(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(54)【発明の名称】工具移送装置
(51)【国際特許分類】
B21D 37/04 20060101AFI20220127BHJP
F16G 13/16 20060101ALI20220127BHJP
B23Q 3/155 20060101ALI20220127BHJP
B21D 5/02 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
B21D37/04 L
F16G13/16
B23Q3/155 K
B21D5/02 G
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021533607
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 AT2019060418
(87)【国際公開番号】W WO2020118326
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509296085
【氏名又は名称】トルンプ マシーネン オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト フィッシャーダー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア トンダ ロック
(72)【発明者】
【氏名】ジョバンニ ビドット
【テーマコード(参考)】
3C002
4E050
4E063
【Fターム(参考)】
3C002LL12
4E050CA01
4E050CB06
4E050CD01
4E050CD04
4E063AA01
4E063BA07
4E063DA02
4E063DA03
4E063DA14
4E063DA17
(57)【要約】
本発明は、ガイドレール(3)内で1つ又は複数の工具(2)、特に曲げ工具を移動させるための工具移送装置(1)に関するものであって:-1つ/複数の工具(2)を移動させるための、少なくとも1つの縦長のプッシュプル伝達装置(4)を有し、その場合にプッシュプル伝達装置内に、あるいはそれに、供給ライン(6)用の通路(5)が形成されており;-収容部(7)を有し、その収容部がプッシュプル伝達装置を引き込むための少なくとも1つの、好ましくは螺旋状に延びるガイド(8)を有し;-少なくとも1つの供給ライン(6)を有し、その場合に供給ライン(6)の第1のセクション(16)がプッシュプル伝達装置の通路(5)内に延びている、ものは、ガイド(8)がガイド路に沿って延びる長手開口部(9)を有し、かつ供給ライン(6)の第2のセクション(17)がプッシュプル伝達装置(4)の外側かつ収容部(7)のガイド(8)の外側に延びていること、及び供給ライン(6)が第1のセクション(16)と第2のセクション(17)の間で、プッシュプル伝達装置(4)の-収容部(7)のガイド(8)内に位置する-領域内に配置された、出口箇所(10)において、通路(5)から出ている、ことを特徴としている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレール(3)内で1つ又は複数の工具(2)、特に曲げ工具、を移動させる工具移送装置(1)であって、
-1つ/複数の工具(2)を移動させる少なくとも1つの縦長のプッシュプル伝達装置(4、4')を有し、前記プッシュプル伝達装置(4、4')上に、あるいはその中に供給ライン(6、6')用の通路(5、5')が形成されており、
-前記プッシュプル伝達装置(4、4')を引き込むための少なくとも1つの、好ましくは螺旋状に延びる、ガイド(8、18)を有する収容部(7)を有し、
-少なくとも1つの供給ライン(6、6')を有し、前記供給ライン(6、6')の第1のセクション(16)が、プッシュプル伝達装置(4、4')の前記通路(5、5')内に延びている、
ものにおいて、
前記ガイド(8、18)が、ガイド路に沿って延びる長手開口部(9、19)を有し、かつ
前記供給ライン(6、6')の第2のセクション(17)が、プッシュプル伝達装置(4、4')の外部かつ前記収容部(7)の前記ガイド(8、18)の外部に延びており、かつ
前記供給ライン(6、6')が、第1のセクション(16)と第2のセクション(17)の間で、前記収容部(7)の前記ガイド(8、18)内に位置する前記プッシュプル伝達装置(4、4')の領域内に配置された出口箇所(10)において、前記通路(5、5')から出ている、
ことを特徴とする工具移送装置。
【請求項2】
前記供給ライン(6)が前記第1のセクション(16)と前記第2のセクション(17)の間で、好ましくは前記出口箇所(10)の領域内で、前記長手開口部(9)を通って前記収容部(7)の前記ガイド(8)から出ている、ことを特徴とする請求項1に記載の工具移送装置。
【請求項3】
出口箇所(10)が、プッシュプル伝達装置(4)の、-収容部(7)のガイド(8)内に位置する-終端領域内に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の工具移送装置。
【請求項4】
前記第2のセクション(17)が懸架して配置されており、好ましくは前記第2のセクション(17)が、ガイド(8)の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのガイドセクションと交差し、かつ/又は好ましくは前記第2のセクション(17)が、ガイド(8)が延びる平面に対して実質的に平行となる平面内に延びている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項5】
