IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ペア セラピューティクス インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-512230ブプレノルフィン含有製品の誘導を最適化するためのデジタル治療構成要素
<>
  • 特表-ブプレノルフィン含有製品の誘導を最適化するためのデジタル治療構成要素 図1
  • 特表-ブプレノルフィン含有製品の誘導を最適化するためのデジタル治療構成要素 図2
  • 特表-ブプレノルフィン含有製品の誘導を最適化するためのデジタル治療構成要素 図3
  • 特表-ブプレノルフィン含有製品の誘導を最適化するためのデジタル治療構成要素 図4
  • 特表-ブプレノルフィン含有製品の誘導を最適化するためのデジタル治療構成要素 図5
  • 特表-ブプレノルフィン含有製品の誘導を最適化するためのデジタル治療構成要素 図6
  • 特表-ブプレノルフィン含有製品の誘導を最適化するためのデジタル治療構成要素 図7
  • 特表-ブプレノルフィン含有製品の誘導を最適化するためのデジタル治療構成要素 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】ブプレノルフィン含有製品の誘導を最適化するためのデジタル治療構成要素
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20220126BHJP
   G16H 10/40 20180101ALI20220126BHJP
【FI】
G16H20/10
G16H10/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533336
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(85)【翻訳文提出日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 US2019066509
(87)【国際公開番号】W WO2020124073
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】62/779,705
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520124224
【氏名又は名称】ペア セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルーダーラー、ヒラリー
(72)【発明者】
【氏名】エンマン、ニコール
(72)【発明者】
【氏名】カーン、オードリー
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス、ジェイク
(72)【発明者】
【氏名】マリシッチ、ユーリ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA22
5L099AA25
(57)【要約】
データ処理ハードウェア及びデータ処理ハードウェアと通信するメモリ・ハードウェアを備えるシステムであって、メモリ・ハードウェアは、命令を記憶し、命令は、データ処理ハードウェアで実行されるとき、患者のオピオイド使用障害に関連する症状を治療するように構成された処方デジタル治療を実行することを含む動作をデータ処理ハードウェアに実行させ、処方デジタル治療を実行することは、i患者に直接関連する第1のセンサ及びii患者電子デバイスに関連する第2のセンサのうちの1つ又は複数から患者に関連する複数の入力を受信することであって、複数の入力は、患者に関連するオピオイド離脱のレベルを表す、受信することと、患者に関連する複数の入力に重みを付けて複数の加重入力を提供することと、複数の加重入力に基づいて患者のブプレノルフィン含有製品の推奨用量を決定することと、推奨用量のブプレノルフィン含有製品を患者に投与するように投与ユニットに指示することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理ハードウェアと、
前記データ処理ハードウェアと通信するメモリ・ハードウェアと
を備えるシステムであって、前記メモリ・ハードウェアは命令を記憶し、前記命令が、前記データ処理ハードウェアで実行されるとき、
患者のオピオイド使用障害に関連する症状を治療するように構成された処方デジタル治療を実行すること
を含む動作を、前記データ処理ハードウェアに実行させ、前記処方デジタル治療を実行することが、
(i)患者に直接関連する第1のセンサ及び(ii)患者電子デバイスに関連する第2のセンサのうちの1つ又は複数から前記患者に関連する複数の入力を受信することであって、前記複数の入力は、前記患者に関連するオピオイド離脱のレベルを表す、受信することと、
前記患者に関連する前記複数の入力に重みを付けて複数の加重入力を提供することと、
前記複数の加重入力に基づいて前記患者のブプレノルフィン含有製品の推奨用量を決定することと、
前記推奨用量のブプレノルフィン含有製品を前記患者に投与するように投与ユニットに指示することと
を含む、システム。
【請求項2】
前記投与ユニットをさらに備え、前記投与ユニットが、前記指示に基づいて前記推奨用量の前記ブプレノルフィン含有製品を前記患者に投与するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処方デジタル治療を実行することがさらに、前記推奨用量の前記ブプレノルフィン含有製品を前記患者に投与することを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記処方デジタル治療が、前記オピオイド使用障害に関連する前記症状を治療するための認知行動治療を実施するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記患者に直接関連する前記第1のセンサが、(i)心拍モニタ、(ii)血圧モニタ、(iii)睡眠モニタ、(iv)皮膚電気活動モニタ、(v)皮膚温度センサ、及び(vi)発汗モニタのうちの1つ又は複数を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記患者電子デバイスに関連する前記第2のセンサが、(i)加速度計、(ii)近接センサ、及び(iii)活動モニタのうちの1つ又は複数を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記患者に関連する前記複数の入力に重みを付けることが、第1の重みを前記複数の入力のうちの第1の入力に及び前記第1の重みとは異なる第2の重みを前記複数の入力のうちの第2の入力に割り当てることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の入力のうちの前記第1の入力が、前記患者に直接関連する前記第1のセンサを含み、前記複数の入力のうちの前記第2の入力が、前記患者電子デバイスに関連する前記第2のセンサを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の重みが、前記第2の重みより大きい、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記投与ユニットが、(i)送達ポンプ、(ii)注入ユニット、(iii)インプラント、(iv)経口吸収ユニット、(v)吸入具、及び(vi)鼻腔内注入器のうちの1つ又は複数を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
患者のオピオイド使用障害に関連する症状を治療するように構成された処方デジタル治療を実行すること
を含む方法であって、前記処方デジタル治療を実行することが、
(i)前記患者に直接関連する第1のセンサ及び(ii)患者電子デバイスに関連する第2のセンサのうちの1つ又は複数からの前記患者に関連する複数の入力を、データ処理ハードウェアによって、受信することであって、前記複数の入力は、前記患者に関連するオピオイド離脱のレベルを表す、受信することと、
前記患者に関連する前記複数の入力に、前記データ処理ハードウェアによって、重みを付けて複数の加重入力を提供することと、
前記複数の加重入力に基づいて、前記患者のブプレノルフィン含有製品の推奨用量を、前記データ処理ハードウェアによって、決定することと、
前記推奨用量の前記ブプレノルフィン含有製品を前記患者に投与するように投与ユニットに、前記データ処理ハードウェアによって、指示することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記投与ユニットが、前記指示に基づいて前記推奨用量の前記ブプレノルフィン含有製品を前記患者に投与するように構成された、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記処方デジタル治療を実行することが、前記推奨用量の前記ブプレノルフィン含有製品を前記患者に、前記投与ユニットによって、投与することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記処方デジタル治療が、前記オピオイド使用障害に関連する前記症状を治療するための認知行動治療を実施するように構成された、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記患者に直接関連する前記第1のセンサが、(i)心拍モニタ、(ii)血圧モニタ、(iii)睡眠モニタ、(iv)皮膚電気活動モニタ、(v)皮膚温度センサ、及び(vi)発汗モニタのうちの1つ又は複数を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記患者電子デバイスに関連する前記第2のセンサが、(i)加速度計、(ii)近接センサ、及び(iii)活動モニタのうちの1つ又は複数を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記患者に関連する前記複数の入力に重みを付けることが、第1の重みを前記複数の入力のうちの第1の入力に及び前記第1の重みとは異なる第2の重みを前記複数の入力のうちの第2の入力に割り当てることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の入力のうちの前記第1の入力が、前記患者に直接関連する前記第1のセンサを含み、前記複数の入力のうちの前記第2の入力が、前記患者電子デバイスに関連する前記第2のセンサを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の重みが、前記第2の重みより大きい、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記投与ユニットが、(i)送達ポンプ、(ii)注入ユニット、(iii)インプラント、(iv)経口吸収ユニット、(v)吸入具、及び(vi)鼻腔内注入器のうちの1つ又は複数を備える、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本米国特許出願は、2018年12月14日に出願した米国特許仮出願第62/779,705号に対し米国特許法第119条(e)の下での優先権を主張するものである。