(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(54)【発明の名称】2つの直流系統を結合するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H03K 17/081 20060101AFI20220127BHJP
H03K 17/08 20060101ALN20220127BHJP
H03K 17/567 20060101ALN20220127BHJP
H03K 17/16 20060101ALN20220127BHJP
【FI】
H03K17/081
H03K17/08 Z
H03K17/567
H03K17/16 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021513213
(86)(22)【出願日】2019-09-16
(85)【翻訳文提出日】2021-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2019074642
(87)【国際公開番号】W WO2020058162
(87)【国際公開日】2020-03-26
(31)【優先権主張番号】102018215881.9
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】特許業務法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ルップ,ユルゲン
【テーマコード(参考)】
5J055
【Fターム(参考)】
5J055AX26
5J055AX33
5J055AX55
5J055BX16
5J055CX07
5J055CX12
5J055CX23
5J055DX09
5J055DX61
5J055DX72
5J055EY01
5J055EY10
5J055EY12
5J055EZ17
5J055GX01
(57)【要約】
スイッチング装置の制御ユニットは、ステップa)において、両スイッチングモジュールのうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子をオン状態にし、同時に、両スイッチングモジュールのうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子をオフ状態にするように構成されている。ステップb)において、本発明による制御ユニットは、両スイッチングモジュールのうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子をオン状態にし、同時に、両スイッチングモジュールのうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子をオフ状態にする。ステップc)において、電源側および負荷側容量の電圧が互いに一致するまで、ステップa)およびb)が繰り返される。最後に、ステップd)において、2つのスイッチングモジュールの制御可能な半導体スイッチング素子がオン状態にされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流制御のためのスイッチング装置(1)を用いて、電源側および負荷側容量(7,8)を含む2つの直流系統を結合するための装置において、
前記スイッチング装置(1)が、直列に接続された2つのスイッチングモジュール(10-1,10-2)を含み、前記スイッチングモジュール(10-1,10-2)のそれぞれが、少なくとも1つの制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)を含み、前記制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)に、抵抗(14-1,14-2)およびコンデンサ(15-1,15-2)からなる直列回路が並列に接続されており、前記スイッチング装置(1)の制御ユニットが、次のステップa)~d)、即ち、
a)両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-1)をオン状態にし、同時に両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-2)をオフ状態にするステップと、
b)両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-2)をオン状態にし、同時に両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-1)をオフ状態にするステップと、
c)ステップa)およびb)を、電源側および負荷側容量(7,8)の電圧が互いに一致するまで繰り返すステップと、
d)2つのスイッチングモジュール(10-1,10-2)における制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)をオン状態にするステップと、
