(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】ガス汚染物処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20220126BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20220126BHJP
F23G 7/06 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/31 B
F23G7/06 D ZAB
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532355
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(85)【翻訳文提出日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 SG2020050669
(87)【国際公開番号】W WO2021101444
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518359742
【氏名又は名称】エコシス ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田 志偉
【テーマコード(参考)】
3K078
5F045
【Fターム(参考)】
3K078AA06
3K078BA20
3K078BA29
3K078CA01
3K078CA25
5F045AA03
5F045AC00
5F045AC11
5F045EG07
5F045EJ01
(57)【要約】
【課題】ガス汚染物処理装置を提供する。
【解決手段】ガス汚染物処理装置であって、反応部と、管体とを含み、反応部は吸気モジュールと、反応モジュールと、燃焼モジュールと、冷却モジュールとを含み、管体は反応部に接続され、水平部分と、接続部分と、垂直部分とを備え、水平部分はガス汚染物処理装置の設置平面に実質的に平行であり、垂直部分は設置平面に実質的に垂直であり、水平部分は反応部に連通する上部吸気口及び側方吸気口を備え、接続部分は水平部分と垂直部分との間に接続され、上部吸気口は反応部を経て下向きに流れる流出物を受け入れ、側方吸気口は水平気流を受け入れ、流出物は水平気流に連れられて回転サイクロンが形成され、且つ接続部分を介して垂直部分の接続部分から遠い出口から排出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス汚染物処理装置であって、
第1外壁と、第1内壁と、第1冷却チャンバーと、吸気チャンバーと、少なくとも1つのガイド管路とを備え、前記第1冷却チャンバーは前記第1外壁と前記第1内壁との間に設けられ、前記第1内壁によって前記吸気チャンバーが画定され、前記ガイド管路は前記吸気チャンバーの側辺に設けられ且つ半導体製造プロセスからの流出物を前記吸気チャンバーにガイドする吸気モジュールと、
前記吸気モジュールの下方にカップリングされ、第2外壁と、第2内壁と、第2冷却チャンバーと、反応チャンバーと備え、前記第2冷却チャンバーは前記第2外壁と前記第2内壁との間に設けられ、前記第2内壁によって前記吸気チャンバーが画定され、前記吸気チャンバーと前記吸気チャンバーが互いに連通して前記吸気チャンバーからの前記流出物を受け入れる反応モジュールと、
少なくとも1つの燃焼アセンブリを備え、前記燃焼アセンブリは予混合チャンバーと、スパークプラグと、第1管路と、第2管路とを備え、前記第1管路は酸化剤を、前記第2管路は燃料ガスを前記予混合チャンバーに輸送し、前記スパークプラグは前記予混合チャンバーの開口端の近くに設けられ、前記開口端は前記反応チャンバーに接続され、前記スパークプラグは前記酸化剤と前記燃料ガスを点火させる火花を生成し且つ前記開口端から前記反応チャンバーに炎を提供して前記流出物を燃焼させる燃焼モジュールと、
第1管路と、第2管路とを備え、前記第1管路は冷却液源と前記第2冷却チャンバーとの間に接続され、前記第2管路は前記第2冷却チャンバーと前記第1冷却チャンバーとの間に接続され、ただし、前記第1冷却チャンバー及び前記第2冷却チャンバーは前記第2管路を介して互いに連通する冷却モジュールと、を有する反応部と、
