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特表2022-512108抗菌薬の放出のための湿気により活性化される組成物
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  • 特表-抗菌薬の放出のための湿気により活性化される組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】抗菌薬の放出のための湿気により活性化される組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 65/28 20090101AFI20220126BHJP
   A01N 25/08 20060101ALI20220126BHJP
   A01N 65/44 20090101ALI20220126BHJP
   A01N 65/40 20090101ALI20220126BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220126BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20220126BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20220126BHJP
   B65D 81/28 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
A01N65/28
A01N25/08
A01N65/44
A01N65/40
A01P3/00
B65D65/40 D
A01M1/20 A
B65D81/28 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531724
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(85)【翻訳文提出日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 US2019065049
(87)【国際公開番号】W WO2020118240
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】62/863,857
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/777,069
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/827,484
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518294764
【氏名又は名称】ヘイゼル テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】プレスラー, アダム トルエット
(72)【発明者】
【氏名】モウアット, アイダン アール.
【テーマコード(参考)】
2B121
3E067
3E086
4H011
【Fターム(参考)】
2B121AA11
2B121AA20
2B121CC02
2B121CC03
2B121CC04
3E067AA11
3E067AB01
3E067AB99
3E067BA05A
3E067BA08A
3E067BA12A
3E067BB01A
3E067BB14A
3E067BC04A
3E067BC06A
3E067EA04
3E067EE28
3E067FA01
3E067FB12
3E067FC01
3E067GA30
3E067GB12
3E067GC06
3E067GD01
3E067GD02
3E086AB01
3E086BA04
3E086BA13
3E086BA14
3E086BA15
3E086BA18
3E086BB13
3E086BB52
3E086BB90
3E086CA01
3E086CA15
4H011AA02
4H011AA03
4H011BA01
4H011BB22
4H011BC18
4H011DA02
4H011DA10
4H011DD05
4H011DF02
(57)【要約】
湿気により活性化された抗菌薬の放出のための組成物、および関連方法が、概して提供される。ある特定の態様は、送達材料(例えば、シリカ系送達材料)および抗菌薬を含む組成物に関する。送達材料および抗菌薬は、湿気が組成物に導入されると、抗菌薬の少なくとも一部が組成物から放出されるように、互いに会合することができる。抗菌薬を組成物から放出する方法も提供される。ある特定の方法は、抗菌薬が病原体または害虫の作用または有害効果を抑制するように、抗菌薬を組成物から放出させるステップを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカ系送達材料、および
前記シリカ系送達材料中に、前記シリカ系送達材料および抗菌薬の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬
を含む組成物であって、湿気が前記組成物に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記組成物から放出されるように、前記抗菌薬が前記シリカ系送達材料と会合している、組成物。
【請求項2】
シリカ系送達材料、および
前記シリカ系送達材料中に、組成物の重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬
を含む組成物であって、湿気が前記組成物に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記組成物から放出されるように、前記抗菌薬が前記シリカ系送達材料と会合している、組成物。
【請求項3】
シリカ、および
前記シリカ中に、前記シリカおよび抗菌薬の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬
を含む組成物であって、湿気が前記組成物に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記組成物から放出されるように、前記抗菌薬が前記シリカと会合している、組成物。
【請求項4】
シリカ、および
前記シリカ中に、組成物の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬
を含む組成物であって、湿気が前記組成物に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記組成物から放出されるように、前記抗菌薬が前記シリカと会合している、組成物。
【請求項5】
前記請求項のいずれかに記載の組成物、および
分散媒
を含む抗菌複合体であって、前記組成物が、前記分散媒に分散させられており、湿気が前記抗菌複合体に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記抗菌複合体から放出されるように、前記抗菌薬が前記シリカ系送達材料と会合している、抗菌複合体。
【請求項6】
シリカおよび抗菌薬を含む組成物、ならびに
分散媒
を含む抗菌複合体であって、前記抗菌薬が、前記抗菌複合体の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在し、
湿気が前記組成物に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記組成物から放出されるように、前記抗菌薬が前記シリカと会合している、抗菌複合体。
【請求項7】
シリカ系送達材料および抗菌薬を含む組成物、ならびに
分散媒
を含む抗菌複合体であって、前記抗菌薬が、前記抗菌複合体の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在し、
湿気が前記組成物に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記組成物から放出されるように、前記抗菌薬が、前記シリカ系送達材料と会合している、抗菌複合体。
【請求項8】
固体材料に分散させられた前記請求項のいずれかに記載の組成物を含む抗菌複合体であって、湿気が前記抗菌複合体に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記抗菌複合体から放出されるように、前記抗菌薬が前記シリカ系送達材料と会合している、抗菌複合体。
【請求項9】
繊維材料に分散させられた前記請求項のいずれかに記載の組成物を含む抗菌複合体であって、湿気が前記抗菌複合体に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記抗菌複合体から放出されるように、前記抗菌薬が前記シリカ系送達材料と会合している、抗菌複合体。
【請求項10】
分散媒、および
前記請求項のいずれかに記載の組成物を含むマトリックス
を含む抗菌複合体であって、前記マトリックスが、前記分散媒中に、前記分散媒および前記マトリックスの全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在し、湿気が前記抗菌複合体に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記抗菌複合体から放出されるように、前記抗菌薬が前記シリカ系送達材料と会合している、抗菌複合体。
【請求項11】
抗菌複合体中に、前記抗菌複合体の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬を含む抗菌複合体であって、湿気が前記抗菌複合体に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記抗菌複合体から放出されるように、前記抗菌薬が前記抗菌複合体の少なくとも一部と会合している、抗菌複合体。
【請求項12】
抗菌複合体中に、前記抗菌複合体の全重量に対して少なくとも約20wt%の量で存在する送達材料、および
前記送達材料と会合している抗菌薬
を含む抗菌複合体。
【請求項13】
抗菌複合体中に、前記抗菌複合体の全重量に対して最大約45wt%の量で存在する送達材料、および
前記送達材料と会合している抗菌薬
を含む抗菌複合体。
【請求項14】
抗菌薬を含むパッケージング挿入物であって、前記抗菌薬が、前記パッケージング挿入物中に、前記パッケージング挿入物の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在し、湿気が前記パッケージング挿入物に導入されると、前記抗菌薬の少なくとも一部が前記パッケージング挿入物から放出されるように、前記抗菌薬が前記パッケージング挿入物の少なくとも一部と会合している、パッケージング挿入物。
【請求項15】
分散媒を含む、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体。
【請求項16】
前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体を含むパッケージング挿入物。
【請求項17】
抗菌複合体に統合された、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
パッケージング挿入物に統合された、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
前記請求項のいずれかに記載のパッケージング挿入物を含むパッケージ。
【請求項20】
農産物をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項21】
フルーツをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項22】
ベリーをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項23】
肉をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項24】
皮製品をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項25】
前記皮製品が、少なくとも1つの靴を含む、前記請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項26】
前記パッケージが、前記パッケージング挿入物が恒久的にまたは取り外し可能に固定されているパレット、ボックス、ケース、パネット、またはクラムシェルの1つまたは複数を含む、前記請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項27】
ベリーのパッケージングに取り外し可能にまたは恒久的に結合されている、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項28】
ベリーのクラムシェルに取り外し可能にまたは恒久的に結合されている、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項29】
前記繊維材料が、木材パルプおよび/または木質繊維を含む、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項30】
前記繊維材料が、木材パルプおよび木質繊維の1つである、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項31】
前記抗菌複合体が、ポリエチレンフィルムを含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項32】
前記抗菌複合体が、ポリマー材料を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項33】
前記分散媒が、ポリマー材料を含む、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項34】
前記分散媒が、ポリマー材料である、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項35】
前記ポリマー材料が、セルロースを含む、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項36】
前記ポリマー材料が、セルロースである、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項37】
前記分散媒が、セルロースを含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項38】
前記分散媒が、セルロースである、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項39】
前記抗菌複合体が、紙、フィルム、またはプラスチックの1つを含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項40】
前記抗菌複合体または前記パッケージング挿入物の形状因子が、紙、フィルム、またはプラスチックの1つである、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項41】
前記パッケージング挿入物の形状因子が、パッドの1つである、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項42】
前記パッドが、抗菌複合体を含む1つまたは複数の層およびポリエチレンフィルムを含む1つまたは複数の層を含む、請求項41に記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項43】
前記パッドが、抗菌複合体およびポリエチレンフィルムを含む、請求項41に記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項44】
吸水性材料、接着性材料、および透水性材料の1つまたは複数をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のパッケージング挿入物。
【請求項45】
抗菌複合体、吸水層、接着層、および透水性材料の1つまたは複数をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のパッケージング挿入物。
【請求項46】
前記シリカ系送達材料が、吸着性材料である、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項47】
前記シリカ系送達材料が、多孔性固体である、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項48】
前記抗菌薬が、2つまたはそれよりも多い抗菌薬の組合せである、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項49】
前記抗菌薬が、エッセンシャルオイルを含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項50】
前記抗菌薬が、クローブ油、クローブ抽出物、バニラ抽出物、およびレモングラス油の1つまたは複数を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項51】
約20μm~約80μmの間の円相当径(CED)の平均粒径および/もしくは約50Å~約75Åの間の平均孔径を有する送達材料、ならびに/または
約20μm~約80μmの間の円相当径(CED)の平均粒径を有するマトリックス、ならびに/または
約100g/m~約300g/mの間の坪量を有する抗菌複合体
を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項52】
前記組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物が、分散媒およびマトリックスを含み、前記抗菌薬が、前記分散媒中に、前記マトリックスおよび前記分散媒の全重量に対して約0.01wt%~約1.5wt%の間の量で存在し、前記分散媒が、前記組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物中に、前記組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物の全重量に対して少なくとも約50wt%の量で存在する、請求項51に記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項53】
前記シリカ系送達材料が、約50~約1500m/g、約100~約1500m/g、約250~約1000m/g、約300~約1200m/g、約350~約850m/g、約400~約800m/g、約400~約600m/g、約450~約650m/g、約600~約800m/g、または約620~約820m/gの範囲の表面積を有する、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項54】
前記シリカ系送達材料が、約5Å~約100Åの間、約20Å~約100Åの間、約30Å~約90Åの間、約40Å~約100Åの間、約40Å~約80Åの間、約40Å~約70Åの間、約40Å~約75Åの間、約40Å~約65Åの間、約50Å~約75Åの間、約50Å~約65Åの間、約55Å~約65Åの間、または約57Å~約63Åの間の平均孔径を有する、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項55】
前記シリカ系送達材料が、約0.1mL/g~約1.5mL/gの間、約0.3mL/g~約1.3mL/gの間、約0.5mL/g~約1.5mL/gの間、約0.5mL/g~約1.3mL/gの間、約0.5mL/g~約1.0mL/gの間、約0.5mL/g~約0.9mL/gの間、約0.6mL/g~約1.0mL/gの間、約0.6mL/g~約0.9mL/gの間、約0.6mL/g~約0.8mL/gの間、約0.7mL/g~約1.0mL/gの間、約0.8mL/g~約1.0mL/gの間、約0.8mL/g~約1.5mL/gの間、約0.9mL/g~約1.5mL/gの間、または約0.9mL/g~約1.3mL/gの間の内部空隙容量を有する、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項56】
前記マトリックスが、約5μm~約250μmの間、約10μm~約150μmの間、約10μm~約40μmの間、約10μm~約50μmの間、約20μm~約40μmの間、約25μm~約45μmの間、約20μm~約50μmの間、約20μm~約60μmの間、約30μm~約150μmの間、約50μm~約150μmの間、約60μm~約120μmの間、または約30μm~約80μmの間、約40μm~約65μmの間、約35μm~約75μmの間、約52μm~約75μmの間、または約10μm~約80μmの間の円相当径(CED)の平均粒径を有する、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項57】
前記抗菌複合体が、約10g/m~約1300g/mの間、約10g/m~約25g/mの間、約15g/m~約1300g/mの間、約15g/m~約30g/mの間、約15g/m~約50g/mの間、約15g/m~約80g/mの間、約15g/m~約100g/mの間、約25g/m~約1300g/mの間、約25g/m~約100g/mの間、約50g/m~約150g/mの間、約80g/m~約150g/mの間、約90g/m~約150g/mの間、約100g/m~約200g/mの間、約100g/m~約300g/mの間、約100g/m~約500g/mの間、約250g/m~約750g/mの間、約500g/m~約800g/mの間、または約750g/m~約1300g/mの間の坪量を有する、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体。
【請求項58】
前記分散媒が、約10g/m~約1300g/mの間、約10g/m~約25g/mの間、約15g/m~約1300g/mの間、約15g/m~約30g/mの間、約15g/m~約50g/mの間、約15g/m~約80g/mの間、約15g/m~約100g/mの間、約25g/m~約1300g/mの間、約25g/m~約100g/mの間、約50g/m~約150g/mの間、約80g/m~約150g/mの間、約90g/m~約150g/mの間、約100g/m~約200g/mの間、約100g/m~約300g/mの間、約100g/m~約500g/mの間、約250g/m~約750g/mの間、約500g/m~約800g/mの間、または約750g/m~約1300g/mの間の坪量を有する、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体。
【請求項59】
前記シリカ系送達材料が、マクロ多孔性シリカ系材料、メソ多孔性シリカ系材料、および微孔性シリカ系材料、および関連誘導体、ならびにそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項60】
前記シリカ系送達材料が、非晶質シリカ、フュームドシリカ、微粒子状シリカ、粉砕石英、微粒子状、フュームド、結晶性および粉砕二酸化ケイ素および関連誘導体、ならびにそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項61】
前記シリカ系送達材料が、金属酸化物、半金属酸化物、およびそれらの組合せの1つまたは複数をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項62】
前記シリカ系送達材料が、酸化亜鉛、酸化チタン、第13族または第14族酸化物、およびそれらの組合せの1つまたは複数をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項63】
前記シリカ系送達材料が、酸化アルミニウムをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項64】
前記シリカ系送達材料が、酸化亜鉛をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項65】
前記シリカ系送達材料が、酸化アルミニウムの一部をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項66】
前記抗菌薬が、前記シリカ系送達材料中に、前記シリカ系送達材料および前記抗菌薬の全重量に対して約0.001wt%~約20wt%の間、約0.05wt%~約20wt%の間、約0.1wt%~約20wt%の間、約0.5wt%~約20wt%の間、約1wt%~約20wt%の間、約1.5wt%~約20wt%の間、約2wt%~約20wt%の間、約4wt%~約20wt%の間、約5wt%~約20wt%の間、約7wt%~約20wt%の間、約10wt%~約20wt%の間、約2wt%~約7wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、約2wt%~約15wt%の間、約4wt%~約10wt%の間、約4wt%~約15wt%の間、または約7wt%~約15wt%の間の量で存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項67】
前記抗菌薬が、前記シリカ系送達材料中に、前記シリカ系送達材料および前記抗菌薬の全重量に対して約0.001wt%~約3wt%の間、約0.03wt%~約0.1wt%の間、約0.03wt%~約0.5wt%の間、約0.03wt%~約1wt%の間、約0.03wt%~約1.5wt%の間、約0.03wt%~約3wt%の間、約0.05wt%~約1.5wt%の間、約0.05wt%~約3wt%の間、約0.5wt%~約5wt%の間、約1wt%~約5wt%の間、約2wt%~約10wt%の間の量で存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項68】