を実行するように、構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記制御ユニットが、ステップa)およびb)を時間的に相次いで実行するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記制御ユニットが、ステップa)および/またはb)を実行する時間によって、一方の直流系統から他方の直流系統への平均電流を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記制御ユニットが、ステップa)および/またはb)においてオン状態にされる制御可能な半導体スイッチングモジュールのパルス幅比によって、一方の直流系統から他方の直流系統への電流を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記2つの直流系統のうちの一方が、制御可能なスイッチによって切換可能な容量性負荷を含み、前記制御ユニットが、前記制御可能なスイッチから短絡を知らせる信号を受信したときに、前記電流制御するためのスイッチング装置(1)をチョッパモードで動作させるように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記制御ユニットが、前記2つの直流系統のうちの他方から、前記切換可能な容量性負荷を有する前記2つの直流系統のうちの一方に流れる電流経過を評価するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記制御ユニット()が、前記スイッチング装置(1)のチョッパ動作中に前記電圧経過を評価するように構成されていることを特徴とする請求項5または6記載の装置。
【請求項8】
電流制御のためのスイッチング装置(1)を用いて、電源側および負荷側容量(7,8)を含む2つの直流系統を結合するための方法において、
前記スイッチング装置(1)が、直列に接続された2つのスイッチングモジュール(10-1,10-2)を含み、前記スイッチングモジュール(10-1,10-2)のそれぞれが、少なくとも1つの制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)を含み、前記制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)に、抵抗(14-1,14-2)およびコンデンサ(15-1,15-2)からなる直列回路が並列に接続されており、前記スイッチング装置(1)の制御ユニットによって、次のステップが実行される、即ち、
a)両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-1)がオン状態にされ、同時に両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-2)がオフ状態にされ、
b)両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-2)がオン状態にされ、同時に両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-1)がオフ状態にされ、
c)ステップa)およびb)が、電源側および負荷側容量( )の電圧が互いに一致するまで繰り返され、
d)2つのスイッチングモジュール(10-1,10-2)の制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)がオン状態にされる、
方法。
【請求項9】
前記制御ユニットが、ステップa)およびb)を時間的に相次いで実行することを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記制御ユニットが、一方の直流系統から他方の直流系統への平均電流を定められた値に調整するために、ステップa)および/またはb)を実行する時間を調整すること特徴とする請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
前記制御ユニットが、一方の直流系統から他方の直流系統への電流を調整するために、ステップa)および/またはb)においてオン状態にされる制御可能な半導体スイッチングモジュールのパルス幅比を調整することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記2つの直流系統のうちの一方が、制御可能なスイッチによって切換可能な容量性負荷を含み、前記制御ユニットが前記制御可能なスイッチから短絡を知らせる信号を受信したときに、前記電流制御のためのスイッチング装置(1)がチョッパモードで動作させられることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記制御ユニットが、前記2つの直流系統のうちの他方から、前記切換可能な容量性負荷を有する、前記2つの直流系統のうちの一方へ流れる電流経過を評価することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記制御ユニットが、前記スイッチング装置(1)のチョッパ動作中に電圧経過を評価することを特徴とする請求項12または13記載の方法。
【請求項15】
コンピュータユニットの内部メモリにロードすることができ、プログラムがコンピュータユニット上で実行されているときに、請求項8から14のいずれか1項に記載のステップを実行するコード部分を含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流制御のためのスイッチング装置を用いて、電源側および負荷側容量を含む2つの直流系統を結合するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DC系統とも呼ばれる直流系統は、例えば、電力変換装置の中間回路コンデンサのように、大きな容量を含むことが多い。電源側容量および負荷側容量を含む2つの直流系統が互いに接続されるときに、両容量の一方が既に動作電圧にあり、他方の直流系統における容量が依然として放電されている場合、2つの直流系統が直接に接続されていると、非常に大きな均衡化電流が生じる。
【0003】
これらの電流の大きさを制限するために、電源側および負荷側容量を含む2つの直流系統の接続は、
