸素イオンの伝導に有利である。よって、本発明はZr4+と同じ半径の金属イオン(Mg2+、Li+またはZn2+の半径はすべて0.103nmである)でZrO2をドーピングして、酸素イオンの伝導を加速しさらに酸素還元反応を促進する。
【0017】
また、本発明における2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオール、フッ素化ジカルボン酸及びドーピング修飾ZrO2は協同作用ができる。フッ素化ジカルボン酸はエステル基のC-O結合の電子密度を低めて求核アシル置換反応を加速して分解反応を利し、ドーピング修飾ZrO2は酸素イオンの伝導速度を向上して酸素還元反応程度を高めて分解反応を促進し、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールはポリエステルの空孔型自由体積を増大して酸素や水の浸透を利してポリエステル内の酸素原子の濃度を増加するために、ポリエステルの分解が著しく加速できる。
【0018】
本発明の好適態様は以下に示す。
【0019】
前記分解性ポリエステル繊維の製造方法における2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールは、
(1)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比の1~1.2:1:1.2~1.3:2.0~3.0で混合し、氷浴による反応を2~4時間行い、反応済みに冷却で結晶化し、遠心分離し、洗浄し、精製しさらに乾燥し、オクチレンジオールとなさせ、
(2)オクチレンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比の2~3:10:0.01~0.03で混合し、40~50℃の下で水素を続けて与える反応を50~60分間行い、反応済みに分離しさらに精製することにより得られたものである。
【0020】
前記分解性ポリエステル繊維の製造方法において、述べたMx+の溶液は陰イオンがNO3-である濃度の1~2wt%の水溶液とし、述べたBi3+の溶液はZrO2を20~25wt%の濃度で硝酸に溶解するものとし、述べた沈殿剤は2mol/Lの濃度のアンモニア水とする。沈殿が始まる際に、混合した溶液においてMx+のZr4+に対するモル比は5~8:100とする。Mx+とZr4+のモル比はこれに限定されず、当業者は実際の状況に応じて調整できるが、調整幅が大きすぎるべきではない。主触媒のZrO2に金属イオンMx+を入れるのは、酸素イオンの伝導を加速して酸素還元反応を促進するつもりである。それゆえ、該モル比は大き過ぎると主客転倒になる一方、小さすぎると酸素イオンの伝導速度の向上にあまり動きかけない。
【0021】
上記カ焼工程前の沈殿物処理に関する乾燥は、105~110℃で2~3時間をかけて行うことである。カ焼工程としては、沈殿物をまず400℃まで加熱し2~3時間保温し、次に700℃まで加熱し1~2時間保温し、最後に空気中に置いて冷却させることである。ドーピング修飾したZrO2は粉砕で平均径の0.5ミクロン以下である粉末になさせる。
【0022】
前記分解性ポリエステル繊維の製造方法における改質ポリエステルは、以下のステップを含む方法で合成する。
(1)エステル化反応では、
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールならびにフッ素化ジカルボン酸をスラリーに調製し、ドーピング修飾ZrO2粉末、重合触媒、艶消し剤及び安定剤を添加して均一に混合し、窒素雰囲気の中に常圧~0.3MPaの圧力及び250~260℃の温度の下で反応をさせ、生じた水の抜き出す量が理論値の90%以上を超える際に反応終点を決めることである。
(2)重縮合反応では、
エステル化反応の産物に常圧から絶対圧力500Pa以下まで30~50分間をかけて徐々に下がる負圧を与えて250~260℃の温度の下で反応を30~50分間続け、さらに負圧を100Pa以下まで持続的に与えて温度を270~282℃に制御して反応を50~90分間行うことである。
【0023】
そのうちに、テレフタル酸のエチレングリコールに対するモル比は1:1.2~2.0とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールとフッ素化ジカルボン酸との総合添加量はテレフタル酸の添加量の4~6mol%とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールのフッ素化ジカルボン酸に対するモル比は1~2:1~2とし、ドーピング修飾ZrO2粉末、重合触媒、艶消し剤及び安定剤の添加量は別々にテレフタル酸の添加量の0.23~0.25wt%、0.03~0.05wt%、0.20~0.25wt%及び0.01~0.05wt%とする。本発明における2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオール、フッ素化ジカルボン酸またはドーピング修飾ZrO2粉末の添加量は、改質した繊維の必要な機械物性と結晶度を保証することも繊維の分解性能を著しく改進することも両方を目指して最適化したけど、実運用により適度な調整ができる。しかし調整幅は大きすぎるべきではない。添加量は大き過ぎると繊維の結晶度や機械物性に悪影響与えてしまう一方で小さすぎると繊維の分解に改善効果があまり現れない。
【0024】
そのうちに、重合触媒は三酸化アンチモン、アンチモングリコレートまたは酢酸アンチモンとし、艶消し剤は二酸化チタンとし、安定剤はリン酸トリフェニル、リン酸トリメチルまたは亜リン酸トリメチルとする。
【0025】
そのうちに、改質ポリエステルの数平均分子量は25000~30000Daとし、分子量多分散度は1.8~2.2とする。
【0026】
前記分解性ポリエステル繊維の製造方法におけるFDY技術は、計量、押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りの流れを含む工程であり;
それにおけるパラメータは、紡糸温度285~295℃、冷却温度19~22℃、インターレースノズル圧力0.20~0.30MPa、ホットローラ1速度2300~2700m/min、ホットローラ1温度80~90℃、ホットローラ2速度3800~4200m/min、ホットローラ1温度115~130℃ならびに巻取り速度3730~4120m/minとする。以上は紡糸パラメータの限定ではなくて、ただ可能な実施例の一つである。
【0027】
本発明は前記分解性ポリエステル繊維の製造方法による分解性ポリエステル繊維も提供し、それが改質ポリエステルのFDYである。
【0028】
該改質ポリエステルは、テレフタル酸のセグメント、エチレングリコールのセグメント、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールのセグメント及びフッ素化ジカルボン酸のセグメントを含む分子鎖とする。
【0029】
該改質ポリエステルには、ドーピング修飾ZrO2粉末を分散されている。該ZrO2粉のドーピング修飾工程は、まずMx+の溶液とZr4+の溶液を均一に混合し、次に沈殿剤を滴加して混合液のpH値を9~10に調整し、最後に沈殿物をカ焼することである。そのうち、金属イオンのMx+はMg2+とLi+とZn2+との中の一種以上とする。
【0030】
前記製造方法の好適態様によれば、本発明の2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオール、フッ素化ジカルボン酸及びドーピング修飾ZrO2粉末を含有する分解性ポリエステル繊維は、
