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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】流れのための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/00 20160101AFI20220131BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
A61B90/00
A61B18/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020545583
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(85)【翻訳文提出日】2020-11-04
(86)【国際出願番号】 US2019062645
(87)【国際公開番号】W WO2020106977
(87)【国際公開日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】62/770,341
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520142893
【氏名又は名称】バッファロー フィルター エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】BUFFALO FILTER LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェツォフ,キリーロ
(72)【発明者】
【氏名】ペペ,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ボナーノ,サマンサ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ11
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK13
4C160KK70
(57)【要約】
【要約】 外科的治療のための方法及び装置が提示される。代表的な外科装置は、縦軸と末端と基端と前記縦軸を通って延在する流体管とを有する細長い本体と、前記末端の近くに配置され第1流量の流体の流れを許すように働きうる流体入口とを備える。外科装置は前記末端の近くに配置された切断要素と、前記基端の近くに配置された流体出口であって、前記流体入口と前記流体管を介して流体連通する流体出口とを更に備える。外科装置は前記細長い本体によって前記末端近くに画定された少なくとも1つの穿孔であって、前記流体管と流体連通する少なくとも1つの穿孔を更に備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科装置であって、
縦軸と末端と基端と前記縦軸を通って延在する流体管とを有する細長い本体と、
前記末端の近くに配置され第1流量の流体の流れを許すように働きうる流体入口と、
前記末端の近くに配置された切断要素と、
前記基端の近くに配置された流体出口であって、前記流体入口と前記流体管を介して流体連通する流体出口と、
前記細長い本体によって前記末端近くに画定された少なくとも1つの穿孔であって、前記流体管と流体連通する少なくとも1つの穿孔と
を備える外科装置。
【請求項2】
前記流体出口に隣接して前記細長い本体と回転可能に結合された回り継手部分であって、前記流体管と流体連通するソケットを備える回り継手部分と、
前記ソケット内に少なくとも部分的に配置され前記ソケットと流体連通するボール部分と、
前記ボール部分と結合され前記ボール部分と流体連通する第2流体管と
を更に備える請求項1記載の外科装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの穿孔は前記流体入口より小さい面積を有する隙間を画定する、請求項1記載の外科装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの穿孔は第2流量の流体の流れを許すように働くことが可能で、前記第1流量は前記第2流量より大きい、請求項1記載の外科装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの穿孔は外側開口及び内側開口を有し、前記外側開口は前記内側開口よりも前記末端の近くに配置されている、請求項1記載の外科装置。
【請求項6】
前記切断要素は前記末端から延びる電極を備える、請求項1記載の外科装置。
【請求項7】
前記切断要素は前記末端から延びる超音波刃を備える、請求項1記載の外科装置。
【請求項8】
前記切断要素は光学ファイバーを備える、請求項1記載の外科装置。
【請求項9】
前記流体管と流体的に結合された真空チューブと、
前記真空チューブと流体的に結合され流体の流れを生成するように動作可能な真空源と
を更に備える請求項2記載の外科装置。
【請求項10】
前記細長い本体に結合され前記切断要素を制御するように働きうる第1ボタン及び第2ボタンを更に備える請求項1記載の外科装置。
【請求項11】
