(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】男性用失禁ガード、キット、および方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/471 20060101AFI20220125BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20220125BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20220125BHJP
A61F 13/62 20060101ALI20220125BHJP
A61F 13/58 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A61F13/471
A61F13/15 210
A61F13/15 356
A61F13/15 358
A61F13/15 360
A61F13/56 110
A61F13/62 100
A61F13/58
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021533257
(86)(22)【出願日】2018-12-13
(85)【翻訳文提出日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2018084729
(87)【国際公開番号】W WO2020119902
(87)【国際公開日】2020-06-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マリア・スウェドベリ
(72)【発明者】
【氏名】アンデシュ・シルフヴェルストランド
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA12
3B200AA14
3B200BB20
3B200CA12
3B200DA27
3B200DE03
3B200DE09
3B200DE11
3B200DF08
3B200DF09
3B200EA18
(57)【要約】
流体不透過性バックシート(3)と、流体透過性トップシート(5)と、上記バックシート(3)と上記トップシート(5)との間に配置された吸収体(7)と、を含む男性用失禁ガード(1)が開示されている。ガード(1)は、物品の側領域を折り畳んで物品の吸収面の少なくとも一部を覆うことができる第1および第2の折り線を含む。第1および第2の側領域(17、19)上への下端領域(23)の折り畳みを容易にするために追加の折り線を設けることができる。物品を折り畳み構成に固定するために固定材料が設けられている。関連する製造の方法および失禁ガード(1)を含むキットも記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
男性用失禁ガード(1)であって、流体不透過性バックシート(3)と、前記ガード(1)の身体対向表面を形成する流体透過性トップシート(5)と、前記バックシート(3)と前記トップシート(5)との間に配置された吸収体(7)と、を含み、前記ガード(1)は、縦軸(Y1)に沿った縦方向伸長部および横軸(X1)に沿った横方向伸長部を有し、前記横軸(X1)は前記ガード(1)を上部(9)および下部(11)に分割し、前記上部(9)は、横軸(X1)に平行な横方向(x)における最大伸長部(W
1)が、前記下部の前記横方向(x)における最大伸長部より大きく、
前記ガード(1)は、第1の側領域(17)、第2の側領域(19)、ならびに前記横方向(x)において前記第1および第2の側領域(17、19)間に位置する中央領域(21)に分割され、前記第1の側領域(17)と前記中央領域(21)との間には第1の折り線(F1)が設けられ、前記中央領域(21)と前記第2の側領域(19)との間には第2の折り線(F2)が設けられ、
前記第1の側領域(17)は、前記第1の折り線(F1)に沿って前記中央領域(21)上へ折り畳まれるように構成され、
前記第2の側領域(19)は、前記第2の折り線(F2)に沿って前記中央領域(21)上へ折り畳まれるように構成されて、前記第1の側領域(17)が前記第2の側領域(19)と少なくとも部分的に重なって第1の重なり領域(31)を形成し、
前記第1および第2の側領域(17、19)の少なくとも1つは、前記失禁ガード(1)の前記バックシート(3)上に固定材料(14)を含み、
前記固定材料(14)は、前記第1の重なり領域(31)に少なくとも部分的に配設されている、
男性用失禁ガード(1)。
【請求項2】
前記固定材料(14)は、前記第1および第2の側領域(17、19)が前記第1および第2の折り線(F1、F2)に沿って折り畳まれたとき、前記第1および第2の側領域(17、19)を互いに第1の折り畳み構成に固定するように構成されている、請求項1に記載の失禁ガード(1)。
【請求項3】
前記第1の側領域(17)の最外縁と前記第1の折り線(F1)との間に第1の距離D
1が定義され、
前記第2の領域(19)の最外縁と前記第2の折り線(F2)との間に第2の距離D
2が定義され、
前記第1および第2の折り線(F1、F2)間に第3の距離D
3が定義され、D
1 + D
2 > D
3であり、
D
1、D
2、およびD
3は、前記横方向(x)において測定される、
請求項1または2に記載の失禁ガード(1)。
【請求項4】
前記第1の重なり領域(31)は、前記横方向(x)において少なくとも10mm、より好ましくは前記横方向(x)において少なくとも20mm、より好ましくは前記横方向(x)において少なくとも25mmである、請求項1から3のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項5】
前記第1の重なり領域(31)における前記固定材料(14)は、前記第1の重なり領域(31)の面積の少なくとも30%、より好ましくは前記第1の重なり領域(31)の面積の少なくとも50%、より好ましくは前記第1の重なり領域(31)の面積の少なくとも70%を含む面積を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項6】
前記第1の折り畳み構成において、前記第1および第2の側領域(17、19)は、前記ガード(1)の前記上部(9)において前記ガード(1)の吸収面を実質的に完全に覆っている、請求項2から5のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項7】
前記第1の側領域(17)および前記第2の側領域(19)は、前記バックシート(3)上に固定材料(14)を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項8】
前記第1および第2の折り線(F1、F2)は互いに平行である、請求項1から7のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項9】
前記第1および第2の折り線(F1、F2)は、前記縦軸(Y1)に平行な縦方向(y)に延在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項10】
前記第1および第2の折り線(F1、F2)は、軸、好ましくは前記縦軸(Y1)に対して互いに対称である、請求項1から9のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項11】
前記ガード(1)は第3の折り線(F3)を含んで、前記第3の折り線(F3)の下方に下端領域(23)を画定する、請求項1から10のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項12】
前記第1の折り畳み構成にある前記ガード(1)で、前記下端領域(23)は、前記第3の折り線(F3)に沿って折り畳まれて、前記下端領域(23)が前記第1および第2の側領域(17、19)と少なくとも部分的に重なって第2の重なり領域(33)を形成する第2の折り畳み構成を形成するように構成されている、請求項11に記載の失禁ガード(1)。
【請求項13】
前記ガード(1)が前記第2の折り畳み構成にあるとき、前記第1および第2の側領域(17、19)、および前記下端領域(23)は協働して前記ガード(1)の吸収面を実質的に完全に覆っている、請求項12に記載の失禁ガード(1)。
【請求項14】
前記第1の重なり領域(31)および前記第2の重なり領域(33)は、前記ガードが前記第2の折り畳み構成にあるとき、少なくとも部分的に互いに重なっている、請求項12または13に記載の失禁ガード(1)。
【請求項15】
前記第3の折り線(F3)は、前記横方向(x)に、好ましくは前記ガード(1)の前記下部(11)に、または前記上部(9)と前記下部(11)との間の移行部で、前記横軸(X1)に沿って延在する、請求項11から14のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項16】
前記第3の折り線(F3)は前記第1および第2の折り線(F1、F2)の少なくとも1つに垂直である、請求項11から15のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項17】
前記第3の折り線(F3)は前記第1の折り線(F1)および/または前記第2の折り線(F2)と交差している、請求項11から16のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項18】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは不連続である、請求項1から17のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項19】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは湾曲している、請求項1から18のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項20】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つはエンボス線を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項21】
前記ガードは、前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つに沿って事前に折り畳まれている、請求項1から20のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項22】
前記ガード(1)は、前記ガード(1)の前記中央領域(21)に追加の層を含み、前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは、前記追加の層の縁によって形成されている、請求項1から21のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項23】
前記追加の層は、追加の吸収層、フィルム、または補強層を含む、請求項22に記載の失禁ガード(1)。
【請求項24】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは、前記固定材料(14)の縁によって形成されている、請求項1から23のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項25】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは、前記吸収体の圧縮領域または前記吸収体(7)に形成されたスコアラインによって形成されている、請求項1から24のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項26】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは、前記吸収体(7)の周囲領域より低い目付を有するチャネルによって形成されている、請求項1から25のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項27】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは溶接線として形成され、好ましくは超音波溶接によって形成されている、請求項1から26のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項28】
前記固定材料(14)は、機械的固定材料、好ましくはフック材料である、請求項1から27のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項29】
前記フック材料はフックパッチである、請求項28に記載の失禁ガード(1)。
【請求項30】
前記フック材料は前記バックシートに一体的に形成されている、請求項28に記載の失禁ガード(1)。
【請求項31】
前記トップシートは、織布、不織材料、スパンボンド材料、カード式材料、もしくはスパンレース材料、または上記の組み合わせのような、フック固定を係合するように構成された材料を含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項32】
前記中央領域(21)は、衣服対向表面上に追加の固定材料(14’)を含む、請求項1から31のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項33】
前記固定材料(14、14’)は接着剤を含む、請求項1から32のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項34】
少なくとも前記第1および第2の折り線(F1、F2)は、固定材料(14、14’)が実質的にない折り畳み領域に延在する、請求項1から33のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項35】