従来技術より低下しない、単糸繊度1.0~2.0dtex、破断強度3.0cN/dtex以上、破断伸度32.0±4.0%、系条交絡度13±2個/m、線密度むら1.0%以下、破断強度CV値5.0%以下、破断伸度CV値9.0%以下、ならびに沸水収縮率6.5±0.5%とする良い基礎物性を有し、
25℃の温度と65%の相対湿度との条件下で60月間をかけて置いた後、通常のポリエステルの4.3%に対する23~28%の固有粘度下りとして、著しく改進した分解性能を有する。
【0031】
発明原理とするのは、以下の通りである。
【0032】
ポリマーは全て緻密な分子鎖凝集体ではない。分子鎖と分子鎖との間に、いつも自由体積という空間がある。低分子の高分子内部に浸透することに対して、適度な大きさの空間すなわち自由体積は必要なければならない。ある程度に、高分子の自由体積が大きければ大きいほど低分子の浸透率または拡散性が高い。自由体積は空孔型自由体積とスリット型自由体積に分けられるが、スリット型自由体積よりもっと大きなサイズを持つ空孔型自由体積は低分子の拡散に更に有利である。
【0033】
自由体積のサイズと類型は高分子構造に決められている。そのうえ、高分子構造は置換基による立体障害、置換基寸法、置換基構造に関する。高分子主鎖のある位置に結合した側基は、主鎖の活動性に影響を与えて、主鎖の間の相互作用力さらに主鎖の間の距離を変える。よって、高分子の凝集エネルギーと自由体積も変化する。詳しくは、側基の極性や大きさや長さなどが主鎖の剛性、主鎖の間の相互作用力ならびに高分子の自由体積分率にすべてある程度の影響を与える。つまり、異なる側基を含むポリマーは別々の浸透性能がしてある。
【0034】
ポリマーに含まれるエチレングリコールや1,4-ブタンジオールなどのようなジオールにおいては、複数のメチレン基がエネルギー的に安定で平面ジグザグのコンホメーションをとる。メチレン基の二つの水素はメチル基に置換されると、中心炭素がsp3混成軌道により隣の炭素と四つの等価なσ結合を作って、隣の炭素が頂点に位置する正四面体構造は得られる。なお、メチル基の三つの水素はさらに他のメチル基で置換するいわゆるテルトブチル基を作れば、もっと大きな正四面体が形成できる。こんな置換基の重なりため、ポリマーの自由体積は著しく増大して、低分子の浸透または拡散に有利する。しかしながら、メチレン基の二つの水素は長鎖を持つ基に置換されると、増大するのは主にスリット型自由体積であって、増大幅がより小さいため、改進効果は限りがある。一方、長鎖の置換基は剛性が低い、よって、大分子鎖の絡み合いが起きる。そこで、自由体積は増大しにくい。
【0035】
本発明は、
【化2】
と示す構造式を有する2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールをポリエステルに入れることによって、分解性ポリエステル繊維の自然分解性能を著しく促進する。
2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールに含まれるテルトブチル基は、ポリエステル主鎖の活動性を変えて主鎖の間の相互作用力さらに主鎖の間の距離を変化させて、ポリエステルの空孔型自由体積は増大する。原因の一方では、テトラブチルが短い置換基(例えば、メチル基やエチル基など)よりもっと広い空間を位置する。他方では、テトラブチルが主にスリット型自由体積を増大する長鎖の置換基に比べて空孔型自由体積を増大し、さらに長鎖の置換基による分子鎖の絡み合いを避ける。本発明はスリット型自由体積よりもっと有効な空孔型自由体積をとって、水分子や酸素分子のポリエステルの内部に浸透することを利して、ポリエステル分解に関する反応物の濃度を高くして、分解反応を加速する。
【0036】
アルカリによるポリエステルの加水分解はアシル置換反応の典型例であり,そこに強い求核試薬であるOH-イオンはエステル基RCOOR’のカルボニル炭素を求核攻撃して,四面体中間体アニオンを与える。四面体中間体アニオンよりアルコキシドイオンOR’を放出してエステル基を破断させるとカルボン酸を与える。さらに、プロトンH+がカルボン酸からアルコキシドイオンに移動してアルコールHOR’に変換される。しかしながら、込み合う構造がする四面体中間体により立体障害が生じるため、通常にポリエステルの分解は遅い速度がしている。
【0037】
本発明はフッ素がα炭素に結合することを特徴とするフッ素化ジカルボン酸を利用した。それで、改質ポリエステルの加水分解の際に、α炭素に結合するフッ素の強い電子吸引性のため、エステル基のC-O結合の電子密度が低下して四面体中間体アニオンの安定性も減って、エステルの加水分解に関する求核アシル置換反応がやすくなってある。一方、α炭素に結合するフッ素を有するジカルボン酸はテレフタル酸より立体障害が小さなので、求核アシル置換反応を利する。つまり、フッ素化ジカルボン酸の利用はポリエステルの分解が著しく加速できる。実に、フッ素をジカルボン酸のβ炭素に結合させると、上記分解の加速効果ができない。原因はフッ素の電子吸引性が隣の原子の範囲内に限って、エステル基のC-O結合にあまり影響を与えなくて、OH-のエステルのカルボニル炭素を求核攻撃することによるアシル置換反応に動きかけない。
【0038】
なお、ポリエステル製品は通常に酸素を有する空気中にとどまっている。酸素が吸着できる酸素還元触媒はポリエステル内部に含まれると、ポリエステルの内と外の間に酸素グラジエントが形成できる。そこで、酸素が空気からポリエステルの自由体積(空孔型自由体積および/またはスリット型自由体積)によりポリエステルの内部に徐々に浸透することもある。結局は酸素が酸素還元触媒の表面に集まって吸着層になり、さらに還元されて過酸化物になる。それで、エステル基RCOOR’は過酸化物によりRCOOOR’になり、そしてRCOOOR’はプロトンに攻撃されて過酸結合が破断してカルボン酸RCOOHを与え、同時にOR’はH+と結合してHOR’になる。そういうふうに、酸素還元触媒はエステル基を破断してその分解を加速する。
【0039】
本発明は溶液ブレンド、共沈殿及びカ焼の工程によりZrO2を金属酸化物(酸化マグネシウムと酸化リチウムと酸化亜鉛との中の一種以上)でドーピング修飾してZrO2の触媒する酸素還元過程に影響を与えてポリエステルの分解を加速する。酸素還元触媒とする高イオン伝導率のZrO2は、低価数金属イオン(Mg2+、Li+またはZn2+)でドーピングすると安定的な立方晶相が形成できる。なお、ある程度にドープイオンの半径がドープされたイオンの半径に近いほど,酸素活性点の形成及び酸素イオンの伝導に有利である。よって、本発明はZr4+と同じ半径の金属イオン(Mg2+、Li+またはZn2+の半径はすべて0.103nmである)でZrO2をドーピングして、酸素イオンの伝導を加速しさらに酸素還元反応を促進する。ドーピング修飾のZrO2に与える影響を以下に示す。
【0040】
本発明のおけるドーピング修飾工程はZrO2の表面積を広くさせてその単位質量当たりの酸素吸着量が向上する一方で、ZrO2の酸素吸着形式と酸素還元メカニズムも変える。一般的に、酸素はより弱い物理的なまたは弱い化学的な相互作用によってZrO2の表面に吸着されて過酸化物に還元されている。本来のZrO2においては、酸素が単斜のZrO2の表面に端式で吸着されて、異なるZrO2単斜晶面に吸着されてもずっとBi素原子による立体障害を受ける。ドーピング修飾済みのZrO2においては、酸素の吸着形式は側式になってZr素原子による立体障害を避けて、酸素の化学吸着さらにO-O結合の破断による還元が促進されている。そこでポリエステルの分解は加速できる。それに対して、ただ金属酸化物とZrO2を物理的に混合すれば、金属イオンはZrO2の結晶構造、酸素吸着形式及び酸素還元メカニズムに影響を及ぼされずに、ポリエステルの分解効率が向上できない。
