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特表2022-512487データを送信するための双方向電流変調を用いるネットワーク通信システム
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  • 特表-データを送信するための双方向電流変調を用いるネットワーク通信システム 図1
  • 特表-データを送信するための双方向電流変調を用いるネットワーク通信システム 図2
  • 特表-データを送信するための双方向電流変調を用いるネットワーク通信システム 図3A
  • 特表-データを送信するための双方向電流変調を用いるネットワーク通信システム 図3B
  • 特表-データを送信するための双方向電流変調を用いるネットワーク通信システム 図4
  • 特表-データを送信するための双方向電流変調を用いるネットワーク通信システム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-04
(54)【発明の名称】データを送信するための双方向電流変調を用いるネットワーク通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/02 20060101AFI20220128BHJP
   H04L 5/14 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
H04L25/02 W
H04L5/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533669
(86)(22)【出願日】2019-11-18
(85)【翻訳文提出日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 EP2019081575
(87)【国際公開番号】W WO2020120071
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】102018132024.8
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【弁理士】
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】マレク、ルバンドウスキー
【テーマコード(参考)】
5K018
5K029
【Fターム(参考)】
5K018AA02
5K018BA01
5K018BA03
5K018CA03
5K018CA14
5K018EA08
5K029AA11
5K029CC01
5K029DD13
5K029DD22
5K029EE02
(57)【要約】
本発明は、通信バス(56)、第1の通信デバイス(52)、および通信バス(56)を介して互いに接続される複数の第2の通信デバイス(54)を有する、特に車両のためのネットワーク通信システム(50)に関し、第1の通信デバイス(52)が、通信バス(56)上の一定のバイアス電圧を生成するためのバイアス電圧源(64)を含み、第1の通信デバイス(52)が、通信バス(56)上の電流を捕捉するための電流測定装置(66)を含み、ネットワーク通信システム(50)が、複数の第2の通信デバイス(54)と並列に配列される終端抵抗(60)を有し、第1の通信デバイス(52)が、通信バス(56)上のバイアス電圧および終端抵抗(60)によって設定された電流を変調するための第1の変調装置(72)を含み、それぞれの第2の通信デバイス(54)が、バイアス電圧および終端抵抗(60)によって設定された電流を変調するための第2の変調装置(78)を含み、それぞれの第2の通信デバイス(54)が、終端抵抗(60)の電圧を捕捉するための第2の電圧測定装置(80)を有する。本発明は、ネットワーク通信システム(50)における通信のための対応する方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信バス(56)、第1の通信デバイス(52)、および前記通信バス(56)を介して互いに接続される複数の第2の通信デバイス(54)を有する、特に車両のためのネットワーク通信システム(50)であって、
前記第1の通信デバイス(52)が、前記通信バス(56)上の一定のバイアス電圧を生成するためのバイアス電圧源(64)を含み、
前記第1の通信デバイス(52)が、前記通信バス(56)上の電流を捕捉するための電流測定装置(66)を含み、
前記ネットワーク通信システム(50)が、前記複数の第2の通信デバイス(54)と並列に配列される終端抵抗(60)を有し、
前記第1の通信デバイス(52)が、前記通信バス(56)上の前記バイアス電圧および前記終端抵抗(60)によって設定された電流を変調するための第1の変調装置(72)を含み、
それぞれの第2の通信デバイス(54)が、前記バイアス電圧および前記終端抵抗(60)によって設定された前記電流を変調するための第2の変調装置(78)を含み、
それぞれの第2の通信デバイス(54)が、前記終端抵抗(60)の電圧を捕捉するための第2の電圧測定装置(80)を有する、ネットワーク通信システム(50)。
【請求項2】
