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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】ターゲット照射用照明器具
(51)【国際特許分類】
   B41F 23/04 20060101AFI20220126BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220126BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20220126BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20220126BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20220126BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20220126BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220126BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220126BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20220126BHJP
【FI】
B41F23/04 B
F21S2/00 330
F21V5/00 510
F21V5/04 600
F21V17/00 200
F21V19/00 150
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y103:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532243
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 EP2019084394
(87)【国際公開番号】W WO2020120460
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】102018221729.7
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593129320
【氏名又は名称】ヘレーウス ノーブルライト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Noblelight GmbH
【住所又は居所原語表記】Heraeusstrasse 12-14, Hanau, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】グレード ヨヘン
(72)【発明者】
【氏名】デスグロンテ ヤネク
(72)【発明者】
【氏名】シュタール アンドレアス
【テーマコード(参考)】
2C020
3K011
3K013
【Fターム(参考)】
2C020CA00
2C020CB01
3K011HA03
3K011JA01
3K013AA06
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
(57)【要約】
ラッカーなどで印刷された印刷製品(3)などのターゲットを照射するための照明器具(1)は複数の半導体光源(11、12、13)を備え、少なくとも2つの第一の半導体光源(11)がラテラル方向(L)に配向された第一の光源ライン(21)を形成し、少なくとも2つの更なる半導体光源(12)が前記ラテラル方向(L)に配向された第二の光源ライン(22)を形成し、前記照明器具(1)は前記半導体光源(12、13、13)からの光をコリメートおよび/または集光するための複数の別個のレンズ(31、32、33)を備え、前記光源ライン(21、22)の各々が前記レンズ(31、32、33)の1つに割り当てられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラッカーなどで印刷された印刷製品(3)などのターゲットを照射するための照明器具(1)であって、前記照明器具(1)は複数の半導体光源(11、12、13)を備え、少なくとも2つの第一の半導体光源(11)がラテラル方向(L)に配向された第一の光源ライン(21)を形成し、少なくとも2つの更なる半導体光源(12)が前記ラテラル方向(L)に配向された第二の光源ライン(22)を形成し、
前記半導体光源(12、13、13)からの光をコリメートおよび/または集光するための複数の別個のレンズ(31、32、33)によって特徴付けられ、前記光源ライン(21、22)の各々が前記レンズ(31、32、33)の1つに割り当てられる、照明器具。
【請求項2】
前記第一のレンズ(31)および/または前記第二のレンズ(32、33)は、前記ラテラル方向(L)を、特に垂直に横切る横断方向(T)に、1つの光源ライン(21、22、23)のみの上に延在することを特徴とする、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記レンズ(31、32、33)は、ロッドレンズとして製造され、その前記ラテラル方向(L)の延長部は、前記ラテラル方向(L)を横切る横断方向(T)および/または前記ラテラル方向(L)を横切る放射方向(Z)よりも実質的に大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記レンズ(31、32、33)は、前記ラテラル方向(L)に一定のレンズ断面を有し、特に、前記レンズ断面は、円形、部分的に円形、より具体的には半円形のような形状、またはフレネルレンズのような形状であり、および/または前記レンズ(31、32、33)は、凸状もしくは凹状の円柱レンズまたはフレネルレンズのような形状であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
少なくとも1つのレンズ(31、32、33)は、少なくとも1つの平坦部分を備え、特に、前記平坦部分は前記レンズ(31、32、33)に沿って、前記ラテラル方向(L)に部分的に、または完全に延在する平坦な側面(35)を形成することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
少なくとも1つのレンズ、より具体的には、前記平坦部分が、前記少なくとも2つの半導体光源から10mm以下、5mm以下、1mm以下、または0.5mm以下、および/または少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、または少なくとも0.3mmの距離(a)、特に、0mmまたは0.4mmの距離(a)で、ビーム方向(Z)に配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
特に複数の部品からなる少なくとも1つのレンズホルダ(41、51、81)が少なくとも2つの第一のホルダ開口部(43、53、83)を有する少なくとも1つの第一のウェブ(42、52、82)と、少なくとも2つの第二のホルダ開口部(45、55、85)を有する第二のウェブ(44、54、84)とを備え、前記第二のウェブは、前記第一のウェブ(42、52、82)から前記ラテラル方向(L)に離間され、前記第一のレンズ(31)および前記少なくとも1つの第二のレンズ(32、33)は、少なくともそれぞれの前記第一のホルダ開口部(43、53、83)からそれぞれの光源ライン(21)を越えてそれぞれの前記第二のホルダ開口部(45、55、85)まで前記ラテラル方向(L)に延在すること、を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記照明器具は、前記少なくとも2つの半導体光源に対して前記レンズを位置決めするための少なくとも1つの調整手段(46、56、86)をさらに備え、前記調整手段は、前記レンズと、より具体的には前記平坦部分と、物理的接触、特に形状相補的な物理的接触をすることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記照明器具は、前記レンズホルダおよび/または前記半導体光源に対する前記レンズの前記ラテラル方向(L)の相対移動を防止するために、前記レンズと物理的に接触する少なくとも1つのラテラルホルダをさらに備え、特に、前記ラテラルホルダは、第一のラテラルストッパ(47、57、87)および第二のラテラルストッパ(48、58)を備え、特に、前記ラテラルストッパ(47、48、57、58、87)は、前記少なくとも1つのレンズ(31、32、33)の対向するラテラル端部(37、38)と物理的に接触することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項10】
レンズホルダ(41、51、81)、ラテラルホルダ(47、48、57、58、87)、および/または調整手段(46、56、86)のうちの少なくとも2つが一体として形成されること、および/または、ラテラルホルダ(47、48、57、58、87)および/または調整手段(46、56、86)が、特に工具なしにおよび/または損傷なしに取り外し可能であるように、レンズホルダ(41、51、81)に固定されることを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項11】
