(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】OLED光源駆動制御回路及びOLEDランプ
(51)【国際特許分類】
H05B 47/18 20200101AFI20220131BHJP
H05B 45/14 20200101ALI20220131BHJP
H05B 45/34 20200101ALI20220131BHJP
H05B 47/14 20200101ALI20220131BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20220131BHJP
H05B 45/56 20200101ALI20220131BHJP
H05B 47/28 20200101ALI20220131BHJP
F21S 43/145 20180101ALI20220131BHJP
F21S 45/10 20180101ALI20220131BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220131BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B45/14
H05B45/34
H05B47/14
H05B45/345
H05B45/56
H05B47/28
F21S43/145
F21S45/10
F21Y115:15
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021513892
(86)(22)【出願日】2018-11-23
(85)【翻訳文提出日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2018117192
(87)【国際公開番号】W WO2020052077
(87)【国際公開日】2020-03-19
(31)【優先権主張番号】201811069370.5
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821501920.1
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518368191
【氏名又は名称】華域視覚科技(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】HASCO VISION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】767 Yecheng Road, Jiading District, Shanghai 201821 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 佳穎
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA07
3K273QA08
3K273QA27
3K273QA31
3K273QA34
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3K273SA08
3K273SA09
3K273SA22
3K273SA35
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3K273SA50
3K273TA03
3K273TA08
3K273TA15
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3K273TA28
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA62
3K273TA70
3K273UA06
3K273UA15
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA29
(57)【要約】
本発明はOLED光源駆動制御回路及びOLEDランプを提供し、前記駆動制御回路は、DC/DC定電圧モジュールと、外部トランシーバと、第一内部トランシーバと、マイクロプロセッサモジュールと、線形定電流モジュールと、OLEDスクリーン光源とを含み、マイクロプロセッサモジュールは第一内部トランシーバと通信し、検出した出力電圧をDC/DC定電圧モジュールにフィードバックしてDC/DC定電圧モジュールの動作を制御し、第一内部トランシーバは差動バスを介して線形定電流モジュールに接続され、線形定電流モジュールは複数の線形定電流チップを含み、各線形定電流チップはそれぞれ第二内部トランシーバを有し、第二内部トランシーバの差動バスインターフェースは前記第一内部トランシーバの差動バスインターフェースに接続される差動バス通信線上にそれぞれ接続される。本発明はより高い干渉防止能力を有することで、駆動システム全体の回路変換効率を効果的に高める。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DC/DC定電圧モジュールと、外部トランシーバと、第一内部トランシーバと、マイクロプロセッサモジュールと、線形定電流モジュールと、OLEDスクリーン光源とを含み、
前記DC/DC定電圧モジュールは、自動車電源線の陽極に接続され、前記外部トランシーバと、前記第一内部トランシーバと、前記マイクロプロセッサモジュールと、前記線形定電流モジュールとにそれぞれ電源を出力し、
前記外部トランシーバは、一端が自動車通信線に接続され、他端が前記マイクロプロセッサモジュールに接続され、前記自動車通信線が伝送する制御信号を受信し、前記制御信号を前記マイクロプロセッサモジュールに伝送することで、前記マイクロプロセッサモジュールに前記制御信号に対応する制御命令を実行させ、
前記マイクロプロセッサモジュールは、第一内部トランシーバと通信し、前記線形定電流モジュールの出力電圧を検出し、検出した出力電圧を、前記DC/DC定電圧モジュールが前記線形定電流モジュールに出力される出力電圧を調節するために前記DC/DC定電圧モジュールにフィードバックし、検出した電圧又は前記線形定電流モジュールがフィードバックした電圧に基づいて、前記DC/DC定電圧モジュールの動作を制御し、