この先行出願の開示は、本出願の開示の一部と考えられ、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、デジタル治療法に関し、より詳細には、デジタル治療法を使用する薬物治療、たとえば、ブプレノルフィン含有製品、の固守及びそれの誘導を改善するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションで提供される情報は、本開示の背景を概して提示することを目的とする。このセクションで説明されている範囲で、本開示で氏名を記載されている発明者の業績、並びに出願時に先行技術とみなされ得ない本記述の態様は、本開示に対する先行技術として明示又は黙示を問わず認められない。
【0004】
オピオイド使用障害(OUD:Opioid Use Disorder)は、2018年に米国において220万人超を害した重大な公衆衛生問題である。OUDは、医療システムに大きな負担をもたらす慢性疾患であり、麻薬性鎮痛薬の誤用は、保険会社に毎年725億ドルを失わせていると推定される。2017年には、47,600人の過剰摂取死がオピオイドを原因とし、15,482人の死がヘロインに関連し、2017年には1日平均で約130件のオピオイド過剰摂取致死をもたらした。
【0005】
薬剤を使った処置(MAT:Medication-Assisted Treatment)は、治療にFDA承認薬剤、たとえば、OUDのためのブプレノルフィン含有製品、を提供し得る。MAT、又は治療及び薬剤の任意の他の組合せが、物質乱用障害、不眠症、鬱病、統合失調症、外傷性脳損傷、てんかん、心的外傷後ストレス障害(PTSD:post-traumatic stress disorder)、パーキンソン病、多発性硬化症、自閉症スペクトラム障害、片頭痛などを含むが、これらに限定されない、任意の適切な病気又は不調に適用され得る。MATは、同様に、治療(たとえば、認知行動治療すなわち「CBT」)をこれらの病気及び不調の任意の適切な薬剤と組み合わせ得る。そのような薬剤は、従来の調剤(たとえば、化学合成に通常は由来する、低分子薬物)及び/又はバイオ医薬品(たとえば、組み換えタンパク質、ワクチン、遺伝子治療のために治療的に使用される血液製剤、モノクローナル抗体、細胞治療など)を含み得る。
【0006】
OUDのためのMATは、効果的と証明され、高い医療価値を生み出すが、満たされていない高い医療ニーズをもたらすケアの標準に関連するいくつかの限界がある。処置を必要とする人々の圧倒的多数(80~90%)は、ケアを受けない。これは、ほとんどの場合、処置を求めることの拒絶、ケアの高いコスト、ケアに関連するマイナスのイメージ、及び/又は処置へのアクセスの欠如若しくは限定に起因する。OUD処置を求めない人々にとって、薬剤固守の欠如、及び高い損耗率は、有効性を制限する。患者がブプレノルフィン薬物療法を中断する理由は、多数存在し、たとえば、軽減されない離脱症状及び渇望などの、誘導中の不快な経験、「薬剤が効かない」という認識、薬剤コスト及び予約診察を続ける難しさなどの障害、違法なオピオイドの使用を継続したいという欲求、並びに処置を中断するときの再発リスクは低いという患者の認識を含む。嫌な体験をした患者は、投薬初日以降は処置を継続しないことがあるので、誘導は、特に重大な期間である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、薬物治療、たとえば、ブプレノルフィン含有製品を使用する薬物治療、の固守及び誘導を改善するためのシステム及び方法が、望まれ得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの態様は、データ処理ハードウェア及びデータ処理ハードウェアと通信するメモリ・ハードウェアを含むシステムを用意し、メモリ・ハードウェアは、命令を記憶し、前記命令は、データ処理ハードウェアで実行されるとき、患者のオピオイド使用障害に関連する症状を治療するように構成された処方デジタル治療を実行することを含む動作をデータ処理ハードウェアに実行させる。1つの実例において、処方デジタル治療を実行することは、(i)患者に直接関連する第1のセンサ及び(ii)患者電子デバイスに関連する第2のセンサのうちの1つ又は複数から患者に関連する複数の入力を受信することを含み、そこで、複数の入力は、患者に関連するオピオイド離脱のレベルを表す。それらの動作は、患者に関連する複数の入力に重みを付けて複数の加重入力を提供すること、複数の加重入力に基づいて患者のブプレノルフィン含有製品の推奨用量を決定すること、及び推奨用量のブプレノルフィン含有製品を患者に投与するように投与ユニットに指示することを含む。
【0009】
本開示の実装形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装形態において、システムは、投与ユニットを含み得、そこで、投与ユニットは、指示に基づいて推奨用量のブプレノルフィン含有製品を患者に投与するように構成される。動作は、推奨用量のブプレノルフィン含有製品を患者に投与することを含み得る。
【0010】
処方デジタル治療は、オピオイド使用障害に関連する症状を治療するための認知行動治療を実施するように構成され得る。患者に直接関連する第1のセンサは、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:(i)心拍モニタ、(ii)血圧モニタ、(iii)睡眠モニタ、(iv)皮膚電気活動モニタ、(v)皮膚温度センサ、及び(vi)発汗モニタ。患者電子デバイスに関連する第2のセンサは、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:(i)加速度計、(ii)近接センサ、及び(iii)活動モニタ。
【0011】
いくつかの実装形態において、患者に関連する複数の入力に重みを付けることは、第1の重みを複数の入力のうちの第1の入力に及び第1の重みとは異なる第2の重みを複数の入力のうちの第2の入力に割り当てることを含み得る。複数の入力のうちの第1の入力は、患者に直接関連する第1のセンサを含み得、複数の入力のうちの第2の入力は、患者電子デバイスに関連する第2のセンサを含み得る。第1の重みは、第2の重みよりも大きくてもよい。投与ユニットは、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:(i)送達ポンプ、(ii)注入ユニット、(iii)インプラント、(iv)経口吸収ユニット、(v)吸入具、及び(vi)鼻腔内注入器。
【0012】
本開示の別の態様は、患者のオピオイド使用障害に関連する症状を治療するように構成された処方デジタル治療を実行することを含む方法を提供する。1つの実例において、処方デジタル治療を実行することは、(i)患者に直接関連する第1のセンサ及び(ii)患者電子デバイスに関連する第2のセンサのうちの1つ又は複数から患者に関連する複数の入力を、データ処理ハードウェアによって受信することであって、複数の入力は、患者に関連するオピオイド離脱のレベルを表す、受信することと、患者に関連する複数の入力に、データ処理ハードウェアによって重みを付けて複数の加重入力を提供することと、複数の加重入力に基づいて患者のブプレノルフィン含有製品の推奨用量を、データ処理ハードウェアによって決定することと、推奨用量のブプレノルフィン含有製品を患者に投与するように投与ユニットに、データ処理ハードウェアによって、指示することとを含む。
【0013】
本開示の実装形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装形態において、投与ユニットは、指示に基づいて推奨用量のブプレノルフィン含有製品を患者に投与するように構成され得る。処方デジタル治療を実行することは、推奨用量のブプレノルフィン含有製品を、投与ユニットによって、患者に投与することを含み得る。
【0014】
処方デジタル治療は、オピオイド使用障害に関連する症状を治療するための認知行動治療を実施するように構成され得る。患者に直接関連する第1のセンサは、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:(i)心拍モニタ、(ii)血圧モニタ、(iii)睡眠モニタ、(iv)皮膚電気活動モニタ、(v)皮膚温度センサ、及び(vi)発汗モニタ。患者電子デバイスに関連する第2のセンサは、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:(i)加速度計、(ii)近接センサ、及び(iii)活動モニタ。
【0015】
いくつかの実装形態において、患者に関連する複数の入力に重みを付けることは、第1の重みを複数の入力のうちの第1の入力に及び第1の重みとは異なる第2の重みを複数の入力のうちの第2の入力に割り当てることを含み得る。複数の入力のうちの第1の入力は、患者に直接関連する第1のセンサを含み得、複数の入力のうちの第2の入力は、患者電子デバイスに関連する第2のセンサを含み得る。第1の重みは、第2の重みよりも大きくてもよい。投与ユニットは、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:(i)送達ポンプ、(ii)注入ユニット、(iii)インプラント、(iv)経口吸収ユニット、(v)吸入具、及び(vi)鼻腔内注入器。