縦軸(Y1)に沿った縦方向伸長部および横軸(X1)に沿った横方向伸長部を有する男性用失禁ガード(1)であって、前記横軸(X1)は前記ガード(1)を上部(9)および下部(11)に分割し、前記上部(9)は、前記横軸(X1)に平行な方向に延在する横方向(x)における最大伸長部が、前記下部の前記横方向(x)における最大伸長部より大きい、男性用失禁ガード(1)を製造するための方法であって、
流体不透過性バックシート(3)を用意するステップと、
流体透過性トップシート(5)を用意するステップと、
前記バックシート(3)と前記トップシート(5)との間に配置された吸収体(7)を用意するステップと、
前記ガード(1)に第1の折り線(F1)および第2の折り線(F2)を形成するステップであって、
前記第1および第2の折り線(F1、F2)は、前記ガード(1)を第1の側領域(17)、第2の側領域(19)および中央領域(21)に分割し、前記第1の折り線(F1)は前記第1の側領域(17)と前記中央領域(21)との間に画定され、前記第2の折り線(F2)は前記中央領域(21)と前記第2の側領域(19)との間に画定され、前記第1の側領域(17)は、前記第1の折り線(F1)に沿って前記中央領域(21)上へ折り畳まれるように構成され、
前記第2の側領域(19)は、前記第1の側領域(17)が前記第2の側領域(19)と少なくとも部分的に重なって第1の重なり領域(31)を形成するように、前記第2の折り線(F2)に沿って前記中央領域(21)上へ折り畳まれるように構成されている、ステップと、
前記第1および第2の領域(17、19)の少なくとも1つにおいて、失禁ガード(1)の衣服対向側に固定材料(14)を提供するステップであって、前記固定材料(14)は、少なくとも部分的に前記第1の重なり領域(31)に配設される、ステップと、
を含む、方法。
【請求項36】
第3の折り線(F3)を形成して前記第3の折り線(F3)の下方に下端領域(23)を画定するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つはエンボス加工によって形成されている、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記ガード(1)は前記ガードの前記中央領域(21)に追加の層を含み、前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは前記追加の層の縁によって形成されている、請求項35から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記追加の層は、追加の吸収層、フィルム、または補強層を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは、前記固定材料(14)の縁によって形成されている、請求項35から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記方法は、
前記第1の折り線(F1)に沿って前記中央領域(21)の上に前記第1の側領域(17)を折り畳むステップと、
前記第1の側領域(17)が少なくとも部分的に前記第2の側領域(19)との第1の重なり領域(31)を形成するように、前記第2の折り線(F2)に沿って前記中央領域(21)および前記第1の領域(17)の上に前記第2の側領域(19)を折り畳むステップと、
任意選択で、前記第1および第2の側領域(17、19)の少なくとも1つと重なって、少なくとも部分的に前記第1および第2の側領域の少なくとも1つとの第2の重なり領域(33)を形成するように、第3の折り線(F3)に沿って下端領域(23)を折り畳むステップと、
をさらに含む、請求項35から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記第3の折り線(F3)に沿って前記下端領域(23)を折り畳むステップは、
前記第1および第2の側領域(17、19)をそのそれぞれの第1および第2の折り線(F1、F2)に沿って折り畳む前、
前記第1および第2の側領域(17、19)をそのそれぞれの第1および第2の折り線(F1、F2)に沿って折り畳んだ後、または
前記第1の側領域(17)を前記第1の折り線(F1)に沿って折り畳んだ後かつ前記第2の側領域(19)を前記第2の折り線(F2)に沿って折り畳む前、
に実行される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記方法は、前記折り畳まれたガード(1)をパッケージに入れるステップをさらに含む、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
請求項1から34のいずれか一項に記載の男性用失禁ガード(1)と、
使用後、廃棄前に、少なくとも前記第1および第2の折り線(F1、F2)に沿って前記ガード(1)を折り畳むようにユーザに指示する一組の指示と、
を含むキット。
【請求項45】
前記ガード(1)は、少なくとも前記第1および第2の折り線(F1、F2)に沿って事前に折り畳まれている、請求項44に記載のキット。
【請求項46】
前記ガード(1)はパッケージで提供されている、請求項44または45に記載のキット。
【請求項47】
前記ガード(1)は、固定材料の少なくとも1つの領域を覆うための取外し可能なプロテクタをさらに含む、請求項44から46のいずれか一項に記載のキット。
【請求項48】
前記指示は、パッケージ、前記バックシート(3)、指示フォルダ、および/または取外し可能なプロテクタ上に提供されている、請求項44から47のいずれか一項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、男性用失禁ガードおよびこのような男性用失禁ガードを製造するための方法に関する。本開示はさらに、男性用失禁ガードを含むキットに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば失禁ライナー、乳児用おむつおよび衛生用ナプキンの形態の使い捨て吸収性物品がよく知られている。このような吸収性物品の一般的な目的は、さまざまなタイプの身体滲出液を吸収、分配、および貯蔵する一方、吸収性物品の使用中に着用者に高レベルの快適性および乾燥感を提供することである。このような吸収性物品はまた、このような身体滲出液によって汚れることから着用者の衣服を保護するように構成されている。
【0003】
失禁用物品の形態の吸収性物品は、尿漏れに対して着用者を保護するように最適化されている。男性着用者用に特別に構成された失禁ガードは一般に、望まない尿漏れに対して保護するように生殖器を覆うように設計されている。おむつは、かさばり、非個別的で、従来の衣服での使用に不適切であると見なされ得るため、多くのユーザ、特に他に身体的障害のないユーザは一般に、おむつの形態の失禁ガードを用いることを好まない。代わりに、失禁によって引き起こされる不便なく通常のライフスタイルを維持することができるよう、軽失禁の男性を対象とした特別な男性用失禁ガードが開発されてきた。このような失禁ガードは、着用時に吸収性物品内へ放出されると予想される流体を吸収するために十分な吸収能力を備えて設計することができる。
【0004】
男性用失禁ガードは、下着内に着用して尿漏れを吸収するように意図されている。このようなガードは一般に男性器官を覆うように成形され、固定手段ありまたはなしで、下着の内表面に対して配置することができる。使用後、この物品は、下着から除去され、新たな物品と交換され(必要に応じて)、廃棄される。
【0005】
軽失禁用物品は一般に、ユーザにとっての裁量を念頭に置いて設計されている。物品の色、形状およびサイズ、および包装はしたがって、所望の吸収性を提供し、安心感を提供し、着用者によって個別に用いることができる物品を提供するように変化する。
【0006】
WO2010/071517は、前部横方向縁部が後部横方向縁部より長い本体を含む男性用失禁ガードを記載している。この男性用失禁ガードはさらに、縦方向中心線Yを中心とする中央部分と、中央部分の両側に対称に配置された少なくとも第1の側部分および第2の側部分と、を有する。ガードの衣服対向表面は、上記側部分に位置して上記ガードをユーザの衣服に固定するように配置された少なくとも2つの接着ゾーンを含む。第1および第2の側部分は、上記縦方向中心線Yに向かって中央部分の身体対向表面上へ折り畳まれる。折り畳み状態において、接着ゾーンは、剥離材料の単一のストリップによって覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2010/071517
【特許文献2】WO2010/085492
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
快適で、吸収性があり、個別の男性用失禁ガードを提供する努力にもかかわらず、物品の安全性および裁量を改善する必要性が依然としてあるということがわかってきた。特に、下着内の所定の位置に物品をより良好に固定する必要性、および男性用洗面所には普通であるが、衛生用廃棄設備がすぐに利用可能でない場合でも、個別の方法で廃棄することができる物品を提供する必要性がある。
【0009】
使用後に廃棄のため便利かつ直感的に折り畳むことができる、男性用失禁ガードのような、使い捨て衛生物品を提供することが所望される。
【0010】
漏れを防止する、安全で、快適な、体にフィットする男性用失禁ガードを提供することが所望される。
【0011】
さらに他の要望は、下着に固定することができ、同時に着用者に快適で安全であると感じさせる、柔軟な男性用失禁ガードを提供することである。
【0012】
さらに他の要望は、使用中に角が折り返されることなく、ガードが下着内の所定の位置にしっかりと留まる男性用失禁ガードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明の第1の態様において、流体不透過性バックシートと、ガードの身体対向表面を形成する流体透過性トップシートと、上記バックシートと上記トップシートとの間に配置された吸収体と、を含む男性用失禁ガードが提供される。ガードは、縦軸に沿った縦方向伸長部および横軸に沿った横方向伸長部を有する。縦軸はガードを左および右部分に分割し、横軸はガードを上部および下部に分割する。上部は、横軸に平行な方向における横方向における最大伸長部が、下部の横方向における最大伸長部より大きい。
【0014】
ガードはさらに、第1の側領域、第2の側領域、ならびに横方向において上記第1および第2の側領域間に位置する中央領域に分割される。第1の側領域と中央領域との間には第1の折り線が設けられ、中央領域と第2の側領域との間には第2の折り線が設けられている。第1の側領域は、第1の折り線に沿って中央領域上へ折り畳まれるように構成され、第2の側領域は、第2の折り線に沿って中央領域上へ折り畳まれるように構成されて、第1および第2の側領域がそれぞれの折り線に沿って折り畳まれたとき、第1の側領域が第2の側領域と少なくとも部分的に重なって第1の重なり領域を形成する。
【0015】
第1および第2の折り線は、事前形成された、または所定の折り線である。折り線は、物品が事前に折られている線を含むことができ、またはこれらは、物品の構造によって折り畳みが容易になる所定の線を含むことができる。
【0016】
第1および第2の側領域の少なくとも1つは、失禁ガードの衣服対向表面(たとえばバックシート)上に固定材料を含み、固定材料は、第1の重なり領域に少なくとも部分的に配設されている。固定材料は、ガードのトップシートに固定されるように構成され、トップシートおよび固定材料はこれに応じて選択される。
【0017】
上の構成の結果として、物品の衣服対向表面上に配置された固定材料を用いて、(i)物品を下着の内側にしっかりと所定の位置に固定すること、ならびに/または(ii)第1および第2の側領域を一緒に固定して使用後に物品の吸収面を覆うことができる。
【0018】
固定材料は、第1および第2の側領域が第1および第2の折り線に沿って折り畳まれたとき、第1および第2の側領域を互いに第1の折り畳み構成に固定するように構成することができる。男性用失禁ガードを使用後に折り畳んで固定するのがより容易になるため、第1の重なり領域に少なくとも部分的に配設されている固定材料は、着用者の観点から有利である。容易な折り畳みおよび固定の結果として、本開示による男性用失禁ガードは、後で廃棄する前、たとえば、男性用洗面所環境にはあまり存在しない、適切な廃棄設備をユーザが利用できるまで、折り畳み構成に固定することができる物品に対する要求を満たすことができる。
【0019】
第1の側領域の最外縁と第1の折り線との間に第1の距離D1を定義することができ、第2の領域の最外縁と第2の折り線との間に第2の距離D2が定義される。第1および第2の折り線間に第3の距離D3を定義することができ、D1 + D2 > D3である。距離D1、D2、およびD3は、横方向において測定される。このような構成により、物品の第1および第2の側領域間に、横方向において、重なりの領域を確実に存在させることができる。
【0020】
第1の重なり領域は、横方向において少なくとも10mm、より好ましくは横方向において少なくとも20mm、より好ましくは横方向において少なくとも25mmとすることができる。
【0021】
第1の重なり領域における固定材料は、第1の重なり領域の面積の少なくとも30%、より好ましくは第1の重なり領域の少なくとも50%、より好ましくは第1の領域面積の少なくとも70%を覆う面積を有することができる。この目的のため、固定材料は、固定材料の連続エリア、固定材料のパターン化された領域、または固定材料の複数の別個の島として構成することができる。
【0022】
有利なことに、第1の折り畳み構成において、第1および第2の側領域は、ガードの上部においてガードの吸収面を実質的に完全に覆うことができる。ガードの吸収面はたとえば、トップシート、および吸収体(コア)および/または任意選択の、追加の液体取得層のような任意の下にある材料であり得る。この配置により、物品が折り畳み構成にあるときに物品の湿潤部分が確実に覆われるようにすることができる。
