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特表2022-512295電気機械スイッチング装置の摩耗を検出する装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(54)【発明の名称】電気機械スイッチング装置の摩耗を検出する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/333 20060101AFI20220127BHJP
   H01H 9/54 20060101ALI20220127BHJP
   H01H 47/00 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
G01R31/333 A
H01H9/54 C
H01H47/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525630
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(85)【翻訳文提出日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2019084060
(87)【国際公開番号】W WO2020115313
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】BE2018/5863
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 聡
(72)【発明者】
【氏名】ショルツ ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ガンシュローザー ゼレン
【テーマコード(参考)】
5G034
【Fターム(参考)】
5G034AC08
(57)【要約】
本発明は、電気機械スイッチング装置(1000)の摩耗を検出する装置(100)に関し、この装置(100)は、電気機械スイッチング装置(1000)の少なくとも1つの所定の動作パラメータを検出するように形成される測定装置(10)と、機械深層学習方法に基づいて、好ましくはトレーニングデータの形の大容量データを用いて、電気機械スイッチング装置(1000)の検出された所定の動作パラメータから電気機械スイッチング装置(1000)のその時々の摩耗状態を求めるように形成される評価装置(20)とを含む。
【課題】摩耗を認識するための改善された装置および改善された方法を提供すること。
【解決手段】
電気機械スイッチング装置(1000)の摩耗を検出する装置(100)が、測定装置(10)と評価装置(20)とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械スイッチング装置(1000)の摩耗を検出する装置(100)であって、
前記装置(100)が、
- 前記電気機械スイッチング装置(1000)の少なくとも1つの所定の動作パラメータを検出するように形成される測定装置(10)と、
- 機械深層学習方法に基づいて、好ましくはトレーニングデータの形の大容量データを用いて、前記電気機械スイッチング装置(1000)の前記検出された所定の動作パラメータから前記電気機械スイッチング装置(1000)のその時々の摩耗状態を求めるように形成される評価装置(20)と
を含む、装置(100)。
【請求項2】
前記評価装置(20)が、前記求められたその時々の摩耗状態と前記大容量データとに基づいて、前記電気機械スイッチング装置(1000)の将来の摩耗経過を予測できるように形成される、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記装置(100)が、前記電気機械スイッチング装置(1000)の各状態に対する割当てを含む前記大容量データを提供するように形成され、
好ましくは前記測定装置(10)がプロセッサを有する、請求項1または2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記測定装置(10)がさらに、データインターフェースを介して前記検出された少なくとも1つの所定の動作パラメータを含むデータフローを伝送するように形成され、好ましくは前記測定装置(10)がさらに、エネルギー供給装置に連結される、および/または前記電気機械スイッチング装置(1000)の動作信号を介してエネルギーを供給されるように形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記装置(100)が多数の測定装置(10)を有し、前記評価装置(20)が、多数の電気機械スイッチング装置(1000)のその時々の摩耗状態を多数の検出された所定の動作パラメータに基づいて求めるように形成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記評価装置(20)が、分散ITインフラストラクチャーとしてコンピュータネットワーク上に分散して形成され、好ましくは前記装置(100)がさらに、伝送チャネルを介して前記その時々の摩耗状態に関するデータを前記電気機械スイッチング装置(1000)に伝送するように形成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記測定装置(10)が、前記電気機械スイッチング装置(1000)の継電器ソケット内に集積されるように形成され、および/または
