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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】端部展開針付き生検システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
A61B10/02 300Z
A61B10/02 110J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532451
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(85)【翻訳文提出日】2021-06-08
(86)【国際出願番号】 US2019065169
(87)【国際公開番号】W WO2020123350
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】62/777,390
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511148271
【氏名又は名称】デビコー・メディカル・プロダクツ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Devicor Medical Products, Inc.
【住所又は居所原語表記】5th Floor, 300 E Business Way, Cincinnati, OH 45241, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ノック・アンドリュー・ピー
(57)【要約】
生検装置と使用するための針は、外側カニューレ及び組織穿孔先端を含む。外側カニューレは、カッター管腔の中にカッターを受け入れるためのカッター管腔、及びカッター管腔に隣接する横方向管腔を画定する。組織穿孔先端は、本体、マーカー開口部、及びマーカー管腔を有する。本体は、複数の切断面を画定する。マーカー開口部は、複数の切断面の少なくとも1つの切断面に配置される。マーカー管腔は、本体を通ってマーカー開口部から近位開口部に遠位に延びる。近位開口部はカッター管腔と連通する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生検装置と使用するための針であって、
(a)カッター管腔の中にカッターを受け入れるためのカッター管腔、及び前記カッター管腔に隣接する横方向管腔を画定する外側カニューレと、
(b)複数の切断面を画定する本体、前記複数の切断面の少なくとも1つの切断面に配置されたマーカー開口部、及び前記本体を通って前記マーカー開口部から近位開口部へ遠位に延びるマーカー管腔であって、前記近位開口部が前記カッター管腔と連通している前記マーカー管腔を有する組織穿孔先端と
を備える、前記針。
【請求項2】
前記マーカー開口部が、前記複数の切断面の単一の切断面に配置される、請求項1に記載の針。
【請求項3】
前記マーカー開口部が、前記複数の切断面の2つ以上の切断面に配置される、請求項1に記載の針。
【請求項4】
前記近位開口部が、前記カッター管腔によって画定された軸と同軸である、請求項1~3のいずれか1項以上に記載の針。
【請求項5】
前記マーカー管腔が、前記外側カニューレの中心軸に対して斜めの角度で配置される、請求項1~4のいずれか1項以上に記載の針。
【請求項6】
マーカー管腔が、マーカーを前記マーカー管腔の中に受け入れるサイズにされる、請求項1~5のいずれか1項以上に記載の針。
【請求項7】
前記マーカー管腔が、前記マーカー管腔内での組織の脱出を妨げるサイズにされる、請求項1~6のいずれか1項以上に記載の針。
【請求項8】
前記複数の切断面の前記各切断面が集中して1つ以上の刃先を形成する、請求項1~7のいずれか1項以上に記載の針。
【請求項9】
前記マーカー管腔を通してマーカーを展開するために、マーカー送達装置を前記カッター内に受け入れることができるように、前記カッターが、前記マーカー送達装置のカニューレを受け入れるように構成された管腔を画定する、請求項1~8のいずれか1項以上に記載の針。
【請求項10】
生検システムであって、
(a)本体、前記本体から遠位に延びる針、及び前記針に対して移動可能であるカッターを含む生検装置であって、前記針が、外側カニューレ、前記外側カニューレの末端部に固定された組織穿孔先端、及び前記カッターを受け入れるように構成されたカッター管腔を含み、前記組織穿孔先端が、前記カッターの外部及び前記カッター管腔と連通するマーカー管腔を画定する、前記生検装置と、
(b)マーカー出口が末端部に配置された前記末端部を有する細長いカニューレを含むマーカー送達装置と、
(c)生検部位マーカーであって、前記マーカー送達装置が、前記マーカー出口を通して、及び前記組織穿孔先端によって画定された前記マーカー管腔を通る前記針の中から前記生検部位マーカーを排出するように構成される、前記生検部位マーカーと
を備える、生検システム。
【請求項11】
前記マーカー送達装置の前記細長いカニューレが、前記生検装置の前記カッターへの挿入のために構成される、請求項10に記載の生検システム。
【請求項12】
前記マーカー送達装置の前記末端部が、丸みを帯びた遠位先端を画定する、請求項10及び11のいずれか1項以上に記載の生検システム。
【請求項13】
前記マーカー出口が、前記丸みを帯びた遠位先端の中心に置かれる、請求項12に記載の生検システム。
【請求項14】
前記組織穿孔先端が複数の切断面をさらに画定し、前記マーカー管腔が、前記複数の切断面の単一の切断面を通って延びる、請求項10~13のいずれか1項以上に記載の生検システム。
【請求項15】
前記組織穿孔先端が複数の切断面をさらに画定し、前記マーカー管腔が、前記複数の切断面の2つ以上の切断面を通って延びる、請求項10~13のいずれか1項以上に記載の生検システム。
【請求項16】
前記カッターが、前記マーカー送達装置の前記マーカー出口を前記組織穿孔先端の前記マーカー管腔と位置合わせするように構成される、請求項10~15のいずれか1項以上に記載の生検システム。
【請求項17】
前記針が、前記カッターを受け入れるように構成されたカッター受け入れ管をさらに含み、前記カッター受け入れ管及び前記外側カニューレが、ともに前記カッターの下方に配置された横方向管腔を画定する、請求項10~16のいずれか1項以上に記載の生検システム。
【請求項18】
前記カッターと連通し、前記カッターによって切断された1つ以上の組織試料を受け入れるように構成された組織試料ホルダをさらに備え、前記組織試料ホルダが、前記カッターを通したマーク付けのために前記マーカー送達装置の前記細長いカニューレを受け入れるように構成される、請求項10~17のいずれか1項以上に記載の生検システム。
【請求項19】
前記マーカー管腔が、前記針の長手方向中心軸に対してある角度で前記組織穿孔先端を通って延びる、請求項10~18のいずれか1項以上に記載の生検システム。
【請求項20】
生検部位にマークを付けるための方法であって、
(a)生検針を生検部位に近接して配置することと、
(b)カッターを前記針に対して移動させることによって前記生検部位から1つ以上の組織試料を収集することと、
(c)マーカー送達装置を、前記カッターを通して前記針に挿入することと、
(d)前記マーカー送達装置から前記生検部位に向かって、前記針の組織穿孔先端のマーカー管腔を通してマーカーを排出することと
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2018年12月10日に出願された「Biopsy System with End Deploy Needle」と題する米国仮特許出願第62/777,390号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
不規則なマンモグラム及び触診可能な異常のために、多くの患者が乳房生検を受ける。生検は、外科切除生検、ならびに定位乳房生検及び超音波ガイド下乳房針生検を含む場合がある。画像誘導生検の場合、放射線科医または他の医師が、実験室分析のために不規則な組織の小さい試料を採取する場合がある。生検が悪性であることが判明した場合、追加の手術(例えば、乳腺腫瘤摘出術または乳腺切除術)が必要になる場合がある。針生検の場合、患者は1日以上後に放射線科医を再受診する場合があり、手術に備えて、生検部位(病変の部位)を再配置する必要がある場合がある。超音波、磁気共鳴映像法(MRI)、またはX線などのイメージングシステムが、生検部位の位置を突き止めるために使用され得る。生検部位の再配置を支援するために、生検時にマーカーを配置し得る。
