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特表2022-512455シュードモナス・バレアリカ及びそのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(54)【発明の名称】シュードモナス・バレアリカ及びそのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20220127BHJP
   C02F 3/00 20060101ALI20220127BHJP
   C02F 3/28 20060101ALI20220127BHJP
   C02F 3/34 20060101ALI20220127BHJP
   B09B 3/65 20220101ALI20220127BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20220127BHJP
【FI】
C12N1/20 A ZNA
C12N1/20 D
C02F3/00 G
C02F3/28 A
C02F3/34 101A
C02F3/34 101B
C02F3/34 Z
B09B3/00 C
C12N15/09 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544869
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2019114170
(87)【国際公開番号】W WO2021077452
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】201911015527.0
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510115007
【氏名又は名称】南京大学
【氏名又は名称原語表記】NANJING UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】22 Hankou Road,Nanjing,jiangsu 210093 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 開龍
(72)【発明者】
【氏名】張 徐祥
(72)【発明者】
【氏名】叶 林
(72)【発明者】
【氏名】任 洪強
【テーマコード(参考)】
4B065
4D004
4D040
【Fターム(参考)】
4B065AA41X
4B065AC20
4B065BB03
4B065BB26
4B065BB29
4B065BC02
4B065BC50
4B065CA55
4D004AA03
4D004CA18
4D040AA01
4D040AA31
4D040AA61
4D040DD03
4D040DD14
(57)【要約】
本発明は、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1と命名され、2019年9月17日に中国典型培養物寄託センターに寄託され、寄託番号がCCTCC M 2019730であるシュードモナス・バレアリカを開示する。本発明は、上記シュードモナス・バレアリカの、ゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用をさらに開示する。本発明はゴミ浸出液の膜濃縮液を段階的に馴養することで、高耐塩性シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1を得て、該シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1はゴミ浸出液の膜濃縮液中の総窒素含有量を効果的に除去できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュードモナス・バレアリカであって、
シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1と命名され、2019年9月17日に中国典型培養物寄託センターに寄託され、寄託番号がCCTCC M 2019730である、ことを特徴とするシュードモナス・バレアリカ。
【請求項2】
請求項1に記載のシュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用。
【請求項3】
シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1を培地に接種し、30~35℃で24~32h好気的培養し、EBT-1拡大培養生成物を得て、次に、ゴミ浸出液の膜濃縮液に接種して処理を行う、ことを特徴とする請求項2に記載のシュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用。
【請求項4】
シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1を培地に接種して培養するときの接種量が3%~5%である、ことを特徴とする請求項3に記載のシュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用。