前記評価装置(20)が、前記電気機械スイッチング装置(1000)の継電器ソケット内に集積され、好ましくは前記評価装置(20)がさらに、別の電気機械スイッチング装置(1000)の別の継電器ソケット内に集積された多数の測定装置(10)の共通のヘッドモジュールとして使用されるように形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記装置(100)がさらに、好ましくは前記電気機械スイッチング装置の前記その時々の摩耗状態を表示するように形成される表示装置を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記電気機械スイッチング装置(1000)の前記少なくとも1つの所定の動作パラメータが、制御力、反力、制御方法、オーバーストローク、切換点、光パルス、アーク、音響信号、磁界、温度、コイル電流、コイル電圧、接触電流、負荷電流または接触電圧を含み、および/または
測定データが任意の動作パラメータを含み、前記任意の動作パラメータが、前記電気機械スイッチング装置(1000)の制御力、反力、制御方法、オーバーストローク、切換点、光パルス、アーク、音響信号、磁界、温度、コイル電流、コイル電圧、接触電流、負荷電流または接触電圧を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記測定装置(10)が、任意の動作パラメータを特性曲線として前記電気機械スイッチング装置(1000)の初期化段階中の予備測定に基づいて検出するように形成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記評価装置(20)が、機械深層学習のときに(i)前記大容量データからの特徴抽出および/または(ii)前記大容量データの特徴分類を用いるように形成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項12】
前記評価装置(20)が、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、分類器および/またはリグレッサーを有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項13】
前記評価装置(20)が、多数の検出された所定の動作パラメータに基づいて前記電気機械スイッチング装置(1000)の個々の摩耗曲線経過を確定し、それに基づいて前記各電気機械スイッチング装置(1000)の型式パラメータを推論するように形成される、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項14】
前記測定装置(10)が、前記電気機械スイッチング装置(1000)の環境パラメータおよび/または前記電気機械スイッチング装置(1000)の型式パラメータを、好ましくは製造者コードの形で検出するように形成され、
前記評価装置(20)が、前記電気機械スイッチング装置(1000)の前記環境パラメータおよび/または前記電気機械スイッチング装置(1000)の前記型式パラメータに基づいて前記電気機械スイッチング装置(1000)の前記その時々の摩耗状態を求めるように形成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項15】
電気機械スイッチング装置(1000)の摩耗を検出する方法であって、
前記方法が、以下のプロセス工程、
- 前記電気機械スイッチング装置(1000)の少なくとも1つの所定の動作パラメータを測定装置(10)を用いて取得する工程(S1)と、
- 前記電気機械スイッチング装置(1000)のその時々の摩耗状態を、機械深層学習方法に基づいて、好ましくはトレーニングデータの形の大容量データを用いて、前記電気機械スイッチング装置(1000)の前記検出された所定の動作パラメータから評価装置(20)を用いて求める工程(S2)と
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は摩耗挙動を監視するシステムに関する。
【0002】
特に、本発明は電気機械スイッチング装置の摩耗を検出する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
将来を見越した整備では、電気機械継電器またはリレーなどのスイッチング素子の状態を認識し、消耗または摩耗したスイッチング素子を起こりうる故障の前に交換して突然の停止やダウンタイムを回避することが重要である。
【0004】
安全を重要視する適用では、スイッチング素子の状態を連続して監視することがさらに非常に重要となり得る。
【0005】
特許文献1では、機械的および電気的状態量が求められ、継電器の状態が特性曲線により求められることで継電器が監視される。
【0006】