前記供給ライン(6、6')の前記第2のセクション(17)が、-プッシュプル伝達装置(4、4')の少なくとも1つの位置において-少なくとも部分的に、好ましくはその長さの少なくとも半分に沿って、載置面上に載置されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項6】
前記ガイド(8)が、前記長手開口部(9)を介して、前記ガイド(8)が延びる平面に対して横切る方向、好ましくは実質的に垂直となる方向に開口している、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項7】
前記ガイド(8)が延びる平面が、実質的に垂直である、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項8】
前記ガイド(8)が、湾曲した行路を備えた少なくとも1つのセクションを有し、好ましくは前記ガイド(8)が、まっすぐな、好ましくは水平の行路を備えた他のセクションを有し、その場合に好ましくはまっすぐな行路を有する他のセクションの長さが、前記ガイド(8)の全長の好ましくは少なくとも1/3、好ましくは少なくとも1/2である、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項9】
前記ガイド(8)が、螺旋状の行路を備えたセクションを有している、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項10】
前記工具移送装置(1)が、好ましくは出口開口部(10)の領域内で、前記プッシュプル伝達装置(4)と一緒に移動する、好ましくはプッシュプル伝達装置(4)と結合された、前記供給ライン(6)を巻き上げるための巻上げ装置(11)を有している、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項11】
巻上げ装置(11)が、ドラムの形式、あるいはローラの形式、あるいはリールの形式、あるいはハブの形式で、形成されている、ことを特徴とする請求項10に記載の工具移送装置。
【請求項12】
前記供給ライン(6)が、前記第1のセクション(16)と前記第2のセクション(17)の間において、好ましくはスライドリング結合の形状の、回転結合(12)を有している、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項13】
前記工具移送装置(1)が、プッシュプル伝達装置(4)を駆動するための駆動装置(13)を有し、その場合に好ましくは駆動装置(13)が前記収容部(7)の外部に配置されている、ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項14】
前記供給ライン(6)が、少なくとも1つのケーブル及び/又は少なくとも1つの圧力導管及び/又は負圧導管を有し、かつ/又は
前記供給ライン(6)の工具から遠い端部が、供給装置(14)に、好ましくは制御及び/又は電気的な供給装置に、かつ/又は圧力及び/又は負圧供給装置に、接続されている、
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項15】
前記プッシュプル伝達装置(4)が、その工具側の端部の領域内に、前記供給ライン(6)に結合された、工具(2)をプッシュプル伝達装置(4)に結合するための結合装置(15)、かつ/又は供給ライン(6)に結合された、工具(2)に作用するためのエフェクタ、特に工具調節を実施するための調節装置、を有している、ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項16】
前記プッシュプル伝達装置(4)が、互いに結合された多数のチェーンリンクからなるチェーンによって形成されており、好ましくは供給ライン(6)用の通路(5)が、チェーンリンクを通して延びている、ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項17】
前記供給ライン(6)が通路(5)から出る出口箇所(10)は、プッシュプル伝達装置(4)の工具から遠い端部を形成するチェーンリンク内に形成されている、ことを特徴とする請求項16に記載の工具移送装置。
【請求項18】
前記プッシュプル伝達装置(4)の横断面が、前記収容部(7)の前記ガイド(8)の内部に完全に収容されている、ことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項19】
前記収容部(7)が、プレート形状の本体によって形成されており、かつ前記ガイド(8)が、好ましくは完全に、プレート形状の本体の内部に延びており、好ましくは長手開口部(9)がプレート形状の本体の表面に配列している、ことを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項20】
前記収容部(7)が、第1の、好ましくは螺旋状に延びる、ガイド(8)と第2の、好ましくは螺旋状に延びる、ガイド(18)とを有し、第1のガイド(8)に、好ましくは上工具を移動させるための、第1の縦長のプッシュプル伝達装置(4)が対応づけられ、第2のガイド(18)には、好ましくは下工具を移動させるための、第2の縦長のプッシュプル伝達装置(4')が対応づけられている、ことを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項21】