前記電流測定装置(66)が、前記第2の通信デバイス(54)によって変調された電流が流れる測定抵抗(68)と、前記測定抵抗(68)の両端の電圧降下を捕捉するための第1の電圧測定装置(70)とを有することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項3】
前記電流測定装置(66)が、前記第2の通信デバイス(54)によって変調された電流が流れる電流ミラー(69)と、電流計(71)とを有することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項4】
前記バイアス電圧源(64)および前記第1の変調装置(72)が、前記第1の通信デバイス(52)内に並列に配列され、
ダイオード(76)が、前記バイアス電圧源(64)の上流に接続され、前記第1の変調装置(72)から前記バイアス電圧源(64)への電流を遮断することを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項5】
前記バイアス電圧源(64)および前記電流測定装置(66)が、直列に接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項6】
前記バイアス電圧源(64)が、定電圧源の形態であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項7】
前記第1の変調装置(72)が、第1の電圧源(74)と直列に接続されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項8】
前記第1の変調装置(72)および/または前記第2の変調装置(78)が、前記電流のアナログ変調のために設計されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項9】
前記第1の変調装置(72)および/または前記第2の変調装置(78)が、複数の異なる変調電流レベルを用いる前記電流のデジタル変調のために設計されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項10】
前記終端抵抗(60)が、前記第1の通信デバイス(52)内に配列されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項11】
前記終端抵抗(60)が、前記第2の通信デバイス(54)のうちの1つの中に配列されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項12】
前記終端抵抗(60)が、前記通信バス(56)に直接配列されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項13】
前記第2の変調装置(78)が、変調され得る電流シンクの形態であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のネットワーク通信システム(50)。
【請求項14】
通信バス(56)、第1の通信デバイス(52)、前記通信バス(56)を介して互いに接続される複数の第2の通信デバイス(54)、および前記複数の第2の通信デバイス(54)と並列に配列される終端抵抗(60)を有する、特に車両のためのネットワーク通信システム(50)における電流変調に基づく双方向通信のための方法であって、
前記第1の通信デバイス(52)を使用して前記通信バス(56)上の一定のバイアス電圧を生成するステップと、
前記第1の通信デバイス(52)を使用して前記通信バス(56)上の変調された電流を生成するステップと、
前記第2の通信デバイス(54)の各々を使用して、前記終端抵抗(60)において前記第1の通信デバイス(52)を使用して変調された前記電流によってもたらされた電圧を捕捉するステップと、
前記第2の通信デバイス(54)のうちの1つを使用して前記通信バス(56)上の変調された電流を生成するステップと、
前記第1の通信デバイス(52)を使用して、前記通信バス(56)上の前記第2の通信デバイス(54)のうちの1つを使用して変調された前記電流を捕捉するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信バス、第1の通信デバイス、および通信バスを介して互いに接続される複数の第2の通信デバイスを有する、特に車両のためのネットワーク通信システムに関する。
【0002】
本発明は、通信バス、第1の通信デバイス、および通信バスを介して互いに接続される複数の第2の通信デバイスを有する、特に車両のためのネットワーク通信システムにおいて通信するための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術は、様々な種類のネットワーク通信システムを開示する。ネットワーク通信システムの1つの種類は、単にマスターとも呼ばれるマスターネットワークノードおよび下でスレーブとも呼ばれる複数のサテライトネットワークノードを有するいわゆる1:Nネットワーク通信システムである。マスターは、スレーブに情報を送信することができ、スレーブから情報を受信することができる。しかし、スレーブは、互いに通信することができない。この場合、マスターは、第1の通信デバイスに対応し、一方、スレーブは、第2の通信デバイスに対応する。
