(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物のための貯蔵および輸送システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B65D 90/04 20060101AFI20220126BHJP
B65D 88/74 20060101ALI20220126BHJP
B61D 5/00 20060101ALI20220126BHJP
B61D 5/06 20060101ALI20220126BHJP
B61C 17/02 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
B65D90/04 B
B65D88/74
B61D5/00 Z
B61D5/06
B61C17/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530938
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 US2019066840
(87)【国際公開番号】W WO2020131863
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508084054
【氏名又は名称】オリン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト、ウィリアム・ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒル、マリー・ベス
(72)【発明者】
【氏名】カウルフィールド、デイビッド・ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】モック、ジョセフ・アール.
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA15
3E170AA24
3E170AB11
3E170EA10
3E170GA02
3E170MA02
3E170NA01
(57)【要約】
次亜塩素酸ナトリウム五水和物(固体漂白剤)のための貯蔵および輸送システムが提供される。システムは、少なくとも40パーセントの次亜塩素酸ナトリウムを含む結晶性固体漂白剤を受容および貯蔵することと、容器内に貯蔵された結晶性固体漂白剤からの分解成分を保持することと、を行うように構成された、容器を含む。容器は、内部に固体漂白剤を受容するように構成された内部閉じ込め空間を少なくとも部分的に取り囲む閉じ込め壁を含む。通路は、外部容器から内部閉じ込め空間に延在する。通路は、固体漂白剤がそこを通過するように構成されている。ライナは、閉じ込め壁の内面に位置する。ライナは、固体漂白剤と実質的に非反応性であり、漏出させることなく、閉じ込め空間内で、(a)固体漂白剤、(b)固体漂白剤の分解成分、および(c)溶解水が固体漂白剤に添加されたときに閉じ込め空間内で形成された液体漂白剤を保持することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物のための貯蔵および輸送システムであって、
容器であって、(a)少なくとも25パーセントの次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)で構成される結晶性固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物(NaOCl・5H
2O)を受容および貯蔵することと、(b)前記容器内に貯蔵された結晶性固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物からの分解成分を保持することと、(c)液体漂白剤を保持することと、を行うように構成された、容器を備え、前記容器は、
固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物を内部に受容するように構成された内部閉じ込め空間を少なくとも部分的に取り囲む閉じ込め壁と、
外部前記容器から前記内部閉じ込め空間に延在する通路であって、固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物が前記通路を通過するように構成されている、通路と、を備える、システム。
【請求項2】
前記容器は、
前記閉じ込め壁の内面に位置するライナをさらに備え、前記ライナは、次亜塩素酸ナトリウム五水和物と実質的に非反応性であり、漏出させることなく、前記閉じ込め空間内に、(a)固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物、(b)固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物の分解成分、および(c)前記閉じ込め空間内の液体漂白剤を保持することができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記容器は、
前記容器を封入し、かつ塗装された鋼ジャケットによって取り囲まれた、任意選択的にプラスチック断熱材で補強されたガラス繊維層(複数可)を含み、好ましくは、統合された冷却システムの外部にある断熱システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記容器は、
溶解した固体漂白剤を積み下ろすための一体型ディップレグをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記閉じ込め壁は、任意選択的にプラスチックで補強されたガラス繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、チタン、ステンレス鋼、および炭素鋼のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ライナは、ガラスを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記ライナは、クロロブチルゴム、ポリエチレン、および/またはポリプロピレンを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記ライナは、少なくとも1つのフルオロポリマーを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記容器は、前記容器内に収容された固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物を、摂氏約5度未満の温度で維持することができる冷却手段をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記容器は、前記容器内に収容された固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物を、摂氏約15度未満の温度で維持することができる冷却手段をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記容器は、間に間隙空間を伴って前記閉じ込め壁を少なくとも部分的に取り囲む冷却ジャケットをさらに備え、前記間隙空間は、その中に冷却された流体を受容することと、前記容器内に収容された固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物を、摂氏約15度未満の温度で維持することと、を行うように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記内部閉じ込め空間は、細長く、長手方向軸、および前記長手方向軸に垂直にとって実質的に均一な断面を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記容器は、鉄道で輸送されるように構成された複合一貫容器であり、前記長軸が、輸送構成で実質的に水平に配向される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複合一貫容器は、冷却されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
一対の通路をさらに備え、前記一対の通路は、前記容器の2つの端の各々に近接しており、
各通路は、前記通路に近接する前記容器のそれぞれの端から所定の距離に位置する、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記容器は、(a)加圧可能な鉄道タンク車両、および(b)鉄道に装着可能な貨物容器ボックスのうちの1つである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
容器傾斜システムをさらに備え、前記容器傾斜システムは、その上に位置する細長い容器を水平に対してある角度で縦方向に傾斜させることができ、前記傾斜の角度は、前記容器の長手方向軸の傾斜角度を確立し、前記傾斜の角度は、固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物の安息角にほぼ等しい、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
鉄道車両傾斜システムをさらに備え、前記鉄道車両傾斜システムは、その上に位置する鉄道車両に装着された細長い容器を水平に対してある角度で縦方向に傾斜させることができ、前記傾斜の角度は、前記容器の長手方向軸の傾斜角度を確立し、前記傾斜の角度は、固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物の安息角にほぼ等しい、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記傾斜角度は、約30~80度である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記傾斜角度は、約40~70度である、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記通路に近接する前記容器の前記それぞれの端から各通路が位置する前記所定の距離は、実質的に等しい、請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
前記通路に近接する前記容器の前記それぞれの端から各通路が位置する前記所定の距離は、関連付けられた固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物充填機システムの拡散特性に応じて決定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
前記通路に近接する前記容器の前記それぞれの端から各通路が位置する前記所定の距離は、関連付けられた固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物充填機システムの容器内拡散特性に応じて決定される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物を供給源から通路に、および前記通路を通過して前記閉じ込め空間内に運搬するように構成された充填機システムをさらに備え、
前記充填機システムは、充填構成において、通路に近接して位置し、かつ前記閉じ込め空間の縦方向中心点まで前記閉じ込め空間内で固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物を拡散するように構成された拡散器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記拡散器は、前記拡散器の下から、前記閉じ込め空間の前記縦方向中心点に位置する少なくとも幅方向中心線まで、固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物を実質的に均一に分散させるように構成された分散器をさらに備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記分散器は、前記拡散器の下から、前記閉じ込め空間の前記縦方向中心点に位置する少なくとも幅方向中心線まで、固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物を実質的に均一に散布する回転ヘッドを備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記充填機システムは、周囲雰囲気から密閉され、かつCO
