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特表2022-512416高い処理量で板状ワークピースを露光する装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(54)【発明の名称】高い処理量で板状ワークピースを露光する装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20220127BHJP
   B65G 47/248 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
G03F7/20 505
B65G47/248 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533580
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(85)【翻訳文提出日】2021-07-09
(86)【国際出願番号】 DE2019101076
(87)【国際公開番号】W WO2020119863
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】102018132001.9
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518363222
【氏名又は名称】レーザー イメージング システムス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】リュッカー シュテフェン
(72)【発明者】
【氏名】クロフスキー ウーヴェ
【テーマコード(参考)】
2H197
3F081
【Fターム(参考)】
2H197AA22
2H197AA29
2H197AA50
2H197AB05
2H197CA07
2H197CC05
2H197CD12
2H197CD22
2H197CD29
2H197CD50
2H197EA19
3F081AA10
3F081BC01
3F081BE03
3F081BE09
3F081CA04
3F081CA14
3F081CC12
(57)【要約】
本発明は、高いワークピース処理量で板状ワークピース(6)を処理する装置に関する。特に高い処理量及び改良された精度がたった1つの処理ユニット(4)によって実現される板状ワークピース(6)を処理する新規な可能性を提供するという目的は、本発明によれば、可動テーブル装置(2)が、登録ユニット(3)及び処理ユニット(4)の下に直線レール領域を有する共通レール装置(23)上に2つの同一のテーブル(21,22)を有し、それによりテーブル(21,22)が、登録ユニット(3)及び処理ユニット(4)の完全に下でテーブル移動方向に沿って直線的に交互に移動でき、コンピュータユニット(5)によって相互に独立して制御可能である点で達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状ワークピース(6)を収容するための可動テーブル装置(2)と、
前記可動テーブル装置(2)上の目標(33)を把握するための登録ユニット(3)と、
制御可能な処理経路を備えた前記ワークピース(6)を処理するための処理ユニット(4)と、
前記処理ユニット(4)と前記ワークピース(6)の間のアラインメントを制御し、登録された前記目標(33)に基づいて決定される前記ワークピース(6)の位置に依存して所定の処理を空間微分するコンピュータユニット(5)と、を有する板状ワークピースを処理する装置において、
前記可動テーブル装置(2)が、登録ユニット(3)及び処理ユニット(4)の下に直線レール領域を有する共通レール装置(23)上に2つの同一のテーブル(21,22)を有し、それにより前記テーブル(21,22)が、前記登録ユニット(3)及び前記処理ユニット(4)の完全に下で同じテーブル移動方向に前記共通レール装置(23)に沿って直線的に交互に移動でき、
前記テーブル(21,22)が前記コンピュータユニット(5)によって相互に独立して制御可能である、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記目標(33)の決定された位置と処理ハウジング(7)から完全に外に移動したそれぞれの前記テーブル(21,22)の積み降ろしに依存して、内側移動の間の前記目標(33)の登録のために及び外側移動の間のラインごと処理のために前記共通レール装置(23)の2つの反対側から板状ワークピース(6)を送るために、前記コンピュータユニット(5)が、板状ワークピース(6)の積み降ろしのためにテーブル移動の方向感覚、速度及び前記テーブル(21,22)の交互の内側移動及び外側移動に関して2つの前記テーブル(21,22)を独立制御する手段を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記登録ユニット(3)が、前記テーブル(21,22)の少なくとも横エッジ領域又は前記登録ユニット(3)の下を前記テーブル(21,22)の1つが通過する際に前記テーブル上に位置する前記板状ワークピース(6)の少なくとも横エッジ領域における位置マークを空間的に検出するために、テーブル移動方向と交差する直線配向を有し、少なくとも2つのセンサ領域を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記処理ユニット(4)が、前記板状ワークピース(6)のラインごとの処理を実行するために、前記登録ユニット(3)と平行に配置され、制御可能な処理経路を有する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記登録ユニット(3)が、前記板状ワークピース(6)の前記目標(33)の位置を検出するためのカメラ(31)を有し、それにより前記ワークピース(6)の位置が前記コンピュータユニット(5)とワークピース寸法のプリセットにより検出でき、所定の処理を実行するために前記テーブル(21,22)の1つの内側移動を終了させ及び外側移動を開始するための信号が生成され得る、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記コンピュータユニット(5)は、内側移動を外側移動に逆転させるための遅延装置を有し、それにより、前記板状ワークピース(6)の後端が前記処理ユニット(4)の処理経路を越えたとき又は前記登録ユニット(3)の検出領域を越えたときに、2つのうちのどちらが最後に通過したかに依存して、方向の逆転が、登録ユニット(3)と処理ユニット(4)の間の距離に依存して最初に引き起こされる、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記コンピュータユニット(5)が、前記登録ユニット(3)の感知速度及び前記処理ユニット(4)の所定の処理速度に適合された前記テーブル(21,22)の内側移動から外側移動のための様々な速度レジームを有し、前記内側移動の平均速度は前記外側移動の平均速度よりも速くなるように選択される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記登録ユニット(3)は、目標感知を、前記目標(33)が期待される前記テーブル(21,22)のこの領域又はそこに位置する板状ワークピース(6)に限定するためにフラッシュ照明を有する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記テーブル(21,22)の一方が、前記登録ユニット(3)により前記目標(33)を感知するための内側移動の間及び前記処理ユニット(4)によるラインごと処理のための外側移動の間に処理ハウジング(7)の内側に備えられ、前記テーブル(21,22)の他方が外側移動状態において前記ワークピース(6)の積み降ろしの前記処理ハウジング(7)の外側に案内される、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
テーブル移動に対して交差して平行に作用する2つのグリッパ(84;85,86)が、前記共通レール装置(23)のそれぞれの出口側に、テーブル(21,22)のそれぞれの積み降ろしのために処理ハウジング(7)の外側に設置されている、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
両面を処理するために前記板状ワークピース(6)を提供する搬送装置が、処理ハウジング(7)の外側であって外側機械ハウジング(9)の内側に設置されており、当該搬送装置により、片面を処理されたワークピース(6)が、裏返し動作に伴って前記共通レール装置(23)の一方の出口側から前記共通レール装置(23)の他方の出口側に移行可能である、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
2つの関節腕ロボット(81)が搬送装置として設けられ、当該関節腕ロボット(81)は処理されたワークピース(62;63)を除去しまだ完全に処理されていないワークピース(61;62)を載置するためにヘッド(812)の回転によって構成される回転可能な両面ヘッド(812)を有し、当該関節腕ロボット(81)は、片面を処理されたワークピース(62)を一方の関節腕ロボット(81)から他方に移行することで固有の裏返し動作をもたらす、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
