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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(54)【発明の名称】電子タバコ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20220127BHJP
   A24F 40/60 20200101ALI20220127BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20220127BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20220127BHJP
   A24F 40/485 20200101ALI20220127BHJP
   A24F 40/30 20200101ALI20220127BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20220127BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/60
A24F40/46
A24F40/10
A24F40/485
A24F40/30
A24F40/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521204
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2019085949
(87)【国際公開番号】W WO2020127482
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】18213931.1
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローレンソン, マシュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ビアード, ティモシー ジャイルズ
(72)【発明者】
【氏名】ライト, クリストファー
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC17
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD04
4B162AD06
4B162AD12
4B162AD20
4B162AD22
4B162AD28
4B162AD32
(57)【要約】
本発明は、電子タバコ(100)を提供する。電子タバコ(100)は、異なる液体を貯蔵するように構成された複数の液体リザーバー(122)であって、液体リザーバー(122)の各々が加熱器に流体的に結合される、液体リザーバー(122)と、どの加熱器を作動させるかと作動の持続時間とを規定する少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成されたメモリ(132)と、各加熱器を作動させる時間を調整するように構成されたタイマー(134)と、メモリ(132)上の少なくとも1つのプログラムに従って各加熱器の作動を選択的に制御するように構成された制御器(136)と、を備える。電子タバコ(100)は、蒸気吸入セッションの最中に蒸気組成が経時的に変化する蒸気を生成するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子タバコ(100)であって、
異なる液体を貯蔵するように構成された複数の液体リザーバー(122)と、
前記液体リザーバー(122)の各々が、少なくとも1つの加熱器(180)に流体的に結合される、前記少なくとも1つの加熱器(180)と、
少なくとも1つの液体リザーバー(122)から前記少なくとも1つの加熱器(180)への液体の送達を選択的に可能にするように構成された調整機構(160)と、
前記少なくとも1つの加熱器(180)への液体送達のためにどの液体リザーバーが有効にされるかと作動の持続時間とを規定する少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成されたメモリ(132)と、
前記メモリ(132)上の前記少なくとも1つのプログラムに従って各液体リザーバー(122)の有効化を選択的に制御するように構成された制御器(136)と、
各液体リザーバー(122)が有効にされる時間を調整するように構成されたタイマー(134)と
を備え、
これにより、前記電子タバコ(100)は、蒸気吸入セッションの最中に蒸気組成が経時的に変化する蒸気を生成するように構成される、
電子タバコ(100)。
【請求項2】
前記調整機構(160)は、少なくとも1つの弁を備える、請求項1に記載の電子タバコ(100)。
【請求項3】
前記調整機構は複数の加熱器(180)を備え、且つ前記液体リザーバー(122)の各々は、前記少なくとも1つ加熱器(180)に流体的に結合される、請求項1又は2に記載の電子タバコ(100)。
【請求項4】
各液体リザーバー(122)は、専用の加熱器(180)に結合される、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子タバコ。
【請求項5】
前記制御器(136)は、前記メモリ(132)上の前記少なくとも1つのプログラムに従って各加熱器(180)の作動を選択的に制御するように構成される、請求項3又は4に記載の電子タバコ(100)。
【請求項6】
前記タイマー(134)は、各加熱器(180)を作動させる時間を調整するように構成される、請求項3~5のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項7】
少なくとも2つの加熱器(180)は、別々の時間に作動させることができ、又は少なくとも2つの加熱器(180)は、同時に作動させることができる、請求項3~6のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項8】
前記液体リザーバー(122)は、異なるニコチン強度の液体を含み、且つ液体組成の変化は、ニコチン強度の変化を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項9】
前記液体リザーバー(122)は、異なる風味の液体を含み、且つ蒸気組成の変化は、風味の変化を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項10】
前記液体リザーバー(122)は、単一体のカートリッジアセンブリ(140)を形成する支持体上に設けられ、且つ前記少なくとも1つのプログラムは、前記カートリッジアセンブリ(140)におけるメモリに位置する、請求項1~9のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプログラムは、前記電子タバコの本体におけるメモリ(132)に位置する、請求項1~10のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプログラムは、異なる風味強度を達成するための異なる加熱プロファイルを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプログラムは、1組の異なる加熱プロファイルを含み、且つ各加熱プロファイルは、特定の組成物及び/又は風味に関連付けられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプログラムは、ユーザにより作成することができる、請求項1~13のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプログラムはセンサー入力に基づく、請求項1~14のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項16】
前記加熱器(180)は、毛細管(180a)を備えた針(124、180b)の形態である、請求項1~15のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項17】
前記加熱器(180)は、後退位置と延出位置との間で移動可能である、請求項1~16のいずれか一項に記載の電子タバコ(100)。
【請求項18】
電子タバコ(100)用のカートリッジアセンブリ(140)であって、
前記カートリッジアセンブリ(140)は、別々の区画として形成された複数の液体リザーバー(122)を有し、
カートリッジ(140)は、少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成されたメモリをさらに備え、
前記プログラムは、蒸気吸入セッションの最中に蒸気組成が経時的に変化する蒸気を前記電子タバコ(100)内の調整機構(160)が生成することを可能にする命令を含む、
電子タバコ(100)用のカートリッジアセンブリ(140)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タバコに関し、特に、エアロゾル発生液から蒸気を発生させる電子タバコに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ、すなわちeタバコという用語は、通常、従来のタバコでタバコを吸う感覚又は体験をシミュレートする手持ち式の電子デバイスに適用される。電子タバコは、エアロゾル発生液を気化点まで加熱して、ユーザが間もなく吸入する、一般的に蒸気と呼ばれる、エアロゾルを発生させることより動作する。
【0003】
よって、eタバコの使用は、「蒸気吸入」と称されることもある。電子タバコ内のエアロゾル発生液は、「eリキッド」と呼ばれることがあり、通常は、ニコチン、プロピレングリコール、グリセリン及び風味料を含む。
【0004】
ほとんどのeタバコは、単一のeリキッド風味を有するリザーバーを含む。このリザーバーは、1回又は複数回の蒸気吸入セッション用のeリキッドを含むカートリッジの形態で、使い捨て可能であってもよく、また、使い捨て部分に加熱要素を組み込んでいてもよい。代替的に、タンクは、ユーザにより補充可能であり、電子タバコの恒久的な部分として構成されてもよい。
