(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】ブルートゥース機器に用いられる拡張接続方法及び拡張接続システム
(51)【国際特許分類】
H04W 84/10 20090101AFI20220125BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20220125BHJP
【FI】
H04W84/10 110
H04W76/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546408
(86)(22)【出願日】2018-10-24
(85)【翻訳文提出日】2021-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2018111623
(87)【国際公開番号】W WO2020077658
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】201811198916.7
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521161897
【氏名又は名称】北京軒轅聯科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】XYLink Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】8 Floor,Building 3,Huakong Mansion,Yard 1, Shangdi East Road,Haidian District,Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李雨軒
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067EE02
5K067EE35
(57)【要約】
本願は、ブルートゥース機器に用いられる拡張接続方法及びブルートゥース機器に用いられる拡張接続システムに関する。該拡張接続方法は、第1ブルートゥース機器を初期化し、前記第1ブルートゥース機器をマスターモードとするステップと、前記第1ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップと、前記第2ブルートゥース機器に接続された外部ブルートゥース機器が存在するかどうかを監視し、外部ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第2ブルートゥース接続が確立された場合、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行うステップと、を含む。本願の実施例で提供される拡張ブルートゥース接続は、2つ以上のブルートゥース機器の間で必要なデータ伝送チャネル及び対応するノード制御を提供することを実現させることができ、より複雑な適用シーンに適用可能であり、また、ユーザ需要に一層合致する解決手段を提供することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブルートゥース機器に用いられる拡張接続方法であって、前記方法は、
第1ブルートゥース機器を初期化し、前記第1ブルートゥース機器をマスターモードとするステップと、
前記第1ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップと、
前記第2ブルートゥース機器に接続された外部ブルートゥース機器が存在するかどうかを監視し、外部ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第2ブルートゥース接続が確立された場合、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行うステップと、を含む、ブルートゥース機器に用いられる拡張接続方法。
【請求項2】
前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行うステップは、
前記第2ブルートゥース接続により、データストリームを前記外部ブルートゥース機器から前記第2ブルートゥース機器に伝送するステップと、
前記第2ブルートゥース機器で、受信されたデータストリームを処理するステップと、
前記第1ブルートゥース接続により、前記処理されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の拡張接続方法。
【請求項3】
前記第1ブルートゥース機器は、マスターモードとされ、前記第2ブルートゥース機器は、スレーブモードとされ、また、前記外部ブルートゥース機器は、マスターモードとされることを特徴とする
請求項1に記載の拡張接続方法。
【請求項4】
前記第1ブルートゥース接続は、SPPプロトコルに基づいた透過的シリアル接続であり、前記第2ブルートゥース接続は、A2DPプロトコルに基づいた接続であることを特徴とする
請求項2に記載の拡張接続方法。
【請求項5】
前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続はいずれもA2DPプロトコルに基づいた接続であることを特徴とする
請求項2に記載の拡張接続方法。
【請求項6】
前記第2ブルートゥース機器で、受信されたデータストリームを処理するステップは、
前記第2ブルートゥース機器により、受信されたデータストリームに対してデータ圧縮を行うステップを含むことを特徴とする
請求項3に記載の拡張接続方法。
【請求項7】
前記第1ブルートゥース接続により、前記処理されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップは、
前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器へハンドシェイク要求を送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器と前記第2ブルートゥース機器との間でハンドシェイクに成功したことを確認するステップと、
データ圧縮されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップと、を含むことを特徴とする
請求項6に記載の拡張接続方法。
【請求項8】
前記第1ブルートゥース機器と、スレーブモードである第2ブルートゥース機器と、の間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップは、
前記第1ブルートゥース機器が、事前記憶された第2ブルートゥース機器の識別情報に基づいて、接続要求メッセージを送信するステップと、
前記第2ブルートゥース機器が、前記接続要求メッセージを受信した場合に、対応する接続応答メッセージを送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器が前記第2ブルートゥース機器からの接続応答メッセージを受信した場合に、周波数ホッピング同期(FHS)パケットを送信するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の拡張接続方法。
【請求項9】
前記第1ブルートゥース機器と、スレーブモードである第2ブルートゥース機器と、の間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップは、
前記第1ブルートゥース機器が照会メッセージを送信するステップと、