ローラコンベヤ(82)が搬送装置として設けられ、当該ローラコンベヤ(82)は前記共通レール装置(23)に隣接しており、処理されたワークピース(62;63)を除去しまだ完全に処理されていないワークピース(61;62)を載置するためにテーブル移動に対して交差して移動可能なグリッパ(85,86)の二倍装置を補充されている、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
フリップ装置(83)が前記ローラコンベヤ(82)に一体化されており、当該フリップ装置(83)は、前記ローラコンベヤ(82)のローラ平面内で反転フラップ(831)の長手サイドで旋回可能なフォーク形状の反転フラップ(831)として形成され、前記板状ワークピース(6)は、前記ローラコンベヤ(82)の搬送ローラによって前記フォーク形状の反転フラップ(831)のフォーク開口内に及び旋回移動後に当該フォーク開口外に移動可能である、ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記フリップ装置(83)は、ローラ平面内でその長手サイドで旋回可能であって、コンベヤ平面に対する90°位置で固定可能であるように、フォーク形状の反転フラップ(831)として形成され、
前記板状ワークピース(6)は、旋回可能な長手サイドと前記フォーク形状の反転フラップ(831)のフォーク要素の間のスロット(833)を通って前記ローラコンベヤ(82)の搬送ローラによって反転せずに移動可能である、ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
それぞれの外へ出た前記テーブル(21,22)に積み降ろしするためにテーブル移動方向に交差して移動可能な複数のグリッパ(85,86)が、前記テーブル装置(2)の前記共通レール装置(23)のそれぞれの出口側に処理ハウジング(7)の外側に設置され、当該グリッパ(85,86)は、平行に操作されるグリッパ(85,86)の二倍装置として、前記共通レール装置(23)の出口側で、処理されたワークピース(62;63)を除去し、処理されていない又はまだ完全には処理されていないワークピース(61)を同時に設置するように形成されている、ことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記登録ユニット(3)及び前記処理ユニット(4)は、それぞれ同一の登録ユニット(3)及び処理ユニット(4)を有する両側から2つの前記テーブル(21,22)を感知し、処理するために、前記テーブル装置(2)の前記共通レール装置(23)の上で中央で互いに直接隣接した平行な二倍ユニットとして配置されており、
テーブルの内側移動の間の「オンザフライ」の登録レジーム及び処理レジームにおいて検知された、テンプレートの処理パターンからずれた位置が、テーブルの外側移動の間にすぐに考慮され、処理パターンのデータにおけるずれを考慮することで処理パターンのアラインメントのために前記目標(33)の位置に露光パターンのずれを適合させる、ことを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記登録ユニット(3)が、前記処理ユニット(4)の両側に配置された2つの登録装置(34)に分割されており、それにより両方のテーブル(21,22)のための「オンザフライ」の登録レジーム及び処理レジームが同時に、しかしそれに代えて交互に実現可能である、ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
目標感知のための前記登録ユニット(3)が、テーブル移動方向と交差する線上に配置された少なくとも2つのカメラ(31)を有し、
前記線に沿う位置が、前記ワークピース(6)上の前記目標(33)の期待される位置に依存して調節可能である、ことを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記カメラ(31)が、速いテーブル移動の間に短いシャッター時間によって画像把握を可能にするためにフラッシュ装置を装備している、ことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
複数の目標(33)が一方のテーブル(21,22)又はワークピース(6)のエッジ領域に配置されていないとき、及び他方のテーブル(21,22)が処理レジームにあるときに、長手方向の速いテーブル移動の間に短いシャッター時間によって画像把握を可能にし、さらには遅い又は停止したテーブル移動の間にテーブル移動と交差する画像把握を可能にするために、前記カメラ(31)がフラッシュ装置を装備している、ことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記処理ユニット(4)が、感光層に露光パターンを与えるためにラインごと走査露光ユニット(41)として形成されている、ことを特徴とする請求項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記露光ユニット(41)が、ポリゴンミラーによって走査されるレーザービームによってワークピース(6)を露光するための制御可能な光源を有する、ことを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記処理ユニット(4)が、制御されたレーザービームによりレーザーアブレーション又はレーザー切断によってワークピース(6)を処理するために、レーザー処理ユニットとして形成されている、ことを特徴とする請求項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記処理ユニット(4)が、制御された材料塗布によりワークピース(6)を処理するために、材料堆積ユニットとして形成されている、ことを特徴とする請求項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記処理ユニット(4)が、ドナー層サブストレートの固形物を制御されたレーザー誘起フォワード移送を介してワークピース(6)に塗るために、LIFT技術に従うレーザー処理ユニットとして形成されている、ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記処理ユニット(4)が、制御可能なノズルによって液体材料をコーティングパターンとしてワークピース(6)に塗布するために、インクジェットユニット(42)として形成されている、ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高いワークピース処理量で板状ワークピース(プレート状ワークピース)を処理する装置、特に導電性トラック又は電子回路の次のエッチングのために回路基板又はウェハー上の感光コーティングの直接露光の間処理量を増加させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直接露光設備が、回路基板及びウェハーの製造のために益々使用されている。その製造工程は非常に自動化されている。直接露光設備のための重要な製造パラメータは、実現可能なスループット(処理量)である。機械に固有のサイクル時間が短いほど、システムはより効率的に使用できる。
【0003】
機械に固有のサイクル時間は、一般的にハンドリング時間、露光時間及び非生産的時間の合計で与えられる。非生産的時間は、ワークピースを処理テーブル、目標登録、ワークピース整列及び機械調節に搬送するなどの工程を含む。
【0004】
例えば直接露光設備における実際の処理操作は、ワークピース、例えばレジスト塗布基板の露光であり、露光時間は、例えばレジスト感度などの材料特性によって及び得られる露光エネルギーによって実質的に予め決定される。その際、ハンドリング時間と非生産的時間だけが材料スループットを増大させるために減少され得る。
【0005】
従来技術は、レーザービームを用いて又は電子ビーム若しくは粒子ビームを用いて、主に可視スペクトル範囲又は紫外スペクトル範囲における電磁放射線を介して所定のパターンでワークピースを露光することができる板状ワークピース用の露光システムを開示している。その上に位置するマーキング(目標マーク又は目標)を有するワークピースと露光装置に記憶された所定のパターンとの正しい位置関係を創出するまで、露光は開始しない。この目的のために、ワークピース上に位置する目標はカメラで取得され、ワークピースと露光パターンは露光領域の前に又は内で互いに整列される。
【0006】
回路基板やウェハーなどの板状ワークピース上に導電性トラックや非常に小さい電子構造物を製造するために、高い空間精度で実行されるべき露光工程と、このために必要とされる板状ワークピースを操作し整列するための時間が、ワークピースのスループットを増大させる制限因子である。この理由のため、操作ステップと露光ステップを重複して又は同時に実行するよう試みられ、また前面と裏面の露光が望まれる場合には、露光工程の非生産的時間を減少させるために同じ装置内でワークピースをひっくり返される。このようなソリューションは例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4で開示されている。