【0005】
国際公開第2013/152873号パンフレットは、複数の液体リザーバーと、ユーザが所望の風味の混合を設定することを可能にする混合手段とを有する電子タバコを開示している。しかしながら、蒸気の風味を変更するために、ユーザは、手動で設定を変更する必要がある。ユーザがデバイスを校正して、ユーザ自身で風味の所望の設定を作成し、満足のいく結果を得ることは困難である可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記を考慮して、本発明の目的は、簡単且つ正確な風味混合能力を提供する電子タバコを提供することである。
【0007】
電子タバコには、従来のタバコと比較して喫煙行為に明確な始まりと終わりがないという欠点もある。従来のタバコの場合、始まりと終わりは、タバコの長さと喫煙中のタバコの視覚的変化とにより定義される。それゆえ、ユーザに明確な喫煙行為を提供することが可能な電子タバコを提供し、ユーザがデバイスを正しく動作させるのを補助する(例えば、喫煙後に電子タバコをいつオフにできるかユーザに通知する)ことが有利である。
【0008】
さらに、電子タバコは、概して、複数回使用の構成要素であって、したがって、ユーザがいつでも新たな風味の使い捨てパックを購入できる標準的な既製のタバコシガレットと比較して、通常はユーザをある種類の風味又は風味の組み合わせに制限する構成要素を備える。
【0009】
上記目的は、請求項1に記載の電子タバコと、請求項18に記載のカートリッジとにより達成される。
【0010】
第1の態様によれば、電子タバコであって、
異なる液体を貯蔵するように構成された複数の液体リザーバーと、
少なくとも1つの加熱器であって、液体リザーバーの各々が少なくとも1つの加熱器に流体的に結合される、少なくとも1つの加熱器と、
少なくとも1つの液体リザーバーから少なくとも1つの加熱器への液体の送達を選択的に可能にするように構成された調整機構と、
少なくとも1つの加熱器への液体送達のためにどの液体リザーバーが有効にされるかと作動の持続時間とを規定する少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成されたメモリと、
メモリ上の少なくとも1つのプログラムに従って各液体リザーバーの有効化を選択的に制御するように構成された制御器と、
各液体リザーバーが有効にされる時間を調整するように構成されたタイマーと
を備え、
これにより、電子タバコは、好ましくは蒸気吸入セッションの最中に、蒸気組成が経時的に変化する蒸気を生成するように構成される、
電子タバコが提供される。
【0011】
液体リザーバーは、液体リザーバーに補充して液体リザーバーを再使用できるように、電子タバコの一体部であってもよい。液体リザーバーはまた、電子タバコに挿入でき且つ少なくとも1つの液体リザーバー又は液体リザーバーの全てが空になったときに電子タバコから取り出すことができる、カートリッジなどの、消費財の一部であってもよい。液体リザーバーはまた、ユーザが、所望の種類及び組成の異なる液体リザーバーを電子タバコに挿入でき、これにより、新たな蒸気組成を可能にするように、電子タバコに個別に挿入可能であり且つ電子タバコから取り出し可能であってもよい。そのような個別に挿入可能且つ取り出し可能な液体リザーバーの各々はまた、カートリッジ自体として機能してもよく、且つ電子タバコは、複数のカートリッジを受け入れるように構成されてもよい。
【0012】
「カートリッジ」という用語は、本明細書では広義に使用され、消費財の外形を限定するものではなく、むしろ、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、電子タバコに挿入され得る、又は電子タバコに取り付け可能であり得る、及び取り外しが望まれるときに、特にカートリッジの液体リザーバーの1つ又は複数が空になったときに、電子タバコから取り外され得る消費財を表すように意図されている。本明細書では、多くの実施形態をカートリッジに関して説明する。しかしながら、他の任意の好適な種類の消費財がいずれの場合にもカートリッジの代わりに使用され得ることを理解すべきである。
【0013】
蒸気組成の変化は、変化する液体組成を有する液体を気化させた結果であってもよく、且つ/又は同時に気化される異なる液体により変化する蒸気混合物が生成された結果であってもよい。
【0014】
タイマーは、秒単位(若しくはミリ秒単位など)及び/又は吸煙数で時間量を測定するように構成されてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、電子タバコ用のカートリッジであって、カートリッジは、別々の区画として形成された複数の液体リザーバーを有し、カートリッジは、少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成されたメモリをさらに備え、プログラムは、好ましくは蒸気吸入セッションの最中に、蒸気組成が経時的に変化する蒸気を電子タバコ内の調整機構が生成することを可能にする命令を含む、電子タバコ用のカートリッジが提供される。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、電子タバコであって、各々が少なくとも1つの液体リザーバーを有する、複数のカートリッジと、
複数のカートリッジに取り外し可能に接続可能であるように構成されるカートリッジ着座部を有する本体であって、
細長い形状を有するとともに、電源と、少なくとも1つの液体リザーバーから電子タバコの少なくとも1つの加熱器への液体の送達を選択的に可能にするように構成された調整機構とを備える本体と
を備え、
カートリッジ着座部は管状受入空洞を備え、且つ
複数のカートリッジは、組み合わせた複数のカートリッジの軸方向断面が管状受入空洞の軸方向断面と一致するように成形される、
電子タバコが提供される。
【0017】
本発明の第4の態様によれば、電子タバコ用の消費財であって、消費財が加熱器と液体リザーバーとを備え、ハウジングが、円の一部、好ましくは半円の形状の軸方向断面を有する、消費財が提供される。
【0018】
さらなる有利な変形例及び修正形態については、図との組み合わせでの説明に加えて、従属クレームに関して以下で説明する。
【0019】
いくつかの有利な実施形態では、調整機構は少なくとも1つの弁を備える。このように、液体の移送をより厳密に制御することができる。
【0020】
いくつかの有利な実施形態では、弁は、複数の液体リザーバーからの液体供給を可能にし且つ修正するように構成された弁本体をさらに備える。これにより、液体をより柔軟に組み合わせて、異なる風味の組み合わせを達成することが可能となる。
【0021】
いくつかの有利な実施形態では、弁は、液体リザーバーからの出口に(又は出口に対して)選択的に整合され且つ選択的に整合解除されるように構成された複数の流路を有する回転体である。
【0022】
いくつかの有利な実施形態では、調整機構は複数の弁を備える。それらの実施形態のいくつかでは、各弁は、各液体リザーバーからの液体の流れを調整するように構成される。
【0023】
いくつかの有利な実施形態では、調整機構は複数の加熱器を備え、且つ液体リザーバーの各々は、少なくとも1つの加熱器に流体的に結合される。このように、各加熱器は、例えば、異なる蒸気吸入温度などを考慮に入れて、特定の液体を加熱して気化させるように、特別に適合されるか又は制御されてもよい。
【0024】
いくつかの有利な実施形態では、各液体リザーバーは、専用の加熱器に接続される。換言すれば、電子タバコは、液体リザーバーを備える数と同数の加熱器を備えてもよい。これにより、各液体リザーバーからの各液体を個別の最適な蒸気吸入温度に個別に加熱すること及び/又は各液体リザーバーからの液体を個別に加熱する(又は加熱しない)ことが可能となる。液体リザーバーが、電子タバコの外部にある、すなわち消費財上に配置される場合、電子タバコは、好ましくは、エアロゾル発生液を液体リザーバーから加熱器に誘導するように構成される流体移送要素を備える数と同数の加熱器を備え、各流体移送要素は、それぞれの専用の加熱器に流体的に接続されてもよく、その逆も然りである。
【0025】
いくつかの有利な実施形態では、制御器は、メモリ上の少なくとも1つのプログラムに従って各加熱器の作動を選択的に制御するように構成される。
【0026】
いくつかの有利な実施形態では、タイマーは、各加熱器を作動させる時間を調整するように構成される。
【0027】
いくつかの有利な実施形態では、少なくとも2つの加熱器は、別々の時間に作動させることができる。これにより、例えば、まず第1の加熱器を作動させ、次いで、時間的にずらして、第2の加熱器を作動させることにより、経時的に変化する蒸気組成をより厳密に生成することが可能となる。特に、それにより、際立った変わり目又はコントラストなしに、ある風味から別の風味に徐々に変わるように風味をブレンドすることが可能となる。
【0028】
いくつかの有利な実施形態では、少なくとも2つの加熱器は、同時に作動させることができる。これにより、少なくとも2つの異なる液体リザーバーからの少なくとも2つの異なる液体から同時に複合蒸気組成物を生成することが可能となる。
【0029】
いくつかの有利な実施形態では、液体リザーバーの少なくとも2つは、ニコチンなどの活性成分を含む。いくつかの有利な実施形態では、液体リザーバーは、異なる強度又は濃度の活性成分の、例えば異なるニコチン強度の、液体を含む。いくつかの有利な実施形態では、液体リザーバーの少なくとも2つは、それぞれの強度又は濃度を有する同じ活性成分、例えばニコチン以外の、同一の組成を有する液体を含む。好ましくは、蒸気組成の経時変化は、活性成分の強度又は濃度の変化、例えばニコチン強度の変化を含むか、又はその変化からなる。このように、電子タバコは、所定の投薬計画に従って、薬物又は薬物の活性成分を厳密に投薬するために使用されてもよい。
【0030】