2を除去した空気が注入される固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物運搬経路を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記充填機システムは、前記供給源と前記閉じ込め空間との間の前記運搬経路の少なくとも一部に沿って固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物を空気圧で運搬する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記充填機システムは、周囲雰囲気から密閉され、窒素が注入される固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物運搬経路を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項30】
前記容器は、前記容器が閉鎖構成にあるときに、前記容器内で生成されたガス抜きを制御するように構成された圧力解放手段を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記圧力解放手段は、所定の限界を上回る圧力を解放するように構成された一方向弁を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記圧力解放手段は、微小多孔性疎水性材料を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記微小多孔性疎水性材料は、ポリテトラフルオロエチレンである、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物抜き出しシステムをさらに備え、前記抜き出しシステムは、
前記閉じ込め空間内に水を送達し、前記閉じ込め空間内に貯蔵されている固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物の一部分を溶解させるように構成された、水送達システムを備え、
前記抜き出しシステムは、前記閉じ込め空間内に貯蔵された固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物と混合する送達された水によって生成される希釈された液体漂白剤のための収集点に位置付けられた入口を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記水送達システムは、通路を通って前記閉じ込め空間内に延在可能な注入器を備える、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
希釈された液体漂白剤のための前記収集点は、前記容器の下部分に位置し、前記収集点に、希釈された液体漂白剤が重力によって流入する、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
前記入口への固体の通過を阻害するように位置付けられている、前記抜き出しシステムの前記入口に近接して位置するスクリーンをさらに備える、請求項34に記載のシステム。
【請求項38】
固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物抜き出しシステムをさらに備え、前記抜き出しシステムは、
前記閉じ込め空間内に希釈漂白剤を送達し、前記閉じ込め空間内に貯蔵されている固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物の一部分を溶解させるように構成された、流体送達システムを備え、
前記抜き出しシステムは、前記閉じ込め空間内に貯蔵された固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物と混合する送達された希釈漂白剤によって生成される強化された液体漂白剤のための収集点に位置付けられた入口を有する、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物に関する。特に、本開示は、固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物を貯蔵する、輸送する、および積み下ろすための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)には多くの用途が存在し、一般に、工業用途、公共事業用途、および住宅用途で漂白剤として知られる。多くの大規模用途において、次亜塩素酸ナトリウムは、従来、塩素、アルカリ、および水を組み合わせることによって現場で生成されてきた。塩素は、従来、運搬可能なボンベまたは鉄道車両内で液化塩素ガスとして提供されている。しかしながら、液化塩素の取り扱い、積み出し、および貯蔵と関連付けられた一定の危険性およびコストが存在する。
【0003】
漂白剤溶液の輸送は、次亜塩素酸ナトリウムの水溶性およびこれらの溶液の限られた安定性によって制限される。15~25%の濃度の漂白剤溶液の輸送コストは、送達される次亜塩素酸ナトリウムの単位当たり、より多くの質量および体積を輸送されなければならないため、従来、漂白剤を生成するために使用される反応物(50%苛性ソーダおよび液化塩素ガス)を輸送するコストよりも高い。
ここで、単に例として、添付図を参照して、本技術の実施態様が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図5B】
図5Aの充填機システムで使用され得る例示的な拡散器の概略図である。
【
図8A】例示的な抜き出しシステムの概略図である。
【
図8B】例示的な抜き出しシステムの概略図である。
【
図9A】例示的な抜き出しシステムの概略図である。
【
図9B】例示的な抜き出しシステムの概略図である。
【
図9C】例示的な抜き出しシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
例示の単純化および明確化のために、必要に応じて、対応するまたは類似の要素を示すために、異なる図の間で参照番号が繰り返されていることが理解されるであろう。加えて、本明細書に説明される例の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が明らかにされている。しかしながら、これらの特定の詳細を伴わずに、本明細書に説明される例が実施され得ることが当業者に理解されるであろう。他の事例では、説明されている関連する相応な特徴を不明瞭にしないように、方法、手順、および構成要素は、詳細には説明されていない。また、本明細書に説明される実施形態の範囲を限定するようにみなされるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、特定の部位の割合は、本開示の詳細および特徴をより良好に例示するために誇張されている場合がある。
【0006】
ここで、上記開示全体を通して適用されるいくつかの定義が提示される。「連結された」という用語は、直接的であるかまたは介在する構成要素を介して間接的であるかにかかわらず、接続されるものとして定義され、必ずしも物理的接続に限定されない。接続は、対象が永続的に接続されるか、または解放可能に接続されるようなものであり得る。「実質的に」という用語は、構成要素が正確であることを必要とせずに、実質的に修飾する特定の寸法、形状、または他の単語に本質的に適合するように定義される。例えば、「実質的に円筒形」とは、対象が円筒体に似ているが、真の円筒体からの1つ以上の偏差を有し得ることを意味する。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、本開示で互換的に使用される。「備える」、「含む」、および「有する」という用語は、そのように説明されるものを含むが、必ずしもそれらに限定されないことを意味する。「リアルタイム(real-time)」または「リアルタイム(real time)」という用語は、実質的に瞬時であることを意味する。「で構成される(consist)」という用語は、そのように指定された要素を、実質的に任意の他の要素を除外して含有することを意味する。
【0007】
結晶性固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物(NaOCl・5H2O)(本明細書では「固体漂白剤」とも呼ばれる)を貯蔵および輸送するとき、容器は、固体漂白剤が容易に劣化および/または分解し得るため、固体漂白剤の安定性を維持するためのいくつかの特徴を含まなければならない。本開示は、固体漂白剤を結晶性固体漂白剤として考察するが、少なくとも1つの例では、漂白剤スラリーが使用されてもよく、これは、例えば、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる米国特許第9,434,616号に考察されている。液体漂白剤溶液の貯蔵および輸送は、次亜塩素酸ナトリウムの水溶性およびこれらの溶液の限られた安定性によって制限される。固体漂白剤は、水によって希釈されないため、固体漂白剤は、液体漂白剤溶液よりも効率的かつ経済的に輸送され得る。例えば、鉄道車両は、固体漂白剤を輸送する場合、約60,000ガロンの12.5重量%のNaOClの等価物を輸送することができる。一方、鉄道車両は、液体漂白剤溶液として輸送する場合、約20,000ガロンの12.5重量%のNaOClしか輸送することができない。固体漂白剤を貯蔵および/または輸送するための容器の例は、(1)セミトレーラ、ボックスカー、または複合一貫ドライ貨物容器で積み出され得る可撓性中間バルク容器(IBC)、(2)セミトレーラ、ボックスカー、または複合一貫ドライ貨物容器で積み出され得る硬質IBCトート、(3)セミトレーラ、ボックスカー、または複合一貫ドライ貨物容器で積み出され得るドラム、(4)複合一貫タンク圧力容器、(5)ライニングされた複合一貫ドライ貨物容器、および/または(6)ドライ貨物タンク車両である。
【0008】
しかしながら、固体漂白剤は、正しい環境で貯蔵されない場合、不安定になり得る。固体漂白剤は、摂氏約20度~摂氏29度、および代替的に摂氏約25度~摂氏29度で溶融し始め得る。固体漂白剤が溶融するときに形成される液体は、約36重量%~45重量%のNaOClで構成される不安定な溶液である。少なくとも1つの例では、固体漂白剤が溶融したときに形成される液体は、最大約44重量%のNaOClで構成される不安定な溶液であり得る。溶融時、固体漂白剤の分解反応が加速され、塩素酸塩、塩、および酸素ガスなどの汚染物質または副生成物への活性成分(NaOCl)の変換を結果としてもたらす。したがって、固体漂白剤は、摂氏15度未満の温度、および最適には、摂氏5度未満の温度に維持されるべきである。摂氏5度未満の温度で維持されるとき、固体漂白剤は、実質的に安定し、分解しない。
【0009】
追加的に、酸素は、還元剤、可燃性材料、および裸火から遠ざけなければならない酸化ガスである。空気中の通常の21%O2を超えると、可燃性材料の着火および燃焼特性が変化する。特に収容された固体漂白剤の溶融および分解時に、積み出し容器内での酸素の蓄積が考えられる。したがって、抜け口が、任意選択的に大気に、任意の生成されたガスを抜き、それによって、容器の破裂、そして着火および火災の可能性につながり得る過剰な圧力蓄積から容器の構造を保護するために必要とされ得る。非圧力定格容器の例では、抜け口は、容器の外側に連続的にガスを排出し得る。例えば、圧力定格容器を用いる他の例では、抜け口は、容器内の損傷的圧力蓄積から保護するための圧力作動式解放デバイスを含み得る。
【0010】
固体漂白剤の取り扱いと関連付けられた別の課題は、生成物が酸性種と接触するときに塩素ガスを発生することである。例えば、固体漂白剤は、周囲空気と接触することによってCO2に曝露され得る。次亜塩素酸塩含有溶液の冷却結晶化によって形成される五水和物結晶は、過剰なアルカリおよび塩を含有する溶液から形成されたときでも、通常、極微量の塩またはアルカリを含有する。結晶自体のアルカリの不存在は、周囲空気中の二酸化炭素との接触に感度をもたらす。水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムなどのいくつかの固体または液体アルカリが、塩素を放出せずに二酸化炭素を吸収するその能力を向上させるために、固体漂白剤に添加され得る。しかしながら、これらのアルカリ添加剤の存在下では、包装容器はまた、アルカリによる攻撃に耐えることができなければならない。ポリエステルおよびポリアミドは、アルカリと非適合性の可能性があるポリマー包装材料の例である。
【0011】
固体漂白剤中/固体漂白剤上でCO2が全ての過剰なアルカリ(例えば、NaOH)と反応したときに、塩素が形成し始め得る。次いで、残ったCO2は、次亜塩素酸ナトリウムと反応し始め、塩素ガスの形成を結果的にもたらす。CO2と接触したときの固体漂白剤の反応性および分解は、急速な分解/溶融中に形成された過剰な酸素を抜く必要性を考慮すると、他の包装容器に課題をもたらす。したがって、大気が容器内に入ることを可能にせず、酸素を容器から抜くことを可能にする、一方向抜け口が、容器内に含められ得る。追加的に、少なくとも1つの例では、安定化アルカリが水溶液であるとき、この溶液は、固体漂白剤との接触によって次亜塩素酸塩中で飽和することになる。したがって、固体漂白剤と接触する材料は、漂白剤含有溶液とも適合しなければならない。