前記マトリックスが、前記分散媒中に、前記分散媒および前記マトリックスの全重量に対して約1wt%~約80wt%の間、約5wt%~約20wt%の間、約10wt%~約20wt%の間、約10wt%~約50wt%の間、約10wt%~約60wt%の間、約15wt%~約50wt%の間、約15wt%~約60wt%の間、約20wt%~約40wt%の間、約20wt%~約50wt%の間、約20wt%~約60wt%の間、約25wt%~約40wt%の間、約30wt%~約37wt%の間、約30wt%~約40wt%の間、約30wt%~約50wt%の間、約30wt%~約60wt%の間、約31wt%~約37wt%の間、約32wt%~約37wt%の間、約40wt%~約60wt%の間、または約40wt%~約75wt%の間の量で存在する、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項69】
前記分散媒が、前記抗菌複合体中に、前記分散媒および前記マトリックスの全重量に対して少なくとも約50wt%、少なくとも約55wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約62wt%、少なくとも約65wt%、少なくとも約70wt%、少なくとも約75wt%、少なくとも約80wt%、少なくとも約85wt%、少なくとも約90wt%、少なくとも約95wt%、または少なくとも約99wt%の量で存在する、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項70】
前記分散媒が、前記抗菌複合体中に、前記分散媒および前記マトリックスの全重量に対して約50wt%~約99wt%の間、約55wt%~約99wt%の間、約60wt%~約99wt%の間、約62wt%~約99wt%の間、約65wt%~約99wt%の間、約70wt%~約99wt%の間、約75wt%~約99wt%の間、約50wt%~約75wt%の間、約55wt%~約75wt%の間、約60wt%~約75wt%の間、または約60wt%~約70wt%の間の量で存在する、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項71】
前記送達材料が、前記抗菌複合体中に、前記抗菌複合体の全重量に対して約1wt%~約45wt%の間、約1wt%~約40wt%の間、約5wt%~約45wt%の間、約5wt%~約40wt%の間、約10wt%~約45wt%の間、約10wt%~約40wt%の間、約15wt%~約45wt%の間、約15wt%~約40wt%の間、約20wt%~約45wt%の間、約20wt%~約40wt%の間、約25wt%~約45wt%の間、約25wt%~約40wt%の間、約30wt%~約44wt%の間、約30wt%~約40wt%の間、約35wt%~約45wt%の間、または約35wt%~約40wt%の間の量で存在する、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項72】
前記送達材料が、前記抗菌複合体中に、前記マトリックスおよび前記分散媒の全重量に対して約1wt%~約45wt%の間、約1wt%~約40wt%の間、約5wt%~約45wt%の間、約5wt%~約40wt%の間、約10wt%~約45wt%の間、約10wt%~約40wt%の間、約15wt%~約45wt%の間、約15wt%~約40wt%の間、約20wt%~約45wt%の間、約20wt%~約40wt%の間、約25wt%~約45wt%の間、約25wt%~約40wt%の間、約30wt%~約44wt%の間、約30wt%~約40wt%の間、約35wt%~約45wt%の間、または約35wt%~約40wt%の間の量で存在する、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項73】
前記抗菌薬が、前記分散媒中に、前記分散媒および前記マトリックスの全重量に対して約0.001wt%~約0.005wt%の間、約0.001wt%~約0.01wt%の間、約0.001wt%~約0.05wt%の間、約0.001wt%~約0.1wt%の間、約0.001wt%~約0.5wt%の間、約0.001wt%~約1wt%の間、約0.001wt%~約2wt%の間、約0.001wt%~約5wt%の間、約0.001wt%~約10wt%の間、約0.01wt%~約0.05wt%の間、約0.01wt%~約0.1wt%の間、約0.01wt%~約0.15wt%の間、約0.01wt%~約0.2wt%の間、約0.01wt%~約0.5wt%の間、約0.01wt%~約1wt%の間、約0.01wt%~約2wt%の間、約0.01wt%~約5wt%の間、約0.01wt%~約10wt%の間、約0.05wt%~約0.1wt%の間、約0.05wt%~約0.5wt%の間、約0.05wt%~約1wt%の間、約0.05wt%~約2wt%の間、約0.05wt%~約5wt%の間、約0.05wt%~約10wt%の間、約0.1wt%~約0.5wt%の間、約0.1wt%~約1wt%の間、約0.1wt%~約2wt%の間、約0.1wt%~約5wt%の間、約0.1wt%~約10wt%の間、約0.5wt%~約1wt%の間、約0.5wt%~約2wt%の間、約0.5wt%~約5wt%の間、約0.5wt%~約10wt%の間、約1wt%~約5wt%の間、約1wt%~約10wt%の間、約1.5wt%~約10wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、約4wt%~約10wt%の間、約5wt%~約10wt%の間、約7wt%~約10wt%の間、約2wt%~約7wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、または約4wt%~約10wt%の間の量で存在する、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項74】
前記抗菌複合体が、湿潤性抗菌複合体および吸水性抗菌複合体のうちの少なくとも1つである、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項75】
前記分散媒が、湿潤性分散媒および吸水性分散媒のうちの少なくとも1つである、前記請求項のいずれかに記載の抗菌複合体またはパッケージング挿入物。
【請求項76】
前記抗菌薬が、テルペン、テルペノイド、フェノール、フェノール化合物、チモール、クルクミン、カルバクロール、ローリエ葉油、レモングラス油、ペパーミント油、スペアミント油、ウィンターグリーン油、アカシア油、ユーカリプトール、リモネン、オイゲノール、メントール、ファルネソール、カルボン、ヘキサナール、タイム油、ディル油、オレガノ油、ニーム油、オレンジピール油、レモンピール油、ローズマリー油、クミンシード抽出物、タイム油、ヘキサナール、チモール、オイゲノール、および酢酸オイゲニル、クローブ油、クローブ抽出物、バニラ油、バニラ抽出物、シトロネラル、およびバニリン、クルクミン、サリチル酸メチル、およびジャスモン酸メチルまたはその誘導体のうちの少なくとも1つを含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項77】
前記抗菌薬が、テルペン、テルペノイド、フェノール、フェノール化合物、チモール、クルクミン、カルバクロール、ローリエ葉油、レモングラス油、ペパーミント油、スペアミント油、ウィンターグリーン油、アカシア油、ユーカリプトール、リモネン、オイゲノール、メントール、ファルネソール、カルボン、ヘキサナール、タイム油、ディル油、オレガノ油、ニーム油、オレンジピール油、レモンピール油、ローズマリー油、クミンシード抽出物、タイム油、ヘキサナール、および酢酸オイゲニル、クローブ油、クローブ抽出物、バニラ油、バニラ抽出物、シトロネラル、およびバニリン、サリチル酸メチル、ジャスモン酸メチルまたはその誘導体、およびそれらの組合せからなる群から選択される、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物。
【請求項78】
放出された抗菌薬が、病原体または害虫の作用または有害効果を抑制するように、前記請求項のいずれかに記載の組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物から前記抗菌薬を湿気活性化によって放出させるステップを含む方法。
【請求項79】
水蒸気からの水が、前記組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物上またはそれらの中で凝縮するように、前記湿気活性化が、前記組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物の水蒸気への曝露を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記組成物、抗菌複合体、またはパッケージング挿入物を、液体水に直接的に曝露するステップをさらに含む、請求項78~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
抗菌薬が組成物から放出されるように、シリカ系送達材料中に保存された抗菌薬を含む組成物を湿気に曝露するステップを含む方法。
【請求項82】
前記抗菌薬が、前記組成物中に、前記シリカ系送達材料および前記抗菌薬の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記抗菌薬が、前記組成物中に、前記組成物の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
抗菌薬が抗菌複合体から放出されるように、前記抗菌薬を含む前記抗菌複合体を湿気に曝露するステップを含む方法であって、前記抗菌複合体が、
分散媒、および
前記分散媒に分散したシリカ系送達材料
を含み、前記抗菌薬が、放出前に前記シリカ系送達材料中に保存されている、方法。
【請求項85】
前記抗菌薬が、前記抗菌複合体中に、前記シリカ系送達材料および前記抗菌薬の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記抗菌薬が、前記抗菌複合体中に、前記抗菌複合体の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
抗菌薬が抗菌複合体から放出されるように、前記抗菌薬を含む前記抗菌複合体を湿気に曝露するステップを含む方法であって、前記抗菌複合体が、
固体材料、および
分散媒に分散したシリカ
を含み、前記抗菌薬が、放出前に前記シリカ中に保存されている、方法。
【請求項88】
前記抗菌薬が、前記抗菌複合体中に、前記シリカ材料および前記抗菌薬の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記抗菌薬が、前記抗菌複合体中に、前記抗菌複合体の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
抗菌薬が組成物から放出されるように、農産物および前記抗菌薬を含む組成物を含むパッケージを湿気に曝露するステップを含む方法。
【請求項91】
前記湿気が、前記農産物によって排出される、前記方法請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項92】
前記農産物の微生物および/または真菌活性を低減するステップをさらに含む、前記方法請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項93】
前記パッケージが、前記抗菌薬を含むパッケージング挿入物を含み、前記曝露ステップが、前記抗菌薬が前記パッケージング挿入物から放出されるように、前記パッケージング挿入物を前記湿気に曝露することを含む、前記方法請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項94】
前記組成物が、シリカを含み、前記抗菌薬が、前記シリカに吸着されている、前記方法請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項95】
前記組成物が、シリカ系送達材料を含み、前記抗菌薬が、放出前に、前記シリカ系送達材料中に保存されている、前記方法請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項96】
前記組成物および/または前記抗菌複合体が、分散媒をさらに含む、前記方法請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項97】
前記分散媒が、ポリマー材料を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記ポリマー材料が、セルロースを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記分散媒が、約10g/m~約1300g/mの間、約10g/m~約25g/mの間、約15g/m~約1300g/mの間、約15g/m~約30g/mの間、約15g/m~約50g/mの間、約15g/m~約80g/mの間、約15g/m~約100g/mの間、約25g/m~約1300g/mの間、約25g/m~約100g/mの間、約50g/m~約150g/mの間、約80g/m~約150g/mの間、約90g/m~約150g/mの間、約100g/m~約200g/mの間、約100g/m~約300g/mの間、約100g/m~約200g/mの間、約100g/m~約500g/mの間、約250g/m~約750g/mの間、約500g/m~約800g/mの間、または約750g/m~約1300g/mの間の坪量を有する、請求項96~98のいずれかに記載の方法。
【請求項100】
前記組成物および/または前記抗菌複合体が、マトリックスをさらに含む、前記方法請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項101】
前記マトリックスが、前記分散媒中に、前記分散媒および前記マトリックスの全重量に対して約1wt%~約80wt%の間、約5wt%~約20wt%の間、約10wt%~約20wt%の間、約10wt%~約50wt%の間、約10wt%~約60wt%の間、約15wt%~約50wt%の間、約15wt%~約60wt%の間、約20wt%~約40wt%の間、約20wt%~約50wt%の間、約20wt%~約60wt%の間、約25wt%~約40wt%の間、約30wt%~約37wt%の間、約30wt%~約40wt%の間、約30wt%~約50wt%の間、約30wt%~約60wt%の間、約31wt%~約37wt%の間、約32wt%~約37wt%の間、約40wt%~約60wt%の間、または約40wt%~約75wt%の間の量で存在する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記マトリックスが、約5μm~約250μmの間、約10μm~約150μmの間、約10μm~約40μmの間、約10μm~約50μmの間、約20μm~約40μmの間、約25μm~約45μmの間、約20μm~約50μmの間、約20μm~約60μmの間、約30μm~約150μmの間、約50μm~約150μmの間、約60μm~約120μmの間、または約30μm~約80μmの間、約40μm~約65μmの間、約35μm~約75μmの間、約52μm~約75μmの間、または約10μm~約80μmの間の円相当径(CED)の平均粒径を有する、前記方法請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項103】
前記抗菌薬が、前記分散媒中に、前記分散媒および前記マトリックスの全重量に対して約0.001wt%~約0.005wt%の間、約0.001wt%~約0.01wt%の間、約0.001wt%~約0.05wt%の間、約0.001wt%~約0.1wt%の間、約0.001wt%~約0.5wt%の間、約0.001wt%~約1wt%の間、約0.001wt%~約2wt%の間、約0.001wt%~約5wt%の間、約0.001wt%~約10wt%の間、約0.01wt%~約0.05wt%の間、約0.01wt%~約0.1wt%の間、約0.01wt%~約0.5wt%の間、約0.01wt%~約1wt%の間、約0.01wt%~約2wt%の間、約0.01wt%~約5wt%の間、約0.01wt%~約10wt%の間、約0.05wt%~約0.1wt%の間、約0.05wt%~約0.5wt%の間、約0.05wt%~約1wt%の間、約0.05wt%~約2wt%の間、約0.05wt%~約5wt%の間、約0.05wt%~約10wt%の間、約0.1wt%~約0.5wt%の間、約0.1wt%~約1wt%の間、約0.1wt%~約2wt%の間、約0.1wt%~約5wt%の間、約0.1wt%~約10wt%の間、約0.5wt%~約1wt%の間、約0.5wt%~約2wt%の間、約0.5wt%~約5wt%の間、約0.5wt%~約10wt%の間、約1wt%~約5wt%の間、約1wt%~約10wt%の間、約1.5wt%~約10wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、約4wt%~約10wt%の間、約5wt%~約10wt%の間、約7wt%~約10wt%の間、約2wt%~約7wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、または約4wt%~約10wt%の間の量で存在する、請求項96~102のいずれかに記載の方法。
【請求項104】
前記分散媒が、湿潤性分散媒および吸水性分散媒のうちの少なくとも1つである、請求項96~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記組成物および/または前記抗菌複合体が、パッケージング挿入物に統合されている、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記パッケージング挿入物が、吸水層、接着層、および透水性材料の1つまたは複数をさらに含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記組成物および/または前記抗菌複合体が、パッケージと会合している、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記パッケージが、パレット、ボックス、ケース、パネット、またはクラムシェルの1つまたは複数を含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記組成物および/または前記抗菌複合体が、ポリエチレンフィルムを含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記組成物および/または前記抗菌複合体が、ポリマー材料を含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記ポリマー材料が、セルロースを含む、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記組成物および/または前記抗菌複合体が、紙、フィルム、またはプラスチックの1つを含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記組成物および/または前記抗菌複合体の形状因子が、紙、フィルム、またはプラスチックの1つである、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記組成物および/または前記抗菌複合体が、吸水性材料、接着性材料、および透水性材料の1つまたは複数をさらに含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記シリカ系送達材料が、吸着性材料である、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記シリカ系送達材料が、多孔性固体である、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記シリカ系送達材料が、約50~約1500m/g、約100~約1500m/g、約250~約1000m/g、約300~約1200m/g、約350~約850m/g、約400~約800m/g、約400~約600m/g、約450~約650m/g、約600~約800m/g、または約620~約820m/gの範囲の表面積を有する、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記シリカ系送達材料が、約20Å~約100Åの間の平均孔径を有する、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記シリカ系送達材料が、約0.1mL/g~約1.5mL/gの間、約0.3mL/g~約1.3mL/gの間、約0.5mL/g~約1.5mL/gの間、約0.5mL/g~約1.3mL/gの間、約0.5mL/g~約1.0mL/gの間、約0.5mL/g~約0.9mL/gの間、約0.6mL/g~約1.0mL/gの間、約0.6mL/g~約0.9mL/gの間、約0.6mL/g~約0.8mL/gの間、約0.7mL/g~約1.0mL/gの間、約0.8mL/g~約1.0mL/gの間、約0.8mL/g~約1.5mL/gの間、約0.9mL/g~約1.5mL/gの間、または約0.9mL/g~約1.3mL/gの間の内部空隙容量を有する、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記シリカ系送達材料が、マクロ多孔性シリカ系材料、メソ多孔性シリカ系材料、および微孔性シリカ系材料、および関連誘導体、ならびにそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記シリカ系送達材料が、非晶質シリカ、フュームドシリカ、微粒子状シリカ、粉砕石英、微粒子状、フュームド、結晶性および粉砕二酸化ケイ素および関連誘導体、ならびにそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記シリカ系送達材料が、金属酸化物、半金属酸化物、およびそれらの組合せの1つまたは複数をさらに含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記シリカ系送達材料が、酸化亜鉛、酸化チタン、第13族または第14族酸化物、およびそれらの組合せの1つまたは複数をさらに含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記シリカ系送達材料が、酸化アルミニウムをさらに含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記シリカ系送達材料が、酸化亜鉛をさらに含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記シリカ系送達材料が、酸化アルミニウムの一部をさらに含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
前記抗菌薬が、前記シリカ系送達材料中に、前記シリカ系送達材料および前記抗菌薬の全重量に対して約0.001wt%~約20wt%の間、約0.05wt%~約20wt%の間、約0.1wt%~約20wt%の間、約0.5wt%~約20wt%の間、約1wt%~約20wt%の間、約1.5wt%~約20wt%の間、約2wt%~約20wt%の間、約4wt%~約20wt%の間、約5wt%~約20wt%の間、約7wt%~約20wt%の間、約10wt%~約20wt%の間、約2wt%~約7wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、約2wt%~約15wt%の間、約4wt%~約10wt%の間、約4wt%~約15wt%の間、または約7wt%~約15wt%の間の量で存在する、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記抗菌薬が、2つまたはそれよりも多い抗菌薬の組合せである、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
前記抗菌薬が、エッセンシャルオイルを含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記抗菌薬が、クローブ油、クローブ抽出物、バニラ抽出物、およびレモングラス油の1つまたは複数を含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
前記抗菌複合体が、湿潤性抗菌複合体および吸水性抗菌複合体のうちの少なくとも1つである、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
前記抗菌薬が、テルペン、テルペノイド、フェノール、フェノール化合物、チモール、クルクミン、カルバクロール、ローリエ葉油、レモングラス油、ペパーミント油、スペアミント油、ウィンターグリーン油、アカシア油、ユーカリプトール、リモネン、オイゲノール、メントール、ファルネソール、カルボン、ヘキサナール、タイム油、ディル油、オレガノ油、ニーム油、オレンジピール油、レモンピール油、ローズマリー油、クミンシード抽出物、タイム油、ヘキサナール、チモール、オイゲノール、および酢酸オイゲニル、クローブ油、クローブ抽出物、バニラ油、バニラ抽出物、シトロネラル、およびバニリン、クルクミン、サリチル酸メチル、ジャスモン酸メチルまたはその誘導体のうちの少なくとも1つを含む、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記抗菌薬が、テルペン、テルペノイド、フェノール、フェノール化合物、チモール、クルクミン、カルバクロール、ローリエ葉油、レモングラス油、ペパーミント油、スペアミント油、ウィンターグリーン油、アカシア油、ユーカリプトール、リモネン、オイゲノール、メントール、ファルネソール、カルボン、ヘキサナール、タイム油、ディル油、オレガノ油、ニーム油、オレンジピール油、レモンピール油、ローズマリー油、クミンシード抽出物、タイム油、ヘキサナール、および酢酸オイゲニル、クローブ油、クローブ抽出物、バニラ油、バニラ抽出物、シトロネラル、およびバニリン、サリチル酸メチル、ジャスモン酸メチルまたはその誘導体、およびそれらの組合せからなる群から選択される、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記組成物および/または前記抗菌複合体が、約10g/m~約1300g/mの間、約10g/m~約25g/mの間、約15g/m~約1300g/mの間、約15g/m~約30g/mの間、約15g/m~約50g/mの間、約15g/m~約80g/mの間、約15g/m~約100g/mの間、約25g/m~約1300g/mの間、約25g/m~約100g/mの間、約50g/m~約150g/mの間、約80g/m~約150g/mの間、約90g/m~約150g/mの間、約100g/m~約200g/mの間、約100g/m~約300g/mの間、約100g/m~約500g/mの間、約250g/m~約750g/mの間、約500g/m~約800g/mの間、または約750g/m~約1300g/mの間の坪量を有する、前記方法請求項のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2018年12月7日出願の表題「抗菌薬の放出のための湿気により活性化される組成物(Humidity Activated Compositions for Release of Antimicrobials)」の米国仮出願第62/777,069号、2019年4月1日出願の表題「抗菌薬の放出のための湿気により活性化される組成物」の米国仮出願第62/827,484号、および2019年6月19日出願の表題「抗菌薬の放出のための湿気により活性化される組成物」の米国仮出願第62/863,857号に基づく優先権を米国特許法第119条(e)項の下で主張し、それらのそれぞれは、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