いくつかの有利な実施形態では、液体リザーバーは、少なくとも2つの異なる風味の液体を含む。好ましくは、(例えば、メモリに記憶された少なくとも1つのプログラムに従う)蒸気組成の変化は、風味の変化を含むか、又はその変化からなる。
【0031】
いくつかの有利な実施形態では、少なくとも1つの液体リザーバーは、風味を有しないか又は無風味である(すなわち風味のない)液体を含む。そのような無風味の液体は、薄めなければ強すぎる風味を薄めるために、又は電子タバコにより提供できる任意の考えられる風味組成物に添加可能である例えば薬物の活性成分を効率的に担持するために使用されてもよい。
【0032】
いくつかの有利な実施形態では、プログラムは、活性成分の異なる風味強度及び/又は異なる濃度強度を達成するための異なる加熱プロファイルを含む。
【0033】
いくつかの有利な実施形態では、液体リザーバーは、単一体のカートリッジを形成する支持体上に設けられ、且つ少なくとも1つのプログラムは、カートリッジにおけるメモリに位置する。
【0034】
いくつかの有利な実施形態では、少なくとも1つのプログラムは、電子タバコの本体におけるメモリに位置する。
【0035】
いくつかの有利な実施形態では、少なくとも1つのプログラムは、異なる風味強度を達成するための異なる加熱プロファイルを含む。そのような加熱プロファイルは、特定の持続時間にわたって且つ特定の加熱温度で作動させるべき加熱器の順序を含んでもよい。
【0036】
いくつかの有利な実施形態では、少なくとも1つのプログラムは、1組の異なる加熱プロファイルを含み、且つ各加熱プロファイルは、特定の組成物及び/又は風味に関連付けられてもよい。
【0037】
いくつかの有利な実施形態では、プログラムは、例えば、電子タバコのユーザインターフェースを使用して、又は無線若しくは有線インターフェースを介して電子タバコに接続可能なモバイルデバイス上で動作するアプリを使用して、ユーザにより作成及び/又は適用することができる。
【0038】
いくつかの有利な実施形態では、(例えば、少なくとも1つのプログラムの)風味の組み合わせ及びタイミングは、ユーザにより設定することができる。
【0039】
いくつかの有利な実施形態では、少なくとも1つのプログラムは、センサー入力に、例えば、食品分子センサーなどの粒子センサーの入力に基づく。このように、蒸気組成物は、例えば、ユーザの以前の消費量及び/又はユーザの口内の化学的バランス(例えば酸性/塩基性)に基づいて自動的に設定することができる。例えば、蒸気のいくつかの成分は、ある分子又はある化学的バランスとの組み合わせで、特に美味しい味若しくは特にまずい味がすることがあるか、又は吐き気若しくは他の望ましくない作用を誘発することさえある。このような場合、センサー入力は、蒸気組成を自動的に調節してそのような作用を少なくとも相殺するために使用されてもよい。
【0040】
センサーはまた、ユーザの概日リズムを検出するように構成されたセンサーであってもよく、且つ制御器は、検出された概日リズムに基づいて、好ましくは現在の時間及び/又は現在の日付にさらに基づいて、プログラムを適用及び/又は選択するように構成されてもよい。
【0041】
いくつかの有利な実施形態では、プログラムは、1組の異なる加熱プロファイルを含む。各加熱プロファイルは、特定の組成物及び/又は風味に関連付けられてもよい。前述したように、特定の蒸気組成物は、活性成分の味及び/又は送達を最適化するために特定の加熱プロファイルを必要とする場合がある。
【0042】
いくつかの有利な実施形態では、加熱器は、毛細管を有する針を備えるか、又は毛細管を有する針の形態である。針は、毛管効果により流体移送部材として機能するように構成されてもよい。
【0043】
いくつかの有利な実施形態では、加熱器は(共に若しくは各々個別に、又は加熱器群が個別に)、後退位置と延出位置との間で移動可能である。これは、内部に貯蔵されたエアロゾル発生液にアクセスするために加熱器を消費財上のシール又はパッケージを穿刺する延出位置まで移動させ得るので、加熱器が針などの穿刺部材として形成されるか、又は穿刺部材を含むように形成される場合に特に有利である。
【0044】
本発明の第2の態様によるカートリッジのいくつかの有利な実施形態では、カートリッジは、各々が専用の液体リザーバーに接続された複数の加熱器をさらに備える。
【0045】
本発明の第3の態様による電子タバコのいくつかの有利な実施形態では、組み合わせた複数のカートリッジの軸方向断面は、管状受入空洞の軸方向断面に実質的又は厳密に等しい。
【0046】
いくつかの有利な実施形態では、カートリッジ着座部は、アトマイザーアセンブリに接続するように構成された複数の電気コネクタを備える。
【0047】
いくつかの有利な実施形態では、カートリッジは、加熱器と流体移送要素とを備える一体型アトマイザーを備え、且つカートリッジ着座部は、各カートリッジに接続するように構成された複数の電気接続部を備える。
【0048】
いくつかの有利な実施形態では、電気接続部は、弾性接点として構成される。
【0049】
いくつかの有利な実施形態では、アトマイザーアセンブリは、複数の穿刺部材を備える。
【0050】
いくつかの有利な実施形態では、カートリッジ着座部は、流体移送要素として構成された穿刺部材をさらに備える。好ましくは、流体移送要素は、多孔質部材である。
【0051】
いくつかの有利な実施形態では、カートリッジ着座部は、カートリッジがカートリッジ着座部内のコネクタと整合されるようにカートリッジを角度位置に位置決めするように構成された案内要素を備える。
【0052】
いくつかの有利な実施形態では、細長い本体は、エアロゾルを発生させるために各液体リザーバーから使用される液体の量をユーザが制御することを可能にするように構成されたユーザ制御部をさらに備える。
【0053】
いくつかの有利な実施形態では、ユーザ制御部は、スクロールホイール、1組の2つのボタン、ロッカーボタン、及び回転ダイヤルを含む群から選択される。
【0054】
いくつかの有利な実施形態では、ユーザ制御部は、電子タバコのマウスピース又はマウスピースコネクタとは反対側の細長い本体の遠位端部に位置する回転ダイヤルである。
【0055】
いくつかの有利な実施形態では、電子タバコは表示部をさらに備え、表示部は、蒸気中の風味の割合を表示するように構成される。
【0056】
いくつかの有利な実施形態では、表示部は、異なる色により又は異なる色強度により風味又はニコチン強度を表すように構成された照明源(例えば、RGB LED)である。
【0057】
いくつかの有利な実施形態では、表示部は、カートリッジ着座部の遠位側にある、本体の端部分に位置し、且つ回転ダイヤルは、遠位端部の端部分の周囲に配置される。
【0058】
いくつかの有利な実施形態では、液体リザーバーの少なくとも1つは、風味剤を含む。
【0059】
いくつかの有利な実施形態では、少なくとも2つの液体リザーバーは、異なるニコチン強度のエアロゾル生成組成物を含む。
【0060】
いくつかの有利な実施形態では、液体リザーバーの1つは、ニコチンを含まないエアロゾル生成組成物を含む。
【0061】
いくつかの有利な実施形態では、電子タバコは、液体リザーバーを取り囲んで液体リザーバーを一緒に保持するように構成されたスリーブをさらに備える。
【0062】
いくつかの有利な実施形態では、スリーブは、マウスピース部分又はマウスピースコネクタをさらに備える。
【0063】
第2の態様又は第4の態様による消費財のいくつかの有利な実施形態では、液体リザーバーは、気化室と、気化室からの蒸気出口流路の第1の部分と、溝とを備え、少なくとも2つの液体リザーバーの溝は、蒸気出口流路を形成する。
【0064】
いくつかの有利な実施形態では、消費財は連結コネクタを備える。
【0065】
いくつかの有利な実施形態では、消費財は、蒸気流路内に乱流を発生させるように構成された、空気流ダイバーターを備える。
【0066】
本発明はまた、電子タバコ用のカートリッジアセンブリであって、カートリッジアセンブリは、別々の区画として形成された複数の液体リザーバーを有し、カートリッジは、少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成されたメモリをさらに備え、プログラムは、好ましくは蒸気吸入セッションの最中に、蒸気組成が経時的に変化する蒸気を電子タバコ内の調整機構が生成することを可能にする命令を含む、電子タバコ用のカートリッジアセンブリを提供する。
【0067】
本発明及びその利点のより完全な理解のために、類似の参照符号が類似の部分を指す、添付図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態について以下の説明でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1a】本発明の実施形態による、電子タバコ、消費財、及び喫煙システムの概略図を示す。
図1b図1aの電子タバコの概略断面図を示す。
図2a】本発明の別の実施形態による電子タバコの一部の概略図を示す。
図2b】本発明のなお別の実施形態による電子タバコの一部の概略図を示す。
図3】本発明のさらに別の実施形態による電子タバコの一部の概略分解図を示す。
図4a】本発明の実施形態によるカートリッジの概略図を示す。
図4b】本発明の実施形態によるカートリッジの概略図を示す。
図4c】本発明の実施形態によるカートリッジの概略図を示す。
図4d】本発明の実施形態によるカートリッジの概略図を示す。
図5】本発明の実施形態によるカートリッジの概略分解図を示す。
図6】本発明のいくつかの実施形態において使用される加熱器の概略図を示す。
図7】本発明の実施形態によるカートリッジの概略断面図を示す。
図8】本発明の実施形態による電子タバコの概略図を示す。
図9】本発明の実施形態による電子タバコの概略図を示す。
図10】本発明の実施形態による電子タバコの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の特定の実施形態を図示しており、本説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。本発明の他の実施形態及び本発明に付随する利点の多くは、以下の詳細な説明を参照してより良く理解されるようになると、容易に分かるであろう。