前記レンズホルダ(41、51、81)、前記調整手段(46、56、86)、および/または前記ラテラルホルダ(47、48、57、58、87)が、アルミニウムまたはステンレス鋼のような金属から、例えば、少なくとも1mm、少なくとも5mm、または少なくとも10mmのスラブ厚さを有するスラブ(60)として、または1mm以下、0.5mm以下、または0.2mm以下、特に約0.15mmのシート厚さを有するシート(40、50、80、80’)として製造されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項12】
前記レンズ(11、12、13)、前記レンズホルダ(41、51、81)、前記調整手段(46、56、86)、および/または前記ラテラルホルダ(47、48、57、58、87)は、ポリマーを含まず、特に、前記照明器具(1)は、前記半導体光源(11、12、13)からの光が照射される領域においてポリマーを含まないことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項13】
前記照明器具は、前記半導体光源(11、12、13)が配置される半導体基板(70)を備え、前記レンズホルダは、前記半導体基板(70)および前記半導体光源(11、12、13)から電気的に絶縁され、特に、空気、プラスチック、セラミック、ガラス繊維などの非導電性コンポーネント(49、59)が、前記レンズホルダ(41、51、81)と前記半導体基板(70)との間に配置され、特に、前記非導電性コンポーネント(49、59)が、前記レンズホルダ(41、51、81)および/または前記半導体基板(70)に固定されることを特徴とする、請求項7~12のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項14】
少なくとも1つのプリント回路基板(71)が前記半導体基板(70)を形成し、前記少なくとも1つのレンズ(31、32、33)が前記少なくとも1つのプリント回路基板(71)上をラテラル方向(L)に完全に延在することを特徴とする、請求項13に記載の照明器具。
【請求項15】
ラッカー、印刷されたインクなどの印刷されたコーティングを有する印刷製品を製造するための印刷機であって、前記コーティングを乾燥および/または硬化させるために、請求項1~14のいずれか一項に記載の照明器具(1)を少なくとも1つ有することを特徴とする、印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラッカー、インクなどが印刷された印刷製品のようなターゲットを照射するための照明器具に関する。本発明は、また、印刷製品を照射するための少なくとも1つまたは複数の照明器具を有する印刷機に関することができる。
【背景技術】
【0002】
ラッカー、インクなどが印刷された印刷製品を照射して、ラッカーを硬化させたり、インクを乾燥させたりするための照明器具を備えた印刷機が知られている。経済的な製造の背景から、ターゲットを高速、通常は数メートル/秒で搬送し、処理することができるようにするために、ターゲット、例えば、紙ウェブを十分に強く照射して、迅速な硬化または乾燥が保証されるようにすることが望ましい。そのため、従来の印刷機では、水銀蒸気エミッタを多用していた。エコロジーの観点からは、水銀を含まないエミッタ、例えば、LED光源または半導体レーザ(VCSEL)のような半導体光源を使用することが望ましい。
【0003】
半導体光源は、実質的にランベルト発光パターンを有することができる。したがって、紫外線硬化の範囲内で生じる問題は、ターゲットアイテムまたはターゲット表面に均一な放射照度を供給することである。印刷機における半導体光源の光を指向させるためには、異なるアプローチがある。
【0004】
特許文献1には、コーティング、印刷インク、接着剤、および他の硬化性物質の製造に使用するための照明システムが開示されている。照明システムは、発光素子の直線配列、窓、およびフロントカバーを含むハウジングを備えている。その意図は、照明システムが、1つまたは複数の溝を有する線形フレネルレンズ円柱レンズの形態の誘導光学ユニットを備えることである。特許文献1には、ガラス製のフレネル円柱レンズが記載されており、これらのレンズは成形プレス工程されることを意図している。従来のプロセスを用いた経済的な方法で、フレネルレンズ、特に複数の溝を有するガラス製のレンズを製造することは実用上不可能である。その理由は、成形プレス法で、精密に微細で鋭利なエッジを得ることが困難なためである。一例として、フレネル円柱レンズは、光学的に透明なプラスチックから製造することができる。しかしながら、このようなプラスチックレンズは、特に約120℃を超える比較的高い温度で機械的安定性に欠ける。さらに、記載された光学ユニットは、光源とレンズとの間に比較的長い経路を提供し、達成可能な指向性が損なわれる。
【0005】
特許文献2には、ガラス製の基板上に高分子光学ユニットを保持した光モジュールの製造方法が開示されている。このような光学ユニットは、上述した光学ユニットと比較して、より高精度で、コスト効率良く製造することができる。ガラス製の基板は、その上に塗布された透明なシリコーン材料製の有効光学ユニットに高度な構造安定性を提供する。この光学ユニットの場合に残る欠点は、基板の結果として半導体光源と有効光学ユニットとの間の距離が比較的大きいことである。
【0006】
特許文献3には、多数の紫外線LEDを有する硬化装置が記載されている。この装置によって放射される紫外線は、紫外線LEDから比較的大きな距離を置いて、平坦な印刷製品上の複数の部品からなる放物面鏡および単一円柱レンズによって焦点を結ばなければならない。放射方向の距離が大きいと、その結果、指向性が悪くなり、設置スペースが望ましくないほど大きくなる。
【0007】
特許文献4は、LED光源によって放射された光を集束させるための一次光学ユニットを有する照明器具を記載しており、この照明器具は、LED上に直接配置された複数のレンズと、該当する場合には、一次光学ユニットを形成するLEDの側面に直接配置された反射器とを備える。一次光学ユニットに加えて、二次光学ユニットが設けられ、これによって、LEDからターゲット表面への可能な最大の出現角度の集束を強化する。一例として、二次光学ユニットは、特許文献4に記載されているように具体化することができる。特許文献4に記載された照明器具は、非常に良好な光学特性を特徴とする。しかしながら、シリコーン光学ユニットは、半導体光源の出力が特に高い場合、その自己着火温度以上の温度に加熱できることが分かった。レンズは、第一に、ポリマーレンズが直接接触しているLEDを加熱することによって、第二に、吸収された放射線によって加熱される。シリコーンの透過率は約90~92%であり、すなわち、放射束の約10%がシリコーン内の熱に変換される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国実用新案第212013000099号
【特許文献2】国際公開第2013/164054号
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0290179号
【特許文献4】国際公開第2013/164053号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、半導体光源を使用してターゲットを照射するための照明器具を提供することであり、この照明器具は、従来技術の欠点を克服し、特に、良好な光学指向特性と組み合わせて、機械的にも熱的にも高い安定性を提供し、および/または費用効果の高い方法で精密に製造することができる。この目的は、独立請求項の主題によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ラッカーなどで印刷された印刷製品のようなターゲットを照射するための照明器具に関する。一般に、放射線源は、照明器具と呼ばれる。照明器具は、1つまたは複数の特定のスペクトル範囲から主に、あるいは圧倒的に光を放出するように設計することができる。一例として、照明器具は、赤外線エミッタ(IRエミッタ)とすることができ、赤外線エミッタは、赤外線スペクトル範囲、特に、780nmまたは800nmから、および/または1600nmまで、特に1300nmまで、好ましくは1000nmまでの範囲の波長を有する光を主に、あるいは圧倒的に放出する。一例として、照明器具は、紫外線エミッタ(UVエミッタ)とすることができ、紫外線エミッタは、紫外線スペクトル範囲、特に、140nmから、特に180nmから、好ましくは210nmから、および/または470nmまで、特に400nmまで、好ましくは390nmまでの範囲の波長を有する光を主に、あるいは圧倒的に放出する。この文脈の中で、圧倒的にとは、発光スペクトルの少なくとも50%、特に少なくとも75%が特定の波長範囲内にあることを意味する。一実施形態によれば、UV半導体光源は、少なくとも380nm以上390nm以下のスペクトル範囲を提供することができる。
【0011】
照明器具は、複数の半導体光源を備える。一例として、半導体光源は、赤外発光ダイオード(IR LED光源)および/または紫外発光ダイオード(UV LED光源)として実現することができる。一例として、半導体光源は、レーザダイオード(VCSEL:「垂直共振器型面発光レーザ」)として実現することができる。
【0012】
