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特表2022-512461マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁及びその応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(54)【発明の名称】マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁及びその応用
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/06 20060101AFI20220127BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
F16K17/06 C
F16K31/06 305Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021550067
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(85)【翻訳文提出日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2020088976
(87)【国際公開番号】W WO2021031621
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】201911272562.0
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518411338
【氏名又は名称】山東科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】王 成龍
(72)【発明者】
【氏名】苗 根遠
(72)【発明者】
【氏名】陳 一方
(72)【発明者】
【氏名】王 雪亭
(72)【発明者】
【氏名】陳 萌
(72)【発明者】
【氏名】曾 慶良
【テーマコード(参考)】
3H059
3H106
【Fターム(参考)】
3H059AA06
3H059BB02
3H059BB40
3H059CA05
3H059CB15
3H059CD03
3H059CD05
3H059CD06
3H059CE04
3H059DD13
3H059EE01
3H059FF03
3H106DA03
3H106DA23
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106DC02
3H106DC17
3H106DD06
3H106EE04
3H106EE48
3H106FB02
3H106GA15
3H106GA16
3H106GB09
3H106KK03
(57)【要約】
マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁及びその応用に関する。マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁は、バルブ本体、スプール弁、戻しばね及びパイロット弁を含んでおり、スプール弁は、バルブ本体内に設けられたスプール弁のキャビティ内に配置し、パイロット弁は、バルブ本体内に設けられたパイロット弁のキャビティ内に配置し、パイロット弁は、左から右に順番に設置されているマグネトロン形状記憶合金、電磁石、プッシュロッド、ピストン、磁気レオロジー流体制御コイル、パイロットスプール弁を含んでおり、電磁石には、複数のマグネトロン材料制御コイルが設置されており、マグネトロン形状記憶合金は電磁石を貫通した後プッシュロッドに連結されており、プッシュロッドはピストンに連結されており、磁気レオロジー流体は、ピストンとパイロットスプール弁の間に位置している。本発明は、磁気レオロジー流体を使用してパイロット弁スプール弁の動作を制御し、磁気レオロジー流体の非常に短い応答時間に依存して、従来の高流量安全弁のパイロットスプール弁内の戻しばね構造を取り除き、マグネトロン形状記憶合金をパイロット弁スプール弁のリセット装置とすることによって、応答時間をさらに短縮した。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁であって、
バルブ本体、スプール弁、戻しばね及びパイロット弁を含んでおり、
スプール弁は、バルブ本体内に設けられたスプール弁のキャビティ内に配置し、
パイロット弁は、バルブ本体内に設けられたパイロット弁のキャビティ内に配置し、
