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特表2022-512020微発泡性バッカル錠およびその調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】微発泡性バッカル錠およびその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/00 20160101AFI20220125BHJP
   A23L 33/00 20160101ALI20220125BHJP
【FI】
A23L5/00 A
A23L33/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546412
(86)(22)【出願日】2019-06-26
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2019092936
(87)【国際公開番号】W WO2020078036
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】201811208708.0
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521165585
【氏名又は名称】バイヘルス・カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ウエイ,ジーンチアーン
(72)【発明者】
【氏名】ホワーン,ユエンイーン
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,シュウグワーン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,メイジュエン
(72)【発明者】
【氏名】マイ,ウエンチオーン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B035
【Fターム(参考)】
4B018LE01
4B018MD01
4B018MD02
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4B035LP22
4B035LP31
(57)【要約】
微発泡性バッカル錠およびその調製方法を提供する。該微発泡性バッカル錠は、栄養素、糖アルコール、酸源、アルカリ源、ステアリン酸マグネシウム、エッセンス、および甘味剤を含み、該糖アルコールは、ラクトース、マルチトール、ソルビトール、イソマルチトール、マンニトール、エリスリトール、またはそれらの任意の組み合わせであり;該甘味剤は、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、フルクトース、グラニュー糖、モグロシド、またはそれらの任意の組み合わせである。該微発泡性錠剤は、口内において唾液の作用により微発泡反応を引き起こすことができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
栄養素、糖アルコール、酸源、アルカリ源、ステアリン酸マグネシウム、エッセンス、および甘味剤を含む微発泡性バッカル錠であって、
糖アルコールが、ラクトース、マルチトール、ソルビトール、イソマルチトール、マンニトール、エリスリトール、またはそれらの任意の組み合わせであり、
甘味剤が、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、フルクトース、グラニュー糖、モグロシド、またはそれらの任意の組み合わせであり、
微発泡性バッカル錠が、重量部で、1~30部の栄養素、10~80部の糖アルコール、10~40部の酸源、10~40部のアルカリ源、0.1~3部のステアリン酸マグネシウム、1~5部のエッセンス、および0.1~3部の甘味剤を含み、
微発泡性バッカル錠中の酸源の重量比が19%以下であり、
微発泡性バッカル錠中のアルカリ源の重量比が18%以下である、
前記微発泡性バッカル錠。
【請求項2】
微発泡性バッカル錠が、重量部で、8~12部の栄養素、10~80部の糖アルコール、10~40部の酸源、10~40部のアルカリ源、0.1~3部のステアリン酸マグネシウム、1~5部のエッセンス、および0.1~3部の甘味剤を含む、請求項1に記載の微発泡性バッカル錠。
【請求項3】
微発泡性バッカル錠が、重量部で、10~11部の栄養素、48~63部の糖アルコール、11~19部の酸源、11~18部のアルカリ源、0.8~1.5部のステアリン酸マグネシウム、1.5~2部のエッセンス、および0.2~1.2部の甘味剤を含む、請求項1または2に記載の微発泡性バッカル錠。
【請求項4】
栄養素がビタミンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の微発泡性バッカル錠。
【請求項5】
ビタミンが、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項4に記載の微発泡性バッカル錠。
【請求項6】
糖アルコールが、ラクトース、マルチトール、ソルビトール、イソマルチトール、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1~5のいずれか一項に記載の微発泡性バッカル錠。
