(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(54)【発明の名称】拡張コネクタ
(51)【国際特許分類】
F16B 13/08 20060101AFI20220127BHJP
F16B 12/12 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
F16B13/08 C
F16B12/12 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548181
(86)(22)【出願日】2020-02-03
(85)【翻訳文提出日】2021-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2020052556
(87)【国際公開番号】W WO2020173664
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】202019101077.0
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518333443
【氏名又は名称】ハーフェレ ベルリン ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ メルツ
【テーマコード(参考)】
3J024
3J025
【Fターム(参考)】
3J024AA50
3J024BA03
3J024CA14
3J025AA02
3J025BA01
3J025CA03
(57)【要約】
2つの部品(21、22)、特に、2つの家具パネルを連結するための拡張コネクタ(1)であって、円筒形のボルトシャフト(2a)、一方のボルト端部に位置するボルトヘッド(2b)、及び、もう一方のボルト端部に位置し、且つ、ボルトヘッド(2b)に向かう方向に先細になる拡張コーン(2c)を有するボルト(2)と、ボルト(2)に変位可能に取り付けられ、少なくとも2つの拡張タブ(5)を有し、且つ、各拡張タブ(5)が自分のタブ端部に位置するボルトヘッド(2b)に面する半径方向外向きに突き出たカラー(6)を有するプラスチック製の拡張スリーブ(3)と、を備え、ボルト(2)に関連する変位によって、拡張スリーブ(3)を拡張されていない開始位置から、拡張タブ(5)が拡張コーン(2c)によって半径方向外向きに拡張される拡張された終了位置に、移動させることが可能である。本発明によれば、開始位置で、拡張タブ(5)は、いずれの場合も、ボルトヘッド(2a)に面するエッジ(8)がボルトヘッドに面するタブ端部から軸方向に間隔を置いているガイド部(7)を介して、ボルトシャフト(2a)に当接し、ガイド部(7)は、いずれの場合も、拡張タブ(5)をボルトヘッド(2b)に面する第1のタブ部(9)とボルトヘッド(2b)から離れて面する第2のタブ部(10)に分割し、第1のタブ部(9)は、ボルトシャフト(2a)から半径方向に間隔を置いており、終了位置で、拡張タブ(5)はそれぞれ、ガイド部(7)のエッジ(8)を中心に回転する。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部品(21、22)、特に、2つの家具パネルを連結するための拡張コネクタ(1)であって、
円筒形のボルトシャフト(2a)、一方のボルト端部に位置するボルトヘッド(2b)、及び、もう一方のボルト端部に位置し、且つ、前記ボルトヘッド(2b)に向かう方向に先細になる拡張コーン(2c)を有するボルト(2)と、
前記ボルト(2)に変位可能に取り付けられ、少なくとも2つの拡張タブ(5)を有し、且つ、各拡張タブ(5)が自分のタブ端部に位置する前記ボルトヘッド(2b)に面する半径方向外向きに突き出たカラー(6)を有するプラスチック製の拡張スリーブ(3)と、
を備え、
前記ボルト(2)に関連する変位によって、前記拡張スリーブ(3)を拡張されていない開始位置から、前記拡張タブ(5)が前記拡張コーン(2c)によって半径方向外向きに拡張される拡張された終了位置に、移動させることが可能であり、
前記開始位置で、
前記拡張タブ(5)は、いずれの場合も、前記ボルトヘッド(2a)に面するエッジ(8)が前記ボルトヘッドに面する前記タブ端部から軸方向に間隔を置いているガイド部(7)を介して、前記ボルトシャフト(2a)に当接し、
前記ガイド部(7)は、いずれの場合も、前記拡張タブ(5)を前記ボルトヘッド(2b)に面する第1のタブ部(9)と前記ボルトヘッド(2b)から離れて面する第2のタブ部(10)に分割し、
前記第1のタブ部(9)は、ボルトシャフト(2a)から半径方向に間隔を置いており、