図1および
図2の電気的等価回路図に示されているように、適切なスイッチング装置を介して行われる。
【0004】
図1は、電源側インダクタンス3を介して直流電圧源2に接続されているスイッチング装置1の電気等価回路図を示す。直流電圧源2と電源側インダクタンス3との直列回路に並列に、電源側容量7が設けられている。スイッチング装置1の出力側は負荷側インダクタンス5を介して負荷側容量8に接続されている。電源側および負荷側インダクタンス3,5は、必ずしも、スイッチング装置1を介して接続された2つの直流電圧系統の物理的な構成要素である必要はない。電源側および負荷側インダクタンス3,5は、配線インダクタンスであってもよい。電源側および負荷側容量7,8は、例えば、図示されていない電力変換装置の中間回路コンデンサである。
【0005】
図1に示されている公知のスイッチング装置1の実施例では、2つの直流電圧系統間の接続が、まず充電抵抗20を介して行われる。充電抵抗20は、スイッチング素子21と直列に接続されており、電流Iを制限して構成要素の損傷を回避するために使用される。両直流系統の両レール間電圧が、低抵抗接続が可能であるほど、近づいた場合にのみ、充電抵抗20が主スイッチ22により橋絡される。スイッチ21は、予備充電スイッチとも呼ばれる。
【0006】
図2に示されている変形例では、スイッチング装置1が唯一の半導体スイッチング素子を備え、それにより、半導体スイッチング素子をクロック同期で投入(オン)および遮断(オフ)することによって充電電流Iを調整することができる。周波数およびパルス幅比を変化させることによって、時間当たりの電荷量、従って平均充電電流を調整することができる。これは、接続インピーダンスに応じて高い電流ピークをもたらす。また、この変形例は、電源側および負荷側容量7,8間に小さいインダクタンスまたは抵抗しか存在しない場合に欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2018/158233号(PCT/EP2018/054775)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、構造的および/または機能的に改善された、電流制御のためのスイッチング装置を用いて、電源側および負荷側容量を有する2つの直流系統を結合するための装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの課題は、請求項1記載の特徴事項による装置および請求項8の特徴事項による方法によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0010】
電流制御のためのスイッチング装置を用いて、電源側および負荷側容量を含む2つの直流系統を結合するための装置が提案される。このスイッチング装置は、直列に接続された2つのスイッチングモジュールを含み、各スイッチングモジュールは、抵抗とコンデンサとからなる直列回路が並列に接続されている少なくとも1つの制御可能な半導体スイッチング素子を含む。
【0011】
このようなスイッチング装置は、本出願人の特許文献1から知られている。そこに記載されているスイッチング装置は、直列に接続された少なくとも2つのスイッチングモジュールを含み、電源側インダクタンスおよび負荷側インダクタンスを含む電流経路において「ソフト」な遮断過程を行うことを可能にするために使用されている。このスイッチング装置は、電流経路における電流の流れを急激にではなく、ランプ状に減少させることを可能にする。少なくとも2つのスイッチングモジュールのうちの少なくとも1つによって、逆電圧が電流経路内に形成される。これは、スイッチングモジュールのそれぞれの半導体スイッチング素子をクロック同期領域で動作させることによって可能にされる。このようにして、スイッチオフ時の高い損失電力は、各スイッチングモジュールの半導体スイッチング素子においてではなく、主に各スイッチングモジュールの抵抗において消費される。これにより、スイッチング装置は、高価で、重く、大きいスペースを占めるバリスタのような電圧制限部品を省略することができる。各スイッチングモジュール内の半導体スイッチング素子は、チョッパの役割を果たす。本発明によれば、電源側および負荷側容量を有する2つの直流系統を結合するために、原理的に知られているスイッチング装置が使用される。チョッパ動作は、2つの直流系統を遮断する際に電流をゆっくり減少させるために使用されるのではなく、2つの直流系統を接続(投入)する際に充電電流を制限するために使用される。
【0012】
本発明によれば、次のステップa)~d)を実行するように構成された制御ユニットが設けられている。
a)両スイッチングモジュールのうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子をオン状態にし、同時に、両スイッチングモジュールのうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子をオフ状態にするステップ、
b)両スイッチングモジュールのうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子をオン状態にし、同時に、両スイッチングモジュールのうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子をオフ状態にするステップ、
c)ステップa)およびb)を、電源側および負荷側容量の電圧が互いに一致するまで繰り返すステップ、
d)2つのスイッチングモジュールにおける制御可能なスイッチング素子をオン状態にするステップ。
【0013】
