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特表2022-512338ガラスシートの周縁領域を扱い取り除くためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(54)【発明の名称】ガラスシートの周縁領域を扱い取り除くためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/02 20060101AFI20220127BHJP
   C03B 35/20 20060101ALI20220127BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20220127BHJP
   B26F 3/00 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
C03B33/02
C03B35/20
B28D5/00 Z
B26F3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532401
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(85)【翻訳文提出日】2021-08-04
(86)【国際出願番号】 US2019064195
(87)【国際公開番号】W WO2020123202
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】62/778,357
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ジェームス ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】マッサーロ,マーク トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ナイユエ
【テーマコード(参考)】
3C060
3C069
4G015
【Fターム(参考)】
3C060AA08
3C060AB01
3C060CB03
3C060CB14
3C069AA03
3C069BA04
3C069CA11
3C069CB04
3C069DA07
3C069EA01
4G015FA03
4G015FA04
4G015FB01
4G015FC01
4G015FC04
4G015FC14
4G015GA00
4G015GA01
(57)【要約】
切り込み組立体を備えたガラス製造システム。切り込み組立体はガラスリボンの第1表面に沿って配置された切り込みデバイスと、前記ガラスリボンの第2表面に沿って配置され前記切り込みデバイスと直接対向する支持デバイスとを備える。前記切り込み組立体は、前記ガラスリボンが前記切り込みデバイスと前記支持デバイスの間を下方へy軸方向に移動しながら前記第1表面に沿って垂直切り込み線を形成することで前記ガラスリボンの中央領域から周縁領域を区分けするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製造システムであって、
ガラスリボンの第1表面に沿って配置された切り込みデバイスと
前記ガラスリボンの第2表面に沿って配置され前記切り込みデバイスと直接対向する支持デバイスと
を備えた切り込み組立体
を備え、
前記切り込み組立体は、前記ガラスリボンが前記切り込みデバイスと前記支持デバイスの間を下方へy軸方向に移動しながら前記第1表面に沿って垂直切り込み線を形成することで前記ガラスリボンの中央領域から周縁領域を区分けするように構成される、ガラス製造システム。
【請求項2】
ガラスシートを前記ガラスリボンから水平ブレイク線において分離するように構成された分離装置であって、前記切り込み組立体がその上に配置された分離装置を更に備える請求項1記載のガラス製造システム。
【請求項3】
前記切り込み組立体は、前記ガラスリボンと接触するように配置された複数の切り込みデバイスであって、交代して接触する複数の切り込みデバイスを備える、請求項1又は2記載のガラス製造システム。
【請求項4】
前記切り込み組立体に隣接して配置された少なくとも1つの安定器を含む安定化組立体を更に備え、前記少なくとも1つの安定器は前記ガラスリボンの第1表面及び反対側の第2表面両方に沿って配置され、前記安定化組立体は前記ガラスリボンをz軸方向に沿って維持する、請求項1~3のいずれかに記載のガラス製造システム。
【請求項5】
前記ガラスシートの前記周縁領域を前記垂直切り込み線に沿って分離するように構成されたビーズ除去機と、
前記垂直切り込み線を有する前記ガラスシートを保持し前記ビーズ除去機へ搬送するように構成され、搬送中前記ガラスシートを垂直向きに安定させるように構成されたガラスシート移送装置と
を更に備える請求項1~4のいずれかに記載のガラス製造システム。
【請求項6】
ガラス製造プロセスであって、
溶融ガラスを垂直に下方へ引っ張りガラスリボンを形成するステップと、
前記ガラスリボンが切り込み組立体に沿って垂直に移動しながら前記切り込み組立体で前記ガラスリボンに垂直切り込み線を形成するステップであって、前記垂直切り込み線は中央領域から周縁領域を区分けする、ステップと、
前記ガラスリボンが垂直下方に移動しながら特定の長さの前記ガラスリボンをガラスシートに分離するステップと、
概ね垂直向きの前記ガラスシートにガラスシート移送装置で係合するステップと、
前記概ね垂直向きのガラスシートを第1位置からビーズ除去機へ搬送するステップと、
前記概ね垂直向きのガラスシートを前記ガラスシート移送装置から前記ビーズ除去機において解放するステップと、
前記周縁領域を前記ガラスシートから除去するステップと
を含むガラス製造プロセス。
【請求項7】
前記ガラスシート移送装置は前記ガラスシートに第1表面で係合し、前記ビーズ除去機は前記ガラスシートに前記第1表面と反対側の前記ガラスシートの第2表面で係合する、請求項6記載のガラス製造プロセス。
【請求項8】
概ね垂直向きの前記ガラスシートの前記中央領域に前記ビーズ除去機において第2ガラスシート移送装置で係合するステップと、
前記ガラスシートの前記中央領域を概ね垂直向きで第2ステーションへ前記第2ガラスシート移送装置で搬送するステップと
を更に含む請求項6又は7記載のガラス製造プロセス。
【請求項9】
前記ガラスシートに垂直に切り込みを入れるステップは、
前記ガラスリボンの第1表面に沿って支持デバイスを配置するステップと、
前記ガラスリボンの第2表面に沿って切り込みデバイスを配置するステップであって、前記切り込みデバイスは前記支持デバイスと直接対向する、ステップと、
前記切り込みデバイスと前記支持デバイスとを前記ガラスリボンに対して所定の力で前記ガラスリボンの所定の長さの間、係合させるステップと
を更に含む請求項6~8のいずれかに記載のガラス製造プロセス。
【請求項10】
前記ガラスシートに垂直に切り込みを入れるステップは、
前記切り込みデバイス及び前記支持デバイスを前記ガラスリボンの所定の切り込みされない長さの間、前記ガラスリボンから外すステップと、
前記切り込みデバイス及び前記支持デバイスを前記ガラスリボンの所定の長さの間、前記ガラスリボンに対して再係合するステップと
を更に含む請求項9記載のガラス製造プロセス。
【請求項11】
前記切り込み組立体で前記ガラスシートに垂直に切り込みを入れるステップは、特定の長さの前記ガラスリボンを分離するステップの前に行われる、請求項6~10のいずれかに記載のガラス製造プロセス。
【請求項12】
真空源を前記ビーズ除去機において前記垂直切り込み線に適用するステップを更に含む請求項6~11のいずれかに記載のガラス製造プロセス。
【請求項13】
ガラス製造システムであって、
切り込み組立体であって、ガラスリボンが該切り込み組立体に沿って垂直に移動しながら垂直切り込み線を形成するように構成された切り込み組立体と、
前記ガラスリボンからガラスシートを水平ブレイク線で分離するように構成された分離装置と、
前記ガラスシートの中央領域から周縁領域を前記垂直切り込み線に沿って分離するように構成されたビーズ除去機と、
前記ガラスシートを概ね垂直向きで前記ビーズ除去機へ移送し、移送の間前記ガラスシートを垂直に安定させるように構成されたガラスシート移送装置と
を備えるガラス製造システム。
【請求項14】
前記切り込み組立体は前記分離装置上に配置される、請求項13記載のガラス製造システム。
【請求項15】