【0007】
これらシステムは、それらの間に位置するフリップ装置(裏返し装置、めくり装置)を備えた2つの露光装置か、頂部と底部を同時露光するための2つの露光装置が無ければならない点で不都合である。
【0008】
両面の同時露光のための個々の光源を用いたソリューションが特許文献5から知られており、そこでは2つのビーム経路がビームスプリッタを介して生成され、ミラーコリメータによりそれぞれのフォトマスクを通る平行な逆指向性のビーム束が、基板の両面を露光するために使用される。しかしながら、事実上接触露光が必要とされ、この目的のために必要なマスクは極めて高価である、というのもそれらが露光パターンの必要な変化の場合に殆ど適合性がないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】EP0951054A1
【特許文献2】EP0722123B1
【特許文献3】US6806945B2
【特許文献4】特開2010-181519号公報
【特許文献5】特開2009-092723号公報
【特許文献6】WO2003/094582A2
【特許文献7】US7508515B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、特に高処理量及び改良された精度がたった1つの処理ユニットによって実現される板状ワークピースを処理する新規な可能性を提供することである。拡張した目的として、ワークピースの両面の処理が中間貯蔵(intermediate storage)を必要とせずに同じ処理ユニットによって可能となるべきであり、また等しい処理量を有する機械に関して加工機全体の必要な設置面積の減少が実現されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、板状ワークピースを収容するための可動テーブル装置と、目標(ターゲット)を把握するために可動テーブル装置の上の登録ユニットと、ワークピースを処理するために制御可能な処理経路を備えた処理ユニットとを有し、また処理ユニットとワークピースの間のアラインメント(調整、整列)を制御し、登録された目標に基づいて決定されるワークピースの位置に依存して所定の処理を空間微分(spatial differentiation)するコンピュータユニットを有する板状ワークピースを処理する装置において、前述した目的は、可動テーブル装置が、登録ユニット及び処理ユニットの下に直線レール領域を有する共通レール装置上に2つの同一のテーブルを有し、それによりそれらテーブルが、登録ユニット及び処理ユニットの完全に下で同じテーブル移動方向に共通レール装置に沿って直線的に交互に移動でき、それらテーブルがコンピュータユニットによって相互に独立して制御可能である点で達成される。
【0012】
目標の決定された位置と処理ハウジングから完全に外に移動したそれぞれのテーブルの積み降ろしに依存して、内側移動の間の目標の登録のために及び外側移動の間のラインごと処理のために共通レール装置の2つの反対側から板状ワークピースを送るために、コンピュータユニットは有利には、板状ワークピースの積み降ろしのためにテーブル移動の方向感覚、速度及びテーブルの交互の内側移動及び外側移動に関して2つのテーブルを独立制御する手段を有する。
【0013】
登録ユニットが、合目的的には、テーブルの少なくとも横エッジ領域又は登録ユニットの下をテーブルの1つが通過する際にテーブル上に位置する板状ワークピースの少なくとも横エッジ領域における位置マークを空間的に検出するために、テーブル移動方向と交差する直線配向を有し、少なくとも2つのセンサ領域を有する。
【0014】
処理ユニットが、合目的的には、板状ワークピースのラインごとの処理を実行するために、登録ユニットと平行に配置され、制御可能な処理経路を有する。
【0015】
登録ユニットが、有利には、板状ワークピースの目標の位置を検出するためのカメラを有し、それによりワークピースの位置がコンピュータユニットとワークピース寸法のプリセットにより検出でき、所定の処理を実行するためにテーブルの1つの内側移動を終了させ及び外側移動を開始するための信号が生成され得る。
【0016】
コンピュータユニットは、合目的的には、内側移動を外側移動に逆転させるための遅延装置を有し、それにより、板状ワークピースの後端が処理ユニットの処理経路を越えたとき又は登録ユニットの検出領域を越えたときに、2つのうちのどちらが最後に通過したかに依存して、方向の逆転が、登録ユニットと処理ユニットの間の距離に依存して最初に引き起こされる。
【0017】
コンピュータユニットが、登録ユニットの感知速度及び処理ユニットの所定の処理速度に適合されたテーブルの内側移動から外側移動のための様々な速度レジームを有し、内側移動の平均速度は外側移動の平均速度よりも速くなるように選択されると有利であることが判明した。
【0018】
登録ユニットは、有利には、目標感知を、目標が期待されるテーブルのこの領域又はそこに位置する板状ワークピースに限定するためにフラッシュ照明を有する。
【0019】
有利には、テーブルの一方が、登録ユニットにより目標を感知するための内側移動の間及び処理ユニットによるラインごと処理のための外側移動の間に処理ハウジングの内側に備えられ、テーブルの他方が外側移動状態においてワークピースの積み降ろしの処理ハウジングの外側に案内されると有利であることが判明した。
【0020】
好ましくは、テーブル移動方向と交差して平行に作用する2つのグリッパが、共通レール装置のそれぞれの出口側に、テーブルのそれぞれの積み降ろしのために処理ハウジングの外側に設置されている。
【0021】
本発明に従う装置は有利には、両面を処理するために板状ワークピースを提供する搬送装置を処理ハウジングの外側及び外側機械ハウジングの内側に有し、当該搬送装置より、片面を処理されたワークピースが、裏返し動作に伴って共通レール装置の一方の出口側から共通レール装置の他方の出口側に移行可能である。
【0022】
第1の合目的的な実施形態では、2つの関節腕ロボットが搬送装置として設けられ、当該関節腕ロボットは処理されたワークピースを除去しまだ完全に処理されていないワークピースを載置するためにグリッパヘッドの回転によって構成される回転可能な両面グリッパヘッドを有し、当該関節腕ロボットは、片面を処理されたワークピースを一方の関節腕ロボットから他方に移行することで固有の裏返し動作をもたらす。
【0023】
それに代えて、第2の好ましい実施形態では、ローラコンベヤが搬送装置として設けられ、当該ローラコンベヤは共通レール装置に隣接しており、完全に処理されたワークピースを除去しまだ完了されていないワークピースを載置するためにテーブル移動に対して交差して移動可能なグリッパの二倍装置(doubled arrangement)を補充されている。
【0024】
有利には、フリップ装置が、ローラコンベヤのローラ平面内で反転フラップの長手サイドで旋回可能なフォーク形状の反転フラップとして形成されたローラコンベヤに一体化されており、板状ワークピースは、ローラコンベヤの搬送ローラによってフォーク形状の反転フラップのフォーク開口内に及び反転フラップの旋回移動後に当該フォーク開口外に移動可能である。
【0025】
好ましくは、フリップ装置は、ローラ平面内でその長手サイドで旋回可能であって、コンベヤ平面に対する90°位置で固定可能であるように、フォーク形状の反転フラップとして形成され、板状ワークピースは、ローラコンベヤの搬送ローラによって、旋回可能な長手サイドとフォーク形状の反転フラップのフォーク要素の間のスロットを通って反転せずに移動可能である。
【0026】
有利には、それぞれの外へ出たテーブルに積み降ろしするためにテーブル移動方向に交差して移動可能な複数のグリッパが、テーブル装置の共通レール装置のそれぞれの出口側に処理ハウジングの外側に設置され、当該グリッパは、平行に操作されるグリッパの二倍装置として、共通レール装置の出口側で、処理されたワークピースを除去し、及び処理されていない又はまだ完全には処理されていないワークピースを設置するように形成されている。
【0027】
さらに、登録ユニット及び処理ユニットは、好ましくは、それぞれ同一の登録ユニット及び処理ユニットを有する両側から2つのテーブルを感知し、処理するために、テーブル装置の共通レール装置の上で中央で互いに直接隣接した平行な二倍ユニットとして配置されており、テーブルの内側移動の間の「オンザフライ」の登録レジーム及び処理レジームにおいて検知された、テンプレートの処理パターンからずれた位置が、テーブルの外側移動の間にすぐに考慮され、処理パターンのデータにおけるずれを考慮することで処理パターンのアラインメントのために目標の位置に露光パターンのずれを適合させる。
【0028】
それに代えて、登録ユニットが、処理ユニットの両側に配置された2つの登録装置に分割されており、それにより両方のテーブルのための「オンザフライ」の登録レジーム及び処理レジームが同時に、しかしそれに代えて交互に実現可能である。
【0029】