要旨
湿気により活性化された抗菌薬の放出のための組成物および関連方法が、概して提供される。本発明の主題は、ある場合には、相互に関連する製品、特定の問題に対する代替の解決法、ならびに/または1つもしくは複数のシステムおよび/もしくは物品の複数の異なる使用を含む。
【0003】
ある特定の態様は、組成物に関する。一部の実施形態では、組成物は、シリカ系送達材料、ならびにシリカ系送達材料中に、シリカ系送達材料および抗菌薬の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬を含み、抗菌薬は、湿気が組成物に導入されると、抗菌薬の少なくとも一部が組成物から放出されるように、シリカ系送達材料と会合している。
【0004】
一部の実施形態では、組成物は、シリカ系送達材料、ならびにシリカ系送達材料中に、組成物の重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬を含み、抗菌薬は、湿気が組成物に導入されると、抗菌薬の少なくとも一部が組成物から放出されるように、シリカ系送達材料と会合している。
【0005】
組成物は、ある特定の実施形態では、シリカ、ならびにシリカ中に、シリカおよび抗菌薬の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬を含み、抗菌薬は、湿気が組成物に導入されると、抗菌薬の少なくとも一部が組成物から放出されるように、シリカと会合している。
【0006】
ある特定の実施形態では、組成物は、シリカ、ならびにシリカ中に、組成物の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬を含み、抗菌薬は、湿気が組成物に導入されると、抗菌薬の少なくとも一部が組成物から放出されるように、シリカと会合している。
【0007】
ある特定の実施形態に従って、抗菌複合体が提供される。一部の実施形態では、抗菌複合体は、シリカおよび抗菌薬を含む組成物、ならびに分散媒を含み、抗菌薬は、抗菌複合体の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在し、抗菌薬は、湿気が組成物に導入されると、抗菌薬の少なくとも一部が組成物から放出されるように、シリカと会合している。
【0008】
ある特定の実施形態では、抗菌複合体は、シリカ系送達材料および抗菌薬を含む組成物、ならびに分散媒を含み、抗菌薬は、抗菌複合体の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在し、抗菌薬は、湿気が組成物に導入されると、抗菌薬の少なくとも一部が組成物から放出されるように、シリカ系送達材料と会合している。
【0009】
一部の実施形態では、抗菌複合体は、抗菌複合体中に、抗菌複合体の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬を含み、抗菌薬は、湿気が抗菌複合体に導入されると、抗菌薬の少なくとも一部が抗菌複合体から放出されるように、抗菌複合体の少なくとも一部と会合している。
【0010】
抗菌複合体は、一部の実施形態では、抗菌複合体中に、抗菌複合体の全重量に対して少なくとも約20wt%の量で存在する送達材料、その送達材料と会合した抗菌薬を含む。
【0011】
抗菌複合体は、ある特定の実施形態では、抗菌複合体中に、抗菌複合体の全重量に対して最大約45wt%の量で存在する送達材料、その送達材料と会合した抗菌薬を含む。
【0012】
ある特定の態様は、パッケージング挿入物に関する。一部の実施形態では、パッケージング挿入物は、パッケージング挿入物中に、パッケージング挿入物の全重量に対して少なくとも約0.001wt%の量で存在する抗菌薬を含み、抗菌薬は、湿気がパッケージング挿入物に導入されると、抗菌薬の少なくとも一部がパッケージング挿入物から放出されるように、パッケージング挿入物の少なくとも一部と会合している。
【0013】
一部の実施形態に従って、方法も提供される。ある特定の実施形態では、該方法は、抗菌薬が組成物から放出されるように、シリカ系送達材料中に保存された抗菌薬を含む組成物を湿気に曝露するステップを含む。
【0014】
一部の実施形態では、該方法は、抗菌薬が抗菌複合体から放出されるように、抗菌薬を含む抗菌複合体を湿気に曝露するステップを含み、抗菌複合体は、分散媒、およびその分散媒に分散したシリカ系送達材料を含み、抗菌薬は、放出前にシリカ系送達材料中に保存されている。
【0015】
特定の実施形態による方法は、抗菌薬が抗菌複合体から放出されるように、抗菌薬を含む抗菌複合体を湿気に曝露するステップを含み、抗菌複合体は、固体材料、および分散媒に分散したシリカを含み、抗菌薬は、放出前にシリカ中に保存されている。
【0016】
一部の実施形態では、該方法は、抗菌薬が組成物から放出されるように、農産物および抗菌薬を含む組成物を含むパッケージを湿気に曝露するステップを含む。
【0017】
本発明の他の利点および新規な特色は、本発明の様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から、添付の図と併せて考慮される場合に明らかになろう。本明細書および参照により組み込まれる論文が、一致しないかつ/または矛盾した開示を含む場合には、本明細書が優先する。
【0018】
本発明の非限定的な実施形態は、例えば添付の図を参照しながら記載されるが、それらの図は、本発明の範囲を制限することを企図されない。これらの図は、概略的なものであり、正確な比率を示すことを企図されない。図において例示されるそれぞれ同一のまたはほぼ同一の構成成分は、典型的に、単一の数字によって表される。明確にする目的で、すべての図のすべての構成成分が標識化されているわけではなく、本発明の各実施形態のすべての構成成分が示されているわけでもなく、例示によって必ずしも当業者が本発明を理解できるとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、一部の実施形態によるマトリックスおよび分散媒の繊維材料を含む、拡大された抗菌複合体の非限定的な例を例示する。
【0020】
図2図2は、一部の実施形態によるパッケージング挿入物の非限定的な例を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
湿気により活性化された抗菌薬の放出のための組成物、および関連方法が、概して提供される。一部の実施形態では、送達材料および少なくとも1つの抗菌薬を含むマトリックスが提供される。一部の実施形態では、シリカ系送達材料および少なくとも1つの抗菌薬を含む組成物が提供される。一部の実施形態では、1つまたは複数の抗菌薬は、本明細書で論じられる送達材料中に保存され、その送達材料から放出され得る。一部の実施形態では、分散媒およびその分散媒に分散したマトリックスを含む、湿気により活性化された抗菌複合体が提供される。一部の実施形態では、抗菌薬は、クローブ油またはクローブ抽出物を含む。
【0022】
組成物は、農業、防除、悪臭制御、および食品貯蔵のうちの少なくとも1つにおける適用に有用となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物および組成物の使用は、蒸気相または気相抗菌薬の放出または制御放出送達に関する。さらに、本明細書で使用される1つまたは複数の抗菌薬は、1つの抗菌薬または2つ以上の抗菌薬(例えば、2つの抗菌薬、3つの抗菌薬、またはそれよりも多い)を意味することができる。「蒸気相抗菌薬」または「気相抗菌薬」は、それぞれ、所望の条件(例えば、周囲室温(約21℃~25℃)および大気圧)において蒸気相または気相中に存在する抗菌薬である。
【0023】
非限定的な実施形態では、送達材料は、抗菌薬のために調整されたまたはそうでなければ選択された親和性を有する吸着性材料である。当業者には、送達材料(例えば、組成物または抗菌複合体における)が、抗菌薬がその放出前に会合している材料の体積を指すことが理解され得る。例えば、抗菌薬が、不活性な固体に分散したシリカ粒子に吸着されている実施形態では、抗菌薬は、シリカと(吸着により)会合するが不活性な固体とは会合しないので、送達材料は、不活性な固体ではなくシリカ粒子を指す。一部の実施形態では、送達材料は、固体材料である。一部の実施形態では、送達材料は、固体粉末材料である。一部の実施形態では、送達材料が少なくとも1つの抗菌薬で装薬されている場合、送達材料および抗菌薬の組合せは、本明細書ではマトリックス(およびマトリックスとしての複数のこのような組合せ)と呼ぶことができる。非限定的な実施形態では、マトリックスは、抗菌薬が物理化学的または非共有結合的手段によって結合しているシリカ系材料である。一実施形態では、マトリックスは、シリカ系送達材料および少なくとも1つの抗菌薬を含む。一実施形態では、マトリックスは、送達材料および送達材料に含有されている少なくとも1つの抗菌薬を含む。一実施形態では、マトリックスは、送達材料および送達材料の1つまたは複数の表面上に吸着された少なくとも1つの抗菌薬を含む。一実施形態では、マトリックスは、シリカ系送達材料およびシリカ系送達材料に含有されている少なくとも1つの抗菌薬を含む。一実施形態では、マトリックスは、送達材料および送達材料によって吸着された少なくとも1つの抗菌薬を含む。一実施形態では、マトリックスは、シリカ系送達材料およびシリカ系送達材料によって吸着された少なくとも1つの抗菌薬を含む。非限定的な実施形態では、マトリックスは、送達材料および少なくとも1つの抗菌薬から本質的になる。非限定的な実施形態では、マトリックスは、シリカ系送達材料および少なくとも1つの抗菌薬から本質的になる。一部の実施形態では、抗菌薬は、クローブ油を含む。非限定的な実施形態では、抗菌薬は、クローブ油から本質的になる。
【0024】
一部の実施形態では、マトリックスは、単一の抗菌薬を含む。他の実施形態では、マトリックスは、2つ以上の抗菌薬、例えば、2つの異なる抗菌薬、3つの異なる抗菌薬、4つの異なる抗菌薬、またはそれよりも多い抗菌薬を含む。一部の実施形態では、マトリックスにおける抗菌薬の重量パーセントを決定する場合、マトリックス中に存在するすべての抗菌薬の全重量が、本明細書に記載される抗菌薬の重量パーセント、およびマトリックスの重量または質量の決定において考慮される。一部の実施形態では、マトリックスにおける抗菌薬の重量パーセントを決定する場合、マトリックス中に存在し、その後マトリックスから放出されることが企図されるすべての抗菌薬の全重量が、本明細書に記載される抗菌薬の重量パーセントおよびマトリックスの重量の決定において考慮される。
【0025】
一実施形態では、抗菌薬で充填され、その後抗菌薬を放出するすべての送達材料は、本明細書に記載される通り、抗菌薬の重量パーセントおよびマトリックスの重量または質量を決定するための送達材料とみなされる。一実施形態では、抗菌薬で充填され、その後抗菌薬を放出するすべてのシリカ系材料は、本明細書に記載される通り、抗菌薬の重量パーセントおよびマトリックスの重量または質量を決定するための送達材料とみなされる。
【0026】
一部の実施形態では、抗菌薬の重量パーセントは、マトリックスの全重量(例えば、マトリックスの全重量は、送達材料および抗菌薬の全重量である)に対する抗菌薬の重量パーセントとして示される。一部の実施形態では、マトリックスの抗菌薬は、単一の抗菌薬を含み得る。他の実施形態では、マトリックスの抗菌薬は、2つ以上の抗菌薬、例えば、2つの抗菌薬、3つの抗菌薬、4つの抗菌薬、またはそれよりも多い抗菌薬を含み得る。マトリックスは、任意の適切な量の抗菌薬を含み得る。ある場合には、抗菌薬は、マトリックス中に、マトリックスの全重量(例えば、送達材料および抗菌薬の全重量)に対して少なくとも約0.001wt%、少なくとも約0.01wt%、少なくとも約0.3wt%、少なくとも約0.1wt%、少なくとも約0.5wt%、少なくとも約1wt%、少なくとも約1.5wt%、少なくとも約2wt%、少なくとも約3wt%、少なくとも約4wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約6wt%、少なくとも約7wt%、少なくとも約8wt%、少なくとも約9wt%、少なくとも約10wt%、またはそれよりも多い量で存在する。換言すれば、非限定的な実施形態では、マトリックスは、マトリックスの全重量(例えば、送達材料および抗菌薬の全重量)の少なくとも約0.001wt%、少なくとも約0.01wt%、少なくとも約0.3wt%、少なくとも約0.05wt%、少なくとも約0.1wt%、少なくとも約0.5wt%、少なくとも約1wt%、少なくとも約1.5wt%、少なくとも約2wt%、少なくとも約3wt%、少なくとも約4wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約6wt%、少なくとも約7wt%、少なくとも約8wt%、少なくとも約9wt%、少なくとも約10wt%、またはそれよりも多い重量パーセントの抗菌薬を含む。一部の実施形態では、抗菌薬は、マトリックス中に、マトリックスの全重量(例えば、送達材料および抗菌薬の全重量)に対して約0.001wt%~約3wt%の間、約0.03wt%~約0.1wt%の間、約0.03wt%~約0.5wt%の間、約0.03wt%~約1wt%の間、約0.03wt%~約1.5wt%の間、約0.03wt%~約3wt%の間、約0.05wt%~約1.5wt%の間、約0.05wt%~約3wt%の間、約0.5wt%~約5wt%の間、約1wt%~約5wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、約0.001wt%~約20wt%の間、約0.05wt%~約20wt%の間、約0.1wt%~約20wt%の間、約0.5wt%~約20wt%の間、約1wt%~約20wt%の間、約1.5wt%~約20wt%の間、約2wt%~約20wt%の間、約4wt%~約20wt%の間、約5wt%~約20wt%の間、約7wt%~約20wt%の間、約10wt%~約20wt%の間、約2wt%~約7wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、約2wt%~約15wt%の間、約4wt%~約10wt%の間、約4wt%~約15wt%の間、または約7wt%~約15wt%の間で存在する。送達材料がシリカ系送達材料である一部の実施形態では、抗菌薬の重量パーセントは、マトリックスの全重量(例えば、マトリックスの全重量は、シリカ系送達材料および抗菌薬の全重量である)に対する抗菌薬の重量パーセントを意味する。非限定的な実施形態では、抗菌薬の重量パーセントは、抗菌薬で装薬されたシリカ系送達材料であるマトリックスの全重量に対する抗菌薬の重量パーセントを意味し、ここでマトリックスの全重量は、シリカ系送達材料および抗菌薬の全重量である。一実施形態では、抗菌薬は、クローブ油またはクローブ抽出物を含む。一実施形態では、抗菌薬は、クローブ油、バニラ抽出物、およびレモングラス油の1つまたは複数を含む。一実施形態では、抗菌薬は、クローブ油、バニラ抽出物、およびレモングラス油を含む。一実施形態では、抗菌薬は、クローブ油、クローブ抽出物、バニラ抽出物、レモングラス油、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0027】
一部の実施形態では、抗菌薬の重量パーセントは、組成物(例えば、送達材料および抗菌薬を含む)の全重量に対する抗菌薬の重量パーセントとして示される。一部の実施形態では、抗菌薬は、単一の抗菌薬を含み得る。他の実施形態では、抗菌薬は、2つ以上の抗菌薬、例えば、2つの抗菌薬、3つの抗菌薬、4つの抗菌薬、またはそれよりも多い抗菌薬を含み得る。組成物は、任意の適切な量の抗菌薬を含み得る。ある場合には、抗菌薬は、組成物中に、組成物(例えば、送達材料および抗菌薬を含む)の全重量に対して少なくとも約0.001wt%、少なくとも約0.01wt%、少なくとも約0.3wt%、少なくとも約0.1wt%、少なくとも約0.5wt%、少なくとも約1wt%、少なくとも約1.5wt%、少なくとも約2wt%、少なくとも約3wt%、少なくとも約4wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約6wt%、少なくとも約7wt%、少なくとも約8wt%、少なくとも約9wt%、少なくとも約10wt%、またはそれよりも多い量で存在する。換言すれば、非限定的な実施形態では、組成物は、組成物(例えば、送達材料および抗菌薬を含む)の全重量の少なくとも約0.001wt%、少なくとも約0.01wt%、少なくとも約0.05wt%、少なくとも約0.1wt%、少なくとも約0.5wt%、少なくとも約1wt%、少なくとも約1.5wt%、少なくとも約2wt%、少なくとも約3wt%、少なくとも約4wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約6wt%、少なくとも約7wt%、少なくとも約8wt%、少なくとも約9wt%、少なくとも約10wt%、またはそれよりも多い重量パーセントの抗菌薬を含む。一部の実施形態では、抗菌薬は、組成物中に、組成物(例えば、送達材料および抗菌薬を含む)の全重量に対して約0.001wt%~約3wt%の間、約0.03wt%~約0.1wt%の間、約0.03wt%~約0.5wt%の間、約0.03wt%~約1wt%の間、約0.03wt%~約1.5wt%の間、約0.03wt%~約3wt%の間、約0.05wt%~約1.5wt%の間、約0.05wt%~約3wt%の間、約0.5wt%~約5wt%の間、約1wt%~約5wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、約0.001wt%~約20wt%の間、約0.05wt%~約20wt%の間、約0.1wt%~約20wt%の間、約0.5wt%~約20wt%の間、約1wt%~約20wt%の間、約1.5wt%~約20wt%の間、約2wt%~約20wt%の間、約4wt%~約20wt%の間、約5wt%~約20wt%の間、約7wt%~約20wt%の間、約10wt%~約20wt%の間、約2wt%~約7wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、約2wt%~約15wt%の間、約4wt%~約10wt%の間、約4wt%~約15wt%の間、または約7wt%~約15wt%の間で存在する。送達材料がシリカ系送達材料である一部の実施形態では、抗菌薬の重量パーセントは、組成物(例えば、シリカ系送達材料および抗菌薬を含む)の全重量に対する抗菌薬の重量パーセントを意味する。非限定的な実施形態では、抗菌薬の重量パーセントは、抗菌薬が装薬されたシリカ系送達材料を含む組成物の全重量に対する抗菌薬の重量パーセントを意味する。一実施形態では、抗菌薬は、クローブ油またはクローブ抽出物を含む。一実施形態では、抗菌薬は、クローブ油、バニラ抽出物、およびレモングラス油の1つまたは複数を含む。一実施形態では、抗菌薬は、クローブ油、バニラ抽出物、およびレモングラス油を含む。一実施形態では、抗菌薬は、クローブ油、クローブ抽出物、バニラ抽出物、レモングラス油、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0028】
本明細書に記載されるマトリックスは、分散媒と混合するか、または分散媒に分散させることができる。一部の実施形態では、分散媒は、固体材料である。一部の実施形態では、分散媒は、パルプである。一部の実施形態では、分散媒は、パルプを含む。一部の実施形態では、分散媒は、繊維材料である。一部の実施形態では、分散媒は、繊維材料を含む。一部の実施形態では、マトリックスは、分散媒に均一に分散させられる。一部の実施形態では、マトリックスは、分散媒の表面上にコーティングされる。一部の実施形態では、マトリックスは、分散媒において不均一ドメインとして含まれる。一部の実施形態では、分散媒は、ポリマー材料を含む。一部の実施形態では、分散媒は、ポリマー材料から本質的になる。一部の実施形態では、ポリマー材料は、バイオポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマー材料は、バイオポリマーから本質的になる。一部の実施形態では、ポリマー材料は、繊維材料を含む。一部の実施形態では、ポリマー材料は、繊維材料から本質的になる。一部の実施形態では、分散媒は、セルロースを含む。一部の実施形態では、分散媒は、セルロースから本質的になる。一部の実施形態では、ポリマー材料は、セルロースを含む。一部の実施形態では、ポリマー材料は、セルロースから本質的になる。一部の実施形態では、繊維材料は、セルロースを含む。一部の実施形態では、繊維材料は、セルロースから本質的になる。一部の実施形態では、繊維材料は、木材パルプおよび/または木質繊維を含む。一部の実施形態では、繊維材料は、木材パルプから本質的になる。一部の実施形態では、繊維材料は、木質繊維から本質的になる。
【0029】
分散媒の例として、それに限定されるものではないが、キトサン、ナイロン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド、ポリイミン、ポリカーボネート、アルギネート、およびポリ(メチルメタクリレート)を含むポリアクリレートが挙げられる。一部の実施形態では、分散媒は、湿潤性である。本明細書で使用される場合、材料は、25℃および大気圧の空気中にあるときの材料および水滴の間に形成される接触角が、80°未満である場合、湿潤性であるとみなされる。一部の実施形態では、水滴および湿潤性材料の間の接触角は、60°未満、45°未満、30°未満、またはそれ未満であってもよい。一部の実施形態では、分散媒は、吸水性である。一部の実施形態では、分散媒は、湿潤性および吸水性の両方である。一部の実施形態では、マトリックスおよび分散媒の組合せは、紙、梱包材料、フィルム、またはプラスチックを形成する。一部の実施形態では、マトリックスおよび分散媒の組合せは、特にマトリックスが分散媒と混合されるか、または分散媒に分散させられる場合、本明細書では抗菌複合体と呼ぶことができる。一部の実施形態では、分散媒は、抗菌複合体中に、抗菌複合体の全重量(例えば、マトリックスおよび分散媒の全重量)に対して少なくとも約50wt%、少なくとも約55wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約62wt%、少なくとも約65wt%、少なくとも約70wt%、少なくとも約75wt%、少なくとも約80wt%、少なくとも約85wt%、少なくとも約90wt%、少なくとも約95wt%、または少なくとも約99wt%で存在する。一部の実施形態では、分散媒は、抗菌複合体中に、抗菌複合体の全重量(例えば、マトリックスおよび分散媒の全重量)に対して約50wt%~約99wt%の間、約55wt%~約99wt%の間、約60wt%~約99wt%の間、約62wt%~約99wt%の間、約65wt%~約99wt%の間、約70wt%~約99wt%の間、約75wt%~約99wt%の間、約50wt%~約75wt%の間、約55wt%~約75wt%の間、約60wt%~約75wt%の間、または約60wt%~約70wt%の間で存在する。一部の実施形態では、分散媒は、抗菌複合体中に、抗菌複合体(例えば、マトリックスおよび分散媒を含む)の全重量に対して少なくとも約50wt%、少なくとも約55wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約62wt%、少なくとも約65wt%、少なくとも約70wt%、少なくとも約75wt%、少なくとも約80wt%、少なくとも約85wt%、少なくとも約90wt%、少なくとも約95wt%、または少なくとも約99wt%で存在する。一部の実施形態では、分散媒は、抗菌複合体中に、抗菌複合体(例えば、マトリックスおよび分散媒を含む)の全重量に対して約50wt%~約99wt%の間、約55wt%~約99wt%の間、約60wt%~約99wt%の間、約62wt%~約99wt%の間、約65wt%~約99wt%の間、約70wt%~約99wt%の間、約75wt%~約99wt%の間、約50wt%~約75wt%の間、約55wt%~約75wt%の間、約60wt%~約75wt%の間、または約60wt%~約70wt%の間で存在する。
【0030】
図1は、マトリックス12および分散媒の繊維材料11を含む、拡大された抗菌複合体100の非限定的な例を例示する。一部の実施形態では、抗菌複合体は、紙を含む。一部の実施形態では、抗菌複合体は、紙である。一部の実施形態では、抗菌複合体は、フィルムを含む。一部の実施形態では、抗菌複合体は、フィルムである。一部の実施形態では、抗菌複合体は、ポリエチレンフィルムを含む。一部の実施形態では、抗菌複合体は、ポリエチレンフィルムである。一部の実施形態では、抗菌複合体は、プラスチックを含む。一部の実施形態では、抗菌複合体は、プラスチックである。抗菌複合体(例えば、紙またはフィルム)は、ロール-ツー-ロール処理技術などにおいて容易に処理可能であるという利点を有し、市販の洋服に印刷可能な従来の製紙技術を使用してバルクで容易に製造することができ、それに限定されるものではないが、パレット、ボックス、ケース、パネット、フローパック、またはクラムシェルを含む多種多様なパッケージングにフィットするようなサイズにすることができる。
