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特表2022-512171化粧品容器に取り付けることを目的としたワイパ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】化粧品容器に取り付けることを目的としたワイパ
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
A45D34/04 515C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532943
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2019084973
(87)【国際公開番号】W WO2020126856
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】1873284
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・ルルー
(57)【要約】
本出願は、製品、特に、適用具によって適用される化粧品を収容する容器(101)に取り付けることを目的としたワイパ(10)であって、前記ワイパ(10)は、長手方向軸線(X)に沿って延びる円筒状本体(11)を含み、円筒状本体(11)の一部分(21、22)は、実際の拭き取り部材を形成しており、前記本体(11)は、長手方向軸線(X)に沿って、容器の縁部に載ることができる外周部(12)であって、縁部は、縁部の内部に開口部(105)を画定する、外周部(12)と、ワイパ(10)を容器(101)に結合することを目的とした結合手段(14)と、長手方向軸線(X)に沿って弾性的に変形可能であり、前記外周部(12)と前記結合手段(14)との間に設けられている部分(23)と、を有し、弾性的に変形可能な部分は、本体(11)の透かし加工部分(23)の形態である、ワイパ(10)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品、特に、適用具によって適用される化粧品を収容する容器(101)に取り付けることを目的としたワイパ(10)であって、前記ワイパ(10)は、
長手方向軸線(X)に沿って延びる円筒状の本体(11)を含み、
円筒状の前記本体(11)の一部分(21、22)は、実際の拭き取り部材を形成しており、前記本体(11)は、前記長手方向軸線(X)に沿って、前記容器の縁部に載ることができる外周部(12)であって、前記縁部は、前記縁部の内部に開口部(105)を画定する、外周部(12)と、前記ワイパ(10)を前記容器(101)に結合することを目的とした結合手段(14)と、前記長手方向軸線(X)に沿って弾性的に変形可能であり、前記外周部(12)と前記結合手段(14)との間に設けられている部分(23、23’、23”)と、を有する、
ワイパ(10)であって、
前記弾性的に変形可能な部分は、前記本体(11)の透かし加工部分(23、23’、23”)の形態であることを特徴とする、
ワイパ(10)。
【請求項2】
前記本体(11)の前記透かし加工部分(23)は、少なくとも1つのリブ(24)を含み、少なくとも1つの前記リブ(24)は、前記長手方向軸線(X)に沿って螺旋状に延び、2つのアパーチャ(25)によって周方向に境界を定められており、前記アパーチャ(25)は、前記長手方向軸線(X)に沿って好ましくは螺旋状に延びる、請求項1に記載のワイパ(10)。
【請求項3】
前記透かし加工部分(23)は、前記長手方向軸線(X)に沿って好ましくは螺旋状に延びる4つのリブ(24)を含み、前記リブ(24)は、前記長手方向軸線(X)を中心に好ましくは規則的に配分されており、前記リブ(24)のそれぞれは、特に、約90°の角度範囲にわたって延び、前記リブ(24)は、アパーチャ(25)によって互いに前記周方向に分離されている、請求項2に記載のワイパ(10)。
【請求項4】
前記本体(11)は、前記長手方向軸線(X)に沿って、前記弾性的に変形可能な部分(23、23’、23”)と前記結合手段(14)との間に位置する肩部(20)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のワイパ(10)。
【請求項5】
前記本体(11)は、前記長手方向軸線(X)に沿って、前記容器(101)に前記ワイパ(10)を取り付けた状態で、前記容器(101)の底部(103)に面することになる第1端部(19)と、前記第1端部(19)の反対端にある第2端部(18)と、を有し、前記結合手段(14)は、前記本体(11)の外部表面上に延びる少なくとも1つの可撓性のリップ(14)を含み、少なくとも1つの可撓性の前記リップ(14)の第1端部は、接合領域(16)内で前記本体(11)に取り付けられており、前記リップの第2端部(15)は固定されておらず、前記リップ(14)は、荷重がかけられていないときには、前記ワイパが前記容器(101)から引き出されるときに前記リップ(14)がもたらす抵抗よりも実質的に小さい抵抗を前記容器(101)への前記ワイパ(10)の導入に対してもたらすように、前記本体(11)の前記長手方向軸線(X)と鋭角(α)を成す、請求項1~4のいずれか一項に記載のワイパ(10)。
【請求項6】
前記鋭角の角度(α)は、好ましくは30°~60°、好ましくは35°~55°、特に約45°である、請求項5に記載のワイパ(10)。
【請求項7】
前記結合手段(14)によって、前記容器(101)への前記ワイパ(10)の前記導入に対してもたらされる前記抵抗を更に低減するために、前記本体(11)の外部表面は、前記結合手段(14)の隣に凹部(17)を有する、請求項5又は6に記載のワイパ(10)。
【請求項8】