さらに、目標感知のための登録ユニットが、合目的的には、テーブルの移動方向と交差する線上に配置された少なくとも2つのカメラを有し、線に沿う位置が、ワークピース上の目標の期待される位置に依存して調節可能である。カメラが、好ましくは、速いテーブル移動の間に短いシャッター時間によって画像把握を可能にするためにフラッシュ装置を装備している。場合によっては、長手方向の速いテーブル移動の間に短いシャッター時間を有するフラッシュ装置を装備したカメラが、複数の目標が一方のテーブル又はワークピースのエッジ領域に配置されていないとき、及び他方のテーブルが処理レジームにあるときに、遅い又は停止したテーブル移動の間にテーブル移動と交差する画像把握を可能にする。
【0030】
処理ユニットが、好ましくは、感光層に露光パターンを与えるためにラインごと走査露光ユニットとして形成されている。
【0031】
露光ユニットが、合目的的には、ポリゴンミラーによって走査されるレーザービームによってワークピースを露光するための制御可能な光源を有する。
【0032】
さらに、処理ユニットが、有利には、制御されたレーザービームによりレーザーアブレーション又はレーザー切断によってワークピースを処理するために、レーザー処理ユニットとして形成されている。
【0033】
さらに好ましい実施形態では、処理ユニットが、制御された材料塗布によりワークピースを処理するために、材料堆積ユニットとして形成されている。この目的のために、合目的的には、処理ユニットが、ドナー層サブストレートの固形物を制御されたレーザー誘起フォワード移送を介してワークピースに塗るために、LIFT技術に従うレーザー処理ユニットとして形成されている。または、処理ユニットが、制御可能なノズルによって液体材料をコーティングパターンとしてワークピースに一時的に塗布するために、インクジェットユニットとして形成されている。
【0034】
本発明は、以下の基本的な考慮に基づいている。つまり、処理ユニットが、例えば露光工程などの所望の処理操作によって殆ど連続的にフルに使用されるときに、固定プロセスパラメータの下でワークピースを処理する間のスループットが増大され、特に目標登録及び処理パターンに対するワークピースのアラインメントが連続的に且つ処理操作と平行に同様に実行される点で操作時間及び非生産的時間が短くなり、ワークピースの交換に起因する処理の中断が可能な限り少なくなる。
【0035】
本発明によれば、上述の目的は、処理ユニットの通過の間のテーブル交換時間に対するワークピース交換時間を減少させるために、2つのテーブルが共通の直線案内装置の平面に配置される点で解決される。2つのテーブルは直線案内装置の同じ案内レールに沿って互いに独立して移動し、移動の間所定の最小距離まで互いに近づくことができ、同じ速度で又は異なる速度で同じ移動方向又は反対移動方向に移動する。
【0036】
好ましくはレーザースキャナーによってテーブル移動方向と交差して線ごとに進む処理経路が、所望の処理操作のために使用される。登録ユニットが、必要な精度を保証するために、例えば円形目標又はスルーホールとして形成されたそこに位置するワークピース又は目標の位置を把握するために必要とされる。登録ユニットは、テーブル移動方向と交差して移動可能な複数のカメラ(複数のエリアセンサ又はリニアセンサを有する2以上のカメラ)を有し、それによりワークピースのエッジ又は目標が任意の位置で把握され得る。このようにして、ストリップ形状の目標把握を介する登録時間は、証明された線ごと処理、好ましくは走査レーザー線による露光に適合され得る。目標を把握するためのワークピース全体の全フレーム評価が避けられ、目標登録を介して検出されるワークピースの位置との処理パターンの一致(アラインメント)が処理データの電子アラインメントによって創出され得る。
【0037】
さらに、カメラは、(y方向の)テーブル移動の間のワークピースの連続的な把握を可能にする特性であって、したがってすぐ後続の処理操作(「オンザフライ」登録)のためのテーブル移動の実行操作における飛行目標把握を可能にするダイナミックな特性(高い写真撮影率)を有するべきである。
【0038】
テーブルに例えば長方形ワークピース、例えば回路基板を積載することにより、テーブル座標との非常に正確なアラインメントが可能になるので、このような場合の目標登録は、画像データの更なる中間貯蔵無しに処理パターンの電子的に適合されたアラインメントを計算するために直接使用できる(「オンザフライ」アラインメント)。したがって、任意の機械的なテーブル補正又はワークピース位置補正が取り除かれ、アラインメント用の非生産的時間が実際に節約され、実行中のデータストリーム準備と組み合わされる。
【0039】
さらに、処理ユニットが交互に通過する2つの別個の制御可能なテーブルによって2つの側から完全に利用される点で、処理ユニットの機械的スループットは増大される。
【0040】
機械効率又はワークピーススループットを最大化するために2つのテーブルの行程距離を減少させることも合目的的である。装置の全長は、4つのテーブル長さと、装置全体の中央に配置された登録ユニット及び処理ユニットの安全距離及び領域の和により与えられる。どのワークピースも、最初に許容できる登録速度で処理操作の間に登録ユニットと処理ユニットの両方(シーケンスはテーブル入口側に依存して変わる)を完全に通過し、方向逆転後に、処理/露光が所定の処理速度で戻り経路にて行われる。処理速度は、例えば感光レジストコーティングの露光の間に上述した所定の露光時間によって決定される。登録ユニット及び処理ユニットのy方向の寸法は、テーブルの全行程距離に決定的な影響を与える。
【0041】
オフセットDMDヘッドを有する少なくとも2つの行を有するx-y移動のいずれかを必要とする装置であって、一般に120mmより大きい露光領域の多大なy寸法を有する公知のDMDベースの露光装置(デジタルマイクロミラーデバイス)では、本発明は、0.5mmよりかなり小さいy方向の寸法を有するビーム束を有し、ゆえに必要なテーブル行程距離に最小の影響しか有しない、好ましくは使用されるポリゴンスキャナーに比べてより長いテーブルの行程距離を考慮しなければならないだろう。同様に、液体噴射又は液滴噴射を利用する他の処理ユニットのためのテーブルの行程距離の増大する要求は、例えば、インクジェット技術を用いて材料、例えば塗料、ワニス、接着剤、レジスト及びはんだ停止マーカーなどを塗布するときに、同様にして評価されるべきである。
【0042】
さらに、当該装置に適合した異なる操作装置によって、同じ処理装置を介してワークピースフローにおいてワークピースの両面の処理を実行することが可能になる。両面への処理ユニットの搭載が、その固有の回転によって片面を処理されたワークピースのテーブル-テーブル搬送を実現する機械ハウジングの内側に好ましくは設置された操作ユニットを使用することで特に有利に利用できる一方、同時に別なワークピースが両面に搭載可能な装置の片面に積まれ、処理される。
【0043】
本発明によれば、共通レール装置上を反対方向に操作される2つの別個のテーブルにより1つの処理ユニットを用いて特に高いスループットが実現されるように、例えば回路基板やウェハーなどの板状ワークピースの処理をより効率的に行うことが可能である。このようにして、スループットだけでなく両方のテーブルでの処理精度も、同じ共通レール装置の使用のために増加される。適合する操作装置によって、ワークピースの両面処理が単一のワークピースフローを有する同じ処理ユニットによって特に効率的に可能になり、それで中間貯蔵も第2下流処理ユニットも必要でない。等しいスループットを有する機械に比べて、処理機全体の必要な設置面積の減少が実現される。
【0044】
本発明を実施例に関連して以下でより完全に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】板状ワークピースを両側で交互に積載する際の本発明に従う処理装置の2つの概略図である。サブフィギュアa)は左側に位置するワークピースの登録及び処理と、右側にあるワークピースの交換を示し、サブフィギュアb)は右側に位置するワークピースの登録及び処理と、左側にあるワークピースの交換を示す。
図2】ワークピース処理の概略処理フロー及び2関節腕ロボットによる同時のワークピース操作の8部の図(サブフィギュアa~h)である。
図3】登録及び処理のフローと、裏面処理のためにワークピースを裏返すテーブル-テーブル間搬送のためのタイミング図である。
図4】ローラコンベヤを用いた図2と比較して別なワークピース操作の概略フローの2部図(サブフィギュアa及びb)である。
図5】移動フローを示す矢印を有するフリップ装置の詳細図である。
図6】フリップ装置が裏返さずにワークピースの別な通路のために回転経路の途中で停止したときの開口を有するフリップ装置の有利な実施形態を示す図である。
図7図1の上に改良された処理操作の2つの図である。サブフィギュアa)は左側に位置するワークピースの登録及び処理と、右側にあるワークピースの交換を示し、サブフィギュアb)は右側に位置するワークピースの登録及び処理と、左側にあるワークピースの交換を示す。処理ハウジング内のレール装置のそれぞれの出口側にあるワークピースの目標用の別個の登録装置があり、それで登録が一方のテーブルにおいて、他方のテーブルでの処理と平行して実行され得る。
図8】ワークピースエッジに沿ってストリップ型領域における目標を把握するための登録ユニットの有利な実施形態を示す図である。
図9】テーブル移動から生じる目標歪みを示す詳細を有するオンザフライの目標登録のためのタイミング図である。
