(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】交換可能な分離インサートおよびモジュール式遠心分離機
(51)【国際特許分類】
B04B 7/08 20060101AFI20220126BHJP
B04B 1/08 20060101ALI20220126BHJP
B04B 9/08 20060101ALI20220126BHJP
C12M 1/26 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
B04B7/08
B04B1/08
B04B9/08
C12M1/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532948
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(85)【翻訳文提出日】2021-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2019084148
(87)【国際公開番号】W WO2020120364
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カスパー・ホグルンド
【テーマコード(参考)】
4B029
4D057
【Fターム(参考)】
4B029AA09
4B029AA11
4B029BB01
4B029CC01
4B029GB05
4B029HA05
4D057AA03
4D057AB01
4D057AB03
4D057AC01
4D057AD01
4D057AE02
4D057AF03
4D057AF05
4D057BA14
4D057BA31
4D057BB12
(57)【要約】
本明細書では、交換可能な分離インサート(6)およびモジュール式遠心分離機(2)が開示される。インサート(6)は、回転可能なロータケーシング(82)と、第1の静止部分(86)と、を備える。ロータケーシング(82)は、分離スペース(88)の境界を定めており、かつ円錐台形の分離ディスク(92)を備える。第1の静止部分(86)は、軸線方向に沿ってロータケーシング(82)から離れるよう第1の方向(70)に付勢される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式遠心分離機(2)のための交換可能な分離インサート(6)であって、前記交換可能な分離インサート(6)は、回転軸線(20)の周りで回転可能なロータケーシング(82)と、第1の静止部分(86)と、を備えており、
前記ロータケーシング(82)は、分離スペース(88)の境界を定めており、かつ前記分離スペース(88)内に配置される円錐台形の分離ディスク(92)を備えており、
第1の流路(96)が、前記第1の静止部分(86)を通って前記分離スペース(88)内へ延在しており、
前記回転軸線(20)は、軸線方向に沿って延在しており、かつ前記ロータケーシング(82)は、第1の軸線方向端部分(120)と第2の軸線方向端部分(122)とを有しており、
前記第1の静止部分(86)は、前記第1の軸線方向端部分(120)に配置されており、
前記第1の静止部分(86)は、前記軸線方向に沿って前記ロータケーシング(82)から離れるよう第1の方向(70)に付勢されていることを特徴とする交換可能な分離インサート(6)。
【請求項2】
前記第1の静止部分(86)は、第1のばねのセット(72)を備えており、前記第1のばねのセット(72)は、少なくとも1つのばね要素(74)を備えており、
前記第1のばねのセット(72)の少なくとも1つの前記ばね要素(74)は、前記第1のばねのセット(72)の少なくとも1つの前記ばね要素(74)にエネルギーが蓄積される場合に前記第1の静止部分(86)が前記軸線方向に沿って前記ロータケーシング(82)から離れるよう前記第1の方向(70)に付勢されるように、前記第1の静止部分(86)内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項3】
第1のシーリング部材(104)を備えており、前記第1のシーリング部材(104)は、前記第1の静止部分(86)と前記ロータケーシング(82)との間の移行部における前記第1の流路(96)をシールすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項4】
前記第1のシーリング部材(104)は、前記第1の静止部分(86)内に配置される第1の静止シーリング面(104’)が設けられた第1の静止シーリング要素(110)と、前記ロータケーシング(82)内に配置される第1の反対側のシーリング面(104”)が設けられた第1の回転シーリング要素(110’)と、を備えており、
前記第1の静止シーリング面(104’)は、前記第1の反対側のシーリング面(104”)に当接することを特徴とする請求項3に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項5】
前記第1の静止部分(86)は、前記第1の静止シーリング要素(110)に対して軸線方向に変位可能であり、
前記第1のばねのセット(72)の少なくとも1つの前記ばね要素(74)は、
前記第1のばねのセット(72)の少なくとも1つの前記ばね要素(74)にエネルギーが蓄積される場合に前記第1の静止部分(86)が前記軸線方向に沿って前記ロータケーシング(82)から離れるよう前記第1の方向(70)に付勢されかつ前記第1の静止シーリング要素(110)が前記第1の回転シーリング要素(110’)に接して押圧されるように、前記第1の静止部分(86)と前記第1の静止シーリング要素(110)との間に配置されることを特徴とする請求項2および請求項4に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項6】
前記第1の静止部分(86)が第1の遠位端ポジションを越えて前記軸線方向に沿って前記ロータケーシング(82)から離れるよう前記第1の方向(70)に付勢されるのを防止するために第1の停止機構(76)を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項7】
前記第1の停止機構(76)は、前記第1の静止部分(86)に対して固定されかつ半径方向に延在する第1の突出部(78)と、前記ロータケーシング(82)に対して固定されかつ半径方向に延在する第2の突出部(79)と、を備えており、
前記第1の突出部(78)および前記第2の突出部(79)は、前記第1の静止部分(86)が前記第1の遠位端ポジションにある場合に互いに当接するよう構成されていることを特徴とする請求項6に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項8】
第2の静止部分(84)を備えており、
第2の流路(94)が、前記第2の静止部分(84)を通って前記分離スペース(88)内へ延在しており、
前記第2の静止部分(84)は、前記ロータケーシング(82)の前記第2の軸線方向端部分(122)に配置されており、
前記第2の静止部分(84)は、前記軸線方向に沿って前記ロータケーシング(82)から離れるよう第2の方向(71)に付勢されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項9】
前記第2の静止部分(84)は、第2のばねのセット(140)を備えており、前記第2のばねのセット(140)は、少なくとも1つのばね要素(142)を備えており、
前記第2のばねのセット(140)の少なくとも1つの前記ばね要素(142)は、前記第2のばねのセット(140)の少なくとも1つの前記ばね要素(142)にエネルギーが蓄積される場合に前記第2の静止部分(84)が前記軸線方向に沿って前記ロータケーシング(82)から離れるよう前記第2の方向(71)に付勢されるように、前記第2の静止部分(84)内に配置されることを特徴とする請求項8に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項10】
第2のシーリング部材(105)を備えており、
前記第2のシーリング部材(105)は、前記第2の静止部分(84)と前記ロータケーシング(82)との間の移行部における前記第2の流路(94)をシールすることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項11】
前記第2のシーリング部材(105)は、前記第2の静止部分(84)内に配置される第2の静止シーリング面(105’)が設けられた第2の静止シーリング要素(150)と、前記ロータケーシング(82)に配置される第2の反対側のシーリング面(105”)が設けられた第2の回転シーリング要素(150’)と、を備えており、
前記第2の静止シーリング面(105’)は、前記第2の反対側のシーリング面(105”)に当接することを特徴とする請求項10に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項12】
前記第2の静止部分(84)は、前記第2の静止シーリング要素(150)に対して軸線方向に変位可能であり、
前記第2のばねセット(140)の少なくとも1つの前記ばね要素(142)は、前記第2のばねセット(140)の少なくとも1つの前記ばね要素(142)にエネルギーが蓄積される場合に前記第2の静止部分(84)が前記軸線方向に沿って前記ロータケーシング(82)から離れるよう前記第2の方向(71)に付勢されかつ前記第2の静止シーリング要素(150)が前記第2の回転シーリング要素(150’)に接して押圧されるように、前記第2の静止部分(84)と前記第2の静止シーリング要素(150)との間に配置されることを特徴とする請求項9および請求項11に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項13】
前記第2の静止部分(84)が、第2の遠位端ポジションを越えて前記軸線方向に沿って前記ロータケーシング(82)から離れるよう前記第2の方向(71)に付勢されるのを防ぐために第2の停止機構(144)を備えることを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項14】
前記第2の停止機構(144)は、前記第2の静止部分(84)に対して固定されかつ半径方向に延在する第3の突出部(146)と、前記ロータケーシング(82)に対して固定されかつ半径方向に延在する第4の突出部(148)と、を備えており、