前記反応部に接続され、水平部分と、接続部分と、垂直部分とを備え、前記水平部分は前記ガス汚染物処理装置の設置平面に実質的に平行に延伸し、前記垂直部分は前記設置平面に実質的に垂直であり、前記水平部分は前記反応部の前記反応チャンバーに連通する上部吸気口及び側方吸気口を備え、前記接続部分は前記水平部分と前記垂直部分との間に接続される管体とを含み、
前記上部吸気口は前記反応部を経て下向きに流れる前記流出物を受け入れ、前記側方吸気口は水平気流を受け入れ、前記流出物は前記水平気流に連れられて回転サイクロンが形成され、且つ前記接続部分を介して前記垂直部分の前記接続部分から遠い出口から排出されることを特徴とするガス汚染物処理装置。
【請求項2】
前記第1冷却チャンバーは第1リングチャンバーで、且つ間隔を置いて前記吸気チャンバーを取り囲むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2冷却チャンバーは第2リングチャンバーで、且つ間隔を置いて前記反応チャンバーを取り囲むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記燃焼アセンブリは対称に前記反応チャンバーを取り囲むように設けられる第1燃焼アセンブリと、第2燃焼アセンブリと、第3燃焼アセンブリと、第4燃焼アセンブリとを含み、前記複数の燃焼アセンブリはそれぞれ前記反応チャンバー内に燃焼炎を提供して炎の壁を形成させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記吸気モジュール、前記反応部及び前記管体の前記垂直部分は前記設置平面に垂直の縦方向に沿って延伸するように設けられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記反応チャンバーで前記炎によって前記流出物が燃焼する時、前記反応チャンバーは900℃を超える内部温度を有し、前記第2外壁は50℃未満の外部温度を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記燃焼アセンブリの前記予混合チャンバーは前記開口端を介して前記反応部に接続され、前記開口端と前記反応部の下開口とには前記流出物の前記反応チャンバー内での流動時間を引き伸ばす第1高さが隔たることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記垂直部分が前記流出物の前記垂直部分内での流動時間を引き伸ばす第2高さを有し、そのために前記流出物は前記反応チャンバーから前記垂直部分の前記出口に流動した後、温度が200℃未満に下がることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記吸気チャンバー、前記反応チャンバー及び排気部の内部通路によってU字状の管路が形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
ガス汚染物処理装置であって、
吸気チャンバーと、少なくとも1つのガイド管路とを備え、前記ガイド管路は前記吸気チャンバーの側辺に設けられ且つ半導体製造プロセスからの流出物を前記吸気チャンバーにガイドする吸気モジュールと、
前記吸気モジュールの下方にカップリングされ、反応チャンバーを備え、前記吸気チャンバーと前記吸気チャンバーが互いに連通して前記吸気チャンバーからの前記流出物を受け入れ、ただし、前記流出物の前記反応チャンバー内での流動時間を引き伸ばす第1高さを有する反応モジュールと、
少なくとも1つの燃焼アセンブリを備え、前記燃焼アセンブリは予混合チャンバーと、スパークプラグと、第1管路と、第2管路とを備え、前記第1管路は酸化剤を、前記第2管路は燃料ガスを前記予混合チャンバーに輸送し、前記スパークプラグは前記予混合チャンバーの開口端の近くに設けられ、前記開口端は前記反応チャンバーに接続され、前記スパークプラグは前記酸化剤と前記燃料ガスを点火させる火花を生成し且つ前記開口端から前記反応チャンバーに炎を提供して前記流出物を燃焼させる燃焼モジュールと、を有する反応部と、
前記反応部に接続され、水平部分と、接続部分と、垂直部分とを備え、前記水平部分は前記ガス汚染物処理装置の設置平面に実質的に平行であり、前記垂直部分は前記設置平面に実質的に垂直であり、前記水平部分は前記反応部の前記反応チャンバーに連通する上部吸気口及び側方吸気口を備え、前記接続部分は前記水平部分と前記垂直部分との間に接続される管体とを含み、