少なくとも、前記拭き取り部材(21、22)、前記結合手段(14)、及び前記弾性的に変形可能な部分(23、23’、23”)は、弾性的に変形可能な材料で作製されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のワイパ(10)。
【請求項9】
前記弾性的に変形可能な材料は、熱可塑性又は架橋エラストマー、特に、EPDM、天然ゴム、ニトリルエラストマー、ブチルエラストマー、若しくはシリコーンエラストマー、ポリマー、例えば、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン、又はポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、若しくはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などの熱可塑性ポリマーから選択される、請求項8に記載のワイパ(10)。
【請求項10】
製品、特に化粧品を包装及び適用するためのアセンブリ(100)であって、前記アセンブリは、前記製品を収容するように設計された容器(101)と、前記製品を適用するための適用具部材(109)とを含み、前記アセンブリはまた、請求項1~9のいずれか一項に記載のワイパ(10)を含み、前記ワイパ(10)は、前記適用具部材(109)に残る製品の量を計量することができるように、前記適用具部材(109)が前記容器(101)から取り出されるときに前記適用具部材(109)を通過させることができる、包装及び適用アセンブリ(100)。
【請求項11】
前記容器(101)は、肩部(106)によって首部(104)から分離された本体(102)を含み、前記首部(104)の自由縁部は開口部(105)を画定し、前記開口部(105)の近傍に前記ワイパ(10)が取り付けられている、請求項10に記載の包装及び適用アセンブリ(100)。
【請求項12】
前記容器(101)に前記ワイパ(10)を取り付けた状態においては、前記結合手段(14)は、前記肩部(106)に対して実質的に当接している、請求項11に記載の包装及び適用アセンブリ(100)。
【請求項13】
前記容器(101)に前記ワイパ(10)を取り付けた状態においては、前記結合手段(14)及び/又は前記弾性的に変形可能な部分(23、23’、23”)は、前記長手方向軸線(X)に沿って弾性的に荷重がかけられている、請求項10~12のいずれか一項に記載の包装及び適用アセンブリ(100)。
【請求項14】
前記適用具部材(109)は、接続要素(108)によって把持部材(107)に固定されており、前記把持部材(107)は、前記容器(101)の前記開口部(105)を取り外し可能に閉じることができる要素を形成している、請求項10~13のいずれか一項に記載の包装及び適用アセンブリ(100)。
【請求項15】
前記適用具部材(109)は、特にツイストコアグリッピングファイバを有するブラシ若しくはモールドブラシの形態の睫毛及び/若しくは眉毛用適用具、アイライナー適用具、微細ブラシ、発泡体のブロック、フリット、ペン、又はフェルトチップを形成する、請求項10~14のいずれか一項に記載の包装及び適用アセンブリ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に化粧品の分野で使用されているような包装及び適用アセンブリに取り付けることを目的としたワイパに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、そのような包装及び適用アセンブリは、本体で構成される容器を含む。本体は、特に円筒状であり、底部と反対側の本体の端部は、首部を形成しており、首部の自由縁部は、開口部を画定している。
【0003】
このようなアセンブリはまた、適用具部材、特に、マスカラブラシ又はアイライナーを含む。適用具部材の一端は、ステムに固定されており、ステムは、前記開口部を取り外し可能に閉じることを目的としたキャップに固定されている。キャップは、適用具部材の把持部材を形成している。容器にキャップがねじ止めされた状態においては、適用具部材は、容器内に収容された製品に浸されている。
【0004】
容器の首部内に配置されているのは、特に、環状部材の形態のワイパである。適用具部材は、前記開口部を通る容器への適用具部材の導入中及び適用具部材の引き出し中の両方において、ワイパを通過する。
【0005】
ワイパは、実際の拭き取り部品を含む。実際の拭き取り部品は、特に、環状リップ、適用具部材、及び任意選択的に、ステムの形態で実現される。ステムは、適用具部材をキャップに接続し、前記拭き取り部品の縁部と係合する。したがって、適用具部材に余分な製品が本質的に存在しないように、適用具部材に残る製品の量を比較的正確に計量することができる。更に、ステムは、使用者が製品の適用中に自身の指を汚さないように、容器から適用具を引きき出すこの動きの最中に、事実上きれいに拭き取ることができる。
【0006】
いくつかの用途については、特に、断面積がその長さに沿って大幅に変化する適用具、又は少量の製品を取ることを目的とした適用具、又はステムに対して小さな断面を有する適用具については、実際の拭き取り部品が弾性的に変形可能な材料、特に、天然又は合成ゴムで作製されたワイパを使用することが必要な場合がある。
【0007】
このような弾性的に変形可能な材料で作製されたワイパの使用については、(特許文献1)に記載されている。この特許によれば、ワイパは、容器の内部縁部上に配置され、ねじ付き首部を形成する追加部品によって所定の位置に保持される。容器を2つの部品で製作することにより、こうした配置によって取り付け作業が倍増し、アセンブリの製造コストを更に増加させる。
【0008】