少なくとも2つの第一の半導体光源は、ラテラル方向(Lateralrichtung)に配向された第一の光源ラインを形成し、少なくとも2つの更なる半導体光源は、ラテラル方向に配向された第二の光源ラインを形成する。少なくとも2つの半導体光源は、ラテラル方向に対応する直線上に配置することができ、第一の光源ラインを形成することができる。照明器具は、第二の直線上に配置され、第二の光源ラインを形成する第二の半導体光源を備える。照明器具は、複数の更なる半導体光源を備えることができ、それらは、1つまたは複数の更なる光源ラインを形成する1つまたは複数の更なる直線上にそれぞれ配置される。オプションの直線は、第一の直線に対して平行に、特に空間において平行に整列することができ、および/または共通の光源平面内に配置することができる。オプションで存在する更なる直線は、ラテラル方向に従って整列される。エミッタンス、すなわち、半導体光源によってカバーされる面積に対する照明器具の電力消費は、少なくとも50W/cm、特に少なくとも100W/cm、または少なくとも150W/cmとすることができる。特に、エミッタンスは、少なくとも250W/cmとすることができる。特に、少なくとも2つの半導体光源は、作業面またはターゲット面において、少なくとも5W/cm、特に少なくとも10W/cm、あるいは少なくとも15W/cmのピーク放射パワー密度を提供する。特に、半導体光源は、ターゲット面内において、少なくとも25W/cmのピーク放射パワー密度を提供する。
【0013】
照明器具は、半導体光源からの光をコリメートおよび/または集光するための複数の別々のレンズ、特に個々の別々のレンズを備え、光源ラインの各々は、特に個々のベースで、レンズの1つに割り当てられる。個々の光源ラインのレンズへの割り当ては、特に、光源ライン全体が、その割り当てられたレンズによって、ラテラル方向にカバーされるようになっている。レンズは、光源ラインのすべての半導体光源をカバーする。特に、光源ラインは、少なくとも10個、少なくとも20個、または少なくとも30個の半導体光源を備える。レンズは、半導体光源からの光を導き、より具体的にはコリメートするように、および/または集光するように適合され、配置される。少なくとも部分的に透明および/または半透明の光学素子で、そこを通過する放射線に指向性(例えば、集光、バンドリング、コリメート、および/または集束)を及ぼすものは、レンズとして定義することができる。光線は、コリメートするとき、互いに少なくともほぼ平行に向けられる。光線は、集束するとき、点で交差するように導かれる。照明器具の少なくとも1つのレンズまたは複数のレンズは、ガラス、特にホウケイ酸ガラスまたは石英ガラスを含むことができ、またはガラスから成ることができる。
【0014】
一例として、照明器具の少なくとも1つのレンズは、少なくとも複数の半導体光源、特に異なる光源ラインから光を所定の作業面上に導くように適合させ、配置することができる。作業面または照射面は、特にターゲット、例えばプロセス材料の距離に従って、照明器具に対して予め決定することができる。特に、少なくとも1つのレンズは、作業面内の線状照射領域に光を導く。ここで、線状照射領域の主線状延在方向は、ラテラル方向であり、横断方向(Transversalrichtung)に限定された幅を有する。作業面は、照明器具から、特に、ターゲットとレンズとの間の照明器具の保護窓の外側から所定の距離、20cm以下、特に15cm以下、好ましくは10cm以下、および/または少なくとも1mm、特に、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも5mm、ラテラル方向を特に垂直に横切って配向された放射方向に、また横断方向に、離間することができる。
【0015】
特に、レンズは、少なくとも5W/cm、特に少なくとも10W/cm、好ましくは少なくとも15W/cmの放射パワー密度が照射面において得られるように、照明器具の光を照射面上に向けることができる。一実施形態では、照射面における放射パワー密度が少なくとも20W/cmまたは少なくとも30W/cmでさえあるように、照明器具を構成することができる。達成されるべき放射パワー密度は、特に、照明器具の連続稼働中に照射された表面において得られる最大ピークパワー(ピーク強度)に関係することができる。放射パワー密度を決定するために、作業面内の空間分解放射パワー密度を測定することを目的として、測定装置を用いて作業面を走査することができる。一例として、Heraeus(登録商標)NobleProbe(登録商標)測定装置を測定装置として使用することができる。最大測定値がピークパワーを与える。測定は、半導体光源を有する半導体基板の中央上方で、プローブヘッドとエミッタの保護窓を、横断方向に直接接触させて行う。
【0016】
照明器具は、少なくとも1つの第二光源ラインを備え、その少なくとも2つの更なる半導体光源は、特に、第二の直線上に配置され、前記第二の直線は、特に、第一の直線から平行にオフセットされてラテラル方向に延びる。第一の光源ラインにおけるラテラル方向に最も外側の半導体光源と、第二の光源ラインにおけるラテラル方向に最も外側の半導体光源とを、ラテラル方向を横切るように横断方向に延びる横断直線に沿って配置することができる。第一の光源ラインでラテラル方向に次の半導体光源と、第二の光源ラインでラテラル方向に次の半導体光源とを、第一の横断直線に平行に延びる第二の横断直線に沿って配置することができる。具体的な実施形態によれば、異なる光源ラインの個々の半導体光源は、光源ラインに対して横に、好ましくは直交するように延び、および/または横断方向に延びる光源列を形成することができる。このような実施形態の場合、半導体光源がラテラルラインおよび横断列を形成すると、半導体光源の格子状の位置合わせを言うことができる。横断方向には、光源ラインを互いに一定の中心ピッチで配置することができる。横断方向では、光源ラインは、互いに異なる中心ピッチで配置することができる。照明器具は、少なくとも5個の半導体光源ライン、特に少なくとも7個の光源ライン、および/または20個以下、特に12個以下の半導体光源ラインを有することが好ましい場合がある。半導体基板は、少なくとも5個および/または20個以下の光源横断列、特に12個の光源横断列を有することができる。
【0017】
特に、それぞれのレンズは、少なくとも部分的に、それぞれの光源ライン上に延在するが、その理由は、この光源ラインの半導体光源によって放射された光をコリメートおよび/または集光するためである。そのような実施形態によれば、第一のレンズは、第一の光源ライン上に延在することができ、第二のレンズは、第二の光源ライン上に延在することができ、可能な更なるレンズは、それぞれ更なる光源ライン上に延在することができる。
【0018】
好ましい展開によれば、照明器具は、少なくとも2つの更なる半導体光源からの光をコリメートおよび/または集光するために、第一のレンズとは別個の少なくとも1つの第二のレンズを備える。このような実施形態では、光源ライン毎に正確に1つのレンズを設けることができる。それぞれの光源ライン上で、横断方向に、放射方向の中心に配置されたレンズは、それぞれ個々の中心線を規定することができる。横断方向では、レンズは、互いに一定の中心ピッチで配置することができる。横断方向では、レンズは、互いに異なる中心ピッチで配置することができる。レンズの中心ピッチは、放射方向に後側に配置された光源ラインの中心ピッチに対応させることができる。レンズの中心ピッチは、放射方向の後側に配置された光源ラインの中心ピッチよりも大きくすることができる。
【0019】
1つの展開によれば、第一のレンズおよび/または第二のレンズは、ラテラル方向を、特に垂直に横切る横断方向に1つの光源ライン上にのみ延在する。各レンズは、光源ラインに個別に割り当てることができる。第一のレンズ、第二のレンズ、および/または更なるレンズの横断方向の幅は、半導体光源の横断方向の幅よりも大きくすることができる。特に、横断方向におけるレンズの幅は、3つの隣接する光源ラインの2つの外側光源ライン間の横断方向におけるピッチよりも小さい。特に、放射方向Zにおいて、照明器具の各レンズは、複数の光源ラインよりも上に位置し、特に、レンズは、放射方向において、更なる隣接する光源ラインよりも上に位置しない。
【0020】
特に、少なくとも1つのレンズまたは複数のレンズは、照明器具の唯一の有効な光学ユニットを形成する。一実施形態によれば、照明器具は、窓などを有することができ、窓は、放射方向で半導体光源に対して1つまたは複数のレンズの後方に配置されるが、光学的効果を有さないか、または実質的に効果を有さない。光学的効果のない窓等は、半導体光源からの光の集光および/またはコリメーションに対して有意な測定可能な効果を有さない。照明器具のターゲットに面する外側、特に窓の外側からの半導体光源の距離は、少なくとも2mm、特に少なくとも4mm、好ましくは少なくとも5mm、および/または20mm以下、特に10mmまたは7mm以下、好ましくは6mm以下とすることができる。一例として、窓の外側からの半導体光源までの距離は、5.3mm±0.2mmとすることができる。
【0021】
照明器具の一実施形態によれば、少なくとも1つのレンズは、ロッドレンズとして製造され、そのラテラル方向の延長部は、ラテラル方向を横切る横断方向またはラテラル方向を横切る放射方向よりも実質的に大きい。ロッドレンズのラテラル方向の長さは、少なくとも10mm、特に少なくとも25.4mmまたは少なくとも100mmとすることができる。代替の実施形態によれば、ロッドレンズのラテラル方向の長さは、500mm以下、特に300mm以下、または150mm以下とすることができる。一例として、一実施形態では、ロッドレンズのラテラル方向の長さは、370mm±5mmまたは255mm±5mmとすることができる。具体的な実施形態によれば、ロッドレンズのラテラル方向の長さは、少なくとも250mm、特に少なくとも350mm、またはさらに少なくとも1000mmとすることができる。代替または追加として、特定の実施形態では、ロッドレンズのラテラル方向の長さ、3000mm以下、特に2500mm以下、または2000mm以下とすることができる。一例として、特定の実施形態では、ロッドレンズのラテラル方向の長さ、1060mm±50mmまたは1700mm±50mmとすることができる。