前記第2ブルートゥース機器が照会走査状態に入り、且つ前記第1ブルートゥース機器から送信された照会メッセージを受信した時に照会応答メッセージを送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器が前記第2ブルートゥース機器からの照会応答メッセージを受信した時に、前記第2ブルートゥース機器と接続を確立するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の拡張接続方法。
【請求項10】
ブルートゥース機器に用いられる拡張接続システムであって、
マスターモードとされた第1ブルートゥース機器と、
スレーブモードとされた第2ブルートゥース機器と、
マスターモードとされた外部ブルートゥース機器と、を備え、
前記第1ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第1ブルートゥース接続を有し、前記外部ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第2ブルートゥース接続を有し、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行う、ブルートゥース機器に用いられる拡張接続システム。
【請求項11】
前記外部ブルートゥース機器は、前記第2ブルートゥース接続により、データストリームを前記第2ブルートゥース機器に伝送し、前記第2ブルートゥース機器は、受信されたデータストリームを処理し、前記第2ブルートゥース機器は、前記第1ブルートゥース接続により、処理されたデータストリームを前記第1ブルートゥース機器に伝送することを特徴とする
請求項10に記載の拡張接続システム。
【請求項12】
前記第1ブルートゥース接続は、SPPプロトコルに基づいた透過的シリアル接続であり、前記第2ブルートゥース接続は、A2DPプロトコルに基づいた接続であることを特徴とする
請求項10に記載の拡張接続システム。
【請求項13】
前記第2ブルートゥース機器は、受信されたデータストリームに対してデータ圧縮を行うように構成されることを特徴とする
請求項11に記載の拡張接続システム。
【請求項14】
前記第2ブルートゥース機器は、前記第1ブルートゥース機器にハンドシェイク要求を送信し、前記第1ブルートゥース機器と前記第2ブルートゥース機器との間でハンドシェイクに成功し、前記第2ブルートゥース機器は、データ圧縮されたデータストリームを前記第1ブルートゥース機器に伝送することを特徴とする
請求項13に記載の拡張接続システム。
【請求項15】
第1ブルートゥース機器は、第2ブルートゥース機器の識別情報に基づいて、接続要求メッセージを送信し、第2ブルートゥース機器は、前記接続要求メッセージを受信した時に、対応する接続応答メッセージを送信し、第1ブルートゥース機器は、第2ブルートゥース機器からの接続応答メッセージを受信した時に、周波数ホッピング同期(FHS)パケットを送信することを特徴とする
請求項10に記載の拡張接続システム。
【請求項16】
第2ブルートゥース機器の識別情報は、前記第1ブルートゥース機器に事前記憶されていることを特徴とする
請求項15に記載の拡張接続システム。
【請求項17】
第1ブルートゥース機器に、前記第2ブルートゥース機器を収容するためのスロットが配置されており、前記スロットに、PINニードルアセンブリが設けられ、前記第2ブルートゥース機器に、前記PINニードルアセンブリと嵌合するジャックが配置されており、前記第1ブルートゥース機器は、前記PINニードルアセンブリにより、前記第2ブルートゥース機器の識別情報を取得することを特徴とする
請求項15に記載の拡張接続システム。
【請求項18】
前記第1ブルートゥース機器は、照会メッセージを送信し、前記第2ブルートゥース機器は、照会走査状態に入り、且つ、前記第1ブルートゥース機器から送信された照会メッセージを受信した時に、照会応答メッセージを送信し、前記第1ブルートゥース機器は、前記第2ブルートゥース機器からの照会応答メッセージを受信した時に、前記第2ブルートゥース機器と接続を確立することを特徴とする
請求項10に記載の拡張接続システム。
【請求項19】
前記第2ブルートゥース機器は、ブルートゥースイヤホンであることを特徴とする
請求項10に記載の拡張接続システム。
【請求項20】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体に、請求項1から9のうちいずれか一項に記載の方法を実行するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、複数のブルートゥース(登録商標)機器間の拡張接続及びデータ伝送分野に関し、特に、ブルートゥース機器に用いられる拡張接続方法及びブルートゥース機器に用いられる拡張接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両において、一般的には、総合的な処理能力を有する車載中央制御システムを提供する。なお、ブルートゥース機器がインテリジェント端末、携帯機器、ウェアラブル機器などの種々の機器に広く適用されているため、車載中央制御システムは、一般的には、車載ブルートゥースモジュールを提供し、種々のブルートゥース機器とブルートゥース接続を確立する。車載ブルートゥースモジュールの実現メカニズムは、携帯電話のブルートゥースモジュールの実現メカニズムと同じであり、同様な送信システムを有する。一般的には、車載ブルートゥースは、無線ブルートゥース技術を基礎として、設計されて開発された車内無線通信システムである。それは主に、ブルートゥース接続により、車載ブルートゥースモジュールを携帯電話と接続し、車両運転環境において通話、オーディオ再生、音声ナビゲーションなどの種々の適用を実現させることを目的とする。
【0003】
一部の従来技術において、携帯電話と複数のブルートゥース機器との間のブルートゥース接続を実現させるために、携帯電話の外部ブルートゥースインタフェース回路により、接続切り替えを実現させる。例えば、2セットのブルートゥース受信回路及び切り替えスイッチを有する携帯電話の外部ブルートゥースインタフェース回路により、携帯電話とブルートゥースイヤホンとの通信接続、携帯電話と車載ブルートゥース機器との通信接続を実現させる。しかしながら、このような技術的解決手段によれば、同一の時刻で、携帯電話は、そのうちの1つのみのブルートゥース機器との接続を確立でき、上記2つのブルートゥース機器の間でデータ伝送を実現することができない。
【0004】
なお、一部の適用シーンにおいて、ユーザは、2つのブルートゥース機器の間でデータ伝送を行う必要があるだけでなく、適用の利便性、プライバシー保護などの点を考慮すると、特定の操作を実行するために、2つ以上のブルートゥース機器を使用する必要もある。しかしながら、従来技術において、上記課題を解決するための方法がない。
【0005】
本願の背景技術の欄に開示されている情報は、本願の一般的な背景技術に対する理解を深めるためのものだけであり、該情報が当業者に周知の従来技術を成すことを、認めるもの、または如何なる形態で示唆するものとして捉えるべきではない。
【発明の概要】
【0006】
上記課題を解決するために、本願は、ブルートゥース機器に用いられる拡張接続方法に関する。前記方法は、第1ブルートゥース機器を初期化し、前記第1ブルートゥース機器をマスターモードとするステップと、前記第1ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップと、前記第2ブルートゥース機器に接続された外部ブルートゥース機器が存在するかどうかを監視し、外部ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第2ブルートゥース接続が確立された場合、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行うステップと、を含む。