【0004】
情報は、電気接続線または通信バスである送信媒体を介してマスターからスレーブにおよび個々のスレーブからマスターに送信される。いずれかの方向に送信される情報は、接続線上の電気信号へと変調されるかまたは符号化される。したがって、マスターは、1つまたは複数のスレーブによって受信されるデータを変調し、スレーブは、データを復号する。同様に、スレーブは、送信されるそれらのスレーブのデータを変調し、そして今度は、それらのデータが、マスターによって受信され、復号される。
【0005】
情報を送信するために使用される接続線の物理特性の結果として、接続線の電気的状態が変わり始めるとすぐに電磁放射が発生する。これは、接続線上の電気信号がもはや一定でなく、データによって変調されるとすぐに起こる。
【0006】
図1は、例として、そのようなネットワーク通信システム10を示す。上述のように、ネットワーク通信システム10は、マスター12および複数のスレーブ14を含み、簡単にするために、それらのスレーブ14のうちの1つのスレーブ14のみが、図1に示される。マスター12およびスレーブ14は、通信バス16を介して互いに電気的に接続される。信号電流(交流電流)が流出し得る浮遊容量18が、通信バス16に沿って発生し、そのため、電磁放射を生じる。したがって、マスター12からスレーブ14への電流が、浮遊容量の各々において流出する電流の割合の分だけ減らされ、その結果、マスター12における出力電流iから始まって、入力電流iのみが、スレーブ14において受け取られる。マスター12における出力電流iに比べて減らされた電流iおよびiが、同様に、図1において通信バス16の異なるセグメントの間に発生する。
【0007】
浮遊電流(stray current)は、I=C*dV/dtとして生じ、式中、「C」は、浮遊容量であり、「V」は、接続線の対応するセクションの電圧を示す。接続線の放射Rは、dI/dt=C*dV/dtに比例し、式中、「dI/dt」は、接続線の浮遊電流の一次導関数であり、「dV/dt」は、接続線の電圧の二次導関数である。したがって、放射Rは、バス電流の変化の速度に比例するか、またはバス電圧の二次導関数に比例する。
【0008】
自動車のEMC(電磁両立性)規格の分野の高い要件および個々のOEM製造業者の高い要件を満たすために、放射は、異なる周波数範囲において定義される特定の限界値未満でなければならない。規格に準拠するために、データの変調は、通常、マスターとスレーブとの間の接続線を使用して適応される。
【0009】
電流の一次導関数に応じた正確な適応の実施は、放射を制限するために比較的容易に行い得る。したがって、この適応は、データが電流を使用して変調される(「電流整形」)ネットワーク通信システムにおいて容易に実行され得る。しかし、1つのマスターおよびN個のスレーブを有する1:Nネットワーク通信システムの通常の電子回路の特別な特徴に基づいて、電流変調は、一方向、つまり、それぞれのスレーブからマスターへの方向にのみ使用される。
【0010】
データは、通常、電圧変調を用いる符号化によってマスターからスレーブへの方向に送信され、電圧の二次導関数に応じた適応に基づく電圧の最適な整形は、電流の一次導関数に応じた適応よりもずっと複雑である。加えて、上述の式は、線形電子回路にのみ当てはまる。通信バスが非線形のインピーダンスも有する場合、例えば、バスが通信のために使用されるだけでない場合、バス電圧の二次導関数に応じた正確な適応は、実際に可能であったとしても非常に難しくされる。実際には、バス電圧の変調のそのような厳密な適応は、したがって、実行されず、その代わりに、通常、データの送信が、速度を落とされる。したがって、マスターからスレーブへの達成可能なデータ送信レートは、多くの場合、それぞれのスレーブからマスターへのデータ送信レート未満の倍数である。
【0011】
そのようなネットワーク通信システム10が、図2に詳細に示される。図1を参照して既に説明されたように、マスター12は、ここでは通信バス16を介して複数のスレーブ14に接続される。
【0012】
第1の通信デバイス12は、変調されることが可能であり、第1の通信デバイス12によって送信されるデータを電圧に変調し、前記データを通信バス16に渡すために使用される電圧源20を含む。そのとき、変調された電圧は、電圧測定装置28を使用して、通信バス16に接続されたすべてのスレーブ14において捕捉され得る。したがって、マスター12によって送信されたデータが、各スレーブ14においてそれぞれ復号され得る。
【0013】
また、それぞれのスレーブ14の各々は、変調されることが可能であり、スレーブ14によって送信されるデータを、通信バス16を介して電流測定装置26を使用するマスター12に存在する電圧源20によって流される電流へと変調するために使用される電流シンク30を含む。変調された電流は、電流測定装置26を使用して捕捉される。したがって、それぞれのスレーブ14によって送信されたデータが、マスター12において復号され得る。このようにして構成される通信ネットワーク10は、非常に費用効率良く実装される可能性がある。
【0014】
