(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(54)【発明の名称】マルチチャネル撮像装置及びマルチアパーチャ撮像装置を備えた装置
(51)【国際特許分類】
G03B 19/07 20210101AFI20220127BHJP
G03B 35/08 20210101ALI20220127BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220127BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20220127BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220127BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
G03B19/07
G03B35/08
G03B17/02
G03B15/02
H04N5/225 400
H04N5/232 380
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532960
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(85)【翻訳文提出日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2019083521
(87)【国際公開番号】W WO2020120230
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】102018221358.5
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018222830.2
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500242786
【氏名又は名称】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ヴィッパーマン
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・デュパーレ
【テーマコード(参考)】
2H054
2H059
2H100
5C122
【Fターム(参考)】
2H054BB02
2H054BB05
2H054BB07
2H059AA09
2H059CA00
2H100CC02
2H100CC07
5C122DA09
5C122DA16
5C122EA54
5C122FA02
5C122FA04
5C122FB01
5C122FB11
5C122FB16
5C122FD07
5C122GE04
5C122GE06
5C122GE11
(57)【要約】
マルチアパーチャ撮像装置は、画像センサと、隣り合って配置された光チャネルのアレイであって、各光チャネルが、全体視野の少なくとも1つの部分視野を、前記画像センサの画像センサ領域に撮像するための光学系を含んでいるアレイと、前記光チャネルのビーム経路を偏向させるためのビーム偏向装置であって、前記光チャネルを通過する電磁放射線の第1の波長領域に関して有効な第1のビーム偏向領域、及び、前記光チャネルを通過する電磁放射線の、第1の波長領域とは異なる第2の波長領域に関して有効な第2のビーム偏向領域を有しているビーム偏向装置と、を含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサ(36)と、
隣り合って配置された複数の光チャネル(42a~42d)からなるアレイ(38)であって、各光チャネル(42a~42d)が全体視野(60)の少なくとも1つの部分視野(64a~64d)を、前記画像センサ(36)の画像センサ領域(46a~46d)に撮像するための光学系を含む、アレイ(38)と、
前記光チャネル(42a~42d)のビーム経路を偏向させるためのビーム偏向装置(18)であって、前記光チャネル(42a~42d)を通過する電磁放射線の第1の波長領域(66)用の第1のビーム偏向領域(18A)、及び、前記光チャネル(42a~42d)を通過する電磁放射線の、前記第1の波長領域(66)とは異なる第2の波長領域(68)用の第2のビーム偏向領域(18B)を有しているビーム偏向装置(18)と、
を備えるマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項2】
前記全体視野(60)の第1の像を、前記第1の像が前記第1の波長領域(66)に基づくように前記第1のビーム偏向領域(18A)を用いて前記画像センサ(36)で撮影するように構成され、かつ、前記全体視野(60)の第2の像を、前記第2の像が前記第2の波長領域(68)に基づくように前記第2のビーム偏向領域(18B)を用いて前記画像センサ(36)で撮影するように構成されている請求項1に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項3】
前記第2の像を用いて、前記第1の像に関する深度図を決定するように構成されている請求項2に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項4】
前記第1のビーム偏向領域(18A)が前記ビーム偏向装置(18)の第1の面に位置し、前記第2のビーム偏向領域(18B)が、前記第1の面の反対側に位置する第2の面に位置し、前記ビーム偏向装置(18)は、前記全体視野(60)の第1の像を撮影するために前記第1の面が前記画像センサ(36)に対向して配置され、かつ、前記全体視野(60)の第2の像を撮影するために前記第2の面が前記画像センサ(36)に対向して配置されているように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項5】
前記ビーム偏向装置(18)の第1の面が、前記第1の波長領域(66)又は前記第2の波長領域(68)において機能するように反対側の第2の面とは異なるコーティングを有している、請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項6】
前記ビーム偏向装置(18)が、前記第1の波長領域(66)において機能する際に前記第1の波長領域(66)を反射し、前記第1の波長領域とは異なる波長領域を少なくとも部分的に吸収するように構成されており、及び/又は、前記ビーム偏向装置(18)が、前記第2の波長領域(68)において機能する際に前記第2の波長領域(68)を反射し、前記第2の波長領域とは異なる波長領域を少なくとも部分的に吸収するように構成されている、請求項1から5のいずれ一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項7】
前記全体視野(60)が、第1の全体視野であり、該マルチアパーチャ撮像装置が、前記第1の全体視野を撮影するための第1の視線方向と、第2の全体視野までの第2の視線方向とを有し、該マルチアパーチャ撮像装置が、前記第2の全体視野の第3の像を、前記第3の像が前記第1の波長領域(66)に基づくように前記第1のビーム偏向領域(18A)を用いて前記画像センサ(36)で撮影するように構成されており、かつ、前記第2の全体視野の第4の像を、前記第4の像が前記第2の波長領域(68)に基づくように前記第2のビーム偏向領域(18B)を用いて前記画像センサ(36)で撮影するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項8】
第1の全体視野及び第2の全体視野が、該マルチアパーチャ撮像装置の異なる主要方向に沿って配置されており、前記第1のビーム偏向領域(18A)及び前記第2のビーム偏向領域(18B)は、連続的な回転運動の際に、前記ビーム経路を、前記第1のビーム偏向領域(18A)及び前記第2のビーム偏向領域(18B)を交互に用いて、前記第1の全体視野及び前記第2の全体視野に向けて交互に偏向させる、請求項1から7のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項9】
前記ビーム偏向装置(18)が、前記全体視野(60)の第1の像を得るために、前記画像センサ(36)に対する前記第1のビーム偏向領域(18A)の、45°±10°の迎角(α
1)を有し、前記全体視野(60)の第2の像を得るために、前記画像センサ(36)に対する前記第2のビーム偏向領域(18B)の、45°±10°の迎角(α
2)を有するように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項10】
前記全体視野(60)を、少なくとも2つの部分視野(64a~64d)を通じて撮影し、前記部分視野(64a~64b)の内少なくとも1つを、少なくとも第1の光チャネル(42a)及び第2の光チャネル(42c)を通じて撮影するように構成されている請求項1から9のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項11】
前記全体視野を、正確に2つの部分視野(64a~64b)に分割し、前記部分視野の内の正確に1つの部分視野(64a)を、前記第1の光チャネル(42a)及び前記第2の光チャネル(42c)を通じて撮影するように構成されている請求項10に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項12】
前記第1の光チャネル(42a)と前記第2の光チャネル(42c)とが、少なくとも1つのさらなる光チャネル(42b)によって、アレイ(14)内で離間している、請求項10又は11に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項13】
前記ビーム偏向装置(18)が、ファセット(32)のアレイとして形成されており、前記光チャネル(42a~42d)それぞれは、前記ファセット(32)に配設されており、前記ファセットそれぞれは、前記第1のビーム偏向領域(18A)と前記第2のビーム偏向領域(18B)とを有している、請求項1から12のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項14】
前記ファセット(32)のアレイのファセット(32)が、両側で反射する平行平面の鏡として形成されている、請求項13に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項15】
画像センサ領域(46a~46d)が、前記第1の波長領域(66)における結像のため、かつ、前記第2の波長領域(68)における結像のために構成されている、請求項1から14のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項16】
前記画像センサ領域(46a~46d)のピクセルが、前記第1の波長領域(66)における結像のため、かつ、前記第2の波長領域(68)における少なくとも部分的な結像のために構成されている、請求項15に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項17】
前記第1の波長領域(66)が可視スペクトルを含み、前記第2の波長領域(68)が赤外スペクトル、特に近赤外スペクトルを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項18】
第3の波長領域を有する、少なくとも部分的に前記第2の波長領域(68)に対応する時間的又は空間的照明パターン(55a)を伝送するように構成された照明装置(55)をさらに有する請求項1から17のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項19】
前記全体視野(60)を少なくとも立体的に撮影するように構成されている請求項1から18のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項20】
前記ビーム偏向装置(18)が、前記第1のビーム偏向領域(18A)で、前記第2の波長領域(68)を遮断又は減衰させ、前記第2のビーム偏向領域(18B)で、前記第1の波長領域(66)を遮断又は減衰させるように構成されている、請求項1から19のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置。
【請求項21】
全体視野(60)の深度図を作成するように構成された請求項1から20のいずれか一項に記載のマルチアパーチャ撮像装置を備える装置。
【請求項22】
付加的な赤外線カメラを有さない請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記全体視野(60)を1つの視点から撮影するように構成されており、前記全体視野(60)の立体撮影を行わない請求項21又は22に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチチャネル撮像装置と、マルチチャネル撮像装置を備えた装置とに関する。本発明は、さらに、マルチアパーチャ撮像装置を備えたポータブルな装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカメラは、チャネル内で、全体視野を記録するものであり、その小型化は制限されている。スマートフォン等の携帯機器では、2つのカメラが使用されており、これらのカメラは、ディスプレイの面法線の方向に、及び、当該方向に反する方向に方向付けられている。
【0003】
従って、高い画質を保証した上で、全体視野を撮影するための小型化された装置を可能にするコンセプトが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の課題は、マルチアパーチャ撮像装置の設置空間を小さくすると同時に、高い程度の画像情報を可能にするマルチアパーチャ撮像装置を創出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本課題は独立請求項に記載された物体によって解決される。
【0006】
本発明の中心となる思想は、上述の課題が、異なる波長領域において全体視野を撮影することで、高い程度の画像情報が得られることによって解決可能であり、これによって、撮影チャネルを少数にすること、従って、設計寸法を小さくすること、及び、費用を少なくすることが可能になると認識したことにある。
【0007】