【0070】
実施形態のより抽象的な見方を容易にするために、商業的に実現可能な実施形態において有用又は必要であり得る一般的な及び/又は十分に理解された要素は、必ずしも描かれていないことが分かるであろう。図面の要素は、必ずしも互いに対して一定の縮尺で図示されているわけではない。本明細書で使用される用語及び表現は、本明細書に具体的な意味が別途明記されていない限り、対応するそれぞれの調査及び研究の分野に関するそのような用語及び表現に一致するような通常の意味を有することが理解されるであろう。
【0071】
図面の図1a及び図1bを参照すると、電子タバコ100が図示されている。
【0072】
電子タバコ100は、本体110と、マウスピース部分111とを備える。マウスピース部分11は、マウスピース自体を形成してもよく、又はマウスピース(「マウスピースコネクタ」)に接続するためのコネクタ構造を備えてもよい。電子タバコ100により発生させたエアロゾル又は蒸気は、マウスピース部分111を通して吸入することができる。
【0073】
エアロゾルは、以下に説明するように、少なくとも1つのエアロゾル発生液を加熱することにより発生させる。加熱のための電気エネルギーは、電子タバコ100の電源112、例えばバッテリー、好ましくは充電式バッテリーにより提供される。図1bに図示するように、電子タバコ100は、複数の液体リザーバー122と、調整機構160と、少なくとも1つの加熱器180(図1bには図示せず)と、制御器136と、タイマー134とを備える。
【0074】
液体リザーバー122は、異なる液体を貯蔵するように構成される。液体は、異なるニコチン強度、酸味又はその他などの、異なる風味又は異なる活性成分を含んでもよい。よって、エアロゾル発生液は、風味が異なってもよく(例えば、1つのエアロゾル発生液は風味がないか又は無風味であってもよく、他のエアロゾル発生液はメントールの芳香を含んでもよく)、物理的特性(例えば気化温度)が異なってもよく、及び/又は活性成分の強度若しくは濃度が異なってもよい。液体リザーバー122は、交換可能な/使い捨てカートリッジ122として構成されてもよい。電子タバコ100はまた、カートリッジ122が電子タバコ100に挿入されたときに提供される液体リザーバー122に加えて、少なくとも1つの一体型液体リザーバーを有してもよい。
【0075】
例えば、一体型液体リザーバーは、活性成分(例えば、ニコチン)を含む風味のないエアロゾル発生液を含んでもよく、それに対して、液体リザーバー122は、活性成分をほとんど又は全く含まないエアロゾル発生液を含んでもよい。このように、例えば、ある量の活性成分を定期的又は常に吸入しようとするユーザは、活性成分を提供するように電子タバコ100内の一体型液体リザーバーを満たしてもよく、次いで、活性成分を含む気化した液体と共に発生させるように蒸気中に混合される所望の様々な風味を含む液体リザーバー122のアセンブリをカートリッジ140内に配置してもよい。
【0076】
図3に図示するように、電子タバコ100は、複数の液体リザーバー122、例えば、図示のように3つの液体リザーバー122、を備えるか、又はそれらからなるカートリッジアセンブリ140を受け入れるように構成された単一のカートリッジ着座部145を備えてもよい。カートリッジ着座部145は、電子タバコ100の本体(例えば、バッテリー部分)の遠位端部に位置してもよく、且つ中空管として構成されてもよい。
【0077】
一実施形態では、カートリッジアセンブリ140は、図4a~図4dに示すように構成されてもよい。したがって、カートリッジアセンブリ140は、ハウジング143と、液体リザーバー122とを備えてもよく、且つ流体移送要素120を含んでもよい。液体リザーバー122は、各々が単一の液体リザーバー122を収容する、別個のカートリッジ140aとして設けることができる。カートリッジの軸方向断面は、好ましくは、複数の(少なくとも2つの)カートリッジ122の軸方向断面がカートリッジ着座部145の軸方向断面と一致するように、カートリッジ着座部145に対して成形される。
【0078】
カートリッジアセンブリ140は、少なくとも2つのカートリッジ140が一緒に取り付けられたときにカートリッジ着座部145内の空間を占有するように構成される。それゆえ、カートリッジ140のハウジング143は、円の一部、好ましくは半円又は四分円の形状の軸方向断面を有してもよい。2つの四分円を組み合わせて、二重のカートリッジアセンブリ140を単一のユニットとして形成することも可能である。
【0079】
図5は、例示的な実施形態によるカートリッジ140を分解視して示す概略詳細図である。
【0080】
図5に図示するように、カートリッジ140は、(例えば、球体の形態の)弁閉鎖部材152と、弁座153とを備える弁150を備えてもよい。弁閉鎖部材152は、弁座153により付勢されて、液体リザーバー122からの液体供給が閉止されるように流路151を遮断する。カートリッジ着座部145には、流体移送要素120が設けられる。流体移送要素120は、流路の外周により画定された弁座に接触するように構成される。別の実施形態では、加熱器180は、液体リザーバーから液体を受け取って液体を気化させ蒸気にするように構成された毛細管とすることができる。
【0081】
図2a、図2b及び図6に図示する代替的な実施形態に見られるように、液体リザーバー122と加熱器180との流体連通は、毛細管の形態の加熱器180の一部分との直接接触により確立することができる。
【0082】
よって、図6に図示するように、加熱器180は、毛細管180aの形状を有することができ、吸収部分180bと加熱部分180cとを備えた細長い形状を備えてもよい。したがって、吸収部分180bは、液体リザーバー122から加熱部分180cに流体を移送するための流体移送要素120としての役割を果たしてもよい。電子タバコ100の使用中の吸収部分180bの温度は、好ましくは、使用中の加熱部分180cの温度よりも低い。それゆえ、液体は、毛管作用により液体リザーバー122から加熱器180に運ぶことができる。
【0083】
さらに別の実施形態では、図7に図示するように、カートリッジ140は、複数の液体リザーバー122を備えることができる。よって、液体リザーバー122の軸方向断面は、液体リザーバー122の形状が組み立てられてカートリッジ着座部145の形状と一致するように成形することができる。この文脈における「一致する」とは、互いに並んで配置された軸方向断面がカートリッジ着座部145の軸方向断面を実質的に満たすことを意味するように理解され得る。
【0084】
例えば、液体リザーバー122の断面は、半円として、四分円などとして成形されてもよい。好ましくは、加熱器180には、カートリッジ着座部145がいつでも収容するように構成される最大数のカートリッジ140と同数の多くの毛細管180a(並びに対応する吸収部分180b及び加熱部分180c)が設けられる。代替的に、最大数のカートリッジ140の各々に対して1つの加熱器180が設けられてもよい。
【0085】
図6には、各々が対応する吸収部分180bと加熱部分180cと備えた、4つの毛細管180aを備える、一実施形態による加熱器180が示されている。有利には、個別の加熱部分180cは、対応する吸収部分180bにより吸収された液体を加熱するように個別に制御可能である。このように、異なる液体リザーバー122からの液体は、異なる時間に且つ/又は異なる温度に加熱されてもよい。
【0086】
その加熱器180は、有利には、最大で4つの異なるカートリッジ140を同時に収容する(その時点で、各吸収部分180bがそれぞれ4つの異なるカートリッジ140の1つに流体接触する)ように構成されるカートリッジ着座部145と共に使用されるように構成される。
【0087】
同じカートリッジ着座部145が、例えば、3つの異なるカートリッジ140を含む場合に、加熱器180の同じ構成が等しく好適であり、1つのカートリッジ140が、図4a~図4c及び図5に示すように半円断面を有し、2つカートリッジが四分円断面を各々有することが理解されるであろう。当然ながら、カートリッジ着座部145が2つのカートリッジ140のみを含む(例えば、両方とも半円断面を有するように成形されるか、若しくは一方が四分円断面を有し、もう一方が三分円断面を有する)場合、又はカートリッジ着座部145が、完全な円の形態の断面を有する1つのカートリッジ140のみを含む場合にも同じことが当てはまる。
【0088】
加熱器180がまた、対応する数の吸収部分180b及び加熱部分180cを備えた異なる数の毛細管180a、例えば、2つ、3つ、5つ、6つ又はそれ以上の毛細管180aを有するように構成され得ることも理解されるであろう。
【0089】
別の例示的な実施形態では、カートリッジは、図5の実施形態と同様に構成することができるが、カートリッジは、弁150の代わりに、カートリッジの液体リザーバー122を封止する穿刺可能な膜又は隔壁を備えることができる。それゆえ、このようなカートリッジは、カートリッジ着座部145内で穿刺部材の形態の流体移送要素に接続されるように構成される。膜は、好ましくは、カートリッジ140を穿刺部材から後退させたときに膜が再封止できるように高い弾性を有する。
【0090】
図5に見られるように、カートリッジ140には、接続部分154と蒸気出口部分155とがさらに設けられる。接続部分154は、本体110と接続するように構成される。蒸気溝147は、接続部分と蒸気出口部分とから延びる。各カートリッジ140の蒸気溝147は、少なくとも2つのカートリッジ140がカートリッジ着座部145内に位置するときに、閉じた蒸気流路を形成する。すなわち、複数のカートリッジ140の蒸気溝147は一緒になって、閉じた蒸気流路を形成してもよい。したがって、蒸気流路は、加熱器180に近接して位置する気化室146からの蒸気の流れを可能にするように構成される。気化室146は、一部がカートリッジ140内に位置し、且つ一部がカートリッジ着座部145内に位置するか、又は完全にカートリッジ140内に位置するか、又は完全に本体110のカートリッジ着座部145内に位置してもよい。
