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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】照明光源及び車両用ライト
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/176 20180101AFI20220126BHJP
   F21S 41/32 20180101ALI20220126BHJP
   F21S 41/24 20180101ALI20220126BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20220126BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20220126BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220126BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220126BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220126BHJP
【FI】
F21S41/176
F21S41/32
F21S41/24
F21V9/32
F21V7/28 240
F21S2/00 340
F21S2/00 311
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531634
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2019116987
(87)【国際公開番号】W WO2020114199
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】201811470815.0
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514073097
【氏名又は名称】深▲せん▼市繹立鋭光科技開発有限公司
【氏名又は名称原語表記】YLX INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】Room 411-1, 4th Floor, Shenzhen IC Design & Application Industrial Park, Chaguang Road, Xili Str., Nanshan District, Shenzhen, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張 賢鵬
(72)【発明者】
【氏名】周 建華
(72)【発明者】
【氏名】陳 雨▲さん▼
(72)【発明者】
【氏名】李 乾
(72)【発明者】
【氏名】張 世忠
(72)【発明者】
【氏名】李 屹
(57)【要約】
照明光源(100)は、1つの第一光源(111)、少なくとも1つの第二光源(112)、少なくとも1つの第三光源(113)、第一蛍光体層(131)、及び光誘導素子(140)を備える。第一光源(111)が出射した励起光および第二光源(112)が出射した励起光は、それぞれ裏面および正面から第一蛍光体層(131)を励起させる。第一光源(111)、第二光源(112)及び第三光源(113)は、それぞれ光誘導素子(140)の異なる側に位置し、第一蛍光体層(131)が出射する第一蛍光及び第三光源(113)が出射する補助光は、いずれも光誘導素子(140)の出光側から出射する。第一光源(111)および第二光源(112)は、同時に第一蛍光体層(131)を励起して、第一蛍光体層(131)が出射した光強度が高くなる。第一蛍光および補助光は、光誘導素子(140)によって光を誘導されてからいずれも光誘導素子(140)の出光側から出射して照明光が形成され、照明光の輝度が高くなる。さらに、第一光源(111)、第二光源(112)、及び第三光源(113)は、それぞれ光誘導素子(140)の異なる側に配置され、放熱効果が高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源、第一蛍光体層、及び光誘導素子を備える照明光源であって、
前記光源は、1つの第一光源、少なくとも1つの第二光源及び少なくとも1つの第三光源を備え、前記第一光源と前記第二光源は、励起光を出射し、前記第三光源は、補助光を出射し、
前記第一蛍光体層は、蛍光物質を含み、励起光を吸収して第一蛍光を出射し、前記第一光源が出射した励起光と前記第二光源が出射した励起光は、それぞれ前記第一蛍光体層の裏面および正面から前記第一蛍光体層に入射し、
前記光誘導素子は、出光側を備え、前記励起光および前記補助光を反射し、前記第一蛍光を透過させるか、または、前記励起光および前記補助光を透過させ、前記第一蛍光を反射し、
前記第一光源、前記第二光源および前記第三光源は、それぞれ前記光誘導素子の異なる側面に位置し、
前記第一蛍光及び前記補助光は、いずれも前記光誘導素子の前記出光側から出射されることを特徴とする照明光源。