【0022】
ロッドレンズの横断方向の幅または放射方向におけるロッドレンズの高さは、10mm未満、特に5mm未満または2mm未満とすることができる。特に、ロッドレンズの幅は、ロッドレンズの高さよりも大きくすることができる。
【0023】
一実施形態によれば、少なくとも1つのレンズ、より具体的には、ロッドレンズは、横断方向に一定のレンズ断面を有する。特に、レンズ断面は、円形、部分円のような形状、好ましくは半円形とすることができる。レンズ、より具体的には、ロッドレンズは、凸状または凹状の円柱レンズとして成形することができる。特に、レンズ断面は、フレネルレンズのような形状とすることができる。レンズは、フレネルレンズとして成形することができる。複数の隣接するレンズが異なる多面体断面を有し、複合フレネルレンズをともに形成することも考えられる。
【0024】
照明器具の一実施形態によれば、少なくとも1つのレンズは、少なくとも1つの平坦部分を含み、特に、平坦部分は、レンズに沿ってラテラル方向に部分的にまたは完全に延びる平坦な側面を形成する。一例として、レンズは、部分円のような形状の一定の断面、好ましくは一定の半円形の断面を有するロッドレンズとして形成することができる。このような半円柱ロッドレンズ型レンズは、凸状に湾曲した側面と平坦な側面とを有する。
【0025】
前述の実施形態と組み合わせることができる一実施形態によれば、レンズは、放射方向において少なくとも2つの半導体光源から、10mm以下、5mm以下、1mm以下、または0.5mm以下、および/または少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、または少なくとも0.3mmの距離に配置される。好ましくは、レンズは、少なくとも2つの半導体光源から0mmまたは0.4mmの距離に配置することができる。特に、レンズは、少なくとも2つの半導体光源から0.4mm±0.2mmの距離に配置することができる。特に、この距離は、レンズの平坦な側面のような平坦部分から、それに割り当てられた半導体光源まで延在する。特に、これに割り当てられた光源ラインのレンズから半導体光源までの距離は、一定とすることができる。具体的な実施形態によれば、任意の半導体光源とその割り当てられたレンズとの間のそれぞれの距離は、一定である。レンズと半導体光源との間の記載された距離は、特に、それぞれのレンズに関連して最小距離を記載することができる。一例として、LED光源の形態の半導体光源の場合、LED光源がいわゆるフリップチップとして具現化される場合、距離は0mm以上であってもよく、あるいはLED光源がボンディングワイヤを有するいわゆる垂直方向チップとして具現化される場合、前記距離は0.4mm以上であってもよく、特に、ボンディングワイヤは、垂直方向チップとレンズとの間の距離が0.4mm以上になるように配置される。
【0026】
一実施形態によれば、照明器具は、少なくとも1つのレンズホルダを備え、レンズホルダは、少なくとも1つの第一のホルダ開口部を有する少なくとも1つの第一のウェブと、少なくとも1つの第二のホルダ開口部を有し、第一のウェブからラテラル方向に離間された第二のウェブとを備え、少なくとも1つのレンズは、ラテラル方向に、少なくとも第一のホルダ開口部から光源ライン上を第二のホルダ開口部まで延在する。レンズホルダは、複数の部品を有することができ、特に、ウェブは、照明器具上に個別に取り付け可能である。レンズホルダは、3つ以上のウェブを備えることができる。3つ以上のウェブがあると、特に長いレンズの使用および/またはレンズの特に正確な位置決めが容易になる。ウェブ、すなわち、第一のウェブおよび/または第二のウェブおよび可能な更なるウェブは、特に、ラテラル方向を、好ましくは垂直に横切る横断方向に延在する。一実施形態によれば、ウェブは、照明器具の半導体光源に対して、ウェブが、それぞれの場合に、横断方向の線の直ぐ隣接する2つの半導体光源の間でラテラル方向に延在するように配向される。照明器具が複数の光源ラインを有する場合、ウェブは、それぞれの光源ラインのそれぞれ隣接する半導体光源の間に配置されることが好ましい。これは、ウェブがある結果としての影の形成を最小限にすることができる。一実施形態によれば、第一のウェブおよび第二のウェブは、ラテラル方向に完全なラインを囲む。この実施形態では、レンズは、光源ライン全体、特に1つまたは複数のプリント回路基板全体の上に完全に延在する。特に、少なくとも1つのレンズは、第一の保持開口部および/または第二の保持開口部内に延在する。少なくとも1つのレンズは、第一および/または第二の保持開口部を通って延在することができる。レンズホルダ、ラテラルストッパ、および/または調整手段は、非導電性セラミックおよび/またはプラスチック材料の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料から形成されることが好ましい場合がある。照明器具が複数の半導体光源ラインおよび複数のレンズを有する場合、レンズホルダの第一のウェブおよび第二のウェブに対して、レンズの数に対応する複数の横断方向に隣接する第一および第二の開口部を有するように設けることができる。特に、第一のウェブにおける第一のホルダ開口部の数は、第二のウェブにおける第二のホルダ開口部の数と等しくすることができ、レンズの数および/または光源ラインの数と等しくすることができる。レンズホルダによって保持されるレンズの数は、好ましくは、照明器具の光源ラインの数に対応する。
【0027】
前述の実施形態と組み合わせることができる更なる実施形態によれば、照明器具は、少なくとも2つの半導体光源に対してレンズを位置決めするための少なくとも1つの調整手段を含み、前記調整手段は、レンズと、特にレンズの平坦部分、好ましくは平坦な側面と、物理的に接触し、特に形状が相補的な物理的接触をする。複数の光源ラインおよび複数のレンズを有する実施形態は、1つ、2つ、またはそれ以上の調整手段を備えることができる。調整手段の数は、レンズの数に対応することができる。
【0028】
特に、レンズホルダは、少なくとも1つの調整手段を備える。具体的な実施形態によれば、レンズホルダは、調整手段と一体として形成することができる。一例として、ホルダ開口部は、調整セクションとともに形成されてもよく、調整セクションは、レンズの少なくとも1つと物理的に接触し、特に形状が相補的で物理的に接触している。特に、少なくとも1つのホルダ開口部が、少なくとも部分的に、または全体的に、レンズ断面に対して形状相補的に形成される。少なくとも1つのレンズ、特にレンズの平坦な側面に対して、半導体光源、特にフリップチップLED光源の表面と物理的に接触し、特に面で物理的に接触し、半導体光源の表面が調整手段を実現するようにすることが考えられる。
【0029】
一実施形態によれば、照明器具、特にレンズホルダは、レンズホルダおよび/または照明手段に対するレンズのラテラル方向の相対移動を制限または防止するために、少なくとも1つのレンズと物理的に接触する少なくとも1つのラテラルホルダを備える。特に、ラテラルホルダは、第一のラテラルストッパおよび第二のラテラルストッパを備えることができ、特に、ラテラルストッパのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのレンズの対向するラテラル端部と物理的に接触する。同じレンズに割り当てられた対向するラテラルストッパの両方が、対向する端部と物理的に接触していることが考えられる。ラテラル方向の自由ラテラル経路が、レンズのラテラル端部のうちの少なくとも1つのために、またラテラルホルダの材料の熱膨張を許容する目的で少なくとも1つのラテラルストッパのために設けられることが考えられる。特に、レンズホルダによるレンズの確実な保持が確保されるように自由経路を寸法決めすることができる。一例として、自由経路(ラテラルホルダが室温にある場合)は、少なくとも0.01mm、特に少なくとも0.1mm、および/または2mm以下、特に0.5mm以下とすることができる。レンズのラテラル方向の長さは、特にレンズおよびラテラルホルダが動作温度まで加熱されるとき、レンズに割り当てられた対向するラテラルストッパの距離以下であることが好ましい。
【0030】
1つの展開によれば、レンズホルダ、ラテラルホルダ、および/または調整手段のうちの少なくとも2つは、一体として形成される。一実施形態によれば、レンズホルダ、ラテラルホルダ、および調整手段は、複数回折り曲げられた、および穿孔された一体シート本体によって形成することができる。別の実施形態によれば、レンズホルダは、少なくとも1つのレンズを受け入れるための少なくとも一対の円柱ホルダ開口部を備えるフレーム本体によって形成され、ラテラルホルダおよび調整手段は、フレーム本体に着脱自在に接続され、特にその上に押し込まれまたは目封止されたプロファイル本体によって一体で形成される。ラテラルホルダおよび/または調整手段は、特に工具なしに、および/または損傷なしに、取り外し可能であるようにレンズホルダに固定することができる。
【0031】