(特許文献1)によるワイパの欠点に対処するために、本出願人の名義の(特許文献2)は、容器内の取り付けがより簡単なワイパを提案している。この目的のために、この(特許文献2)によるワイパは、少なくとも部分的に、弾性的に変形可能な材料で作製されており、長手方向軸線に沿って延びる管状本体を含み、管状本体の一部は実際の拭き取り部材を形成しており、この軸線に沿って、容器の首部に載せるための外周部と、ワイパを取り付けた状態において容器の肩部に当接するように設計された結合手段とを有する。
【0009】
この(特許文献2)によれば、ワイパの結合手段は、1つ以上の可撓性リップの形態であり、1つ以上の可撓性リップは、本体の外部表面上に延び、荷重がかけられていないときには、容器からワイパを引き出す際に前記リップがもたらす抵抗よりも実質的に小さい抵抗を容器へのワイパの導入に対してもたらすように本体と鋭角を成し、それにより容器内のワイパの取り付けを簡略化する。
【0010】
この(特許文献2)によるワイパを容器内に取り付けるために、ワイパの本体は、容器の首部によって画定される開口部に部分的に挿入され、可撓性リップは首部の上縁部に載せられる。その後、細長い形状のツールが、ワイパの横断フランジに支えられるまでワイパ内に導入される。その後、ワイパが、容器の底部の方向の、容器の首部内の更に深くに係合するように、容器の底部の方向へのツールの動きが継続される。そうすることにより、可撓性リップは、ワイパの本体の方向に折りたたまれる。容器の首部内におけるワイパの下向きの動きは、リップの自由端部が首部の隣に存在しなくなるまで継続する。この状態において、ワイパはわずかに荷重がかけられて伸長し、リップは、その初期形態に復帰するために半径方向に開いており、ワイパの本体と約45°の鋭角を形成している。この状態において、ワイパの外周部は、容器の首部の上縁部に載せられている。その後、ツールは、容器の底部と反対方向に引き出す動きを開始する。弾性復帰により、リップは、容器の肩部に強制的に係合させられ、したがって、ワイパを出す傾向にあるあらゆる動きを強力に阻止する。したがって、ワイパは、容器の首部内でしっかりと結合されている。
【0011】
しかしながら、この(特許文献2)によるワイパは、従来のワイパによってもたらされる課題に対する解決策は提供するものの、いくつかの欠点を有し、改善を要する。
【0012】
具体的には、この(特許文献2)によるワイパの取り付けでは、可撓性リップが肩部の背後で自由に開くことができ、且つ容器の首部内にワイパを維持できるようにするために、容器の首部内でのワイパの本体の長手方向軸線に沿った伸長、弾性軸方向引伸を必要とする。容器の首部内にワイパを取り付け中に長手方向軸線に沿って伸長され引き伸ばされたワイパの本体の部分は、管状部分の形態である。したがって、この文献では、容器の首部内にワイパを取り付け中のワイパの軸方向伸長の経路、及び可撓性リップが容器の肩部の首部の背後で支えられることを可能にするワイパの弾性復帰は、ワイパの本体の引伸可能な管状部分の寸法及び構成材料に直接依存する。
【0013】
したがって、引伸可能な管状部分が引き伸ばされたときに可撓性リップが容器の肩部の背後で自由に開くことができ、且つ引伸可能な管状部分にかかる荷重が解放されたときに可撓性リップが容器の肩部に支えられることを確実にするために、この(特許文献2)によるワイパ設計は、ワイパの本体の引伸可能な管状部分の特に精密な寸法を必要とする。これは、ワイパの本体の引伸可能な管状部分の過度に小さな寸法は、引伸可能な管状部分が引き伸ばされて容器の首部の内壁の隣に残っているときに可撓性リップが容器の肩部の背後で開かず、それによりワイパの保持を弱め、ワイパが、容器の首部の内壁に対する可撓性リップの摩擦によってのみ容器内に保持されるというリスクを伴うからである。その一方で、ワイパの本体の引伸可能な管状部分の過度に大きな寸法は、引伸可能な管状部分にかかる荷重が解放されたときに可撓性リップが容器の肩部に支えられず、その結果、ワイパが容器の首部内である程度動くことができるというリスクを伴う。これにより、容器が閉鎖要素によって閉じられているときの容器の耐漏洩性の低下、及び使用者により認識される品質の低下に陥りやすい。
【0014】
更に、そのような設計によって、ワイパの引伸可能な管状部分の軸方向引伸の経路は、ワイパの本体の引伸可能な管状部分の固有の変形能によって限定されるので比較的制限され、所与の寸法を有するこの(特許文献2)によるワイパは、容器首部高さの制限された範囲に対してのみ適切となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第4617948号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2826246号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本出願は、これら欠点の全て又はいくつかに対処することを目的とし、この目的のために、製品、特に、適用具によって適用される化粧品を収容する容器に取り付けることを目的としたワイパであって、前記ワイパは、長手方向軸線に沿って延びる円筒状本体を含み、円筒状本体の一部分は、実際の拭き取り部材を形成しており、前記本体は、長手方向軸線に沿って、容器の縁部に載ることができる外周部であって、縁部は、縁部の内部に開口部を画定する、外周部と、ワイパを容器に結合することを目的とした結合手段と、長手方向軸線に沿って弾性的に変形可能であり、前記外周部と前記結合手段との間に設けられている部分と、を有し、弾性的に変形可能な部分は、本体の透かし加工部分の形態である、ワイパを提案する。
【0017】