前記第一内部トランシーバは、差動バスを介して前記線形定電流モジュールに接続され、前記マイクロプロセッサモジュールと前記線形定電流モジュールとの間の信号を伝送するのに用いられ、
前記線形定電流モジュールは、複数の線形定電流チップを含み、各前記線形定電流チップはそれぞれ第二内部トランシーバを有し、前記第二内部トランシーバの差動バスインターフェースは、前記第一内部トランシーバの差動バスインターフェースに接続される差動バス通信線上にそれぞれ接続されることで、前記第一内部トランシーバの差動バスインターフェースと通信を行い、
前記OLEDスクリーン光源は、各前記線形定電流チップにそれぞれ対応する複数のOLEDスクリーンを含み、前記線形定電流チップの出力チャネルを介して各OLEDスクリーンの発光を制御し、各出力チャネルは1つのOLED発光領域に対応し、
前記DC/DC定電圧モジュール、前記外部トランシーバ、前記第一内部トランシーバ、前記マイクロプロセッサモジュール、前記線形定電流モジュール及び前記OLEDスクリーン光源のグラウンド端はそれぞれ自動車電源線の陰極に接続されることを特徴とするOLED光源駆動制御回路。
【請求項2】
前記DC/DC定電圧モジュールと自動車電源線との間の回路上には逆接続防止回路が更に接続されることを特徴とする請求項1に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項3】
前記逆接続防止回路は逆接続防止ダイオード又は逆接続防止PMOS回路を含むことを特徴とする請求項2に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項4】
前記外部トランシーバはLINトランシーバであり、前記自動車通信線はLIN通信線であるか、又は、前記外部トランシーバはCANトランシーバであり、前記自動車通信線はCAN通信線であることを特徴とする請求項1に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項5】
前記外部トランシーバは前記マイクロプロセッサモジュール内に統合され、前記マイクロプロセッサモジュール内には低ドロップアウトレギュレータLDOが更に統合されることを特徴とする請求項1に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項6】
各前記線形定電流チップは複数の出力チャネルを有し、前記複数の出力チャネルは1つのOLEDスクリーン中の複数の発光領域に対応して接続されることを特徴とする請求項1に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項7】
線形定電流チップ数に1つの線形定電流チップ上の出力チャネル数を掛けた数は、OLEDスクリーン数に1つのOLEDスクリーン上の発光領域数を掛けた数以上であることを特徴とする請求項6に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項8】
前記OLEDスクリーン光源付近にはOLEDスクリーン光源の温度を検出するための過温度検出回路が設けられ、前記過温度検出回路は、前記マイクロプロセッサモジュールに接続され、検出した温度を前記マイクロプロセッサモジュールに伝送することを特徴とする請求項6に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項9】
前記過温度検出回路はPCB回路基板、前記PCB回路基板上に設けられるサーミスタ、プルアップ分圧抵抗及びA/Dサンプリング回路を含み、前記サーミスタと前記プルアップ分圧抵抗は接続され、前記A/Dサンプリング回路の一端は前記サーミスタと前記プルアップ分圧抵抗との間の回線上に接続され、他端は前記マイクロプロセッサモジュールのA/Dサンプリングポートに接続されることを特徴とする請求項8に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項10】
前記OLED光源駆動制御回路は前記差動バスを介してOLED光源の動的効果を制御し、前記差動バスが採用する差動バスプロトコルは、UARTプロトコルに基づいてローカル差動バス物理層構造と結び付けた高速デジタル通信バスプロトコルであることを特徴とする請求項1に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項11】
前記第一内部トランシーバは、各前記線形定電流チップ内部に有する第二内部トランシーバと制御信号の伝送を行い、前記第一内部トランシーバを通じて前記マイクロプロセッサモジュールと前記線形定電流モジュールが制御信号の伝送を行うことを特徴とする請求項1に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項12】
前記差動バス通信線を介して、各前記線形定電流チップ内における各チャネル上の対応OLED発光領域が対応するOLEDスクリーン電圧を収集し、OLEDスクリーン電圧が予め設定された範囲内に上昇するとき、前記マイクロプロセッサモジュールはフィードバック信号を出力して前記DC/DC定電圧モジュールの出力電圧を調節し、各前記線形定電流チップが十分な電圧を有することでOLEDスクリーン電圧が上昇し、OLEDスクリーン電圧が上昇して前記予め設定された範囲を超えるとき、前記マイクロプロセッサモジュールはフィードバック信号を出力して前記DC/DC定電圧モジュールの出力電圧を予め設定された限界電圧に上昇させることで、予め設定された定出力の限界電力を維持してOLEDスクリーン光源を駆動させることを特徴とする請求項1に記載のOLED光源駆動制御回路。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のOLED光源駆動制御回路を採用することを特徴とするOLEDランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車の車両ランプ技術分野に関し、特に、自動車のOLEDランプ技術分野、具体的にはOLED光源駆動制御回路及びOLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