前記終了位置で、
前記拡張タブ(5)はそれぞれ、前記ガイド部(7)の前記エッジ(8)を中心に回転することを特徴とする拡張コネクタ。
【請求項2】
環状フランジ(2d)は、前記ボルトヘッド(2b)と前記拡張コーン(2c)の間の前記ボルトシャフト(2a)に設けられており、
前記第1のタブ部(9)は、前記開始位置で、前記環状フランジ(2d)に半径方向に当接し、
前記環状フランジ(2d)は、前記終了位置で、前記第1のタブ部(9)を軸方向に越えて摺動することを特徴とする請求項1に記載の拡張コネクタ。
【請求項3】
前記終了位置で、前記第1のタブ部(9)は、前記ボルトシャフト(2a)に当接するまで回転することを特徴とする請求項1又は2に記載の拡張コネクタ。
【請求項4】
前記開始位置で、前記第1のタブ部(9)は、前記拡張コーン(2c)に向かう方向に内側で先細になり、及び/又は、前記第2のタブ部(10)は、前記拡張コーン(2c)に向かう方向に外側で先細になることを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の拡張コネクタ。
【請求項5】
前記第1のタブ部(9)は、特に、前記ボルトヘッドに面する前記タブ端部で、前記終了位置で塑性変形する連結用ウェブ(12)によって互いに連結されていることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の拡張コネクタ。
【請求項6】
前記開始位置で、前記第2のタブ部(10)の自由端部は、前記拡張コーン(2c)上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の拡張コネクタ。
【請求項7】
少なくとも前記第2のタブ部(10)は、外側に、特にアゴ状リブ(11)を有することを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の拡張コネクタ。
【請求項8】
前記ボルト(2)は金属製であり、前記拡張スリーブ(3)にてオーバーモールドされていることを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の拡張コネクタ。
【請求項9】
プラスチック製のセンタリング・エレメント(4)は、前記ボルトヘッド(2b)と前記拡張スリーブ(3)の間、特に、前記ボルトヘッド(2b)と前記環状フランジ(2d)の間の前記ボルトシャフト(2a)に配置されており、
前記プラスチック製のセンタリング・エレメントは、前記ボルト(2)に対して同軸である外径を規定することを特徴とする請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の拡張コネクタ。
【請求項10】
前記センタリング・エレメント(4)は、半径方向に、少なくとも2つの弾性外側(14)を有し、
これらの弾性外側(14)は、特に、前記ボルト(2)に対して互いに向かい合って位置することを特徴とする請求項9に記載の拡張コネクタ。
【請求項11】
前記弾性外側(14)には、特に、アゴ状リブ(15)を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の拡張コネクタ。
【請求項12】
前記ボルト(2)は金属製であり、前記センタリング・エレメント(4)にてオーバーモールドされていることを特徴とする請求項9乃至11のうち何れか1項に記載の拡張コネクタ。
【請求項13】
請求項1乃至12のうち何れか1項に記載の拡張コネクタ(1)によって互いに連結されている2つの部品(21、22)を含む配置(20)であって、
前記拡張スリーブ(3)は、一方の部品である第1の部品(21)のボア(23)に挿入されており、
前記拡張タブ(5)はそれぞれ、前記拡張コーン(2c)によって、前記ガイド部(7)の前記エッジ(8)を中心に回転し、
その結果として、
前記第2のタブ部(10)は、前記第1のボア(23)のボア壁に当接するまで半径方向外向きに回転し、前記第1のタブ部(9)は、自身のカラー(6)と共に半径方向内向きに回転することを特徴とする配置。
【請求項14】
前記拡張コネクタ(1)は、前記ボルトヘッド(2b)と前記拡張スリーブ(3)の間、特に、前記ボルトヘッド(2b)と前記環状フランジ(2c)の間の前記ボルトシャフト(2a)に、プラスチック製のセンタリング・エレメント(4)を有し、
前記プラスチック製のセンタリング・エレメントは、前記ボルト(2)に対して同軸である外径を有し、