ワイパの長手方向軸線に沿って弾性的に変形可能な部分を形成するために本体の透かし加工部分を用いることで、仏国特許出願公開第2826246号明細書によるワイパのものよりも長い、変形可能部分の弾性軸方向引伸の経路を有することを可能にし、それにより、本発明によるワイパをより広範囲の容器首部高さに適応させること、及び容器の製造公差による、長手方向軸線に沿ったそのあらゆる寸法変化を容易に補償することを可能にする。したがって、本発明によるワイパの透かし加工部分の寸法決めは、弾性的に変形可能な部分が引き伸ばされたときにワイパの結合手段が容器の肩部の背後で自由に開くことができること、及び弾性的に変形可能な部分にかかる荷重が解放されたときにワイパの結合手段が容器の肩部に支えられることを確実にするために必要とする精度が、仏国特許出願公開第2826246号明細書によるワイパの引伸可能な管状部分の精度よりも低い。したがって、容器の首部内におけるワイパの取り付けの信頼性も向上する。
【0018】
更に、及び本発明によるワイパを有する仏国特許出願公開第2826246号明細書によるワイパの手法においては、結合手段に対して第1の方向に作用する軸力は、第1の方向と反対方向に作用する同じ軸力から生じる弾性曲げ運動とは異なる、本体に対するワイパの弾性曲げ運動を生じさせる。
【0019】
したがって、及び本発明の有利な構成によれば、結合手段に対して第1の方向に作用する軸力は結合手段を弾性的に曲げ、自由部品を前記本体に向けて移動させる傾向にある。対照的に、第1の方向と反対方向に作用する同じ軸力は、結合手段を弾性的に曲げ、少なくとも最初に、自由部品を前記本体から離れる方に移動させる傾向にある。
【0020】
好ましくは、曲げ運動は、結合手段をワイパの本体に接続する接合領域を実質的に中心とした旋回又は傾斜運動を意味する。
【0021】
導入中の抵抗と引き出し中の抵抗の差は、容器の首部にワイパを導入中に、ワイパに作用される軸方向押力に応じて結合手段が少なくとも部分的に脇に退くように結合手段を構成することにより得られ得る。したがって、ワイパの導入は簡単である。対照的に、結合手段は容器の首部を過ぎたら半径方向に開き、上方から軸方向引張力が作用されたときにワイパの取り外しに抗する。したがって、「簡単な取り付け」の機能及び「頑丈な結合」の機能が非常に満足な状態で満たされ、一方が他方を犠牲にする必要はない。
【0022】
本発明によるワイパの1つの有利な配置によれば、本体の透かし加工部分は、少なくとも1つのリブを含み、少なくとも1つのリブは、長手方向軸線に沿って螺旋状に延び、2つのアパーチャによって周方向に境界を定められており、前記アパーチャは、長手方向軸線に沿って好ましくは螺旋状に延びる。
【0023】
好ましくは、透かし加工部分は、長手方向軸線に沿って螺旋状に延びる4つのリブを含み、前記リブは、長手方向軸線を中心に好ましくは規則的に配分されており、リブのそれぞれは、特に、約90°の角度範囲にわたって延び、前記リブは、アパーチャによって互いに周方向に分離されている。
【0024】
第1の実施形態の変形形態によれば、透かし加工部分は、長手方向軸線に沿って螺旋状に延びる2つのリブを含み、前記リブは、長手方向軸線を中心に好ましくは互いに正反対の位置にあり、リブのそれぞれは、特に、90°未満、例えば、約45°の角度範囲にわたって延び、前記リブは、アパーチャによって互いに周方向に分離されている。有利には、透かし加工部分は、少なくとも2つ、特に3つのリブの2つの群を含み、各群のリブのそれぞれは、長手方向軸線に沿って螺旋状に延び、前記リブの群は、長手方向軸線を中心に好ましくは互いに正反対の位置にあり、リブのそれぞれは、特に、90°未満、特に約45°の角度範囲にわたって延び、各群の前記リブは、アパーチャによって互いに周方向に分離されており、リブの群は、アパーチャによって互いに周方向に分離されている。
【0025】
第2の実施形態の変形形態によれば、透かし加工部分は、長手方向軸線に沿ってジグザグに延びる少なくとも1つのリブを含み、前記リブは、周方向に延びる部分を含み、周方向に延びる部分は、長手方向軸線に沿ってスロットにより互いに分離されており、及び長手方向軸線に平行に延びる部分によって互いに、及びワイパの本体に接続されており、前記リブは、2つのアパーチャによって周方向に境界を定められている。
【0026】
有利には、本体は、長手方向軸線に沿って、弾性的に変形可能な部分と結合手段との間に位置する肩部を有する。この肩部は、特に、弾性的に変形可能な部分を形成する透かし加工部分の軸方向の弾性変形を生じさせるために、有利には、容器の首部内にワイパを取り付けるためのツールと協働することを目的としている。
【0027】
1つの有利な配置によれば、ワイパの本体は、長手方向軸線に沿って、容器にワイパを取り付けた状態で、容器の底部に面することになる第1端部と、第1端部の反対端にある第2端部と、を有し、結合手段は、本体の外部表面上に延びる少なくとも1つの可撓性リップを含み、少なくとも1つの可撓性リップの第1端部は、接合領域内で本体に取り付けられており、リップの第2端部は固定されておらず、前記リップは、荷重がかけられていないときには、ワイパが容器から引き出されるときに前記リップがもたらす抵抗よりも実質的に小さい抵抗を容器へのワイパの導入に対してもたらすように、本体の長手方向軸線と鋭角を成す。
【0028】
好ましくは、前記角度は、30°~60°、好ましくは、35°~55°、特に、約45°である。このような角度は、特に、結合手段を形成する材料に応じて、及び結合の所望の剛性に応じて選択される。
【0029】
本発明によるワイパの好適な実施形態によれば、可撓性リップは、本体の外部表面上に、長手方向軸線を中心に周方向に不連続的に延びる。
【0030】
変形形態では、可撓性リップは、本体の外部表面上に、長手方向軸線を中心に周方向に連続的に延びる。
【0031】
一実施形態では、可撓性リップとワイパの円筒状本体との間の接合領域は、本体の第1端部の近傍に配置されている。これにより、長手方向軸線に沿って大きさが低減されたワイパがもたらされる。
【0032】