【0007】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行うステップは、
前記第2ブルートゥース接続により、データストリームを前記外部ブルートゥース機器から前記第2ブルートゥース機器に伝送するステップと、
前記第2ブルートゥース機器で、受信されたデータストリームを処理するステップと、
前記第1ブルートゥース接続により、前記処理されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップと、を含む。
【0008】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース機器は、マスターモードとされ、前記第2ブルートゥース機器は、スレーブモードとされ、また、前記外部ブルートゥース機器は、マスターモードとされる。
【0009】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース接続は、SPPプロトコルに基づいた透過的シリアル接続であり、前記第2ブルートゥース接続は、A2DPプロトコルに基づいた接続である。
【0010】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続はいずれもA2DPプロトコルに基づいた接続である。
【0011】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第2ブルートゥース機器で、受信されたデータストリームを処理するステップは、前記第2ブルートゥース機器により、受信されたデータストリームに対してデータ圧縮を行うステップを含む。
【0012】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース接続により、前記処理されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップは、
前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器へハンドシェイク要求を送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器と前記第2ブルートゥース機器との間でハンドシェイクに成功したことを確認するステップと、
データ圧縮されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップと、を含む。
【0013】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース機器と、スレーブモードである第2ブルートゥース機器と、の間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップは、
前記第1ブルートゥース機器が、事前記憶された第2ブルートゥース機器の識別情報に基づいて、接続要求メッセージを送信するステップと、
前記第2ブルートゥース機器が、前記接続要求メッセージを受信した場合に、対応する接続応答メッセージを送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器が前記第2ブルートゥース機器からの接続応答メッセージを受信した場合に、周波数ホッピング同期(FHS)パケットを送信するステップと、を含む。
【0014】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース機器と、スレーブモードである第2ブルートゥース機器と、の間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップは、
前記第1ブルートゥース機器が照会メッセージを送信するステップと、
前記第2ブルートゥース機器が照会走査状態に入り、且つ前記第1ブルートゥース機器から送信された照会メッセージを受信した時に照会応答メッセージを送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器が前記第2ブルートゥース機器からの照会応答メッセージを受信した時に、前記第2ブルートゥース機器と接続を確立するステップと、を含む。
【0015】
本願のもう1つの態様によれば、ブルートゥース機器に用いられる拡張接続システムを更に提供する。前記拡張接続システムは、マスターモードとされた第1ブルートゥース機器と、スレーブモードとされた第2ブルートゥース機器と、マスターモードとされた外部ブルートゥース機器と、を備え、前記第1ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第1ブルートゥース接続を有し、前記外部ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第2ブルートゥース接続を有し、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行う。
【0016】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続システムにおいて、前記外部ブルートゥース機器は、前記第2ブルートゥース接続により、データストリームを前記第2ブルートゥース機器に伝送し、前記第2ブルートゥース機器は、受信されたデータストリームを処理し、前記第2ブルートゥース機器は、前記第1ブルートゥース接続により、処理されたデータストリームを前記第1ブルートゥース機器に伝送する。
【0017】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続システムにおいて、前記第1ブルートゥース接続は、SPPプロトコルに基づいた透過的シリアル接続であり、前記第2ブルートゥース接続は、A2DPプロトコルに基づいた接続である。
【0018】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続システムにおいて、前記第2ブルートゥース機器は、受信されたデータストリームに対してデータ圧縮を行うように構成される。
【0019】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続システムにおいて、前記第2ブルートゥース機器は、前記第1ブルートゥース機器にハンドシェイク要求を送信し、前記第1ブルートゥース機器と前記第2ブルートゥース機器との間でハンドシェイクに成功し、前記第2ブルートゥース機器は、データ圧縮されたデータストリームを前記第1ブルートゥース機器に伝送する。
【0020】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続システムにおいて、第1ブルートゥース機器は、第2ブルートゥース機器の識別情報に基づいて、接続要求メッセージを送信し、第2ブルートゥース機器は、前記接続要求メッセージを受信した時に、対応する接続応答メッセージを送信し、第1ブルートゥース機器は、第2ブルートゥース機器からの接続応答メッセージを受信した時に、周波数ホッピング同期(FHS)パケットを送信する。
【0021】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続システムにおいて、第2ブルートゥース機器の識別情報は、前記第1ブルートゥース機器に事前記憶されている。