【請求項5】
培地1Lあたり、成分として、コーンスティープリカー10質量部、酵母エキス5質量部、リン酸水素二カリウム1質量部、塩化ナトリウム10質量部、無水酢酸ナトリウム2.5質量部、及び硫酸マグネシウム0.03質量部が含有される、ことを特徴とする請求項3に記載のシュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用。
【請求項6】
前記培地の初期pHが6.5~7.5である、ことを特徴とする請求項3に記載のシュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用。
【請求項7】
シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1は、ゴミ浸出液の膜濃縮液中の窒素含有化合物の分解に用いられ、窒素含有化合物は硝酸態窒素、亜硝酸態窒素及びアンモニア態窒素を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のシュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用。
【請求項8】
シュードモナス・バレアリカによるゴミ浸出液の膜濃縮液中の窒素含有化合物の分解は嫌気性/低酸素条件下で行われる、ことを特徴とする請求項7に記載のシュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用。
【請求項9】
シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1がゴミ浸出液の膜濃縮液中の窒素含有化合物を分解するときに、0.2%~0.4%の接種量で菌液をゴミ浸出液の膜濃縮液の嫌気性/低酸素処理反応器に添加し、反応器中の廃水のCOD/Nが4:1~6:1である、ことを特徴とする請求項7に記載のシュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用。
【請求項10】
ゴミ浸出液の膜濃縮液の塩分が3%以上である、ことを特徴とする請求項7に記載のシュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュードモナス・バレアリカに関し、さらに上記シュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用に関し、汚水処理の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
ゴミ浸出液は、成分が複雑な高濃度有機性廃水であり、生分解性が悪く、アンモニア態窒素の濃度が高く、有毒有害物質の含有量が高いなどを特徴とする。環境水質管理基準がますます激しくなるに伴い、特に2009年10月に『家庭ゴミ埋立処分場の浸出液処理工事技術仕様(公開草案)』が公布されると、高度処理が膜処理プロセスを主とするべきであることが提案され、膜プロセスの標準化傾向がさらに決定され、主流プロセスである膜法による高度処理において約15%~30%の膜濃縮液が生じる。ゴミ浸出液の膜濃縮液は腐植質類物質を主成分とし、茶色黒(黄)色であり、CODが通常1000~5000mg/Lであり、全窒素濃度が500~2500mg/Lであり、大量の無機イオンを含有し、TDSが20000~60000mg/Lであり、導電率が40000~50000us/cmであり、ゴミ埋立処分場の浸出液の膜濃縮液における塩分が3%以上に達し得、廃水の塩分が微生物内部の浸透圧に大きな影響を与え、高塩分により物質の吸収が阻害され、微生物の生長速度が低くなり、一部の微生物が大量に死亡し、このような廃水の生化学的処理効果を深刻に損なう。
【0003】
ゴミ浸出液の膜濃縮液中の全窒素は、主にゴミ浸出液の生化学的処理廃水が多段膜を通過した濃縮液に由来する。原水中のほとんどのアンモニア態窒素は硝化作用により硝酸態窒素に変換され、濃縮液全窒素中に占める硝酸態窒素の割合が90%以上に達し得る。このような高塩分、高窒素の濃縮液については焼却処置が一般的であるが、ゴミ埋立処分場の含水量が大きいことにより、廃水の焼却発熱量が低く、濃縮液に廃水処理を行うことで基準に達させて排出する必要がある。このような廃水は、高塩分、高毒性、高窒素のため、一般的な微生物で処理すると、基準に達することができず、濃縮液に適した高度な生物学的脱窒法が期待される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の目的:本発明が解決しようとする技術的課題は、ゴミ浸出液の膜濃縮液中の総窒素含有量を効果的に除去できるシュードモナス・バレアリカを提供することである。
【0005】
本発明がまた解決しようとする技術的課題は、上記シュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明が採用する技術的手段は以下のとおりである。
【0007】