変形形態では、可撓性リップとワイパの円筒状本体との間の接合領域は、本体の前記第1端部から非ゼロの距離に配置されている。したがって、ワイパの本体は、接合領域の下にスカート部を画定する。スカート部は、容器の首部にワイパを完全に挿入することを目的とした軸方向押力を作用させる前に、容器の首部によって画定される開口部内にワイパを配置することを可能にする。
【0033】
ワイパの本体は、その一部が首部、即ち、上外周部と結合手段との間内にあるようにすることで、首部内に軽く把持されるような外径を有してもよい。しかしながら、これは必須ではない。
【0034】
実際の拭き取り部材は、円筒状本体の断面減少部(reduced section)の内側縁部によって形成されてもよく、前記内側縁部は、ワイパの本体の第1端部の近傍に又はワイパの本体の第1端部から非ゼロの距離に位置する。断面減少部の縁部の直径は、特に、適用具部材の所望の拭き取り及び適用具部材を把持部材に接続するステムの直径に応じて選択され、前記ステムは、ワイパを通過する際に拭き取られることが必要であると想定する。
【0035】
円筒状本体の断面減少部の内側縁部がワイパの本体の第1端部から非ゼロの距離に位置する場合、適用具部材が引き出される際に適用具部材の全て又は一部が係合することができ、断面減少部の縁部と共に、言わば、適用具部材の2段階の拭き取りを生じさせる要素を前記第1端部の縁部自体が形成することができる。
【0036】
断面積減少部(reduced cross section)の内側縁部は、本体の第1端部と前記接合領域との間に、接合領域から非ゼロの距離に軸方向に位置してもよい。これにより、接合領域の近傍におけるワイパの過度の剛性の発生を回避する。このような過度の剛性は、容器へのワイパの導入をより困難にする。
【0037】
断面積減少部の内側縁部は、ワイパの本体の第1端部の方向に傾斜した壁によって円筒状本体に接続されてもよい。傾斜した壁の、長手方向軸線に対する傾斜角度は、約45°であってもよい。
【0038】
変形形態では、断面減少部の縁部は、第1端部の方向に傾斜した環状リップの自由縁部で構成されている。リップの傾斜角度は、約45°であってもよい。
【0039】
有利には、本体の外部表面は、結合手段の隣に凹部を有する。これらの配置により、結合手段によって容器へのワイパの導入に対してもたらされる抵抗が更に低減される。特に、結合手段における凹部の存在は、容器の首部にワイパを導入中に、結合手段がワイパの本体の方向に曲がる際に凹部内に嵌合することを可能にする。
【0040】
有利には、ワイパは、少なくとも部分的に、弾性的に変形可能な材料で作製されている。少なくとも、拭き取り部材、結合手段、及び弾性的に変形可能な部分は、弾性的に変形可能な材料で作製されていることが好ましい。しかしながら、ワイパは、弾性的に変形可能な材料で完全に作製されていることが好ましい。「弾性的に変形可能な」という表現は、材料が可撓性であること及び/又は可逆的な状態で引伸可能であることであり、好ましくは、可撓性及び引伸可能の両方であることを意味する。
【0041】
弾性的に変形可能な材料は、熱可塑性又は架橋エラストマー、特に、EPDM、天然ゴム、ニトリルエラストマー、ブチルエラストマー、若しくはシリコーンエラストマーから選択されてもよい。架橋エラストマーの場合、ワイパは、圧縮成形で製造され、適切な温度まで加熱される。変形形態では、弾性的に変形可能な材料は、ポリマー、例えば、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン、又はポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、若しくはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などの熱可塑性ポリマーから選択される。
【0042】
本発明による透かし加工部分の形態の弾性的に変形可能な部分を用いることは、ワイパが、比較的剛性の高い材料、例えば、200MPa以上のヤング率を有する材料で完全に又は部分的に作製されている場合に特に有利である。特に、この場合、ワイパの構成材料は、固有の変形能が限定されており、特に、長手方向軸線に沿った軸方向伸張能(axial extension capability)が限定されているため、透かし加工部分の形態の弾性的に変形可能な部分を用いることで、ワイパ内に、変形能が増した、特に、軸方向伸張能が増した部分を有することを可能にする。このようにして、異なる容器首部高さに適応すること、及び容器首部内における信頼性が高く且つ堅牢な取り付けを確実にすることを可能にする比較的剛性の高い材料で作製されたワイパを作成することが可能である。
【0043】
別の実施形態によれば、ワイパの第1部分は、第1の、弾性的に変形可能な材料で作製されていてもよく、実際の拭き取り部材、結合手段、及び弾性的に変形可能な部分は、この第1部分に配置されており、第2部分は、第1材料とは異なる第2材料から作製されており、前記ワイパは、特に、これら2つの材料の共射出成形若しくは重ね成形によって、及び/又は第1ワイパ部分と第2ワイパ部分とを機械的に組み立てることによって作製されている。この目的のために、特に、共射出成形の場合、2つの物理化学的相溶性のある材料を用いることが好ましい。
【0044】
第2材料は、ポリオレフィン、特に、ポリプロピレン又はポリエチレンを含むことが好ましい。
【0045】
本発明はまた、製品、特に化粧品を包装及び適用するためのアセンブリであって、前記アセンブリは、製品を収容するように設計された容器と、前記製品を適用するための適用具部材とを含み、前記アセンブリはまた、上で定義したワイパを含み、前記ワイパは、適用具部材に残る製品の量を計量することができるように、適用具部材が容器から取り出されるときに前記適用具部材を通過させることができる、アセンブリに関する。
【0046】
好ましくは、容器は、肩部によって首部から分離された本体によって形成され、首部の自由縁部は開口部を画定し、開口部の近傍に前記ワイパが取り付けられている。