前記上部吸気口は前記燃焼モジュールを経て下向きに流れる前記流出物を受け入れ、前記側方吸気口は水平気流を受け入れ、前記流出物は前記水平気流に連れられて回転サイクロンが形成され、且つ前記接続部分を介して前記垂直部分の前記接続部分から遠い出口から排出され、
前記垂直部分が前記流出物の前記垂直部分内での流動時間を引き伸ばす第2高さを有し、そのために前記流出物は前記反応チャンバーから前記垂直部分の前記出口に流動した後、温度が200℃未満に下がることを特徴とするガス汚染物処理装置。
【請求項11】
前記吸気モジュールは間隔を置いて前記吸気チャンバーを取り囲む第1リングチャンバーをさらに含み、前記反応モジュールは間隔を置いて前記反応チャンバーを取り囲む第2リングチャンバーをさらに含み、前記第1リングチャンバーと前記第2リングチャンバーが互いに連通し且つ冷却液が入れられ、そのために前記反応チャンバーで前記炎によって前記流出物が燃焼する時、前記反応チャンバー内は900℃を超える内部温度を有し、前記反応チャンバー外は50℃未満の外部温度を有することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記燃焼アセンブリは対称に前記反応チャンバーを取り囲むように設けられる第1燃焼アセンブリと、第2燃焼アセンブリと、第3燃焼アセンブリと、第4燃焼アセンブリとを含み、前記複数の燃焼アセンブリはそれぞれ前記反応チャンバー内に燃焼炎を提供して炎の壁を形成させることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記吸気モジュール、前記反応モジュール及び前記管体の前記垂直部分は前記設置平面に垂直の縦方向に沿って延伸するように設けられることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記吸気チャンバー、前記反応チャンバー及び前記排気部の内部通路によってU字状の管路が形成されることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス汚染物処理装置に関し、特に、半導体製造プロセスからの流出物の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスの排気ガスには人体や環境に有害な様々な化学物質が含まれ、よく用いられる排気ガス処理設備は、燃焼式、プラズマ式、水洗式、触媒式などを含む。
【0003】
化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、略称CVD)プロセスで生成されたシラン(Silane)、アルシン(Arsine)、ホスフィン(Phosphine)などの汚染物質には一般的に燃焼式の排気ガス処理設備が用いられ、そのような製品は、例えば、DAS社のLARCH型又はEdwards社のSpectraシリーズである。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、ガス汚染物処理装置であって、
第1外壁と、第1内壁と、第1冷却チャンバーと、吸気チャンバーと、少なくとも1つのガイド管路とを備え、当該第1冷却チャンバーは当該第1外壁と当該第1内壁との間に設けられ、当該第1内壁によって当該吸気チャンバーが画定され、当該ガイド管路は当該吸気チャンバーの側辺に設けられ且つ半導体製造プロセスからの流出物を当該吸気チャンバーにガイドする吸気モジュールと、
当該吸気モジュールの下方にカップリングされ、第2外壁と、第2内壁と、第2冷却チャンバーと、反応チャンバーと備え、当該第2冷却チャンバーは当該第2外壁と当該第2内壁との間に設けられ、当該第2内壁によって当該吸気チャンバーが画定され、当該吸気チャンバーと当該吸気チャンバーが互いに連通して当該吸気チャンバーからの当該流出物を受け入れる反応モジュールと、
少なくとも1つの燃焼アセンブリを備え、当該燃焼アセンブリは予混合チャンバーと、スパークプラグと、第1管路と、第2管路とを備え、当該第1管路は酸化剤を、当該第2管路は燃料ガスを当該予混合チャンバーに輸送し、当該スパークプラグは当該予混合チャンバーの開口端の近くに設けられ、当該開口端は当該反応チャンバーに接続され、当該スパークプラグは当該酸化剤と当該燃料ガスを点火させる火花を生成し且つ当該開口端から当該反応チャンバーに炎を提供して当該流出物を燃焼させる燃焼モジュールと、