特許文献2では、コイル辺上の継電器(ガルヴァーニ分離)のスイッチング時点を接触部の負荷に関連付けずに検出できる切換監視装置が提案される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公告第102016124083(B4)号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102018114425(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、摩耗を認識するための改善された装置および改善された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、独立特許請求項の対象によって解決される。発展形態および実施形態は、従属特許請求項、明細書および図面の図から明らかになる。
【0010】
本発明の第1の観点は、電気機械スイッチング装置の摩耗を検出する装置に関し、この装置は測定装置と評価装置とを含む。
【0011】
測定装置は、電気機械スイッチング装置の少なくとも1つの所定の動作パラメータを検出するように形成される。
【0012】
評価装置は、機械深層学習方法に基づいて、好ましくはトレーニングデータの形の大容量データを用いて、電気機械スイッチング装置の検出された所定の動作パラメータから電気機械スイッチング装置のその時々の摩耗状態を求めるように形成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、例えば電気機械継電器またはリレーなどの電気機械スイッチング装置の状態を決定し、消耗または摩耗したスイッチング素子を差し迫る起こりうる故障の前に交換して、停止時間を最小限にできるかまたは停止の発生を阻止できるかまたはそのような故障を回避できるようになる。
【0014】
本発明により、電気機械スイッチング装置の老化を最少の測定手数で確実に決定できるようになる。
【0015】
本発明により、機械学習または人工ニューラルネットワークとも呼ばれる人工ニューラルネットなどの人工知能方法によって、学習課程に用いられるトレーニングデータに基づいてその時々の測定データに対して予測できるようになる。
【0016】
英語でのいわゆる「ディープラーニング」方法は、ドイツ語では「深部まで達する学習」などと呼ばれているが、以下では「機械深層学習」とも呼ばれ、これによって、例えば人工ニューラルネットワークの最適化方法の1つの等級が決められ、これは多くの中間層-英語では「隠れ層」-を入力層と出力層との間に有し、そのことから膨大な内部構造を有する。
【0017】
このことで有利に、手動の特徴抽出あるいは監視特徴の確定が必要とされなくなる。したがって、モデルがトレーニングデータの形の、英語では「ビッグデータ」とも呼ばれる大容量データにより学習する場合に正確な予測を行うことができ、ここではトレーニングデータに電気機械スイッチング装置の状態データを標識付けすることも、すなわち情報付けまたはラベル付けすることもできる。
【0018】
本発明の一実施形態によると、これに関して多くの継電器に多くの様々な投入場面で多くの異なる負荷がかけられ、それらが測定され、摩耗、温度、切換サイクルなどのその時々の状態、その時々の負荷が記録され、あるいはラベル付けされる。
【0019】
例えばある継電器が100,000切換サイクル後に故障し、全切換サイクルがその前に記録および記憶される場合に、本発明に係る装置あるいは本発明に係る方法は、一定の負荷では線形に老化することを基礎に置く場合には、この特別な継電器が50,000切換サイクル時におよそ50%老化していることを確定できる。したがって継電器の故障後に100,000切換サイクルの過去に記録されたデータが示され、個々に0%~100%の老化度などのラベルが付けられ、トレーニングデータとして用いることができる。
【0020】
その結果として、例えば本発明の一実施形態では、ニューラルネットワークがラベル付けされた100,000切換サイクルからのある選択により学習し、このニューラルネットワークが後にそれ以前に挙げられた50,000切換サイクルと類似の切換サイクルを比較可能な型の別の継電器のその時々の切換サイクルとして検出する場合には、このニューラルネットワークは、別の継電器がこの時点に、もしかしたら1,000切換サイクルしか別の負荷がかけられていなくても、この継電器がおよそ50%摩耗していることも予測できる。
【0021】
ところがニューラルネットワーク内では切換サイクルの互いの直接の比較は行われておらず、トレーニング課程における最適化方法によってこの方法が自ら学習し、あるいは内部パラメータを、摩耗に特徴的な関連特徴が含意的にニューラルネットワーク内に含まれ、そのことからその時々の未知の入力データに対する予測を出力できるように最適化する。
【0022】
評価装置内で実行されるニューラルネットワークは、本発明の一実施形態では予め学習していて、その時々の測定を評価することによって、その時々の遮断継電器のその時々の状態を予測し、摩耗状態を確定できる。
【0023】
評価装置内で実行されるニューラルネットワークは、電気スイッチング装置の使用履歴をも顧慮でき、例えば、継電器が通常は時間の進行と共に改善されず、むしろ劣化する、則ち摩耗は基本的には常に増加することを基礎に置くことができる。これに関しては、いわゆる回帰型ニューラルネットワークを使用できるかまたは別の方法を使用できる。
【0024】
本発明の有利な形態は、従属請求項から明らかになる。
【0025】
本発明の有利な一実施形態では、評価装置が、求められたその時々の摩耗状態と大容量データとに基づいて、電気機械スイッチング装置の将来の摩耗経過を予測できるように形成されている。