前記第3の突出部(146)および前記第4の突出部(148)は、前記第2の静止部分(84)が前記第2の遠位端ポジションにある場合に互いに当接するよう構成されていることを特徴とする請求項13に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項15】
第3の流路(98)が、前記第1の静止部分(86)を通って前記分離スペース(88)内へ延在しており、
前記交換可能な分離インサート(6)は、第3のシーリング部材(107)を備えており、
前記第3のシーリング部材(107)は、前記第1の静止部分(86)と前記ロータケーシング(82)との間の移行部における前記第3の流路(98)を少なくとも部分的にシールすることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項16】
前記第3のシーリング部材(107)は、前記第1の静止部分(86)に配置される第3の静止シーリング面(107’)が設けられた第3の静止シーリング要素(152)と、前記ロータケーシング(82)内に配置される第3の反対側のシーリング面(107”)が設けられた第3の回転シーリング要素(152’)と、を備えており、
前記第3の静止シーリング面(107’)は、前記第3の反対側のシーリング面(107”)に当接することを特徴とする請求項15に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項17】
前記第1の静止部分(86)は、第3のばねのセット(154)を備えており、前記第3のばねのセット(154)は、少なくとも1つのばね要素(156)を備えており、
前記第3のばねのセット(154)の少なくとも1つの前記ばね要素(156)は、前記第3のばねのセット(154)の少なくとも1つの前記ばね要素(156)にエネルギーが蓄積される場合に前記第1の静止部分(86)が前記軸線方向に沿って前記ロータケーシング(82)から離れるよう前記第1の方向(70)に付勢されるように、前記第1の静止部分(86)内に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項18】
前記第1の静止部分(86)は、前記第3の静止シーリング要素(152)に対して軸線方向に変位可能であり、
前記第3のばねセット(154)の少なくとも1つの前記ばね要素(156)は、前記第3のばねセット(154)の少なくとも1つの前記ばね要素(156)にエネルギーが蓄積される場合に前記第1の静止部分(86)が前記軸線方向に沿って前記ロータケーシング(82)から離れるよう前記第1の方向(70)に付勢されかつ前記第3の静止シーリング要素(152)が前記第3の回転シーリング要素(152’)に接して押圧されるように、前記第1の静止部分(86)と前記第3の静止シーリング要素(152)との間に配置されることを特徴とする請求項15から請求項17に記載の交換可能な分離インサート(6)。
【請求項19】
液体供給混合物を重相および軽相に分離するよう構成されたモジュール式遠心分離機(2)であって、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の交換可能な分離インサート(6)と、ベースユニット(4)と、を備えており、
前記ベースユニット(4)は、静止フレーム(8)と、回転部材(16)と、前記回転部材(16)を回転させるための駆動ユニット(18)と、を備えており、
前記交換可能な分離インサート(6)の前記ロータケーシング(82)は、前記回転部材(16)の内部に解放可能に係合され、前記第1の静止部分(86)は、前記静止フレーム(8)に解放可能に係合され、
前記第1の静止部分(86)は、前記第1の方向(70)における付勢に対抗して、前記軸線方向に沿って第1の近位ポジションに配置され、
前記第1の近位ポジションは、前記交換可能な分離インサート(6)が取り付けられていない状態では、前記第1の静止部分(86)の第1の遠位端ポジションよりも前記ロータケーシング(82)に近接することを特徴とするモジュール式遠心分離機(2)。
【請求項20】
請求項8から請求項14のいずれか一項に記載の交換可能な分離インサート(6)を備えており、
前記第2の静止部分(84)は、前記静止フレーム(8)に解放可能に係合され、
前記第2の静止部分(84)は、前記第2の方向(71)における付勢に対抗して、前記軸線方向に沿って第2の近位ポジションに配置され、
前記第2の近位ポジションは、前記交換可能な分離インサート(6)が取り付けられていない状態では、前記第2の静止部分(84)の第2の遠位端ポジションよりも前記ロータケーシング(82)に近接することを特徴とする請求項20に記載のモジュール式遠心分離機(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式遠心分離機のための交換可能な分離インサートに関する。本発明はさらに、モジュール式遠心分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品、バイオ医薬品、バイオテクノロジーの分野およびそれらに関連する分野では、細胞培養物からの細胞の分離などの液体混合物からの物質の分離は、無菌環境で実施される。従来では、例えばステンレススチールから作られた機器が使用されており、当該機器はバッチ間で殺菌される。
【0003】
最近では、1回の使用、つまり1つのバッチまたは限られた数のバッチのために作られた使い捨て分離装置が提案されている。例えば特許文献1は、1回だけ使用される遠心分離機を開示しており、特許文献2は、交換可能な内側ドラムを備える分離機を開示する。
【0004】
特許文献2は、回転可能な外側ドラムと、外側ドラム内に配置される交換可能な内側ドラムとを備える、流動性のある生成物の遠心分離処理のための分離機を開示する。内側ドラムは、流動性のある生成物を浄化するための手段を備える。外側ドラムは、外側ドラムの下に配置されるモータによって駆動スピンドルを介して駆動される。内側ドラムは、流体接続部が分離機の上端部に配置される状態で、外側ドラムを通って垂直方向上向きに延在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0319248号明細書
【特許文献2】国際公開第2015/181177号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
モジュール式遠心分離機の交換可能な分離インサートを、モジュール式遠心分離機の静止フレームおよび回転部材内に安定した状態で位置決めすることが必要とされている。
【0007】
本発明の目的は、モジュール式遠心分離機内に安定した状態で位置決めされるよう構成された交換可能な分離インサートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、上述の目的の少なくとも1つは、モジュール式遠心分離機のための交換可能な分離インサートによって達成される。交換可能な分離インサートは、回転軸線周りで回転可能なロータケーシングと、第1の静止部分と、を備える。ロータケーシングは分離スペースの境界を定めており、かつ分離スペース内に配置される円錐台形の分離ディスクを備える。第1の流路が、第1の静止部分を通って分離スペース内へ延在する。回転軸線は軸線方向に沿って延在しており、かつロータケーシングは、第1の軸線方向端部分と第2の軸線方向端部分とを有する。第1の静止部分は、第1の軸線方向端部分に配置される。第1の静止部分は、軸線方向に沿ってロータケーシングから離れるよう第1の方向に付勢されている。
【0009】
第1の静止部分が軸線方向に沿ってロータケーシングから離れるよう第1の方向に付勢されるので、交換可能な分離インサートは、第1の静止部分を第1の方向とは反対の第2の方向に(つまり付勢に逆らって)ロータケーシングへ向けて位置決めすることによって押し込まれるよう構成される。第1の方向における第1の静止部分の付勢は、交換可能な分離インサートをモジュール式遠心分離機内に取り付けた場合に、交換可能な分離インサートをモジュール式遠心分離機内に安定した状態で位置決めすることに寄与する。これによって上述の目的が達成される。
【0010】
本発明のさらなる目的は、安定した状態で位置決めされる交換可能な分離インサートを備えるモジュール式遠心分離機を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、上述の目的の少なくとも1つは、液体供給混合物を重相および軽相に分離するよう構成されたモジュール式遠心分離機によって達成される。モジュール式遠心分離機は、本明細書で説明される態様および/または実施形態のいずれか1つに基づく交換可能な分離インサートと、ベースユニットと、を備える。ベースユニットは、静止フレームと、回転部材と、回転部材を回転させるための駆動ユニットと、を備える。交換可能な分離インサートのロータケーシングは、回転部材の内部に解放可能に係合され、かつ第1の静止部分は、静止フレーム内に解放可能に係合される。第1の静止部分は、第1の方向における付勢に対抗して、軸線方向に沿って第1の近位ポジションに配置される。第1の近位ポジションは、交換可能な分離インサートが取り付けられていない状態では、第1の静止部分の第1の遠位端ポジションよりもロータケーシングに近接する。
【0012】
第1の静止部分を付勢に逆らって第1の方向とは反対の第2の方向においてロータケーシングへ向けて位置決めすることによって交換可能な分離インサートが押し込まれるよう構成されているため、かつ第1の静止部分が第1の方向における付勢に対抗して軸線方向に沿って第1の近位ポジションに配置されるため、第1の方向における第1の静止部分の付勢は、交換可能な分離インサートを静止フレーム内に安定した状態で位置決めすること、および回転部材をモジュール式遠心分離機のベースユニット内に安定した状態で位置決めすることに寄与する。これによって上述のさらなる目的が達成される。
【0013】
モジュール式遠心分離機は、ベースユニットおよび交換可能な分離インサートの2つの主要部品を備えてもよい。ベースユニットは、上述の静止フレームおよび回転部材など、交換可能な分離インサートを支持しかつ回転させるための基礎構成要素を備えてもよい。交換可能な分離インサートは、液体供給混合物の実際の分離が、その分離スペースで行われるよう構成されてもよい。液体供給混合物は、1つの流体接続部を介して分離スペースに流れ込んでもよく、分離された重相および軽相は、各々、1つの流体接続部を介して分離スペースを離れてもよい。第1の流路は、これら流体接続部のうちの1つの流体接続部の一部を形成してもよい。