【請求項7】
甘味剤が、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1~6のいずれか一項に記載の微発泡性バッカル錠。
【請求項8】
酸源が、クエン酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、またはそれらの任意の組み合わせであり、アルカリ源が、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1~7のいずれか一項に記載の微発泡性バッカル錠。
【請求項9】
微発泡性バッカル錠がさらに二酸化ケイ素を含み、微発泡性バッカル錠中の二酸化ケイ素の重量比が0.1%~1%である、請求項1~8のいずれか一項に記載の微発泡性バッカル錠。
【請求項10】
栄養素が、ブルーベリー抽出物、ゼアキサンチン、ルテイン、ルテインエステル、タウリン、カフェイン、ガラナ、γ-アミノ酪酸、茶テアニン、メラトニン、乳ミネラル、ブドウ種子抽出物、オリーブ果実抽出物、コラーゲン粉末、弾性コラーゲン、プロバイオティクス、酵素、食物繊維、プレバイオティクス、ホスファチジルセリン、DHAからなる群より選択される任意の1以上を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の微発泡性バッカル錠。
【請求項11】
栄養素、糖アルコール、酸源、アルカリ源、ステアリン酸マグネシウム、エッセンスおよび甘味剤を混合して混合物を得、該混合物を錠剤に圧縮することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の微発泡性バッカル錠の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康食品製剤の分野、とりわけ微発泡性バッカル錠およびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンは、ヒトおよび動物が正常な生理学的機能を維持するために食物から得なければならない微量有機物質の一種であり、人体の成長、代謝、および発達に重要な役割を果たす。これらの物質は、体組織を構成する材料でも体内のエネルギー源でもなく、むしろ物質代謝において重要な役割を果たす変調物質である。人体は非常に複雑な化学プラントに似ており、さまざまな生化学反応が連続的に起こり、その反応は酵素の触媒作用に密接に関連している。酵素が活性であるためには、補酵素が関与することが必要である。多くのビタミンは、酵素の補酵素または補酵素の構成分子であることが知られている。このように、ビタミンは身体の正常な代謝を維持し、調節するのに重要な物質である。
【0003】
発泡性錠剤は、発泡性崩壊剤として有機酸および塩基性(重)炭酸塩を含有する、中国における新しい健康食品および医薬製剤である。発泡性錠剤を水中に入れると、有機酸が塩基性(重)炭酸塩とすぐに反応して、沸騰のように、大量の二酸化炭素ガスを発生して放出する。一般的な錠剤と比較して、発泡性錠剤は以下の利点を有する:(1)投与が簡便で、作用が迅速である;(2)味および服薬遵守が良好である、とりわけ、小児、高齢者および固形製剤の嚥下が困難な患者に適している;(3)1~5分以内で迅速に崩壊する;(4)バイオアベイラビリティが高く、臨床効果を改善することができる;(5)わずかに酸性の特性を有し、いくつかの薬物の安定性および溶解性を上昇させることができる;(6)崩壊によって生じる大量の泡沫が薬物と疾患領域との間の直接的な接触を増大させ、それによって発泡性錠剤がより良好な臨床効果を発揮することができるため、口腔疾患、膣疾患などの予防および処置に使用するのに適している;(7)持ち運び、運搬および貯蔵が容易である。
【0004】
単一のビタミンまたはさまざまなビタミンから調製される発泡性錠剤は、消費者に人気がある。しかしながら、発泡性錠剤は服用前に水に溶解する必要があり、飲料用備品または飲料水がない場合、発泡性錠剤の服用は、消費者にとって非常に不便を感じるものとなる。
【発明の概要】
【0005】
先行技術における問題を解決するために、本出願は、微発泡性バッカル錠およびその調製方法を提供する。微発泡性バッカル錠は、新規な製剤形態であり、口内において唾液の作用により微発泡をもたらすことができ、良好な味および強い経験(strong experience)を有する。したがって、以下の発明を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
一観点において、本出願は、栄養素、糖アルコール、酸源、アルカリ源、ステアリン酸マグネシウム、エッセンス、および甘味剤を含む微発泡性バッカル錠であって、
糖アルコールが、ラクトース、マルチトール、ソルビトール、イソマルチトール、マンニトール、エリスリトール、またはそれらの任意の組み合わせであり、
甘味剤が、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、フルクトース、グラニュー糖、モグロシド、またはそれらの任意の組み合わせであり、
微発泡性バッカル錠が、重量部で、1~30部の栄養素、10~80部の糖アルコール、10~40部の酸源、10~40部のアルカリ源、0.1~3部のステアリン酸マグネシウム、1~5部のエッセンス、および0.1~3部の甘味剤を含み、