本発明のシュードモナス・バレアリカは、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1と命名され、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)と分類して命名され、菌株番号がEBT-1であり、2019年9月17日に中国武漢大学の中国典型培養物寄託センターに寄託され、寄託番号がCCTCC M 2019730である。
【0008】
ゴミ浸出液処理プラントの活性汚泥を収集し、高塩分のゴミ浸出液の膜濃縮液を段階的に馴養すると、本発明のシュードモナス・バレアリカを得る。
【0009】
該菌株の生物学的性質は以下のとおりである。本発明のシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1菌株は高塩分ゴミ浸出液(塩分>3%)汚水処理システムにおける活性汚泥に由来し、分離精製後、LB培地にて35℃の好気性条件下で良好に成長しており、コロニーは不規則な円形をしており、直径が2~5mmであり、白色で不透明であり、表面に外部から内部へ皺があり、グラム染色したところ陰性を示し、顕微鏡で観察すると細胞の形状が棒状である。
【0010】
本発明で得られた菌株EBT-1について、16S rRNAでシーケンシングし、BLAST分析を行い、本発明で得たシュードモナス株EBT-1遺伝子配列をNCBIにおいて検出したところ、その遺伝子配列はシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)との類似性が99%以上と高く、このため、得られた菌株がシュードモナス・バレアリカであると同定される。
【0011】
上記シュードモナス・バレアリカのゴミ浸出液の膜濃縮液の処理における使用。
【0012】
シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1を培地に接種し、30~35℃で24~32h好気的培養し、EBT-1拡大培養生成物を得て、次に、ゴミ浸出液の膜濃縮液に接種して処理を行う。
【0013】
シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1を培地に接種して培養するときの接種量が3%~5%である。
【0014】
培地(水)1Lは、成分として、コーンスティープリカー(乾燥粉末)10~12.5質量部、酵母エキス5質量部、リン酸水素二カリウム1質量部、塩化ナトリウム10質量部、無水酢酸ナトリウム2.5質量部及び硫酸マグネシウム0.03質量部を含む。
【0015】
シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1は、ゴミ浸出液の膜濃縮液中の窒素含有化合物の分解に用いられ、窒素含有化合物は硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、及びアンモニア態窒素を含む。
【0016】
シュードモナス・バレアリカによるゴミ浸出液の膜濃縮液中の窒素含有化合物の分解は、嫌気性/低酸素条件下で行われる。
【0017】
シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1がゴミ浸出液の膜濃縮液中の窒素含有化合物を分解するときに、0.2%~0.4%の接種量で菌液をゴミ浸出液の膜濃縮液の嫌気性/低酸素処理反応器に添加し、反応器中の廃水のCOD/Nが4:1~6:1である。
【0018】
ゴミ浸出液の膜濃縮液の塩分が3%以上である。
【0019】
培養して得たシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1拡大培養生成物を遠心分離し、菌体固体を得る。0.4%の接種量で遠心分離後の固体を塩分の異なる測定給水に接種し、30℃、150rpmで振とう処理を行い、異なる塩分で窒素含有化合物に対するシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1の分解速度を追跡した結果、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1は7%以下(7%含有)塩分の範囲の廃水に適用できる。
【0020】
塩分測定給水1Lあたり、質量分率で、グルコース 6.1g、KNO 6.07g、KHPO 1.5g、KHPO・3HO 6.0g、MgSO・7HO 1.0g及び所望の塩分に応じて添加されるNaClが成分として添加される。
【0021】
培養して得たシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1拡大培養生成物を遠心分離し、菌体固体を得る。遠心分離固体を、ゴミ浸出液の膜濃縮液を入れた低酸素瓶に0.4%の接種量で接種し、30℃、150rpmで振とう処理を行ったところ、ゴミ浸出液の膜濃縮液に対するシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1の全窒素除去率が99%と高い。
【0022】