一実施形態によれば、レンズホルダ、調整手段、および/またはラテラルホルダは、アルミニウムまたはステンレス鋼などの金属から製造される。特に、レンズホルダは、半導体光源、特に半導体基板に対して固定することができる。レンズホルダを特に半導体基板に固定するには、例えば、クランプ、ネジまたは接着結合を用いることができる。
【0032】
レンズホルダ、調整手段、および/またはラテラルホルダは、スラブとすることができ、そのスラブ厚さは、少なくとも1mm、少なくとも5mm、または少なくとも10mmである。開口部は、好ましくは、スラブにフライス加工および/またはドリル加工される。具体的な実施形態によれば、レンズホルダは、スラブとして製造することができ、調整手段および/またはラテラルホルダは、特に一体品としてシートとして製造することができる。
【0033】
レンズホルダ、調整手段、および/またはラテラルホルダは、シートとすることができ、そのシート厚さは、1mm以下、0.5mm以下、または0.2mm以下、特に約0.5mmである。開口部は、好ましくは、レーザおよび/またはパンチングによってシートに導入される。シートは、曲げることができる。具体的な実施形態によれば、単一のシート片によって、レンズホルダ、調整手段、およびラテラルホルダを機能性組合せで実現することができる。
【0034】
照明器具の一実施形態によれば、少なくとも1つのレンズまたは複数のレンズ、レンズホルダ、調整手段、および/またはラテラルホルダは、ポリマーを含まない。好ましくは、レンズ、レンズホルダ、調整手段、および/またはラテラルホルダは、無機材料、例えば、金属材料、ガラス材料、および/またはセラミック材料からなる。特に、照明器具は、照明手段の紫外線によって照射される領域においてポリマーを含まない。半導体光源の光によって直接的に、また特に間接的に照射される照明器具の領域が、ポリマー材料を含まず、特に有機材料を含まない場合、これは、照明器具の耐用寿命に悪影響を及ぼす可能性がある紫外線の照射の結果としての材料のエージングが実質的にないことを保証する。
【0035】
一実施形態によれば、照明器具は、半導体光源が配置された半導体基板を備える。1つの展開によれば、レンズホルダは、半導体基板および半導体光源に対して電気的に絶縁されている。レンズホルダと半導体基板との間に、非導電性コンポーネントを配置することができる。非導電性コンポーネントは、空気、プラスチック、セラミック、ガラスなど、またはそれらの組合せを含むことができる。一例として、レンズホルダは、例えばセラミック製のワッシャなどの1つまたは複数の非導電性スペーサを用いて、および/または非導電性ネジおよび/または非導電性ネジ付きソケットなどの非導電性固定手段を用いて、半導体基板に対して固定することができる。放射方向において、空気は、半導体基板と半導体光源との間に非導電性コンポーネントとして設けることができる。1つまたは複数の非導電性コンポーネントは、レンズホルダおよび/または半導体基板に固定することができる。特に、金属などの導電性材料からなるレンズホルダの場合には、レンズホルダを介して、半導体基板の個々の通電コンポーネント、例えば、半導体光源間の短絡を回避するために、少なくとも1つの非導電性コンポーネント、特に複数の異なる非導電性コンポーネントを、半導体基板の通電領域とレンズホルダとの間に設けることが有利である。
【0036】
前述の1つと組み合わせることができる1つの展開によれば、チップオンボードモジュールなどの少なくとも1つのプリント回路基板が半導体基板を形成し、少なくとも1つのレンズは、その全体が少なくとも1つのプリント回路基板上をラテラル方向に延びる。複数のプリント回路基板を有する照明器具の場合、これらのプリント回路基板は、個別に組み立ておよび/または分解することができる。一例として、1つのプリント回路基板に欠陥がある場合には、これを交換するだけでよい。このような配置の場合、個々のレンズホルダを各プリント回路基板に割り当てることができる。一例として、半導体基板の複数のプリント回路基板、例えば2つのプリント回路基板、3つのプリント回路基板、またはより多数の個々のプリント回路基板に、複数のレンズが配置されたレンズホルダを割り当てることができ、1つのレンズまたは複数のレンズは、複数のプリント回路基板上に完全に延在する。1つのプリント回路基板、または複数のプリント回路基板、例えば、2つもしくは3つのプリント回路基板を備える半導体基板を有する照明器具の場合、複数のレンズは、それぞれの個々のレンズが、1つまたは複数のプリント回路基板の光源ライン全体に及ぶように構成することができる。一例として、複数のプリント回路基板を含む半導体基板を設けることができ、プリント回路基板はそれぞれ複数の光源ラインを含む。特に、複数のプリント回路基板の光源ラインのそれぞれの数は、同じであってもよい。特に、複数のプリント回路基板の光源ラインは、少なくとも互いにラテラル方向にほぼ面一に配置することができるプリント回路基板の個々の光源ラインの数は、複数のプリント回路基板上に延びる割り当てられたレンズの数に対応することができる。
【0037】
1つの展開によれば、本発明による照明器具を備える、コーティングを乾燥および/または硬化させるための装置を提供することができる。一例として、二次元ウェブ材料などの面ターゲット、例えば印刷紙ウェブなどの印刷製品で、その上に塗布されて、乾燥されるべきコーティング、例えば、印刷されたラッカーを有する印刷製品を提供することができる。
【0038】
装置は、面基板が装置内の照明器具に対して、横断方向に対応する搬送方向に移動可能であるように適合され、配置されることができる。装置内には、1つまたは複数の照明器具を配置することができ、この(これらの)照明器具は、搬送方向を横切って、少なくとも部分的に面ターゲットの幅、例えば紙ウェブの横幅にわたって延びる。
【0039】
乾燥装置の少なくとも1つの照明器具または乾燥装置の複数の照明器具は、放射方向においてターゲットに対して規定された距離を置いて配置することができる。具体的な実施形態によれば、装置は、印刷機、例えば、給紙オフセット印刷機、フレキソ印刷機などである。一実施形態によれば、面基板は、印刷製品とすることができる。コーティングを乾燥および/または硬化させるための本発明による照明器具の使用も、特に印刷方法および/またはラッカー塗り方法において、また本発明の一部と見なされるべきである。
【0040】
乾燥のための照明器具の使用は、好ましくは印刷機内で、ラッカー、インクなどの塗布されたコーティングを照射することによって実現される。本発明の好ましい実施形態は、特許請求の範囲において特定される。
【0041】
本発明の特定の実施形態および態様は、添付の図面を参照して以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明による照明器具の第一の実施形態の分解図を示す。
図2図1による照明器具を斜視図で示す。
図3】本発明による照明器具の第二の実施形態を斜視図で示す。
図4図3による照明器具の断面図を示す。
図5図3による照明器具のレンズホルダの斜視図を示す。
図6a】本発明による照明器具のための一定の半円形断面を有するロッドレンズの異なる図を示す。
図6b】本発明による照明器具のための一定の半円形断面を有するロッドレンズの異なる図を示す。
図6c】本発明による照明器具のための一定の半円形断面を有するロッドレンズの異なる図を示す。
図7】更なる実施形態による本発明による照明器具の概略図を通る長手方向断面図を示す。
図8】別の実施形態による本発明による照明器具の概略図を通る長手方向断面図を示す。
図9a】従来技術による照明器具を示す。
図9b】従来技術による照明器具を示す。
図10】従来技術による照明器具および本発明による照明器具の横断方向の放射強度の分布の図を示す。
図11】従来技術による照明器具および本発明による照明器具からの照射面の距離に応じた照射面内の放射束の図を示す。
図12】本発明による複数の照明器具を備える、コーティングを乾燥および/または硬化するための装置を示す。
図13】本発明による照明器具の更なる実施形態の斜視図を示す。
図14図13による照明器具を分解図で示す。
図15図13による照明器具のレンズホルダの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図面を使用する具体的な実施形態の以下の説明では、読みやすくするために、同様または類似の構成には、同様または類似の参照符号が与えられている。
【0044】
ラッカーで印刷された印刷製品のようなターゲットを照射するための本発明による照明器具は、一般に参照符号1で示されている。
【0045】
図1に示される照明器具1は、複数の半導体光源11、12、13を備え、これらは格子状に配列される。第一の半導体光源11は、ラテラル方向Lを規定する第一の直線に沿って配置され、第一の光源ライン21を形成している。複数の更なる(第二の)半導体光源12は、第二の直線に沿って配置され、第二の直線は、第一の直線に平行に配置され、第二の光源ライン22を形成している。更なる半導体光源13は、第一の直線および第二の直線に平行に位置する更なる直線に沿って配置され、更なる光源ライン23を形成している。
【0046】
図12を見越して、特定の実施形態において、少なくとも1つの照明器具1は、ターゲット3を照射するための装置100の一部であり得ることが言及される。ターゲット3は、搬送方向Fに沿って、1つまたは複数の照明器具1に対して移動可能である。照明器具1は、放射方向Zに光、例えば紫外線および/または赤外光を放射する。照明器具1のラテラル方向Lは、光源ライン21、22、23の向きに対応し、および/またはロッドレンズ31、32、33の向きに対応し、特に、搬送方向Fおよび放射方向Zを、好ましくは垂直に横切るターゲット3の斜め方向Qに対応する。