直列に接続された少なくとも2つのスイッチングモジュールのこの動作は、2つの直流系統がスイッチングモジュールのスイッチング素子を介して互いに持続的に接続される前に、電源側容量と負荷側容量の均衡化過程を実行することを可能にする。このようにして、大きな均衡化電流の発生を回避することができる。
【0014】
電流をさらに制限するために、ステップb)の後に両方の半導体スイッチング素子を同時にオフにするようにしてもよい(ステップb1)。この実施形態では、電源側および負荷側容量の電圧が互いに一致するまで、ステップa),b),b1)が繰り返される。
【0015】
制御ユニットは、ステップa)およびb)を時間的に相次いで実行するように構成されていることが好ましい。したがって、ステップa)およびb)は、電源側および負荷側容量の電圧が互いに一致するまで、交互に繰り返される。
【0016】
さらに、制御ユニットは、ステップa)および/またはb)を実行する持続時間によって、2つの直流系統のうちの一方から2つの直流系統のうちの他方への平均電流を調整するように構成されている。
【0017】
これに代えて、またはこれに加えて、制御ユニットは、ステップa)および/またはb)においてオンにされた制御可能な半導体スイッチングモジュールのパルス幅比によって、一方の直流系統から他方の直流系統への最大電流を調整するように構成されている。両変形例のそれぞれによって、結果として、電源側容量と負荷側容量の電圧が均衡するまでの時間を決定することもできる。発生する最大ピーク電流は、既存の系統インピーダンスの影響にもかかわらず、スイッチング過程中に常に半導体スイッチングモジュールの抵抗の少なくとも1つが電流回路内にあることによって制限される。従って、インダクタンスが必要とされずに最大電流が静的に制限されている。
【0018】
さらに、好適には、2つの直流系統の一方が制御可能なスイッチによって切換可能な容量性負荷を含み、制御ユニットが、制御可能なスイッチから短絡を知らせる信号を受信したときに、電流制御のためのスイッチング装置をチョッパモードで動作させるように構成されている。均衡化過程によって生じさせられる(充電)電流によって、制御可能なスイッチの内蔵された監視ユニットにおいて誤って短絡が検出されて、前記制御可能なスイッチのオフ動作をもたらすことがあり得る。しかし、安全上の理由から行われるこのオフ動作は、切換可能な容量性負荷に直列に設けられた制御可能なスイッチが直ちにオフされずに、その代わりに、先ずチョッパモードにおいて電流制限が達成されるならば、回避することができる。それによって、実際に短絡が生じているかどうか、または、2つの直流系統間に一時的に増加した充電電流または均衡化電流が生じただけであるかどうかを検出するための時間が残される。
【0019】
このためには、制御ユニットが、2つの直流系統のうちの切換可能な容量性負荷を有する一方に、2つの直流系統のうちの他方から流れる電流経過を評価するように構成されているとよい。これに代えて、またはこれに加えて、制御ユニットが、スイッチング装置のチョッパ動作中に電圧経過を評価するように構成されているとよい。容量性負荷が投入される際には電圧が短時間しか陥没しないのに対して、短絡の際には、検出される電圧が持続的に陥没する。
【0020】
別の観点によれば、電流制御のためのスイッチング装置を用いて、電源側および負荷側容量を含む2つの直流系統を結合するための方法が提案される。前記スイッチング装置が、直列に接続された2つのスイッチングモジュールを含み、各スイッチングモジュールが、少なくとも1つの制御可能な半導体スイッチング素子を含み、その制御可能な半導体スイッチング素子に、抵抗およびコンデンサからなる直列回路が並列に接続されている。前記スイッチング装置の制御ユニットによって、
a)両スイッチングモジュールの一方における制御可能な半導体スイッチング素子がオン状態にされ、同時に両スイッチングモジュールの他方における制御可能な半導体スイッチング素子がオフ状態にされ、
b)両スイッチングモジュールの他方における制御可能な半導体スイッチング素子がオン状態にされ、同時に両スイッチングモジュールの一方における制御可能な半導体スイッチング素子がオフ状態にされ、
c)ステップa)およびb)が、電源側容量および負荷側容量の電圧が互いに一致するまで繰り返され、
d)2つのスイッチングモジュールにおける制御可能な半導体スイッチング素子がオン状態にされる。
【0021】
この方法は、本発明による装置に関連して上述したと同様の利点を有する。
【0022】
一実施形態では、制御ユニットが、ステップa)およびb)を時間的に相次いで実行する。
【0023】
制御ユニットが、ステップb)の後に両方の半導体スイッチング素子を同時にオフ状態にする(ステップb1)ように構成されている場合に、ステップa)、b)およびbl)が、電源側容量および負荷側容量の電圧が一致するまで繰り返される。
【0024】
他の実施形態によれば、制御ユニットが、一方の直流系統から他方の直流系統への平均電流を定められた値に調整するために、ステップa)および/またはb)の実行時間を調整する。
【0025】
他の実施形態によれば、制御ユニットが、1つの直流系統から他の直流系統への最大電流を調整するために、ステップa)および/またはb)においてオン状態にされる制御可能な半導体スイッチングモジュールのパルス幅比を調整する。
【0026】
2つの直流系統のうちの1つが、制御可能なスイッチによって切り換え可能な容量性負荷を含む場合に、制御ユニットが短絡を知らせる信号を制御可能なスイッチから受信すると、電流制御のためのスイッチング装置がチョッパモードで動作させられる。その際に、制御ユニットが、2つの直流系統のうちの他方から、切換可能な容量性負荷を有する2つの直流系統のうちの一方に流れる電流経過を評価するとよい。代替的にまたは追加的に、制御ユニットが、スイッチング装置のチョッパ動作中に電圧経過を評価する。