【0016】
本開示の別の態様は、患者のオピオイド使用障害に関連する症状を治療するように構成された処方デジタル治療を実行するためのシステムを用意し、本システムは、以下を備える:(i)患者に直接関連する第1のセンサ及び(ii)患者電子デバイスに関連する第2のセンサのうちの1つ又は複数からの患者に関連する複数の入力を受信するように構成された入力モジュールであって、複数の入力は、患者に関連するオピオイド離脱のレベルを表す、入力モジュールと、患者に関連する複数の入力に重みを付けて複数の加重入力を提供するように構成された入力加重モジュールと、複数の加重入力に基づいて患者のブプレノルフィン含有製品の推奨用量を決定するように構成された推奨モジュールと、推奨用量のブプレノルフィン含有製品を患者に投与するように投与ユニットに指示するように構成された投与モジュール。
【0017】
前述のモジュールは、本明細書に記載の構造及び技法による適切なメモリ・ハードウェアに記憶された命令を実行する任意の適切なデータ処理ハードウェア(たとえば、1つ又は複数のプロセッサ)によって実装され得る。
【0018】
本開示の1つ又は複数の実装形態の詳細について、添付の図面及び以下の記述において説明する。他の態様、特徴、及び利点が、本明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の例示的実施例によるデジタル治療を含む患者データを表示及び管理するためのシステムの概略図である。
図2図1のデジタル治療を使用する処方薬物の誘導を最適化するためのシステムの概略図である。
図3】初日の処方薬物の用量の例示的決定を表す概略的流れ図である。
図4】2日目の処方薬物の用量の例示的決定を表す概略的流れ図である。
図5】3日目及びそれ以降の処方薬物の用量の例示的決定を表す概略的流れ図である。
図6図1のデジタル治療に関連する患者アプリケーションの例示的起動動作を表す概略的流れ図である。
図7】本開示の例示的一実施例による、患者のオピオイド使用障害に関連する症状を治療するように構成された処方デジタル治療を実施するための方法を示す流れ図である。
図8】本明細書に記載のシステム及び方法を実施するために使用され得る例示的計算デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
様々な図面の類似の参照記号は、類似の要素を示す。
【0021】
本開示が、十分なものになり、当業者に範囲を完全に伝えるように、例示的実施例が提供される。特定の組成物、構成要素、デバイス、及び方法の実例など、多くの具体的詳細が、本開示の実施例の完全な理解をもたらすために、説明される。特定の詳細は使用される必要はないことと、例示的実施例は多数の異なる形で実施され得ることと、いずれも本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではないこととが、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的実施例において、よく知られているプロセス、よく知られているデバイス構造、及びよく知られている技術については、詳しく説明しない。
【0022】
図1を参照すると、いくつかの実装形態において、治療処方システム100は、患者101に処方される処方デジタル治療120へのアクセスを患者101に提供し、処方デジタル治療120との患者101の対話に関連するイベントをモニタする。デジタル治療120は、「処方」デジタル治療であると本明細書では説明されているが、いくつかの実装形態によれば、デジタル治療120は、臨床医からの処方を必要としないことになることが理解される。それどころか、そのような実装形態では、デジタル治療120は、処方なしに患者に利用可能になり得、デジタル治療120は、それでも、本明細書に記載の処方デジタル治療120についての説明に従って機能する。デジタル治療120が処方されない実装形態によれば、デジタル治療を使用する又は投与されている人は、「ユーザ」と称され得る。「ユーザ」は、デジタル治療120がその人に処方されたかどうかにかかわらず、患者101或いはデジタル治療120を使用する又は投与されている任意の他の人を含み得る。
【0023】
本明細書では、デジタル治療はまた、特定の病気又は不調を有する患者、並びに特定の病気又は不調に関連する症状及び/又は行動を治療するための証拠に基づく心理社会的介入技法を届けるように構成されたデジタル治療と称され得る。一実例として、患者101は、慢性疾患があると診断され得、処方デジタル治療120は、患者101が経験し得る慢性疾患に関連する1つ又は複数の症状に対処するために具体的に調整され得る。いくつかの実装形態において、デジタル治療120は、同様に処方を必要とすること又はしないことがある、従来の薬物治療(たとえば、ブプレノルフィン含有製品、たとえば、単独のブプレノルフィン、ブプレノルフィン及びナロキソンなどの他の薬物を含む製品など)を含み得る又はこれと組み合わされ得る。認定された医療提供者(HCP:healthcare provider)109(たとえば、医者、看護師など)は、患者101の症状を治療するように設計された処方デジタル治療120を患者に処方し得る。HCP109は、医師、看護師、臨床医、又は他の有資格医療専門家を含み得る。HCP109は、患者101への任意の適切なレベルの監督(監督があまりない又はまったくない場合を含む)を提供し得る。
【0024】
いくつかの実例において、システム100は、ネットワーク106、患者デバイス102、HCPシステム140、及び治療アプリケーション160を含む。ネットワーク106は、治療アプリケーション160を実行して遠隔デバイスでのサービスのパフォーマンスを提供するクラウド計算資源150(たとえば、分散型システム)へのアクセスを提供する。したがって、ネットワーク106は、患者101と治療アプリケーション160を有するHCP109との対話を可能にする。たとえば、治療アプリケーション160は、患者101に処方デジタル治療120へのアクセスを提供し、ユーザ入力又は処方デジタル治療120との患者101の対話に関連する患者101によって入力されるイベント・データ122を受信することができる。次に、治療アプリケーション160は、ストレージ資源156にイベント・データ122を記憶することができる。
【0025】
ネットワーク106は、通信信号の送信及び受信を可能にする任意のタイプのネットワーク、たとえば、ワイヤレス電気通信ネットワーク、セルラ電話ネットワーク、時分割多重アクセス(TDMA:time division multiple access)ネットワーク、符号分割多重アクセス(CDMA:code division multiple access)ネットワーク、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM:Global system for mobile communications)、第3世代(3G)ネットワーク、第4世代(4G)ネットワーク、第5世代(5G)ネットワーク、衛星通信ネットワーク、及び他の通信ネットワーク、を含み得る。ネットワーク106は、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:Local Area Network)、及びパーソナル・エリア・ネットワーク(PAN:Personal Area Network)のうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの実例において、ネットワーク106は、データ・ネットワークの組合せ、電気通信ネットワーク、及び、データ及び電気通信ネットワークの組合せを含む。患者デバイス102、HCPシステム140、及び治療アプリケーション160は、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fiなどを、いくつかの実例において、使用し得る、ネットワーク106を介して信号を送信及び受信すること(ワイヤード又はワイヤレス)によって互いに通信する。いくつかの実例において、ネットワーク106は、ネットワーク106を介して利用可能なエラスティック/オンデマンド計算及び/又はストレージ資源156でもよい、クラウド計算資源へのアクセスを提供する。「クラウド」サービスという用語は、一般に、ユーザのデバイスでローカルに実行されるサービスではなくて、1つ又は複数のネットワーク106を介してアクセス可能な1つ又は複数の遠隔デバイスから届けられるサービスを指す。
【0026】
患者デバイス102は、携帯電子デバイス(たとえば、スマートフォン、セルラ・フォン、携帯情報端末、ラップトップ・コンピュータ、又はワイヤレス・タブレット・デバイス)、デスクトップ・コンピュータ、又はネットワーク106を介して情報を送信及び受信する能力を有する任意の他の電子デバイスを含み得るが、これらに限定されない。患者デバイス102は、データ処理ハードウェア112(命令を実行する計算デバイス)、メモリ・ハードウェア114、及びデータ処理ハードウェア112と通信するディスプレイ116を含む。いくつかの実装形態において、患者101は、第1のセンサ124a、たとえば、心拍センサ又はモニタ、血圧センサ又はモニタ、睡眠センサ、活動モニタ(たとえば、皮膚電気活動モニタ)、皮膚温度センサ、発汗モニタ、及び/又は患者デバイス102と通信する任意の他の適切なセンサ若しくはモニタ(たとえば、ウェアラブル・センサ若しくはモニタ)、に接続され得る。加えて、又は別法として、患者デバイスは、患者101及び/又は患者デバイス102との患者101の対話に関するデータを提供するために、第2のセンサ124b、たとえば、加速度計、近接センサ、活動又は運動モニタなど、を含み得る。いくつかの実装形態において、患者101及び患者デバイス102は、投与ユニット126、たとえば、送達ポンプ、注入ユニット、インプラント、経口吸収ユニット(たとえば、舌下で溶けるフィルム又は錠剤)、吸入具、鼻腔内注入器、他の経粘膜投与ユニットなどと通信し得る。たとえば、患者デバイス102は、患者101が服用すべき薬剤の用量についての投与ユニット126への推奨及び/又は命令を送信することができる。いくつかの実例において、患者デバイス102は、患者101がデータを入力することを可能にするためのキーボード、マウス、マイクロフォン、及び/又はカメラを含む。ディスプレイ116に加えて又はその代わりに、患者デバイス102は、音声データを患者101に出力するための1つ又は複数のスピーカを含み得る。たとえば、可聴警報が、処方デジタル治療120に関連する何らかの時間依存のイベントに関して患者101に通知するためにスピーカによって出力され得る。