前記第1ボタンは第1動力レベルを作動するように働くことが可能で、前記第2ボタンは第2動力レベルを作動するように働くことが可能である、請求項10記載の外科装置。
【請求項12】
前記細長い本体によって前記基端近くに画定された第2の少なくとも1つの穿孔であって、前記流体管と流体連通する第2の少なくとも1つの穿孔を更に備える請求項1記載の外科装置。
【請求項13】
前記細長い本体は、前記少なくとも1つの穿孔と前記第2の少なくとも1つの穿孔の間に配置され前記流体管と流体連通する第3の少なくとも1つの穿孔を画定する、請求項12記載の外科装置。
【請求項14】
前記流体入口は前記切断要素の近傍の流体を捕捉するように働くことが可能で、前記少なくとも1つの穿孔は前記切断要素から隔たった流体を捕捉するように働くことが可能である、請求項1記載の外科装置。
【請求項15】
外科装置であって、
基端及び末端を有する細長い本体と、
前記末端の近くに配置された流体入口と、
前記末端の近くに配置された切断要素と、
前記基端の近くに配置された流体出口であって、前記流体入口と流体管を介して流体連通する流体出口と、
前記細長い本体によって前記末端近くに画定された複数の穿孔であって、前記流体管と流体連通する複数の穿孔と
を備える外科装置。
【請求項16】
前記細長い本体によって画定された前記複数の穿孔は、前記末端と前記基端の間の前記細長い本体の長さに沿って位置する、請求項15記載の外科装置。
【請求項17】
前記細長い本体は上部と底部を画定し、前記複数の穿孔は前記上部に沿って位置する、請求項15記載の外科装置。
【請求項18】
準備する方法であって、
基端及び末端を有する細長い本体と、前記末端の近くに配置された流体入口と、前記末端の近くに配置された切断要素と、前記基端の近くに配置され前記流体入口と流体管を介して流体連通する流体出口と、前記細長い本体によって前記末端近くに画定され前記流体管と流体連通する少なくとも1つの穿孔とを備える外科装置を準備するステップと、
前記流体出口と流体連通する真空源を準備するステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの穿孔は、前記流体入口により捕捉されなかったプルームの少なくとも一部を捕捉する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの穿孔は外側開口及び内側開口を有し、前記外側開口は前記内側開口よりも前記末端の近くに配置されている、請求項18記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の代表的な実施形態は外科的治療のための方法及び装置に関する。本開示の代表的な実施形態は特に外科的治療中の排気のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外科煙及びエアロゾル、又はプルーム(上昇流)が様々な種類の手術の実行中しばしば生成される。例えば、レーザー又は電気外科的エネルギーが細胞に届けられると、熱が生成される。この熱が細胞内液体を蒸発させその細胞内の圧力を増加させ、最終的に細胞膜を破裂させる。この例では、水蒸気を含む煙のプルームが外科的治療の行われている手術室、診察室、又は他の場所の空気中に放出される。同時に、生成された熱はその細胞内のタンパク質及び他の有機物を焦がし、隣接する細胞の熱壊死を引き起こすことがある。細胞の焦げはまた、他の有害な汚染物質、例えば炭化した細胞断片及び気体炭化水素を放出する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記に鑑みて、外科的治療のための方法及び装置を提供することが本開示の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の代表的な実施形態は、外科装置を提供する。この外科装置は縦軸と末端と基端と前記縦軸を通って延在する流体管とを有する細長い本体と、前記末端の近くに配置され第1流量の流体の流れを許すように働きうる流体入口とを備える。外科装置は前記末端の近くに配置された切断要素と、前記基端の近くに配置された流体出口であって、前記流体入口と前記流体管を介して流体連通する流体出口と、前記細長い本体によって前記末端近くに画定された少なくとも1つの穿孔であって、前記流体管と流体連通する少なくとも1つの穿孔とを更に備える。
【0005】
本開示の第2の代表的な実施形態は、外科装置を提示する。この外科装置は基端及び末端を有する細長い本体と、前記末端の近くに配置された流体入口とを備える。外科装置は、前記末端の近くに配置された切断要素と、前記基端の近くに配置された流体出口であって、前記流体入口と流体管を介して流体連通する流体出口と、前記細長い本体によって前記末端近くに画定された複数の穿孔であって、前記流体管と流体連通する複数の穿孔とを更に備える。
【0006】
