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特表2022-512142力測定装置に試験装置ホルダを取り付けるための取付けアセンブリ、このような取付けアセンブリを備えた力測定装置、試験装置ホルダおよび力測定装置のためのスライダ部材
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  • 特表-力測定装置に試験装置ホルダを取り付けるための取付けアセンブリ、このような取付けアセンブリを備えた力測定装置、試験装置ホルダおよび力測定装置のためのスライダ部材 図1
  • 特表-力測定装置に試験装置ホルダを取り付けるための取付けアセンブリ、このような取付けアセンブリを備えた力測定装置、試験装置ホルダおよび力測定装置のためのスライダ部材 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】力測定装置に試験装置ホルダを取り付けるための取付けアセンブリ、このような取付けアセンブリを備えた力測定装置、試験装置ホルダおよび力測定装置のためのスライダ部材
(51)【国際特許分類】
   G01L 25/00 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
G01L25/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532365
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(85)【翻訳文提出日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2019083940
(87)【国際公開番号】W WO2020120303
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】102018221336.4
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513220920
【氏名又は名称】フェッター ファルマ-フェルティグング ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフ,ミヒャエル
(57)【要約】
本発明は、力測定装置(1)に試験装置ホルダ(5)を取り付けるための取付けアセンブリ(3)であって、試験装置ホルダ(5)と、力測定装置(1)の力測定タワー(9)に力測定タワー(9)の高さ方向で移動可能に配置可能であるか、または配置されているスライダ部材(7)とを備え、試験装置ホルダ(5)が、少なくとも1つの位置規定要素(11)を有しており、スライダ部材(7)が、少なくとも1つの対応位置規定要素(13)を有しており、位置規定要素(11)および対応位置規定要素(13)が、力測定タワー(9)の高さ方向と、この高さ方向に対して垂直な方向とから選択された少なくとも1つの方向で、スライダ部材(7)に対して相対的な試験装置ホルダ(5)の位置を固定し、かつ同時に位置規定要素(11)および/または対応位置規定要素(13)により定義された回転軸線(D)を中心として、スライダ部材(7)に対して相対的な試験装置ホルダ(5)の回転を可能にするように構成されており、試験装置ホルダ(5)が、第1角度調整装置(15)を有しており、スライダ部材(7)が、第2角度調整装置(17)を有しており、第1角度調整装置(15)および第2角度調整装置(17)が、回転軸線(D)を中心とした、スライダ部材(7)に対して相対的な試験装置ホルダ(5)の角度を調整し、好適には固定するように構成されており、試験装置ホルダ(5)が、少なくとも1つの位置固定要素(19)を有しており、スライダ部材(7)が、少なくとも1つの対応位置固定要素(21)を有しており、位置固定要素(19)および対応位置固定要素(21)が、スライダ部材(7)において試験装置ホルダ(5)を位置固定するように構成されている、取付けアセンブリ(3)に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力測定装置(1)に試験装置ホルダ(5)を取り付けるための取付けアセンブリ(3)であって、
-試験装置ホルダ(5)と、
-力測定装置(1)の力測定タワー(9)に該力測定タワー(9)の高さ方向で移動可能に配置可能であるか、または配置されているスライダ部材(7)と
を備え、
-前記試験装置ホルダ(5)が、少なくとも1つの位置規定要素(11)を有しており、前記スライダ部材(7)が、少なくとも1つの対応位置規定要素(13)を有しており、
-前記位置規定要素(11)および前記対応位置規定要素(13)が、前記力測定タワー(9)の高さ方向と、該高さ方向に対して垂直な方向とから選択された少なくとも1つの方向で、前記スライダ部材(7)に対して相対的な前記試験装置ホルダ(5)の位置を固定し、かつ同時に前記位置規定要素(11)および/または前記対応位置規定要素(13)により定義された回転軸線(D)を中心として、前記スライダ部材(7)に対して相対的な前記試験装置ホルダ(5)の回転を可能にするように構成されており、
-前記試験装置ホルダ(5)が、第1角度調整装置(15)を有しており、前記スライダ部材(7)が、第2角度調整装置(17)を有しており、前記第1角度調整装置(15)および前記第2角度調整装置(17)が、前記回転軸線(D)を中心とした、前記スライダ部材(7)に対して相対的な前記試験装置ホルダ(5)の角度を調整し、好適には固定するように構成されており、
-前記試験装置ホルダ(5)が、少なくとも1つの位置固定要素(19)を有しており、前記スライダ部材(7)が、少なくとも1つの対応位置固定要素(21)を有しており、
-前記位置固定要素(19)および前記対応位置固定要素(21)が、前記スライダ部材(7)において前記試験装置ホルダ(5)を位置固定するように構成されている、
取付けアセンブリ(3)。
【請求項2】
前記位置規定要素(11)と前記対応位置規定要素(13)とから選択された一方の要素が、位置決めピン(29)を有しており、前記位置規定要素(11)と前記対応位置規定要素(13)とから選択された他方の要素が、位置決めピン収容部(27)を有しており、該位置決めピン収容部(27)が、前記位置決めピン(29)を収容するように構成されている、請求項1に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項3】