【0027】
いくつかの実装形態において、患者デバイス102は、処方デジタル治療120にアクセスするための治療アプリケーション160との接続を確立するために患者アプリケーション103を実行する(又は、ウェブに基づく患者アプリケーションにアクセスする)。たとえば、患者101は、患者101に処方される処方デジタル治療120の継続期間(たとえば、3カ月)にわたる患者アプリケーション103へのアクセスを有し得る。ここで、患者デバイス102は、処方デジタル治療120がHCP109によって処方されるとき、アクセス・コード104を最初に提供することによって、患者アプリケーション103を起動することができ、アクセス・コード104は、患者101が治療アプリケーション160から処方デジタル治療120に関連する内容にアクセスすることを可能にする。内容は、患者101が経験している可能性のある特定の表示に関連する1つ又は複数の症状を治療する/に対処するために具体的に調整され得る。患者アプリケーション103は、患者デバイス102のデータ処理ハードウェア112で実行するとき、特に、患者101が(i)患者101に関連する1つ又は複数のパラメータを記述するイベント・データ122(たとえば、どのように患者101が感じているかの表示、患者101が最後に薬物を使用した表示、患者101が最後に薬物を使用したときに患者101がどこにいたかの表示、最後に患者101が薬物を使用したときに患者101は誰といたかの表示、患者101が最後に薬物を使用した時刻の表示など)を入力する、(ii)患者101から情報を募る、(iii)治療内容(たとえば、CBT内容)を患者101に届ける、(iv)患者101が自分のHCP109に接触することを可能にする、(v)患者101が処方デジタル治療120及び/又は任意の処方される薬剤に関する自分の処方計画を固守する自分の進捗を見直すことを可能にすることを可能にする、及び/又は(vi)患者101が見る及び/又は編集するための日誌記入を提示することを可能にする、様々なグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を患者デバイス102のディスプレイ116上に表示するように構成される。
【0028】
ストレージ資源156は、対応する患者記録105において患者101から受信されるイベント・データ122並びに患者101に処方される処方デジタル治療120を記憶するためのデータ・ストレージ158を提供し得る。患者記録105は、患者101を識別する任意の情報が匿名化されるように、データ・ストレージ158に記憶されている間、暗号化され得るが、後で、患者101又は監督するHCP109が患者記録105を要求するとき、復号され得る(要求者は患者記録105にアクセスすることを認定/認証されていると仮定して)。患者デバイス102とクラウド計算システム150との間でネットワーク106を介して送信されるすべてのデータは、暗号化され、安全な通信チャネルを介して送られ得る。たとえば、患者アプリケーション103は、HTTPSプロトコルを介して治療アプリケーション160に送信する前にイベント・データ122を暗号化し、治療アプリケーション160から受信した患者記録105を復号することができる。ネットワーク接続性が利用不可能なとき、患者アプリケーション103は、ネットワーク接続性が得られるまで、メモリ・ハードウェア114内の暗号化された待ち行列においてイベント・データ122を記憶することができる。
【0029】
HCPシステム140は、HCP109によって管理される診療所、医院、又は施設に置かれ得、データ処理ハードウェア142、メモリ・ハードウェア144、及びディスプレイ146を含む。メモリ・ハードウェア144及びディスプレイ146は、データ処理ハードウェア142と通信している。たとえば、データ処理ハードウェア142は、HCP109が治療アプリケーション160にデータを入力及び治療アプリケーション160からデータを取得することを可能にするためにデスクトップ・コンピュータ又は携帯電子デバイスに存在し得る。いくつかの実例において、HCP109は、処方デジタル治療120を患者101に処方するときに患者データ107の一部又はすべてを最初に提供され得る。HCPシステム140は、キーボード148、マウス、マイクロフォン、スピーカ及び/又はカメラを含む。
【0030】
いくつかの実装形態において、HCPシステム140(すなわち、データ処理ハードウェア142を介する)は、そこからデータを入力及び取得するために治療アプリケーション160との接続を確立するためにHCPアプリケーション110を実行する(又はウェブに基づく患者アプリケーションにアクセスする)。たとえば、HCPシステム140は、HCP109が患者101を監督している及び対応する患者記録105にアクセスする権限を与えられていることを確認する認証トークン108を提供することによって、治療アプリケーション160によってストレージ資源156に安全に記憶された匿名化された患者記録105にアクセスすることができ得る。認証トークン108は、HCPシステム140が治療アプリケーション160から取得することを許可されている患者記録105に関連する特定の患者101を識別することができる。患者記録105は、患者デバイス102で実行する患者アプリケーション103を介する処方デジタル治療120との患者の対話を示すタイム・スタンプ付きイベント・データ122を含み得る。HCPアプリケーション110は、HCPシステム140のデータ処理ハードウェア142で実行するとき、特に、HCP109が患者101に関連する1つ又は複数のパラメータを記述するイベント・データ122を入力する、患者101から情報を募る、及び患者101に関連する臨床的注釈を入力することを可能にする様々なグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)をHCPシステム140のディスプレイ146上に表示するように構成される。
【0031】
いくつかの実装形態において、HCPアプリケーション110は、単一の患者101の単一の患者アプリケーション103と通信しており、単一の患者アプリケーション103に関連するデータを管理する。他の実装形態において、HCPアプリケーション110は、数人の患者101に関連するいくつかの患者アプリケーション103と通信しており、HCPアプリケーション110は、いくつかの患者アプリケーション103に関連するデータを任意の適切な方式で、たとえば、異なるビューを切り替えること及び/又はある種のデータを同時に表示することによって、管理及び表示することができる。他の実装形態において、HCPアプリケーション110は、同じ患者101の複数の患者アプリケーション103と通信しており、複数の患者アプリケーション103に関連するデータを同時に管理する。この実装形態では、複数の患者アプリケーション103からのデータが、任意の適切な方式で同時に表示され得る、又は各患者アプリケーション103からのデータが、HCP109が個別に表示されたデータを切り替えることができるように、個別に表示され得る。
【0032】
クラウド計算資源150は、スケーラブル/エラスティック資源152を有する分散型システム(たとえば、遠隔環境)でもよい。資源152は、計算資源154(たとえば、データ処理ハードウェア)及び/又はストレージ資源156(たとえば、メモリ・ハードウェア)を含む。クラウド計算資源150は、患者デバイス102及びHCPシステム140との通信を円滑に進めるため及びデータ・ストレージ158内のストレージ資源156にデータを記憶するために治療アプリケーション160を実行する。いくつかの実例において、治療アプリケーション160及びデータ・ストレージ158は、独立型計算デバイスに存在する。治療アプリケーション160は、データ処理ハードウェア112で実行可能な及び、患者101が有効なアクセス・コード104を提供するとき、患者デバイス102を介してネットワーク106を通してアクセス可能な、患者アプリケーション103(たとえば、モバイル・アプリケーション、ウェブサイト・アプリケーション、又は1セットの命令を含むダウンロード可能なプログラム)を患者101に提供することができる。類似して、治療アプリケーション160は、データ処理ハードウェア142で実行可能な及びHCPシステム140を介してネットワーク106を通してアクセス可能なHCPアプリケーション110(たとえば、モバイル・アプリケーション、ウェブサイト・アプリケーション、又は1セットの命令を含むダウンロード可能なプログラム)をHCP109に提供することができる。
【0033】
図2を参照すると、治療アプリケーション160は、入力モジュール202と、入力加重モジュール204と、推奨モジュール208及び投与モジュール210を有する処置モジュール206とを含み得る。より少数の又はより大きなモジュールが実装され得る、及びある種のモジュールが適切に組み合わされ又は分割され得ることを理解されたい。前述のように、治療アプリケーション160は、クラウド計算資源150によって実行され得、ネットワーク106を介して患者101に関連する患者デバイス102と通信し得る。
【0034】