【0027】
さらに、コンピュータユニットの内部メモリにロードすることができ、プログラムがコンピュータユニット上で実行されているときに本明細書に記載の方法を実行するコード部分を含むコンピュータプログラム製品が提案される。コンピュータプログラム製品は、記憶媒体、例えばDVD、CD-ROM、またはUSBメモリスティック等の記憶媒体の形態で具現化することができる。コンピュータプログラム製品は、無線または有線ケーブルを介して読み込み可能な信号として存在することもできる。
【0028】
以下において、図面の実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、電源側および負荷側容量を有する直流電圧系統における第1の公知のスイッチング装置の電気的等価回路図である。
【
図2】
図2は、電源側および負荷側容量を有する直流電圧系統における第2の公知のスイッチング装置の電気的等価回路図である。
【
図3】
図3は、公知のスイッチング装置用の唯一の単方向スイッチングモジュールの構成を示す電気等価回路図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す3つのスイッチングモジュールの直列接続の電気的等価回路図である。
【
図5】
図5は、電源側および負荷側容量を有する直流電圧系統における本発明によるスイッチング装置の電気的等価回路図である。
【
図6】
図6は、
図3乃至5のスイッチングモジュールの代わりに使用することができる双方向スイッチングモジュールの実施例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
なお、以下の説明において、同一の要素には同一の符号を付してある。
【0031】
図3は、特許文献1から知られている、電源側および負荷側容量を含む電流経路6を結合するためのスイッチング装置1の1つのスイッチングモジュール10の概略構成を示す。スイッチングモジュール10は、制御可能な半導体スイッチング素子13を有する。制御可能な半導体スイッチング素子13は、バイポーラトランジスタ、IGBT、MOSFET、IGCT、または消弧装置を有するサイリスタとすることができる。制御可能な半導体スイッチング素子13の負荷接続部は、第1のスイッチングモジュール端子部11と第2のスイッチングモジュール端子部12との間に接続されている。さらに、第1のスイッチングモジュール端子部11と第2のスイッチングモジュール端子部12との間には、抵抗14とコンデンサ15とからなる直列回路も配置されている。言い換えれば、抵抗14とコンデンサ15とからなるRC要素が、制御可能なスイッチング素子13の負荷接続部に対して並列に接続されている。
【0032】
スイッチング装置1のこのような唯一のスイッチングモジュールの基本的な動作モードは、次の通りである。スイッチング装置1が電流を流すべき場合には、制御可能な半導体スイッチング素子13はオン状態に切り換えられる。スイッチング装置1によって電流経路6が遮断されなければならなくなるとすぐに、制御可能な半導体スイッチング素子13が、図示されていない制御ユニットによってオフ状態に切り換えられる。その結果、電流経路6に流れる電流Iは、抵抗14とコンデンサ15とからなるRC要素を介してのみ流れ続けることができる。コンデンサ15は、それに流れる電流Iの結果として、そのコンデンサを介して降下する電圧が所定の上限閾値に到達するまで充電される。このためには、適切な測定装置(図示せず)が、スイッチングモジュール10内に設けられるとよい。所定の上限閾値が到達されるとすぐに、制御可能な半導体スイッチング素子13が再びオン状態に切り換えられる。その結果、コンデンサ15は、抵抗14と制御可能な半導体スイッチング素子13とを介して放電することができる。コンデンサ15を介して降下する電圧が所定の下限閾値に達するとすぐに、制御可能な半導体スイッチング素子13が、それの制御装置によって再びオン状態に切り換えられる。
【0033】
もともと電源側インダクタンスおよび負荷側インダクタンスを有する電流経路を遮断するように設計されていたスイッチング装置1は、
図3に示すように、唯一のスイッチングモジュール1しか有していない場合、制御可能な半導体スイッチング素子13およびコンデンサ15の最大電圧よりも小さい電圧しか抑制し得ない。より高い電圧が発生すると、制御可能な半導体スイッチング素子13および/またはコンデンサが破壊される可能性がある。そこで、より高い電圧を有する直流電圧系統の電流経路を遮断するために、
図4に従って、
図3に示されるようなスイッチングモジュールの複数個が直列に接続されている。直列に接続された少なくとも2つのスイッチングモジュールを有するこの種のスイッチング装置1が、電源側および負荷側容量含む2つの直流系統を結合するために利用される。
【0034】
図4は、n個のスイッチングモジュール10-1,10-2,…,10-n(一般に:10-i、i=1~n)の直列接続の電気等価回路図を示す。各スイッチングモジュール10-iは、
図3に示したように構成されている。スイッチングモジュール10-iの直列接続は、第1のスイッチングモジュール10-1の第2のスイッチングモジュール端子部12-1が後続のスイッチングモジュール10-2の第1のスイッチングモジュール端子部11-2に接続され、以下同様に接続されるように行われる。第1のスイッチングモジュール10-1の第1のスイッチングモジュール端子部11-1は、