【請求項2】
前記第一蛍光体層は、前記第一光源と前記光誘導素子との間の光路に設けられ、前記第一蛍光体層の裏面には、波長分光膜が設けられることを特徴とする請求項1に記載の照明光源。
【請求項3】
前記光誘導素子は、独立した2つの三角柱が接着して形成された立方体であり、接着した箇所に分光膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明光源。
【請求項4】
前記光源は、1つの前記第一光源と、1つの前記第二光源と、1つの前記第三光源とを含み、それぞれ前記光誘導素子の3つの側面に設けられ、前記光源が出射した光は、45度で前記分光膜に入射されることを特徴とする請求項3に記載の照明光源。
【請求項5】
前記光誘導素子は、2つの三角錐、2つの四角錐が接着して形成された立方体であり、接着した箇所に分光膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明光源。
【請求項6】
前記光源は、1つの前記第一光源と、2つの前記第二光源と、2つの前記第三光源とを含み、それぞれ前記光誘導素子の5つの側面に設けられ、前記光源が出射した光は、45度で前記分光膜に入射することを特徴とする請求項5に記載の照明光源。
【請求項7】
さらに光学素子を備え、
前記光学素子は、前記光源または前記第一蛍光体層と前記光誘導素子との間の光路に設けられ、光学レンズ、反射カップまたはテーパ型の光ガイドの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の照明光源。
【請求項8】
前記照明光源は、さらに光ガイドを備え、
前記光ガイドは、前記出光側に設けられ、出光部を備え、
前記光誘導素子が出射した前記補助光と前記第一蛍光は、前記光ガイドに入射して前記出光部から出射することを特徴とする請求項1に記載の照明光源。
【請求項9】
前記出光部は、散乱構造を含むことを特徴とする請求項8に記載の照明光源。
【請求項10】
前記光ガイドは、さらに反射層を備え、前記反射層は、前記光ガイドの終端面に設けられることを特徴とする請求項8に記載の照明光源。
【請求項11】
前記照明光源は、さらに第二蛍光体層を備え、
前記第二蛍光体層は、前記光ガイドの出光部に設けられ、前記第二蛍光体層は、励起されて第二蛍光を出射することを特徴とする請求項8に記載の照明光源。
【請求項12】
車両用ライトであって、
請求項1から11のいずれか1項に記載の照明光源と、反射ボウルと、を備えることを特徴とする車両用ライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明技術に関し、特に照明光源に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LED光源は、新規な半導体照明光源として、全固体の動作、電気光変換効率が高く、発光効率が高い等の利点があり、様々な照明環境に広く利用されている。自動車照明分野においては、LED光源の占有比がますます長くなってきており、車両前照灯メーカーやLEDメーカーは、LED光源の自動車照明分野への応用が着目され始める。しかしながら、LED光源の発光特性は、従来の光源(ハロゲンフィラメント及びキセノンフィラメント)の発光特性とは明確な区別があるため、従来のLED光源は、ハロゲンフィラメント又はキセノンフィラメントに代えて直接車両前照灯に適用することができない。
【0003】
車両前照灯のレトロフィット市場において、車両前照灯メーカーまたはLEDメーカーは、多くの解決方案を提出し、図1は、Osramの中国特許出願のCN107013863Aにおける実施形態の図面であり、車両用照明灯を開示し、代替ランプを提供し、代替ランプは、複数のLED光源2と、光を誘導するアダプター5と、集光器9と、光出力体13とを備える。複数のLED光源2から出射された光が結合してアダプター5に誘導し、集光器9を介して光出力体13に導いて外部に出射する。この代替ランプの光放射特性は、従来のランプの光放射特性と同様であり、車両のハロゲン白熱ランプに直接代替することができるが、灯具の輝度を高めるために複数のLED光源を同一の放熱基板に密に配置するので、LED光源の放熱の問題は解決しにくく、車両用照明灯の輝度の向上を制限する。
【0004】
図2は、特許CN205351102Uの実施形態の図面を表し、照明装置および車両照明灯が開示され、この照明装置および車両照明灯は、光ファイバ結合励起光源を用いて遠隔で蛍光棒を励起し、前記蛍光棒の発光特性がフィラメント発光特性と類似するので、従来のハロゲンフィラメントやキセノンフィラメントを代替することができる。