第1管路と、第2管路とを備え、当該第1管路は冷却液源と当該第2冷却チャンバーとの間に接続され、当該第2管路は当該第2冷却チャンバーと当該第1冷却チャンバーとの間に接続され、ただし、当該第1冷却チャンバー及び当該第2冷却チャンバーは当該第2管路を介して互いに連通する冷却モジュールと、を有する反応部と、
当該反応部に接続され、水平部分と、接続部分と、垂直部分とを備え、当該水平部分は当該ガス汚染物処理装置の設置平面に実質的に平行であり、当該垂直部分は当該設置平面に実質的に垂直であり、当該水平部分は当該反応部の当該反応チャンバーに連通する上部吸気口及び側方吸気口を備え、当該接続部分は当該水平部分と当該垂直部分との間に接続される管体とを含み、
当該上部吸気口は当該反応部を経て下向きに流れる当該流出物を受け入れ、当該側方吸気口は水平気流を受け入れ、当該流出物は当該水平気流に連れられて回転サイクロンが形成され、且つ当該接続部分を介して当該垂直部分の当該接続部分から遠い出口から排出される、当該ガス汚染物処理装置を提供する。
【0005】
さらに本発明は、ガス汚染物処理装置であって、
吸気チャンバーと、少なくとも1つのガイド管路とを備え、当該ガイド管路は当該吸気チャンバーの側辺に設けられ且つ半導体製造プロセスからの流出物を当該吸気チャンバーにガイドする吸気モジュールと、
当該吸気モジュールの下方にカップリングされ、反応チャンバーを備え、当該吸気チャンバーと当該吸気チャンバーが互いに連通して当該吸気チャンバーからの当該流出物を受け入れ、ただし、当該流出物の当該反応チャンバー内での流動時間を引き伸ばす第1高さを有する反応モジュールと、
少なくとも1つの燃焼アセンブリを備え、当該燃焼アセンブリは予混合チャンバーと、スパークプラグと、第1管路と、第2管路とを備え、当該第1管路は酸化剤を、当該第2管路は燃料ガスを当該予混合チャンバーに輸送し、当該スパークプラグは当該予混合チャンバーの開口端の近くに設けられ、当該開口端は当該反応チャンバーに接続され、当該スパークプラグは当該酸化剤と当該燃料ガスを点火させる火花を生成し且つ当該開口端から当該反応チャンバーに炎を提供して当該流出物を燃焼させる燃焼モジュールと、を有する反応部と、
当該反応部に接続され、水平部分と、接続部分と、垂直部分とを備え、当該水平部分は当該ガス汚染物処理装置の設置平面に実質的に平行であり、当該垂直部分は当該設置平面に実質的に垂直であり、当該水平部分は当該反応部の当該反応チャンバーに連通する上部吸気口及び側方吸気口を備え、当該接続部分は当該水平部分と当該垂直部分との間に接続される管体とを含み、
当該上部吸気口は当該燃焼モジュールを経て下向きに流れる当該流出物を受け入れ、当該側方吸気口は水平気流を受け入れ、当該流出物は当該水平気流に連れられて回転サイクロンが形成され、且つ当該接続部分を介して当該垂直部分の当該接続部分から遠い出口から排出され、
当該垂直部分が当該流出物の当該垂直部分内での流動時間を引き伸ばす第2高さを有し、そのために当該流出物は当該反応チャンバーから当該垂直部分の当該出口に流動した後、温度が200℃未満に下がる、ガス汚染物処理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は本発明の一実施例に係る組み立ての立体的な概略図である。
【
図2A】
図2Aは本発明の一実施例に係る組み立ての立体的な概略図である。
【
図3】
図3は本発明の一実施例に係る組み立ての別の角度からの立体的な概略図である。
【
図4】
図4は本発明の一実施例に係る側面概略図である。
【
図6】
図6は本発明の一実施例に係る燃焼モジュールの組み立ての立体的な概略図である。
【
図10】
図10は本発明の別の実施例に係る組み立ての立体的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
下記の実施例は半導体製造プロセスからの流出物(Effluent stream)、例えば排気ガス(Waste gas)を処理するために用いられる。当該実施例で水という用語が多用されるが、これは説明の便宜上使用される表現であり、本発明の適用対象は水に限定されず、その他液体にも適用される。
【0008】