本開示の第3の代表的な実施形態は、外科手術の方法を提示する。この方法は、基端及び末端を有する細長い本体と、前記末端の近くに配置された流体入口とを備える外科装置を準備するステップを含む。この外科装置は、前記末端の近くに配置された切断要素と、前記基端の近くに配置され前記流体入口と流体管を介して流体連通する流体出口とを更に備える。外科装置は、前記細長い本体によって前記末端近くに画定され前記流体管と流体連通する少なくとも1つの穿孔を更に備える。本方法は、前記流体出口と流体連通する真空源を準備するステップと、組織を切るステップであって、それによりプルームが発生し少なくとも部分的に前記流体入口及び前記少なくとも1つの穿孔を介して前記流体管に伝えられる、ステップとを更に含む。
【0007】
本開示の第4の代表的な実施形態は、外科装置を提示する。この外科装置は基端及び末端を有する細長い本体と、前記末端の近くに配置された流体入口とを備える。外科装置は、前記末端の近くに配置された切断要素と、前記基端の近くに配置された流体出口であって、前記流体入口と流体管を介して流体連通する流体出口とを更に備える。外科装置は前記細長い本体によって前記基端近くに画定された複数の穿孔であって、前記流体管と流体連通する複数の穿孔を更に備える。
【0008】
本開示の実施形態を下記に記載するが、本開示は記載された実施形態に限定されず、本発明の様々な部分変更が基本原理から逸脱することなく可能であることは理解されるべきである。従って、本開示の範囲は添付の請求項によってのみ決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第1実施形態の斜視図を示す。
図2】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第2実施形態の斜視図を示す。
図3】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第3実施形態の斜視図を示す。
図4】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第3実施形態の別の斜視図を示す。
図5】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第4実施形態の斜視図を示す。
図6】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第4実施形態の別の斜視図を示す。
図7】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した代表的な装置の断面図を示す。
図8】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した代表的な装置の別の断面図を示す。
図9】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第5実施形態の斜視図を示す。
図10】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第6実施形態の斜視図を示す。
図11】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第7実施形態の斜視図を示す。
図12】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第8実施形態の斜視図を示す。
図13】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第9実施形態の斜視図を示す。
図14】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第10実施形態の斜視図を示す。
図15】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第11実施形態の斜視図を示す。
図16】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の第12実施形態の斜視図を示す。
図17】本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置の末端の接近図を示す。
図18】本開示の代表的な実施形態を実施するのに適した論理フロー図を示す。
【0010】
置の第9実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一部の外科的治療中、プルーム又は煙が手術部位の近くで生成される。このプルーム又は煙は気体、流体、及び/又は粒子を含みうる。これらの気体、流体、及び/又は粒子は吸い込むと人に有害でありうる。これらの気体、流体、及び/又は粒子はまた、手術実行中に手術部位を見る医療従事者の視野を遮ることがある。医療従事者が適正に手術部位を見ることができないと、医療従事者は治療中に間違いをより犯し易い場合がある。従って、外科的治療実行中に手術部位から及びその周りの外科煙、プルーム、気体、流体、及び/又は粒子を効果的にかつ効率的に取り除く必要がある。
【0012】