戻しばねは、スプール弁の先端部及びバルブ本体内に設けられたばねキャビティ内に位置し、
パイロット弁のキャビティとスプール弁のキャビティは、第一の制御油路と第二の制御油路により連通されており、パイロット弁のキャビティ内には、磁気レオロジー流体が充填されており、スプール弁のキャビティ内にはエマルジョンが充填されており、
パイロット弁は、左から右に順番に設置されているマグネトロン形状記憶合金、電磁石、プッシュロッド、ピストン、磁気レオロジー流体制御コイル、パイロットスプール弁を含んでおり、電磁石には、複数のマグネトロン材料制御コイルが設置されており、マグネトロン形状記憶合金は電磁石を貫通しており、また、マグネトロン形状記憶合金の前端はプッシュロッドに連結されており、プッシュロッドはピストンに連結されており、磁気レオロジー流体は、ピストンとパイロットスプール弁の間に位置し、磁気レオロジー流体制御コイルの軸方向にはダンピングホールが設けられている
ことを特徴とするマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁。
【請求項2】
前記バルブは、ケーシング、弁座、エンドカバー及びプラグを含んでおり、
ケーシングは、弁座に設置されており、ケーシングには液体入口が設けられており、液体入口はスプール弁のキャビティと相通しており、スプール弁のキャビティはケーシング内で垂直方向に位置しており、パイロット弁のキャビティはケーシング内で水平方向に位置しており、パイロット弁のキャビティは、その一端がパイロット弁のエンドカバーによりパッケージングされ、その他端がプラグによりパッケージングされており、弁座の底部はエンドカバーによりパッケージングされており、弁座にはスプール弁のキャビティと相通する排出口が設置されている
請求項1に記載のマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁。
【請求項3】
前記スプール弁の外形は十字構造であり、スプール弁の先端部には前記ばねキャビティが設けられており、スプール弁の軸方向には2本の貫通する第三の制御油路及び第四の制御油路が設置されている
請求項1に記載のマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁。
【請求項4】
前記スプール弁の底端はコーン体として設置されており、スプール弁が下がる場合、コーン体が弁座の上の排出口を押さえ込むことができる
請求項2に記載のマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁。
【請求項5】
前記パイロット弁のエンドカバーには、マグネトロン形状記憶合金の末端に接触する微調整ボルトが設置されている
請求項2に記載のマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁。
【請求項6】
前記パイロット弁のキャビティ内には、ピストン側に位置する変位センサーが設置されている
請求項1に記載のマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁。
【請求項7】
前記パイロット弁のキャビティは、大チャンバー及び小チャンバーを含む段差キャビティであり、第一の制御油路と第二の制御油路は、それぞれ大チャンバーと小チャンバーに連通されており、前記パイロットスプール弁の一端は錐体であり、パイロットスプール弁は大チャンバー内に設置されており、パイロットスプール弁が移動する場合、錐体が小チャンバーを押さえ込むことができる
請求項1に記載のマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁。
【請求項8】
前記戻しばねは、皿ばね、ゴムばね、ガスばねを含む
請求項1に記載のマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁。
【請求項9】
前記ケーシングの底部は弁座にねじ連結される
請求項2に記載のマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載のマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁の作業方法であって、
事前に、安全弁を油圧サポートの支柱の制御油路に取り付け、その後、支柱の中シリンダーに配置されている圧力センサー及び制御器を安全弁に連結し、この時、安全弁は、制御器の制御下で磁気レオロジー流体制御コイル及びマグネトロン材料制御コイルがオン状態になっており、磁気レオロジー流体は非ニュートン流体状態になっており、マグネトロン形状記憶合金は右方向に延伸する状態にあり、支柱が衝撃圧力を受ける場合、該安全弁の作業過程は、