【0012】
固体漂白剤は、標準的な次亜塩素酸ナトリウム溶液と同じ化学反応性を有し、それゆえに、セルロース、有機、およびほとんどの金属(タンタルおよびチタンを除く、アルミニウム、炭素鋼、亜鉛または亜鉛めっき鋼、銅、および真鍮など)との接触は、積み出しおよび取り扱いの全ての段階で避けなければならない。追加的に、固体漂白剤は、ポリエステルおよびメラミン-ホルムアルデヒドなどのいくつかの熱可塑性材料とゆっくりと反応する。固体漂白剤は、セルロースと自発的に反応し、温度を急速に上昇させ、蒸気を放出する。ニッケルを含有する材料への曝露は、漂白剤の分解を触媒し得る。したがって、固体漂白剤は、固体漂白剤が適合性のある金属またはプラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロウロエチレン(polytetrafluouroethylene)(PTFE)、ポリ塩化ビニル、およびチタンのみと接触して、容器内で貯蔵および輸送されなければならない。
【0013】
希釈された漂白剤は漂白剤の固相よりもより速く分解するため、可能な限り長時間、コンパクトで安定した形態で貯蔵庫に漂白剤を維持することが望ましい。バルク容器内で固体漂白剤を積み出すための例示的な溶液は、制御された量で容器に水を添加し、固体漂白剤が溶解することを可能にし、次いで、一度に容器全体を空にせずに必要に応じて容器から取り出される。また、例えば、固体漂白剤結晶がそこを通過することを防止するために十分に細かいスクリーンの後ろに液体の出口を採用することによって、同伴固体なしで液体を取り出すことが望ましい場合がある。
【0014】
図1~
図4Dは、固体次亜塩素酸ナトリウム五水和物(固体漂白剤)を貯蔵および輸送するための例示的な容器100、200、300、400を例示する。繰り返しになるが、本開示は、結晶性固体漂白剤として固体漂白剤を考察するが、少なくとも1つの例では、米国特許第9,434,616号に説明されるように、漂白剤スラリーが使用され得る。
【0015】
結晶性固体漂白剤と同伴するスラリー形態の次亜塩素酸ナトリウムの利点は、製品を積み出すために既存の漂白剤容器、特に鉄道車両を使用することができることである。そのようなスラリーで容器を充填することは、容器内の既存の装填開口部の使用を可能にし、スラリーは、特に、鉄道車両ベースのものなどの大型容器のより完全な充填のために低安息角を有するように製剤化され得る。スラリーがより良好である主な理由は、乾燥固体漂白剤と比較してそのより高い密度であり、液体漂白剤のために設計された大型容器をより良好に重量化し得る。低温では、スラリーは、少なくとも数時間ポンプ輸送可能なままである。スラリーが、装填直前に水を添加することによって貯蔵された固体漂白剤から調製されるとき、スラリーは、鉄道車両または他の容器にポンプ輸送され得る。輸送中、スラリーが厚くなり得、結晶が再成長するが、必要とされることは、スラリーまたは液体溶液を再確立するために水または希釈漂白剤を添加することのみである。液体漂白剤によって再構成するとき、25重量%以下の漂白剤の漂白剤溶液の流れが、鉄道車両内にポンプ輸送されて、結晶を溶解させ、容器からポンプ輸送されるか、外に出されるか、または別様に取り出され得る溶液を形成し得る。出口ラインを通じて取り出される場合、水は、密度制御技術を利用してラインに添加されて、現場の液体漂白剤貯蔵タンクに貯蔵する準備のための所望の濃度に漂白剤を戻し得る。
【0016】
図1は、鉄道車両であり得る例示的な容器100を例示する。
図1に例示されるように、容器100は、加圧鉄道タンク車両またはタンカーであるが、本明細書に説明される容器100、200、300、400の間の特徴は、所望に応じて交換され得ることを理解されたい。
図1の事例では、容器100は、鉄道と適合性のある車輪130を含む。他の例では、容器100は、磁気輸送システムなどの他の輸送システム上を移動するように構成され得る。
【0017】
容器100は、容器100内に貯蔵または輸送される特定の漂白剤の製造方法および製品仕様に応じて、20~50%の任意の次亜塩素酸ナトリウム含有量、約25%、28%、および40%の次亜塩素酸ナトリウムを含有する特に有利な組成物を有し得る、結晶性固体漂白剤を受容および貯蔵するように構成される。容器100はまた、容器100内に貯蔵された固体漂白剤からの分解成分を保持し得る。追加的に、容器100は、希釈された液体漂白溶液および/または溶融された固体漂白剤を保持し得る。
【0018】
容器100は、内部閉じ込め空間112を少なくとも部分的に取り囲む閉じ込め壁116を含む。閉じ込め壁116は、固体漂白剤と適合性のある好適な材料から作製され得る。例えば、閉じ込め壁116は、任意選択的にプラスチックで補強されたガラス繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、チタン、ステンレス鋼、および炭素鋼のうちの少なくとも1つから作製され得る。閉じ込め壁116の材料は、それに対して及ぼされる圧力ならびに内部および外部力に耐えるように選択される。追加的に、閉じ込め壁116は、ガスなどの流体が容器100の外部と内部閉じ込め空間112との間の閉じ込め壁116を実質的に通過することができないようにシールされる。内部閉じ込め空間112は、その中に固体漂白剤を受容するように構成されている。
【0019】
容器100は、第1の端102、第1の端102の反対側の第2の端104、上面106、上面106の反対側の下面108、および第1の端102と第2の端104との間に広がる側面110を含む。内部閉じ込め空間112は、細長く、長手方向軸X-Xに沿って延在する。少なくとも1つの例では、内部閉じ込め空間112の長手方向軸X-Xに対して垂直にとられ得る断面は、実質的に均一であり得る。例えば、
図1に例示されるように、容器100および閉じ込め空間112は、第1の端102と第2の端104との間の長手方向軸X-Xに沿って広がる、実質的に円筒形である。
【0020】
容器100はまた、容器100の外部から内部閉じ込め空間112まで延在する少なくとも1つの通路118を含む。通路118は、固体漂白剤が内部閉じ込め空間112内で受容され得るように、固体漂白剤がそこを通過するように構成されている。
図1に例示されるように、容器100は、容器100の上面106に沿って配設された3つの通路118を含む。他の例では、2つ、4つ、またはそれ以上の通路118が含まれてもよい。一対の通路119、121は、各々、容器100の2つの端102、104に近接して位置付けられる。一対の通路119、121の各々は、通路119、121に近接して容器100のそれぞれの端104、102から所定の距離D1、D2に位置する。少なくとも1つの例では、一対の通路119、121の各々が位置する、通路119、121に近接する容器100のそれぞれの端104、102からの所定の距離D1、D2は、実質的に等しくてもよい。少なくとも1つの例では、一対の通路119、121の各々が位置する、通路119、121に近接する容器100のそれぞれの端104、102からの所定の距離D1、D2は、関連付けられた固体漂白剤充填機システムの拡散特性に応じて決定され得る(例えば、
図5A~
図7参照)。少なくとも1つの例では、一対の通路119、121の各々が位置する、通路119、121に近接する容器100のそれぞれの端104、102からの所定の距離D1、D2は、関連付けられた固体漂白剤充填機システムの容器内拡散特性に応じて決定され得る(例えば、
図5A~
図7参照)。
【0021】
固体漂白剤の貯蔵および輸送では、容器100の端104、102に近接する一対の通路119、121などの複数の通路118を有することは、液体漂白剤溶液を装填することと比較して、固体漂白剤を装填するために必要である。追加的に、通路118の直径は、固体漂白剤が内部閉じ込め空間112内に導入され得るように、液体漂白剤溶液のために使用される容器内の通路よりも大きい直径であり得る。少なくとも1つの例では、容器100は、ユーザが容器100を横断し、上面106および/または通路118へのアクセスを獲得し得るように、梯子または昇降補助デバイス124を含み得る。また、通路118は、通路118を閉じたときに流体またはガスが通路118を通過することを防止するようにシール可能であるように構成されている。
【0022】
追加的に、通路118は、溶解水がそこを通して注入されて固体漂白剤を溶解して液体漂白剤溶液を形成し得るように構成されている。少なくとも1つの例では、通路118は、溶液回収デバイス(例えば、ポンプまたはディップレグ)が、通路118を通って挿入されて、液体漂白剤溶液にアクセスし、液体漂白剤溶液を内部閉じ込め空間112から外に回収し得るように、構成され得る。少なくとも1つの例では、固体漂白剤は、加圧空気および/または液体によって外に出され得る。
【0023】
いくつかの例では、ディップレグが利用される場合、ディップレグは一体型であり、容器に装着され得る。ディップレグは、漂白剤の装填、輸送、および/または積み下ろし中に損傷しないように支持され得る。追加的に、少なくとも1つの例では、ディップレグは、ポリテトラフルオロエチレンおよび/または他のフルオロポリマー内に封入されるなどの、漂白剤(または他の形態もしくはその副生成物)と適合性のあるライニングを含む鋼などの、硬質の構造的に丈夫な材料から構築され得る。
【0024】
いくつかの実施例では、
図1に例示されるように、容器100は、液体漂白剤溶液が回収され得るように、液体漂白剤溶液が通過し得る出口129を含み得る。少なくとも1つの例では、出口129は、容器100の下面または下部分108に近接して位置付けられ得る。ディップレグを含む他の例では、出口129は、容器100の上面106に近接して位置付けられ得る。出口129が上面または上部分106に近接するとき、固体漂白剤(または他の形態もしくはその副生成物)は、空気圧および/または水圧/ポンプ輸送を使用して容器100から外に出され得る。出口129は、例えば、弁または栓であり得る。少なくとも1つの例では、内部閉じ込め空間112は、流体が重力流によって回収され得るように、流体が出口129の収集点に蓄積するように構成され得る。少なくとも1つの例では、出口129は、固体漂白剤結晶がそこを通過することを防止するために十分に細かいスクリーンを含み得る。
【0025】
固体漂白剤が閉じ込め壁116に接触することを防止するために、容器100は、閉じ込め壁116の内面に位置するライナ114を追加的に含む。少なくとも1つの例では、ライナ114は、閉じ込め壁116に接着および/または形成され得る。他の例では、ライナ114は、閉じ込め壁116から独立し得る。ライナ114は、漂白剤、特に固体漂白剤と実質的に非反応性であり、漏出させることなく、内部閉じ込め空間112内で、(a)固体漂白剤、(b)固体漂白剤の分解成分、および(c)溶解水が固体漂白剤に添加されるときに形成された液体漂白剤を保持することができる。液体漂白剤は、固体漂白剤が溶融するときに生成され得る。ライナ114は、ガラスを含むか、または完全にガラスから作製され得る。ライナ114はまた、クロロブチルゴム、ポリエチレン、および/またはポリプロピレンを含むか、またはそれらから完全に作製され得る。一実施形態では、ポリエチレンが好ましい。少なくとも1つの例では、ライナ114は、ポリテトラフルオロエチレンなどの少なくとも1つのフルオロポリマー、またはポリマーおよびエポキシなどの他の好適な材料を含み得る。全ての場合、ライナは、固体漂白剤、ならびに固体漂白剤に含有されるか、またはそれに由来する任意の成分と実質的に非反応性である材料または材料の混合物から作製され、固体漂白剤に由来する成分は、分解生成物を含む。
【0026】
追加的に、固体漂白剤の安定性を維持するために、容器100は、冷却手段126を含む。冷却手段(供給源)126は、内部閉じ込め空間112内の固体漂白剤を、例えば、摂氏約15度の安定化規定温度未満の温度で維持することができる。少なくとも1つの例では、冷却手段126は、内部閉じ込め空間112内の固体漂白剤を、摂氏約5度未満の温度で維持することができる。容器の温度を維持するために、任意の好適な構成要素、例えば、圧縮機、冷媒、ヒートシンク、ファン、またはガスが、冷却手段126に利用され得る。
【0027】