前記第1のガイド(8)内への入口が、第2のガイド(18)内への入口の上方に配置されている、ことを特徴とする請求項20に記載の工具移送装置。
【請求項22】
前記第1のガイド(8)と第2のガイド(18)が、共通の、好ましくはプレート形状の、収容本体内に形成されており、前記第1のガイド(8)の長手開口部(9)が収容本体の第1の側に、そして前記第2のガイド(18)の長手開口部(19)が、収容本体の、第1の側とは逆の第2の側に位置している、ことを特徴とする請求項20又は21に記載の工具移送装置。
【請求項23】
第1のガイド(8)の巻きが、第2のガイド(18)の巻きの間に延びており、かつ/又は
前記第1のガイド(8)の巻きと前記第2のガイド(18)の巻きが、少なくとも部分的に互いに重なり合っている、
ことを特徴とする請求項1から22のいずれか1項に記載の工具移送装置。
【請求項24】
加工機械(20)、特に曲げプレス、及び/又は加工機械(20)のための、特に曲げプレスのための工具装填装置であって、ガイドレール(3)内で1つ又は複数の工具(2)、特に曲げ工具を移動させるため、特に工具(2)を加工機械(20)及び/又は工具貯蔵器(21)内へ、あるいはそこから移送するための、の工具移送装置(1)を有する、ものにおいて、
前記工具移送装置(1)が、請求項1から23のいずれか1項に基づいて形成されている、ことを特徴とする加工機械及び/又は工具装填装置。
【請求項25】
装填装置が、工具(2)、特に曲げ工具、用の多数の貯蔵場所を備えた工具貯蔵器(21)を有している、ことを特徴とする請求項24に記載の加工機械及び/又は工具装填装置。
【請求項26】
加工機械(20)及び/又は工具装填装置、特に請求項24又は25に記載の加工機械及び/又は工具装填装置と、1つ又は複数の工具(2)、特に曲げ工具をガイドレール(3)内で移動させるための、特に工具(2)を加工機械(20)及び/又は工具貯蔵器(21)内へ、あるいはそこから移送するための、工具移送装置(1)との配置において、
前記工具移送装置(1)が請求項1から23のいずれか1項に基づいて形成されている、ことを特徴とする配置。
【請求項27】
前記ガイド(8)の少なくとも1つのセクションが、前記加工機械(20)の上方に、かつ/又は前記工具装填装置の上方の部分内に、延びており、かつ/又は
前記ガイド(8)の1つのセクションが、下から上へ向かって延びている、
ことを特徴とする請求項26に記載の配置。
【請求項28】
ガイドレール(3)内で1つ又は複数の工具(2)、特に曲げ工具を移動させるため、特に工具(2)を加工機械(20)及び/又は工具貯蔵器(21)内へ、あるいはそこから移送するための方法において、
1つ又は複数の工具(2)の移動が、請求項1から23のいずれか1項に記載の工具移送装置(1)によって実施される、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載された、ガイドレール内で1つ又は複数の工具、特に曲げ工具を移動させるための工具移送装置に関する。また、本発明は、工具装填装置及びガイドレール内で1つ又は複数の工具を移動させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加工機械に工具を装填すること(装備、工具交換、工具貯蔵器に載置など)を自動化するために、プッシュチェーン駆動式の工具移送装置が使用され、それが工具をガイドに沿って移動させる。この種のプッシュチェーンは、その工具側の端部に結合装置(たとえば磁石、吸引手段、機械的把持器など)を有しており、それを用いて工具がチェーンに結合される。結合装置を操作するためには、一方で(電気的)エネルギを調達することが必要であり、他方では制御信号を伝達することが必要である。前者は、-プッシュチェーンの工具から遠い領域内にある-電気的エネルギ貯蔵器により、後者は結合装置への無線接続によって解決することができる。
【0003】
しかし、無線接続の障害が繰り返されると、装備プロセスにおける不具合とそれに伴って由々しいエラーをもたらす欠点がある。さらに、エネルギ貯蔵器は常に交換し、あるいは充電されなければならない;エネルギ貯蔵器は、さらに、重量及びプッシュチェーンの工具側の端部の領域内のスペース需要を増大させる。
【0004】
たとえば、特許文献1は、内蔵されたラインを有するプッシュチェーンを開示している。このプッシュチェーンは、螺旋形状のガイドを有する収容部内へ引き込むことができる。しかし、特許文献1は、ラインがどこへ延びているか、若しくはそれがどのように制御若しくはエネルギ供給と接続されているか、について何ら教示を有していない。しかしまさにこの課題が、ガイドの行路が螺旋状であることに基づいて、大きな問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術から生じる問題を解決し、かつ工具側の結合装置及び場合によっては工具に作用する他のエフェクタの確実な給電と駆動を保証する、工具移送装置を提供することである。同時に、プッシュプル伝達装置(Schub- und Zuguebertragungseinrichtung)が容易かつ円滑に収容部内へ進入し、かつ収容部から退出できなければならない。好ましくは、ガイドが収容部内で屈曲して、あるいは螺旋形状に延びることができる事実が、考慮されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、冒頭で挙げた工具移送装置によって、好ましくは螺旋状に延びる、ガイドが、ガイド路に沿って延びる長手開口部を有しており、かつ供給ラインの第2のセクションがプッシュプル伝達装置の外部及び収容部のガイドの外部に延びており、かつ供給ラインが第1のセクションと第2のセクションの間で、プッシュプル伝達装置の-収容部のガイド内に位置する-領域内に配置された出口箇所において、通路から出ていることによって、達成される。