【0047】
図1の照明器具1では、半導体光源11、12、13の光をコリメートおよび/または集光するための個々のレンズ31、32、33が、光源ライン21、22、23に割り当てられている。図1に示す実施形態では、個々のレンズ31、32、33が個々の光源ライン21、22、23に個々に割り当てられている。半導体光源へのレンズの割り当ては、光源ライン全体がそれぞれのレンズでカバーされるようなものであることは明らかである。本発明の範囲内で、レンズを複数の光源ラインに割り当てることができることが考えられる。一例として、レンズの横断方向の幅Bは、レンズが複数の隣り合う光源ラインにわたって延在するような寸法にすることができる。1つまたは複数のレンズの幅とは無関係に、光源ラインのそのレンズへの割付け(他の半導体光源ラインと共有することができる)は、ラテラル方向Lにおいて、光源ライン全体が放射方向Zにおいてレンズによって覆われるようなものであることが明らかである。
【0048】
光源ライン21、22、23は、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、またはそれ以上の半導体光源を含むことができる。図1に示す照明器具の場合には、半導体基板70が、その上に3つのプリント回路基板71を配置して、設けられている。プリント回路基板71は、半導体光源11、12、13の格子によって覆われている。一例として、プリント回路基板71は、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、または(ここに示すように)少なくとも7個の光源ライン21、22、23を有することができる。プリント回路基板71は、少なくとも5個、少なくとも8個、(ここに示すように)少なくとも10個、少なくとも12個、16個、またはそれ以上の光源横断列を有することができる。図1に示す照明器具1の場合、ラテラル方向Lに互いに隣接して配置され、半導体光源11、12、13を備える3つのプリント回路基板71が設けられており、半導体光源は、ラテラル方向Lに面一に配置され、ラテラル方向Lに照明器具の幅にわたって組み立てられ、それぞれ少なくとも20個(図示:30個)の半導体光源11、12、または13を有する半導体光源ラインを形成する。図2に示すように、異なるロッドレンズ31、32、33は、これらの光源ラインの各々の上に、ラテラル方向に完全に延びている。
【0049】
図1および図2による照明器具1の場合に示されるロッドレンズ31、32、および33は、それぞれ同じ形状を有する。ロッドレンズ31、32、33の断面は、レンズ全長Lに沿って、ラテラル方向Lに常に半円形である。特に、紫外線(または赤外線)に対して特に透過性が高い(少なくとも99%の透過率)高純度石英ガラスを、レンズ31、32、33の材料に使用することができる。有利なことに、このような石英ガラス材料は、特に良好な機械的および/または熱的安定性を有することができる。このようにして、シリコーン材料のようなポリマー材料で作られたレンズでは破損するであろう特に高いパワーを達成することが可能である。シリコーン材料で作られたレンズでは、高いUV放射パワー密度の場合、軟化および/または過熱する可能性がある。ポリマー材料と比較して、ホウケイ酸ガラスは、UV光の結果として、熱的安定性も劣化に対する安定性も、より高くなる。
【0050】
レンズ31,32,33は、スラブ状のフレーム51に保持されており、レンズホルダを実現している。保護窓6(図示せず)は、例えば、ガラス、特に石英ガラスまたはホウケイ酸ガラスからなり、半導体光源11,12,13から放射方向Zに離れて対向するスラブ状レンズホルダ51の側に配置することができる。レンズホルダ51は、フレーム状であり、一方の側に第一のウェブ52によって、他方の側に第二のウェブ54によって、ラテラル方向Lに区切られている。第一のウェブ52および第二のウェブ54は、ラテラル方向Lで互いに対向するレンズホルダ51の長手方向側部において、互いに実質的に横断方向Tに実質的に平行に延びている。それらの横断方向Tにおける上端部および下端部では、ウェブ52および54は、ラテラル方向Lに延びるレンズホルダ51のクロスバー60によって堅固に相互接続されている。レンズホルダ51とプリント基板70の電子回路との間には、非導電領域59が設けられている。
【0051】
レンズホルダ51の第一のウェブ52および第二のウェブ54には、レンズ31、32、33の数に対応するホルダ開口部53、55がそれぞれ設けられている。レンズ31、32、33の各々は、第一のウェブ52の第一のホルダ開口部51から第二のウェブ54の第二のホルダ開口部53まで、ラテラル方向に延びている。レンズ31、32、33は、少なくとも部分的に対向するホルダ開口部53、54内に延びるように寸法決めされることが好ましい。
【0052】
図1に示すレンズホルダ51は、両側に保持調整シートを備えている。調整シートは、レンズ31、32、33をレンズホルダ51に対して配向し、確保するためのラテラルストッパ57、58および調整手段56としての機能組合せの役割を果たす。保持および調整シート50は、外側にラテラル方向にシート部分を有し、このシート部分は、レンズ31、32、および33がレンズホルダ51に対してラテラル方向に、ホルダ開口部53または55から外側に変位するのを防止することによって、ラテラルストッパ57または58として作用する。
【0053】
保持調整シート50は、半導体光源11、12、または13に放射方向Zに面するレンズ31、32、および33の平坦な側面35を横断方向ライン縁部に沿って接触させることによって、調整手段56として作用する第二のシート部分を備える。また、放射方向Zにおける保持調整シート50の前方縦方向縁部は、半導体光源11,12,13に対するレンズホルダ51内のレンズ31,32,33の位置決めを容易に決めることができる。
【0054】
レンズ31、32、33のラテラル端部37、38は、レンズホルダ51のウェブ52、54のドリル加工またはフライス加工されたホルダ開口部53、55内に延びている。好ましくは、レンズ31、32および33のラテラル端部37および38のいずれも、または2つのラテラル端部37および38の一方のみが、第一のラテラルストッパ57または第二のラテラルストッパ58と物理的に接触していない。熱応力による破損を避けるために、レンズ31、32、33のラテラル端部37、38とラテラルストッパ57、58との間には、ラテラル方向に十分な公差を設けることが好ましい。レンズホルダ51および保持調整シート50は、金属、特に同一の金属材料から、例えば、ステンレス鋼またはアルミニウムから製造される。
【0055】
図1および図2による照明器具1の場合、レンズ31、32、および33、特にその平坦部分35の間に、ビーム方向Zにおいて、少なくとも0mm、特に少なくとも0.1mm、および1mm以下の距離aが設けられる。放射方向Zにおけるレンズ31、32、および33の裏面は、スラブ状レンズホルダ51および保持調整シート50が半導体基板70の導電性コンポーネントから十分に離れており、短絡を確実に排除することができる構造によって保証されるならば、LED光源11、12、13と物理的に接触することができる。
【0056】
LED光源は、好ましくは、UVおよび/またはIR LED光源である。LED光源は、裏面にのみ接触させることができ、平坦な発光面10(いわゆるフリップチップLED)を有することができる。フリップチップLEDよりも安価な垂直方向チップは、第一に裏面側、第二に、ボンディングワイヤを介して発光前面側10に接触させることで、本発明による照明器具に用いることができる。ボンディングワイヤとともに垂直チップが使用される場合、LED垂直チップの発光前面10とレンズとの間の距離は、ボンディングワイヤのための十分なスペース、および場合によってはボンディングワイヤと、レンズホルダ、調整手段、および/またはラテラルストッパの可能な導電性材料との間の空隙を提供することができるように十分に大きくなるように選択される。半導体光源自体が調整手段として働くことができるように、裏面平坦部分35を有するロッドレンズ31、32、33をフリップチップLEDなどの平坦な発光前面と物理的に接触させることが考えられる。
【0057】
図3および図4は、本発明による照明器具1の第二の実施形態を示す。図1および図2に示される照明器具1と関連付けると、図3および図4に示される照明器具1は、図5に別々に示されるように、レンズホルダ41、調整手段46、およびラテラルホルダ47および48の異なる構成によって実質的に異なる。図3による照明器具1の第二の実施形態では、照明器具1は、1つのプリント回路基板71のみがその上に配置された半導体基板70を備え、プリント回路基板71は、ライン21、22、および23でその上に配置された複数の半導体光源11、12、および13を有する。図3の実施形態では、単一のレンズホルダ41が単一のプリント回路基板71に割り当てられ、前記レンズホルダは、光源ライン21、22、23の数に応じて複数のレンズ31、32、33を保持する。レンズ21,22,23は、プリント基板71のラテラル方向Lの全幅にわたって延びている。個々の各レンズ31、32、33は、それぞれの光源ライン21または22または23の半導体光源11または12または13を覆う。
【0058】