【0031】
非限定的な実施形態では、抗菌複合体は、抗菌複合体の全重量(例えば、分散媒およびマトリックスの全重量)に対して約2wt%まで、約3wt%まで、約4wt%まで、約5wt%まで、約6wt%まで、約7wt%まで、約8wt%まで、約9wt%まで、約10wt%まで、約15wt%まで、約20wt%まで、約25wt%まで、約30wt%まで、約35wt%まで、約40wt%まで、約45wt%まで、約50wt%まで、約55wt%まで、約60wt%まで、約65wt%まで、約70wt%まで、約75wt%まで、またはそれよりも多い重量パーセントのマトリックスを含む。非限定的な実施形態では、抗菌複合体は、抗菌複合体の全重量(例えば、分散媒およびマトリックスの全重量)に対して少なくとも約1wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約10wt%、少なくとも約15wt%、少なくとも約20wt%、少なくとも約25wt%、少なくとも約30wt%、少なくとも約35wt%、少なくとも約40wt%、約45wt%まで、約50wt%まで、またはそれよりも多い重量パーセントのマトリックスを含む。一部の実施形態では、抗菌複合体は、抗菌複合体の全重量(例えば、分散媒およびマトリックスの全重量)に対して約1wt%~約80wt%の間、約5wt%~約20wt%の間、約10wt%~約20wt%の間、約10wt%~約50wt%の間、約10wt%~約60wt%の間、約15wt%~約50wt%の間、約15wt%~約60wt%の間、約20wt%~約40wt%の間、約20wt%~約50wt%の間、約20wt%~約60wt%の間、約25wt%~約40wt%の間、約30wt%~約37wt%の間、約30wt%~約40wt%の間、約30wt%~約50wt%の間、約30wt%~約60wt%の間、約31wt%~約37wt%の間、約32wt%~約37wt%の間、約40wt%~約60wt%の間、または約40wt%~約75wt%の間の重量パーセントのマトリックスを含む。当業者に認識される通り、抗菌複合体が、木材、パルプ、紙、または板紙を含む場合、例えば、抗菌複合体中の送達材料(例えば、シリカ系送達材料)の重量パーセントは、900℃で灰分試験を実施することによって決定され得る。
【0032】
非限定的な実施形態では、抗菌複合体は、抗菌複合体の全重量(例えば、分散媒およびマトリックスの全重量)に対して少なくとも約0.001wt%、少なくとも約0.01wt%、少なくとも約0.05wt%、少なくとも約0.1wt%、少なくとも約0.5wt%、少なくとも約1wt%、少なくとも約1.5wt%、少なくとも約2wt%、少なくとも約3wt%、少なくとも約4wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約6wt%、少なくとも約7wt%、少なくとも約8wt%、少なくとも約9wt%、少なくとも約10wt%、またはそれよりも多い重量パーセントの抗菌薬を含む。非限定的な実施形態では、抗菌複合体は、抗菌複合体の全重量(例えば、分散媒およびマトリックスの全重量)に対して約0.001wt%まで、約0.005wt%まで、約0.01wt%まで、約0.05wt%まで、約0.1wt%まで、約0.5wt%まで、約1wt%まで、約2wt%まで、約5wt%まで、約7wt%まで、約8wt%まで、約9wt%まで、約10wt%までの重量パーセントの抗菌薬を含む。一部の実施形態では、抗菌薬は、抗菌複合体中に、抗菌複合体の全重量(例えば、分散媒およびマトリックスの全重量)に対して約0.001wt%~約0.005wt%の間、約0.001wt%~約0.01wt%の間、約0.001wt%~約0.05wt%の間、約0.001wt%~約0.1wt%の間、約0.001wt%~約0.5wt%の間、約0.001wt%~約1wt%の間、約0.001wt%~約2wt%の間、約0.001wt%~約5wt%の間、約0.001wt%~約10wt%の間、約0.01wt%~約0.05wt%の間、約0.01wt%~約0.1wt%の間、約0.01wt%~約0.15wt%の間、約0.01wt%~約0.2wt%の間、約0.01wt%~約0.5wt%の間、約0.01wt%~約1wt%の間、約0.01wt%~約1.5wt%の間、約0.01wt%~約2wt%の間、約0.01wt%~約5wt%の間、約0.01wt%~約10wt%の間、約0.05wt%~約0.1wt%の間、約0.05wt%~約0.5wt%の間、約0.05wt%~約1wt%の間、約0.05wt%~約1.5wt%の間、約0.05wt%~約2wt%の間、約0.05wt%~約5wt%の間、約0.05wt%~約10wt%の間、約0.1wt%~約0.5wt%の間、約0.1wt%~約1wt%の間、約0.1wt%~約2wt%の間、約0.1wt%~約5wt%の間、約0.1wt%~約10wt%の間、約0.5wt%~約1wt%の間、約0.5wt%~約2wt%の間、約0.5wt%~約5wt%の間、約0.5wt%~約10wt%の間、約1wt%~約5wt%の間、約1wt%~約10wt%の間、約1.5wt%~約10wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、約4wt%~約10wt%の間、約5wt%~約10wt%の間、約7wt%~約10wt%の間、約2wt%~約7wt%の間、約2wt%~約10wt%の間、または約4wt%~約10wt%の間で存在する。先の議論において、マトリックスの重量は、送達材料および抗菌薬の全重量である。一実施形態では、抗菌薬は、クローブ油またはクローブ抽出物を含む。一実施形態では、抗菌薬は、クローブ油、バニラ抽出物、およびレモングラス油を含む。
【0033】
抗菌複合体に存在する抗菌薬の重量パーセントを決定するための一例としての方法を、以下に論じる。1つまたは複数の代表的な活性揮発物(例えば、テルペン、グアヤコール誘導体、第一級フェニルプロパノイド、酢酸オイゲニル、または抗菌薬のオイゲノール構成成分)の溶媒で抽出された試料に依存する試験について、サンプリングされた代表的な活性揮発物は、抗菌複合体に対する抗菌薬の重量パーセントを報告し、決定するための代用として使用されることが当業者によって理解されよう。以下、別段特定されない限り、抗菌複合体における抗菌薬の重量パーセントは、抗菌複合体における抗菌薬の代表的な活性揮発物(例えば、オイゲノールおよび酢酸オイゲニル)の重量パーセントの合計に等しい。
【0034】
抗菌複合体に存在する抗菌薬の重量パーセントは、メタノール抽出法を使用して抗菌複合体の代表的な活性揮発物の濃度を測定することによって決定される。非限定的な実施形態では、抗菌複合体の全重量に対して存在する抗菌薬の重量パーセントを測定するためにメタノール抽出を実施する目的での溶媒の適用は、以下の通り実施される。既知の質量の抗菌複合体を、バイアル(例えば、20mlのシンチレーションバイアル)に入れる。体積1.50mLのメタノール(HPLCで使用するため、>99.9%、Sigma Aldrich)をバイアルに添加する。次にバイアルをシールし、シェーカーテーブル上に60分間置く。次に、収集した抗菌薬の一定分量1.0μLのメタノール溶液試料を測定する(例えば、ガスクロマトグラフ(GC)を使用する)。次に、GC測定から計算した抗菌薬の濃度(例えば、1μL当たりの質量)に、抽出のために使用した溶媒の体積(前述の通り1.50mL)を掛けると、抗菌複合体における活性物質の総質量が得られる。次に、抗菌薬の質量を、バイアルに予め入れておいた抗菌複合体の総質量で割ると、抗菌複合体における抗菌薬の重量パーセントに達する。2つ以上の代表的な活性揮発物が抗菌薬の構成成分である場合には、抗菌複合体に存在する抗菌薬の重量パーセントは、抗菌複合体における抗菌薬の代表的な活性揮発物(例えば、オイゲノールおよび酢酸オイゲニル)の重量パーセントの合計に等しい。
【0035】
GCピークの面積は、内部標準に対して比較することによって較正され得る。各場合、GC機器の水素炎イオン化型検出器(FID)応答は、純粋分析物の変量の既知の標準を注入し、当業者に理解されている方法を使用することによって較正される。一部の実施形態では、純粋分析物は、先に論じた通り、代表的な活性揮発物である。
【0036】
抗菌複合体に存在する抗菌薬(例えば、クローブ油)の重量パーセントを計算する非限定的な例示的な例として、前述のメタノール抽出法は、代表的な活性揮発物(例えば、オイゲノールおよび酢酸オイゲニル)ごとに実施される。各代表的な活性揮発物の重量パーセント(例えば、オイゲノールの重量パーセントおよび酢酸オイゲニルの重量パーセント)は、抗菌複合体に存在する抗菌薬(例えば、クローブ油)の重量パーセントの代用を達成するために添加される。代表的な活性揮発物の計算された重量パーセントの合計は、抗菌複合体に存在する抗菌薬wt%として報告され得る。
【0037】
一実施形態では、抗菌複合体における送達材料の重量の決定は、抗菌複合体におけるマトリックスの全重量を推定するために使用される。一実施形態では、抗菌複合体における送達材料の重量の決定は、抗菌複合体におけるマトリックスの全重量を報告するための代用として使用される。非限定的な実施形態では、抗菌複合体における送達材料の重量の決定は、以下の通り、か焼プロトコールにより遂行され得る。既知の寸法の(例えば、およそ1ftの面積を有する)抗菌複合体の試料(例えば、紙)を秤量する。その紙を、既知の重量のガラス瓶容器に入れ、次にそれを、既知の重量の標準時計皿で被覆する。次に、時計皿、瓶、および紙試料を、標準マッフル、灰分試験、またはか焼用オーブンに入れる。次に、オーブンをおよそ600℃に設定し、その温度に到達させる。600℃に達したら、オーブンをその温度で3時間以上維持する。抗菌複合体の有機材料が完全に燃焼した後、無機材料(例えば、シリカ系送達材料)だけが残存していると予測される。オーブンをオフにし、室温に戻した後、容器をその内容物および時計皿と共に秤量する。容器および時計ガラスの重量を全重量から引くと、無機物だけの重量に達して、抗菌複合体における送達材料の重量に達する。
【0038】
一実施形態では、農産物または動物用製品のための、例えば、パレット、ボックス、ケース、パネット、またはクラムシェル(または他の容器)において使用するためのパッケージング挿入物は、抗菌複合体を含む。例えば一部の実施形態では、パッケージは、パッケージング挿入物を含む。パッケージング挿入物を含むパッケージは、例えば、パッケージング挿入物を恒久的にまたは取り外し可能に固定することができる容器であってよい。一実施形態では、パッケージング挿入物は、抗菌複合体、ならびに吸水性材料、接着剤、不透水性材料、および透水性材料の1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、パッケージング挿入物は、抗菌複合体の1つまたは複数の層、1つまたは複数の吸水層、1つまたは複数の接着層、および1つまたは複数の防汚層を含む。非限定的な実施形態では、パッケージング挿入物は、パッドである。非限定的な実施形態では、パッドは、抗菌複合体、ならびに接着剤、吸水層およびクッションの1つまたは複数を含む。一実施形態では、クッションは、パッケージング内容物、例えばベリーの機械的損傷に対して保護を提供するように変形することができる柔軟な材料を含む。一実施形態では、クッションは、吸水性材料でもある。一実施形態では、クッションは、多孔性材料を含む。一実施形態では、クッションは、多孔性材料である。一実施形態では、クッションは、ポリエチレンフィルムを含む。一実施形態では、クッションは、ポリエチレンフィルムである。一実施形態では、パッドは、複数の層を含む。一実施形態では、パッドは、抗菌複合体を含む1つまたは複数の層、およびポリエチレンフィルムを含む1つまたは複数の層を含む。一実施形態では、パッドの少なくとも1つの外層は、ポリエチレンフィルムを含む。一実施形態では、ポリエチレンフィルムは、食品に使用しても安全である。一実施形態では、パッドの少なくとも1つの外層は、接着性材料を含む。非限定的な実施形態では、パッドは、例えば3’’×3’’×1/4’’または10’’×’’20’’×1/8’’の寸法を有することができる。パッドの層は、任意の適切な順序で構築することができ、従来技術を使用して互いに固定することができる。
【0039】
図2は、4つの層601、602、603、および604を含むパッケージング挿入物600の非限定的な例を例示する。パッケージング挿入物の層は、任意の適切な順序で構築することができ、従来技術を使用して互いに固定することができる。非限定的な実施形態では、層601、602、603、および604のうちの少なくとも1つは、ポリマーを含む。非限定的な実施形態では、層601は、ポリエチレンフィルム、防汚層(例えば、休止状態のまたは活性な微生物生命を生存しにくくするために利用される材料)、吸湿層、クッション、および吸水層のうちの少なくとも1つを含む。非限定的な実施形態では、層601は、ポリエチレンフィルム、防汚材料、吸湿性材料または他の吸水性材料、多孔性材料、およびクッションのうちの少なくとも1つを含む。非限定的な実施形態では、層601は、防汚層、吸湿層、クッション、および吸水層の1つである。非限定的な実施形態では、防汚層は、透水性プラスチックを含む。非限定的な実施形態では、層602は、抗菌複合体を含む。非限定的な実施形態では、層は、物理的に分けることができ、接着剤、熱シール、圧着、またはいくつかの他の物理的手段を使用して固定される。非限定的な実施形態では、層602は、抗菌複合体である。非限定的な実施形態では、層603は、吸湿性または他の吸水性材料を含む。非限定的な実施形態では、層603は、吸湿性または他の吸水性材料である。非限定的な実施形態では、層603は、ポリエチレンフィルム、防汚材料、吸湿性材料または他の吸水性材料、多孔性材料、およびクッションのうちの少なくとも1つを含む。非限定的な実施形態では、層604は、接着性材料および抗菌複合体のうちの少なくとも1つを含む。非限定的な実施形態では、層604は、接着性材料および抗菌複合体の1つである。一部の実施形態では、抗菌複合体は、湿潤性である。一部の実施形態では、抗菌複合体は、吸水性である。一部の実施形態では、抗菌複合体は、湿潤性および吸水性の両方である。示されてはいないが、当業者は、パッケージング挿入物が、農産物または動物用製品に適用するためのパレット、ボックス、ケース、パネット、またはクラムシェルの1つまたは複数に恒久的にまたは取り外し可能に固定され得ることを認識されよう。一部の実施形態では、接着層は、不連続である。一部の実施形態では、抗菌複合体は、パレット、ボックス、ケース、パネット、またはクラムシェルの1つまたは複数に固定することができる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、パレット、ボックス、ケース、パネット、またはクラムシェルの1つまたは複数に、接着剤によって固定することができる。一部の実施形態では、接着剤は、食品に使用しても安全である。
【0040】
本明細書で使用される場合、「抗菌薬」は、それらの具体的な性質または形態に関係なく、ウイルス、細菌、真菌、酵母、脊椎動物および無脊椎動物の害虫を含む病原体の成長、成熟、および生殖を含むライフサイクルプロセスを阻害、死滅、妨害し、またはそうでなければそれらの作用もしくは有害効果を抑制する化合物を意味する。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、送達材料からの蒸気相または気相抗菌薬の放出または制御放出送達に関する。「蒸気相抗菌薬」または「気相抗菌薬」は、それぞれ、所望の条件(例えば、周囲室温(約21℃~25℃)および大気圧)で送達材料から放出される際に蒸気相または気相中に存在する抗菌薬である。
【0041】
一部の実施形態では、抗菌薬は、農業産物の保存期間を延長し、農業産物の全体的な質を改善することができ、かつ/または製品の熟成を制御することができる。抗菌薬の例として、それに限定されるものではないが、例えば、収穫後農産物、動物、またはヒトにおける病原体および害虫に対する抵抗性のための抗バクテリア、抗ウイルス、抗真菌、または殺有害生物適用を有することができるエッセンシャルオイル(例えば、天然または合成)および他の化合物;例えば解体後にパッケージされた肉製品の保存期間、臭気、および色を改善するための抗酸化剤;例えば、カットフルーツ、野菜、および他の農業産物における色の保持を改善するための抗酸化剤;生物学的標的、例えば、ペットおよびヒトのために潜在的な健康上の利益を有する抗酸化剤;例えば、空間、動物、またはヒトの匂いを改善するか、または臭気を低減する香料、フレグランスが挙げられる。抗菌薬は、天然組成物、合成組成物、またはそれら両方の組合せを含み得る。
【0042】
一実施形態では、マトリックスは、湿気に曝露されると抗菌薬を放出することができる。いかなる特定の理論によっても、機序によっても制限されるものではないが、水は、送達材料(例えば、シリカ)によって既に吸着されている抗菌薬(例えば、エッセンシャルオイル)を競合的に置き換えることができる。水蒸気(例えば、マトリックスまたは抗菌複合体に近接または接触しているベリーから生じる)に曝露されると、送達材料によって吸着された抗菌薬は、その湿気と競合し、したがって顕微鏡的効果は、送達材料からの抗菌薬の放出となる。一実施形態では、抗菌複合体は、湿気に曝露されると抗菌薬を放出するように構成される。
【0043】
一実施形態では、湿気活性化は、マトリックスからの抗菌薬の放出をもたらす。一実施形態では、湿気活性化は、マトリックスおよび抗菌複合体からの抗菌薬の放出をもたらす。一実施形態では、抗菌薬は、放出されると蒸気相または気相中に存在する。
【0044】
一実施形態では、湿気活性化に加えて、マトリックスとの液体水の直接的な接触を使用して、マトリックスおよび/または抗菌複合体からの抗菌薬の放出を推進することができる。一実施形態では、湿気活性化に加えて、マトリックスとの固体水の直接的な接触を使用して、マトリックスおよび/または抗菌複合体からの抗菌薬の放出を推進することができる。
【0045】
他所に記載の通り、ある特定の実施形態は、方法に関する。一部の実施形態では、該方法は、抗菌薬が組成物から放出されるように、送達材料(例えば、シリカ系送達材料)中に保存された抗菌薬を含む組成物を湿気に曝露するステップを含む。送達材料は、例えば前述のまたは本明細書の他所に記載される送達材料のいずれであってもよい。
【0046】
湿気に曝露される組成物は、一部の実施形態では、前述のまたは本明細書の他所に記載される抗菌複合体のいずれかなどの抗菌複合体であってもよい。
【0047】
ある特定の実施形態は、抗菌薬が組成物から放出されるように、農産物および抗菌薬を含む組成物を含むパッケージを湿気に曝露するステップを含む。
【0048】
ある特定の実施形態では、組成物が曝露される湿気は、農産物によって排出される。例えば農産物は、湿気を排出することができ、排出された湿気は、その後、抗菌薬が組成物から放出されるように、組成物(例えば、抗菌複合体、パッケージング挿入物等)と相互作用することができる。
【0049】
一部の実施形態では、抗菌薬の放出は、農産物の微生物および/または真菌活性を低減する。放出された抗菌薬は、例えば、病原体または害虫(例えば、農産物と関連する病原体または害虫)の作用または有害効果を抑制することができる。
【0050】
一部の実施形態では、該方法は、組成物を湿気に曝露するステップに加えて、組成物を液体水および/または固体水に曝露するステップを含む。
湿度応答の特徴-マトリックス
【0051】
一部の実施形態では、マトリックスの湿度応答の特徴は、同じ温度で異なる相対湿度においてマトリックスからの放出特徴を測定することによって評価することができる。一部の実施形態では、水蒸気に曝露されると抗菌薬を放出するマトリックスは、例えば吸湿性であること、すなわち周囲湿気から自然発生的に水(例えば、呼吸または凝結中に農産物から生じる水蒸気)を吸着することによって特徴付けることができた。一部の実施形態では、水蒸気に曝露されると抗菌薬を放出するマトリックスは、著しく広い利用可能な化学的表面積(例えば、100m/g超)を有するものとして特徴付けることができた。一部の実施形態では、マトリックスからの抗菌薬の放出特徴は、マトリックスからの抗菌薬の放出速度を経時的に測定することによって評価することができる。マトリックスからの抗菌薬の放出特徴が、単位時間当たりマトリックス(すなわち、マトリックスは送達材料および抗菌薬である)1グラム当たりの放出された抗菌薬の量(例えば、体積、質量、またはモル量)として報告される一部の実施形態では、放出速度は、時間単位に基づいて報告される。一部の実施形態では、マトリックスからの抗菌薬の放出速度は、マトリックスにおける抗菌薬の代表的な活性揮発性構成成分のヘッドスペース分析(以下に論じられる通り、放出試験中に)により計算される。一部の実施形態では、ヘッドスペース分析のための代表的な活性揮発物は、i)ガスクロマトグラフィー(GC)分析により分解可能な(例えば、ピークは、他のGCピークから分離することができ、揮発物は、商業的に利用可能な標準を有する)、ii)抗菌活性を示すことが公知の、マトリックスから放出されると蒸気相または気相化合物になるマトリックスの1つまたは複数の抗菌油または抗菌抽出物の揮発性構成成分である。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析時のシグナルに最も大きく寄与する。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、テルペンである。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、グアヤコール誘導体である。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、フェニルプロパノイドである。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、オイゲノールである。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、酢酸オイゲニルである。非限定的な実施形態では、マトリックスが、クローブ油またはクローブ抽出物を含む場合、マトリックスからの抗菌薬の放出速度は、オイゲノールのヘッドスペース分析により計算される(以下に論じられる通り、放出試験中に)。非限定的な実施形態では、マトリックスが、クローブ油またはクローブ抽出物を含む場合、マトリックスからの抗菌薬の放出速度は、酢酸オイゲニルのヘッドスペース分析により計算される(以下に論じられる通り、放出試験中に)。ヘッドスペース分析により測定された純粋化合物(例えば、オイゲノールまたは酢酸オイゲニル)について、モルおよび質量による量は、相互変換可能であり、理想気体の法則を使用して決定される通り、気体の温度、圧力、および分子量が既知であるという条件で気体の体積にも変換され得ることが、当業者によって理解されよう。
【0052】
マトリックスからの抗菌薬の放出速度を決定するための一例としての方法を、以下に論じる。代表的な活性揮発物、テルペン、グアヤコール誘導体、第一級フェニルプロパノイド、酢酸オイゲニル、またはオイゲノールのヘッドスペースのサンプリングに依存する放出試験について、サンプリングされた化合物は、1時間当たりのマトリックス1グラム当たりの抗菌薬の放出速度を報告し、決定するための代用として使用されることが、当業者によって理解されよう。以下、別段特定されない限り、1時間当たりのマトリックス1グラム当たりの抗菌薬の放出速度は、1時間当たりのマトリックス1グラム当たりの抗菌薬の選択された代表的な活性揮発物の放出速度に等しい。
【0053】
1時間当たりのマトリックス1グラム当たりの抗菌薬の放出速度は、湿気適用(例えば、湿気へのマトリックスの曝露)後の2つの特定の時点(例えば、1時間目およびその後24時間目)の間でマトリックスから放出された抗菌薬の平均量を測定することによって決定される。非限定的な実施形態では、放出試験を施す目的のための湿気適用を、以下の通り行う。既知の質量のマトリックスを、小型バイアル(例えば、2ドラムバイアル)に入れ、次にその小型バイアルをより大型のバイアル(例えば、10mLの琥珀色バイアル)に入れ子にする。マトリックスが水と直接的に接触しないように、所望の相対湿度(例えば、75%相対湿度)に対応する溶液を、より大型のバイアルに(例えば、ピペットによってより大型のバイアルの底部に)ロードする。次に、より大型のバイアルを封鎖する(例えば、Teflonセプタムを備えたスクリュートップキャップを取り付けることによって)。一部の実施形態では、「ゼロ時間」は、溶液をより大型のバイアルにロードした後、バイアルキャップを封鎖した瞬間として定義される。一部の実施形態では、バイアルキャップは、溶液をより大型のバイアルにロードした直後に封鎖される。一部の実施形態では、湿気適用の瞬間は、溶液をより大型のバイアルにロードした後、キャップを封鎖した瞬間である。放出試験の性能について、当業者は、マトリックスに湿気を適用すると同時に、マトリックスが水と直接接触しないようにするために、公知の方法が使用され得ることを認識されよう。例えば、放出試験のための所望の湿度環境を作り出すために、LiCl、MgCl、またはNaClの飽和塩溶液をHO中で調製し、ピペットによってより大型のバイアルにロードすることができる。
【0054】
一部の実施形態では、マトリックスからの放出速度は、単位時間当たりマトリックス(例えば、マトリックスは送達材料および抗菌薬である)1グラム当たりの放出された抗菌薬の量(例えば、モル)として報告される。一部の実施形態では、特定の範囲の時間(例えば、1~24時間)にわたる平均放出速度の評価は、2つの時点の間の、ヘッドスペースからサンプリングされた抗菌薬のモルの差に基づいて計算される。
【0055】