一実施形態によると、マルチアパーチャ撮像装置は、画像センサと、隣り合って配置された光チャネルのアレイと、を含んでおり、各光チャネルは、全体視野の少なくとも1つの部分視野を、画像センサの画像センサ領域に撮像するための光学系を含んでいる。マルチアパーチャ撮像装置は、光チャネルのビーム経路を偏向させるためのビーム偏向装置を有しており、ビーム偏向装置は、光チャネルを通過する電磁放射線の第1の波長領域に関して有効に機能する第1のビーム偏向領域と、光チャネルを通過する電磁放射線の第1の波長領域とは異なる第2の波長領域に関して有効に機能する第2のビーム偏向領域とを有している。その利点は、同一のカメラ又は同一のチャネルで、画像を、異なる波長領域において撮影可能であることにある。
【0008】
一実施形態によると、マルチアパーチャ撮像装置は、全体視野の第1の像を、第1のビーム偏向領域を用いて、画像センサで撮影するように構成されており、これによって、第1の像が第1の波長領域に基づいており、かつ、全体視野の第2の像を、第2のビーム偏向領域を用いて、画像センサで撮影するように構成されており、これによって、第2の像が第2の波長領域に基づいている。
【0009】
一実施形態によると、マルチアパーチャ撮像装置は、第2の像を用いて、第1の像に関する深度図を決定するように構成されている。これによって、全体視野に関する深度情報を得ることが可能である。
【0010】
一実施形態によると、第1のビーム偏向領域は、ビーム偏向装置の第1の面に配置されており、第2のビーム偏向領域は、第1の面の反対側に配置された第2の面に配置されており、ビーム偏向装置は、全体視野の第1の像を撮影するために、第1の面が画像センサに対向して配置され、かつ、全体視野の第2の像を撮影するために、第2の面が画像センサに対向して配置されているように構成されている。
【0011】
一実施形態によると、ビーム偏向装置の第1の面は、第1の波長領域又は第2の波長領域において有効に機能するために、反対側の第2の面とは異なるコーティングを有している。
【0012】
一実施形態によると、ビーム偏向装置は、第1の波長領域において有効に機能する場合に、第1の波長領域を反射し、第1の波長領域とは異なる波長領域を少なくとも部分的に吸収するように構成されており、及び/又は、ビーム偏向装置は、第2の波長領域において有効に機能する場合に、第2の波長領域を反射し、第2の波長領域とは異なる波長領域を少なくとも部分的に吸収するように構成されている。これによって、撮影における迷光の削減又は回避と、高い画質とが可能である。
【0013】
一実施形態によると、全体視野は、第1の全体視野であり、マルチアパーチャ撮像装置は、第1の全体視野を撮影するための第1の視線方向と、第2の全体視野までの第2の視線方向とを有している。マルチアパーチャ撮像装置は、第2の全体視野の第3の像を、第1のビーム偏向領域を用いて画像センサで撮影するように構成されており、これによって、第3の像が第1の波長領域に基づいており、かつ、第2の全体視野の第4の像を、第2のビーム偏向領域を用いて画像センサで撮影するように構成されており、これによって、第4の像が第2の波長領域に基づいている。従って、両方の、必要に応じて空間的に互いに離間した全体視野が、両方の波長領域において撮影され得る。
【0014】
一実施形態によると、第1の全体視野と第2の全体視野とは、マルチアパーチャ撮像装置の異なる主要方向に沿って配置されており、ビーム偏向領域は、連続して進行する回転運動の実施に際して、ビーム経路を、第1の全体視野と第2の全体視野との方向において交互に、及び、第1のビーム偏向領域と第2のビーム偏向領域とで交互に偏向させる。この際、移動順序の実装した、又は、理論的な観察が重要であり得る。特に、これらの実施形態によると、ビーム偏向装置の位置又は状態を変更するために、最短経路と、従って最短調整時間とが実装され、これによって、ビーム偏向装置が、様々な方向に動かされ得る。
【0015】
一実施形態によると、ビーム偏向装置は、全体視野の第1の像を得るために、画像センサに対する第1のビーム偏向領域の45°±10°の迎角を有し、全体視野の第2の像を得るために、画像センサに対する第2のビーム偏向領域の45°±10°の迎角を有するように構成されている。当該迎角は、約90°でのビーム経路の偏向と、マルチアパーチャ撮像装置の小さな設計寸法とを可能にする。なぜなら、マルチアパーチャ撮像装置の小さな厚さが、有利に利用され得るからである。
【0016】
一実施形態によると、マルチアパーチャ撮像装置は、全体視野を、少なくとも2つの部分視野を通じて撮影し、部分視野の内少なくとも1つを、少なくとも第1の光チャネル及び第2の光チャネルを通じて撮影するように構成されている。これによって、閉塞効果の回避又は減少が可能になる。
【0017】
一実施形態によると、マルチアパーチャ撮像装置は、全体視野を正確に2つの部分視野に分割し、部分視野の内の正確に1つを、第1の光チャネル及び第2の光チャネルを通じて撮影するように構成されている。これによって、閉塞の回避又は減少と、同時に、光チャネルの数を少なくすることとが可能になり、これによって、小さい設計寸法及び/又は少ない費用が可能になる。
【0018】
一実施形態によると、第1の光チャネルと第2の光チャネルとは、少なくとも1つのさらなる光チャネルによって、アレイ内で離間している。これによって、閉塞効果の回避又は減少が可能になる。特に、部分視野を撮影する光チャネルを、さらなる光チャネルの周りに対称に配置する場合、閉塞効果(英語ではOcclusion)が減少又は回避され得る。例えば、特に、垂直方向に沿って、又は、光チャネルが光チャネルのアレイにおいて配置される際に沿っている方向、行の延在方向に対して垂直に、全体視野を正確に2つの部分視野に分割する場合、第1の部分視野が、チャネルによって、第2の部分視野を撮影するチャネルの左及び右において撮影される。
【0019】
一実施形態によると、ビーム偏向装置は、ファセットのアレイとして形成されており、各光チャネルは、ファセットに配設されており、ファセットそれぞれは、第1のビーム偏向領域と第2のビーム偏向領域とを有している。これによって、ファセット個別又はチャネル個別の、偏向した光チャネルにおける発散の調整が可能になるので、発散の調整された部分は、光チャネル内で、又は、光学系自体において、調整される必要はない。
【0020】
一実施形態によると、ファセットのアレイのファセットは、両側で反射する、両側が平行平面である鏡として形成されている。これによって、ファセットの単純な構成が可能になる。
【0021】
一実施形態によると、画像センサ領域は、第1の波長領域における結像と、第2の波長領域における結像とのために構成されている。これによって、画像センサの省スペースな構成が可能になる。
【0022】
一実施形態によると、画像センサ領域のピクセルは、第1の波長領域における結像と、少なくとも部分的に、第2の波長領域における結像とのために構成されている。これは、例えば、対応するフィルタの配置を通じて、及び/又は、対応して設けられたフォトセルの、フォトセル群での統合若しくは置換を通じて、例えばベイヤーパターンよって行われ得る。
【0023】
一実施形態によると、第1の波長領域は、可視スペクトルを含み、第2の波長領域は、赤外スペクトル、特に近赤外スペクトルを含んでいる。これによって、マルチアパーチャ撮像装置を、赤外スペクトルを用いて付加的な画像情報が得られるように構成することが可能である。
【0024】
一実施形態によると、マルチアパーチャ撮像装置はさらに、照明装置を有しており、照明装置は、第3の波長領域を有する、少なくとも部分的に第2の波長領域に対応する時間的又は空間的照明パターンを伝送するように構成されている。これによって、第2の波長領域の光での、全体視野の集中的な照明が可能になるので、これらの波長領域に関して、さらなる照明源を配置せずともよい。
【0025】
一実施形態によると、マルチアパーチャ撮像装置は、全体視野を少なくとも立体的に撮影するように構成されている。これによって、得られる画像情報を付加的に高めることが可能である。
【0026】
一実施形態によると、ビーム偏向装置は、第1のビーム偏向領域で、第2の波長領域を遮断又は減衰させ、第2のビーム偏向領域で、第1の波長領域を遮断又は減衰させるように構成されている。これによって、偏向の際の波長領域の隔離が可能なので、画像センサには、所望の撮影の際に用いる光のみが衝突する。
【0027】
一実施形態によると、装置は、本発明に係るマルチアパーチャ撮像装置を含んでおり、全体視野の深度図を作成するように構成されている。
【0028】
一実施形態によると、当該装置は、付加的な赤外線カメラを有さない。
【0029】
一実施形態によると、当該装置は、全体視野を1つの視点から撮影し、全体視野の立体撮影は行わないように構成されている。当該構成は、異なる波長領域に基づいて、深さの情報を作成し、深さの情報は、立体視のための付加的な撮像モジュールの省略を可能にするので、特に有利である。
【0030】
さらなる有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0031】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を用いて説明する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】一実施形態に係る装置の概略的な斜視図である。
【
図2】別の実施形態に係る装置の主要面を概略的に示す図である。
【
図3a】一実施形態に係る、ビーム偏向装置と、第1の動作状態における絞りの状態とを示す図である。
【
図3b】ビーム偏向装置と、第2の動作状態における絞りとを示す図である。
【
図4a】一実施形態に係るビーム偏向装置であって、多数のビーム偏向領域を含むビーム偏向装置を概略的に示す図である。
【
図4b】一実施形態に係る、
図4aに対して代替的な構成を有するビーム偏向装置を概略的に示す図である。
【
図4c】一実施形態に係る撮像装置のビーム偏向装置の有利な構成を示す図である。
【
図4d】一実施形態に係る撮像装置のビーム偏向装置の有利な構成を示す図である。
【
図4e】一実施形態に係る撮像装置のビーム偏向装置の有利な構成を示す図である。
【
図4f】一実施形態に係る撮像装置のビーム偏向装置の有利な構成を示す図である。
【
図4g】一実施形態に係る撮像装置のビーム偏向装置の有利な構成を示す図である。
【
図4h】一実施形態に係る撮像装置のビーム偏向装置の有利な構成を示す図である。
【
図5a】一実施形態に係る撮像装置の概略的な斜視図である。
【
図5b】時間的又は空間的照明パターンを伝送するように構成された照明装置を有する、一実施形態に係るマルチアパーチャ撮像装置の概略的な斜視図である。
【
図5c】修正された撮像装置であって、ビーム偏向装置が、第1の動作状態の第1の位置と、第2の位置との間で回転によって切り替え可能である撮像装置を示す、概略的な側断面図である。
【
図6a】4つの部分的に重なる部分視野を含む全体視野を概略的に示す図である。
【
図6b】
図6aに対して全体視野の分割を変更した図であり、1つの部分視野が二重に撮影され、複数の部分視野が第1の方向に沿って隣り合って配置されているのを示す図である。
【
図6c】
図6aに対して全体視野の分割を変更した図であり、1つの部分視野が二重に撮影され、複数の部分視野が第2の方向に沿って隣り合って配置されているのを示す図である。
【
図7a】全体視野の立体撮影のための2つのマルチアパーチャ撮像装置を含む、一実施形態に係る装置を概略的に示す斜視図である。
【
図7b】2つのマルチアパーチャ撮像装置を含む、一実施形態に係る装置であって、立体撮影の代わりに、波長領域の内の1つにおける撮影から深さの情報を作成するように構成された装置を概略的に示す斜視図である。
【
図7c】唯一の視線方向を有する、一実施形態に係るマルチアパーチャ撮像装置の好ましい態様を、概略的に示す斜視図である。
【
図8】共通の画像センサを有し、第1のマルチアパーチャ撮像装置及び第2のマルチアパーチャ撮像装置を含む構成を概略的に示す図である。
【
図9a】異なる波長領域を用いる実施形態に係るマルチアパーチャ撮像装置を概略的に示す図である。
【
図9b】異なる波長領域を用いる実施形態に係るマルチアパーチャ撮像装置を概略的に示す図である。
【
図9c】異なる波長領域を用いる実施形態に係るマルチアパーチャ撮像装置を概略的に示す図である。
【
図9d】異なる波長領域を用いる実施形態に係るマルチアパーチャ撮像装置を概略的に示す図である。
【
図10】一実施形態に係る、第1の波長領域及び第2の波長領域の波長にわたる、マルチアパーチャ撮像装置の画像センサの画像センサ領域の感度を概略的に示すグラフの図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下において、本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する前に、異なる図面における同一の、機能が同じ、又は、同じように作用する要素、物体及び/又は構造には、同じ参照符号が与えられており、これによって、これらの要素の異なる実施形態において行われた描写が、相互交換可能であるか、又は、互いに対して適用可能であることを指摘しておく。
【0034】
以下の実施形態は、画像センサ上での撮像のための、異なる波長領域の利用に関連している。当該波長は、電磁放射線に、特に光に関連している。異なる波長領域の一例は、例えば約380nmから約650nmまでの波長領域における可視光線の利用等である。これとは異なる波長領域は、例えば、380nmより短い波長を有する紫外スペクトル、及び/又は、700nmより長い波長、例えば約1000nmから約1000μmまでの波長を有する赤外スペクトル、特に約700nm又は780nmから約3μmまでの範囲の波長を有する近赤外スペクトルであり得る。第1の波長領域及び第2の波長領域は、互いに少なくとも部分的に異なる波長を有している。一実施形態によると、波長領域は、重なりを有さない。代替的な実施形態によると、波長領域は、重なりを有するが、部分的なものに過ぎないので、区別を可能にする波長が、2つの領域において存在する。
【0035】
以下において、ビーム偏向装置のビーム偏向領域に関する実施形態について記載する。ビーム偏向領域は、ビーム経路の偏向を、少なくとも特定の波長領域において行うように構成された平面領域又は物体の領域であってよい。この際、反射性を提供又は調節する、例えば誘電体ではあるが導電性でもある層の、少なくとも1つの塗布される層の順序が重要であり得る。受動的又は能動的電気特性が重要であり得る。
【0036】
以下に記載される実施形態において、装置の主要面と側面とに関して言及する。本明細書に記載された実施形態において、装置の主要面は、ハウジング又は装置の他の面と比較して、大きい、又は、最大の寸法を有する面として理解され得る。これは、限定する作用を含むべきものではないものの、例えば第1の主要面は前面であり、第2の主要面は背面であり得る。側面は、主要面を互いに接続する面又は平面として理解され得る。
【0037】