【0003】
生検を実施した組織が除去された場所にマークを付けるために、乳房生検後に使用されるマーカーの使用は、以下の米国特許、つまり2000年7月4日に発行された米国第6,083,524号、「Polymerizable biodegradable polymers including carbonate or dioxanone linkages」、2000年12月4日に発行された米国第6,162,241号「Hemostatic tissue sealants」、2001年8月7日に発行された米国第6,270,464号「Biopsy localization method and device」、2002年3月12日に発行された米国第6,356,782号、「Subcutaneous cavity marking device and method」、2003年8月12日に発行された米国第6,605,294号「Methods of using in situ hydration of hydrogel articles for sealing or augmentation of tissues or vessels」、2013年12月3日に発行された米国第8,600,481号「Subcutaneous cavity marking device」、及び2015年1月27日に発行された米国第8,939,910号、「Method for enhancing ultrasound visibility of hyperechoic materials」に説明されている。これらの米国特許のすべてが、参照により全体として組み込まれている。
【0004】
いくつかの状況では、マーカー生検部位マーカーは、生検処置後に生検部位を識別するために使用される。いくつかの実施例では、そのような生検部位マーカーは、側面展開マーカー送達装置を使用して生検針を通して生検部位に展開することができる。この構成では、マーカー送達装置は、生検針の側面開口に一致する側面開口を含む。ただし、この構成は、全ての状況で完全に満足できるものではない可能性があるが、それでも生検針を通して展開するという概念は、依然として望ましい場合がある。したがって、いくつかの状況では、生検針内に配置されたマーカー送達装置を用いて、端部展開マーカー送達装置から生検部位マーカーを展開することが望ましい場合がある。生検部位にマークを付けるためにいくつかのシステム及び方法が作成され、使用されてきたが、本発明者以前に添付の特許請求の範囲に説明する本発明を作成または使用した者はいなかったと考えられる。
【0005】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し明確に主張する特許請求の範囲で完結するが、本発明は、添付の図面と併せて考慮される以下の特定の実施例の説明からより良好に理解されると考えられ、図面で類似の参照番号は同じ要素を指す。図面で、いくつかの構成要素または構成要素の一部は、破線で表すように透視図で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】A~Cは、本開示の態様に係る、生検部位マーカーの配置の例示的な態様を示す。
図2】例示的なマーカー送達装置の斜視図を示す。
図3図2のマーカー送達装置の側面断面図を示す。
図4】マーカーが、生検部位にマークを付けるために図1のマーカー送達装置の遠位部分から、及び生検針の横方向開口を通して展開されている断面図を示す。
図5】例示的な生検針の詳細斜視図を示す。
図6図5の生検針の組織穿孔先端の詳細斜視図を示す。
図7図7の組織穿孔先端の側面立面図を示す。
図8図5の線8-8に沿って断面が取られた図5の生検針の斜視断面図を示す。
図9図5の生検針と使用するための例示的なマーカー送達装置の斜視図を示す。
図10図9のマーカー送達装置のカニューレの詳細斜視図を示す。
図11図10の線11-11に沿って断面が取られた図9のカニューレの詳細断面図を示す。
図12A】カニューレが生検針の中に挿入されている、図5の生検針及び図10のカニューレの側面断面図を示す。
図12B】マーカー送達装置が中間位置にある、図5の生検針及び図10のカニューレの別の側面断面図を示す。
図12C】マーカー送達装置が展開位置にある、図5の生検針及び図10のカニューレのさらに別の側面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面は、決して限定的となることを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されない方法も含む様々な他の方法で実施され得ることが企図されている。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を例示し、その説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。しかし本発明が、示される正確な配置に限定されないことは理解されるであろう。
【0008】
本発明の特定の実施例に関する以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態及び利点は、以下の説明から当業者には明らかであり、それは例示であり、本発明を実施するために企図される最良の形態のうちの1つである。理解されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の様々かつ明白な態様が可能である。したがって図面及び説明は本質的に例示であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0009】
病変を除去するまたは病変の試料を採取する前にまたは直後に、一時的であるのかそれとも恒久的であるのかに関わりなく、病変の場所または周辺にマークを付けることができることは有益である場合がある。除去する前にマークを付けることは、所望される場合、病変全体が切除されていることを確実にするのに役立ち得る。代わりに、病変が全体として不注意に除去された場合、処置の直後に生検部位にマークを付けることによって、将来の識別のためにその場所を再確認することが可能になるであろう。
【0010】
マーカーが生検部位に配置されると、マーカーが超音波下でも可視のままとなることが望ましい場合がある。また、患者の他の構造的特徴と比較してマーカーを容易に識別可能にすることが望ましい場合もある。例えば、以後の超音波検査中にマーカーを微小石灰化として不注意に特徴付けることを回避するために、マーカーが超音波可視化の下で微小石灰化から区別可能であることが望ましい場合がある。一般に、微小石灰化は、疑わしい病変または腫瘤を識別するために現場で使用される。したがって、一般に、超音波ビューがマーカーとして区別可能であり、不注意に新しい腫瘤として識別されないことが望ましい。
【0011】
I.例示的なマーカー
本明細書に提示する態様は、図1A図1Cに示すように、周辺組織(30)を有する生検腔(10)に経皮的にマークを付けるためのマーカーを製造するための装置及び手順に関する。例えば、図1Aに示すように、マーカー(100)は、生検部位の再配置を容易にするために、最初に生検腔(10)に配置され得る。マーカー(100)は、キャリヤ(120)及びマーカー要素(12)を含み得る。キャリヤ(120)は、一般に、生体吸収性マーカー材料(122)を含む。したがって、キャリヤ(120)は、一般に、マーカー(100)が生検腔(10)の中に配置された後の患者への吸収のために構成される。いくつかの実施例では、キャリヤ(120)は、超音波下でキャリヤ(120)の可視化を強化するために複数のマイクロバブルを含むことができる。以下により詳細に説明するように、マーカー材料(122)は一般に経時的に患者の組織の中に吸収され得るように、マーカー材料(122)は一般に生体吸収性である。この実施例では、マーカー材料(122)は、最初に脱水した状態にあるヒドロゲルを含む。この実施例では、ヒドロゲルが使用されているが、他の実施例では、マーカー材料(122)は他の既知の生体吸収性材料を含み得ることを理解されたい。
【0012】