LEDは自動車信号ランプにおける光源の第一候補として、各種機能の自動車信号ランプに広く、且つ十分に応用されている。しかし、LEDは点光源として、自動車の後部ランプにおいて何らかの機能の信号ランプに応用されるとき、一般的に、複数のLEDを要して1つの機能を実現する。複数LEDの発光効果については、良好な光学反射システム及び配光レンズを組み合わせて使用されているものではないため、良好な発光均一性を実現するのは難しい。有機発光ダイオード(OLED)製品は2つの大きなメリットを有する。一方では、自ら発光する特性により、いかなる光源システムの支持も不要である。また、OLED発光体の厚さは1.4ミリメートルしかなく、未来のテールランプにいたっては、紙を貼るように車体に貼り付けることができる。トランクの空間を占有する必要がなく、体積の面において、一般的なLED製品と比較するとより大きなメリットを有する。他方では、LEDの点光源と比較すると、OLEDは面光源及び拡散反射の特徴を有し、光質が均一であるため、無段階調光を実現でき、いかなる陰影も投影されることはない。OLEDには軽い、薄い、柔らかい、光質が良好などの利点があるため、省エネルギー面、設計面に関わらず、自動車照明分野において優れた役割を果たすことができる。OLEDパネルは厚さがますます薄くなり、スクリーンの色は単色から多色になり、剛性パネルから柔軟性パネルになるなど、OLED照明技術は成熟し続けている。
【発明の概要】
【0003】
現在、従来の車両ランプOLED駆動制御システムにおいて、駆動部分については純粋な線形定電流方式を採用し、光源の個別制御については、シングルチップマイクロコントローラのIOポートをスイッチングセットに直接接続して複数の線形定電流チップのPWM調光ポートをオンオフする方式を採用している。具体的には、中国実用新案特許番号ZL201720614078.1の実用新案を参照されたい。このような駆動方式は駆動効率が低く、シングルチップマイクロコントローラの資源を占有するIOポートが多くなり、接続ハーネスが複雑になることで、拡張性及びプラットフォーム化において不利である。また、EMC干渉防止能力が不十分であり、外部に強い電磁干渉を有するとき、OLEDの駆動及び制御回路が干渉を受けやすくなることから、OLEDの異常発光を引き起こす。
【0004】
上述の技術課題及び他の潜在的な技術課題を解決するために、本発明の実施例はOLED光源駆動制御回路を提供し、前記OLED光源駆動制御回路は、DC/DC定電圧モジュールと、外部トランシーバと、第一内部トランシーバと、マイクロプロセッサモジュールと、線形定電流モジュールと、OLEDスクリーン光源とを含む。前記DC/DC定電圧モジュールは自動車電源線の陽極に接続され、前記外部トランシーバと、前記第一内部トランシーバと、前記マイクロプロセッサモジュールと、前記線形定電流モジュールとにそれぞれ電源を出力する。前記外部トランシーバは、一端が自動車通信線に接続され、他端が前記マイクロプロセッサモジュールに接続され、前記自動車通信線が伝送する制御信号を受信し、前記制御信号を前記マイクロプロセッサモジュールに伝送することで、前記マイクロプロセッサモジュールに前記制御信号に対応する制御命令を実行させる。前記マイクロプロセッサモジュールは、第一内部トランシーバと通信し、前記線形定電流モジュールの出力電圧を検出し、検出した出力電圧を、前記DC/DC定電圧モジュールが前記線形定電流モジュールに出力される出力電圧を調節するために前記DC/DC定電圧モジュールにフィードバックし、検出した電圧又は前記線形定電流モジュールがフィードバックした電圧に基づいて、前記DC/DC定電圧モジュールの動作を制御する。前記第一内部トランシーバは、差動バスを介して前記線形定電流モジュールに接続され、前記マイクロプロセッサモジュールと前記線形定電流モジュールとの間の信号を伝送するのに用いられる。前記線形定電流モジュールは、複数の線形定電流チップを含み、各前記線形定電流チップはそれぞれ第二内部トランシーバを有し、前記第二内部トランシーバの差動バスインターフェースは、前記第一内部トランシーバの差動バスインターフェースに接続される差動バス通信線上にそれぞれ接続されることで、前記第一内部トランシーバの差動バスインターフェースと通信を行う。OLEDスクリーン光源は、各前記線形定電流チップにそれぞれ対応する複数のOLEDスクリーンを含み、前記線形定電流チップの出力チャネルを介して各OLEDスクリーンの発光を制御する。各出力チャネルは1つのOLED発光領域に対応する。前記DC/DC定電圧モジュール、前記外部トランシーバ、前記第一内部トランシーバ、前記マイクロプロセッサモジュール、前記線形定電流モジュール及び前記OLEDスクリーン光源のグラウンド端はそれぞれ、自動車電源線の陰極に接続される。
【0005】
本発明の一実施例において、前記DC/DC定電圧モジュールと自動車電源線との間の回路上には逆接続防止回路が更に接続される。
【0006】
本発明の一実施例において、前記逆接続防止回路は、逆接続防止ダイオード又は逆接続防止PMOS回路を含む。
【0007】
本発明の一実施例において、前記外部トランシーバはLINトランシーバであり、前記自動車通信線はLIN通信線である。又は、前記外部トランシーバはCANトランシーバであり、前記自動車通信線はCAN通信線である。
【0008】
本発明の一実施例において、前記外部トランシーバは前記マイクロプロセッサモジュール内に統合され、前記マイクロプロセッサモジュール内には低ドロップアウトレギュレータLDOが更に統合される。
【0009】
本発明の一実施例において、各前記線形定電流チップは複数の出力チャネルを有し、前記複数の出力チャネルは1つのOLEDスクリーン中の複数の発光領域に対応して接続される。
【0010】
本発明の一実施例において、線形定電流チップ数に1つの線形定電流チップ上の出力チャネル数を掛けた数は、OLEDスクリーン数に1つのOLEDスクリーン上の発光領域数を掛けた数以上である。