以下に記載する実施形態は、ポータブルな装置に関するものではあるものの、描写される態様は、他の可動又は不動の装置に容易に転用され得る。記載されるポータブルな装置が、他の装置、例えば車両等に取り付けられ得ることは自明である。さらに、装置のハウジング上において、ポータブルではないように構成することが可能である。従って、以下に記載する実施形態は、ポータブルな装置に限定されるべきものではなく、装置のいずれの実装にも関連し得る。
【0038】
図1は、一実施形態に係るポータブルな装置10を概略的に示す斜視図である。ポータブルな装置10は、第1の透明な領域14aと第2の透明な領域14bとを有するハウジング12を含んでいる。例えば、ハウジング12は、不透明なプラスチック、金属等から形成されていてよい。透明な領域14a及び/又は14bは、ハウジング12と一体的に形成されているか、又は、複数のパーツとして形成されていてよい。透明な領域14a及び/又は14bは、例えばハウジング12内の凹部であってよい。代替的に、凹部の領域、又は、透明な領域14a及び/若しくは14bの領域に、透明な材料が配置されていてもよい。透明な領域14a及び/又は14bの透明な材料は、電磁放射線の少なくとも1つの波長領域において透明であってよく、当該電磁放射線に関しては、撮像装置、特にマルチアパーチャ撮像装置16又はその画像センサが、感受性を有している。これは、透明な領域14a及び/又は14bは、上述の波長領域とは異なる波長領域では、部分的又は完全に不透明に構成されていてよいことを意味している。例えば、撮像装置16は、第1及び第2の波長領域を撮影するように、例えば可視波長領域と、少なくとも部分的に当該可視波長領域とは異なる波長領域とを撮影するように構成されていてよい。
【0039】
撮像装置又はマルチアパーチャ撮像装置16は、ハウジング12の内部に配置されている。撮像装置16は、ビーム偏向装置18と、画像撮影装置19とを含んでいる。画像撮影装置19は、2つ以上の光チャネルを含むことが可能であり、当該光チャネルはそれぞれ、撮像装置16のビーム経路を変更するため(例えば束ねる、焦点を合わせる、散乱させる)の1つ又は複数の光学系と、画像センサと、を有している。光学系は、異なる光チャネルに関して、分離している、若しくは、分離していない、又は、チャネル個別であってよい。しかしながら、代替的に、光学系が、2つ以上又は全ての光チャネルに関して共に作用する、例えばチャネル個別のレンズと組み合わせた共通の集光レンズ、共通のフィルタ等の素子を有することも、同様に可能である。
【0040】
例えば、画像撮影装置19は、1つ又は複数の画像センサを有することが可能であり、当該画像センサに配設されたビーム経路は、1つ又は複数の光チャネルを通って、ビーム偏向装置18に誘導され、ビーム偏向装置18によって偏向させられる。
図6aとの関連において記載されるように、少なくとも2つの光チャネルは、全体視野(全体対象領域)の互いに部分的に重なる部分視野(部分対象領域)を撮影するように偏向し得る。撮像装置16は、マルチアパーチャ撮像装置と表現され得る。画像センサの各画像センサ領域は、光チャネルに配設されていてよい。この際、隣り合う画像センサ領域の間には、構造的に工夫された隙間が配置されていてよいか、又は、画像センサ領域は、異なる画像センサ若しくは画像センサの一部として実装されていてよいが、代替的又は付加的に、隣り合う画像センサ領域同士を直接境界を接するようにし、画像センサの選別を通じて、互いから分離させることも同様に可能である。
【0041】
ポータブルな装置10は、第1の動作状態と第2の動作状態とを有している。当該動作状態は、ビーム偏向装置18の状態、位置、又は、方向付けと相関していてよい。これは、異なる有効性を有する面が偏向に用いられることによって、いずれの波長領域がビーム偏向装置18によって偏向するか、と関係し得る。代替的又は付加的に、2つの異なる動作状態が、いずれの方向にビーム経路が偏向するかに関係し得る。例示的なマルチアパーチャ撮像装置16の場合、例えば4つの動作状態、すなわち、2つの異なる視線方向に関して2つ、及び、異なる波長領域に関して2つの動作状態が存在し得る。この理由は、ビーム偏向装置18は、光チャネルを通過する電磁放射線の第1の波長領域に関して有効な第1のビーム偏向領域と、光チャネルを通過する電磁放射線の第1の波長領域とは異なる第2の波長領域に関して有効な第2のビーム偏向領域とを有していることにある。
【0042】
視線方向に関しては、第1の動作状態において、ビーム偏向装置18は、撮像装置16のビーム経路22を、当該ビーム経路が、ビーム経路22aが示唆するように、第1の透明な領域14aを通って延在するように偏向させることができる。第2の動作状態では、ビーム偏向装置18は、撮像装置16のビーム経路22を、当該ビーム経路が、ビーム経路22bが示唆するように、第2の透明な領域14bを通って延在するように偏向させるために構成されていてよい。これはまた、ビーム偏向装置18が、ビーム経路22を、ある時点において、動作状態に基づいて、透明な領域14a及び/又は14bを通るように誘導する、とも理解され得る。動作状態に基づいて、撮像装置16によって撮影される視野(対象領域)の位置が、空間において可変に配置されていてよい。
【0043】
第1の波長領域に関して有効な第1のビーム偏向領域と、第2の波長領域に関して有効な第2のビーム偏向領域とは、光チャネルのビーム経路又はビーム経路22を偏向させるために、交互に利用され得る。これによって、ビーム偏向領域が有効であるところのスペクトルの部分を、画像センサの方向に誘導することが可能である。例えば、ビーム偏向領域は、帯域通過機能を有し、帯域通過機能が設定された波長領域を偏向させる、すなわち反射することが可能である一方で、他の波長領域は、例えば少なくとも20dB、少なくとも40dB、又は、少なくとも60dBが抑制され、除去され、又は、少なくとも著しく減衰させられる。
【0044】
ビーム偏向領域は、ビーム偏向装置18の同じ面に配置されていてよく、これは、並進的に変位可能なビーム偏向装置の場合に、利点を提供する。代替的又は付加的に、異なるビーム偏向領域が、ビーム偏向装置18の異なる面に配置されていてもよく、当該ビーム偏向領域は、ビーム偏向装置18の回転運動に基づいて、交互に、画像センサに対向し得る。この際、迎角は任意であってよい。しかしながら、マルチアパーチャ撮像装置16の2つの、場合によっては反対側の視線方向を用いる場合に、約45°の角度を選択し、これによって、視線方向を変更するために90°の回転運動で十分になるということは、有利である。これに対して、1つの視線方向のみの場合、さらなる自由度が選択され得る。
【0045】
異なるビーム偏向領域が交互に向くことを通じて、互いに異なる波長領域を有する各視線方向の全体視野は、マルチアパーチャ撮像装置が、全体視野の第1の像を、第1のビーム偏向領域を用いて画像センサで撮影するように構成されており、これによって、第1の像が第1の波長領域に基づいており、かつ、全体視野の第2の像を、第2のビーム偏向領域を用いて画像センサで撮影するように構成されており、これによって、第2の像が第2の波長領域に基づいていることによって撮影され得る。例えば、深度図等の付加的な画像情報を得るために、例えば人間の目には視えない波長領域が用いられ得る。
【0046】
ポータブルな装置10は、第1の絞り24aと第2の絞り24bとを含み得る。絞り24aは、透明な領域14aの領域に配置されており、絞り24aが閉じた状態において、透明な領域14aを光学的に、少なくとも部分的に閉鎖するように構成されている。一実施形態によると、絞り24aは、閉じられた状態において、透明な領域14aを完全に、又は、透明な領域14aの面積の少なくとも50%分、90%分、又は、99%分を閉鎖するように構成されている。絞り24bは、透明な領域14aに関連して絞り24aに関して記載したように、透明な領域14bを、同じ又は類似の方法で閉鎖するように構成されている。ビーム偏向装置18がビーム経路22をビーム経路22aに偏向する第1の動作状態において、絞り24bは、透明な領域14bを光学的に少なくとも部分的に閉鎖するので、迷光は、透明な領域14bを通って、わずかな程度においてハウジング12の内部に進入するか、又は、場合によってはハウジング12の内部には進入しない。これによって、第1の動作状態において、絞り14bを通って進入する迷光による全体視野の撮影への影響を少なくすることが可能である。例えばビーム経路22bがハウジング12を離れる第2の動作状態では、絞り24aは、透明な領域14aを光学的に少なくとも部分的に閉鎖することが可能である。単純化して言うと、絞り24a及び/又は24bは、当該絞りが透明な領域14a又は14bを閉鎖し、これによって、当該絞りを通って、迷光が、望ましくない方向から(例えば撮影された視野が配置されていない方向)わずかに進入するか、又は、進入しないように構成されていてよい。絞り24a又は24bは、連続的に形成されていてよく、それぞれ、撮像装置16の全ての光チャネルに関して配置されていてよい。これは、絞り24a及び24bが、各動作状態に基づいて、マルチアパーチャ撮像装置の全ての光チャネルによって利用され得ることを意味している。一実施形態によると、個々の丸形の絞りが、各光チャネルに関して配置されているのではなく、その代わりに、絞り24a又は24bが、全ての光チャネルによって利用される。絞り24a及び/又は24bは、多角形で連なって、例えば長方形、長円形、丸形又は楕円形に形成されていてよい。
【0047】
第1の動作状態と第2の動作状態との間における切り替えは、例えば、並進運動26及び/又は回転運動28に基づくビーム偏向装置18の動きを含み得る。
【0048】
絞り24a及び/又は24bは、例えば機械的な絞りとして構成されていてよい。代替的に、絞り24a及び/又は24bは、エレクトロクロミックな絞りとして構成されていてよい。これによって、機械的に可動な部材の数を少なくすることができる。さらに、絞り24a及び/又は24bをエレクトロクロミックな絞りとして構成することによって、透明な領域14a及び/又は14bの静音の開放及び/又は閉鎖と、ポータブルな装置10の光学系に良好に統合可能な構成と、が可能になる。例えば、絞り24a及び/又は24bは、当該絞りが、閉じられた状態において、利用者によってほとんど認識されないか、又は、全く認識されないように構成されていてよい。なぜなら、ハウジング12に対して生じる光学的な差異は小さいからである。
【0049】
ハウジング12は、平らに形成されていてよい。例えば、主要面13a及び/又は13bは、空間において、x/y平面に、又は、x/y平面に対して平行な平面に配置されていてよい。主要面13aと主要面13bとの間の側面15a及び/又は15bは、空間において、主要面に対して斜めに、又は、垂直に配置されていてよく、主要面13a及び/若しくは13b、並びに/又は、側面15a及び/若しくは15bは、湾曲して、又は、平らに形成されていてよい。主要面13aと主要面13bとの間の第1のハウジング方向zに沿った、例えばポータブルな装置10の表示部の面法線に対して平行又は逆平行なハウジング12の寸法は、他の寸法に沿った、すなわち主要面13a及び/又は13bの延在方向に沿ったハウジング12の他の寸法と比較した場合に、小さくてよい。側面15a及び15bは、表示部の面法線に対して平行又は逆平行であってよい。主要面13a及び/又は13bは、空間において、ポータブルな装置10の表示部の面法線に対して垂直に配置されていてよい。例えば、x方向及び/又はy方向に沿ったハウジングの寸法は、第1の寸法zに沿ったハウジング12の寸法の少なくとも3倍、少なくとも5倍、又は、少なくとも7倍であり得る。ハウジングの寸法zは、単純化して、しかし限定的な影響は有さずに、ハウジング12の厚さ又は奥行きとして理解され得る。
【0050】
図2は、一実施形態に係るポータブルな装置20の主要面を概略的に示している。ポータブルな装置は、装置10を含み得る。ポータブルな装置20は、例えばスクリーン又はディスプレイ等の表示部33を含み得る。例えば、装置20は、例えば携帯電話(スマートフォン)、タブレットコンピュータ、携帯音楽再生機器、モニタ、又は、撮像装置16を有するディスプレイ端末等のポータブルな通信装置であり得る。透明な領域14a及び/又は透明な領域14bは、ハウジング12の、表示部33が配置された領域に配置されていてよい。これは、絞り24a及び/又は24bが、表示部33の領域に配置されていてよいということを意味している。例えば、透明な領域14a及び/若しくは14b、並びに/又は、絞り24a若しくは24bは、表示部33によって覆われていてよい。絞り24a及び/又は24bが配置されている表示部33の領域には、少なくとも一時的に、表示部の情報が表示可能であってよい。情報の表示は、ポータブルな装置20の任意の動作であり得る。例えば、表示部33には、サーチ機能が表示可能であってよく、サーチ機能では、撮像装置によって、ハウジング12の内部で走査又は撮影される視野が表示可能である。代替的又は付加的に、既に撮影された画像又は任意の他の情報を表示することが可能である。単純に言うと、透明な領域14a及び/又は絞り24aは、表示部33によって覆われていてよく、従って、透明な領域14a及び/又は絞り24aは、ポータブルな装置20の動作中に、ほとんど認識できないか、又は、全く認識できない。
【0051】
透明な領域14a及び14bは、それぞれ、ハウジング12の少なくとも主要面13aに、及び/又は、反対側の主要面に配置されていてよい。単純に言うと、ハウジング12は、前に透明な領域を有し、後ろに透明な領域を有し得る。これに関して言及すべきことに、前及び後ろという概念は、例えば左及び右、上及び下等の他の概念によって、任意に代替可能であり、本明細書に記載された実施形態が限定されることはない。他の実施形態によると、透明な領域14a及び/又は14bは、側面に配置されていてよい。透明な領域の配置は、任意で、及び/又は、光チャネルのビーム経路が偏向可能である方向に依存していてよい。
【0052】
透明な領域14a又は絞り24aの領域において、表示部33は、例えば、撮像装置で画像を撮影する間、一時的に動作を停止するように、又は、ハウジング12からの表示部33の透明度が上昇するように構成されていてよい。代替的に、表示部33は、例えば表示部33が、関係する波長領域における電磁放射線を、ポータブルな装置20若しくはハウジング12の内部に、又は、撮像装置16に向かって放射しない、又は、ほとんど放射しない場合、当該領域において動作を継続してもよい。
【0053】
図3aは、ビーム偏向装置18と、例えば第1の絞り24a及び第2の絞り24bの動作状態を伴うマルチアパーチャ撮像装置の状態とを示している。ビーム偏向装置18は、例えば、ビーム経路22を、
図3bに初めて示したビーム偏向領域18Aで、ビーム経路22がビーム経路22aとして透明な領域14aを通って延在するように偏向させる。絞り24bは、透明な領域14bを、一時的に少なくとも部分的に閉鎖し得るので、透明な領域14bを通って、迷光がポータブルな装置のハウジングの内部に進入することは、わずかであるか、又は、全くない。