冷却手段126は、内部閉じ込め空間112内の温度を所望の温度未満に維持し得るが、一方、閉じ込め壁116は、より高温である場合があり、閉じ込め壁116と接触する固体漂白剤の安定性に影響を及ぼす場合がある。固体漂白剤は、摂氏25度よりも高温の表面との接触を防止されるべきである。内部閉じ込め空間112内の温度を維持することを補助するために、容器100は、閉じ込め壁116を少なくとも部分的に取り囲む冷却ジャケット101を、それらの間に間隙空間を伴って含み得る。間隙空間は、その中に冷却された流体を受容することと、容器100内に収容された固体漂白剤を、摂氏約15度未満、代替的に摂氏約5度未満の温度で維持することと、を行うように構成されている。いくつかの例では、冷却された流体は、閉じ込め壁116の外側に沿って敷設されたコイルを通して容器100を冷却するために利用され得る。他の例では、コイルは、閉じ込め壁の内側に沿って敷設され得る。追加的に、少なくとも1つの例では、固体漂白剤が内部閉じ込め空間112内で受容されたときに溶融することを防止するために、冷却手段126は、容器100に固体漂白剤を充填する前に作動され得る。
【0028】
少なくとも1つの例では、容器100は、内部閉じ込め空間112内の容器100の温度を所望の温度未満に維持することを補助するための断熱材を含み得る。断熱材は、内部閉じ込め空間112の周囲、例えば、閉じ込め壁116と内部閉じ込め空間112との間に位置付けられ得る。典型的には、内部閉じ込め空間112への冷却源126は、断熱材の内部にあることになる。少なくとも1つの例では、断熱材は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリウレタン、フェノールフォーム、アスベスト、またはポリスチレンのうちの1つ以上を含み得る断熱材の1つ以上の層を含み得る。断熱材は、例えば、少なくとも1.5インチ、または2インチ、または3インチ、または4インチ、または5インチ、または6インチ、またはそれ以上の厚さであり得る。断熱材の厚さは、少なくとも部分的に、維持される温度および使用される断熱材料に依存することになる。断熱材は、容器100を少なくとも部分的に封入する。少なくとも1つの例では、断熱材は、ジャケット、例えば、鋼ジャケットによって取り囲まれ得る。断熱材が容器100の外部から内部閉じ込め空間112内への熱の伝達に抵抗する限り、断熱材の他の構成または位置が、所望に応じて利用され得る。有利には、断熱層はまた、冷却源126を包含する。
【0029】
少なくとも1つの例では、
図1に例示されるように、容器100は、抜け口128を含み得る。抜け口128は、酸素が内部閉じ込め空間112内に形成し得、圧力の増強を引き起こし、着火および火災の可能性を高める際に、制御された様式でガス(複数可)、例えば、酸素を外部容器100に通気するように構成され得る。抜け口128は、例えば、内部閉じ込め空間112から外部容器100への酸素の通過を可能にする通気バルブであり得る。少なくとも1つの例では、抜け口128は、容器100の構造的完全性を保護するために、容器100内の圧力が所定の圧力を超えたときにガスを通気する圧力解放デバイスを含み得る。少なくとも一例では、抜け口128は、ガスの通過を許容するが、液体および固体を閉じ込める、微小多孔性疎水性材料を含み得る。例えば、ポリテトラフルオロエチレンを含む微小多孔性疎水性材料が使用され得る。ガス多孔性材料が、貯蔵された固体および/もしくは液体漂白剤を閉じ込める壁116の一部として機能するメッシュもしくは生地として容器100の構造に組み込まれ得るか、またはポリテトラフルオロエチレンもしくは同等の材料が、主に単なる抜け口として機能する、「プラグ」として閉じ込め壁116内に含められ得る。閉じ込め壁116の一部をメッシュまたは生地として構築するとき、容器100は、典型的には、ドラム、硬質トート、ならびに可撓性バッグおよびサックなどの、より小さいタイプのものである。
【0030】
また、固体漂白剤がCO2などの酸性種と接触するときに塩素ガスを発生させるため、容器100は、CO2を含む周囲空気が内部閉じ込め空間112に侵入することを防止するように構成されている。例えば、抜け口128は、内部閉じ込め空間112から酸素および他のガスを通気し、同時に、大気が空間112内に逆流することを防止し得る。したがって、抜け口128は、所定の限界を上回る圧力を解放するように構成された一方向弁であり得る。
【0031】
図2Aおよび
図2Bは、鉄道車両であり得る例示的な容器200を例示する。
図2Aおよび
図2Bに例示されるように、容器200は、非加圧鉄道ホッパ車両である。容器200は、鉄道と適合性のある車輪230を含む。他の例では、容器200は、磁気輸送システムなどの他の輸送システム上を移動するように構成され得る。
【0032】
本開示によると、容器内で貯蔵または輸送される特定の漂白剤の製造方法および製品仕様に応じて、例示的な結晶性固体漂白剤は、20~50%の任意の次亜塩素酸ナトリウム含有量を有し得、約25%、28%、および40%の次亜塩素酸ナトリウムを含有する特に有利な組成物を有し得る。容器200はまた、容器200内に貯蔵された固体漂白剤からの分解成分および/または溶融された固体漂白剤の生成物も保持し得る。
【0033】
容器200は、内部閉じ込め空間212を少なくとも部分的に取り囲む閉じ込め壁216を含む。閉じ込め壁216は、固体漂白剤と適合性のある好適な材料から作製され得る。例えば、閉じ込め壁216は、任意選択的にプラスチックで補強されたガラス繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、チタン、ステンレス鋼、および/または炭素鋼の材料のうちの少なくとも1つを含むように構築され得る。閉じ込め壁216の材料は、圧力に耐え、そこに対して作用する内部および外部の力に抵抗するように選択される。容器200の構成では、閉じ込め壁216は、容器200の外部と内部閉じ込め空間212との間を通過することを阻まれる流体およびガスを実質的に内部にシールする。内部閉じ込め空間212は、その中に固体漂白剤を受容するように構成されている。
【0034】
容器200は、第1の端202、第1の端202の反対側の第2の端204、上面206(容器の上部分の部位を形成する)、上面206の反対側の下面208(容器の下部分の部位を形成する)、および第1の端202と第2の端204との間に広がる側面210を含む。ホッパ車両容器200は、内部閉じ込め空間212が外部環境から断熱されて、固体漂白剤の安定性を維持し得るように、覆われたホッパ車両容器である。内部閉じ込め空間212は、細長く、長手方向軸X-Xに沿って延在する。少なくとも1つの例では、内部閉じ込め空間212の長手方向軸X-Xに対して実質的に垂直にとられ得る、内部閉じ込め空間212の少なくとも一部分の断面は、実質的に均一であり得る。
【0035】
容器200はまた、容器200の外部から内部閉じ込め空間212まで延在する少なくとも1つの通路218を含む。通路218は、固体漂白剤が内部閉じ込め空間212内に受容されるように、固体漂白剤の通過を許容するように構成されている。
図2Aおよび
図2Bに例示されるように、容器200は、容器200の上面206に沿って配設された5つの通路218を含む。他の例では、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の通路218が含まれてもよい。一対の通路219、221の各々は、容器200の2つの端202、204に近接して位置付けられる。一対の通路219、221の各々は、容器200のそれぞれの端204、202から所定の距離D1、D2に位置する。少なくとも1つの例では、一対の通路219、221の各々が位置する、容器200のそのそれぞれの端204、202からの所定の距離D1、D2は、実質的に等しい。少なくとも一実施例では、所定の距離D1、D2は、関連付けられた固体漂白剤充填機システムの拡散特性に応じて決定される(例えば、
図5A~
図7参照)。少なくとも一実施例では、所定の距離D1、D2は、関連付けられた固体漂白剤充填機システムの容器内拡散特性に応じて決定される(例えば、
図5A~
図7参照)。
【0036】
固体漂白剤の貯蔵および輸送では、容器200の端204、202に近接する一対の通路219、221などの複数の通路218を有することは、液体漂白剤溶液を装填することと比較して、固体漂白剤を装填するために必要である。追加的に、通路218の直径は、固体漂白剤が内部閉じ込め空間212内に導入され得るように、液体漂白剤溶液に使用される容器内の通路よりも大きい直径であることになる。少なくとも1つの例では、容器200は、ユーザが容器200を横断し、上面206および/または通路218へのアクセスを獲得し得るように、梯子または昇降補助デバイス224を含み得る。また、通路218は、通路218を閉じたときに流体および/またはガスが通路218を通過することを防止するようにシール可能であるように構成されている。
【0037】
追加的に、通路218は、溶解水がそこを通して注入されて固体漂白剤を溶解して液体漂白剤溶液を形成し得るように構成されている。少なくとも1つの例では、通路218は、溶液回収デバイス(例えば、ポンプまたはディップレグ)が、通路218を通って挿入されて、液体漂白剤溶液にアクセスし、液体漂白剤溶液を内部閉じ込め空間212から外に回収し得るように、構成され得る。少なくとも1つの例では、固体漂白剤は、加圧空気および/または液体によって回収され得る。
【0038】
いくつかの例では、ディップレグが利用される場合、ディップレグは一体型であり、容器に装着され得る。そのような構成では、ディップレグは、固体漂白剤の装填、輸送、および/または積み下ろし中に損傷しないように支持されることになる。追加的に、少なくとも1つの例では、ディップレグは、固体漂白剤(または他の形態もしくはその副生成物)と適合性のあるライニングを含む鋼などの、硬質の構造的に丈夫な材料から構築され得、ディップレグは、ポリテトラフルオロエチレンおよび/または他のフルオロポリマー内に封入され得る。
【0039】
いくつかの実施例では、
図2Aに例示されるように、容器200は、液体漂白剤溶液が回収され得るように、液体漂白剤溶液が通過し得る出口229を含み得る。少なくとも1つの例では、出口229は、容器200の下面208に近接して位置付けられ得る。他の例では、例えば、ディップレグが利用される場合、出口229は、容器200の上面206に近接して位置付けられ得る。出口229が上面206に近接するとき、固体漂白剤(または他の形態もしくはその副生成物)は、適用された空気圧および/もしくは水圧を使用して、またはポンプ輸送によって、容器200から取り出され得る。出口229は、例えば、弁または栓であり得る。少なくとも1つの例では、内部閉じ込め空間212は、流体が重力流によって収集され得るように、流体が出口229に近接する収集点に蓄積するように構成され得る。少なくとも1つの例では、出口229は、固体漂白剤結晶が通過することを防止するために十分に細かいスクリーンを含み得る。
【0040】
いくつかの例では、漂白剤は、空気圧での運搬、機械運搬を介して、または容器の下に位置する受容器に直接投入することによって、容器200から積み下ろされ得る。
【0041】
固体漂白剤が閉じ込め壁216に接触することを防止するために、容器200は、閉じ込め壁216の内面に位置するライナ214を追加的に含む。ライナ214は、固体漂白剤による閉じ込め壁216の腐食を防止するための障壁として利用され得る。少なくとも1つの例では、ライナ214は、閉じ込め壁216に接着および/または形成され得る。他の例では、ライナ214は、閉じ込め壁216から独立し得る。ライナ214は、固体漂白剤と実質的に非反応性であり、液体およびガスの漏出を阻む。ライナ214は、有利には、内部閉じ込め空間212内に、(a)固体漂白剤、(b)固体漂白剤の分解成分、および(c)溶解水が固体漂白剤に添加されるときに形成された液体漂白剤を保持することができる。追加的に、液体漂白剤は、固体漂白剤が溶融するときに存在し得る。ライナ214は、ガラスを含むか、または完全にガラスで作製され得、それによって、ライナ214のこれらの特性を容易にする。ライナ214はまた、クロロブチルゴム、ポリエチレン、および/またはポリプロピレンを含むか、またはそれらから完全に作製され得る。一実施形態では、ポリエチレンが好ましい。少なくとも1つの例では、ライナ214は、ポリテトラフルオロエチレンなどの少なくとも1つのフルオロポリマー、またはポリマーおよびエポキシなどの他の好適な材料を含み得る。全ての場合、ライナは、固体漂白剤、ならびに固体漂白剤に含有されるか、またはそれに由来する任意の成分と実質的に非反応性である材料または材料の混合物から作製され、固体漂白剤に由来する成分は、分解生成物を含む。
【0042】
追加的に、固体漂白剤の安定性を維持するために、容器200は、冷却源226を含み、本明細書では「冷却手段」と呼ばれる。冷却手段226は、内部閉じ込め空間212内の固体漂白剤を、例えば、摂氏約15度の所望の温度未満の温度で維持することができる。少なくとも1つの例では、冷却手段226は、内部閉じ込め空間212内の固体漂白剤を、摂氏約5度未満の温度で維持することができる。容器の温度を維持するために、任意の好適な構成要素、例えば、圧縮機、冷媒、ヒートシンク、ファン、および/またはガスが、冷却手段226に利用され得る。