【0008】
供給ラインが通路から出る、出口箇所は、プッシュプル伝達装置自体の中に、好ましくはプッシュプル伝達装置の工具から遠い端部の領域内に、形成することができる。プッシュプル伝達装置が引き込まれ、若しくは引き出される場合に、通路の出口箇所もガイドに沿って移動する。したがって第1のセクションと第2のセクションの間の移行領域も、同様にガイドに沿って移動する。本発明は冒頭で挙げた問題を、供給ラインが第1のセクション若しくは移行領域(第1と第2のセクションの間)と共にガイドに沿って移動し、かつ第2のセクションが、所定の程度においてガイド内のプッシュプル伝達装置の位置に依存はすることはあるが、もはやガイド路には従わない工程を有することによって、解決する。それによって部分的な分離が行われ、それが、供給ラインをその第2のセクションにより供給装置へ案内することを可能にする。
【0009】
長手開口部は、好ましくは、ガイドが一方の側へ向かって開放しており、それによってガイドに沿って連続的な開口部が存在することにより、形成することができる。通路がガイドの内部に延びている場合に、供給ラインがこの長手開口部を通って案内される。通路がガイドの外部にある場合(たとえばプッシュプル伝達装置の横断面の一部がガイドによって収容されておらず、あるいは完全には収容されていないことにより)、供給ラインは長手開口部を通して案内する必要はない。
【0010】
縦長のプッシュプル伝達装置は、フレキシブルである;それは特に、互いに結合されたチェーンリンクからなるチェーン、弾性的に変形可能な、たとえばヘビのような、本体あるいはロープ状又はベルト状の本体から、形成することができる。
【0011】
プッシュプル伝達装置は、その工具側の端部にシャトル若しくはキャリッジを有することができる。それは、機能的なコンポーネントとすることができ、それに、たとえば1つ又は複数の(曲げ)工具を結合するための結合装置が形成されている。
【0012】
収容部のガイドは、ガイドレール(この中に1つ/複数の工具が保持される)に移行しているので、プッシュプル伝達装置は収容部のガイドからじゃまされずにガイドレール内へ移動することができる。ガイドレール(工具がこの中へ移動する)は、曲げプレス、特にプレスブレーキの工具ホルダとすることができる。代替的に、このガイドレールは、(曲げ)工具貯蔵器のガイドレール又は工具ホルダとすることができる。
【0013】
通路は、プッシュプル伝達装置の内部に、たとえばチェーンリンクの内部に延びることができ、あるいはプッシュプル伝達装置に取り付けることができる。通路の経路は、供給ライン(ケーブル、パイプなど)と同様にフレキシブルである。
【0014】
通路が閉鎖されている必要はない。通路が、供給導管を収容し、あるいはそれを囲み、あるいは案内し、あるいはただ保持するように、形成されていれば、充分である。したがって通路という概念は、本出願の主旨において幅広く解釈することができる。
【0015】
好ましい実施形態は、供給ラインが第1のセクションと第2のセクションの間で、好ましくは出口箇所の領域内で、長手開口部を通って収容部のガイドから出ることを、特徴としている。供給ラインは、ここでは(出口箇所において)通路から出るだけでなく、(長手開口部を通して)収容部のガイドからも出る。これは特に、通路が-横断面で見て-完全にガイド内にある場合に、好ましい実施形態である。プッシュプル伝達装置が収容部内へ引き込まれ、若しくは収容部から引き出される場合に、第1と第2のセクションの間の(供給ラインの)移行領域は、長手開口部内でガイドに沿って移動する。言い換えると:供給ラインは、ガイド方向に対して横切る方向に(長手開口部を通して)ガイドから導出される。この移行領域に、-通路とガイドの外部に延びる-第2のセクションが連続する。
【0016】
好ましい実施形態は、出口箇所が、プッシュプル伝達装置の-収容部のガイド内に位置する-終端領域内に配置されていることを、特徴としている。通常の駆動において、終端領域は、通常、収容部のガイドから出ないので、出てくる供給ラインも常に収容部の領域内に留まる。
【0017】
好ましい実施形態は、第2のセクションが懸架して配置されており、その場合に好ましくは第2のセクションが少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、(好ましくは螺旋状に延びる)ガイドのガイドセクションと交差し、かつ/又はその場合に、好ましくは第2のセクションが、ガイドが延びる平面に対して実質的に平行となる平面内に延びていることを、特徴としている。第2のセクションの懸架配置は、収容部のガイドの外部に延びる供給ラインセクションが、その経路をプッシュプル伝達装置の位置に、若しくは出口箇所の位置に適合させることを可能にする。第2のセクションは、好ましくは、(ガイド内にある)出口箇所と、供給ラインが接続される供給装置(制御、電気的な供給装置及び/又は圧力/負圧供給装置)との間の最大可能な間隔よりも、長い。
【0018】