1時間目についてマトリックスからの抗菌薬の放出速度をどのように測定するかについての非限定的な例は、以下の通りである。放出試験の開始前に、研究されるマトリックス(例えば、マトリックスは抗菌薬が装薬された送達材料である)の質量は、測定されるかまたは既知である(例えばグラムで)。当技術分野の当業者によって認識され得る通り、放出試験の開始前に測定されたマトリックスの総質量は、湿気適用前に測定されたマトリックスの総質量であり、これは、最初に測定されたまたは既知であるマトリックスの総質量としても既知である。放出研究は、先に論じた通り、湿気適用直後の0時間目に開始する。一実施形態では、バイアルは、0時間目の後の60分間(すなわち1時間目まで)平衡化させる。0時間目の後の60分間にわたってマトリックスから放出された抗菌薬を、1時間目に収集し(例えば、先に論じた通り、シールした入れ子構造のバイアルに)、サンプリングする(例えば、従来のヘッドスペース法を使用する)。次に、収集された抗菌薬の試料を測定する(例えば、ガスクロマトグラフ(GC)を使用する)。次に、GC測定から計算された放出された抗菌薬の量(例えば、モルまたは質量)を、先に論じた通り、最初に測定されたまたは既知のマトリックスの総質量(例えば、グラム)によって割る。得られた数値は、1時間目について1時間当たりマトリックス1グラム当たりの放出された抗菌薬の量(例えば、モルまたは質量)である。
【0056】
1時間目から24時間目までの同じマトリックス(例えば、同じ放出試験中)からの抗菌薬の平均放出速度をどのように測定するかについての非限定的な例は、以下の通りである。バイアルをシールした1時間後に、マトリックスから放出された抗菌薬を、1時間目に収集し(例えば、先に論じた通り、シールした入れ子構造のバイアルに)、サンプリングする(例えば、従来のガスクロマトグラフィーヘッドスペース法を使用する)。バイアルを、さらに23時間寝かせる。バイアルをシールした後(先に論じた通り、0時間目)、合計24時間にわたってマトリックスから放出された抗菌薬を、24時間目に収集し(例えば、先に論じた通り、シールした入れ子構造のバイアルに)、サンプリングする(例えば、従来のガスクロマトグラフィーヘッドスペース法を使用する)。前回測定した時間(例えば、1時間目)にGC測定から計算された放出された抗菌薬の量(例えば、モルまたは質量)を、24時間目にGC測定から計算された放出された抗菌薬の量(例えば、それぞれモルまたは質量)から引く。次に、放出された抗菌薬の得られた量(例えば、それぞれモルまたは質量)を、先に論じた通り、最初に測定されたまたは既知のマトリックスの総質量(例えば、グラム)によって割る。次に、得られた数値を、前回測定した時間(例えば、1時間目)と現在の時間(この場合、24時間目)の間の経過時間(23時間)で割って、マトリックスからの抗菌薬の放出速度を得る(抗菌薬の量/マトリックス1g/時間)。一実施形態では、その得られた数値は、24時間目について報告された放出速度である。
【0057】
24時間目から48時間目までの同じマトリックス(例えば、同じ放出試験中)からの抗菌薬の平均放出速度をどのように測定するかについての非限定的な例は、以下の通りである。バイアルをシールした後、合計24時間にわたってマトリックスから放出された抗菌薬を、先に論じた通り収集する。バイアルを、さらに24時間寝かせる。24時間目にサンプリングした後、合計24時間にわたってマトリックスから放出された抗菌薬を、48時間目に収集し、サンプリングする(例えば、従来のガスクロマトグラフィーヘッドスペース法を使用する)。前回測定した時間(例えば、24時間目)にGC測定から計算された放出された抗菌薬の量(例えば、モルまたは質量)を、48時間目にGC測定から計算された放出された抗菌薬の量(例えば、それぞれモルまたは質量)から引く。次に、放出された抗菌薬の得られた量(例えば、それぞれモルまたは質量)を、先に論じた通り、最初に測定されたまたは既知のマトリックスの総質量(例えば、グラム)によって割る。次に、得られた数値を、前回測定した時間(例えば、24時間目)と現在の時間(この場合、48時間目)の間の経過時間(24時間)で割って、マトリックスからの抗菌薬の放出速度を得る(抗菌薬の量/マトリックス1g/時間)。一実施形態では、その得られた数値は、48時間目について報告された放出速度である。
【0058】
当業者は、例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)を使用する従来のヘッドスペース法を承知されよう。抗菌薬の放出速度を測定するためにヘッドスペース分析を使用する方法の非限定的な例は、以下の通り提供される。抗菌薬を含むマトリックスを、湿気適用のために入れ子構造のバイアルに入れる(先に論じた通り)。放出速度は、大きい方のバイアルをシールしたまま、抗菌薬をバイアルのヘッドスペース内に集積させる時間数に基づいて較正され得る。バイアルをシールしたまま、抗菌薬を、その時間の長さに応じて集積させ、所与の時点における放出速度は、当業者に公知の方法に従ってバイアルのヘッドスペースをサンプリングし、GCに試料体積(例えば、100μL~300μL)を注入することによって計算することができる。GCピークの面積は、内部標準に対して比較することによって較正され得る。各場合、GC機器の水素炎イオン化型検出器(FID)応答は、純粋分析物の変量の既知の標準を注入し、当業者に理解されている方法を使用することによって較正される。一部の実施形態では、純粋分析物は、先に論じた通り、代表的な活性揮発物である。
【0059】
例えば、マトリックスからのオイゲノールの放出を計算するために(例えば、クローブ油の放出を評価するための代用として)、GCピークの面積は、既知の量のオイゲノールに対して較正され得る。オイゲノールは、99%純度の液体として得られる(例えば、Sigma Aldrich chemical companyから)。非限定的な実施形態では、エッセンシャルオイル抗菌薬の放出は、先に論じた通り、湿気適用を用いる放出試験中の、その代表的な活性揮発物のヘッドスペースのサンプリングに基づいて計算され得る。
【0060】
本明細書に記載されるマトリックスは、湿気により活性化される。一部の実施形態では、湿気活性化は、実質的に同じ初期質量および組成物を有するマトリックスに対して、異なる湿度(例えば、15%相対湿度、33%相対湿度、75%相対湿度、または99%相対湿度)を適用する放出試験を実施することによって測定される(先に論じた通り)。マトリックスの湿気活性化を測定するために使用される、異なる相対湿度を適用する放出試験(例えば、実質的に同じ初期質量および組成物を有するマトリックスに対して15%相対湿度、33%相対湿度、75%相対湿度、または99%相対湿度)ごとに、すべての放出試験について0時間目の後の同じ時点でバイアルヘッドスペースをサンプリングすることが重要である。これは、99%相対湿度の適用からその時点における抗菌薬の放出速度に対するサンプリング時点ごとに抗菌薬の放出速度(先に論じた通り計算される)を標準化することによって、湿気活性化が計算されるからである。例えば、24時間目におけるマトリックスからの抗菌薬の放出を有するマトリックスについて湿気活性化を計算するために、放出試験を、先に示される通り15%相対湿度の適用、33%相対湿度の適用、75%相対湿度の適用、または99%相対湿度の適用において、マトリックス(同じまたは実質的に同じ初期質量および組成物を有する)で実施する。ヘッドスペース試料は、施された放出試験ごとに0時間目の後の同じ時点で採取される(例えば、1時間目、5時間目、24時間目、および48時間目において)。次に、特定の時点(例えば、24時間目)についての湿気活性化を、その時点(例えば、24時間目)における相対湿度の適用ごとに、99%相対湿度の適用について決定された放出速度に対してすべての放出速度を標準化することによって計算される。以下の表1は、シリカ系送達材料およびクローブ油を含むマトリックスからの抗菌薬の放出の代用として、オイゲノール放出を使用して(先に論じた通り)、21℃において24時間目について計算された湿気活性化の非限定的な例を提供する。
【表1】
【0061】
以下の表2は、シリカ系送達材料およびクローブ油を含むマトリックスからの抗菌薬の放出の代用として、酢酸オイゲニル放出を使用して(先に論じた通り)、21℃において24時間目について計算された湿気活性化の非限定的な例を提供する。当業者によって理解され得る通り、「E」は、本明細書では科学的な記数法を示すために使用され、「の10乗」に等しい。一例として、「2.0E-2」は、2.0×10-2に等しくなると思われる。当業者によって理解され得る通り、材料の濃度を測定しようとする試みは、分析技術に関係なく、抗菌薬の濃度がその技術の検出限界に近くなると、名目上は負の値をもたらし得る。負の濃度は、この状況では物理的意味をもたないので、負の名目上の値は、濃度値がその技術の検出限界よりも低いことを示す。したがって、このような値は、「0」または「ニル」と示すこともできる。
【表2】
【0062】
先に論じた通り、抗菌薬の放出は、1時間当たりマトリックス1グラム当たりの放出された抗菌薬の量(モル/マトリックス1g/時間)として報告され得る(例えば、マトリックスの構成成分の代表的な活性揮発物のモルとして報告される通り)、放出速度として定量され得る。本明細書に記載されるマトリックスについて以下に記載される湿度応答の特徴は、別段記述されない限り、21℃における特定の相対湿度で前述の通り実施された放出試験について与えられ、先に論じた通り、24時間決定される。非限定的な実施形態では、下記の湿度応答の特徴は、代表的な活性揮発物のヘッドスペース分析によって計算されたマトリックスからの放出速度に関する。非限定的な実施形態では、下記の湿度応答の特徴は、オイゲノールのヘッドスペース分析によって計算されたマトリックスからの放出速度に関する。非限定的な実施形態では、下記の湿度応答の特徴は、酢酸オイゲニルのヘッドスペース分析によって計算されたマトリックスからの放出速度に関する。放出試験期間を通して、マトリックス材料の周囲の温度および大気圧は、実質的に一定に維持されると理解されるべきである。一部の実施形態では、マトリックスは、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約1%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約5%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約10%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約20%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約0.2%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約0.5%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約1%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約5%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約10%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約1%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約5%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約10%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約20%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約0.2%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約0.5%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約1%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約5%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約10%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約20%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約30%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、50%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約40%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約50%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約60%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約70%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約80%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約90%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約95%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約99%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約40%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約50%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約60%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約70%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約80%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約85%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約90%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約40%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約50%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約60%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約70%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約80%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約85%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、マトリックスは、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約90%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。非限定的な実施形態では、前述の湿度応答の特徴は、マトリックスから、抗菌薬、テルペン、グアヤコール誘導体、フェニルプロパノイド、オイゲノール、および酢酸オイゲニルのうちの少なくとも1つを放出することに関する。非限定的な実施形態では、前述の湿度応答の特徴は、マトリックスから少なくともクローブ油およびクローブ抽出物を放出することに関する。
湿度応答の特徴-抗菌複合体
【0063】
一部の実施形態では、抗菌複合体の湿度応答の特徴は、同じ温度で異なる相対湿度において抗菌複合体からの放出特徴を測定することによって評価することができる。一部の実施形態では、抗菌複合体からの抗菌薬の放出特徴は、抗菌複合体からの抗菌薬の放出速度を経時的に測定することによって評価することができる。抗菌複合体からの抗菌薬の放出特徴が、単位時間当たりマトリックス(すなわち、マトリックスは送達材料および抗菌薬である)1グラム当たりの放出された抗菌薬の量(例えば、体積、質量、またはモル量)として報告される一部の実施形態では、放出速度は、時間単位に基づいて報告される。一部の実施形態では、抗菌複合体からの抗菌薬の放出速度は、マトリックスにおける抗菌薬の代表的な活性揮発性構成成分のヘッドスペース分析(以下に論じられる通り、放出試験中に)により計算される。一部の実施形態では、ヘッドスペース分析のための代表的な活性揮発物は、i)ガスクロマトグラフィー(GC)分析により分解可能な(例えば、ピークは、他のGCピークから分離することができ、揮発物は、商業的に利用可能な標準を有する)、ii)抗菌活性を示すことが公知の、マトリックスから放出されると蒸気相または気相化合物になる抗菌複合体に組み込まれるマトリックスの1つまたは複数の抗菌油または抗菌抽出物の揮発性構成成分である。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析時のシグナルに最も大きく寄与する。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、テルペンである。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、グアヤコール誘導体である。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、フェニルプロパノイドである。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、オイゲノールである。一部の実施形態では、代表的な活性揮発物は、酢酸オイゲニルである。非限定的な実施形態では、マトリックスが、クローブ油またはクローブ抽出物を含む場合、マトリックスからの抗菌薬の放出速度は、オイゲノールのヘッドスペース分析により計算される(以下に論じられる通り、放出試験中に)。非限定的な実施形態では、マトリックスが、クローブ油またはクローブ抽出物を含む場合、マトリックスからの抗菌薬の放出速度は、酢酸オイゲニルのヘッドスペース分析により計算される(以下に論じられる通り、放出試験中に)。ヘッドスペース分析により測定された純粋化合物(例えば、オイゲノールまたは酢酸オイゲニル)について、モルおよび質量による量は、相互変換可能であり、理想気体の法則を使用して決定される通り、気体の温度、圧力、および分子量が既知であるという条件で気体の体積にも変換され得ることが、当業者によって理解されよう。
【0064】
抗菌複合体からの抗菌薬の放出速度を決定するための一例としての方法を、以下に論じる。代表的な活性揮発物、テルペン、グアヤコール誘導体、第一級フェニルプロパノイド、酢酸オイゲニル、またはオイゲノールのヘッドスペースのサンプリングに依存する放出試験について、サンプリングされた化合物は、1時間当たりのマトリックス1グラム当たりの抗菌薬の放出速度を報告し、決定するための代用として使用されることが、当業者によって理解されよう。以下、別段特定されない限り、1時間当たりのマトリックス1グラム当たりの抗菌薬の放出速度は、1時間当たりのマトリックス1グラム当たりの抗菌薬の選択された代表的な活性揮発物の放出速度に等しい。
【0065】
1時間当たりのマトリックス1グラム当たりの抗菌複合体からの抗菌薬の放出速度は、湿気適用後の2つの特定の時点(例えば、1時間目およびその後24時間目)の間で抗菌複合体から放出された抗菌薬の平均量を測定することによって決定される。非限定的な実施形態では、放出試験を施す目的のための湿気適用を、以下の通り行う。既知の質量の抗菌複合体を、小型バイアル(例えば、2ドラムバイアル)に入れ、次にその小型バイアルをより大型のバイアル(例えば、10mLの琥珀色バイアル)に入れ子にする。マトリックスが水と直接的に接触しないように、所望の相対湿度(例えば、75%相対湿度)に対応する溶液を、より大型のバイアルに(例えば、ピペットによってより大型のバイアルの底部に)ロードする。次に、より大型のバイアルを封鎖する(例えば、Teflonセプタムを備えたスクリュートップキャップを取り付けることによって)。一部の実施形態では、「ゼロ時間」は、溶液をより大型のバイアルにロードした後、バイアルキャップを封鎖した瞬間として定義される。一部の実施形態では、バイアルキャップは、溶液をより大型のバイアルにロードした直後に封鎖される。一部の実施形態では、湿気適用の瞬間は、溶液をより大型のバイアルにロードした後、キャップを封鎖した瞬間である。放出試験の性能について、当業者は、マトリックスに湿気を適用すると同時に、マトリックスが水と直接接触しないようにするために、公知の方法が使用され得ることを認識されよう。例えば、放出試験のための所望の湿度環境を作り出すために、LiCl、MgCl、またはNaClの飽和塩溶液をHO中で調製し、ピペットによってより大型のバイアルにロードすることができる。
【0066】
一部の実施形態では、抗菌複合体からの放出速度は、単位時間当たりマトリックス(例えば、マトリックスは送達材料および抗菌薬である)1グラム当たりの放出された抗菌薬の量(例えば、モル)として報告される。一部の実施形態では、特定の範囲の時間(例えば、1~24時間)にわたる平均放出速度の評価は、2つの時点の間の、ヘッドスペースからサンプリングされた抗菌薬のモルの差に基づいて計算される。
【0067】
1時間目についてマトリックスからの抗菌薬の放出速度をどのように測定するかについての非限定的な例は、以下の通りである。放出試験の開始前に、研究される抗菌複合体の質量は、測定されるかまたは既知である(例えばグラムで)。当技術分野の当業者によって認識され得る通り、放出試験の開始前に測定された抗菌複合体の総質量は、湿気適用前に測定された抗菌複合体の総質量であり、これは、最初に測定されたまたは既知である抗菌複合体の総質量としても既知である。放出研究は、先に論じた通り、湿気適用直後の0時間目に開始する。一実施形態では、バイアルは、0時間目の後の60分間(すなわち1時間目まで)平衡化させる。0時間目の後の60分間にわたって抗菌複合体から放出された抗菌薬を、1時間目に収集し(例えば、先に論じた通り、シールした入れ子構造のバイアルに)、サンプリングする(例えば、従来のヘッドスペース法を使用する)。次に、収集された抗菌薬の試料を測定する(例えば、ガスクロマトグラフ(GC)を使用する)。次に、GC測定から計算された放出された抗菌薬の量(例えば、モルまたは質量)を、抗菌複合体におけるマトリックスの総質量によって割る。先に論じた通り、抗菌複合体におけるマトリックスの質量を決定するために、か焼プロトコールを使用することができる。得られた数値は、1時間目について(抗菌複合体について)1時間当たりマトリックス1グラム当たりの放出された抗菌薬の量(例えば、モルまたは質量)である。
【0068】
1時間目から24時間目までの同じ抗菌複合体(例えば、同じ放出試験中)からの抗菌薬の平均放出速度をどのように測定するかについての非限定的な例は、以下の通りである。バイアルをシールした1時間後に、抗菌複合体から放出された抗菌薬を、1時間目に収集し(例えば、先に論じた通り、シールした入れ子構造のバイアルに)、サンプリングする(例えば、従来のガスクロマトグラフィーヘッドスペース法を使用する)。バイアルを、さらに23時間寝かせる。バイアルをシールした(先に論じた通り、0時間目)後、合計24時間にわたって抗菌複合体から放出された抗菌薬を、24時間目に収集し(例えば、先に論じた通り、シールした入れ子構造のバイアルに)、サンプリングする(例えば、従来のガスクロマトグラフィーヘッドスペース法を使用する)。前回測定した時間(例えば、1時間目)にGC測定から計算された放出された抗菌薬の量(例えば、モルまたは質量)を、24時間目にGC測定から計算された放出された抗菌薬の量(例えば、それぞれモルまたは質量)から引く。次に、放出された抗菌薬の得られた量(例えば、それぞれモルまたは質量)を、先に論じた通り、サンプリングされた抗菌複合体におけるマトリックスの総質量(例えばグラムで、例えば既知のまたはか焼により決定される)によって割る。次に、得られた数値を、前回測定した時間(例えば、1時間目)と現在の時間(この場合、24時間目)の間の経過時間(23時間)で割って、マトリックスからの抗菌薬の放出速度を得る(抗菌薬の量/マトリックス1g/時間)(抗菌複合体について)。一実施形態では、その得られた数値は、24時間目について報告された放出速度である。
【0069】
24時間目から48時間目までの同じ抗菌複合体(例えば、同じ放出試験中)からの抗菌薬の平均放出速度をどのように測定するかについての非限定的な例は、以下の通りである。バイアルをシールした後、合計24時間にわたって抗菌複合体から放出された抗菌薬を、先に論じた通り収集する。バイアルを、さらに24時間寝かせる。24時間目にサンプリングした後、合計24時間にわたってマトリックスから放出された抗菌薬を、48時間目に収集し、サンプリングする(例えば、従来のガスクロマトグラフィーヘッドスペース法を使用する)。前回測定した時間(例えば、24時間目)にGC測定から計算された放出された抗菌薬の量(例えば、モルまたは質量)を、48時間目にGC測定から計算された放出された抗菌薬の量(例えば、それぞれモルまたは質量)から引く。次に、放出された抗菌薬の得られた量(例えば、それぞれモルまたは質量)を、先に論じた通り、サンプリングされた抗菌複合体におけるマトリックスの総質量(例えばグラムで、例えば既知のまたはか焼により決定される)によって割る。次に、得られた数値を、前回測定した時間(例えば、24時間目)と現在の時間(この場合、48時間目)の間の経過時間(24時間)で割って、マトリックスからの抗菌薬の放出速度を得る(抗菌薬の量/マトリックス1g/時間)(抗菌複合体について)。一実施形態では、その得られた数値は、48時間目について報告された放出速度である。
【0070】