(1)支柱に衝撃圧力が掛かる場合、圧力センサーが支柱に掛かる衝撃圧力信号を検出して制御器に送信するステップと、
(2)制御器が衝撃圧力値を分析し、それをプリセット値と比較して、差分値が設定圧力の範囲内にあるかどうかを判断するステップと、
(3)差分値が設定圧力の範囲よりも小さい場合、制御器は油圧サポートが通常の圧力範囲内で作業していると判断し、制御器は設定されたパラメーターに従って磁気レオロジー流体制御コイル及びマグネトロン材料制御コイルに給電し、磁気レオロジー流体は非ニュートン流体状態にあり、また、磁気レオロジー流体制御コイルの右側に位置するため、この時、パイロットスプール弁は作動せず、安全弁はオフ状態にあり、
または、
差分値が設定圧力の範囲よりも大きい場合、制御器は、磁気レオロジー流体制御コイルの電源を遮断し、また、マグネトロン材料制御コイルが逆方向にオンになるように制御し、マグネトロン形状記憶合金が左方向に引き込まれ、磁気レオロジー流体がニュートン流体状態にあり、また、磁気レオロジー流体制御コイルの左側に流れ、パイロットスプール弁が左側に移動し、安全弁を開き、スプール弁の上部のエマルジョンが、パイロット弁のキャビティとスプール弁上の第三の制御油路と第四の制御油路とを通ってエマルジョンポンプステーションに戻り、この時、スプール弁の下部のエマルジョンの圧力下で、スプール弁は戻しばねの圧力を克服して上方に移動し、スプール弁が開かれ、支柱内のエマルジョンが液体入口と排出口とを経由して、ポンプステーションに流し戻るステップと、
(4)中シリンダーの圧力が設定圧力の範囲を下回ったことが、圧力センサーにより検知された場合、制御器は安全弁の排出が完了したと判断し、その後、制御器は、マグネトロン材料制御コイルが再び逆方向にオンになるように制御し、マグネトロン形状記憶合金は右に延伸し、よって、ピストンが右に移動するように押し動かし、ピストンは、磁気レオロジー流体を磁気レオロジー流体制御コイルの右側に押出し、パイロットスプール弁をオフにするステップと、
(5)ピストンが最も右端に到達すると、変位センサーがピストンの位置変化を検出して、位置信号を制御器に送信し、制御器は、磁気レオロジー流体制御コイルがオンになるように制御し、よって、磁気レオロジー流体を非ニュートン流体状態に変えるステップと、
(6)最後に、戻しばねの作用下で、スプール弁が下向きに移動し、スプール弁の
底端部のコーン体が、弁座の上の排出口を封じ込むことによって、安全弁のリセットを完了するステップとを含む
ことを特徴とする作業方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁及びその応用に関し、バルブの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
地下浅層の石炭資源の枯渇に伴い、炭鉱の生産が大採掘・深度に向かって発展することは避けられない傾向であり、それに伴う問題は、炭鉱の作業方面での強固圧力の急激な増大と頻繁な衝撃地圧現象である。上記の問題に対応するために、現在、ほとんどの炭鉱の油圧サポートは、大流量の安全弁を取り付けた措置を採用している。しかし、実際に使用すると、大流量の安全弁は衝撃地圧が発生すると、適時に応答できなくなり、油圧サポートの構造が破壊され、死傷者も出た。現場調査と理論分析を通じて、衝撃地圧が発生する時に大流量の安全弁が作動できなかった原因は、主に、衝撃地圧が発生した時に、衝撃地圧が油液サポートの支柱に作用する時間が非常に短く、且つ、衝撃地圧がサポートに作用した後、衝撃地圧が支柱の上下チャンバーの油液を介して大流量の安全弁のスプール弁に伝達されるまで所定の時間が掛かり、大流量の安全弁のスプール弁がばね動作を克服するには、また所定の時間が掛かることを、研究員達は発見した。この2つの時間の合計が衝撃地圧の作用時間を超えるため、衝撃エネルギーが適時にアンロードされなくなる。巨大な衝撃エネルギーは、油圧サポートの変形を介して解放されるため、油圧サポートの構造的破損や変形が発生し、炭鉱の安全事故を引き起こしている。特許文献1-2:中国特許CN 107725083 A及びCN 103953369 Aには、窒素ガスでスプール弁のリセットを行う油圧サポート安全弁のリセット方法が提供されており、スプール弁のリセットの弾性材料としてガスを使用すると、ばねリセットを使用する従来の安全弁よりも応答速度が速くなるが、圧縮ガスは弾性体であり、同様に弾性係数が存在し、応答速度はまだ改善の空間がある。