前記位置規定要素(11)が、少なくとも1つの方向で前記試験装置ホルダ(5)の中心に配置されている、請求項1または請求項2に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項4】
前記第1角度調整装置(15)と前記第2角度調整装置(17)とから選択された一方の装置が、調整舌片(31)を有しており、前記第1角度調整装置(15)と前記第2角度調整装置(17)とから選択された他方の装置が、2つの横枠体(35,35’)を備えた舌片収容部(33)を有しており、前記調整舌片(31)が、前記横枠体(35,35’)同士の間に配置可能であり、かつ前記回転軸線(D)を中心として前記試験装置ホルダ(5)と前記スライダ部材(7)との間の角度を調整するために旋回可能である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項5】
前記横枠体(35,35’)のうちの少なくとも1つの横枠体(35,35’)内に、または前記横枠体(35,35’)のうちの少なくとも1つの横枠体(35,35’)に、横方向で移動可能に調整ピン(51,51’)が配置されており、該調整ピン(51,51’)は、該調整ピン(51,51’)が横方向で移動させられた場合に、前記調整舌片(31)を旋回させるために、前記舌片収容部(33)内に係合している、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項6】
前記調整ピン(51,51’)が、調整ねじとして形成されており、該調整ねじが、好適には、前記調整ピン(51,51’)に対応配置された前記横枠体(35,35’)のねじ山にかみ合っている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項7】
前記位置固定要素(19)が、長孔(52)として形成されており、前記対応位置固定要素(21)が、少なくとも1つのねじ孔(53)として形成されている、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項8】
前記対応位置固定要素(21)が、2つのねじ孔(53)を有している、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項9】
前記取付けアセンブリ(3)が、少なくとも1つの貫通孔(57)を備えたワッシャ(55)を有しており、該ワッシャ(55)が、組み付けられた状態で、前記試験装置ホルダ(5)の前記長孔(52)を覆うように構成されている、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項10】
前記試験装置ホルダ(5)が、平坦面(23)を有しており、前記スライダ部材(7)が、対応平坦面(25)を有しており、前記平坦面(23)および前記対応平坦面(25)が、前記スライダ部材(7)に前記試験装置ホルダ(5)が組み付けられた状態で互いに面接触しているように構成されている、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項11】
前記スライダ部材(7)が、
a)スライダ位置決めピンにより、および/または
b)少なくとも1つのねじ締結部材により、
位置固定的に前記力測定装置(1)のスライダ(39)に結合されている、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項12】
前記試験装置ホルダ(5)が、試験バー(43)を有しており、該試験バー(43)に少なくとも1つの試験装置(45)が取付け可能であるか、または取り付けられている、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項13】
前記試験バー(43)が、少なくとも1つの試験装置(45)を取り付けるための少なくとも1つの保持孔(49)を有している、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項14】
前記取付けアセンブリ(3)が、保護カバー(41)を有しており、該保護カバー(41)が、前記試験装置ホルダ(5)に取付け可能であり、該試験装置ホルダ(5)と一緒に前記力測定タワー(9)において移動可能である、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項15】
前記保護カバー(41)が、前記試験装置ホルダ(5)において、該試験装置ホルダ(5)に対して相対的に前記力測定タワー(9)の高さ方向で移動可能に配置可能である、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項16】
前記保護カバーが、特にポリカーボネートから成る透明な板または透明な枠体を有しているか、または特にポリカーボネートから成る透明な板または透明な枠体として形成されている、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)を備えた力測定装置(1)。
【請求項18】
前記力測定装置(1)が、医薬用の中空体における引張力および/または押圧力を測定するために構成されている、請求項17に記載の力測定装置(1)。
【請求項19】
試験装置ホルダ(5)であって、少なくとも1つの位置規定要素(11)と、角度調整装置(15)と、少なくとも1つの位置固定要素(19)とを備え、前記試験装置ホルダ(5)が、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)の試験装置ホルダ(5)として使用するために構成されている、試験装置ホルダ(5)。
【請求項20】
スライダ部材(7)であって、少なくとも1つの対応位置規定要素(13)と、角度調整装置(17)と、少なくとも1つの対応位置固定要素(21)とを備え、前記スライダ部材(7)が、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の取付けアセンブリ(3)のスライダ部材(7)として使用するために構成されている、スライダ部材(7)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力測定装置に試験装置ホルダを取り付けるための取付けアセンブリと、このような取付けアセンブリを備えた力測定装置と、試験装置ホルダと、力測定装置のためのスライダ部材とに関する。