【0014】
交換可能な分離インサートは、1回だけの使用のためにすなわち液体供給混合物の1つのバッチのみまたは限られた数のバッチの分離のために構成されてもよい。一方で、ベースユニットは、異なる交換可能な分離インサートとともに繰り返し使用するよう構成されてもよい、つまりベースユニットは、異なる交換可能な分離インサートを使用して液体供給混合物の多数のバッチを分離するために使用されてもよい。
【0015】
モジュール式遠心分離機が組み立てられた状態にあるとき、交換可能な分離インサートのロータケーシングは、回転部材の内部に係合され、かつ第1の静止部分は静止フレームに係合される。上述のように、回転部材および第1の静止部分の両方は解放可能に係合され、それによって、交換可能な分離インサートは、液体供給混合物のバッチの分離後に使用済みの交換可能な分離インサートを新しくするために交換されてもよい。交換可能な分離インサートがベースユニット内に取り付けられている場合、第1の静止部分は第1の近位ポジションに配置される。ベースユニット内に取り付ける前後では、付勢により、第1の静止部分は第1の遠位端部ポジションに配置される。上述のように、第1の方向における付勢は、交換可能な分離インサートをベースユニット内で安定させることに寄与する。例えばロータケーシングと回転部材との間の係合手段や第1の静止部分と静止フレームとの間の係合手段などの、交換可能な分離インサートをベースユニット内で安定させるためのさらなる手段および/または手法が提供されてもよい。
【0016】
本明細書では、付勢/付勢されるとの用語は、予荷重/予荷重がかけられるとの用語と同義である。
【0017】
交換可能な分離インサートは、モジュール式遠心分離機のうち、液体供給混合物と分離された重相および軽相とが接触する唯一の部分を形成するよう構成されてもよい。そのため、交換可能な分離インサートは、無菌本体として使用者に提供されてもよい。無菌本体は、液体供給混合物を分離するために構成される部品、ならびに液体供給混合物や分離された重相および軽相のための導管を含んでもよい。交換可能な分離インサートは、使用者によってベースユニット内に取り付けられる。したがって、使用者は、液体供給混合物を分離するための無菌環境を備える遠心分離機を容易に利用できる。
【0018】
回転部材は、静止フレーム内で回転可能に支持されてもよい。回転部材は、スピンドルまたは他の種類のロータシャフトの助けを借りずに静止フレーム内で支持されてもよい。静止フレームは、モジュール式遠心分離機の使用中に不動であると同時にモジュール式遠心分離機の使用中に回転部材がロータケーシングとともに回転されるよう構成されるという意味において、静止されている。
【0019】
交換可能な分離インサートがベースユニット内に取り付けられる場合、ロータケーシングは、回転部材の内側スペースに受け入れられてもよい。適切には、回転部材は、交換可能な分離インサートの少なくとも1つの流体接続部のための回転部材の第1の軸線方向端部において開口部が設けられていてもよく、交換可能な分離インサートの流体接続部は当該開口部を通って延在する。
【0020】
交換可能な分離インサートは、第2の流路が設けられた第2の静止部分をさらに備えてもよい。したがって、回転部材は、その反対側の第2の軸線方向端部において開口部が設けられてもよい。交換可能な分離インサートの少なくとも1つの流体接続部は、回転部材の第2の軸線方向端部における開口部を通って延在してもよい。
【0021】
実施形態によれば、第1の静止部分は、第1のばねのセットを備えてもよく、第1のばねのセットは、少なくとも1つのばね要素を備える。第1のばねのセットの少なくとも1つのばね要素は、第1のばねのセットの少なくとも1つのばね要素にエネルギーが蓄積される場合に第1の静止部分が軸線方向に沿ってロータケーシングから離れるよう第1の方向に付勢されるように、第1の静止部分内に配置されてもよい。この様式で、第1の方向における第1の静止部分の付勢を実現することができる。
【0022】
この開示を通して、ばね要素は、例えば圧縮ばねまたは伸長ばねであってもよい。一般的に公知のように、エネルギーは、ばね要素の少なくとも一部をその平衡ポジションから変位させることによって、つまり例えば圧縮ばねを圧縮することや伸長ばねを伸長することによって、ばね要素に蓄積される。
【0023】
実施形態によれば、交換可能な分離インサートは、第1のシーリング部材を備えてもよく、第1のシーリング部材は、第1の静止部分とロータケーシングとの間の移行部における第1の流路をシールする。この様式で、第1の流路の機械的な密閉シールが、ロータケーシングと第1の静止部分との間に提供されてもよい。例えば、第1の流路が液体供給混合物のための入口の一部を形成する場合、第1のシーリング部材は、モジュール式遠心分離機の機械的に密閉されてシールされた入口を提供してもよい。
【0024】
実施形態によれば、第1のシーリング部材は、第1の静止部分内に配置される第1の静止シーリング面が設けられた第1の静止シーリング要素と、ロータケーシング内に配置される第1の反対側のシーリング面が設けられた第1の回転シーリング要素と、を備えてもよい。第1の静止シーリング面は、第1の反対側のシーリング面に当接してもよい。この様式で、機械的な密閉シールを提供することができる。
【0025】
実施形態によれば、第1の静止部分は、第1の静止シーリング要素に対して軸線方向に変位可能であってもよい。第1のばねのセットの少なくとも1つのばね要素は、第1のばねのセットの少なくとも1つのばね要素にエネルギーが蓄積される場合に第1の静止部分が軸線方向に沿ってロータケーシングから離れるよう第1の方向に付勢されかつ第1の静止シーリング要素が第1の回転シーリング要素に接して押圧されるように、第1の静止部分と第1の静止シーリング要素との間に配置されてもよい。この様式で、第1の静止シーリング要素と第1の回転シーリング要素との間にシーリング当接部を実現することができる。より具体的には、この様式で、第1の流路の機械的な密閉シールを提供するために、第1の静止シーリング面と第1の反対側のシーリング面との間のシーリング当接部を確実なものとすることができる。同時に、ロータケーシングから離れるような第1の方向における第1の静止部分の付勢が実現されてもよく、これは、上述のように、モジュール式遠心分離機のベースユニット内に交換可能な分離インサートを位置決めすることに寄与してもよい。
【0026】
実施形態によれば、交換可能な分離インサートは、第1の静止部分が第1の遠位端ポジションを越えて軸線方向に沿ってロータケーシングから離れるよう第1の方向に付勢されるのを防ぐために、第1の停止機構を備えてもよい。この様式で、交換可能な分離インサートを1つのユニットとして取り扱うことができることが保証されてもよい。第1の停止機構は、第1の静止部分がロータケーシングから分離されるのを防ぐことができ、さもなければ第1の静止部分が第1の方向に付勢されることに起因して前記分離が発生する可能性がある。したがって、第1の遠位端ポジションにおいても、第1の静止部分は、ロータケーシングから離れるよう第1の方向に付勢され得る。
【0027】
実施形態によれば、交換可能な分離インサートは、第2の静止部分を備えてもよく、第2の流路は、第2の静止部分を通って分離スペース内へ延在してもよい。第2の静止部分は、ロータケーシングの第2の軸線方向端部分に配置されてもよい。第2の静止部分は、軸線方向に沿ってロータケーシングから離れるよう第2の方向に付勢されてもよい。この様式で、分離スペースへのさらなる流体接続部または分離スペースからのさらなる流体接続部が、第1の軸線方向端部分の反対側にある、ロータケーシングの第2の軸線方向端部分に設けられてもよい。さらに、第2の静止部分が第2の方向に付勢され得るので、交換可能な分離インサートは、第2の静止部分を第2の方向とは反対の第1の方向において(つまり第2の方向における付勢に逆らって)ロータケーシングへ向けて位置決めすることによって、押し込まれるよう構成されてもよい。第2の方向における第2の静止部分の付勢は、交換可能な分離インサートをモジュール式遠心分離機内に取り付けたときに、交換可能な分離インサートをモジュール式遠心分離機内に安定した状態で位置決めことに寄与する。
【0028】
実施形態によれば、第3の流路は、第1の静止部分を通って分離スペース内へ延在してもよく、交換可能な分離インサートは、第3のシーリング部材xを備えており、第3のシーリング部材xは、第1の静止部分とロータケーシングとの間の移行部における第3の流路を少なくとも部分的にシールする。この様式で、第3の流路の少なくとも一部は、ロータケーシングと第1の静止部分との間で機械的に密閉されてシールされてもよい。例えば、第3の流路が分離スペースからの出口の一部を形成する場合、第3のシーリング部材は、出口の少なくとも一部を機械的に密閉してシールすることができる。いくつかの実施形態によれば、第1のシーリング部材は、ロータケーシングと第1の静止部分との間の第3の流路のさらなる部分を機械的に密閉してシールすることができる。
【0029】
概して、機械的な密閉シールは、例えばペアリングチャンバーの内部に配置されるペアリングディスクあるいはロータケーシングの内部の液体に含浸される静止ディスクなどを備える油圧シールと比べて完全に異なるインターフェースを遠心分離機の回転部分と静止部分との間に形成する。機械的な密閉シールは、回転可能なロータケーシングの一部と静止部分との間の当接部を含む。油圧シールは、遠心分離機の回転部分と静止部分との間の当接部を含まない。
【0030】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および以下の詳細な説明を検討する際に明らかになろう。
【0031】
本発明の様々な態様および/または実施形態は、その特定の特徴および利点を含んでおり、以下の詳細な説明および添付の図面で説明される例示的な実施形態から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】実施形態に基づくモジュール式遠心分離機を概略的に示す図である。
【
図2】実施形態に基づく交換可能な分離インサートの断面を概略的に示す図である。