前記プラスチック製のセンタリング・エレメントは、もう一方の部品である第2の部品(23)のボア(24)に挿入されていることを特徴とする請求項13に記載の配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの部品、特に、2つの家具パネルを連結するための拡張コネクタであって、円筒形のボルトシャフト、一方のボルト端部に位置するボルトヘッド、及び、もう一方のボルト端部に位置し、且つ、ボルトヘッドに向かう方向に先細になる拡張コーンを有するボルトと、ボルトに変位可能に取り付けられ、少なくとも2つの拡張タブを有し、且つ、各拡張タブが自分のタブ端部に位置するボルトヘッドに面する半径方向外向きに突き出たカラーを有するプラスチック製の拡張スリーブと、を備え、ボルトに関連する変位によって、拡張スリーブを拡張されていない開始位置から、拡張タブが拡張コーンによって半径方向外向きに拡張される拡張された終了位置に、移動させることが可能である、拡張コネクタに関する。本発明の拡張コネクタは、特に、チップボード、中密度繊維板(MDF)、又は、木質様材料で製造された部品(パネル)に適している。
【背景技術】
【0002】
このような拡張コネクタ、例えば、HAFELE Minifix C100拡張ボルトは、よく知られている。
【0003】
拡張コネクタは、結合する一方のパネルの端側のボア、又は、結合するもう一方のパネルの表面側のボアに予備的に挿入される。ここで、軸方向における拡張コネクタの正確な位置を確保するために、拡張コネクタは、拡張スリーブ上に、ストップリングを有する。ストップリングは、拡張スリーブがボアに深く挿入されすぎるのを防ぐ。ストップリングが小さすぎたり薄すぎたりすると、拡張スリーブがボアに深く滑り込むリスクがある。また、ストップリングが大きすぎたり厚すぎたりすると、締め付け後に、目に見える結合がパネル間に残るリスクがある。拡張コネクタが端側の横ボアに予備的に挿入されている間に、拡張コネクタが緩すぎるほど止まると脱落したり、きつすぎるほど止まると困難を伴うだけの挿入になったりするという問題がよく起きる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対照的に、本発明は、冒頭部分で述べたタイプの拡張コネクタの場合に連結される2つの部品の間の結合の形成を確実に防止するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、開始位置で、拡張タブは、いずれの場合も、ボルトヘッドに面するエッジがボルトヘッドに面するタブ端部から軸方向に間隔を置いているガイド部を介して、ボルトシャフトに当接し、ガイド部は、いずれの場合も、拡張タブをボルトヘッドに面する第1のタブ部とボルトヘッドから離れて面する第2のタブ部に分割し、第1のタブ部は、ボルトシャフトから半径方向に間隔を置いており、終了位置で、拡張タブはそれぞれ、ガイド部のエッジを中心にロッカー(rocker)のように回転することによって達成される。好ましくは、ボルトは金属製であり、拡張スリーブにてオーバーモールドされている。
【0006】
本発明によれば、終了位置で、第2のタブ部は半径方向外向きに回転し、第1のタブ部は、自身のカラーと共に半径方向内向きに回転する。このロッキング・メカニズム(rocking mechanism)により、カラーが半径方向内向きに引き込まれる。また、このロッキング・メカニズムによって、自己遅延システム(self-retarding system)が拡張コーンと拡張スリーブの間に生成されるという結果も得られる。上記自己遅延システムは、拡張コーンに作用する引張力をボア壁へ半径方向外向きに転ずる。この新規動作原理は、特に、低い材料密度を有するパネルの場合、より良い負荷値を約束する。
【0007】
特に好ましくは、環状フランジは、ボルトヘッドと拡張コーンの間のボルトシャフトに設けられており、第1のタブ部は、開始位置で、環状フランジに半径方向に当接し、環状フランジは、終了位置で、第1のタブ部を軸方向に越えて摺動する。環状フランジは、カラーが開始位置で半径方向内向きに撓むことができないようにする。
【0008】
好ましくは、拡張タブを回転させるためのフリースペースを生成するために、開始位置で、第1のタブ部は、拡張コーンに向かう方向に内側で先細になり、及び/又は、第2のタブ部は、拡張コーンに向かう方向に外側で先細になる。第1のタブ部及び第2のタブ部が先細になる代わりに、第1のタブ部及び第2のタブ部の外径及び内径が、段階的に又は間隔を置いて減少してもよい。
【0009】