この実施例では、マーカー(100)は、一般に生体吸収性ではないマーカー要素(12)をさらに含む。マーカー要素(12)は、キャリヤ(120)の生体吸収性マーカー材料(122)内に埋め込まれた放射線不透過性のまたはエコー源性のマーカーを含み得る。例えば、マーカー要素(12)は、本明細書の教示を考慮して当業者に既知の金属、硬質プラスチック、または他の放射線不透過性のまたは高エコー性の材料を含み得る。他の実施例では、マーカー(100)は、マーカー要素(12)なしで形成され得る。さらに他の実施例では、マーカー(100)は、キャリヤ(120)が省略され、マーカー要素(12)が「むき出しの」形であるように、マーカー要素(12)のみで形成され得る。言い換えると、いくつかの実施例では、マーカー(100)は、むき出しのクリップとしてキャリヤ(120)のみから形成される。
【0013】
マーカー材料(122)は、一般に、生検部位で患者の中に配置されると、膨張可能である。図1B及び図1Cに示すように、最初に脱水されたマーカー材料(122)は、それが挿入される周辺組織(30)から流体を吸収し得る。この流体の吸収に応えて、マーカー材料(122)は膨張して、それによってキャリヤ(120)が、生検処置中に組織試料を除去することによって生検部位に形成される腔を充填することを可能にし得る。生体吸収性材料は、移植した材料を経時的に完全にまたは部分的に置き換えるために、自然組織の成長が可能であることが所望される用途で特に適する場合がある。したがって、生体適合性が保証され、組織の自然な機械的パラメータは損傷を受ける前の状態のパラメータに実質的に復元される。
【0014】
マーカー(100)は、体腔(30)内の開口部を介して外科的に、またはカテーテル、誘導針、もしくは同様のタイプの挿入装置などの装置を使用する低侵襲的処置を通じてのどちらかで体内に挿入され得る。マーカー(100)は、組織標本自体を除去するために使用されるのと同じ装置を使用し、組織標本の除去直後に送達され得る。次に、X線マンモグラフィまたは超音波などのフォローアップ非侵襲的検出技術が、マーカー(100)を介して生検腔部位を識別し、位置を突き止め、一定期間にわたって監視するために医師によって使用され得る。
【0015】
この実施例のマーカー(100)は、例えばX線または超音波の観察下で臨床医が容易に見ることができるほど十分に大きいが、生検腔の中に経皮的に展開することが可能で、患者とのいかなる問題も引き起こさないほど十分に小さい。実施例は、乳房組織の治療及び診断に関連して説明されているが、本明細書に提示する態様は、例えば乳房組織、肺組織、前立腺組織、リンパ腺組織などの任意の内部組織でのマーカーに使用し得る。
【0016】
キャリヤ(120)のマーカー材料(122)のそれを取り囲む組織の自然の水分による水和作用によって、ポリマーの膨張が引き起こされ、したがって移動のリスクが最小限に抑えられる。成長するヒドロゲルベースのマーカー材料(122)は、その成長につれて、マーカー(100)を生検腔の中心に置く。ヒドロゲルが膨張すると、周辺組織からの自然に存在する水分、つまり水和作用は、伝達による音の増加を可能にし、ますます低エコーに見え、フォローアップ超音波研究で視覚化しやすい。
【0017】
キャリヤ(120)の水和したヒドロゲルマーカー材料(122)はまた、恒久的なマーカー(12)を組み立てるためにも使用され得る。恒久的なマーカー(12)は、水のような無反射基板を有する低エコー水和マーカー内の鏡面反射鏡として輪郭を描かれるため、水和したマーカー材料(122)の低エコー性質によって、ヒドロゲル水和マーカー材料(122)内での恒久的なマーカー(12)の超音波可視性が可能になる。
【0018】
II.例示的なマーカー送達装置
いくつかの実施例では、特定のマーカー送達装置を使用し、上述のマーカー(100)を体腔(30)の中に展開することが所望される場合がある。例えば、図2及び図3は、カニューレ(162)の末端部に隣接して形成されるが、末端部から近位に間隔をおいて配置された側面開口部(164)などのマーカー出口を有する細長い外側カニューレ(162)を含む例示的なマーカー送達装置(150)を示す。
【0019】
グリップ(166)は、カニューレ(162)の近端部に設けることができる。プッシュロッド(168)を設けることができ、プッシュロッド(168)はカニューレ(162)内で同軸上に延び、その結果プッシュロッド(168)はカニューレ(162)内で平行移動して、1つ以上のマーカーを側面開口部(164)を通して変位させるように構成される(図3を参照)。ロッド(168)は、開口部(164)を通してカニューレ(162)の内部管腔(165)からマーカーを押し出すほど十分な圧縮剛性を有し得るが、曲げにおいては比較的に可撓性であり得る。プランジャ(170)は、ロッド(168)をカニューレ(162)内で遠位に押し進めてマーカーをカニューレ(162)の中から展開するためにロッド(168)の近端部で結合される。
【0020】
ユーザーは、マーカー送達装置(160)がユーザーの片手だけで操作されるように、2本の指でグリップ(166)を把持し得、同じ手の親指を使ってプランジャ(170)を押し得る。ばね(図示せず)または他の特徴は、グリップ(166)及びカニューレ(162)に対して近位にロッド(168)を偏向させるためにロッド(168)の周りに設けられ得る。
【0021】
図3は、マーカー送達装置(160)の遠位部分の断面図を示す。見られるように、上述のマーカー(100)に類似した生検マーカー(300)は、カニューレ(162)の内部管腔(165)内に配置される。この実施例では、マーカー(300)は、コラーゲン、ヒドロゲルなどの概して円筒形状の本体、及びマーカー材料(306)内に配置されたまたはそれ以外の場合マーカー材料(306)によって運ばれる金属性の、一般に放射線不透過性の恒久的なマーカーまたはマーカー要素(310)(仮想線で示す)などの生体適合性のある、またはそれ以外の場合吸収性のマーカー材料(306)を含む。
【0022】
カニューレ(162)は、任意の適切な金属素材または非金属材から形成され得る。いくつかのバージョンでは、カニューレ(162)は、適切な医療グレードのプラスチックまたはポリマーから形成される薄壁の中空管から形成される。1つの適切な材料は、商品名PEBAXで知られているようなポリエーテルブロックアミド(PEBA)などの熱可塑性エラストマである。カニューレ(162)はPEBAXから形成されてよく、可視光及びX線に対して実質的に透明であってよい。
【0023】
側面開口部(164)は、カニューレ(162)の壁の一部分を切り取ることによって形成され得る。側面開口部(164)は、カニューレ(162)の内部管腔(165)と連通している。側面開口部(164)は、図3に示すように、近位開口端部(164A)から遠位開口端部(164B)に軸方向に(管腔(165)の軸に平行な方向に)延び得る。
【0024】
この実施例では、遠位先端(172)は、カニューレ(162)の末端部から延び、図3に示すように、丸みを帯びている。図3を参照すると、カニューレ(162)の末端部は一体型のエンドピース(171)によって閉じられており、エンドピース(171)の一部分はカニューレ(162)の内部管腔(165)の中に延びている。エンドピース(171)は、成形または鋳造された構成要素である場合がある。エンドピース(171)は、先端(172)、傾斜面(212)を有する傾斜路(210)、及びマーカー係合要素(240)を含む。傾斜面(212)は、マーカー(300)を内部管腔(165)から側面開口部(164)を通して移動させるのに役立つ。マーカー係合要素(240)は、ユーザーがマーカー(300)を展開することを意図するまでマーカー(300)を内部管腔(165)内に保持するのに役立つ。
【0025】
マーカー係合要素(240)は、内部管腔(165)内に配置され、マーカー係合要素(240)の少なくとも一部分は、側面開口部(164)の近端部(164A)から遠位に配置される。マーカー係合要素(240)は、マーカー係合要素(240)が、開口部(164)が中に形成されるカニューレ(162)の部分を補強するために配置されるように、開口部(164)の下のカニューレ(162)の下底の一部分に沿って延びる。例えば、図3に示すように、マーカー係合要素(240)を開口部(164)の真下に配置することによって、要素(240)は、カニューレ(162)の壁が開口部(164)を形成するために切断される領域内でカニューレ(162)を強化するために役立つ。図3に示すように、マーカー係合要素(240)は、傾斜面(212)の最も近位部分から延び、側面開口部(164)から近位に延びないが、他の実施形態では、要素(240)の一部分は開口部(164)から近位に延び得る。
【0026】