本明細書で、様々な実施例の説明で用語は特定の例に対して用いられ、制限を加えるものではない。文脈の中で明確な記載があり、又は部品の数量が限定される場合を除き、本明細書では単数形で使用される「一」、「1つ」及び「当該」には複数の場合も含まれる。また、用語「含む」や「備える」などは対象物が含まれるが、記載される部品の他にも別の部品があることを意味する。部品が別の部品に「接続」又は「カップリング」されると表現される場合には、当該部品は直接的に又は中間部品を介して当該別の部品に接続又はカップリングされてもよい。層、領域又は基板の部品が別の部品「上」に位置すると表現される場合には、直接的に当該別の部品に位置するか又は互いの間に中間部品が存在することをいう。これに対して、部品が「直接的に別の部品」に位置すると表現される場合には、互いの間に当該中間部品が存在しない。また、各実施例の説明が特定の順番で記載されるものの操作又はステップは必ずその順番で行われるということにならず、他の実施形態で本明細書の記載と違う順番でステップ、操作、方法などが行われてもよい。
【0009】
本発明の一態様は燃焼式排気ガス処理設備(熱酸化式排気ガス処理設備ともいう)を開示し、当該排気ガス処理設備は非水洗式(乾式)のもので、
図1及び
図2A~
図2Cを参照する。
図1は本発明の一実施例に係る組み立ての立体的な概略図で、
図2A~
図2Cは
図1から一部の部品を省略した概略図である。本実施形態で、当該排気ガス処理設備は反応部10と、排気部20と、フレーム30と、制御部40とを含み、反応部10は吸気モジュール11と、反応モジュール12と、接続モジュール13と、冷却モジュール14と、燃焼モジュールとを含む(後述で詳細に説明する)。
図2A及び
図2Bに示すように、吸気モジュール11は反応モジュール12の上方に設けられ、且つ接続モジュール13によって反応モジュール12にカップリングされる。
【0010】
図2Cが参照されるとおり、吸気モジュール11は第1外壁111と、第1内壁112と、第1冷却チャンバー113と、吸気チャンバー114と、上蓋板115と、少なくとも1つのガイド管路116と、下部開口117とを含み、第1冷却チャンバー113は第1外壁111と第1内壁112との間に設けられ、第1冷却チャンバー113は第1リングチャンバーであり、当該第1リングチャンバーは間隔を置いて吸気チャンバー114を取り囲み、第1内壁112によって吸気チャンバー114が画定され、上蓋板115によって吸気チャンバー114の上部が閉鎖され、ガイド管路116は吸気チャンバー114の側辺に設けられ、且つ第1外壁111、第1内壁112及び第1冷却チャンバー113を貫通して吸気チャンバー114に連通する。ガイド管路116は流出物50を吸気チャンバー111にガイドするために用いられ、吸気チャンバー111は鉛直のZ軸に沿って延伸し、且つガイド管路116の吸気チャンバー111における挿設方向はZ軸に平行でなく、当該挿設方向はZ軸と角度を挟み、当該角度は45°~90°であることが好ましく、本実施例で、ガイド管路116は第1部分1161と、第2部分1162と、湾曲部分1163とを含み、湾曲部分1163は第1部分1161と第2部分1162との間に設けられ、第1部分1161から湾曲部分1163を介して第2部分1162より吸気チャンバー111に入る流出物50の速度を緩和するために用いられる。本発明で、Z軸は当該排気ガス処理設備の設置平面(XY平面)に実質的に直交する(Orthogonal)。言い換えれば、Z軸と当該設置平面の法線ベクトルが重なり又は小さな角度を挟む。
【0011】
反応モジュール12は第2外壁121と、第2内壁122と、第2冷却チャンバー123と、反応チャンバー124と、上開口125と、下開口126とを含み、第2冷却チャンバー123は第2外壁121と第2内壁122との間に設けられ、第2冷却チャンバー123は第2リングチャンバーであり、当該第2リングチャンバーは間隔を置いて反応チャンバー124を取り囲み、第2内壁122によって反応チャンバー124が画定され、上開口125及び下開口126は反応チャンバー124の両端に設けられ、上開口125は吸気モジュール11の下部開口117に連通する。
【0012】
接続モジュール13は吸気モジュール11と反応モジュール12との間に接続され、接続モジュール13は上半部131と、下半部132と、複数の固定具133とを含み、上半部131は吸気モジュール11に接続され、下半部132は反応モジュール12に接続され、上半部131と下半部132は固定具133によってロックされる。
【0013】
図3から
図5を参照する。
図3は