【0022】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続システムにおいて、第1ブルートゥース機器に、前記第2ブルートゥース機器を収容するためのスロットが配置されており、前記スロットに、PINニードルアセンブリが設けられ、前記第2ブルートゥース機器に、前記PINニードルアセンブリと嵌合するジャックが配置されており、前記第1ブルートゥース機器は、前記PINニードルアセンブリにより、前記第2ブルートゥース機器の識別情報を取得する。
【0023】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続システムにおいて、第2ブルートゥース機器は、ブルートゥースイヤホンである。
【0024】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続システムにおいて、前記第1ブルートゥース機器は、照会メッセージを送信し、前記第2ブルートゥース機器は、照会走査状態に入り、且つ、前記第1ブルートゥース機器から送信された照会メッセージを受信した時に、照会応答メッセージを送信し、前記第1ブルートゥース機器は、前記第2ブルートゥース機器からの照会応答メッセージを受信した時に、前記第2ブルートゥース機器と接続を確立する。
【0025】
本願の実施例のまた1つの態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体に、上記拡張接続方法を実行するコンピュータプログラムが記憶されている。
【発明の効果】
【0026】
従来技術における、2つのブルートゥース機器の間のみで、接続を確立してデータ伝送を行う構造と比べて、本願の実施例で提供される拡張ブルートゥース接続は、2つ以上のブルートゥース機器の間で必要なデータ伝送チャネル及び対応するノード制御を提供することを実現させることができ、より複雑な適用シーンに適用可能であり、また、ユーザ需要に一層合致する解決手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本願の実施例によるブルートゥース機器に用いられる拡張接続システム100を示すブロック図である。
【
図2】本願の実施例によるブルートゥース機器に用いられる拡張接続方法を示すフローチャートである。
【
図3】本願の実施例によるブルートゥースイヤホンと車載ブルートゥース機器との間で、A2DP接続により、オーディオデータ伝送を行うことを示すフローチャートである。
【
図4】本願の実施例による拡張接続システムが第1ブルートゥース接続によりオーディオストリームデータを伝送することを示す例示的なフローチャートである。
【
図5】第1ブルートゥース接続におけるブルートゥースイヤホン側の処理ルーチンを示す図である。
【
図6】第1ブルートゥース接続における車載ブルートゥース機器側の処理ルーチンを示す図である。 本願の一部を構成する図面は、本願のさらなる理解を提供するためのものであり、本願の他の特徴、目的及び利点をより明らかにする。本願の模式的な実施例、図面及びその説明は、本願を解釈するためのものであり、本願を不当に限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
当業者に本願の技術的解決手段をより良好に理解させるために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭かつ完全に説明する。勿論、説明される実施例は、全ての実施例ではなく、ただ本願の一部の実施例だけである。当業者が本願の実施例に基づいて、創造的な活動を行うことなく取得される全てのその他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0029】
なお、用語「取付」、「設置」、「設けられる」、「接続」、「ように構成される」は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続、取り外し可能な接続又は一体型構造であってもよい。機械的接続又は電気的接続であってもよい。直接接続又は中間媒体を介した間接的な接続であってもよい。また、2つの装置、素子又は構成部間の内部連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0030】
矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせることができることに留意されたい。以下、図面及び実施例を参照しながら、本願を詳しく説明する。
【0031】
本願の一態様によれば、ブルートゥース機器に用いられる拡張接続システム100を提供する。
図1に示すように、該拡張接続システム100は、マスターモードとされた第1ブルートゥース機器10と、スレーブモードとされた第2ブルートゥース機器20と、マスターモードとされた外部ブルートゥース機器30と、を備え、前記第1ブルートゥース機器10と第2ブルートゥース機器20との間で第1ブルートゥース接続を有し、前記外部ブルートゥース機器30と第2ブルートゥース機器20との間で第2ブルートゥース接続を有し、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器10と前記外部ブルートゥース機器30との間でデータ伝送を行う。
【0032】
本願の幾つかの実施例において、車載ブルートゥース機器、ブルートゥースイヤホン、ブルートゥース機能を有するスマートフォンからなるブルートゥース拡張接続システムを例として、該車載ブルートゥース機器は、第1ブルートゥース機器10の例であり、ブルートゥースイヤホンは、第2ブルートゥース機器20の例であり、ブルートゥース機能を有する上記スマートフォンは、外部ブルートゥース30の例である。
【0033】
ここで、用語「外部ブルートゥース機器」は、該ブルートゥース機器がユーザにより使用される任意の機器(該例において、スマートフォンである)であり、該機器が汎用のブルートゥース機能を有すればよいことを表す。該外部ブルートゥース機器は、一般的なページング接続(PAGE)により、マッチングモードである第2ブルートゥース(該例において、ブルートゥースイヤホンである)と第2ブルートゥース接続を確立することができる。上記例において、つまり、スマートフォンは、マッチング接続(既知の該当する機器の識別情報)、照会走査又は任意の他の適当な方式により、通信距離内にあるブルートゥースイヤホンと接続を確立することができる。該ブルートゥース接続を基に、第1ブルートゥース機器の例である車載ブルートゥース機器は、別途、ブルートゥースイヤホンと第1ブルートゥース接続を確立することができる。これにより、拡張したブルートゥース接続を実現させる。ここで、用語「拡張接続」は、一般的なデュアル機器間のブルートゥース接続に比べて、本願の実施例による技術的解決手段が2つ以上のブルートゥース機器の間でブルートゥース接続を確立することを実現させ、ブルートゥースリンクの拡張、データ伝送方式の拡張及びこれによる複雑な適用シーンに対する適応性(compliance)の拡張を提供することを表す。
【0034】
従来技術における、2つのブルートゥース機器の間のみで、接続を確立してデータ伝送を行う構造と比べて、本願の実施例で提供される拡張ブルートゥース接続は、2つ以上のブルートゥース機器の間で必要なデータ伝送チャネル及び対応するノード制御を提供することを実現させることができ、より複雑な適用シーンに適用可能であり、また、ユーザ需要に一層合致する解決手段を提供することができる。
【0035】