図3に示すように、マーカー係合要素(240)は、要素(240)が先細の近端部(242)を有するのを除き、要素(240)の軸方向長さに沿って概して均一な厚さ(T)を有する段の形をとる。先細近端部(242)は、管腔(165)の長手方向軸と約45度の夾角(図3の水平線との夾角)を形成し、一方、傾斜面(212)は、長手方向軸との約30度の夾角を形成する。任意の数の他の適切な角度を使用し得ることは言うまでもない。
【0027】
図3に示すように、マーカー係合要素(240)の上向きの表面(244)(開口部(164)に向く表面)は遠位に延びて傾斜面(212)に接触し、その結果、表面(244)と傾斜面(212)との間に空間または隙間はない。そのような配置は、マーカー(300)がマーカー係合要素(240)を越えて移動すると、マーカー係合要素(240)と傾斜路(212)との間で引っ掛かる可能性を低減するために有利である。いくつかのバージョンでは、マーカー係合要素(240)、傾斜路(210)、及び/または先端(172)は、カニューレ(162)の壁よりも比較的により放射線不透過性である材料から形成される、またはそれを含む。例えば、要素(240)、傾斜路(210)、及び先端(172)は、一体型のエンドピース(171)として形成される場合、エンドピース(171)は、硫酸バリウムなどの放射線不透過性添加剤を含み得る。例えば、エンドピース(171)は、約20重量パーセントの硫酸バリウムが溶融PEBAX成形材料に添加されたPEBAXから成形された構成要素である場合がある。比較的により放射線不透過性のマーカー係合要素(240)、傾斜路(210)、及び先端(22)は、放射線イメージングを使用し、それらの構成要素の位置を区別する際に役立つ場合がある。また、傾斜路(210)及び/または係合要素(240)の段が開口部(164)に関連して配置される場合、放射線不透過性材料を添加すると、開口部(164)の位置、及びマーカー(300)の展開の前、間、または後の開口部(164)に対するマーカー(300)の位置を識別するのに役立つ場合がある。
【0028】
図4を参照すると、マーカー送達装置(160)は、マーカー(300)を展開して患者内の生検場所にマークを付けるために使用される。図4では、穿孔先端(402)及び横方向組織受け入れ開口(414)を備えた、閉じた末端部を有するカニューレ生検針(400)が示されている。マーカー送達装置(160)は、生検針(400)を通して生検部位に導入され、生検針(400)は、生検部位から組織試料を収集するために使用されるのと同じ針(400)であってよい。生検針(400)は、単回挿入複数試料真空支援生検装置とともに使用されるタイプであってよい。いくつかのそのような生検装置は、本明細書に参照により言及され、組み込まれた様々な特許及び特許出願に開示されているが、他の生検装置も使用され得る。
【0029】
図4は、針(400)内に配置されたマーカー送達装置(160)の末端部を示す。針(400)は、組織内に配置され得、生検試料は横方向開口(414)を通して取得され、それによって横方向開口(414)に隣接する生検腔を提供し得る。次に、組織試料が取得され、針(400)を通して近位に移動された後、針(400)を患者の組織から取り外すことなく、マーカー送達装置(160)は針(400)の近位開口部に挿入される。図4では、針(400)及びマーカー送達装置(160)は、カニューレ(162)の開口部(164)及び針(400)の横方向開口(414)が軸方向にかつ円周方向に実質的に位置合わせされるように配置される。次に、マーカー送達装置(160)及び針(400)が生検部位でそのように配置された状態で、プッシュロッド(168)を前進させて、マーカー(300)を、開口部(164)を通して及び次いで横方向開口(414)を通して生検腔の中に、傾斜面(212)上方に展開する。
【0030】
III.端部展開機能を備えた例示的な生検システム
いくつかの実施例では、上述のマーカー(100、300)に類似するマーカーを他の方法で展開することが望ましい場合がある。特に、いくつかの実施例では、上述のマーカー送達装置(150)に類似したマーカー送達装置の末端部からマーカーを展開することが望ましい場合がある。そのような実施例では、末端部からの展開は、使いやすさの改善のために望ましい場合がある。例えば、マーカーが上述の側面開口部(164)のような開口部を通して展開されると、そのようなマーカーは開口部(164)から強い抵抗を受けやすい場合がある。さらに、いくつかの実施例では、プッシュロッド(168)に類似したプッシュロッドは、開口部の係合の影響を受けやすく、これは処置時間の増加につながるであろう。展開がマーカー送達装置の末端部を通して提供される実施例では、これらの課題を排除することができる。
【0031】
マーカー展開がマーカー送達装置の末端部を通して提供される実施例では、そのようなマーカー送達装置の構成を支援するために関連する装置に特徴を組み込むことが望ましい場合がある。例えば、マークを付けることが生検針を通して実行される実施例では、マーカー送達装置の末端部を通してマーカー展開をより容易に促進するために特徴を生検針に含めることが望ましい場合がある。マーカー展開を、マーカー送達装置の末端部を通して提供するために適した装置の様々な実施例が本明細書に説明されているが、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかになるように、様々な代替構成を使用し得ることを理解されたい。
【0032】
A.展開開口部を備えた例示的な生検針
図5図8は、本明細書に説明する様々なマーカー送達装置とともに使用し得る例示的な生検針(600)を示す。本明細書に特に明示的に断りのない限り、生検針(600)は、上述の生検針(400)に実質的に類似していることを理解されたい。この実施例の生検針(600)は、外側カニューレ(610)、その中に形成された横方向開口(612)、及び外側カニューレ(610)の末端部に固定された組織穿孔先端(640)を含む。図示されていないが、生検針(600)を介して組織試料の収集を促進するために、外側カニューレ(610)の近端部を生検装置(図示せず)の末端部に結合できることを理解されたい。
【0033】
外側カニューレ(610)は、外側カニューレ(610)の末端部内に受け入れられたカッター受け入れ管(620)を含む。カッター受け入れ管(620)は横方向開口(612)を画定し、概して円形である。一方、外側カニューレ(610)は楕円形である。図8に最もよく見られるように、この構成により上部カッター管腔(622)及び下部横方向管腔(624)を備えた2管腔構成が提供される。カッター管腔(622)と下部管腔(624)の両方とも、横方向開口(612)の反対側のカッター受け入れ管(620)の一部分の中に配置された1つ以上の流体開口部(626)によって流体連通している。
【0034】
カッター受け入れ管(620)は、一般に、管状のカッター(630)を受け入れるように構成される。カッター(630)が、一般に、横方向開口(612)に対してカッター受け入れ管(620)内で移動可能であるように構成されることを理解されたい。いくつかの実施例では、カッター(630)は、横方向開口(612)を「開く」ために横方向開口から近位に動かされる。組織試料は次に、カッター管腔(622)、横方向管腔(624)、または両方を通して供給された真空によって横方向開口(612)の中に引き込まれる。カッター(630)は次に、組織試料を切断するために、図8に示す位置まで遠位に前進される。切断された組織試料は次に、生検装置によって供給される真空の下で、カッター(630)を通して及び組織試料ホルダまたは他の組織受け入れ特徴の中に運ぶことができる。
【0035】
穿孔先端(640)は、図6及び図7に最もよく示されている。見られるように、穿孔先端(640)は、穿孔先端(640)の末端部に複数の切断面(644)を画定する本体(642)を含む。この実施例では、3つの切断面(644)が集中し、それによって複数の刃先(646)を形成するために本体(642)の外部の周りに配置されている。刃先(646)は、同様に集中して鋭い遠位先端(647)を形成する。表面(644)は本明細書で「切断面」と呼ばれるが、組織の実際の切断は、他の構造的な要素によって実行できることを理解されたい。例えば、この実施例では、刃先(646)及び鋭い遠位先端(647)が実際に切断を実行する。一方、切断面(644)は、単に刃先(646)及び鋭い遠位先端(647)の形状及びまたは構造を画定するにすぎない。したがって、本明細書で用語「表面」に関連して用語「切断」を使用することは、組織の物理的な切断がそのような切断面(644)によって実行されることを必ずしも暗示しない。
【0036】