【0043】
冷却手段226は、内部閉じ込め空間212内の温度を所望の温度未満に維持し得るが、一方、閉じ込め壁216は、より高温である場合があり、閉じ込め壁216と接触する固体漂白剤の安定性に影響を及ぼす場合がある。固体漂白剤は、摂氏25度よりも高温の表面との接触を防止されるべきである。内部閉じ込め空間212内の温度を維持することを補助するために、容器200は、閉じ込め壁216を少なくとも部分的に取り囲む冷却ジャケット201を、それらの間に間隙空間を伴って含み得る。間隙空間は、その中に冷却された流体を受容することと、容器200内に収容された固体漂白剤を、摂氏約15度未満、代替的に摂氏約5度未満の温度で維持することと、を行うように構成されている。いくつかの例では、冷却された流体は、閉じ込め壁216の外側に沿って敷設されたコイルを通して容器200を冷却するために利用され得る。他の例では、コイルは、閉じ込め壁の内側に沿って敷設され得る。追加的に、少なくとも1つの例では、固体漂白剤が内部閉じ込め空間212内で受容されたときに溶融することを防止するために、冷却手段226は、容器200に固体漂白剤を充填する前に作動され得る。
【0044】
少なくとも1つの例では、容器200は、内部閉じ込め空間212内の容器200の温度を所望の温度未満に維持することを補助するための断熱材を含有し得る。断熱材は、内部閉じ込め空間212の周囲、例えば、閉じ込め壁216と内部閉じ込め空間212との間に位置付けられ得る。少なくとも1つの例では、断熱材は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリウレタン、フェノールフォーム、アスベスト、またはポリスチレンのうちの1つ以上を含み得る断熱材の1つ以上の層を含み得る。断熱材は、例えば、少なくとも1.5インチ、または2インチ、または3インチ、または4インチ、または5インチ、または6インチ、またはそれ以上の厚さであり得る。断熱材の厚さは、少なくとも部分的に、維持される温度および使用される断熱材料に依存することになる。断熱材は、容器200を少なくとも部分的に封入する。少なくとも1つの例では、断熱材は、ジャケット、例えば、鋼ジャケットによって取り囲まれ得る。断熱材が容器200の外部から内部閉じ込め空間212内への熱の伝達を減少させる限り、断熱材の他の構成または位置が、所望に応じて利用され得る。
【0045】
少なくとも1つの例では、
図2Aに例示されるように、容器200は、抜け口228を含み得る。抜け口228は、酸素が内部閉じ込め空間212内に形成し得、圧力ならびに着火および火災の可能性を増強させる際に、制御された様式でガス(複数可)、例えば、酸素を外部容器200に通気するように構成され得る。抜け口228は、例えば、内部閉じ込め空間212から外部容器200への酸素の通過を可能にする通気バルブであり得る。少なくとも1つの例では、抜け口228は、容器200の構造的完全性を保護するために、容器200内の圧力が所定の圧力を超えたときのみ、ガス(複数可)を通気し得る圧力解放デバイスを含み得る。少なくとも1つの例では、抜け口228は、微小多孔性疎水性材料を含み得る。例えば、微小多孔性疎水性材料は、ポリテトラフルオロエチレンを含み得る。
【0046】
また、固体漂白剤がCO2などの酸性種と接触するときに塩素ガスを発生させるため、容器200は、周囲空気またはCO2が内部閉じ込め空間212内に流入することを防止するように構成されている。例えば、抜け口228は、内部閉じ込め空間212から酸素および空気を通気し、同時に、大気が内部閉じ込め空間212内に流れることを防止し得る。したがって、抜け口228は、所定の限界を上回る圧力を解放するように構成された一方向弁であり得る。
【0047】
図3は、複合一貫貨物容器ボックスであり得る例示的な容器300を例示する。
図3に例示されるように、容器300は、鉄道で輸送されるように構成された複合一貫容器であり、長手方向軸X-Xは、輸送構成で実質的に水平に配向される。容器300は、容器300を実質的に取り囲むフレーム330を含む。
図3に例示されるように、フレーム330は、実質的に長方形形状を形成する。したがって、フレーム330によると、容器300は、互いに積み重ねられ得る。他の例では、フレーム330は、上面および底面が互いに対応して、積み重ねられたときに一緒に嵌まる限り、任意の他の好適な形状とすることができる。容器300は、トラック、鉄道、または船舶などの任意の好適な方法によって輸送され得る。
【0048】
容器300は、上記のように結晶性固体漂白剤を受容および貯蔵するように構成されている。容器300はまた、容器300内に貯蔵された固体漂白剤からの分解成分を保持し得る。容器300は、内部閉じ込め空間312を少なくとも部分的に取り囲む閉じ込め壁316を含む。閉じ込め壁316は、固体漂白剤と適合性のある好適な材料から作製され得る。例えば、閉じ込め壁316は、任意選択的にプラスチックで補強されたガラス繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、チタン、ステンレス鋼、および炭素鋼のうちの少なくとも1つから作製され得る。閉じ込め壁316の材料は、それに対して及ぼされる圧力ならびに内部および外部力に耐えるように選択される。追加的に、閉じ込め壁316は、ガスなどの流体が容器300の外部と内部閉じ込め空間312との間の閉じ込め壁316を実質的に通過することができないようにシールされる。内部閉じ込め空間312は、その中に固体漂白剤および/または溶融された固体漂白剤を受容するように構成されている。
【0049】
容器300は、第1の端302、第1の端302の反対側の第2の端304、上面306、上面306の反対側の下面308、および第1の端302と第2の端304との間に広がる側面310を含む。内部閉じ込め空間312は、細長く、長手方向軸X-Xに沿って延在する。少なくとも1つの例では、内部閉じ込め空間312の長手方向軸X-Xに対して垂直にとられ得る断面は、実質的に均一であり得る。例えば、
図3に例示されるように、容器300および閉じ込め空間312は、第1の端302と第2の端304との間の長手方向軸X-Xに沿って広がる、実質的に円筒形である。
【0050】
容器300はまた、容器300の外部から内部閉じ込め空間312まで延在する少なくとも1つの通路318を含む。通路318は、固体漂白剤が内部閉じ込め空間312内で受容され得るように、固体漂白剤がそこを通過するように構成されている。
図3に例示されるように、容器300は、容器300の上面306に沿って配設された4つの通路318を含む。他の例では、2つ、3つ、またはそれ以上の通路318が含まれてもよい。一対の通路319、321は各々、容器300の2つの端302、304に近接して位置付けられる。一対の通路319、321の各々は、容器300のそれぞれの端304、302から所定の距離D1、D2に位置する。少なくとも1つの例では、一対の通路319、321の各々が位置する、通路319、321に近接する容器300のそれぞれの端304、302からの所定の距離D1、D2は、実質的に等しくてもよい。少なくとも1つの例では、一対の通路319、321の各々が位置する、通路319、321に近接する容器300のそれぞれの端304、302からの所定の距離D1、D2は、関連付けられた固体漂白剤充填機システムの拡散特性に応じて決定され得る(例えば、
図5A~
図7参照)。少なくとも1つの例では、一対の通路319、321の各々が位置する、通路319、321に近接する容器300のそれぞれの端104、102からの所定の距離D1、D2は、関連付けられた固体漂白剤充填機システムの容器内拡散特性に応じて決定され得る(例えば、
図5A~
図7参照)。
【0051】
固体漂白剤の貯蔵および輸送では、容器300の端304、302に近接する一対の通路319、321などの複数の通路318を有することは、液体漂白剤溶液を装填することと比較して、固体漂白剤を装填するために必要である。追加的に、通路318の直径は、固体漂白剤が内部閉じ込め空間312内に導入され得るように、液体漂白剤溶液のために使用される容器内の通路よりも大きい直径であり得る。少なくとも1つの例では、フレーム330は、ユーザが上面306および/または通路318へのアクセスを獲得し得るように、梯子または昇降補助デバイス324を含み得る。また、通路318は、通路318を閉じたときに流体またはガスが通路318を通過することを防止するようにシール可能であるように構成されている。
【0052】
追加的に、通路318は、溶解水がそこを通して注入されて固体漂白剤を溶解して液体漂白剤溶液を形成し得るように構成されている。少なくとも1つの例では、通路318は、溶液回収デバイス(例えば、ポンプまたはディップレグ)が、通路318を通って挿入されて、液体漂白剤溶液にアクセスし、液体漂白剤溶液を内部閉じ込め空間312から外に回収し得るように、構成され得る。少なくとも1つの例では、固体漂白剤は、加圧空気および/または液体によって回収され得る。
【0053】
いくつかの例では、ディップレグが利用される場合、ディップレグは一体型であり、容器に装着され得る。ディップレグは、ディップレグが固体漂白剤の装填、輸送、および/または積み下ろし中に損傷しないように支持され得る。追加的に、少なくとも1つの例では、ディップレグは、固体漂白剤(または他の形態もしくはその副生成物)と適合性のあるライニングを含む鋼などの、硬質の構造的に丈夫な材料から構築され得、ディップレグは、ポリテトラフルオロエチレンおよび/または他のフルオロポリマー内に封入され得る。
【0054】
いくつかの実施例では、
図3に例示されるように、容器300は、液体漂白剤溶液が回収され得るように、液体漂白剤溶液が通過し得る出口329を含み得る。少なくとも1つの例では、出口329は、容器300の下面308に近接して位置付けられ得る。他の例では、例えば、ディップレグが利用される場合、出口329は、容器300の上面306に近接して位置付けられ得る。出口329が上面306に近接するとき、固体漂白剤(または他の形態もしくはその副生成物)は、空気圧および/または水圧/ポンプ輸送を使用して容器300から取り出され得る。出口329は、例えば、弁または栓であり得る。少なくとも1つの例では、内部閉じ込め空間312は、流体が重力流によって回収され得るように、流体が出口329の収集点に蓄積するように構成され得る。少なくとも1つの例では、出口329は、固体漂白剤結晶が通過することを防止するために十分に細かいスクリーンを含み得る。
【0055】
固体漂白剤が閉じ込め壁316に接触することを防止するために、容器300は、閉じ込め壁316の内面に位置するライナ314を追加的に含む。ライナ314は、固体漂白剤による閉じ込め壁316の腐食を防止するための障壁として利用され得る。少なくとも1つの例では、ライナ314は、閉じ込め壁316に接着および/または形成され得る。他の例では、ライナ314は、閉じ込め壁316から独立し得る。ライナ314は、固体漂白剤と実質的に非反応性であり、漏出させることなく、内部閉じ込め空間312内で、(a)固体漂白剤、(b)固体漂白剤の分解成分、および(c)溶解水が固体漂白剤に添加されるときに形成された液体漂白剤を保持することができる。追加的に、液体漂白剤は、固体漂白剤が溶融するときに存在し得る。ライナ314は、ガラスを含むか、または完全にガラスから作製され得る。ライナ314はまた、クロロブチルゴム、ポリエチレン、および/またはポリプロピレンを含むか、またはそれらから完全に作製され得る。一実施形態では、ポリエチレンが好ましい。少なくとも1つの例では、ライナ314は、ポリテトラフルオロエチレンなどの少なくとも1つのフルオロポリマー、またはポリマーおよびエポキシなどの他の好適な材料を含み得る。全ての場合、ライナは、固体漂白剤、ならびに固体漂白剤に含有されるか、またはそれに由来する任意の成分と実質的に非反応性である材料または材料の混合物から作製され、固体漂白剤に由来する成分は、分解生成物を含む。
【0056】
追加的に、固体漂白剤の安定性を維持するために、容器300は、冷却手段326を含む。冷却手段326は、内部閉じ込め空間312内の固体漂白剤を、例えば、摂氏約15度の所望の温度未満の温度で維持することができる。少なくとも1つの例では、冷却手段326は、内部閉じ込め空間312内の固体漂白剤を、摂氏約5度未満の温度で維持することができる。容器の温度を維持するために、任意の好適な構成要素、例えば、圧縮機、冷媒、ヒートシンク、ファン、またはガスが、冷却手段326に利用され得る。
【0057】