【0041】
従来技術におけるポリエステルの分解はポリエステルの表面により始まることである。ところが、本発明の新規採用の改質ポリエステルに含まれる酸素還元触媒は、酸素がポリエステル内部で長い間にとどまることができって、エステル基の酸化反応を促進して、ポリエステルの分解を加速する。
【0042】
また、本発明における2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオール、フッ素化ジカルボン酸及びドーピング修飾ZrO2は協同作用ができる。フッ素化ジカルボン酸はエステル基のC-O結合の電子密度を低めて求核アシル置換反応を加速して分解反応を利し、ドーピング修飾ZrO2は酸素イオンの伝導速度を向上して酸素還元反応程度を高めて分解反応を促進し、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールはポリエステルの空孔型自由体積を増大して酸素や水の浸透を利してポリエステル内の酸素原子の濃度を増加するために、ポリエステルの分解が著しく加速できる。
【0043】
本発明の利点としては、
1.本発明に提出した分解性ポリエステル繊維の製造方法は、改質単体の2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールを組み入れてポリエステルの空孔型自由体積を増大して、ある程度にポリエステルの自然分解を加速した。
2.本発明に提出した分解性ポリエステル繊維の製造方法は、ポリエステルにフッ素化ジカルボン酸及びドーピング修飾ZrO2粉末を導入してポリエステル繊維の自然分解を著しく促進した。
3.本発明に提出した分解性ポリエステル繊維の製造方法は、コストがやすくて操業が便利であるため、適用性に優れる。
4.本発明に提出した分解性ポリエステル繊維は、自然分解が速くて機械的性能に優れた、幅広い用途がある。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、実施例を挙げてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、本発明の内容を読んだこの分野の技術者のいろいろな本発明を改正することを許されても、それは本発明の等価形として、本発明の請求の範囲内にも限定されている。
【0045】
【0046】
実施例1
分解性ポリエステル繊維の製造方法は、以下の流れによる。
(1)改質ポリエステルの重合として、
(1.1)2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの調製として、
(a)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比の1:1:1.2:2.0で混合し、氷浴による反応を2時間行い、反応済みに冷却で結晶化し、遠心分離し、洗浄し、精製しさらに乾燥し、オクチレンジオールとなさせ、
(b)オクチレンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比の2:10:0.01で混合し、40℃の下で水素を続けて与える反応を50分間行い、反応済みに分離しさらに精製し、式Iの構造を持つ2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールを得る;
(1.2)ZrO2粉のドーピング修飾として、
(a)1.5wt%のMg(NO3)2水溶液と22wt%のZrO2硝酸溶液を、Mg2+とZr4+のモル比の6:100で均一に混合し、
(b)pH値の10まで混合液へ2mol/Lのアンモニア水を滴加して沈殿を完結させ、沈殿物を洗浄し108℃で2.5時間かけて乾燥し、
(c)乾燥した産物を、400℃まで加熱し2.5時間かけて保温しさらに700℃まで加熱し1.5時間かけて保温し、そして空気に置いて冷却させ、最後に粉砕して平均径の0.4ミクロンの粉末となさせる;
(1.3)エステル化として、
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールならびに2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸をスラリーに調製し、ドーピング修飾ZrO2粉末、三酸化アンチモン、二酸化チタン及びリン酸トリフェニルを添加して均一に混合し、窒素雰囲気の中に0.3MPaの圧力と250℃の温度の下で反応させ、生じた水の抜き出す量が理論値の90%に達する際に反応終点を決め、そのうちに、テレフタル酸のエチレングリコールに対するモル比は1:1.5とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールと2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸との総合添加量はテレフタル酸の添加量の6mol%とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸に対するモル比は1:1とし、ドーピング修飾ZrO2粉末、三酸化アンチモン、二酸化チタン及びリン酸トリフェニルの添加量は別々にテレフタル酸の添加量の0.25wt%、0.05wt%、2.0wt%及び0.01wt%とする;
(1.4)重合として、
エステル化反応の産物に常圧から絶対圧力499Paまで30分間をかけて徐々に下がる負圧を与え、250℃で30分間かけて反応を続け、さらに負圧を99Paまで持続的に与え、270℃で50分間かけて反応を行い、最後に数平均分子量が25000Daであり分子量多分散度が1.8である改質ポリエステルを得る;
(2)分解性ポリエステル繊維の紡糸工程として、
改質ポリエステルを、計量、押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りのスッテプによりFDYになさせ、そのうちに、紡糸温度は290℃、冷却温度は20℃、インターレースノズル圧力は0.25MPa、ホットローラ1速度は2500m/min、ホットローラ1温度は85℃、ホットローラ2速度は4000m/min、ホットローラ1温度は120℃ならびに巻取り速度は4000m/minとする。
最終的に得られた分解性ポリエステル繊維は、単糸繊度の1.5dtex、破断強度の3.0cN/dtex、破断伸度の28%、系条交絡度の11個/m、線密度偏差率の1.0%、破断強度CV値の4.8%、破断伸度CV値の8.7%、沸水収縮率の7.0%と示す基礎物性を有し、25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間かけて置いた後18%の固有粘度下りと示す自然分解性能を有する。
【0047】
比較例1
分解性ポリエステル繊維の製造方法は、ステップ(1)において2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオール、2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸、ドーピング修飾ZrO2粉末を添加しないことを除外して、実施例1と同じである。
最終的に得られた分解性ポリエステル繊維は、単糸繊度の1.5dtex、破断強度の3.1cN/dtex、破断伸度の27%、系条交絡度の11個/m、線密度偏差率の1.0%、破断強度CV値の5.0%、破断伸度CV値の8.7%、沸水収縮率の7.0%と示す基礎物性を有し、25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間かけて置いた後4%の固有粘度下りと示す自然分解性能を有する。