【0003】
油圧サポートの安全弁に存在する応答時間の問題に焦点を合わせて、本発明では、マグネトロン材料を使用するパイロットの油圧サポート安全弁が提案される。該安全弁は、電気制御部を採用して、マグネトロン形状記憶合金及び磁気レオロジー流体を制御することによって、従来の安全弁における油圧衝撃伝導時間及びばね応答時間が長すぎる問題を解決する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許107725083A
【特許文献2】中国特許107725083A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の欠点に対して、本発明では、マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁が提供される。
【0006】
本発明では、上述のマグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁の作業方法がさらに提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁は、バルブ本体、スプール弁、戻しばね及びパイロット弁を含んでおり、スプール弁は、バルブ本体内に設けられたスプール弁のキャビティ内に配置しており、パイロット弁は、バルブ本体内に設けられたパイロット弁のキャビティ内に配置しており、戻しばねは、スプール弁の先端部及びバルブ本体内に設けられたばねキャビティ内に位置しており、パイロット弁のキャビティとスプール弁のキャビティとは、2本の制御油路により連通されており、パイロット弁のキャビティ内には、磁気レオロジー流体が充填されており、スプール弁のキャビティ内にはエマルジョンが充填されている。
【0008】
パイロット弁は、左から右に順番に設置されているマグネトロン形状記憶合金、電磁石、プッシュロッド、ピストン、磁気レオロジー流体制御コイル、パイロットスプール弁を含んでおり、電磁石には複数のマグネトロン材料制御コイルが設置されており、マグネトロン形状記憶合金は電磁石を貫通しており、また、マグネトロン形状記憶合金の前端はプッシュロッドに連結されており、プッシュロッドはピストンに連結されており、磁気レオロジー流体は、ピストンとパイロットスプール弁の間に位置しており、磁気レオロジー流体制御コイルの軸方向にはダンピングホールが設けられている。
【0009】
好ましくは、前記バルブは、ケーシング、弁座、エンドカバー及びプラグを含み、ケーシングは弁座に設置されており、ケーシングには液体入口が設けられており、液体入口はスプール弁のキャビティと相通しており、スプール弁のキャビティはケーシング内で垂直方向に位置しており、パイロット弁のキャビティはケーシング内で水平方向に位置しており、パイロット弁のキャビティは、その一端がパイロット弁のエンドカバーによりパッケージングされ、その他端がプラグによりパッケージングされており、弁座の底部はエンドカバーによりパッケージングされており、弁座にはスプール弁のキャビティと相通する排出口が設置されている。
【0010】
好ましくは、前記スプール弁の外形は十字構造であり、スプール弁の先端部には前記ばねキャビティが設けられており、スプール弁の軸方向には2本の貫通する制御油路が設置されている。
【0011】
好ましくは、前記スプール弁の底端はコーン体として設置されており、スプール弁が下がる場合、コーン体は弁座の上の排出口を封じ込むことができる。
【0012】
好ましくは、前記パイロット弁のエンドカバーには、マグネトロン形状記憶合金の末端に接触する微調整ボルトが設置されている。
【0013】
好ましくは、前記パイロット弁のキャビティ内には、ピストン側に位置する変位センサーが設置されている。
【0014】
好ましくは、前記パイロット弁のキャビティは、大チャンバー及び小チャンバーを含む段差キャビティであり、2本の制御油路は、それぞれ大チャンバー及び小チャンバーに連通されており、前記パイロットスプール弁の一端は錐体であり、パイロットスプール弁は大チャンバー内に設置されており、パイロットスプール弁が移動する場合、錐体が小チャンバーを封じ込むことができる。
【0015】
好ましくは、前記戻しばねは、皿ばね、ゴムばね、ガスばねを含む。
【0016】
好ましくは、前記ケーシングの底部は弁座にねじ連結されている。
【0017】
マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁の作業方法は、事前に、前記安全弁を油圧サポートの支柱の制御油路に取り付け、その後、支柱の中シリンダーに配置されている圧力センサー及び制御器を安全弁に連結させ、この時、安全弁は、制御器の制御下で磁気レオロジー流体制御コイル及びマグネトロン材料制御コイルがオン状態になっており、磁気レオロジー流体は非ニュートン流体状態になっており、マグネトロン形状記憶合金は右方向に延伸する状態にあり、支柱に衝撃圧力が掛かる場合、前記安全弁の作業過程は、
(1)支柱に衝撃圧力が掛かる場合、圧力センサーが支柱に掛かる衝撃圧力信号を検出して制御器に送信するステップ、
(2)制御器が衝撃圧力値を分析し、それをプリセット値と比較して、差分値が設定圧力の範囲内にあるかどうかを判断するステップ、
(3)差分値が設定圧力の範囲よりも小さい場合、制御器は油圧サポートが通常の圧力範囲内で作業していると判断し、制御器は設定されたパラメーターに従って磁気レオロジー流体制御コイル及びマグネトロン材料制御コイルに給電し、磁気レオロジー流体は非ニュートン流体状態にあり、また、磁気レオロジー流体制御コイルの右側に位置するため、この時、パイロットスプール弁は作動せず、安全弁はオフ状態にあり、
または、
差分値が設定圧力の範囲よりも大きい場合、制御器は、磁気レオロジー流体制御コイルの電源がオフになり、また、マグネトロン材料制御コイルが逆方向にオンになるように制御し、マグネトロン形状記憶合金が左方向に引き込まれ、磁気レオロジー流体はニュートン流体状態に変わり、また、磁気レオロジー流体制御コイルの左側に流れ、パイロットスプール弁が左側に移動し、安全弁が開き、スプール弁の上部のエマルジョンが、パイロット弁のキャビティとスプール弁の上の制御油路を通ってエマルジョンポンプステーションに戻り、この時、スプール弁の下部のエマルジョンの圧力下で、スプール弁は戻しばねの圧力を克服して上方に移動し、スプール弁が開かれ、支柱内のエマルジョンが液体入口と排出口とを経由して、ポンプステーションに流し戻るステップ、
(4) 中シリンダーの圧力が設定圧力の範囲を下回ったことが、圧力センサーにより検知された場合、制御器は安全弁の排出が完了したと判断し、その後、制御器は、マグネトロン材料制御コイルが再び逆方向にオンになるように制御し、マグネトロン形状記憶合金は右に延伸し、よって、ピストンが右に移動するように押し動かし、ピストンは、磁気レオロジー流体を磁気レオロジー流体制御コイルの右側に押出し、パイロットスプール弁をオフにするステップ、
(5) ピストンが最も右端に到達すると、変位センサーはピストンの位置変化を検出して、位置信号を制御器に送信し、制御器は、磁気レオロジー流体制御コイルがオンになるように制御し、磁気レオロジー流体を非ニュートン流体状態に変えるステップ、及び
(6) 最後に、戻しばねの作用下で、スプール弁が下向きに移動し、スプール弁の底端部のコーン体が、弁座の上の排出口を封じ込むことによって、安全弁のリセットを完了するステップとを含む。
【発明の効果】
【0018】
1.関連文献及び現場調査によると、油圧サポートに衝撃荷重が掛かる時、中シリンダーに掛かる液圧が最大になるため、安全弁は、油圧サポートの中シリンダー内に配置された圧力センサーと制御器の組合せる方式を用いて、伝導圧力の信号を検出し、且つ圧力値を分析して、安全弁のパイロット弁の動作を制御することによって、油圧システムによって伝導される従来の安全弁圧力信号の応答時間を短縮する。
2.本発明の安全弁は、従来の安全弁のばね制御の代りに、磁気レオロジー流体を用いてパイロット弁のスプール弁の動作を制御することによって、磁気レオロジー流体の極めて短い応答時間に依存して、従来の安全弁のばね動作の応答時間を短縮する。
3.本発明は、安全弁のパイロット弁の動作応答時間をさらに短縮するために、従来の大流量安全弁のパイロットスプール弁における戻しばね構造を取り消し、パイロット弁スプール弁のリセット装置としてマグネトロン形状記憶合金を使用することによって、応答時間をさらに短縮する。
4.本発明における安全弁のクラッキング圧力は、従来の安全弁の圧力制御よりももっと正確な制御器パラメーターによって設定される。
5.本発明における安全弁はパイロット式安全弁であり、既存のマグネトロン材料の安全弁及びオーバーフロー弁に比べて、より小さな制御力でより大きなスプール弁の開口力を得ることができ、よって、安全弁の動作の信頼性がより高く、適用範囲がより広くなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明における安全弁ケーシングの全体図である。
図2】本発明におけるスプール弁の構造図である。
図3】本発明におけるパイロット弁の構造図である。