好ましくは、第1のタブ部は、特に、ボルトヘッドに面するタブ端部で、終了位置で塑性変形する連結用ウェブによって互いに連結されている。開始位置で、第2のタブ部は、所定の限界点(breaking point)によって互いに連結されてもよいし、また、第2のタブ部の自由端部は、拡張コーン上に既に配置されていてもよい。有利には、拡張された拡張スリーブをボアにしっかりと固定するために、少なくとも第2のタブ部は、外側に、例えば、アゴ状リブ(ribbing)を有してもよい。
【0010】
本発明の特に好ましい実施形態では、プラスチック製のセンタリング・エレメントは、ボルトヘッドと拡張スリーブの間、特に、ボルトヘッドと環状フランジの間のボルトシャフトに配置されており、プラスチック製のセンタリング・エレメントは、ボルトに対して同軸である挿入直径(insertion diameter)又は外径を規定する。好ましくは、ボルトは、センタリング・エレメントにてオーバーモールドされている。センタリング・エレメントは、拡張コネクタを結合される部品のボアに予備的に挿入するために使用され、ボアにぴったりとはまるように、外径がボアの直径よりわずかに大きくなるように選択される。更に、センタリング・エレメントは、ボア公差を補償すると共に、追加の接触圧力を提供するために、半径方向に、少なくとも2つの弾性外側を有し、これらの弾性外側は、特に、ボルトに対して互いに向かい合って位置するように構成されてもよい。
【0011】
また、本発明は、上記のように構成された拡張コネクタによって互いに連結されている2つの部品を含む配置であって、拡張コネクタの拡張スリーブは、一方の部品である第1の部品のボアに挿入されており、拡張タブはそれぞれ、拡張コーンによって、ガイド部のエッジを中心に回転し、その結果として、第2のタブ部は、第1のボアのボア壁に当接するまで半径方向外向きに回転し、第1のタブ部は、半径方向内向きに回転する配置に関する。その結果、カラーはボア内に半径方向内向きに引き込まれ、よって、目に見える結合が2つの部品の間に残らない。
【0012】
好ましくは、拡張コネクタは、ボルトヘッドと拡張スリーブの間、特に、ボルトヘッドと環状フランジの間のボルトシャフトに、プラスチック製のセンタリング・エレメントを有し、プラスチック製のセンタリング・エレメントは、第2の部品のボアに挿入されている。センタリング・エレメントは、半径方向に弾性外側を有し、弾性外側は、ボルトに対して同軸であり、且つ、ボアの直径よりわずかに大きい挿入直径又は外径を規定する。これらの弾性外側は、特に、保持爪の形をした外部リブを弾性外側に有する場合に、ボア公差を補償し、拡張コネクタの望ましくない、ボアからの落下を打ち消すことができる。
【0013】
本発明の更なる利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面から明らかになる。前述した特徴及び以下で更に説明する特徴は、同様に、いずれの場合も、個別的に又は任意の所望の組み合わせで単独に使用することができる。図示及び説明される実施形態は、本発明の全てを完全に網羅していると解されるべきではなく、むしろ、本発明を説明するための例示的性質を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】開始位置における本発明に係る拡張コネクタの側面図である。
【
図2a】2つの家具パネルが連結されている間の、その拡張されていない開始位置における本発明に係る拡張コネクタの長手方向断面を示す図である。
【
図2b】2つの家具パネルが連結されている間の、その拡張された終了位置における本発明に係る拡張コネクタの長手方向断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示された、開始位置における拡張コネクタ1は、ボルト2、ボルト2上で変位可能であるプラスチック製の拡張スリーブ3、及び、ボルト2上に配置されるプラスチック製のセンタリング・エレメント4を備える。ボルト2は、例えば、鋼製であり、拡張スリーブ3及びセンタリング・エレメント4にてオーバーモールドされている。
【0016】
ボルト2は、円筒形のボルトシャフト2a、一方のボルト端部に位置するボルトヘッド2b、もう一方のボルト端部に位置し、且つ、ボルトヘッド2bに向かう方向に先細になる拡張コーン2c、及び、ボルトヘッド2bと拡張コーン2cの間のボルトシャフト2aに設けられている環状フランジ2dを有する。
【0017】