【0002】
本明細書において扱われる種類の力測定装置は、特に医薬用の中空体において引張試験および押圧試験を実施するために使用される。したがって、このような力測定装置により、たとえば医薬用の中空体内において移動可能なピストンの滑り力および/または密閉性を、特にピストンの移動のために必要とされる押圧力に基づいて測定することができ、その際に特に、十分な量のシリコーンまたは別の滑材が塗布されているか、または場合によっては過多のシリコーンまたは別の滑材が塗布されていないかを検査することができる。さらに、特に医薬用の中空体における安定性、組付け力、破砕強度、ねじり耐性および別の特性を検査することができる。このような力測定装置は、一般的には、ロードセルと組み合わせて少なくとも1つの試験装置、たとえば押圧プランジャを保持するための試験装置ホルダと、力測定装置の力測定タワーに力測定タワーの高さ方向で移動可能に配置されているスライダ部材とを有している。試験装置ホルダは、スライダ部材に取り付けられており、スライダ部材と一緒に力測定タワーの高さ方向で移動可能である。力測定、特に引張力測定/押圧力測定のためには、少なくとも1つの試験装置を備えた試験装置ホルダが、スライダ上で、試料ホルダ、特に試料ホルダに配置された試料に対して相対的に、力測定タワーの高さ方向に沿って移動させられるか、または少なくとも移動方向で、つまり引張方向または押圧方向で試料に力を加える。この力は、特に時間に応じて検出される。時間的な力経過および/またはスライダの移動区間にわたってプロットされる力経過に基づいて、試料に関する情報を得ることができる。
【0003】
再現可能で重要な結果を得るためには、試料と、試験装置を備えた試験装置ホルダの移動経路、つまり特に力測定タワーの高さ方向に沿った試験装置ホルダの配向とが、互いに正確に平行に位置調整されていることが必要である。特に、測定結果に説得力をもたせたい場合には、試験装置の長手方向と、力測定タワーの高さ方向との間で角度のずれが存在していてはならない。
【0004】
したがって、試験装置ホルダを正確に定義された再現可能な形式で力測定装置に取り付けることができる必要性がある。
【0005】
したがって、本発明の根底にある課題は、上述の欠点が発生せず、特に力測定装置における試験装置ホルダの正確で安定的かつ再現可能な取付けが可能である、力測定装置に試験装置ホルダを取り付けるための取付けアセンブリ、このような取付けアセンブリを備えた力測定装置、このような力測定装置に取り付けるための試験装置ホルダおよびこのような力測定装置のためのスライダ部材を提供することである。
【0006】
この課題は、独立請求項に記載の対象を提供することにより解決される。有利な構成は従属請求項から分かる。
【0007】
本発明は、特に、力測定装置に試験装置ホルダを取り付けるための取付けアセンブリであって、試験装置ホルダと、力測定装置の力測定タワーに力測定タワーの高さ方向で移動可能に配置可能であるか、または配置されているスライダ部材とを有しており、試験装置ホルダが、少なくとも1つの位置規定要素を有しており、スライダ部材が、少なくとも1つの対応位置規定要素を有している、取付けアセンブリを提供することにより解決される。位置規定要素および対応位置規定要素が、力測定タワーの高さ方向と、この高さ方向に対して垂直な方向、特に幅方向とから選択された少なくとも1つの方向で、スライダ部材に対して相対的に試験装置ホルダの位置を固定し、かつ同時に位置規定要素および/または対応位置規定要素により定義された回転軸線を中心として、スライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの回転を可能にするように構成されていて、特に互いに適合させられている。試験装置ホルダは、第1角度調整装置をさらに有しており、スライダ部材は、第2角度調整装置を有している。これらの角度調整装置は、回転軸線を中心とした、スライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの角度を調整するように構成されていて、特に互いに適合させられている。好適には、角度調整装置は付加的に、回転軸線を中心とした、スライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの角度を固定するように構成されていて、好適には互いに適合させられている。試験装置ホルダは、少なくとも1つの位置固定要素をさらに有しており、スライダ部材は、少なくとも1つの対応位置固定要素を有している。位置固定要素および対応位置固定要素は、スライダ部材において試験装置ホルダを位置固定するように構成されていて、好適には互いに適合させられている。したがって、位置規定要素および対応位置規定要素により、試験装置ホルダを、スライダ部材において、かつスライダ部材に対して相対的に少なくとも1つの直線方向で固定することが簡単に可能となり、次いで回転軸線を中心とした試験装置ホルダの回転により、スライダ部材に対して相対的な、かつ同時に好適には力測定タワーの高さ方向に対して相対的な試験装置ホルダの角度調整が可能となる。このためには、有利には、特に好適には、角度を固定するために同時に使用することができる角度調整装置が使用される。最終的には、スライダ部材における試験装置ホルダの位置は、位置固定要素および対応位置固定要素により位置固定されるので、試験装置ホルダの位置は、特に力測定装置の使用中に、好適には力測定装置の連続する多数回の使用中に、不変のままである。したがって、本明細書において提案された取付けアセンブリにより、試験装置ホルダを確実で安定的に、かつ再現可能に力測定装置において位置調整しかつ固定することが可能となる。
【0008】
試験装置ホルダは特に、試験装置ホルダに少なくとも1つの試験装置を配置するように構成されている。特に好適には、試験装置ホルダは、試験装置ホルダに3つの試験装置を配置するように構成されている。このような試験装置は、好適には試験要素、特に押圧プランジャと、試験要素に作用結合されたロードセルとを有している。好適には、試験装置ホルダに、少なくとも1つの試験装置が配置されている。特に好適には、試験装置ホルダに3つの試験装置が配置されている。
【0009】