【0023】
上述の利点は、第1および第2の側領域の一方のみに設けられる固定材料で提供することができるが、第1および第2の側領域の両方が衣服対向表面上に固定材料を含むことが好ましい。固定材料を両側に設けることによって、物品を下着内に両側でしっかりと保持することができ、折り線に沿って折り畳むと、第1または第2の側領域が最初に折り返されるかに関係なく、側領域を一緒に固定することができる。
【0024】
少なくともいくつかの実施形態において、第1および第2の折り線は互いに平行である。第1および第2の折り線は、縦軸に平行に、縦方向に延在することができる。代替の実施形態において、第1および第2の折り線は、上方向に(物品の下縁から上縁に向かって)延在するにつれて互いから離れて広がることができる。
【0025】
第1および第2の折り線は、縦軸を中心として対称に配置することができる。折り線を対称に配置することにより、使用中に物品をユーザの器官に適合させる方法、および使用後に廃棄のため物品を折り畳んで固定することができる直感性を改善することができる。
【0026】
物品、すなわち失禁ガードは、好ましくは横方向に延在する第3の折り線を含んで、第3の折り線の下方に下端領域を画定することができる。第3の折り線は、第1および第2の側領域上へ折り畳まれるべき追加の領域を提供することができ、この結果、吸収性表面のどの部分も露出しない、閉じた、折り畳まれたパッケージが得られ、これはしたがって便利に廃棄することができる。
【0027】
第3の折り線は、物品が第1の折り畳み構成にある(第1および第2の側領域が第1および第2の折り線に沿って折り畳まれている)とき、第3の折り線に沿って下端領域を折り畳んで、下端が第2の重なりの領域において第1および第2の側領域と少なくとも部分的に重なる第2の折り畳み構成を形成することができるように構成することができる。第2の重なりの領域により、下端領域を第1および/または第2の側領域に固定して物品を第2の折り畳み構成に維持することが可能になる。この目的のため、第1および第2の側領域上の固定材料は好ましくは、少なくとも部分的に第2の重なり領域に延在するように提供される。第2の重なり領域における固定材料は、第1および第2の側領域に延在する同じ固定材料とすることができるが、追加の固定材料を設けることもできる。
【0028】
有利には、ガードが第2の折り畳み構成にある(両側領域および下端領域が第1、第2および第3の折り線に沿って折り畳まれている)とき、ガードの吸収性表面は実質的に完全に覆われている。
【0029】
第1および第2の重なり領域は、少なくとも部分的に互いに重なることができる。しかしながら、第1の重なり領域の外側にある領域において下端領域と第1および第2の側領域の少なくとも1つとの間に重なりの領域を設けることができるということが理解されよう。
【0030】
第3の折り線は、ガードの下部、たとえば横軸の下方で横方向に延在することができる。しかしながら、第3の折り線は、横軸に沿って、または横軸の上方に延在することができるということが理解されよう。第3の折り線は、横軸と平行に、または角度を付けて延在することができる。
【0031】
第3の折り線は第1および第2の折り線に垂直とすることができ、ならびに/またはこれは第1および第2の折り線の一方もしくは両方と交差することができる。折り線は直線でも曲線でもよく、失禁ガードのサイズ、形状、および構成に基づいて正確な構成を選択することができる。
【0032】
折り線は多くの形態をとることができる。折り線は、物品を事前に折り畳むことによって、または物品を折り畳むことができる柔軟性が向上した領域を提供するように構成された構造的特徴によって提供することができる。上記のように、折り線は、使用後に物品を折り畳むことができる所定の線を提供する。折り線はしたがって、コアによって、またはバックシート、固定材料、または物品における追加の層によって提供することができる。コアに形成される折り線は、たとえば、より低い目付を有するコアにおける圧縮線、エンボス領域、スコアライン、チャネルなどを含むことができる。あるいは、折り線は、たとえば、固定材料領域の縁、固定材料の2つの領域間の空間(固定材料が存在しない)によって、または追加の吸収性層、フィルムまたは補強層のような、物品に組み込まれた追加の層の縁によって形成することができる。溶接線(たとえば超音波溶接線)も、本開示の文脈での使用に適した折り線を提供することができる。
【0033】
折り線は連続的でも不連続的でもよい。不連続とは、折り線が複数の別個の折り線部分、たとえば破線の圧縮またはエンボス線を含むことができるということを意味する。
【0034】
固定材料は、ガードのトップシートを係合してガードを折り畳み構成に固定するように構成されている。固定材料およびトップシート材料はしたがって、固定材料がトップシート材料に確実に固定するように選択することができる。固定材料は、特に使用後にガードを折り畳み構成に保持することができるように、トップシート材料を係合すべきである。
【0035】
固定材料は、フックパッチのような機械的固定材料とすることができる。バックシート上に一体的にフック領域を設けることもできる。機械的固定用の係合面をバックシート上に設けるため、トップシートは、織布、不織材料、スパンボンド材料、カード式材料、スパンレース材料、または上記の組み合わせのような、フック固定を係合するように構成された材料を含むことができる。
【0036】
固定材料はまた接着剤を含むことができ、トップシートは、接着剤を係合してガードを折り畳み構成に固定するように構成された材料で形成することができる。適切な材料は、ポリオレフィン有孔フィルム、ラミネートまたはこれらの組み合わせを含む。接着固定を機械的固定と組み合わせることもできる。
【0037】
バックシートは、単一の液体不透過性層を含むことができ、または複数の層、たとえば多層構造を含むことができる。バックシートは、使用中はユーザから離れる方を向いており、吸収性物品の身体対向トップシート層の反対側にある。バックシートは、液体不透過性または流体忌避構造とすることができる。バックシート材料は、フィルム、不織布またはそのラミネート、または発泡体のような、通気性または非通気性材料のものとすることができる。バックシートは、液体バリアフィルムおよび互いの上に配置された不織層を含むラミネート構造を有することができ、不織層は、着用時に吸収性物品の着用者から離れた外側に配置される。バックシートは任意の方向に弾性とすることができる。
【0038】
フィルムは、熱可塑性ポリマー、たとえばPETのようなポリエステルまたはポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポリオレフィン、またはこれらの混合物のものとすることができる。これは、単層フィルムまたは多層フィルムとすることができる。
【0039】
不織布は、熱可塑性ポリマー材料繊維またはフィラメント、たとえばPETのようなポリエステルまたはポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポリオレフィン、またはこれらの混合物のものとすることができる。不織布は、スパンボンディング、エアレイイング、メルトブローイングまたは結合カード式ウェブ形成プロセスのような、さまざまな異なるプロセスによって形成することができる。不織層は、ポリプロピレンのSMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)またはSS(スパンボンド/スパンボンド)不織材料またはポリプロピレンおよびポリエチレンの二成分繊維、またはこのような材料の組み合わせで作製することができる。
【0040】
熱可塑性フィルム材料のようなプラスチック材料の液体バリアフィルムを形成することにより、液体バリアシートの特に良好な印刷適性が可能になる。
【0041】
液体バリアフィルムは、単一の層からなる、または複数の層、たとえば、2つ以上の層、3つ以上の層、または4つ以上の層を備えたラミネート構造を有することができる。ラミネート構造の層は、たとえば、熱封止、超音波溶接のような超音波結合、接着剤、スティッチングなどのような、熱および/または機械的結合によって、互いにラミネート、結合または取り付けすることができる。
【0042】
液体バリアフィルムは、通気性微多孔性フィルムとすることができる。微多孔性フィルムは、少なくとも2つの基本的な成分、すなわち熱可塑性エラストマーポリオレフィンポリマーおよび充填剤を含む材料で作製することができる。これらの成分および、いくつかの実施形態において、追加の他の成分を一緒に混合し、加熱して続いてキャストエンボス加工、チルおよびフラットキャスト、およびブローンフィルムプロセスのような、さまざまなフィルム製造プロセスのいずれか1つを用いて単層または多層フィルムに押し出すことができる。
【0043】
バックシートが複数の層または多層ラミネートを含む場合、最外層(使用中に衣服対向表面を提供する)が固定材料を含む。
【0044】
トップシートはまた、単一の層または複数の層、たとえば多層ラミネートを含むことができる。トップシートが複数の層または多層ラミネートを含む場合、最外層(使用中に身体対向表面を提供する)が、固定材料を係合するように構成された材料を含む。
【0045】
トップシートは、排出された体液がその厚さを浸透することが可能になるのに十分な液体透過性とすることができる流体透過性身体対向構造である。トップシートは、着用者の皮膚にとって順応性があって柔らかな感触の材料から適切に製造することができる。トップシートは、単一の層からなり、または複数の層、たとえば、2つ以上の層を含むラミネート構造を有することができる。層は同じ材料で作製することができ、またはいくつかまたはすべての層を異なる材料で作製することもできる。
【0046】
トップシート材料は、不織布、フィルムまたはそのラミネートまたは発泡体のものとすることができる。材料は、熱可塑性合成または天然繊維、またはこれらの混合物のものとすることができる。天然繊維はたとえば綿またはパルプ繊維とすることができ、合成繊維はたとえばPETのようなポリエステルまたはポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポリオレフィン、またはこれらの繊維の組み合わせのものとすることができる。不織布は、スパンボンディング、エアレイイング、メルトブローイングまたは結合カード式ウェブ形成プロセスのような、さまざまな異なるプロセスによって形成することができる。不織層は、ポリプロピレンのSMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)またはSS(スパンボンド/スパンボンド)不織材料またはポリプロピレンおよびポリエチレンの二成分繊維、またはこのような材料の組み合わせで作製することができる。
【0047】
トップシート層は、有孔でも無孔でもよく、構造の液体排出を改善する親水性特性を付与されていてもよい。トップシートは、5~40g/m2の範囲の目付を有することができる。
【0048】
吸収性コア、すなわち本体は、トップシートとバックシートとの間に設けられて、トップシートを通過した尿または他の体液のような液体を吸収する。吸収性コアは、セルロースフラッフパルプ、発泡体、繊維詰め物などの1つまたは複数の層のような、任意の適切な吸収性または液体取り込み材料から作製される、1つの層のみで作製することができる。
【0049】
吸収性コアは、適切な量の超吸収性粒子を含むことができる。このような超吸収性材料は、吸収性物品の分野でよく知られており、ヒドロゲルの形成時に大量の流体を吸収することができる水膨潤性および水不溶性材料によって構成されている。吸収性コアは、吸収性ポリマー材料の繊維または粒子の形態の超吸収性材料を含むことができる。たとえば、超吸収性材料は、表面架橋され、部分的に中和されたポリアクリレートとすることができる。さらに、コアカバーがコアを取り囲むことができ、5~20g/m2の目付の不織材料で作製することができる。
【0050】
超吸収性材料、たとえば、超吸収性繊維または粒子は、セルロースフラッフパルプのような、他の吸収性もしくは液体取り込み材料と混合され、および/または吸収性コアにおけるポケットもしくは層に配置することができる。
【0051】
吸収性コアは、吸収性コアの特性を改善するための成分をさらに含むことができる。たとえば、吸収性コアは、結合剤繊維のような結合剤を含むことができる。
【0052】
取得および分配層(ADL)を吸収性コアとトップシートとの間に配置することができる。取得層は、吸収性コアによって吸収される前に、排出された液体を迅速に受け取り、一時的に貯蔵するように適合させることができる。
【0053】
さらに、当業者によって知られているように、吸収性物品のさまざまな層を接着材料によって取り付けることができる。
【0054】
追加の固定材料を第1の重なり領域の外側、たとえばガードの第1および第2の領域またはガードの中央領域に設けて、ユーザの下着内にガードを固定するための固定面を設けることができる。追加の固定材料も、バックシートに一体的に設けられたフックパッチまたはフック領域のような、接着剤または機械的固定材料とすることができる。
【0055】
有利なことに、第1および第2の折り線は実質的に固定材料がない。第1および第2の折り線(および任意選択で第3の折り線)を固定材料がない状態にしておくことにより、所定の折り線に沿った物品の折り畳みを容易にすることができる。
【0056】
本発明の第2の態様において、男性用失禁ガードを製造するための方法が提供される。この方法は、流体不透過性バックシート、流体透過性トップシート、およびバックシートとトップシートとの間に配置された吸収体を用意するステップと、上記ガードに第1の折り線および第2の折り線を形成するステップであって、第1および第2の折り線は、ガードを第1の側領域、第2の側領域および中央領域に分割し、第1の折り線は第1の側領域と中央領域との間に画定され、第2の折り線は中央領域と第2の側領域との間に画定される、ステップと、を含む。第1の側領域は、第1の折り線に沿って中央領域上へ折り畳まれるように構成され、第2の側領域は、第2の折り線に沿って中央領域上へ折り畳まれて、第1の側領域が第2の側領域と少なくとも部分的に重なって第1の重なり領域を形成するように構成されている。この方法によれば、第1および第2の領域の少なくとも1つにおいて固定材料がバックシート上に設けられ、少なくとも部分的に第1の重なり領域に配設される。