実施例1に比べて、本発明におけるポリエステルの改質は繊維の機械性能をかえらずに繊維の分解性を著しく高めることが結論できる。
【0048】
比較例2
分解性ポリエステル繊維の製造方法は、ステップ(1)において2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸の代わりに3,3-ジフルオログルタル酸を用いることを除外して、実施例1と同じである。最終的に得られた分解性ポリエステル繊維は25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間かけて置いた後14.8%の固有粘度下りと示す自然分解性能を有する。
フッ素をジカルボン酸のβ炭素に結合させるとフッ素の電子吸引性が隣の原子の範囲内に限って、エステル基のC-O結合にあまり影響を与えなくてOH-のエステルのカルボニル炭素を求核攻撃することによるアシル置換反応に動きかけないから、実施例1に比べて、本発明におけるフッ素がα炭素に結合するフッ素化ジカルボン酸は、ドーピング修飾ZrO2と協働してポリエステル繊維の自然分解を促進することにもっと有利する。
【0049】
実施例2
分解性ポリエステル繊維の製造方法は、以下の流れによる。
(1)改質ポリエステルの重合として、
(1.1)2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの調製として、
(a)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比の1.1:1:1.2:2.3で混合し、氷浴による反応を2時間行い、反応済みに冷却で結晶化し、遠心分離し、洗浄し、精製しさらに乾燥し、オクチレンジオールとなさせ、
(b)オクチレンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比の2:10:0.01で混合し、45℃の下で水素を続けて与える反応を50分間行い、反応済みに分離しさらに精製し、式Iの構造を持つ2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールを得る;
(1.2)ZrO2粉のドーピング修飾として、
(a)1wt%のLiNO3水溶液と20wt%のZrO2硝酸溶液を、Li+とZr4+のモル比の5:100で均一に混合し、
(b)pH値の10まで混合液へ2mol/Lのアンモニア水を滴加して沈殿を完結させ、沈殿物を洗浄し105℃で3時間かけて乾燥し、
(c)乾燥した産物を、400℃まで加熱し2時間かけて保温しさらに700℃まで加熱し1時間かけて保温し、そして空気に置いて冷却させ、最後に粉砕して平均径の0.4ミクロンの粉末となさせる;
(1.3)エステル化として、
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールならびに2,2-ジフルオロ-1,4-コハク酸をスラリーに調製し、ドーピング修飾ZrO2粉末、アンチモングリコレート、二酸化チタン及びリン酸トリメチルを添加して均一に混合し、窒素雰囲気の中に常圧と260℃の下で反応させ、生じた水の抜き出す量が理論値の95%に達する際に反応終点を決め、そのうちに、テレフタル酸のエチレングリコールに対するモル比は1:1.2とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールと2,2-ジフルオロ-1,4-コハク酸との総合添加量はテレフタル酸の添加量の4mol%とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの2,2-ジフルオロ-1,4-コハク酸に対するモル比は2:2とし、ドーピング修飾ZrO2粉末、アンチモングリコレート、二酸化チタン及びリン酸トリメチルの添加量は別々にテレフタル酸の添加量の0.23wt%、0.05wt%、2.2wt%及び0.05wt%とする;
(1.4)重合として、
エステル化反応の産物に常圧から絶対圧力450Paまで50分間をかけて徐々に下がる負圧を与え、260℃で50分間かけて反応を続け、さらに負圧を90Paまで持続的に与え、282℃で90分間かけて反応を行い、最後に数平均分子量が30000Daであり分子量多分散度が2.2である改質ポリエステルを得る;
(2)分解性ポリエステル繊維の紡糸工程として、
改質ポリエステルを、計量、押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りのスッテプによりFDYになさせ、そのうちに、紡糸温度は290℃、冷却温度は20℃、インターレースノズル圧力は0.25MPa、ホットローラ1速度は2500m/min、ホットローラ1温度は85℃、ホットローラ2速度は4000m/min、ホットローラ1温度は120℃ならびに巻取り速度は4000m/minとする。
最終的に得られた分解性ポリエステル繊維は、単糸繊度の2.0dtex、破断強度の3.3cN/dtex、破断伸度の36%、系条交絡度の15個/m、線密度偏差率の0.8%、破断強度CV値の4.2%、破断伸度CV値の8.1%、沸水収縮率の6.0%と示す基礎物性を有し、25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間かけて置いた後23%の固有粘度下りと示す自然分解性能を有する。
【0050】
実施例3
分解性ポリエステル繊維の製造方法は、以下の流れによる。
(1)改質ポリエステルの重合として、
(1.1)2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの調製として、
(a)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比の1.2:1:1.25:2.0で混合し、氷浴による反応を3時間行い、反応済みに冷却で結晶化し、遠心分離し、洗浄し、精製しさらに乾燥し、オクチレンジオールとなさせ、
(b)オクチレンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比の3:10:0.03で混合し、40℃の下で水素を続けて与える反応を50分間行い、反応済みに分離しさらに精製し、式Iの構造を持つ2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールを得る;
(1.2)ZrO2粉のドーピング修飾として、
(a)2wt%のZn(NO3)2水溶液と25wt%のZrO2硝酸溶液を、Zn2+とZr4+のモル比の8:100で均一に混合し、
(b)pH値の10まで混合液へ2mol/Lのアンモニア水を滴加して沈殿を完結させ、沈殿物を洗浄し110℃で2時間かけて乾燥し、
(c)乾燥した産物を、400℃まで加熱し3時間かけて保温しさらに700℃まで加熱し2時間かけて保温し、そして空気に置いて冷却させ、最後に粉砕して平均径の0.4ミクロンの粉末となさせる;
(1.3)エステル化として、
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールならびに2,2-ジフルオロ-1,5-グルタル酸をスラリーに調製し、ドーピング修飾ZrO2粉末、酢酸アンチモン、二酸化チタン及び亜リン酸トリメチルを添加して均一に混合し、窒素雰囲気の中に0.2MPaの圧力と255℃の温度の下で反応させ、生じた水の抜き出す量が理論値の90%に達する際に反応終点を決め、そのうちに、テレフタル酸のエチレングリコールに対するモル比は1:1.5とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールと2,2-ジフルオロ-1,5-グルタル酸との総合添加量はテレフタル酸の添加量の4.4mol%とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの2,2-ジフルオロ-1,5-グルタル酸に対するモル比は1:2とし、ドーピング修飾ZrO2粉末、酢酸アンチモン、二酸化チタン及び亜リン酸トリメチルの添加量は別々にテレフタル酸の添加量の0.23wt%、0.05wt%、2.3wt%及び0.01wt%とする;