スライダ部材は、好適には力測定タワーにおいて、専ら高さ方向で移動可能であり、好適には高さ方向に対して垂直な別の座標方向では位置固定的に力測定タワーに結合されている。これにより、スライダ部材と、同時にスライダ部材に結合された試験装置ホルダとを、定義された正確かつ再現可能な形式で、力測定タワーの高さ方向に沿って移動させることができ、この際に別の運動が重畳することはない。スライダ部材自体は、力測定タワーのスライダとして形成されていてよく、このスライダは、適切な移動機構により、力測定タワーの高さ方向で線形に、この力測定タワーにおいて移動可能に保持されている。しかし、スライダ部材は、力測定タワーのスライダに着脱可能に取り付けられているスライダアタッチメントであってもよい。
【0010】
好適には、位置規定要素および対応位置規定要素は、両方向で、すなわち力測定タワーの高さ方向および高さ方向に対して垂直な方向、特に幅方向で、スライダ部材に対して相対的に試験装置ホルダの位置を決定するように構成され、特に互いに適合させられている。これにより試験装置ホルダを、特に正確かつ安定的にスライダ部材に配置することができる。
【0011】
位置規定要素および/または対応位置規定要素により定義された回転軸線は、好適には、力測定タワーの高さ方向が位置している1つの平面における、特に力測定タワーの高さ方向も、この高さ方向に垂直な幅方向も位置している平面における、回転軸線を中心としたスライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの回転が行われるように、位置調整されている。つまり回転軸線は、この平面に対して垂直方向である。特に回転軸線は、力測定装置の奥行き方向に延びている。
【0012】
力測定装置の座標軸/座標方向は、特に、力測定タワーにより定義された高さ方向と、この高さ方向に対して垂直であり、力測定装置の正面に立っているユーザにとって力測定装置に向いた視線で水平方向左から右に、または右から左に延びている幅方向と、力測定装置を見ているユーザの視線方向で高さ方向および幅方向に対して垂直に延びている奥行き方向とである。
【0013】
位置固定要素および対応位置固定要素は、特に、試験装置ホルダをスライダ部材においてロックするように構成され、かつ好適には互いに適合させられている。場合によっては、定義された回転軸線を中心とする角度を含む、試験装置ホルダとスライダ部材との間の相対位置が明確に固定される。
【0014】
奥行き方向での、かつ好適には互いに垂直かつ定義された回転軸線に対して垂直である別の両方の座標軸線を中心とした、スライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの位置は、好適にはスライダ部材における試験装置ホルダの平坦な当接により固定される。
【0015】
本発明の1つの改良形によれば、位置規定要素と対応位置規定要素とから選択された一方の要素が、位置決めピンを有していて、対応位置規定要素と位置規定要素とから選択された他方の要素が、位置決めピン収容部を有しており、該位置決めピン収容部が、位置決めピンを、特に形状結合式に収容するように構成されていることが規定されている。したがって、位置決めピンは、特に形状結合式に、組み付けられた状態で位置決めピン収容部に係合し、これによりスライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの位置を高さ方向でも幅方向でも固定するが、位置決めピンの長手方向軸線により定義された回転軸線を中心とした回転を可能にする。これにより、スライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの相対的な位置は、極めて簡単に、かつ廉価に製造可能な要素により、少なくとも部分的に固定される。
【0016】
位置決めピン収容部は、好適には孔として形成されている。特に位置決めピン収容部は、好適には、その形状およびサイズに関して位置決めピンに適合させられている孔として形成されているので、位置決めピンを形状結合式に孔内に収容することができる。
【0017】
特に好適には、位置規定要素が、特に孔として形成されている位置決めピン収容部を有していて、対応位置規定要素が、特に形状結合式に位置決めピン収容部内に、特に孔内に収容することができる位置決めピンを有している。
【0018】
本発明の1つの改良形によれば、位置規定要素は、少なくとも1つの方向に沿って試験装置ホルダに中心で配置されていることが規定されている。これにより、試験装置ホルダを、特に安定的にスライダ部材に配置することができ、回転軸線を中心とした、スライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの角度位置も、特に簡単かつ安定的な形式で定義することができる。このためには、特に好適には位置規定要素が、幅方向で試験装置ホルダの中心に配置されていて、特に好適には、試験装置ホルダの重心に、または中立軸線上に配置されている。この場合、回転軸線を中心とした試験装置ホルダの目下の角度位置とは関係なしに、試験装置ホルダに傾倒モーメントは作用しないので、スライダ部材に対して相対的な、回転軸線を中心とした試験装置ホルダの角度を、あまり力を使わずに調整することができる。このことは、この角度の高い精度で安定的かつ特に再現可能な調整を可能にする。
【0019】
本発明の1つの改良形によれば、第1角度調整装置と第2角度調整装置とから選択された一方の装置が、調整舌片を有しており、第2角度調整装置と第1角度調整装置とから選択された他方の装置が、2つの横枠体を備えた舌片収容部を有しており、調整舌片が、舌片収容部の2つの横枠体同士の間に配置可能であり、かつ回転軸線を中心として試験装置ホルダとスライダ部材との間の角度を調整するために旋回可能であることが規定されている。このことは、機械的に特に簡単な角度調整装置の構成を成し、角度調整装置は、精密かつ同時に廉価に製造することができるにもかかわらず、高い精度の調整を可能にする。横枠体は、特に、幅方向で見て側方の枠体であり、これらの枠体は、舌片収容部を幅方向において側方で画定する。特に、両方の横枠体は、舌片収容部内における調整舌片のためのストッパを形成する。特に好適には、横枠体は、ショルダとして形成されている。
【0020】
特に好適には、スライダ部材の第2角度調整装置が、両横枠体を備えた舌片収容部を有しており、試験装置ホルダの第1角度調整装置が、組み付けられた状態で舌片収容部に係合する調整舌片を有している。
【0021】