図10】3つのストリップ型領域における目標を把握するための登録ユニットの別な有利な実施形態を示す図である。
図11】平行に案内される2つのグリッパを有する有利な実施形態における図4に示す装置に従う2つのテーブルの積み降ろし工程を示す2部図(サブフィギュアa及びb)である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1に概略的に示されるように、板状ワークピース6を処理するための本発明に従う処理装置1が、ワークピース6を収容し移動させる可動テーブル装置2と、可動テーブル装置2の上に、目標33(図8及び10のみ図示)を把握するための登録ユニット3とテーブル移動方向に対して交差してラインごとに(行ごとに)ワークピース6を走査する処理ステーションとして形成された処理ユニット4を有し、また処理ユニット4とワークピース6の間のアラインメントを制御して、登録された目標33に基づいて決定されるワークピース6の位置に依存して所定の処理を空間微分するコンピュータユニット5を有する。
【0047】
可動テーブル装置2は、登録ユニット3及び処理ユニット4の下の平面内に好ましくは2つのレールによって形成される直線レール領域を有する共通レール装置23(共通リニアガイドの観点で)上に2つの同一のテーブル21及び22を有し、それにより、それらテーブル21,22が、リニアガイドとして形成されたテーブル装置2の同一の案内レールに沿って互いに独立してテーブル移動方向(y方向)に沿って交互に直線的に移動でき、移動中に同じ速度又は異なる速度及び同じ方向感覚又は異なる方向感覚を有する同じ移動方向を有し、それぞれ登録ユニット3及び処理ユニット4の完全に下を通って通過できる。
【0048】
登録ユニット3は、テーブル移動方向と交差する直線配置(直線配向)を有し、テーブル21,22の少なくとも横エッジ領域又は登録ユニット3の下をテーブル21,22の1つが通過する際にテーブル上に位置するワークピース6の少なくとも横エッジ領域における位置マークを空間的に検出するための少なくとも2つのセンサ領域を有する。センサ領域は好ましくは、例えばエリアカメラやラインカメラであってもよい小型カメラ31で形成される。
【0049】
処理ユニット4は有利には、板状ワークピース6のラインごとの処理を実行するために、登録ユニット3と平行に配置された処理ステーションであって、好ましくは走査処理ビームの形式のテーブル移動方向と交差する制御可能な処理経路を有する処理ステーションとして形成される。特に線形走査レーザービームであるが、電子ビームや粒子ビームもまた、制御可能な処理経路のために考慮される。それらは、直接露光のためのラインごと走査露光ユニット41(図2又は4参照)において特に好ましい方法で使用できる。それに代えて、しかしながら、処理ユニット4は、直線的に及びラインごとに制御可能である別な処理ステーション、例えばレーザー切断装置や他のレーザー加工装置など、例えばレーザーアブレーションユニット又はLIFT装置、すなわちレーザー誘起フォワード移送装置(不図示、例えばhttps://www.hiperlam.eu/technologies参照)など又はインクジェットユニット42(図7にのみ図示)又は他の材料堆積装置を有してもよい。
【0050】
コンピュータユニット5は、積み降ろしの目的でテーブル移動の方向、速度及びテーブル21,22の交互の内側への及び外側への移動に関して2つのテーブル21,22を独立制御する手段を装備しており、内側移動の際の目標33の登録及び外側移動の際のラインごと処理のためにレール装置23の2つの対向する側から板状ワークピース6を送る。処理は、処理ユニット4とワークピース6の間のアラインメントに従って、及び登録された目標33に基づいて決定されるワークピース6の位置に依存してコンピュータユニット5によって所定の処理パターンに従う空間微分によって制御される。
【0051】
さらに、コンピュータユニット5は、処理ハウジング7の外に完全に交互に移動するテーブル21又は22の1つの積み降ろしを行う。処理ハウジング7は、クリーンルーム条件を備えた空間であって中央に登録ユニット3及び処理ユニット4を有する処理装置1を含む空間と、レール装置23のそれぞれの出口領域まで両方向に延在する少なくとも1つのテーブル長さの空間を取り囲む。図1に示す実施形態では、処理ハウジング7は、ワークピース6の表面をクリーニングするためのクリーニング要素(クリーナ71)をテーブル21,22の2つの対向する出口領域に有する。
【0052】
ここで、処理装置1における、本発明に従う平行なワークピース処理を図1の2つのサブフィギュアを参照して説明する。サブフィギュアa)は、第1テーブル21は既に未処理ワークピース61を積んでおり、レール装置23に沿って処理ハウジング7内を移動し、クリーナ71を通過し、最初に登録ユニット3を完全に横断し、その直後に、ラージダッシュで示される進入方向に沿って処理ユニット4を横断する。未処理ワークピース61はユニット3及び4の両方を通過しなければならず、少なくとも未処理ワークピース61の全ての部分が登録ユニット3と処理ユニット4を出ていなければならない一方、未処理ワークピース61及びテーブル21の細かい破線シルエットで示されるようにテーブル21が未処理ワークピース61より大きな表面積を有するときテーブル21は場合によっては完全には通過していない。それにより、テーブル21とワークピース61の間の表面積の差異が大きいほど貴重な時間が節約される。
【0053】
登録ユニット3を通過する間、未処理ワークピース61は既にその上に配置された目標33、好ましくは目標又はスルーホール(貫通穴)に関して感知されている。この目的のために、登録ユニット3は、未処理ワークピース61上の任意の位置を捕えるために、x方向に移動可能な複数のカメラ31(エリアセンサ又はリニアセンサを有する2以上のカメラ)を含む。しかしながら、カメラ31は移動可能であるが、具体的な(実際の)ワークピース積載の目標33を感知するために固定的に予め調節されるように、通常操作の間、未処理ワークピース61、未処理ワークピース61の寸法及びそれらの上に位置する目標33の数が正確に知られる。エリアカメラ又はラインカメラのいずれかの組み合わせがテーブル21,22の全幅を完全に捕捉できるとき、カメラ31の移動が省略され得る。
【0054】
目標33を通過の際に即座に(「オンザフライ」)感知するために、カメラ31は、テーブル移動方向(y方向)における移動の間に未処理ワークピース61の完全な捕捉を可能とするダイナミックな特性(高い写真撮影率)を有しなければならない。ここで使用される「オンザフライ」登録は、目標33の位置データと、したがって未処理ワークピース61の位置が、処理ユニット4における処理のための処理データを適合させることで処理パターンと未処理ワークピース61の間のアラインメントのために直接コンピュータユニット5によって処理されることを意味する。
【0055】
未処理ワークピース61の全ての部分が登録ユニット3及び処理ユニット4を通過したことで、第1テーブル21がその内側移動を終えると、コンピュータユニット5は第1テーブル21の移動方向を逆転し、それは大きい破線の移動線で示されるように処理ユニット4及び登録ユニット3を逆に通過する。その際、未処理ワークピース61のラインごと処理が処理ユニット4において実行される。
【0056】
平行時間セグメントにおいて、片面を処理されたワークピース62が、サブフィギュアa)の右側で第2テーブル22から降ろされており、新たな未処理ワークピース61が第2テーブル22に積まれている。したがって、第1テーブル21が処理ハウジング7を出る前に、また第1テーブル21が処理を受けるときでさえ、第2テーブル22は処理の準備ができており、処理ハウジング7内に既に移動でき、クリーナ71を通過し、最小距離でテーブル21に追従できる。この工程は図1のサブフィギュアb)に示されている。
【0057】
第2テーブル22は大きい破線の移動線に従って処理ハウジング7内に移動し、処理されずに最初に処理ユニット4を通過し、次いで登録ユニット3を通過しながら目標33の位置に関して「オンザフライ」で感知される。未処理ワークピース61が登録ユニット3を完全に(その全ての部分)出るまで、テーブル22は再び登録ユニット3を通って移動しなければならない。テーブル21の移動方向は次に逆転され、コンピュータユニット5は処理ユニット4における処理パターンの適合した、整列した処理を提供する。
【0058】
第2テーブル22が中に移動する(進入する)とき、第1テーブル21は反対側で処理ハウジング7を同時に出て、片面を処理されたワークピース62はそこから降ろされて新たな未処理ワークピース61が積まれ、対応的に第1テーブル21が再び中に移動する準備ができており、それは、第2テーブル22が方向逆転後に処理ユニット4でのラインごと処理を通過するときに正確に開始する。第2テーブル22での処理の終了後に、図1のサブフィギュアa)に従うプロセスが再び行われ、サブフィギュアb)に従う工程が続く、などである。
【0059】
テーブル交換時間をなるべく減少させるために、2つのテーブル21,22は、共通レール装置23上の平面内でなるべく互いに近くで(密集して)移動する。2つのテーブル21,22はそれぞれの場合に、レール装置23の2つの端部の一方からy方向に互いに独立して移動し、所定の最小距離までテーブル移動の間に互いに近づくことができ、同じ速度で又は異なる速度で及び同じ移動方向に又は異なる移動方向に移動することができる。