ゴミ浸出液の膜濃縮液の嫌気性/低酸素処理反応器の有効体積は2Lであり、反応器中の元の汚泥は、濃度が60000~80000mg/Lであり、水理学的滞留時間が12hであり、炭素源を外添することにより炭素と窒素の比率を4:1とし、培養して得たシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1拡大培養菌液を0.2%の接種量でゴミ浸出液の膜濃縮液の嫌気性/低酸素処理反応器に添加すると、反応器中の汚泥活性が効果的に向上し、全窒素除去率が30%から98.89%に効果的に上がり、且つ排出水の水質が安定して基準に達する。本発明のシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1を既存の汚泥システムに添加することにより、汚泥システムの脱窒効率を効果的に向上できることが示される。
【発明の効果】
【0023】
有益な効果
本発明は、ゴミ浸出液の膜濃縮液を段階的に馴養して、高耐塩性シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1を得て、該シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1は、ゴミ浸出液の膜濃縮液に対する効率的な生物脱窒を実現でき、また、既存の活性汚泥の脱窒速度を効果的に向上させ、汚泥の脱窒効果を高めることができ、排出水の水質が安定的である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施例3におけるEBT-1の塩分適応的脱窒効果図である。
図2】実施例4におけるEBT-1のゴミ浸出液の膜濃縮液に対する高度脱窒効率図である。
図3】ゴミ浸出液の膜濃縮液の嫌気性/低酸素処理反応器の構造模式図である。
図4】実施例5におけるEBT-1のゴミ浸出液の膜濃縮液反応器に対する脱窒強化効率図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面及び具体的な実施例を参照して本発明の技術案をさらに説明する。
【0026】
実施例1:菌株の分離及び同定
菌株EBT-1は、ゴミ焼却プラントのゴミ浸出液汚水処理システムの活性汚泥からスクリーニングされた、脱窒活性を有する好気性脱窒細菌である。
【0027】
分離スクリーニング方法:ゴミ浸出液(高塩分)汚水処理生化学システムから活性汚泥を取り出し、活性汚泥5gを硝酸態窒素濃度100mg/LのDM無機塩培地(培地中の塩分>3%)に接種し、温度35℃、回転数150rpmの振とう機にて1日間培養し、第一菌液を得て、5%(体積分率)の接種量で第一菌液を硝酸態窒素濃度200mg/LのDM無機塩培地(培地中の塩分>3%)に接種し、温度35℃、回転数150rpmの振とう機にて1日間培養し、第二菌液を得て、5%の接種量で第二菌液を硝酸態窒素濃度300mg/LのDM無機塩培地に接種し、温度35℃、回転数150rpmの振とう機にて1日間培養し、第三菌液を得て、第三菌液を吸い取り、DM無機塩固体培地(培地中の塩分>3%)に塗布し、35℃で静置して培養し、生長速度が速い菌株を選択し、生長速度が速い菌株を、ブロモチモールブルーを含有するDM無機塩固体培地(培地中の塩分>3%)にてストリークし、35℃で静置して培養し、平板が青くなった菌株を得て、スクリーニングした菌株をDM無機塩固体培地(培地中の塩分>3%)にてさらにストリークして精製し、単一コロニーを選択し、このコロニーは本発明のシュードモナス・バレアリカであり、菌株番号がEBT-1であり、該菌株EBT-1は、高塩分のゴミ浸出液の膜濃縮液に対する効率的な生物脱窒を実現できる。
【0028】
菌株EBT-1のコロニーの特徴は以下のとおりである。分離精製後、LB培地にて、35℃の好気性条件下で生長が良好であり、コロニーは不規則的な円形をしており、直径が2~5mmであり、白色で不透明であり、表面に外部から内部への皺があり、グラム染色したところ陰性を示し、顕微鏡で観察すると細胞の形状が棒状である。
【0029】
PCR増幅を行って得たEBT-1菌16S rRNAフルシーケンスは以下のとおりである(SEQ ID NO.1)。
【0030】
gcttgcggcagactacacatgcagtcgagcggcagcgggtccttcgggatgccggcgagcggcggacgggtgagtaatgcctaggaatctgcctggtagtgggggataactcggggaaactcgagctaataccgcatacgtcctacgggagaaagcgggggatcttcggacctcgcgctaccagatgagcctaggtcggattagctagttggtgaggtaaaggctcaccaaggcgacgatccgtagctggtctgagaggatgatcagccacactggaactgagacacggtccagactcctacgggaggcagcagtggggaatattggacaatgggcgaaagcctgatccagccatgccgcgtgtgtgaagaaggtcttcggattgtaaagcactttaagttgggaggaagggcagtaagctaatatcttgctgttttgacgttaccgacagaataagcaccggctaacttcgtgccagcagccgcggtaatacgaagggtgcaagcgttaatcggaattactgggcgtaaagcgcgcgtaggtggtttgataagttggatgtgaaagccccgggctcaacctgggaattgcatccaaaactgtctgactagagtatggcagagggtggtggaatttcctgtgtagcggtgaaatgcgtagatataggaaggaacaccagtggcgaaggcgaccatctgggctaatactgacactgaggtgcgaaagcgtggggagcaaacaggattagataccctggtagtccacgccgtaaacgatgtcgactagccgttgggatccttgagatcttagtggcgcagctaacgcattaagtcgaccgcctggggagtacggccgcaaggttaaaactcaaatgaattgacgggggcccgcacaagcggtggagcatgtggtttaattcgaagcaacgcgaagaaccttaccaggccttgacatgcagagaactttccagagatggattggtgccttcgggaactctgacacaggtgctgcatggctgtcgtcagctcgtgtcgtgagatgttgggttaagtcccgtaacgagcgcaacccttgtccttagttaccagcacgttaaggtgggcactctaaggagactgccggtgacaaaccggaggaaggtggggatgacgtcaagtcatcatggcccttacggcctgggctacacacgtgctacaatggtcggtacaaagggttgccaagccgcgaggtggagctaatcccataaaaccgatcgtagtccggatcgcagtctgcaactcgactgcgtgaagtcggaatcgctagtaatcgtgaatcagaatgtcacggtgaatacgttcccgggccttgtacacaccgcccgtcacaccatgggtagtgggttgctccagaagtaagcgaagtctaaccttcggggggacggtaccacggagatactg
【0031】
比較したところ、その遺伝子配列はシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)との類似性が99%以上と高く、このため、得られた菌株がシュードモナス・バレアリカであると同定される。
【0032】
実施例2:本発明のシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1の拡大培養
拡大培養に使用される培地は、成分として、水1Lあたりコーンスティープリカー(乾燥粉末)10g、酵母エキス5g、塩化ナトリウム10g、無水酢酸ナトリウム2.5g、リン酸水素二カリウム1g及び硫酸マグネシウム0.03gを含み、培地の初期pHが6.5である。
【0033】
培地の製造プロセス:コーンスティープリカー(乾燥粉末)10g、酵母エキス5g、塩化ナトリウム10g、無水酢酸ナトリウム2.5g、リン酸水素二カリウム1g及び硫酸マグネシウム0.03gを水1000gに溶解し、アルカリでそのpHを6.5に調整し、121℃で20min殺菌し、培地を得た。
【0034】
シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1菌母液を3%~5%(体積分率)の接種量で培地に接種し、30~35℃で28~32h培養した。
【0035】
本発明の培地を用いて拡大培養した後、拡大培養した菌液を希釈平板法でカウントしたところ、目標有効菌量が5×10~1×10CFU/mLである。
【0036】
実施例3:本発明のシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1の塩分適応性の検討
実施例2で培養したシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1拡大培養液を6000rpmで5min遠心分離し、上清液を捨てて、活性化した菌体固体を得た。0%、3%、7%、10%の4つの塩分の勾配を設定した。塩分測定給水1Lあたり、質量分率で、グルコース6.1g、KNO 6.07g、KHPO 1.5g、KHPO・3HO 6.0g、MgSO・7HO 1.0g、NaCl(所望の塩分に応じて調整される)が成分として含有される。遠心分離菌体固体を0.4%の接種量で塩分測定給水に接種し、250mL青蓋付瓶にて30℃、150rpmで振とう処理を行う。
【0037】
異なる塩分の条件反応における全窒素の変化を検出し、結果を図1に示す。図1に示すように、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1の脱窒速度は、塩分の増加に伴って低下し、5%塩分以下では、全窒素除去率は90%以上に達し、7%塩分では、全窒素除去率は50%以上である。本特許のシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1は、高塩分ゴミ浸出液の生化学システムにおける汚泥から得られるものであり、それ自体は一定の耐塩特性を有しており、効率的な脱窒馴養及びスクリーニングにより得られるものであり、自体は高塩耐性、脱窒性能がある。