【0011】
本発明の一実施例において、前記OLEDスクリーン光源付近にはOLEDスクリーン光源の温度を検出するための過温度検出回路が設けられ、前記過温度検出回路は、前記マイクロプロセッサモジュールに接続され、検出した温度を前記マイクロプロセッサモジュールに伝送する。
【0012】
本発明の一実施例において、前記過温度検出回路はPCB回路基板、前記PCB回路基板上に設けられるサーミスタ、プルアップ分圧抵抗及びA/Dサンプリング回路を含む。前記サーミスタと前記プルアップ分圧抵抗は接続され、前記A/Dサンプリング回路の一端は前記サーミスタと前記プルアップ分圧抵抗との間の回線上に接続され、他端は前記マイクロプロセッサモジュールのA/Dサンプリングポートに接続される。
【0013】
本発明の一実施例において、前記差動バスを介してOLED光源の動的効果を制御する。前記差動バスが採用する差動バスプロトコルは、UARTプロトコルに基づいてローカル差動バス物理層構造と結び付けた高速デジタル通信バスプロトコルである。
【0014】
本発明の一実施例において、前記第一内部トランシーバは、各前記線形定電流チップ内部に有する第二内部トランシーバと制御信号の伝送を行い、前記第一内部トランシーバを通じて前記マイクロプロセッサモジュールと前記線形定電流モジュールが制御信号の伝送を行う。
【0015】
本発明の一実施例において、前記差動バス通信線を介して、各前記線形定電流チップ内における各チャネル上の対応OLED発光領域が対応するOLEDスクリーン電圧を収集する。OLEDスクリーン電圧が予め設定された範囲内に上昇するとき、前記マイクロプロセッサモジュールはフィードバック信号を出力して前記DC/DC定電圧モジュールの出力電圧を調節し、各前記線形定電流チップが十分な電圧を有することでOLEDスクリーン電圧が上昇する。OLEDスクリーン電圧が上昇して前記予め設定された範囲を超えるとき、前記マイクロプロセッサモジュールはフィードバック信号を出力して前記DC/DC定電圧モジュールの出力電圧を予め設定された限界電圧に上昇させることで、予め設定された定出力の限界電力を維持してOLEDスクリーン光源を駆動させる。
【0016】
本発明の実施例はまた、OLEDランプを提供し、上述のOLED光源駆動制御回路を採用する。
【発明の効果】
【0017】
上述したように、本発明のOLED光源駆動制御回路及びOLEDランプは、以下の有益な効果を有する。
【0018】
1、本発明は、差動バス通信方式を採用しており、当該差動バスプロトコルは、UARTプロトコルに基づいてローカル差動バス物理層構造と結び付け、改良・改善された高速デジタル通信バスプロトコルである。当該差動バス通信プロトコル及び方式は、従来のI2C又はSPI通信線と比較すると、2本の差動線路における「電圧差」のような形式の信号を伝送信号として採用するため、より高い干渉防止能力を有する。このような干渉防止能力は、当該駆動回路の回路レイアウトを簡便にすることができる。従来のI2CとSPIの通信方式は干渉防止能力が低いため、通信インターフェースを有する線形定電流モジュールとマイクロプロセッサモジュールを同一のPCB基板上に配置して、通信線が長すぎて外部干渉を受けるということを回避する必要がある。当該差動バス通信プロトコルを運用することで、通信インターフェースを有する線形定電流モジュールとマイクロプロセッサモジュールを異なるPCB基板上に分散させて配置することができ、コンパクトな構造の自動車車両ランプにおける制御回路の設計と配置を便利にする。
【0019】
2、本発明は、DC/DC定電圧モジュールによる車体電圧に対する事前処理を採用しており、駆動システム全体の回路変換効率を効果的に高め、駆動で消費する電力と熱量を低減することにより、駆動板の面積を効果的に減らすことができる。
【0020】
3、本発明はフロントエンドDC/DC定電圧モジュールとバックエンド線形定電流モジュールを結び付けた回路形式を採用しており、スイッチング電源式回路の外部放射による干渉を効果的に低減することができ、EMC電磁両立試験に合格しやすくなる。
【0021】
4、本発明は、第一内部トランシーバと第二内部トランシーバを有する線形定電流モジュールとが差動バスを介して通信することを採用しており、制御回路構成を簡略化することでPCBの基板占有率を減らすとともに、MCUにおけるI/Oポート又はPWMポートの必要数を抑える。
【0022】
5、本発明は、OLEDが故障したとき、ENイネーブル信号を用いてDC/DC定電圧モジュールをオフすることで、OLED故障時のシャットダウン電流を減らすことができ、ランプが完成車工場車体BCMの故障診断に対する電流要求を満たしやすくなる。
【0023】
6、本発明は、OLEDスクリーンが劣化問題により電圧上昇した後、もともと設定されたバックエンド線形定電流駆動に供給される出力電圧が不足する(電圧差が不足する)ことでOLED電流が小さくなるということを回避し、これによりOLEDにおける一定の光束出力を維持できる。定出力するよう予め設定されたある限界電力を維持してOLED光源を駆動し、ランプシステム全体が過剰に過熱されることを回避することができる。
【0024】
7、本発明は、OLEDを流れる電流の大きさを低減するか、又はOLED光源をオフし、高温によるOLEDの破損を回避することができる。
【0025】
8、本発明は、簡潔な制御回路構成によって複数のOLED光源発光領域又は複数のLED光源の個別制御を実現することができ、豊富な動的効果、文字情報表示などの機能を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の実施例における技術方案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面について簡単に紹介するが、以下に説明する図面は本発明の一部の実施例にすぎず、当業者であれば、創造的な労力を要さないことを前提に、これらの図面に基づいて他の図面も得ることができることは明らかである。
【0027】
【