【0060】
ワークピース6の処理の工程-この場合、回路基板露光-が図2において8つのサブフィギュアa)~h)で示されており、それらは、図1に示される平行処理バリエーションに加えて、処理装置1をワークピース6の前面及び裏面を処理するために利用することを可能にする関連する操作装置8を有する。
【0061】
図2では、全てのサブフィギュアが、-全ての適用可能な処理操作の一般概念を損なうことなく-処理ユニット4がワークピース6の露光用の制御可能な光源を備えた、好ましくはポリゴンミラー(多面鏡)により走査されるレーザービームを備えた露光ユニット41として形成されたバリエーションで図1に示される処理装置1を含む。テーブル21及び22の交互の積み降ろしを可能にするために、レール装置23は図1に示されるように処理ハウジング7から外に延びる。
【0062】
この実施形態では、操作装置8が、処理ハウジング7の外側に、その両側でのワークピース積載のために設置されている。この操作装置8は、突出したレール装置23を有するテーブル装置2を含む処理装置1を取り囲む外側機械ハウジング9内に収容されており、2つの関節腕ロボット81を有する。関節腕ロボット81は、テーブル21,22の1つにそれぞれ関連付けられており、片面を露光されたワークピース62の降ろしと、新たな未露光ワークピース61のテーブル21,22への搭載を保証する。
【0063】
この固有の例では、操作装置8は2つの同一の関節腕ロボット81を有し、その各々が、レール装置23のそれぞれの端部にてそれぞれの外へ移動したテーブル21及び22にワークピース6を積み降ろすことができる。
【0064】
それぞれの関節腕ロボット81は、(好ましくは多節の)関節腕811及び、対向表面に配置された2つのグリッパ84を装備していて例えば真空装置を含む回転可能な両面ヘッド812を有する。関節腕ロボット81は、それらがそれぞれに関連するテーブル21及び22にアクセスでき、他の関節腕ロボット81に接触できるように配置されている。2つの関節腕ロボット81が互いに接触するとき、一方の関節腕ロボット81は、両面ヘッド812に配置されたそのグリッパ84により他方の関節腕ロボット81から二分の一の距離にある中間位置で片面処理されたワークピース62を渡すことができるのに対して、他方の関節腕ロボット81は「ミラー整列」でそのワークピース62を引き受ける。処理及び操縦操作は、図2の8つのサブフィギュアに関して以下に記載するように実行される。ここで文字Aは各ワークピース6の前面を示すために使用され、Bは裏面を示すために使用され、完全な文字はワークピース6の目に見える上側を示し、中空文字は目に見えない底部側を示す。さらに、ワークピーススタック64が通常は外部操作装置によって提供されるが、それらワークピーススタックは、よりコンパクトで単純化された描写のためにのみ全てのサブフィギュアにおいて機械ハウジング9の内側に常に描かれていることに留意されたい。
【0065】
サブフィギュアa)は、機械ハウジング9の内側の処理装置1のスナップショットを示す、そこでは第1テーブル21上の(片面を)露光されたワークピース62がレール装置23に沿って処理ハウジング7を出ている。図2のサブフィギュアa)に示されるように、新たな未露光ワークピース61が両面ヘッド812の一方の表面にて受容され、ヘッド812は第1テーブル21の上で回転、旋回する。同時に、片面を露光されたワークピース62が、第2テーブル22にて登録ユニット3及び露光ユニット4を通って移動され、中空矢印で示される内側移動方向での目標33の感知を実行する。さらに、関節腕ロボット81は、両面を露光されたワークピース63をワークピーススタック64に載置する、このワークピース63は第2テーブル22からつい今しがた取り出されたものである。
【0066】
次に、サブフィギュアb)の右側に示されるように、この関節腕ロボット81は第1テーブル21の関節腕ロボット81から半分の距離にある中間位置に旋回する。
【0067】
第1テーブル21の関節腕ロボット81は、サブフィギュアb)に示されるように第1テーブル21の上で停止し、両面ヘッド812の上側表面に未露光ワークピース61を担持し、既に片側を露光されたワークピース62を第1テーブル21から受容するために底面によって第1テーブル21上に下がる。ラインごと露光はテーブル22の外側移動方向での第2テーブル22において同時に進行する。
【0068】
図2のサブフィギュアc)では、第2テーブル22での露光が終わり、テーブル22は高速度で処理ハウジング7の外に移動される。片面を露光されたワークピース62が受容された後、第1テーブル21での関節腕ロボット81はヘッド812を再び180°回転させ、次いで未露光ワークピース61をテーブル21に設置する。
【0069】
サブフィギュアd)に従い、関節腕811は、両面ヘッド812の他方の表面に位置する片面を露光されたワークピース62と共に第1テーブル21から、積まれずに待っている他方の関節腕ロボット81から二分の一の距離にある中間位置まで旋回し、両面ヘッド812の利用可能な表面にドッキングし、片面を露光されたワークピース62を渡す。その間にも、両面を露光されて第2テーブル22上にあるワークピース63は処理ハウジング7を出ており、第1テーブル21は他方の側から処理ハウジング7に入り登録ユニット3に向かって移動する。
【0070】
サブフィギュアe)に示されるように、第2テーブル22に関連付けられた関節腕ロボット81は、第2テーブル22上の両面を露光されたワークピース63まで旋回し、その際、ヘッド812の自由表面(空いている表面)が両面を露光されたワークピース63を受容できるようにそのヘッド812を回転させる。同時に、そこに設置された未露光ワークピース61を備えた第1テーブル21が処理ハウジング7内の登録ユニット3を通過しており、露光ユニット4をほとんど通過しており、目標33の登録が登録ユニット3にて実行されている。
【0071】
サブフィギュアf)に示されるように、少なくとも未露光ワークピース61が露光ユニット41を完全に通過した後、第1テーブル21はその移動方向を逆転し、外側移動の間に露光ユニット4での露光工程を開始する。同時に、関連する関節腕ロボット81は、第2テーブル22にて両面を露光されたワークピース63を受容し、その後-サブフィギュアg)に見て取れるように-関節ロボット81はヘッド812を180°回転し、第1テーブル21の関節ロボット81から受け取った片面を露光されたワークピース62を第2テーブル22に載置する。この時間の間、サブフィギュアg)では、第1テーブル21での露光プロセスが終了し、次に第1テーブル21は増加した速度で処理ハウジング7の外に移動する。
【0072】
図2のサブフィギュアh)では、第1テーブル21での関節腕ロボット81はワークピーススタック64から新たな未露光ワークピース61を受容し、次に、-サブフィギュアa)及びb)に関連して既に記載したように-未露光ワークピース61のために処理ハウジング7を出てきた片面を露光されたワークピース62と交換する。同時に、第2テーブル22での関節腕ロボット81は、既に受容されている両面を露光されたワークピース63を対応するワークピーススタック64に載置しており、第2テーブル22は、既に載置された片面を露光されたワークピース62を最大の可能な登録速度で登録ユニット3で登録するために処理ハウジング7に移動させ始める。サブフィギュアa)から前方への工程全体が繰り返される。
【0073】
前述したフローは、黒いジグザグの実線として示されたテーブル21,22の移動の厳格な制御を示すために配置-時間図式として図3に再び示されている。時間軸tは登録ユニット3及び処理ユニット4の空間中心線に沿って垂直に描かれており、テーブル21及び22の異なる速度の区別を可能にする。登録は、急上昇中に、すなわち高めのテーブル速度で実行される一方、露光はより平坦な上昇を有する領域で、すなわちより遅い速度で実行される。テーブル21及び22は、処理ハウジング7の外側で停止する(単調に一様に)。
【0074】
図3に示すフローチャートは、湾曲した矢印ストリップにより文体的に単純な様式で操作装置8によって実行される、例えば(図2に従う)関節腕ロボット81により又は(図4に従う)ローラコンベヤ82により、及び2つの関節腕ロボット81の両面ヘッド812の間のワークピース渡しとして、(図2の例えばサブフィギュアd)に従う)フリップ装置83によるワークピースの裏返しにより又は図4及び5に従うワークピース6の両面での処理(露光)のためのフォーク形状の反転フラップにより実行される、テーブル-テーブル搬送を示す。2つのワークピース6のためのこの登録プロセス及び露光プロセスは、前面A及び裏面Bのために実線数字1及び2で図3に全体として示されている。中空数字3及び4を有するワークピース6は、次のワークピース6のための同時に実行されている工程を示す。参照番号61,62及び63により指定されたワークピースは、未露光ワークピース61、片面を露光されたワークピース62及び両面を露光されたワークピース63の区別を示す。
【0075】
図4における図は、図2の代替案として使用できるローラコンベヤ82の形式の操作装置8を示す2つのサブフィギュアa)及びb)を有する。