拡張スリーブ3は、環状フランジ2と拡張コーン2cの間のボルト2上に配置されている。また、拡張スリーブ3は、ボルト2に対して互いに向かい合って位置する2つの拡張タブ5を有する。更に、各拡張タブ5のタブ端部で半径方向外向きに突き出ているそれぞれのカラー6は、ボルトヘッド2bに面する。カラー6は、特に厚くて頑丈な構成にすることができる。拡張タブ5は、いずれの場合も、ボルトヘッド2bに面するエッジ8がボルトヘッドに面するタブ端部から軸方向に間隔を置いているガイド部7を介して、ボルトシャフト2aに当接する。ガイド部7のエッジ8は、いずれの場合も、拡張タブ5をボルトヘッド2bに面する第1のタブ部9とボルトヘッド2bから離れて面する第2のタブ部10に分割する。第1のタブ部9は、ボルトシャフト2aから半径方向に間隔を置いており、カラー6の軸方向の高さで環状フランジ2dに半径方向に当接する。いずれの場合も、第1のタブ部9は、拡張コーン2cに向かう方向に内側で先細になり、第2のタブ部10は、拡張コーン2cに向かう方向に外側で先細になる。第2のタブ部10の自由端部は、拡張コーン2c上に配置されている。また、第1のタブ部9及び第2のタブ部10は、外側に、アゴ状リブ11を有する。拡張タブ5は、ボルトヘッドに面するタブ端部で、連結用ウェブ12によって恒久的に連結されている。ボルトヘッドに面するタブ端部と連結用ウェブ12は、一緒にリングを形成する。
【0018】
スリーブ形状を有するセンタリング・エレメント4は、ボルトヘッド2aと環状フランジ2dの間のボルトシャフト2a上で、可能な限り変位不可能な方法で配置されている。センタリング・エレメント4は、半径方向に2つの弾性外壁14を有し、これらの弾性外壁14は、ボルト2に対して互いに向かい合って位置する。また、弾性外壁14には、アゴ状リブ15を有する。更に、弾性外壁14は、ボルト2に対して同軸である挿入直径又は外径を規定する。
【0019】
図2a及び
図2bには、チップボード、MDF、又は、木質様材料で製造された、結合される2つの家具パネル21、22を含み、拡張コネクタ1を含む家具配置20を示す。
【0020】
図2aにおいて、一方では、拡張コネクタ1の拡張スリーブ3は、カラー6が第1の家具パネル21に当接するまで、一方の家具パネルである第1の家具パネル21の端側のボア23に挿入され、他方では、拡張コネクタ1のセンタリング・エレメント4は、他方の家具パネルである第2の家具パネル22の表面側のボア24に挿入される。カラー6は、拡張コネクタ1が端側のボア23に深く挿入されすぎるのを防ぎ、拡張スリーブ3は、第1のタブ部9のリブ11によって端側のボア23に保持され、その挿入直径又は外径は、端側のボア23のボア直径よりわずかに大きい。センタリング・エレメント4は、そのリブ15によって表面側のボア23に保持され、その挿入直径又は外径は、表面側のボア24のボア直径よりわずかに大きい。ここで、半径方向内向きに撓む弾性外側14は、ボア壁上のリブ11の追加の接触圧力を確実にする。
図2aに示されるように、2つの家具パネル21、22は、それらの間に位置するカラー6のために、互いに当接しない。
【0021】
第2の家具パネル22に配置され、且つ、ボルトヘッド2aに係合する締め付けエレメント(図示せず)によって、ボルト2は方向Aに引っ張られ、その結果、拡張コネクタ1は、
図2aに示されるその拡張されていない開始位置から、
図2bに示される拡張された終了位置に移動される。拡張スリーブ3に関連するボルト2の変位の結果として、一方では、環状フランジ2dは、第1のタブ部9を軸方向に越えて摺動し、他方では、第2のタブ部10が拡張コーン2cによって半径方向外向きに拡張される。第2のタブ部10の拡張は、拡張タブ5がそれぞれガイド部7のエッジ8を中心にロッカーのように回転し、連結用ウェブ12がその過程で塑性変形するという効果を有する。拡張タブ5の回転の結果として、一方では、第2のタブ部10が半径方向外向きに回転し、それにより、それらのリブ11が第1のボア23のボア壁に押し込まれ、他方では、第1のタブ部10は、例えば、それらがボルトシャフト2aに当接するまで、半径方向内向きに回転し、その結果、カラー6はボア23、24に引き込まれ、目に見える結合が2つの家具パネル21、22の間に残らない。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