本発明の1つの改良形によれば、2つの横枠体のうちの少なくとも1つの横枠体内に、または2つの横枠体のうちの少なくとも1つの横枠体に、特に横方向で、つまり幅方向で移動可能に第1調整ピンが配置されており、調整ピンは、この調整ピンが横方向で移動させられた場合に、調整舌片を旋回させるために、舌片収容部内に部分的に係合することが規定されている。したがって、調整ピンは、特に舌片収容部内の調整舌片に力を加え、幅方向に沿って1つの方向で押しのけることができる。調整舌片と、舌片収容部とも、特に半径方向、好適には高さ方向で位置規定要素および対応位置規定要素から離間しているので、調整ピンによって回転軸線を中心とした回転モーメントが調整舌片に導入可能である。
【0022】
両方の横枠体のうちの他方の横枠体内に、または両方の横枠体のうちの他方の横枠体において、好適には第2調整ピンが配置されており、この第2調整ピンは同様に横方向で移動可能であり、第2調整ピンが横方向で移動させられた場合に、調整舌片を旋回させるために、他方の、幅方向で反対に位置する側で舌片収容部に係合する。これにより、第1調整ピンおよび第2調整ピンの横方向の移動により、スライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの角度を調節することができ、特に調整舌片を2つの調整ピンの間で有利には緊締することによって、少なくとも予備位置固定することができる。
【0023】
代替的には、第1調整ピンを有していない他方の横枠体に、ばね要素が配置されていることも可能であり、調整舌片の調整を、ばね要素の予荷重に抗した第1調整ピンの横方向の移動によって行うことができる。これにより、回転軸線を中心とした試験装置ホルダの回転を、両方の向きで、特に時計回りにも反時計回りにも引き起こすことができる。ある場合には、調整舌片が、調整ピンによりばね要素に抗して移動させられ、ばね要素の予荷重がこれにより高められる。別の場合には、ばね要素の予荷重が調整舌片を調整ピンに対して押圧するので、調整舌片は調整ピンに追随する。この場合、調整のために、有利には1つの調整ピンの操作のみが要求される。
【0024】
本発明の1つの改良形によれば、少なくとも1つの調整ピンが、調整ねじとして形成されている。好適には、調整ねじとして形成された調整ピンは、調整ピンに対応配置された横枠体のねじ山にかみ合っている。特に調整ピンは好適には、横枠体内に形成された、横枠体を横方向、特に幅方向で貫通するねじ山付き孔にかみ合う。調整ねじとしての調整ピンの構成は、特に簡単で廉価に製造可能かつ容易に操作可能な調整ピンの構成を成す。
【0025】
本発明の1つの改良形によれば、位置固定要素が長孔として形成されており、対応位置固定要素が、少なくとも1つのねじ孔として形成されている。長孔として形成された位置固定要素は、スライダ部材における試験装置ホルダの角度調整を可能にする。対応位置固定要素のねじ孔は、好適にはねじ山付き孔として形成されている。
【0026】
特に好適な構成では、対応位置固定要素が、互いに特に幅方向でずらされた2つのねじ孔を有している。これにより、スライダ要素における試験装置ホルダの特に安定的な取付けが可能である。
【0027】
ねじが、一方では長孔として形成された位置固定要素内に、他方では少なくとも1つのねじ孔として形成された対応位置固定要素内に係合することにより、試験装置ホルダを、特に簡単な形式でスライダ部材に位置固定することができる。
【0028】
本発明の1つの改良形によれば、取付けアセンブリが、少なくとも1つの貫通孔を備えたワッシャを有しており、ワッシャが、組み付けられた状態で、試験装置ホルダの長孔を覆うように構成されていることが規定されている。貫通孔は、特に、ねじにより貫通されるように構成されている。好適には、ワッシャは、このような2つの貫通孔を有しており、これらの貫通孔は、組み付けられた状態で、対応位置固定要素の、特に互いに幅方向でずらされた両方のねじ孔に整合するので、それぞれ1つのねじが、ワッシャ、長孔および長孔に対応配置されたねじ孔を貫通する。ワッシャにより、スライダ部材における試験装置ホルダの位置固定時に、特に有利な力分配が生じる。特に好適には、ワッシャは、試験装置ホルダの凹部に挿入されているので、奥行き方向で見て飛び出ていない。
【0029】
本発明の1つの改良形によれば、試験装置ホルダが、平坦面を有していて、スライダ部材が、対応平坦面を有しており、平坦面および対応平坦面は、スライダ部材に試験装置ホルダが組み付けられた状態で互いに面接触している、特に全面接触しているように構成され、かつ好適には互いに適合させられていることが規定されている。平坦面および対応平坦面は、組み付けられた状態で、好適には、回転軸線がこれらの面に対して垂直である、つまり平坦面および対応平坦面の法線ベクトルに対して平行に向けられているように位置調整されており、高さ方向および幅方向は、好適には、平坦面および対応平坦面に対して平行に位置調整されているか、または平坦面および/または対応平坦面に一致する1つの平面に位置している。
【0030】
対応平坦面における平坦面の面接触、特に全面接触により、奥行き方向でのスライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの並進位置と、回転軸線に対して垂直な残りの別の両方の回転軸線を中心とした、スライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの角度位置とを規定することができる。
【0031】
したがって、位置規定要素および対応位置規定要素は、2つの並進方向を規定し、第1角度調整装置および第2角度調整装置は、回転方向を規定する。平坦面および対応平坦面は、付加的に第3並進方向と、残っている両方の回転方向とを規定するので、結果としてスライダ部材に対して相対的な試験装置ホルダの全ての自由度が定義されている。
【0032】
回転軸線は、特に奥行き方向に沿って延びており、したがって残りの両回転軸線は、高さ方向および幅方向である。
【0033】
本発明の1つの改良形によれば、スライダ部材が、複数のスライダ位置決めピンおよび/または少なくとも1つのねじ締結部材、好適には複数のねじ締結部材、特に好適には6つのねじ締結部材により、位置固定的に力測定装置のスライダに結合されていることが規定されている。特に、スライダ部材は、好適にはスライダのベースプレート上に取り付けられており、特にベースプレートにねじ締結されている。これにより、スライダ部材は、このスライダ部材が存在している力測定装置のスライダに取り付けられることにより、既存の力測定装置に後装備するために構成されていてよい。したがって、既に存在している力測定装置を、試験装置ホルダの特に確実で安定的かつ再現可能な配置のために装備することができる。