好ましい実施形態は、供給ラインの第2のセクションが、-プッシュプル伝達装置の少なくとも1つの位置において-少なくとも部分的に、好ましくはその長さの少なくとも半分に沿って載置面上に載置されていることを、特徴としている。
【0019】
好ましい実施形態は、ガイドが長手開口部を介して、ガイドが延びる平面に対して横切る方向、好ましくは実質的に垂直となる方向へ開口していることを、特徴としている。したがって供給ラインは収容部のガイドから側方へ出る。
【0020】
好ましい実施形態は、(好ましくは螺旋状に推移する)ガイドが延びる平面が、実質的に垂直となることを、特徴としている。それが、プッシュプル伝達装置をその待機位置で場所をとらずに収納することを、可能とする。
【0021】
好ましい実施形態は、ガイドが湾曲した行路を備えた少なくとも1つのセクションを有し、その場合に好ましくはガイドがまっすぐの、好ましくは水平の、行路を備えた他のセクションを有し、その場合に好ましくはまっすぐの行路を有する他のセクションの長さが、ガイドの全長の少なくとも1/3、好ましくは少なくとも1/2であることを、特徴としている。少なくとも1つの湾曲したガイドセクションは、必要とするスペースに関して有利である。まっすぐなセクションも設けることは、プッシュプル伝達装置の引き込みに必要な力を削減する。何故なら、まっすぐなガイド若しくはガイド部分における抵抗若しくは摩擦は、ガイドが全て湾曲している場合よりも小さいからである。
【0022】
好ましい実施形態は、ガイドが螺旋状に延びる行路を備えたセクションを有することを、特徴としている。螺旋状に延びるガイドは、必要なスペースを小さく抑えることを可能にする。何故なら、プッシュプル伝達装置は、限られたスペース内に引き込むことができるからである。同時に、本発明に係る原理が、ここで効果を発揮する。というのは、ガイドが螺旋形状である場合でも、不定形の巻き若しくは捻れが阻止されるからである。
【0023】
好ましい実施形態は、工具移送装置が、好ましくは出口開口部の領域内で、プッシュプル伝達装置と一緒に移動する、好ましくはプッシュプル伝達装置と結合された、供給ラインを巻き上げるための巻上げ装置を有することを、特徴としている。特に経路が湾曲し、あるいは螺旋形状である場合に、供給ラインは捩じり力にさらされ、かつ不定形に捻れることがあり得る。巻上げ装置によって、プッシュプル伝達装置の端部が湾曲して、あるいは螺旋状に引き込まれる場合に、供給ラインを定められたやり方で巻き上げることが可能になる。巻上げ装置は、プッシュプル伝達装置と一緒に移動する。巻上げ装置は、たとえば、プッシュプル伝達装置のチェーンリンク、好ましくは最後のチェーンリンクに連結し、若しくは取り付けることができる。巻上げ装置は、好ましくは収容部のガイドの外部に配置されている。
【0024】
好ましい実施形態は、巻上げ装置がドラムの形状、あるいはローラの形状、あるいはリールの形状又はハブの形状で形成されていることを、特徴としている。
【0025】
好ましい実施形態は、供給ラインが、第1のセクションと第2のセクションの間に、好ましくはスライドリング結合の形状の、回転結合を有することを、特徴としている。これは、巻上げ装置に代わる実施形態を表し、それが供給ラインの、特にその第2のセクションの、捻れを阻止する。ここでは、第2のセクションが第1のセクションに対して管理されて回動可能であるように、第2のセクションは第1のセクションに結合することができる。回転結合は、互いに対して回動が行われる箇所を定めるだけでなく、その形態に基づいて回動の程度も定める。
【0026】
好ましい実施形態は、移送装置がプッシュプル伝達装置を駆動するための駆動装置を有し、その場合に好ましくは駆動装置が収容部の外部に配置されていることを、特徴としている。
【0027】
好ましい実施形態は、供給ラインが少なくとも1つのケーブル及び/又は少なくとも1つの圧力及び/又は負圧導管を有し、かつ/又は供給ラインの工具から遠い端部が供給装置に、好ましくは電気的な供給装置に、かつ/又は圧力及び/又は負圧供給装置に接続されていることを、特徴としている。供給装置は、制御、電流源及び/又は電圧源、圧力又は負圧供給装置とすることができる。
【0028】
好ましい実施形態は、プッシュプル伝達装置がその工具側の端部の領域内に、供給ラインに結合された、工具をプッシュプル伝達装置に結合するための結合装置を有し、かつ/又は供給ラインに結合された、工具に作用するためのエフェクタ、特に工具調節を実施するための調節装置を有することを、特徴としている。結合装置は、結合状態と解除された状態との間で操作可能である。結合された工具と共に、結合装置は、プッシュプル伝達装置の移動によって、ガイドレールに沿って若しくはガイドに沿って、走行することができる。
【0029】
好ましい実施形態は、プッシュプル伝達装置が、互いに結合された多数のチェーンリンクからなるチェーンによって形成されており、その場合に好ましくは供給ライン用の通路がチェーンリンクを通って延びていることを、特徴としている。
【0030】
好ましい実施形態は、供給ラインが通路から出る、出口箇所が、プッシュプル伝達装置の工具から遠い端部を形成するチェーンリンク内に形成されていることを、特徴としている。
【0031】
好ましい実施形態は、プッシュプル伝達装置の横断面が完全に収容部のガイドの内部に収容されていることを、特徴としている。それによって、プッシュプル伝達装置及びその中に延びる供給ライン用の通路が、できる限り良好に保護されている。
【0032】