【0057】
この方法は、第3の折り線を形成して第3の折り線の下方に下端領域を画定するステップをさらに含むことができる。第3の折り線は、下端領域を折り畳んで第1および第2の側領域の少なくとも1つと重ねることができる所定の線を提供するように構成されている。
【0058】
第1、第2、および第3の折り線の1つまたは複数は、物品の吸収性コアをエンボス加工または圧縮することによって、またはコアの隣接領域より低い目付を含むチャネルをコアに設けることによって形成することができる。
【0059】
第1、第2、および第3の折り線の1つまたは複数は、ガードの中央領域における追加の層によって形成することができ、折り線は、追加の層の縁によって形成される。追加の層は、追加の吸収層、フィルム、または補強層を含むことができる。
【0060】
第1、第2、および第3の折り線の1つまたは複数は、固定材料の縁、または固定材料が存在しないスペースによって形成することができる。
【0061】
この方法は、折り線に沿って物品を折り畳み、任意選択で、折り畳まれた物品をパッケージに入れるステップをさらに含むことができる。物品は、個別のパック、たとえば単一の包装に、さらにマルチパックとも呼ばれる外側/流通ボックスに入れることができる。あるいは、マルチパックとも呼ばれる外側/流通ボックスに直接梱包することもできる。
【0062】
物品を折り畳むステップは、第1の折り線に沿って中央領域の上に第1の側領域を折り畳むステップと、第2の折り線に沿って中央領域および第1の領域の上に第2の側領域を折り畳んで、第1の側領域が少なくとも部分的に第2の側領域との第1の重なり領域を形成するようにするステップと、任意選択で、第3の折り線に沿って下端領域を折り畳んで第1および第2の側領域の少なくとも1つと重なって少なくとも部分的に第2の重なり領域を形成するステップと、を含むことができる。第3の折り線に沿って下端領域を折り畳むステップは、第1および第2の側領域をそのそれぞれの第1および第2の折り線に沿って折り畳む前、第1および第2の側領域をそのそれぞれの第1および第2の折り線に沿って折り畳んだ後、または第1の側領域を第1の折り線に沿って折り畳んだ後かつ第2の側領域を第2の折り線に沿って折り畳む前、に実行することができる。このように側領域および/または下端領域をトップシートの上に折り畳むことができ、使用中に身体滲出液を受け取る吸収性物品の身体対向側が覆われる。
【0063】
男性用失禁ガードのユーザが直面する課題の1つは、使い捨て衛生物品の使用およびこれを廃棄する方法に慣れていないことである。したがって本開示に関連する利点がユーザにとって直感的となる使い捨て男性用失禁ガードを提供することが望ましい。便利かつ衛生的な方法で本開示に従って物品を折り畳んで廃棄するようにユーザを案内するため、上述のような男性用失禁ガードと、使用後、廃棄前に物品を折り畳むようにユーザを案内する一組の指示またはイラストと、を含むキットを提供することができる。このような指示は、物品上に(たとえばその衣服対向表面上に)、物品が提供されるパッケージ、または取外し可能なプロテクタ、たとえば物品の固定材料を覆うプロテクタに印刷することができる。
【0064】
さらに、失禁ガードは、少なくとも第1および第2の折り線に沿って事前に折り畳まれていてもよい。
【0065】
本開示による使い捨て衛生物品のさらなる目的、特徴、および利点は、以下の説明および添付の図面から明らかになるであろう。本明細書に記載の製造の方法の目的、特徴、および利点も明らかになるであろう。
【0066】
次に添付の図面に示すいくつかの非限定的な例示的な実施形態を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本開示による男性用失禁ガードの平面図を概略的に示す図である。
【
図2】
図1における線A-Aに沿った断面図を概略的に示す図である。
【
図3】第1の折り畳み構成における
図1の男性用失禁ガードの平面図を概略的に示す図である。
【
図4】第3の折り線を含む、
図1の男性用失禁ガードの平面図を概略的に示す図である。
【
図5】第2の折り畳み構成における
図4の男性用失禁ガードを概略的に示す図である。
【
図6】本開示の他の一実施形態による男性用失禁ガードの平面図を概略的に示す図である。
【
図7】本開示のさらに他の一実施形態による男性用失禁ガードを概略的に示す図である。
【
図8】本開示の第2の実施形態による線A-Aに沿った断面図を概略的に示す図である。
【
図9A】使用後に本開示に従って失禁ガードを折り畳むためのステップを概略的に示す図である。
【
図9B】使用後に本開示に従って失禁ガードを折り畳むためのステップを概略的に示す図である。
【
図9C】使用後に本開示に従って失禁ガードを折り畳むためのステップを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
特定の実施形態に関していくつかの図面を参照して本開示を説明するが、本開示はこれに限定されず請求項によってのみ限定される。記載の図面は単に概略的なものであり、非限定的である。図面において、要素のいくつかのサイズは誇張されており、例示の目的のため縮尺どおりに描かれていないことがある。寸法および相対寸法は、本開示の実施に対する実際の縮小に必ずしも対応するわけではない。
【0069】
さらに、説明および請求項における第1、第2、第3などの用語は、類似の要素間を区別するために用いられ、必ずしも連続的または時系列の順序を説明するためのものではない。これらの用語は適切な状況下で交換可能であり、本開示の実施形態は、本明細書に記載または例示されている以外の順序で動作することができる。
【0070】
さらに、さまざまな実施形態は、「好ましい」と呼ばれるが、本開示の範囲を限定するものとしてではなく、本開示を実施することができる例示的な方法として解釈されるべきである。
【0071】
請求項において用いられる「comprising(含む)」という用語は、その後に列挙される要素またはステップに限定されるとして解釈されるべきではなく、他の要素またはステップを除外するものではない。これは、述べられた特徴、整数、ステップまたは構成要素の存在を言及されたように特定するものとして解釈される必要があるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップまたは構成要素、またはこれらの群の存在または追加を排除するものではない。したがって、「AおよびBを含む装置」という表現の範囲は、構成要素AおよびBのみからなる装置に限定されるべきではなく、本開示に関して、装置の挙げられた構成要素はAおよびBのみであり、さらに請求項はこれらの構成要素の同等物を含むものとして解釈されるべきである。
【0072】
「対称的」という用語は、完全に対称的な物品および完全に対称的な形態からのわずかな逸脱を含むことができる実質的に対称的な物品を包含するように意図されている。
【0073】
同封の図面を参照して本開示の異なる態様を以降により完全に説明する。しかしながら、本明細書に開示される実施形態は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載される態様に限定されるとして解釈されるべきではない。
【0074】
図1は、男性用失禁ガード1の上からの平面図を示す。男性用失禁ガード1は、男性ユーザの軽い尿漏れを吸収するように設計および最適化された失禁保護物品である。この理由のため、以下で詳細に説明するように、失禁ガードは、乾燥した、快適で無臭の感覚を着用者に提供するため、着用者から尿を迅速に逃がすための吸収性構造に基づいている。本明細書に記載の実施形態は一般に使い捨て男性用失禁ガードに言及し、これは、ガードが男性器官に特別に適合され、使用後に洗濯または他の方法で復元されるように意図されないことを意味する。
【0075】
図1に示すように、失禁ガード1は、縦軸Y1に沿った縦方向伸長部および横軸X1に沿った横方向伸長部を有する。縦軸Y1はガード1を第1の部分4(
図1に示すような左手部分)および第2の部分6(
図1に示すような右手部分)に分割する。縦軸Y1は好ましくはガード1を、横方向xで測定して、等しい幅の2つの半分に分割する。ガードの全幅はW
1である。
【0076】
横軸X1はガード1を上部9および下部11に分割する。横軸X1は上部9および下部11を分割し、これらは好ましくは、縦方向に測定したとき、等しい長さである。ガード1の全長はL1である。
【0077】
上部9は、下部11の最大横方向伸長部より大きな横方向x(横軸X1に平行)で測定された最大伸長部を有する。これは、
図1に示すように、ガードが上部でその最大幅を有し、実質的に逆三角形状を提供していることを意味する。使用中、上部9は、失禁ガード1の使用中に着用者の腹部に向かって上向きに配向されるように意図されている一方、下部11は、使用中に着用者の生殖器を覆うように下を向くように意図されている。これは、たとえば、失禁ガード1の角および側を、
図1に示すように、多かれ少なかれ丸くすることができることを意味する。
【0078】
図1に示す実施形態による失禁ガード1は、縦軸Y1に関して対称である。また、ガード1は、横方向に測定したときの最も広い点から下部における点へと先細りしている、先細り形状を有する。最も広い点の下方で、ガード1は略直線の側を備えている。代替の一実施形態において、下部11の側は凸状とすることができ、すなわち一般に内側に湾曲することはない。換言すれば、下部11の側は、縦軸Y1に対してわずかに外側に湾曲していてもよい。
【0079】
図1に示すように、ガード1は、第1の折り線F1および第2の折り線F2を含む。第1および第2の折り線は、ガードを第1の側領域17、第2の側領域19、および第1および第2の側領域の間の中央領域21に分離する。
図1に示す実施形態において、第1および第2の折り線は、縦軸を中心に互いに対して対称に配置されている。しかしながら、次の説明から理解されるように、第1および第2の折り線間の対称性は、本開示に関連する利点を得るために必須ではない。
【0080】
第1および第2の折り線F1、F2は、所定の折り線である。すなわち、第1および第2の折り線は、物品の折り畳みを容易にする線であり、物品は折り線に沿って優先的に折り畳まれるようになる。折り線F1、F2は、物品を事前に折り畳むことによって、または物品を折り畳むことができる柔軟性が向上した領域を提供するように構成された構造的特徴によって提供することができる。
【0081】
第1および第2の側領域17、19には固定材料14が配設されている。固定材料14は、バックシートの衣服対向表面上に設けられている。バックシートは、単一の層、または複数の層、たとえば多層ラミネートを含むことができる。バックシート3が複数の層を含む場合、バックシート3の衣服対向表面が固定材料14を含む。
【0082】
第1および第2の側領域17、19に固定材料を設けることにより、複数の利点が提供される。たとえば、最も広い点またはその近くにある、物品の外縁領域における固定材料は、物品の外側の角をユーザの下着に固定することができ、これによって使用中に物品の角が折り返される危険性が最小化される。第1および第2の折り線F1、F2の外側に固定材料を配置することにより、固定材料は、折り線F1、F2に沿って中央領域21上へ折り畳まれたとき、第1および第2の側領域17、19を確実に一緒に固定することができる。
【0083】
第1および第2の折り線は、吸収性コア7に形成することができる。
図1に示す第1および第2の折り線F1、F2は、圧縮線、吸収性コア7におけるエンボス線、またはコア7の周囲領域と比較してより低い目付のチャネルを含むことができる。あるいは、第1および第2の折り線F1、F2は、固定材料の縁(たとえば固定材料14がフック材料であるとき)または追加のコア層の縁のような追加の層の縁によって提供することができる。
【0084】
固定材料はまた、所定の領域においてバックシートから直接形成された一体型フックとして提供することができる。このような例においてフック領域の縁が折り線を提供することができる。本開示に従って折り線を提供することができるバックシートから一体型フックを形成する方法が、WO2010/085492に記載されており、その開示を参照により本明細書に組み込む。
【0085】
図1に示すように、ガードは略三角形状を有し、任意選択でユーザの下着内により良好にフィットするように丸まったまたは先を切った角を含むことができる。
【0086】
ガード1は、第1の側部4が第1の(左)上部コーナー領域を含み、第2の側部6が第2の(右)上部コーナー領域を含むように構成されている。第1の上部コーナー領域は、第1の上部コーナー10および第1の下部コーナー18を含む。第2の上部コーナー領域は、第2の上部コーナー20および第2の下部コーナー28を含む。上部および下部コーナーは、ガード1の上部に丸まった形状を提供する。第1および第2の側領域17、19のそれぞれは、追加のコーナー点をさらに含むことができる。上部および下部コーナー点を設けることによって、ガードの上部9における形状を、標準的な下着内にフィットするように調整することができる。
【0087】
図1に示す実施形態において、下部コーナー点18、28は、失禁ガード1の最外点を画定する。
図1に示すように、下部コーナー点18、28間の距離、すなわち失禁ガード1の最大幅は、第1の幅W
1によって定義することができ、上部コーナー点10、20間の距離は、第2の幅W
2によって定義することができる。
図1に示す実施形態において、W
2は中央領域21に対応する。しかしながら、上部コーナー点10、20は、幅W