本願の幾つかの実施例によれば、ブルートゥースイヤホンは、スレーブモードとされてもよい。これは、マスターモードとされた任意の外部ブルートゥース機器と接続を確立することができる。幾つかの適用実例において、該外部ブルートゥース機器は、ユーザのスマートフォンであってもよい。従来のスマートフォンは、一般的には、A2DPオーディオ伝送プロトコルをサポートすることができる。
【0036】
A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)の正式名称は、アドバンスドオーディオ配信プロファイルであり、該プロトコルは、高品質なオーディオデータの伝送に適用可能である。具体的には、L2CAP層で確立されたACL非同期コネクションレスリンクにより、高品質なモノラル又はステレオオーディオデータを伝送する。A2DPプロトコルに基づいて、スマートフォンとブルートゥースイヤホンとの間で接続を確立する場合、イヤホン内のチップを用いてデータをスタッキングし、伝送されたオーディオデータを高精細度で呈示することを実現させることができる。
【0037】
上記実施例において、ブルートゥースイヤホンは、車内に位置し、ユーザは、スマートフォンを手持ちしてブルートゥースイヤホンの通信範囲内に入る。又は、該ブルートゥースイヤホンとスマートフォンはいずれもユーザにより携帯される。これにより、ブルートゥース接続が確立された場合、ユーザは、車両のエンジンをかけて車載システムを給電により起動した後、車載ブルートゥース機器は、下記プロセスにより、ブルートゥースイヤホンとの接続を別途確立する。
【0038】
一般的なプロセスによれば、2台のブルートゥース機器間の接続は以下のように実行される。まず、マスターユニットは、GIAC及びDIACを用いて一定の範囲内(照会サブ状態)のブルートゥース機器を照会する。付近のブルートゥース機器は、これらの照会(照会走査サブ状態)をリッスンしていると、自己のアドレス及びクロック情報(FHSパケット)をマスターユニット(照会応答サブ状態)に送信することで、マスターユニットに応答する。これらの情報を送信した後、スレーブユニットは、マスターユニットからのページングメッセージ(ページング走査)をリッスンし始める。マスターユニットは、範囲内のブルートゥース機器を発見した後にこれらの機器(ページングサブ状態)をページングして接続を確立することができる。ページング走査状態であるスレーブユニットは、該マスターユニットによりページングされた時、スレーブユニットは、直ちに自己の機器アクセスコード(DAC)を応答(スレーブユニット応答サブ状態)として用いることができる。メインユニットは、スレーブユニットからの応答を受信した後、メインユニットのリアルタイムクロック、BD_ADDR、BCHパリティビット及び機器カテゴリ(FHSパケット)を応答として伝送することができる。スレーブユニットが該FHSパケットを受信した後、マスターユニットとスレーブユニットは、接続状態に入る。
【0039】
ブルートゥース機器が接続を確立するプロセスは、主に下記複数の状態に係る。
【0040】
ページング(Page):マスターユニットは、該サブ状態を、スレーブユニットをアクティブ化して接続することに用いる。マスターユニットは、異なる周波数ホッピングチャネル内でスレーブユニットの機器アクセスコード(DAC)を伝送することでページングメッセージを発する。
【0041】
ページング走査(Page scan):該サブ状態で、スレーブユニットは、1つのウィンドウ走査生存期間内で自己の機器アクセスコード(DAC)をリッスンする。該走査ウィンドウ内で、スレーブユニットは、単一の周波数ポッピングでリッスンする(そのページング周波数ポッピングシーケンスからのものである)。
【0042】
スレーブ応答(Slave response):スレーブユニットは該サブ状態でそのマスターユニットのページングメッセージに応答する。ページング走査サブ状態であるスレーブユニットはマスターユニットページングメッセージに関わると、該状態に入る。スレーブユニットは、マスターユニットからのFHSパケットを受信した後、接続状態に入る。
【0043】
マスター応答(Master response):マスターユニットは、そのページングメッセージに対する、スレーブユニットからの応答を受信した後、該サブ状態に入る。スレーブユニットがマスターユニットへ返信すると、マスターユニットは、FHSパケットをスレーブユニットに送信し、続いて、マスターユニットは、接続状態に入る。
【0044】
照会(Inquiry):照会は、隣接ブルートゥース機器のアイデンティティを発見するために用いられる。発見ユニットは、ブルートゥース機器アドレス及び照会メッセージに応答する全てのユニットのクロックを収集する。
【0045】
照会走査(Inquiry scan):該状態で、ブルートゥース機器は、他の機器からの照会をリッスンする。この場合、走査機器は、一般的な照会アクセスコード(GIAC)又は専用照会アクセスコード(DIAC)をリッスンすることができる。
【0046】
照会応答(Inquiry response):照会について言えば、マスターユニットは、応答できず、スレーブユニットのみは、応答できる。スレーブユニットは、FHSパケットで応答する。該パケットは、スレーブユニットの機器アクセスコード、内部クロック及びいくつかの他のスレーブユニット情報を含む。
【0047】
典型的なページングプロセスは、下記ステップに応じて行われる。
【0048】
1)において、1つの機器(ソース)はもう1つの機器(ターゲット)をページングする。この場合、ページング状態(Page state)にある。
【0049】
2)において、ターゲット機器は、該ページングを受信する。この場合、ページング走査状態(Page Scan state)にある。
【0050】
3)において、ターゲット機器は、ソース機器に対する返答を送信する。この場合、スレーブ応答状態(Slave Response state)にある。
【0051】
4)ソース機器は、FHSパケットをターゲット機器に送信する。この場合、マスター応答状態(Master Response state)にある。
【0052】
5)において、ターゲット機器は、2番目の返答をソース機器に送信する。この場合、スレーブ応答状態(Slave Response state)にある。
【0053】
6)ターゲット機器とソース機器は切り替えを行い、ソースチャネルのパラメータを用いる。この場合、マスター応答状態及びスレーブ応答状態にある。
【0054】
幾つかの実施例において、第1ブルートゥース機器(車載ブルートゥース機器)と第2ブルートゥース機器(ブルートゥースイヤホン)との間で確立された第1ブルートゥース接続は、SPPプロトコルに基づいた透過的シリアル接続であり、該第2ブルートゥース機器(ブルートゥースイヤホン)と外部ブルートゥース機器(スマートフォン)との間で確立された第2ブルートゥース接続は、A2DPプロトコルに基づいた接続である。
【0055】
幾つかの実施例において、本願によるブルートゥース機器に用いられる拡張接続システムを用いる場合、例えば、ユーザが車載機器側のスピーカにより携帯電話側のオーディオを再生する必要がある場合、本願によるブルートゥース機器に用いられる拡張接続システムは、具体的な適用シーン要件に応じて、ユーザの具体的な需要に合致する接続モードを適当に提供することができる。
【0056】
幾つかの実施例によれば、ユーザが車載機器側のスピーカにより携帯電話側のオーディオを再生する必要がある場合に対して、本願の拡張接続システムは、異なる接続プロトコルを用いて第1ブルートゥース機器(車載ブルートゥース機器)と第2ブルートゥース機器(ブルートゥースイヤホン)との間の第1ブルートゥース接続、及び第2ブルートゥース機器(ブルートゥースイヤホン)と外部ブルートゥース機器(スマートフォン)との間の第2ブルートゥース接続をそれぞれ確立することができる。