この文脈で、WO03/053018A1は、少なくとも1つの切り替え可能な負荷ユニット、負荷ユニットに割り振られた少なくとも1つの切り替え可能な電流源ユニット、および負荷ユニットに割り振られた少なくとも1つの比較器ユニットをそれぞれが有し、データを送信するとき、送信機の機能を少なくとも一時的に割り振られるかまたは受信機の機能を少なくとも一時的に割り振られる少なくとも2つの通信の参加者の間で、通信経路上でデータを信号の形態で双方向に送信するための方法であって、送信機の負荷ユニットが、信号を送信する前に切断され、送信機の電流源ユニットが、通信経路を介して送信される信号を生成するためにそれに応じてクロックされ、このようにして生成された信号が、通信経路を介して送信され、その結果、対応する出力信号が、受信機に割り振られた比較器ユニットにおいて生成され、送信機の負荷ユニットが、送信の後に再びオンにされる、方法を開示する。
【0015】
EP1371045B1は、車両センサーと制御ユニットとの間でデータを送信するための装置であって、データが、第1のデータテレグラムを使用してそれぞれの車両センサーから制御ユニットに非同期に送信される、装置を開示する。制御ユニットは、それぞれの車両センサーからのセンサーデータを用いて第1のデータテレグラムを復号し、それを第2のデータテレグラムにフォーマットし直すインターフェースモジュールを有する。インターフェースモジュールは、第2のデータテレグラムを制御ユニットのプロセッサに同期して送信し、インターフェースモジュールは、センサーデータをバッファリングするためのメモリを有する。第2のデータテレグラムは、それぞれの車両センサーからのセンサーデータを選択するための古さビット(age bit)を有し、メモリは、それぞれの車両センサーに関して、古いセンサーデータに関する第1のデータフィールドおよび新しいセンサーデータに関する第2のデータフィールドを有し、プロセッサは、古さビットを設定する。
【0016】
米国特許第9,325,245(B2)号は、2つの接続、2つの電圧分離(voltage-isolated)および電流分離(current-isolated)捕捉ユニット、処理モジュール、2つのフィルタ回路ユニット、および双方向電流変換モジュールを含む双方向に分離されたDC/DCコンバータに関する。2つのポートのうちの1つが、双方向に分離されたDC/DCコンバータの入力接続として選択的に使用され、2つのポートのうちの別のポートが、出力接続として使用される。2つの電圧分離されたおよび電流分離捕捉ユニットは、2つの接続の電圧および電流をサンプリングし、対応するフィードバック信号を生成するために2つの接続にそれぞれ接続される。処理モジュールは、フィードバック信号を受信し、フィードバック信号に応じて対応する制御信号を出力する。双方向電力変換モジュールは、処理モジュールによって出力される制御信号に従って2つの接続の間の異なる電圧の変換を実行するために2つの電圧分離および電流分離捕捉ユニットを介して2つの接続に接続される。
【0017】
米国特許第9,496,969(B1)号は、放射放出レベルを下げるためのパルス波整形器を開示する。パルス波整形器は、第1の積分器を含み、第1の積分器は、第1のパルス波を受信し、第2のパルス波生成し、第2の積分器が、第1の積分器に結合され、第2の積分器は、第2のパルス波を受信し、パルス波の振幅を有する第3のパルス波を生成する。第1のパルス波は、第1のパルス波の形状を含み、第2のパルス波は、第2のパルス波の形状を含み、第3のパルス波は、第3のパルス波の形状を含む。第3のパルス波の形状は、バスを介して送信されるとき、引き下げられた放射放出レベルを生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述の先行技術から進んで、本発明は、したがって、マスターからスレーブとスレーブの各々からマスターとの両方の送信方向の高速で効率的な通信を可能にする上述の種類のネットワーク通信システムおよび方法を明示する目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0019】
目的は、本発明により、独立請求項の特徴によって達成される。本発明の有利な構成が、従属請求項に明示される。
【0020】
したがって、本発明は、通信バス、第1の通信デバイス、および通信バスを介して互いに接続される複数の第2の通信デバイスを有する、特に車両のためのネットワーク通信システムであって、第1の通信デバイスが、通信バス上の一定のバイアス電圧を生成するためのバイアス電圧源を含み、第1の通信デバイスが、通信バス上の電流を捕捉するための電流測定装置を含み、ネットワーク通信システムが、複数の第2の通信デバイスと並列に配列される終端抵抗を有し、第1の通信デバイスが、通信バス上のバイアス電圧および終端抵抗によって設定された電流を変調するための第1の変調装置を含み、それぞれの第2の通信デバイスが、バイアス電圧および終端抵抗によって設定された電流を変調するための第2の変調装置を含み、それぞれの第2の通信デバイスが、終端抵抗の電圧を捕捉するための第2の電圧測定装置を有する、ネットワーク通信システムを明示する。
【0021】