2が中央領域21より大きくまたは小さくなるように構成することができるということを当業者は理解するであろう。
【0088】
第1の幅W1の値と第2の幅W2の値との間の比は、30~80%の範囲、好ましくは40~75%の範囲にある。第1の幅W1および第2の幅W2の測定に関して、第1の幅W1は110~280mmの範囲にあるということが留意され得る。また、第2の幅W2は50~151mmの範囲にある。
【0089】
第1の下部コーナー点18および第1の上部コーナー点10は、本実施形態によれば外向きでわずかに丸まった形状を有することができる第1の外側縁27によって接続することができる。第1の下部コーナー点18および第1の上部コーナー点10を通って延在する仮想直線16も画定することができる。同様の方法で、第2の下部コーナー点28および第2の上部コーナー点20は、外向きでわずかに丸まった形状を有することができる第2の外側縁29によって接続することができる。第1および第2の外側縁27、29は、横軸X1の方向に沿って、すなわち上部コーナー点10、20から下部コーナー点18、28まで外向きに延在することができる。
【0090】
ガードは上縁22によって囲まれている。上縁はガードの最上範囲を画定する。ガード1の上縁22と横軸X1との間で、ガードはその最も広い点を含み、これは幅W
1を有する。最大横幅の点より下方で、ガードは点24へと先細りしている。上縁22において、内側に凹んだ湾曲部分26を設けることができる。
図1に示す実施形態を参照して、内側に凹んだ湾曲部分26は、60~1400mmの範囲、好ましくは120~500mmの範囲の半径を有するということが留意され得る。
【0091】
仮想直線16と縦軸Y1または上記縦軸Y1に平行な軸との間に角度αを定義することができる。角度αは、
図1に示すように、仮想直線16と上部9の外側の縦軸Y1に平行な軸の交点間に定義することができる。角度αは、仮想直線16と下部11の外側の縦軸Y1の交点間に定義することができる(図示せず)。角度αは、12~78°の範囲、好ましくは22~68°の範囲とすることができる。本実施形態によれば、第2の下部コーナー点28および第2の上部コーナー点20を通って延在する追加の仮想直線(図示せず)と、縦軸Y1または上記縦軸Y1に平行な軸との間に同様の角度を定義することができる。
【0092】
さらに、失禁ガード1は、下部11の縁領域13に沿って配置された弾性要素35を含むことができる。弾性要素35は、失禁ガード1に取り付けられた弾性糸、弾性発泡体、または弾性ラミネートの形態とすることができる。弾性要素35は、失禁ガード1に取り付けられた弾性フィルムの形態とすることができるが、他の弾性手段が当業者には明らかであろう。
【0093】
図1に示すように、第1、17および第2、19の側領域の少なくとも1つは、ガード1の衣服対向表面上に固定材料14を含む。
図1に示す好ましい実施形態において、第1および第2の側領域の両方が固定材料14を含む。固定材料は、ガード1上の固定材料14が縦軸yを中心として対称に配置されるようにバックシート上に有利に配置することができる。
【0094】
固定材料は、第1および第2の側領域がそれぞれの第1および第2の折り線F1、F2に沿って折り返されると、固定材料が第1および第2の側領域17、19を互いに固定してガードを折り畳み構成(
図3参照)に保持するように作用するように、第1および第2の側領域17、19に配置されている。固定材料14は、以下でさらに詳細に議論するように、その特定の目的に適した任意の材料を含むことができる。
【0095】
図3は、第1の折り畳み構成における
図1の失禁ガード1を示し、第1および第2の側領域17、19は互いに重なって第1の重なり領域31を形成する。第1の重なり領域31は、横方向において少なくとも10mm、より好ましくは横方向において少なくとも20mm、より好ましくは横方向において少なくとも25mm延在することができる。すなわち、重なり領域31は、横方向xに延在する長さD
4を有する。
【0096】
第1の重なり領域31における固定材料14は、第1の重なり領域31の少なくとも30%、より好ましくは第1の重なり領域31の少なくとも50%、より好ましくは第1の重なり領域31の少なくとも70%を含む面積を有することができる。
【0097】
第1の折り畳み構成において、第1および第2の側領域17、19は、ガードの上部9においてガード1の吸収面を実質的に完全に覆うことができる。すなわち、ガードの上部において身体滲出液を受け取るように作用する使用中に着用者に面する側を指す、吸収性物品の身体対向側が覆われる。第1および第2の側領域17、19は、ガードの上部9を実質的に完全に覆うことができる。
【0098】
第1の側領域17および第2の側領域19の両方が、衣服対向表面上に固定材料14を含むことができる(
図1参照)。固定材料14は、横軸X1に平行な軸に沿って、好ましくはガードの最も広い部分を横切って延在することができる。固定材料14は、固定材料14の横方向における最大伸長部より大きな縦方向yにおける最大伸長部を有することができる。
【0099】
第1および第2の側領域17、19における固定材料14は、互いに対称かつ平行になるように配置することができる。さらに、固定材料14は、側領域17、19の面積に等しい面積に形成することができ、好ましくは関連する側領域17、19に吸収体7の一部の面積に等しい面積を有する(
図2参照)。
【0100】
第1の重なり領域31が確実に形成されるよう、特定の距離を定義することができる。したがって、第1の側領域17の最外縁と第1の折り線F1との間に第1の距離D1を定義することができ、第2の領域19の最外縁と第2の折り線F2との間に第2の距離D2を定義することができ、第1および第2の折り線F1、F2間に第3の距離D3を定義することができ、D1 + D2 > D3である。
【0101】
図1において第1および第2の折り線F1、F2は互いに平行であり、縦方向yに延在する。距離D
1、D
2、およびD
3はしたがって、縦方向の折り線F1、F2に垂直な横方向xにおいて測定される。
【0102】
距離D1、D2、およびD3は一緒に直線を形成し、横方向xに延在する。図示のように、D1 + D2 + D3はW1に等しくすることができ、これは上部の最大伸長部である。D1 + D2 > D3であるため、第1および第2の側領域が折り線F1、F2に沿って折り畳まれると、これらは互いに重なって重なりの領域を形成する。折り線が縦軸に平行でない方向に延在する例において重なりの領域が確実に形成されるように距離D1、D2、およびD3を選択することができるということが理解されよう。さらに、製品の厚さが厳しければ、第1の距離D1および第2の距離D2は、側領域が重なるように調整することができる。
【0103】
図1に示す例において、D
1 + D
2 + D
3 = W
1であり、かつD
3 < 1/2 * W
1である距離を定義することができる。他の一例において、第1の領域17の外縁は第1の上部コーナー点10とすることができ、第2の領域19の外縁は第2の上部コーナー点20とすることができ、D
1 + D
2 + D
3 = W
2であり、かつD
3 < 1/2 * W
2である距離を定義することができる。第1の側領域17の外縁は第1の側領域17のさらなるコーナー点とすることができ、第2の側領域19の外縁は第2の側領域19のさらなるコーナー点とすることができる。
【0104】
第1の幅W
1の値は110~280mmの範囲とすることができ、これはガードのサイズ(XS、S、M、L、XLなど)に依存し得る。一例は、第1の幅W
1 = 190mm、距離D
1 = 60mm、D
2 = 60mmおよびD
3 = 70mmで、第1の重なりが横方向xにおいて50mmという結果になるガード1である。他の一例は、第1の幅W
1 = 120mm、距離D
1 = 35mm、D
2 = 35mmおよびD
3 = 50mmで、第1の重なりが横方向において20mmという結果になるガード1である。しかしながら、ガードの厚さが第1の重なりの長さD4(
図3参照)に影響を与えることがある。第1の例において、計算された重なりが50mmである場合、製品が厚ければ重なりは50mm未満になることがある。重なりはたとえばわずか30mmとなることがある。
【0105】
図2は、
図1からの線A-Aに沿った断面図を示す。しかしながら、
図2に示すガードは追加の固定材料14’を含み、これは本明細書に記載の実施形態のいずれかに任意選択で存在することができる。
【0106】
追加の固定材料14’は、ガード1の中央領域21に配置され、剥離紙12によって覆われている。剥離紙12は接着固定材料を保護するために設けることができるが、剥離紙12は任意選択の特徴である。剥離紙は、所望であれば、第1および第2の側領域17、19における固定材料14上に設けることもできる。
【0107】
図2に示すように、ガード1は、流体不透過性バックシート3および流体透過性トップシート5を含む。失禁ガード1はまた、バックシート3とトップシート5との間に配設される吸収体またはコア7を含む。バックシート3、トップシート5および吸収性コア7は
図2において断面で示されている。代替の一実施形態が
図8に示され、後でより詳細に説明する。
【0108】
使用中、物品は、バックシート3がユーザの下着の方を向き、トップシート5がユーザの体の方を向いて配向されるように構成されている。バックシート3およびトップシート5は、失禁ガード1の全周に沿って吸収体7の外側に横方向に延在し、コア7の周囲で互いに結合してトップシート5とバックシート3との間に吸収性コア7を含む。バックシート3、トップシート5および吸収体7は、以下でさらに詳細に議論するように、その特定の目的に適した任意の材料を含むことができる。
【0109】
バックシート3は、物品の衣服対向表面(すなわち使用中ユーザの下着に最も近い表面)を提供する。バックシート3は、単一の層または複数の層、たとえば多層ラミネートを含むことができる。複数の層を備えたバックシートを含む例において、固定材料14は、ガード1の衣服対向表面上に設けられる。衣服対向表面はしたがって、流体不透過性層、ソフトタッチ外層(不織材料のような)またはバックシートの外層を形成する他の層を含むことができる。吸収体7とトップシート5との間に取得層(図示せず)を設けることもできる。取得層は、吸収性コア/体によって吸収される前に排出された液体を迅速に受け取って一時的に貯蔵するように適合させることができる。
【0110】
固定材料14は、ガード1の外側領域17、19に示している。
図2に示す実施形態において、バックシート3は物品の衣服対向表面を提供し、固定材料14はバックシート上に設けられている。
【0111】
いくつかの実施形態において、物品の中央領域21に追加の固定材料14’を設けることができる(
図1には示さず)。追加の固定材料14’は
図2に示している。固定材料14および/または追加の固定材料14’は、剥離紙のような保護カバー12によって覆うことができる。剥離紙12は、固定材料14または追加の固定材料14’が接着剤であるとき特に有利である。追加の固定材料は、
図3から
図8を参照してより詳細に説明する。各固定材料14、14’は、別個の剥離紙を有することができ、または1つのより大きな剥離紙が2つ以上の固定材料を覆うことができる。
【0112】
図1および
図2に示すように、バックシート3およびトップシート5は、縁領域13に沿って互いに接続することができ、これは失禁ガード1の周囲に延在する。吸収体7は、バックシート3およびトップシート5の面積よりわずかに小さい面積を有するサイズのものとすることができる。縁領域13は、失禁ガード1の全周に沿って実質的に同じ幅を有することができる。換言すれば、吸収体7は、吸収体7の外縁とガード1の外縁との間の距離が縁領域13に沿ってほぼ等しいままとなるように失禁ガード1の周囲に従うように配置することができる。
【0113】
一実施形態によれば、バックシート3は、ポリマーフィルム、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンのフィルムのような流体不透過性かつ通気性の層によって構成される。異なる実施形態によれば、バックシート3を製造するために用いることができる材料は、薄くて柔軟な流体不透過性プラスチックフィルム、または流体不透過性不織材料、流体不透過性発泡体および流体不透過性ラミネートを含む。
【0114】
図面に示す実施形態によれば、バックシート3は単層によって形成されているが、あるいは、少なくとも1つの層が流体不透過性である多層構造、すなわちラミネートによって形成することもできる。さらに、バックシート3は任意選択で任意の方向に弾性とすることができる。また、特に比較的少量の尿が失禁ガード1によって吸収されると予想される場合、完全に流体不透過性ではないが流体浸透に対して単に耐性があるバックシート材料を用いることができる。さらなる実施形態によれば、バックシート3は通気性とすることができ、空気および蒸気がバックシート3を通過することができるということを示唆している。さらに、バックシート3は任意選択で、不織布のような繊維材料の外側の衣服対向表面を有することができる。
【0115】
さらに、トップシート5は、流体透過性不織布またはフィルムによって形成される一実施形態によるものである。トップシート5は、尿のような排出された体液がトップシート5の厚さを浸透することが可能になるのに十分な流体透過性である。また、トップシート5は、着用者の皮膚にとって順応性があって柔らかな感触である材料から適切に製造される。
【0116】
異なる実施形態によれば、トップシート5は、織布および不織ウェブおよびフィルム、発泡体、または上記材料の組み合わせのようなさまざまなウェブ材料から製造することができる。トップシート5に用いられるべき不織材料はたとえば、カード式樹脂結合材料、カード式スルーエア結合材料、スパンボンド-メルトボンド-スパンボンド材料、カード式水流交絡材料またはカード式熱接着材料とすることができる。トップシート5はまた、これを伸縮可能にする弾性特性を有することができる。追加の一実施形態によれば、トップシート5は、次いでは液体透過性シートとして機能する有孔プラスチックフィルムの形態とすることができる。