図4】本発明におけるマグネトロン材料制御コイルの構造図である。
図5】本発明における安全弁の電気制御の概略図である。
図6】本発明における安全弁の全体構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施例と図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、これに限定されない。
【実施例1】
【0021】
図1図6に示されるように、本実施例では、バルブ本体、スプール弁、戻しばね及びパイロット弁を含む、マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁が提供される。スプール弁は、バルブ本体内に設けられたスプール弁のキャビティ内に配置し、パイロット弁は、バルブ本体内に設けられたパイロット弁のキャビティ内に配置し、戻しばねは、スプール弁の先端部及びバルブ本体内に設けられたばねキャビティ内に位置し、パイロット弁のキャビティとスプール弁のキャビティの間は、2本の制御油路により連通されており、パイロット弁のキャビティ内には磁気レオロジー流体が充填されており、スプール弁のキャビティ内にはエマルジョンが充填されている。
【0022】
パイロット弁は、左から右に順番に設置されているマグネトロン形状記憶合金11、電磁石23、プッシュロッド4、ピストン5、磁気レオロジー流体制御コイル6、パイロットスプール弁9を含んでおり、電磁石23の円周方向には、4つのマグネトロン材料制御コイル3が設置されており、マグネトロン形状記憶合金11は電磁石23を貫通しており、マグネトロン形状記憶合金11の前端はプッシュロッド4に連結されており、プッシュロッド4はピストン5に連結されており、磁気レオロジー流体8は、ピストン5とパイロットスプール弁9の間に位置し、磁気レオロジー流体制御コイル6の軸方向にはダンピングホール7が設けられている。
【0023】
バルブ本体は、ケーシング25、弁座19、エンドカバー18及びプラグ10を含んでおり、ケーシング25の底部は弁座19にねじ連結されており、ケーシングには液体入口20が設けられており、液体入口20はスプール弁のキャビティと相通しており、スプール弁のキャビティはケーシング内の縦方向に位置しており、パイロット弁のキャビティ14はケーシング内で水平方向に位置しており、パイロット弁のキャビティ14は、その一端がパイロット弁のエンドカバー2によりパッケージングされ、その他端がプラグ10によりパッケージングされており、弁座19の底部はエンドカバー18によりパッケージングされており、弁座19にはスプール弁のキャビティと相通する排出口17が設けられている。
【0024】
図2に示されるように、スプール弁の外形は十字構造であり、スプール弁の先端部には前記ばねキャビティ21が設けられており、スプール弁の軸方向には2本の貫通する制御油路22、すなわち、第三の制御油路及び第四の制御油路が設置されている。スプール弁の底端はコーン体として設置されており、スプール弁が下がる場合、コーン体は弁座19の排出口17を封じ込むことができる。
【0025】
微調整ボルト1は、パイロット弁のエンドカバー2に設置され、マグネトロン形状記憶合金11の末端に接触しており、微調整ボルトをねじることによって、マグネトロン形状記憶合金11の初期位置を調整することができる。
【0026】
変位センサー13は、パイロット弁のキャビティ14内に取付けられ、ピストン5の側に位置しており、ピストン5の位置を検出し、且つ信号を制御器に送信する。
【0027】
パイロット弁のキャビティ14は、大チャンバー及び小チャンバーを含む段差キャビティであり、2本の制御油路15、即ち、第一の制御油路と第二の制御油路は、それぞれ大チャンバーと小チャンバーに連通しており、パイロットスプール弁9の一端は錐体であり、パイロットスプール弁9は大チャンバー内に配置されており、パイロットスプール弁9が移動する場合、錐体は小チャンバーを封じ込むことができる。
【0028】
戻しばね24は、ばねキャビティ16及びばねキャビティ21内に配置されている皿ばねであり、スプール弁が上方に移動する場合、戻しばねは圧縮されてばねキャビティ16とばねキャビティ21内にエネルギーを蓄積し、主に、動作後の、安全弁のメインスプール弁のリセット機能を果たす。
【実施例2】
【0029】
マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁は、構造が実施例1に記載されている通りで、戻しばね24としてゴムばねを使用していることに、その相違点がある。