【0054】
図3bは、第2の動作状態におけるビーム偏向装置18、絞り24a及び絞り24bを示しており、ビーム偏向装置18は、例えば90°の回転運動28を実施して、別の視線方向を有している。ビーム偏向装置は、今や、ビーム経路を、第2の波長領域に関して有効なビーム偏向領域18Bで偏向させるので、ビーム経路22bの視線方向に配置された全体視野の撮影は、第2の波長領域において行われ得る。
【0055】
ビーム偏向装置を、さらに90°、従って最初の状態に対して180°回転する場合、
図3aに示した第1の視線方向に再び戻るであろうが、ビーム偏向領域18Bの影響を受けている。従って、例えば視線方向22a又は22bのみが任意の角度で設けられていることによって、1つのみの全体視野の撮影も可能であるのにも関わらず、例えば2、3、又は、それより多くの数の全体視野が撮影され得る。
【0056】
ビーム偏向装置18は、ビーム経路22を、ビーム経路22がビーム経路22bとして透明な領域14bを通って延在する一方で、絞り24aが透明な領域14aを光学的に少なくとも部分的に閉鎖するように偏向させることができる。第2の動作状態において、絞り24bは、少なくとも部分的に、又は、完全に開かれた状態を有し得る。この開かれた状態は、絞りの透明度に関係し得る。例えば、エレクトロクロミックな絞りは、機械的な部材を移動することなく、作動状態に依存して、開かれている、又は、閉じられている、と表現され得る。エレクトロクロミックな絞りとして構成された絞り24bは、第2の動作状態の間、少なくとも一時的に、撮像装置によって撮影されるべき波長領域に関して、部分的又は完全に透明であってよい。
図3aに示されたような第1の動作状態では、絞り24bは、当該波長領域に関して、部分的又は完全に不透明であってよい。
図3aに係る第1の動作状態と、
図3bに係る第2の動作状態との間における切り替えは、偏向装置18の回転運動28に基づいて、及び/又は、
図4a及び
図4bに関連して記載されているように、並進運動に基づいて得られるか、又は、これらの運動の内の少なくとも1つを含み得る。
【0057】
図4aは、複数のビーム偏向素子32a~32hを含むビーム偏向装置18を概略的に示している。例えば撮像装置は、例えば2つ、4つ又はそれより多い、多数の又は複数の光チャネルを含み得る。撮像装置が、例えば4つの光チャネルを有する場合、ビーム偏向装置18は、ビーム偏向装置18又はポータブルな装置がその間で切り替え可能であるところの動作状態の数と乗じた光チャネルの数に従う数のビーム偏向素子32a~32hを含み得る。例えば、ビーム偏向素子32a及び32eは、第1の光チャネルに配設されていてよく、ビーム偏向素子32aは、第1の動作状態における第1の光チャネルのビーム経路を偏向させ、ビーム偏向素子32eは、第1の動作状態における第1の光チャネルのビーム経路を偏向させる。同じように、ビーム偏向素子32b及び32f、32c及び32g、又は、32d及び32hは、さらなる光チャネルに配設されていてよい。
【0058】
ビーム偏向装置は、並進運動方向26に沿って、並進的に移動可能であってよく、及び/又は、ビーム偏向装置18の第1の位置と第2の位置との間で、撮像装置の光チャネルに関して、往復するように移動可能であってよく、これによって、第1の動作状態と第2の動作状態との間で切り替えが行われる。第1の位置と第2の位置との間でビーム偏向装置18が移動する距離34は、少なくとも、撮像装置の4つの光チャネルの間の間隔に対応し得る。ビーム偏向装置18は、ビーム偏向素子32a~32hのブロックごとの分類を有し得る。例えば、ビーム偏向素子32a~32dは、撮像装置のビーム経路を、第1の視線方向において、第1の視野に向けて偏向させるように構成されていてよく、各光チャネルは、全体視野の部分視野に配設されていてよい。ビーム偏向素子32e~32hは、撮像装置のビーム経路を、第2の視線方向において、第2の視野に向けて偏向させるように構成されていてよく、各光チャネルは、全体視野の部分視野に配設されていてよい。さらなる実施形態によると、少なくとも2つの光チャネルのビーム経路が、1つのビーム偏向素子によって偏向するので、ビーム偏向装置18のビーム偏向素子の数が、より少なくてもよいということが可能である。
【0059】
ビーム偏向素子32a~32hは、例えば、ビーム偏向装置18の互いに異なる湾曲領域、又は、面取りした鏡の平らなファセットであり得る。例えば、ビーム偏向装置18は、ファセットのアレイとして、及び/又は、互いに対して異なって傾いている偏向素子32a~32hのアレイとして理解され得るので、ビーム偏向装置18に衝突したビーム経路は、光チャネルから、第1の動作状態の全体視野の互いに異なる部分視野に誘導され、偏向素子32e~32hに衝突し、当該偏向素子によって偏向させられるビーム経路は、第2の動作状態の全体視野の互いに異なる部分視野に誘導される。
【0060】
図4bは、
図4aに係る構成とは異なる構成を有するビーム偏向装置18を概略的に示している。
図4aに係る構成は、動作状態に基づく、ビーム偏向素子32a~32hのブロックごとの分類として理解され得る一方で、
図4bに係る構成は、撮像装置の光チャネルの順序に基づく、ビーム偏向素子32a~32hのチャネルごとの分類として理解され得る。第1の光チャネルに配設されたビーム偏向素子32a及び32eは、互いに隣り合って配置されていてよい。同様に、光チャネル2、3又は4に配設され得るビーム偏向素子32b及び32f、32c及び32g、又は、32d及び32hは、互いに隣り合って配置されていてよい。撮像装置の光チャネルが、例えば互いに対して十分に大きい間隔を有する場合、ビーム偏向装置18が移動する距離34’は、第1の位置と第2の位置との間で往復するように移動するために、距離34よりも小さくてよく、例えば距離34の4分の1又は半分であってよい。これによって、撮像装置及び/又はポータブルな装置の構造を付加的に縮小することが可能である。
【0061】
光チャネルへの純粋な配設の代わりに、ビーム偏向素子は、それぞれ異なる性質のビーム偏向領域を供給することもできるので、第1の光チャネルは、例えば第1の波長領域におけるビーム偏向素子32aでの偏向によってか、又は、第2の波長領域におけるビーム偏向素子32eでの偏向によって偏向させられる。
【0062】
回転運動は、並進運動と組み合わせることが可能である。従って、例えば、並進運動が、波長領域の間で切り替えられること、すなわち異なるビーム偏向素子32a~32hが、ビーム偏向装置18の共通の面に配置されており、両面で反射する構成によって、視線方向の切り替えが可能になること、又は、逆も然りであることが考えられる。
【0063】
図4c~
図4hを用いて、ビーム偏向装置18の有利な態様について記載する。一連の利点について記載するが、これらの利点は、個別に、又は、互いに任意の組み合わせにおいて実施可能であるが、限定する効果を有するべきではない。
【0064】
図4cは、ビーム偏向素子32の概略的な側断面図であり、本明細書に記載されるビーム偏向装置、例えば
図4a又は
図4bのビーム偏向装置18に関して、どのように使用可能であるかを示している。ビーム偏向素子32は、折れ線様の(polygonzugartig)横断面を有し得る。三角形の横断面が示されてはいるが、他の任意の多角形でもあり得る。代替的又は付加的に、当該横断面は、少なくとも1つの湾曲した表面を有することが可能であり、特に、反射する表面の場合、撮像エラーを回避するためには、少なくとも部分的に平らに構成することが有利であり得る。波長に関して有効性が異なるビーム偏向領域は、異なっており、かつ、互いに向かい合う主要面35a及び35bに配置されていてよい。
【0065】
ビーム偏向素子32は、例えば第1の面35a、第2の面35b及び第3の面35cを有している。少なくとも2つの面、例えば面35a及び35bは、反射するように構成されており、従って、ビーム偏向素子32は、両側において反射するように構成されている。面35a及び35bは、ビーム偏向素子32の主要面であってよく、すなわち面35cよりも面積が大きい面である。
【0066】
言い換えると、ビーム偏向素子32は、楔形で、両面において反射するように形成されいてよい。面35cに向かい合って、すなわち面35aと面35bとの間に、さらなる面が配置されていてもよいが、当該面は、面35cよりもはるかに小さい。言い換えると、このような場合、面35a、面35b及び面35cによって形成される楔は、任意で先端が尖ってはおらず、先端の側には、平面が設けられており、従って、鈍くなっている。
【0067】
図4dは、ビーム偏向素子32の概略的な側断面図であり、ビーム偏向素子32の懸架軸又は変位軸37を示している。変位軸37の周囲で、ビーム偏向素子32が、ビーム偏向装置18内で回転運動及び/又は並進運動を行うことが可能であり、変位軸37は、横断面の重心43に関して偏心に変位し得る。面の重心は、代替的に、厚さ方向45に沿った、かつ、厚さ方向45に対して垂直な方向47に沿った、ビーム偏向素子32の寸法の半分を表す点であってもよい。
【0068】
変位軸は、例えば厚さ方向45に沿って変化せず、厚さ方向45に対して垂直な方向において、任意のオフセットを有し得る。代替的に、厚さ方向45に沿ったオフセットも考えられる。変位は、例えば、ビーム偏向素子32が変位軸37の周りに回転する際、面の重心43の周りに回転する際よりも高い変位経路(Stellweg)が得られるように行われ得る。変位軸37の変位によって、回転の際に面35aと面35bとの間の角が動かされる経路は、面の重心43の周りでの回転と比較して同じ回転角である場合、上昇し得る。好ましくは、ビーム偏向素子32は、角、すなわち楔形横断面の尖った側が、面35aと面35bとの間で、画像センサに対向しているように配置されている。従って、わずかな回転運動によって、それぞれ他方の面35a又は35bは、光チャネルのビーム経路を偏向させることができる。この際、回転が、厚さ方向45に沿ったビーム偏向装置の空間需要が少ないように行われ得ることが明らかになる。なぜなら、主要面が画像センサに対して垂直になるビーム偏向素子32の動きは必要ないからである。
【0069】
面35cは、側面又は背面とも表され得る。複数のビーム偏向素子は、互いに接続可能であり、これによって、接続要素が、面35c上に配置されているか、又は、ビーム偏向素子の横断面を通って延在しており、すなわち、ビーム偏向素子の内部、例えば変位軸37の領域内に延在している。特に、保持要素は、当該要素が、方向45に沿ってビーム偏向素子32から全く突出しないか、又は、わずかな程度、すなわち多くて50%、多くて30%、若しくは多くて10%が突出し、従って、保持要素が、全体構造の方向45に沿った寸法を増大させないように、又は、決定しないように配置されていてよい。厚さ方向45における寸法は、代替的に、光チャネルのレンズによって決定されていてもよく、すなわち、当該レンズは、厚さの最小値を決定する寸法を有している。
【0070】
ビーム偏向素子32は、ガラス、セラミック、ガラスセラミック、プラスチック、金属、又は、これらの材料の組み合わせ、及び/又は、さらなる材料から形成されていてよい。
【0071】
言い換えると、ビーム偏向素子32は、先端、すなわち主要面35aと主要面35bとの間の角が画像センサの方を示すように配置されていてよい。ビーム偏向素子の保持は、背面でのみ、又は、ビーム偏向素子の内部においてのみ行われるように、すなわち主要面が覆われないように行われ得る。共通の保持又は接続要素は、背面35cにわたって延在し得る。ビーム偏向素子32の回転軸は、偏心に配置されていてよい。
【0072】
図4eは、マルチアパーチャ撮像装置40の概略的な斜視図であり、マルチアパーチャ撮像装置40は、画像センサ36と、隣り合って配置された光チャネル42a~42dの、1行から成るアレイ38と、を含んでいる。ビーム偏向装置18は、複数のビーム偏向素子32a~32dを含んでおり、当該ビーム偏向素子の数は、光チャネルの数に対応し得る。代替的に、例えば、少なくとも1つのビーム偏向素子が2つの光チャネルによって利用される場合、より少ない数のビーム偏向素子が配置されていてよい。代替的に、例えば
図4a及び
図4bに関連して記載されているように、ビーム偏向装置18の偏向方向の切り替えが、並進運動によって行われる場合、より多い数が配置されていてもよい。各ビーム偏向素子32a~32dは、光チャネル42a~42dに配設されていてよい。ビーム偏向素子32a~32dは、
図4c及び
図4dに係る複数の素子32として形成されいてよい。代替的に、少なくとも2つ以上、又は、全てのビーム偏向素子32a~32dが、互いに一体的に形成されていてもよい。
【0073】
図4fは、ビーム偏向素子32の概略的な側断面図であり、ビーム偏向素子32の横断面は、自由曲面として形成されている。面35cは、保持要素の固定を可能にする凹部49を有することが可能であり、凹部49は、例えばさね継ぎの凸部等の突出した要素として形成されていてもよい。横断面はさらに、第4の面35dを有しており、第4の面35dは、主要面35a及び35bよりも小さい面の寸法を有し、当該主要面を互いに接続している。
【0074】
図4gは、第1のビーム偏向素子32aと、描写方向においてその背後に位置する第2のビーム偏向素子32bとを概略的に示す側断面図である。この際、凹部49a及び49bは、当該凹部がほぼ合同になり、接続要素の凹部内への配置が可能であるように配置されていてよい。
【0075】
図4hは、ビーム偏向装置18の概略的な斜視図であり、ビーム偏向装置18は、例えば4つのビーム偏向素子32a~32dを含んでおり、当該ビーム偏向素子は、接続要素51で接続されている。当該接続要素は、アクチュエータによって並進運動及び/又は回転運動可能になるために利用可能であってよい。接続要素51は、一体的に構成されていてよく、例えば
図4eにおけるy方向等の延在方向にわたって、ビーム偏向素子32a~32d上を、又は、ビーム偏向素子32a~32d内を延在し得る。代替的に、接続要素51は、ビーム偏向素子32a~32dが一体的に形成されている場合、単に、ビーム偏向装置18の少なくとも1つの面に接続されていてもよい。代替的に、アクチュエータとの接続、及び/又は、ビーム偏向素子32a~32dの接続は、他の任意の方法で、例えば貼付、圧着、又は、はんだ付け等を用いて行われ得る。
【0076】
図5aは、撮像装置16の概略的な斜視図である。撮像装置16は、ビーム偏向装置18、画像センサ36、及び、隣り合って配置された光チャネル42a~42dの1行から成るアレイ38を含んでいる。各光チャネル42a~42dは、撮像装置16のビーム経路22-1~22-4に光学的に影響を与えるために構成された光学系を有し得る。当該光学系は、チャネル個別であり得るか、又は、2つ以上の光チャネルから成る群に関して共通の構成要素を有し得る。
