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  • 特表-サクションチップ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】サクションチップ
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/08 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
A61C17/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525313
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(85)【翻訳文提出日】2021-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2019009143
(87)【国際公開番号】W WO2020122346
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0158859
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521200211
【氏名又は名称】キム、チェヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、チェヨン
(57)【要約】
本発明に係るサクションチップは、サクション機に連結された吸入管の端部に結合されるサクションチップであって、前記吸入管が挿入される内部空間が形成され、前端部の中心に前記内部空間と連通する中心孔が形成されたボディ部を含み、前記ボディ部は、前記中心孔を中心に放射状配置された複数の吸入孔を含むことを特徴とする。このようなサクションチップは、複数の吸入孔がボディ部の後端部から前端部に向かうほど深くなるように形成され、複数のガイド溝が形成されるため、頬粘膜や舌がサクションチップの外部円形の表面部を覆っても、ボディ部の後端部まで延びて形成されたガイド溝に沿ってサクションのための負圧が容易に詰まることなく伝達されてサクション機能を維持させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サクション機に連結された吸入管の端部に結合されるサクションチップであって、
前記吸入管が挿入される内部空間が形成され、前端部の中心に前記内部空間と連通する中心孔が形成されたボディ部を含み、
前記ボディ部は、前記中心孔を中心に放射状配置され、前記中心孔に向かって螺旋状に形成された複数の吸入孔を含むことを特徴とするサクションチップ。
【請求項2】
前記複数の吸入孔は、前記ボディ部の後端部から前端部に向かうほど深くなるように形成されることを特徴とする、請求項1に記載のサクションチップ。
【請求項3】
前記ボディ部は、
前記複数の吸入孔から中心軸方向に離隔し、周縁方向に沿って予め定められた間隔をおいて形成された複数のガイド溝をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のサクションチップ。
【請求項4】
前記複数のガイド溝は、前記ボディ部の後端部まで延びて形成されることを特徴とする、請求項3に記載のサクションチップ。
【請求項5】
前記複数のガイド溝は、前記ボディ部の中心孔に向かって螺旋状に形成されたことを特徴とする、請求項4に記載のサクションチップ。
【請求項6】
前記複数のガイド溝は、それぞれの一端に貫通孔が形成され、前記ボディ部の内部空間と連通することを特徴とする、請求項5に記載のサクションチップ。
【請求項7】
前記貫通孔は、前記複数のガイド溝の長さ方向と異なる方向に延びて形成されることを特徴とする、請求項6に記載のサクションチップ。
【請求項8】
前記ボディ部は内面に形成された第1突起および第2突起をさらに含み、
前記第1突起は前記貫通孔を基準に後端部側に形成され、前記第2突起は前記貫通孔と前記複数の吸入孔との間に形成されることを特徴とする、請求項7に記載のサクションチップ。
【請求項9】
前記吸入管の端部は、前記ボディ部の内面と締まりばめ方式で結合されることを特徴とする、請求項8に記載のサクションチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サクションチップに関し、具体的には、頬粘膜や舌のような軟組織に覆われていてもサクションのための負圧が容易に詰まることなく伝達されてサクション機能を維持させることができるサクションチップに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科で主に用いられるサクション機は、歯科診療時、患者の口腔内の唾液、血液、水、歯石、残渣などの摘出物を吸入することを目的として広く用いられている。