微発泡性バッカル錠中の酸源の重量比が19%以下(例えば、1%~5%、5%~10%、10%~15%、または15%~19%)であり、微発泡性バッカル錠中のアルカリ源の重量比が18%以下(例えば、1%~5%、5%~10%、10%~15%、または15%~18%)である、
前記微発泡性バッカル錠を提供する。
【0007】
いくつかの態様において、微発泡性バッカル錠は、重量部で48~63部の糖アルコールを含む。いくつかの態様において、微発泡性バッカル錠は、重量部で0.8~1.5部のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0008】
いくつかの態様において、微発泡性バッカル錠は、重量部で11~19部の酸源を含む。
いくつかの態様において、微発泡性バッカル錠は、重量部で11~18部のアルカリ源を含む。
【0009】
いくつかの態様において、微発泡性バッカル錠は、重量部で、8~12部の栄養素、10~80部の糖アルコール、10~40部の酸源、10~40部のアルカリ源、0.1~3部のステアリン酸マグネシウム、1~5部のエッセンス、および0.1~3部の甘味剤を含む。
【0010】
いくつかの態様において、微発泡性バッカル錠は、重量部で、10~11部の栄養素、48~63部の糖アルコール、11~19部の酸源、11~18部のアルカリ源、0.8~1.5部のステアリン酸マグネシウム、1.5~2部のエッセンス、および0.2~1.2部の甘味剤を含む。
【0011】
いくつかの態様において、栄養素はビタミンである。
いくつかの態様において、ビタミンは、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0012】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、ビタミンAを含む。ビタミンAは抗眼球乾燥症ビタミンであり、化粧品用ビタミンとしても知られ、脂溶性である。ビタミンAは、単一の化合物ではなく、一連のレチノール(ビタミンAアルコールまたはロジン油としても知られる)誘導体である。ビタミンAは、夜盲症の予防または処置に使用することができる。
【0013】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、ビタミンBを含む。ビタミンBはチアミンとしても知られ、抗脚気因子、抗神経炎因子などともよばれ、水溶性ビタミンである。ビタミンBは、脂漏性の皮膚炎または湿疹の予防または処置に使用することができる。
【0014】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、ビタミンBを含む。ビタミンBはリボフラビンとしても知られ、ビタミンGともよばれ、水溶性である。ビタミンBは、口および舌の炎症(アフタ性潰瘍)の予防または処置に使用することができる。
【0015】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、ビタミンCを含む。ビタミンCはアスコルビン酸として知られ、水溶性であり、壊血病の予防または処置に使用することができる。
【0016】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、ビタミンDを含む。ビタミンDはカルシフェロールとして知られ、脂溶性であり、くる病の予防または処置に使用することができる。
【0017】
いくつかの態様において、糖アルコールは、ラクトース、マルチトール、ソルビトール、イソマルチトール、またはそれらの任意の組み合わせである。
いくつかの態様において、糖アルコールはラクトースおよびマルチトールである。いくつかの態様において、ラクトースとマルチトールの比は、重量部で1:0.2~4.5(例えば、1:0.2、1:2.2、または1:4.5)である。
【0018】
いくつかの態様において、糖アルコールはソルビトールおよびラクトースである。いくつかの態様において、ソルビトールとラクトースの比は、重量部で1:0.39~4.2(例えば、1:0.39、1:0.74、1:0.85または1:4.2)である。
【0019】
いくつかの態様において、糖アルコールはイソマルチトールおよびラクトースである。いくつかの態様において、イソマルチトールとラクトースの比は、重量部で1:0.46~1.6である。
【0020】
いくつかの態様において、甘味剤は、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、またはそれらの任意の組み合わせである。
いくつかの態様において、酸源は、クエン酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、またはそれらの任意の組み合わせであり、アルカリ源は、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0021】
いくつかの態様において、微発泡性バッカル錠はさらに二酸化ケイ素を含み、微発泡性バッカル錠中の二酸化ケイ素の重量比は0.1%~1%である。
いくつかの態様において、微発泡性バッカル錠はさらに二酸化ケイ素を含み、微発泡性バッカル錠中の二酸化ケイ素の重量比は0.5%である。