【
図3】モジュール式遠心分離機のためのベースユニットの断面を概略的に示す図である。
【
図4】モジュール式遠心分離機の一部の断面を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここでは本発明の態様および/または実施形態についてより完全に説明する。同様の参照符号は、全体を通して同様の要素を指し示す。公知の機能または構造については、簡潔さおよび/または明確性のために必ずしも詳細に説明されない。
【0034】
図1は、実施形態に基づくモジュール式遠心分離機2を概略的に示す。モジュール式遠心分離機2は、ベースユニット4と交換可能な分離インサート6とを備える。モジュール式遠心分離機2は、医薬品、バイオ医薬品、および/またはバイオテクノロジーの分野で使用するために構成されてもよい。モジュール式遠心分離機2は、CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)などの細胞、または圧出された細胞外生体分子(extracellular biomolecule)などのバイオテクノロジー産業におけるプロセスから生じる他の物質を生産するためのプラント内のセットアップの一部を形成してもよい。
【0035】
モジュール式遠心分離機2は、液体供給混合物を重相と軽相とに分離するために構成されている。例えば、液体供給混合物は、細胞培養物を含む発酵ブロスによって形成されてもよく、重相は、発酵ブロスの主要部分から分離される細胞を含んでもよい。軽相は、細胞を含まないか、あるいは最小限の残りの量の細胞のみを含む、発酵ブロスの主要部分によって形成されてもよい。軽相は、圧出された細胞外生体分子を含んでもよい。
【0036】
モジュール式遠心分離機2は、当該モジュール式遠心分離機2がベースユニット4と交換可能な分離インサート6とを備えるという意味でモジュール式である。交換可能な分離インサート6は、分離される液体供給混合物の新しいバッチごとに交換される。代替的には、交換可能な分離インサート6は、分離される新しいタイプの液体供給混合物ごとに交換されてもよい、つまり同じタイプの液体供給混合物を包含する後続のバッチが、同じ交換可能な分離インサート6を用いて分離されてもよい。
【0037】
モジュール式遠心分離機2の使用中に、液体供給混合物、重相および軽相は、モジュール式遠心分離機の交換可能な分離インサート6とのみ接触する。当然のことながら、液体供給混合物を交換可能な分離インサート6に導入するようにかつ交換可能な分離インサート6から重相および軽相を導出するよう構成されるチューブ10の形態の導管もまた、液体供給混合物、重相および軽相と接触する。チューブ10は、交換可能な分離インサート6の一部を形成してもよい。ベースユニット4は、液体供給混合物または分離された重相および軽相のいずれとも接触しない。
【0038】
交換可能な分離インサート6について
図2および
図4を参照して以下でさらに説明する。
【0039】
ベースユニット4は、交換可能な分離インサートを支持しかつ回転させるための構成要素を備える。そのため、ベースユニット4は、とりわけ、静止フレーム8と、回転部材と、回転部材を回転させるための駆動ユニットとを備える。したがってモジュール式遠心分離機2もまた、静止フレーム8と、回転部材と、回転部材を回転させるための駆動ユニットとを備える。静止フレーム8は、垂直部材12を備える。駆動ユニットの一部は、垂直部材12内に配置されてもよい。
【0040】
静止フレーム8は、モジュール式遠心分離機の使用中は静止している。しかしながら、ベースユニット4自体は、例えば使用者の生産施設におけるさまざまな場所に配置されるように、移動可能であってもよい。この目的のために、静止フレーム8はホイール14が設けられていてもよい。
【0041】
ベースユニット4について
図3および
図4を参照して以下でさらに説明する。
【0042】
図2は、実施形態に基づく交換可能な分離インサート6の断面を概略的に示す。交換可能な分離インサート6は、
図1に関連して上述されかつ
図3および
図4を参照して後述されるモジュール式遠心分離機2などのモジュール式遠心分離機のための交換可能な分離インサートである。したがって、交換可能な分離インサート6は、その一部が、
図3および
図4に関連してさらに後述されるように、回転部材の内側スペース26の内部に配置されるよう構成されてもよい。
【0043】
交換可能な分離インサート6は、ロータケーシング82と、第1の静止部分86と、第2の静止部分84とを備える。ロータケーシング82は、回転軸線20周りで回転可能である。回転軸線20は軸線方向に沿って延在する。ロータケーシング82は、第1の軸線方向端部分120と第2の軸線方向端部分122とを有する。ロータケーシング82は、第1の静止部分86と第2の静止部分84との間に配置されている。第1の静止部分86は、第1の軸線方向端部分120に配置されている。第2の静止部分84は、第2の軸線方向端部分122に配置されている。これら実施形態では、モジュール式遠心分離機の動作中、第1の静止部分86は、交換可能な分離インサート6の軸線方向下側端部に配置されており、かつ第2の静止部分84は、交換可能な分離インサート6の軸線方向上側端部に配置される。
【0044】
ロータケーシング82は、その中で分離スペース88の境界を定める。交換可能な分離インサート6は、分離スペース88内に配置される円錐台形の分離ディスク92のスタック90を備える。スタック90における分離ディスク92は、第1の静止部分86に仮想頂部を伴うようにまたは第1の静止部分86の方向に向くように配置されている。スタック90は、例えば少なくとも100個の分離ディスク92や少なくとも150個の分離ディスク92などの、少なくとも50個の分離ディスク92を備えてもよい。一例として言及されるように、分離ディスク92は、160~400mmの外径と、60~100mmの内径と、回転軸線20と分離ディスク92の内面との間に35~40度の角度αと、を有してもよい。明確にするために、
図2には数枚のディスク92のみが示される。
【0045】
第1の流路96は、第1の静止部分86を通って分離スペース88内へ延在する。交換可能な分離インサート6は、第1の静止部分86に配置される第1の流体接続部97を備える。第1の流体接続部97は、第1の流路96の一部を形成する。第1の流体接続部97は、1つ以上の導管部分を備える。
【0046】
第2の流路94は、第2の静止部分84を通って分離スペース88内へ延在する。交換可能な分離インサート6は、第2の静止部分84に配置される第2の流体接続部95を備える。第2の流体接続部95は、第2の流路94の一部を形成する。第2の流体接続部95は、1つ以上の導管部分を備える。
【0047】
これら実施形態では、第3の流路98は、第1の静止部分86を通って分離スペース88内へ延在する。交換可能な分離インサート6は、第1の静止部分86に配置される第3の流体接続部99を備える。第3の流体接続部99は、第3の流路98の一部を形成する。第3の流体接続部99は、1つ以上の導管部分を備える。
【0048】
これら実施形態では、第1の流体接続部97は、液体供給混合物を分離スペース88へ導入するよう構成されており、第2の流体接続部95は、分離スペース88から重相を導出するよう構成されており、かつ第3の流体接続部99は、分離スペース88から軽相を導出するよう構成されている。液体供給混合物は、第1の流体接続部97から、回転軸線20上の分離スペース88に流入する。液体供給混合物は、回転軸線20から分離スペース88の外周へ分配される。分離された軽相は、回転軸線20へ向けて流れて、第3の流路98および第3の流体接続部99を介して、回転軸線20と分離ディスク92の半径方向内側縁部100との間の半径方向ポジションで分離スペース88を離れる。
【0049】
分離された重相は、分離スペース88の外周へ向けて流れる。重相は、当該外周から、回転軸線20へ向けて方向付けられ、第2の流路94および第2の流体接続部95を介して分離スペース88から流出する。すなわち、ロータケーシング82の内部には、分離スペース88からの分離された重相のための1つ以上の排出導管102が配置されている。1つ以上の排出導管102は、分離スペース88の半径方向外側部分から回転軸線20へ向けて延在する。1つ以上の排出導管102の各々は、チューブを備えてもよい。排出導管102の数や例えば重相の密度および/または粘度に応じて、各チューブは、2~10mmの内径を有してもよい。この例では、単一の排出導管102が設けられている。代替的に、例えば少なくとも3つまたは少なくとも5つの排出導管など、少なくとも2つのそうした排出導管が、ロータケーシング82の周縁に均等に分配されてもよい。排出導管102は、半径方向外側部分に配置される導管入口と、半径方向内側部分に配置される導管出口とを有する。排出導管102は、分離スペース88の軸線方向上側部分に配置される。
【0050】
代替的には、1つ以上の排出導管は、分離スペースの半径方向外側部分から回転軸線20へ向けて延在する多数のチャネルを備えてもよい。チューブを備える排出導管102は、その延在部分に沿って同じ断面積を有するが、そうしたチャネルは、回転軸線20へ向かうよりも、それらチャネルの半径方向外側部分においてより大きな断面積を有してもよい。
【0051】
第1の静止部分86は、軸線方向に沿ってロータケーシングから離れるよう第1の方向70に付勢されている。
図2では、第1の方向70は矢印で示されている。第1の方向70における第1の静止部分86の付勢は、いくつかの異なる方法で達成することができ、例えば圧縮ばねまたは伸長ばねが使用される。
【0052】
第1の方向70における第1の静止部分86の付勢は、
図4を参照してさらに後述されるように、交換可能な分離インサート6をモジュール式遠心分離機のベースユニット内に安定した状態で位置決めすることに寄与する。
【0053】
第1の静止部分86は、第1のばねのセット72を備える。第1のばねのセット72は、少なくとも1つのばね要素74を備える。これら実施形態では、少なくとも1つのばね要素74は、螺旋状の圧縮ばねである。第1のばねのセット72の少なくとも1つのばね要素74は、第1のばねのセット72の少なくとも1つのばね要素74にエネルギーが蓄積される場合に第1の静止部分86が軸線方向に沿ってロータケーシング82から離れるよう第1の方向に付勢されるように、第1の静止部分86内に配置される。
【0054】