(1.4)重合として、
エステル化反応の産物に常圧から絶対圧力480Paまで40分間をかけて徐々に下がる負圧を与え、255℃で40分間かけて反応を続け、さらに負圧を95Paまで持続的に与え、272℃で70分間かけて反応を行い、最後に数平均分子量が27000Daであり分子量多分散度が2.0である改質ポリエステルを得る;
(2)分解性ポリエステル繊維の紡糸工程として、
改質ポリエステルを、計量、押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りのスッテプによりFDYになさせ、そのうちに、紡糸温度は290℃、冷却温度は20℃、インターレースノズル圧力は0.25MPa、ホットローラ1速度は2500m/min、ホットローラ1温度は85℃、ホットローラ2速度は4000m/min、ホットローラ1温度は120℃ならびに巻取り速度は4000m/minとする。
最終的に得られた分解性ポリエステル繊維は、単糸繊度の1.0dtex、破断強度の3.3cN/dtex、破断伸度の35%、系条交絡度の14個/m、線密度偏差率の0.9%、破断強度CV値の4.3%、破断伸度CV値の8.1%、沸水収縮率の6.2%と示す基礎物性を有し、25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間かけて置いた後24%の固有粘度下りと示す自然分解性能を有する。
【0051】
実施例4
分解性ポリエステル繊維の製造方法は、以下の流れによる。
(1)改質ポリエステルの重合として、
(1.1)2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの調製として、
(a)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比の1.2:1:1.3:2.5で混合し、氷浴による反応を3時間行い、反応済みに冷却で結晶化し、遠心分離し、洗浄し、精製しさらに乾燥し、オクチレンジオールとなさせ、
(b)オクチレンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比の2.5:10:0.02で混合し、45℃の下で水素を続けて与える反応を60分間行い、反応済みに分離しさらに精製し、式Iの構造を持つ2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールを得る;
(1.2)ZrO2粉のドーピング修飾として、
(a)1.2wt%のMg(NO3)2水溶液と22wt%のZrO2硝酸溶液を、Mg2+とZr4+のモル比の6:100で均一に混合し、
(b)pH値の9まで混合液へ2mol/Lのアンモニア水を滴加して沈殿を完結させ、沈殿物を洗浄し106℃で2.5時間かけて乾燥し、
(c)乾燥した産物を、400℃まで加熱し2.5時間かけて保温しさらに700℃まで加熱し1.5時間かけて保温し、そして空気に置いて冷却させ、最後に粉砕して平均径の0.4ミクロンの粉末となさせる;
(1.3)エステル化として、
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールならびに2,2-ジフルオロ-1,5-グルタル酸をスラリーに調製し、ドーピング修飾ZrO2粉末、アンチモングリコレート、二酸化チタン及びリン酸トリフェニルを添加して均一に混合し、窒素雰囲気の中に0.25MPaの圧力と250℃の温度の下で反応させ、生じた水の抜き出す量が理論値の95%に達する際に反応終点を決め、そのうちに、テレフタル酸のエチレングリコールに対するモル比は1:1.4とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールと2,2-ジフルオロ-1,5-グルタル酸との総合添加量はテレフタル酸の添加量の4.6mol%とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの2,2-ジフルオロ-1,5-グルタル酸に対するモル比は1.5:1とし、ドーピング修飾ZrO2粉末、アンチモングリコレート、二酸化チタン及びリン酸トリフェニルの添加量は別々にテレフタル酸の添加量の0.24wt%、0.07wt%、3.0wt%及び0.01wt%とする;
(1.4)重合として、
エステル化反応の産物に常圧から絶対圧力480Paまで35分間をかけて徐々に下がる負圧を与え、258℃で45分間かけて反応を続け、さらに負圧を96Paまで持続的に与え、270℃で55分間かけて反応を行い、最後に数平均分子量が26000Daであり分子量多分散度が1.9である改質ポリエステルを得る;
(2)分解性ポリエステル繊維の紡糸工程として、
改質ポリエステルを、計量、押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りのスッテプによりFDYになさせ、そのうちに、紡糸温度は290℃、冷却温度は20℃、インターレースノズル圧力は0.25MPa、ホットローラ1速度は2500m/min、ホットローラ1温度は85℃、ホットローラ2速度は4000m/min、ホットローラ1温度は120℃ならびに巻取り速度は4000m/minとする。
最終的に得られた分解性ポリエステル繊維は、単糸繊度の1.5dtex、破断強度の3.2cN/dtex、破断伸度の34%、系条交絡度の14個/m、線密度偏差率の0.8%、破断強度CV値の4.5%、破断伸度CV値の8.2%、沸水収縮率の6.3%と示す基礎物性を有し、25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間かけて置いた後25%の固有粘度下りと示す自然分解性能を有する。
【0052】
実施例5
分解性ポリエステル繊維の製造方法は、以下の流れによる。
(1)改質ポリエステルの重合として、
(1.1)2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの調製として、
(a)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比の1:1:1.3:3.0で混合し、氷浴による反応を4時間行い、反応済みに冷却で結晶化し、遠心分離し、洗浄し、精製しさらに乾燥し、オクチレンジオールとなさせ、
(b)オクチレンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比の2.5:10:0.02で混合し、50℃の下で水素を続けて与える反応を55分間行い、反応済みに分離しさらに精製し、式Iの構造を持つ2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールを得る;
(1.2)ZrO2粉のドーピング修飾として、
(a)1.6wt%のLiNO3水溶液と24wt%のZrO2硝酸溶液を、Li+とZr4+のモル比の7:100で均一に混合し、
(b)pH値の9~10まで混合液へ2mol/Lのアンモニア水を滴加して沈殿を完結させ、沈殿物を洗浄し110℃で2時間かけて乾燥し、
(c)乾燥した産物を、400℃まで加熱し3時間かけて保温しさらに700℃まで加熱し2時間かけて保温し、そして空気に置いて冷却させ、最後に粉砕して平均径の0.45ミクロンの粉末となさせる;