図5に示すように、電源側インダクタンス3を介して直流電圧源2に接続されている。直流電圧源2は、例えば太陽光発電システム、蓄電システム、バッテリ充電装置、風力エネルギーシステム、整流器等のエネルギー発生ユニットであってよい。最後のスイッチングモジュール10-nの第2のスイッチングモジュール端子部12-nは、
図5に示すように、負荷側インダクタンス6を介して負荷4に接続されている。負荷4は、例えば、直流電圧系統等の駆動装置であってよい。
【0035】
図5は、互いに直列に接続された2つのスイッチングモジュール10-1および10-2からなるスイッチング装置1の電気等価回路図を示し、これらのスイッチングモジュールは、それぞれ
図3に示したように構成されている。スイッチング装置1は、既述の電源側インダクタンス3を介して直流電圧源2に接続されている。直流電圧源2と電源側インダクタンス3とからなる直列回路には、電源側コンデンサ7が並列に接続されている。スイッチング素子1の出力側は、負荷側インダクタンス5を介して負荷4に接続されている。負荷4には、負荷側コンデンサ8が並列に接続されている。コンデンサ7,8は、例えば、電力変換装置の中間回路コンデンサである。 また、
図5では、容量性負荷9とスイッチ9Sとからなる直列回路が任意に設けられ、この直列回路は負荷側コンデンサ8と並列に配置されている。電源側インダクタンス3および負荷側インダクタンス5は、必ずしも直流電圧系統の物理的な構成要素である必要はない。電源側インダクタンス3および負荷側インダクタンス5は、配線インダクタンスであってもよい。
【0036】
コンデンサ7を有する直流系統を、コンデンサ8を有する直流系統に接続するための
図5に示すスイッチング装置の動作モードは、次のとおりである。
図5の左側の直流電圧系統のコンデンサ7が充電されており、
図5の右側の直流電圧回路網のコンデンサ8が放電されていると仮定する。両スイッチングモジュール10-1,10-2における制御可能な半導体スイッチング素子13-1,13-2はオフ状態にされている。制御可能な半導体スイッチング素子13-1,13-2が同時にオン状態に切り換えられた際におけるコンデンサ7,8間の大きい均衡化電流を回避するために、先ず、モジュール10-1,10-2のうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子のみがオン状態に切り換えられる。例えば、スイッチングモジュール10-1の制御可能な半導体スイッチング素子13-1がオン状態にされ、これに対して、スイッチングモジュール10-2の制御可能な半導体スイッチング素子13-2はオフ状態のままである。これによって、スイッチングモジュール10-2のコンデンサ15-2と同様に母線電圧の半分まで充電されていたスイッチングモジュール10-1のコンデンサ15-1は、スイッチングモジュール10-1の抵抗14-1を介して放電される。同時に、スイッチングモジュール10-2のコンデンサ15-2は、その直列に接続された抵抗14-2を介して全母線電圧に充電される。母線電圧は、左側の直流電圧系統において支配的な電圧である。従って、両コンデンサ15-1,15-2間において、抵抗14-2は、電流制限抵抗として働く。
【0037】
次に、スイッチングモジュール10-1の制御可能な半導体スイッチング素子13-1がオフ状態にされ、同時にまたはその短時間後に、スイッチングモジュール10-2の制御可能な半導体スイッチング素子13-2がオン状態にされる。その結果、スイッチングモジュール10-2のコンデンサ15-2は、抵抗14-2を介して放電される。同時に、コンデンサ15-1は抵抗14-1を介して充電されるので、コンデンサ7,8間において、今度はスイッチングモジュール10-1の抵抗14-1が電流制限抵抗として作用する。その間において、両方の半導体スイッチング素子を一時的に再びオフ状態にすることもできる。
【0038】
この動作は、電源側コンデンサ7の電圧と負荷側コンデンサ8の電圧とが一致するまで繰り返される。
【0039】
スイッチング周波数(即ち、スイッチングモジュール10-1の制御可能な半導体スイッチング素子13-1がオンにされ、スイッチングモジュール10-2の制御可能な半導体スイッチング素子13-2がオフにされる1つの状態と、スイッチング状態がその逆である別の状態との交替)と、両方の半導体スイッチング素子の一時的なオフ状態とを用いて、2つの直流電圧系統間を流れる平均電流を調整することができる。さらに、パルス幅比を変化させることによって、従ってスイッチングモジュール10-1,10-2のコンデンサ15-1および15-2を部分的にのみ放電させることによって、的確なやり方で電流を調整することもできる。異なるスイッチングシーケンスによるこの電流調整にもかかわらず、ピーク電流は、少なくとも、2つの母線の電圧差と2つの抵抗14-1および14-2の一方とによって決定される値に制限される。
【0040】
この回路が、
図5に示されるように、制御可能なスイッチ9Sによって切換可能な容量性負荷9も有する場合、引き起こされる充電電流によってスイッチ10において短絡が誤って検出されることがある。このような短絡検出は、通常、スイッチ要素10内に設けられた監視回路によって行われる。これは、スイッチ10の遮断動作をもたらし得る。このような動作は、スイッチ10の安全回路による遮断が直ちに行われずに、むしろチョッパモードにおいて先ず電流制限が行われるならば、回避することができる。本出願人の特許文献1に記載されている方法をここで使用することができる。これによって、負荷側母線部分に実際に短絡があるかどうかを検出するための時間、または容量性負荷9の接続により充電電流が一時的に増加しただけであるかどうかを検出するための時間が残される。そのために、一方では、スイッチ10内の電流経過を直接監視することができる。代替的にまたは追加的に、負荷経路6における電圧経過を監視することができる。容量性負荷9の投入時に、電圧は短時間しか陥没せず、一方、短絡は持続的な電圧低下をもたらす。