前記ガラスシート移送装置はガラスシート係合部及び基部を備え、前記基部は前記ガラスシート係合部を支持するように構成され、前記基部は前記ガラスシート係合部の前記ガラスシートの第1表面へのアクセスを提供するように向けられ、前記ガラスシート係合部は第1ステーションと前記ビーズ除去機の間で可動である、請求項13又は14記載のガラス製造システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2018年12月12日に出願された米国仮特許出願第62/778357号の米国特許法第119条の下の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体を本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は概ね、ガラスシート取扱い及び周縁仕上げのための方法及びシステムに関する。特に、本開示はガラスシートの周縁領域を取り除くための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
薄いガラスシートは多くの光学、電子、又は光電子装置、例えば液晶表示装置(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)装置、太陽電池において半導体装置基板、色フィルター基板、カバーシートなどとして使用されてきた。数マイクロメートルから数ミリメートルの厚みを持つ薄いガラスシートは複数の方法、例えばフロートプロセス、融合下方ドロープロセス、スロット下方ドロープロセスなどで製造されうる。
【0004】
ガラスシートを作製するための成形プロセスでは、ガラスシートの周縁領域が通常硬い表面、例えばエッジロール、引張りロール、エッジ案内ロールなどとの直接接触に曝される。従って、例えば融合下方ドロー又はスロット下方ドロープロセスのドロー底領域における成形装置から直接得た成形されたままのガラスシートの両側の周縁領域は時には「ビーズ」と呼ばれ、主表面の中央領域より低い表面品質を有しがちである。加えて、使用される特定の成形装置に依って、周縁領域(即ち、ビーズ)は中央領域と異なる厚み及びかなりより大きな厚み変動を有する傾向がある。ガラスシートはしばしば切り込みが入れられ、周縁領域が中央領域から取り外され、最終製品又はメインシートを画定する。切り込みを入れることは、ガラスシートの厚みに切り込み線と呼ばれる溝を切ることを伴い、切り込み線は最終製品の概ねの形状を画定する。切り込み線を設けた後、通常、ブレイクと呼ばれる工程で周縁領域はメインシートから切り込み線に沿って分離される。切り込みを入れたガラスシートのブレイクは切り込み線内のガラスシートの厚みを通り切り込み線に沿って伝播する割れの生成を伴う。なお、本開示の文脈内で「ブレイク」は、ガラスシートの破壊ではなく切り込み線に沿ったこの割れを指す。ブレイクはメインシートの結果としての縁を画定する。
【0005】
顧客がより大きくより薄いガラスシートを求めるにつれ、ガラスシートはより高い柔軟性を持ちガラスシートを複数の処理工程中を移動させ、ガラスシートに望ましくない動きを引き起こすことなく周縁領域をシートから取り外すのが益々困難になる。ガラスシートが製造される時、頭上搬送機又はロボットがガラス製造施設内の1つの場所から別の場所へガラスシートを搬送するために使用されうる。ガラスシートが垂直に向けられている(即ち、主表面が垂直に延びている)場合、搬送体がガラスシートを搬送する増加したスピードと減少したガラス厚みは、空中を垂直に搬送される時にガラスシートが「帆走」する傾向を増加させることがあり、ガラスシートの固定されていない部分が空中を垂直から外れて動き他の物体とぶつかり壊れる可能性がある。また、搬送時、ガラスシートの中央に支持されていない長い範囲がある場合、ガラスシートの中央部分の動きが引き起こされうる。搬送機又はロボットが過剰な動き又は「帆走」をガラスシートに引き起こすと、ガラスシートは壊れるか落下さえする可能性がある。現在、シート「帆走」を最小にするために、頭上搬送機により搬送される間、底縁案内機構が使用され垂直シートの底縁の動きを制約する。多くの場合、搬送スピードはシート損傷を最小にするために制限され、これによりシートからシートプロセスサイクル時間を制限する。
【0006】
表示器市場では大きなガラスシート及び/又は小さい厚みに対する増加する要求がある。周縁領域又はビーズ取り外し及びビーズ取り外し工程を通るガラスシートの搬送は、重要な課題でありガラスシート製造プロセスにおける全体歩留りボトルネックでありうる。本開示の実施形態はシートからシートサイクル時間、特に周縁(即ち、ビーズ)取り外しサイクル時間を低減し、例えば同時に同じ動作の部分的に分割された製造ラインの代わりに、ガラス製造システムの単一製造ラインを可能にする。
【発明の概要】
【0007】
本開示の1つの態様は切り込み組立体を備えたガラス製造システムに関する。切り込み組立体はガラスリボンの第1表面に沿って配置された切り込みデバイスと前記ガラスリボンの第2表面に沿って配置され前記切り込みデバイスと直接対向する支持デバイスとを備える。前記切り込み組立体は、前記ガラスリボンが前記切り込みデバイスと前記支持デバイスの間を下方へy軸方向に移動しながら前記第1表面に沿って垂直切り込み線を形成することで前記ガラスリボンの中央領域から周縁領域を区分けするように構成される。
【0008】
本開示の別の態様はガラス製造プロセスに関する。ガラス製造プロセスは溶融ガラスを垂直に下方へ引っ張りガラスリボンを形成するステップと、前記ガラスリボンが切り込み組立体に沿って垂直に移動しながら前記切り込み組立体で前記ガラスリボンに垂直切り込み線を形成するステップとを含む。前記垂直切り込み線は中央領域から周縁領域を区分けする。このプロセスは前記ガラスリボンが垂直下方に移動しながら特定の長さの前記ガラスリボンをガラスシートに分離するステップと、概ね垂直向きの前記ガラスシートにガラスシート移送装置で係合するステップと、前記概ね垂直向きのガラスシートを第1位置からビーズ除去機へ搬送するステップと、前記概ね垂直向きのガラスシートを前記ガラスシート移送装置から前記ビーズ除去機において解放するステップと、前記周縁領域を前記ガラスシートから除去するステップとを更に含む。
【0009】
本開示の別の態様は切り込み組立体、分離装置、ビーズ除去機、及びガラスシート移送装置を備えたガラス製造システムに関する。切り込み組立体はガラスリボンが該切り込み組立体に沿って垂直に移動しながら垂直切り込み線を形成するように構成される。分離装置は前記ガラスリボンからガラスシートを水平ブレイク線で分離するように構成される。ビーズ除去機は前記ガラスシートの中央領域から周縁領域を前記垂直切り込み線に沿って分離するように構成される。ガラスシート移送装置は前記ガラスシートを概ね垂直向きで前記ビーズ除去機へ移送するように構成される。ガラスシート移送装置は移送の間前記ガラスシートを垂直に安定させるように構成される。
【0010】
本明細書に開示された実施形態の追加の特徴と利点は下記の詳細な説明において記述され、その説明から当業者にとって容易に明白となるか、又は下記の詳細な説明、請求項、及び添付図面を含めて本明細書に記載した開示を実施することにより認識されるであろう。
【0011】
上記概要説明と下記の詳細な説明の両方とも、本明細書に開示された実施形態の特質及び特性を理解するための概観又は枠組みを提供するよう意図された実施形態を提示していることは理解されるべきである。添付図面は更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ一部をなしている。図面は本開示の様々な実施形態を例示し、記述内容と共にそれらの原理と動作を説明するように働く。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の態様に係るガラス取り扱い周縁領域切り込み除去システムを含む一例のガラス製造システムのブロック図である。
図2A】本開示の態様に係る図1のガラス製造システムで有用な一例の切り込み組立体の概略前面図を示す。
図2B】本開示の態様に係る図1のガラス製造システムで有用な一例の切り込み組立体の概略側面図を示す。
図2C】本開示の態様に係る図1のガラス製造システムで有用な一例の切り込み組立体の概略側面図を示す。
図3】本開示の態様に係る図2A~2Cの切り込み組立体で有用な一例の切り込みヘッド部の拡大概略斜視図である。
図4】本開示の態様に係る図2A~2Cの切り込み組立体で有用な一例の支持ローラー部の拡大概略斜視図である。