当業者は、例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)を使用する従来のヘッドスペース法を承知されよう。抗菌薬の放出速度を測定するためにヘッドスペース分析を使用する方法の非限定的な例は、以下の通り提供される。抗菌薬を含む抗菌複合体を、湿気適用のために入れ子構造のバイアルに入れる(先に論じた通り)。放出速度は、大きい方のバイアルをシールしたまま、抗菌薬をバイアルのヘッドスペース内に集積させる時間数に基づいて較正され得る。バイアルをシールしたまま、抗菌薬を、その時間の長さに応じて集積させ、所与の時点における放出速度は、当業者に公知の方法に従ってバイアルのヘッドスペースをサンプリングし、GCに試料体積(例えば、100μL~300μL)を注入することによって計算することができる。GCピークの面積は、内部標準に対して比較することによって較正され得る。各場合、GC機器の水素炎イオン化型検出器(FID)応答は、純粋分析物の変量の既知の標準を注入し、当業者に理解されている方法を使用することによって較正される。一部の実施形態では、純粋分析物は、先に論じた通り、代表的な活性揮発物である。
【0071】
例えば、マトリックスからのオイゲノールの放出を計算するために(例えば、クローブ油の放出を評価するための代用として)、GCピークの面積は、既知の量のオイゲノールに対して較正され得る。オイゲノールは、99%純度の液体として得られる(例えば、Sigma Aldrich chemical companyから)。非限定的な実施形態では、エッセンシャルオイル抗菌薬の放出は、先に論じた通り、湿気適用を用いる放出試験中の、その代表的な活性揮発物のヘッドスペースのサンプリングに基づいて計算され得る。
【0072】
本明細書に記載される抗菌複合体は、湿気により活性化される。一部の実施形態では、湿気活性化は、実質的に同じ初期質量および組成物を有するマトリックスに対して、異なる湿度(例えば、15%相対湿度、33%相対湿度、75%相対湿度、または99%相対湿度)を適用する放出試験を実施することによって測定される(先に論じた通り)。マトリックスの湿気活性化を測定するために使用される、異なる相対湿度を適用する放出試験(例えば、実質的に同じ初期質量および組成物を有するマトリックスに対して15%相対湿度、33%相対湿度、75%相対湿度、または99%相対湿度)ごとに、すべての放出試験について0時間目の後の同じ時点でバイアルヘッドスペースをサンプリングすることが重要である。これは、99%相対湿度の適用からその時点における抗菌薬の放出速度に対するサンプリング時点ごとに抗菌薬の放出速度(先に論じた通り計算される)を標準化することによって、湿気活性化が計算されるからである。例えば、24時間目におけるマトリックスからの抗菌薬の放出を有するマトリックスについて湿気活性化を計算するために、放出試験を、先に示される通り15%相対湿度の適用、33%相対湿度の適用、75%相対湿度の適用、または99%相対湿度の適用において、マトリックス(同じまたは実質的に同じ初期質量および組成物を有する)で実施する。ヘッドスペース試料は、施された放出試験ごとに0時間目の後の同じ時点で採取される(例えば、1時間目、5時間目、24時間目、および48時間目において)。次に、特定の時点(例えば、24時間目)についての湿気活性化を、その時点(例えば、24時間目)における相対湿度の適用ごとに、99%相対湿度の適用について決定された放出速度に対してすべての放出速度を標準化することによって計算される。以下の表1は、シリカ系送達材料およびクローブ油を含む抗菌複合体からの抗菌薬の放出の代用として、酢酸オイゲニル放出を使用して(先に論じた通り)、21℃において24時間目について計算された湿気活性化の非限定的な例を提供する。先に論じた通り、当業者によって理解され得る通り、材料の濃度を測定しようとする試みは、分析技術に関係なく、抗菌薬の濃度がその技術の検出限界に近くなると、名目上は負の値をもたらし得る。負の濃度は、この状況では物理的意味をもたないので、負の名目上の値は、濃度値がその技術の検出限界よりも低いことを示す。したがって、このような値は、「0」または「ニル」と示すこともできる。
【表3】
【0073】
先に論じた通り、抗菌複合体についての抗菌薬の放出は、1時間当たりマトリックス1グラム当たりの放出された抗菌薬の量(モル/マトリックス1g/時間)として報告され得る(例えば、マトリックスの構成成分の代表的な活性揮発物のモルとして報告される通り)、放出速度として定量され得る。本明細書に記載される抗菌複合体について以下に記載される湿度応答の特徴は、別段記述されない限り、21℃における特定の相対湿度で前述の通り実施された放出試験について与えられ、先に論じた通り、24時間決定される。非限定的な実施形態では、下記の湿度応答の特徴は、代表的な活性揮発物のヘッドスペース分析によって計算された抗菌複合体からの放出速度に関する。非限定的な実施形態では、下記の湿度応答の特徴は、オイゲノールのヘッドスペース分析によって計算された抗菌複合体からの放出速度に関する。非限定的な実施形態では、下記の湿度応答の特徴は、酢酸オイゲニルのヘッドスペース分析によって計算された抗菌複合体からの放出速度に関する。放出試験期間を通して、抗菌複合体の周囲の温度および大気圧は、実質的に一定に維持されると理解されるべきである。一部の実施形態では、抗菌複合体は、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約1%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約5%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約10%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約20%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約0.2%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約0.5%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約1%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約5%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、15%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約10%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約1%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約5%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約10%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約20%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%未満である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約0.2%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約0.5%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約1%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約5%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約10%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約20%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、33%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約0.0001%~約30%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、50%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約40%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約50%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約60%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約70%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約80%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約90%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約95%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約99%超である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約40%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約50%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約60%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約70%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約80%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約85%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約90%~約99%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約30%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約40%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約50%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約60%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約70%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約80%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約85%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。一部の実施形態では、抗菌複合体は、75%相対湿度における放出速度が、99%相対湿度における放出速度の約90%~約95%の間である場合、湿気により活性化されたとみなされる。非限定的な実施形態では、前述の湿度応答の特徴は、抗菌複合体から、抗菌薬、テルペン、グアヤコール誘導体、フェニルプロパノイド、オイゲノール、および酢酸オイゲニルのうちの少なくとも1つを放出することに関する。非限定的な実施形態では、前述の湿度応答の特徴は、抗菌複合体から少なくともクローブ油およびクローブ抽出物を放出することに関する。
【0074】
一部の実施形態では、1つまたは複数の抗菌薬は、本明細書で論じられる送達材料中に保存され、その送達材料から放出され得る。例えば、抗菌薬が送達材料中に保存される場合、抗菌薬は、送達材料の内部表面(例えば、細孔表面)、送達材料の外側(例えば、粒子の外側表面)、またはその両方と会合することができる(例えば、吸着により)。非限定的な実施形態では、本明細書に記載される組成物の使用は、農産物の質および保存期間を改善するために使用することができる。例えば、農産物の質、保存期間、または価値は、病原体および害虫、例えば酵母、真菌、細菌、および動物の害虫の成長、ホメオスタシス、生殖、栄養、または他の必須の生命プロセスを阻害することによって維持され得る。一実施形態では、抗菌薬は、1つまたは複数の抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗バクテリア剤、抗病原体剤、殺生物剤、殺有害生物剤、防腐剤、またはバイオ農薬剤としての適用において有効性を有する1つまたは複数の化合物である。抗菌薬は、1つまたは複数のウイルス、真菌、微生物、細菌、病原体、害虫、または昆虫の成長または出芽を緩徐または阻害し得る。抗菌薬は、1つまたは複数のウイルス、真菌、微生物、細菌、病原体、害虫、または昆虫の成長を緩徐または阻害することによって、例えば農業生産物(農産物としても公知)の胞子または内生胞子の数によって測定される潜在性病原体含量を低減し得る。抗菌薬は、1つまたは複数のウイルス、真菌、微生物、細菌、病原体、害虫、または昆虫の作用によって引き起こされた身体的、生理的、生物学的、または外観に関する症状を低減し得る。抗菌薬は、農産物に対する1つまたは複数のウイルス、真菌、微生物、細菌、病原体、害虫、または昆虫の成長を緩徐もしくは阻害し、またはそれらの作用によって引き起こされた身体的、生理的、生物学的もしくは外観に関する症状を必要に応じて低減することによって、農業生産物の保存期間を延長し得る。本明細書に記載される製品およびプロセスは、収穫前または収穫後の農産物のいずれかに適用され得る。
【0075】
「農産物」は、本明細書において上述のように使用される場合、収穫前および収穫後の未処理および処理農業産物および園芸産物を含む農業産物および園芸産物を意味する。農産物の例として、それに限定されるものではないが、フルーツ、野菜、花、観賞植物、ハーブ、穀粒、種子、真菌(例えば、キノコ)およびナッツが挙げられる。加工農産物は、農産物の自然の状態または外観を修正する少なくとも1つの機械的、化学的、または物理的プロセスによって変えられた農産物を指す。潰された、カットされた、皮を剥かれた、角切りにされた、絞り出された、および刻まれた農産物は、加工農産物の非限定的な例である。農産物は、水耕により生育した植物を指すこともできる。
【0076】
非限定的な実施形態では、農産物は、ベリーを含む。送達材料および少なくとも1つの抗菌薬を含む組成物は、それに限定されるものではないが、例えば、ストロベリー、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、エルダーベリー、セイヨウスグリ、ゴールデンベリー、グレープ、シャンパングレープ、コンコードグレープ、レッドグレープ、ブラックグレープ、グリーングレープ、およびグローブグレープを含むベリーの保存期間を延長するために使用され得る。一実施形態では、蒸気相中の抗菌薬は、ベリーに対する1つまたは複数のウイルス、真菌、微生物、細菌、病原体、害虫、または昆虫の成長を必要に応じて緩徐もしくは阻害し、またはそれらの作用によって引き起こされた身体的、生理的、生物学的もしくは外観に関する症状を必要に応じて低減することによって、ベリーの保存期間を延長する。
【0077】
非限定的な実施形態では、農産物は、野菜を含む。本明細書に記載される組成物によって処理され得る野菜の例として、それに限定されるものではないが、緑色葉野菜、例えばレタス(例えば、Lactuea sativa)、ホウレンソウ(Spinaca oleracea)およびキャベツ(Brassica oleracea);様々な根、主根、塊茎、根茎、および鱗茎、例えばジャガイモ(Solanum tuberosum)、サツマイモ、ヤムイモ、タロイモ、ニンジン、キャッサバ、ダリア、タマネギ(Allium種)、エシャロット、カブ(brassica rapa)、ショウガ(Zingiber officinale)、およびキャロット(Daucus);ハーブ、例えばバジル(Ocimum basilicum)、オレガノ(Origanum vulgare)およびディル(Anethum graveolens);ならびにダイズ(Glycine max)、リママメ(Phaseolus limensis)、サヤインゲン(Phaseolus vulgaris)、エンドウマメ(Lathyrus種)、トウモロコシ(Zea mays)、ブロッコリー(Brassica oleracea italica)、カリフラワー(Brassica oleracea botrytis)およびアスパラガス(Asparagus officinalis)が挙げられる。
【0078】
非限定的な実施形態では、農産物は、フルーツを含む。本明細書に記載される組成物によって処理され得るフルーツの例として、それに限定されるものではないが、トマト(Lycopersicon esculentum)、リンゴ(Malus domestica)、バナナ(Musa sapientum)、チェリー(Prunus avium)、ブドウ(Vitis vinifera)、セイヨウナシ(Pyrus communis)、パパイヤ(Carica papya)、マンゴー(Mangifera indica)、モモ(Prunus persica)、アプリコット(Prunus armeniaca)、ネクタリン(Prunus persica nectarina)、オレンジ(Citrus種)、レモン(Citrus limonia)、ライム(Citrus aurantifolia)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、タンジェリン(Citrus nobilis deliciosa)、キウイ(Actinidia.chinenus)、メロン、例えばカンタループ(C.cantalupensis)およびマスクメロン(C.melo)、ハネデュー、パイナップル(Aranae comosus)、柿(Diospyros種)およびラズベリー(例えば、FragariaまたはRubus ursinus)、ブルーベリー(Vaccinium種)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、Cucumis属の一員、例えばキュウリ(C.sativus)、スターフルーツ、ならびにアボカド(Persea americana)が挙げられる。
【0079】
非限定的な実施形態では、農産物は、例えば食品として消費される、または薬における真菌を含む。本明細書に記載される組成物によって処理され得る真菌の例として、それに限定されるものではないが、キクラゲ、シイタケ、ヒラタケ(およびPleurotus属の他の一員)、エノキタケ、Lactarius属の一員、アミガサタケ、トリュフ(Tuber属)、Agaricus bisporus、フクロタケ、アンズタケ、およびムラサキシメジが挙げられる。
【0080】
非限定的な実施形態では、農産物は、切り花または観賞植物を含む。本明細書に記載される組成物によって処理され得る観賞植物の例として、それに限定されるものではないが、鉢植え観葉植物および切り花が挙げられる。本発明の方法で処理され得る鉢植え観葉植物および切り花には、ツツジ(Rhododendron種)、アジサイ(Macrophylla hydrangea)、ハイビスカス(Hibiscus rosasanensis)、キンギョソウ(Antirrhinum種)、ポインセチア(Euphorbia pulcherima)、サボテン(例えば、Cactaceae schlumbergera truncata)、ベゴニア(Begonia種)、バラ(Rosa種)、チューリップ(Tulipa種)、スイセン(Narcissus種)、ペチュニア(Petunia hybrida)、カーネーション(Dianthus caryophyllus)、ユリ(例えば、Lilium種)、グラジオラス(Gladiolus種)、アルストロメリア(Alstroemaria brasiliensis)、アネモネ(例えば、Anemone bland)、オダマキ(Aquilegia種)、アラリア(例えば、Aralia chinesis)、アスター(例えば、Aster carolinianus)、ブーゲンビリア(Bougainvillea種)、カメリア(Camellia種)、ベルフラワー(Campanula種)、ケイトウ(Celosia種)、ヒノキ(Chamaecyparis種)、キク(Chrysanthemum種)、クレマチス(Clematis種)、シクラメン(Cyclamen種)、フリージア(例えば、Freesia refracta)、およびOrchidaceae科のランが含まれる。
【0081】
非限定的な実施形態では、農産物は、植物を含む。本明細書で記載される組成物によって処理され得る植物の例として、それに限定されるものではないが、綿麻(植物全体または植物の一部として)(Gossypium種)、ピーカン(Carva illinoensis)、コーヒー(Cofffea arabica)、ベンジャミン(Ficus benjamina)、およびトロピカルフルーツ、ならびにリンゴ、観賞植物、低木、および苗木を含む様々なフルーツの木などの休止状態の実生が挙げられる。さらに、本明細書に記載される組成物で処理され得る低木には、それに限定されるものではないが、イボタ(Ligustrum種)、カナメモチ(photinea)(Photina種)、セイヨウヒイラギ(Ilex種)、Polypodiaceae科のシダ、ヤドリフカノキ(Schefflera種)、アグラオネマ(Aglaonema種)、コトネアスター(Cotoneaster種)、メギ(Berberris種)、ヤマモモ(Myrica種)、アベリア(Abelia種)、アカシア(Acacia種)、およびパイナップル目(bromeliades)のBromeliaceae科が挙げられる。
【0082】
一実施形態では、抗菌薬は、抗バクテリア、抗真菌、抗藻類、抗ウイルス、カビ阻害剤、または殺虫および防虫特性を有するものなどの他の防止的もしくは治癒的特性を有する。一実施形態では、防腐剤には、抗酸化特性を有する天然または合成組成物が含まれ得る。これらの防腐剤は、腐りやすい物質、例えば農産物、肉製品、乳製品、食用物質、非食用物質、および他の腐りやすい物質のパッケージングおよび貯蔵などの適用に適したものであり得る。
【0083】
非限定的な実施形態では、抗菌薬は、エッセンシャルオイルを含む。非限定的な実施形態では、抗菌薬は、エッセンシャルオイルである。一部の実施形態では、エッセンシャルオイルは、抗バクテリアおよび/または抗真菌特性を提供する、検出可能な濃度のテルペンおよび/またはテルペノイドを有する。非限定的な実施形態では、抗菌薬は、テルペンまたはテルペノイドである。テルペンの非限定的な例として、任意の置換度を有する非環式および環式テルペン、モノテルペン、ジテルペン、オリゴテルペン、およびポリテルペンが挙げられる。非限定的な実施形態では、抗菌薬は、例えば、ハーブ、植物、木、または灌木由来の抽出物を含むエッセンシャルオイルである。非限定的な実施形態では、エッセンシャルオイルは、テルペン、テルペノイド、フェノール、またはフェノール化合物のうちの少なくとも1つを含む。エッセンシャルオイルおよびエッセンシャルオイル抽出物の非限定的な例として、チモール、クルクミン、カルバクロール、ローリエ葉油、レモングラス油、クローブ油、ペパーミント油、スペアミント油、ウィンターグリーン油、アカシア油、ユーカリプトール、リモネン、オイゲノール、メントール、ファルネソール、カルボン、ヘキサナール、タイム油、ディル油、オレガノ油、ニーム油、オレンジピール油、レモンピール油、ローズマリー油、またはクミンシード抽出物が挙げられる。非限定的な実施形態では、抗菌薬は、オレガノ油、タイム油、ヘキサナール、カルバクロール、チモール、サリチル酸メチル、オイゲノール、および酢酸オイゲニルのうちの少なくとも1つである。非限定的な実施形態では、マトリックスは、1つまたは複数のテルペンおよび/もしくはテルペノイドまたは他の植物学的活性剤を含む。例えば一部の実施形態では、マトリックスは、クローブ油、レモングラス油、バニラ油、バニラ抽出物、オイゲノール、酢酸オイゲニル、シトロネラル、ならびにバニリン、クルクミン、カルバクロール、ジャスモン酸メチルおよび誘導体、カルボン、ヘキサナール、タイム油、ディル油、オレガノ油、ニーム油、オレンジピール油、レモンピール油、クミンシード抽出物、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される抗菌薬を含む。当業者は、本明細書で記載されるマトリックスに組み込まれ得る他のエッセンシャルオイルならびに/またはテルペンおよびテルペノイドを認識されよう。
【0084】
一部の実施形態では、送達材料は、本明細書でより詳細に記載される通り、高表面積を有する固体である。一部の実施形態では、送達材料は、多孔性である。一部の実施形態では、送達材料は、ナノ多孔性である。多孔性材料の非限定的な例は、マクロ多孔性、メソ多孔性、および微孔性材料である。一部の実施形態では、多孔性および/またはナノ多孔性送達材料は、マクロポア、メソポア、およびマイクロポアの1つまたは複数を含む。非限定的な実施形態では、マクロポアは、直径50nm超を有する細孔である。例えば、マクロポアは、50~1000nmの間の直径を有することができる。非限定的な実施形態では、メソポアは、2nm~50nmの間の直径を有する細孔である。非限定的な実施形態では、マイクロポアは、2nm未満の直径を有する細孔である。例えば、マイクロポアは、0.2~2nmの間の直径を有することができる。
【0085】
一実施形態では、送達材料には、それに限定されるものではないが、ナノ多孔性、マクロ多孔性、微孔性もしくはメソ多孔性シリケート、または有機シリケートハイブリッドが含まれ得る。非限定的な実施形態では、送達材料は、砂の組成と区別できない元素組成を有する。一実施形態では、送達材料は、化学式SiOを有するシリカ粒子を含む。非限定的な実施形態では、化学式SiOを有するシリカ粒子を含む送達材料は、抗菌薬を保存および/または放出する。
【0086】