治療アプリケーション160は、患者101による遠隔誘導、すなわち、HCP109の観察外(たとえば、患者の自宅内)で実行される誘導、を円滑に進めるように構成される。すなわち、本明細書に記載のシステム100は、HCP109が薬剤を自分で服用する患者101を目視及びモニタする必要なしに、HCP109による患者101の遠隔監督を円滑に進める。いくつかの実装形態において、HCP109が、患者101と対面し、患者101は治療アプリケーション160及び遠隔誘導の基準を満たしていると判定した後に、HCP109は、遠隔誘導用に設計された処方薬物と組み合わされた治療アプリケーション160を患者101に処方し得る。この例示的実装形態によれば、HCP109は、治療アプリケーション160、電話による接触、メッセージ送受信による接触などを介してHCP109との接触を維持するための明確な要件とともに、どのように及びいつ患者101が薬剤の服用を開始すべきかに関する患者101への明示的命令を提供し得る。別の実例として、治療アプリケーション160は、どのように及びいつ患者101は薬剤を服用すべきかに関する患者101への命令を提供し得る。たとえば、1つの実装形態において、治療アプリケーション160は、治療アプリケーション160との患者101の前の対話に関連する履歴データ及び/又は治療アプリケーション160との他の患者の前の対話に関連する履歴データに少なくとも基づいて、どのように及びいつ患者101は薬剤を服用すべきかに関して、患者101に命令を提供し得る。
【0035】
入力モジュール202は、患者デバイス102のストレージ資源156からのイベント・データ122、患者101に関連する又は患者101に接続された第1のセンサ124aからの第1のセンサ・データ212、患者デバイス102に関連する第2のセンサ124bからの第2のセンサ・データ214などを含む1つ又は複数の入力を取得する(たとえば、フェッチ又は受信する)ように構成される。いくつかの実例において、入力モジュール202は、患者デバイス102及び/又はセンサ124a、124bからのデータを積極的にモニタ及び収集することができる。他の実例において、入力モジュール202は、患者デバイス102及び/又はセンサ124a、124bからの情報又はデータを提供するために、患者101に問い合わせることができる。入力モジュール202は、入力加重モジュール204にデータを送信する及び入力加重モジュール204と通信するように構成される。
【0036】
入力加重モジュール204は、入力データ216を入力モジュール202から受信するように構成される。入力データ216に基づいて、入力加重モジュール204は、1つ又は複数の入力のそれぞれに重み又は値を割り当てて加重入力データ218を生成するように構成される。たとえば、第1のセンサ124aは、心拍モニタを含み得、第1のセンサ・データ212は、患者101に関連する心拍データを含み得る。そのような一実例では、入力加重モジュール204は、心拍データに、たとえば、患者101によって入力されるイベント・データ122とは、異なる(たとえば、より大きい又はより小さい)値を割り当てることができる。入力加重モジュール204は、処置モジュール206と通信する及びそこに加重入力データ218を送信するように構成される。
【0037】
処置モジュール206は、加重入力データ218を入力加重モジュール204から受信するように構成される。処置モジュール206の推奨モジュール208は、図3~6に関して本明細書でさらに説明する1つ又は複数のプロセスに従って加重入力データ218に基づいて患者101の推奨用量を決定するように構成される。本明細書に記載の実例において、推奨用量は、OUDを治療するように設計されたブプレノルフィン含有製品の1つ又は複数の用量に関するが、推奨用量は、任意の適切な病気又は不調の任意の適切な薬剤に関し得ることを理解されたい。推奨用量及び推奨用量を決定するためのアルゴリズムは、HCP109から離れた場所で(たとえば、患者の自宅において)薬剤を服用する患者101に適するように設計されるが、推奨用量及びアルゴリズムは、HCP109の直接監督の下で又は任意の他の適切な状況において薬剤を服用する患者101のために同様に実装され得る。
【0038】
推奨モジュール208は、推奨用量に関連する推奨用量データ220を投与モジュール210に送信するように構成される。推奨モジュール208はまた、患者デバイス102に推奨用量データ220を、ネットワーク106を介して、送信し、患者アプリケーション103において患者デバイス102がディスプレイ116に推奨用量を表示するように構成される。いくつかの実装形態において、推奨モジュール208は、所定の間隔で(たとえば、8時間毎に)推奨用量データ220を患者デバイス102に自動的に送信するように構成される、又は推奨モジュール208は、患者デバイス102で患者101によって入力されるイベント・データ122に応答して推奨用量データ220を送信するように構成される。
【0039】
いくつかの実装形態において、患者101は、前述のように、たとえば、送達ポンプ、注入ユニット、インプラント、経口吸収ユニット(たとえば、舌下で溶けるフィルム又は錠剤)、吸入具、鼻腔内注入器、他の経粘膜投与ユニットなどを含み得る、投与ユニット126に関連付けられ得る。投与ユニット126は、投与モジュール210と通信し得る。投与モジュール210は、用量命令データ222及び/又は推奨用量データ220を投与ユニット126に送信するように構成される。いくつかの実装形態において、投与モジュール210は、投与ユニット126に指示された用量を患者101に投与させる又は届けさせる、用量命令データ222を投与ユニット126に送信するように構成される。そのような実装形態では、投与ユニット126は、推奨用量を患者101に自動的に投与する又は届けることができる、又は投与ユニット126は、推奨用量を患者101に投与する前に患者101及び/又はHCP109に問い合わせて推奨用量を確認することができる。いくつかの実装形態において、投与モジュール210は、患者デバイス102と通信し得、用量命令データ222を患者デバイス102に送信するように構成され得、患者デバイス102は、投与ユニット126と通信し得、用量命令データ222を投与ユニット126に送信するように構成され得る。
【0040】
図3~7を参照すると、特定の日の推奨用量を決定するための方法300、400、500、600、及び700を表す流れ図が、概して示されている。方法300、400、500、600、700は、治療処方システム100の任意の他の構成要素とともに、治療アプリケーション160(たとえば、入力加重モジュール204及び処置モジュール206)によって実行され得る。図3~7に示されたアルゴリズム300、400、500、600、700は、治療アプリケーション160によってバック・エンドで実行され得、患者101は、患者デバイス102のディスプレイ116に任意の適切な表示を示され得る。方法300、400、500、600、700は、患者101と患者デバイス102の患者アプリケーション103及び/又はHCP109との対話を含み得る。いくつかの実装形態において、患者101は、独自に患者アプリケーション103にアクセスすることができる。加えて、又は別法として、患者アプリケーション103は、たとえば、視覚警報(たとえば、ディスプレイ116を介する)及び/又は聴覚警報(たとえば、患者デバイス102のスピーカを介する)などの通知を介して、患者アプリケーション103にアクセスするように患者101を促すように構成される。
【0041】
図3及び6を参照すると、患者101は、患者101が治療アプリケーション160及びブプレノルフィン含有製品を処方される第1の日(1日目)に患者アプリケーション103を介して治療アプリケーション160にアクセスすることができる。患者アプリケーション103は、ブプレノルフィン含有製品がどのように作用するか、ブプレノルフィン含有製品のタイプ、ブプレノルフィン含有製品に関連するリスク、ブプレノルフィン含有製品の副作用などを含む、ブプレノルフィン含有製品に関する初期一般情報をディスプレイ116に表示するように構成される。1日目に、患者アプリケーション103は、すべてのオピオイド薬物が患者101のシステムを離れていることを検証するために、患者101に問い合わせて(たとえば、患者デバイス102を介して)、患者101が最近(たとえば、最近12~72時間以内に)オピオイドを使用したかどうかを判定するように構成される。患者アプリケーション103は、以下を含む複数の離脱症状を表示し得るが、これらに限定されない:(i)関節痛、(ii)骨痛、(iii)寒気、(iv)発汗、(v)不安、(vi)興奮性、(vii)単収縮、(viii)震え、(ix)身震い、(x)鳥肌、(xi)情動不安、(xii)甚だしいあくび、(xiii)瞳孔拡大、(xiv)涙目、(xv)けいれん、(xvi)吐き気、(xvii)嘔吐、及び/又は(xviii)下痢など。患者アプリケーション103は、患者101に(たとえば、患者デバイス102を介して)問い合わせて、患者101が、たとえば、離脱に関連する前述の症状のうちの少なくとも5つ、オピオイドの渇望などを、経験しているかどうかを判定するように構成される。いくつかの実装形態では、患者101が、たとえば、少なくとも5つの離脱症状及び/又はオピオイドの渇望を、経験していない場合、患者101は、続けることを許されないことがある。
【0042】
患者101が離脱を経験していると判定すると、患者アプリケーション103は、患者101が処方され及び所有するブプレノルフィン含有製品の特定の用量又は用量範囲を判定するために患者101に問い合わせる(たとえば、患者デバイス102を介して)ように構成される。たとえば、ブプレノルフィン含有製品は、様々な用量(たとえば、2mg、4mg、8mg)でフィルム・ストリップ又は錠剤として形成され得る。いくつかの実装形態において、患者101は間違った又は不適切な用量のブプレノルフィン含有製品を有すると患者アプリケーション103が判定した場合、患者アプリケーション103は、患者101のための正しい用量にブプレノルフィン含有製品を削減又は他の方法で修正する方法についての指示、たとえば、教育ビデオ、段階的な指示など、を提供する(たとえば、患者デバイス102を介して)ように構成される。
【0043】