冷却手段326は、内部閉じ込め空間312内の温度を所望の温度未満に維持し得るが、一方、閉じ込め壁316は、より高温である場合があり、閉じ込め壁316と接触する固体漂白剤の安定性に影響を及ぼす場合がある。固体漂白剤は、摂氏25度よりも高温の表面との接触を防止されるべきである。内部閉じ込め空間312内の温度を維持することを補助するために、容器300は、閉じ込め壁316を少なくとも部分的に取り囲む冷却ジャケット301を、それらの間に間隙空間を伴って含み得る。間隙空間は、その中に冷却された流体を受容することと、容器300内に収容された固体漂白剤を、摂氏約15度未満、代替的に摂氏約5度未満の温度で維持することと、を行うように構成されている。いくつかの例では、冷却された流体は、閉じ込め壁316の外側に沿って敷設されたコイルを通して容器300を冷却するために利用され得る。他の例では、コイルは、閉じ込め壁の内側に沿って敷設され得る。追加的に、少なくとも1つの例では、固体漂白剤が内部閉じ込め空間312内で受容されたときに溶融することを防止するために、冷却手段326は、容器300に固体漂白剤を充填する前に作動され得る。
【0058】
少なくとも1つの例では、容器300は、内部閉じ込め空間312内の容器300の温度を所望の温度未満に維持することを補助するための断熱材を含有し得る。断熱材は、内部閉じ込め空間312の周囲、例えば、閉じ込め壁316と内部閉じ込め空間312との間に位置付けられ得る。少なくとも1つの例では、断熱材は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリウレタン、フェノールフォーム、アスベスト、またはポリスチレンのうちの1つ以上を含み得る断熱材の1つ以上の層を含み得る。断熱材は、例えば、少なくとも1.5インチ、または2インチ、または3インチ、または4インチ、または5インチ、または6インチ、またはそれ以上の厚さであり得る。断熱材の厚さは、少なくとも部分的に、維持される温度および使用される断熱材料に依存することになる。断熱材は、容器300を少なくとも部分的に封入する。少なくとも1つの例では、断熱材は、ジャケット、例えば、鋼ジャケットによって取り囲まれ得る。断熱材が容器300の外部から内部閉じ込め空間312内への熱の伝達を減少させる限り、断熱材の他の構成または位置が、所望に応じて利用され得る。
【0059】
少なくとも1つの例では、
図3に例示されるように、容器300は、抜け口328を含み得る。抜け口328は、酸素が内部閉じ込め空間312内に形成し得、圧力および燃焼の可能性を増強させる際に、制御された様式でガス(複数可)、例えば、酸素を外部容器300に通気するように構成され得る。抜け口328は、例えば、内部閉じ込め空間312から外部容器300への酸素の通過を可能にする通気バルブであり得る。少なくとも1つの例では、抜け口328は、容器300の構造的完全性を保護するために、容器300内の圧力が所定の圧力を超えたときのみ、ガス(複数可)を通気し得る圧力解放デバイスを含み得る。少なくとも1つの例では、抜け口328は、微小多孔性疎水性材料を含み得る。例えば、微小多孔性疎水性材料は、ポリテトラフルオロエチレンを含み得る。
【0060】
また、固体漂白剤がCO2などの酸性種と接触するときに塩素ガスを発生させるため、容器300は、周囲空気またはCO2が内部閉じ込め空間312内に流入することを防止するように構成されている。例えば、抜け口328は、内部閉じ込め空間312から酸素および空気を通気し、同時に、大気が内部閉じ込め空間312内に流れることを防止し得る。したがって、抜け口328は、所定の限界を上回る圧力を解放するように構成された一方向弁であり得る。
【0061】
図4A~
図4Dは、例えば、鉄道車両もしくはトラック、または1つ以上のサブ容器450を受容および貯蔵するための1つ以上のサブ容器空間412を有する他の輸送車両であり得る、例示的な容器400を例示する。
【0062】
図4A~
図4Dは、サブ容器450の異なる例を例示するが、特徴は、各例の間で類似している。例えば、
図4Aおよび
図4Bは、硬質中間バルク容器(IBC)などの、実質的に長方形形状を有するサブ容器450を例示する。固体漂白剤は、頂部ポートを介して硬質IBC内に装填され得る。少なくとも1つの例では、硬質IBCは、プラスチック材料、例えば、高密度ポリエチレンから構築され得、出口弁は、硬質IBCの底部に位置し得る。
図4Cは、オープントッププラスチックドラムおよび/または蓋付き金属ドラムなどの、実質的に円筒形形状を有するサブ容器450を例示する。プラスチックドラムは、ライナを含み得、一方、金属ドラムは、ライナの使用を必要とする。
図4Dは、バッグまたは可撓性IBCなどの、可撓性であるサブ容器450を例示する。
【0063】
図4Bに詳述されるように、サブ容器450の各々は、上記のように、結晶性固体漂白剤(および/または漂白剤スラリー)を受容および貯蔵するように構成されている。サブ容器450はまた、サブ容器450内に貯蔵された固体漂白剤からの分解成分を保持し得る。サブ容器450は、内部閉じ込め空間452を少なくとも部分的に取り囲む閉じ込め壁456を含む。閉じ込め壁456は、固体漂白剤と適合性のある好適な材料から作製され得る。例えば、閉じ込め壁456は、任意選択的にプラスチックで補強されたガラス繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、チタン、ステンレス鋼、および炭素鋼のうちの少なくとも1つから作製され得る。閉じ込め壁456の材料は、それに対して及ぼされる圧力ならびに内部および外部力に耐えるように選択される。追加的に、閉じ込め壁456は、ガスなどの流体がサブ容器450の外部と内部閉じ込め空間452との間の閉じ込め壁456を実質的に通過することができないようにシールされる。内部閉じ込め空間452は、その中に固体漂白剤を受容するように構成されている。
【0064】
少なくとも1つの例では、
図4Bに例示されるように、サブ容器450は、内容物が溶融されたときであってもサブ容器450の移動を防止する、構造支持体460で補強され得る。例えば、
図4Dのようにサブ容器450が可撓性である場合、固体漂白剤が液体漂白剤溶液中に溶解されたとき、構造的完全性が低下し、サブ容器450は、内容物の流動性に起因して所定の位置から転がり出す可能性がある。したがって、構造支持体460は、サブ容器450の状態にかかわらず、サブ容器450の構造的完全性および位置付けを維持する。少なくとも1つの例では、構造支持体460は、ポリエチレンまたは塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)などの波形プラスチックを含み得る。いくつかの実施形態では、構造支持体460は、サブ容器450の上に広げられた、サブ容器450内に織り込まれた、またはサブ容器450内もしくはサブ容器450上に別様に含有された、1つ以上のバッフルおよび/またはリブなどの、構造支持体を有するサブ容器450と組み合わせて使用される。いくつかの場合、サブ容器450がその中に作り込まれた構造支持体を有するとき、構造支持体460は、使用されない。構造支持体がサブ容器450内に作り込まれるとき、サブ容器450は、転がるかもしくは傾く可能性が低い、またはより好ましくは転がらないかもしくは傾かない。
【0065】
少なくとも1つの例では、閉じ込め壁456は、固体漂白剤と適合性がない場合がある。サブ容器450内に収容された固体漂白剤が閉じ込め壁456と接触することを防止するために、サブ容器450は、閉じ込め壁456の内面に位置するライナ454を追加的に含み得る。ライナ454は、固体漂白剤による閉じ込め壁456の腐食を防止するための障壁として利用され得る。少なくとも1つの例では、ライナ454は、閉じ込め壁456に接着および/または形成され得る。他の例では、ライナ454は、閉じ込め壁456から独立し得る。ライナ454は、固体漂白剤と実質的に非反応性であり、漏出させることなく、内部閉じ込め空間452内で、(a)固体漂白剤、(b)固体漂白剤の分解成分、および(c)溶解水が固体漂白剤に添加されるときに形成された液体漂白剤を保持することができる。追加的に、液体漂白剤は、固体漂白剤が溶融するときに存在し得る。例えば、可撓性IBCは、ライナ454を含むことが必要とされ得るが、一方、適合性のあるプラスチックで作製されたドラムおよび硬質IBCは、ライナ454を含まなくてもよい。ライナ454は、ガラスを含むか、または完全にガラスから作製され得る。ライナ454はまた、クロロブチルゴム、ポリエチレン、および/またはポリプロピレンを含むか、またはそれらから完全に作製され得る。一実施形態では、ポリエチレンが好ましい。少なくとも1つの例では、ライナ454は、ポリテトラフルオロエチレンなどの少なくとも1つのフルオロポリマー、またはポリマーおよびエポキシなどの他の好適な材料を含み得る。全ての場合、ライナは、固体漂白剤、ならびに固体漂白剤に含有されるか、またはそれに由来する任意の成分と実質的に非反応性である材料または材料の混合物から作製され、固体漂白剤に由来する成分は、分解生成物を含む。
【0066】
少なくとも1つの例では、
図4Bに例示されるように、サブ容器450は、抜け口458を含み得る。酸素および場合によっては他のガスが、例えば、固体漂白剤の溶融および分解によって、サブ容器450の内部閉じ込め空間452内に形成され得る。このガス形成は、サブ容器450の内部の圧力を増加させ、破裂ならびに/または着火および火災の危険性の増加につながり得る。抜け口458は、酸素および/または任意の他のガスを、制御された様式でサブ容器450の外側に通気するように構成され得る。少なくとも1つの例では、抜け口458は、微小多孔性疎水性材料を含み得る。例えば、微小多孔性疎水性材料は、ポリテトラフルオロエチレンを含み得る。
【0067】
少なくとも1つの例では、サブ容器450は、圧力定格容器とすることができる。したがって、抜け口458は、サブ容器450の構造的完全性を保護するために、サブ容器450内の圧力が所定の圧力を超えたときのみ、ガス(複数可)を通気し得る圧力解放デバイスを含み得る。
【0068】
また、固体漂白剤がCO2などの酸性種と接触するときに塩素ガスを発生させるため、サブ容器450は、周囲空気またはCO2が内部閉じ込め空間452内に流入することを防止するように構成されている。サブ容器450内のガス形成は、サブ容器450内の圧力の増加につながることになり、これは、サブ容器450の破裂につながり得る。圧力解放デバイス458は、内部閉じ込め空間452から酸素および空気を通気することによって過度の加圧を防止し得る。好ましくは、デバイス458は、CO2を含有する大気が内部閉じ込め空間452に流入することを同時に防止する。したがって、圧力解放デバイス458は、サブ容器内の圧力が所定の圧力に達すると、ガスを放出し、それによって、サブ容器450内の圧力を低減するように構成されている、一方向弁とすることができる。所定の圧力は、使用される容器のタイプに依存することになる。
【0069】
固体漂白剤の安定性を維持するために、容器400は、冷却ユニット426を含む。明確にするため、冷却ユニット426は、容器450の一部ではない。むしろ、冷却ユニット426は、1つ以上の容器450を輸送している容器400の一部である。
図4a、
図4c、および
図4dでは、容器400は、セミトレーラなどのトラックである。他の容器400が、1つ以上の容器450を輸送するために使用されてもよい。冷却ユニット426は、サブ容器450の内部閉じ込め空間452内の固体漂白剤を、例えば、摂氏約15度の所望の温度未満の温度で維持することができる。少なくとも1つの例では、冷却ユニット426は、サブ容器450の内部閉じ込め空間452内の固体漂白剤を、摂氏約5度未満の温度で維持することができる。容器の温度を維持するために、任意の好適な構成要素、例えば、圧縮機、冷媒、ヒートシンク、ファン、またはガスが、冷却ユニット426に利用され得る。いくつかの例では、冷却された流体は、閉じ込め壁の外側に沿って敷設されたコイルを通して容器400を冷却するために利用され得る。他の例では、コイルは、閉じ込め壁の内側に沿って敷設され得る。追加的に、少なくとも1つの例では、固体漂白剤が内部閉じ込め空間412内で受容されたときに溶融することを防止するために、冷却ユニット426は、容器400に固体漂白剤を充填する前に作動され得る。
【0070】
少なくとも1つの例では、容器400は、内部閉じ込め空間412内の容器400の温度を所望の温度未満に維持することを補助するための断熱材を含有し得る。断熱材は、内部閉じ込め空間412の周囲、例えば、閉じ込め壁と内部閉じ込め空間412との間に位置付けられ得る。少なくとも1つの例では、断熱材は、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、ポリウレタン、フェノールフォーム、アスベスト、またはポリスチレンのうちの1つ以上を含み得る断熱材の1つ以上の層を含み得る。断熱材は、例えば、少なくとも1.5インチ、または2インチ、または3インチ、または4インチ、または5インチ、または6インチ、またはそれ以上の厚さであり得る。断熱材の厚さは、少なくとも部分的に、維持される温度および使用される断熱材料に依存することになる。断熱材は、容器400を少なくとも部分的に封入する。少なくとも1つの例では、断熱材は、ジャケット、例えば、鋼ジャケットによって取り囲まれ得る。断熱材が容器400の外部から内部閉じ込め空間412内への熱の伝達を減少させる限り、断熱材の他の構成または位置が、所望に応じて利用され得る。