交換可能な分離インサート6は、第1の静止部分86が第1の遠位端ポジションを越えて軸線方向に沿ってロータケーシング82から離れるよう第1の方向70に付勢されるのを防ぐよう構成された第1の停止機構76を備えてもよい。そのため第1の停止機構76は、第1の静止部分86がロータケーシング82から分離されるのを防ぐ。第1のばねのセット72の少なくとも1つのばね要素74に蓄積されたエネルギーは、第1の遠位端ポジションへ向けて第1の静止部分86を付勢する。
【0055】
図2では、第1の遠位端ポジションにある第1の静止部分86が示されている。つまり、交換可能な分離インサート6がモジュール式遠心分離機のベースユニットから分離されている場合、第1のばねのセット72によって提供される付勢力に起因して、第1の静止部分86は、ロータケーシング82に対して第1の遠位端ポジションに位置決めされる。その一方で、交換可能な分離インサート6がモジュール式遠心分離機のベースユニット内に取り付けられている場合、第1の静止部分86は、第1のばねのセット72によって提供される付勢に逆らって、第1の遠位端ポジションから第1の近位ポジションに変位されている。
【0056】
これら実施形態では、第1の停止機構76は、第1の静止部分86に対して固定されかつ半径方向に延在する第1の突出部78と、ロータケーシング82に対して固定されかつ半径方向に延在する第2の突出部79と、を備えており、第1および第2の突出部78、79は、第1の静止部分86が第1の遠位端ポジションにある場合に互いに当接するよう構成されている。この様式で、第1の遠位端ポジションは、第1の静止部分86に関連して提供され得る。半径方向は、軸線方向に見た場合に放射状となる。
【0057】
上述のように、第1の流路96は、液体供給混合物のための入口の一部を形成する。つまり、第1の流体接続部97は、液体供給混合物のための入口を形成する。第1のシーリング部材104は、入口の静止部分と回転部分との間にシールを形成する。
【0058】
交換可能な分離インサート6は、第1のシーリング部材104を備える。第1のシーリング部材104は、第1の静止部分86とロータケーシング82との間の移行部における第1の流路96をシールする。第1のシーリング部材104は、第1の流路96の機械的な密閉シールを形成する。第1のシーリング部材104は、第1の流路96の周りに円周方向に延在し、それによって第1の流路96をシールする。
【0059】
第1のシーリング部材104は、第1の静止部分86内に配置される第1の静止シーリング面104’が設けられる第1の静止シーリング要素110と、ロータケーシング82内に配置される第1の反対側のシーリング面104”が設けられる第1の回転シーリング要素110’と、を備えている。第1の静止シーリング面104’は、第1の反対側のシーリング面104”に当接する。そのため、第1の静止シーリング面104’と第1の反対側のシーリング面104”との間の境界に機械的な密閉シールが提供される。モジュール式遠心分離機の使用中にロータケーシング82が回転すると、第1の反対側のシーリング面104”は、ロータケーシング82とともに回転する。
【0060】
第1の静止部分86は、第1の静止シーリング要素110に対して軸線方向に変位可能である。第1のばねのセット72の少なくとも1つのばね要素74は、第1のばねのセット72の少なくとも1つのばね要素74にエネルギーが蓄積される場合に第1の静止部分86が軸線方向に沿ってロータケーシング82から離れるよう第1の方向70に付勢されるように、第1の静止部分86と第1の静止シーリング要素110との間に配置される。さらに、第1の静止シーリング要素110は、少なくとも1つのばね要素74に蓄積されたエネルギーによって、第1の回転シーリング要素110’に接して押圧される。つまり、第1の静止部分86がその第1の遠位端ポジションと第1の近位ポジションとの間で変位される場合、第1の静止シーリング要素110は、その第1の静止シーリング面104’が回転シーリング要素110’の第1の反対側のシーリング面104”に当接する状態で、1つのポジションに留まる。
【0061】
これら実施形態では、この様式で第1の方向70における第1の静止部分86の付勢が実現される。また、第1の静止シーリング面104’と第1の反対側のシーリング面104”との間のシーリング当接部は、この方法で実現される。したがって、シーリング当接部は、第1の静止部分86がその第1の近位ポジションにある場合に提供される。同様に、第1の遠位端ポジションにおいて、シーリング当接部は、第1の静止部分86が第1の遠位端ポジションにおいてもロータケーシング82から離れるよう第1の方向に付勢されるという状況下で実現することができる。したがって、交換可能な分離インサート6がモジュール式遠心分離機のベースユニットから分離される場合にも、第1の静止シーリング要素110と第1の回転シーリング要素110’との間にシーリング当接部を実現することができる。
【0062】
したがって、第1の静止シーリング面104’と第1の反対側のシーリング面104”との間のシーリング当接部は、第1の静止部分86の第1の近位端ポジションにおいて、ならびに第1の静止部分86の第1の遠位端ポジションにおいて実現することができる。
【0063】
第1の静止部分86と同様の様式で、第2の静止部分84もまた、軸線方向に沿ってロータケーシング82から離れるよう所定の方向71に付勢される。第2の静止部分84は、ロータケーシング82から離れるよう第2の方向71に付勢される。第2の方向71は、
図2において矢印で示されており、かつ第1の方向70とは反対の方向に向けられている。
【0064】
第1の静止部分86と同様に、第2の静止部分84はロータケーシング82から離れるよう所定の方向71に付勢されるので、交換可能な分離インサート6は、第2の静止部分84をロータケーシング82へ向けて、つまり第2の方向71における付勢に逆らって位置決めすることによって押し込まれるよう構成される。第2の方向71における付勢は、交換可能な分離インサート6をモジュール式遠心分離機のベースユニット内に位置決めすることに寄与してもよい。
【0065】
第2の静止部分84は、第2のばねのセット140を備える。第2のばねのセット140は、少なくとも1つのばね要素142を備える。第2のばねのセット140の少なくとも1つのばね要素142は、第2のばねのセット140の少なくとも1つのばね要素142にエネルギーが蓄積される場合に第2の静止部分84が軸線方向に沿ってロータケーシング82から離れるよう第2の方向71に付勢されるように、第2の静止部分84内に配置される。この様式で、第2の方向71における第2の静止部分84の付勢が実現される。
【0066】
交換可能な分離インサート6は、第2の静止部分84が第2の遠位端ポジションを越えて軸線方向に沿ってロータケーシング82から離れるよう第2の方向71に付勢されるのを防ぐために、第2の停止機構144を備えてもよい。それによって、第2の停止機構144は、第2の静止部分84がロータケーシング82から分離されるのを防ぐ。第2のばねのセット140の少なくとも1つのばね要素142に蓄積されるエネルギーは、第2の静止部分84を第2の遠位端ポジションへ付勢する。
【0067】
図2では、第2の遠位端ポジションにある第2の静止部分84が示されている。つまり、交換可能な分離インサート6がモジュール式遠心分離機のベースユニットから分離される場合、第2のばねのセット140によって提供される付勢力に起因して、第2の静止部分84は、ロータケーシング82に対して第2の遠位端ポジションに位置決めされる。その一方で、交換可能な分離インサート6がモジュール式遠心分離機のベースユニット内に取り付けられている場合、第2の静止部分84は、第2のばねのセット140によって提供される付勢に逆らって、第2の遠位端ポジションから第2の近位ポジションへ変位されている。
【0068】
これら実施形態では、第2の停止機構144は、第2の静止部分84に対して固定されかつ半径方向に延在する第3の突出部146と、ロータケーシング82に対して固定されかつ半径方向に延在する第4の突出部148と、を備えており、第3および第4の突出部146、148は、第2の静止部分84が第2の遠位端ポジションにある場合に互いに当接するよう構成される。この様式で、第2の遠位端ポジションは、第2の静止部分84に関連して提供されてもよい。さらに半径方向は、軸線方向に見た場合に放射状となる。
【0069】
上述のように、第2の流路94は、分離された重相のための出口の一部を形成する。つまり、第2の流体接続部95は、分離スペース88からの重相のための出口を形成する。第2のシーリング部材105は、重相のための出口の静止部分と回転部分との間にシールを形成する。
【0070】
交換可能な分離インサート6は、第2のシーリング部材105を備える。第2のシーリング部材105は、第2の静止部分84とロータケーシング82との間の移行部における第2の流路94をシールする。第2のシーリング部材105は、第2の流路94の機械的な密閉シールを形成する。第2のシーリング部材105は、第2の流路94の周りで円周方向に延在しており、それによって第2の流路94をシールする。
【0071】
第2のシーリング部材105は、第2の静止部分84内に配置される第2の静止シーリング面105’が設けられた第2の静止シーリング要素150と、ロータケーシング82に配置される第2の反対側のシーリング面105”が設けられた第2の回転シーリング要素150’と、を備える。第2の静止シーリング部材105は、第2の反対側のシーリング面105”に当接する。そのため、第2の静止シーリング面105’と第2の反対側のシーリング面105”との間の境界に機械的な密閉シールが提供される。モジュール式遠心分離機の使用中にロータケーシング82が回転する場合、第2の反対側のシーリング面105”は、ロータケーシング82とともに回転する。
【0072】
第2の静止部分84は、第2の静止シーリング要素150に対して軸線方向に変位可能である。第2のばねのセット140の少なくとも1つのばね要素142は、第2のばねのセット140の少なくとも1つのばね要素142にエネルギーが蓄積される場合に第2の静止部分84が軸線方向に沿ってロータケーシング82から離れるよう第2の方向71に付勢されかつ第2の静止シーリング要素150が第2の回転シーリング要素150’に接して押圧されるように、第2の静止部分84と第2の静止シーリング要素150との間に配置される。この様式で、第2の静止シーリング要素150と第2の回転シーリング要素150’との間にシーリング当接部が実現される。第2の静止シーリング面105’と第2の反対側のシーリング面105”との間のシーリング当接部は、第2の流路94の機械的な密閉シールを確実なものとする。また、この様式で、ロータケーシング82から離れるような第2の方向71における第2の静止部分84の付勢が実現され、これは、モジュール式遠心分離機のベースユニット内に交換可能な分離インサート6を位置決めすることに寄与することができる。