本発明は、通信バス、第1の通信デバイス、通信バスを介して互いに接続される複数の第2の通信デバイス、および複数の第2の通信デバイスと並列に配列される終端抵抗を有する、特に車両のためのネットワーク通信システムにおける電流変調に基づく双方向通信のための方法であって、第1の通信デバイスを使用して通信バス上の一定のバイアス電圧を生成するステップと、第1の通信デバイスを使用して通信バス上の変調された電流を生成するステップと、第2の通信デバイスの各々を使用して、終端抵抗において第1の通信デバイスを使用して変調された電流によってもたらされた電圧を捕捉するステップと、第2の通信デバイスのうちの1つを使用して通信バス上の変調された電流を生成するステップと、第1の通信デバイスを使用して、通信バス上の第2の通信デバイスのうちの1つを使用して変調された電流を捕捉するステップとを含む、方法も明示する。
【0022】
したがって、本発明の基本的発想は、下記でマスターとも呼ばれる第1の通信デバイスと下記でスレーブとも呼ばれる複数の第2の通信デバイスとの間の通信中に送信されるデータを変調するために電流変調を双方向に使用することである。これは、電圧変調の場合に通常実現されることが可能であり、比較的低速であるマスターからスレーブへの方向のデータ送信レートが電流変調の場合に高められ得るという利点を有する。電流変調は、電流を直接適応することを可能にし、したがって、ネットワーク通信システムの電磁両立性(EMC)に課される要件により容易に準拠することができる。電磁放射が電流の第1の導関数に、つまり、電流の変化に比例するので、変調は、放射が必要なまたは所望の程度に削減されることが可能であるようにして実行され得る。そしてまた、放射の簡単な制御は、電圧変調に基づく通信と比較して、マスターとスレーブとの間の通信を改善し、速度を上げることを可能にする。電圧変調中に放射を制限するために先行技術において実行される、電圧変調の場合のデータ送信レートの制限は、必要とされない。
【0023】
通信バスは、典型的には2つの電線を用いて設計され、線のうちの1つは、接地される可能性がある。この場合、第1のおよび第2の通信デバイスは、2つの線によって並列に接続される。
【0024】
バイアス電圧源によって生成される一定のバイアス電圧は、通信バス上の一定の静止電流(quiescent current)を生成することを可能にし、通信バス上で、データは、第1の通信デバイスと第2の通信デバイスの各々との両方によって変調される。この場合、変調は、静止電流から開始して、第1のまたはそれぞれの第2の変調デバイスによって実行される。この場合、特に、第2の通信デバイスは、例えば、電流の導関数によって、静止電流から開始してそれらの第2の通信デバイスの電流変調を実行することができ、その結果、第2の通信デバイスは、それら独自の電流源を必ずしも必要としない。
【0025】
通信バス上で第1の通信デバイスによって実行される電流の変調を捕捉するために、通信バス上の電流が、終端抵抗の両端で降下する電圧の変化を使用して第2の通信デバイスによって決定される。したがって、第1の通信デバイスによる電流変調が、第1の通信デバイスによって変調されたデータを復号するためにそれぞれの第2の通信デバイスによって捕捉され得る。第2の通信デバイスによる直接的な電流測定は、第2の通信デバイスが通信バスによって並列に接続されるので難しい。しかし、それぞれの第2の通信デバイスは、終端抵抗の電圧を並列に測定することができ、したがって、電流の変化を生じる。終端抵抗の知識を用いて、電流バス上の電流が、決定され得る。原理的に、電流の変調に関して厳密な値を決定する必要はない。上げられたまたは下げられたレベルが、変調電流を厳密に決定しなくとも、例えば、個々のデジタルの状態を符号化し得る。
【0026】
データは、第1の通信デバイスから第2の通信デバイスのうちの1つにおよび第2の通信デバイスの各々から第1の通信デバイスに、それぞれの場合に独立して、基本的に任意の所望の時間的順序で送信される。通信デバイスのうちの2つが同時にデータを送信したい状況を避けさえすればよい。
【0027】
本発明の有利な構成において、電流測定装置は、第2の通信デバイスによって変調された電流が流れる測定抵抗と、測定抵抗の両端の電圧降下を捕捉するための第1の電圧測定装置とを有する。測定抵抗は、例えば、1オーム以下の小さな抵抗値を有する分路の形態である。そのような分路の結果として、通信バス上の電流は、ほんのわずかしか影響されない。分路を使用する電圧測定は、非常に容易に、高い信頼性で実行され得る。
【0028】
本発明の代替的な構成において、電流測定装置は、第2の通信デバイスによって変調された電流が流れる電流ミラーと、電流計とを有する可能性があり、したがって、電流計は、特に、通信バス上の電流またはバス電流を電流ミラーを使用して精密に測定することができる。電流ミラーの使用の結果として、電流測定は、回路の残りにいかなる影響も与えない。
【0029】
本発明の有利な構成において、バイアス電圧源および第1の変調装置は、第1の通信デバイス内に並列に配列され、ダイオードが、バイアス電圧源の上流に接続され、第1の変調装置からバイアス電圧源への電流を遮断する。したがって、ダイオードは、変調された電流がバイアス電圧源によって平滑化されるかまたはさらには完全に吸収されることを防止する。静止電流および変調された電流は足し合わされて、変調された形態の送信されたデータを含むすべてひっくるめた電流を形成する。
【0030】