【0117】
次に
図3を参照して第1および第2の折り線F1、F2に沿ったガード1の折り畳みをより詳細に説明する。
【0118】
図3は、第1および第2の折り線F1、F2に沿って折り畳まれて第1の折り畳み構成を形成している
図1のガードを示す。
図3に示すように、第1の折り畳み構成にあるガード1で、第1の重なり領域31が形成され、第1および第2の側領域17、19は、トップシート5の上で互いに重なり、または横たわり、使用中に身体滲出液を受け取る、吸収性物品の身体対向側が覆われる。固定材料14(
図3には示さず)は第1の重なり領域31内に少なくとも部分的に延在して、第1の折り畳み構成にあるとき第1および第2の側領域17、19を確実に一緒に固定する。第1および第2の側領域17、19は、第1および第2の側領域17、19の一方のみに設けられる固定材料で一緒に固定することができるということが理解されよう。しかしながら、このような構成では、ガードを第1の折り畳み構成に固定するために第1および第2の側領域17、19を所定の順序で折り畳むことが要求された。したがって固定材料14は、第1の重なり領域31に少なくとも部分的に延在するように第1および第2の側領域17、19の両方に設けられることが好ましい。
【0119】
第1および第2の側領域17、19が固定材料を備えている実施形態のさらなる利点は、
図3に示すようなガード1を下端から上方向に第1の重なり領域31に向かって転がすまたは折り畳むことができることである。ガードの下部はしたがって第1および第2の折り畳まれた側領域17、19上の所定の位置に固定されて封入された包みを提供することができ、ガード1の吸収面の実質的にすべてがその包み内に封入される。このような構成により、適切な廃棄設備が見つかるまで、物品を衛生的に保管することが可能になる。
【0120】
図4に示すように、
図1に関連して説明したガード1は、下端領域23を画定する第3の折り線F3を下部11にさらに含むことができる。第3の折り線F3は、ガード1の上部9および/または下部11に、好ましくは下部11に設けることができる。第3の折り線F3は、ガード1の上部9または下部11に、好ましくは下部11において横軸X1に平行な横方向に延在することができる。第3の折り線F3は、縦軸Y1に垂直な方向に延在することができる。第3の折り線F3は、第1の折り線F1および第2の折り線F2の少なくとも1つと交差する方向に延在することができる。第3の線F3は、第1の折り線F1および第2の折り線F2の少なくとも1つに垂直な方向に延在することができる。
【0121】
実施形態において、折り線F1、F2、F3の少なくとも1つは不連続とすることができる。これは、折り線が複数の線および/または点の形状で、上記複数の線および/または点間にスペースを備えることができ、複数の線および/または点を接続すれば結果として完全な折り線になるであろうことを意味する。さらに、折り線F1、F2、F3の少なくとも1つは湾曲していてもよく、これはたとえばガード1および/または弾性要素35の形状に依存し得る。
【0122】
実施形態において、折り線F1、F2、F3の少なくとも1つは、吸収体7の圧縮によって作成することができる溝によって形成することができる。これは、吸収体7の圧縮領域またはスコアラインを吸収体7に形成することができるということを意味する。さらに、折り線F1、F2、F3の少なくとも1つは、吸収体7から吸収材料を所望のパターンで除去することによって作成することができる吸収体7におけるチャネルによって形成することができる。チャネルは、吸収体7の周囲領域より低い目付を有することができる。さらに、折り線F1、F2、F3の少なくとも1つは、トップシート5および/または吸収体7に所望のパターンで穴を開けることによって作成することができるトップシート5、および/または吸収体7における穿孔によって形成することができる。さらに、折り線F1、F2、F3の少なくとも1つは、好ましくは衣服対向表面、トップシートの表面、および/または吸収体7を所望のパターンで溶接、切断、およびエンボス加工するためのレーザシステムまたは超音波システムによって作成される、溶接線、エンボス線、および切断線の1つによって形成することができる。他の方法は、熱溶接、切断およびエンボス加工であり得る。事前折り畳みのような、折り線を形成する他の機械的手段は、以下でさらに詳細に説明する。
【0123】
第1の折り線F1は、第1の折り畳み領域(図示せず)に延在するように形成することができる。第1の折り畳み領域は、第1の側領域17と中央領域21との間に形成することができる。第1の折り畳み領域は、第1の側領域17および中央領域21の少なくとも1つに、好ましくは第1の側領域17に部分的に形成することができる。第2の折り線F2は、第2の折り畳み領域に延在するように形成することができる。第2の折り畳み領域は、第2の側領域19と中央領域21との間に形成することができる。第2の折り畳み領域は、第2の側領域19および中央領域21の少なくとも1つに、好ましくは第2の側領域19に部分的に形成することができる。さらに、第1および第2の折り畳み領域の少なくとも1つは、固定材料14、14’が実質的になくてもよい。さらに、第1および第2の折り線F1、F2の少なくとも1つは、固定材料14、14’が実質的にない関連する折り畳み領域に延在することができる。
【0124】
第3の折り線F3は、第3の折り畳み領域に延在するように形成することができる。第3の折り畳み領域は、下端領域23と上端領域25との間に形成することができる。第3の折り畳み領域は、下端領域23に部分的に形成することができる。第3の折り畳み領域は、固定材料14、14’が実質的になくてもよい。さらに、第1、第2および第3の折り線F1、F2、F3の少なくとも1つは、固定材料14、14’が実質的にない関連する折り畳み領域に延在することができる。
【0125】
図5に示すように、第1の折り畳み構成(
図3に示すような)にあるガードで、下端領域23は、第3の折り線F3に沿って折り畳まれて、下端領域23が第1の側領域17および第2の側領域19の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なって第2の重なり領域33を形成する第2の折り畳み構成を形成するように構成することができる。第1の重なり領域31および第2の重なり領域33は、ガードが折り畳み構成に、好ましくは第2の折り畳み構成にあるとき互いに重なる。さらに、固定材料14は、第2の重なり領域33に少なくとも部分的に配設されている。
【0126】
固定材料14(
図5には示さず)は、下端領域23を第2の折り畳み構成において第1の側領域17および第2の側領域19の少なくとも1つに固定するように構成することができる。
【0127】
代替の実施形態において、下端領域23をまず第3の折り線F3に沿って中央領域21上へ折り畳むことができ、第1の側領域17を次いで第1の折り線F1に沿って折り畳むことができ、その後第2の側領域19を第2の折り線F2に沿って折り畳むことができる。すなわち、両側領域17、19が下端領域23上へ折り畳まれて完全な折り畳み構成を形成し、第1の側領域17が第2の側領域19と少なくとも部分的に重なって第1の重なり領域31を形成し、第1の側領域17および第2の側領域19の少なくとも1つが下端領域23と少なくとも部分的に重なって第2の重なり領域33を形成する。
【0128】
さらなる折り畳み構成(図示せず)の他の一例は、第1の側領域17が第1の折り線F1に沿って中央領域21上へ折り畳まれ、下端領域23が第3の折り線F3に沿って中央領域21上へ折り畳まれて第1の側領域17と少なくとも部分的に重なり、第2の領域19がその後第2の折り線F2に沿って中央領域21上へ折り畳まれて、完全な折り畳み構成を形成することであり得る。
【0129】
第2の重なり領域33は、縦方向において少なくとも10mm、より好ましくは縦方向において少なくとも15mm、より好ましくは縦方向において少なくとも20mmの長さL2を有することができる。第2の重なり領域33は、第1の重なり領域31の少なくとも30%、好ましくは第1の重なり領域31の少なくとも50%、より好ましくは第1の重なり領域31の少なくとも70%を含む面積を有することができる。
【0130】
第2の重なり領域33における固定材料14は、第2の重なり領域33の少なくとも30%、好ましくは第2の重なり領域33の少なくとも50%、より好ましくは第2の重なり領域33の少なくとも70%を含む面積を有することができる。
【0131】
さらに、固定材料14は、第2の重なり領域33に少なくとも部分的に配設することができる。固定材料14は、さらなる折り畳み構成において下端領域23を第1の側領域17および第2の側領域19の少なくとも1つに固定するように構成することができる。
【0132】
さらに、第2のまたはさらなる折り畳み構成にあるガードで、第1の側領域17、第2の側領域19および下端領域23が協働して、ガード1の吸収面、すなわち、トップシートおよび吸収体/コアのような任意の下にある材料を実質的に完全に覆うことができる。
【0133】
失禁ガード1は、第1、第2および第3の折り線F1、F2、F3の少なくとも1つに沿って事前に折り畳むことができる。ガード1は、上記の第1の折り畳み構成に事前に折り畳むことができ、第1および第2の側領域17、19は、第1および第2の折り線F1、F2に沿って事前に折り畳まれている。ガード1は、上記の第2のおよびさらなる折り畳み構成に事前に折り畳むことができ、第1および第2の側領域17、19および下端領域は、第1、第2および第3の折り線F1、F2、F3に沿って事前に折り畳まれている。ガード1の事前折り畳みの結果、第1、第2および第3の折り線F1、F2、F3が形成され、好ましくは使用後にガード1を折り畳んで廃棄するために用いることができる。
【0134】
図3および
図5に示すような便利な使い捨て包みを提供するために異なる折り線構成を提供することができるということが理解されよう。
【0135】
図6に示すように、ガード1は、縦軸Y1に対して角度βで延在する第1および第2の折り線F1、F2を含むことができる。
図1に示す実施形態において、第1および第2の折り線F1、F2は、縦軸Y1に平行に延在する。したがって、
図1において、β=0である。
【0136】
図6に示す実施形態において、β≠0であり、第1および第2の折り線F1、F2は、上方向に(すなわちガード1の上縁に向かって)延在するにつれて、互いから離れて広がっている。角度βは好ましくは60度未満、より好ましくは45度未満、より好ましくは30度未満である。
【0137】
図6に示すように、第1の側領域17、第2の側領域19および中央領域21は、衣服対向表面上に固定材料14を含む。固定材料14は、不連続パターン(図示せず)または
図7に示すような連続パターンで第1および第2の側領域17、19および中央領域21に延在するように配置することができる。固定材料14は、ガードが折り畳み構成にあるとき、少なくとも第1、31、および好ましくは第2、33の重なり領域に延在するように、第1の中央領域21にわたってそして第1および第2の側領域17、19内へと延在する。固定材料14は、ガード1の上部9に延在する。
【0138】
図6に示す実施形態において、固定材料14は、横方向xに延在するように配置された固定材料の細長いストリップまたは領域を含む。図示のように、固定材料14は、縦軸Y1に関して対称に配置することができる。
【0139】
衣服対向表面上の中央領域21に追加の固定材料14’を設けることができる。追加の固定材料14’は、縦軸Y1に沿って、好ましくは
図6に示すように縦軸Y1に沿って延在するように配置された細長いストリップまたは領域を含むことができる。
図6において、追加の固定材料14’は中央領域21に配置されている。追加の固定材料14’は下部11に延在し、かつ上部9内へ延在する。しかしながら、いくつかの例において追加の固定材料14’は、下部11にのみ、または上部9にのみ設けることができる。追加の固定材料14’は、横軸X1に沿った追加の固定材料14’の最大伸長部より大きな縦軸Y1に沿った最大伸長部を有することができる。追加の固定材料14’は、縦軸Y1に関して対称に形成することができる。
【0140】
図6に示す固定材料14および追加の固定材料14’は、固定材料の連続する細長いストリップまたは領域を含む。しかしながら、当業者は、追加の固定材料14’の固定材料14を固定材料のパターン化された領域として実施することができるということを理解するであろう。
【0141】
固定材料14および追加の固定材料14’は、組み合わせで実質的にT形状の配置を形成する方法で延在するように配置することができる。このような構成により、物品をユーザの下着内で中央領域および側領域17、19に固定することが可能になる。これにより、ガード1の確実な配置が可能になり、使用中にガード1の角が折り返されることが防止される。
【0142】
固定材料および任意の追加の固定材料が実質的に「U」、「V」、「X」、「Y」、「Z」形状の構成で配置されているさらなる構成が想定される。
【0143】
第1および第2の折り線F1、F2間に角度γを定義することができ、角度γは、0~90°の範囲とすることができる。これは、角度γが0°に等しくないとき、第1および第2の折り線F1、F2は互いに平行でないことを意味する。折り線F1、F2は、上方向に延在するにつれて、互い(および縦軸Y1)から離れて広がることができる。すなわち、第1および第2の折り線F1、F2上の対向点間の横方向xにおいて測定された距離は、折り線F1、F2がガード1の下端からガード1の上端に向かって延在するにつれて増加する。折り線は、ガード1の下部11で交わるまたは交差しても、またはガード1の下縁で互いから離間していてもよい。第1および第2の折り線F1、F2は好ましくは(必須ではないが)縦軸Y1を中心として互いに対称であり、γは好ましくは2βである。
【0144】
例示の実施形態には示していないが、第1および第2の折り線F1、F2は、側領域が折り線に沿って折り畳まれたときに側領域が少なくとも部分的に重なる限り、互いに非対称とすることができる。