【0076】
この例では、処理装置1は図1のものと同様に構成されているが、処理ユニット4は-再び一般概念を損なうことなく-露光ユニット41として形成されている。片面を露光されたワークピース62を中間スタックなしに同じ処理装置1の裏面露光に送るために、図2で使用されるものの代替案として処理装置1と組み合わせて使用できる完全な操作装置8が、外側機械ハウジング9内の処理装置1の周りに配置されている。
【0077】
この実施形態では、操作装置8は、片面を露光されたワークピース62を第2テーブル22に搬送するローラコンベヤ82、それぞれのテーブル21,22の平行な積み降ろしをそれぞれ実行する2つのグリッパ85及び86の2つの二倍装置、及びローラコンベヤ82に沿う道程に設けられたフリップ装置83を有し、片面を露光されたワークピース62のテーブル-テーブル間搬送の間に露光された上側を逆さまに裏返し、したがって処理装置1を二回使用して1つの機械フローにおいてワークピース6を両面にて露光する。
【0078】
図4に従う本発明のこの実施形態では、サブフィギュアa)は、第1テーブル21及び第2テーブル22に関して同時に進行する工程を示す。片面を露光されたワークピース62が、処理ハウジング7を出た第1テーブル21にて未露光ワークピース61と交換される間、露光工程が第2テーブル22にて同時に行われ、第2テーブル22は、それの外側移動の間に第1テーブル21の近くに追従しており、その際登録ユニット3での目標33(図8にのみ図示)の感知が可能となる。
【0079】
第1テーブル21の積み降ろしは、(x方向に)平行に移動する2つのグリッパ85及び86によって行われる。グリッパ85は、予め利用可能である未露光ワークピース61をワークピーススタック64からローラコンベヤ82に(例えば、空気圧により)収容し及び持ち上げ、これと同時に、グリッパ86は同様にして、片面を露光され第1テーブル21上にあるワークピース62を収容し、持ち上げる。グリッパ85が未露光ワークピース61をテーブル21の正しい位置に載置し、グリッパ86が片面を露光されたワークピース62をテーブル21の他方の側のローラコンベヤ82に移送するまで、両方のグリッパ85,86は次に、(テーブル移動方向と交差する)x方向に移動する。この交換プロセスの間、第2テーブル22は既に露光ユニット41を通って移動しており、処理ハウジング7を出ることでその外側移動を終了する。この状態は図4のサブフィギュアb)で達される。しかしながら、第1テーブル21は既に第2テーブル22の外側移動の後のすぐ近くに追従しており、その際登録ユニット3及び露光ユニット41を横断している。もっぱら、登録ユニット3は目標を「オンザフライ」で感知するというそのタスクを果たしており、それにより目標偏差(目標ずれ)に適合するようにコンピュータユニット5で計算される露光パターンが、第1テーブル21の方向逆転後に露光ユニット41で実行される露光のために利用できる。
【0080】
この期間内に、両面を露光されたワークピース63の除去と、片面を露光されローラコンベヤ82を介して第1テーブル21から搬送され第2テーブル22への途中で裏返されたワークピース62の同時の配置が、外側移動する第2テーブル22にて行われる。片面を露光されたワークピース62の裏返しは、複数の分離ローラの隙間においてローラコンベヤ82に一体化されたフリップ装置83であって、1つの長手サイドで回転されるフォーク形状の反転フラップ831として形成されたフリップ装置83によって実行される。この好ましい実施形態の拡大された詳細が図5に示されており、これを以下により正確に記載する。
【0081】
第1テーブル21の傍らでx方向に平行に移動可能で、好ましくは複数の空気圧要素を装備した2つのグリッパ85,86が再び第2テーブル22の積み下ろしのために備えられている。グリッパ86は両面を露光されたワークピース62を受容し、グリッパ85はローラコンベヤ82から片面を露光されたワークピース62を持ち上げ、両者は同じ方向に移動し、その後片面を露光されたワークピース62が第2テーブル22の正しい位置に載置され、両面を露光されたワークピース63がローラコンベヤ82の分離セグメントに載置され、それにより両方のワークピース62及び63が載置され、次のサイクルが図4のサブフィギュアa)に示されるように開始する。
【0082】
図5は、図4に関連して記載したフリップ装置83の好ましい実施形態を示す。このフリップ装置83は、ローラコンベヤ82の平面内に延びる長手回転軸832の周りを180°旋回可能なフォーク形状の反転フラップ831として形成されている。水平状態では、フォーク形状の反転フラップ831はローラコンベヤ82の分離ローラの隙間に中途まで下がることができ、それにより片面を露光された到着するワークピース62は反転フラップ831の開いたフォークに進入できる。これが起きると、反転フラップ831が連続するローラコンベヤ82にてローラコンベヤ82の分離ローラの間に同様に存在する隙間に入るまで、フォーク形状の反転フラップ831は回転軸832によりその1つの長手エッジの周りを旋回し、片面を露光されたワークピース62は、-今度は露光側を下に向けて-ローラコンベヤ82のローラ上に再び載置され、自由に抜け出る。
【0083】
ワークピースを裏返すこの方法は、片面を露光されたワークピース62が裏返し工程の間に回転軸832の位置に居残らず、むしろ裏返しの際に実質的に同じテンポ(速度)でさらに移動されるという決定的な利点を有する。したがって、遅延搬送が無く、それにより裏面の露光のためにテーブルを変更する工程において片面を露光されたワークピース62のひっくり返しによって操作時間が長引くことはない。裏返すべきワークピース62のスループットのためにこのフリップ装置83の唯一の限定要因は、ワークピース62と共に旋回し、ワークピースなしで旋回して戻るための時間間隔である、というのも別なワークピース62はこの時間間隔の間に反転フラップ831の領域に進入しないからである。しかしながら、この時間間隔は露光工程の持続時間中のみ空けられており、それによりこの場合の限定は搬送経路に影響を及ぼさない。
【0084】
図6は、ひっくり返さずにワークピース62のさらなる搬送を可能にするための反転フラップ831の別な変形例を示す。このために、ローラコンベヤ82のローラの頂部の平面内に正確に延在する連続したスロット833が、長手回転軸832とフォーク形状の反転フラップ831の間に追加されている。ひっくり返さずにワークピース62をさらに搬送するために、反転フラップ831は90°旋回する必要があるだけであり、ゆえに垂直に直立される。このようにして、スロット833は開けられ、ワークピース62は妨害も変化もなくフリップ装置83を通過できる。
【0085】
図7は、図1と類似の工程描写において図1と比べて変形された処理装置1を示す。図7における変形は以下の点にある、すなわち、登録ユニット3がそれぞれ処理ハウジング7の出口に直接関連付けられた2つの別個の登録装置34を有する一方、処理ユニット4が先の例のように処理装置1の中央にあるが、この実施形態では処理ユニット4がインクジェットユニット42として形成され、それにより塗料又は他の制御された材料コーティング(例えば、LIFT堆積)が実現され得る。テーブル21及び22の積み降ろしは、図1に関連して記載したものと同じ時間系列で実行される。登録ユニット3は2つの部分に分割されているので、テーブル21及び22のそれぞれのための別個の登録装置34が、内側移動の開始時に即座に作動できる。したがって、第1テーブル21は、サブフィギュアa)にて破線で示されるように、既に目標3333を受容できる一方、第2テーブル22はまだ処理工程中である。破線で示される第1テーブル21の開始位置と実線で示される第1テーブル21の前進位置の差は、第2テーブル22の処理が開始するとすぐに第1テーブル21の早めの開始時間のために生じる非生産的時間の節約にほぼ対応する。しかしながら、それは実際には幾らかより遅い、というのも登録は第2テーブル22の処理速度に比べて第1テーブル21の高速度で行われ、それにより第1テーブル21の実際の開始時間がより遅くなり、第1テーブル21は処理の間第2テーブル22に追いつかないからである。
【0086】
しかしながら、第1テーブル21の早めの開始時間の結果、目標33が(ワークピース6のエッジにそれぞれ)2列よりも多く配置されている場合に目標33の遅めの感知又は第1テーブル21の停止も可能になるように、登録は再編成される。この場合には、第1テーブル21は、すべての利用可能な目標33が捕捉されるように1又は2つのカメラ31を調節装置に沿ってx方向に移動させるために停止されてもよい。
【0087】
ワークピース6として、複数の(例えば、4,8又は16の)別個の回路基板が1つのワークピース6に加工され、4つの目標33が対応する部分にそれぞれ配置される回路基板パネルが生成されるときに、この種の状況は実際に生じる。この場合、目標33はテーブル移動の幾つかのy位置においてx方向の多数の位置で検出されなければならず、さらなる非生産的時間を生じさせる付加的な交差感知(cross-sensing)なしに(登録中に移動可能な)1又は2つのカメラ31によって感知され得る。
【0088】