【0034】
本発明の1つの改良形によれば、試験装置ホルダは、試験バーを有しており、この試験バーに少なくとも1つの試験装置が取付け可能であるか、好適には取り付けられていることが規定されている。特に、試験バーには、好適には3つの試験装置が取付け可能であるか、または取り付けられている。
【0035】
好適には、試験バーは幅方向に延びており、複数の試験装置、特に3つの試験装置が、幅方向で互いにずらされて並んで試験バーに取付け可能であるか、または取り付けられている。試験バーは、好適には奥行き方向で見て、試験装置ホルダの取付けプレートから離間して保持されているか、または奥行き方向で取付けプレートから突出している。取付けプレートは、特に位置規定要素と、第1角度調整装置と、位置固定要素とを有しているか、またはこれらの要素が取付けプレートに配置されているか、または形成されている。
【0036】
本発明の1つの改良形によれば、試験バーは、少なくとも1つの試験装置を取り付けるための少なくとも1つの保持孔を有していることが規定されている。同様に有利かつ簡単な形式で、試験装置が保持孔を貫通し、これにより試験バーに取り付けられていてよい。特に好適には、試験バーは、3つのこのような保持孔を、それぞれ1つの試験装置を取り付けるために、つまり合計で3つの試験装置を取り付けるために有している。
【0037】
本発明の1つの改良形によれば、取付けアセンブリが、保護カバーを有しており、保護カバーが、試験装置ホルダに取付け可能であり、好適には取り付けられており、試験装置ホルダが力測定タワーに取り付けられている場合、試験装置ホルダと一緒に力測定タワーにおいて移動可能であることが規定されている。保護カバーは、特に、試験装置ホルダに配置された1つの試験装置または複数の試験装置を覆うように構成されており、保護カバーは特に、試料が試験装置により検査される場合に、試料も覆うので、ユーザは、場合によっては生じる試料および/または試験装置の破損時に保護されている。特に、保護カバーは、試料の破裂時に、試料の破片がユーザの方向に達してユーザを傷付けることを阻止する。保護カバーが、試験装置ホルダに取り付けられていて、試験装置ホルダと一緒に移動可能であるので、保護カバーは、比較的小さく形成されていてよい。特に大型で高価かつ操作に手間のかかる保護ケーシング内における完全な力測定装置の配置は不要である。
【0038】
本発明の1つの改良形によれば、保護カバーが、試験装置ホルダにおいて、この試験装置ホルダに対して相対的に力測定タワーの高さ方向で移動可能に配置可能であり、好適には配置されていることが規定されている。このことは、ユーザの四肢、たとえば指が保護カバーと力測定装置の別の部材との間に入った場合に、ユーザのために効果的な挟まり防止を成す。保護カバーを、試験装置ホルダに対して相対的に高さ方向で移動させることができるので、試験装置ホルダが引き続き高さ方向で四肢に向かって移動させられた場合でさえ、ユーザの四肢が挟まれない。保護カバーは、試験装置ホルダに対して相対的に、特に予荷重を加えられながら移動可能であるので、保護カバーは、抵抗たとえば、ユーザ四肢が試験装置ホルダと一緒の保護カバーの移動を阻止しない限り、試験装置ホルダに対して相対的に安定的かつ定義された位置に保持されている。特に好適には、保護カバーは、ガイドレール、特に滑りレール内で移動可能に保持されており、ガイドレール、特に滑りレールは、試験装置ホルダに配置されているか、または試験装置ホルダに形成されている。しかし、保護カバー自体がこのようなガイドレール、特に滑りレールを有していることも可能であり、したがってこのガイドレール内に試験装置ホルダの適切なガイド突起、特にそれぞれ1つの適切なガイド突起が係合する。
【0039】
本発明の1つの改良形によれば、保護カバーが、特にポリカーボネート、特にマクロロン(登録商標)、特にガラスのように透明なポリカーボネートから成る透明な板または透明な枠体を有しているか、または特にポリカーボネート、特にマクロロン、特にガラスのように透明なポリカーボネートから成る透明な板または透明な枠体として形成されていることが規定されている。これにより、保護カバーは、安定的でも、透明、特に透き通っていてもよく、これによりユーザは試料を試験中に保護カバーを通して観察することができる。
【0040】
課題は、力測定装置であって、本発明に係る取付けアセンブリまたは上述の実施例のうちのいずれか1つの実施例による取付けアセンブリを有している、力測定装置を提供することにより解決される。力測定装置に関連して、特に取付けアセンブリに関連して既に説明された利点が実現される。
【0041】
本発明の1つの改良形によれば、力測定装置は、医薬用の中空体において引張力および/または押圧力を測定するために構成されていることが規定されている。特に、このような構成に関連して、上述の利点が実現される。
【0042】
課題は、試験装置ホルダであって、少なくとも1つの位置規定要素、角度調整装置および少なくとも1つの位置固定装置を有しており、試験装置ホルダが、本発明に係る取付けアセンブリまたは上述の実施例のうちのいずれか1つの実施例による取付けアセンブリの試験装置ホルダとして使用するために構成されている、試験装置ホルダを提供することによっても解決される。この場合、試験装置ホルダに関連して、特に上記で取付けアセンブリに関連して既に説明された利点が実現される。特に、試験装置ホルダは、上記で本発明に係る取付けアセンブリまたは取付けアセンブリの1つの実施例の試験装置ホルダに関連して説明された少なくとも1つの特徴、好適には特徴の組み合わせを有している。
【0043】
課題は最終的には、スライダ部材であって、少なくとも1つの対応位置規定要素、角度調整装置および少なくとも1つの対応位置固定要素を有しており、スライダ部材が、本発明に係る取付けアセンブリまたは上述の実施例のうちのいずれか1つの実施例による取付けアセンブリのスライダ部材として使用するために構成されている、スライダ部材を提供することによっても解決される。スライダ部材に関連して、特に既に取付けアセンブリに関連して説明された利点が実現される。好適には、スライダ部材は、上記で本発明に係る取付けアセンブリまたは取付けアセンブリの上述の実施例のうちのいずれか1つの実施例による取付けアセンブリのスライダ部材に関連して説明された少なくとも1つの特徴、好適には特徴の組み合わせを有している。
【0044】