この技術では、励起光源が結合して光ファイバに入射する効率が低く、照明装置の輝度を高めることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術における光源が存在する光結合効率の低下および放熱困難の問題に対し、高い光束および良好な放熱性能を有する照明光源を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記照明光源は、光源、第一蛍光体層、及び光誘導素子を備え、前記光源は、1つの第一光源、少なくとも1つの第二光源及び少なくとも1つの第三光源を備え、前記第一光源と前記第二光源は、励起光を出射し、前記第三光源は、補助光を出射し、前記第一蛍光体層は、蛍光物質を含み、励起光を吸収して第一蛍光を出射し、前記第一光源が出射した励起光と前記第二光源が出射した励起光は、それぞれ前記第一蛍光体層の裏面および正面から前記第一蛍光体層に入射し、前記光誘導素子は、出光側を備え、前記励起光および前記補助光を反射し、前記第一蛍光を透過させるか、または、前記励起光および前記補助光を透過させ、前記第一蛍光を反射し、前記第一光源、前記第二光源および前記第三光源は、それぞれ前記光誘導素子の異なる側面に位置し、前記第一蛍光及び前記補助光は、いずれも前記光誘導素子の前記出光側から出射されることを特徴とする照明光源。
【0007】
この技術では、第一光源及び第二光源のそれぞれは、裏面及び正面から第一蛍光体層を励起することにより、第一蛍光体層を励起する励起光の強度が高くなって、第一蛍光体層が出射する第一蛍光の強度が高い。また、第一蛍光体層が出射した第一蛍光と第三光源が出射した補助光が、光誘導素子を経て光が誘導されてから、いずれも光誘導素子の出光側から出射して照明光を形成して、照明光の輝度が高くなる。また、第一光源、第二光源および第三光源は、それぞれ光誘導素子の異なる側に設けられ、各光源の放熱に有利であり、光源の発光効率が高い。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、前記照明光源は、さらに光ガイドを備え、前記光ガイドは、前記出光側に設けられ、出光部を備え、前記光誘導素子が出射した前記補助光と前記第一蛍光は、前記光ガイドに入射して前記出光部から出射する。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、前記第一蛍光体層は、前記第一光源と前記光誘導素子との間の光路に設けられ、前記第一蛍光体層の裏面には、青色光を透過させ黄色光を反射する膜層が設けられる。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、光誘導素子は、2つの三角柱が接着して形成された立方体であり、接着した箇所に分光膜が設けられ、光源は、1つの第一光源と、1つの第二光源と、1つの第三光源とを含み、光源は、それぞれ前記光誘導素子の3つの側面に設けられ、光源が出射した光は、45度で分光膜に入射する。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、光誘導素子は、2つの三角錐、2つの四角錐が接着して形成された立方体であり、接着した箇所に分光膜が設けられ、光源は、1つの第一光源と、2つの第二光源と、2つの第三光源とを含み、光源は、それぞれ光誘導素子の5つの側面に設けられ、前記光源が出射した光は、45度で前記分光膜に入射する。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、光ガイドの出光部は、さらに散乱構造を備え、光ガイドは、さらに反射層を備え、前記反射層は、前記光ガイドの終端面に設けられる。
【0013】
本発明の1つの実施形態において、前記照明光源は、さらに光学素子を備え、前記光学素子は、前記光源または前記第一蛍光体層と前記光誘導素子との間の光路に設けられ、光学レンズ、反射カップまたはテーパ型の光ガイドの少なくとも1つを含む。この技術方案において、光源或いは第一蛍光体層が出射したランベルト光をコリメートされた近平行光が分光膜に再入射して、須すべての光線が、いずれも45度の角度で分光膜に入射し、光効率が比較的に高い。
【0014】
本発明の1つの実施形態において、前記照明光源は、さらに第二蛍光体層を備え、前記第二蛍光体層は、前記光ガイドの出光部に設けられ、前記第二蛍光体層は、前記励起光で励起されて第二蛍光を出射する。
【0015】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、もう1つの技術方案として、車両用ライトを提供する。当該車両用ライトは、上記の照明光源と反射ボウルとを備える。
【発明の効果】
【0016】
従来技術と異なって、本発明における実施形態において、第一光源及び第二光源のそれぞれは、裏面及び正面から第一蛍光体層を励起することにより、第一蛍光体層を励起する励起光の強度が高くなって、第一蛍光体層が出射する第一蛍光の強度が高い。また、第一蛍光体層が出射した第一蛍光と第三光源が出射した補助光が、光誘導素子を経て光を誘導してから、いずれも光誘導素子の出光側から出射して照明光を形成して、照明光の輝度が高くなる。また、第一光源、第二光源および第三光源は、それぞれ光誘導素子の異なる側に設けられ、各光源の放熱に有利であり、光源の発光効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来の照明光源の概略構成図である。
図2】従来の照明光源の概略構成図である。
図3】本発明における照明光源の一実施例の概略構成図である。
図4】実施の形態に係る光誘導素子の概略構成図である。