好ましい実施形態は、収容部がプレート形状の本体で形成されており、かつ(好ましくは螺旋状に延びる)ガイドが、好ましくは完全に、プレート形状の本体の内部に延びており、その場合に好ましくは長手開口部がプレート形状の本体の表面と整列していることを、特徴としている。これが、スペースを削減し、かつコスト的に好ましい解決を表す。
【0033】
好ましい実施形態は、収容部が、第1の、好ましくは螺旋状に延びる、ガイドと、第2の、好ましくは螺旋状に延びる、ガイドとを有し、第1のガイドに、好ましくは上工具を移動させるための、第1の縦長のプッシュプル伝達装置が対応づけられ、かつ第2のガイドに、好ましくは下工具を移動させるための、第2の縦長のプッシュプル伝達装置が対応づけられていることを、特徴としている。すなわち第1のプッシュプル伝達装置が第1のガイド内へ、そして第2の縦長のプッシュプル伝達装置が第2のガイド内へ、進入可能である。
【0034】
好ましい実施形態は、第1のガイド内への入口が、第2のガイド内への入口の上方に配置されていることを、特徴としている。これは、たとえば上工具と下工具のための曲げプレスにおいても支配的であるような、配置若しくは水準に相当する。
【0035】
好ましい実施形態は、第1のガイドと第2のガイドが共通の、好ましくはプレート形状の、収容本体内に形成されており、第1のガイドの長手開口部が収容本体の第1の側に、そして第2のガイドの長手開口部が収容本体の、第1の側とは逆の第2の側に位置していることを、特徴としている。共通の収容本体内に2つのガイドを設けることによって、特に場所をとらない解決を提供することができる。
【0036】
好ましい実施形態は、第1のガイドの巻きが、第2のガイドの巻きの間に延びており、かつ/又は第1のガイドの巻きと第2のガイドの巻きが少なくとも部分的に互いに重なっていることを、特徴としている。このようにして空間をさらに良好に利用することができ、かつプレート形状の本体の寸法、特にその厚みを小さく抑えることができる
【0037】
目的は、また、ガイドレール内で1つ又は複数の工具、特に曲げ工具を移動させるため、特に工具を加工機械及び/又は工具貯蔵器内へ、あるいはそこから移送するための、本発明に係る移送装置を有する、加工機械及び/又は加工機械用、特に曲げプレス用の工具装填装置によって、達成される。曲げプレスにおいては、工具ホルダ自体がガイドレールとして形成することができるので、プッシュプル伝達装置が曲げプレスの工具ホルダ内へ進入することもでき、かつそこに工具を保管し、あるいはそこから取り出すこともできる。工具、特に曲げ工具は、ガイドレール(若しくは工具ホルダ)内へ張り出す保持セクションと、成形セクションとを有している。プッシュプル伝達装置は、好ましくは工具が挿入されるのと、同じガイドレール内で案内される。
【0038】
好ましい実施形態は、装填装置が、工具、特に曲げ工具用の多数の貯蔵場所を備えた工具貯蔵器を有することを、特徴としている。
【0039】
目的は、また、特に上で挙げた実施形態のいずれかに記載の加工機械及び/又は工具装填装置と、ガイドレール内で1つ又は複数の工具、特に曲げ工具を移動させるための、特に工具を加工機械及び/又は工具貯蔵器内へ、あるいはそこから移送するための、本発明に係る工具移送装置との配置によって達成される。
【0040】
好ましくは、ガイドの1セクションが加工機械の上方かつ/又は工具装填装置の上方の部分内に延びている。好ましくは、ガイドの1セクションが下から上へ向かって延びている。この手段によって、プッシュプル伝達装置は上方の領域(加工機械の上方若しくは工具装填装置の上方の部分内へ)移動される。そのような場合でなければ、その領域は、いずれにせよ利用されない。したがってこの実施形態も、スペースの要件に関して有利である。
【0041】
目的は、また、ガイドレール内で1つ又は複数の工具、特に曲げ工具を移動させるため、特に工具を加工機械及び/又は工具貯蔵器内へ、あるいはそこから移送するための、方法によって達成され、それは、1つ又は複数の工具の移動が、請求項1から23のいずれか1項に記載の工具移送装置によって実施されることを、特徴としている。
【0042】
本発明をさらによく理解するために、以下の図を用いて詳細に説明する。
【0043】
図は、それぞれ著しく簡略化された図式的な表示である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】曲げ工具貯蔵器と曲げプレスに結合された、本発明に係る工具移送装置を示している。
【
図2】プッシュプル伝達装置の工具から遠い端部に設けられた巻上げ装置を示している。
【
図3】チェーンとして形成されたプッシュプル伝達装置のためのチェーンリンクを示している。
【
図4】第1のガイドと第2のガイドを有するプレート形状の収容本体の収容部を示している。
【
図5】通路からの出口箇所と供給ライン用の巻上げ装置を示している。
【
図6】供給ラインの第1のセクションと第2のセクションの間の回転方向を示している。
【
図7】曲げプレスを有する配置内の工具移送装置の実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0045】
最初に記録しておくが、異なるように記載される実施形態において、同一の部分には同一の参照符号ないし同一の構成部分名称が設けられており、その場合に説明全体に含まれる開示は、同一の参照符号ないし同一の構成部分名称を有する同一の部分へ意味に従って移し替えることができる。また、説明内で選択される、たとえば上、下、側方などのような位置記載は、直接説明され、かつ示される図に関するものであって、この位置記載は位置が変化した場合には意味に従って新しい位置へ移し替えられる。