図5】本開示の態様に係るガラスリボンと係合した図3の切り込みヘッド部と図4の支持ローラー部とを含む一例の切り込み組立体の斜視図である。
図6A】本開示の態様に係る一例の安定化組立体を含む切り込み組立体の概略前面図を示す。
図6B】本開示の態様に係る一例の安定化組立体を含む切り込み組立体の概略側面図を示す。
図7A】本開示の態様に係る図1のガラス製造システムで有用な一例のガラス取り扱いブレイクシステムの概略前面図である。
図7B】本開示の態様に係る図1のガラス製造システムで有用な一例のガラス取り扱いブレイクシステムの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面にそれらの例が示された本開示の実施形態を詳細に記述する。可能ならいつでも、同じ又は類似の部品を指すために同じ符号を全図面に亘って使用する。しかし、本開示は多くの異なる形態で具体化されてよいし、本明細書に明記された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0014】
範囲は本明細書で「約」特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までとして表されうる。そのような範囲を表す時、別の実施形態はその特定の値から及び/又はその別の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表される時、先行する「約」の使用により、その特定の値は別の実施形態を形成することは理解されるであろう。各範囲の端点は他の端点と関連してまた他の端点と独立して意味があることも理解されるであろう。
【0015】
本書で使用される方向の用語、例えば上方、下方、右、左、前、後、上面、底面は描かれた図を参照してのみ使用され、絶対的な方向を示唆するように意図されていない。
【0016】
そうでないと明確に記述されていない限り、本書で明らかにされるどんな方法も、特定の順序でそのステップが実行されること要求していると解釈されることも、またどんな装置でも特定の向きが要求されることも決して意図していない。従って、方法請求項がそのステップが従う順序を実際に明記しない場合、又は装置請求項が個々の部品の順序又は向きを実際に明記しない場合、又は請求項又は説明でステップが特定の順序に限定されるべきであると、又は装置の部品の特定の順序又は向きが明記されていない場合、順序又は向きがどんな点でも推測されることは決して意図されていない。この事は、ステップの配列、動作フロー、部品の順序、又は部品の向きに関する論理事項、文法構成又は句読点から導出される平易な意味、本書で説明される実施形態の数又は種類を含む、解釈のためのどんな可能な非明示の根拠にも当てはまる。
【0017】
本書で使用されるように、文脈からそうでないと明らかに指示されない限り、英語の単数形「a」、「an」、及び「the」は複数の指示対象を含む。従って、例えば、1つの構成要素への言及は、文脈からそうでないと明らかに示されない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0018】
本書で使用されるように、「溶融ガラス」は冷えるとガラス状態になりうる溶融した材料を意味すると解釈されるべきである。用語溶融ガラスは用語「溶融物」と同義に使用される。溶融ガラスは、例えば大多数のケイ酸塩ガラスを形成しうるが、本開示はそのように限定されない。
【0019】
本書で使用されるように、用語「流体」は、任意の気体、混合気体、液体、気体と液体の混合物、蒸気、又はこれらの組み合わせを表す。
【0020】
本書で使用されるように、用語「耐火性」又は「耐火性材料」は約538度超(例えば、約700度以上、約800度以上)の環境に曝される構造体又はシステムの部品として適用可能にする化学的物理的特性を有する非金属材料を表すために使用される。
【0021】
図1は本開示の態様に係るガラスシート106を製造するために融合下方ドローガラス成形プロセスを使用し、周縁切り込み組立体102及びガラス取り扱いブレイクシステム104を含む一例のガラス製造システム100の図である。図示のように、ガラス製造システム100は溶融容器110、清澄容器112、混合容器114(例えば、撹拌室114)、送達容器116(例えば、鉢116)、融合下方ドロー機(FDM)120、切り込み組立体102、分離装置(例えば、移動金敷機(TAM))130、搬送機132、及びガラス取り扱いブレイクシステム104を含む。ガラス取り扱いブレイクシステム104はガラスシート移送装置160、ビーズ除去機150、幾つかの実施形態では第2ガラスシート移送装置161を含む。切り込み組立体102の動作及び異なる部品の詳細な説明は図2A~6Bに関して下記に提供される。ガラス取り扱いブレイクシステム104の動作及び異なる部品の詳細な説明は図7A、7Bに関して下記に提供される。
【0022】
図1を参照すると、溶融容器110はガラスバッチ材料が矢印134で示されるように導入され溶融され溶融ガラス136を形成する所であり、この中で泡は溶融ガラス136から取り除かれる。清澄容器112(例えば、清澄管112)は溶融容器110から溶融ガラス136(この場所では図示されない)を受け取る高温処理領域を有し、この中で泡は溶融ガラス136から取り除かれる。清澄容器112は混合容器114(例えば、撹拌室114)に清澄撹拌室間接続管138によって接続される。混合容器114は送達容器116に接続管140によって接続される。送達容器116は溶融ガラス136を降下管142を通ってFDM120内に送達する。FDM120は成形容器121(例えば、アイソパイプ121)及び引張ロール組立体122を含む。図示のように、降下管142からの溶融ガラス136は成形容器121(例えば、アイソパイプ121)に繋がる入口123に流れ込む。
【0023】
成形容器121は溶融ガラス136を受ける開口124を有する。溶融ガラス136は槽125に流れ込み、次にあふれ出て両側面126a及び126bを流れ落ち根元127と呼ばれる所で融合する。根元127は両側面126a及び126bが交わる所であり、溶融ガラス136の2つのあふれ出た壁が再結合(例えば、再融合)してリボン105を形成する所であり、このリボンは引張ロール組立体122により下方へ引っ張られガラスシート106を形成する。溶融ガラス136の単一のリボン105は、根元127からドロー方向128(即ち、y軸方向)に下方張力(例えば、重力と引張ロール組立体122による)を加えることで引っ張られ、溶融ガラス136が冷えこの材料の粘度が増加しながらガラスリボン105の寸法を制御する。それに応じて、ガラスリボン105は、粘弾性遷移を経てガラスリボン105に安定な寸法特性を与える機械的特性を取得する。ガラスリボン105は更なる処理のために分離装置130によりガラスリボン105の弾性領域で個々のガラスシート106に分離されうる。周縁領域108a、108bはガラスリボン105の両側の縁に沿って垂直に形成される。引張ロール組立体122は、ガラスリボン105の両周縁領域108a、108bに沿って配置されうる。
【0024】
図1を続けて参照すると、1つの実施形態では、周縁切り込みは、FDM120と分離装置130の間に配置されガラスリボン105に沿って切り込み線107を作る切り込み組立体102を用いて実行されうる。水平切り込み及び分離装置130によるシート分離プロセスは、切り込み組立体102による周縁切り込みプロセスと共に完了しうる。切り込み組立体102は図1でFDM120と分離装置130の間に示されている。1つの実施形態では、切り込み組立体102は分離装置130の上方(即ち、y軸方向)に配置され、ガラスシート106をガラスリボン105から分離する時、横切り切り込み線115の約1メートル上方に切り込み力を生成する。或いは、下記に更に説明するように切り込み組立体102は分離装置130上に配置されうる。どちらの実施形態でも、垂直切り込みはガラスリボン105がまだ熱い(室温のかなり上)時に行われ、より高い熱膨張係数(CTE)のためのより広いプロセス窓を与えることで、ガラスリボン105に与える応力を少なくしこのプロセスの信頼性を高める。1つの実施形態では、分離装置130による横切り(即ち、水平、x軸方向)切り込み及び切り込み組立体102による周縁(即ち、垂直、y軸方向)切り込みはガラスリボン105の同じ表面(例えば、第1主表面111)上で行われうる。別の実施形態では、横切り切り込み及び周縁切り込みはガラスリボン105の互いに反対側の表面111及び113上で行われる。
【0025】