(1.3)エステル化として、
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールならびに2,2-ジフルオロ-1,4-コハク酸をスラリーに調製し、ドーピング修飾ZrO2粉末、酢酸アンチモン、二酸化チタン及びリン酸トリフェニルを添加して均一に混合し、窒素雰囲気の中に0.15MPaの圧力と260℃の温度の下で反応させ、生じた水の抜き出す量が理論値の95%に達する際に反応終点を決め、そのうちに、テレフタル酸のエチレングリコールに対するモル比は1:1.5とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールと2,2-ジフルオロ-1,4-コハク酸との総合添加量はテレフタル酸の添加量の4.9mol%とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの2,2-ジフルオロ-1,4-コハク酸に対するモル比は1:1.5とし、ドーピング修飾ZrO2粉末、酢酸アンチモン、二酸化チタン及びリン酸トリフェニルの添加量は別々にテレフタル酸の添加量の0.24wt%、0.05wt%、2.0wt%及び0.01wt%とする;
(1.4)重合として、
エステル化反応の産物に常圧から絶対圧力480Paまで50分間をかけて徐々に下がる負圧を与え、255℃で50分間かけて反応を続け、さらに負圧を95Paまで持続的に与え、282℃で80分間かけて反応を行い、最後に数平均分子量が29000Daであり分子量多分散度が2.1である改質ポリエステルを得る;
(2)分解性ポリエステル繊維の紡糸工程として、
改質ポリエステルを、計量、押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りのスッテプによりFDYになさせ、そのうちに、紡糸温度は295℃、冷却温度は19℃、インターレースノズル圧力は0.20MPa、ホットローラ1速度は2300m/min、ホットローラ1温度は80℃、ホットローラ2速度は3800m/min、ホットローラ1温度は115℃ならびに巻取り速度は3730m/minとする。
最終的に得られた分解性ポリエステル繊維は、単糸繊度の1.5dtex、破断強度の3.2cN/dtex、破断伸度の32%、系条交絡度の12個/m、線密度偏差率の0.9%、破断強度CV値の4.6%、破断伸度CV値の8.5%、沸水収縮率の6.5%と示す基礎物性を有し、25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間かけて置いた後26%の固有粘度下りと示す自然分解性能を有する。
【0053】
実施例6
分解性ポリエステル繊維の製造方法は、以下の流れによる。
(1)改質ポリエステルの重合として、
(1.1)2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの調製として、
(a)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比の1.1:1:1.2:3.0で混合し、氷浴による反応を4時間行い、反応済みに冷却で結晶化し、遠心分離し、洗浄し、精製しさらに乾燥し、オクチレンジオールとなさせ、
(b)オクチレンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比の3:10:0.03で混合し、50℃の下で水素を続けて与える反応を60分間行い、反応済みに分離しさらに精製し、式Iの構造を持つ2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールを得る;
(1.2)ZrO2粉のドーピング修飾として、
(a)まずMg(NO3)2水溶液とZn(NO3)2水溶液とを重量比の1:1で混合して2wt%のMx+の溶液をとり、さらにMx+とZr4+とのモル比の8:100で20wt%のZrO2硝酸溶液を添加し均一に混合し、
(b)pH値の10まで混合液へ2mol/Lのアンモニア水を滴加して沈殿を完結させ、沈殿物を洗浄し110℃で2時間かけて乾燥し、
(c)乾燥した産物を、400℃まで加熱し2時間かけて保温しさらに700℃まで加熱し1時間かけて保温し、そして空気に置いて冷却させ、最後に粉砕して平均径の0.4ミクロンの粉末となさせる;
(1.3)エステル化として、
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールならびに2,2,3,3-テトラフルオロ-1,4-コハク酸をスラリーに調製し、ドーピング修飾ZrO2粉末、酢酸アンチモン、二酸化チタン及びリン酸トリフェニルを添加して均一に混合し、窒素雰囲気の中に0.3MPaの圧力と250℃の温度の下で反応させ、生じた水の抜き出す量が理論値の95%に達する際に反応終点を決め、そのうちに、テレフタル酸のエチレングリコールに対するモル比は1:1.6とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールと2,2,3,3-テトラフルオロ-1,4-コハク酸との総合添加量はテレフタル酸の添加量の5.2mol%とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの2,2,3,3-テトラフルオロ-1,4-コハク酸に対するモル比は1.2:1とし、ドーピング修飾ZrO2粉末、酢酸アンチモン、二酸化チタン及びリン酸トリフェニルの添加量は別々にテレフタル酸の添加量の0.25wt%、0.05wt%、2.8wt%及び0.01wt%とする;
(1.4)重合として、
エステル化反応の産物に常圧から絶対圧力450Paまで30分間をかけて徐々に下がる負圧を与え、260℃で30分間かけて反応を続け、さらに負圧を92Paまで持続的に与え、272℃で85分間かけて反応を行い、最後に数平均分子量が28000Daであり分子量多分散度が1.8である改質ポリエステルを得る;
(2)分解性ポリエステル繊維の紡糸工程として、
改質ポリエステルを、計量、押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りのスッテプによりFDYになさせ、そのうちに、紡糸温度は295℃、冷却温度は19℃、インターレースノズル圧力は0.20MPa、ホットローラ1速度は2300m/min、ホットローラ1温度は80℃、ホットローラ2速度は3800m/min、ホットローラ1温度は115℃ならびに巻取り速度は3730m/minとする。
最終的に得られた分解性ポリエステル繊維は、単糸繊度の1.5dtex、破断強度の3.2cN/dtex、破断伸度の30%、系条交絡度の11個/m、線密度偏差率の1.0%、破断強度CV値の4.8%、破断伸度CV値の8.6%、沸水収縮率の6.7%と示す基礎物性を有し、25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間かけて置いた後26%の固有粘度下りと示す自然分解性能を有する。
【0054】
実施例7
分解性ポリエステル繊維の製造方法は、以下の流れによる。
(1)改質ポリエステルの重合として、
(1.1)2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの調製として、
(a)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比の1.2:1:1.2:3.0で混合し、氷浴による反応を3時間行い、反応済みに冷却で結晶化し、遠心分離し、洗浄し、精製しさらに乾燥し、オクチレンジオールとなさせ、