【0041】
制御可能な半導体スイッチング素子13-1,13-2の制御および必要に応じて存在するスイッチ9Sの制御は、既に述べた図示されていない制御ユニットにより行われる。
【0042】
上述の動作は、スイッチングモジュールの直列接続個数nに関係なく適切な方法で達成することができる。与えられた時点で、制御可能な半導体スイッチング素子13-iのどれがオフ状態に切り換えられて、他の制御可能な半導体スイッチング素子13-iのどれがオン状態に切り換えられるかは、既述の図示されていない制御ユニットの適切な制御により行うことができる。同様に、割り当てられた制御可能な半導体スイッチング素子のスイッチオンおよびスイッチオフの経時的な挙動は、それぞれの上限スイッチング閾値の適切な異なる選択によって、影響を及ぼされ得る。
【0043】
別の代替例では、それぞれのコンデンサ15-iに印加される電圧は、適切な測定手段(図示せず)によって監視することができる。この場合、最も高い電圧が印加されるコンデンサに割り当てられた制御可能な半導体スイッチング素子は、所定の下限閾値が到達されるまでオン状態にされる。異なる時点で常に異なるスイッチングモジュールが、もしくは当該スイッチングモジュールのコンデンサが、最も高い電圧を有するので、スイッチングモジュール10-iの制御可能な半導体スイッチング素子13-iは、多かれ少なかれランダムにオンおよびオフにされる。
【0044】
図6は、
図3に示したスイッチングモジュール10の変形例を示す。半導体スイッチング素子13に加えて、別の半導体スイッチング素子16が制御可能な半導体スイッチング素子13に逆直列に接続されている。制御可能な半導体スイッチング素子13および別の制御可能な半導体スイッチング素子16は、同じタイプ、例えばIGBTであってよい。 この双方向に動作可能なスイッチングモジュール10の挙動は、
図3のスイッチングモジュールの挙動に対応している。
図6に示されている双方向スイッチングモジュール10においては、電流の流れを両方向に向けることができる。この場合に、2つの制御可能な半導体スイッチング素子13,16のうちの一方が導通状態においてスイッチオンされ、他方がスイッチオフされる。電流の流れは、それぞれの逆並列ダイオード17もしくは18を介して保証される。
【0045】
記載された装置は、多数の用途に使用することができる。例えば、電流制御されるコンデンサ予備充電装置は、ここに記載されたスイッチング装置の助けを借りて、工業設備の電気開閉機器において、また、例えば船舶および/または航空機のような駆動装置において、電気式操縦の際に使用することができる。特に、高電力密度を有する複数の直流電圧系統を、簡単な方法で互いに結合することができる。この装置は、複雑性が僅かであり、少数の構成要素しか必要とせず、それによって軽量な装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 スイッチング装置
2 直流電圧源
3 電源側インダクタンス
4 負荷
5 負荷側インダクタンス
6 遮断すべき線路
7 電源側容量
8 負荷側容量
9 容量性負荷
9S スイッチ
10 スイッチングモジュール
10-1, …,10-n スイッチングモジュール
11 第1のスイッチングモジュール端子部
11-1, …,11-n 第1のスイッチングモジュール端子部
12 第2のスイッチングモジュール端子部
12-1, …,12-n 第1のスイッチングモジュール端子部
13 半導体スイッチング素子
13-1, …,13-n 半導体スイッチング素子
14 抵抗
14-1, …,14-n 抵抗
15 コンデンサ
15-1, …,15-n コンデンサ
I 電流
【手続補正書】
【提出日】2021-08-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流制御のためのスイッチング装置(1)を用いて、電源側および負荷側容量(7,8)を含む2つの直流系統を結合するための装置において、
前記スイッチング装置(1)が、直列に接続された2つのスイッチングモジュール(10-1,10-2)を含み、前記スイッチングモジュール(10-1,10-2)のそれぞれが、少なくとも1つの制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)を含み、前記制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)に、抵抗(14-1,14-2)およびコンデンサ(15-1,15-2)からなる直列回路が並列に接続されており、前記スイッチング装置(1)の制御ユニットが、次のステップa)~d)、即ち、
a)両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-1)をオン状態にし、同時に両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-2)をオフ状態にするステップと、
b)両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-2)をオン状態にし、同時に両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-1)をオフ状態にするステップと、
c)ステップa)およびb)を、電源側および負荷側容量(7,8)の電圧が互いに一致するまで繰り返すステップと、
d)2つのスイッチングモジュール(10-1,10-2)における制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)をオン状態にするステップと、