本発明の有利な構成において、バイアス電圧源および電流測定装置は、直列に接続される。したがって、第1の通信デバイスは、単純な構造を有し得る。バイアス電圧源は、抵抗、例えば、終端抵抗との組合せで通信バス上の静止電流を提供し得る。この場合、電流は、電圧源を流れ、したがって、電流測定デバイスにも流れ得る。
【0031】
本発明の有利な構成において、バイアス電圧源は、定電圧源の形態である。したがって、定電圧源は、通信バスにデータを変調するために使用されない。静止電流は、終端抵抗との組合せで定電圧源を選択することによって設定され得る。
【0032】
本発明の有利な構成において、第1の変調デバイスは、第1の電圧源と直列に接続される。第1の電圧源は、第1の変調デバイスを予め設定する。回路の適応が、第1の変調デバイスの機能を保証するために実行される。
【0033】
本発明の有利な構成において、第1の変調装置および/または第2の変調装置は、静止電流のアナログ変調のために設計される。したがって、電流変調は、送信されるアナログ信号に応じて実行され、その結果、静止電流が、それに基づいて変調される。
【0034】
本発明の有利な構成において、第1の変調装置および/または第2の変調装置は、好ましくは複数の異なる変調電流レベルを用いる電流のデジタル変調のために設計される。例えば、第1の通信デバイスの1つの実装において、第1の変調装置は、ドミナント(dominant)データレベルにおいて第1の変調装置のデータ送信中に電流を駆動する、つまり、前記電流を通信バスに供給し、パッシブ(passive)データレベルにおいて電流をブロックするように構成される可能性があり、つまり、静止電流は、変更されない。結果として、変調されたデータは、静止電流よりも上に、したがって、定電圧源の電圧よりも高い終端抵抗の電圧の結果として通信バス上に現れる。複数の変調電流レベルが使用される場合、それに応じて、2値データ送信と比較してより多くのデータを送信することが可能である。
【0035】
本発明の有利な構成において、終端抵抗は、第1の通信デバイス内に配列される。通信バス上に終端抵抗を別に配列する必要がなく、したがって、ネットワーク通信システム全体を簡素化する。第1の通信デバイス内にバス抵抗を配列することは、すべての第2の通信デバイスが同じ構造を有することができることを可能にする。これは、ネットワーク通信システムの構造および保守を容易にする。
【0036】
本発明の有利な構成において、終端抵抗は、第2の通信デバイスのうちの1つに配列される。通信バス上に終端抵抗を別に配列する必要がなく、したがって、ネットワーク通信システム全体を簡素化する。
【0037】
本発明の有利な構成において、終端抵抗は、通信バスに直接配列される。これは、終端抵抗を必要とすることなく第1のおよび第2の通信デバイスを提供することを可能にする。したがって、すべての第1のおよび第2の通信デバイスが、同一の方法でそれぞれ製造され得る。
【0038】
第2の変調デバイスは、電流シンクの形態であることが好ましい。第1の通信デバイスによって予め設定された通信バス上の静止電流に基づいて、変調は、それに応じて、電流シンクによって静止電流を減らすことにより実行される。したがって、第1の通信デバイスによって設定された静止電流のより少ない割合が、終端抵抗を流れ、その結果、後者に印加される電圧が、それに応じて下がる。それぞれが電流シンクを用いる第2の通信デバイスの実施形態は、電流を能動的に提供する必要がないので容易に実現可能である。電流シンクが使用されるとき、終端抵抗を流れる電流の望ましくない変動を防止するために、すべての電流シンクが、それらが使用されていないとき、つまり、それら自体が通信バス上の静止電流にいかなるデータも変調しない間、遮断(blocking)を実行することが必要である。
【0039】
本発明が、添付の図面を参照して、好ましい実施形態に基づいて下でより詳細に説明される。示される特徴は、本発明の態様を、それぞれの場合に個々に示すとともに、組合せでも示し得る。異なる例示的な実施形態の特徴は、ある例示的な実施形態から別の例示的な実施形態に移され得る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】接続線を介して互いに接続されるマスターおよびスレーブを有し、接続線が浮遊容量を有する先行技術の通信ネットワークの概略図である。
図2】マスターが変調され得る電圧源を有し、各スレーブが変調され得る電流シンクを有する、図1の通信ネットワークの特定の構成を示す図である。
図3A】通信バスによって並列に接続される第1の通信デバイス、複数の第2の通信デバイス、および終端抵抗を有する第1の好ましい実施形態に係るネットワーク通信システムの概略図である。
図3B】電流ミラーに基づく電流測定装置を有する第2の代替的な実施形態に係るネットワーク通信システムの概略図である。
図4】2値デジタル変調が使用されるときの、終端抵抗においてある電圧プロファイルを有する第1の通信デバイスと第2の通信デバイスとの間のデータ送信を示す例示的な時間ダイアグラムである。
図5】3つの異なる信号レベルを有するデジタル変調が使用されるときの、終端抵抗においてある電圧プロファイルを有する第1の通信デバイスと第2の通信デバイスとの間のデータ送信を示す例示的な時間ダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図3Aは、第1の好ましい実施形態に係るネットワーク通信システム50を示す。