【0038】
実施例4:本発明のシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1のゴミ浸出液の膜濃縮液に対する生物脱窒効果の分析
実施例2で培養したシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1拡大培養液の菌液を新しい遠心分離管に移し、6000rpmで5min遠心分離し、上清液を捨てて、活性化した菌体固体を得て、きれいな青蓋付瓶を準備し、青蓋付瓶にゴミ浸出液の膜濃縮液(塩分3.5%)を200mL加え、次に無水酢酸ナトリウムを炭素源として加え、廃液中の炭素と窒素の比を4:1とし、最後に、シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1を0.4%の接種量で加え、30℃、150rpmで振とう処理した。
【0039】
反応中のゴミ浸出液の膜濃縮液中の全窒素の変化を検出し、結果を図2に示す。図2に示すように、72h処理すると、ゴミ浸出液の膜濃縮液中の全窒素濃度は初期濃度1110.74mg/Lから13.37mg/Lに下がり、このことから分かるように、本発明のシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1は、ゴミ浸出液の膜濃縮液に対する全窒素除去率が99%と高い。シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1は通性嫌気性菌であり、また好気性脱窒特性を有し、低酸素環境でも高い脱窒機能を有する。
【0040】
実施例5:本発明のシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1のゴミ浸出液の膜濃縮液に対する生物脱窒の強化効果の分析
ゴミ浸出液の膜濃縮液の嫌気性/低酸素反応器の構造は図3に示される。ゴミ浸出液の膜濃縮液及び外添炭素源混合液が反応器の底部から入り、活性汚泥による嫌気性/低酸素反応を経た後、反応器の上部から流出する。反応器は、有効容積が2L、水理学的滞留時間が12h、汚泥濃度が60000mg/L~80000mg/L、外添の炭素源の炭素と窒素の比が4:1であり、給水と排出を連続的に行い、排出水の窒素含有化合物の指標を毎日検出し、脱窒効率を検出し、反応器からの排出水の水質が安定的になった後、実施例2において培養したシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1拡大培養液菌液を0.2%の接種量で反応器汚泥に投入し、菌剤投入前後に安定的に排出する水の脱窒効率を追跡する。
【0041】
ゴミ浸出液の膜濃縮液の嫌気性/低酸素反応器に菌剤を投入する前後に安定的に排出する水の脱窒効率の結果を図4に示す。図4に示すように、菌剤投入前(図4の第I段階)に、ゴミ浸出液の膜濃縮液の嫌気性/低酸素反応器への給水の全窒素濃度が547.48mg/Lであり、脱窒活性汚泥が過量の炭素源によるショックを受けているので、コミュニティの構造が変わり、これにより汚泥の脱窒活性が劣り、排出水の全窒素除去率が30%~50%の間で変動し、投入されるシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1菌剤と反応器の汚泥が十分に混合されると(図4の第II段階)、排出する水の全窒素除去率が効果的に向上し、適応周期の増加に伴い、全窒素除去率が明らかに向上し、最終的な排出水の全窒素除去率が98.89%に達し、次に、給水の全窒素濃度を1000mg/L(図4の第III段階)に向上させ、このようにしても、システムの全窒素除去率が90%以上に安定化されている。シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1菌剤は、高効率の脱窒性能を有し、脱窒活性汚泥システムに添加されると、該システムにおける脱窒脱窒菌群落の構造を豊富にし、汚泥の脱窒性能を大幅に向上させる。そして、該菌剤は、ゴミ浸出液の膜濃縮液に効果的に適用でき、システムにおいて生長して繁殖し、流失しにくく、それにより、排出水の水質の安定性が確保される。
【0042】
本発明のシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1は、ゴミ浸出液の膜濃縮液の全窒素除去効率が高く、ゴミ浸出液の膜濃縮液の高度脱窒という難問を効果的に解決できる。そして、本発明のシュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica)EBT-1は、既存の汚泥システムに添加されると、汚泥システムの脱窒効率を効果的に向上できる。
図1
図2
図3
図4
【配列表】
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【国際調査報告】