本発明を以下に図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】試験装置ホルダ、試験装置ホルダを取り付けるための取付けアセンブリおよびスライダ部材を備えた力測定装置の1つの実施例を示す図。
図2図1に示した力測定装置の実施例を示す正面図。
図3図1に示した力測定装置の実施例を示す詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、力測定装置1の1つの実施例の図を示しており、この力測定装置1は、力測定装置1に試験装置ホルダ5を取り付けるための取付けアセンブリ3を有している。取付けアセンブリ3は、スライダ部材7を有している。このスライダ部材7は、力測定装置1の力測定タワー9に、この力測定タワー9の高さ方向に、図1では鉛直方向で移動可能に配置されている。試験装置ホルダ5は、少なくとも1つの位置規定要素11を有しており、スライダ部材7は、少なくとも1つの対応位置規定要素13を有している。位置規定要素11と対応位置規定要素13とは、力測定タワー9の高さ方向、つまり図1では鉛直方向と、この高さ方向に対して垂直である方向とから選択された少なくとも1つの方向で、スライダ部材7に対して相対的な試験装置ホルダ5の位置を固定し、同時に、位置規定要素11および/または対応位置規定要素13により定義された回転軸線Dを中心とした、スライダ部材7に対して相対的な試験装置ホルダ5の回転を許容するように、構成されている。図1に図示された実施例では、位置規定要素11と対応位置規定要素13とは、2つの方向、すなわち高さ方向および幅方向に沿った、スライダ部材7に対して相対的な試験装置ホルダ5の位置が固定されるように協働する。幅方向は、図1では斜視に基づいて水平線から僅かに逸脱して、僅かに左側上方から僅かに右側下方に向かって延びている。位置規定要素11および対応位置規定要素13により定義される回転軸線Dは、図1では図平面上で、僅かに傾斜した視線に基づいて傾斜しており、特に一方では幅方向により、かつ他方では高さ方向により展開される1つの平面に対して垂直である。したがって、回転軸線Dは、特に力測定装置1の奥行き方向に延びている。
【0047】
試験装置ホルダ5は、さらに第1角度調整装置15を有しており、スライダ部材7は第2角度調整装置17を有している。これらの角度調整装置15,17は、回転軸線Dを中心とした、スライダ部材7に対して相対的な試験装置ホルダ5の角度を調整し、かつ好適には固定するように、構成され、かつ特に互いに適合させられている。
【0048】
試験装置ホルダ5は、少なくとも1つの位置固定要素19をさらに有しており、スライダ部材7は、少なくとも1つの対応位置固定要素21を有している。位置固定要素19と対応位置固定要素21とは、試験装置ホルダ5をスライダ部材7に位置固定するように、構成され、かつ特に互いに適合させられている。位置固定要素19と対応位置固定要素21とは、図3に図示されており、詳細に説明される。位置固定要素19と対応位置固定要素21とは、特に、試験装置ホルダ5をスライダ部材7にロックし、かつ好適にはスライダ部材7における試験装置ホルダ5の位置、特に回転軸線Dを中心とした回転角度を明確に固定するように構成されている。
【0049】
位置規定要素11と対応位置規定要素13とにより、試験装置ホルダ5をスライダ部材7において、スライダ部材7に対して相対的に1つの直線方向で固定することが可能であり、次いで回転軸線Dを中心とした試験装置ホルダ5の回転により、スライダ部材7に対して相対的なひいては同時に力測定タワー9の高さ方向に対して相対的な試験装置ホルダ5の角度調整が可能である。このためには、有利には、角度調整装置15,17が使用される。これらの角度調整装置は、特に好適には、角度を固定するために同時に使用することができる。最終的に、スライダ部材7における試験装置ホルダ5の位置を、位置固定要素19および対応位置固定要素21により位置固定することができるので、試験装置ホルダ5の位置は、力測定装置1の使用時にも、不変のままである。したがって、本明細書において提案された取付けアセンブリ3によって、試験装置ホルダ5を確実で安定的に、かつ再現可能に力測定装置1において位置調整し、固定することが可能である。
【0050】
スライダ部材7における試験装置ホルダ5の平坦な当接により、特にスライダ部材7の対応平坦面25における試験装置ホルダ5の、図3に図示した平坦面23の平坦な当接により、力測定装置1の奥行き方向の第3並進方向ならびに互いに垂直かつ回転軸線Dに垂直である2つの回転軸線を中心とした別の2つの回転方向対応平坦面が生じる。この場合に、平坦面23と対応平坦面25とは、面接触している、特に互いに全面接触している。これにより、スライダ部材7に対して相対的な試験装置ホルダ5の向きを完全に固定することができ、この場合に全ての自由度が規定されている。
【0051】
位置規定要素11は、図面に示された実施例では、特に孔の形態の位置決めピン収容部27を有している。位置決めピン収容部27内に、対応位置規定要素13が好適には形状結合式に収容可能であり、対応位置規定要素13は本実施例では位置決めピン29として形成されている。位置決めピン29と位置決めピン収容部27とは、位置決めピン29を位置決めピン収容部27内に形状結合式に配置することができるように、互いに適合させられている。
【0052】
位置規定要素11は、本実施例では少なくとも幅方向で試験装置ホルダ5において中心に配置されている。特に好適には、位置規定要素11、ここでは位置決めピン収容部27は、試験装置ホルダ5の重心に、または中立軸線上に配置されている。したがって、位置規定要素11により、スライダ部材7において試験装置ホルダ5をモーメントなしに支承することができ、角度調整装置15,17によって、回転軸線Dを中心とした角度の、力を使わない調整が可能である。特に、試験装置ホルダ5が位置規定要素11によりスライダ部材7に配置されている場合、重力に基づく傾倒モーメントは試験装置ホルダ5に作用しない。
【0053】
第1角度調整装置15は、本実施例では調整舌片31を有しており、第2角度調整装置17は、2つの横枠体35,35’を備えた舌片収容部33を有している、調節舌片31は、舌片収容部33内で横枠体35,35’の間に配置されていて、試験装置ホルダ5とスライダ部材7との間の角度を調整するために旋回可能である。横枠体35,35’は、特に、調整舌片31のための特に肩部の形態のストッパである。
【0054】