図1】
図1は本発明のOLED光源駆動制御回路における原理の構造模式図である。
【
図2】
図2は本発明のOLED光源駆動制御回路においてLIN通信を採用するときの具体的な回路の構造模式図である。
【
図3】
図3は本発明のOLED光源駆動制御回路においてCAN通信を採用するときの具体的な回路の構造模式図である。
【
図4】
図4は本発明のOLED光源駆動制御回路が同等の効果を有する別の回路の構造模式図である。
【
図5】
図5は本発明のOLED光源駆動制御回路が同等の効果を有する別の回路の構造模式図である。
【
図6】
図6は本発明のOLED光源駆動制御回路が同等の効果を有する別の回路の構造模式図である。
【
図7】
図7は本発明のOLED光源駆動制御回路が同等の効果を有する別の回路の構造模式図である。
【
図8】
図8は本発明のOLED光源駆動制御回路におけるOLEDスクリーンのレイアウト模式図である。
【
図9】
図9は本発明のOLED光源駆動制御回路における過温度検出回路の接続模式図である。
【
図10】
図10は本発明のOLED光源駆動制御回路における過温度検出回路の回路構造模式図である。
【
図11】
図11は本発明のOLED光源駆動制御回路におけるDC/DC定電圧モジュールの例を示す図である。
【
図12】
図12は本発明のOLED光源駆動制御回路におけるハードウエア応用の例を示す図である。
【
図13-1】
図13-1は本発明のOLED光源駆動制御回路においてLED光源を採用するときの全体構造模式図である。
【
図13-2】
図13-2は本発明のOLED光源駆動制御回路においてLED光源を採用するときの全体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、特定の具体的な実施例を通じて本発明の実施形態を説明するが、当業者であれば本明細書で開示された内容によって本発明の他の利点と効果を容易に理解することができる。また、本発明は、その他の異なる具体的実施形態による実施又は応用も可能である。本明細書における各詳細については、異なる視点及び応用に基づき、本発明の精神を逸脱しないことを前提に各種の補足又は変更を行ってもよい。説明すべき点として、矛盾しない状況においては、以下の実施例及び実施例中の特徴は互いに組み合わせることができる。
【0029】
図1から
図13を参照されたい。注意すべき点として、本明細書の図面において図示される構造、割合、大きさなどはいずれも、明細書に示される内容と組み合わせることで当業者の理解と閲読に供するものに過ぎず、本発明で実施可能な限定条件を限定するためのものではなく、故に、技術上の実質的意味はなく、構造の補足、割合関係の変更又は大きさの調整はいずれも、本発明によって生じることができる効果及び達成することができる目的に影響しない状況において、本発明に示される技術内容が包括できる範囲内に含まれるべきである。また、本明細書で引用される、例えば「上」、「下」、「左」、「右」、「中間」、「一の」などの用語もまた記述を明瞭化するためのものにすぎず、本発明で実施可能な範囲を限定するものではない。相対関係の変更又は調整もまた、技術内容を実質的に変更しないことを前提に、本発明で実施可能な範疇とみなされる。
【0030】
本実施例の目的は、自動車OLEDランプにおける電子電源の駆動及び制御システムに広く応用することができ、従来のOLEDランプにおける線形駆動システムは熱量が大きく、制御基板に要する面積が大きく、EMC干渉防止能力が不十分であるという問題を改善でき、更に、OLED車両ランプ中の複雑な複数のOLED光源において複数にブロック化された発光領域を個別に制御することにより動的なOLED表示効果を実現するというニーズに対して、OLEDランプ中の制御システムを簡略化でき、制御回路中の接続ハーネスを簡略化でき、カスケード拡張を便利にする。個別に制御可能なOLED発光領域の増加については、シングルチップマイクロコントローラモデル選定においてモデルを変更せずに直接カスケード接続してバックエンドOLED線形定電流駆動チップ数を拡張することが可能であり、OLED制御部分のプラットフォーム化に有利なOLED光源駆動制御回路及びOLEDランプを提供することである。
【0031】
本発明は、従来の自動車用OLEDランプ駆動回路において、線形定電流式駆動が単一で用いられ、駆動回路の動作効率が低く、熱量が大きく、駆動制御基板の面積が大きく、干渉防止能力が不十分になるというような、単一型線形駆動回路を使用することによる欠点を解決し、駆動変換効率を高めるために、ランプ内全体の環境温度を低下させ、フロントエンドDC/DC+バックエンド線形の全く新しい回路構成を採用する。フロントエンドDC/DC定電圧方式は、出力電圧をOLED自体の電圧より少し高い程度の値に制御し、バックエンドの複数の線形駆動に給電することで、システム全体の駆動回路における動作効率を高め、OLED駆動の熱量を低減する。
【0032】
以下、本発明のOLED光源駆動制御回路及びOLEDランプにおける原理と実施形態を詳細に説明するが、当業者であれば創造的な労力を要さずに本発明のOLED光源駆動制御回路及びOLEDランプを理解することが可能である。
【0033】
本発明の実施例はOLED光源駆動制御回路を提供し、前記OLED光源駆動制御回路は、DC/DC定電圧モジュール110と、外部トランシーバ120と、第一内部トランシーバ140と、マイクロプロセッサモジュール130と、線形定電流モジュール150と、OLEDスクリーン光源160とを含む。
【0034】
本実施例において、前記DC/DC定電圧モジュール110は自動車電源線の陽極に接続され、前記外部トランシーバ120と、前記第一内部トランシーバ140と、前記マイクロプロセッサモジュール130と、前記線形定電流モジュール150とにそれぞれ電源を出力する。
【0035】
前記DC/DC定電圧モジュール110は、線形定電流モジュール150に電源を出力するだけでなく、DC/DC定電圧モジュール110は更に、外部トランシーバ120と、マイクロプロセッサモジュール130と、第一内部トランシーバ140とに電源VCCを出力する。