1日目の開始302で、患者アプリケーション103は、304における初期推奨用量(たとえば、4mg)、或いは患者101のHCP109によってあらかじめ決定され得る又は任意の適切な方式、たとえば、すべての患者101のデフォルト初期推奨用量として4mgを設定すること、で決定され得る特定の用量を服用するように患者に指示するように構成される。4mgは方法300、400、500の例示的用量として使用されていることと、任意の適切な用量が、ブプレノルフィン含有製品のタイプ(たとえば、ブランド名、有効性など)、ブプレノルフィン含有製品の効果の継続期間(たとえば、短時間作用型、長時間作用型など)、及び/又はブプレノルフィン含有製品の特定のラベルに少なくとも基づいて、実装され得ることとを理解されたい。患者アプリケーション103は、次いで、306において1~3時間待機するように患者101に指示するように構成される。待機した後、患者アプリケーション103は、308において患者101の現在の状態を判定するように構成される。患者101は、たとえばディスプレイ116に表示される、310におけるポジティブ・インジケータ又は322におけるネガティブ・インジケータを選択することによって自分の現在の状態(たとえば、イベント・データ122)を入力又は報告することができる。ポジティブ・インジケータは、笑顔のマーク、サムズ・アップ、チェック・マーク、テキスト、又は任意の他の適切なグラフィック表現を含み得る。ネガティブ・インジケータは、しかめっ面、サムズ・ダウン、×印、テキスト、又は任意の他の適切なグラフィック表現を含み得る。加えて、又は別法として、患者101は、患者デバイス102のマイクロフォンに向けて話すことによって、患者デバイス102に対するジェスチャによって、又は任意の他の適切な方式において、自分の現在の状態を指示することができる。いくつかの実装形態において、患者アプリケーション103は、患者101によって入力されるイベント・データ122を、第1のセンサ・データ212、第2のセンサ・データ214などを含む、任意の他の適切なデータで補う又は置き換えることができる。
【0044】
患者アプリケーション103が、たとえば、患者101がポジティブ・インジケータを310において選択することに基づいて、患者101の現在の状態はポジティブであると308において判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、312において6~12時間待機するように患者101に指示するように構成される。待機した後、患者アプリケーション103は、314において患者101の現在の状態を判定するように構成される。患者アプリケーション103が、たとえば、患者101が316においてポジティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はポジティブであると、314において、判定した場合、次いで、アクションは必要とされず、1日目アルゴリズム300は336で終了する。患者アプリケーション103が、たとえば、患者101が318においてネガティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はネガティブであると、314において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、320において4mgのブプレノルフィン含有製品を服用するように患者101に指示するように構成され、1日目アルゴリズム300は336で終了する。
【0045】
306において初期1~3時間待機した後に、患者アプリケーション103が、たとえば、322において患者101がネガティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はネガティブであると、308において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、324において4mgのブプレノルフィン含有製品を服用するように及び326において1~3時間待機するように患者101に指示するように構成される。待機した後、患者アプリケーション103は、328において患者101の現在の状態を判定するように構成される。患者アプリケーション103が、たとえば、330において患者101がポジティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はポジティブであると、328において、判定した場合、次いで、アクションは必要とされず、1日目アルゴリズム300は336で終了する。患者アプリケーション103が、たとえば、332において患者101がネガティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はネガティブであると、328において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、334において4mgのブプレノルフィン含有製品を服用するように患者101に指示するように構成され、1日目アルゴリズム300は336で終了する。
【0046】
2日目アルゴリズム400は、1日目アルゴリズム300から判定された総用量に依存し得る。2日目の開始402は、患者101が目を覚ますとき又は第2の日の任意の適切な時間でもよい。2日目の開始402において、患者アプリケーション103は、患者101の現在の状態に関して、404において、患者101に問い合わせるように構成される。患者アプリケーション103は、たとえば、1日目の方法300(たとえば、患者101が少なくとも5つの離脱症状及び/又はオピオイドの渇望を経験しているかを判定すること)に関して前述したものなど、患者101の現在の離脱状態に関して、404において、患者101に問い合わせるように構成され得る。患者アプリケーション103が、たとえば、406において患者101がポジティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はポジティブであると、404において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、408において1日目用量を服用するように患者に指示するように構成され、2日目アルゴリズム400は424で終了する。患者アプリケーション103が、たとえば、410において患者101がネガティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はネガティブであると、404において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、412において1日目用量に加えて4mgを服用するように及び414において1~3時間待機するように患者に指示するように構成される。待機した後、患者アプリケーション103は、416において患者101の現在の状態を判定するように構成される。患者アプリケーション103が、たとえば、418において患者101がポジティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はポジティブであると、416において、判定した場合、次いで、アクションは必要とされず、2日目アルゴリズム400は424で終了する。患者アプリケーション103が、たとえば、420において患者101がネガティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はネガティブであると、416において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、422において4mgのブプレノルフィン含有製品を服用するように患者101に指示するように構成され、2日目アルゴリズム400は424で終了する。
【0047】
患者101のプログラムの第3の日及びそれ以降の3日目以降アルゴリズム(The Day 3+ algorithm)500は、前日用量に依存し得る。たとえば、3日目用量は2日目用量に依存し、4日目用量は3日目用量に依存する、などである。3日目以降の開始(Day 3+ start)502は、患者101が目を覚ますとき又は第3の日又はそれ以降の任意の適切な時間でもよい。3日目以降の開始502において、患者アプリケーション103は、患者101の現在の状態に関して、504において、患者101に問い合わせるように構成される。患者アプリケーション103が、たとえば、506において患者101がポジティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はポジティブであると、504において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、508において前日用量を服用するように患者に指示するように構成され、3日目以降アルゴリズム500は、532において、その日については終了する。患者アプリケーション103が、たとえば、510において患者101がネガティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はネガティブであると、504において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、患者101が鎮静剤が効いている状態を感じている(たとえば、過度に疲れている又は過度に眠たい)又は離脱症状を経験しているかどうかに関して、512において、患者101に問い合わせるように構成される。患者アプリケーション103が、たとえば、514において患者101が鎮静状態インジケータを選択することに基づいて、患者101は鎮静状態を感じていると、512において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、516において前日用量から4mgを引いた量を服用するように患者に指示するように構成され、3日目以降アルゴリズム500は、532において、その日については終了する。患者アプリケーション103が、たとえば、518において患者101が離脱インジケータを選択することに基づいて、患者101は離脱を感じていると、512において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、520において前日用量を服用するように患者101に指示するように構成される。512において、患者101が鎮静状態又は離脱を感じているかどうかを判定するために、患者アプリケーション103は、第1のセンサ・データ212、第2のセンサ・データ214などを含む、任意の他の適切なデータで患者101によって入力されるイベント・データ122を補う又は置き換えることができる。患者101が、518において前日用量を服用した後、次いで、患者アプリケーション103は、522において1~3時間待機するように患者101に指示するように構成される。待機した後、患者アプリケーション103は、524において患者101の現在の状態を判定するように構成される。患者アプリケーション103が、たとえば、526において患者101がポジティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はポジティブであると、524において、判定した場合、次いで、アクションは必要とされず、3日目以降アルゴリズム500は、532において、その日については終了する。患者アプリケーション103が、たとえば、528において患者101がネガティブ・インジケータを選択することに基づいて、患者101の現在の状態はネガティブであると、524において、判定した場合、次いで、患者アプリケーション103は、530において4mgのブプレノルフィン含有製品を服用するように患者101に指示するように構成され、3日目以降アルゴリズム500は、532において、その日については終了する。