【0057】
ユーザの任意の機器である外部ブルートゥース機器は、種々のタイプの端末機器又は固定装置であってもよいため、該外部ブルートゥース機器とブルートゥースイヤホンとの間の第2ブルートゥース接続は、既知のブルートゥース機器の間の一般的な接続方式であるべきである。このような接続は、本願の拡張接続システムからの影響を受けないブルートゥース接続である。一般的には、該第2ブルートゥース接続は、A2DPプロトコルに基づいた接続であり、外部ブルートゥース機器とブルートゥースイヤホンとの間で高品質なオーディオストリームを伝送するために用いられる。
【0058】
この場合、上述したように、ユーザのスマートフォンを例とした外部ブルートゥース機器をマスターモードとし、A2DPプロトコールにおいて、オーディオストリームデータの伝送ソース(source)とし、ブルートゥースイヤホンをスレーブモードとし、A2DPプロトコルにおいてオーディオストリームデータの受信側(sink)とする。
【0059】
一方で、中間ノードであるブルートゥースイヤホン(第2ブルートゥース機器)はスレーブモードとされるため、該ブルートゥースイヤホンとマスターモードである車載ブルートゥース機器との間で確立された第1ブルートゥース接続において、オーディオストリームデータを伝送するためにA2DPプロトコルを用いることができない。その理由は、この場合、ブルートゥースイヤホンがオーディオストリームデータの受信側(sink)とされ、車載ブルートゥース機器がオーディオストリームデータの伝送ソース(source)とされることである。
【0060】
上述に対して、本願の幾つかの実施例において、SPPプロトコルに基づいた透過的シリアル接続を第1ブルートゥース接続として用いる。
【0061】
図4は、本願の実施例による拡張接続システムが第1ブルートゥース接続によりオーディオストリームデータを伝送することを示す例示的なフローチャートである。
【0062】
図4に示すフローチャートのステップS41において、車載ブルートゥース機器は、それとブルートゥースイヤホンとのリンク(すなわち、第1ブルートゥース接続)の確立に成功したかどうかを確認する。
【0063】
車載ブルートゥース機器とブルートゥースイヤホンとの間でシリアル接続を確立したことを確認した後、この前に外部ブルートゥース機器から受信されたオーディオストリームデータを、ブルートゥースイヤホン側から車載ブルートゥース機器側に伝送することができる。
【0064】
ステップS42において、ブルートゥースイヤホンは、オーディオストリームを出力するかどうかを検出する。
【0065】
検出結果がYesであれば、ステップS43において、ブルートゥースイヤホンは、オーディオストリームデータを圧縮する。
【0066】
ステップS44において、ブルートゥースイヤホンは、車載ブルートゥース機器にオーディオ伝送ハンドシェイク要求を送信する。
【0067】
ステップS45において、車載ブルートゥース機器は、ハンドシェイクに成功したかどうかを確認し、且つハンドシェイクに成功した場合、「オーディオ伝送の準備ができた」ことを示すメッセージを送信する。
【0068】
ステップS46において、ブルートゥースイヤホンは、車載ブルートゥース機器にオーディオデータを送信する。
【0069】
上記実施例に対して、
図5は、第1ブルートゥース接続におけるブルートゥースイヤホン側の処理ルーチンを示す図である。これは、車載ブルートゥース機器側とオーディオ伝送ハンドシェイクを確立するステップと、外部ブルートゥース機器から受信されたオーディオストリームデータを圧縮処理するステップと、圧縮処理されたオーディオストリームデータを車載ブルートゥース機器に送信するステップと、を含む。
図6は、第1ブルートゥース接続における車載ブルートゥース機器側の処理ルーチンを示す図である。これは、車載ブルートゥース機器側からブルートゥースイヤホン側とオーディオ伝送ハンドシェイクを確立するステップと、圧縮処理されたオーディオストリームデータを受信し、復号処理を行うステップと、車載ブルートゥース機器側のスピーカを用いてオーディオを再生する。
【0070】
もう1つの適用シーンにおいて、例えば、ブルートゥースイヤホンのユーザがスマートフォン側のオーディオを車載機器に送信してスピーカにより再生することを望まず、車載機器側のオーディオ(ローカルオーディオであってもよく、周波数変調放送又はインターネットを介して受信されたオーディオであってもよい)をブルートゥースイヤホンに送信して再生することを望む。勿論、該適用シーンの前提要件は、ブルートゥースイヤホンがユーザに装着されたことである。この場合、前記第1ブルートゥース機器(車載ブルートゥース機器)と第2ブルートゥース機器(ブルートゥースイヤホン)との間の第1ブルートゥース接続、及び第2ブルートゥース機器(ブルートゥースイヤホン)と外部ブルートゥース機器(スマートフォン)との間の第2ブルートゥース接続はいずれも、A2DPプロトコルに基づいた接続であってもよい。
【0071】
図3に示すように、ステップS31において、車載ブルートゥース機器をA2DPデータ伝送ソース(A2DP source)とする。
【0072】
ステップS32において、ブルートゥースイヤホンは、車載ブルートゥース機器とブルートゥースイヤホンとの間のリンクの確立に成功したかどうかを検出する。この場合、ブルートゥースイヤホンをA2DP受信側(A2DP sink)とする。
【0073】
ステップS33において、車載ブルートゥース機器は、出力されるべきオーディオストリームが存在するかどうかを検出する。
【0074】
ステップS34において、ブルートゥースイヤホンは、車載ブルートゥース機器から伝送されたオーディオストリームデータを受信し、ブルートゥースイヤホンの内蔵スピーカを用いて音楽再生を行う。
【0075】
従来技術における、2つのブルートゥース機器の間のみで、接続を確立してデータ伝送を行う構造と比べて、本願の実施例で提供される拡張ブルートゥース接続システムは、2つ以上のブルートゥース機器の間で必要なデータ伝送チャネル及び対応するノード制御を提供することを実現させることができる。ここで、拡張/追加したブルートゥースリンクは、適切なブルートゥースプロトコルで接続を確立する。これにより、特定の適用シーンに適用可能であり、また、ユーザの具体的な需要に合致するデータ伝送解決手段を提供することができる。
【0076】
本願のもう1つの態様によれば、ブルートゥース機器に用いられる拡張接続方法を更に提供する。
図2に示すように、該拡張接続方法は、以下を含む。
【0077】
S1において、第1ブルートゥース機器を初期化し、前記第1ブルートゥース機器をマスターモードとする。
【0078】
S2において、前記第1ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で、第1ブルートゥース接続を確立する。
【0079】
S3において、前記第2ブルートゥース機器に接続された外部ブルートゥース機器が存在するかどうかを監視し、外部ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第2ブルートゥース接続が確立された場合、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行う。
【0080】