【0145】
例示の実施形態における固定材料14および追加の固定材料14’は、機械的固定材料を含むことができる。機械的固定は、フック材料、好ましくはフック固定材料を含むことができる。フック材料は、バックシート3またはバックシート3の衣服対向表面に一体的に形成することができる。さらに、フック材料はフックパッチとすることができる。一体型フック材料を形成するための方法が、WO2010/085492に記載されており、その内容を参照により組み込む。機械的固定材料は、記載のすべての実施形態に適用可能である。
【0146】
有利には、固定材料14がフックパッチのような機械的固定材料であるとき、トップシート5は、フック材料を係合するように構成された材料を含むことができる。適切な材料は、織布、不織材料、スパンボンド材料、カード式材料、スパンレース材料、またはこれらの組み合わせを含む。
【0147】
固定材料14および追加の固定材料14’はまた、接着固定手段を含むことができる。接着材料は、バックシート3の衣服対向表面上にコーティングすることができる。固定材料14が接着剤を含む場合、トップシート5に含まれる材料は、接着材料を係合するようにさらに構成することができる。適切な材料は、ポリオレフィンアパーチャフィルム、ラミネートまたはこれらとトップシート5に含まれる上記材料の組み合わせを含む。
【0148】
固定材料14は第1のタイプの固定材料を含むことができる一方、追加の固定材料は第2のタイプの固定材料を含むことが理解されよう。たとえば、追加の固定材料14’は接着固定とすることができる一方、第1および第2の側領域17、19における固定材料14は機械的固定具とすることができる。あるいは、一方の側領域における固定材料14は接着剤とすることができ、他方の側領域における他方の固定材料14は機械的固定とすることができる。
【0149】
図7は、第1の重なり領域31を作成するための第1および第2の折り線F1、F2を含み、ガードの折り畳みをさらに助け、ユーザの体に対するガード1の適合を改善することができる追加の折り線F3、F4をさらに含む、本開示の他の一実施形態を示す。
図7に示すように、ガード1は、
図6を参照して上で議論したガード1と実質的に同様の形状のものである。これは、上部により広い横方向伸長部および下部伸長部により狭い横方向伸長部を含んで実質的に三角形状を提供する。
【0150】
第1および第2の折り線F1、F2は、
図6の折り線F1、F2と同様に、縦軸Y1に対して角度が付けられている。折り線F1と縦軸Y1との間に定義される角度は、角度βとして示している。例示の実施形態において第1および第2の折り線F1、F2は対称であるため、第2の折り線F2と縦軸Y1との間の角度もβである。
【0151】
図7に示す実施形態において、ガード1は、第1および第2の側領域17、19において、第1および第2の側の折り線F1、F2の横方向外側に追加の折り線F3およびF4を含む。これらは、第1および第2の折り線F1、F2と平行に、またはある角度で配置することができる。
【0152】
図7に示す実施形態において、第1および第2の折り線F1、F2および追加の折り線F3、F4は、固定材料14、14’における縁または不連続部(たとえばギャップ)によって形成されている。
図6および
図7におけるガードは、下端領域を第3の折り線に沿って折り畳んで第2の折り畳み構成を形成するように構成することができるように、
図4における第3の折り線F3(
図6および
図7には示さず)を含むことができる。
【0153】
図7に示すように、固定材料14、14’が、ガードの衣服対向表面にわたるストリップで設けられている。固定材料のストリップのそれぞれの間に、固定材料が設けられていないスペースが延在する。固定材料14、14’は、衣服対向表面、または物品の残りより比較的柔軟性が少ない(たとえばフック材料の領域を作成するための衣服対向表面の超音波処理のため)衣服対向表面の領域に接着された追加の層(すなわちフックパッチ)を含むため、固定材料の領域間のギャップによって形成される折り線に沿って曲げが容易になる。
【0154】
図8は、
図1における線A-Aに沿った断面で
図1に関連して説明したものと同じ外側輪郭を有する吸収性物品の開示の他の一実施形態の断面図を示す。
図8に示すように、
図2における断面との違いは、コア7、すなわち吸収体7が、トップシート5とバックシート3との間に第1の層7aおよび第2の層7bを含むことである。第2の層は、ガード1の中央部分21に延在する。コア7はしたがって、ガード1の第1および第2の側領域17、19と比較してコアの中央領域21において厚さが増加している。
図8に示すように、第2の層7bの外縁は、第1および第2の折り線F1、F2を提供する。固定材料14はしたがって、第1の層7aのみを含むコア7の領域において、第2の層7bの横方向外側に提供される。前の実施形態のように、固定材料は、第1の重なり領域31、好ましくは第2の重なり領域33にわたって少なくとも部分的に延在するように配置されている。
【0155】
追加の固定材料14’がガード1の中央領域21に配置され、剥離紙12がその上に除去保護カバーリングを提供する。
【0156】
図8に示す実施形態において、第1の層7aが流体透過性トップシート5に隣接して配置されている一方、第2の層7bはバックシート3に隣接して配置されている。この構成により、ユーザの体に向かって比較的滑らかな、平坦な表面が提供される。しかしながら、コア7の第1および第2の層7a、7bの配置は逆にすることができる。
【0157】
次に
図9A~
図9Cを参照して本開示による
図1に関連して説明した男性用失禁ガードを折り畳むためのプロセスを説明する。有利なことに、折り線F1、F2(および任意選択の追加の折り線)により、使用前(たとえば包装前)および使用後、廃棄の準備ができているガード1の折り畳みが容易になる。
【0158】
図9Aに示すように、ガード1の第1の側領域17が、第1の折り線F1に沿って、中央領域21上へ折り畳まれる。ガード1は、第1の側領域17がガードの吸収面上へ、すなわちトップシート5および吸収性コア、すなわち本体のような、任意の下にある材料上へ折り畳まれるように折り畳まれる。
【0159】
図9Bに示すように、第2のステップにおいて、第2の側領域19が、中央領域21上へ第2の折り線F2に沿って折り畳まれる。折り畳まれると、第2の側領域19の身体対向表面(すなわちトップシート5)は、第1の重なり領域31において、第1の側領域17上の固定材料14に接触し、したがって2つの側領域17、19を互いに取り付ける(
図3に示すように)。
【0160】
図9Cに示すように、最終ステップにおいて下端領域23が、その身体対向表面(すなわちトップシート)が第1および第2の側領域17、19上の固定材料14に固定されて、ガードの吸収面のすべてまたはほとんどすべてが包み内に含まれているしっかりと閉じた包み(
図5に示すような)を形成するように折り返される。ユーザが適切な廃棄設備のない洗面所で物品を除去および交換しても、適切な使い捨て設備を利用できるまでガードを折り畳み構成で保管することができる。
【0161】
図9Cに示す折り畳み構成で物品を包装することができるということが理解されよう。包装された物品では、折り畳みステップは、固定材料に対して封止された保護カバーとともに行うことができる(特に接着固定具を含む実施形態において)。使用前、ユーザは物品を広げ、保護カバーを除去し(存在する場合)、ガードを所定の位置に固定することができる。
【0162】
使用後、ユーザは物品を、物品が包装されていた折り畳み構成へと再び折り畳み、これによって便利な廃棄の準備ができているガードの吸収面を封入する。事前に折り畳まれた物品はしたがって、廃棄の前に物品を折り畳む便利な方法をユーザに知らせることができる。
【0163】
物品の適切な廃棄に関してユーザに知らせるため、書面の指示またはイラストの形態の指示を、ガードを事前に折り畳むことができても事前に折り畳むことができなくても、包装された物品に設けることができる。指示は、包装材料上に、保護剥離紙上に、またはガードの表面上に提供することができる。ガードの表面上に廃棄指示を提供することは、物品がユーザの下着から除去されるときにこのような指示が見えることになるので有利であり得る。したがって、上述したような男性用失禁ガード1、物品を廃棄するための一組の指示、および任意選択で、外側のパッケージを含むキットを提供することができる。
【0164】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で変更することができるということが理解されよう。たとえば、
図1および
図2に示すような失禁ガード1の特定の形状は、本発明を限定するものとして見なされるべきではない。
【0165】
コア、外層および固定材料に選択される材料も変更することができる。さまざまな種類の固定材料が当該技術において知られている。本発明に関連する使用に適した固定材料は、当業者に明らかであろう。当業者はまた、本開示に照らして、乾燥時(すなわち使用前)および吸収性コアが一定量の液体を吸収した後、一般的に、未使用の物品よりかさばって硬くなったとき、ガードを折り畳み構成に保持または固定するように固定を構成することができるということを理解するであろう。
【0166】
固定材料および固定手段(たとえば機械的固定、摩擦固定、または接着固定)の表面積は、物品の吸収性および折り線の構造に依存し得る。吸収性コアは、そこに保持される液体の容量が増加するにつれて硬くなることがあるので、吸収性のより高いガードには、ガードを確実に折り畳み構成にしておくより強力な固定が要求されることがある。また、折り線の性質および数により、折り線によって提供されるガードの柔軟性の増加のため、固定手段の強度要件を増加または減少させることができる。
【0167】
さらに、吸収性物品1を形成する異なる層に用いられる材料および寸法を変更することができる。
【符号の説明】
【0168】
1 失禁ガード
3 バックシート
4 第1の部分
5 トップシート
6 第2の部分
7 吸収性コア
7a 第1の層
7b 第2の層
9 上部
10 第1の上部コーナー
11 下部
12 剥離紙
13 縁領域
14 固定材料
14’ 追加の固定材料
16 仮想直線
17 第1の側領域
18 第1の下部コーナー
19 第2の側領域
20 第2の上部コーナー
21 中央領域
22 上縁
23 下端領域
24 点
25 上端領域
26 湾曲部分
27 第1の外側縁
28 第2の下部コーナー
29 第2の外側縁
31 第1の重なり領域
33 第2の重なり領域
35 弾性要素
【手続補正書】
【提出日】2020-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
男性用失禁ガード(1)であって、流体不透過性バックシート(3)と、前記ガード(1)の身体対向表面を形成する流体透過性トップシート(5)と、前記バックシート(3)と前記トップシート(5)との間に配置された吸収体(7)と、を含み、前記ガード(1)は、縦軸(Y1)に沿った縦方向伸長部および横軸(X1)に沿った横方向伸長部を有し、前記横軸(X1)は前記ガード(1)を上部(9)および下部(11)に分割し、前記上部(9)は、横軸(X1)に平行な横方向(x)における最大伸長部(W
1)が、前記下部の前記横方向(x)における最大伸長部より大きく、
前記ガード(1)は、第1の側領域(17)、第2の側領域(19)、ならびに前記横方向(x)において前記第1および第2の側領域(17、19)間に位置する中央領域(21)に分割され、前記第1の側領域(17)と前記中央領域(21)との間には第1の折り線(F1)が設けられ、前記中央領域(21)と前記第2の側領域(19)との間には第2の折り線(F2)が設けられ、
前記第1の側領域(17)は、前記第1の折り線(F1)に沿って前記中央領域(21)上へ折り畳まれるように構成され、
前記第2の側領域(19)は、前記第2の折り線(F2)に沿って前記中央領域(21)上へ折り畳まれるように構成されて、前記第1の側領域(17)が前記第2の側領域(19)と少なくとも部分的に重なって第1の重なり領域(31)を形成し、
前記第1および第2の側領域(17、19)の少なくとも1つは、前記失禁ガード(1)の前記バックシート(3)上に固定材料(14)を含み、
前記固定材料(14)は、前記第1の重なり領域(31)に少なくとも部分的に配設されており、
前記第1の側領域(17)の最外縁と前記第1の折り線(F1)との間に第1の距離D
1が定義され;前記第2の領域(19)の最外縁と前記第2の折り線(F2)との間に第2の距離D
2が定義され;前記第1および第2の折り線(F1、F2)間に第3の距離D
3が定義され、D
1 + D
2 > D
3であり、D
1、D
2、およびD
3は、前記横方向(x)において測定され、D
1、D
2、およびD
3は、ともに直線を形成し、D
1+D
2+D
3は、前記上部(9)の前記最大伸長部(W
1)に等しい、
男性用失禁ガード(1)。
【請求項2】
前記固定材料(14)は、前記第1および第2の側領域(17、19)が前記第1および第2の折り線(F1、F2)に沿って折り畳まれたとき、前記第1および第2の側領域(17、19)を互いに第1の折り畳み構成に固定するように構成されている、請求項1に記載の失禁ガード(1)。
【請求項3】
前記第1の重なり領域(31)は、前記横方向(x)において少なくとも10mm、より好ましくは前記横方向(x)において少なくとも20mm、より好ましくは前記横方向(x)において少なくとも25mmである、請求項1または2に記載の失禁ガード(1)。
【請求項4】
前記第1の重なり領域(31)における前記固定材料(14)は、前記第1の重なり領域(31)の面積の少なくとも30%、より好ましくは前記第1の重なり領域(31)の面積の少なくとも50%、より好ましくは前記第1の重なり領域(31)の面積の少なくとも70%を含む面積を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項5】