図5A-5B】実施の形態における分光膜の透過率曲線図である。
図6】本発明における照明光源の一実施形態の他の構成を示す図である。
図7】本発明における照明光源の一実施形態の他の構成を示す図である。
図8】本発明における照明光源の他の実施形態の概略構成図である。
図9】実施の形態における他の光誘導素子の概略構成図である。
図10】本発明における照明光源の他の実施形態の概略構成図である。
図11】本発明における照明光源の他の実施形態の概略構成図である。
図12】本発明における車両用ライトの別の一例の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明における補助光とは、蛍光を補助し、発光スペクトルを補完し、または光度を向上させることを指して、補助された照明光は、さまざまなアプリケーションシナリオを満たし、例えば、蛍光スペクトルが黄色蛍光である場合、補助光は、青色光であり、黄色光と青色光が最終的に白色光を実現する。
【0019】
また、本発明における第一蛍光体層の裏面とは、第一光源に近い面であり、正面はその反対面である。
【0020】
当業者が本発明の技術手段をより理解できるように、以下に本発明の実施例の図面と合わせ、本発明の実施例における技術手段について明瞭に全面的に説明を行う。当然、説明する実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。当業者は本発明の実施例に基づき、創造的労働を行わない前提において他の実施例を得ることができ、これらは全て本発明の保護範囲に入るものと理解されるべきである。
【0021】
また、本発明の実施例において「第一」、「第二」、「第三」等の説明は説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」、「第三」に限定されている特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。また、本発明の各実施例の技術案はお互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることがその基礎となる。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在せず、且つ本発明が請求する保護範囲にないと理解すべきである。
【0022】
LEDをフィラメントの代わりに車両前照灯のレトロフィット市場で使用することが制限される主な理由は次のとおりである。まず、LEDがランプの代わりに使用される場合、LEDの放射光の明るさが需要を満たさない。続いて、LED光源の放熱が解決し難い。本発明における旨は、上記課題を解決することである。
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。図3を参照して、本発明は照明光源100を提供しており、照明光源10は、第一光源111、第二光源112、第三光源113、第一蛍光体層131、光誘導素子140及び光ガイド150を含む。なお、第一光源111から出射された励起光と第二光源112から出射された励起光とは、それぞれ第一蛍光体層131の裏面及び正面から第一蛍光体層131に入射し、第一蛍光体層131を励起して第一蛍光を出射し、第一蛍光及び第三光源113から出射された補助光は、それぞれ光誘導素子140の異なる側面から光誘導素子に入射し、光誘導素子140の出光側から出射される。
【0024】
なお、第一光源111、第二光源112及び第三光源113は、青色光LED光源であり、青色光レーザ光源または他の固体青色光光源であってもよく、出射する青色光の波長範囲420~460nmであり、各光源が出射する青色光のピーク波長は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第一蛍光体層131は、透過型の蛍光体層であり、基体と発光中心を含む。基体は、透明なシリカゲル、ガラスまたはセラミックであり、発光中心は、蛍光体または量子ドットあるいはその他の発光材料を含んでいても良い。具体的には、発光中心は、YAG蛍光体であり、青色光を吸収して黄色蛍光を出射する。具体的な実施形態において、第一蛍光体層131の裏面には、波長分光膜が設けられ、具体的には、青色光を透過させ黄色光を反射する膜層であり、第一蛍光体層131の裏面には、マグネトロンスパッタにより、青色光を透過させ黄色光を反射する膜層が設けられてもよい。
【0025】
図4に示すように、光誘導素子140は、2本の角柱141を接着して形成され、その接着の箇所に分光膜142が設けられており、具体的には、光誘導素子140は、角柱ABDEFGと角柱BCDEGHとを接着して形成され、その接合面BDEGに分光膜142が設けられている。分光膜142は、青色光を反射し黄色光を透過させてもよいし、青色光を透過させ黄色光を反射してもよい。図5Aに示すように、入射光の角度が45度になると、分光膜の透過率曲面は400~480nmの範囲では透過率がほぼゼロとなり、500~800nmの範囲で透過率は97%より高くなる。図5Bのように、入射光の角度が45度の場合、分光膜の透過率曲線は400~480nmの範囲で透過率が97%より高く、500~800nmの範囲で透過率がほぼゼロである。