別の実施形態では、切り込み組立体102による周縁切り込みは、分離装置130による横切り切り込み及びブレイクの直後に行われうる。切り込み組立体102は分離装置130(又は切り込み段鼻突端)上に装着される。他の実施形態では、リボン105が下方へ移動しシート106がリボン105から折り取られる又は分離される間、分離装置130はリボン105を追尾又はリボン105と共に垂直に移動できる。シート106が折り取られた後、PLCが分離装置130に上方へ移動するように信号を送ると、切り込み組立体102はリボン105と係合するよう作動させられ、分離装置130が上方へ移動しながらリボン105上に切り込み線107を形成する。リボン105の所望の長さが下方へ移動するまで切り込み組立体102は係合し、そして外れる。このように、垂直切り込みは横切り及びシート分離と独立して完了し、シート分離プロセスからの動き又は振動は垂直切り込みプロセスと干渉しない。
【0026】
少なくとも部分的に引張ロール組立体122との接触により、周縁領域108a、108bは中央又は主領域109と異なる厚み(即ち、z軸方向の)及び特性(例えば、肌合い)を有しうる。切り込み組立体102は、ガラスリボン105が重力と引張ロール組立体122によりドロー方向128に下方へ移動し融合下方ドロー機(FDM)120を通り分離装置130領域を通る時、ガラスリボン105の垂直の動きを利用して垂直切り込み線107を与えうる。垂直切り込み線107はガラスリボン105の第1表面111又は反対側の第2表面(不図示)に沿って作られうる。切り込み組立体102a、102bは周縁領域108a、108b又は垂直ビーズ縁に沿ってそれぞれ配置されうる。
【0027】
分離装置130は引っ張られるガラスリボン105に水平に切り込みを入れ個々のガラスシート106を画定する。この時点で、ガラスシート106は熱く(室温のかなり上)である。1つの実施形態では、次に、搬送機構144(例えば、ロボット)は切断されたガラスシート106に係合し垂直向きのガラスシート106を分離装置130からドローの底(BOD)領域にある搬送機132へ移動させる。この領域は、ガラスシート106はまだ熱いので熱いBOD(HBOD)領域と呼ばれる。一般に、次に搬送機132は垂直向きのガラスシート106を1つ以上の後のプロセス工程を通しガラスシート106が冷えながら搬送できる。
【0028】
ガラスシート106は、周縁領域108a、108bはまだ切り込み線107で区分けされた中央領域109に付着した状態で分離装置130領域から搬送される。ガラス取り扱いブレイクシステム104のガラスシート移送装置160は、垂直向きのガラスシート106に係合し搬送機132の図示した第1ステーションからガラス取り扱いブレイクシステム104のビーズ除去機150へ移送するのに使用されうる。周縁領域108a、108bはビーズ除去機150において中央領域109から分離される。周縁領域108a、108bが除去された後、別のガラスシート移送装置161が依然垂直向きのガラスシート106の中央領域109を捕捉し追加の処理のためにビーズ除去機150から搬送機132の第2ステーションへ移送するのに使用されうる。冷たい終端と呼ばれる搬送機132の終端では、完成したガラスシート106が、顧客に送れるように他の完成したガラスシート106と共に梱包されうる。
【0029】
図2A~2Cは、本開示の態様に係る図1のガラス製造システム100で有用な一例の切り込み組立体102の拡大概略前面及び側面図を示す。切り込み線107は、ガラスリボン105が切り込み組立体102を通って又は沿って下方へ移動する時、切り込み組立体102によりガラスリボン105に形成されうる。切り込み組立体102は、ガラスリボン105の両側の周縁領域108a、108bの垂直切り込みを可能にする切り込み組立体102a、102bを含みうる。切り込み組立体102a、102bは機能的に同じであり切り込み組立体102と通常呼んでもよい。切り込み組立体102は切り込みヘッド部170及び支持ローラー部172を含む。
【0030】
図2B及び2Cに示すように、ガラスリボン105は支持ローラー部172と切り込みヘッド部170の間を通過しうる。1つの実施形態では、切り込み組立体102の切り込みヘッド部170及び支持ローラー部172は、FDM120と分離装置130(例えば、図1参照)の間に所定の固定された垂直高さ(y軸方向)に配置され保持され、概ね同じ高さ線Cに沿って整列されうる。切り込みヘッド部170及び支持ローラー部172はガラスリボン105と互いに反対側の第1及び第2表面111、113で協力して係合し切り込み線107を形成する。切り込みヘッド部170及び支持ローラー部172はガラスリボン105の互いに反対側の第1及び第2主表面111、113と選択的に協力して係合し(例えば、図2B参照)、ガラスリボン105の互いに反対側の第1及び第2主表面111、113から外れうる(例えば、図2C参照)。支持ローラー部172及び切り込みヘッド部170はz軸方向に調整可能であり、ガラスリボン105との係合時、ガラスに対する所望の力及び切り込み線107の所望の切り込み深さを提供し、望まれる時、ガラスリボン105から外れうる。切り込み力又は法線力(例えば、図2Bで矢印Fで示される)が切り込みヘッド部170により印加され、切り込みホイール182がガラスリボン105と係合し切り込みが行われうる。
【0031】
図2Aを参照すると、支持ローラー部172及び切り込みヘッド部170はx軸方向にも調整可能であり、異なるガラスシート106幅に対応し、また成形プロセスの質の変動に適応しうる。ガラスリボン105が支持ローラー部172に当接し垂直下方へy軸方向(矢印128で示される)に進む時、ガラスリボン105の下方移動は支持ローラー部172を回転させうる。切り込み線107は周縁領域108a、108bのガラスシート106の中央領域109からの取り外しのための破断線を画定し、完成したガラスシートの幅(x軸方向)を画定するのに使用されうる。これらの特徴の態様が下記に更に説明される。
【0032】
図3は本開示の態様に係る図1のガラス製造システム100の切り込み組立体で有用な切り込みヘッド部270の拡大概略斜視図である。切り込みヘッド部270の特徴は上記の切り込みヘッド部170のそれらと同様である。1つの実施形態では、切り込みヘッド部270は切り込みヘッド又は切り込みホイール282を含み、ガラスリボン105の第1及び第2主表面111、113と選択的に係合し切り込み線107を形成しうる。切り込みホイール282は切り込み線107を形成するのに適した任意の切り込みデバイスでありうる。切り込みヘッド部270は熱いガラスリボンの熱に耐え適切に機能するのに適しているが、幾つかの実施形態では、熱遮蔽、空冷、及び切り込みホイール282潤滑油注油の助けを含む。
【0033】
切り込みヘッド部270は切り込みホイール282がガラスリボン105と接触し係合する力(z軸方向)を制御し切り込み線107に沿った中央割れ深さを制御できる(例えば、図2B、2C参照)。切り込みヘッド部270は切り込みホイール282からリボンへの力を、所望の切り込み線107をガラスリボン105に作るのに十分な精度と力制御で維持できる。切り込みヘッド部270はx軸(幅)及びz軸(深さ又はリボン厚み)スライド部280x、280zを有しうる。1つの実施形態では、切り込みヘッド部270はスライド部280x、280z及び力をガラスリボン105に印加する力印加ドライブ284x、284zを含みうる。切り込みホイール282はガラスリボン105と選択的係合のためにスライド部280x、280zに装着されうる。所望の法線力Fをスライド部280z及び力印加ドライブ284zにより切り込みホイール282に維持し十分な中央割れを生成しうる。スライド部280x、280zは切り込みホイール282を調整し所望の位置に維持し、十分な所望の力を印加してガラス表面111に切り込み/スクライブ中央割れを生成でき、これが周縁領域108の中央領域109からの分離が後で印加される曲げ引張応力の下で起るのを許す(例えば、図1のビーズ除去機150において)。
【0034】
1つの実施形態では、切り込みヘッド部270は、4つ棒リンク機構又は無摩擦スライド280などの準拠デバイス、又は力印加ドライブ284(例えば、モーター)に結合されたサーボ駆動スライドを使って力を制御し印加できる。スライド部280及び力印加ドライブ284の一部として又はに加えて、切り込みヘッド部270は、例えば空気圧駆動シリンダー、バネ荷重、トルク制限サーボ、音声コイルアクチュエータ、釣り合い重り、又は力印加制御を助ける他の適切な機構のいずれかを含んでもよい。1つの実施形態では、切り込みヘッド部270はサーボ制御(不図示)に結合され、x軸方向に沿って位置を設定し、z軸方向に沿った位置範囲を所望の力制御範囲内に適切に設定しうる。1つの実施形態では、切り込みホイール282位置は、プログラム論理制御装置(PLC)に接続されたサーボ制御スライド部280を使ってスライド可能に調整可能であり、自動位置プログラミング及び自動位置変更(不図示)を提供する。スライド部280は、例えばPLCとの直流(DC)モーターインターフェースにより制御されうる。