【0047】
このような容器は、ポリプロピレンなどの材料を成形することにより得られ得る。
【0048】
変形形態では、容器は、ガラス製であってもよい。このような場合、本発明によるワイパを用いると特に有利である。この理由は、こうしたガラス容器においては、ワイパの本体の外部表面上に設けられて、容器の首部内でのワイパの保持を向上させることを可能にする突出物と協働するように設計された溝を容器の首部に設けることが、不可能ではないにしても、特に困難だからである。特に、このような場合、ワイパは、容器にワイパを導入する方向においては外周部のみによって、容器からワイパを引き出す方向においては結合手段によって、容器の首部内の所定の位置に維持される。本発明によるワイパの透かし加工部分の形態の弾性的に変形可能な部分を用いると、ワイパの結合手段と容器の肩部との最適な協働を確実にすることを可能にし、それにより、容器の首部内におけるワイパの保持の信頼性が向上する。
【0049】
有利には、容器にワイパを取り付けた状態においては、結合手段は、肩部に対して実質的に当接している。この状態では、結合手段は、肩部の下に配置されており、又は(and are or are)肩部に対して当接することができる。
【0050】
好ましくは、容器にワイパを取り付けた状態においては、結合手段及び/又は弾性的に変形可能な部分は、弾性的に荷重がかけられている。これにより、容器の首部の高さに対する、ワイパ及び容器の製造公差に関連する課題を克服する。
【0051】
適用具部材は、接続要素を介して把持部材に固定されていてもよく、前記把持部材は、前記開口部を取り外し可能に閉じることができる要素を形成している。キャップを形成する把持部材は容器の首部上にねじ止めされていることが好ましい。
【0052】
適用具部材は、特にツイストコアグリッピングファイバ(twisted core gripping fiber)を有するブラシ若しくはモールドブラシの形態の睫毛及び/若しくは眉毛用適用具、アイライナー適用具、微細ブラシ、発泡体のブロック、フリット、ペン、又はフェルトチップを形成してもよい。
【0053】
本発明は、添付の図面を参照し、その非限定的な実施例を伴う以下の説明を読むことでより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明によるワイパの全体正面図である。
図2図1のワイパの長手方向断面図である。
図3】ワイパが全体図で示されている、本発明によるワイパを備えた包装及び適用アセンブリの長手方向断面図である。
図4】容器は長手方向断面図で示されており、ワイパは全体正面図で示されている、包装及び適用アセンブリの容器への本発明によるワイパの取り付けの第1の工程を示す。
図5】容器は長手方向断面図で示されており、ワイパは全体正面図で示されている、包装及び適用アセンブリの容器への本発明によるワイパの取り付けの第2の工程を示す。
図6】容器は長手方向断面図で示されており、ワイパは全体正面図で示されている、包装及び適用アセンブリの容器への本発明によるワイパの取り付けの第3の工程を示す。
図7】容器は長手方向断面図で示されており、ワイパは全体正面図で示されている、包装及び適用アセンブリの容器への本発明によるワイパの取り付けの第4の工程を示す。
図8】容器は長手方向断面図で示されており、ワイパは全体正面図で示されている、包装及び適用アセンブリの容器への本発明によるワイパの取り付けの第5の工程を示す。
図9】本発明の第1の実施形態の変形形態によるワイパの全体正面図である。
図10】本発明の第2の実施形態の変形形態によるワイパの全体正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1及び図2に示されるワイパ10は、長手方向軸線Xに沿って延びる略管状の円筒状本体11を含む。
【0056】
本体11は、容器内にワイパを取り付けた状態において、容器の底部に面することになる第1端部19と、第1端部19の反対端にある第2端部18との間に、長手方向軸線Xに沿って延びる。
【0057】
図に示される実施形態では、ワイパは一体型である。ワイパは、弾性的に変形可能な材料で一体的に作製されてもよい。特に、ワイパは、エラストマー、例えば、EPDM(エチレンプロピレン-ジエンモノマー)で作製されてもよい。変形形態では、ワイパは、熱可塑性若しくは架橋エラストマー、天然ゴム、ニトリルエラストマー、ブチルエラストマー、又はシリコーンエラストマーから選択される弾性的に変形可能な材料で完全に又は部分的に作製されてもよい。ワイパはまた、上述した材料よりも剛性の高い材料、例えば、200MPa以上のヤング率を有する材料で作製されてもよい。特に、ワイパは、ポリマー、例えば、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン、又はポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、若しくはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などの熱可塑性ポリマーから選択される材料で作製されてもよい。
【0058】
本体11の第2端部18は、環状フランジで形成された外周部12を有する。外周部12は、本体11の第2端部18において本体11の管状部品から半径方向外向きに延び、以下で更に詳細に説明するように、容器の開口部を画定する容器の縁部に支えられるように設計されている。
【0059】
本体11の管状部品はその外部表面上の、長手方向軸線Xに沿った外周部12の下方及びワイパの本体11の第1端部19の方向に、半径方向の3つの連続的な環状隆起部13を長手方向軸線Xに沿って有する。これら環状隆起部13は、ワイパ10と容器の首部との間の耐漏洩性を確保するために、ワイパ10が容器の首部に取り付けられたときに容器の首部の内部表面と、好ましくは適切な締まり嵌めによって接触するようになっている。