図2Aに係る組み立ての別の角度からの立体的な概略図で、
図4は本発明の一実施例に係る側面概略図で、
図5は
図4のA-Aに沿う断面概略図である。冷却モジュール14は第1管路141と、第2管路142と、第3管路143と、複数のポンプ144とを含み、第1管路141は第1端141aと、第2端141bとを含み、第1端141aは冷却液源に接続され、第2端141bは反応モジュール12の第2冷却チャンバー123の側に接続される。第2管路142は第1端142aと、第2端142bとを含み、第1端142aは第2冷却チャンバー123の他側に接続され、第2端142bは吸気モジュール11の第1冷却チャンバー113の側に接続され、第3管路143は第1端143aと、第2端143bとを含み、第1端143aは第1冷却チャンバー113の他側に接続され、第2端143bは冷却液出口又は冷却回路に接続される。
図5に示すように、冷却液は第1管路141から第1冷却チャンバー113に入り、第2管路142を介して第2冷却チャンバー123に入って第3管路143から離れる。本実施例で、第1冷却チャンバー113、第2冷却チャンバー123は第2管路142と一緒に吸気チャンバー114及び反応チャンバー124を被覆する立体的なリング状のウォータージャケット(water jacket)を形成し、充分な冷却効果を提供する。
【0014】
当該燃焼モジュールはアクティブな炎(active flame)を提供し、
図2A及び
図3が参照されるとおり、当該燃焼モジュールは複数の燃焼アセンブリ15a、15b、15c、15dを含み、
図7が参照されるとおり、本実施例で、燃焼アセンブリ15a、15b、15c、15dは対称に反応チャンバー124を取り囲むように設けられる。
図6が参照されるとおり、燃焼アセンブリ15aを例に説明すると、燃焼アセンブリ15aは筐体151aと、内管152aと、スパークプラグ153aと、第1管路154aと、第2管路155aと、複数の継手156a、157a、158aとを含み、内管152aは筐体151a内に配置され、内管152aは先端1521aと、末端1522aと、第1側端1523aと、第2側端1524aとを含み、先端1521aは継手156aを介して反応チャンバー124に接続され、末端1522aは継手158aを介して第1管路154aに接続され、第2側端1524aは継手158aを介して第2管路155aに接続され、第1側端1523aはスパークプラグ153aに接続される。第1管路154aは酸化剤(oxidant)を内管152aに輸送するためのもので、当該酸化剤としては酸素、オゾン、空気、圧縮空気(CDA)、酸素富化空気又はこれらの混合が用いられてもよく、第2管路155aは燃料ガスを内管152aに輸送するためのもので、当該燃料ガスとしては水素、メタン、天然ガス、プロパン、液化石油ガス(LPG)又はこれらの混合が用いられてもよい。内管152aは予混合チャンバーとして見なされてもよく、当該酸化剤と当該燃料ガスは内管152a内で混合され、スパークプラグ153aは点火のための炎を内管152aに提供し、これによって先端1521aに近い継手156aの近くに燃焼炎が生じる。また、
図3に示すように、当該排気ガス処理設備は、第1管路154a及び第2管路155aのガス又は燃料の輸送を制御するためのガスアセンブリ60をさらに含む。
【0015】
図3が参照されるとおり、本実施例で、継手156aは反応モジュール12の第2外壁121及び第2内壁122に穿設され、
図4が参照されるとおり、燃焼アセンブリ15aの継手156aは反応モジュール12の上開口125と50mm~55mmの距離H1が隔たり、燃焼アセンブリ15aの継手156aは反応モジュール12の下開口126と330mm~350mmの距離H2が隔たる。前記寸法は参考用に提供されたものに過ぎず、用途によって、寸法の数値は異なってもよい。
【0016】
また、本実施例で、第1管路154aによって提供された酸化剤が不十分で当該燃焼炎が燃焼しきれないことを考慮して、
図8が参照されるとおり、当該燃焼モジュールは少なくとも1つの第3管路159a、159b、159c、159dをさらに含んでもよく、第3管路159a、159b、159c、159dは反応チャンバー124に連通し且つ燃焼アセンブリ15a、15b、15c、15dの下方に位置し、第3管路159a、159b、159c、159dは反応チャンバー124により多くの当該酸化剤を提供して、当該燃焼炎を一層燃焼させる。なお、他の実施例では、スパークプラグ153aは筐体151aの外に設けられてもよく、例えば反応チャンバー124内に設けられる。