【0048】
4日目まで及びそれ以降、患者101の1日当たりの用量は、適切に決定されるように設計されるが、3日目以降の方法500は、その日の患者101の状態、たとえば、鎮静状態又は離脱を感じていること、に基づいていくらかの変動を可能にする。しかしながら、3日目以降の方法(the Day 3+ method)500に基づいて、患者101は1日に24mgのブプレノルフィン含有製品を超えないことが推奨される。治療アプリケーション160及び患者101のブプレノルフィン含有製品処方及びプログラムは、任意の適切な日数、たとえば、7日間、持続し得る。前述の方法300、400、500のそれぞれを通して、患者101は、各ブプレノルフィン含有製品誘導の時間、日付、及び用量を入力することができる。HCP109は、特定の患者101のアルゴリズム300、400、500を修正及び調整すること、投与量を適切として承認することなどを含む、患者101のプログラムを介して任意の適切な入力を提供することができる。待機を必要とする任意の動作について、患者101が、所定の期間の終了まで、患者アプリケーション103にアクセスし得ないように、患者アプリケーション103は、所定の期間の終了まで患者101を「ロックアウト」することができる。いくつかの実装形態において、患者アプリケーション103は、カウントダウン・タイマを表示することができ、所定の期間の終了時に警報(たとえば、視覚及び/又は聴覚警報)を表示することができる。
【0049】
図6は、患者デバイス102で治療アプリケーション160によって実行される患者アプリケーション103の起動動作600を示す。患者アプリケーション103は、患者デバイス102と対話することによって患者101が患者アプリケーション103にアクセスしたときに、602で起動するように構成される。患者アプリケーション103は、604においてログイン・クエリを実行して、アクセス・コード104を含む、自分のログイン認証情報を入力するように患者101に促すように構成される。患者アプリケーション103は、入力されたログイン認証情報が有効であるかどうかを606において判定するように構成される。患者アプリケーション103が、入力されたログイン認証情報は無効であると判定した場合、患者アプリケーション103は、604においてログイン・クエリに戻るように構成される。患者アプリケーション103が、入力されたログイン認証情報は有効であると判定した場合、患者アプリケーション103は、608において患者101のプログラムのどの日にそれがあるかを判定するように構成される。
【0050】
患者アプリケーションが、患者101のプログラムの第1の日であると、608において、判定した場合、患者アプリケーション103は、前述のように、610においてブプレノルフィン含有製品に関する初期情報を表示するように構成される。患者アプリケーション103は、次いで、患者101が経験している離脱症状を選択又は入力するように患者101に促すように構成された、前述のような、612における離脱症状プロンプトを実行するように構成される。患者アプリケーション103は、次いで、患者101が、たとえば、少なくとも5つの離脱症状を、経験しているかどうかを、614において、判定するように構成される。患者アプリケーション103が、患者101が5つ未満の離脱症状を経験していると、614において、判定した場合、患者アプリケーション103は、離脱症状プロンプト612に戻るように構成される。いくつかの実装形態において、患者アプリケーションは、患者アプリケーション103を終了し、患者101が少なくとも5つの離脱症状を経験しているときまで、待機するように患者101に指示する患者101へのメッセージを表示するように構成される。患者アプリケーション103が、患者101が少なくとも5つの離脱症状を経験していると、614において、判定した場合、患者アプリケーション103は、1日目の方法又はアルゴリズム300を実行するように構成される。608において、患者アプリケーションが、患者101のプログラムの第2の日であると判定した場合、患者アプリケーション103は、2日目の方法又はアルゴリズム400を実行するように構成される。608において、患者アプリケーションが、患者101のプログラムの少なくとも第3の日であると判定した場合、患者アプリケーション103は、3日目以降の方法又はアルゴリズム500を実行するように構成される。
【0051】
図7は、患者のオピオイド使用障害に関連する症状を治療するように構成された処方デジタル治療を実施するための方法700を示す流れ図である。方法700は、702において開始し、(i)患者に直接関連する第1のセンサ及び(ii)患者電子デバイスに関連する第2のセンサのうちの1つ又は複数からの患者に関連する複数の入力を、704において、受信することを含む。方法700は、患者に関連する複数の入力に、706において、重みを付けて複数の加重入力を提供することを含む。方法700は、複数の加重入力に基づいて患者のブプレノルフィン含有製品の推奨用量を、708において、判定することを含む。方法700は、推奨用量のブプレノルフィン含有製品を患者に投与するように投与ユニットに、710において、指示することを含み、方法700は、712で終了する。方法700は、図示及び説明されているものより追加の又は少数のステップを含み得、ある種のステップは、省略され得る又は任意の適切な順番で実行され得ることを理解されたい。
【0052】
図8は、本文書で説明されるシステム及び方法を実施するために使用され得る例示的計算デバイス800の概略図である。計算デバイス800は、様々な形のデジタル・コンピュータ、たとえば、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレード・サーバ、メインフレーム、及び他の適切なコンピュータ、を表すものである。ここに示された構成要素、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、単に例示を意図しており、本文書で説明及び/又は特許請求される本発明の実装形態を制限することは意図していない。
【0053】
計算デバイス800は、プロセッサ810、メモリ820、ストレージ・デバイス830、メモリ820及び高速拡張ポート850に接続する高速インターフェース/コントローラ840、並びに低速バス870及びストレージ・デバイス830に接続する低速インターフェース/コントローラ860を含む。構成要素810、820、830、840、850、及び860のそれぞれは、様々なバスを使用して相互に接続され、共通のマザーボードに又は必要に応じて他の方式で取り付けられ得る。プロセッサ810は、外部入力/出力デバイス、たとえば、高速インターフェース840に連結されたディスプレイ880、にグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)のグラフィック情報を表示するためにメモリ820に又はストレージ・デバイス830に記憶された命令を含む、計算デバイス800内で実行するための命令を処理することができる。他の実装形態において、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスは、複数のメモリ及び複数のタイプのメモリとともに、必要に応じて、使用され得る。また、複数の計算デバイス800が、必要な動作の部分を提供する各デバイス(たとえば、サーバ・バンク、ブレード・サーバのグループ、又はマルチプロセッサ・システムのような)と接続され得る。
【0054】
メモリ820は、計算デバイス800内に非一時的に情報を記憶する。メモリ820は、コンピュータ可読媒体、揮発性メモリ・ユニット、又は不揮発性メモリ・ユニットでもよい。非一時的メモリ820は、計算デバイス800によって使用するために一時的又は永続的にプログラム(たとえば、命令のシーケンス)又はデータ(たとえば、プログラム状態情報)を記憶するために使用される物理デバイスでもよい。不揮発性メモリの実例は、フラッシュ・メモリ及びリード・オンリ・メモリ(ROM)/プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(PROM)/消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROM)/電子的消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EEPROM)(たとえば、起動プログラムなど、ファームウェアのために通常使用される)を含むが、これらに限定されない。揮発性メモリの実例は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、動的ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、相変化メモリ(PCM:phase change memory)並びにディスク又はテープを含むが、これらに限定されない。
【0055】