非限定的な実施形態では、マトリックスは、シリカ系材料である送達材料、および少なくとも1つの抗菌薬を含む。送達材料は、抗菌薬を保存および/または放出するために使用され得る。一部の実施形態では、抗菌薬は、マトリックスから放出される際、蒸気相または気相中に存在し得る。一部の実施形態では、マトリックスから、クローブ油が蒸気相または気相で放出される。一部の実施形態では、マトリックスから、クローブ抽出物が蒸気相または気相で放出される。一部の実施形態では、マトリックスから、オイゲノールが蒸気相または気相で放出される。一部の実施形態では、マトリックスから、酢酸オイゲニルが蒸気相または気相で放出される。一部の実施形態では、クローブ油またはクローブ抽出物を含むマトリックスは、湿気活性化の際にオイゲノールを放出する。一部の実施形態では、クローブ油またはクローブ抽出物を含むマトリックスは、湿気活性化の際に酢酸オイゲニルを放出する。
【0087】
非限定的な実施形態では、送達材料は、本明細書ではシリカ系送達材料とも呼ばれるシリケート材料である。シリカ系送達材料は、一般に、ケイ素原子およびケイ素原子に少なくとも一部が結合している酸素原子を含む。ケイ素原子および酸素原子は、シリカ系送達材料中に、例えば酸化ケイ素の形態で存在し得る。シリカ系送達材料には、例えば、二酸化ケイ素、シリケートの他の形態、およびそれらの組合せであるか、またはそれらを含む材料が含まれてもよい。シリカ系送達材料には、ケイ素原子および酸素原子に加えて、金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム(Al))などの他の材料が含まれ得る。一部の実施形態では、シリカ系送達材料中の重量によるケイ素原子の量は、少なくとも約1wt%、少なくとも約3wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約10wt%、または少なくとも約20wt%である。一部の実施形態では、シリカ系送達材料中の重量による酸素原子の量は、少なくとも約1wt%、少なくとも約3wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約10wt%、または少なくとも約20wt%である。ある特定の実施形態では、シリカ系送達材料におけるケイ素原子および酸素原子の全量は、少なくとも約1wt%、少なくとも約3wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約10wt%、少なくとも約20wt%、少なくとも約25wt%、少なくとも約30wt%、少なくとも約40wt%、少なくとも約50wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約70wt%、少なくとも約80wt%、少なくとも約90wt%、少なくとも約95wt%、または少なくとも約99wt%である。
【0088】
非限定的な実施形態では、送達材料(例えば、シリカ系送達材料)は、シリケートであるか、またはシリケートを含む。シリケートには、ネオシリケート、ソロシリケート、シクロシリケート、イノシリケート、フィロシリケート、および/またはテクトシリケートが含まれ得る。一部の実施形態では、送達材料の少なくとも約1wt%、少なくとも約3wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約10wt%、少なくとも約20wt%、少なくとも約25wt%、少なくとも約30wt%、少なくとも約40wt%、少なくとも約50wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約70wt%、少なくとも約80wt%、少なくとも約90wt%、少なくとも約95wt%、または少なくとも約99wt%は、シリケートから作製される。
【0089】
一部の実施形態では、送達材料の少なくとも約1wt%、少なくとも約3wt%、少なくとも約5wt%、少なくとも約10wt%、少なくとも約20wt%、少なくとも約25wt%、少なくとも約30wt%、少なくとも約40wt%、少なくとも約50wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約70wt%、少なくとも約80wt%、少なくとも約90wt%、少なくとも約95wt%、または少なくとも約99wt%は、二酸化ケイ素から作製される。
【0090】
シリカ系送達材料は、それに限定されるものではないが、マクロ多孔性、メソ多孔性、および微孔性シリカ系材料、非晶質シリカ、フュームドシリカ、あらゆるサイズの微粒子状シリカ、粉砕石英、微粒子、フュームド、結晶性、沈殿および粉砕二酸化ケイ素および関連誘導体、ならびにそれらの組合せを含む、様々な幾何形状およびフォーメーションであり得る。一部の実施形態では、シリカ系送達材料は、シリカゲル、または結晶を含まない沈殿シリカゲル(例えば、一般にCAS番号:112926-00-8によって示される)、または非晶質フュームド(結晶を含まない)シリカ(例えば、一般にCAS番号:112945-52-5によって示される)、またはメソ構造非晶質シリカ(例えば、一般にCAS番号:7631-86-9によって示される)を含む。一部の実施形態では、シリカ系送達材料は、さらに、金属酸化物、半金属酸化物、およびそれらの組合せの1つまたは複数を含む。例えば一部の実施形態では、シリカ系送達材料は、さらに、酸化亜鉛、酸化チタン、第13族または第14族酸化物、およびそれらの組合せの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、シリカ系送達材料は、さらに、酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウムの一部を含む。
【0091】
一部の実施形態では、シリカ系材料を含む送達材料は、シリカを含む。シリケート材料は、表面積、多孔度、表面官能化度、酸性度、塩基性度、金属含量、ならびに他の化学的および物理化学的特色に関して、多様な状態で商標的供給源から利用可能である。市販のシリケートは、粉末、顆粒、ナノスケール粒子、および多孔性粒子の形態であり得る。一部の実施形態では、送達材料は、シリカゲルを含む。一部の実施形態では、シリカ系送達材料は、シリカゲルを含む。一部の実施形態では、送達材料は、マクロポア、メソポア、およびマイクロポアの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、シリカ系送達材料は、マクロ多孔性、メソ多孔性、および微孔性シリカの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、送達材料は、結晶を含まない沈殿シリカゲル(例えば、一般にCAS番号:112926-00-8によって示される)を含む。一部の実施形態では、送達材料は、非晶質フュームド(結晶を含まない)シリカ(例えば、一般にCAS番号112945-52-5によって示される)を含む。一部の実施形態では、送達材料は、メソ構造非晶質シリカ(例えば、一般にCAS番号7631-86-9によって示される)を含む。非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、ポリシロキサン、ポリアルキルシロキサン、およびポリアルキレンシロキサン材料、ポリオキシアルキレン(polyoxoalkyelene)材料、金属酸化物、およびゼオライトの1つまたは複数を含む。
【0092】
非限定的な実施形態では、送達材料は、必要に応じて吸着修飾官能基を含む。吸着修飾官能基は、抗菌薬と送達材料の相互作用を修飾する任意の化学官能基であり、したがって、その化学官能基の導入は、(a)抗菌薬について送達材料の保存容量を増大もしくは低減し(その化学官能基を含まない送達材料の保存容量に対して)、または(b)送達材料からの抗菌薬の放出を加速もしくは減速する(その化学官能基を含まない送達材料からの抗菌薬の放出に対して)。このような修飾可能な相互作用には、それに限定されるものではないが、適切な抗菌薬の共有結合、配位結合、静電気的結合、ファンデルワールス結合、またはキレート可能な(chelative)結合が含まれる。吸着修飾官能基の非限定的な例は、グラフトによって送達材料に組み込まれた1つまたは複数の疎水性基、例えばトリメチルシリル官能基である。ここで、組成物をいかなる特定の理論にも、機序にも限定するものではないが、送達材料の孔隙に疎水性基または脂肪族基を含む吸着修飾官能基は、疎水性抗菌薬とのファンデルワールス相互作用を促進して、疎水性抗菌薬を安定化する一助になることが意図される。非限定的な実施形態では、送達材料は、2つ以上のタイプの吸着修飾官能基を含む。
シリカ系送達材料および製造方法の非限定的な例は、以下に提供される。
【0093】
吸着修飾官能基を含むシリカ系送達材料は、以下の方式で調製することができ、吸着修飾官能基は、トリメチルシリル官能基である。60Åの平均孔径および37~74μの円相当径(CED)の粒径分布を有するシリカゲル材料(Sigma-Aldrich、Davisil Grade 633、高純度)を購入することができる。10gの量のこの材料を、フラスコ中、無水トルエン250mLに不活性雰囲気下で懸濁させる。この混合物に、Alfa-Aesarから購入することができるトリメチルクロロシラン10mLを添加する。反応混合物を、18時間還流させて、トリメチルシリル官能基をシリカにグラフトする。次に、反応混合物を冷却し、固体を濾過によって回収し、ヘキサンで洗浄し、100℃のオーブンで乾燥させる。したがってこの手順により、親シリカゲルと類似の細孔径および表面積を有するが、例えば、非修飾親材料を含む疎水性抗菌薬が有するであろう化学ポテンシャルと比較して、疎水性抗菌薬を含むマトリックスの化学ポテンシャルを修飾する、脂肪族により修飾された壁を有する材料が得られる。
【0094】
非限定的な実施形態では、送達材料は、固体材料である。非限定的な実施形態では、多孔性送達材料は、高表面積材料でもある。いかなる特定の理論によっても、機序によっても制限されるものではないが、多孔性の高表面積材料は、原液の蒸発貯留力(evaporation retention)を超える揮発(例えば、抗菌)保持力を示す、それらの吸着能およびその吸着能から生じた十分な親和性に起因して、本願において有益である。非限定的な実施形態では、高表面積材料は、少なくとも約1m/gの、内部および外部の全化学的表面積を有する材料である。一部の実施形態では、高表面積材料は、少なくとも約10m/gの、内部および外部の全化学的表面積を有する材料である。一部の実施形態では、高表面積材料は、少なくとも約50m/gの、内部および外部の全化学的表面積を有する材料である。一部の実施形態では、高表面積材料は、少なくとも約90m/gの、内部および外部の全化学的表面積を有する材料である。一部の実施形態では、高表面積材料は、約400m/gを超える、内部および外部の全化学的表面積を有する材料である。一部の実施形態では、高表面積材料は、少なくとも約500m/gの、内部および外部の全化学的表面積を有する材料である。一部の実施形態では、高表面積材料は、約1000m/gを超える、内部および外部の全化学的表面積を有する材料である。一部の実施形態では、高表面積材料は、約2000m/gを超える、内部および外部の全化学的表面積を有する材料である。「内部および外部の全化学的表面積」、「化学的表面積」および「表面積」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。当業者は、材料(例えば、多孔性材料)が、例えばISO9277基準によって所与の温度で真空に曝露される場合、例えば窒素または希ガス脱着のBrunauer-Emmett-Teller(BET)分析を使用して、内部および外部の全化学的表面積を決定するための方法を承知されよう。
【0095】
非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約50~約1500m/gの範囲の表面積を有する。非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約100~約1500m/gの範囲の表面積を有する。非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約250~約1000m/gの範囲の表面積を有する。非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約300~約1200m/gの範囲の表面積を有する。非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約350~約850m/gの範囲の表面積を有する。非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約400~約800m/gの範囲の表面積を有する。非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約400~約600m/gの範囲の表面積を有する。非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約450~約650m/gの範囲の表面積を有する。非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約600~約800m/gの範囲の表面積を有する。非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約620~約820m/gの範囲の表面積を有する。
【0096】
非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約5Å~約100Åの間、約20Å~約100Åの間、約30Å~約90Åの間、約40Å~約100Åの間、約40Å~約80Åの間、約40Å~約70Åの間、約40Å~約75Åの間、約40Å~約65Åの間、約50Å~約75Åの間、約50Å~約65Åの間、約55Å~約65Åの間、または約57Å~約63Åの間の平均孔径を有する(例えば、Barrett、Joyner、およびHalendaの方法によって、ASTM規格試験法D4641-17において測定される場合)。いかなる特定の理論にも、操作方法にも限定されるものではないが、一般に、抗菌薬分子のサイズに対して細孔が大きいほど、製品の湿気によって駆動された放出態様が低減し(すなわち、湿度感受性が低くなる)、固定細孔容積を前提として、細孔が小さいほど湿度感度が高くなると考えられる。さらに、抗菌薬分子が十分に容易な方式で細孔に入ることができないほど細孔が十分に小さくなるとこの傾向は止まると考えられる。
【0097】
非限定的な実施形態では、シリカ系送達材料は、約0.1mL/g~約1.5mL/gの間、約0.3mL/g~約1.3mL/gの間、約0.5mL/g~約1.5mL/gの間、約0.5mL/g~約1.3mL/gの間、約0.5mL/g~約1.0mL/gの間、約0.5mL/g~約0.9mL/gの間、約0.6mL/g~約1.0mL/gの間、約0.6mL/g~約0.9mL/gの間、約0.6mL/g~約0.8mL/gの間、約0.7mL/g~約1.0mL/gの間、約0.8mL/g~約1.0mL/gの間、約0.8mL/g~約1.5mL/gの間、約0.9mL/g~約1.5mL/gの間、または約0.9mL/g~約1.3mL/gの間の内部空隙容量を含む材料である。「内部空隙容量」および「細孔容積」という用語は、交換可能に使用され得る。細孔容積または内部空隙容量は、固体材料によって占められていない固体のバルク体積の画分として定義される。シリカ系送達材料の場合、細孔容積または内部空隙容量は、シリカ系バルク材料に流体を注入し、次に、固体の存在および非存在の間で体積(液体の場合)または圧力(気体の場合)の差を測定することによって測定することができる。当業者は、水銀多孔度がこの目的で使用され得ることを理解されよう。
【0098】
マトリックスを生成するために抗菌薬を用いる送達材料の調製、ローディング、または充填は、例えば、それに限定されるものではないが、送達材料を、純粋液体抗菌薬と直接的に接触させること、送達材料を、抗菌薬を含有する任意の種類の溶液と直接的に接触させること、送達材料を、純粋気体形態の抗菌剤と直接的に接触させること、送達材料を、抗菌薬を含有する気体混合物と直接的に接触させること、送達材料を、蒸気相中の抗菌薬と直接的に接触させること、送達材料を、蒸気相中に抗菌薬を含有する気体混合物と直接的に接触させることによって、実施され得る。
【0099】
マトリックスは、パケット、パウチ、小袋、またはパッド内に含有された粉末において見られるような遊離材料として利用することができる。あるいは、マトリックスは、ポリマー構造、例えば、不織布、織布、編物、コーティング基材、含侵基材、紙、段ボール紙、紙製品、紙誘導体、織物、セルロース、木質繊維、抗菌複合体を形成するための他の繊維、フィルム、布、およびコーティングであってよい、分散媒などの構造に組み込まれ得る。一部の実施形態では、マトリックスは、圧縮成型、押出し、射出成型、吹込成型、乾式紡糸、溶融紡糸、湿式紡糸、溶液キャスティング、スプレー乾燥、溶液紡糸、フィルムブローイング、カレンダー仕上げ(calendaring)、回転成型、粉末射出成型、チクソモールディング、および他の様々な方法によって構造に組み込まれ得る。構造へのマトリックスの組込みは、材料の適用性もしくは処理性を増強し、かつ/または抗菌薬を、例えば商業的に有効な方式で食品に施用するのに必要な費用、労力もしくは時間を低減し得る。
【0100】
非限定的な実施形態では、マトリックスは、構造または形状因子の内側にシールされることによって、その構造または形状因子に組み込まれる。非限定的な実施形態では、構造または形状因子は、食品に使用しても安全な非吸収性の通気性(必ずしも必要ではないが多孔性)の1つまたは複数である材料から構成される。非限定的な実施形態では、食品に使用しても安全な非吸収性の通気性(必ずしも必要ではないが多孔性)の構造の1つまたは複数は、小袋を含む。非限定的な実施形態では、小袋は、多孔性である。一実施形態では、送達材料は、抗菌薬を装薬された後に蒸着され、小袋にシールされる。例えば、小袋は、マトリックスを小袋内に蒸着し、次に小袋をシールすることによって調製され得る。
【0101】
非限定的な実施形態では、小袋材料は、ポリプロピレン材料、ポリエチレン材料(例えば、TYVEK(商標))、およびセルロース系材料の1つを含む。非限定的な実施形態では、小袋材料のGurley Hill多孔度測定値は、45~60秒/100cm-inである。
【0102】
抗菌複合体を含む構造は、その中に分散させられたまたは組み込まれた、ある特定の粒径分布のマトリックスを含み得る。いかなる特定の理論によっても、機序によっても制限されるものではないが、固定質量の送達材料について、粒径の変化が、例えば、抗菌薬の吸着およびその後の湿度の置換えに利用可能な送達材料の表面積の全量も変化させるので、ある特定の粒径が有益となり得る。さらに、抗菌複合体の構成成分としてのマトリックス材料の平均粒径が小さいほど(例えば、60μm未満)、抗菌複合体に粒子の粗さをもたらしにくく、したがって商業的により魅力的なので、有益である。例えば、いかなる特定の理論によっても、機序によっても制限されるものではないが、マトリックスの結合能は、固定質量の材料について粒径の低減に伴って増大することが見込まれる。非限定的な実施形態では、抗菌複合体は、約5μm~約250μmの間、約10μm~約150μmの間、約10μm~約40μmの間、約10μm~約50μmの間、約20μm~約40μmの間、約25μm~約45μmの間、約20μm~約50μmの間、約20μm~約60μmの間、約30μm~約150μmの間、約50μm~約150μmの間、約60μm~約120μmの間、約40μm~約65μmの間、約35μm~約75μmの間、約52μm~約75μmの間、約20μm~約80μmの間、約30μm~約80μmの間、または約10μm~約80μmの間の平均粒径(円相当径(CED)で決定される通り)を有するマトリックスを含む。本明細書で使用される場合、円相当径(CED)は、球相当径に等しく、このことは、多分散粒子、不規則形状粒子、またはそうでなければそれらの三次元形状が不確実である粒子について観察される等しい測定値をもたらし得る、球状物体の直径を意味する。当業者に認識される通り、CEDは、従来のふるい分け技術によって測定される。
【0103】
一部の実施形態では、抗菌複合体の紙は、1wt%~80wt%のマトリックスを含む。坪量は、表面積の関数としての抗菌複合体(例えば、紙、シート、プラスチック、または他の本質的に二次元の物体)の重量の尺度であり、既知の面積の材料を秤量することによって測定される。例えば、材料の坪量を変えることは、シートの密度、シートの厚さ、またはその両方を変えることを意味する。非限定的な実施形態では、抗菌複合体は、約10g/m~約1300g/mの間、約10g/m~約25g/mの間、約15g/m~約1300g/mの間、約15g/m~約30g/mの間、約15g/m~約50g/mの間、約15g/m~約80g/mの間、約15g/m~約100g/mの間、約25g/m~約1300g/mの間、約25g/m~約100g/mの間、約50g/m~約150g/mの間、約80g/m~約150g/mの間、約100g/m~約500g/mの間、約100g/m~約300g/mの間、約100g/m~約200g/mの間、約90g/m~約150g/mの間、約250g/m~約750g/mの間、約500g/m~約800g/mの間、または約750g/m~約1300g/mの間の坪量を有する。非限定的な実施形態では、抗菌複合体の紙は、約10g/m~約1300g/mの間、約10g/m~約25g/mの間、約15g/m~約1300g/mの間、約15g/m~約30g/mの間、約15g/m~約50g/mの間、約15g/m~約80g/mの間、約15g/m~約100g/mの間、25g/m~約1300g/m、約25g/m~約100g/mの間、約50g/m~約150g/mの間、約80g/m~約150g/mの間、約100g/m~約500g/mの間、約100g/m~約300g/mの間、約100g/m~約200g/mの間、約90g/m~約150g/mの間、約250g/m~約750g/mの間、約500g/m~約800g/mの間、または約750g/m~約1300g/mの間の坪量を有する。一実施形態では、抗菌複合体の紙は、セルロースを含む。当業者は、抗菌複合体の紙が、パッケージング挿入物を得るために、すき合わせ(multi-ply)または波形(corrugated)系で一緒に形成され得ることを認識されよう。
【0104】
一部の実施形態では、抗菌複合体の紙は、ノギスによって測定される場合、0.001~0.05インチの厚さを有することができる。一部の実施形態では、抗菌複合体の紙は、ノギスによって測定される場合、約0.01~約0.03インチの間、または約0.01~約0.03インチの間、または約0.01~約0.025インチの間、または約0.02~約0.025インチの間、または約0.022~約0.025インチの間の厚さを有することができる。一部の実施形態では、抗菌複合体の紙は、ASTM D828ガイドラインを利用して構造的不良に必要な力によって測定される場合、0.1~10kg/インチの引張強度を有することができる。一部の実施形態では、抗菌複合体の紙は、引張試験中にその調製された長さの0.1~5%の間、伸張することができる。一部の実施形態では、抗菌複合体の紙は、Gurley(商標)密度計(densiometer)を使用して測定される場合、0.1~10秒/空気400ccの通気性、または1~5秒/空気400ccの通気性、または2~4秒/空気400ccの通気性、または3~4秒/空気400ccの通気性を有することができる。当業者は、抗菌複合体の紙が、従来の物理的紙処理技術によって調製され得ることを認識されよう。
【0105】
マトリックスまたは抗菌複合体は、例えば、防湿パッケージングで保存または輸送することができる。一部の実施形態では、マトリックスまたは抗菌複合体は、密閉シールされているパッケージングで輸送することができる。一実施形態では、マトリックスは、酸素不透過性パッケージングで保存または輸送される。一実施形態では、抗菌複合体は、水蒸気(例えば、気相中の水)不透過性パッケージングで保存または輸送される。一実施形態では、抗菌複合体は、酸素不透過性パッケージングで保存または輸送される。一実施形態では、マトリックスは、水蒸気不透過性パッケージングで保存または輸送される。
【0106】
一実施形態では、マトリックスが湿気により活性化されて、抗菌薬を放出する。一実施形態では、抗菌複合体が湿気により活性化されて、抗菌薬を放出する。一実施形態では、抗菌複合体の紙が湿気により活性化されて、抗菌薬を放出する。一実施形態では、マトリックスまたは抗菌複合体は、マトリックスまたは抗菌複合体に曝露される相対湿度%がそれぞれ増大するにつれて、少なくとも1つの抗菌薬(または代表的な活性揮発物)の放出速度が加速される場合、湿気により活性化されたとみなされる。
【0107】
一部の実施形態では、マトリックスまたは抗菌複合体と接触し、1つまたは複数の抗菌薬の湿気活性化をもたらす(例えば、湿気により活性化された放出をもたらす)相対湿度は、約50%~約100%の間の相対湿度、または約55%~約100%の間の相対湿度、または約60%~約100%の間の相対湿度、または約65%~約100%の間の相対湿度、または約70%~約100%の間の相対湿度、または約75%~100%の間の相対湿度、または約80%~約100%の間の相対湿度、または約85%~約100%の間の相対湿度、または約90%~約100%の間の相対湿度、または約95%~約100%の間の相対湿度である。一部の実施形態では、マトリックスまたは抗菌複合体と接触し、1つまたは複数の抗菌薬の湿気活性化をもたらす(例えば、湿気により活性化された放出をもたらす)水蒸気の温度は、約-18℃~約0℃、-18℃~約15℃、-18℃~約25℃、-18℃~約40℃、約-5℃~約15℃、約-1℃~約15℃、約0℃~約15℃、または約5℃~約10℃である。
【0108】
これらおよび他の態様は、本発明のある特定の実施形態を例示することを企図されるが、特許請求の範囲によって定義される通り、その範囲を制限することを企図されない以下の実施例を考慮する際にさらに認識されよう。
【実施例
【0109】
マトリックスの製造