【0046】
実施例は、可能な実施変形例を示しており、その場合にここに記録しておくが、本発明は具体的に示された実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに様々に組み合わせることも可能であり、これらの変形可能性はこの発明による技術的に取り扱うための教示に基づいて、この技術分野で活動する当業者の裁量の範囲内にある。
【0047】
保護領域は、請求項によって定められる。しかし明細書と図面は、請求項を解釈するために利用されるべきである。図示され、かつ説明される様々な実施例からなる個別特徴及び特徴の組合せは、それ自体自立した進歩的解決策を表すことができる。自立した進歩的解決策の基礎となる課題は、明細書から読み取ることができる。
【0048】
そして、形式的に指摘しておくが、構造の理解を高めるために、部材は一部縮尺どおりではなく、かつ/又は拡大及び/又は縮小して示されている。
【0049】
本発明が、以下で曲げプレス、特にプレスブレーキとして記述される場合でも、本発明に係る解決策は、ガイドレールを介して工具を移動させることができる、他の加工機械にも同様に適用することができる。
【0050】
図1は、ガイドレール3内で1つ又は複数の工具2、特に曲げ工具を移動させる工具移送装置1を示している。図示される実施形態において、移送装置1は、曲げ工具貯蔵器21及び曲げプレス20に結合されている。第1の縦長のプッシュプル伝達装置4は、上工具2(特にパンチ工具)を移動させるために用いられる。第2の縦長のプッシュプル伝達装置4’は、下工具2(特にダイ工具)を移動させるために用いられる。ここで、それぞれチェーン式で形成されているプッシュプル伝達装置4、4’は、ガイドレール3内で工具貯蔵器21を通り、かつ曲げプレス20を通って走行することができ、それによって工具が移動される。この時点において、曲げプレス20、工具貯蔵器21及び移送装置1からなる配置は、原則的に異なる配置であってもよい。
【0051】
プッシュプル伝達装置4、4’上に、あるいはその中に、それぞれ供給ライン6、6’のための通路5、5’が形成されている(
図4も参照)。
【0052】
移送装置1は、さらに、収容部7を有しており、その収容部は、プッシュプル伝達装置4、4’を進入させるための少なくとも1つの螺旋状に延びるガイド8(ここでは上工具と下工具用の2つのガイド8、18)を有している。螺旋状に延びるガイド8(若しくは18)は、ガイド路に沿って延びる長手開口部9(若しくは19)を有している。長手開口部は、ガイドに沿ってつながって形成されており、かつガイドの内部への横からのアクセスを可能にする。
【0053】
ここで、注意すべきは、本発明は螺旋状のガイドに限定されるものではない。むしろ、本発明に係る原理は、直線的な、あるいは他のように湾曲した(あるいはこの種の直線的/湾曲したセクションを有する)ガイドにも同様に適用可能であるという点である(たとえば
図7を参照)。
【0054】
通路5若しくは5’内には、供給ライン6若しくは6'が延びている。供給ライン6、6’の第1のセクション16は、プッシュプル伝達装置4(若しくは4')の通路5、5’内に延びている。供給ライン6(若しくは6‘)の第2のセクション17は、プッシュプル伝達装置4の外部及びガイド8の外部に延びている。
【0055】
供給ライン6は、第1のセクション16と第2のセクション17の間の出口箇所10で通路5から出る。出口箇所10は、プッシュプル伝達装置4の-収容部7のガイド8内にある-領域内に配置されている。
【0056】
図示される実施形態において(特に
図1、4及び5を参照)、供給ライン6は、第1のセクション16と第2のセクション17の間において、出口箇所10の領域内で長手開口部9を通ってガイド8から側方へ出ている。ガイド8は、長手開口部9を介して、螺旋形状のガイド8が延びる平面に対して横切る方向、好ましくは実質的に垂直となる方向へ開口している。
【0057】
その場合に出口箇所10は、プッシュプル伝達装置4の-ガイド8内にある-終端領域内に配置されている。
【0058】
図1から明らかなように、供給ライン6、6’の第2のセクション17は、懸架して配置することができる。その場合に第2のセクション17は、螺旋状に延びるガイド8の少なくとも1つ、好ましくは2つのガイドセクションと交差することができ、かつ/又は螺旋状のガイド8が延びる平面に対して実質的に平行な平面内に延びることができる。
【0059】
収容部7若しくは、螺旋状に延びるガイド8が延びる平面は、好ましくは実質的に垂直である。
【0060】
図1、2及び4の実施形態において、工具移送装置1は出口開口部10の領域内に、供給ライン6を巻き上げるための巻上げ装置11を有している。巻上げ装置11は、プッシュプル伝達装置4と共に移動する。図示される実施形態において、巻上げ装置11は、プッシュプル伝達装置4と結合されており、若しくはそれに固定されている。巻上げ装置11は、ドラムの形状(
図2と4を参照)で、あるいはローラの形状又はリールの形状又はハブの形状で形成することができる。
【0061】
図6に示す代替的な変形例において、供給ライン6は第1のセクション16と第2のセクション17の間に回転結合12を、好ましくはスライドリング結合の形状で、有することができる。それによって同様に、供給ラインの制御されない捻れを阻止することができる。
【0062】