【0017】
当該燃焼モジュールは反応チャンバー124内に炎の壁(wall of flame)を生じさせて反応チャンバー124内の内部温度を900℃以上にすることで、当該リング状のウォータージャケットが利用される。一実施例で、温度16℃~20℃(例えば、18℃)の冷却水が用いられる場合に、当該内部温度が900℃を超えていても、反応モジュール12の第2外壁121の外部温度が50℃未満になり得るため、作業員及び作業環境の安全性が大幅に高められる。これに対して、冷却モジュールを備えない燃焼式排気ガス処理設備では、内部温度が900℃を超えると、外部温度も高温になる。
【0018】
図2Bに戻ると、排気部20はL字状の管体で、水平部分21と、接続部分22と、垂直部分23とを含み、水平部分21は当該ガス汚染物処理装置の当該設置平面に実質的に平行であり、垂直部分23は当該設置平面に実質的に垂直であり、水平部分21は上部吸気口211と、側方吸気口212とを備え、上部吸気口211は反応モジュール12の下開口126に接続されて反応チャンバー124に連通し、側方吸気口212は水平気流(例えば、空気)51を受け入れ、水平部分21の側方吸気口212から遠い端は接続部分22に接続され、接続部分22は湾曲の管体であり、接続部分22は水平開口221と、垂直開口222とを備え、水平開口221は水平部分21に接続され、垂直開口222は上向きに垂直部分23に接続され、垂直部分23は接続開口231と、出口232とを備え、接続開口231は垂直開口222に接続される。一実施例で、排気部20の垂直部分23が反応部10に平行で、吸気チャンバー114、反応チャンバー124及び排気部20の内部通路20aによってU字状の管路が形成されることで、流出物50は当該排気ガス処理設備内に当該U字状の管路に沿って進む。
【0019】
図4が参照されるとおり、本実施例で、水平部分21の高さH3(排気部20の外管径)は約215mm~230mmで、排気部20は990mm~1010mmの長さL1を有し、且つ反応部10の中央から排気部20の側端までの距離L2は690mm~710mmで、接続部分22は380mm~400mmの高さH4を有し、垂直部分23は790mm~810mmの高さH5を有する。前記寸法は参考用に提供されたものに過ぎず、用途によって、寸法の数値は異なってもよい。
【0020】
図2Bが参照されるとおり、操作時に、流出物50はガイド管路116から吸気チャンバー111に入って、下向きに反応モジュール12の反応チャンバー124に入り、当該燃焼モジュールの燃焼アセンブリ15a、15b、15c、15dは反応チャンバー124において当該炎の壁を形成させ、当該炎の壁での燃焼後、高温になった流出物50が酸化又は分解され、流出物50から有毒な化学物質が低減又は除去される。燃焼アセンブリ15の内管152aの開口端1521aと反応モジュール12の下開口126とには流出物50の反応チャンバー124内での流動時間を引き伸ばす第1高さが隔たり、一実施例で、当該第1高さは330mm~350mmである。
【0021】
排気部20の水平部分21の上部吸気口211は反応モジュール12を経て下向きに流れる流出物50を受け入れ、下向きに流れる流出物50は水平気流51に連れられて回転サイクロン52が形成され、且つ接続部分22を介して垂直部分23の出口232から離れ、垂直部分23は流出物50の垂直部分23内での流動時間を引き伸ばす第2高さを有し、そのために流出物50は反応チャンバー124から垂直部分23の出口232に流動した後、温度が200℃未満に下がり、一実施例で、当該第2高さは790mm~810mmである。
【0022】
上記の設計において、当該排気ガス処理設備の部品が縦方向に配置されるため、当該排気ガス処理設備の当該設置平面における使用面積が大幅に低減され、しかも反応モジュール12及び垂直部分23の高さも大きくなるため、流出物50の反応チャンバー124内での流動時間が引き伸ばされ、流出物50が充分に酸化又は分解され、流出物50の垂直部分23内での流動時間が引き伸ばされ、流出物50が当該排気ガス処理設備から離れる前に充分に冷却され、後の処理や排出には役立つ。したがって、設置面積が減ってより高い処理効率が得られる一方、流出物50の温度が低くなって安全性が高まる。
【0023】