【0060】
ワイパ10の本体11は、その第1端部19の近傍に、ワイパ10を容器に結合することを目的とした結合手段14を有する。
【0061】
したがって、示される実施形態では、ワイパ10の本体11は、その外部表面の第1端部19の近傍に、周方向に不連続な環状の可撓性リップを有し、複数の可撓性リップ又は結合突起部14、本ケースでは6つの結合突起部14を形成する。変形形態では、環状リップは、周方向に連続的であってもよい。
【0062】
結合突起部14はそれぞれ、接合領域16内で本体11に取り付けられた第1端部と、本体11の第2端部18の方向に向けられた第2の、自由端部15とを有する。
【0063】
結合突起部14に荷重がかけられていないとき、結合突起部14は、本体11の長手方向軸線Xと鋭角αを形成する。示される実施形態では、角度αは約45°である。
【0064】
これらの配置により、結合突起部14は、容器からワイパを引き出している間に結合突起部14がもたらす抵抗よりも実質的に小さい抵抗を容器へのワイパの導入に対してもたらすように設計されている。
【0065】
各結合突起部14は、本体11の長手方向軸線Xに対して垂直な平面内に実質的に延びる接合領域16を介して本体11に接続されている。
【0066】
本体11の外部表面は、結合突起部14の隣に、及び結合突起部14の高さに実質的に対応する高さにわたって、凹部17を形成する。凹部17の深さは、結合突起部14と本体11との間の接合領域16から徐々に減少する。示される実施形態では、この凹部17は、円錐台外部表面部の形態であり、その短い底辺は、本体11の第1端部19の近傍に位置しており、半径方向の段(radial step)が凹部17を本体11の外部表面に接続している。
【0067】
本体11はまた、その第1端部19の近傍に、実際の拭き取り部材を形成する部分21、22を有する。
【0068】
本体11の内壁は、この第1端部19の近傍に、円錐台の傾斜した壁21を有する。円錐台の傾斜した壁21の母線は、本体の長手方向軸線Xと例えば約45°の角度を成し、前記壁21は、本体11の第1端部19に向かって閉じる。この円錐台壁21は、本体11の第1端部19において、断面減少部のオリフィス22を介してワイパ10の外側に開く。このオリフィス22は、ワイパ10の拭き取り直径を決定する。荷重がないとき、オリフィス22は、ワイパが意図される適用具部材の最大直径よりも小さい直径を有する。
【0069】
更に、本発明によるワイパ10の本体11は、長手方向軸線Xに沿って弾性的に変形可能であり、支持外周部12と結合手段14との間に軸方向に設けられた部分23を含む。この弾性的に変形可能な部分は、本体11の透かし加工部分の形態である。
【0070】
特に、図1及び図2に見られるように、本体11の透かし加工部分23は、少なくとも1つの、本ケースにおいては4つのリブ24を含み、4つのリブ24は、長手方向軸線Xを中心に規則的に配分されており、それぞれ、長手方向軸線Xに沿って約90°の角度範囲にわたって螺旋状に延び、4つのリブ24は、同様に長手方向軸線Xに沿って螺旋状に延びるアパーチャ25によって互いに周方向に分離されている。アパーチャ25は、貫通アパーチャであり、本体11の壁内に形成されている。リブは、本体11の壁の残りの部分で構成されている。
【0071】
したがって、本発明によるワイパは、軸方向伸張の長い経路を有する軸方向に伸張可能な内部部分を有し、螺旋リブ24により、ワイパの軸方向端部の一方に作用する荷重の影響下で長手方向軸線Xの方向の相当の弾性伸張を可能にし、もう一方の軸方向端部は固定されたままである。
【0072】
特に、図2に見られるように、本体11、より具体的には、本体11の内部表面は、肩部20を有し、肩部20は、半径方向内向きに延び、弾性的に変形可能な透かし加工部分23と結合突起部14との間に、長手方向軸線Xに沿って位置する。
【0073】
したがって、及び以下でより詳細に記載されるように、ワイパ10の外周部12が容器の首部の縁部に載せられているとき、肩部20に作用する軸力により、弾性的に変形可能な透かし加工部分23は軸方向に引き伸ばされる。
【0074】
図3は、図1及び図2を参照して説明したワイパ10を備えた、マスカラを包装及び適用するためのアセンブリ100の長手方向断面図を示す。ワイパは、全体図で示されている。
【0075】
このようなアセンブリ100は、円筒状本体102を含む容器101を含み、円筒状本体102の一端は、底部103によって閉じられている。底部103の反対端において、本体102にねじ付き首部104が載っており、ねじ付き首部104の自由縁部は、開口部105を画定する。首部104は、肩部106によって円筒状本体102に接続されている。
【0076】
図1及び図2を参照して説明したワイパ10が首部104内に取り付けられている。図3からはっきりと分かるように、この取り付けた状態において、結合突起部14は、肩部106の下に配置されており、肩部106に対してわずかに弾性的に荷重がかけられている。この状態において、結合突起部14の半径方向の幅は最大である。この取り付けた状態において、ワイパの外周部12は、開口部105を画定する容器の縁部に載せられている。環状隆起部13により、ワイパ10と首部104の内側表面との間に効果的な耐漏洩性を確保する。
【0077】
蓋107が、ねじ付き首部104上にねじ止めされている。蓋107は、ステム108に固定されており、蓋107の反対端にあるステム108の一端は、螺旋構造の繊維を閉じ込めた鉄製撚り線から成形又は形成されたマスカラブラシ109に固定されている。
【0078】
この首部104に蓋107がねじ止めされた状態においては、適用具109は、実質的に容器101の底部にあり、容器101内に収容されている製品に接触している。ステム108は、ワイパを通過すると共に、拭き取りオリフィス22の縁部と係合する部分を有する。