【0077】
画像センサ36は、画像センサ領域44a~44dを含むことが可能であり、光チャネル22a~22dのビーム経路22-1~22-4はそれぞれ、画像センサ領域44a~44dに衝突し得る。単純化して言うと、各画像センサ領域44a~44dには、光チャネル22a~22d及び/又はビーム経路22-1~22-4が配設されていてよい。ビーム偏向装置18は、例えば
図1、
図2、
図3a、
図3b、
図4a~
図4hに関連して記載されているように、ポータブルな装置の互いに異なる動作状態に基づいて、及び/又は、ビーム偏向装置18の互いに異なる位置に基づいて、ビーム経路22-1~22-4を、互いに異なる方向に偏向させるように、及び/又は、異なる波長を偏向させるように構成されていてよい。これは、撮像装置16が、マルチアパーチャ撮像装置40として形成されていてよいか、又は、マルチアパーチャ撮像装置40を含み得るということを意味している。
【0078】
画像センサ領域44a~44dは、例えばそれぞれ、対応するピクセルアレイを含むチップから形成されていてよく、当該画像センサ領域は、共通の基板又は共通のプリント基板上に取り付けられていてよい。自明のことながら、代替的に、画像センサ領域44a~44dがそれぞれ、画像センサ領域44a~44dにわたって連続的に延在している共通のピクセルアレイの一部から形成されていることも可能であり、共通のピクセルアレイは、例えば、個々のチップ上に形成されている。従って、例えば、単に、画像センサ領域44a~44dにおける共通のピクセルアレイのピクセル値のみが読み出される。自明のことながら、例えば2つ以上のチャネルに関する1つのチップの存在、及び、やはり他のチャネルに関するさらなる1つのチップの存在等のように、これらの代替案の様々な混合が同様に可能である。画像センサ36の複数のチップの場合、これらのチップは、例えば1つ又は複数のプリント基板上に、例えば全てを共に、又は、群ごとに、取り付けられていてよい。
【0079】
1行から成るアレイ38は、担体39を有することが可能であり、担体39には、光チャネルの光学系41a~41dが配置されている。担体39は、撮像のために各光チャネルで用いられる光ビーム経路22-1~22-4によって通過され得る。マルチアパーチャ撮像装置の光チャネルは、担体39を、ビーム偏向装置18と画像センサ36との間で横断することが可能である。担体39は、光学系41a~41dの間の相対位置を安定的に保持し得る。担体39は、透明に形成されていてよく、例えばガラス材料及び/又はポリマー材料を含み得る。光学系41a~41dは、担体39の少なくとも1つの表面に配置されていてよい。これによって、担体39と、従って1行から成るアレイ38との、画像センサ36に対して平行かつ行の延在方向56に対して垂直な方向に沿った寸法を小さくすることが可能である。なぜなら、光学系41a~41dを、その周囲領域において囲む必要がないからである。実施形態によると、担体39は、画像センサ36の主要面に対して平行、かつ、行の延在方向56に対して垂直な方向に沿って、光学系41a~41dの対応する寸法よりも大きくないか、又は、わずかに、すなわち多くて20%、多くて10%又は多くて5%大きいのみである。
【0080】
ビーム偏向装置は、第1の位置及び第2の位置において、各光チャネル42a~42dのビーム経路22-1~22-4を、互いに異なる方向に偏向させるように構成されていてよい。これは、
図6aに関連して記載されるように、偏向したビーム経路22-1~22-4が、互いに対して角度を有し得ることを意味している。光チャネル16a~16dは、少なくとも1つの行において、行の延在方向56に沿って配置されていてよい。アレイ38は、光チャネルの少なくとも2つの行を含む複数行から成るアレイとして、又は、光チャネルの(まさに)1つの行を含む1行からなるアレイとして形成されていてよい。光チャネルは、ビーム偏向装置18によって、設定された視線方向に基づいて、可変の視野まで誘導され得る。光チャネルは、視線方向内部で、互いに対して角度を有することが可能であり、これによって、光チャネルは、全体視野の、部分的に重複する部分視野に誘導される。光チャネルの異なる角度は、光チャネルの光学系に基づいて、及び/又は、ビーム偏向装置18での光チャネルの互いに異なる偏向に基づいて得られる。
【0081】
撮像装置16は、アクチュエータ48aを含むことが可能であり、当該アクチュエータは、例えば、光学式手振れ防止機構46aの一部として、及び/又は、ビーム偏向装置18の位置又は状態を切り替えるために用いられ得る。光学式手振れ防止機構46は、画像センサ36によって撮影された画像の光学式画像安定化を可能にするように構成されていてよい。このために、アクチュエータ48aは、ビーム偏向装置18の回転運動52を生じさせるように構成されていてよい。回転運動52は、回転軸54の周りで行われ、ビーム偏向装置18の回転軸54は、ビーム偏向装置18の中央領域か、又は、当該領域から離れて配置されていてよい。回転運動52は、第1の位置又は動作状態と第2の位置又は動作状態との間でビーム偏向装置を切り替えるために、回転運動28又は並進運動26に重ねられ得る。ビーム偏向装置18が並進的に移動可能である場合、並進運動26は、1行から成るアレイ38の行の延在方向56に対して平行に、空間内に配置されていてよい。行の延在方向56は、光チャネル42a~42dが隣り合って配置されている方向に関連し得る。回転運動52に基づいて、光学式画像安定化が、第1の画像軸58に沿って、又は、場合によっては、行の延在方向56に対して垂直に得られる。
【0082】
光学式手振れ防止機構46は、代替的又は付加的に、アクチュエータ48bを含むことが可能であり、当該アクチュエータは、1行から成るアレイ38を、行の延在方向56に沿って並進的に移動させるように構成されている。1行から成るアレイ38の、行の延在方向56に沿った並進運動に基づいて、光学式画像安定化は、第2の画像軸62に沿って、場合によっては行の延在方向56に対して平行に、又は、1行から成るアレイ38の移動方向に対して平行に、得られる。アクチュエータ48a及び48bは、例えば、圧電アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、油圧アクチュエータ、直流電動機、ステッピングモータ、熱アクチュエータ、静電気アクチュエータ、電歪アクチュエータ、及び/又は、磁歪アクチュエータとして形成されていてよい。アクチュエータ48a及び48bは、同じように、又は、互いに異なるように形成されていてよい。代替的に、ビーム偏向装置18を回転運動させ、1行から成るアレイ38を並進運動させるように構成されたアクチュエータが配置されていてもよい。例えば、回転軸54は、行の延在方向56に対して平行であってよい。回転軸54の周りでの回転運動52によって、画像軸58に対して平行な方向に沿った、撮像装置16の設置空間の需要を減少させることができるので、ハウジングの内部に撮像装置16を含んでいるポータブルな装置は、同様に、小さい寸法を有し得る。単純化して言うと、ポータブルな装置は、平らなハウジングを有し得る。
【0083】
並進運動26は、例えば、装置10の主要面13a及び/又は13bの延在部分に対して平行又は略平行に実施可能であってよく、これによって、ビーム偏向装置を動作状態の間で切り替えるために必要となり得る、行の延在方向56に沿って配置され得る付加的な設置空間、及び/又は、装置の厚さ方向に沿った設置空間の供給を省略することが可能である。アクチュエータ48a及び/又は48bは、行の延在方向に沿って、及び/又は、行の延在方向に対して垂直に、装置のハウジングの主要面の延在方向に対して平行に配置されていてよい。単純化すると、これは、アクチュエータは、動作状態の間、及び/又は、光学式手振れ防止機構のアクチュエータの間で切り替えるために、延在部分の横、前及び後ろにおいて、画像センサ、1行から成るアレイ38、及び、ビーム偏向装置18の間に配置されていてよく、撮像装置16の設置高さを低く維持するために、延在部分の上及び/又は下への配置は行われない、と表現され得る。これは、アクチュエータが、動作状態及び/又は光学式手振れ防止機構の切り替えのために、画像センサ36、1行から成るアレイ38及びビーム偏向装置18が配置されている平面に配置されていてよいということを意味している。
【0084】
さらなる実施形態によると、アクチュエータ48b及び/又は他のアクチュエータは、画像センサ36と、1行から成るアレイ38、又は、光チャネルの光学系との間隔を変更するように構成されていてよい。このために、例えばアクチュエータ48bは、1行から成るアレイ38、及び/又は、画像センサ36を、互いに対して、ビーム経路22-1~22-4の内の1つのビーム経路に沿って、又は、行の延在方向56に対して垂直に移動させ、視野の撮像の焦点を変更する、及び/又は、自動焦点機能を得るように構成されていてよい。
【0085】
撮像装置16は、撮像装置の焦点を変更するように構成された焦点装置を有し得る。当該焦点装置は、1行から成るアレイ38と画像センサ36との間における相対運動を供給するように構成されていてよい。焦点装置は、相対運動と同時のビーム偏向装置18の移動を実施しながら、相対運動を実施するように構成されていてよい。例えば、アクチュエータ48b又はさらなるアクチュエータは、1行から成るアレイ38とビーム偏向装置18との間隔を、少なくともほぼ一定に、又は、付加的なアクチュエータを利用しない場合にも少なくともほぼ一定に、場合によっては正確に一定に維持するように、すなわち、ビーム偏向装置18を、1行から成るアレイ38のような範囲で移動させるように、構成されていてよい。ビーム偏向装置を有さないカメラの場合、焦点機能の実装は、装置の寸法(厚さ)の増大をもたらし得る。
【0086】
ビーム偏向装置に基づいて、これは、画像センサ36の主要面に対して平行、かつ、マルチアパーチャ撮像装置の行の延在方向56(例えば厚さ)に対して垂直な寸法に沿った付加的な寸法を有さずに行われ得る。なぜなら、移動を可能にする設置空間は、これらに対して垂直に配置されていてよいからである。1行から成るアレイ38とビーム偏向装置18との一定の間隔に基づいて、ビーム偏向は、設定された(場合によっては最適な)状態に維持され得る。単純化して言うと、撮像装置16は、焦点を変更するための焦点装置を有し得る。焦点装置は、マルチアパーチャ撮像装置16の光チャネルの少なくとも1つの光学系41a~41dと画像センサ36との間の相対運動(集束運動)を供給するように構成されていてよい。焦点装置は、例えばアクチュエータ48b及び/又は48a等の、相対運動を供給するためのアクチュエータを有し得る。この際、ビーム偏向装置18は、対応する構造設計又は利用によって、場合によってはさらなるアクチュエータを用いて、集束運動と同時に移動し得る。これは、1行から成るアレイ38とビーム偏向装置との間隔が不変のままであること、及び/又は、ビーム偏向装置18が、同時に、又は、時間をずらして、集束運動と同じ範囲、又は、比較可能な範囲で動かされ、少なくともマルチアパーチャ撮像装置による視野の撮影の時点では、焦点の変更前における間隔と比較して、不変であるということを意味している。
【0087】
撮像装置16は、画像センサ36からの画像情報を受信するように構成された制御装置53を含んでいる。このために、全体視野の撮像が評価され、当該撮像は、第1のビーム偏向領域での、光チャネル42a~42dのビーム経路22-1~22-4の偏向によって評価され、対応する、すなわち一致する撮像が評価され、当該撮像は、第2のビーム偏向領域での、光チャネル42a~42dのビーム経路22-1~22-4の偏向によって得られ、第1の撮像と第2の撮像との順序は任意である。
【0088】
制御装置53は、例えば画像の組み合わせ方法(英語ではスティッチング)を用いて、撮影された全体視野の全体像を2つ形成することが可能であり、第1の全体像は第1の波長領域に基づき、第2の全体像は第2の波長領域に基づいている。
【0089】
制御装置は、第2の像を用いて、例えば人間には視えない波長領域に基づいて、例えば赤外領域、特に近赤外領域(NIR)に基づいて、第1の像に関する深度図を決定するように構成されていてよい。このために、制御装置は、例えば、第2の波長領域において可視であるパターンを評価するように構成されていてよい。例えばドットパターン等の所定のパターンが、近赤外波長領域において、全体視野の方向に伝送され、パターンの歪みが、第2の像又は撮像結果において評価され得る。当該歪みは、深さの情報と相関していてよい。制御装置53は、深さの情報を評価して、深度図を供給するように構成されていてよい。パターンの空間情報に対して代替的又は付加的に、例えばパターンの時間的変化を認識した時間情報も評価され得る。
【0090】
照明源は、第2の波長領域を完全又は部分的に含む第3の波長領域を有する時間的及び/又は空間的照明パターンを伝送するように構成されていてよく、これによって、第3の波長領域は、少なくとも部分的に、第2の波長領域に対応する。これは、伝送されたパターンの波長の部分反射がすでに、画像センサに到着する第2の波長領域に関して十分な源であり、例えば吸収に基づく波長の変位又は部分反射が含まれていることを含んでいる。可能であれば、第2の波長領域と第3の波長領域とは、完全に等しくもある。
【0091】
図1に関連して記載したように、光チャネルの偏向したビーム経路は、装置のハウジングの透明な領域を通って延在可能であり、透明な領域には、絞りが配置されていてよい。装置の少なくとも1つの動作状態では、透明な領域の一領域に配置された絞りは、当該領域を光学的に、少なくとも部分的に閉鎖することが可能であり、これによって、絞りは、2つ以上、又は、全ての光チャネルに関して有効に機能し、すなわち、少なくとも部分的に閉鎖された状態を有している。別の動作状態では、絞りは、2つ以上、又は、全ての光チャネルに関して開放された状態を有し得る。これは、絞りが、マルチアパーチャ撮像装置の少なくとも2つの光チャネルに関して有効に機能してもよいということを意味している。第1の動作状態において、絞り24bは、透明な領域14bを、2つ以上、又は、全ての光チャネルに関して、光学的に、少なくとも部分的に閉鎖し得る。第2の動作状態において、絞り24aは、透明な領域14aを、2つ以上、又は、全ての光チャネルに関して、光学的に、少なくとも部分的に閉鎖し得る。
【0092】
図5bは、一実施形態に係るマルチアパーチャ撮像装置16の概略的な斜視図であり、当該実施形態では、アレイ38は、例えば光学系41a~41bを含む、2つの光チャネルを有しており、例えば3、4、5又はそれより大きい、任意の個数が可能である。光チャネル41a及び41bはそれぞれ、全体視野60の部分視野64a又は64bを撮影するように構成されている。部分視野64a及び64bは、互いに部分的に重なっており、共に、全体視野60を形成している。
【0093】