レンズホルダ41は、ラテラル方向Lに互いに間隔を置いて配置された2つのウェブ42および44を備える。保持されたレンズ31、32、33の数に対応する数のホルダ開口部43および45が、レンズホルダ41の2つのウェブ42および44の各々に設けられている。レンズは、図1および図2による照明器具1に関して説明したものと同じ断面形状を有する。レンズ31、32、33は、半導体光源11、12、13に面する平坦な側面35と、半導体光源11、12、13から放射方向Zに離れて面する凸状に湾曲した前面30とを有する。第一のウェブ42の第一のホルダ開口部53および/または第二のウェブ44の第二のホルダ開口部45は、レンズ31、32、33の断面形状に対して相補的な形状に寸法決めされている。ホルダ開口部43および45は、レンズホルダ41の熱膨張がレンズ31、32、33に応力を生じさせないように、横断方向Tおよび/または放射方向Zにおけるレンズ31、32、33の断面寸法に対して緩い嵌合または大きすぎる嵌合に従って寸法決めすることができる。ホルダ開口部43,44の形状相補的な寸法によって、放射方向Zにおけるホルダ開口部43,45の後方内側が、レンズ31,32,33を位置決めするための調整手段46として作用する。
【0059】
図3図5のような照明器具1の実施形態では、レンズホルダ41、調整手段46、およびラテラルホルダ47および48は、レンズベアリングシート40によって機能性組合せで実現される。レンズベアリングシート40は、レンズホルダおよび/または照明手段に対するレンズのラテラル方向Lの相対移動を防止するために、ラテラルストッパ47および48を形成する曲げシート部分によって、ラテラル方向Lに画定される。一例として、レンズベアリングシート40は、薄いシートから成形することができ、その厚さは、0.5mm以下、特に0.2mm以下である。一例として、レンズベアリングシート40は、曲げおよびパンチングおよび/または切断によって、例えば、ウォータージェット切断またはレーザ切断によって、シートから成形することができる。一例として、ホルダ開口部43および45は、シートに切断またはパンチングされることができる。ホルダ開口部43および45が形成されたウェブ42および44は、シートを曲げることによって形成することができる。ラテラルストッパ47および48は、シートのパンチング、切断、または(ここに描かれているように)複数回の曲げによって形成することができる。レンズベアリングシート40は、1つ、2つ、またはそれ以上の非導電性固定コンポーネント49によって、プリント回路基板71および/または半導体基板70に、例えば接着結合、差し込み、またはネジ留めすることによって固定することができる。
【0060】
ウェブ42、44は、ラテラル方向Lに隣接する横断列半導体光源11、12、13の間にそれぞれ配置され、隣接する横断列半導体光源間のピッチは、レンズベアリングシート40の厚さよりも大きい。空気、別のガス、または真空で満たされた非導電性領域が、レンズベアリングシート40のウェブ42および44と半導体横断列との間に提供される。レンズベアリングシート40は、半導体基板70およびその上に配置された半導体光源11、12、13に対して、非導電性コンポーネントを介して静止状態で取り付けられ、短絡が確実に回避されるようになっている。61)
【0061】
図3および図4の実施形態では、レンズ31、32、33の後方平坦部分35は、半導体光源11、12、13に対して、少なくとも0.1mm、特に少なくとも0.2mm、および/または1mm以下、特に0.6mm以下、好ましくは0.4mmの距離aでビーム方向Zに配置される。この距離aは、LED光源11,12,13からの放射光を照射面に効率的に集束させるために、できるだけ小さくなるように選択されるが、レンズベアリングシート40による半導体基板71の短絡を確実に排除するように、十分に大きくなるように選択される。
【0062】
図6a、6b、および6cは、一定の半円柱断面を有するロッドレンズ31/32/33として具現化されたレンズの異なる図を示す。特徴的なパラメータとして、図示のロッドレンズ31は、レンズ長さL、レンズ幅B、およびレンズ半径RLを有する。図示の実施形態では、レンズ幅Bは、レンズ半径RLの2倍に対応する。レンズ幅Bは、半導体光源、例えば、UV LED11の幅よりも大きい。UV LED11または他の半導体光源は、例えば、約1×1mmの寸法(長さ倍の幅)を有することができる。特に、半導体光源は、1100×1100±50μmの寸法を有することができる。ラテラルストッパとレンズとの間に、2mm未満、好ましくは1mm以下の許容幅を長手方向Lに設けることができる。レンズで、その表面がシリンダの表面に少なくとも部分的に対応するものを円柱レンズと呼ぶ。円柱レンズは、凸面を有することができる。円柱レンズは、凹面を有することができる(より詳細には図示せず)。原則として、レンズ長さLは、ロッドレンズが半円形断面(ここに示す)で形成されているか、または他の断面で形成されているかにかかわらず、レンズ幅Bの少なくとも10倍を測定すべきである。
【0063】
レンズ長さLは、少なくとも20mmであり、特に25.4mm以上である。レンズ長さLは、100mm以上であっても、あるいは150mm以上であってもよい。レンズ長さLを1000mm未満、特に300mm未満に選択することは有利であることが分かった。
【0064】
図7は、互いに対する光源ラインの向き、互いに対するレンズの向き、および半導体光源に対するレンズの向きに重点を置いた照明器具の概略縦断面図を示す。半導体光源に対するレンズのホルダの種類は、図7には図示されておらず、例として、および図2のような実施形態、または図3および図4のような実施形態が考えられる。図8についても同様のことが当てはまる。図7図8との相違点については後述する。
【0065】
図7による照明器具1の縦断面は、半導体基板70を概略的に示し、5つの光源ライン21、22、および23がその上に配置されている。同様のロッドレンズ31、32、33が半導体光源11、12、13の前方に放射方向Zに配置されており、それぞれの場合に個々のロッドレンズが光源ラインに割り当てられ、光源ラインを完全に覆っている。照明器具の保護窓6は、半導体光源11、12、13の前、および放射方向Zにおけるロッドレンズ31、32、33の前に設けられている。特に、保護窓6は、半導体光源によって放射される光のターゲット3へのビーム経路に光学的な影響を及ぼさないか、または実質的に光学的な影響を及ぼさないように構成されている。ターゲット3は、照明器具1によって照射され得るコーティングを備えることができる、紙ウェブまたは表面のような面状の二次元アイテムであってもよい。そのような保護窓6は、通常、光学系および/または電子機器を汚染および/または損傷から保護するために、放射方向Zにおいて照明器具1のハウジング(ここでは図示せず)を画定する。作動距離zは、ターゲット3と照明器具1との間に延びる(より正確には、この場合、例えば、放射方向Zにおける保護窓6の前)。照明器具1およびターゲット3を、作動距離zにおいて、互いに対して平面的に平行に配置することが好ましい場合がある。一例として、印刷された紙ウェブなどのターゲット3を、照明器具1に対して作動距離zで照明器具1の横断方向Tに対応する搬送方向Fに、放射方向Zの照明器具1の前方の作動距離zで案内することができる(比較図12)。
【0066】
窓前側6とLED前側10との間の距離bは、5.3mmとすることができる。特に、照明器具1の外側、特に保護窓6の間の距離bは、少なくとも4mm、好ましくは少なくとも5mm、および/または10mm以下、好ましくは6mm以下である。
【0067】
照明器具1のレンズ31、32、および33は、半導体光源、特にUV LEDおよび/または赤外LEDからの光を、特に半導体光源11、12、13からの光がターゲット3によって画定される作業面内の横断方向Tの狭い焦点線上に集束されるように、コリメートおよび/または集光するように適合および配置される。このようにして、ターゲット面とも呼ばれることがある作業面において、特に高いピーク放射パワー密度Imax、例えば、少なくとも20W/cmを提供することが可能である。図7に示すように、個々の光源ライン21、22、23に半導体光源11、12、13を配置し、レンズ31、32、33を割り当てると、半導体光源11/12/13とレンズ31/32/33の中心線を決定することができる。横断方向Tにおいて、光源ラインは、互いに一定の不変の距離Aで配置されている。横断方向Tにおいて、レンズは、一定の不変の距離A(レンズピッチ)で互いに隣接して配置されている。レンズの中心線は、半導体光源ラインの中心線と同一平面上に配置される。
【0068】
発光前面側10とレンズ31/32/33の裏面側との放射方向Zにはアセンブリ距離aが形成されており、ここで裏面側は、例示的に平坦な側面35として形成されている。半導体光源11/12/13の発光前面側10と光学有効レンズ31/32/33の放射方向Zにおける裏面側とのアセンブリ距離aは、できるだけ小さくなるように選ばれる。アセンブリ距離aは、図1および図2または図3および図4のような異なる実施形態に関して、上記でより詳細に論じられている。
【0069】
図7(および図8)から容易に分かるように、横断方向のレンズ幅Bは、横断方向の半導体光源11、12、13の幅Bよりも大きい。ここに示される例示的な実施形態では、レンズは、レンズ幅Bが、レンズによって覆われる光源ライン(例えば、22)にすぐ近接する光源ライン(例えば、21および23)にAな縦揺れよりも小さくなるように寸法決めされる。この隣接するラインピッチAは、2つの直ぐ隣接する光源ライン(例えば、21、22)の中心ピッチAに、少なくとも等しく、好ましくは、より大きい。別の配置(図示せず)では、例えば偶数個の光源ラインを有する配置の場合には、中心線mが、互いに横断方向Tに隣り合う2つの光源ラインの間の領域に配置されている場合がある。一例として、保護メガネ6は、厚さ3mmの高純度石英ガラスパネルとすることができる。