【0026】
光ガイド150は、角棒、錐棒、丸棒、円錐棒等であってもよく、光ガイド150の材質は、例えば、透明な有機ガラス(PMMA、ポリメタクリル酸メチル)またはガラス、石英、サファイア、YAG(イットリウムアルミニウムガーネット)等であってもよい。光ガイド150は、導光部153と出光部151を含み、出光部151の外面に散乱構造が設けられ、この散乱構造は、出光部151の外面を直接に粗面化して形成してもよく、出光部の外表面に微細構造を設けて形成してもよく、または出光部の外表面に散乱層をコーティングして形成してもよい。この散乱層は、散乱粒子と担体を含み、担体の屈折率が光ガイド150の屈折率よりも大きく、光を出光部151から出射させるように散乱構造が形成されている。他の実施例では、出光部151内部に散乱粒子を設け、例えば気孔を設け、あるいは光ガイド150とは屈折率の異なる微粒子を設け、例えば、アルミナ微粒子、硫酸バリウム微粒子、酸化チタン微粒子や酸化マグネシウム微粒子などとしてもよい。
【0027】
他の具体的実施例では、図6に示すように、光ガイド150の出光部151の外表面に、基体と発光中心を含む第二蛍光体層132が設けられ、基体は、透明なシリカゲル、ガラスまたはセラミックスでもよく、発光中心は、蛍光体または量子ドットを含んでいてもよい。第二蛍光体層132は、青色光を吸収し、第二蛍光を出射する。他の実施形態において、第二蛍光体層132は、基体と赤色蛍光体を含んでもよいし、赤色蛍光体は、青色光によって赤色光が励起されて出射され、出射光における赤色光の割合を高めることで、演色評価数のニーズを満たすように出射光の演色評価数を高める。第二蛍光体層132は、基体と黄色蛍光体を含んでもよいし、青色光によって黄色光が励起されて出射され、出射光における黄色光の強度をより向上させることで、出射光における青色光と黄色光の占有比を変えて、出射光の色温度を異なる色温度のニーズを満たすように変更できる。また、この実施形態では、照明光源に第一蛍光体層131と第二蛍光体層132を同時に設けることにより、両者を遠く離隔させ、熱源を分散させることに有利であり、熱堆積による蛍光材料の劣化を回避する。
【0028】
光ガイド150の終端面には、反射層152が設けられて、反射層152に照射された青色光または黄色光を反射して出光部151から出射させる。この反射層は、拡散反射層であってもよく、ガウス型の散乱反射層であってもよく、このうち、拡散反射とは、光ビームが反射層で反射された後にランバーシアン分布を呈し、その反射光強度は、余弦分布を呈する。拡散反射する材料は、TiO、MgO、BaSO等の粒子と粘着剤や玻璃粉末との混合物である。ガウス型の散乱反射とは、ビームが反射層で反射された後に高ガウス分布を呈し、その反射光強度がガウス分布を呈する。
【0029】
具体的な実施形態において、照明光源100は、光学素子121、122及び123をさらに含み、この光学素子121、122及び123は、それぞれ、第一蛍光体層131、第二光源112または第三光源113と光誘導素子140との間の光路上に設けられ、第一蛍光体層131、第二光源112および第三光源113から出射された光を集光されてコリメートされて、近平行光となる。光学素子は、例えば、光学レンズ、反射カップ或いはテーパ型の光ガイドなどであってもよく、本実施の形態において、光学素子は、光学レンズ、具体的にはコリメートレンズ(グループ)であり、第一蛍光体層131、第二光源112及び第三光源113は、コリメートレンズ(グループ)121、122、123の焦点に配置されている。その他の実施例では、図7に示すように、光学素子は、集光およびコリメート機能を有するテーパ型の光ガイドであり、さらに、光均一機能を有し、テーパ型の光ガイド内に入った光が均一化されても、光学レンズに比べて、テーパ型の光ガイドは、より高い効率とよりコンパクトな構成を有する。他の実施形態では、光学素子はTIRレンズでもよい。
【0030】
本実施形態では、第一光源111から出射された励起光は、裏面から第一蛍光体層131を励起し、第二光源112から出射された励起光は、正面から第一蛍光体層131を励起する。具体的には、第二光源112が出射した励起光は、光誘導素子140の分光膜142を経て光誘導された後に第一蛍光体層131に照射され、第一蛍光体層131は、第一光源111及び第二光源112が出射した励起光により励起されてから、正面から第一蛍光を出射する。第一蛍光及び第三光源113が出射した補助光は、それぞれ光誘導素子140の異なる側から光誘導素子140に入射し、いずれも45度の角度で分光膜142に入射する。分光膜142が青色光を反射して黄色光を透過させると、第三光源113が出射した青色光が分光膜142によって反射され、第一蛍光体層131が出射する第一蛍光が分光膜142を透過することで、第一蛍光及び補助光がともに光誘導素子140の出光側から出射される。分光膜142が青色光を透過させ黄色光を反射すると、第三光源113が出射した補助光が分光膜142を透過させ、第一蛍光体層131が出射した黄色光が分光膜142によって反射されて、第一蛍光及び補助光がともに光誘導素子140の出光側から出射されて照明光を形成する。