【0091】
カートリッジ140は、カトマイザーとして設けられ、したがって、一体型加熱器180を備えることができる。そのような実施形態では、液体を液体リザーバー122から加熱器に移送するための、吸収材などの、流体移送要素120もカートリッジ140に一体化される。カートリッジの接続部分154に電気接点を設けることができる。この趣旨で、カートリッジ着座部145は、各カートリッジ加熱器に個別に電力を供給するように構成された複数の電気接点対を備えてもよい。カートリッジ140の底面(すなわち、遠位端部又は近位端部表面)に位置する第1の接点と、カートリッジ140の周囲に設けられた第2の電気接点とを有する、電気接点対が設けられてもよい。
【0092】
カートリッジ着座部145内の電気接点は、カトマイザーカートリッジの第1の電力端子に接続するように構成された弾性接点として設けることができる。弾性接点は、カートリッジをカートリッジ着座部145における可変の挿入深さにわたって接続できるように、カートリッジと端子との間に良好な接触を確立する。
【0093】
加熱器180は、カートリッジに一体化させることができる。このようなカートリッジは、「カトマイザー」と呼ばれることがある。代替的に、図6に図示するのと同様に、加熱器180は、複数の加熱器(例えば、加熱部分180c)と対応する流体移送要素(例えば、吸収部分180b)とを含む別個のアトマイザー部分として形成することができる。各流体移送要素は、カートリッジ内の1つの液体リザーバーと1つの対応する加熱器との流体接続を確立するように構成される。
【0094】
流体移送要素120は、カートリッジ着座部に配置された穿刺部材であって、液体リザーバー122と加熱器180との流体接続が確立されるようにカートリッジ140内に入り込むように構成された穿刺部材とすることができる。
【0095】
異なる加熱器からの蒸気の混合をさらに高めるために、蒸気溝147(及びさらに、結果として、多数の蒸気溝147により形成された蒸気流路)は、蒸気流路内に乱流を生み出すように構成された空気流ダイバーター148を備えてもよい。図4cに見られるように、空気流ダイバーター148は、蒸気溝147に対して横方向に延びる突起148とすることができる。突起148は、半球形状を備えることができる。異なる液体を有するカートリッジ140には、乱流をさらに高めるためにカートリッジの異なる軸方向長さに突起148が設けられてもよい。
【0096】
カートリッジ140とカートリッジ着座部145の内壁には、カートリッジ140をカートリッジ着座部145内に正確に位置決めするための協働案内部149a、149bが設けられてもよい。案内部は、カートリッジ140上のキー溝149a及びカートリッジ着座部145の、例えばその内面における、レール部材149b及び/又はマウスピース部分111のレール部材149cとして設けることができる。協働案内部は、カートリッジ着座部145へのカートリッジ140の挿入方向に延びる。これにより、カートリッジ140の電気接点をカートリッジ着座部145内の電気接点と整合させることが可能となる。
【0097】
カートリッジ140はまた、図7に図示するように、連結コネクタ150a、150bを備えてもよく、その結果、液体リザーバーは、均一なマウスピース部分111を形成するか又は均一なマウスピース部分111に接続することができる。連結コネクタは、キー溝150aとレール部材150bとを備えてもよい。連結コネクタは、構成されたカートリッジに安定性を与える。追加的に、連結コネクタにより、カートリッジをマウスピースとして直接使用することが可能となる。
【0098】
追加的又は代替的に、図3に見られるように、電子タバコ100は、カートリッジ140の周囲にスリーブとして形成されたマウスピース部分111をさらに備えてもよい。スリーブは、カートリッジ140を取り囲んでカートリッジ140を一緒に保持するように構成される。この目的で、スリーブは、例えばねじ山により、カートリッジ着座部145に挿入可能であるか、又は接続可能であってもよい。
【0099】
以下の図8a、図8b、図9、及び図10に図示するように、電子タバコ100は、電子タバコ100のユーザが液体の混合を制御することを可能にするように構成されたユーザ制御部170をさらに備えてもよい。液体は、既に説明したように、異なる風味又はニコチンなどの成分の異なる濃度を含んでもよい。例えば、制御部は、各液体リザーバー122から使用される液体の量を制御してエアロゾルを発生させることを可能にしてもよい。図8a、図8b、図9、及び図10には、2つの異なる液体リザーバー122を備えた単一のカートリッジ140を受け入れるように構成されること、各々が異なる液体を含み得る、2つの別個のカートリッジ140を受け入れるように構成されること、及び/又はその他により、電子タバコ100が2つの異なる液体を含む実施形態が示されている。
【0100】
図9a及び9bに見られるように、ユーザ制御部170は、ロッカーボタン171の形態又は、図8に示すように、2つの別個のボタン172、173からなるか、若しくはそれらを備える組の形態とすることができる。電子タバコ100は、ロッカーボタン171の揺動端部の一方又は2つの別個のボタン172、173の一方を操作することにより、2つの異なる液体の対応する一方の量及び/又はパーセンタイルが、ユーザにより吸入される発生させた蒸気の混合物中で増加し、それに対して、他方の揺動端部又は2つの別個のボタン172、173の他方のボタンをそれぞれ操作することにより、2つの異なる液体の他方の液体の量及び/又はパーセンタイルが混合物中で増加するように構成されてもよい。
【0101】
1組のボタン172、173は、4つ以上のボタン、又は3つ以上の揺動端部を備えたロッカーボタン171を有することができ、いずれの場合にも、ボタン/揺動端部の数が、好ましくは、電子タバコ100に挿入可能である異なる液体及び/又は異なるカートリッジの最大数と一致することが理解されるべきである。そのように、ユーザが好む混合を直接設定することができる。
【0102】
電子タバコ100は、表示部175、すなわち、蒸気中の風味(すなわち、結果として得られる気化される液体中の液体の風味)の割合を表示する(又は表す)ように構成された、視覚インジケータをさらに備えてもよい。表示部175は、選択された液体の相対的割合を示す照明バーとして形成することができる。
【0103】
代替的に、図10に示すように、ユーザ制御部170は、回転ダイヤル174を備えるか、又は回転ダイヤル174の形態とすることができる。回転ダイヤル174は、マウスピース部分111とは反対側の電子タバコ100の遠位端部に位置決めすることができる。回転ダイヤル174が使用される場合、表示部175は、回転ダイヤル174の中心に位置することができる。例えば、図9に示すように、表示部175は、環状に、好ましくは回転ダイヤル174と同心に配置された多数の照明要素(バー、ドット、スタートなど)を備えてもよい。これにより、コンパクトなユーザ制御部170及び表示部175が作製され、蒸気吸入中にユーザ制御部170による誤った修正が起こらないように、通常ユーザが指を当てる領域の外に位置決めされる。
【0104】
しかしながら、より単純な実施形態では、表示部は、異なる色及び/又は色強度により蒸気の風味、風味混合比又はニコチン強度を表すように構成された照明源(例えばRGB LED)とすることができる。任意選択的に、複数の照明源を使用することができる。
【0105】
電子タバコ100は、少なくとも1つの液体リザーバー122から少なくとも1つの加熱器180への液体の送達を選択的に可能にするように構成された調整機構160をさらに含む。よって、調整機構は、異なる液体リザーバー122からの液体送達を開閉するように構成される。
【0106】
調整機構は弁を備えてもよい。弁は、複数の液体リザーバーからの液体供給を可能にし且つ修正するように構成された弁本体を備えてもよい。弁本体は、液体リザーバーからの出口に対して整合され且つ整合解除されるように構成された複数の流路を有することができ、各弁は、各液体出口からの液体の流れを調整するように構成される。例えば、弁本体は、回転可能とすることができる。調整機構は、少なくとも1つの弁と制御器とに接続される、アクチュエーターをさらに備える。
【0107】
代替的に、調整機構160は、複数の弁を備えてもよい。各弁は、唯一の液体リザーバー又は多数のリザーバーに関連付けられてもよい。
【0108】
図2b及び図6に図示する別の実施形態では、調整機構160は、複数の加熱器を備えてもよい。加熱器は、例えば、オーム加熱要素として、例えば、電熱線として実現されてもよい。複数の加熱器の個別の加熱器は、加熱器として多数の個別に制御可能なセグメントに分割される単一の加熱器構造の一部であってもよい。
【0109】
各加熱器180は、エアロゾル発生液を液体リザーバー122から流体移送要素120に接続された加熱器180に誘導するように構成された少なくとも1つの流体移送要素120に接続される。流体移送要素120は、例えば毛管作用によりエアロゾル発生液を送達する芯又は針を備えてもよい。加熱器180は、流体移送要素120と一体に形成されてもよく、すなわち、加熱器180は、流体移送要素120としても機能するように形成されてもよい。
【0110】
液体リザーバー122は、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの、好ましくはより多くの、エアロゾル発生液で満たされる、好ましくはエアロゾル発生液を補充可能である、電子タバコ100のハウジング110内の区画であってもよい。
【0111】
電子タバコ100は、制御回路130をさらに備える。制御回路130は、作動の持続時間にわたる液体送達のために液体リザーバー122が有効にされる順序を規定する少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成されたメモリ132を備える。それゆえ、複数の専用の加熱器180が使用される実施形態では、制御回路130は、加熱器作動時間、すなわち、どの加熱器をいつ作動させるか及び作動の持続時間を制御することができる。調整機構において弁が使用される場合、制御回路130は、選択された液体リザーバー122からの液体送達を可能にして所望の蒸気組成を達成するように弁を位置決めするために前記弁のアクチュエーターを制御することができる。