【0042】
第1の実施形態のネットワーク通信システム50は、第1の通信デバイス52、複数の第2の通信デバイス54、および第1の通信デバイス52と複数の第2の通信デバイス54とを互いに接続するために使用される通信バス56を含む。通信バス56は、2つの電線58を使用して具現化される。
【0043】
また、通信バス56は、通信デバイス52、54と並列に通信バス56に接続される終端抵抗60を有する。代替的な実施形態において、終端抵抗60は、終端定電圧源62と直列に配列されることが可能であり、その結果、終端抵抗60の値が、小さく保たれ得る。
【0044】
第1の通信デバイス52は、通信バス56上の一定のバイアス電圧を生成するためのバイアス電圧源64を含む。一定のバイアス電圧は、終端抵抗60を流れる静止電流を生成する。バイアス電圧源64は、ここでは定電圧源64の形態である。
【0045】
第2の通信デバイス54の各々は、通信バス56にシンク電流を変調するための第2の変調装置78と、終端抵抗60の電圧を測定するための第2の電圧測定装置80とを含む。第2の電圧測定装置80を使用して終端抵抗60の電圧を測定することによって、それぞれの第2の通信デバイス54は、終端抵抗60の知識を用いて、通信バス56上の総電流を決定することができる。
【0046】
第1の通信デバイス52は、バイアス電圧源64と直列に接続される電流測定装置66を含む。図3Aのこの実施形態において、電流測定装置66は、静止電流がそれぞれの第2の通信デバイス54の電流シンク78によって変調された電流と一緒に流れる測定抵抗68を含む。この電流は、通信バス56上の電流に対応する。第1の通信デバイス52または電流測定装置66は、測定抵抗68の両端の電圧降下を測定するための第1の電圧測定装置70も含む。特定抵抗値68の知識を用いて、通信バス56上の変調された電流の値が、決定され得る。
【0047】
代替的な実施形態において、電流測定装置66は、測定抵抗68および電圧測定装置70なしにその他の手段を使用して実装されることも可能である。例えば、第2の代替的な実施形態において、電流測定装置66は、図3Bに記号的に示されるように、電流ミラー69および電流計71を使用して実装され得る。したがって、電流測定装置66は、静止電流がそれぞれの第2の通信デバイス54の電流シンク78によって変調された電流と一緒に流れる電流ミラー69を含む。また、この電流は、ここでは、通信バス56上の電流またはバス電流に対応する。第1の通信デバイス52または電流測定装置66は、電流ミラーによって通信バス上の電流を測定するための電流計71も含む。電流ミラーの使用の結果として、電流測定は、回路の残りにいかなる影響も与えない。
【0048】
以下の説明は、図3Aの実施形態と図3Bの実施形態との両方に関する。第1の変調装置72が、バイアス電圧源64および電流測定装置66と並列の第1の供給電圧源74と直列に配列される。この場合、第1の変調装置72は、変調され得る電流源の形態である。第1の供給電圧源74は、変調され得る電流源72が一定の静止電流に加えて変調された電流が通信バス56に流れ込むことを可能にすることを可能にする。
【0049】
この文脈で、バイアス電圧源64および電流測定装置66を含む直列回路内の上流にダイオード76が接続され、第1の変調装置72からバイアス電圧源64への電流を遮断する。したがって、ダイオード76は、第1の変調装置72によって変調された電流が通信バス56にのみ流れ、バイアス電圧源64によって平滑化されるかまたはさらには完全に吸収されることがないことを保証する。静止電流および変調された電流は足し合わされて、送信されたデータを含むすべてひっくるめた電流(バス電流)を形成する。
【0050】
動作中、第1の通信デバイス52からの通信バス56上の一定の静止電流が、ネットワーク通信システム50のバイアス電圧源64によって最初に生成される。第1の通信デバイス52の第1の変調装置72とすべての第2の通信デバイス54との両方は、アクティブでなく、つまり、静止電流の他のいかなる電流も、生成されず、または通信バス56上に流されない。これに基づいて、データが、下で詳細に説明されるように、第1の通信デバイス52と第2の通信デバイス54の各々との両方によって時間的にオフセットされるようにして電流変調を使用して変調され得る。
【0051】
第1の通信デバイス52が第2の通信デバイス54のうちの1つまたは複数にデータを送信したい場合、第1の通信デバイス52は、第1の変調装置72を使用して第1の通信デバイス52のデータを変調された電流へと変調し、一定の静止電流に加えて第1の通信デバイス52の変調された電流が通信バス56に流れ込むことを可能にする。第2の通信デバイス54の第2の変調装置78は、非アクティブのままである。結果として、通信バス56を介して流れる電流、つまり、第1の変調装置72によって変調された電流と併せた静止電流が、すべて終端抵抗60を流れる。静止電流と比較して、第1の変調装置72によって変調された電流は、終端抵抗60の両端のさらなる電圧降下を引き起こす。第2の通信デバイス54は、それゆえに変調されたデータを復号し得るために、それらの第2の通信デバイス54のそれぞれの第2の電圧測定装置80を使用して終端抵抗60の電圧を測定する。したがって、第1の通信デバイス52によって変調されたデータが、第2の通信デバイス54の各々において復号され得る。