このことで有利に、電気機械スイッチング装置の将来の摩耗および予期される摩耗の進行についての予測をも提供できるようになる。
【0026】
例えば継電器の負荷がほぼ一定で、過去には一週間当たり通常1,000切換サイクル行われ、この継電器が現在40,000切換サイクル進行していて、80%の現在の摩耗が評価装置によって予測され、線形に老化すると仮定される場合には、およそ10,000切換運動あるいは10週間がこの継電器の残寿命となることが簡単な高等計算で推論できる。より複雑な老化モデルにも当然使用できる。
【0027】
本発明の有利な一実施形態では、装置が、電気機械スイッチング装置の各状態に対する割当てを含む大容量データを提供するように形成されることになっており、好ましくは測定装置はプロセッサを有する。
【0028】
本発明の有利な一実施形態では、測定装置がさらに、データインターフェースを介して検出された少なくとも1つの所定の動作パラメータを含むデータフローを伝送するように形成されることになっており、好ましくは測定装置はさらに、エネルギー供給装置に連結される、および/または電気機械スイッチング装置の動作信号を介してエネルギーを供給されるように形成されることになっている。
【0029】
本発明の有利な一実施形態では、装置が多数の測定装置を有し、評価装置が、多数の電気機械スイッチング装置のその時々の摩耗状態を多数の検出された所定の動作パラメータに基づいて求めるように形成されることになっている。
【0030】
本発明の有利な一実施形態では、評価装置が分散コンピュータ環境としてコンピュータネットワーク上に分散して形成され、好ましくは装置がさらに、伝送チャネルを介してその時々の摩耗状態に関するデータを電気機械スイッチング装置に伝送するように形成されることになっている。
【0031】
本発明の有利な一実施形態では、測定装置が、電気機械スイッチング装置の継電器ソケット内に集積されるように形成されることになっている。
【0032】
本発明の有利な一実施形態では、評価装置が、電気機械スイッチング装置の継電器ソケット内に集積され、好ましくは評価装置がさらに、別の電気機械スイッチング装置の別の継電器ソケット内に集積された多数の測定装置の共通のヘッドモジュールとして使用されるように形成されることになっている。
【0033】
本発明の有利な一実施形態では、装置がさらに、好ましくは電気機械スイッチング装置のその時々の摩耗状態を表示するように形成された表示装置を有することになっている。
【0034】
本発明の有利な一実施形態では、電気機械スイッチング装置の少なくとも1つの所定の動作パラメータが、制御力、反力、制御方法、オーバーストローク、切換点、光パルス、アーク、音響信号、磁界、温度、コイル電流、コイル電圧、接触電流、負荷電流または接触電圧を含むことになっている。
【0035】
本発明の有利な一実施形態では、大容量データが任意の動作パラメータを含み、任意の動作パラメータが、電気機械スイッチング装置の制御力、反力、制御方法、オーバーストローク、切換点、光パルス、アーク、音響信号、磁界、温度、コイル電流、コイル電圧、接触電流、負荷電流または接触電圧を含むことになっている。
【0036】
本発明の有利な一実施形態では、測定装置が、任意の動作パラメータを特性曲線として電気機械スイッチング装置の開始段階中の予備測定に基づいて検出するように形成されることになっている。
【0037】
本発明の有利な一実施形態では、評価装置が、機械深層学習のときに(i)大容量データからの特徴抽出および/または(ii)大容量データの特徴分類を用いるように形成されることになっている。
【0038】
本発明の有利な一実施形態では、評価装置が、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、分類器および/またはリグレッサーを有することになっている。
【0039】
本発明の有利な一実施形態では、評価装置が、多数の検出された所定の動作パラメータに基づいて電気機械スイッチング装置の個々の摩耗曲線経過を算出し、それに基づいて各電気機械スイッチング装置の型式パラメータを推論するように形成されることになっている。
【0040】
本発明の有利な一実施形態では、測定装置が、電気機械スイッチング装置の環境パラメータおよび/または電気機械スイッチング装置の型式パラメータを、好ましくは製造者コードの形で検出するように形成されることになっている。
【0041】
本発明の有利な一実施形態では、評価装置が、電気機械スイッチング装置の環境パラメータおよび/または電気機械スイッチング装置の型式パラメータに基づいて電気機械スイッチング装置のその時々の摩耗状態を求めるように形成されることになっている。
【0042】
本発明の第2の観点は、電気機械スイッチング装置の摩耗認識方法(ein zur Verschleisserkennung)であり、この方法は以下のプロセス工程を含む。
【0043】
第1プロセス工程として、電気機械スイッチング装置の少なくとも1つの所定の動作パラメータが測定装置によって検出される。
【0044】
第2プロセス工程として、電気機械スイッチング装置のその時々の摩耗状態が機械深層学習方法に基づいて、好ましくはトレーニングデータの形の大容量データを用いて、電気機械スイッチング装置の検出された所定の動作パラメータから評価装置によって求められる。