【0073】
第2の静止部分84がその第2の遠位端ポジションと第2の近位ポジションとの間で変位される場合、第2の静止シーリング要素150は、その第2の静止シーリング面105’が回転シーリング要素150’の第2の反対側のシーリング面105”に当接する状態で、1つのポジションに留まる。
【0074】
第2の静止シーリング面105’と第2の反対側のシーリング面105”との間にシーリング当接部が実現される。そのため、シーリング当接部は、第2の静止部分84がその第2の近位ポジションにある場合に提供される。同様に、第2の遠位端ポジションにおいて、シーリング当接部は、第2の静止部分84が第2の遠位端ポジションにおいてもロータケーシング82から離れるよう第1の方向に付勢されるという状況下で実現することができる。そのため交換可能な分離インサート6がモジュール式遠心分離機のベースユニットから分離される場合にも、第2の静止シーリング要素150と第2の回転シーリング要素150’との間にシーリング当接部を実現することができる。
【0075】
したがって、第2の静止シーリング面105’と第2の反対側のシーリング面105”との間のシーリング当接部は、第2の静止部分84の第2の近位端ポジションならびに第2の静止部分84の第2の遠位端ポジションで実現することができる。
【0076】
交換可能な分離インサート6は、第3のシーリング部材107を備える。第3のシーリング部材107は、第1の静止部分86とロータケーシング82との間の移行部における第3の流路98を少なくとも部分的にシールする。第3のシーリング部材107は、第3の流路98の機械的な密閉シールを形成する。
【0077】
第3のシーリング部材107は、第1のシーリング部材104の周りで円周方向に延在する。第3の流路98は、第1のシーリング部材104と第3のシーリング部材107との間でロータケーシング82から第1の静止部分86まで通過する。したがって、第1のシーリング部材104は、ロータケーシング82と第1の静止部分86との間の第3の流路98のさらなる部分をシールすることができる。
【0078】
第3のシーリング部材107は、第1の静止部分86内に配置される第3の静止シーリング面107’が設けられた第3の静止シーリング要素152と、ロータケーシング82内に配置される第3の反対側のシーリング面107”が設けられた第3の回転シーリング要素152’と、を備える。第3の静止シーリング面107’は、第3の反対側のシーリング面107”に当接する。そのため、第3の静止シーリング面107’と第3の反対側のシーリング面107”との間の境界に機械的な密閉シールが提供される。モジュール式遠心分離機の使用中にロータケーシング82が回転すると、第3の反対側のシーリング面107”は、ロータケーシング82とともに回転する。
【0079】
例示される実施形態では、第1の静止部分86は、第3のばねのセット154を備える。第3のばねのセット154は、少なくとも1つのばね要素156を備える。第3のばねのセット154の少なくとも1つのばね要素156は、第3のばねのセット154の少なくとも1つのばね要素156にエネルギーが蓄積される場合に第1の静止部分86が軸線方向に沿ってロータケーシング82から離れるよう第1の方向70に付勢されるように、第1の静止部分86内に配置される。この様式で、第3のばねのセット154の少なくとも1つのばね要素156に蓄積されたエネルギーは、ロータケーシング82から離れるよう第1の方向70において第1の静止部分86を付勢することに寄与することができる。
【0080】
第1の静止部分86は、第3の静止シーリング要素152に対して軸線方向に変位可能である。第3のばねのセット154の少なくとも1つのばね要素156は、第3のばねのセット154の少なくとも1つのばね要素156にエネルギーが蓄積される場合に第1の静止部分86が軸線方向に沿ってロータケーシング82から離れるよう第1の方向70に付勢されかつ第3の静止シーリング要素152が第3の回転シーリング要素152’に接して押圧されるように、第1の静止部分86と第3の静止シーリング要素152との間に配置される。この様式で、第3の静止シーリング要素152と第3の回転シーリング要素152’との間にシーリング当接部を実現することができる。より具体的には、この様式で、第3の流路98の少なくとも一部の機械的な密閉シールを提供するために、第3の静止シーリング面107’と第3の反対側のシーリング面107”との間のシーリング当接部を確実なものとすることができる。
【0081】
第1の静止部分86がその第1の近位ポジションにある場合に、第3の静止シーリング面107’と第3の反対側のシーリング面107”との間にシーリング当接部が提供される。同様に、第1の遠位端ポジションでは、第3のばねのセットが、第1の遠位端ポジションでもロータケーシング82から離れるよう第1の方向において第1の静止部分86を付勢することに寄与するという状況下で、シーリング当接部を実現することができる。そのため、交換可能な分離インサート6がモジュール式遠心分離機のベースユニットから分離される場合にも、第3の静止シーリング要素152と第3の回転シーリング要素152’との間にシーリング当接部を実現することができる。
【0082】
したがって、第3の静止シーリング面107’と第3の反対側のシーリング面107”との間のシーリング当接部は、第1の静止部分86の第1の近位端ポジションならびに第1の静止部分86の第1の遠位端ポジションにおいて実現することができる。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、第1および第3のシーリング部材104、107は、少なくとも部分的に互いに一体化されてもよい。例えば、第1および第3の回転シーリング要素110’、152’は、同じ構成要素に設けられてもよく、かつ/または第1および第3の静止シーリング要素110、152は、同じ構成要素に設けられてもよい。第1および第3の静止シーリング要素110、152が同じ構成要素に設けられる場合、第3のばねのセット154を省略することが任意選択されてもよい。
【0084】
シーリング部材104、105、107は、冷却液などの流体を供給しかつ引き出すための流体入口109および流体出口111が設けられてもよい。そのためシーリング部材104、105、107を冷却することができる。
図2では、1つの流体入口109および1つの流体出口111が、シーリング部材104、105、107に示されている。なお、さらなる流体入口および出口が、シーリング部材104、105、107に設けられてもよい。
【0085】
第1、第2および第3の流体接続部97、95、99は、プラスチックチューブなどの配管を備えてもよい。
【0086】
動作中、交換可能な分離インサート6は、回転部材内に配置されて、回転軸線20周りで回転するようもたらされる。分離される液体供給混合物は、第1の静止部分86内に配置される第1の流体接続部97とガイドチャネル106とを介して分離スペース88に供給される。分離される液体供給混合物は、軸線方向上向きの経路に沿って分離スペース88へ向けて案内される。密度の違いにより、液体供給混合物は液体軽相と液体重相とに分離される。この分離は、分離スペース88内に取り付けられたスタック90の分離ディスク92間の間隙によって促進される。重相は、細胞などの粒子を含んでもよい。重相は、軽相および粒子の濃縮混合物を含んでもよい。
【0087】
分離された重相は、排出導管102を介して分離スペース88の周縁から収集され、そしてロータケーシング82から、第2の静止部分84内に配置される第2の流体接続部95へ導かれる。分離された軽相は、分離ディスク92のスタック90を通って半径方向内向きに押し出され、ロータケーシング82から、第1の静止部分86内に配置される第3の流体接続部98に導かれる。結果的に、この実施形態では、液体供給混合物は、交換可能な分離インサート6の軸線方向下側端部で供給され、分離された軽相は交換可能な分離インサート6の軸線方向下側端部で排出され、かつ分離された重相は交換可能な分離インサート6の軸線方向上側端部で排出される。
【0088】
第1の静止部分86は、外ねじ部分130を備える。外ねじ部分130は、対応する内ねじ部分と係合するよう構成される。内ねじ部分は、モジュール式遠心分離機の静止フレームに設けられた係合部材の一部として提供されてもよい。したがって、第1の静止部分86は、
図4を参照してさらに後述されるように、静止フレームに対して固定されてもよい。
【0089】
図3は、
図1のモジュール式遠心分離機2のベースユニット4の断面を概略的に示す。つまり
図3では交換可能な分離インサートが省略されている。
【0090】
上述のようにベースユニット4は、静止フレーム8と、回転部材16と、駆動ユニット18とを備える。回転部材16は、静止フレーム8内に配置され、かつ回転軸線20周りで回転するよう構成されている。駆動ユニット18は、回転軸線20周りで回転部材16を回転させるよう構成されている。
【0091】
回転軸線20に沿って見ると、回転部材16は、第1の軸線方向端部24と第2の軸線方向端部22とを有する。回転部材16は、少なくとも半径方向において内側スペース26の境界を定める。半径方向は回転軸線20に垂直に延在する。内側スペース26は、
図4を参照してさらに後述されるように、その中に交換可能な分離インサートの少なくとも一部を受け入れるよう構成されている。
【0092】
回転部材16は、第1の軸線方向端部24において第1の開口部30が設けられている。回転部材16はさらに、第2の軸線方向端部22において第2の開口部28が設けられている。第1および第2の開口部30、28の各々は、回転部材16内に貫通穴を形成する。そのため、内側スペース26は、第1および第2の開口部30、28の各々を介してアクセス可能である。したがって、第1および第2の開口部30、28は、交換可能な分離インサートの流体接続部が当該第1および第2の開口部30、28を通って延在するよう構成される。さらに後述されるように