【0022】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、ラクトース、マルチトール、ビタミンC、無水クエン酸、重炭酸ナトリウム、エッセンス、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、およびステアリン酸マグネシウムを含み、所望により、さらに二酸化ケイ素を含む。いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、重量部で、9.8~48.8部(例えば、9.8~16.1部または16.1~48.8部)のラクトース、10~42.5部(例えば、10~35部または35~42.5部)のマルチトール、10~10.5部のビタミンC、14~17.5部の無水クエン酸、14~16.25部の重炭酸ナトリウム、1.7~2部のエッセンス、0.025~0.03部のスクラロース、0.12~0.6部のアスパルテーム、0.05~0.3部のステビオシド、0.8~1.5部(例えば、0.8~1または1~1.5部)のステアリン酸マグネシウムを含み、所望により、さらに0.1~1部(例えば、0.1~0.5部または0.5~1部)の二酸化ケイ素を含む。
【0023】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、マルチトール、ビタミンC、無水クエン酸、重炭酸ナトリウム、エッセンス、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、ステアリン酸マグネシウムおよび二酸化ケイ素を含む。いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、重量部で、10~80部(例えば、10~62.7部または62.7~80部)のマルチトール、1~30部(例えば、1~10.5部または10.5~30部)のビタミンC、10~40部(例えば、10~11.3部または11.3~40部)の無水クエン酸、10~40部(例えば、10~11.25部または11.25~40部)の炭酸水素ナトリウム、1~5部(例えば、1~1.5部または1.5~5部)のエッセンス、0.1~3部のスクラロース、ステビオシドおよびアスパルテームの組み合わせ(例えば、0.025~0.03部のスクラロース、0.3~0.4部のステビオシド、0.4~0.5部のアスパルテーム)、0.1~3部(例えば、0.1~1.5部または1.5~3部)のステアリン酸マグネシウム、0.1~1部(例えば、0.1~0.5部または0.5~1部)の二酸化ケイ素を含む。
【0024】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、マルチトール、ラクトース、ビタミンC、無水クエン酸、重炭酸ナトリウム、エッセンス、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、およびステアリン酸マグネシウムを含み、所望により、さらに二酸化ケイ素を含む。いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、重量部で、10~35部(例えば、10~30部または30~35部)のソルビトール、13.6~41.7部(例えば、13.6~22.3部、22.3~25.4部または25.4~41.6部)のラクトース、10~10.5部のビタミンC、15~18.75部(例えば、15~17.5部または17.5~18.75部)の無水クエン酸、15~17.5部(例えば、15~16.25部または16.25~17.5部)の重炭酸ナトリウム、1~5部(例えば、1~1.7部または1.7~5部)のエッセンス、0.1~3部のスクラロース、ステビオシドおよびアスパルテームの組み合わせ(例えば、0.025~0.03部のスクラロース、0.6~0.7部のアスパルテーム、0.3~0.4部のステビオシド)、0.8~1.5部のステアリン酸マグネシウムを含み、所望により、さらに0.1~1部(例えば、0.1~0.5部または0.5~1部)の二酸化ケイ素を含む。
【0025】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、ラクトース、ビタミンC、無水クエン酸、重炭酸ナトリウム、エッセンス、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、ステアリン酸マグネシウムおよび二酸化ケイ素を含む。いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、重量部で、10~80部(例えば、10~59.4部または59.4~80部)のラクトース、1~30部(例えば、1~10.5部または10.5~30部)のビタミンC、10~40部(例えば、10~15.25部または15.25~40部)の無水クエン酸、10~40部(例えば、10~11.25部または11.25~40部)の重炭酸ナトリウム、1~5部(例えば、1~1.5部または1.5~5部)のエッセンス、0.1~3部のスクラロース、ステビオシドおよびアスパルテームの組み合わせ(例えば、0.025~0.03部のスクラロース、0.3~0.4部のステビオシド、0.8~0.9部のアスパルテーム)、0.1~3部(例えば、0.1~0.5部または0.5~3部)のステアリン酸マグネシウム、0.1~1部(例えば、0.1~0.5部または0.5~1部)の二酸化ケイ素を含む。