【0036】
本実施例において、自動車車体とOLED車両ランプのインターフェースは、1本の電源線VBat、1本の接地線GND、1本のLIN通信線又は2本のCAN通信線(CANH線及びCANL線)である。
【0037】
本実施例において、前記DC/DC定電圧モジュール110と自動車電源線との間の回路上には逆接続防止回路が更に接続される。
【0038】
前記逆接続防止回路は、逆接続防止ダイオード又は逆接続防止PMOS回路を含むが、これらに限定されない。例えば、前記逆接続防止回路は逆接続防止ダイオードD1を採用し、逆接続防止ダイオードD1の一端は電源線VBatにつなげられ、他端はDC/DC定電圧モジュール110の入力端につなげられる。
【0039】
本実施例において、前記外部トランシーバ120の一端は自動車通信線に接続され、他端は前記マイクロプロセッサモジュール130に接続される。前記自動車通信線が伝送する制御信号を受信して前記制御信号を前記マイクロプロセッサモジュール130に伝送することで、前記マイクロプロセッサモジュール130は前記制御信号に対応する制御命令を実行する。
【0040】
前記外部トランシーバ120は、Rx通信ポート及びTx通信ポートを介してマイクロプロセッサモジュール130(MCU)と通信を行う。
【0041】
具体的には、本実施例において、
図2に示すように、前記外部トランシーバ120はLINトランシーバ121であり、前記自動車通信線はLIN通信線であり、OLEDランプと自動車車体の通信はLIN通信プロトコルに従っている。又は、
図3に示すように、前記外部トランシーバ120はCANトランシーバ122であり、前記自動車通信線はCAN通信線(CANH線及びCANL線)であり、OLEDランプと自動車車体の通信はCAN通信プロトコルに従っている。
【0042】
本実施例において、前記マイクロプロセッサモジュール130は第一内部トランシーバ140と通信して前記線形定電流モジュール150の出力電圧を検出し、前記DC/DC定電圧モジュール110が前記線形定電流モジュール150に出力する出力電圧を調節するために検出した出力電圧を前記DC/DC定電圧モジュール110にフィードバックし、検出した電圧又は前記線形定電流モジュール150がフィードバックした電圧に基づいて、前記DC/DC定電圧モジュール110の動作を制御する。
【0043】
具体的には、前記マイクロプロセッサモジュール130は、検出した線形定電流モジュール150の各チャネルの出力電圧に基づいてアルゴリズム処理を行い、多数の出力チャネル中の最高電圧UOUT(max)を選択し、その後、前記DC/DC定電圧モジュール110は前記線形定電流モジュール150に出力する出力電圧を調節するために、当該最高電圧に基づいてフィードバック信号FBを設定して前記DC/DC定電圧モジュール110に出力してフィードバックすることで、、検出した前記線形定電流モジュール150の出力電圧に基づいて前記DC/DC定電圧モジュール110の動作を制御する。フィードバック信号FBは、模擬電圧値、PWM信号などの形式でよい。
【0044】
本実施例において、
図4及び
図5に示すように、前記外部トランシーバ120は前記マイクロプロセッサモジュール130内に統合可能でありき、前記マイクロプロセッサモジュール130内には低ドロップアウトレギュレータLDOが更に統合される。前記トランシーバが前記マイクロプロセッサモジュール130内に統合されるとき、逆接続を防止するための逆接続防止ダイオードD2が追加され、前記マイクロプロセッサモジュール130を逆接続から保護する逆接続防止回路が形成される。
【0045】
図6及び
図7に示すように、前記マイクロプロセッサモジュール130内に低ドロップアウトレギュレータLDOのみを統合してもよく、前記外部トランシーバ120は前記マイクロプロセッサモジュール130外部に接続される。
【0046】
本実施例において、前記第一内部トランシーバ140は、差動バスを介して前記線形定電流モジュール150に接続され、前記マイクロプロセッサモジュール130と前記線形定電流モジュール150との間の信号を伝送するのに用いられる。前記第一内部トランシーバ140は内部CANトランシーバである。
【0047】
前記差動バスを介してOLED光源の動的効果を制御する。前記差動バスが採用する差動バスプロトコルは、UARTプロトコルに基づいてローカル差動バス物理層構造と結び付けた高速デジタル通信バスプロトコルである。
【0048】
マイクロプロセッサモジュール130は、Rx及びTx通信ポートを介して前記第一内部トランシーバ140と通信し、前記第一内部トランシーバ140は、差動バスを介してバックエンド線形定電流モジュール150中の各線形定電流チップの通信ポートに接続されることで、各チャネルのOLED光源のスイッチ、調光及び遅延時間を制御する。
【0049】
マイクロプロセッサモジュール130は、フィードバック信号FBを出力してDC/DC定電圧モジュール110に伝送し、DC/DC定電圧モジュール110の出力電圧を適時調節することができる。更に、マイクロプロセッサモジュール130は、イネーブル信号ENを出力してDC/DC定電圧モジュール110に伝送し、DC/DC定電圧モジュール110の動作をオフすることができる。
【0050】
本実施例において、前記線形定電流モジュール150は複数の線形定電流チップを含み、各前記線形定電流チップはそれぞれ第二内部トランシーバ151を有し、前記第二内部トランシーバ151の差動バスインターフェースは、前記第一内部トランシーバ140の差動バスインターフェースに接続される差動バス通信線上にそれぞれ接続されることで、前記第一内部トランシーバ140の差動バスインターフェースと通信を行う。
【0051】
前記第一内部トランシーバ140は、各前記線形定電流チップ内部に有する第二内部トランシーバ151と制御信号の伝送を行い、前記第一内部トランシーバ140を通じて前記マイクロプロセッサモジュール130と前記線形定電流モジュール150が制御信号の伝送を行う。
【0052】
前記第二内部トランシーバ151も内部CANトランシーバである。
【0053】