マルチアパーチャ撮像装置16は、照明装置55を含んでおり、当該照明装置は、時間的又は空間的な照明パターン55aを、特に全体視野60の方向に伝送するように構成されている。照明パターン55aは、少なくとも部分的に第2の波長領域に重なるか、又は、第2の波長領域に対応する第3の波長領域を含むことが可能であり、従って、第2のビーム偏向領域を用いたビーム経路の偏向によって、全体視野内で歪んだパターンが、画像センサに衝突し、制御装置53によって評価され得る。
【0094】
図5cは、修正された撮像装置16’の側断面図を概略的に示しており、当該撮像装置では、ビーム偏向装置18が、第1の動作状態の第1の位置Pos1と、第2の動作状態の第2の位置Pos2との間で、回転軸54の周りでの回転運動52’に基づいて移動可能である。第1の動作状態では、撮像装置16’は、第1の視線方向57aを有し得る。第2の動作状態では、撮像装置16’は、第1の視線方向57bを有し得る。ビーム偏向装置18の主要面59a及び59bは、鏡及び/又はファセット要素として、反射するように形成されていてよい。動作状態の間で切り替えている間、ビーム偏向装置18は、中央位置61の間で切り替え可能であり、これによって、平面63a及び63bの垂線方向に沿った撮像装置16’の最小寸法を表し得る平行な平面63a及び63bの間の間隔は、画像センサ36、アレイ38の寸法の影響を受けるが、ビーム偏向装置18の移動によっては影響を受けていない。回転運動52は、回転運動28と重ねることが可能である。単純化して言うと、切替と光学式画像安定化との重なりが実装されていてよい。
【0095】
マルチアパーチャ撮像装置のアクチュエータは、少なくとも部分的に、直方体の面によって形成される2つの平面63aと63bとの間に配置されるように配置されていてよい。直方体のこれらの面は、互いに対して平行に、かつ、アレイの行の延在方向に対して、及び、画像センサとビーム偏向装置との間における光チャネルのビーム経路の一部に対して平行に方向付けられていてよい。直方体の容積は最小であるが、それにも関わらず、画像センサと、アレイと、ビーム偏向装置及びその動作に起因する移動とを含んでいる。
【0096】
マルチアパーチャ撮像装置の厚さ方向は、平面63a及び/又は63bに対して垂直に配置されていてよい。アクチュエータは、厚さ方向に対して平行な寸法又は広がりを有し得る。当該寸法の多くて50%、多くて30%又は多くて10%は、平面63aと平面63bとの間の領域を始点として、平面63a及び/又は63bから突出しているか、又は、当該領域から突出していてよい。従って、アクチュエータは、例えば、多くてもわずかに、平面63a及び/又は63bから突出している。実施形態によると、アクチュエータは、平面63a及び/又は63bからは突出していない。その場合の利点は、厚さ方向に沿ったマルチアパーチャ撮像装置の寸法が、アクチュエータによって拡大しないということにある。
【0097】
マルチアパーチャ撮像装置の容積は、平面63aと平面63bとの間で、小さい、又は、最小の設置空間を有し得る。側面又は平面63a及び/又は平面63bの延在方向に沿って、マルチアパーチャ撮像装置の設置空間は、大きいか、又は、任意の大きさであってよい。仮想直方体の容積は、例えば、画像センサ36、アレイ38及びビーム偏向装置の配置によって影響を受けており、これらの構成要素の配置は、本明細書に記載された実施形態によると、当該構成要素の設置空間が、当該平面に対して垂直な方向に沿って小さく、又は、最小になるように、従って平面63aと平面63bとの間隔が小さく、又は、最小になるように行われ得る。当該構成要素の別の配置に対して、容積、及び/又は、仮想直方体の別の面の間隔が、拡大され得る。
【0098】
図6aは、互いに部分的に重なる4つの部分視野64a~64dを含む全体視野60を概略的に示している。部分視野64a~64dは、例えば2つの方向H及びVに沿って、対象領域に配置されているが、当該方向は、例えば水平方向及び垂直方向を、限定的に表現し得るものではない。他のいずれの方向配置も可能である。
図5aに関しては、例えば、ビーム経路22-1が部分視野64aに向かって、ビーム経路22-2が部分視野64bに向かって、ビーム経路22-3が部分視野64cに向かって、及び/又は、ビーム経路22-4が部分視野64dに向かって誘導され得る。ビーム経路22-1~22-4の間における、部分視野64a~64dへの割り当ては任意であるものの、ビーム偏向装置18を始点として、ビーム経路22-1~22-4が、互いに異なる方向に誘導されることが明確になる。記載された実施形態では、全体視野60は、部分視野64a~64dを撮影する4つの光チャネルを用いて撮影されるものの、全体視野60は、他の1より大きい任意の数の部分視野を通じても、すなわち少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも7又はそれより多くの部分視野を通じても撮影され得る。
【0099】
図6bは、
図6aに対して変更を加えた、同じく考えられる全体視野60の分割を示しており、当該全体視野は、例えば2つの部分視野64a及び64bを通じてのみ撮影される。部分視野64a及び64bは、例えば方向Vに沿って、又は、
図6cに示したように、方向Hに沿って配置されていてよく、効果的な画像結合を可能にするために、互いに部分的に重なっている。これらの部分視野は、たとえこれが、対応する任意の実装を意味し得るとしても、区別をつけやすくするために、異なる大きさで示されているに過ぎない。
【0100】
部分視野64a及び64bの光チャネルへの割り当てと、アレイ14の関連する方向付けとは、原則的に任意であってよい。部分視野が配置されている方向、例えば
図6bの方向V、又は、
図6cの方向Hは、アレイ14の行の延在方向56に対して任意に配置されていてよい。行の延在方向56と、部分視野が配置されている方向とが、少なくとも±25°、±15°又は±5°の許容差範囲内で、互いに対して垂直に配置されているような配置が有利である。例えば、
図6bでは、行の延在方向56は、Vに対して垂直な方向Hに対して平行に配置されている。
図6cでは、行の延在方向56は、
図6bに対して回転した部分視野64a及び64bの配置と一致して、同様に回転しており、これによって、行の延在方向56は、Vに対して平行であるか、又は、上記の許容差範囲内でHに対して垂直である。従って、光チャネル42a~42c及び画像センサ領域44a~44cは、
図6cの描写面において、部分的に重なっているか、又は、許容差範囲内で合同である可能性もあるが、描写のために、互いにずらされて示されている。
【0101】
実施形態と一致して、マルチアパーチャ撮像装置は、全体視野60を、少なくとも2つの部分視野64a~64bを通じて撮影するように構成されていてよい。部分視野の内の少なくとも1つは、例えば部分視野64b又は
図6aに関する記載に従う部分視野等の、1つのチャネルで撮影された部分視野とは異なり、少なくとも第1の光チャネル42a及び第2の光チャネル42cによって撮影され得る。例えば、全体視野は、正確に2つの部分視野64a及び64bに分割され得る。例えば部分視野64a等の、部分視野の内の正確に1つの部分視野が、2つの光チャネル42a及び42cによって撮影され得る。他の部分視野は、1つのチャネルで撮影され得る。
【0102】
実施形態によると、マルチアパーチャ撮像装置は、両方の部分視野64a及び64bを、波長領域それぞれの内で、又は、両方の波長領域内で撮像するために、まさに2つの光チャネルの使用を定めている。このような構成の場合、重複する領域において、遮蔽又は閉塞効果が生じる可能性、すなわち、物体の後方に配置された視野の二重の撮影の代わりに、単に視角が撮影される可能性が存在する。このような効果の削減又は回避のために、多くの実施形態は、部分視野64a及び/又は64bの内の少なくとも1つを、さらなる光チャネル42a~42cで撮影し、その結果、少なくともチャネル42a~42cが複数回、特に2回撮影されるように定めている。二重に撮影された部分視野の他の数、及び/又は、部分視野の他の数、及び/又は、光チャネルの他の数が、同様に可能である。
【0103】
図6b及び
図6cを用いて示されているように、光チャネル42a及び42c、並びに/又は、画像センサ領域44a及び44cは、部分視野64を複数回撮影するために、他の部分視野の撮影のための光チャネル42bの周りに対称的に配置されていてよく、別の部分視野に向けられた少なくとも1つの光チャネル42bによって、アレイ14内で互いに離間していてよく、及び/又は、ある程度の視差を可能にするために、互いに対する拡大された間隔、又は、アレイ内で最大の間隔を有し得る。
【0104】
図7aは、装置70
1の概略的な斜視図であり、当該装置は、第1のマルチアパーチャ撮像装置16a及び第2のマルチアパーチャ撮像装置16bを含んでおり、全体視野60を、マルチアパーチャ撮像装置で立体的に撮影するように構成されている。全体視野60は、例えば主要面13aに背向する主要面13bに配置されている。例えば、マルチアパーチャ撮像装置16a及び16bは、全体視野60を、透明な領域14a又は14cを通じて撮影することが可能であり、主要面13bに配置された絞り24a及び24cは、少なくとも部分的に透明である。主要面13aに配置された絞り24b及び24dは、透明な領域14b又は14dを、少なくとも部分的に、光学的に閉鎖することが可能であり、これによって、マルチアパーチャ撮像装置16a及び/又は16bの撮影を歪め得る、主要面13aに対向する面からの迷光の規模が、少なくとも減少している。マルチアパーチャ撮像装置16a及び16bは、空間的に互いに離間して配置されているように図示されてはいるが、マルチアパーチャ撮像装置16a及び16bは、空間的に隣り合って、又は、組み合わせて配置されていてもよい。例えば、撮像装置16a及び16bの1行から成るアレイは、隣り合って、又は、互いに対して平行に配置されていてよい。1行から成る複数のアレイが、互いに対して複数の行を形成することが可能であり、各マルチアパーチャ撮像装置16a及び16bは、1行から成るアレイを有している。撮像装置16a及び16bは、共通のビーム偏向装置、及び/又は、共通の担体39、及び/又は、共通の画像センサ36を有し得る。
【0105】
透明な領域14a~14dには、付加的に、切り替え可能な絞り24a~24dを設けてよく、当該絞りは、使用しない場合には、光学構造を覆っている。絞り24a~24dは、機械的に可動な部分を含み得る。機械的に可動な部分の移動は、例えばアクチュエータ48a及び48bに関して記載したように、アクチュエータを用いて行われ得る。絞りは、代替的又は付加的に、電気的に制御可能であり、エレクトロクロミックな層又はエレクトロクロミックな層のセットを含み得る。
【0106】
図7bの好ましい実施形態によると、装置70
2は、装置70
1と同じように構成されているが、深さの情報を、立体撮影の代わりに、波長領域の内の1つの波長領域における撮影から、例えば不可視の波長領域におけるパターンの歪みの評価を通じて作成するように構成されている。この好ましい実施形態によると、装置70は、例えば個々の撮像装置16のみを有するように設計されており、装置70は、全体視野を、1つの視点から、すなわち撮像装置16の視点から撮影し、全体視野の立体撮影を撮影しないように構成されている。
【0107】
装置70は、好ましい態様によると、撮影された波長領域の1つにおけるパターンの歪みを、例えば制御装置53によって、又は、このために設置された装置70若しくは撮像装置16の演算装置によって、評価することを通じて、全体視野の深さの情報を供給又は作成するように構成されていてもよい。
【0108】
装置70は、付加的な、撮像装置16を補足又は拡張する赤外線カメラを用いずに実装されていてよい。なぜなら、このような機能は、場合によっては照明装置55を含めて、すでに撮像装置16内で実行されているからである。
【0109】
図7cに示された、別の好ましい態様によると、装置70
3の撮像装置16は、装置70
1及び装置70
2と比べて、1つの視線方向のみを有するように構成されており、これによって、対応する覗き窓を他の方向に配置すること、及び、いずれにせよ任意の絞りを配置すること、を省略することができる。
【0110】
両方の波長領域の評価を通じて、装置702及び装置703もまた、全体視野の深度図を作成するように構成されていてよい。
【0111】
図8は、第1のマルチアパーチャ撮像装置16a及び第2のマルチアパーチャ撮像装置16bを含む構造を概略的に示しており、例えば、当該構造が、どのように撮像システム70
1内に配置され得るかを示している。マルチアパーチャ撮像装置16a及び16bは、全体的に、又は、部分的に、共通のマルチアパーチャ撮像装置として形成されていてよい。1行から成るアレイ38a及び38bは、共通の行を形成している。画像センサ36a及び36bは、共通の基板上、又は、共通のプリント基板若しくは共通のフレックスボード等の、共通の相互接続デバイス上に取り付けられていてよい。代替的に、画像センサ36a及び36bは、互いに異なる基板を含み得る。自明のことながら、同様に、これらの代替案の様々な混合が可能である。例えば、共通の画像センサ、共通のアレイ及び/又は共通のビーム偏向装置18を含むマルチアパーチャ撮像装置、並びに、別個の構成要素を有するさらなるマルチアパーチャ撮像装置等である。共通の画像センサ、共通の1行から成るアレイ及び/又は共通のビーム偏向装置の利点は、高い正確性を有する各構成要素の動きが、少数のアクチュエータの作動によって得られ、アクチュエータ間の同期を削減又は回避することができることにある。さらに、高い熱的安定性が得られる。代替的又は付加的に、さらなるマルチアパーチャ撮像装置も、共通のアレイ、共通の画像センサ及び/又は共通のビーム偏向装置を有し得る。撮像する光チャネルの任意の数の群が実装可能であるが、少なくとも1つのさらなる群を配置することによって、マルチアパーチャ撮像装置は、全体視野を少なくとも立体的に撮影するように構成されていてよい。
【0112】