【0035】
1つの実施形態では、切り込みヘッド部270により印加される法線力(F又はF)を切り込みホイール282が使用により摩滅するにつれ増加させうる。切り込みヘッド部270により印加される適切な切り込み力の決定に係るファクターは、例えば切り込みホイールの外径、ガラス表面に対する切り込みホイール角、ホイール種類、切り込みホイールに沿ったガラスリボン移動速度、及びガラス厚みを含みうる。通常、切り込み力を切り込みホイールの直径、ホイール角、ガラス厚み、又は切り込み組立体を通るリボンの速度の増加のいずれに対しても増加させる。1つの実施形態では、切り込みヘッド部270は12ニュートン(N)の法線力Fを±6Nの動作範囲及び0.1Nの力制御でガラスリボンに印加できる。12Nの切り込み力は、三星ダイヤモンド工業株式会社(MDI)により製造されるAPIO(登録商標)スクライビングホイールなどのダイヤモンド刻み目入りホイールについて使用できる。APIOは直径2.5mm、ホイール角110度、ガラス厚み0.5mm、及びガラス移動速度250mm/秒及びEagle(商標)XGガラスを有する。切り込みホイール282はまた、タングステン、カーバイドなどの他の適切な材料で形成されてもよい。
【0036】
1つの実施形態では、2つ以上の切り込みホイール282が、切り込みホイール282を相互交換するために、例えばタレット(不図示)上に組み立てられうる。切り込みホイール282の相互交換は、例えば第1切り込みホイール282をガラスリボン105表面との係合による所定の磨滅レベルまで使用し、望ましくは交換し(例えば、回転して不使用にする)、磨滅していない第2切り込みホイール282が磨滅した第1切り込みホイール282と置き換わる時、有用でありうる。切り込みヘッド部270は第1切り込みホイール282の磨滅を検知するセンサーと 磨滅した切り込みホイール182を磨滅していない切り込みホイール282と回転し交換するのを可能にするアクチュエータ(不図示)とを含みうる。
【0037】
図4は本開示の態様に係る図1のガラス製造システム100の切り込み組立体で有用な支持ローラー部272の拡大概略斜視図である。支持ローラー部272の特徴は上記の支持ローラー部172のそれらと同様である。支持ローラー部272は、ガラスリボン105の第1又は第2主表面111、113と選択的に回転可能に係合可能でありうる接触面276を有するローラー273を含みうる。1つの実施形態では、接触面276は円筒形で中心軸Aの周りに回転可能でありうる。支持ローラー部272は、例えば切り込みホイール182の表面111への印加法線力Fに対抗する表面113に対する支持力を提供し、ガラスリボン105をz軸に沿って概ね垂直向きに切り込み中概ね維持しうる。支持ローラー部272はスライド部278(例えば、サーボモーター駆動スライド)と力印加ドライブ284(例えば、モーター)を使って正確に位置決めされ、ガラスリボンの幅に沿って(z軸に沿って)位置決めされうる。1つの実施形態では、支持ローラー部272はx軸(幅)及びz軸(深さ又はリボン厚み)スライド部278x、278z及び力印加ドライブ284x、284zを有しうる。支持ローラー部272のスライド部278x、278zは切り込みヘッド部270のスライド部280x、280zに類似する。支持ローラー部272は熱いガラスリボンの熱に耐え適切に機能するのに適しているが、幾つかの実施形態では、熱遮蔽、空冷、及びローラー283潤滑油注油の助けを含む。
【0038】
切り込みヘッド部270と同様、2つ以上のローラー273が、支持ローラー部272のローラー273を相互交換する容易さのため及び、ローラー273の効率的交換を提供するために、例えばタレット(不図示)上に組み立てられうる。ローラー273の相互交換は、例えば第1支持ローラー273をガラスリボン105との摩擦により所定の磨滅レベル又は潤滑油レベルまで使用し、望ましくは交換し(例えば、回転して不使用にする)、磨滅していない第2ローラー273が磨滅した第1ローラー273と置き換わる時、有用でありうる。ローラー273の磨滅を検知するセンサーと 磨滅したローラー273を磨滅していないローラー273と回転し交換するのを可能にするアクチュエータ(不図示)とを使用しうる。ローラー273を適切に交換するための他の機構を使用してもよい。
【0039】
1つの実施形態では、支持ローラー部272のスライド部280は、4つ棒リンク機構又は無摩擦スライドなどの準拠デバイス、又は力印加ドライブ284(例えば、モーター)に結合されたサーボ駆動スライドを使って力を制御し印加できる。支持ローラー部272及び力印加ドライブ284の一部として又はに加えて、支持ローラー部272は、例えば空気圧駆動シリンダー、バネ荷重、トルク制限サーボ、音声コイルアクチュエータ、又は釣り合い重りのいずれかを使って力を制御できる。1つの実施形態では、支持ローラー部272はサーボ制御(不図示)に結合され、x軸方向に沿って位置を設定し、z軸方向に沿った位置範囲を所望の力制御範囲内に適切に設定しうる。1つの実施形態では、ローラー273位置は、プログラム論理制御装置(PLC)に接続されたサーボ制御を使ってスライド可能に調整可能であり、自動位置プログラミング及び自動位置変更(不図示)を提供する。スライド部278は、PLCとの直流(DC)モーターインターフェースにより制御されうる。スライド部278は、ローラー173又は他の適切な切り込みヘッドデバイスを所望の位置に維持し十分な所望の力を印加してガラス表面113に切り込み/スクライブ中央割れを生成でき、これが周縁領域108の中央領域109からの分離が後で印加される曲げ引張応力の下で起るのを許す(例えば、ビーズ除去機150において)。
【0040】
図5は本開示の態様に係るガラスリボン105と係合した図3の切り込みヘッド部270と図4の支持ローラー部272を含む切り込み組立体202の斜視図を示す。切り込みヘッド部270は支持ローラー部272と対向してこれと概ね同じ高さ(y軸方向)に配置されうる。より具体的には、支持ローラー部272のローラー273と切り込みヘッド部270の切り込みホイール282とはガラスリボン105の互いに反対側の表面に沿って同じ高さに配置されうる。支持ローラー部272はガラスリボン105と切り込みホイール282と反対側の主表面で係合しうる。ローラー273は、例えば法線力が切り込みヘッド部270によってガラスリボン105の反対側の表面111に印加された時、ガラスリボン105の表面113と選択的に係合しうる。支持ローラー部272は回転され接触面276がガラスリボンの速度で動きうる(例えば、同じ速度で)。支持ローラー273はサーボモーター駆動スライドを使って正確に位置決めされ、所望の切断幅(x軸に沿った)の位置に位置決めされうる。支持ローラー部272はガラスリボン105とガラスリボン105の非品質領域で係合しうる。非品質領域はガラスシート106から除去されて最終ガラスシート製品を形成する。非品質領域は周縁領域108a、108b(例えば、図2A参照)と中央領域109内の境界領域とを含みうる。例えば、支持ローラー部272の接触面176はガラスリボン105にガラスシート106の中央領域109内の切り込み線107から約10~20mmの非品質境界領域内で接触するように寸法づけられ配置されうる。
【0041】
図6A及び6Bは本開示の態様に係るガラスリボン105の一部に沿って配置された安定化組立体386を含む切り込み組立体302の概略側面及び前面図を示す。1つの実施形態では、安定化組立体386は切り込み組立体302に含まれ切り込みホイール382近くのガラスリボン105を安定させるのを助ける。安定化組立体386はガラスリボン105に沿って切り込みヘッド部370の直ぐ上、下、又は上と下とに配置された安定化ローラーなどの安定器388を含みうる。
【0042】