本開示の実施形態は気体、流体、及び/又は粒子の流れに自身の中を通過させるように動作可能な外科装置を提供する。本開示の実施形態は外科的治療中に生成された気体、流体、及び/又は粒子が手術部位近傍から取り除かれ又は排気されるのを許す。本開示の実施形態は増加した表面面積を有する外科装置を提供し、その外科装置は気体、流体、及び/又は粒子を手術部位の単に近傍でなくより大きな領域から排気するように動作可能である。本開示の実施形態は切断要素の近くに位置する1つ又は複数の穿孔を有する外科装置を提供し、各穿孔は、気体、流体、及び/又は粒子を排気するためにその外科装置内の管に流体的に接続されている。本開示の実施形態は、自身の長軸に沿って配置された複数の穿孔を有する外科装置であって、その長軸を通る気体、流体、及び/又は粒子の流れを許すために動作可能な外科装置を提供する。
【0013】
図1~16を参照すると、本開示の代表的な実施形態を実行するのに適した装置100の代表的な実施形態が示されている。図1は本体102及び縦軸103を有する装置100を示す。装置100の末端104に切断要素106がある。切断要素106の実施形態は切断及び/又は凝固のために手術部位に電流を印加するように働きうる電極を含む。切断要素106の実施形態は超音波メス又はレーザーメスを含む。装置100の実施形態は第1ボタン107及び幾つかの例では第2ボタン109を含む。装置100の実施形態は、ボタン107、109は(1)切断要素106を作動/停止させる、(2)切断要素106の切断構成を変更する(例えば、切断から凝固へ)、(3)排気源を作動/停止させる、及び/又は(4)1つの構成では管110(図7及び図8に示す)を通る流体、気体、及び/又は粒子の流れを許し、第2の構成では管119を通る流体、気体、及び/又は粒子の流れを遮断するように動作可能な管110内のバルブ111(図7に示す)を操作するように働くことが可能であってもよいと規定する。更に別の実施形態では、第1及び第2ボタン107、109は切断要素106の第1動力レベル及び第2動力レベルを作動するように働きうる。
【0014】
切断要素106の近くに入口108がある。入口108は管110に流体的に接続された開口を提供する。管110は本体102の縦軸103を通って延在する。管110は本体102を通る流体、気体、及び/又は粒子の流れを許す中空のチャネルを提供する。本体102の基端112に出口114(図7及び図8に示す)がある。出口114は管110に流体的に接続され、流体、気体、及び/又は粒子の流れが通るのを許す開口を提供する。出口114はチューブ116に流体的に結合されている。チューブ116は出口114及び排気源117(例えば、図2に示すような真空源)に流体的に接続された中空の通路を画定する。排気源117の実施形態は、流体及び/又は粒子の流れが入口108から排気源117へ流れるように、入口108、穿孔120、管110、出口114、及びチューブ116を通る流体及び/又は粒子の流れを駆り立てる又は生成するように動作可能である。排気源117の実施形態は、排気源117が装置100及びチューブ116を通る真空又は流体流を生成するように動作可能であるようにモーター119及び電源121(例えば、コンセント又は電池123からの電力)を含む。この実施形態では、出口114は中空の通路119(図6~8参照)を有するボール回り継手118に流体的に接続されていて、中空の通路119はチューブ116、出口114、及び管110に流体的に接続されている。ボール回り継手118は複数の角度へ動く及び/又は回転してチューブ116及び/又は本体102が互いに対して動かされるのを許すように働きうる(図1図6図7、及び図8参照)。ボール回り継手118は出口114に隣接して本体102と回転可能に結合したソケット部分を含む。ボール回り継手118は、ソケット部分内に少なくとも部分的に配置されたボール部分も含み、ボール部分及びソケット部分は互いに流体連通して一緒に中空の通路119を形成する。
【0015】
入口108の近くに穿孔120がある。穿孔120は本体102に周囲環境から管110への開口、通路、又は孔を提供する。穿孔120は管110に流体連通している(流体的に接続されているとも言う)。穿孔120は、周囲環境から穿孔120を通って管110への流体、気体、及び/又は粒子の流れを許すように働きうる。本開示の実施形態は、出口114が第1流率の流体、気体、及び/又は粒子の流れを許し、穿孔120が第2流率の流れを許すと規定することは理解されるべきである。1つの実施形態では、第2流率は第1流率より小さいであろう。別の実施形態では、穿孔120を通る流量は出口114を通る流体の流量以下である。穿孔120の実施形態は入口108の面積より小さい面積を持つ隙間を画定する。別の実施形態では、穿孔120の実施形態は、入口108の面積以下の面積を持つ隙間を画定する。
【0016】
装置100の末端の接近図を描く図17を参照する。図17は筒124の入口108から延びる電極106を示す。筒124は、管110への隙間、穴、又は通路を提供する穿孔120を有する。この実施形態では、穿孔120は、筒124の半径方向外面1708に隣接する外側開口部分1702(周囲環境に流体的に接続されている)と筒124の半径方向内面1710に隣接する内側開口部分1704(管110に流体的に接続されている)とを有することは理解されるべきである。穿孔120の外側開口部分1702及び内側開口部分1704は互いに流体連通し半径方向穿孔面1706により接続されている。半径方向穿孔面1706は、外側開口部分1702と内側開口部分1704とを接続する筒124の半径方向面によって画定される。