前記第1の折り畳み構成において、前記第1および第2の側領域(17、19)は、前記ガード(1)の前記上部(9)において前記ガード(1)の吸収面を実質的に完全に覆っている、請求項2から4のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項6】
前記第1の側領域(17)および前記第2の側領域(19)は、前記バックシート(3)上に固定材料(14)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項7】
前記第1および第2の折り線(F1、F2)は互いに平行である、請求項1から6のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項8】
前記第1および第2の折り線(F1、F2)は、前記縦軸(Y1)に平行な縦方向(y)に延在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項9】
前記第1および第2の折り線(F1、F2)は、軸、好ましくは前記縦軸(Y1)に対して互いに対称である、請求項1から8のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項10】
前記ガード(1)は第3の折り線(F3)を含んで、前記第3の折り線(F3)の下方に下端領域(23)を画定する、請求項1から9のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項11】
前記第1の折り畳み構成にある前記ガード(1)で、前記下端領域(23)は、前記第3の折り線(F3)に沿って折り畳まれて、前記下端領域(23)が前記第1および第2の側領域(17、19)と少なくとも部分的に重なって第2の重なり領域(33)を形成する第2の折り畳み構成を形成するように構成されている、請求項10に記載の失禁ガード(1)。
【請求項12】
前記ガード(1)が前記第2の折り畳み構成にあるとき、前記第1および第2の側領域(17、19)、および前記下端領域(23)は協働して前記ガード(1)の吸収面を実質的に完全に覆っている、請求項11に記載の失禁ガード(1)。
【請求項13】
前記第1の重なり領域(31)および前記第2の重なり領域(33)は、前記ガードが前記第2の折り畳み構成にあるとき、少なくとも部分的に互いに重なっている、請求項11または12に記載の失禁ガード(1)。
【請求項14】
前記第3の折り線(F3)は、前記横方向(x)に、好ましくは前記ガード(1)の前記下部(11)に、または前記上部(9)と前記下部(11)との間の移行部で、前記横軸(X1)に沿って延在する、請求項10から13のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項15】
前記第3の折り線(F3)は前記第1および第2の折り線(F1、F2)の少なくとも1つに垂直である、請求項10から14のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項16】
前記第3の折り線(F3)は前記第1の折り線(F1)および/または前記第2の折り線(F2)と交差している、請求項10から15のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項17】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは不連続である、請求項1から16のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項18】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは湾曲している、請求項1から17のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項19】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つはエンボス線を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項20】
前記ガードは、前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つに沿って事前に折り畳まれている、請求項1から19のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項21】
前記ガード(1)は、前記ガード(1)の前記中央領域(21)に追加の層を含み、前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは、前記追加の層の縁によって形成されている、請求項1から20のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項22】
前記追加の層は、追加の吸収層、フィルム、または補強層を含む、請求項21に記載の失禁ガード(1)。
【請求項23】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは、前記固定材料(14)の縁によって形成されている、請求項1から22のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項24】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは、前記吸収体の圧縮領域または前記吸収体(7)に形成されたスコアラインによって形成されている、請求項1から23のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項25】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは、前記吸収体(7)の周囲領域より低い目付を有するチャネルによって形成されている、請求項1から24のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項26】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは溶接線として形成され、好ましくは超音波溶接によって形成されている、請求項1から25のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項27】
前記固定材料(14)は、機械的固定材料、好ましくはフック材料である、請求項1から26のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項28】
前記フック材料はフックパッチである、請求項27に記載の失禁ガード(1)。
【請求項29】
前記フック材料は前記バックシートに一体的に形成されている、請求項27に記載の失禁ガード(1)。
【請求項30】
前記トップシートは、織布、不織材料、スパンボンド材料、カード式材料、もしくはスパンレース材料、または上記の組み合わせのような、フック固定を係合するように構成された材料を含む、請求項1から29のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項31】
前記中央領域(21)は、衣服対向表面上に追加の固定材料(14’)を含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項32】
前記固定材料(14、14’)は接着剤を含む、請求項1から31のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項33】
少なくとも前記第1および第2の折り線(F1、F2)は、固定材料(14、14’)が実質的にない折り畳み領域に延在する、請求項1から32のいずれか一項に記載の失禁ガード(1)。
【請求項34】
縦軸(Y1)に沿った縦方向伸長部および横軸(X1)に沿った横方向伸長部を有する男性用失禁ガード(1)であって、前記横軸(X1)は前記ガード(1)を上部(9)および下部(11)に分割し、前記上部(9)は、前記横軸(X1)に平行な方向に延在する横方向(x)における最大伸長部が、前記下部の前記横方向(x)における最大伸長部より大きい、男性用失禁ガード(1)を製造するための方法であって、
流体不透過性バックシート(3)を用意するステップと、
流体透過性トップシート(5)を用意するステップと、
前記バックシート(3)と前記トップシート(5)との間に配置された吸収体(7)を用意するステップと、
前記ガード(1)に第1の折り線(F1)および第2の折り線(F2)を形成するステップであって、
前記第1および第2の折り線(F1、F2)は、前記ガード(1)を第1の側領域(17)、第2の側領域(19)および中央領域(21)に分割し、前記第1の折り線(F1)は前記第1の側領域(17)と前記中央領域(21)との間に画定され、前記第2の折り線(F2)は前記中央領域(21)と前記第2の側領域(19)との間に画定され、前記第1の側領域(17)は、前記第1の折り線(F1)に沿って前記中央領域(21)上へ折り畳まれるように構成され、
前記第2の側領域(19)は、前記第1の側領域(17)が前記第2の側領域(19)と少なくとも部分的に重なって第1の重なり領域(31)を形成するように、前記第2の折り線(F2)に沿って前記中央領域(21)上へ折り畳まれるように構成され、
前記第1の側領域(17)の最外縁と前記第1の折り線(F1)との間に第1の距離D
1が定義され;前記第2の領域(19)の最外縁と前記第2の折り線(F2)との間に第2の距離D
2が定義され;前記第1および第2の折り線(F1、F2)間に第3の距離D
3が定義され、D
1 + D
2 > D
3であり、D
1、D
2、およびD
3は、前記横方向(x)において測定され、D
1、D
2、およびD
3は、ともに直線を形成し、D
1+D
2+D
3は、前記上部(9)の前記最大伸長部に等しい、ステップと、
前記第1および第2の領域(17、19)の少なくとも1つにおいて、失禁ガード(1)の衣服対向側に固定材料(14)を提供するステップであって、前記固定材料(14)は、少なくとも部分的に前記第1の重なり領域(31)に配設される、ステップと、
を含む、方法。
【請求項35】
第3の折り線(F3)を形成して前記第3の折り線(F3)の下方に下端領域(23)を画定するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つはエンボス加工によって形成されている、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
前記ガード(1)は前記ガードの前記中央領域(21)に追加の層を含み、前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは前記追加の層の縁によって形成されている、請求項34から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記追加の層は、追加の吸収層、フィルム、または補強層を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記折り線(F1、F2、F3)の少なくとも1つは、前記固定材料(14)の縁によって形成されている、請求項34から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記方法は、
前記第1の折り線(F1)に沿って前記中央領域(21)の上に前記第1の側領域(17)を折り畳むステップと、
前記第1の側領域(17)が少なくとも部分的に前記第2の側領域(19)との第1の重なり領域(31)を形成するように、前記第2の折り線(F2)に沿って前記中央領域(21)および前記第1の領域(17)の上に前記第2の側領域(19)を折り畳むステップと、
任意選択で、前記第1および第2の側領域(17、19)の少なくとも1つと重なって、少なくとも部分的に前記第1および第2の側領域の少なくとも1つとの第2の重なり領域(33)を形成するように、第3の折り線(F3)に沿って下端領域(23)を折り畳むステップと、
をさらに含む、請求項34から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記第3の折り線(F3)に沿って前記下端領域(23)を折り畳むステップは、
前記第1および第2の側領域(17、19)をそのそれぞれの第1および第2の折り線(F1、F2)に沿って折り畳む前、
前記第1および第2の側領域(17、19)をそのそれぞれの第1および第2の折り線(F1、F2)に沿って折り畳んだ後、または
前記第1の側領域(17)を前記第1の折り線(F1)に沿って折り畳んだ後かつ前記第2の側領域(19)を前記第2の折り線(F2)に沿って折り畳む前、
に実行される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記方法は、前記折り畳まれたガード(1)をパッケージに入れるステップをさらに含む、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
請求項1から33のいずれか一項に記載の男性用失禁ガード(1)と、
使用後、廃棄前に、少なくとも前記第1および第2の折り線(F1、F2)に沿って前記ガード(1)を折り畳むようにユーザに指示する一組の指示と、
を含むキット。
【請求項44】
前記ガード(1)は、少なくとも前記第1および第2の折り線(F1、F2)に沿って事前に折り畳まれている、請求項43に記載のキット。
【請求項45】
前記ガード(1)はパッケージで提供されている、請求項43または44に記載のキット。
【請求項46】
前記ガード(1)は、固定材料の少なくとも1つの領域を覆うための取外し可能なプロテクタをさらに含む、請求項43から45のいずれか一項に記載のキット。
【請求項47】
前記指示は、パッケージ、前記バックシート(3)、指示フォルダ、および/または取外し可能なプロテクタ上に提供されている、請求項43から46のいずれか一項に記載のキット。
【国際調査報告】