図6Bの側面図に示されるように、安定化組立体386はガラスリボン105の第1及び第2表面111、113のそれぞれに沿って配置された安定器388a、388bを含みうる。一例では、安定化ローラー388は切り込みホイール382から約25mm~50mm垂直にずれて(即ち、y軸に沿って)配置される。切り込みヘッド部302の上方の安定化ローラー388aを含む安定化組立体386はリボン位置を固定し、周縁切り込みプロセスを切り込みヘッド部302の上方で行われているリボン105形成プロセスから分離するのを助けうる。切り込みヘッド部302の下方の安定化ローラー388bを含む安定化組立体386はy軸横切りプロセス(例えば、図1の分離デバイス130による)を周縁切り込みプロセスから分離するのを助けうる。安定化ローラー388a、388bは下方へ移動するガラスリボン105の速度に概ね等しい速度で、又は幾つかのプロセスでは切り込みプロセス力がリボン105の動きに伝わるのを防ぐのを助けリボン105の速度変化又は折れ曲がりを生成するために、リボン105の垂直移動速度より若干速い速度で回転するように構成されうる。切り込みヘッド部302の下方に位置する安定化ローラー388a、388bは周縁切り込みプロセスからの摂動(例えば、横切り切り込み及び折り取るプロセスの間に引き起こされるリボン105の振動)を防ぎ又は制限するのを助けうる。別の実施形態では、切り込み組立体302は分離デバイス130に装着され分離デバイス130と協同して移動し垂直切り込み線107及び水平切り込み線115を形成する。分離デバイス130に装着された場合、安定化ローラー388bは切り込みヘッド部370がガラスリボン105から外れる時に起こるガラスリボン105からのシート106のブレイクにより無くすことができる。
【0043】
図6Aを参照すると、1つの実施形態では、周縁切り込み線107はほぼ連続であり、横切り切り込み線115又は横線領域に隣接する短い非切り込み部分119(例えば、約30mm)の例外がある。切り込みホイール382(及びローラー373)は第1シートの規定された長さの端の約15mm前にリボンから外れ、次のシートの開始後約15mmでリボンと再係合しうる。言い換えれば、切り込みホイール382は横切り切り込み線115の約15mm前と後の距離の間、外れうる。1つの実施形態では、切り込み組立体302は分離デバイス130の上方に配置され水平横切り切り込み線115の形成の約500mm上方で切り込み力を生成する。非切り込み部分119は、切り込み線107と横切り切り込み線115の両方において良好に画定されたブレイク線の形成を助け、リボン105からガラスシート106を水平横切り切り込み線115でブレイクし分離する時、割れ線の自己増殖を抑制するのを助けうる。非切り込み部分119は周縁切り込み線107の中断であり、シート106の折り取る動きの間及び搬送機構144によってシート106を搬送し搬送機132に渡す(例えば、図1参照)間、中央割れが成長するのを防ぐ又は周縁領域108a、108b又はビーズが中央領域109から分離するのを防ぐのを助けうる。非切り込み部分119は、リボン105からガラスシート106が水平横切り切り込み線115でブレイクし分離する間、周縁領域108a、108bを中央領域109に付着し又は接続されたままに保つのを助けうる。非切り込み部分119での周縁切り込み線107の中断は、切り込みされたガラスシート106がビーズ除去機150への搬送のために耐久性を増すために行われうる。周縁切り込み線107の非切り込み部分119はまた、プロセス中断が発生するのを許しうる。プロセス中断は切り込みホイール182交換、洗浄、及び/又は潤滑油注油が完了するために使用されうる。例えば、切り込みホイール382及び/又はローラー373は外れている間、交換又は修理されうる。
【0044】
図7A及び7Bは本開示の態様に係る図1のガラス製造システム100で有用な一例のガラス取り扱いブレイクシステム404の前面及び側面概略図である。ガラス取り扱いブレイクシステム404は第1ガラスシート移送装置460、ビーズ除去機450、及び第2ガラスシート移送装置461を含む(下記で更に説明する)。ガラス取り扱いブレイクシステム404はガラス製造システム100の製造ライン(例えば、図1参照)内の切り込み組立体102及び分離装置130の後又は下流に配置される。図1も参照すると、ガラスシート106は分離装置130領域から(搬送機構144及び搬送機132により)、周縁領域108a、108bはまだ切り込み線107で区分けされた中央領域109に付着した状態で搬送される。ガラス取り扱いブレイクシステム404はガラスシート106の効率的搬送と切り込みが入れられた周縁領域108a、108b(即ち、ビーズ縁)の中央領域109からの分離とを容易にするために使用されうる。
【0045】
ガラス取り扱いブレイクシステム404の第1ガラスシート移送装置460は垂直向きのガラスシート106に係合し搬送機132の第1ステーションからガラス取り扱いブレイクシステム404のビーズ除去機450へ移送するために使用されうる。1つの実施形態では、第1ガラスシート移送装置460はガラスシート106に第1表面111など1つの表面に沿って係合するように配置され向けられている。1つの実施形態では、或いは又は加えて、第1ガラスシート移送装置460はガラスシート106にガラスシート106の周縁非品質境界領域(例えば、左及び右側縁117a、117b)に沿って係合しうる。1つの実施形態では、左及び右側縁117a、117bは中央領域109に付着している時の周縁領域108a、108bを含みうる。第1ガラスシート移送装置460は垂直向きのガラスシート106をビーズ除去機450へ移送し、ガラスシート106のビーズ除去機450への係合後、ガラスシート106の例えば第1表面111を解放し外れる。ビーズ除去機450はガラスシート106と第1表面111と反対側の第2表面113及び/又はガラスシート106の周縁非品質境界領域に沿って係合するように向けられる。ガラスシート移送装置460はガラスシート106(例えば、上部及び底部側縁118a、118b)と係合しない。第1ガラスシート移送装置460と同様に、第2ガラスシート移送装置461はガラスシート106にガラスシート106の第1表面111に沿って係合するように配置され向けられる。1つの実施形態では、或いは又は加えて、第2ガラスシート移送装置461はガラスシート106にガラスシート106の周縁非品質境界領域(例えば、左及び右側縁117a、117b)に沿って係合しうる。
【0046】
ガラスシート移送装置460、461は、垂直向きのガラスシート106を拾い上げ、搬送し降ろすために搬送機拾い上げ又は降ろす位置とビーズ除去機450間の繰り返し動き(例えば、往復)用に構成される。各ガラスシート移送装置460、461はロボット又は他の電気機械式搬送体でありうる。ガラスシート移送装置460、461は、ガラスシート106を搬送の間、垂直に安定させ、望ましくない動き、例えば空気中を大きな平面ガラスシート106が移動することにより引き起こされるガラスシート106の帆走を制限する。ガラスシート移送装置460、461は、ガラスシート106と係合し、垂直向きの搬送時、ガラスシート106の全体又は一部の望ましくない動き(例えば帆走、垂直に対し斜めの動き、所望の搬送路外への2方向以上の動き、波動など)を制限するように構成される。
【0047】
1つの実施形態では、各ガラスシート移送装置460、461は、基部462、アーム464、及びガラスシート係合組立体466を含みうる。基部462は移動可能又は所定の位置に固定されうる。例えば、基部462は製造ラインに沿って製造施設の床にボルト又は他の方法で固定されうる。アーム464は基部462から延在し、基部462に結合された第1端463と、第1端463の反対側であってガラスシート係合組立体466に結合され終端する第2端465とを有する。アーム464はまた、第1端463と第2端465の間に1つ以上の関節467を含みうる。関節467は基部とガラスシート係合組立体466の間のアーム464の転回、回転、又は他の多平面動きを容易にする。アーム464はガラスシート係合組立体466を第1位置(例えば、搬送機132)から第2位置(例えば、ビーズ除去機450)へ空間を通って移動させるように構成される。ガラスシート係合組立体466は垂直向きのガラスシート106の表面111又は113と選択的に係合するように構成される。1つの実施形態では、ガラスシート係合組立体466は異なるサイズのガラスシート106と係合するのに適した様々なサイズの相互交換可能なガラスシート係合組立体466の一組を含みうる。
【0048】