【0003】
サクション機のサクションチップは摘出物を吸入するための吸引口が形成され、施術者はそれを患者の口腔内に適用して摘出物がサクションチップの吸引口に吸入されるようにする。
【0004】
このようなサクションチップを使う過程で、口腔内の頬粘膜や舌のような軟組織が吸引口に吸い込まれて吸引口が詰まる場合が頻繁に発生した。
【0005】
このように吸引口が詰まれば、サクション機能が中断されるため、施術者は、診療を中断し、再びサクションチップの位置を調整しなければならない煩わしさがあった。
【0006】
特に、施術者が補助者の補助無しに一人で歯石除去などの診療を行う場合、サクション機を口腔部位にかけた状態で診療するが、このような状態では、サクションチップが直角や斜線に位置せずほぼ水平に位置するようになる。そのため、口腔軟組織がサクションチップの吸引口に吸い込まれて詰まる場合がより頻繁に発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した従来の諸問題を解決するために導き出されたものであり、本発明の目的は、頬粘膜や舌のような軟組織に覆われていてもサクションのための負圧が容易に詰まることなく伝達されてサクション機能を維持させることができるサクションチップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するために、本発明は、サクション機に連結された吸入管の端部に結合されるサクションチップであって、前記吸入管が挿入される内部空間が形成され、前端部の中心に前記内部空間と連通する中心孔が形成されたボディ部を含み、前記ボディ部は、前記中心孔を中心に放射状配置された複数の吸入孔を含むことを特徴とするサクションチップを提供する。
【0009】
ここで、前記複数の吸入孔は、前記ボディ部の後端部から前端部に向かうほど深くなるように形成されることを特徴とする。
【0010】
また、前記複数の吸入孔は、前記ボディ部の中心孔に向かって螺旋状に形成されることを特徴とする。
【0011】
なお、前記ボディ部は、前記複数の吸入孔から中心軸方向に離隔し、周縁方向に沿って予め定められた間隔をおいて形成された複数のガイド溝をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記複数のガイド溝は、前記ボディ部の後端部まで延びて形成されることを特徴とする。
【0013】
なお、前記複数のガイド溝は、前記ボディ部の中心孔に向かって螺旋状に形成されたことを特徴とする。
【0014】
さらに、前記複数のガイド溝は、それぞれの一端に貫通孔が形成され、前記ボディ部の内部空間と連通することを特徴とする。
【0015】
また、前記貫通孔は、前記複数のガイド溝の長さ方向と異なる方向に延びて形成されることを特徴とする。
【0016】
なお、前記ボディ部は、内面に形成された第1突起および第2突起をさらに含み、前記第1突起は前記貫通孔を基準に後端部側に形成され、前記第2突起は前記貫通孔と前記複数の吸入孔との間に形成されることを特徴とする。
【0017】
また、前記吸入管の端部は、前記ボディ部の内面と締まりばめ方式で結合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るサクションチップは、複数の吸入孔がボディ部の後端部から前端部に向かうほど深くなるように形成され、複数のガイド溝が形成されるため、頬粘膜や舌がサクションチップの外部円形の表面部を覆っても、ボディ部の後端部まで延びて形成されたガイド溝に沿ってサクションのための負圧が容易に詰まることなく伝達されてサクション機能を維持させることができる。
【0019】
また、本発明に係るサクションチップは、複数の吸入孔および複数のガイド溝がボディ部の中心孔に向かって螺旋状に形成されるため、吸入孔およびガイド溝の表面積が増加して頬粘膜や舌のような軟組織と摘出物によって遮断されない面積を増加させることができる。
【0020】
なお、本発明に係るサクションチップは、複数のガイド溝それぞれの一端にガイド溝の長さ方向と異なる方向に貫通孔が延びて形成されるため、摘出物が吸入される入口が詰まる可能性を顕著に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態によるサクションチップの平面側斜視図および底面側斜視図である。
図2】本発明の一実施形態によるサクションチップの平面図である。