【0026】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、イソマルチトール、ラクトース、ビタミンC、無水クエン酸、重炭酸ナトリウム、エッセンス、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、およびステアリン酸マグネシウムを含み、所望により、さらに二酸化ケイ素を含む。いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、重量部で、20~35部のイソマルチトール、16.075~32.275部のラクトース、1~30部(例えば、1~10.5部または10.5~30部)のビタミンC、10~40部(例えば、10~17.5部または17.5~40部)の無水クエン酸、10~40部(例えば、10~16.25部または16.25~40部)の重炭酸ナトリウム、1~5部(例えば、1~1.7部または1.7~5部)のエッセンス、0.1~3部のスクラロース、ステビオシドおよびアスパルテームの組み合わせ(例えば、0.025~0.03部のスクラロース、0.35~0.4部のステビオシド、0.6~0.7部のアスパルテーム)、0.8~1.5部のステアリン酸マグネシウムを含み、所望により、さらに0.1~1部(例えば、0.1~0.5部または0.5~1部)の二酸化ケイ素を含む。
【0027】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、イソマルチトール、ビタミンC、無水クエン酸、重炭酸ナトリウム、エッセンス、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、ステアリン酸マグネシウムおよび二酸化ケイ素を含む。いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、重量部で、10~80部(例えば、10~51.35部または51.35~80部)のイソマルチトール、1~30部(例えば、1~10.5部または10.5~30部)のビタミンC、10~40部(例えば、10~17.5部または17.5~40部)の無水クエン酸、10~40部(例えば、10~16.25部または16.25~40部)の炭酸水素ナトリウム、1~5部(例えば、1~1.7部または1.7~5部)のエッセンス、0.1~3部のスクラロース、ステビオシドおよびアスパルテームの組み合わせ(例えば、0.025~0.03部のスクラロース、0.3~0.4部のステビオシド、0.6~0.7部のアスパルテーム)、0.1~3部(例えば、0.1~1.5部または1.5~3部)のステアリン酸マグネシウム、0.1~1部(例えば、0.1~0.5部または0.5~1部)の二酸化ケイ素を含む。
【0028】
いくつかの態様において、本発明の微発泡性バッカル錠は、ビタミンに加えて、他の栄養素、例えば、ブルーベリー抽出物、ゼアキサンチン、ルテイン、ルテインエステル、タウリン、カフェイン、ガラナ、γ-アミノ酪酸、茶テアニン、メラトニン、乳ミネラル、ブドウ種子抽出物、オリーブ果実抽出物、コラーゲン粉末、弾性コラーゲン、プロバイオティクス、酵素、食物繊維、プレバイオティクス、ホスファチジルセリン、DHAなどを含んでいてもよい。
【0029】
他の観点において、本出願は、栄養素、糖アルコール、酸源、アルカリ源、ステアリン酸マグネシウム、エッセンスおよび甘味剤を混合して混合物を得、該混合物を錠剤に圧縮する段階を含む、本発明の微発泡性バッカル錠の調製方法を提供する。
【0030】
本出願はまた、以下の技術的解決策にも関する:
技術的解決策1:微発泡性バッカル錠が、栄養素、糖アルコール、酸源、アルカリ源、ステアリン酸マグネシウム、エッセンスおよび甘味剤を含むことを特徴とする、微発泡性バッカル錠、これに関し、
糖アルコールは、ラクトース、マルチトール、ソルビトール、イソマルチトール、マンニトール、エリスリトール、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択され、
甘味剤は、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、フルクトース、グラニュー糖、モグロシド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択され、
微発泡性バッカル錠は、重量部で、1~30部の栄養素、10~80部の糖アルコール、10~40部の酸源、10~40部のアルカリ源、0.1~3部のステアリン酸マグネシウム、1~5部のエッセンスおよび0.1~3部の甘味剤を含み、
微発泡性バッカル錠中の酸源の重量比は19%以下であり、微発泡性バッカル錠中のアルカリ源の重量比は18%以下である。
【0031】
技術的解決策2:微発泡性バッカル錠が、重量部で、8~12部の栄養素、10~80部の糖アルコール、10~40部の酸源、10~40部のアルカリ源、0.1~3部のステアリン酸マグネシウム、1~5部のエッセンスおよび0.1~3部の甘味剤を含むことを特徴とする、技術的解決策1に記載の微発泡性バッカル錠。
【0032】