【0045】
第3プロセス工程として、電気機械スイッチング装置の将来の摩耗経過予測が大容量データに基づいて評価装置によって任意に求められる。
【0046】
第3の観点によると、本発明は、コンピュータによりプログラムを実行するときに、プロセスの工程を第2の観点または第2の観点の任意の一実施形態にしたがって実行させる命令を含むコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラムプロダクトを含む。
【0047】
第4の観点によると、本発明は、コンピュータによる実行のときに、プロセスの工程を第2の観点または第2の観点の任意の一実施形態にしたがって実行させる命令を含むコンピュータ読取り可能な記憶媒体を含む。
【0048】
記述した形態および発展形態は、任意に互いに組み合わせられる。
【0049】
本発明の考えられるその他の形態、発展形態および実行は、先行して、または以下に実施形態に関して記述した本発明の特徴の明確には挙げられていない組合せをも含む。
【0050】
添付図面は、本発明の実施形態の理解を深めるために提供されるものである。
【0051】
添付図面は、実施形態を具体的に説明するものであり、本発明のコンセプトの明確な記述に関連して用いられる。
【0052】
その他の実施形態および挙げられた長所の多くは、図面の図を顧慮することで明らかになる。図面の図の示された要素は、必ずしも互いに縮尺通りに示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出装置の略図である。
図2】本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出方法のフローチャートの略図である。
図3】本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出装置の略図である。
図4】本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出グラフの略図である。
図5】本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出グラフの略図である。
図6】本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出装置の略図である。
図7】本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出装置の略図である。
図8】本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出装置の略図である。
図9】本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出装置の略図である。
図10】本発明の一実施例に係る別の測定装置を備える電気機械スイッチング装置の摩耗検出グラフの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図面の図において、等しい参照符号は、これに反することが挙げられていない限り、等しいかまたは機能的に等しい要素、部材、成分またはプロセス工程を表す。
【0055】
本発明で使用されている「人工ニューラルネットワーク」という概念は、例えば互いに結合するユニットまたは、人工ニューロンと呼ばれニューロンを生体脳内に緩く形成するノードの集合体に基づくコンピュータネットワークを含む。
【0056】
本発明で使用されている「回帰型ニューラルネットワーク」という概念は、例えばフィードフォワードネットワークとも呼ばれる通常のネットワークに対して、1つの層のニューロンから同じ層または先行層のニューロンへ結合することを特徴とするニューラルネットワークを含む。
【0057】
図1は、本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出装置の略図を示す。
【0058】
装置100は、測定装置10および評価装置20を含む。
【0059】
測定装置10は、電気機械スイッチング装置の少なくとも1つの所定の動作パラメータを検出するように形成される。
【0060】
評価装置20は、機械深層学習方法に基づいて、好ましくはトレーニングデータの形の大容量データを用いて、電気機械スイッチング装置の検出された所定の動作パラメータから電気機械スイッチング装置のその時々の摩耗状態を求めるように形成される。
【0061】
本方法は、摩耗検出、則ち電気機械スイッチング装置の摩耗あるいは摩耗挙動の監視を提供できるようにする。
【0062】
測定装置10は、例えば事象、則ち電気機械スイッチング装置の切換工程、電気機械スイッチング装置の温度上昇または継電器の形状の電気機械スイッチング装置の除去もしくは故障などの動作パラメータを検出する測定装置として形成される。
【0063】
測定装置10は、例えば曲線経過および/または事象の1つまたは複数の固有値を検出する測定装置として形成される。
【0064】
評価装置20は、例えばディジタル表示データをその時々の事象あるいはその時々の動作パラメータに割り当てるように形成される。
【0065】
さらに、表示データおよび/またはトレーニングデータおよび/または状態データを人工ニューラルネットワーク内へ習熟させることができる。