【実施例3】
【0030】
マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁は、構造が実施例1に記載されている通りで、戻しばね24としてガスばねを使用していることに、その相違点がある。
【実施例4】
【0031】
マグネトロン材料に基づく油圧サポート用の磁気レオロジーパイロット操作式安全弁の作業方法は、事前に、実施例1に記載の安全弁を油圧サポートの支柱の制御油路に取り付け、その後、支柱の中シリンダーに配置されている圧力センサー及び制御器を安全弁に連結させ、この時、安全弁は、制御器の制御下で磁気レオロジー流体制御コイル6及びマグネトロン材料制御コイル3がオン状態になっており、磁気レオロジー流体8は非ニュートン流体状態になっており、マグネトロン形状記憶合金11は右方向に延伸する状態にあり、変位センサー13は、制御器によって連結及び制御され、支柱に衝撃圧力掛かる場合、前記安全弁の作業過程は、
(1)支柱に衝撃圧力が掛かる場合、圧力センサーが支柱に掛かる衝撃圧力信号を検出して、得られた圧力値Sを制御器に送信するステップ、
(2)制御器が衝撃圧力値Sを分析し、それをプリセット値S0と比較して、差分値ΔSが設定圧力の範囲ΔS0内にあるかどうかを判断するステップ、
(3)差分値が設定圧力の範囲よりも小さい場合(ΔS<ΔS0)、制御器は油圧サポートが通常の圧力範囲内で作業していると判断し、制御器は設定されたパラメーターに従って、磁気レオロジー流体制御コイル6及びマグネトロン材料制御コイル3に給電し、磁気レオロジー流体は非ニュートン流体状態にあり、また、磁気レオロジー流体制御コイル6の右側に位置するため、マグネトロン形状記憶合金11は右に延伸する状態を保持し続けており、この時、パイロットスプール弁9は作動せず、安全弁はオフ状態にあり、
または、
差分値が設定圧力の範囲よりも大きい場合(ΔS>ΔS0)、制御器は、磁気レオロジー流体制御コイル6の電源がオフになり、また、マグネトロン材料制御コイル3が逆方向にオンになるように制御し、電磁石23は逆磁場を生成して、マグネトロン形状記憶合金11が左方向に引き込まれ、磁気レオロジー流体8はニュートン流体状態に変わり、また、磁気レオロジー流体制御コイル6の左側に流れ、パイロットスプール弁9が左側に移動し、安全弁が開き、スプール弁の上部のエマルジョンが、パイロット弁のキャビティ14とスプール弁の上の制御油路22とを通ってエマルジョンポンプステーションに戻り、この時、スプール弁の下部のエマルジョンの圧力下で、スプール弁は戻しばねの圧力を克服して上方に移動し、スプール弁が開かれ、支柱内のエマルジョンが液体入口20と排出口17とを経由して、ポンプステーションに流し戻るステップ、
(4)中シリンダーの圧力が設定圧力の範囲を下回ったことが、圧力センサーにより検知された場合、制御器は安全弁の排出が完了したと判断し、その後、制御器は、マグネトロン材料制御コイル3が再び逆方向にオンになるように制御し、マグネトロン形状記憶合金11は右に延伸し、よって、ピストン5が右に移動するように押し動かし、ピストン5は、磁気レオロジー流体8を磁気レオロジー流体制御コイル6の右に押出し、パイロットスプール弁9をオフにするステップ、
(5)ピストン5が最も右端に到達すると、変位センサー13はピストン5の位置変化を検出して、位置信号を制御器に送信し、制御器は、磁気レオロジー流体制御コイル6がオンになるように制御し、磁気レオロジー流体8を非ニュートン流体状態に変え、右のキャビティに封じ込み、この作用下で、パイロットスプール弁9が最も右側に押し込まれリセットを完成するステップ、
(6)最後に、戻しばねの作用下で、スプール弁が下向きに移動し、スプール弁の底端部のコーン体が、弁座19上の排出口17を封じ込むことによって、安全弁のリセットを完了するステップを含む。
【符号の説明】
【0032】
1 微調整ボルト
2 パイロット弁のエンドカバー
3 マグネトロン材料制御コイル
4 プッシュロッド
5 ピストン
6 磁気レオロジー流体制御コイル
7 ダンピングホール
8 磁気レオロジー流体
9 パイロットスプール弁
10 プラグ
11 マグネトロン形状記憶合金
12 コイルライナー
13 変位センサー
14 パイロット弁のキャビティ
15 制御油路
16 ばねキャビティ
17 排出口
18 エンドカバー
19 弁座
20 液体入口
21 ばねキャビティ
22 制御油路
23 電磁石
24 戻しばね
25 ケーシング

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】