ストレージ・デバイス830は、計算デバイス800のマス・ストレージを提供する能力を有する。いくつかの実装形態において、ストレージ・デバイス830は、コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装形態において、ストレージ・デバイス830は、フロッピ・ディスク・デバイス、ハード・ディスク・デバイス、光ディスク・デバイス、又はテープ・デバイス、フラッシュ・メモリ又は他の類似の固体メモリ・デバイス、或いは、ストレージ・エリア・ネットワーク又は他の構成におけるデバイスを含むデバイスの配列でもよい。付加的実装形態において、コンピュータ・プログラム製品は、情報キャリアにおいて有形に実施される。コンピュータ・プログラム製品は、実行されるとき、1つ又は複数の方法、たとえば、前述のもの、を実行する、命令を含む。情報キャリアは、コンピュータ可読媒体又は機械可読媒体、たとえば、メモリ820、ストレージ・デバイス830、又はメモリ・オン・プロセッサ810、である。
【0056】
高速コントローラ840は、計算デバイス800の帯域幅集約的動作を管理し、その一方で、低速コントローラ860は、低帯域幅集約的動作を管理する。職務のそのような割り当ては、単に例示である。いくつかの実装形態において、高速コントローラ840は、メモリ820、ディスプレイ880(たとえば、グラフィックス・プロセッサ又はアクセラレータを介する)に、及び、様々な拡張カード(図示せず)を受け入れ得る高速拡張ポート850に連結される。いくつかの実装形態において、低速コントローラ860は、ストレージ・デバイス830及び低速拡張ポート890に連結される。様々な通信ポート(たとえば、USB、ブルートゥース、イーサネット(登録商標)、ワイヤレス・イーサネット(登録商標))を含み得る、低速拡張ポート890は、1つ又は複数の入力/出力デバイス、たとえば、キーボード、ポインティング・デバイス、スキャナ、或いはスイッチ又はルータなどのネットワーク・デバイスに、たとえば、ネットワーク・アダプタを介して連結され得る。
【0057】
計算デバイス800は、図に示すように、いくつかの異なる形で実装され得る。たとえば、それは、標準サーバ800aとして、又は何度でもそのようなサーバ800aのグループにおいて、ラップトップ・コンピュータ800bとして、ラック・サーバ・システム800cの一部として、モバイル・デバイス800d(たとえば、スマート・フォン)として、又はタブレット・コンピュータ800eとして、実装され得る。
【0058】
本明細書に記載のシステム及び技法の様々な実装形態は、デジタル電子回路及び/又は光回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はその組合せにおいて実現され得る。これらの様々な実装形態は、ストレージ・システム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスからデータ及び命令を受信するために、及びそこにデータ及び命令を送信するために連結された、特殊目的又は汎用でもよい、少なくとも1つのプログラマブル・プロセッサを含むプログラマブル・システムで実行可能及び/又は解釈可能な1つ又は複数のコンピュータ・プログラムにおける実装形態を含み得る。
【0059】
これらのコンピュータ・プログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェア・アプリケーション又はコードとしても知られる)は、プログラマブル・プロセッサの機械命令を含み、ハイレベルな手続き型及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語において、及び/又はアセンブリ/機械言語において実装され得る。本明細書では、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含む、任意のコンピュータ・プログラム製品、非一時的コンピュータ可読媒体、機械命令及び/又はデータをプログラマブル・プロセッサに提供するために使用される装置及び/又はデバイス(たとえば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブル・プロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
【0060】
本明細書で説明されるプロセス及び論理の流れは、入力データで動作すること及び出力を生成することによって機能を実行するための1つ又は複数のコンピュータ・プログラムを実行する、データ処理ハードウェアとも呼ばれる、1つ又は複数のプログラマブル・プロセッサによって実行され得る。プロセス及び論理の流れはまた、特殊目的論理回路、たとえば、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実行され得る。コンピュータ・プログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用及び専用マイクロプロセッサの両方と、任意の種類のデジタル・コンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサとを含む。一般に、プロセッサは、リード・オンリ・メモリ又はランダム・アクセス・メモリ或いはその両方から命令及びデータを受信することになる。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ及び命令及びデータを記憶するための1つ又は複数のメモリ・デバイスである。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ又は複数のマス・ストレージ・デバイス、たとえば、磁気、光磁気ディスク、又は光ディスク、を含む、或いは、そこからデータを受信する若しくはそこにデータを転送する、又はその両方のために動作可能に連結される、ことになる。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。コンピュータ・プログラム命令及びデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、例として半導体メモリ・デバイス、たとえば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュ・メモリデバイス、磁気ディスク(たとえば、内部ハード・ディスク又は取り外し可能ディスク)、光磁気ディスク、並びにCD ROM及びDVD-ROMディスクを含む、すべての形態の不揮発性メモリ、媒体及びメモリ・デバイスを含む。プロセッサ及びメモリは、特殊目的論理回路によって補完され得る、又は特殊目的論理回路に組み込まれ得る。
【0061】
ユーザとの対話を行うために、本開示の1つ又は複数の態様は、情報をユーザに対して表示するための表示デバイス、たとえば、CRT(cathode ray tube:陰極線管)、LCD(liquid crystal display:液晶ディスプレイ)モニタ、又はタッチ・スクリーン、と、任意選択で、それによってユーザが入力をコンピュータに提供することができる、キーボード及びポインティング・デバイス、たとえば、マウス又はトラックボール、とを有するコンピュータで実装され得る。他の種類のデバイスが、同様にユーザとの対話を提供するために使用され得、たとえば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形のセンサ・フィードバック、たとえば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック、でもよく、そして、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む、任意の形で受信され得る。加えて、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスに文書を送信すること及びそのようなデバイスから文書を受信することによって、たとえば、ウェブ・ブラウザから受信される要求に応答してユーザのクライアント・デバイスのウェブ・ブラウザにウェブ・ページを送信することによって、ユーザと対話することができる。
【0062】
ソフトウェア・アプリケーション(すなわち、ソフトウェア資源)は、計算デバイスにタスクを実行させるコンピュータ・ソフトウェアを指し得る。いくつかの実例において、ソフトウェア・アプリケーションは、「アプリケーション」、「アプリ」、又は「プログラム」と称され得る。例示的アプリケーションは、システム診断アプリケーション、システム管理アプリケーション、システム保守アプリケーション、文書処理アプリケーション、スプレッドシート・アプリケーション、メッセージ送受信アプリケーション、媒体ストリーミング・アプリケーション、ソーシャル・ネットワーキング・アプリケーション、及びゲーム・アプリケーションを含むが、これらに限定されない。
【0063】
非一時的メモリは、計算デバイスによって使用するために一時的又は永続的にプログラム(たとえば、命令のシーケンス)又はデータ(たとえば、プログラム状態情報)を記憶するために使用される物理デバイスでもよい。非一時的メモリは、揮発性及び/又は不揮発性アドレス可能半導体メモリでもよい。不揮発性メモリの実例は、フラッシュ・メモリ及びリード・オンリ・メモリ(ROM)/プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(PROM)/消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROM)/電子的消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EEPROM)(たとえば、起動プログラムなど、ファームウェアのために通常は使用される)を含むが、これらに限定されない。揮発性メモリの実例は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、動的ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、相変化メモリ(PCM)並びにディスク又はテープを含むが、これらに限定されない。
【0064】
いくつかの実装形態について説明した。しかしながら、様々な変更が、本開示の趣旨及び範囲を逸脱せずに、行われ得ることが理解されよう。したがって、他の実装形態も、以下の特許請求の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】