【0066】
事象あるいは動作パラメータは、例えばカットイン時点のコイル電流であってよく、コイル電流および接触電圧などの複数の電気量または物理量を1つの動作パラメータへまとめることもできる。動作パラメータとしては、例えば算出されたオーバーストロークなどの計算値であってもよい。
【0067】
図2は、本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出方法のフローチャートの略図を示す。
【0068】
第1プロセス工程として、電気機械スイッチング装置の少なくとも1つの所定の動作パラメータの検出S1が測定装置によって行われる。
【0069】
第2プロセス工程として、機械深層学習方法に基づいて、好ましくはトレーニングデータの形の大容量データを用いて、電気機械スイッチング装置の検出された所定の動作パラメータからの電気機械スイッチング装置のその時々の摩耗状態の検出S2が評価装置によって行われる。
【0070】
図3は、本発明の一実施例に係る電気機械スイッチング装置の摩耗検出装置を示す。
【0071】
図3に示した装置は、本発明に係る方法の測定構成を表す。継電器またはリレーまたは電気機械スイッチング装置は内側にコイルが構成され、これにより接触部上に電圧を印加できる。
【0072】
本発明の一実施例によると、コイルに電圧が印加されると電流がコイルを通って流れ始め、磁界が構成され、アンカーに力が及ぼされ、アンカーは、電気接触がそれぞれ型、開放器または閉鎖器によって閉鎖または開放されるように接触部を動かす。開放器および閉鎖器から成る組合せは、切換器と呼ばれる。
【0073】
本発明の一実施例によると、その際本発明は任意の継電器またはその他の電気機械スイッチング装置に適用できる。
【0074】
本発明により、継電器の電気固有値を検出および評価できるようになる。
【0075】
本発明の一実施例によると、例えば図3に示したような直接測定では、以下の電気量または物理量を検出量あるいは動作パラメータとして使用できる。
i) コイル電流
ii) コイル電圧
iii)接触電流あるいは負荷電流
iv) 接触電圧あるいは負荷電圧
【0076】
本発明の一実施例によると、切換時点または接触抵抗などのその他の固有値もこれに適した別の電気結線によって測定できる。
【0077】
本発明の一実施例によると、例えば接触部に開放時にかけられうるアークを光学的に検出するか、または磁界センサによってコイル内の磁界に関する情報を提供することで、その他の測定量も検出できる。
【0078】
本発明の一実施例によると、測定量がそれに続いて測定装置10の形の1つまたは複数の測定装置により検出され、このときディジタル化も行われる。
【0079】
本発明の一実施例によると、このとき間接的に測定された、例えばタイムスタンプまたはメーター状況などの別の情報を補足できる。
【0080】
本発明の一実施例によると、ディジタルデータは、連続的に行われる測定に基づいて連続して存在でき、または異なるトリガ作用により行われる測定に基づいて切換事象の場合にのみ有効に動作できる。
【0081】
本発明の一実施例によると、好ましくは例えば接触電圧が、切換事象が存在してもその後でのみ伝達できる。オンオフ切換工程間の時間、則ち導電段階中に、接触電圧の情報内容は、接触が十分に良好な状態の場合には接触電圧がほぼ零であると期待されるために、場合によっては明確に表出されない。
【0082】
遮断時点では、その中に例えば接触面の摩耗発生の結果のアーク形成に関する情報が含まれ得るので、これもまた接触電圧の情報内容が啓蒙的であり、このことが特定の材料の焼き減りとそれによる摩耗を推論させる。
【0083】
本発明の一実施例によると、ディジタルデータがそのようにして各切換工程時にのみ動作され、言い換えると、測定装置10は例えば、切換工程によってトリガされ、測定を行うように形成され、このとき測定のインターバルトリガをも行うことができる。
【0084】
本発明の一実施例によると、それぞれ第2切換工程、それぞれ第10切換工程または第100切換工程のみ評価される。
【0085】
本発明の一実施例によると、動作は、1分当たりまたは1時間当たりまたは日に一度などの時間単位当たりで行われ、測定は測定装置10によって行われ、言い換えると、時間的インターバル切換が行われる。
【0086】
温度監視器が存在する場合に、例えば継電器が導電段階中永続的に超過負荷に接続される場合、則ちその仕様外で動作される場合には、ディジタルデータが切換工程間でも動作できる。
【0087】
本発明の一実施例によると、ディジタルデータは動作後に評価装置20内の上述の人工ニューラルネットワークに供給される。
【0088】
人工ニューラルネットワークは、本発明の一実施例によると、ここでこのディジタルデータを取得し、そのことから計算により継電器の状態を予測することができる。
【0089】
本発明の一実施例によると、人工ニューラルネットワークの考えられる出力の可能性は、例えば次の通りである。
i) 「継電器は70%摩耗」
ii) 「継電器型はXXXまたはYYY」
iii)「継電器は小さい/中位の/大きい/大き過ぎる負荷に接続」
iv) 「予測される残寿命は3年と2か月」
v) 「継電器内の温度は70℃~80℃と推測」
vi) 「注意:継電器が間もなく張り付く危険」
【0090】