【0071】
少なくとも1つの例では、サブ容器450の温度を維持するために、サブ容器450は、容器400全体にわたる、空気などの流体の循環を介して低温に保たれ得る。サブ容器450は、流体循環を促進するために、サブ容器450と容器400の壁との間に間隙が存在するように位置付けられ得る。例えば、サブ容器450は、サブ容器450と容器400の壁との間に空間を提供するための支持体を含み得る。少なくとも1つの例では、支持体は、サブ容器450に作り込まれ得る。他の例では、サブ容器450は、パレット、例えば、プラスチックパレット上に配置され得る。
【0072】
少なくとも1つの例では、サブ容器450は、冷却ジャケット451を含み得、冷却ジャケット451は、閉じ込め壁451をそれらの間に間隙空間を伴って少なくとも部分的に取り囲む。間隙空間は、その中に冷却された流体を受容することと、サブ容器450内に収容された固体漂白剤を、摂氏約15度未満、代替的に摂氏約5度未満の温度で維持することを補助することと、を行うように構成されている。他の例では、間隙空間は、断熱を提供する真空であってもよい。さらに他の例では、間隙空間は、断熱材料で充填されてもよい。
【0073】
少なくとも1つの例では、
図4A、
図4C、および
図4Dに例示されるように、容器400はまた、抜け口428も含み得る。抜け口428は、酸素がサブ容器空間412内に形成し得、圧力および着火ならびに火災の可能性を増強させる際に、制御された様式で酸素を外部容器400に通気するように構成され得る。抜け口428は、例えば、サブ容器空間412から外部容器400への酸素の通過を可能にする抜け口または通気バルブであり得る。少なくとも1つの例では、抜け口128は、容器100の構造的完全性を保護するために、容器100内の圧力が所定の圧力を超えたときのみ、ガス(複数可)を通気し得る圧力解放デバイスを含み得る。
【0074】
また、固体漂白剤がCO2などの酸性種と接触するときに塩素ガスを発生させるため、容器400は、周囲空気またはCO2がサブ容器空間412内に流入することを防止するように構成され得る。例えば、抜け口428は、サブ容器空間412から酸素および空気を通気し、同時に、大気がサブ容器空間412内に流れることを防止し得る。したがって、抜け口428は、所定の限界を上回る圧力を解放するように構成された一方向弁であり得る。
【0075】
図5A~
図7は、貯蔵および/または輸送のための固体漂白剤で容器100、200、300を充填するための例示的な充填機システムを例示する。繰り返しになるが、本開示は、結晶性固体漂白剤として固体漂白剤を考察するが、少なくとも1つの例では、米国特許第9,434,616号に説明されるように、漂白剤スラリーが使用され得る。容器100、200、300、400の間の特徴は、所望に応じて交換され得る。容器100、200、300、および450のいずれも、以下の例示的なシステムのいずれかと共に利用され得る。追加的に、充填機システム500、600、700の特徴のいずれも、所望に応じて、任意の他の充填機システム500、600、700に利用され得る。
【0076】
図5Aは、所定の量の固体漂白剤10で容器100を充填する例示的な充填機システム500を例示する。容器100が
図5に例示されているが、任意の他の好適な容器が利用され得る。
【0077】
充填機システム500は、供給源から通路118に、および通路118を通過して内部閉じ込め空間112内に固体漂白剤10を運搬するように構成されている。充填機システム500は、
図5Aに例示されるように、一連の運搬経路502、506を含む。第1の運搬経路502は、供給源から固体漂白剤10を受容する。例示されるように、第1の運搬経路502は、固体漂白剤10の効率的な受容を確保するための漏斗504を含む。第1の運搬経路502は、漏斗508を介して固体漂白剤10を第2の運搬経路506に移送する。少なくとも1つの例では、漏斗504、508は、利用されない。追加的に、少なくとも1つの例では、充填機システム500は、1つ、2つ、3つ、または3つ超の運搬経路502、506を含んでもよい。少なくとも1つの例では、運搬経路502、506のうちの少なくとも1つは、スクリューコンベヤを含み得る。少なくとも1つの例では、充填機システム500は、供給源と内部閉じ込め空間112との間の運搬経路502、506の少なくとも一部分に沿って固体漂白剤10を空気圧で運搬し得る。例えば、運搬経路502、506は、断熱PVCまたはCPVCパイプとすることができる。運搬経路502、506は、周囲雰囲気から密閉され得、そこにCO
2を除去した空気が注入される。少なくとも1つの例では、運搬経路502、506は、その中に注入された窒素を有し得る。追加的に、運搬経路502、506は、摂氏約15度未満、代替的に摂氏約5度などの所定の温度で維持され得る。少なくとも1つの例では、運搬経路502、506内の空気温度は、摂氏約-18度、または固体漂白剤10中の水分が凍結するような好適な温度であり得る。したがって、固体漂白剤10の安定性が維持され得る。
【0078】
充填機システム500はまた、充填構成において、通路118に近接して位置し、かつ内部閉じ込め空間112の縦方向中心点まで内部閉じ込め空間112内で固体漂白剤10を拡散するように構成された、拡散器510も含む。拡散器510は、例えば、ホイスト512と連結され、それによって操作され得る。例えば、拡散器510は、Xおよび/またはY軸に沿って移動され得る。拡散器510は、内部閉じ込め空間112が固体漂白剤10によって実質的に均一に充填されるか、または所望に応じて充填され得るように、容器100の通路118のいずれかに近接して位置するように操作され得る。
【0079】
拡散器510は、ハウジング511内の運搬経路506から固体漂白剤10を受容し得る。拡散器510は、ハウジング511内に配設された分散器516を並進させ得るモータ514を含み得る。分散器516は、少なくとも内部閉じ込め空間112の縦方向中心点に位置する幅方向中心線まで、拡散器510の下から実質的に均一に固体漂白剤10を分散させるように構成されている。分散器516は、例えば、モータ514が分散器516を回転させ得るように、ねじ形状であり得、分散器516は、ハウジング511を通って固体漂白剤10を均等に移送し、固体漂白剤10を分散させる。
【0080】
少なくとも1つの例では、拡散器510はまた、少なくとも内部閉じ込め空間112の縦方向中心点に位置する幅方向中心線まで、拡散器510の下から実質的に均一に固体漂白剤10を散布する回転ヘッド518も含み得る。回転ヘッド518は、モータ512と連結され得る。少なくとも1つの例では、回転ヘッド518は、分散器516と連結され、分散器516と同時に回転し得る。他の例では、回転ヘッド518は、独立して回転ヘッド518を回転させるために、別個のモータと連結され得る。
【0081】
図5Bは、拡散器510の別の例を例示する。回転する回転ヘッド518を含む代わりに、
図5Bに例示されるような拡散器510は、固体漂白剤10を散布するために、ある速度でヘッド518を通して固体漂白剤10を排出し得る。ユニットとしての拡散器510が、拡散器510が固体漂白剤10を散布する方向に向くように回転され得る。他の例では、ヘッド518は、拡散器510が固体漂白剤10を散布する方向を向くように独立して回転され得る。
図5Bは、固体漂白剤10を移動させるためにスクリューコンベヤを使用する。
【0082】
図6は、容器傾斜システム601を利用して、固体漂白剤10によって容器100を充填する、例示的な充填機システム600を例示する。容器100が
図6に例示されているが、任意の他の好適な容器が利用されてもよい。容器100が鉄道車両に組み込まれるとき、傾斜システム601は、容器100を含む鉄道車両全体のためのものである。
【0083】
充填機システム600は、供給源から通路118に、および通路118を通過して内部閉じ込め空間112に固体漂白剤10を運搬するように構成されている。充填機システム600は、
図6に例示されるように、運搬経路602を含む。運搬経路602は、供給源から固体漂白剤10を受容する。例示されるように、運搬経路602は、固体漂白剤10の効率的な受容を確保するための漏斗604を含む。運搬経路602は、容器100内に固体漂白剤10を移送する。少なくとも1つの例では、漏斗604は、利用されない。追加的に、少なくとも1つの例では、充填機システム600は、1つ、2つ、3つ、または3つ超の運搬経路602を含んでもよい。少なくとも1つの例では、運搬経路602は、スクリューコンベヤを含み得る。
【0084】
少なくとも1つの例では、充填機システム600は、供給源と内部閉じ込め空間112との間の運搬経路602の少なくとも一部分に沿って固体漂白剤10を空気圧で運搬し得る。例えば、運搬経路602は、断熱PVCまたはCPVCパイプとすることができる。運搬経路602は、周囲雰囲気から密閉され得、そこにCO2を除去した空気が注入される。少なくとも1つの例では、運搬経路602は、その中に注入された窒素を有し得る。追加的に、運搬経路602は、摂氏約15度未満、代替的に摂氏約5度などの所定の温度で維持され得る。少なくとも1つの例では、運搬経路602内の空気温度は、摂氏約-18度、または固体漂白剤10中の水分が凍結するような好適な温度であり得る。したがって、固体漂白剤10の安定性が維持され得る。
【0085】
容器傾斜システム601は、容器100が位置付けられ得るプラットフォーム610を含む。容器傾斜システム601は、容器100を水平に角度αで縦方向に傾斜させることができる。傾斜角度は、容器100の長手方向軸X-Xの傾斜角度αを確立し、傾斜角度は、固体漂白剤10の安息角に対して相補的な角度である。傾斜角度αは、約30度~80度であり得る。少なくとも1つの例では、傾斜角度αは、約35~75度、または約40~70度であり得る。
【0086】
容器傾斜システム601は、点614を中心にプラットフォーム610を枢動させて容器100を傾斜させる。点614は、例えば、ヒンジまたはベアリングとすることができる。1つ以上のピストン612が、点614の反対側のプラットフォーム610の端でプラットフォーム610と連結した。少なくとも1つの例では、ピストン612は、プラットフォーム610の底部に連結され得る。他の例では、ピストン612は、プラットフォーム610の側部に連結され得る。ピストン612が収縮構成から伸張構成に延在すると、ピストン612がプラットフォーム610を上昇させる。しかしながら、プラットフォーム610の端が点614で静止しているため、プラットフォーム610は、所定の角度αに傾斜する。他の例では、プラットフォーム610は、ピストン612によって押される代わりに持ち上げられてもよい。
【0087】
容器100が傾斜している間、充填機システム600は、固体漂白剤10を容器100内に運搬し得る。少なくとも1つの例では、固体漂白剤10は、上に傾斜された容器100の端102に近接する通路121を通して容器100内に堆積され得る。追加的に、少なくとも1つの例では、充填機システム600は、固体漂白剤10が容器100に密に充填されるように、容器100を振盪させるための振盪器を含み得る。したがって、固体漂白剤10は、点614に近接するより低い方の容器104の端104に蓄積する。したがって、充填機システム600は、過剰な可動部品なしで、固体漂白剤10を容器100内に効率的に堆積させる。
【0088】
図7は、所定の量の固体漂白剤10で容器200を充填する例示的な充填機システム700を例示する。容器200が
図7に例示されているが、任意の他の好適な容器が利用されてもよい。
【0089】
充填機システム700は、供給源から通路218に、および通路218を通過して内部閉じ込め空間212に固体漂白剤10を運搬するように構成されている。充填機システム700は、
図7に例示されるように、一連の運搬経路702、706を含む。第1の運搬経路702は、供給源から固体漂白剤10を受容する。例示されるように、第1の運搬経路702は、固体漂白剤10の効率的な受容を確保するための漏斗704を含む。第1の運搬経路702は、漏斗708を介して固体漂白剤10を第2の運搬経路7506に移送する。少なくとも1つの例では、漏斗704、708は、利用されない。追加的に、少なくとも1つの例では、充填機システム700は、1つ、2つ、3つ、または3つ超の運搬経路702、706を含んでもよい。少なくとも1つの例では、運搬経路702、706のうちの少なくとも1つは、スクリューコンベヤを含み得る。少なくとも1つの例では、充填機システム700は、供給源と内部閉じ込め空間212との間の運搬経路702、706の少なくとも一部分に沿って固体漂白剤10を空気圧で運搬し得る。例えば、運搬経路702、706は、断熱PVCまたはCPVCパイプとすることができる。運搬経路702、706は、周囲雰囲気から密閉され得、そこにCO