【0070】
以下の図10および図11において符号cで示される曲線は、図7による照明器具1の場合と同様に、レンズおよび半導体光源の相対的配置に関するものである。下の図10および図11において符号bで示される曲線は、図8によるレンズおよび半導体光源の配置に関するものである。
【0071】
71)図8は、光源ライン21、22、および23に対するレンズ31、32、および33の異なる相対的位置によって、図7のような配置と本質的に異なる照明器具1を示している。一例として、そのような配置は、図1および図2図3および図4、または図13および図14(以下を参照)のように、具現化される照明器具において実現されることができる。図7および図8による配置の違いは、図8による実施形態におけるレンズの中心ピッチAが光源ラインの中心ピッチAよりも大きいことにある。
【0072】
図8による例示的な実施形態では、光源ラインの数は奇数となるように選択され、横断方向Tにおける中心光源ライン21は、前記光源ラインに割り当てられてた該光源ラインを覆うレンズ31の中心線と面一に配置された中心線mを有する。光源ラインの互いに対するピッチAは、同じである。レンズの横断方向Tの中心ピッチAは、同じであり、一定である。
【0073】
半導体基板70の横断方向中心mから出発して、外部に向かって、半導体光源ライン22および23の中心線と、それらに割り当てられたレンズ32および33との間で、横断方向のオフセットV、Vは、ますます大きくなっている。図示の実施形態では、半導体基板70の横断方向中心mに最も近い光源ラインのオフセットV、すなわち、第一の横断方向オフセットVは、レンズピッチAと光源ラインピッチAとの差に対応する。半導体基板70の横断方向中心に2番目に近い光源ライン23は、それに割り当てられたレンズ33の中心線に対して横断方向にオフセットVを有する。図8に示す例では、第二の光源ラインの場合のオフセットVは、第一の非中心線22の場合のオフセットVの2倍の大きさである。
【0074】
例えば、光源ライン21、22、23の中心ピッチAは、異なった光源ラインとそれぞれ割り当てられたレンズとの間のオフセットを設定するために一定ではない。この代替または追加として、レンズ中心ピッチAは、光源ラインおよびレンズのオフセットを特定的に設定するために一定ではない(変化する)ようにすることことができる。半導体光源に対するレンズの光学的効果、影響をもたらすために、互いに対する半導体光源、光源ライン、および/またはレンズの配置、寸法決め等における他の変形、例えば、異なるオフセットが可能である。
【0075】
図9aおよび図9bは、従来技術から知られている異なる照明器具を概略的に示している。図9aの実施形態によれば、ターゲット上に放射する複数の平行なラインUV LEDが、半導体基板上に配置される。実際上屈折力のない保護ガラスが、照明器具1のハウジングフレームの一部として、UV LEDとターゲットとの間に配置されるが、これは、より詳細には図示されていない。図9aに示されているエミッタは、半導体光源が個々のUV LEDのためのレンズを形成するシリコーン埋込用樹脂で個々にコーティングされている点で、図9bに示されている従来技術のエミッタと異なる。個々のUV LEDの各々は、部分的に球形の埋込用樹脂レンズ本体によって覆われている。以下に説明する図10および図11のグラフでは、従来技術による照明器具に関する曲線は、図9aによる実施形態の参照符号aによって、また図9bによる照明器具の参照符号bによって示されている。
【0076】
図10は、半導体基板70のうちの1つの中心に対する横断方向Tにおける放射表面密度IのプロファイルをW/cmで、グラフで示す(ミリメートル単位)。半導体基板は、約30mmの全幅、すなわち、横断方向の中心線mの各側面に15mmを有する。長手方向Lにおいて、半導体基板は、約25mmの幅を有する。図10に示される放射パワー密度は、半導体光源11、12、13の発光面10からピッチb=5.3mmだけ離間した、照明器具1の保護メガネ6の前側から20mmの作動距離zにおける値に関連する。半導体光源の放射束(1.6W/LED)、すなわち半導体光源の電力消費、半導体光源の数(n=210)、半導体光源の配置、長手方向の半導体光源の数(m=基板あたり30個)、および横断方向の半導体光源の数(w=5個)は、一定である。放射パワー密度曲線a、b、c、およびdのプロファイルは、4つの場合すべてにおいて、中心線mを中心とするガウス分布に実質的に対応する。
【0077】
作動距離20mmにおける最も広い曲線および曲線の最も低いピーク強度Imaxに対応する最も広い散乱は、半導体光源とターゲットとの間に光学素子がない図9aによる照明器具によって示される。図9bによる実施形態は、図9aによる光学ユニットを有さない実施形態と比較して、わずかに増加したピーク強度を有し、より強い集束に対応する、ベルのより狭い幅を示す。
【0078】
驚くべきことに、曲線cおよびdは、有意に良好な結果を示す。光学素子による吸収が不足しているために、光学系のない照明器具は、最高のパワー値を示すことが期待された。本発明による照明器具の曲線cおよびdは、著しく高いピークパワーを示す。レンズと光源ラインとの間のオフセットを伴わない、図7によるような光学配置の曲線cは、ほぼ12W/cmのピークパワーを有する。図8に示すような光学配置の曲線bは、ほぼ13W/cmのピークパワーを示し、これは、光学素子を伴わない図9aによる従来の実施形態のピークパワーの大きさのほぼ2倍である。グラフの基礎となる計測値を以下の表に示す。
【0079】
表1:基板中心線mからの横断方向距離の関数としてのパワーI
【表1(1)】
【表1(2)】
【0080】
中心線mの周りの±10mmの横断方向領域において、本発明による照明器具1は、領域内で、全体にわたって、約7W/cmを超える放射パワー密度を有する。したがって、本発明による照明器具は、従来の実施形態(a)のピーク電力kよりも中心線mの周りで±10mmの範囲で連続的かつ一貫して著しく高い放射パワー密度可能にし、半導体埋込用樹脂光学系(b)を有する従来の照明器具のピーク電力Kを連続的に上回る。
【0081】
図11に示す図は、照明器具1とターゲット面との間の作動距離zの関数として、図7図8図9a、および図9bによる異なる照明器具に対するピーク放射束をW/cmで示す。5mm~90mmの範囲における作動距離zの測定値を図示した。作動距離zが20mmに等しい場合、図9aまたは図9bによる従来の照明器具の最大放射パワー密度kおよびkは、図10に対応する方法で示される。
【0082】
図7および図8に示す配置による本発明による照明器具は、5mm~50mmの間の作動距離に対して、従来のエミッタよりも著しく高いピーク強度をもたらす。作動距離50mm~90mmの範囲では、図8のような配置に対する放射表面密度に対するピーク強度は、従来のエミッタの場合よりも良好である。50mm~90mmの間の作動距離zにおける本発明による照明器具に対する放射パワー密度ピーク強度は、少なくとも従来の照明器具の場合と同程度に高いことが分かった。
【0083】
作動距離zの変化量とは別に、図11によるグラフのパラメータは図10と同じである。グラフに対応する計測値を、以下に再現する。
【0084】
表2:様々な照明器具の作動距離zの関数としてのピーク放射パワー密度またはピークパワーImax
【表2】
【0085】
図12は、照明器具に平行な作業面において横断方向Tに対応する搬送方向11に案内されるターゲット3を照射するための、本発明による4つの照明器具1を備える装置を概略的に示す。
【0086】
図13および図14は、本発明による照明器具1の更なる実施形態を示す。図1および図2、または図3および図4に示す照明器具1と比較して、図13および図14に示す照明器具1は、レンズホルダ81、調整手段86、およびラテラルホルダ87の異なる構成によって本質的に異なる(同一の対向するラテラルホルダは、ここでは図示せず)。レンズホルダ81は、図15に別々に描かれている。
【0087】
レンズホルダ81は、別個の個々の部品として、第一のウェブ82と第二のウェブ84とを備える。ウェブ82/84の各々には、レンズ31、32、33(図15には図示せず、最も外側のレンズは図13および図14には図示せず)の数に対応する数の保持開口部83/85が設けられている。保持開口部83、85は、レンズ31、32、33に対して相補的な形状を有するように適合され、配置され、その結果、上述したように、図3および図4による実施形態による調整手段86を形成する。
【0088】
ウェブ82および84は、曲げられたアセンブリ部分を有するシート80によって実現される。保持開口部のない更なるストップシート80’は、ラテラルストッパ87(反対側のラテラルストッパはここでは図示せず)の役割を果たす。シート80、80’のアセンブリ部分は、例えば、ネジの手段によって、照明器具1のアセンブリプレートに固定することができる。半導体基板70は、アセンブリプレート上に設けることができ、導電性コンポーネントは、非導電性セラミック層59、例えば、AlNスラブによってアセンブリプレートから分離される。シート80は、空隙および/または非導電性セラミックスラブ部分がシート80と半導体基板70の導電性コンポーネントとの間にラテラル方向に設けられるように、ラテラル方向Lに隣接するプリント回路基板71の間に配置することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】