【0112】
メモリ132は、電子タバコ100の本体に固定一体化されてもよく、且つ/又は、部分的若しくは完全に、電子タバコ100から取り外し可能であってもよい。例えば、メモリ132は、SIMカードなどのメモリチップのような固体メモリなどのコンピュータメモリとして又はメモリを記憶する他の任意の既知の方法で実現することができる。したがって、新たな及び/又は更新されたプログラムを含むメモリ132が、ユーザにより電子タバコ100に挿入されてもよい。プログラムは、加熱プロファイル、すなわち、どの加熱器をどの温度までいつどのくらい長く加熱すべきかについての情報を含んでもよく、又はメモリ132内に別々に記憶された1つ又は複数の加熱プロファイルと共に使用可能であってもよい。
【0113】
一実施形態では、カートリッジには、異なる電気抵抗を有する加熱要素(例えば、加熱コイル)が設けられ、少なくとも2つの異なる電気抵抗はそれぞれの異なる液体の種類を表す。本体の制御回路130は、各加熱要素の電気抵抗を測定し、測定された電気抵抗に基づいて液体の種類を決定するように構成されてもよい。
【0114】
メモリ132(特に、メモリ132に記憶された少なくとも1つのプログラム)はまた、ユーザインターフェースを介してユーザにより更新されてもよい。例えば、電子タバコ100は、ユーザインターフェース(タッチスクリーン、ボタン及び/又はダイヤルなどの多数のマニピュレーターなど)を備えてもよく、ユーザは、このユーザインターフェースを用いて、メモリ132に記憶されたプログラムのうちの1つ又は複数のプログラムのパラメータのいくつか又は全てを変更してもよい。
【0115】
好ましくは、電子タバコ100は、有線又は無線インターフェースを備え、このインターフェースを通じて、1つ若しくは複数の記憶されたプログラムのパラメータを変更するために、メモリ132からプログラムを除去するために及び/又はメモリ132に新たなプログラムを追加するために、携帯電話、タブレット、ラップトップなどの、ユーザのコンピュータデバイスが、好ましくは無線で、メモリ132に接続されてもよい。インターフェースは、好ましくは、ユーザが、パラメータを変更するときに、1つ若しくは複数の加熱器の加熱器作動持続時間を延長若しくは短縮し且つ/又は少なくとも1つの加熱器の加熱器作動時間を少なくとも1つの他の加熱器作動時間に対して時間的に前方若しくは後方にシフトさせることを可能にするように構成される。インターフェースは、代替的に、「より強い味」又は「より鮮度の高い」などの選択肢の一覧をユーザに与えてもよく、次いで、ユーザの設定を少なくとも1つのプログラム及び/又は加熱プロファイル内の適切な設定に変えてもよい。
【0116】
インターフェースにより、液体リザーバー122の各々にどの種類のエアロゾル発生液が存在するか、又は、より直接的には、どの種類のエアロゾル発生液が現時点でどの加熱器に供給されるように配置されているかを表すデータが、コンピュータデバイスに送信されてもよい。このように、ユーザは、対応する加熱器の加熱器作動時間を任意の方法で変更したときに、どの種類のエアロゾル発生液が影響を受けるかが分かる。
【0117】
制御回路130はまた、メモリ132から選択されたプログラムに従って各液体リザーバー122の有効化を制御するように構成されたタイマー134を備える。したがって、タイマー134は、弁が各位置にある時間を制御するか、又は、特に、各加熱器をどのくらい長く作動させるかを監視して(すなわち、加熱器の作動時間を測定して)対応する加熱器作動時間信号を出力するように、各加熱器を作動させる時間を調整することができる。加熱器作動時間信号は、例えば秒単位(若しくはミリ秒単位など)又は吸煙数で時間量を表してもよい。
【0118】
制御回路130は、メモリ132上の少なくとも1つのプログラムに従って及び/又は少なくとも1つの加熱プロファイルに従って各加熱器の作動を選択的に制御するように構成された制御器136をさらに含む。タイマー134はまた、制御器136に一体化されてもよい。
【0119】
プログラムは、2つ以上の加熱器を同時に作動させること及び/又は2つ以上の加熱器を異なる時間に作動させることを含んでもよい。2つ以上の加熱器の作動時間は、特に、いずれかの作動時間の少なくとも10%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも70%、又は少なくとも90%重なり合ってもよい。各加熱器についての加熱器作動時間は、同じ持続時間を有してもよい。代替的に、いくつかの加熱器作動時間は、互いに異なる持続時間を有してもよい。いくつかの実施形態では、加熱器の全てが、異なる加熱器作動時間を有してもよい。
【0120】
電子タバコの重要な特徴の1つは、エアロゾルを発生させるために消費財が加熱される温度である。この温度は「蒸気吸入温度」とも称される。蒸気吸入温度は、複数の理由からユーザの蒸気吸入体験に大きな影響を及ぼす可能性がある。過度の加熱は、吸入される蒸気の温度を不快レベルまで上昇させ、消費財の、特にエアロゾル発生液の消費を早める可能性があり、電子タバコの構成要素をより急速に劣化させることがある。さらに、最適な蒸気吸入温度は、eリキッドの異なる成分が異なる温度で気化し且つ/又は風味を放出するので、異なる構成の消費財に対して異なる場合がある。
【0121】
各加熱器には、加熱器の温度を感知して一致した加熱器温度センサー信号を制御器136に提供するように構成された温度センサーが設けられてもよい。その加熱器温度センサー信号に基づいて、制御器136は、互いに異なり得る加熱器の個別の蒸気吸入温度を制御してもよい。電子タバコ100は、加熱器の蒸気吸入温度が、少なくとも部分的に、異なり且つ修正されるように構成されてもよい。その場合、エアロゾル発生液は、以下に説明するように、カートリッジ140内でのそれぞれの蒸気吸入温度に応じて配置することができる。他の実施形態では、各加熱器の蒸気吸入温度は、例えば、現時点で各個別の加熱器に供給されているエアロゾル発生液に関する情報に基づいて、具体的には、例えば、カートリッジ140のデータ記憶装置に関して後に説明するように、前記エアロゾル発生液の蒸気吸入温度に関する情報に基づいて、制御器136により個別に制御可能であってもよい。
【0122】
加熱器を異なる時間に及び/又は異なる加熱器作動時間にわたって作動させたときに、有利には、蒸気の蒸気組成は、メモリ132に記憶されたプログラムに従って時間と共に変化する。
【0123】
図1と後続の図2a及び図2bには、一実施形態が図示されており、この実施形態によれば、電子タバコ100は、少なくとも1つの液体リザーバー122、好ましくは少なくとも2つの液体リザーバー122を備える消費財、特にカートリッジ140を受け入れるように構成される。より好ましくは、カートリッジ140の少なくとも2つの液体リザーバー122は、2つの異なるエアロゾル発生液、すなわち、異なる組成のエアロゾル発生液を含む。
【0124】
それゆえ、電子タバコ100に一体化された(少なくとも1つの)液体リザーバーは、カートリッジ140の液体リザーバーの1つ若しくは全てよりも大きくてもよく、又はさらには、カートリッジ140自体よりも大きくてもよい。
【0125】
以下では、液体リザーバーが電子タバコ100に一体化されない場合についてより詳細に説明する。図1の実施形態を図2a及び図2bに関しても説明する。
【0126】
図2aは、電子タバコ100の流体移送要素120と、液体リザーバー122を備える封止されたカートリッジ140の概略斜視図を示している。液体リザーバー122は、複数のリザーバー122をグループ化するように構成された支持体123上に設けることができる。
【0127】
図2aは、エアロゾル発生液がこぼれないように封止される、各々が同じ大きさを有する、3つの異なる液体リザーバー122を備えたカートリッジ140を示している。3つの異なる液体リザーバー122は、互いに隣接して配置され、それぞれの分割壁により隔てられ、且つ矩形状である。好ましくは、各液体リザーバー122は、カートリッジ140が、この例では、3つの異なるエアロゾル発生液を有するように、他の液体リザーバー122と異なるエアロゾル発生液を含む。
【0128】
図2aからも明らかであるように、カートリッジ140が電子タバコ100に完全且つ正確に挿入又は取り付けられたときに、流体移送要素120はカートリッジ140と所定の方法で整合する。好ましくは、各流体移送要素120は、カートリッジ140の厳密に1つの液体リザーバー122と整合される。このように、最大限多様な風味がユーザに提供され得る。
【0129】
したがって、本発明はまた、カートリッジ140が所定の方法で電子タバコ100に挿入されるか又は取り付けられたときに、カートリッジ140の液体リザーバー122の各々が、電子タバコ100の少なくとも1つの、好ましくは厳密に1つの流体移送要素120と所定の方法に従って整合されるように配置され構成された複数の液体リザーバー122を備えるカートリッジ140を提供する。
【0130】
図2bは、加熱器180各々が、穿刺部材、特に、カートリッジ140の液体リザーバー122を保護するシール又は膜を穿刺部材が穿刺した後に、毛管作用により流体移送要素120としての役割を果たす、毛細管を含む針を有して形成され得ることを図示している。
【0131】
したがって、本発明はまた、本発明による電子タバコ100と、前述で説明した方法で互いに整合するように構成された本発明によるカートリッジ140とを備える喫煙システム1000を提供する。
【0132】
図1及び図2aの例では、カートリッジ140は、各液体リザーバー122が流体移送要素120のうちの6つと整合されるように配置される液体リザーバー122を3つのみ有する。同じ電子タバコ100の他のカートリッジ140では、割り当てが異なってもよい。
【0133】