図17に描かれているように、外側開口部分1702は内側開口部分1704よりも末端104の近くに配置されうる。言い換えると、外側開口部分1702及び内側開口部分1704は縦軸103に垂直でなく、縦軸103に対して90度と10度の間の角度である。言い換えると、外側開口部分1702と内側開口部分1704の間の半径方向穿孔面1706は末端104に向かって又はいずれか他の方向に傾斜していてもよい。別の実施形態では、半径方向穿孔面1706が基端112に向かって傾斜するように、外側開口部分1702は内側開口部分1704よりも基端112の近くに配置されうる。更に別の実施形態では、外側開口部分1702は、内側開口部分1704から半径方向に間隔をあけて配置される。複数の実施形態では、穿孔120のうち幾つか又は全てが半径方向穿孔面1706間の穿孔120内に位置するフィルター1712を含む。フィルター1712の実施形態は、フィルター1712を通過する流れから気体、流体、及び/又は粒子を除去するように働きうる。フィルター1712の実施形態はHEPAフィルター、炭素フィルター、及び当技術で既知の任意の種類の空気フィルターを含む。炭素フィルターの実施形態は穿孔120を通過する気体及び/又は流体から粒子を捕捉又は除去するように働きうる多孔性炭素を含む。
【0017】
図1に示すように、装置100は入口108の近くに位置する3つの穿孔120を含む。しかし、実施形態は1つ又は複数の穿孔120が本体102に沿ってどこでも配置されると規定することは理解されるべきである。図2を参照すると、入口108の近くに配置された2つの穿孔120を有する装置100の実施形態が示されている。
【0018】
図3を参照すると、装置100の更に別の実施形態が示されている。この実施形態では、装置100は入口108の近くに配置された1つの穿孔120を有する。図4を参照すると、入口108、穿孔120、管110、出口114、及びチューブ116を通過する流れから気体、流体、及び/又は粒子を除去するように働きうるフィルター組立体122に結合されたチューブ116付きの装置100が例示されている。実施形態は、入口108、穿孔120、管110、出口114、及びチューブ116を通る流体、気体、及び/又は粒子の流れを駆り立てる又は生成するように動作可能な真空又は排気源がフィルター組立体122に結合されることを含むことは理解されるべきである。真空又は排気源の実施形態は医療施設の壁内に設置された中央真空ユニットと、フィルター組立体122の近く又は間隔をあけて位置する独立ユニット又は遠隔真空ユニット(図2に示すような)とを含む。
【0019】
図5を参照すると、本体102、入口108、及び1つの穿孔120を有する装置100の更に別の実施形態が示されている。この実施形態では、切断要素106を囲う筒124は、縦軸103に沿って延び図1~3における長さより短い長さを有することは理解されるべきである。装置100の実施形態は、切断要素106の長さに部分的に、その10%、25%、50%、又は75%に亘って延在する筒124を含む。
【0020】
本体102、筒124、及び穿孔120を有する装置100の別の実施形態を例示する図9を参照する。実施形態は、複数の穿孔120(図9に描かれたような)は互いに同一線上にあり穿孔120が互いに近接して装置100の縦軸103に沿って並ぶと規定することは理解されるべきである。図9に示された実施形態では、穿孔120は縦軸103を基準として第1及び第2ボタン107、109と同じ半径方向位置に沿って位置する。しかし、穿孔120の実施形態は本体102(又は筒124)上の任意の半径方向位置に互いに同一線上に位置しうるか又は互いに同一線上になくてもよいことは理解されるべきである。図10に示すように、穿孔120が装置100の縦軸103に沿って互いに同一線上にあるが、第1及び第2ボタン107、109の半径方向位置から90度に位置する。
【0021】
図11を参照すると、本体102及び穿孔120を有する装置100の更に別の代表的な実施形態が示されている。図11に描かれているように、穿孔120は、本体102の筒124部分ではなく第1及び第2ボタン107、109の近くに本体102に沿って位置する。この実施形態では、穿孔120が、隣接する筒124から隣接するボール回り継手118まで延在する本体102に沿って第1及び第2ボタン107、109と同一線上にある。装置100上の穿孔120の位置に拘らず、各実施形態で、穿孔120は管110と装置100の外部環境の間の隙間、穴、又は通路を提供することは理解されるべきである。図12を参照すると、図11における装置に類似の装置100の実施形態が示されている。図12は本体102と本体102の縦軸103に沿って互いに同一線上に位置する複数の穿孔120とを有する装置100を示す。しかし、この実施形態では、穿孔120は第1及び第2ボタン107、109から半径方向に縦軸103に関して約90度間隔をあけられている。
【0022】
図13を参照すると、本体102及び穿孔120を有する装置100の別の代表的な実施形態が示されている。この実施形態では、3つだけの穿孔120がボール回り継手118の近くに位置する。装置100の実施形態は、複数の穿孔120が装置100の複数の半径方向位置(又は側面)に位置すると規定することは理解されるべきである。例えば、図13の装置100は一方の側面に沿った3つの穿孔120と、図13に描かれた3つの穿孔120から半径方向に180度離れた別の側面に沿って位置する3つの穿孔120とを有してもよい。