少なくとも1つの活性成分を含む、湿気により活性化されるマトリックスを製造するための例示的プロセスの非限定的な一例を記載する。シリカゲル(粉末形態)、例えばDavisil 633(孔径60Å、37~74μm(のCED)の平均粒径、Sigma-Aldrichから得ることができる)を、抗菌薬をシリカゲル粉末と容易に混合することができる容器に入れる。クローブ油(例えば、FCC、FG、>80%オイゲノールを含有、Sigma Aldrichから得ることができる)75gを、シリカ粉末675gに添加する。クローブ油をシリカ粉末に添加するときに、クローブ油とシリカ粉末が確実に均一に接触するように注意を払う。油とシリカ粉末の均一な接触は、例えば、シリカ粉末の充填床を形成し、単一の一定分量の油をその床の上部に入れ、すべてのシリカ粒子が均一にコーティングされるまで、油を床に浸透させることによって達成することができる。この目的では、パックされた縦型の床を使用することができ、必要に応じて、圧縮空気源を使用して、油の浸透を促進することができる。これにより、10wt%のクローブ油を含むマトリックスが得られる。続いて、シリカ粉末においてレモングラス油およびバニラ抽出物を用いて同じ方法を行って、それぞれ10wt%のレモングラス油(例えば、天然、FG、East Indian、Sigma Aldrich)および10wt%のバニラ抽出物(例えば、80%エタノール、Cook製バニラ抽出物)を含むマトリックスを得る。当業者に認識される通り、先の手順を、任意のエッセンシャルオイルまたは植物抽出物を用いて反復して、同じ効果を達成することができる。当業者に認識される通り、マトリックスにおいて異なる必須の重量パーセントを達成するために、異なる出発重量のエッセンシャルオイルおよび送達材料を使用することができる。
【0110】
所望の重量パーセンテージの2つ以上の活性成分を含むマトリックスの混合物を調製するために、既知の濃度の異なるエッセンシャルオイルを含むマトリックスを組み合わせることができ、必要に応じて希釈剤材料を添加することができる。例えば、3wt%のクローブ油、3wt%のバニラ抽出物、および1wt%のレモングラス油を含むマトリックスを、以下の方式で作製することができる。マトリックス100gごとに、10wt%のクローブ油マトリックス30g、10wt%のバニラ抽出物マトリックス30g、および10wt%のレモングラス油マトリックス10gを、シリカ粉末希釈剤材料30gと組み合わせる。この混合物を、撹拌棒を用いて手作業で一緒にかき混ぜ、次に均一な自由流動性の組合せを得るために、反転器内で60分間回転させる。得られたマトリックスは、全活性成分濃度7wt%について、3wt%のクローブ油、3wt%のバニラ抽出物、および1wt%のレモングラス油を含有する。当業者に認識される通り、最終的なマトリックスにおいて異なる必須の重量パーセンテージを達成するために、異なる出発重量のマトリックスを使用することができる。
抗菌複合体の製造
【0111】
抗菌薬を含む抗菌複合体の紙を製造するための例示的プロセスの非限定的な一例を記載する。3wt%のクローブ油、3wt%のバニラ抽出物、および1wt%のレモングラス油を含む前述のマトリックスを、セルロース分散媒に分散させて、抗菌複合体の紙を形成する。抗菌複合体の紙は、高パーセンテージの水(例えば、>94%wt)にセルロースパルプおよびマトリックスをバッチ方式で分散させることによって作製することができる。従来の製紙において公知の通り、セルロースパルプは、マトリックスを有効に封入し、必要なシートの特徴を備えるための長さおよび繊維化特徴を有するように選択される。セルロースパルプ、マトリックス、および水の混合物を、移動する多孔性ベルト上に均一なやり方でストック流を有効に分布させるヘッドボックスに、連続的に送達する。水を、自然重力排水を使用して順送り方式で除去し、続いて従来の製紙で公知の通り、形成ベルトの裏面に真空を適用する。次に、40~60wt%の水を含有するウェットウェブを、プレスセクションを通して送って、シートの密度を高め(density)、水をさらに除去する。次に、ウェットウェブを従来の熱乾燥セクション(例えば、>300°F)に送り、そこで残りの水を除去する。得られた紙は、<5wt%の水を含有する。抗菌複合体の製紙プロセスでは、広範な設計特徴を有するシートを生成することができる。
【0112】
様々な組成物の一部の非限定的な具体例を、以下に提供する。
【0113】
試料1:3wt%のクローブ油、3wt%のバニラ抽出物(80%エタノール、Cook製バニラ抽出物)、および1wt%のレモングラス油(天然、FG、East Indian、Sigma Aldrich)を含有するマトリックス材料を、以下の方式で調製した。パックされた縦型の床におけるシリカゲル材料(Davisil 633、細孔径60Å、平均円相当径粒径37~74μm(のCED)の平均粒径、Sigma Aldrich)90gの、パックされた床の上部に、単一の一定分量のクローブ油(FCC、FG、>80%オイゲノール、Sigma Aldrich)10gを添加した。これにより、10wt%のクローブ油を有するマトリックスを生成する。続いて、10wt%のバニラ抽出物(80%エタノール、Cook製バニラ抽出物)を有するマトリックスおよび10wt%のレモングラス油(天然、FG、East Indian、Sigma Aldrich)を有するマトリックスを調製するために、同じ手順を行った。10wt%のクローブ油マトリックス30g、10wt%のバニラ抽出物マトリックス30g、および10wt%のレモングラス油マトリックス10gを、追加のシリカゲル30gと混合して、マトリックス100gを調製した。最初に、異なるエッセンシャルオイルを含むマトリックスを、手作業で混合した。次に、混合物を瓶に入れ、反転器内で60分間回転させた。得られた材料は、全7wt%のエッセンシャルオイル抗菌薬について、3wt%のクローブ油、3wt%のバニラ抽出物、および1wt%のレモングラス油を含有していた。
【0114】
試料2:試料1のマトリックスを含有する抗菌複合体の紙を、試料1をセルロース繊維材料に組み込むことによって調製した。その紙は、水浴中、重量で50%のセルロース繊維および50%の試料1を混合することによって調製した(>94%wtの試料1およびセルロース繊維の組合せ)。セルロース繊維および試料1の混合物を押し出し、ロール-ツー-ロール処理機上で300°Fの温度で乾燥させた。最終的な材料は、紙の12×12’’シートにつきマトリックス6.2gまたはおよそ118.3g/mの全坪量を含有していた。
【0115】
試料3:13wt%のクローブ油を含有するマトリックス材料を、以下の方式で調製した。ドラム内のシリカゲル材料(Silicycle、細孔径60Å、20~45μm(のCED)の平均粒径)25kgに、ドラムの上部からクローブ油(FCC、FG、Lebermuth)3.2kgを10分かけて添加した。次に、混合物をミキサー内で30分間回転させた。得られたマトリックス材料は、13wt%のクローブ油を含有していた。
【0116】
試料4:試料3のマトリックスを含有する抗菌複合体の紙を、試料3をセルロース繊維分散媒に組み込むことによって調製した。その紙は、水浴中、重量で58%のセルロース繊維分散媒および42%の試料3を混合することによって調製した(>94%wtの試料3およびセルロース繊維の組合せ)。セルロース繊維および試料3の混合物を押し出し、ロール-ツー-ロール処理機上で300°Fの温度で乾燥させた。最終的な材料は、抗菌複合体の紙の12×12’’シートにつきマトリックス6.6gまたはおよそ196g/mの全坪量を含有していた。試料4の抗菌複合体の紙は、0.096wt%の抗菌薬および38wt%の送達材料(すなわち試料3)を含んでいた。
【0117】
試料5:試料3と同じ方法によって、より大きいシリカゲル材料(Silicycle、細孔径60Å、平均円相当径粒径40~63μm(のCED)の平均粒径)を使用して調製したマトリックスを含有する抗菌複合体の紙を、このマトリックスをセルロース繊維材料に組み込むことによって調製した。その紙は、水浴中、重量で58%のセルロース繊維および42%のマトリックスを混合することによって調製した(>94%wtのマトリックスおよびセルロース繊維の組合せ)。セルロース繊維および試料3の混合物を押し出し、ロール-ツー-ロール処理機上で300°Fの温度で乾燥させた。最終的な抗菌複合体材料は、抗菌複合体の紙の12×12’’シートにつきマトリックス6.2gまたはおよそ186g/mの全坪量を含有していた。試料5の抗菌複合体の紙は、0.013wt%の抗菌薬および38wt%の送達材料(すなわち試料3)を含んでいた。
【0118】
試料1からの放出試験-抗菌薬の放出速度、75%相対湿度。
【0119】
試料1からの抗菌薬の放出を、水素炎イオン化型検出器を備えたガスクロマトグラフ(GC)を用いて測定される場合、50mgの試料1を含有するシールしたバイアルのヘッドスペース分析を使用して決定した。マトリックスを、小型バイアル(例えば、2ドラムバイアル)に入れ、次にその小型バイアルをより大型のバイアル(例えば、10mLの琥珀色バイアル)に入れ子にした。マトリックスが水と直接的に接触しないように、21℃において75%相対湿度に対応する溶液を、ピペットによってより大型のバイアルにロードした。TEFLON(登録商標)ライナーを有するスクリューキャップを、より大型のバイアルにねじ止めし、そのバイアルをパラフィンワックスでシールして、漏出を防止した。この実験では、「ゼロ時間」は、溶液をより大型のバイアルにロードした後、バイアルキャップを封鎖した瞬間として定義した。GCオーブン温度を200℃に設定した。オイゲノールについてのGCピークの面積を、真性オイゲノール標準(99%、Sigma Aldrich)の既知の面積と比較することによって較正して、抗菌薬の放出を決定した。放出実験中、試料を、大気圧において21℃で保存した。
【0120】
75%相対湿度における48時間にわたる放出速度を、以下の表4に示す。放出速度は、マトリックスの湿度応答の特徴を測定するための放出試験について既に論じられている方法に従って計算した。複数の抗菌薬が、試料1から出現したものとして検出されたが、材料からの抗菌薬の放出は、関連する活性揮発物であるオイゲノールの関数として報告される。試料1からのオイゲノールの放出を、同じプロトコールを用いて機器に注入した既知の量のオイゲノールを使用して較正した。
【表4】
【0121】
試料2からの放出試験-異なる相対湿度を使用して放出を速度として報告した。
【0122】
試料2からの抗菌薬の放出を、水素炎イオン化型検出器を備えたガスクロマトグラフ(GC)を用いて測定される場合、150mgの試料2を含有するシールしたバイアルのヘッドスペース分析を使用して決定した。抗菌複合体を、小型バイアル(例えば、2ドラムバイアル)に入れ、次にその小型バイアルをより大型のバイアル(例えば、10mLの琥珀色バイアル)に入れ子にした。GCによって測定した関連する活性揮発物ごとに、前述の通り構築した別々のバイアルを使用して、4つの異なる放出試験を実施した。1.21℃において15%相対湿度に対応する溶液を、ピペットによってより大型のバイアルにロードした。2.21℃において33%相対湿度に対応する溶液を、ピペットによってより大型のバイアルにロードした。3.21℃において75%相対湿度に対応する溶液を、ピペットによってより大型のバイアルにロードした。4.21℃において99%相対湿度に対応する溶液を、ピペットによってより大型のバイアルにロードし、抗菌複合体の紙が水と直接的に接触しないように、各溶液をロードした。TEFLON(登録商標)ライナーを有するスクリューキャップを、より大型のバイアルにねじ止めし、そのバイアルをパラフィンワックスでシールして、漏出を防止した。この実験では、「ゼロ時間」は、溶液をより大型のバイアルにロードした後、バイアルキャップを封鎖した瞬間として定義した。GCオーブン温度を200℃に設定した。酢酸オイゲニルについてのGCピークの面積を、有効な炭素数概念(ScanlonおよびWillis、1985)と組み合わせて、真性オイゲノール標準(99%、Sigma Aldrich)の既知の面積と比較することによって、公知の方法を使用して較正して、抗菌薬の放出を決定した。放出実験中、試料を、大気圧において21℃で保存した。
【0123】
それぞれ異なる相対湿度における48時間にわたる放出速度を、以下の表5~8に示す。放出速度は、抗菌複合体の湿度応答の特徴を測定するための放出試験について既に論じられている方法に従って計算した。複数の抗菌薬が、試料2から出現したものとして検出されたが、材料からの抗菌薬の放出は、関連する活性揮発物である酢酸オイゲニルの関数として報告される。
【表5】
【表6】
【表7-1】
【表7-2】
【表8】
【0124】
少なくともこれらの実験から、紙試料が湿気により活性化されて、抗菌薬を放出することが明らかである。例えば、24.5時間目における抗菌薬の放出速度は、相対湿度%の増大と共に増大する。
試料2による農産物有効性試験-クラムシェルにパックされたラズベリーにおけるin vivo病害の低減
【0125】
農産物に対する試料2からのエッセンシャルオイルの放出の効果を研究するために、クラムシェルにパックされたラズベリーで研究を実施した。カリフォルニア州ワトソンビル(Wastonville)において4日前に標準8オンスクラムシェルにパックされた市販のラズベリーを、シカゴ卸売市場から得た。実験開始前に、目に見える病害徴候を既に示しているすべてのクラムシェルを、別のパックアウトからの新しいクラムシェルと交換して、真菌発生率の潜在的偏りを排除した。平箱(flat)における偏りをさらに排除するために、実験開始前にすべてのクラムシェルを取り出し、すべての平箱に無作為に分けた。
【0126】
処理したラズベリーの組について、試料2の紙の1枚または2枚のいずれかのシートを、クラムシェル底部に入れ、その紙の上にラズベリーを置いた。処理した組のそれぞれにおいて、それぞれ処理したクラムシェル12個を含有する、ラズベリーの平箱5個のT1(試料2のシート1枚)およびT2(試料2のシート2枚)を研究した。対照(未処理)ラズベリークラムシェルは、抗菌複合体の紙を含有していなかった。対照の組では、それぞれクラムシェル12個を含有するラズベリーの平箱5個を研究した。
【0127】
有効性試験中、ラズベリーを34°Fおよび99%相対湿度で7日間保持し、続いて44°Fおよび86%相対湿度で2日間保持した。各クラムシェルは、6つの面のそれぞれが技術者によって個々に検査された。各クラムシェルを開いた。ベリーは、直接的には接触されず、取り扱われることもなかった。目に見える任意の真菌を不合格と示した。真菌なしのクラムシェルを合格と示した。8日目に、T1は、未処理対照に対して感染(不合格)クラムシェルの数の12%の低減を示し、T2は、未処理対照に対して感染(不合格)クラムシェルの数の20%の低減を示した。少なくともこれらの結果から、試料2の湿気により活性化された紙による抗菌薬の放出は、パックされた市販のラズベリーにおける病害の増殖を低減するのに十分である。
【0128】
8日目に、ベリーの完全な平箱2個に相当するおよそ750個のベリーを、各試料の組から計数した。以下の表9は、クラムシェル1個当たりの感染したベリーの平均数を示す。
【表9】
【0129】
少なくとも表9から、クラムシェル1個当たりに基づく感染率が、T1レベルの試料2の適用時には33%低減し、T2レベルの試料2の適用時には56%低減することが示される。
試料4による農産物有効性試験-クラムシェルにパックされたラズベリーにおけるin vivo病害の低減
【0130】
農産物に対する試料4からのエッセンシャルオイルの放出の効果を研究するために、クラムシェルにパックされたラズベリーで研究を実施した。メキシコにおいて7日前に標準8オンスクラムシェルにパックされた市販のラズベリーを、シカゴ卸売市場から得た。実験開始前に、目に見える病害徴候を既に示しているすべてのクラムシェルを、別のパックアウトからの新しいクラムシェルと交換して、真菌発生率の潜在的偏りを排除した。平箱における偏りをさらに排除するために、実験開始前にすべてのクラムシェルを取り出し、すべての平箱に無作為に分けた。
【0131】
処理したラズベリーの組について、試料4の抗菌複合体のシート1枚を、クラムシェル内側のラズベリーの上に置いた。これは、ベリーへの損傷を回避するように行った。処理した組のそれぞれにおいて、それぞれ処理したクラムシェル12個を含有する、ラズベリーの平箱5個を研究した。対照(未処理)ラズベリークラムシェルは、試料4の抗菌複合体を含有していなかった。対照の組では、それぞれクラムシェル12個を含有するラズベリーの平箱5個を研究した。
【0132】
有効性試験中、ラズベリーを34°Fおよび99%相対湿度で8日間保持した。各クラムシェルは、6つの面のそれぞれが技術者によって個々に検査された。各クラムシェルを開いた。ベリーは、直接的には接触されず、取り扱われることもなかった。目に見える任意の真菌を不合格と示した。真菌なしのクラムシェルを合格と示した。8日目に、試料4は、未処理対照に対して感染(不合格)クラムシェルの数の40%の低減を示した。少なくともこれらの結果から、試料4の湿気により活性化された紙による抗菌薬の放出は、パックされた市販のラズベリーにおける病害の増殖を低減するのに十分である。
【表10】
【0133】
8日目に、ベリーの完全な平箱1個に相当するおよそ350個のベリーを、各試料の組から計数した。以下の表11は、試験条件ごとに感染したベリーのパーセンテージを示す。
【表11】
【0134】
少なくとも表11から、感染率が、試料4の適用時には56%低減することが示される。
試料5による農産物有効性試験-クラムシェルにパックされたラズベリーにおけるin vivo病害の低減
【0135】
農産物に対する試料5からのエッセンシャルオイルの放出の効果を研究するために、クラムシェルにパックされたラズベリーで研究を実施した。メキシコにおいて7日前に標準8オンスクラムシェルにパックされた市販のラズベリーを、シカゴ卸売市場から得た。実験開始前に、目に見える病害徴候を既に示しているすべてのクラムシェルを、別のパックアウトからの新しいクラムシェルと交換して、真菌発生率の潜在的偏りを排除した。平箱における偏りをさらに排除するために、実験開始前にすべてのクラムシェルを取り出し、すべての平箱に無作為に分けた。
【0136】
処理したラズベリーの組について、試料5の紙のシート1枚を、クラムシェル内側のラズベリーの上に置いた。これは、ベリーへの損傷を回避するように行った。処理した組のそれぞれにおいて、それぞれ処理したクラムシェル12個を含有する、ラズベリーの平箱5個を研究した。対照(未処理)ラズベリークラムシェルは、抗菌複合体の紙を含有していなかった。対照の組では、それぞれクラムシェル12個を含有するラズベリーの平箱5個を研究した。
【0137】
有効性試験中、ラズベリーを34°Fおよび99%相対湿度で8日間保持した。8日目に、ベリーの完全な平箱1個に相当するおよそ350個のベリーを、各試料の組から計数した。以下の表12は、試験条件ごとに感染したベリーのパーセンテージを示す。
【表12】
【0138】
少なくとも表12から、感染率が、試料5の適用時には10.6%低減することが示される。
【0139】
先に提示された有効性試験の結果は、本明細書で論じられる通り、湿気により活性化された抗菌複合体の性能の商業的関連性を示している。
【0140】
本明細書に開示される組成物の利点は、その組成物が湿気により活性化され、それによって、例えば蒸気または水不透過型パッケージング内側におけるマトリックスまたは抗菌複合体の、非活性な状態での保存を容易にすることができるということである。商業的状況において保存された材料を開封し、それらを施用する際に、例えばベリーの標準保存条件、および呼吸によってベリーから生じる水が、マトリックスおよび/または抗菌複合体の湿気活性化をもたらし、したがって商業的状況において労務費を低減し、容易な使用を増強することができる。抗菌複合体を含むパッケージング挿入物は、ベリーのクラムシェルおよび他の食品パッケージングに容易に統合することができる。一実施形態では、抗菌薬は、有機栽培認証を受けている。
【0141】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書に記載し、例示してきたが、当業者には、その機能を実行し、かつ/あるいは本明細書に記載される結果および/または利点の1つもしくは複数を得るために、様々な他の手段および/または構造が容易に想定され、このような変形形態および/または修飾形態のそれぞれは、本発明の範囲内にあるとみなされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載されるすべてのパラメーター、寸法、材料、および構造が例示的であることを意味し、実際のパラメーター、寸法、材料、および/または構造が、本発明の教示が使用される具体的な1つまたは複数の適用に応じて決まることを容易に認識されよう。当業者は、単に日常的な実験方法を使用して、本明細書に記載される本発明の具体的な実施形態の多くの均等物を認識し、または確認することができよう。したがって、先の実施形態は、単に例示的に提示され、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、具体的に記載され、特許請求されているもの以外で実施され得ることが理解されるべきである。本発明は、本明細書に記載されるそれぞれ個々の特色、系、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。さらに、2つまたはそれよりも多いこのような特色、系、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組合せは、このような特色、系、物品、材料、キット、および/または方法が互いに矛盾しない場合には本発明の範囲内に含まれる。
【0142】
不定冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、それに反することが明確に示されない限り「少なくとも1つの」を意味すると理解されるべきである。
【0143】
「および/または」という句は、本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、そのようにして結合された要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、ある場合には接続的に存在し、他の場合には選言的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」節によって具体的に特定されている要素以外の他の要素は、具体的に特定されているそれらの要素と関係があろうとなかろうと、そうでないことが明確に示されない限り必要に応じて存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む(comprising)」などのオープンエンドな用語と併用される場合、一実施形態では、BなしのA(必要に応じてB以外の要素を含む)を指すことができ、別の実施形態では、AなしのB(必要に応じてA以外の要素を含む)を指すことができ、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(必要に応じて他の要素を含む)等を指すことができる。
【0144】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、「または」は、先に定義される通り、「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、「または」または「および/または」は、ある一覧の項目を分離する場合、包括であり、すなわちある数のまたは一覧の要素の少なくとも1つを含むが2つ以上も含み、必要に応じて列挙されていない追加の項目を含むものとして解釈されるものとする。反することを明確に示している用語だけ、例えば「のうちの1つだけ」もしくは「のうちの正確に1つ」、または特許請求の範囲において使用される場合、「からなる」は、ある数のまたは一覧の要素の正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、排他性を示す用語、例えば「いずれか」、「の1つ」、「の1つだけ」または「の正確に1つ」が先行している場合には、単に排他的代替(すなわち「一方または他方であるが、両方ではない」)を示すものとして解釈されるものとする。「から本質的になる」は、特許請求の範囲において使用される場合、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0145】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、1つまたは複数の要素の一覧に言及する「少なくとも1つ」という句は、要素の一覧における要素の任意の1つまたは複数から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、要素の一覧に具体的に列挙されているありとあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含む必要はなく、要素の一覧における要素の任意の組合せを除外しないと理解されるべきである。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が言及する要素の一覧において具体的に特定されている要素以外の要素が、具体的に特定されているそれらの要素と関係があろうとなかろうと、必要に応じて存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または、同等に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、必要に応じて2つ以上のAを含むがBは存在しない少なくとも1つのA(必要に応じてB以外の要素を含む)を指すことができ、別の実施形態では、必要に応じて2つ以上のBを含むがAは存在しない少なくとも1つのB(必要に応じてA以外の要素を含む)を指すことができ、さらに別の実施形態では、必要に応じて2つ以上のAを含む少なくとも1つのAおよび必要に応じて2つ以上のBを含む少なくとも1つのB(必要に応じて他の要素を含む)等を指すことができる。
【0146】
特許請求の範囲、ならびに先の本明細書において、すべての移行句、例えば「含む(comprising)」、「含む(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」等は、オープンエンドであり、すなわち、それに限定されるものではないが含む、を意味すると理解されるべきである。移行句「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」だけは、それぞれ、米国特許庁特許審査便覧、セクション2111.03に記載されている通り、クローズドまたはセミクローズド移行句であるものとする。
図1
図2
【国際調査報告】