スライダ部材7は、好適にはスライダ位置決めピンおよび/または少なくとも1つのねじ締結部材により、本実施例では特に6つのねじ37(図1では単に2つのねじしか見えない)により、位置固定的に力測定装置1のスライダ39に結合されている。特にスライダ部材7は好適にはスライダ39のベースプレート上にねじ留めされている。
【0055】
取付けアセンブリ3は、さらに保護カバー41を有している。この保護カバー41は、試験装置ホルダ5に取り付けられていて、試験装置ホルダ5と一緒に力測定タワー9において移動可能である。保護カバー41は、特に、力測定中の力測定装置1のユーザの保護、特に破砕または破裂防護のために働く。保護カバー41は、好適には試験装置ホルダ5に対して相対的に力測定タワー9の高さ方向で、特に予荷重を加えられながら移動可能に配置されている。特に、保護カバー41は、好適には試験装置ホルダ5においてガイドレール、好適には滑りレール内で移動可能にガイドされている。これにより、保護カバー41は、この保護カバー41がユーザの四肢、特に指または手と接触した場合に、試験装置ホルダ5が四肢に向かって引き続き移動させられたとしても、変位することができる。したがって、四肢の挟まりと、これによるユーザの怪我とが効果的に阻止される。
【0056】
保護カバー41は、好適には透明な板として、または透明な枠体として形成されている。保護カバー41は、特に好適にはポリカーボネート、特にマクロロン、特にガラスのように透明なポリカーボネートを含んでいるか、またはポリカーボネート、特にマクロロン、特にガラスのように透明なポリカーボネートから成っている。
【0057】
試験装置ホルダ5は、試験バー43を有している。この試験バー43には、少なくとも1つの試験装置45、本実施例では3つの試験装置45が取り付けられている。試験バー43は、力測定装置1の奥行き方向で取付けプレート47から突出しており、試験バー43は、力測定装置1の幅方向に延びている。
【0058】
特に、試験バー43は、試験装置45を取り付けるための少なくとも1つの保持孔49、本実施例では3つの保持孔49を有している。
【0059】
図2は、図1に示した力測定装置1の正面図を、保護カバー41を省略して示している。同一および機能同一の要素は、全ての図面において同一の参照符号を備えているので、それぞれ上述の説明が参照される。
【0060】
横枠体35,35’のそれぞれに、本実施例ではそれぞれ1つの調整ピン51,51’が横方向、つまり幅方向、すなわち図2では水平方向で移動可能に配置されており、調整ピン51,51’は、それぞれ舌片収容部33に係合し、これにより、調整ピン51,51’が横方向で移動させられた場合に、調整舌片31を旋回させることができる。好適には、調整ピン51,51’は、調整ねじとして形成されており、この調整ねじは、雄ねじ山を有しており、この雄ねじ山は、それぞれ対応配置された横枠体35,35’の対応する雌ねじ山にそれぞれかみ合う。
【0061】
しかし代替的には、横枠体35,35’のうちの単に一方の横枠体が調整ピン51,51’を有しているのに対して、横枠体35,35’のうちの他方の横枠体35,35’がばね要素を有しており、このばね要素が対応して、調整ピン51,51’とは反対の側に位置する側で調整舌片31を支持し、調整ねじ51,51’のねじ込みによる、ばね要素の予荷重に抗した移動を可能にする一方で、ばね要素は、その予荷重に基づいて、調整ピン51,51’がさらに舌片収容部33からねじり出された場合に、調整舌片31が調整ピン51,51’と一緒に移動させられる、つまり調整ピン51,51’に追随することを引き起こす。この構成は、結局のところ、図2に図示された構成に比べて簡単に操作することができる。なぜならば、単に1つの調整ピンがねじ操作されればよいからであり、一方で図2による実施例は、常に両方の調整ピン51,51’の操作を前提としている。しかし、図2による実施例は、試験装置ホルダ5の、安定的で特に著しく振動しにくい位置固定を可能にする。なぜならば、調整舌片31を確実に固くかつ安定的に両方の調整ピン51,51’の間で予め規定された角度位置に緊締することができるからである。
【0062】
図3は、試験装置ホルダ5およびスライダ部材7の詳細の概略的な分解図を示している。
【0063】
図3では、位置固定要素19が長孔として形成されており、対応位置固定要素21が少なくとも1つのねじ孔53として、ここでは特に2つのねじ孔53として形成されていることが明らかとなる。ねじ孔53は、特にねじ山付き孔として形成されている。
【0064】
特に、ねじ孔53は、互いに相対的に力測定装置1の幅方向でずらされている。
【0065】
取付けアセンブリ3は、さらにワッシャ55を有している。ワッシャは、少なくとも1つの貫通孔57、本実施例では2つの貫通孔57を有している。貫通孔57は、そのサイズおよび相互間隔に関して、ねじ孔53に適合させられているので、貫通孔は組み付けられた状態でねじ孔53に整合する。
【0066】
ワッシャ53は、組み付けられた状態で長孔52を覆うように構成されている。試験装置ホルダ5は、特に取付けプレート47において、好適には凹部59を有している。この凹部59内に、ワッシャ55を挿入することができる。次いで、図示していない2つの取付けねじにより、取付けねじがワッシャ55の貫通孔57と、長孔52とを通って、最終的にねじ孔53内に延び、ねじ孔53にねじ込まれることによって、好適には、試験装置ホルダ5がスライダ部材7において位置固定される。ワッシャ55は、位置固定力の改善された力分布を可能にする。
【0067】
長孔52および凹部59ならびにワッシャ55は、好適には、取付けねじが既に緩くねじ孔53内にねじ込まれている場合でも、特に回転軸線Dを中心とした角度位置に関して、スライダ部材7における試験装置ホルダ5の調整が可能であるように、寸法設定されている。特に凹部59は、ワッシャ55を収容するために必要であるよりも幾らか大きく、長孔も、好適には、取付けねじの直径および最大の幅方向間隔に一致するよりも大きく形成されている。
【0068】
試験装置ホルダ5が、特に回転軸線を中心とした角度に関して、スライダ部材7において調整されていると、ねじ孔53内に取付けねじを締めることによって、試験装置ホルダ5を確実かつ安定的にスライダ部材7において位置固定することができる。
【0069】
全体的に、本明細書において提案された取付けアセンブリ3、力測定装置1、試験装置ホルダ5およびスライダ部材7により、試験装置ホルダ5を確実で安定的に、かつ再現可能に力測定装置1において位置調整し、固定する可能性が提供されている。
図1
図2
図3
【国際調査報告】