【0023】
本体102、筒124、及び穿孔120を有する装置100を描く図14を参照する。この実施形態に示すように、半径方向に沿って互いに同一線上にある穿孔120が2組存在する。言い換えると、穿孔120は筒124に外接し筒124の周りに2つの輪を作る。実施形態は、筒124及び/又は本体102の周りに1つ(図16に示す)又は複数の輪を形成する穿孔120を含むことは理解されるべきである。図15を参照すると、本体102とボール回り継手118の近くに位置する単一の穿孔120とを有する別の代表的な装置100が示されている。
【0024】
実際に、装置100の実施形態を外科的治療に使用できる。例えば、切断要素106は人の組織を切るために使用されるであろう。この切ることは手術部位を囲む空気に入る気体、流体、及び/又は粒子を含みうる外科煙又はプルームの生成を引き起こしうる。装置100のチューブ116及び管110に流体的に接続された真空源117が作動され、入口108、穿孔120、管110、出口114、及びチューブ116を通る気体、流体、及び/又は粒子の流れが生成又は駆り立てられるであろう。外科煙又はプルームは手術部位に隣接していないことがあるので、入口108だけでは視野を遮る外科煙の全てを排気することはできないであろう。これに関して、穿孔120は煙又はプルームを手術室/区域からより迅速かつ効率的に除去できるように排気の領域を増大させる。穿孔120がフィルター1712を有する実施形態の場合、フィルター1712及び穿孔120を通過する気体、流体、及び/又は粒子は各特定の穿孔120内に位置するフィルター1712の種類に基づいて濾過されるであろう。
【0025】
本開示の代表的な実施形態を実施するのに適した論理フロー図を描く図18を参照する。ブロック1802は、基端及び末端を有する細長い本体、末端近くに配置された流体入口、末端近くに配置された切断要素、基端近くに配置され流体入口と流体管を介して流体連通する流体出口、及び細長い本体によって末端近くに画定されその流体管と流体連通する少なくとも1つの穿孔を含む外科装置を準備すること、及び流体出口と流体連通する真空源を準備することを述べる。次に、ブロック1804は少なくとも1つの穿孔は流体入口により捕捉されなかったプルームの少なくとも一部を捕捉すると明示する。
【0026】
上記に詳述した非限定の実施形態の幾つかも、図18においてブロック1804の後にまとめられている。ブロック1806は少なくとも1つの穿孔が流体入口より小さい面積を有する隙間を画定すると述べる。ブロック1808は少なくとも1つの穿孔が第2流量の流体の流れを許すように働くことが可能で第1流量は第2流量より大きいと述べる。次に、ブロック1810は少なくとも1つの穿孔は外側開口及び内側開口を有し、外側開口は内側開口よりも末端の近くに配置されていると明示する。ブロック1812は、切断要素は(1)末端から延びる電極、(2)末端から延びる超音波刃、及び(3)光学ファイバーのうち1つを備えると述べる。次にブロック1814は細長い本体によって基端近くに画定され流体管と流体連通する第2の少なくとも1つの穿孔を更に有する外科装置に関する。次にブロック1816は、細長い本体が少なくとも1つの穿孔と第2の少なくとも1つの穿孔の間に配置された第3の少なくとも1つの穿孔を画定し、第3の少なくとも1つの穿孔は流体管と流体連通すると記述する。最後に、ブロック1818は、流体入口が切断要素近傍の流体を捕捉するように働くことが可能で、少なくとも1つの穿孔は切断要素から隔たった流体を捕捉するように働きうると述べる。
【0027】
図18の論理図は方法の動作、又は装置の部品がその装置を動作させる又は提供するように構成された特定のやり方を例示していると考えられてもよい(そのような装置が電気外科装置又は外科装置であろうと、それらの1つ以上の部品であろうと)。
【0028】
上述された実施形態を参照して本開示を詳細に説明したが、本開示の要旨及び範囲内で変形及び部分変更を行いうることは理解されるであろう。従って、ここに開示された実施形態は例示であって限定でないとあらゆる点で考えられる。本発明の範囲は添付の請求項によって示され、それらの等価物の趣旨及び範囲内に入る全ての変更を包含するように意図されている。
【符号の説明】
【0029】
100 外科装置
102 本体
103 縦軸
104 末端
106 切断要素
107、109 ボタン
108 流体入口
110 流体管
112 基端
114 流体出口
116 チューブ
117 排気源
118 ボール回り継手
119 モーター
120 穿孔
121 電源
122 フィルター組立体
123 電池
124 筒
1702 外側開口部分
1704 内側開口部分
1706 半径方向穿孔面
1708 半径方向外面
1710 半径方向内面
1712 フィルター
図1
図2
図3
図4
図5
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図18
【国際調査報告】