拡張スリーブ3は、環状フランジ2dと拡張コーン2cの間のボルト2上に配置されている。また、拡張スリーブ3は、ボルト2に対して互いに向かい合って位置する2つの拡張タブ5を有する。更に、各拡張タブ5のタブ端部で半径方向外向きに突き出ているそれぞれのカラー6は、ボルトヘッド2bに面する。カラー6は、特に厚くて頑丈な構成にすることができる。拡張タブ5は、いずれの場合も、ボルトヘッド2bに面するエッジ8がボルトヘッドに面するタブ端部から軸方向に間隔を置いているガイド部7を介して、ボルトシャフト2aに当接する。ガイド部7のエッジ8は、いずれの場合も、拡張タブ5をボルトヘッド2bに面する第1のタブ部9とボルトヘッド2bから離れて面する第2のタブ部10に分割する。第1のタブ部9は、ボルトシャフト2aから半径方向に間隔を置いており、カラー6の軸方向の高さで環状フランジ2dに半径方向に当接する。いずれの場合も、第1のタブ部9は、拡張コーン2cに向かう方向に内側で先細になり、第2のタブ部10は、拡張コーン2cに向かう方向に外側で先細になる。第2のタブ部10の自由端部は、拡張コーン2c上に配置されている。また、第1のタブ部9及び第2のタブ部10は、外側に、アゴ状リブ11を有する。拡張タブ5は、ボルトヘッドに面するタブ端部で、連結用ウェブ12によって恒久的に連結されている。ボルトヘッドに面するタブ端部と連結用ウェブ12は、一緒にリングを形成する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
スリーブ形状を有するセンタリング・エレメント4は、ボルトヘッド2bと環状フランジ2dの間のボルトシャフト2a上で、可能な限り変位不可能な方法で配置されている。センタリング・エレメント4は、半径方向に2つの弾性外壁14を有し、これらの弾性外壁14は、ボルト2に対して互いに向かい合って位置する。また、弾性外壁14には、アゴ状リブ15を有する。更に、弾性外壁14は、ボルト2に対して同軸である挿入直径又は外径を規定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
図2aにおいて、一方では、拡張コネクタ1の拡張スリーブ3は、カラー6が第1の家具パネル21に当接するまで、一方の家具パネルである第1の家具パネル21の端側のボア23に挿入され、他方では、拡張コネクタ1のセンタリング・エレメント4は、他方の家具パネルである第2の家具パネル22の表面側のボア24に挿入される。カラー6は、拡張コネクタ1が端側のボア23に深く挿入されすぎるのを防ぎ、拡張スリーブ3は、第1のタブ部9のリブ11によって端側のボア23に保持され、その挿入直径又は外径は、端側のボア23のボア直径よりわずかに大きい。センタリング・エレメント4は、そのリブ15によって表面側のボア
24に保持され、その挿入直径又は外径は、表面側のボア24のボア直径よりわずかに大きい。ここで、半径方向内向きに撓む弾性外側14は、ボア壁上のリブ11の追加の接触圧力を確実にする。
図2aに示されるように、2つの家具パネル21、22は、それらの間に位置するカラー6のために、互いに当接しない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
第2の家具パネル22に配置され、且つ、ボルトヘッド
2bに係合する締め付けエレメント(図示せず)によって、ボルト2は方向Aに引っ張られ、その結果、拡張コネクタ1は、
図2aに示されるその拡張されていない開始位置から、
図2bに示される拡張された終了位置に移動される。拡張スリーブ3に関連するボルト2の変位の結果として、一方では、環状フランジ2dは、第1のタブ部9を軸方向に越えて摺動し、他方では、第2のタブ部10が拡張コーン2cによって半径方向外向きに拡張される。第2のタブ部10の拡張は、拡張タブ5がそれぞれガイド部7のエッジ8を中心にロッカーのように回転し、連結用ウェブ12がその過程で塑性変形するという効果を有する。拡張タブ5の回転の結果として、一方では、第2のタブ部10が半径方向外向きに回転し、それにより、それらのリブ11が第1のボア23のボア壁に押し込まれ、他方では、第1のタブ部
9は、例えば、それらがボルトシャフト2aに当接するまで、半径方向内向きに回転し、その結果、カラー6はボア23、24に引き込まれ、目に見える結合が2つの家具パネル21、22の間に残らない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項11】
前記弾性外側(14)には、特に、アゴ状リブ(15)を有することを特徴とする
請求
項10に記載の拡張コネクタ。
【請求項14】
前記拡張コネクタ(1)は、前記ボルトヘッド(2b)と前記拡張スリーブ(3)の間、特に、前記ボルトヘッド(2b)と前記環状フランジ(
2d)の間の前記ボルトシャフト(2a)に、プラスチック製のセンタリング・エレメント(4)を有し、
前記プラスチック製のセンタリング・エレメントは、前記ボルト(2)に対して同軸である外径を有し、
前記プラスチック製のセンタリング・エレメントは、もう一方の部品である第2の部品(
22)のボア(24)に挿入されていることを特徴とする請求項13に記載の配置。
【国際調査報告】