【0052】
したがって、第2の通信デバイス54は、第1の通信デバイス52にデータを送信するために対応する第2の変調装置78を使用して通信バス56から変調された電流をそれぞれ流すことができる。これは、バイアス電圧および結果として得られる静止電流によって可能にされ、その結果、それぞれの第2の通信デバイス54の第2の変調装置78が、変調されたシンク電流を流すことができ、変調されたシンク電流は、それに応じて、バイアス電圧源64から流れる静止電流を増やす。
【0053】
それぞれの第2の変調装置78によって流される変調されたシンク電流は、測定抵抗68の両端の電圧降下の変化を引き起こし、その変化は、第2の通信デバイス54のうちの1つによって変調された電流に応じる。第1の通信デバイス52は、測定抵抗68の電圧を測定し、その結果として、第2の通信デバイス54のうちの1つによって変調されたデータが、したがって、復号され得る。
【0054】
データは、第1の通信デバイス52から第2の通信デバイス54のうちの1つにおよび第2の通信デバイス54の各々から第1の通信デバイス52に、それぞれの場合に独立して、基本的に任意の所望の時間的順序で送信される。通信デバイス52のうちの2つが同時にデータを送信したい状況を避けさえすればよい。
【0055】
図4は、第1の実施形態に係る、第1の通信デバイス52または第2の通信デバイス54のうちの1つによる通信バス56上の電流の変調を示す。第1の送信フェーズ82の間に、第1の通信デバイス52は、ドミナントレベルおよびパッシブレベルを有する2値デジタルデータであるデータを送信する。したがって、通信バス56上の電流が、ドミナントレベルを変調するために第1の変調装置72によって増やされる。結果として、通信バス56の電圧の瞬間的な値も、高められ、その瞬間的な値が、第2の電圧測定装置80を使用して捕捉され、復号され得る。パッシブレベルの場合、通信バス56上の電流は、変更されないままであり、第1の変調装置72は、0によってパッシブレベルをデジタル式に符号化する。アクティブレベルの場合、通信バス56上の電流は、それに応じて変更され、第1の変調装置72は、1によってアクティブレベルをデジタル式に符号化する。同じことが、第2の通信デバイス54のうちの1つから第1の通信デバイス52へのデータの変調および送信に当てはまる。第2の通信デバイス54のうちの1つがその第2の通信デバイス54の第2の変調装置78を使用してその第2の通信デバイス54のデータを変調する間、バイアス電圧源64によって流される総電流が増やされる。直列に接続された測定抵抗68のために、通信バス56の電圧の瞬間的な値は、減らされる。
【0056】
図5は、第2の実施形態に係る、第1の通信デバイス52による通信バス56上の電流の変調を示す。変調されるデータは、ここでは3つの異なるレベル、2つのドミナントレベルおよびパッシブレベルを有する可能性がある。したがって、通信バス56上の電流が、通信バス56にデータを変調するために第1のまたは第2のドミナントレベルに応じて第1の変調装置72によって増加される。
【0057】
さらなる実施形態において、送信されるデータは、複数の変調レベルを使用して両方向に符号化されることが可能であり、それに応じて、相手方で受信後に復号されることが可能である。
【0058】
代替的な実施形態において、終端抵抗60は、第1の通信デバイス52内または第2の通信デバイス54内に配列される。
【0059】
ネットワーク通信システム50においてデータを送信するための電流変調の排他的使用に基づいて、変調された電流の構成が、電磁両立性(EMC)に課された要件を満たすために適応され得る。ネットワーク通信システム50によるEMC放出を減らすための変調の実際の適応は、本発明の範囲内ではなく、したがって、この時点で説明されない。この場合、ネットワーク通信システム50は、変調のこの適応を実行し得るために提供される。
【符号の説明】
【0060】
10 ネットワーク通信システム(先行技術)
12 マスター(先行技術)
14 スレーブ(先行技術)
16 通信バス(先行技術)
18 浮遊容量(先行技術)
20 変調され得る電圧源(先行技術)
22 測定抵抗(先行技術)
24 第1の電圧計(先行技術)
26 電流測定装置(先行技術)
28 第2の電圧計(先行技術)
30 電流変調装置、変調可能な電流シンク(先行技術)
スレーブによって変調された電流(先行技術)
マスターによって変調された電圧(先行技術)
50 ネットワーク通信システム
52 第1の通信デバイス、マスター
54 第2の通信デバイス、スレーブ
56 通信バス
58 線
60 終端抵抗
62 終端電圧源、定電圧源
64 バイアス電圧源、定電圧源
66 電流測定装置
68 測定抵抗
69 電流ミラー
70 第1の電圧測定装置
71 電流計
72 第1の変調装置、変調され得る電流源
74 供給電圧源
76 ダイオード
78 第2の変調装置、変調され得る電流シンク
80 第2の電圧測定装置
82 第1の送信フェーズ
84 第2の送信フェーズ
マスターによって変調された電流
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
【国際調査報告】