幾つかの実施例において、車載ブルートゥース機器を第1ブルートゥース機器の例とし、ブルートゥースイヤホンを第2ブルートゥース機器の例とし、ブルートゥース機能を有するスマートフォンを外部ブルートゥース機器の例とする。
【0081】
本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行うステップは、
前記第2ブルートゥース接続により、データストリームを前記外部ブルートゥース機器から前記第2ブルートゥース機器に伝送するステップと、
前記第2ブルートゥース機器で、受信されたデータストリームを処理するステップと、
前記第1ブルートゥース接続により、前記処理されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップと、を含む。
【0082】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース機器は、マスターモードとされ、前記第2ブルートゥース機器は、スレーブモードとされ、また、前記外部ブルートゥース機器は、マスターモードとされる。
【0083】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース接続は、SPPプロトコルに基づいた透過的シリアル接続であり、前記第2ブルートゥース接続は、A2DPプロトコルに基づいた接続である。
【0084】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続はいずれもA2DPプロトコルに基づいた接続である。
【0085】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第2ブルートゥース機器で、受信されたデータストリームを処理するステップは、前記第2ブルートゥース機器により、受信されたデータストリームに対してデータ圧縮を行うステップを含む。
【0086】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース接続により、前記処理されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップは、
前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器へハンドシェイク要求を送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器と前記第2ブルートゥース機器との間でハンドシェイクに成功したことを確認するステップと、
データ圧縮されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップと、を含む。
【0087】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース機器と、スレーブモードである第2ブルートゥース機器と、の間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップは、
第1ブルートゥース機器が、第2ブルートゥース機器の識別情報に基づいて、接続要求メッセージを送信するステップと、
第2ブルートゥース機器が、接続要求メッセージを受信した場合に、対応する接続応答メッセージを送信するステップと、
第1ブルートゥース機器が第2ブルートゥース機器からの接続応答メッセージを受信した場合に、周波数ホッピング同期(FHS)パケットを送信するステップと、を含む。
【0088】
該FHSパケットは、第1ブルートゥース機器のリアルタイムクロック、BD_ADDR、BCHパリティビット及び機器カテゴリの情報を含む。
【0089】
上記実施例の拡張接続方法において、第1ブルートゥース機器に第2ブルートゥース機器の識別情報が事前記憶されてもよい。又は、他の方式により第2ブルートゥース機器との接続を確立する前に該第2ブルートゥース機器の識別情報を得ることができる。該識別情報は、第2ブルートゥース機器のMACアドレス、第2ブルートゥース機器の機器名称ID、又は該ブルートゥース機器を一意的に識別できる他の情報であってもよい。
【0090】
幾つかの実施例において、上記第1ブルートゥース機器は、車載ブルートゥース機器であり、第2ブルートゥース機器は、ブルートゥースイヤホンである。ブルートゥースイヤホンと車載ブルートゥース機器との接続に1回以上成功した後、車載ブルートゥース機器に、対応するブルートゥースイヤホンの識別情報を記憶することができる。
【0091】
別の幾つかの実施例において、車載ブルートゥース機器に、ブルートゥースイヤホンを収容するためのスロットが配置されており、該スロットにPINニードルアセンブリを有し、ブルートゥースイヤホンにおけるイヤホンジャックと互いに嵌合することができる。ブルートゥースイヤホンをイヤホンスロットに配置する場合、ブルートゥースイヤホンと車載ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行うことができる。任意選択的に、上記PINニードルアセンブリにより、ブルートゥースイヤホンに対して充電を行うこともできる。
【0092】
幾つかの実施例において、ブルートゥースイヤホンをイヤホンスロットに配置する場合、ブルートゥースイヤホン自体の識別情報を、上記PINニードルアセンブリにより車載ブルートゥース機器に伝送する。車載ブルートゥース機器は、ブルートゥースイヤホン自体の識別情報を得ることができ、更に、該識別情報に基づいて、上記ページング(PAGE)操作を行うことができる。これにより、車載ブルートゥース機器とブルートゥースイヤホンとの間で接続を確立することができる。
【0093】
任意選択的に、本願の実施例による拡張接続方法において、前記第1ブルートゥース機器と、スレーブモードである第2ブルートゥース機器と、の間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップは、
前記第1ブルートゥース機器が照会メッセージを送信するステップと、
前記第2ブルートゥース機器が照会走査状態に入り、且つ前記第1ブルートゥース機器から送信された照会メッセージを受信した時に照会応答メッセージを送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器が前記第2ブルートゥース機器からの照会応答メッセージを受信した時に、前記第2ブルートゥース機器と接続を確立するステップと、を含む。
【0094】
上記実施例による拡張接続方法において、第1ブルートゥース機器に対して特定の接続対象が設けられておらず、照会走査により、周辺にどのような接続可能な(PAGE)ブルートゥース機器が存在するかを知る。
【0095】
上記は、本願の好適な実施例だけであり、本願を限定するためのものではない。当業者は、本願に対して種々の変更及び変動を行うことができる。本願の精神及び原則内で行われる如何なる修正、均等物による置き換え、改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
従来技術における、2つのブルートゥース機器の間のみで、接続を確立してデータ伝送を行う構造と比べて、本願の実施例で提供される拡張ブルートゥース接続は、2つ以上のブルートゥース機器の間で必要なデータ伝送チャネル及び対応するノード制御を提供することを実現させることができ、より複雑な適用シーンに適用可能であり、また、ユーザ需要に一層合致する解決手段を提供することができる。
【図】
【図】
【図】
【手続補正書】
【提出日】2021-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブルートゥース機器に用いられる拡張接続方法であって、前記方法は、