を実行するように、構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記制御ユニットが、ステップa)およびb)を時間的に相次いで実行するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記制御ユニットが、ステップa)および/またはb)を実行する時間によって、一方の直流系統から他方の直流系統への平均電流を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記制御ユニットが、ステップa)および/またはb)においてオン状態にされる制御可能な半導体スイッチングモジュールのパルス幅比によって、一方の直流系統から他方の直流系統への電流を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記2つの直流系統のうちの一方が、制御可能なスイッチによって切換可能な容量性負荷を含み、前記制御ユニットが、前記制御可能なスイッチから短絡を知らせる信号を受信したときに、前記電流制御するためのスイッチング装置(1)をチョッパモードで動作させるように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記制御ユニットが、前記2つの直流系統のうちの他方から、前記切換可能な容量性負荷を有する前記2つの直流系統のうちの一方に流れる電流経過を評価するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記
制御ユニットが、前記スイッチング装置(1)のチョッパ動作中に前記電圧経過を評価するように構成されていることを特徴とする請求項5または6記載の装置。
【請求項8】
電流制御のためのスイッチング装置(1)を用いて、電源側および負荷側容量(7,8)を含む2つの直流系統を結合するための方法において、
前記スイッチング装置(1)が、直列に接続された2つのスイッチングモジュール(10-1,10-2)を含み、前記スイッチングモジュール(10-1,10-2)のそれぞれが、少なくとも1つの制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)を含み、前記制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)に、抵抗(14-1,14-2)およびコンデンサ(15-1,15-2)からなる直列回路が並列に接続されており、前記スイッチング装置(1)の制御ユニットによって、次のステップが実行される、即ち、
a)両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-1)がオン状態にされ、同時に両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-2)がオフ状態にされ、
b)両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの他方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-2)がオン状態にされ、同時に両スイッチングモジュール(10-1,10-2)のうちの一方における制御可能な半導体スイッチング素子(13-1)がオフ状態にされ、
c)ステップa)およびb)が、電源側および
負荷側容量の電圧が互いに一致するまで繰り返され、
d)2つのスイッチングモジュール(10-1,10-2)の制御可能な半導体スイッチング素子(13-1,13-2)がオン状態にされる、
方法。
【請求項9】
前記制御ユニットが、ステップa)およびb)を時間的に相次いで実行することを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記制御ユニットが、一方の直流系統から他方の直流系統への平均電流を定められた値に調整するために、ステップa)および/またはb)を実行する時間を調整すること特徴とする請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
前記制御ユニットが、一方の直流系統から他方の直流系統への電流を調整するために、ステップa)および/またはb)においてオン状態にされる制御可能な半導体スイッチングモジュールのパルス幅比を調整することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記2つの直流系統のうちの一方が、制御可能なスイッチによって切換可能な容量性負荷を含み、前記制御ユニットが前記制御可能なスイッチから短絡を知らせる信号を受信したときに、前記電流制御のためのスイッチング装置(1)がチョッパモードで動作させられることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記制御ユニットが、前記2つの直流系統のうちの他方から、前記切換可能な容量性負荷を有する、前記2つの直流系統のうちの一方へ流れる電流経過を評価することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記制御ユニットが、前記スイッチング装置(1)のチョッパ動作中に電圧経過を評価することを特徴とする請求項12または13記載の方法。
【請求項15】
コンピュータユニットの内部メモリにロードすることができ、プログラムがコンピュータユニット上で実行されているときに、請求項8から14のいずれか1項に記載のステップを実行するコード部分を含むコンピュータ
プログラム。
【国際調査報告】