本開示の態様に係るガラスシート移送装置460、461は同じに又は異なって構成されうる。例えば、ガラスシート移送装置160は同じ又は異なるタイプのガラスシート係合組立体466を含みうる。1つの実施形態では、第1ガラスシート移送装置460のガラスシート係合組立体466は、垂直向きのガラスシート106の第1表面111と係合しガラスシート移送装置460による搬送の間、垂直向きのガラスシート106を垂直に安定させ、望ましくない動きを制限するように構成された吸引組立体490を含みうる。吸引組立体490は、搬送の間、ガラスシートに係合し支持するのに適した間隔を空けたパターンに配列された1つ以上の吸引デバイス491、又は吸引カップを含みうる。1つの実施形態では、吸引デバイス491は、第1表面111の表面領域の大部分(50%超)と選択的に係合し覆いうる。
【0049】
1つの実施形態では、ガラスシート係合組立体466は縁グリッパー492を含みうる。例示目的で、縁グリッパー492は第2ガラスシート移送装置461に含まれているが、縁グリッパー492は第1ガラスシート移送装置460のガラスシート係合組立体466に含まれうる。縁グリッパー492は、互いに反対側の縁117a、117bに沿って非品質領域で垂直向きのガラスシート106に係合するように構成された一対の互いに反対側の縁グリッパー492a、492bを含む。1つの実施形態では、縁グリッパー492はガラスシート106の側縁117a、117bと第1及び第2主表面111、113の隣接する非品質領域とに係合しそれらの周りに延在するように構成される。縁グリッパー492は、例えばガラスシート106を損傷することなくガラスシート106に接触するためにゴムなどの可撓性材料でできた段鼻を含みうる。縁グリッパーは空気圧アクチュエータ、サーボ、又は他の機構により可動であってよく、縁グリッパー492a、492bをガラスシート106の縁117a、117bの方へ移動させしっかりと係合させ、適宜、ガラスシート106から外れ解放するようにガラスシート106の縁117a、117bから離れ外側へ移動させる。
【0050】
1つの実施形態では、ガラスシート係合組立体466は、例えば第2ガラスシート移送装置461と共に例示された空気機械係合部494を含みうる。空気機械係合部494は垂直向きのガラスシート106の主表面(例えば、第1表面111)に沿って配置されうる。1つの実施形態では、図示のように、ガラスシート係合組立体466は縁グリッパー492と空気機械係合部494とを含みうる。空気機械係合部494は中央領域109に沿ってガラスシート106を選択的に支持し安定にしガラスシート106を垂直面内に維持しうる。縁グリッパー492はガラスシート106を側縁117a、117bに沿って支持し安定にしうる。別の実施形態では、ガラスシート係合組立体466は空気機械係合部及び吸引デバイスを含む。例えば、空気機械係合部はガラスシート106の中央領域109に沿って配置され、吸引デバイスはガラスシート106の周縁部の周りで垂直向きのガラスシート106に係合し支持するように配置されうる。本開示で有用な空気機械係合部494を含むガラスシート係合組立体466の一例は、米国特許第7260959号明細書に記載されており、その内容全体を本明細書に引用する。
【0051】
ビーズ除去機450はガラスシート106の周縁領域108a、108bを存在する垂直切り込み線107に沿って中央領域109から分離するように構成される。周縁領域108a、108bの中央領域109からの取り外し間、ガラスシート106はビーズ除去機450の支持スタンド452に選択的に支持され固定されうる。支持スタンド452はガラスシート106を支持し固定し、ガラスシート移送装置460、461から/への移送を容易にするのに適した任意の構成であってよい。例として、支持スタンド452は基部453、脚454、及び結合器455を含みうる。1つの実施形態では、結合器455は様々なサイズ及び形状のガラスシート106に係合し支持できるように調整可能で及び/又は関節付きでありうる。いずれにしても、ビーズ除去機450はガラスシート移送装置460、461と独立してガラスシート106を支持し垂直向きの固定姿勢に維持しうる。1つの実施形態では、ビーズ除去機450はガラスシート106の第2表面113に沿って向けられ垂直向きのガラスシート106を第2表面113及び/又は第2表面113の非品質領域、例えば上部及び底部縁118a、118bに沿って支持しうる。
【0052】
ビーズ除去機450は、周縁領域108a、108bを中央領域109から分離するのを容易にするブレーカー456を含みうる。1つの実施形態では、ブレーカー456は、ガラスシート106の送達と取り外しの間、ガラスシート106がビーズ除去機450の一方の側(前及び後部品間ではなく)に沿って通過しうるために関節付きか又は他のやり方で可動でありうる。ビーズが付いたガラスシート106がガラスシート移送装置160からビーズ除去機450の支持スタンド452上に直接置かれ係合されうるために、ブレーカー456の部品又はビーズ除去機450の他の部品(例えば、結合器455)はビーズが付いたガラスシート106の幅を超えて移動するか、ガラスシート106の第2表面113の後ろに又はに沿って引っ込むか、又は他の状態に置かれうる。ブレーカー456は、周縁領域108a、108bを中央領域109から分離するのを容易にするのに適した任意の可動機構であってよい。周縁領域108a、108bは中央領域109からブレーカー456で折り取られるか、ブレイクされるか、又は他のやり方で分離されうる。周縁領域108a、108bが除去された後、別のガラスシート移送装置461が垂直向きのガラスシート106を拾い上げビーズ除去機450から搬送機132のステーションへ追加の処理のため移送するのに使用されうる。
【0053】
1つの実施形態では、真空源458、又は真空室が切り込み線107に沿って吸引するためにビーズ除去機450に含まれうる。真空源458は、周縁領域108a、108bの分離処理の間、粒子捕捉及び閉じ込めのために切り込み線107に沿って配置され向けられうる。ビーズ除去機450に切り込み組立体がないこと(切り込み組立体102は分離装置130上又は近くに位置するので)は、切り込み線107に沿って切り込み組立体との干渉がない真空源458のための空間を作る。真空源458は切り込み線107に沿って開いたアクセスを有し、周縁領域108a、108bの中央領域109からの分離によって引き起こされる閉じ込めの効果的除去のための切り込み領域及び切り込み線107からずれている必要がない。
【0054】
ガラスシート移送装置460は垂直向きのガラスシート106を拾い上げ搬送機132からビーズ除去機450へ移送するのに使用されうる。周縁領域108a、108bが除去された後、第2ガラスシート移送装置461がガラスシート106の中央領域109を拾い上げビーズ除去機450から搬送機132の第2ステーション又は部分へ移送するのに使用されうる。ビーズ除去機450の下流/送出側のガラスシート移送装置461は、垂直向きのビーズが除去されたガラスシート(即ち、中央領域109)を拾い上げビーズ除去機450から搬送機132による垂直向きのガラスシート106の搬送のための下流位置へ追加の処理のため移送しうる。
【0055】
ガラス取り扱いブレイクシステム404はガラスシート移送装置460、461及びビーズ除去機450の同時動作を容易にしうる。ガラスシート106をビーズ除去機450で周縁領域108a、108bの除去のために解放した後、第1ガラスシート移送装置460のアーム464はガラスシート係合組立体466を搬送機132の第1位置へ戻し、別のガラスシート106に係合し搬送機132から搬送しうる。一方、第2ガラスシート移送装置461のガラスシート係合組立体466は戻され、又はビーズ除去機450において別のガラスシート106と係合し取り去る準備がされうる。第2ガラスシート移送装置461は、ビーズ除去プロセスが終了した後、ビーズが除去されたガラスシート106に係合し搬送機132の第2ステーションへ搬送しうる。このように、ガラスシート移送装置460、461及びビーズ除去機450の動作は同時であり多数のガラスシート106の周縁領域108a、108bを搬送し取り去りうる。別の実施形態では、第1及び第2ガラスシート移送装置460、461の代わりに、単一のガラスシート移送装置460が周縁領域108a、108bの除去前と後でガラスシート106の効率的移送を容易にするのに適するように再配置されて、個々のガラスシートのビーズ除去機450への送入及び送出を容易にしうる。それにも拘らず、ガラスシート移送装置460、461は周縁領域108a、108bがある又はないガラスシート106を、ガラスシート106を概ね平面及び垂直向きに維持しながら搬送機132で得られうるより大きな速度で搬送できる。多数のシートの同時搬送、切り込み、及び周縁部分の除去は、一連の逐次ステップで行われる動作に比べてシートからシートプロセスサイクル時間全体を削減しうる。