第1ブルートゥース機器を初期化し、前記第1ブルートゥース機器をマスターモードとするステップと、
前記第1ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップと、
前記第2ブルートゥース機器に接続された外部ブルートゥース機器が存在するかどうかを監視し、外部ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第2ブルートゥース接続が確立された場合、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行うステップと、を含む、ブルートゥース機器に用いられる拡張接続方法。
【請求項2】
前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行うステップは、
前記第2ブルートゥース接続により、データストリームを前記外部ブルートゥース機器から前記第2ブルートゥース機器に伝送するステップと、
前記第2ブルートゥース機器で、受信されたデータストリームを処理するステップと、
前記第1ブルートゥース接続により、前記処理されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の拡張接続方法。
【請求項3】
前記第1ブルートゥース機器は、マスターモードとされ、前記第2ブルートゥース機器は、スレーブモードとされ、また、前記外部ブルートゥース機器は、マスターモードとされることを特徴とする
請求項1に記載の拡張接続方法。
【請求項4】
前記第1ブルートゥース接続は、SPPプロトコルに基づいた透過的シリアル接続であり、前記第2ブルートゥース接続は、A2DPプロトコルに基づいた接続であることを特徴とする
請求項2に記載の拡張接続方法。
【請求項5】
前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続はいずれもA2DPプロトコルに基づいた接続であることを特徴とする
請求項2に記載の拡張接続方法。
【請求項6】
前記第2ブルートゥース機器で、受信されたデータストリームを処理するステップは、
前記第2ブルートゥース機器により、受信されたデータストリームに対してデータ圧縮を行うステップを含むことを特徴とする
請求項3に記載の拡張接続方法。
【請求項7】
前記第1ブルートゥース接続により、前記処理されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップは、
前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器へハンドシェイク要求を送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器と前記第2ブルートゥース機器との間でハンドシェイクに成功したことを確認するステップと、
データ圧縮されたデータストリームを前記第2ブルートゥース機器から前記第1ブルートゥース機器に伝送するステップと、を含むことを特徴とする
請求項6に記載の拡張接続方法。
【請求項8】
前記第1ブルートゥース機器と、スレーブモードである第2ブルートゥース機器と、の間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップは、
前記第1ブルートゥース機器が、事前記憶された第2ブルートゥース機器の識別情報に基づいて、接続要求メッセージを送信するステップと、
前記第2ブルートゥース機器が、前記接続要求メッセージを受信した場合に、対応する接続応答メッセージを送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器が前記第2ブルートゥース機器からの接続応答メッセージを受信した場合に、周波数ホッピング同期(FHS)パケットを送信するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の拡張接続方法。
【請求項9】
前記第1ブルートゥース機器と、スレーブモードである第2ブルートゥース機器と、の間で、第1ブルートゥース接続を確立するステップは、
前記第1ブルートゥース機器が照会メッセージを送信するステップと、
前記第2ブルートゥース機器が照会走査状態に入り、且つ前記第1ブルートゥース機器から送信された照会メッセージを受信した時に照会応答メッセージを送信するステップと、
前記第1ブルートゥース機器が前記第2ブルートゥース機器からの照会応答メッセージを受信した時に、前記第2ブルートゥース機器と接続を確立するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の拡張接続方法。
【請求項10】
ブルートゥース機器に用いられる拡張接続システムであって、
マスターモードとされた第1ブルートゥース機器と、
スレーブモードとされた第2ブルートゥース機器と、
マスターモードとされた外部ブルートゥース機器と、を備え、
前記第1ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第1ブルートゥース接続を有し、前記外部ブルートゥース機器と第2ブルートゥース機器との間で第2ブルートゥース接続を有し、前記第1ブルートゥース接続及び前記第2ブルートゥース接続により、前記第1ブルートゥース機器と前記外部ブルートゥース機器との間でデータ伝送を行う、ブルートゥース機器に用いられる拡張接続システム。
【請求項11】
前記外部ブルートゥース機器は、前記第2ブルートゥース接続により、データストリームを前記第2ブルートゥース機器に伝送し、前記第2ブルートゥース機器は、受信されたデータストリームを処理し、前記第2ブルートゥース機器は、前記第1ブルートゥース接続により、処理されたデータストリームを前記第1ブルートゥース機器に伝送することを特徴とする
請求項10に記載の拡張接続システム。
【請求項12】
第1ブルートゥース機器は、第2ブルートゥース機器の識別情報に基づいて、接続要求メッセージを送信し、第2ブルートゥース機器は、前記接続要求メッセージを受信した時に、対応する接続応答メッセージを送信し、第1ブルートゥース機器は、第2ブルートゥース機器からの接続応答メッセージを受信した時に、周波数ホッピング同期(FHS)パケットを送信することを特徴とする
請求項10に記載の拡張接続システム。
【請求項13】
第1ブルートゥース機器に、前記第2ブルートゥース機器を収容するためのスロットが配置されており、前記スロットに、PINニードルアセンブリが設けられ、前記第2ブルートゥース機器に、前記PINニードルアセンブリと嵌合するジャックが配置されており、前記第1ブルートゥース機器は、前記PINニードルアセンブリにより、前記第2ブルートゥース機器の識別情報を取得することを特徴とする
請求項12に記載の拡張接続システム。
【請求項14】
前記第1ブルートゥース機器は、照会メッセージを送信し、前記第2ブルートゥース機器は、照会走査状態に入り、且つ、前記第1ブルートゥース機器から送信された照会メッセージを受信した時に、照会応答メッセージを送信し、前記第1ブルートゥース機器は、前記第2ブルートゥース機器からの照会応答メッセージを受信した時に、前記第2ブルートゥース機器と接続を確立することを特徴とする
請求項10に記載の拡張接続システム。
【請求項15】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体に、請求項1から9のうちいずれか一項に記載の方法を実行するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】