切断面(644)は、様々な方法で本体(642)の外部に形成することができる。例えば、いくつかの実施例では、切断面(644)は、金属射出成形などの成形技術によって大まかに形成することができる。次に、切断面(644)は、切断、研削、研磨、またはその組み合わせによってさらに画定することができる。他の実施例では、切断面(644)は、切断、研削、研磨、またはその組み合わせによって完全に形成することができる。切断面(644)を形成するためのさらに他の技術は、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかになる。
【0037】
この実施例の切断面(644)は、概して平坦である。言い換えると、各切断面(644)は、本体(642)の長手方向軸に対してある角度で配向された単一の平面内にある。この実施例の各切断面(644)は本体(642)の長手方向軸に対してある特定の角度で配向されているとして示されているが、本明細書の教示を考慮すると当業者に明らかになるように、他の実施例では、様々な代替の角度を使用できることを理解されたい。
【0038】
本体(642)の近端部は、中間端部(652)、及び中間端部(652)から近位に延びる近端部(654)を含む。中間端部(652)及び近端部(654)は、ともに概して円筒形を画定する。さらに、中間端部(652)及び近端部(654)は、ともに互いに対して同軸方向に配向される。しかしながら、中間端部(652)及び近端部(654)が、段の形成と同様にともに漸次的に減少する断面を形成するように、中間端部(652)は近端部(654)の直径と比較してより大きい直径を有する。
【0039】
中間端部(652)と近端部(654)の両方とも、外側カニューレ(610)の少なくとも一部分の中での受け入れのために構成される。例えば、図8に最もよく見られるように、中間部(652)は、外側カニューレ(610)の内側にありながらも、カッター受け入れ管(620)の末端部の上部に直接的に当接するように構成される。一方、近端部(654)は、中間端部(652)を越えて近位に、さらにカッター受け入れ管(620)の内部に延びる。さらに、近端部(654)の直径は、一般に、カッター受け入れ管(620)と近端部(654)の外部との間に空間を設けるために、カッター受け入れ管(620)の直径に比較して小さい。この空間は、一般に、組織の切断を促進するためにカッター(630)の少なくとも一部分の受け入れのために構成される。
【0040】
この実施例では、組織穿孔先端(640)の本体(642)は、レーザー溶接などの溶接プロセスによって外側カニューレ(610)及びカッター受け入れ管(620)に結合される。他の実施例では、本体(642)は、接着、機械的な固締、及び/または圧縮篏合などの様々な方法で外側カニューレ(610)及び/またはカッター受け入れ管(620)に結合できる。
【0041】
図6に最もよく見られるように、本体(642)は、単一の切断面(644)に配置された遠位開口部(648)をさらに画定する。遠位開口部(648)は概して楕円形であり、以下により詳細に説明するように、本体(642)を通って延びる管腔(650)と連通している。この実施例では、遠位開口部(648)は、上向きに(例えば、図6のページの上部に向かって)配向された切断面(644)に配置される。しかしながら、他の実施例では、遠位開口部(648)は、任意の他の切断面(644)に配置できることを理解されたい。
【0042】
この実施例では、遠位開口部(648)は、生検針(600)が組織に穴をあけている間、遠位開口部(648)と組織との間の相互作用を一般に回避するために完全に単一の切断面(644)内部に配置される。そのような状況では、切断面(644)と組織との間の力のその大半は刃先(646)に向けられる。したがって、組織穿孔先端(640)が組織に穴をあけるにつれ、そのような組織は、一般に、遠位開口部(648)によって引っ掛かるまたは摩耗するのではなく、遠位開口部(648)上を移動する。
【0043】
遠位開口部(648)は完全に単一の切断面(644)上に配置されているとして本明細書に説明されているが、他の実施例では、遠位開口部(648)は、複数の切断面(644)にわたって配置され得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施例では、遠位開口部は、遠位先端(647)に隣接して配置することができ、したがって3つすべての切断面(644)と交差することができる。そのような実施例では、遠位先端(647)及び切断面(644)の組み合わせは、皮下注射針に類似している場合がある。
【0044】
以下により詳細に説明するように、遠位開口部(648)は、一般に、本体(642)の中からマーカーを伝達するように構成される。したがって、遠位開口部(648)のサイズまたは直径が、一般に、上述のマーカー(100、300)のようなマーカーのサイズまたは直径に一致することを理解されたい。同様に、この実施例の遠位開口部(648)は完全に単一の切断面(644)上に配置されているので、1つ以上の切断面(644)もマーカーのサイズまたは直径に比例したサイズにすることができることを理解されたい。遠位開口部(648)は、マーカーを収容するほど十分に大きい一方で、一般に組織の進入を妨げるほど十分に小さい。以下により詳細に説明するように、このサイジングによって、遠位開口部(648)がマーカー送達のために使用されていないときに、遠位開口部(648)が隣接する組織を使用し、自封することが可能になる。
【0045】
図7及び図8に最もよく見られるように、本体(642)は、遠位開口部(648)から近位開口部(651)に延びる管腔(650)を画定する。管腔(650)の断面直径またはサイズは、一般に、遠位開口部(648)の直径に一致する。上述の遠位開口部(648)と同様に、管腔(650)は、一般に、本体(642)を通して近位開口部(651)から遠位開口部(648)にマーカーを伝達するサイズにされる。この実施例の管腔(650)の断面直径またはサイズは、一般に本体(642)の長さに沿って一貫しているとして示されているが、いくつかの実施例では、管腔(650)の断面直径またはサイズは本体(642)の長さに沿って変化する場合があることを理解されたい。例えば、いくつかの実施例では、管腔(650)の断面直径またはサイズは、管腔(650)が近位開口部(651)から遠位に延びるにつれ、内向きに先細る場合がある。そのような実施例では、管腔(650)は、このようにしてマーカーを所望の位置に移動させるための漏斗として機能することができる。管腔(650)の他のサイズ及び/または形状が、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかになり得ることは言うまでもない。
【0046】
図7に最もよく見られるように、管腔(650)は、本体(642)の長手方向軸に対してわずかな角度で配向される。特に、管腔(650)は、管腔(650)が遠位に延びるにつれ、管腔(650)が上方に延びるように角度がつけられている。この実施例では、この角度は、遠位開口部(648)と近位開口部(651)との間の向きの違いを説明するために存在している。ほんの一例として、この実施例の管腔(650)の特定の角度は約5°である。しかしながら、他の実施例では、管腔(650)の角度は2と10°の間の範囲となる場合があることを理解されたい。さらに他の実施例では、組織穿孔先端(340)の特定のサイズ、形状、及び配置に応じて、様々な他の角度が使用され得る。
【0047】
近位開口部(651)は、本体(642)の近端部(654)によって画定される。図8に最もよく見られるように、近位開口部(651)は、管腔(650)を針(600)の内部に接続する。以下により詳細に説明するように、この構成によって、マーカーをカッター(630)を通して、及び管腔(650)の中に送達することが可能になる。したがって、近位開口部(651)が、一般に、カッター(630)と位置合わせするように配置されることを理解されたい。さらに、近位開口部(651)は、近位開口部(651)が一般にマーカーを受け入れるように構成されるように、マーカーの直径またはサイズに一致する直径またはサイズを画定する。
【0048】
B.端部展開を備えた例示的なマーカー送達装置