【0031】
光誘導素子142の出光側から出射された照明光は、さらに光ガイド150に入射し、光ガイド150を伝導して出光部152から外部に出射し、360度の発光を形成する。
【0032】
上述の実施形態において提供される照明光源100では、次のような利点がある。
【0033】
第一に、第一光源111及び第二光源112のいずれも、第一蛍光体層121を励起することで、第一蛍光体層121が出射する第一蛍光の強度が高い。第二に、第一蛍光体層121が出射した第一蛍光と第三光源113が出射した補助光が、光誘導素子140を経て光誘導してから、いずれも光誘導素子140の出光側から出射して照明光を形成して、照明光の輝度が高くなる。第三に、第一光源111、第二光源112および第三光源113は、それぞれ光誘導素子140の異なる側に設けられ、各光源の放熱に有利であり、光源の発光効率が高い。
【0034】
図9に示されるように、ほかの実施形態では、光誘導素子240は、2つの三角錐241と2つの四角錐242とを接着したものであり、この接着した箇所には、分光膜243、244が設けられている。具体的には、この光誘導素子240は、2つの四角錐BCDEHおよびEABGF、2つの三角錐ABDEおよびBEGHが接着されて形成され、その接着面ABEHおよびBDEGにそれぞれ分光膜244、243が設けられている。ここで、接合面ABEHは、接合面ABE及びBEHからなり、接合面BDEGは、接合面BDE及びBEGからなる。図8に示すように、この照明光源200は、第一光源211と、2つの第二光源212、213と、2つの第三光源214、215と、を備える。ここで、第一光源211から出射された励起光は、裏面から第一蛍光体層231を励起し、2つの第二光源212、213から出射された励起光は、正面から第一蛍光体層231を励起し、第一蛍光体層231は、励起された後に正面から第一蛍光を出射する。第一蛍光及び第三光源214、215が出射した補助光は、それぞれ光誘導素子240の異なる側面から光誘導素子240に入射する。具体的には、省エネの目標を実現するために、1つの第二光源または/および1つの第三光源の使用を減少することができる。図10に示すように、1つの第二光源が減少する場合であり、当該照明光源200は、4つの光源を備え、各々が第一光源211、第二光源212、2つの第三光源213、214、であり、図11に示すように、1つの第三光源が減少する場合であり、当該照明光源200は、4つの光源を備え、各々が第一光源211、2つの第二光源212、213、第三光源214である。
【0035】
再び図3を参照して、本発明の照明光源100は、さらに、基板160と放熱器170を備え、基板160は、銅製のPCB基板であり、LEDチップは、PCB基板に集積され、放熱器170は、基板における光源から遠い側に設けられ、光源に対して放熱処理を行う。ある場合には、1つの光源を放熱器170に直接配置して放熱してもよい。なお、放熱器170は、一体成形されてもよく、凹溝状をなしてもよく、個別の3つの放熱器が組み合わされてもよく、基板160と放熱器170は、溶接または接着により接続されてもよい。各光源は、離間して設けられるとともに、放熱器による放熱が行われ、放熱効果が高く、光源寿命が長い。
【0036】
また、図12を参照して、本発明は、車両用ライト1000を提供し、当該車両用ライト1000は、第一光源1011、第二光源1012、第三光源1013、第一蛍光体層1031、光誘導素子1040、光ガイド1050、および反射ボウル1080を備え、このうち、光ガイド1050は、導光部1053と、出光部1052と、終端の反射層1052とを含み、出光部1052は、反射ボウル1080の焦点に設けられている。本実施の照明光源は、上述したいずれの実施形態における照明光源であるが、詳細はここで再度説明しない。出光部1052が出射された光線は、反射ボウル1080によって反射されて外部に出射され、理想的な照明光源パターンが形成される。
【0037】
従来技術とは異なって、本発明の照明光源は、光源を備え、当該光源は、1つの第一光源、少なくとも1つの第二光源、少なくとも1つの第三光源を備え、前記第一光源、前記第二光源及び前記第三光源は、それぞれ前記光誘導素子の異なる側面に配置される。この技術では、第一光源及び第二光源のそれぞれは、裏面及び正面から第一蛍光体層を励起することにより、第一蛍光体層が出射する第一蛍光の強度が高くなる。また、第一蛍光体層が出射する第一蛍光と第三光源が出射した補助光は、光誘導素子を介して光を誘導されてから光誘導素子の出光側から出射して照明光が形成されて、照明光の輝度が高くなる。
【0038】
以上の説明は、単に本発明の実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の明細書及び添付図面の内容を利用した同等の構造又は同等のプロセスの変更、又は他の関連する技術分野に直接又は間接的に適用したものは、いずれも本発明の保護範囲内に包含されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】