したがって、本実施例におけるOLED光源駆動制御回路は、DC/DC定電圧式回路をフロントエンド一次回路とし、入力電圧を効率の高い駆動方式によってバックエンドOLED電圧に好適な範囲内に調整し(例えば、12Vを6Vに下げ、DC/DC方式によって駆動すると変換効率は約80%であり、単純な線形定電流の変換効率30%よりも大幅に高い)、更に、DC/DC定電圧式回路を各線形定電流駆動チップに接続させて、OLEDを流れる電流を正確に制御する。駆動システムについて言えば、駆動システム全体の回路変換効率を効果的に高め、駆動で消費する電力と熱量を低減することにより、駆動板の面積を効果的に減らすことができる。また、フロントエンドDC/DC定電圧式駆動にバックエンド線形定電流駆動を加える混合式回路を採用しているため、バックエンド二次の線形定電流回路は、前の一次DC/DC定電圧式回路の外部放射による干渉を効果的に緩めることができる。従来のDC/DC式定電流駆動と比較すると、スイッチング電源式回路の外部放射による干渉を効果的に低減することができ、EMC電磁両立試験の外部放射及び外部伝導試験に合格しやすくなる。
【0054】
OLEDをテールランプ光源とするとき、テクノロジー感、圧倒的な眩さを体現することが目的であり、単一のOLED図形領域を個別に制御してそれぞれ点灯させることを実現できるが、OLEDの個数が多いと、シングルチップマイクロコントローラのピンに対する要求が厳しくなる。初代の駆動はシリアルポートからパラレルポートに変換して出力するシフトレジスタチップを採用し、1つのSPI通信をいくつかのパラレルに変換して出力制御することによりI/Oポート数の拡張を実現するが、このような制御構成は線形定電流駆動以外に複数のシフトレジスタチップ及び外周回路を追加する必要があり、制御回路が複雑になり、基板に占める面積を増加してしまう。本実施例におけるOLED光源駆動制御回路は、通信機能を有する線形定電流駆動チップを採用し、線形定電流駆動チップが有する差動バス通信プロトコルを利用して、第一内部トランシーバ140(内部CANトランシーバ)を通じてマイクロプロセッサモジュール130と通信を行う。簡単な数本の通信線によって、多様化されたOLED図形表示効果を実現し、制御回路構成を簡略化することでPCBの基板占有率を減らし、MCUにおけるI/Oポート又はPWMポートの必要数を抑える。更に、I2C又はSPI線を採用する通信方式と比較すると、当該差動バスプロトコルは、UARTプロトコルに基づいてローカル差動バス物理層構造と結び付け、改良・改善された高速デジタル通信バスプロトコルであり、電磁干渉防止能力が高いという特徴を有する。特に、OLED自動車ランプのような各発光領域を個別に制御する必要がある動的制御システムに有利である。高い干渉防止能力は動的なOLED自動車ランプが予め設定された状態に基づいて動的効果を実行することに役立ち、豊富な動的効果、文字情報表示などの機能を実現する。
【0055】
したがって、これから明らかなように、従来のOLED駆動及び制御システムは、シリアルポートからパラレルポートに変換して出力するシフトレジスタチップを採用することで、1つのSPI通信をいくつかのパラレルに変換して出力制御することを実現しており、これによりI/Oポート数を拡張するが、このような制御構成は線形定電流駆動以外に複数のシフトレジスタチップ及び外周回路を追加する必要があり、制御回路が複雑になり、基板に占める面積を増加してしまう。本実施例におけるOLED光源駆動制御回路は、通信機能を有する線形定電流駆動チップを採用する。線形定電流駆動チップが有する差動バス通信ポートを利用して内部CANトランシーバと制御信号の伝達が行われ、制御信号が内部CANトランシーバを経て変換された後、マイクロプロセッサモジュール130との通信が行われる。簡単な数本の通信線によって多様化されたOLED図形表示効果を実現し、制御回路構成を簡略化することにより、PCBの基板占有率を減らし、マイクロプロセッサモジュール130におけるI/Oポート又はPWMポートの必要数を抑える。差動バス通信方式は従来のI2C又はSPI通信線と比べるとより高い干渉防止能力を有する。更に、線形定電流駆動チップが有する差動バス通信ポートは、OLED負荷の開放又は短絡故障を、内部CANトランシーバの通信インターフェースを介してマイクロプロセッサモジュール130にフィードバックし、続いて、マイクロプロセッサモジュール130はイネーブルEN信号を出力して前の一次のDC/DC定電圧モジュール110をシャットダウンすることができる。これによりOLED故障時のシャットダウン電流を減らし、ランプが完成車工場車体BCMの故障診断に対する電流要求を満たしやすくなる。
【0056】
本実施例において、前記線形定電流モジュール150中の各線形定電流チップはいずれも1~nつの出力チャネルを有し(例えば、n=12)、OLED光源の陽極に接続するのに用いられる。OLED光源の陰極はGNDに接続される(OLED光源は共通陰極であり、必要となる線形定電流チップはハイサイド駆動でなければならない)。線形定電流チップ1~Nは全てを差動バス通信線上に連結することができ(当該差動バスプロトコルは、UARTプロトコルに基づいてローカル差動バス物理層構造と結び付け、改良・改善された高速デジタル通信バスプロトコルである)、この方式でカスケード接続してOLED光源のチャネル数を拡張しして制御する(実際に必要なOLEDに基づいて発光領域数を単独に制御可能である)。線形定電流チップは各チャネル上におけるOLED光源の電圧値を収集し、第二内部トランシーバ及び差動バス通信線を介して第一内部トランシーバ140に伝達し、更に、第一内部トランシーバ140は信号を変換してマイクロプロセッサモジュール130に伝達する。電圧の異常を検出した場合、OLEDの短絡又は開放と判断することができ、マイクロプロセッサモジュール130はEN信号を出力してフロントエンドDC/DC定電圧モジュール110をオフすることで、バックエンド線形定電流モジュール150への給電を停止することができる。一方、マイクロプロセッサモジュール130も差動バス通信線を介してOLED光源電圧を収集することができる。OLEDの電圧に一定範囲内の変化が発生した場合(短絡及び開放ではない)、MCUはFBフィードバック信号をDC/DC定電圧モジュール110に出力することで、DC/DC定電圧モジュール110の出力電圧を適当に調節し、バックエンドOLEDの劣化原因による電圧変化に適応し、OLEDが劣化原因によって暗くなる又は明るくなることを補償することができる。