(b)オクチレンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比の3:10:0.02で混合し、42℃の下で水素を続けて与える反応を55分間行い、反応済みに分離しさらに精製し、式Iの構造を持つ2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールを得る;
(1.2)ZrO2粉のドーピング修飾として、
(a)まずMg(NO3)2水溶液とLiNO3水溶液とZn(NO3)2水溶液とを重量比の1:1:1で混合して1wt%のMx+の溶液をとり、さらにMx+とZr4+とのモル比の6:100で24wt%のZrO2硝酸溶液を添加し均一に混合し、
(b)pH値の10まで混合液へ2mol/Lのアンモニア水を滴加して沈殿を完結させ、沈殿物を洗浄し110℃で3時間かけて乾燥し、
(c)乾燥した産物を、400℃まで加熱し2時間かけて保温しさらに700℃まで加熱し2時間かけて保温し、そして空気に置いて冷却させ、最後に粉砕して平均径の0.45ミクロンの粉末となさせる;
(1.3)エステル化として、
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールならびに2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸をスラリーに調製し、ドーピング修飾ZrO2粉末、三酸化アンチモン、二酸化チタン及び亜リン酸トリメチルを添加して均一に混合し、窒素雰囲気の中に0.2MPaの圧力と255℃の温度の下で反応させ、生じた水の抜き出す量が理論値の95%に達する際に反応終点を決め、そのうちに、テレフタル酸のエチレングリコールに対するモル比は1:1.6とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールと2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸との総合添加量はテレフタル酸の添加量の5.4mol%とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸に対するモル比は2:1.5とし、ドーピング修飾ZrO2粉末、三酸化アンチモン、二酸化チタン及び亜リン酸トリメチルの添加量は別々にテレフタル酸の添加量の0.25wt%、0.04wt%、3.0wt%及び0.05wt%とする;
(1.4)重合として、
エステル化反応の産物に常圧から絶対圧力490Paまで50分間をかけて徐々に下がる負圧を与え、255℃で50分間かけて反応を続け、さらに負圧を95Paまで持続的に与え、275℃で55分間かけて反応を行い、最後に数平均分子量が25000Daであり分子量多分散度が2.2である改質ポリエステルを得る;
(2)分解性ポリエステル繊維の紡糸工程として、
改質ポリエステルを、計量、押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りのスッテプによりFDYになさせ、そのうちに、紡糸温度は285℃、冷却温度は22℃、インターレースノズル圧力は0.30MPa、ホットローラ1速度は2700m/min、ホットローラ1温度は90℃、ホットローラ2速度は4200m/min、ホットローラ1温度は130℃ならびに巻取り速度は4120m/minとする。
最終的に得られた分解性ポリエステル繊維は、単糸繊度の1.0dtex、破断強度の3.1cN/dtex、破断伸度の30%、系条交絡度の15個/m、線密度偏差率の1.0%、破断強度CV値の4.7%、破断伸度CV値の8.8%、沸水収縮率の6.8%と示す基礎物性を有し、25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間かけて置いた後27%の固有粘度下りと示す自然分解性能を有する。
【0055】
実施例8
分解性ポリエステル繊維の製造方法は、以下の流れによる。
(1)改質ポリエステルの重合として、
(1.1)2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの調製として、
(a)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比の1.2:1:1.2:3.0で混合し、氷浴による反応を3時間行い、反応済みに冷却で結晶化し、遠心分離し、洗浄し、精製しさらに乾燥し、オクチレンジオールとなさせ、
(b)オクチレンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比の3:10:0.02で混合し、42℃の下で水素を続けて与える反応を55分間行い、反応済みに分離しさらに精製し、式Iの構造を持つ2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールを得る;
(1.2)ZrO2粉のドーピング修飾として、
(a)まずMg(NO3)2水溶液とLiNO3水溶液とZn(NO3)2水溶液とを重量比の1:1:1で混合して1wt%のMx+の溶液をとり、さらにMx+とZr4+とのモル比の6:100で24wt%のZrO2硝酸溶液を添加し均一に混合し、
(b)pH値の10まで混合液へ2mol/Lのアンモニア水を滴加して沈殿を完結させ、沈殿物を洗浄し110℃で3時間かけて乾燥し、
(c)乾燥した産物を、400℃まで加熱し2時間かけて保温しさらに700℃まで加熱し2時間かけて保温し、そして空気に置いて冷却させ、最後に粉砕して平均径の0.45ミクロンの粉末となさせる;
(1.3)エステル化として、
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールならびに2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸をスラリーに調製し、ドーピング修飾ZrO2粉末、アンチモングリコレート、二酸化チタン及びリン酸トリメチルを添加して均一に混合し、窒素雰囲気の中に0.3MPaの圧力と255℃の温度の下で反応させ、生じた水の抜き出す量が理論値の95%に達する際に反応終点を決め、そのうちに、テレフタル酸のエチレングリコールに対するモル比は1:2.0とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールと2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸との総合添加量はテレフタル酸の添加量の5.8mol%とし、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタジオールの2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸に対するモル比は2:1とし、ドーピング修飾ZrO2粉末、アンチモングリコレート、二酸化チタン及びリン酸トリメチルの添加量は別々にテレフタル酸の添加量の0.25wt%、0.04wt%、2.0wt%及び0.03wt%とする;
(1.4)重合として、
エステル化反応の産物に常圧から絶対圧力480Paまで50分間をかけて徐々に下がる負圧を与え、260℃で40分間かけて反応を続け、さらに負圧を95Paまで持続的に与え、272℃で90分間かけて反応を行い、最後に数平均分子量が29000Daであり分子量多分散度が2.1である改質ポリエステルを得る;
(2)分解性ポリエステル繊維の紡糸工程として、