図9図11は、上述の針(600)とともに使用できる例示的なマーカー送達装置(700)を示す。図9に最もよく見られるように、マーカー送達装置(700)は、マーカー出口(714)を有する細長い外側カニューレ(712)を含む。外側カニューレ(712)は、一般に、針(600)のカッター(630)内に摺動可能に嵌るようなサイズにされる。同様に、カニューレ(712)の長さは、一般に、針(600)の長さに一致するようなサイズにされる。いくつかの実施例では、カニューレ(712)の特定の長さが針(600)の長さよりも大きくなる可能性があることを理解されたい。例えば、いくつかの実施例では、針(600)及び/またはカッター(650)の近端部は、組織試料ホルダまたは他の組織収集装置に結合できる。そのような実施例では、カニューレ(712)の長さは、針(600)/カッター(650)及び様々な組織収集装置の両方と通って延びるために最適な長さを有する場合がある。
【0049】
グリップ(716)は、カニューレ(712)の近端部に設けることができる。プッシュロッド(718)を設けることができ、プッシュロッド(718)はカニューレ(712)内で同軸上に延び、その結果プッシュロッド(718)はカニューレ(712)内で平行移動して、1つ以上のマーカーをマーカー出口(714)を通して変位させるように構成される。プッシュロッド(718)は、一般に、マーカー出口(714)を通してカニューレ(712)の内部管腔(715)からマーカーを押し出すほど十分な圧縮剛性を有するが、曲げにおいては比較的可撓性である。プランジャ(720)は、プッシュロッド(718)をカニューレ(712)内で遠位に押し進めてマーカーをカニューレ(712)の中から展開するためにプッシュロッド(718)の近端部で結合される。
【0050】
図10は、カニューレ(712)の末端部(722)の詳細図を示す。見られるように、マーカー出口(714)は、末端部(722)の中心に配置される。したがって、マーカー出口(714)が、一般に、カニューレ(712)の内部管腔(715)と同軸上に配置されることを理解されたい。その結果、この実施例のマーカー送達装置(700)は、「側面展開」マーカー送達装置ではなく「端部展開」マーカー送達装置である。以下により詳細に説明するように、この構成によって、一般に、マーカー送達装置(700)を針(600)と使用して、横方向開口(612)ではなく遠位先端(647)の遠位開口部(648)からマーカーを展開することが可能になる。
【0051】
末端部(722)は、カニューレ(712)の外径に対して概して丸みを帯びている。したがって、末端部(722)は、一般に、マーカー出口(714)に向かって内向きに先細になる、または丸くなることを理解されたい。理解されるように、この構成は、一般に、針(600)の様々な内部配置での末端部(722)の引っ掛かりを回避する。末端部(722)は、丸みを帯びているとして示されているが、円錐台形、先細、及び/または他などの様々な他の代替形状を使用できることを理解されたい。
【0052】
図11に最もよく見られるように、末端部(722)は、カニューレ(712)に挿入された別個の構成要素として示されている。特に、末端部(722)は遠位先端(724)及び不活性部分(726)を含む。遠位先端(724)は、カニューレ(712)にとっては外部である末端部(722)の丸みを帯びた部分を画定する。挿入部分(726)は、遠位先端(724)から近位に延び、カニューレ(712)内に配置される。挿入部分(726)は、内部管腔(715)の内径に対して遠位にわずかに特大である先細の直径を画定する。挿入部分(726)が遠位先端(724)から離れて近位に延びるにつれて、挿入部分(726)の直径は、内部管腔(715)の内径にほぼ同等になるまで漸次的に減少する。この構成によって、一般に、末端部(722)とカニューレ(712)との間にプレス嵌め構成が提供される。さらに、この構成によって、マーカーが移行時に引っ掛かるのを防ぐためにカニューレ(712)と末端部(722)との間で緩やかな移行が提供される。この実施例では、プレス嵌めまたは機械的な篏合が使用されているが、他の実施例では、末端部(722)は、スナップ嵌め、接着、溶接、及び/または他などの他の固締方法を使用し、カニューレ(712)に固定できることを理解されたい。さらに他の実施例では、末端部(722)はカニューレ(712)と一体となることができる。
【0053】
この実施例のマーカー送達装置(700)は、マーカー(300)を備えて示されている。しかしながら、他の実施例では、任意の適切な代替マーカーを、マーカー送達装置(700)と使用できることを理解されたい。マーカー(300)は、最初にプッシュロッド(718)の末端部から遠位にカニューレ(712)内に配置される。したがって、プッシュロッド(718)をカニューレ(712)内で前進させて、マーカー(300)をマーカー出口(714)から押し出すことができることを理解されたい。図示されていないが、いくつかの実施例では、内部管腔(715)は、マーカー(300)がプッシュロッド(718)によってマーカー出口(714)から作動されるまでマーカー(300)をカニューレ(712)の中に保持するために、戻り止め、内部隆起、ゴムガスケット、または他の同様の機能を備えることができることを理解されたい。
【0054】
C.生検部位マーカーの端部展開のための例示的な方法
図12A図12Cは、マーカー送達装置(700)の針(600)との例示的な使用を示す。図12Aに見られるように、マーカー送達装置(700)のカニューレ(712)は、最初にカッター(630)を通して針(600)に挿入される。特に、カニューレ(712)は、末端部(722)が組織穿孔先端(640)の近端部(754)に接触するまでカッター(630)を通して針(600)に挿入される。この位置で、カニューレ(712)はカッター(630)と同軸上にある。これにより、マーカー出口(714)は組織穿孔先端(640)の近位開口部(651)と位置合わせされる。
【0055】
カニューレ(712)が図12Aに示すように針(600)内に配置されると、マーカー送達装置(700)は、マーカー(300)の展開のために配置される。したがって、この段階で、マーカー(300)がカニューレ(712)内に配置されていることを理解されたい。同様に、プッシュロッド(718)は、カニューレ(712)内の近端位置に対応する事前作動状態にある。
【0056】
マーカーの展開のためにマーカー送達装置(700)を針(600)の中に挿入することは、生検処置中の様々な段階で起こり得る。例えば、いくつかの実施例では、マーカー送達装置(700)は、生検処置の完了後に針(600)に挿入することができ、一方、すべての所望の組織試料が所与の生検部位から収集されても、針(600)はまだ患者内に配置されている。代わりに、マーカー送達装置(700)は、生検処置中の1つ以上の中間段階で針(600)に挿入することができる。さらに他の実施例では、マーカー送達装置(700)は、目的の部位のマーク付けが所望される他の段階で使用できる。さらに、図示されていないが、マーカー送達装置(700)の挿入が、組織試料ホルダの調整、組織試料ホルダの取り外し、または組織試料ホルダのパーツの取り外し、または生検装置の他の部分の取り外しなどの他の処置ステップを伴う場合があることを理解されたい。
【0057】
マーク付けを実行する特定の段階に関わりなく、いくつかの実施例では、針(600)が、マーク付けの前に、生検部位に対して少なくともいくらかの再配置を必要とする場合があることを理解されたい。例えば、この実施例では、組織試料は、針(600)の横方向開口(612)を通して収集される。一方、マーク付けは、横方向開口(612)から離れて配置される遠位開口部(648)を通して行われる。したがって、いくつかの実施例では、遠位開口部(648)を、最初に横方向開口(612)に隣接して配置されていた生検部位と位置合わせするために、針(600)を再配置することが望ましい場合がある。
【0058】
カニューレ(712)が針(600)に挿入されると、手術者は、マーカー送達装置(700)からマーカー(300)を展開することを所望する場合がある。マーカー(300)の展開は、図12B及び図12Cに示されている。見られるように、展開は、プランジャ(720)またはプランジャ(720)及びグリップ(716)の組み合わせを使用してプッシュロッド(718)を遠位に前進させることによって開始される。図12Bに示すように、プッシュロッド(718)が前進すると、プッシュロッド(718)の末端部はマーカー(300)と係合して、プッシュロッド(718)とともにマーカーを遠位に動かす。
【0059】
マーカー(300)がプッシュロッド(718)を介して遠位に動かされるにつれて、マーカー(300)はカニューレ(712)の内部管腔(715)を通して、末端部(722)を通して、及びマーカー出口(714)から押し出される。マーカー(300)がマーカー出口(714)から押し出されると、マーカーは、近位開口部(651)を介して組織穿孔先端(640)の管腔(650)に進入する。管腔(650)は上述のような角度で配向されるので、管腔(650)は、マーカー(300)を管腔(650)の軸に沿ってある程度位置合わせすることができることを理解されたい。