技術的解決策3:微発泡性バッカル錠が、重量部で、10~11部の栄養素、48~63部の糖アルコール、11~19部の酸源、11~18部のアルカリ源、0.8~1.5部のステアリン酸マグネシウム、1.5~2部のエッセンスおよび0.2~1.2部の甘味剤を含むことを特徴とする、技術的解決策1に記載の微発泡性バッカル錠。
【0033】
技術的解決策4:栄養素がビタミンであることを特徴とする、技術的解決策1に記載の微発泡性バッカル錠。
技術的解決策5:ビタミンが、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEおよびビタミンKからなる群より選択される1以上であることを特徴とする、技術的解決策4に記載の微発泡性バッカル錠。
【0034】
技術的解決策6:糖アルコールが、ラクトース、マルチトール、ソルビトール、イソマルチトール、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、技術的解決策1に記載の微発泡性バッカル錠。
【0035】
技術的解決策7:甘味剤が、スクラロース、アスパルテーム、ステビオシド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、技術的解決策1に記載の微発泡性バッカル錠。
有利な効果
従来の発泡性錠剤と比較して、本発明の微発泡性バッカル錠は、水と接触するとゆっくりと数個の小さな気泡を生じ、激しい発泡を生じない。したがって、本発明の微発泡性錠剤は、バッカル投与のために口内に直接置くことができ、服用するのに好都合であり、口内で発生する大量の二酸化炭素ガスに起因する安全性のリスクを回避することができる。一方、本発明の微発泡性錠剤は水に溶解することもでき、従来の発泡性錠剤と同様の方法に従って服用することができる。
【0036】
さらに、微発泡性錠剤中の成分を選択し、それら成分の割合を調整することによって、本発明は、生産プロセスまたは加速試験における発泡性錠剤の重大な吸湿性の問題を解決する。
【実施例
【0037】
発明を実施するための具体的モード
本発明の態様を、以下の実施例によって例示する。しかしながら、当業者なら、以下の実施例は本発明を説明する目的のために提供されており、本発明の範囲を定義するものとみなすべきではないことを理解する。実施例で使用した原料または補助材料は、すべて市販されている。
実施例1
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0038】
【表1】
【0039】
プロセス:
1.秤量および調製
すべての材料を処方箋に従って秤量し、材料の性質に応じて選択的に粉砕、予備混合またはふるい分けした。
2.混合
栄養素、甘味剤、糖アルコール、クエン酸、重炭酸ナトリウム、エッセンス、およびステアリン酸マグネシウムをミキサーに入れ、混合物の色およびテクスチャーが均一になるまで混合した。
3.圧縮
混合物を圧縮して錠剤にした。錠剤のサイズは40mgであった。
実施例2
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0040】
【表2】
【0041】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
実施例3
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0042】
【表3】
【0043】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
実施例4
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0044】
【表4】
【0045】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
実施例5
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0046】
【表5】
【0047】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
実施例6
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0048】
【表6】
【0049】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
実施例7
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0050】
【表7】
【0051】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
実施例8
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0052】
【表8】
【0053】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
実施例9
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0054】
【表9】
【0055】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
実施例10
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0056】