供給ライン6は、たとえば電気ケーブル及び/又は圧力導管及び/又は負圧導管を有することができる。その場合に供給ライン6の工具から遠い端部は、供給装置14(
図1)、たとえば制御装置、電気的な供給装置に、及び/又は圧力及び/又は負圧の供給装置に接続されている。
【0063】
プッシュプル伝達装置4は、その工具側の端部の領域内に、供給ライン6に接続された、工具2をプッシュプル伝達装置4に結合するための結合装置15を有している。同様に、供給ライン6に結合された、工具2に作用するためのエフェクタ、特に工具調節(たとえばダイ幅)を実施するための調節装置を設けることができる。
【0064】
図1には、移送装置1が、プッシュプル伝達装置4を駆動するための駆動装置13を有することが、図式的に示されている。図示される実施形態において、この駆動装置は、収容部7の外部に配置されている。
【0065】
プッシュプル伝達装置4は、好ましくは、互いに結合された多数のチェーンリンクからなるチェーンによって形成されている。
図3は、この種のチェーンリンクの例を示している。チェーンリンクの内部に、供給ライン用の通路が見られる。供給ライン6が通路5から出る、出口箇所10は、好ましくは-プッシュプル伝達装置4の工具から遠い端部を形成する-チェーンリンク内に形成されている。
【0066】
図4と5から明らかなように、プッシュプル伝達装置4の横断面は、好ましくは完全に収容部7のガイド8の内部に収容されている。
【0067】
収容部7は、-
図1と4から明らかなように-プレート形状の本体によって形成することができる。螺旋状のガイド8は、好ましくはすべて、プレート形状の本体の内部に延びている。その場合に長手開口部9は、プレート形状の本体の表面に配列することができる。
【0068】
図示される実施形態(
図1と4)において、収容部7は第1の螺旋状に延びるガイド8と、第2の螺旋状に延びるガイド18とを有しており、第1のガイド8は、第1の縦長のプッシュプル伝達装置4に対応づけられており(ここでは上工具を移動させるため)、かつ第2のガイド18は、第2の縦長のプッシュプル伝達装置4’に対応づけられている(ここでは下工具を移動させるため)。
【0069】
その場合に(工具貯蔵器21から、あるいは加工機械20から来る)第1のガイド8内への入口は、第2のガイド18内への入口の上方に配置されている。
【0070】
図1と4から明らかなように、第1のガイド8と第2のガイド18は、共通の、好ましくはプレート形状の、収容本体内に形成されている。第1のガイド8の長手開口部9は、収容本体の第1の側にある。第2のガイド18の長手開口部19は収容本体の、第1の側とは逆の、第2の側にある。
【0071】
図4の断面表示から明らかなように、第1のガイド8の巻きは、第2のガイド18の巻きの間に延びている。さらに、第1のガイド8の巻きと第2のガイド18の巻きは、少なくとも部分的に互いに重なることができる。
【0072】
図7は、工具移送装置1の代替的な実施形態を示している。これが、加工機械20と共に(代替的に:工具装填装置と共に)1つの配置を形成している。
【0073】
その場合にガイド8の少なくとも1つのセクションが、加工機械20の上方に(若しくは代替的に:工具装填装置の上方の部分内に)延びている。ガイド8、18のセクションは、下から上へ向かって、すなわち加工機械20(ここでは曲げプレス)のガイドレール3から出て、上方へ向かって延びている。
【0074】
その場合ガイド8若しくは18は、湾曲した行路を有する少なくとも1つのセクションと、まっすぐな(ここでは:水平の)行路を有する他のセクションとを有しており、その場合に好ましくは、まっすぐな行路を有する他のセクションの長さは、ガイド8の全長の少なくとも1/3、好ましくは少なくとも1/2である。ガイド8、18は、
図4に示すのと同様に異なる側へ向かって開放している(従って、第2のガイド18は破線でのみ示されている)。供給ライン6の第2のセクション17は、載置面上にくる。
図7は、プッシュプル伝達装置4が完全に引き込まれた状態において供給ライン6(若しくはその第2のセクション17)を示している。プッシュプル伝達装置4が引き出された状態における供給ライン6の第2のセクション17の長さは、破線で示されている。
【0075】
本発明は、ガイドレール3内で1つ又は複数の工具2、特に曲げ工具を移動させる工具移送装置1を有する、加工機械20(ここでは:曲げプレス)のための工具装填装置にも関する。これは特に、工具2を加工機械20内へ、あるいはそこから、かつ/又は工具貯蔵器21内へ、あるいはそこから、移送するために用いられる。その場合に工具貯蔵器21は、装填装置内に集約することができる。工具貯蔵器21は、工具2のための多数の貯蔵場所を有している。
【0076】
そして本発明は、ガイドレール3内で1つ又は複数の工具2,特に曲げ工具、を移動させるため、特に工具2を加工機械20内へ、あるいはそこから、及び/又は工具貯蔵器21から、あるいはその中へ、工具移送装置1(
図1を参照)を用いて移送するための、方法に関する。
【符号の説明】
【0077】
1 工具移送装置
2 工具
3 ガイドレール
4、4’ プッシュプル伝達装置
5.5’ 通路
6、6’ 供給ライン
7 収容部
8 ガイド
9 長手開口部
10 出口箇所
11 巻上げ装置
12 回転結合
13 駆動装置
14 供給装置
15 結合装置
16 第1のセクション
17 第2のセクション
18 第2のガイド
19 長手開口部
20 加工機械
21 工具貯蔵器
【国際調査報告】