【0060】
図12Cに最もよく見られるように、プッシュロッド(718)がさらに前進すると、マーカー(300)が組織穿孔先端(640)の遠位開口部(648)を通って針(600)から完全に出るまで、マーカー(300)は管腔(650)を通ってさらに進む。図示されていないが、いくつかの用途では、プッシュロッド(718)の遠位部分も遠位開口部(648)を通って針(600)から出て、マーカー(300)の組織の中へのさらなる穿孔を提供できることを理解されたい。しかしながら、他の用途では、プッシュロッド(718)は、図12Cに示すように、代わりに管腔(650)内に留まる場合がある。
【0061】
マーカー(300)が、図12A図12Cに示すように展開されると、マーカー送達装置(700)は針(600)から取り外すことができる。追加のマーク付けが所望される場合、マーカー送達装置(700)に追加のマーカー(300)を再装填することができる。代わりに、別の同一のまたは実質的に同一のマーカー送達装置(700)を追加のマーカー(300)の展開のために使用することもできる。マーカー(300)の展開後に追加のマーク付けが所望されない場合、マーカー送達装置(700)の取り外しと併せてまたは別々に、針(600)を患者から取り除くこともできる。
【0062】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示が組み合わされ得るまたは適用され得る、種々の非包括的な方法に関する。以下の実施例は、本出願または本出願の後続の出願の任意の時点で提示され得る、任意の特許請求の範囲の適用範囲を制限することを意図しないことを理解すべきである。権利放棄は意図していない。以下の実施例は、単に例示的な目的で示しているにすぎない。本明細書の種々の教示を他の多くの方法で配置及び適用し得ることは、想到されている。いくつかの変形例が、以下の実施例で言及される特定の構成要素を省略してもよいことも想到されている。したがって、後で発明者によって、または対象となる発明者の後継者によって、特に明白に示されていない限り、下記に言及される態様または特徴のいずれも重大なものとみなすべきではない。本出願または本出願に関連する後続の出願にて、以下で言及する以外の更なる特徴を含む、何らかの特許請求の範囲が示された場合、これらの更なる特徴は、特許性に関係する何らかの理由で追加されたものと推定するものではない。
【0063】
実施例1
生検装置と使用するための針であって、カッター管腔の中にカッターを受け入れるためのカッター管腔、及び前記カッター管腔に隣接する横方向管腔を画定する外側カニューレと、複数の切断面を画定する本体、前記複数の切断面の少なくとも1つの切断面に配置されたマーカー開口部、及び前記本体を通って前記マーカー開口部から近位開口部へ遠位に延びるマーカー管腔であって、前記近位開口部が前記カッター管腔と連通している前記マーカー管腔を有する組織穿孔先端とを備える、前記針。
【0064】
実施例2
前記マーカー開口部は、前記複数の切断面の単一の切断面に配置される、実施例1に記載の針。
【0065】
実施例3
前記マーカー開口部は、前記複数の切断面の2つ以上の切断面に配置される、実施例1に記載の針。
【0066】
実施例4
前記近位開口部は、前記カッター管腔によって画定された軸と同軸である、実施例1~3のいずれか1つ以上に記載の針。
【0067】
実施例5
前記マーカー管腔は、前記外側カニューレの中心軸に対して斜めの角度で配置される、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載の針。
【0068】
実施例6
前記マーカー管腔は、マーカーを前記マーカー管腔の中に受け入れるサイズにされる、実施例1~5のいずれか1つ以上に記載の針。
【0069】
実施例7
前記マーカー管腔は、前記マーカー管腔内での組織の脱出を妨げるサイズにされる、実施例1~6のいずれか1つ以上に記載の針。
【0070】
実施例8
前記複数の切断面の前記各切断面は集中して1つ以上の刃先を形成する、実施例1~7のいずれか1つ以上に記載の針。
【0071】
実施例9
前記マーカー管腔を通してマーカーを展開するために、マーカー送達装置を前記カッター内に受け入れることができるように、前記カッターが、前記マーカー送達装置のカニューレを受け入れるように構成された管腔を画定する、実施例1~8のいずれか1つ以上に記載の針。
【0072】
実施例10
生検システムであって、本体、前記本体から遠位に延びる針、及び前記針に対して移動可能なカッターを含む生検装置であって、前記針は外側カニューレ、前記外側カニューレの末端部に固定された組織穿孔先端、及び前記カッターを受け入れるように構成されたカッター管腔を含み、前記組織穿孔先端は、前記カッターの外部及び前記カッター管腔と連通するマーカー管腔を画定する、前記生検装置と、マーカー出口が末端部に配置された前記末端部を有する細長いカニューレを含むマーカー送達装置と、生検部位マーカーであって、前記マーカー送達装置が前記マーカー出口を通して及び前記組織穿孔先端によって画定された前記マーカー管腔を通る前記針の中から前記生検部位マーカーを排出するように構成される、前記生検部位マーカーとを備える、前記生検システム。
【0073】
実施例11
前記マーカー送達装置の前記細長いカニューレは、前記生検装置の前記カッターへの挿入のために構成される、実施例10に記載の生検システム。
【0074】
実施例12
前記マーカー送達装置の前記末端部は、丸みを帯びた遠位先端を画定する、実施例10及び実施例11のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
【0075】
実施例13
前記マーカー出口は、前記丸みを帯びた遠位先端の中心に置かれる、実施例12に記載の生検システム。
【0076】
実施例14
前記組織穿孔先端は複数の切断面をさらに画定し、前記マーカー管腔は、前記複数の切断面の単一の切断面を通って延びる、実施例10~13のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
【0077】
実施例15
前記組織穿孔先端は複数の切断面をさらに画定し、前記マーカー管腔が、前記複数の切断面の2つ以上の切断面を通って延びる、実施例10~13のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
【0078】
実施例16
前記カッターは、前記マーカー送達装置の前記マーカー出口を前記組織穿孔先端の前記マーカー管腔と位置合わせするように構成される、実施例10~15のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
【0079】
実施例17
前記針は、前記カッターを受け入れるように構成されたカッター受け入れ管をさらに含み、前記カッター受け入れ管及び前記外側カニューレは、ともに前記カッターの下方に配置された横方向管腔を画定する、実施例10~16のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
【0080】
実施例18
前記カッターと連通し、前記カッターによって切断された1つ以上の組織試料を受け入れるように構成された組織試料ホルダをさらに備え、前記組織試料ホルダは、前記カッターを通したマーク付けのために前記マーカー送達装置の前記細長いカニューレを受け入れるように構成される、実施例10~17のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
【0081】
実施例19
前記マーカー管腔は、前記針の長手方向中心軸に対してある角度で前記組織穿孔先端を通って延びる、実施例10~18のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
【0082】
実施例20
前記マーカー管腔が前記組織穿孔先端を通って遠位に延びるにつれて前記マーカー管腔が上方に突出するように、前記マーカー管腔は、前記針の長手方向中心軸に対してある角度で前記組織穿孔先端を通って延びる、実施例10~18のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
【0083】
実施例21