ビーム経路又は光軸が、ビーム偏向装置を始点として、互いに異なる方向に誘導され得ることは、すでに指摘されている。これは、ビーム経路が、ビーム偏向装置において偏向する間、及び/又は、光学系を通じて、互いに対する平行性から逸脱するように誘導されることによって得られる。当該ビーム経路又は光軸は、ビーム偏向の前、又は、ビーム偏向無しに、平行性から逸脱していてよい。この状況は、以下において、チャネルに一種の事前発散が設けられ得ることで、明確に規定される。光軸の事前発散によって、例えばビーム偏向装置のファセットの全てのファセット傾斜が、互いに異なるのではなく、チャネルの多くの群が、例えば同じ傾斜を備えたファセットを有しているか、当該ファセットに誘導されるということが可能であろう。後者は、一体的又は連続的に互いに移行するように形成される、いわば、行の延在方向において隣り合うチャネルの当該群に配設されたファセットとして形成されることが可能である。これらのチャネルの光軸の発散は、当該発散が、光チャネルの光学系の光心と、チャネルの画像センサ領域との間の横方向オフセットによって得られるように、これらの光軸の発散に由来する可能性がある。事前発散は、例えば、1つの平面に限定される可能性がある。光軸は、例えば、ビーム偏向の前、又は、ビーム偏向無しに、共通の平面において延在するが、当該平面において発散しており、ファセットは、もはや、他の横断面において付加的な発散をもたらすに過ぎず、すなわち、全ては、行の延在方向に対して平行であり、かつ、上述の光軸の共通の平面に対して互いに異なって傾斜しており、ここでは再び、複数のファセットが同じ傾斜を有し得るか、又は、チャネルの群に、共に配設されていてよく、その光軸は、例えば上述の光軸の共通の平面においてすでに2つ一組で、ビーム偏向の前、又は、ビーム偏向無しに異なっている。単純化すると、光学系は、第1の(画像)方向に沿ったビーム経路の(事前)発散を可能にし、ビーム偏向装置は、第2の(画像)方向に沿ったビーム経路の発散を可能にする。
【0113】
上述の、可能であれば存在する事前発散は、例えば、光学系の光心が、行の延在方向に沿った直線上に位置する一方で、画像センサ領域の中心が、光心の、画像センサ領域の平面の垂線に沿った、画像センサ平面内の直線上の点への投影から逸脱して配置されていること、例えば、チャネル個別の、行の延在方向に沿った、及び/又は、行の延在方向に対しても画像センサの垂線に対しても垂直な方向に沿った、画像センサ平面内の上述の直線上の点からは逸脱する点に配置されていることによって得られる。代替的に、事前発散は、画像センサの中心が、行の延在方向に沿った直線上に位置する一方で、光学系の中心が、画像センサの光心の、光学系の光心の平面の垂線に沿った、光心平面内の直線上の点への投影から逸脱して配置されていること、例えば、チャネル個別の、行の延在方向に沿った、及び/又は、行の延在方向に対しても光心平面の垂線に対しても垂直な方向に沿った、光心平面内の上述の直線上の点からは逸脱する点に配置されていることによって得られる。上述の各投影からのチャネル個別の逸脱は、行の延在方向においてのみ存在する、すなわち、光軸は、共通の平面にのみ存在し、事前の発散で散乱することが好ましい。光心も画像センサ領域の中心も、それぞれ、行の延在方向に対して平行な直線上に位置するが、間隔は異なっている。これに対して、レンズと、行の延在方向に対して垂直かつ横の方向における画像センサとの間の横方向オフセットは、設置高さの増大をもたらす。行の延在方向における、純粋に平面内でのオフセットは、設置高さを変更しないが、場合によっては、ファセットがより少ない結果になる、及び/又は、ファセットは、角度方向において、傾斜効果のみを有し、これによって、構造が単純化される。例えば、それぞれ隣り合う光チャネルは、共通の平面に延在し、それぞれ互いに対して斜めになった、すなわち事前発散が設けられている光軸を有し得る。ファセットは、光チャネルの群に関して配置され、一方向においてのみ傾斜し、行の延在方向に対して平行であってよい。
【0114】
さらに、例えば、超解像のため、又は、対応する部分視野を当該チャネルを通じて走査する際の解像度を高めるために、多くの光チャネルが、同じ部分視野に配設されていると規定してよい。このような群内部の光チャネルは、例えばビーム偏向の前には平行に走っていたが、ファセットを通じて、部分視野に偏向するであろう。群のチャネルの画像センサのピクセルイメージが、当該群の別のチャネルの画像センサのピクセルの画像の間の中間位置に存在すると有利であろう。
【0115】
例えば、超解像の目的ではなく、単に立体視のためだけでも、行の延在方向において直接隣り合うチャネルの群が、その部分視野で、全体視野を完全に覆うような構成、及び、互いに直接隣り合うチャネルのさらなる群が、全体視野を、当該群の側で完全に覆うことが考えられるであろう。
【0116】
上述の実施形態は、すなわち、マルチアパーチャ撮像装置及び/又はこのようなマルチアパーチャ撮像装置を含む装置の形状で実装され、1行から成るチャネルアセンブリを有しており、各チャネルは、全体視野の部分視野を伝送し、部分視野は、部分的に重なり合う。このようなマルチアパーチャ撮像装置を複数備えた設計が、3D画像撮影のためのステレオ設計、三重設計、四重設計等に関して可能である。この際、複数のモジュールが、関連する行として構成されていてよい。これらの関連する行は、同一のアクチュエータと、共通のビーム偏向素子とを利用することが可能である。1つ又は複数の、場合によってはビーム経路に存在し得る補強基板は、ステレオ構造、三重構造、四重構造を形成し得る行全体にわたって延在し得る。複数のチャネルが同一の部分像領域を撮像する超解像法を用いることが可能である。光軸は、すでにビーム偏向装置が無くとも、発散して延在可能であり、これによって、ビーム偏向ユニット上で必要とされるファセットが少なくなる。当該ファセットは、有利には、1つの角度成分のみを有している。画像センサは、一体型であってよく、関連する1つのピクセルマトリックスのみ、又は、複数の中断したピクセルマトリックスを有していてよい。画像センサは、例えばプリント基板上に隣り合って配置された多くの部分センサから構成されていてよい。自動焦点の作動は、ビーム偏向素子が光学系と同期して動かされるか、又は、静止しているように実施されてよい。
【0117】
原則的に、任意で多くの部分モジュールを含む画像センサ、撮像光学系及び鏡アレイが配置され得る。部分モジュールは、システムとしても構成されていてよい。部分モジュール又はシステムは、スマートフォンのように、ハウジング内に取り付けられていてよい。当該システムは、1つ若しくは複数の行に、及び/又は、列及び任意の位置に配置されていてよい。例えば、全体視野の立体的な撮影を可能にするために、ハウジング12内に、2つの撮像装置16が配置されていてよい。
【0118】
さらなる実施形態によると、装置70は、さらなるマルチアパーチャ撮像装置16を含んでいるので、全体視野60は、2つより多いマルチアパーチャ撮像装置で走査可能である。これによって、部分的に重なり合う複数のチャネルが可能であり、これらのチャネルは、そのチャネルごとに調整された視線方向によって、全体視野を撮影する。全体視野の立体的な撮影、又は、より高い次数を有する撮影のために、本明細書に記載された実施形態に係るチャネルの少なくとも1つのさらなるアセンブリ、及び/又は、まさに1つの行として、若しくは、別個のモジュールとして形成され得る、チャネルの記載されたアセンブリが配置されていてよい。これは、1行から成るアレイが、さらなる行と共に、複数の行から成るように配置されていてよく、光チャネルのさらなる行は、さらなるマルチアパーチャ撮像装置に配設され得るということを意味している。さらなる行の光チャネルは、同様に、それぞれ部分的に重なり合う部分領域を撮影し、共に、全体視野を覆うことが可能である。これによって、アレイカメラのステレオ構造、三重構造、四重構造等を得ることが可能であり、アレイカメラは、部分的に重なり合い、その部分分類内で全体視野を覆うチャネルから構成されている。
【0119】
言い換えると、直線的なチャネル配置を有するマルチアパーチャカメラは、複数の光チャネルを含むことが可能であり、当該光チャネルは、隣り合って配置されており、それぞれ、全体視野の部分を伝送している。実施形態によると、有利には、鏡(ビーム偏向装置)が、撮像レンズの前に配置されていてよく、当該鏡は、ビーム偏向に利用可能であり、装置の設置高さの減少に資することが可能である。チャネルごとに調整された、例えばファセット鏡等の鏡と組み合わせて、チャネルの撮像光学系をほぼ同一に構成することが有利であり、当該ファセットは、平坦か、又は、任意で湾曲しているか、又は、自由曲面が設けられていてよいのだが、これに対して、チャネルの視線方向は、鏡アレイの各ファセットによって影響を受けているか、又は、予め設定されている。平坦な(平らに形成された)鏡と組み合わせて、チャネルの撮像光学系は、異なって構成又は造形されていてよいので、異なる視線方向が生じる。偏向鏡(ビーム偏向装置)は、回転可能に取り付けられていてよく、回転軸は、光チャネルに対して垂直に、すなわちチャネルの行の延在方向に対して平行に延在し得る。偏向鏡は、両側において反射してよく、反射性を得るために、金属又は誘電体層又は層のセットが配置されていてよい。鏡の回転又は並進的変位は、アナログ又は双安定又は多重安定に行われ得る。予測された方向に沿って動かすために力が消費される場合に、力を下回ることで、ビーム偏向装置の静止又は後退が生じ得ると、安定と理解され得る。
【0120】
アナログな回転(回転運動52)は、撮像位置の一次元的な調整に利用可能であり、これは、光学式画像安定化として理解され得る。例えば、この際、例えば15°以下、10°以下又は1°以下の、わずかな角度の動きで十分であり得る。鏡の双安定又は多重安定の回転は、カメラの視線方向の切り替えに用いられ得る。例えば、ディスプレイの前、横および後ろでの視線方向の間で切り替えが行われ得る。アナログかつ双安定/多重安定の動き又は位置は、組み合わせる、すなわち重ね合わせることが可能であってよい。例えば、本明細書に記載した実施形態によって、スマートフォン等のポータブルな装置での、互いに異なる視線方向を有する2つのカメラを、前に向けて、かつ、後ろに向けて使用するという解決法は、単に1つの撮像装置を含む構造によって代替され得る。当該構造は、既知の解決法と区別するにあたり、例えば、覗き窓がハウジング内で、前方に向かう視線方向と後方に向かう視線方向とを有するカメラのために、同じ位置に、すなわち、上方のハウジングカバー又は下方のハウジングカバーに向かい合って配置されていることによって特徴付けられ得る。ビームの通過のために配置された、これらのハウジングカバーの領域は、透明であってよく、可視光線を使用する場合のために、ガラス及び/若しくはポリマーから構成されているか、又は、ガラス及び/若しくはポリマーを含んでいてよい。
【0121】
上述の実施形態は、装置が第1及び第2の動作状態を有するように記載されているが、さらなる実施形態では、さらなる、すなわち少なくとも第3の視野を撮影するためのさらなる動作状態が配置されていてよい。
【0122】
以下において、
図9a~
図9dを用いて、マルチアパーチャ撮像装置の特に有利な態様が記載される。当該マルチアパーチャ撮像装置は、本発明に係る装置、例えば装置70
1、70
2及び/若しくは70
3の一部と見なされるか、又は、一部として使用され得る。
【0123】
示された側断面図は、例えば面取りしたビーム偏向装置の各ファセットに関する。ビーム偏向装置は、例えばファセットのアレイとして形成されていてよい。各光チャネルには、1つのファセットが配設されていてよく、各ファセットは、1つ又は複数の光チャネルを偏向させることができる。ファセットのそれぞれは、対応する第1のビーム偏向領域と第2のビーム偏向領域とを有し得る。
図4c~
図4fに示されているように、ファセットのアレイのファセットは、両側が反射する鏡として形成されていてよい。
図4c~
図4fに示された楔形は、特に1つのみの視線方向を用いる場合、又は、2つの視線方向を撮影し、2つの波長領域を用いるために用いられるビーム偏向装置の4つの位置を切り替えるために、回転運動を並進運動と組み合わせる場合、設置高さを減少させることができる。このために、ビーム偏向装置は、異なる面で交互に偏向させるために、面35a及び35bの面法線が画像センサの面法線に対して平行となること無しに、ファセットの前縁が、わずかに上下に移動するように動かされ得る。
【0124】
代わりに、単純で、及び/又は、アレイの行の延在方向に沿って小さい設置寸法は、ビーム偏向装置が90°か又はそれより大きい角度、例えば180°又は360°回転可能であるように取り付けられていることによって得られる。例えば上述の4つの場所又は位置は、純粋な回転運動によって得られるので、付加的なファセット及び/又は並進運動は省略可能である。これはさらに、ファセットの、平行平面である鏡として、例えば光学系を用いてビーム経路の発散を調整する唯一の平行平面である鏡として、及び/又は、発散を完全に、若しくは、部分的に調整する、互いに対して斜めにされた、若しくは、傾けられた平行平面であるファセットとしての単純な態様を可能にする。
【0125】
図9aは、一実施形態に係るマルチアパーチャ撮像装置90の概略的な側断面図であり、当該実施形態では、向かい合う面18A及び18Bは、ビーム経路22を偏向させ、面18A及び面18Bにおいて、反射した波長に関するフィルタリングが行われるように設計されている。ビーム偏向装置は、面18Aが画像センサ36に対向している第1の位置において図示されている。
【0126】
ビーム偏向装置18は、第1のビーム偏向領域を有しており、第1のビーム偏向領域は、例えば面18A上に形成されており、光チャネルを通過する電磁放射線の第1の波長領域、例えば可視波長領域、に関して有効に機能する。ビーム偏向装置は、第2のビーム偏向領域18Bを有しており、第2のビーム偏向領域18Bは、光チャネルを通過する電磁放射線の、例えば第1の波長領域とは異なる第2の波長領域、例えば紫外(UV)、赤外(IR)又は近赤外(NIR)波長領域に関して有効に機能する。
【0127】
これらの波長領域は、分離していてよいが、当該波長領域が少なくとも部分的に異なっており、異なる画像情報の獲得を可能にする限りにおいて、部分的に重複していてもよい
【0128】
これは、画像センサ36を用いた異なる波長領域の撮影を可能にするので、例えば、第2の像は、特に装置90によって伝送されるコード化された(N)IRパターンと組み合わせて、第1の像に関する深度図を作成するために用いられ得る。
【0129】
図9aでは、第1の位置におけるビーム偏向装置18が示されている。ビーム偏向装置は、全体視野の第1の像を得るために、±10°、±5°又は±2°の許容差範囲内で、第1のビーム偏向領域18Aの画像センサに対する45°の迎角α
1を有するように構成されていてよい。例えば、面18Aは、完全に、対応する第1のビーム偏向領域を供給し、面18Bは、完全に、対応する第2のビーム偏向領域を供給するので、ここでは、概念は同義に用いられる。しかしながら、ビーム偏向領域は、面の一部のみを覆ってもよい。
【0130】
図9bには、第2の位置におけるビーム偏向装置18が示されており、第2の位置では、面18Bは画像センサに対向しているので、面18Bは、例えばNIR光を偏向させるために有効に機能する。例えば、ビーム偏向装置18は、第1の位置に対して180°回転していてよい。ビーム偏向領域18Aは、ビーム偏向装置18の第1の面に配置され、第2のビーム偏向領域18Bは、第1の面の反対側に配置された第2の面に配置されていてよい。ビーム偏向装置18は、全体として、又は、各ビーム偏向素子において、全体視野の第1の像の撮影のために、第1の面が画像センサに対向して配置されており、全体視野の第2の像の撮影のために、第2の面が画像センサに対向して配置されているように構成されていてよい。画像センサに対向する面の交換のために、回転運動及び/又は並進運動が利用され得る。