【0079】
各使用時、使用者は、蓋107を緩め、底部103から遠ざかる方向の実質的に軸方向の動きを用いて、容器101からマスカラブラシ109を引き出す。
【0080】
この引き出す動きの最中、ステム108は、リップ21の拭き取りオリフィス22の縁部によって拭き取られる。ブラシ109に存在する余分な製品は、ブラシ109が前記拭き取りオリフィス22を通過するときに除去される。
【0081】
適用後、使用者は、適用具109の引き出しに関して説明した動作と反対の動作を用いて、アセンブリを再び閉じる。
【0082】
これから参照する図4図8は、図1及び図2で説明したワイパを図3に示す包装及び適用アセンブリに取り付ける工程を示す。
【0083】
図4において、ワイパの本体11の第1端部19は、容器101の首部104の上縁部と接触した状態で配置され、結合突起部14は、この上縁部に載せられている。結合突起部14は、ワイパをこの位置に保持するための停止部を形成する。
【0084】
図5において、細長い形状のツール150が、ワイパの肩部20に当接するまでワイパ内に導入される。
【0085】
この時点で、図5及び図6の矢印によって示されるような、容器の底部の方向のツール150の軸方向の動きを継続することにより、ワイパ10は、容器の首部104の更に内部に係合する。そうすることにより、ワイパ10の結合突起部14は、本体11の方向に折りたたまれる。凹部17が存在することで、凹部17内に結合突起部14が嵌合し、結合突起部14は、管状本体11の外側表面に対して半径方向に過度の厚みを実質的に形成しない。このようにして凹部17内に嵌合されることで、結合突起部14は、容器の首部104内におけるワイパの下向きの動きに対して何ら特段の影響を及ぼさない。図6に示される状態において、ワイパの外周部12は、容器101の首部104の上縁部に載る。
【0086】
その後、首部104内におけるツール150の、及び結果的に、ワイパ10の下向きの動きは、図7に示されるように結合突起部14の自由端部15が首部104の隣に存在しなくなるまで継続する。この状態において、ワイパ10の弾性的に変形可能な透かし加工部分23は荷重がかけられて伸長し、容器101の肩部106の背後での弾性復帰によって結合突起部14が半径方向に自由に開くことができるほど十分な軸方向の長さで長手方向軸線に沿って引き伸ばされる。結合突起部14は、長手方向軸線Xに対するその45°の初期形状に復帰するために、半径方向に開く。
【0087】
透かし加工部分23のこの軸方向引伸中、螺旋リブ24は変形し、長手方向軸線Xに対してまっすぐにされる。即ち、張力にさらされたコイルばねの巻きの挙動のように、周方向よりも長手方向軸線Xの方向により延びるように変形させられる。
【0088】
図8において、ツール150は、図8に示される矢印によって示されるように、容器101の底部103と反対方向に移動し始める。透かし加工部分23の弾性復帰により、結合突起部14は肩部106に強制的に係合させられ、これにより、ワイパ10を容器101から出す傾向にあるあらゆる動きに強く抗する。したがって、ここで、ワイパ10は、容器101の首部104内でしっかりと結合されている。
【0089】
好ましくは、図8に示されるこの状態においては、透かし加工部分23は、依然として長手方向軸線Xに沿ってわずかに荷重がかけられて伸長している。これにより、結合突起部14が、任意選択的に、わずかな曲げを伴って、容器101の肩部106の背後で支えられることを確実にする。したがって、容器101の首部104内におけるワイパ10の固定の信頼性が更に向上する。
【0090】
図9は、本発明の第1の実施形態の変形形態によるワイパを示す。
【0091】
この第1の実施形態の変形形態においては、図1図8に示されるワイパと比較して、透かし加工部分23’のみが修正されている。
【0092】
この図9に見られるように、この第1の実施形態の変形形態においては、透かし加工部分23’は、少なくとも2つ、特に3つのリブ24’の2つの群を含み、各群のリブ24’のそれぞれは、長手方向軸線Xに沿って螺旋状に延びる。リブ24’の2つの群は、長手方向軸線Xを中心に互いに正反対の位置にある。リブのそれぞれは、長手方向軸線Xを中心に90°未満、特に約45°の角度範囲に延びる。各群のリブ24’は、スロット26’によって互いに周方向に分離されている。リブ24’の群は、アパーチャ25’によって互いに周方向に分離されている。
【0093】
図10は、本発明の第2の実施形態の変形形態によるワイパを示す。
【0094】
この第2の実施形態の変形形態においては、図1図8に示されるワイパと比較して、透かし加工部分23”のみが修正されている。
【0095】
この図10に見られるように、この第2の実施形態の変形形態においては、透かし加工部分23”は、長手方向軸線Xに沿ってジグザグに延びる少なくとも1つのリブ24”、本ケースにおいては、2つの正反対の位置にあるリブ24”を含む。リブ24”は、周方向に延びる部分を含み、周方向に延びる部分は、長手方向軸線Xに沿ってスロット26”により互いに分離されており、長手方向軸線Xに平行に延びる部分によって互いに、及びワイパの本体11に接続されている。リブ24”は、アパーチャ25”によって互いに周方向に分離されている。この実施形態の変形形態においては、各リブ24”は、長手方向軸線Xを中心に約90°の角度範囲にわたって延びる。
【0096】
説明及び図示したワイパの実施形態の変形形態の全てにおいて、透かし加工部分23、23’、23”は、ワイパ内に、変形能が増した、特に、軸方向伸張能が増した部分を有することを可能にする。本発明の範囲から逸脱することなく、ワイパの透かし加工部分の他の実施形態が想定され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】