生検部位にマークを付けるための方法であって、生検針を生検部位に近接して配置することと、カッターを前記針に対して移動させることによって前記生検部位から1つ以上の組織試料を収集することと、マーカー送達装置を、前記カッターを通して前記針に挿入することと、前記マーカー送達装置から前記生検部位に向かって、前記針の組織穿孔先端のマーカー管腔を通してマーカーを排出することとを含む、前記方法。
【0084】
実施例22
前記マーカー管腔を前記生検部位と位置合わせするために前記生検針を再配置することをさらに含む、実施例21に記載の方法。
【0085】
実施例23
前記マーカーを排出する前記ステップは、前記マーカー送達装置のカニューレを通してプッシュロッドを前進させることによって実行される、実施例22に記載の方法。
【0086】
実施例24
1つ以上の組織試料を収集する前記ステップは、前記生検針の横方向開口を通して組織を脱出させることを含む、実施例21~23のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0087】
実施例25
前記マーカー送達装置を前記針に挿入する前記ステップは、前記カッターにアクセスするために前記マーカー送達装置を組織試料ホルダに挿入することを含む、実施例21~24のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0088】
V.結論
参照により本明細書に組み込まれていると言われる任意の特許、刊行物、または他の開示材料は、全体的または部分的に、組み込まれる材料が本開示で述べた既存の定義、記述、または他の開示材料と矛盾しない範囲内でのみ本明細書に組み込まれていることを理解されたい。したがって、また必要な範囲で、本明細書に明確に記載された開示は、参照により本明細書に組み込まれた任意の相反する資料に優先する。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に記載されている既存の定義、記述もしくは他の開示内容と矛盾する、任意の資料またはその一部は、その組み込まれた資料と既存の開示の資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。
【0089】
本発明の様々な実施形態について図示し、説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムのさらなる改変が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そのような可能な変更のうちのいくつかに言及したが、他のものは当業者には明らかであろう。例えば、前に議論した実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に関して考慮すべきであり、明細書及び図面で図示し、説明した構造及び動作の詳細には限定されないことが理解される。
【0090】
〔実施の態様〕
(1) 生検装置と使用するための針であって、
(a)カッター管腔の中にカッターを受け入れるためのカッター管腔、及び前記カッター管腔に隣接する横方向管腔を画定する外側カニューレと、
(b)複数の切断面を画定する本体、前記複数の切断面の少なくとも1つの切断面に配置されたマーカー開口部、及び前記本体を通って前記マーカー開口部から近位開口部へ遠位に延びるマーカー管腔であって、前記近位開口部が前記カッター管腔と連通している前記マーカー管腔を有する組織穿孔先端と
を備える、前記針。
(2) 前記マーカー開口部が、前記複数の切断面の単一の切断面に配置される、実施態様1に記載の針。
(3) 前記マーカー開口部が、前記複数の切断面の2つ以上の切断面に配置される、実施態様1に記載の針。
(4) 前記近位開口部が、前記カッター管腔によって画定された軸と同軸である、実施態様1~3のいずれか1つ以上に記載の針。
(5) 前記マーカー管腔が、前記外側カニューレの中心軸に対して斜めの角度で配置される、実施態様1~4のいずれか1つ以上に記載の針。
【0091】
(6) マーカー管腔が、マーカーを前記マーカー管腔の中に受け入れるサイズにされる、実施態様1~5のいずれか1つ以上に記載の針。
(7) 前記マーカー管腔が、前記マーカー管腔内での組織の脱出を妨げるサイズにされる、実施態様1~6のいずれか1つ以上に記載の針。
(8) 前記複数の切断面の前記各切断面が集中して1つ以上の刃先を形成する、実施態様1~7のいずれか1つ以上に記載の針。
(9) 前記マーカー管腔を通してマーカーを展開するために、マーカー送達装置を前記カッター内に受け入れることができるように、前記カッターが、前記マーカー送達装置のカニューレを受け入れるように構成された管腔を画定する、実施態様1~8のいずれか1つ以上に記載の針。
(10) 生検システムであって、
(a)本体、前記本体から遠位に延びる針、及び前記針に対して移動可能であるカッターを含む生検装置であって、前記針が、外側カニューレ、前記外側カニューレの末端部に固定された組織穿孔先端、及び前記カッターを受け入れるように構成されたカッター管腔を含み、前記組織穿孔先端が、前記カッターの外部及び前記カッター管腔と連通するマーカー管腔を画定する、前記生検装置と、
(b)マーカー出口が末端部に配置された前記末端部を有する細長いカニューレを含むマーカー送達装置と、
(c)生検部位マーカーであって、前記マーカー送達装置が、前記マーカー出口を通して、及び前記組織穿孔先端によって画定された前記マーカー管腔を通る前記針の中から前記生検部位マーカーを排出するように構成される、前記生検部位マーカーと
を備える、生検システム。
【0092】
(11) 前記マーカー送達装置の前記細長いカニューレが、前記生検装置の前記カッターへの挿入のために構成される、実施態様10に記載の生検システム。
(12) 前記マーカー送達装置の前記末端部が、丸みを帯びた遠位先端を画定する、実施態様10及び11のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
(13) 前記マーカー出口が、前記丸みを帯びた遠位先端の中心に置かれる、実施態様12に記載の生検システム。
(14) 前記組織穿孔先端が複数の切断面をさらに画定し、前記マーカー管腔が、前記複数の切断面の単一の切断面を通って延びる、実施態様10~13のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
(15) 前記組織穿孔先端が複数の切断面をさらに画定し、前記マーカー管腔が、前記複数の切断面の2つ以上の切断面を通って延びる、実施態様10~13のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
【0093】
(16) 前記カッターが、前記マーカー送達装置の前記マーカー出口を前記組織穿孔先端の前記マーカー管腔と位置合わせするように構成される、実施態様10~15のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
(17) 前記針が、前記カッターを受け入れるように構成されたカッター受け入れ管をさらに含み、前記カッター受け入れ管及び前記外側カニューレが、ともに前記カッターの下方に配置された横方向管腔を画定する、実施態様10~16のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
(18) 前記カッターと連通し、前記カッターによって切断された1つ以上の組織試料を受け入れるように構成された組織試料ホルダをさらに備え、前記組織試料ホルダが、前記カッターを通したマーク付けのために前記マーカー送達装置の前記細長いカニューレを受け入れるように構成される、実施態様10~17のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
(19) 前記マーカー管腔が、前記針の長手方向中心軸に対してある角度で前記組織穿孔先端を通って延びる、実施態様10~18のいずれか1つ以上に記載の生検システム。
(20) 生検部位にマークを付けるための方法であって、
(a)生検針を生検部位に近接して配置することと、
(b)カッターを前記針に対して移動させることによって前記生検部位から1つ以上の組織試料を収集することと、
(c)マーカー送達装置を、前記カッターを通して前記針に挿入することと、
(d)前記マーカー送達装置から前記生検部位に向かって、前記針の組織穿孔先端のマーカー管腔を通してマーカーを排出することと
を含む、前記方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
【国際調査報告】