2を除去した空気が注入される。少なくとも1つの例では、運搬経路702、706は、その中に注入された窒素を有し得る。追加的に、運搬経路702、706は、摂氏約15度未満、代替的に摂氏約5度などの所定の温度で維持され得る。少なくとも1つの例では、運搬経路702、706内の空気温度は、摂氏約-18度、または固体漂白剤10中の水分が凍結するような好適な温度であり得る。したがって、固体漂白剤10の安定性が維持され得る。
【0090】
図7に例示されるように、コンベヤ経路706は、例えば、ホイスト710と連結され、それによって操作され得る。例えば、コンベヤ経路706は、Xおよび/またはY軸に沿って移動され得る。コンベヤ経路706は、内部閉じ込め空間212が固体漂白剤10によって実質的に均一に充填されるか、または所望に応じて充填され得るように、容器200の通路218のいずれかに近接して位置するように操作され得る。
【0091】
図8Aおよび
図8Bは、例示的な抜き出しシステム800を例示する。容器100、200、300、および450のいずれも、以下の例示的なシステムのいずれかと共に利用され得る。
【0092】
抜き出しシステム800は、容器100の内部閉じ込め空間112内に水804を送達するように構成された流体送達システム802を含む。本明細書の開示は、流体送達システム802によって送達される流体として水を考察するが、少なくとも1つの例では、流体送達システム802は、希釈された液体漂白剤溶液を容器100の内部閉じ込め空間112に送達して、固体漂白剤10を溶解させる。流体送達システム802は、内部閉じ込め空間112内に水804を送達するための1つ以上の注入器805を含み得る。流体送達システム802は、注入器805を通して水804をポンプ輸送するポンプを含み得る。少なくとも1つの例では、注入器805は、通路118を通って内部閉じ込め空間112内に延在可能であり得る。水804は、容器100内に貯蔵された固体漂白剤の一部分を溶解させる。
【0093】
抜き出しシステム800はまた、内部閉じ込め空間112内の貯蔵された固体漂白剤と混合された送達された水804によって生成された、希釈された液体漂白剤の収集点に位置付けられた入口807も含み得る。例えば、入口807は、出口129に位置付けられ得、希釈された液体漂白剤溶液12の収集点は、下面108に近接して容器100の下部分に位置し、その中に、希釈された液体漂白剤溶液12が重力によって流入する。例えば、入口807は、出口129と入口807との間の流体連通を可能にするために、表面106上またはその付近に位置付けられ得る。
【0094】
少なくとも1つの例では、抜き出しシステム800は、流体抜き出しデバイス806(図示せず)を含み、これは、通路118を通って内部閉じ込め空間112内に延在して、希釈された液体漂白剤溶液12を容器100から抜き出し得る。流体抜き出しデバイス806は、例えば、ディップレグであり得る。少なくとも1つの例では、希釈された液体漂白剤溶液12は、内部閉じ込め空間112に再注入されて、水850とさらに混合することができ、いくつかの例では、希釈された液体漂白剤溶液12の濃度が所望どおりになるまで、追加の固体漂白剤とさらに混合することができる。
【0095】
図8Bに例示されるように、流体送達システム802は、流体入口232を通して水804を容器100の内部閉じ込め空間212内に送達するように構成され得る。
図8Bに例示されるように、流体入口232は、容器200の下面208に近接して位置付けられる。他の例では、流体入口232は、容器200の上面206に近接して位置付けられ得る。流体入口232は、外部容器200から内部閉じ込め空間212の内側への流体連通を提供する。しかしながら、閉鎖構成にあるとき、流体入口232は、流体が通過することができないようにシールされる。追加的に、複数の流体入口232は、水804が内部閉じ込め空間212全体に注入されて、固体漂白剤を十分に、かつ効率的に溶解させ得るように、容器200の周囲に位置付けられ得る。注入器805は、水が注入器805を通して流体入口232を通して内部閉じ込め空間212内に注入され得るように、流体入口232に対して位置付けられ得る。流体送達システム802は、注入器805を通して水804をポンプ輸送するポンプを含み得る。
【0096】
図8Bに例示されるように、出口229は、容器200の下面208に近接して位置付けられる。出口229は、出口が開放構成にあるときに、希釈された液体漂白剤溶液12が重力によって出口229に流れ、出口229を通り得るように、例えば、収集点に近接して内部閉じ込め空間212と流体連通し得る。出口229が閉鎖構成にあるとき、出口229は、流体が出口229を通過することができないようにシールされる。入口807は、出口229に位置付けられ得、希釈された液体漂白剤溶液12の収集点は、下面208に近接して容器200の下部分に位置し、その中に、希釈された液体漂白剤溶液12が重力によって流入する。例えば、入口807は、出口229と入口807との間の流体連通を可能にするために、容器200の出口229に対して位置付けられ得る。入口807は、ポンプ806に連結され得、ポンプ806は、内部閉じ込め空間212から外に希釈された液体漂白剤溶液12を抜き出すするための吸引力を提供し、希釈された液体漂白剤溶液12をタンク808にポンプ輸送する。少なくとも1つの例では、希釈された液体漂白剤溶液12は、内部閉じ込め空間212に再注入されて、水850とさらに混合することができ、いくつかの例では、希釈された液体漂白剤溶液12の濃度が所望どおりになるまで、追加の固体漂白剤とさらに混合することができる。
【0097】
図9A~
図9Cは、サブ容器、例えば、
図4A~
図4Dのサブ容器450のための抜き出しシステム900の例を例示する。
図9Aに例示されるように、抜き出しシステム900は、固体漂白剤がサンプ906内に摺動し、出口開口908を通過して受容器内に入るように、傾斜した側面を有するサンプ906を含む。水が受容器に添加されて、固体漂白剤を溶解させ得る。固体漂白剤10を含有するサブ容器450は、固体漂白剤10がサブ容器450からサブ容器450の下に位置付けられたサンプ906に出るように位置付けられ得る。少なくとも1つの例では、
図9Aに例示されるように、サブ容器450は、サブ容器450の位置付けを維持するために、サンプ906に締結され得る。少なくとも1つの例では、サブ容器450は、クランプ902によってサンプ906に締結され得る。
【0098】
サンプ906内またはその上に配設されているものは、グラインダ904である。グラインダ904は、固体漂白剤の一部分を粉砕することと、粉砕された次亜塩素酸ナトリウム固体漂白剤がサンプ906内に排出される供給チャネルを形成することと、を行うように構成されている。少なくとも一例では、グラインダ904は、チタンで作製され得る。他の例では、グラインダ904は、固体漂白剤と非反応性である任意の他の好適な材料から作製され得る。少なくとも1つの例では、グラインダ904は、サブ容器450からの固体漂白剤の放出を制御する。グラインダ904が回転または並進すると、所望の量の固体漂白剤が通過し、サブ容器450から取り出される。
【0099】
図9Bに例示されるように、サブ容器450は、例えば、ホイスト910と連結され、それによって操作され得る。したがって、サブ容器450の位置付けが維持され得る。例えば、サブ容器450が可撓性バッグであるとき、ホイスト910は、サブ容器450が自己圧縮することを防止し得る。
【0100】
図9Cに例示されるように、グラインダ906は、サブ容器450内に挿入され、所望に応じて固体漂白剤を抜き出す。例えば、
図9Cに例示されるようなグラインダ906は、固体漂白剤の小片を粉砕または削り落とし得る、鋭い縁903を含み得る。鋭い縁903は、固体漂白剤の粉砕または削られた小片が通過する、グラインダ906内の通路905と連通する。通路905は、サンプ906と連通し、固体漂白剤の粉砕または削られた小片は、サンプ906内に受容される。注入器914は、水950が固体漂白剤を溶解して希釈された液体漂白剤溶液12を形成し得るように、水950をサンプ906または固体漂白剤の受容容器に注入し得る。希釈された液体漂白剤溶液12は、ポンプ916によって抜き出され得る。少なくとも1つの例では、希釈された液体漂白剤溶液12は、再注入されて、水950とさらに混合することができ、いくつかの例では、希釈された液体漂白剤溶液12の濃度が所望どおりになるまで、追加の固体漂白剤とさらに混合することができる。
【0101】
代替的に、一態様では、固体漂白剤は、シール可能なバッグ内に貯蔵され得る。シール可能なバッグは、様々な形状および容積をとることができる。考えられる形状としては、球形、正方形、長方形、円錐形、または管状が挙げられる。シール可能なバッグは、約0.1m3~約2m3の容積を有し得る。例示的な容積としては、約0.3m3、または約0.4m3、または約0.5m3、または約0.6m3、または約0.7m3、または約0.8m3、または約0.9m3、または約1.0m3が挙げられる。シール可能なバッグは、プラスチックなどのポリマー材料から作製される。有用なプラスチックとしては、限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン、およびフルオロポリマーが挙げられる。
【0102】
一実施形態では、固体漂白剤は、シール可能なバッグ内に導入され、固体漂白剤は、バッグがシールされる前に、不活性ガスが詰められる。不活性ガスの例としては、希ガスおよび窒素が挙げられる。バッグをシールする方法としては、ヒートシーリングおよび/または接着剤の使用が挙げられる。シールされたバッグは、破れまたは穿刺に耐えるべきであり、CO2または水の侵入を防止するべきである。
【0103】
代替的な実施形態では、固体漂白剤がバッグ内に導入された後、全てではないとしても、ほとんどの存在するガスが取り出され、次いで、バッグがシールされる。ガスは、バッグを圧縮することによって取り出され得、バッグを圧縮することは、バッグの容積を減少させ、ガスを強制的に外に出す。上記のように、バッグをシールすることは、ヒートシーリングおよび/または接着剤の使用を含み得る。
【0104】
シールされたバッグは、固体漂白剤の溶融が好ましくは回避されるため、低温下で積み出されなければならない。好適な温度は、本明細書に説明される。シールされたバッグは、フレーム(フレーム330など)内、オープントップの硬質トートまたは柔軟性バッグもしくはサック内に収容され得る。代替的に、シールされたバッグは、オープントップのプラスチックドラムおよび/または蓋付き金属ドラムなどのドラム内に収容され得る。固体漂白剤がドラムに接触することをシールされたバッグが防止するため、ライナは必要ない。しかし、所望される場合、ライナが依然として使用されてもよい。
【0105】
シールされたバッグの使用の準備ができたとき、それは、所望の強度の漂白剤溶液を作製するために開放され、水中に注がれ得る。代替的に、水は、開放されたバッグに添加され得、その中に収容された固体漂白剤を溶解する。
【0106】
シールされたバッグの利点は、少量の固体漂白剤の即時積み出しを可能にし、エンドユーザによる固体漂白剤の使用を容易にすることである。さらに、シールされたバッグに水を添加し、それによって、固体漂白剤を溶解させ、所望の濃度の漂白剤を形成することが可能である。
【0107】
例えば、210Lの水は、5kgの固体漂白剤五水和物と組み合わされて、1重量%の漂白剤溶液(10g/L)を結果的にもたらすことになる。これは、一般的に飲料水または廃水を処理するために使用される消毒剤供給濃度である。当然ながら、より多くのまたはより少ない水を使用することは、それぞれ、より低い濃度またはより高い濃度を有する漂白剤水溶液を得ることになる。これらの例は、固体漂白剤五水和物を水中に注ぐこと、または固体漂白剤五水和物を閉じ込める容器(バッグなど)に水を添加することに適用する。
【0108】
上記に示され、説明された開示は、単なる例である。本技術の多くの特徴および利点は、本開示の構造および機能の詳細と共に上記の説明に記載されているが、本開示は、単に例示的であり、変更が、細部において、特に、添付の特許請求の範囲に使用される用語の広い一般的な意味によって示される全範囲までの本開示の原理内の部品の形状、サイズ、および配置に関する事項においてなされ得る。したがって、上記の例は、添付の特許請求の範囲内で修正され得ることが理解されるであろう。
【国際調査報告】