図4を参照されたい。
【0093】
これら実施形態では、回転部材16は、ロータ本体32とキャップ34とを備える。キャップ34は、ロータ本体32と解放可能に係合される。キャップ34は、例えばねじ山、バヨネット連結、ねじ、ウィングナットまたは他の任意の適切な係合構成を用いて、ロータ本体32と解放可能に係合されてもよい。キャップ34がロータ本体32から解放されると、内側スペース26へのアクセスが提供される。内側スペース26へのアクセスが提供されると、交換可能な分離インサートを内側スペース26内に取り付けることができる。同様に、内側スペース26へのアクセスが提供されると、交換可能な分離インサートを内側スペース26から取り外すことができる。したがって、キャップ34がロータ本体32から解放された場合に、使用済みの交換可能な分離インサートを、新しい交換可能な分離インサートに置き換えることができる。
【0094】
キャップ34は、ロータ本体32の第2の軸線方向端部22の所定の領域に配置されてもよい。したがって、回転部材16の第2の開口部28は、キャップ34内に配置されている。上述のように、交換可能な分離インサートの流体接続部は、第2の開口部28を通って延在してもよい。
【0095】
ベースユニット4は、少なくとも1つのベアリング36を備える。回転部材16は、少なくとも1つのベアリング36を介して静止フレーム8にジャーナル接続されている。したがって、回転部材16自体は、静止フレーム8にジャーナル接続されている。また、回転部材16は、少なくとも1つのベアリング36を介して静止フレーム8に支持されてもよい。したがって、回転部材16は、交換可能な分離インサートを備える従来技術の遠心分離機におけるようにスピンドルまたはシャフトを介して間接的にジャーナル接続されていない。
【0096】
少なくとも1つのベアリング36は、例えば半径方向の力と軸線方向の力の両方を支持する単一ボールベアリングであってもよい。代替的には、少なくとも1つのベアリング36は例えば2つのベアリング36を備えてもよく、例えばその1つは主に半径方向の力を支持し、もう1つは主に軸線方向の力を支持する。
【0097】
少なくとも1つのベアリング36は、少なくとも1つのベアリング36が回転部材16によって境界を定められた内側スペース26の一部の周りに延在するように、回転軸線20に沿う所定の軸線方向ポジションに配置される。モジュール式遠心分離機の使用中に交換可能な分離インサートは内側スペース26内に配置されるので、回転部材16は、交換可能な分離インサートも同様に位置決めされる所定の軸線方向ポジションで支持される。そのため少なくとも1つのベアリング36は、回転部材16の信頼性のある支持を提供する。
【0098】
駆動ユニット18は、電気モータ38と、電気モータ38と回転部材16との間に配置されるトランスミッション40とを備える。トランスミッション40は、軸線方向において回転部材16の側方に配置される電気モータ38を提供する。すなわち、電気モータ38の回転軸線42は、回転部材16の回転軸線20と略平行に延在する。電気モータ38が軸線方向において回転部材16の側方に配置されるので、とりわけ、回転部材16の第1および第2の軸線方向端部24、22の両方へのアクセスを提供することができる。すなわち、第1および第2の軸線方向端部24、22のいずれへのアクセスも、電気モータ38によって阻害されない。
【0099】
図示される実施形態では、トランスミッション40は、電気モータ38上に配置される第1のプーリー44と、回転部材16上に配置される第2のプーリー46と、第1および第2のプーリー44、46間に延在するベルト48と、を備えるベルト駆動装置である。代替的には、トランスミッションは、はめば歯車を備えるギアトランスミッション、または電気モータ38から回転部材16にトルクを伝達するための他の任意の適切なトランスミッションであってもよい。
【0100】
図示されている実施形態では、静止フレーム8は、垂直部材12を備える。電気モータ38は、少なくとも部分的に垂直部材12の内部に配置されている。この様式で、電気モータ38は保護可能なように静止フレーム8内に配置される。モジュール式遠心分離機の使用者が、電気モータ38の回転部分にまたは電気モータ38に接触するリスクがない。同様に、ベルト48は、モジュール式遠心分離機の使用者がベルト48に接触するのを防ぐために、少なくとも部分的に静止フレーム8の内部に配置されてもよい。
【0101】
静止フレーム8は、ハウジング52を備える。回転部材16は、ハウジング52の内部に配置されている。ハウジング52は、ハウジング52の第1のハウジング部分56に枢軸回転可能にまたは取り外し可能に接続される蓋54を備える。蓋54は、第3の開口部58が設けられている。第3の開口部58は、蓋54に貫通穴を形成する。
【0102】
蓋54の開ポジションでは、例えば交換可能な分離インサートの交換のために、ハウジング52の内部の回転部材16へのアクセスが提供される。そのため、回転部材16の内部で交換可能な分離インサートを取り外しかつ/または位置決めするために、蓋54はその開ポジションに移動され、回転部材16のキャップ34はロータ本体32から解放される。一度交換可能な分離インサートが回転部材16の内側スペース26の内部に位置決めされると、キャップ34は再びロータ本体32と係合される。その後、蓋54は閉ポジションに移動される。
【0103】
蓋54の閉ポジションでは、第3の開口部58は、第3の開口部58を通って交換可能な分離インサートの流体接続部が延在するよう構成される。モジュール式遠心分離機の使用中、蓋54はその閉ポジションに配置される。そのため、モジュール式遠心分離機の使用者は、回転部材16にアクセスすることができない。第3の開口部58は、交換可能な分離インサートの流体接続部の1つが当該第3の開口部58を通って延在するように提供され、かつ流体が回転部材16の第2の軸線方向端部22において交換可能な分離インサートへ移動するかまたは交換可能な分離インサートから流出することを可能とする。
【0104】
第4の開口部60は、蓋54の反対側に設けられてもよい。第4の開口部60は、交換可能な分離インサートのさらなる流体接続部が当該第4の開口部60を通って延在するよう構成される。したがって、さらなる流体接続部は、回転部材16の第1の軸線方向端部24でハウジング52から延在してもよい。
【0105】
第4の開口部60は、ハウジング52内に、かつ/または静止フレーム8内に、かつ/または第1の軸線方向端部24に配置される係合部材62内に設けられてもよい。いずれの場合も、第4の開口部60は貫通穴を形成し、それによって交換可能な分離インサートのさらなる流体接続部が当該貫通穴を通って延在することが可能となる。
【0106】
これら実施形態では、ベースユニット4は、係合部材62を備える。係合部材62は、第4の開口部60に配置されている。係合部材62は、
図4を参照してさらに後述されるように、交換可能な分離インサートの一部と係合するよう構成されている。
【0107】
静止フレーム8は、突出部材64を備える。ハウジング52は、突出部材64に接続される。そのため、ハウジング52へのアクセスが提供され、またハウジング52内に配置される回転部材16へのアクセスが提供される。ハウジング52は、回転軸線20に沿ってハウジング52の少なくとも1つの端部66へのアクセスが提供されるように、突出部材64に接続されている。適切には、ハウジング52は、蓋54が配置されるハウジング52の端部へのアクセスが提供される様式で、突出部材64に接続されている。そのため、使用者は、例えば回転部材16内の交換可能な分離インサートを交換するために、ハウジング52の内部にアクセスできる。さらに、回転軸線20に沿ってハウジング52の両端部にアクセスが提供される場合、使用者は、第1、第2、第3、および第4の開口部28、30、58、60を介して交換可能な分離インサートの第1および第2の流体接続部を設置することができる。
【0108】
回転部材16は、静止フレーム8のハウジング52の内部にジャーナル接続されている。すなわち、回転部材16がジャーナル接続されるベアリング36が、ハウジング52内に配置されている。ハウジング52は、モジュール式遠心分離機の動作中に回転部材16が交換可能な分離インサートのロータケーシングとともに危険速度を超過する場合にモジュール式遠心分離機にかかる悪影響を低減するために、少なくとも1つの弾性コネクタ(図示せず)を介して突出部材64に懸架されてもよい。
【0109】
回転部材16は、第1の軸線方向端部24の所定の領域に仮想頂部を有する円錐台形の壁部材68を備える。円錐台形の壁部材68は、内側スペース26の一部の境界を定める。円錐形または円錐台形の形状を有する交換可能な分離インサートは、内側スペース26内に配置されると、円錐台形の壁部材68によって支持される。円錐台形の壁部材68は、ロータ本体32の一部を形成する。
【0110】
図4は、モジュール式遠心分離機2の一部の断面を概略的に示す。より具体的には、
図4は、ハウジング52と、回転部材16と、モジュール式遠心分離機2の交換可能な分離インサート6との断面を示す。当該モジュール式遠心分離機2は、
図1~
図3に関連して上述したようなモジュール式遠心分離機2であってもよい。交換可能な分離インサート6は、
図2に関連して上述したような交換可能な分離インサート6であってもよい。したがって以下では
図1~
図3も参照する。
【0111】
図4には、交換可能な分離インサート6がベースユニット4内に取り付けられた状態で示される。交換可能な分離インサート6の一部は、回転部材16の内部に係合される。より具体的には、交換可能な分離インサート6のロータケーシング82は、交換可能な分離インサート6の第2の流体接続部95が回転部材16の第2の開口部28を通って延在するようにかつ交換可能な分離インサート6の第1の流体接続部97が回転部材16の第1の開口部30を通って延在するように、回転部材16の内側スペース26に係合される。これら実施形態では、第3の流体接続部99も第1の開口部30を通って延在する。
【0112】
交換可能な分離インサート6のロータケーシング82は、回転部材16の内部に解放可能に係合される。ロータケーシング82は、多数のさまざまな方法で回転部材16の内部に係合されてもよい。例えば、キャップ34は、ロータ本体32に係合される場合にロータケーシング82と係合されてもよく、回転部材16の内部に突出部が設けられてもよく、かつロータケーシング82は、対応する凹部などが設けられてもよい。