図3】本発明の一実施形態によるサクションチップの断面を概略的に示す図である。
図4】本発明の他の実施形態によるサクションチップにおいて、吸入管がボディ部の第1突起が形成された位置まで挿入されて結合された形態の断面を概略的に示す図である。
図5】本発明の他の実施形態によるサクションチップにおいて、吸入管がボディ部の第2突起が形成された位置まで挿入されて結合された形態の断面を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を添付された図面を参照して詳しく説明する。先ず、各図面の構成要素に参照符号を付する際、同一の構成要素に対しては、他の図面上に表示される際にも可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。また、以下では本発明の実施形態について説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定または制限されずに当業者によって実施できることは言うまでもない。
【0023】
図1は、本発明に係るサクションチップの平面側斜視図および底面側斜視図であり、図2は、本発明に係るサクションチップの平面図であり、図3は、本発明に係るサクションチップの断面を概略的に示す図であり、図4は、本発明の他の実施形態によるサクションチップにおいて、吸入管がボディ部の第1突起が形成された位置まで挿入されて結合された形態の断面を概略的に示す図であり、図5は、本発明の他の実施形態によるサクションチップにおいて、吸入管がボディ部の第2突起が形成された位置まで挿入されて結合された形態の断面を概略的に示す図である。
【0024】
以下、図1図3を参照して、本発明の一実施形態によるサクションチップについて説明する。
【0025】
図1図3を参照すれば、本発明に係るサクションチップ(Suction tip)は、サクション機(図示せず)に連結された吸入管10の端部がボディ部100の内部空間110に挿入されて結合され、施術者は、結合された吸入管10の端部を外部方向に引っ張る動作を通じてボディ部100から分離させることができる。
【0026】
ここで、サクション機は吸入用モータ(図示せず)と連結され、吸入用モータから提供される負圧により吸入管10に吸入される患者の唾液、血液、水、歯石、残渣などの摘出物は別に備えられた収容部(図示せず)に収容される。
【0027】
また、吸入管10は、内部にワイヤー(図示せず)が備えられるため、施術者は、吸入管10を所望の形態に曲げることができる。
【0028】
一方、本発明に係るサクションチップは、プラスチック、ゴム、シリコーン、合成樹脂などからなってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0029】
サクションチップは、ボディ部100を含んで構成される。ボディ部100は断面が円形に形成されてもよく、前端部の外側は半球形状または円柱形状に形成されてもよい。
【0030】
また、ボディ部100は、吸入管10が挿入される内部空間110が形成される。すなわち、施術者は、ボディ部100と吸入管10を互いに接近する方向に加圧して結合させることができる。
【0031】
また、ボディ部100の前端部の中心は、内部空間110と連通する中心孔120が形成される。
【0032】
このようにボディ部100と吸入管10が結合された状態で吸入管10を通して負圧が伝達されれば、歯科治療時に発生する唾液、血液、水、歯石、残渣などの摘出物がボディ部100の中心孔120を通して吸入管10に吸入されることができる。
【0033】
一方、ボディ部100は、内部空間110と連通する複数の吸入孔130が形成される。複数の吸入孔130は、ボディ部100に形成された中心孔120を中心に放射状に配置される。すなわち、複数の吸入孔130は、中心孔120の周辺の周縁領域に予め定められた間隔をおいて形成されることができる。
【0034】
また、複数の吸入孔130は、ボディ部100の後端部から前端部に向かうほど深くなるように形成される。すなわち、頬粘膜や舌が複数の吸入孔130の一部を覆っても、ボディ部100の中心孔120に近接した部分が相対的にさらに深く形成されるため、サクションのための負圧が容易に詰まらずに伝達されることができる。
【0035】
なお、複数の吸入孔130は、ボディ部100の中心孔120に向かって螺旋状に形成される。このように複数の吸入孔130が螺旋状に形成される場合、吸入孔130の表面積が増加するため、頬粘膜や舌のような軟組織と摘出物によって遮断されない面積が増加するので、吸入孔130が詰まる可能性を減らすことができる。
【0036】