第1テーブル21が第2テーブル22に追従する時間を短くすることで非生産的時間を軽減する観点で上記になされた考察は、図7のサブフィギュアb)に従う逆の配置にも等しく当てはまるが、このテーブル連続移動はサブフィギュアa)と同様には示されていない。
【0089】
図8及び9は、登録ユニット3の好ましい操作原理を概略的に示す。この例では、目標33がテーブル移動方向(y方向)にワークピースエッジに沿って2つのトラックにのみワークピース6上に存在し、それで登録ジョブは2つのカメラ31によって実施されると仮定する。カメラ31はカメラ調節装置32に搭載されており、それによりそれらカメラはテーブル移動方向と交差して、すなわちx方向に、ワークピース6の寸法に対して及びそこに配置された目標33の任意の位置に対して調節可能である。原則として、ワークピース又は処理ジョブごとに一度調節することだけ必要であり、調節は登録工程の間変わらない。
【0090】
エリアセンサ又はリニアセンサを有する2以上のカメラ31が、目標33のトラックの量に応じて登録ユニット3における感知ユニット又は検出ユニットとして使用される。
【0091】
2つのカメラ31だけを有する変形例のための図8に示される好ましい実施形態では、位置トリガーされる記録方法がカメラ31を用いて使用される、すなわちカメラ画像を「固定させる」照明フラッシュが移動中に第1テーブル21の所定の位置で生成される。一般的なフラッシュ時間は5μsより少ない。次に、画像データが読み込まれ、新たな記録が準備される。
【0092】
好ましくは、円形マーク又はスルーホールが目標33として使用される。考慮すべき目標画像のタイミング及び歪みが図9に示されている。カメラ31のセンサの選択された積分時間が短すぎない限りにおいて、テーブル移動によって生じる目標歪みが許容される必要がある。積分時間は、対応するフラッシュ持続時間により調節される。この目的のために、信号のトリガーが以下のように実行される。
【0093】
目盛りA(「ルーラー」)は第1及び第2テーブル21,22の位置決め装置の一部である。位置把握用の制御電子機器は、外部トリガー信号(テーブル21,22の位置決め装置のクロック信号、メモリAに沿う位置(I),(II),(III))によって移動中にテーブル21,22の現在位置を記録することができる。
【0094】
テーブル21,22がそこに配置されたワークピース6と共に登録ユニット3の下を通過する際、トリガー信号「測定要求」が、予期される目標位置で生成され(目標33はそれぞれのカメラ31の視野(FOV)内に位置する)、位置(I)が位置把握信号Bに記憶される。同じトリガー信号が、カメラ電子機器(フレームグラッバ)に画像読み取り信号Cとして伝送される。それによりカメラ31はシャッター信号Eを受信し、次いで画像把握のためにシャッターを開ける。いわゆるグローバルシャッター(global shutter)を備えたカメラ31が好ましくはこの目的のために使用される。加えて、ワークピース6の目標33を照明するための短い閃光が、フラッシュ制御信号Dによりシャッター信号Eの立ち上がりエッジに対して短い時間遅延でトリガーされる。フラッシュ制御信号Dの立ち上がりエッジは、テーブル位置(II)の記憶・貯蔵を生じさせる第2トリガー信号Dを生成する。フラッシュ制御信号Dの下降エッジは、テーブル位置(III)を記憶するために使用される第3トリガー信号Dを最終的に生成する。
【0095】
カメラ31の積分時間は常に、フラッシュ制御信号Dの最大可能フラッシュ期間より長くなるように設定される。テーブル21,22が平行移動しているので、ワークピース6上に設けられた目標33の画像把握は、全工程の間に一時的に幾何学的に歪められる。内部信号伝播時間:位置(II)-位置(I)により時間的位置差異と、フラッシュ時間の長さ:位置(III)-位置(II)によりカメラ31内の画像の幾何学的歪みの両方がもたらされる。
【0096】
ワークピース6上の目標33の位置のために供される実際の目標位置は以下のように計算される。
【0097】
目標位置=「視野内の決定位置」-フラッシュトリガーの時間遅延から生じる歪みの合計+フラッシュ期間の半分の目標中間配置
目標位置(ZP)=[位置II-位置I]+[(位置III-位置II)/2]
【0098】
一般に行われる好ましい回路基板レイアウトのために図10に概略的に示されるように、ワークピース6全体が4つの四半部に分割されており、そのそれぞれは多数の個々の回路基板を自身に含有でき、16個の目標33が処理のために使用される。これらの目標33は、それぞれの四半部の角にそれぞれ配置されている。この配置において、3つのエリアカメラ31が図10に従って使用される。これら目標33が4つの四半部の全てのシーム(繋ぎ目)において互いに隣接するとき、中間のカメラ31は対応的に大きな視野(FOV)内で4つの目標33を同時に把握できなければならない。ここで、登録スキーム(登録パターン)が、2ストライプバリエーションと同一に目標33の3ストライプで実行される。4つの四半部を有する好ましい回路基板レイアウトの場合、合計9つの画像領域が、カメラ31の下で完全な回路基板パネルを有するテーブル21の移動の間に把握されなければならない。この目的のために存在する3つのカメラ31のそれぞれは、1-2-1,2-4-2及び1-2-1の配置でそこに含まれる目標33を有する3つの画像領域をそれぞれ連続的に把握する。この点で、回路基板全体が途切れなく把握される必要は無い。したがって、テーブル21の速度はカメラ31のフレーム率によって最初に決定されたものより大きくてもよい。この種の登録方法は、オルボテック社により直接露光設備において長く使用されてきた。目標把握後に実行されるデータ処理の原理は、例えば特許文献6や特許文献7に記載されている。
【0099】
ローラコンベヤ82に基づいて工程サイクルに対して図4を参照して既に記載された、操作装置8用に使用される互いに隣接して移動する2つのグリッパ85及び86の配置が、図11に詳細に示されている。グリッパ85及び86が(テーブル移動方向と交差する)x方向に移動でき、移動長さがテーブル幅よりも大きく設計されるように、テーブル21,22の積み降ろしの領域での操作の望ましい最小化が組織される。第1テーブル21の積み降ろし工程だけ以下に記載する。その工程は第2テーブル22でも類似である。
【0100】
図11のサブフィギュアa)に示されるように、片面を処理されたワークピース62をテーブル21から降ろすとき、未処理ワークピース61は、独立して移動可能であるが好ましくは結合して案内される2つのグリッパ85,86の共線的な平行移動によって、片面を処理されたワークピース62のテーブル21による収容と同時にローラコンベヤ82の送り領域から持ち上げられる。2つのグリッパ85及び86は次に、テーブル21を越えてx方向に同時に移動される。その際、片面を処理されたワークピース62はテーブル領域を出て、ローラコンベヤ82を介して移動される一方、未処理ワークピース61はテーブル21上の所定の位置に移動され、片面を処理されたワークピース62と好ましくは再び同期して載置される。このようにしてグリッパ装置を二倍にすることで、2つのテーブル21及び22の積み降ろしの間の操作が平行化され、追加的な非生産的時間が生じない。
【0101】
先行する記述は第2テーブル22に同様に当てはまるが、唯一の差異は、ワークピース6が両面を処理される場合、両面を処理されたワークピース63が下ろされ、第2テーブル22が片面を処理されたワークピース62を積まれることである。グリッパ85及び86の移動工程は、第1テーブル21の移動工程と完全に一致する。
【0102】
ここに記述した回路基板の好ましい処理とは別に、テーブル移動方向と交差するラインごと直線処理経路及び目標33によって補助される整列又は処理経路に対するワークピース6の整列の制御が提供され、場合により同じ処理装置1による両面ワークピース処理のためのテーブル-テーブル搬送を用いて、処理操作の効率の改良が操作時間及び非生産的時間の最小化によって実現され、共通レール装置23上の2テーブルソリューションによって処理装置1のワークピース処理量が増加される限り、本発明に従う処理装置1は板状ワークピース6の他の全ての処理操作を包含する。
【符号の説明】
【0103】
1 (板状ワークピースのための)処理装置
2 (可動)テーブル装置
21 (第1)テーブル
22 (第2)テーブル
23 (共通)レール装置
3 登録ユニット
31 カメラ
32 カメラ調節装置
33 目標
34(別個の)登録装置
4 処理ユニット
41 露光ユニット
42 インクジェットユニット
5 コンピュータユニット
6 ワークピース
61 未処理/未露光ワークピース
62 片面を処理/露光されたワークピース
63 両面を処理/露光されたワークピース
64 ワークピーススタック
7 処理ハウジング
71 クリーナ
8 操作装置
81 関節腕ロボット
811 関節腕
812 (両面)ヘッド
82 ローラコンベヤ
83 フリップ装置
831 (フォーク形状の)反転フラップ
832 (長手)回転軸
833 スロット
84 (関節腕ロボット81の)グリッパ
85,86 (平行に操作される)グリッパ
9 機械ハウジング
図1a)】
図1b)】
図2a)】
図2b)】
図2c)】
図2d)】
図2e)】
図2f)】
図2g)】
図2h)】
図3
図4
図5
図6
図7a)】
図7b)】
図8
図9
図10
図11a)】
図11b)】
【国際調査報告】