図1及び図2aに示す例では、カートリッジ140には、カートリッジ140の液体リザーバー122の1つ又は複数を封止して漏れを防止するように構成され配置されるシール142又はパッケージがさらに設けられる。例えば、カートリッジ140は、少なくとも2つの異なるエアロゾル発生液で満たされ得、次いで、液体リザーバー122を封止するために封止用箔が液体リザーバー122の上に置かれ固定され得る、複数の液体リザーバー122を有して形成されてもよい。
【0134】
図1及び図2aの実施形態では、電子タバコ100の流体移送要素120は、カートリッジ140の個別の液体リザーバー122を封止する、シール又はパッケージを穿刺できるように構成された穿刺部材124を備えるか、又は穿刺部材124からなるものとして実現される。液体リザーバー122の穿刺は、カートリッジ140が電子タバコ100の受入空洞に十分且つ正確に挿入されるのと同時に行われてもよい。穿刺部材は、エアロゾル発生液が毛管作用により液体リザーバー122から吸引される、尖端部を備えた中空管として(例えば、中空針として)構成されてもよい。いくつかの実施形態では、流体移送要素120、穿刺部材124、及び対応する加熱器は、単一の要素として実現されてもよく、すなわち、加熱器は、加熱器として、流体移送要素として及び穿刺部材として機能してもよい。
【0135】
電子タバコ100の受入空洞は、ユーザがカートリッジ140を受入空洞に最初に挿入するときに、穿刺部材124がカートリッジ140の液体リザーバー122のシール又はパッケージを穿刺するまでユーザがカートリッジ140のシール又はパッケージを穿刺部材124に押し付けるために配置される、穿刺部材124を備えてもよい。他の実施形態では、穿刺部材124は、後退位置と延出位置との間で移動可能であってもよく、穿刺部材124は、穿刺部材124が延出位置にあるときにのみカートリッジ140のシール142を穿刺する。次いで、カートリッジ140は、そのシール142が自動的に穿刺されずに、電子タバコ100に挿入されてもよい。したがって、カートリッジ140の内容物は、より長期間にわたって、すなわち、ユーザが蒸気吸入セッションを実際に開始しようとする(その時点で、ユーザは、押しボタン又はレバーなどの作動部材を使用して穿刺部材124を延出させる)まで鮮度を維持し得る。
【0136】
穿刺部材124が液体リザーバー122のシール142又はパッケージを穿刺したときに、流体移送要素120は、蒸気を発生させるために加熱されるように液体リザーバー122内のエアロゾル発生液をそれぞれの加熱器に誘導する。
【0137】
カートリッジ140には、カートリッジ140の液体リザーバー122の各々にどの種類のエアロゾル発生液が収容されているかに関する情報を含むデータ記憶装置が設けられてもよい。換言すれば、その情報は、カートリッジ140のどのエアロゾル発生液が、どの液体リザーバー122内に貯留されるか及び/又はどんな組成を有するかを表してもよい。この情報はまた、各エアロゾル発生液の最適な蒸気吸入温度、又はデータベース、ルックアップテーブル、インターネットリンクなどを介して制御器136が各エアロゾル発生液の蒸気吸入温度を決定することを可能にする情報を表してもよい。次いで、制御器136は、それぞれの蒸気吸入温度で機能するように各加熱器を制御してもよい。
【0138】
この情報は、カートリッジ140の液体リザーバー122の1つに収容されたあるエアロゾル発生液から蒸気を生成する目的で、制御器136がどの加熱器を作動させるべきかを知るために、カートリッジ140のデータ記憶装置から電子タバコ100に、例えば制御器136又はメモリ132に送信されてもよい。このように、例えば、2種類のカートリッジ140が、特に、同じエアロゾル発生液を含むが、前記エアロゾル発生液を収容する液体リザーバー122がカートリッジ140の異なる位置に配置されている場合、制御器136は、エアロゾル発生液の真の位置を認識し、それに応じて、少なくとも1つのプログラム及び/又は加熱プロファイルに基づいて加熱器を制御する。
【0139】
カートリッジ140からの情報が、例えばRFID若しくはBluetoothなどにより、カートリッジ140から電子タバコ100に無線送信されてもよく、又は接触インターフェースが設けられてもよく、接触インターフェースにより、制御器136は、カートリッジ140の液体リザーバー122に収容されたエアロゾル発生液の内容及び/又は位置を決定することができる。
【0140】
カートリッジ140についての情報は、カートリッジ140の表面になど、カートリッジ140の一部にコードセグメントとして印刷されてもよい。したがって、そのコードセグメントは、カートリッジ140のデータ記憶装置としての役割を果たしてもよい。コードセグメントは、電子タバコ100により電気的及び/又は光学的に、すなわち、電子タバコ100の電気的及び/又は光学的読取デバイスにより、読み取られてもよい。
【0141】
代替的に、カートリッジにおけるデータ記憶装置は、複数のプログラムを記憶するように構成された、メモリの形態であってもよい。プログラムは、カートリッジ内の液体の異なる組み合わせ及び順序を含んでもよい。この趣旨で、本体は、メモリに含まれるプログラムの1つを選択するように構成することができる。カートリッジは、ユーザにプログラムの風味特性に関する情報を与えるためにカートリッジで利用可能なプログラムの表示又は説明をさらに含んでもよい。
【0142】
よって、カートリッジ140のデータ記憶装置はまた、制御器136が従うべき完全なプログラムを含んでもよい。したがって、制御器136は、データ記憶装置からプログラムを自動的に選択してそのプログラムに従うように構成されてもよい。例えば、特定のカートリッジ140は、注意深くブレンドした経時的に変化する蒸気組成により、複数コースの食事に似た、風味を味わう旅をユーザに提供するように設計されてもよい。このような風味を味わう旅のための単一のプログラムは、カートリッジ140内に記憶され、電子タバコ100の制御器136により自動的に追跡されてもよく、又は、以下でより詳細に説明するように、制御器136が、例えば、ユーザの好み、電子タバコ100の設定(例えば、ユーザインターフェースを介してユーザにより示された風味を味わう旅の所望の時間長さ)、時刻、ユーザの概日リズムの時間、処方薬用量、センサーデータ及び/若しくは個人データに基づいて1つのプログラムを自動的に選択する、複数のプログラムがカートリッジ140に記憶されてもよい。
【0143】
カートリッジ140の内容物に関する情報は、電子タバコ100の表示部を介して、及び/又は、前述で説明した任意選択のインターフェースを介して、ユーザのモバイルデバイスにより、例えば、スマートフォンのアプリにおいて、ユーザに表示されてもよい。したがって、ユーザは、例えば自動的に決定されるか、又はユーザインターフェースによりユーザが電子タバコ100に入力した、ある種類のカートリッジ140から利用可能なエアロゾル発生液から選択する、独自の風味プログラムを構成することができる。電子タバコ100は、単一のカートリッジ140ではなく、複数のカートリッジ140を受け入れるように構成されてもよく、各カートリッジは、その内容物に関する情報を前述の方法の1つで制御器136に提供する。
【0144】
同様に、電子タバコ100は、例えば、ユーザインターフェースを使用して、例えば、サーバーから選択肢として提示された風味から選択することにより、ユーザが体験したい風味プログラムの種類をユーザに入力させるように構成されてもよい。次いで、ユーザは、電子タバコ100が所望の風味プログラムを生成できるように、ユーザがどのカートリッジを電子タバコ100に挿入しなければならないかに関する情報を、電子タバコ100の表示部により、及び/又はインターフェースにより電子タバコ100に接続されたモバイルデバイスにより、得てもよい。
【0145】
風味プログラムはまた、部分的又は完全に自動的に設定されてもよい。電子タバコ100は、環境条件及び/又はユーザの特性又は状態を感知し、それに応じて電子タバコ100のプログラムを決定又は調節するように構成される少なくとも1つのセンサーを備えてもよい。
【0146】
例えば、センサー及び/又は制御器136の決定ルーチンは、ユーザの概日リズムを決定して、前記リズムに関するデータを制御器に送信してもよい。次いで、制御器は、概日リズムのセクションを蒸気組成物のパラメータに関連付けるデータベースを含み得るメモリ132を参照してもよい。データベースは、全てのユーザのための一般的なデータベースであってもよく、又は1人若しくは複数の個々のユーザのための個人向けのものであってもよい。
【0147】
概日リズムの決定は、時間を記録し且つ制御器136をユーザの概日リズムに同期させるのに役立つ情報をユーザが提供することを可能にし得る、制御器136上で動作する決定ルーチンにより補助及び/又は実行されてもよい。決定ルーチンは、制御器136により決定されメモリ132内に記憶され得るデバイスの以前の使用にも基づいて概日リズムを決定するように構成されてもよい。決定ルーチンはまた、ユーザのモバイルデバイスから、例えば、スマートウォッチ又はスマートフォンなどから、測定値及び/又は個人データを受信し、前記測定値及び/又は個人データに基づいて概日リズムを決定してもよい。個人データは、例えば、ユーザの睡眠パターン又は他の活動パターンを含んでもよい。
【0148】
例えば、ユーザは、朝目覚めた後では「刺激が強くない」と感じられる蒸気組成物を好むかもしれず、日中にはより強い味を好むかもしれず、また、夜にはよりバランスの取れた蒸気組成物を好むかもしれない。電子タバコ100は、制御器136に時刻を提供するように構成された時計を備えてもよく、且つ制御器136は、プログラムの蒸気組成物を適用し且つ/又は時刻に基づいてプログラムを選択するように構成されてもよい。
【0149】
ユーザの概日リズムを決定するためのセンサー及び/又はルーチンとの組み合わせで、電子タバコ100は、ユーザが電子タバコ100を作動させるときは常に最も望ましい蒸気組成物をユーザに提供することができる可能性がある。例えば、風味及び/又は匂いに対する大部分のユーザの感度は、経時的に、特に概日リズムと共に変化する。プログラムは、例えば、風味及び/又は匂いに対するユーザの感度が比較的低いときに風味のない又は無風味のエアロゾル発生液に対する風味を有するエアロゾル発生液の比率を高めて、ユーザの感度が高いときに前記比率を下げることにより、ユーザが知覚する風味体験が経時的に一定であるように構成されてもよい。