【0056】
本開示の要旨及び範囲から逸脱することなく、様々な部分変更及び変形が本開示の実施形態にされうることは当業者には明らかであろう。従って、そのような部分変更及び変形が添付の請求項及びそれらの等価物の範囲内に入る場合、本開示はそのような部分変更及び変形を包含するように意図されている。
【0057】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0058】
実施形態1
ガラス製造システムであって、
ガラスリボンの第1表面に沿って配置された切り込みデバイスと
前記ガラスリボンの第2表面に沿って配置され前記切り込みデバイスと直接対向する支持デバイスと
を備えた切り込み組立体
を備え、
前記切り込み組立体は、前記ガラスリボンが前記切り込みデバイスと前記支持デバイスの間を下方へy軸方向に移動しながら前記第1表面に沿って垂直切り込み線を形成することで前記ガラスリボンの中央領域から周縁領域を区分けするように構成される、ガラス製造システム。
【0059】
実施形態2
ガラスシートを前記ガラスリボンから水平ブレイク線において分離するように構成された分離装置であって、前記切り込み組立体がその上に配置された分離装置を更に備える実施形態1記載のガラス製造システム。
【0060】
実施形態3
前記切り込み組立体は、前記ガラスリボンと接触するように配置された複数の切り込みデバイスであって、交代して接触する複数の切り込みデバイスを備える、実施形態1記載のガラス製造システム。
【0061】
実施形態4
前記ガラス切り込み組立体は前記y軸方向に固定された位置に維持される、実施形態1記載のガラス製造システム。
【0062】
実施形態5
前記切り込み組立体に隣接して配置された少なくとも1つの安定器を含む安定化組立体を更に備え、前記少なくとも1つの安定器は前記ガラスリボンの第1表面及び反対側の第2表面両方に沿って配置され、前記安定化組立体は前記ガラスリボンをz軸方向に沿って維持する、実施形態1記載のガラス製造システム。
【0063】
実施形態6
前記ガラスシートの前記周縁領域を前記垂直切り込み線に沿って分離するように構成されたビーズ除去機と、
前記垂直切り込み線を有する前記ガラスシートを保持し前記ビーズ除去機へ搬送するように構成され、搬送中前記ガラスシートを垂直向きに安定させるように構成されたガラスシート移送装置と
を更に備える実施形態1記載のガラス製造システム。
【0064】
実施形態7
前記ガラスシート移送装置は前記ガラスシートに第1表面で係合するように構成され、前記ビーズ除去機は前記ガラスシートの前記第1表面と反対側の第2表面で前記ガラスシートに係合するように構成される、実施形態6記載のガラス製造システム。
【0065】
実施形態8
ガラス製造プロセスであって、
溶融ガラスを垂直に下方へ引っ張りガラスリボンを形成するステップと、
前記ガラスリボンが切り込み組立体に沿って垂直に移動しながら前記切り込み組立体で前記ガラスリボンに垂直切り込み線を形成するステップであって、前記垂直切り込み線は中央領域から周縁領域を区分けする、ステップと、
前記ガラスリボンが垂直下方に移動しながら特定の長さの前記ガラスリボンをガラスシートに分離するステップと、
概ね垂直向きの前記ガラスシートにガラスシート移送装置で係合するステップと、
前記概ね垂直向きのガラスシートを第1位置からビーズ除去機へ搬送するステップと、
前記概ね垂直向きのガラスシートを前記ガラスシート移送装置から前記ビーズ除去機において解放するステップと、
前記周縁領域を前記ガラスシートから除去するステップと
を含むガラス製造プロセス。
【0066】
実施形態9
前記ガラスシート移送装置は前記ガラスシートに第1表面で係合し、前記ビーズ除去機は前記ガラスシートに前記第1表面と反対側の前記ガラスシートの第2表面で係合する、実施形態8記載のガラス製造プロセス。
【0067】
実施形態10
前記ガラスシートを前記ビーズ除去機で解放した後、前記ガラスシート移送装置を前記第1位置へ戻すステップを更に含む実施形態8記載のガラス製造プロセス。
【0068】
実施形態11
概ね垂直向きの前記ガラスシートの前記中央領域に前記ビーズ除去機において第2ガラスシート移送装置で係合するステップと、
前記ガラスシートの前記中央領域を概ね垂直向きで第2ステーションへ前記第2ガラスシート移送装置で搬送するステップと
を更に含む実施形態8記載のガラス製造プロセス。
【0069】
実施形態12
前記ガラスシートに垂直に切り込みを入れるステップは、
前記ガラスリボンの第1表面に沿って支持デバイスを配置するステップと、
前記ガラスリボンの第2表面に沿って切り込みデバイスを配置するステップであって、前記切り込みデバイスは前記支持デバイスと直接対向する、ステップと、
前記切り込みデバイスと前記支持デバイスとを前記ガラスリボンに対して所定の力で前記ガラスリボンの所定の長さの間、係合させるステップと
を更に含む実施形態8記載のガラス製造プロセス。
【0070】
実施形態13
前記ガラスシートに垂直に切り込みを入れるステップは、
前記切り込みデバイス及び前記支持デバイスを前記ガラスリボンの所定の切り込みされない長さの間、前記ガラスリボンから外すステップと、
前記切り込みデバイス及び前記支持デバイスを前記ガラスリボンの所定の長さの間、前記ガラスリボンに対して再係合するステップと
を更に含む実施形態12記載のガラス製造プロセス。
【0071】
実施形態14
前記切り込み組立体で前記ガラスシートに垂直に切り込みを入れるステップは、特定の長さの前記ガラスリボンを分離するステップの前に行われる、実施形態8記載のガラス製造プロセス。
【0072】
実施形態15
真空源を前記ビーズ除去機において前記垂直切り込み線に適用するステップを更に含む実施形態8記載のガラス製造プロセス。
【0073】
実施形態16
ガラス製造システムであって、
切り込み組立体であって、ガラスリボンが該切り込み組立体に沿って垂直に移動しながら垂直切り込み線を形成するように構成された切り込み組立体と、
前記ガラスリボンからガラスシートを水平ブレイク線で分離するように構成された分離装置と、
前記ガラスシートの中央領域から周縁領域を前記垂直切り込み線に沿って分離するように構成されたビーズ除去機と、
前記ガラスシートを概ね垂直向きで前記ビーズ除去機へ移送し、移送の間前記ガラスシートを垂直に安定させるように構成されたガラスシート移送装置と
を備えるガラス製造システム。
【0074】
実施形態17
前記切り込み組立体は前記分離装置上に配置される、実施形態16記載のガラス製造システム。
【0075】
実施形態18
前記切り込み組立体は固定された垂直位置に維持される、実施形態16記載のガラス製造システム。
【0076】
実施形態19
前記ガラスシート移送装置はガラスシート係合部及び基部を備え、前記基部は前記ガラスシート係合部を支持するように構成され、前記基部は前記ガラスシート係合部の前記ガラスシートの第1表面へのアクセスを提供するように向けられ、前記ガラスシート係合部は第1ステーションと前記ビーズ除去機の間で可動である、実施形態16記載のガラス製造システム。
【0077】
実施形態20
前記ビーズ除去機から前記ガラスシートの前記中央領域を取り去る第2ガラスシート移送装置を更に備える実施形態16記載のガラス製造システム。
【符号の説明】
【0078】
100 ガラス製造システム
102 切り込み組立体
104、404 ガラス取り扱いブレイクシステム
105 ガラスリボン
106 ガラスシート
108 周縁領域
109 中央領域
110 溶融容器
111 第1主表面
112 清澄容器
113 第2表面
114 混合容器
116 送達容器
119 非切り込み部分
120 融合下方ドロー機(FDM)
121 成形容器
122 引張ロール組立体
130 分離装置
132 搬送機
136 溶融ガラス
140 接続管
142 降下管
150、450 ビーズ除去機
160、460 第1ガラスシート移送装置
161、461 第2ガラスシート移送装置
170、370 切り込みヘッド部
172 支持ローラー部
182、382 切り込みホイール
388 安定器(安定化ローラー)
466 ガラスシート係合組立体
490 吸引組立体
491 吸引デバイス
494 空気機械係合部
図1
図2A
図2B-2C】
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
【国際調査報告】