【表10】
【0057】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
実施例11
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0058】
【表11】
【0059】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
実施例12
本実施例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0060】
【表12】
【0061】
混合および圧縮を含むプロセスは、実施例1と同様であった。
比較例1
本比較例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0062】
【表13】
【0063】
該プロセスは混合および圧縮を含み、錠剤のサイズは4gであった。
比較例2
本比較例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0064】
【表14】
【0065】
該プロセスは混合および圧縮を含んでいた。
比較例3
本比較例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0066】
【表15】
【0067】
該プロセスは混合および圧縮を含んでいた。
比較例4
本比較例の微発泡性バッカル錠は、重量部で、以下の処方箋に挙げる成分を有していた。
【0068】
【表16】
【0069】
該プロセスは混合および圧縮を含んでいた。
試験例1
糖アルコールがマルチトールとラクトースの組み合わせであることに基づき、ビタミンCの微発泡性バッカル錠を、マルチトールとラクトースの比を調整することによって調製した。その処方箋を以下の表1に示した。各群の微発泡性バッカル錠の性能指数、例えば、安息角、吸湿性、硬度、脆砕性などを試験し、試験結果を表2に示した。
【0070】
【表17】
【0071】
【表18】
【0072】
上記試験結果から、本試験例では、マルチトールの使用量が増加するにつれ処方物の吸湿性が上昇し、それに応じて錠剤の圧縮中に粘着現象が起こりやすくなり、ステアリン酸マグネシウムが、処方物の吸湿性に起因する粘着現象を改善できることがわかった。
試験例2
糖アルコールがソルビトールとラクトースの組み合わせであることに基づき、ビタミンCの微発泡性バッカル錠を、ソルビトールとラクトースの比を調整することによって調製した。その処方箋を以下の表3に示した。各群の微発泡性バッカル錠の性能指数、例えば、安息角、吸湿性、硬度、脆砕性などを試験し、試験結果を表4に示した。
【0073】
【表19】
【0074】
【表20】
【0075】
上記試験結果から、本試験例では、ソルビトールの使用量が増加するにつれ処方物の吸湿性が上昇し、それに応じて錠剤の圧縮中に粘着が起こりやすくなり、ステアリン酸マグネシウムが、処方物の吸湿性に起因する粘着現象を改善できることがわかった。
試験例3
糖アルコールがイソマルチトールとラクトースの組み合わせであることに基づき、ビタミンCの微発泡性バッカル錠を、イソマルチトールとラクトースの比を調整することによって調製した。その処方箋を以下の表5に示した。各群の微発泡性バッカル錠の性能指数、例えば、安息角、吸湿性、硬度、脆砕性などを試験し、試験結果を表6に示した。
【0076】
【表21】
【0077】
【表22】
【0078】
上記試験結果から、本試験例では、イソマルチトールの使用量が増加するにつれ処方物の吸湿性が上昇し、それに応じて錠剤の圧縮中に粘着現象が起こりやすくなり、ステアリン酸マグネシウムが、処方物の吸湿性に起因する粘着現象を改善できることがわかった。
試験例4
本発明の実施例1および比較例1の生産物の外観、におい、口当たり、食べるのに便利か否か、および新規性を含む5つの感覚指数を、14人の上級感覚評価者が評価した。各指数の満点は5で、5つの感覚指数の満点の合計は25であった。評点の結果を平均した。感覚指数の評点の結果は以下のとおりであった。
【0079】
【表23】
【0080】
【表24】
【0081】
上記結果から、実施例1の生産物は、魅力的な外観を有し、良好な香りを有し、口内で溶解したときに酸味、甘味があって美味であり、食べるのに非常に便利であり、新規であり、軽食になるように設計することでき、高い受容性を有することがわかった。
【0082】
比較例1の生産物は、一般的な外観を有し、一般的な錠剤形状であり、良好な香りを有し、水に溶解したときに酸味、甘味があって美味であり、食べるのに便利であった。そのパッケージは医薬品であるように設計されており、その受容性は一般的であった。比較例1では、酸およびアルカリの使用量が多く、発泡が激しく、口当たりは良くなかった。
試験例5
実施例1~12および比較例1~4の生産物の粘着現象を観察し、その口当たりを評価し、記載した。
【0083】
その結果は、以下のとおりであった。
【0084】
【表25】
【0085】
上記は本発明の態様の一部に過ぎず、当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、さまざまな変更を加えることができ、これらも本発明の範囲として解釈されるべきであることに留意されたい。
【国際調査報告】