また、摘出物は螺旋状に形成された複数の吸入孔130に沿って吸入されるにつれて渦巻流れ(Spiral vortex)が誘導され、摘出物が回転しながら渦巻くようにボディ部100の内部空間110に吸い込まれていく。すなわち、摘出物は、渦巻流れにより回転しながら速く吸入されることができる。
【0037】
一方、複数のガイド溝140は、複数の吸入孔130から中心軸方向に離隔して形成され、周縁方向に沿って予め定められた間隔をおいて形成される。
【0038】
ここで、複数のガイド溝140は、ボディ部100の後端部まで延びて形成され、ボディ部100の中心孔120に向かって螺旋状に形成される。
【0039】
また、複数のガイド溝140は、それぞれの一端に貫通孔141が形成され、ボディ部100の内部空間110と連通するように形成される。ここで、貫通孔141は、複数のガイド溝140の長さ方向と異なる方向に延びて形成されることが好ましい。
【0040】
このように、複数のガイド溝140それぞれの一端に貫通孔141が形成される場合、頬粘膜や舌のような軟組織がガイド溝140に吸い込まれてガイド溝140が詰まっても、ガイド溝140の一端からガイド溝140の長さ方向と異なる方向に延びて形成されてボディ部100の内部空間110と連通する貫通孔141を通して摘出物が吸入されるため、サクション機能が維持される。
【0041】
すなわち、従来のサクションチップに形成された吸入孔130は、摘出物が吸入される方向が一方向であるため、軟組織により吸入孔130が詰まる場合、摘出物が吸入される入口が直ちに遮断される。その反面、本発明の複数のガイド溝140は、一端にガイド溝140と異なる方向に形成された貫通孔141が備えられるため、複数のガイド溝140と貫通孔141が同時に詰まる時だけ摘出物が吸入される入口が遮断される。
【0042】
したがって、本発明のサクションチップは、従来に比べて、摘出物が吸入される入口が詰まる可能性を顕著に減らすことができる。
【0043】
以下、図4および図5を参照して、本発明に係るサクションチップの他の実施形態について説明する。
【0044】
図1図3に示されたサクションチップとは異なり、図4および図5に示された他の実施形態によるサクションチップは、ボディ部の内面に形成された第1突起150および第2突起160を含む。
【0045】
第1突起150は、貫通孔141を基準に後端部側に形成される。また、第2突起160は、貫通孔141と複数の吸入孔130との間に形成される。
【0046】
施術者が補助者の補助無しに一人で歯石除去などの診療を行う場合、施術者は、図4に示すように、吸入管10をボディ部100の第1突起150が形成された位置まで挿入させて締まりばめ方式でボディ部100と吸入管10を結合させることができる。
【0047】
すなわち、施術者は、ボンドなどのような接着手段がなくても、ボディ部100と吸入管10を容易に結合させることができる。また、吸入管10がボディ部100の第1突起150まで挿入される場合、複数の貫通孔141がボディ部100の内部空間110と連通する状態であるため、ガイド溝140が詰まっても、ガイド溝140の長さ方向と異なる方向に延びて形成された貫通孔141を通して摘出物が吸入されるため、サクション機能が維持される。
【0048】
一方、補助者が施術者を補助できる状況である場合、図5に示すように、施術者は、吸入管10をボディ部100の第2突起160が形成された位置まで挿入させて締まりばめ方式でボディ部100と吸入管10を結合させることができる。
【0049】
この時、複数の貫通孔141は吸入管10によって詰まる状態であるが、サクション時に負圧が中心孔120と複数の吸入孔130に集中するという効果がある。
【0050】
したがって、複数の吸入孔130が軟組織や摘出物によって詰まる時、補助者がサクションチップの位置を調整する作業を補助できる状況であれば、施術者は、吸入管10を図5の位置まで締まりばめ方式で挿入しサクションを実施して負圧を中心孔120と複数の吸入孔130に集中させることができる。
【0051】
一方、第1突起150および第2突起160は図4および図5に示すように半球形状に形成されることができるが、これに限定されず、第1突起150および第2突起160の形状および個数などは当業者によりいくらでも変更可能である。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲によって解釈しなければならないであろう。この時、本技術分野における通常の知識を有した者であれば、本発明の範囲から逸脱せずに多くの修正と変形が可能であることを考慮しなければならないであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】