【0131】
ビーム偏向装置又はそのファセットを平行平面に構成することによって、ファセット又はビーム偏向装置18が、例えば第2の波長領域を用いて全体視野の第2の像を得るために、±10°、±5°又は±2°の許容差範囲内で、第2のビーム偏向領域18Bの画像センサに対する45°の迎角α2を有することが可能になる。許容差範囲は、例えば、ビーム偏向装置18の様々なファセットが互いに対して斜めになる、又は、傾けられることに由来して、ビーム偏向素子が45°からわずかに異なる迎角を含み、平均として、約45°が得られるものの、各ファセット又は偏向領域が個別の傾きによって当該角度から逸脱していることを補償し得る。
【0132】
ビーム偏向領域18A及び18Bは、互いに異なる構成を有するコーティングによって得られ、当該コーティングは、第1の波長領域又は第2の波長領域において、反射するか、又は、反射しないように作用する。
【0133】
実施形態によると、1つ又は複数の層を有するコーティングが、ビーム偏向領域18A及び18Bを形成するために、ビーム偏向装置18の面に設けられている。これらの層は、例えば1つ又は複数の誘電体層を有することが可能であり、当該誘電体層は、その層厚に関して、ビーム偏向装置の迎角に適応可能である。
【0134】
選択された動作モードに依存して、又は、まさに撮影のために所望される波長領域に依存して、波長領域の部分、特にそれぞれ他の波長領域の部分が、ビーム偏向装置18に衝突し得るので、多くの実施形態は、特定の波長を吸収するための領域、例えばボリュームアブソーバ(三次元的吸収体)等を有している。当該領域は、コーティングによって覆われていてよく、これによって、例えばまず、多くの波長の反射が生じ、反射しない、例えば伝送された波長領域は、吸収される。例えば、第1の波長領域の撮影の際、対応する波長は、コーティングによって反射するが、他の波長、例えば第2の波長領域の少なくとも望ましくない部分は、これらの層によって、例えば伝送され、すなわち通過させられる。コーティングの裏に配置された、吸収のための領域は、これらの部分を吸収することが可能であり、これによって、マルチアパーチャ撮像装置における撮像へのネガティブな影響が回避されるか、又は、少なくとも削減される。第2の面には、第2のビーム偏向領域18Bがビーム偏向のために用いられる場合に有効である第1の波長領域の望ましくない部分を吸収するための補完的な装置が配置されていてよい。
【0135】
図9cは、任意の第3の位置におけるビーム偏向装置18を示しており、第3の位置では、面18Aは、やはり画像センサに対向しているが、傾斜は、ビーム経路が、第2の全体視野の方向に偏向するように選択されており、当該全体視野は、例えば
図9a及び
図9bの第1の全体視野に対応する。
【0136】
図9dには、任意の第4の位置におけるビーム偏向装置が示されており、第4の位置では、面18Bはやはり、画像センサに対向しており、これによって、面18Bは、例えば第2の全体視野から画像センサ36の方向に偏向させるために有効である。
【0137】
第2の全体視野を撮影するための、
図9c及び
図9dに係る付加的な位置によって、第2の全体視野の撮影は、第1のビーム偏向領域18Aを用いて、画像センサで撮影され得るので、この撮影は、第1の波長領域に基づいている。付加的に、第2の全体視野は、さらなる撮影によって、具体的にはビーム偏向領域18Bを用いて、画像センサによって撮像可能であるので、この撮影は、第2の波長領域に基づいている。
【0138】
両方の全体視野は、マルチアパーチャ撮像装置の異なる主要方向に沿って、例えば相反する方向に沿って、すなわち約180°異なる方向に沿って配置されていてよい。ビーム偏向領域は、連続して進行する回転運動を実施する際、例えば
図9a~
図9dの順序に類似した順序で、ビーム経路を、交互に、第1の全体視野及び第2の全体視野の方向に、かつ、交互に、第1のビーム偏向領域18A及び第2のビーム偏向領域18Bを用いて偏向させることができる。これは、たしかに、可能ではあるが、必ずしも必要ではない運動の連続的な進行であり得る。むしろ、例えばつねに、最短及び/又は最速の位置変更を可能にする回転運動を選ぶことが可能であり、これによって、位置の間の変更が、任意の順序で、特に第3の方向に沿った第3の全体視野の撮影の場合、及び/又は、180°ではない角度での全体視野の配置の場合に、行われ得る。
【0139】
図9a~
図9dの角度は、任意の順序で、例えばそれぞれ約45°で到達され得る。
【0140】
記載された回転による変位の代わりに、又は、当該変位と組み合わせて、ビーム偏向装置の並進による変位も実装され得る。
【0141】
異なる波長情報で撮像、画像情報又は画像を得るために、画像センサのピクセルは、両方の波長領域に関して有効であるように構成されていてよく、及び/又は、異なる感度を有するセルを空間的に隣り合って配置してよく、これによって、少なくとも画像センサ領域は、両方の波長領域に関して高感度である。
【0142】
例えば、画像センサ領域は、第1の波長領域における結像のため、かつ、第2の波長領域における結像のために構成されていてよい。例えば、CMOSピクセルは、同時に、可視領域及びNIR領域において高感度であってよく、この上に位置する色フィルタアレイ(「CFA」、可視で、典型的にはベイヤーパターンにおいて)は、色(赤、緑、青、又は、マゼンタ、シアン、黄)に応じて、「フィルタピクセル」も含むことが可能であり、当該フィルタピクセルの内、いくつかのフィルタピクセルのみが、NIRをも、部分的にのみでも伝送するが、これで十分である。代替的又は付加的に、例えば拡張されたベイヤーパターンにおけるセル配置の場合、各セルが、NIRにおいてのみ高感度であるセルによって交換されるか、又は、実装されていてよい。
【0143】
例えば、画像センサ領域のピクセルは、第1の波長領域における結像のため、かつ、第2の波長領域における結像のために構成されていてよい。従って、本発明は、鏡前面及び鏡背面の異なる構成を備えたfacetVISION-アーキテクチャにおけるビーム偏向装置に関するものであり、facetVISIONは、本明細書に記載されたマルチアパーチャ撮像装置に関連している。
【0144】
中心となる思想は、偏向鏡を、前面と背面とで異なる機能を有するように構成することにある。
【0145】
これは、特に反射率、特に分光反射率(すなわち衝突する波長に依存する)に関するものであり、特に、第1の面は、所望のビーム偏向角度で、可視スペクトル領域(VIS)を反射するが、近赤外線(NIR)は反射せず、第2の面は、所望のビーム偏向角度で、NIRを反射するが、VISは反射しない。これらは全て、例えば、鏡の第1面と第2面とで異なって構成された誘電体層系によるものである。
【0146】
これによって、以下が可能になる。
-同じカメラが、「同時に」又は極めて高速に連続して、鏡の切り替えのみによって、VISカメラとして、又は、NIRカメラとして使用され得る。
-鏡はもはや、必ずしも楔形ではなく、単純な平行平面のプレートである。鏡をVISとNIRとで切り替えるために、180°の回転が用いられる。鏡の回転範囲において場合によって生じ得る設置空間のネガティブ要素は、窓(装置の通過開口部)の位置における、開閉するカバーガラスによって改善され得る。
-カメラは、片側の視線方向(「世界」又は「セルフィ」)のみを有するように構成可能であり、鏡の切り替え(180°)は、撮影されるスペクトル領域を変更するためにのみ用いられる。しかしまた、さらに、前面及び背面に、視線方向を許容することができる。例えば、鏡の90°回転した段階において:世界-VIS、セルフィ―NIR、世界-NIR、セルフィ―VIS。
-自明のこととして、視野分割と画像スティッチングとの組み合わせ(例えば2チャンネル)。
-画像スティッチングに関して、視差に基づく深度図を作成するためのデュアルカメラとしての構成も可能である(例えば4チャネル)。しかしこれは、必要ではない(従って、チャネルが節約され、それによって、著しく費用が削減される)。なぜなら、
-上述の配置を、構造化された、又は、コード化された照明(Kinect式に)と、NIRにおいて組み合わせる(カメラは、NIRでも、鏡の位置で見ている)ことが可能であり、これによって、VIS画像の画像スティッチングに必要な深度図を作成することが可能である。これは全て、2つの視野に分割されたカメラチャネル、特別な鏡を用いて、かつ、NIRドットパターンプロジェクタを加えるのみで、付加的なNIRカメラは用いずに行われる。
-4チャネルから2チャネルへの削減という目標が、付加的なNIRカメラ(3光チャネル)を用いずに、付加的なNIRプロジェクタを必要とするのみで得られる。
-設置高さの利点を維持した場合、部分的にシステム自体に組み込まれている深度図の代替的な作成によってのみ、費用の削減が得られる。
【0147】
図10は、波長領域66及び68の波長λにわたる、マルチアパーチャ撮像装置の画像センサの画像センサ領域の感度Eを、例えば1つ又は複数の画像センサ領域44a~44dの感度を、概略的に示したグラフである。画像センサ領域は、第1の波長領域66における結像と、第2の波長領域68における結像とのために構成されていてよい。第1の波長領域66は、例えば、第1の下側波長λ
1と第1の上側波長λ
2との間に配置されており、λ
1<λ
2である。第2の波長領域68は、例えば、第2の下側波長λ
3と第2の上側波長λ
4との間に配置されており、λ
3<λ
4である。
図10は、第2の波長領域68が、第1の波長領域66よりも長い波長を有しているように示されているものの、第2の波長領域68が、第1の波長領域66よりも短い波長を有していることも、同じく可能である。波長領域66及び68は、部分的に重なっていてよいが、中間領域72によって互いに離間していてもよい。
【0148】
画像センサ領域は、少なくとも波長領域66及び68において画像データを作成するように構成されていてよく、これは、画像センサ領域が、少なくとも波長領域66及び68において、感度E0よりも高い感度E1を有していることを意味しており、感度E0では、画像センサ領域は、これらの波長に関して感度を有さないので、例えば、画像データ又は画像信号を作成しない。
【0149】
ビーム偏向は、波長領域66及び68に関して選択的に行われ得るので、波長のそれぞれの減衰又はノイズ除去は、ビーム偏向領域がまさに有効であるところの各波長領域の外側で行われ、少なくとも補完的な波長領域に配置されている波長が抑制されるか、又は、減衰すれば十分である。これは、例えば画像センサが感度を有さないところの波長領域が、ビーム偏向領域18A及び/又は18Bを通じても偏向可能であるということを意味している。単純化して言うと、画像センサ領域は、波長領域66及び68の外側における撮像を行うようにも設計されていてよい。
【0150】
例えば、画像センサ領域は、多数の像点、すなわちピクセル(画素)を有し得る。各ピクセルは、少なくとも1つの、好ましくは複数の撮像する、すなわち感光性のセンサセルから形成されていてよい。当該センサセルは、自由に、又は、例えばベイヤーパターン等のパターンに従って配置されていてよい。第2の波長領域68に関する画像センサ領域の感度は、例えば、ピクセルの第1の部分量が第1の波長領域66に関して高感度であり、別のピクセルの第2の部分量が第2の波長領域68に関して高感度であることによって得られる。第1の部分量のピクセルは、第1及び/又は第2の像の所望の解像度に応じて、互いに交差させて、かつ、交互に、すなわち1:1で、又は、別の比で配置されていてよい。代替的又は付加的に、ピクセルの1つ、複数又は全てのセンサセルが、第1の波長領域66及び第2の波長領域68に関して高感度であることが可能である。代替的又は付加的に、第1の波長領域66に関するセンサセルのパターンを変更し、これによって、第2の波長領域68に関して高感度のセンサセルを付加する、及び/又は、パターンからセンサセルを交換することが、同様に可能である。画像センサ領域のピクセルは、第1の波長領域66内での結像のため、及び/又は、少なくとも部分的に、第2の波長領域68内での結像のために構成されていてよい。
【0151】
多くの態様が装置に関連して記載されたが、自明のことながら、これらの態様は、対応する方法の説明でもあり、装置のブロック又は部材は、対応する方法ステップとしても、又は、方法ステップの特徴としても理解されるべきである。これに類似して、方法ステップと関連して、又は、方法ステップとして記載された態様は、対応する装置の対応するブロック又は詳細又は特徴の記載でもある。
【0152】
上述の実施形態は、本発明の原則の具体的な説明に過ぎない。自明のことながら、本明細書に記載された配置及び詳細の修正及び変更は、当業者にとって納得できるものである。従って、本発明は、後出の請求項の保護範囲によってのみ限定されるべきものであり、実施形態の説明及び言及を用いて本明細書で示された具体的な詳細によって限定されるべきではないということが意図されている。
【符号の説明】
【0153】
10 装置
12 ハウジング
13a、13b 主要面
14 アレイ
14a~14d 透明な領域
15a、15b 側面
16、16’、16a、16b マルチアパーチャ撮像装置
16a~16d 光チャネル
18 ビーム偏向装置
18A 第1のビーム偏向領域
18B 第2のビーム偏向領域
19 画像撮影装置
20 装置
22、22a、22b ビーム経路
22-1~22-4 ビーム経路
22a、22b 視線方向
22a~22d 光チャネル
24a~24d 絞り
26 並進運動
28 回転運動
32、32a~32h ビーム偏向素子、ファセット
33 表示部
34、34’ 距離
35a~35d 面
36、36a、36b 画像センサ
37 変位軸
38、38a、38b アレイ
39 担体
40 マルチアパーチャ撮像装置
41a~41d 光学系
42a~42d 光チャネル
43 面の重心
44a~44d 画像センサ領域
45 厚さ方向
46 光学式手振れ防止機構
46a~46d 画像センサ領域
47 方向
48a、48b アクチュエータ
49、49a、49b 凹部
51 接続要素
52、52’ 回転運動
53 制御装置
54 回転軸
55 照明装置
55a 照明パターン
56 行の延在方向
57a、57b 第1の視線方向
58 第1の画像軸
59a、59b 主要面
60 全体視野
61 中央位置
62 第2の画像軸
63a、63b 平面
64、64a~64d 部分視野
66 第1の波長領域
68 第2の波長領域
701、702、703 装置
72 中間領域
90 マルチアパーチャ撮像装置
E 感度
H、V 方向
Pos1 第1の位置
Pos2 第2の位置
λ 波長
【国際調査報告】