トレーニング段階のすでに学習したデータから、ニューラルネットワークは、場合によっては曲線経過に基づいて継電器型を推論できる。
【0091】
負荷の決定は、例えば老化履歴とすでに実行された切換サイクルの評価とによって求められ、例えば継電器が1,000サイクル後にすでに30%摩耗している場合には、結び付く負荷はむしろ過大であり、一定の負荷では将来摩耗の増加がさらに予測される。
【0092】
本発明の一実施例によると、負荷電流が測定される場合に、場合によってはこれについても、例えば誘導性および/または容量性および/またはオームでの負荷の種類に関する情報を提供できる。
【0093】
本発明の一実施例によると、負荷がほぼ一定のままであり切換間隔が固定サイクルにしたがう場合に、評価装置20は、場合によっては残寿命を予測するように形成できる。
【0094】
本発明の一実施例によると、場合によっては接触部の測定から、どのくらいの残寿命期間がまだ存在するかを求めることができ、またはコイル電流の形状が有意に変化する場合には、これに関して摩耗をも求めることができる。
【0095】
本発明の一実施例によると、場合によっては測定されるコイル電流が電圧が印加されているにもかかわらず零かまたは近似的に零であるかを求めることができる。そのことから、場合によってはコイルの故障を予測できるかまたは、コイルが接続されていないことを推論できる。
【0096】
本発明の一実施例によると、コイル電流の経過から温度に関連する抵抗または誘電率を決定できる。
【0097】
本発明の一実施例によると、代替で温度も直接温度検出器により測定できる。
【0098】
本発明の一実施例によると、例えば測定データ内または例えばオンオフ切換工程中に測定された、測定データから導かれたデータ内の特徴的なパターンの調整を行うことができる。
【0099】
図4に測定量の曲線経過を例として示す。このときカットイン時点が重要であり、つまり、t=0の時点で電圧がコイルに突然印加され、一定値に保持される。
【0100】
上方のグラフには、新しい継電器の曲線経過が示される一方で、下方のグラフには著しく老化した継電器の曲線が示される。
【0101】
ここでは確率過程が重要であり、同じ電気機械スイッチング装置の2つの連続するカットイン時点が明らかに互いに異なることもあり得るが、それでも電気機械スイッチング装置の摩耗経過の対応する段階中に繰り返される切換事象は似ていて、値は時間が経過する中でゆっくり1つの方向へ動く。
【0102】
曲線経過から、ここでは固有の特徴を自動的に誘導することができる。パラメータあるいは特徴の例は、時間中に接触端とアンカー衝突との間で再現される、いわゆるオーバーストロークである。
【0103】
オーバーストロークは、本来、m/sあるいはmm/msでのアンカーの速度に基づいてmmで測定される区間であるが、類似の固有の特徴をmsでも表すことができる。この大きさは、この文脈ではオーバーストロークとも呼ばれる。則ち第1接触端とアンカー衝突との間の時間を曲線経過から読み取ることができ、このときそれぞれのカットイン工程に対して1つの時間的オーバーストロークを決定できる。
【0104】
両グラフを手がかりにして分かるように、新しい継電器と著しく老化した継電器の曲線経過は通常明らかに互いに異なる。
【0105】
したがって、例えば著しく老化した継電器では、明らかに上昇した接触衝撃が確認される。
【0106】
ここで、人工ニューラルネットワークの課題は、これらのデータから摩耗度を認識し、かつ定量化することである。
【0107】
図5にはグラフが示され、その寿命に亘る測定された時間的オーバーストロークが記録される。電気機械スイッチング装置1000の活動サイクルの経過においてオーバーストロークが全般的に低下する傾向が認められるが、個々の測定値が激しくばらつくことも明らかになる。
【0108】
則ち、オーバーストロークを測定して、そこから継電器がどのくらい著しく摩耗しているかを予測することは容易ではない。
【0109】
図6に、本発明に係る解決法を再度図示する。測定された曲線経過は先行して学習したニューラルネットワークへ与えられ、これは、先行して学習した曲線を手がかりにして継電器の状態に関する予測を出力できる。
【0110】
ニューラルネットワークは、予めラベル付けした-付録を備えた-データから学習した。測定が繰り返しネットワークへ与えられ、それぞれの測定に対して、継電器がこの測定で実際どのくらい著しく老化しているかが述べられた。ニューラルネットワークは、学習段階における最適化過程で、老化の原因である固有の特徴を単独で追求する。
【0111】
図7に、本発明に係る構成の一実施例が略図で示される。ここでは継電器ソケット1020が使用され、これは、コイル電流を分流器とも呼ばれる測定抵抗を介して電圧に変換し、測定装置、例えばアナログ-ディジタル変換器、ADC、A/D変換器、英語ではADC-「アナログ-ディジタルコンバータ」-を介して測定およびディジタル化する。
【0112】
プロセッサは、ディジタル電流データをデータストリームへ変換し、インターフェースを介して「データ+」「データ-」という印を付けて転送できる。
【0113】
例えばタイムスタンプ、温度などの追加のデータを付け加えることができる。補助エネルギーは、「PWR+」および「PWR-」という印を付けて外部から付け加えられるか、またはコイル動作信号から得られる。
【0114】