【0113】
第1の静止部分86は、静止フレーム8と解放可能に係合されている。
【0114】
これら実施形態では、
図3に関連して上述したように、係合部材62は第4の開口部60に配置されている。より具体的には、第4の開口部60は、係合部材62を通って延在する。係合部材62は、交換可能な分離インサート6の一部と係合するよう構成される。より具体的には、係合部材62は、交換可能な分離インサート6の第1の静止部分86と係合するよう構成される。第1の静止部分86と係合すると、係合部材62および第1の静止部分86は静止フレーム8に対して固定される、つまり第1の静止部分86は、静止フレーム8と固定状態で係合される。
【0115】
これら実施形態では
図2を参照して上述したように、係合部材62は内ねじ部分138を備えており、第1の静止部分86は外ねじ部分130を備える。そのため係合部材62は、第1の静止部分86とねじで係合される。代替実施形態によれば、例えばバヨネット連結が、係合部材62と第1の静止部分86との間に提供されてもよい。
【0116】
第1の静止部分86がフレーム8に係合される場合、第1の静止部分86は、ベースユニット4内での交換可能な分離インサート6の安定に寄与するように、第1の方向70における付勢に対抗して、軸線方向に沿って第1の近位ポジションに配置される。
図2に示されるように、第1の近位ポジションは、交換可能な分離インサート6が取り付けられていない状態では、第1の静止部分86の第1の遠位端ポジションよりもロータケーシング82に近接する。
【0117】
そのため、交換可能な分離インサート6は、付勢に逆らって、第1の静止部分86を第1の方向70における付勢に対抗して、第1の近位ポジションでロータケーシング82へ向けて配置することによって押し込まれる。第1の方向70における第1の静止部分86の付勢は、第1の静止部分86を静止フレーム8に安定した状態で位置決めすることに寄与する。
【0118】
概略的に、
図4には、第1の静止部分86が第1の近位ポジションに配置される場合に、第1のばねのセット72の少なくとも1つのばね要素74がどのように圧縮されるかが示される。
【0119】
第1の静止部分86の一部は、第1の開口部30を通って延在する。そのため、回転部材16の第1の軸線方向端部24において、第1の静止部分86の少なくとも一部は、回転部材16の外側に配置される。したがって、第1の静止部分86は、第1の静止部分86がモジュール式遠心分離機2の動作中に静止したままであることを確実にするために、静止フレーム8と係合されてもよい。
【0120】
第2の静止部分84の一部は、第2の開口部28を通って延在する。そのため、ロータケーシング82の第2の軸線方向端部22において、第2の静止部分84の少なくとも一部は、回転部材16の外側に配置される。したがって、第2の静止部分84は、第2の静止部分84がモジュール式遠心分離機2の動作中に静止したままであることを確実にするために、静止フレーム8と係合されてもよい。
【0121】
回転部材16の両側にある軸線方向端部24、22における第1および第2の開口部30、28は、第1および第2の流体接続部96、94が第1および第2の開口部30、28のそれぞれを通って延在するような、回転部材16内への交換可能な分離インサート6の容易な取り付けを提供する。
【0122】
そのため第1の開口部30を通って延在する第1の流体接続部97は、モジュール式遠心分離機2の外部の機器まで延在してもよい。同様に、第2の開口部28を通って延在する第2の流体接続部95は、モジュール式遠心分離機2の外部の機器まで延在してもよい。したがって、第1および第2の流体接続部97、95は、そうした外部機器に接続されてもよい。
【0123】
交換可能な分離インサート6の流体接続部95、97、99は、ハウジング52の外に延在する。第2の流体接続部95は、ハウジング52の第3の開口部58を通って延在する。また、第2の静止部分84の少なくとも一部は、第3の開口部58を通って延在する。第1の流体接続部97は、第4の開口部60を通って延在する。上述のように、第4の開口部60は、ハウジング52内に設けられてもよく、あるいは代替的にモジュール式遠心分離機2の静止フレーム8の異なる部分に設けられてもよい。これら実施形態では、第3の流体接続部99もまた、第4の開口部60を通って延在する。
【0124】
図3に関連して上述したように、第3の開口部58は、ハウジング52の蓋54に設けられてもよい。蓋54は、交換可能な分離インサート6の一部と係合するよう構成される。より具体的には、蓋54は、第2の静止部分84と係合するよう構成される。そのため第2の静止部分84は、静止フレーム8と解放可能に係合される。したがって、第2の静止部分84は、モジュール式遠心分離機の使用中、既定のポジションに維持される。このため、第2の流体接続部95もまた、モジュール式遠心分離機2の使用中に回転可能に固定される。
【0125】
蓋54と第2の静止部分84との間の係合は、モジュール式遠心分離機2の使用中に第2の静止部分84が回転するのを防ぐことを目的としている。
【0126】
さらに、蓋54と第2の静止部分84との間の係合は、交換可能な分離インサート6をベースユニット4内に位置決めすることに寄与する。蓋54の閉ポジションにおいて、蓋54は、交換可能な分離インサート6内のシールがそれらの意図されるシーリング機能を提供するように、第2の静止部分84をロータケーシング82へ向けて押圧する。
【0127】
さらに、第2の静止部分84は、静止フレーム8と解放可能に係合されてもよく、かつ第2の静止部分84は、第2の方向71における付勢に対抗して、軸線方向に沿って第2の近位ポジションに配置されてもよい。第2の近位ポジションは、
図2に示されるように、交換可能な分離インサート6が取り付けられていない状態では、第2の静止部分84の第2の遠位端ポジションよりもロータケーシング82に近接する。
【0128】
そのため交換可能な分離インサート6は、付勢に逆らって、第2の方向71における付勢に対抗して、第2の静止部分84を第2の近位ポジションにおけるロータケーシング82へ向けて配置することによって、押し込まれる。第2の方向71における第2の静止部分84の付勢は、第2の静止部分84を静止フレーム8内に安定した状態で位置決めすることに寄与する。
【0129】
概略的に、
図4には、第2の静止部分84が第2の近位ポジションに配置される場合に、第2のばねのセット140の少なくとも1つのばね要素142がどのように圧縮されるかが示される。
【0130】
蓋54は、多数のさまざまな方法で第2の静止部分84と係合してもよい。例えば、第2の静止部分84は、半径方向凹部134が設けられてもよく、かつ蓋54は、半径方向凹部134内へ延在する突出部136が設けられてもよい。代替的にはあるいは付加的には、例えば第2の静止部分84は、軸線方向フランジが設けられてもよく、かつ蓋54は、軸線方向フランジに当接していてもよい。
【0131】
概略的に、また
図4には、第1の静止部分86が第2の近位ポジションに配置される場合に、第3のばねのセット154の少なくとも1つのばね要素156がどのように圧縮されるかが示される。
【0132】
回転部材16は、回転部材16の第1の軸線方向端部24の所定の領域に仮想頂部を有する円錐台形の壁部材68を備える。交換可能な分離インサート6の一部は、円錐形または円錐台形の形状を有する。交換可能な分離インサート6の円錐形または円錐台形の部分は、円錐台形の壁部材68によって支持される。交換可能な分離インサート6の円錐形または円錐台形の部分は、ロータケーシング82の分離スペース88内に配置される分離ディスク92の円錐台形の形状から生じてもよい。
【0133】
上記説明は様々な実例的な実施形態の例示であり、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解されたい。当業者は、実例的な実施形態を変更してもよいこと、および添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されるもの以外の実施形態を作り出すように実例的な実施形態の異なる特徴を組み合わせ得ることを理解するだろう。
【符号の説明】
【0134】
2 モジュール式遠心分離機
4 ベースユニット
6 交換可能な分離インサート
8 静止フレーム
10 チューブ
12 垂直部材
14 ホイール
16 回転部材
18 駆動ユニット
20 回転軸線
22 第2の軸線方向端部
24 第1の軸線方向端部
26 内側スペース
28 第2の開口部
30 第1の開口部
32 ロータ本体
34 キャップ
36 ベアリング
38 電気モータ
40 トランスミッション
42 回転軸線
44 第1のプーリー
46 第2のプーリー
48 ベルト
52 ハウジング
54 蓋
56 第1のハウジング部分
58 第3の開口部
60 第4の開口部
62 係合部材
64 突出部材
66 ハウジングの端部
68 円錐台形の壁部材
70 第1の方向
71 第2の方向
72 第1のばねのセット
74 ばね要素
76 第1の停止機構
78 第1の突出部
79 第2の突出部
82 ロータケーシング
84 第2の静止部分
86 第1の静止部分
88 分離スペース
90 スタック
92 分離ディスク
94 第2の流路
95 第2の流体接続部
96 第1の流路
97 第1の流体接続部
98 第3の流路
99 第3の流体接続部
100 半径方向内側縁部
102 排出導管
104 第1のシーリング部材
104’ 第1の静止シーリング面
104” 第1の反対側のシーリング面
105 第2のシーリング部材
105’ 第2の静止シーリング面
105” 第2の反対側のシーリング面
106 ガイドチャネル
107 第3のシーリング部材
107’ 第3の静止シーリング面
107” 第3の反対側のシーリング面
109 流体入口
110 第1の静止シーリング要素
110’ 第1の回転シーリング要素
111 流体出口
120 第1の軸線方向端部分
122 第2の軸線方向端部分
134 半径方向凹部
136 突出部
140 第2のばねのセット
142 ばね要素
144 第2の停止機構
146 第3の突出部
148 第4の突出部
150 第2の静止シーリング要素
150’ 第2の回転シーリング要素
152 第3の静止シーリング要素
152’ 第3の回転シーリング要素
154 第3のばねのセット
156 ばね要素
【国際調査報告】