図9が参照されるとおり、一実施例で、流出物50が水平気流51と充分に混合するように、流出物50と水平気流51が出会ったところにディフレクタ(deflector)70が設けられてもよい。
【0024】
本発明の別の実施例に係る組み立ての立体的な概略図である
図10、XZ平面に沿う断面概略図である
図11が参照されるとおり、当該排気ガス処理設備は第1反応部10aと、第2反応部10bと、排気部20と、フレーム30と、制御部40とを含む。第1反応部10a及び第2反応部10bの部品については反応部10に関する説明が適用され、以下で一部の詳細が省略される。第1反応部10aは第1吸気モジュール11aと、第1反応モジュール12aとを含み、第2反応部10bは第2吸気モジュール11bと、第2反応モジュール12bとを含む。
【0025】
排気部20は逆T字状の管体で、排気部20は第1排気部分24と、第2排気部分25と、第3排気部分26とを含み、第1排気部分24は第1反応モジュール12aの底部に接続され、第2排気部分25は第2反応モジュール12bの底部に接続され、第3排気部分26は第1排気部分24及び第2排気部分25に接続され且つ互いに連通し、第1排気部分24及び第2排気部分25は当該設置平面に沿って延伸し、第3排気部分26は実質的にZ軸に重なるように延伸する。排気部20の上記の設計で、当該排気ガス処理設備の設置面積が大幅に減らされる。
【0026】
第1排気部分24は側方吸気口241と、上部吸気口242とを含み、第2排気部分25は側方吸気口251と、上部吸気口252とを含み、上部吸気口242は第1反応モジュール12aに、上部吸気口252は第2反応モジュール12bにそれぞれに接続され、側方吸気口241、251はそれぞれ水平気流(例えば、空気)51を受け入れ、第1排気部分24及び第2排気部分25の側方吸気口241、251から遠い端は第3排気部分26に接続され、第3排気部分26は出口261を備える。
【0027】
第1吸気モジュール11a及び第2吸気モジュール11bはそれぞれ流出物50を受け入れ、流出物50が下向きに流れて第1反応モジュール12a及び第2反応モジュール12bに入り、燃焼後に高温になって第1排気部分24及び第2排気部分25に入り、下向きに流れる流出物50は水平気流51に連れられて回転サイクロン52が形成され、且つ第3排気部分26の出口261から離れる。
【符号の説明】
【0028】
10 反応部
10a 第1反応部
10b 第2反応部
11 吸気モジュール
11a 第1吸気モジュール
11b 第2吸気モジュール
111 第1外壁
112 第1内壁
113 第1冷却チャンバー
114 吸気チャンバー
115 上蓋板
116 ガイド管路
1161 第1部分
1162 第2部分
1163 湾曲部分
117 下部開口
12 反応モジュール
12a 第1反応モジュール
12b 第2反応モジュール
121 第2外壁
122 第2内壁
123 第2冷却チャンバー
124 反応チャンバー
125 上開口
126 下開口
13 接続モジュール
131 上半部
132 下半部
133 固定具
14 冷却モジュール
141 第1管路
141a 第1端
141b 第2端
142 第2管路
142a 第1端
142b 第2端
143 第3管路
143a 第1端
143b 第2端
144 ポンプ
15a 燃焼アセンブリ
15b 燃焼アセンブリ
15c 燃焼アセンブリ
15d 燃焼アセンブリ
151a 筐体
152a 内管
1521a 先端
1522a 末端
1523a 第1側端
1524a 第2側端
153a スパークプラグ
154a 第1管路
155a 第2管路
156a 継手
157a 継手
158a 継手
159a 第3管路
159b 第3管路
159c 第3管路
159d 第3管路
20 排気部
20a 内部通路
21 水平部分
211 上部吸気口
212 側方吸気口
22 接続部分
221 水平開口
222 垂直開口
23 垂直部分
231 接続開口
232 出口
24 第1排気部分
241 側方吸気口
242 上部吸気口
25 第2排気部分
251 側方吸気口
252 上部吸気口
26 第3排気部分
261 出口
30 フレーム
40 制御部
50 流出物
51 水平気流
52 連れられて回転サイクロン
60 ガスアセンブリ
H1 距離
H2 距離
H3 高さ
H4 高さ
H5 高さ
L1 長さ
L2 距離
【国際調査報告】