この場合が選択されると、電圧が接続部に印加されてもエネルギー供給が保証されることに注意する必要がある。さらに緩衝コンデンサを介してもエネルギーを中間貯蔵して、データを測定工程後にも伝送できる。
【0115】
この実施例では継電器ソケットの外側で実行されるニューラルネットワークは、この実施例では、コイル電流と、場合によってはいくつかの補足情報からだけで継電器の状態を推論する課題を有する。
【0116】
オーバーストロークは、この場合に例えば直接計算できない。このことは、ニューラルネットワークが関連する特徴を単独で求めることから必ずしも必要ではない。
【0117】
一実施例によると、データインターフェースは、測定データがクラウドに伝送され、クラウド内でニューラルネットワークが管理および実行されるように設計されている。そこでは、その後継電器に関する全情報が調和される。場合によっては、例えば状態を継電器ソケットに可視的に表すために任意の逆方向通信路が存在する。
【0118】
図8では、複数の継電器ソケット1020がローカル通信バスを介して互いに接続し、継電器ソケット1020の個々の測定データが中央ヘッドモジュールにより管理される。
【0119】
ヘッドモジュール内では、その後ニューラルネットワークが実行され、これは、ローカルバスに接続した全ての継電器を監視する。ヘッドモジュールは、得られたデータを外部に転送するために別のデータインターフェースを備えることができる。
【0120】
ヘッドモジュールは個々の継電器のデータを集めるだけで、ニューラルネットワークが外部機器上で評価および管理されることも可能である。
【0121】
代替で、データ前処理またはニューラルネットワークのある部分のみヘッドモジュール内で処理され、別の部分は外部機器内で処理されることも可能である。
【0122】
ヘッドモジュールは、別の一実施形態では、固有の電気機械スイッチング装置1000および固有の測定装置10がヘッドモジュールに直接接続せず、ヘッドモジュールによってデータが収集されるだけで、上述のようにさらに処理されるようにも仕上げられる。
【0123】
本発明の一実施例によると、ニューラルネットワークはプロセッサまたはマイクロプロセッサを含むこともできる。
【0124】
本発明の一実施例によると、装置はさらに、多層表示形または信号形で示すことができる表示装置30を含む。
【0125】
例えば、以下の場合に可視化できる。
.等級1:新しい製品(「new」)
.等級2:使用した製品(「in use」)
.等級3:摩耗した製品(「worn」)
.等級4:寿命の終わりが近付く(「end of life」)
【0126】
この実施例では、使用した継電器が継電器ソケットと連結され、則ち例えば製造直後で製品を顧客に納品前にすでにいくつかの切換サイクルが行われ、ニューラルネットワークが正にこの継電器のための微同調を取得することになっている。
【0127】
後に新しい継電器がソケット内に投入されるときには、ニューラルネットワークは例えば短期間この新しい継電器に対して追学習を行う。
【0128】
これは、いわゆる初期化段階で起こり得る。追加情報が継電器(例えば製造者コード)を介して手動で継電器ソケットへ、例えば追加のデータインターフェースを介して入力されることも考えられ、それによりニューラルネットワークの予測が改善される。
【0129】
追加の任意のデータインターフェースは、継電器状態に関して得られた情報を継電器の位置に直接表すのではなく、上位のネットワークに提供するように設けることができる。しかし、例えばニューラルネットワークのニューバージョンが存在する場合には、インターフェースを介して「アップデート」またはデータ在庫変化を継電器ソケットへ伝送することも考えられる。
【0130】
図10に、継電器ソケットの一変態を表し、このとき、コイル電流以外に別の測定技術を継電器ソケット内に集積できることも示される。この可能性は、ここでは多様であり、図10には簡略的に表されている。
【0131】
したがって、例えば評価装置20の形の制御装置が電気機械スイッチング装置1000のカットイン信号を含み、そちら側で電気機械スイッチング装置1000のコイルを作動することが可能である。
【0132】
そのことから追加のフレキシビリティーが得られ、例えばコイルを特に継電器に優しく作動できるかまたは例えばAC適用に適切なカットイン時点を待つことができ、ここでは例えば継電器が接続される前に接触部における零電流通過を待つことが有効となり得る。
【0133】
このとき、手数のかかる直接測定技術を接触部側に提供することなく接触部の切換時点の情報を得るために、図10に示した切換技術を有利に投入できる。
【0134】
本発明は上述の好ましい実施例に基づいて記述したが、これに限定されるものではなく様々な方法で修正できる。特に、本発明は、本発明の核心から逸脱することなく多様な方法で変更または修正することができる。
【0135】
「含む」および「有する」は別の要素または工程を排除するものではなく、「1つの」は多数を排除するものではないことが補足して指摘される。
【0136】
さらに、上述の実施例の1つを参照することで記述した特徴または工程は、上述の別の実施例の別の特徴または工程と組み合わせて用いられることも指摘される。請求項中の参照符号は、限定するものと考えてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】