【0150】
電子タバコ100は、ユーザに対して試験を行うように構成されてもよく、その試験では、電子タバコ100は、(好ましくは、ユーザの概日リズムに対して異なる時刻及び/又異なる時間に)異なる風味強度をユーザに提供し、知覚した風味強度を特徴付けるユーザの入力を要求する。制御器136は、試験の結果に基づいてメモリ132に記憶されたプログラムを選択及び/又は適用するように構成されてもよい。
【0151】
別の例として、電子タバコ100を使用して不快な臭い及び/又は味を有する薬物を投与する場合、蒸気組成物は、臭い及び/又は味がユーザから隠されるか又は蒸気組成物により中和されるように構成されてもよい。
【0152】
概日リズムを決定するための内部時計及び/又はセンサーはまた、投薬計画に従ってユーザへの薬物の処方を確実又は容易にするために使用されてもよい。例えば、ユーザは、午前中(及び/又は起床後の数時間の間)に比較的低用量の薬物の処方を受け、且つ午後(及び/又は前回期間の後の数時間の間、又は就寝前)に比較的高用量の薬物の処方を受けてもよい。したがって、電子タバコ100は、予め設定された薬物用量をユーザに時間をかけて送達するためのデバイスとして用いられてもよい。蒸気組成物への薬物の添加を制御するプログラムは、医師により作成されるか又は承認されてもよく、且つ好ましくは、ユーザが改変できないものであってもよい。
【0153】
内部時計はまた、現在の日付を提供するように構成されてもよく、且つプログラムは、薬物の用量が例えば1日毎に低減される薬物を断つためのプログラムを含んでもよい。対応するプログラムは、蒸気組成物の別の成分の対応する変化により薬物の減少量を補償するように構成されてもよい。例えば、ニコチンの減少量は、タバコの風味を有するか又は実際のタバコを吸う感覚に近い感覚をもたらすエアロゾル発生液の増加量により補償することができる。同様に、ある活性成分が吸入されたときにユーザにある感覚をもたらす場合、前記活性成分の減少量は、ユーザに同じ感覚をもたらすエアロゾル発生液の増加量により補償することができる。それゆえ、ユーザは、薬物含量が全く減少しないという印象を受けるかもしれない。
【0154】
電子タバコ100はまた、いくつかの有利な実施形態では、食品分子センサーなどの粒子センサーを備える。このように、蒸気組成は、例えば、ユーザの以前の消費量及び/又はユーザの口内の化学的バランス(例えば酸性/塩基性)に基づいて、制御器136により自動的に設定することができる。好ましくは、粒子センサーは、電子タバコ100のマウスピース111に、又はマウスピースを電子タバコ100に接続するためのコネクタに配置される。粒子センサーは、好ましくは、例えば分子インプリントポリマーを使用して、ユーザの唾液中の分子を検出するように配置され構成される。
【0155】
対応する設定は、ユーザの好みに従ってユーザによりメモリ132に記憶されてもよい。例えば、ユーザは、スパイスの効いた食事を摂取した後に、冷却効果又は冷却感覚をもたらす蒸気組成物を好むかもしれない。粒子センサーは、ユーザの呼気及び/又は唾液中のカプサイシンを検出して、「スパイスの効いた食事の後」というプログラムを選択するか又はプログラム内の「スパイスの効いた食事の後」という設定を選択するように構成されてもよい。同様に、ユーザの味覚及び/又は嗅覚は、特に風味の強い食事の後に鈍くなることがあり、結果として、その作用を打ち消すために、蒸気組成物が、より強い風味も含むように適合される必要がある場合がある。
【0156】
カートリッジ140はまた、吸入された後にユーザが風味をより良好に感じるのを助ける口蓋洗浄剤としての役割を果たすエアロゾル発生液を含んでもよい。制御器136は、粒子センサーのセンサー信号に基づいて全てのプログラムの前に口蓋洗浄エアロゾル発生液を加熱するために配置された加熱器のための加熱器作動時間を自動的に追加するように構成されてもよい。追加的又は代替的に、メモリ132は、口蓋洗浄エアロゾル発生液のための加熱器作動時間を含む特別な口蓋洗浄プログラムを含んでもよい。制御器136は、粒子センサーのセンサー信号に基づいて口蓋洗浄プログラムを自動的に選択するように構成されてもよく、且つ/又はユーザは、口蓋洗浄プログラムを手動で作動させることができてもよい。
【0157】
粒子センサーはまた、ユーザの呼気中又は口内の悪臭を検出し、検出された悪臭を特に相殺又は低減する蒸気組成物又はプログラムを選択するように構成されてもよい。具体的には、他の基準(例えば、個人的好み、時刻及び/又はカートリッジ140の内容物など)に従って設定された蒸気組成物は、ユーザの呼気中の検出された悪臭又は臭気を中和するように設計された薬剤をさらに含むように適合されてもよい。蒸気組成物への呼気改善剤のそのような添加は、所定の閾値を超える特定の化学物質の濃度を測定することにより誘発されてもよく、且つ測定濃度が、第1の閾値と同じ又は異なる(特により低い)場合がある、閾値を下回るまで続いてもよい。
【0158】
典型的な蒸気吸入セッションは、流体移送要素120がエアロゾル発生液をカートリッジ140から電子タバコ100の加熱器に誘導できる又は誘導するように、ユーザがカートリッジ140を電子タバコ100に完全且つ正確に挿入すること(例えば、その後電子タバコ100を閉鎖すること)から開始してもよい。次いで、ユーザは、電子タバコ100の電源を入れてマウスピースをくわえる。
【0159】
次に、制御器136は、風味選択アルゴリズムを適用して、初期プログラム、すなわち、使用する初期蒸気組成及び温度設定を決定してもよい。初期蒸気組成は、単一のエアロゾル発生液からの蒸気のみを含み得るが、カートリッジ140から利用可能なエアロゾル発生液の複数又はさらには全てからの蒸気も含み得る。
【0160】
蒸気吸入セッションの最中に、制御器136は、選択された風味プログラムに及び/又は上記で説明した入力のいずれかに基づいて、例えば、センサーデータ及び/又はユーザに関する個人データ(概日リズム、ユーザの呼気又は唾液の組成、時刻、現在の日付など)及び/又はカートリッジ140のデータ記憶装置からのデータに基づいて、異なる加熱器を作動させ且つ/又は作動停止させ且つ/又は加熱器を異なる蒸気吸入温度で機能するように制御することにより蒸気組成を調節してもよい。当然ながら、ユーザはまた、電子タバコ100のユーザインターフェースを使用してプログラムの設定の一部又は全部を手動で変更することが可能であってもよい。例えば、ユーザ制御部を、ユーザが好まない風味をスキップして次の風味まで進むために使用してもよい。メモリ132は、ユーザがその順序を好まないことを登録して、その順序をプログラムから削除することができる。
【0161】
本発明の具体的な実施形態が本明細書において例示され説明されているが、当業者であれば、様々な代替及び/又は同等の実装形態が存在することが分かるであろう。1つ又は複数の例示的な実施形態は単なる例に過ぎず、範囲、適用可能性、又は構成を決して限定することを意図しないことが分かるはずである。むしろ、前述の概要及び詳細な説明は、少なくとも1つの例示的な実施形態を実施するための便利なロードマップを当業者に提供し、添付の特許請求の範囲及びその法的同等物に記載される範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態で説明する要素の機能及び配置に種々の変更が加えられ得ることが理解される。概して、本出願は、本明細書で考察した具体的な実施形態のあらゆる適応形態又は変更形態を網羅することが意図されている。
【0162】
また、本文書では、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「収容する(contain)」、「収容する(containing)」、「有する(have)」、「有する(having)」という用語、及びこれらの任意の変化形は、本明細書で説明するプロセス、方法、装置、機器又はシステムが、列挙されているこれらの特徴又は部分又は要素又はステップに限定されるものではなく、明示的に列記されていないか又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは機器に固有のものである他の要素、特徴、部分又はステップを含み得るように、包括的(すなわち、非排他的)な意味で理解されることが意図されていることが分かるであろう。さらに、本明細書で使用される「1つの(a)」及び「1つの(an)」という用語は、明示的に別段の定めがない限り、1つ又は複数を意味すると理解されることが意図されている。その上、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、単に標示として使用され、それら用語の対象に数値要件を課すこと又はそれら用語の対象の重要度に特定の順位付けを行うことを意図するものではない。
図面の符号リスト
100 電子タバコ
110 本体
111 マウスピース部分
112 電源
120 誘導部材
122 液体リザーバー
123 支持体
124 穿刺部材
130 制御回路
132 メモリ
134 タイマー
136 制御器
140 カートリッジ
142 シール
143 ハウジング
145 カートリッジ着座部
146 気化室
147 蒸気溝
148 空気流ダイバーター
149a キー溝
149b レール部材
149c レール部材
150 弁
150a レール部材
150b キー溝
151 流路
152 閉鎖部材
153 弁座
154 接続部分
155 蒸気出口部分
160 調整機構
170 ユーザ制御部
171 ロッカーボタン
172 ボタン
173 ボタン
174 回転ダイヤル
175 表示部
180 加熱器
180a 毛細管
180b 吸収部分
180c 加熱部分
1000 喫煙システム
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】