改質ポリエステルを、計量、押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りのスッテプによりFDYになさせ、そのうちに、紡糸温度は285℃、冷却温度は22℃、インターレースノズル圧力は0.30MPa、ホットローラ1速度は2700m/min、ホットローラ1温度は90℃、ホットローラ2速度は4200m/min、ホットローラ1温度は130℃ならびに巻取り速度は4120m/minとする。
最終的に得られた分解性ポリエステル繊維は、単糸繊度の1.0dtex、破断強度の3.0cN/dtex、破断伸度の29%、系条交絡度の11個/m、線密度偏差率の1.0%、破断強度CV値の5.0%、破断伸度CV値の8.8%、沸水収縮率の7.0%と示す基礎物性を有し、25℃と65%の相対湿度との条件下で60月間かけて置いた後28%の固有粘度下りと示す自然分解性能を有する。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解可能なポリエステル繊維の製造方法において、
FDYプロセスにより改質ポリエステル溶融体から改質ポリエステルFDY糸、即ち生分解可能なポリエステル繊維を製造し、
改質ポリエステルは、テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオール、フッ素含有ジカルボン酸、及びドーピングにより改質されたZrO
2粉末を均一に混合した後、エステル化反応及び重縮合反応をこの順で行うことにより製造され、
前記2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールの構造式は、
【化1】
であり、
前記フッ素含有ジカルボン酸は、2,2-ジフルオロ-1,3-マロン酸、2,2-ジフルオロ-1,4-コハク酸、2,2-ジフルオロ-1,5-グルタル酸又は2,2,3,3-テトラフルオロ-1,4-コハク酸であり、
ドーピングによりZrO
2を改質する方法は、以下の通りであり、
金属イオンM
x+を含有する溶液とZr
4+を含有する溶液を均一に混合した後、得られた混合溶液のpH値が9-10になるまで沈殿剤を滴下し、沈殿した生成物を仮焼し、
前記金属イオンM
x+は、Mg
2+、Li
+及びZn
2+のうちの一種以上である
ことを特徴とする生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項2】
前記2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールの合成方法は、以下の通りであり、
(1)KOH粉末、3-メチル-3-ヒドロキシブチン、3,3-ジメチル-2-ブタノン及びイソプロピルエーテルを、モル比が1~1.2:1:1.2~1.3:2.0~3.0となるように混合し、氷浴で2~4時間反応させ、反応が完了した後冷却して結晶化させ、遠心分離、洗浄、精製、乾燥を行い、オクチンジオールを取得し、
(2)オクチンジオール、エタノール及びパラジウム触媒を、重量比が2~3:10:0.01~0.03となるように混合し、40~50℃の下で水素ガスを持続的に供給して50~60分間反応させ、反応が完了した後分離、精製して2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールを取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項3】
前記金属イオンM
x+を含有する溶液は、濃度が1~2wt%であり、溶剤が水であり、溶液におけるアニオンがNO
3
-であり、
前記Zr
4+を含有する溶液は、濃度が20~25wt%のZrO
2溶液であり、溶剤は、硝酸であり、
前記沈殿剤は、濃度が2mol/Lのアンモニア水であり、沈殿開始時に、混合溶液における金属イオンM
x+とZr
4+とのモル比は、5~8:100であり、
仮焼前に沈殿した生成物を洗浄して乾燥させ、乾燥温度は、105~110℃であり、乾燥時間は、2~3時間であり、
仮焼プロセスは、以下の通りであり、
400℃まで昇温した後2~3時間保持し、その後、700℃まで昇温した後1~2時間保持し、最後に空気中で冷却し、
ZrO
2をドーピングにより改質した後に粉碎して平均粒度が0.5μm未満の粉末が得られる
ことを特徴とする請求項2に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項4】
前記改質ポリエステルの製造工程は、以下のステップを含み、
ステップ(1)エステル化反応
テレフタル酸、エチレングリコール、2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオール、及びフッ素含有ジカルボン酸をスラリーに調製し、ドーピングにより改質されたZrO
2粉末、触媒、艶消し剤及び安定剤を添加して均一に混合した後、窒素雰囲気中、常圧~0.3MPaの加圧環境及び250~260℃の温度の下でエステル化反応を行い、生成した水の蒸留量が理論値の90%以上を超える時点で反応を終了し、
ステップ(2)重縮合反応
エステル化反応終了後、負圧で低真空段階の重縮合反応を開始し、この段階において250~260℃の反応温度で30~50分間かけて常圧から500Pa以下の絶対圧力まで真空引きし、その後、引き続き真空引きし、高真空段階の重縮合反応を行い、さらに反応圧力を100Pa以下の絶対圧力まで減圧し、270~282℃の反応温度で50~90分間反応させる
ことを特徴とする請求項3に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項5】
前記テレフタル酸と前記エチレングリコールとのモル比は、1:1.2~2.0であり、
前記2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールとフッ素含有ジカルボン酸との総合添加量は、テレフタル酸の添加量の4~6mol%であり、
前記2,5,6,6-テトラメチル-2,5-ヘプタンジオールとフッ素含有ジカルボン酸とのモル比は、1~2:1~2であり、
前記ドーピングにより改質されたZrO
2粉末、前記触媒、前記艶消し剤及び前記安定剤の添加量は、それぞれテレフタル酸の添加量の0.23~0.25wt%、0.03~0.05wt%、0.20~0.25wt%、0.01~0.05wt%である
ことを特徴とする請求項4に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項6】
前記触媒は、三酸化アンチモン、アンチモングリコレート又は酢酸アンチモンであり、
前記艶消し剤は、二酸化チタンであり、
前記安定剤は、リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル又は亜リン酸トリメチルである
ことを特徴とする請求項5に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項7】
前記改質ポリエステルは、数平均分子量が25000~30000であり、分子量分布指数が1.8~2.2である
ことを特徴とする請求項6に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【請求項8】
前記FDYプロセスの手順は、計量、紡糸口金の押出し、冷却、オイリング、延伸、熱定型及び巻取りであり、
前記FDYプロセスにおいて、紡糸温度は、285~295℃であり、冷却温度は、19~22℃であり
、第1ローラ速度は、2300~2700m/minであり、第1ローラ温度は、80~90℃であり、第2ローラ速度は、3800~4200m/minであり、第2ローラ温度は、115~130℃であり、巻取速度は、3730~4120m/minである
ことを特徴とする請求項1に記載の生分解可能なポリエステル繊維の製造方法。
【国際調査報告】