【0057】
本実施例において、OLEDスクリーン光源160は、各前記線形定電流チップにそれぞれ対応する複数のOLEDスクリーンを含み、前記線形定電流チップの出力チャネルを介して各OLEDスクリーンの発光を制御する。
【0058】
本実施例において、各前記線形定電流チップは複数の出力チャネルを有し、前記複数の出力チャネルは1つのOLEDスクリーン中の複数の発光領域に対応して接続される。
【0059】
各前記線形定電流チップの出力端は、各チャネル数(CH1~CHn)に基づいて各OLED発光領域より引き出された陽極にそれぞれ接続され、OLEDの各発光領域より引き出された陰極は全てGNDグラウンドに接続される。
【0060】
本実施例では、前記差動バス通信線を介して、各前記線形定電流チップ内における各チャネル上の対応OLED発光領域が対応するOLEDスクリーン電圧を収集する。OLEDスクリーン電圧が予め設定された範囲内に上昇するとき、前記マイクロプロセッサモジュール130はフィードバック信号を出力して前記DC/DC定電圧モジュール110の出力電圧を調節し、各前記線形定電流チップが十分な電圧を有することでOLEDスクリーン電圧が上昇する。OLEDスクリーン電圧が上昇して前記予め設定された範囲を超えるとき、前記マイクロプロセッサモジュール130はフィードバック信号を出力して前記DC/DC定電圧モジュール110の出力電圧を予め設定された限界電圧に上昇させることで、予め設定された定出力の限界電力を維持してOLEDスクリーン光源を駆動させる。
【0061】
具体的には、OLEDスクリーンが高温、日射によって劣化した後にスクリーンの電気的特性パラメータが変化することに適応し、OLEDランプが環境要素によって暗くなることを回避するために、本実施例におけるOLED光源駆動制御回路は以下の設計を採用する。本実施例におけるOLED光源駆動制御回路のマイクロプロセッサモジュール130は、第一内部トランシーバ140(内部CANトランシーバ)に接続され、第一内部トランシーバ140は各線形定電流チップの通信ポートに接続される。マイクロプロセッサモジュール130は、第一内部トランシーバ140(内部CANトランシーバ)によって信号を変換し、差動バス通信線(当該差動バスプロトコルはUARTプロトコルに基づいてローカル差動バス物理層構造と結び付け、改良・改善された高速デジタル通信バスプロトコルである)を介して、線形定電流チップにおける各チャネル上の対応OLED発光領域が対応するOLEDスクリーン電圧を収集する。OLEDスクリーン電圧がある範囲内(自ら定義でき、例えば+30%)に上昇するとき、マイクロプロセッサモジュール130はフィードバック信号を出力してフロントエンドDC/DC定電圧モジュールが駆動する出力電圧を調節(電圧追従制御)することで、バックエンド線形定電流モジュール150が十分な電圧を有し、スクリーン電圧が上昇したOLEDはもとの電流値を維持して点灯する。スクリーンが劣化問題により電圧上昇した後、もともと設定されたバックエンド線形定電流駆動に供給される出力電圧が不足する(電圧差が不足する)ことでOLED電流が小さくなるということを回避し、これによりOLEDにおける一定の光束出力を維持し、すなわち、環境要素によってOLEDスクリーンの電気的特性が変化した後にランプ全体が暗くなることを回避する。OLEDスクリーン電圧が上昇して当該定義範囲を超えるとき、マイクロプロセッサモジュール130はフィードバック信号を出力してフロントエンドDC/DC定電圧モジュール駆動出力を調節し、OLEDのフロントエンドDC/DC定電圧モジュールは限界となるある設定比率まで上昇する電圧を出力することができ、これにより定出力するよう予め設定されたある限界電力を維持してOLED光源を駆動し、ランプシステム全体が過剰に過熱されることを回避する。
【0062】
OLED光源がランプ全体配光に係る法規試験を受けるとき、OLED光源中の単一の発光領域が破損している場合は、ランプ全体配光の法規遵守に影響する可能性がある。このとき、単一の発光領域の破損について、全てのOLEDスクリーンをオフすることでランプの破損を表示する機能が必要である。従来のOLED駆動制御回路は、この故障時シャットダウン機能を具備していない。本実施例におけるOLED光源駆動制御回路では、各線形定電流チップがOLEDに給電する各チャネルの出力端電圧について、線形定電流チップが有する差動バス通信インターフェースを介して内部CANトランシーバに伝送され、更に、内部CANトランシーバによって信号が変換されてマイクロプロセッサモジュール130に伝達される。電圧の変化にOLED短絡又は開放の特徴がある場合は、マイクロプロセッサモジュール130によって検出することができ、続いて、マイクロプロセッサモジュール130は、DC/DC定電圧モジュール110の動作をシャットダウンするためのイネーブルEN信号をフロントエンドDC/DC定電圧モジュール110に出力する。バックエンド線形定電流モジュール150への給電を停止することで全てのOLEDをオフし、更に、マイクロプロセッサモジュール130によって故障警告信号が提供され、CAN/LIN通信線を介して車体に伝達される。
【0063】
本実施例において、線形定電流チップ数に1つの線形定電流チップ上の出力チャネル数を掛けた数は、OLEDスクリーン数に1つのOLEDスクリーン上の発光領域数を掛けた数以上である。
【0064】
具体的には、
図8は本実施例におけるOLED光源駆動制御回路内のOLED光源が対応するOLEDスクリーン及び発光領域に対応する例を説明するための模式図である(ただし、この図形に限定せず、この図は例にすぎない)。1つの車両ランプ中に
図8のようなMつのOLEDスクリーンを有すると仮定して、各OLEDスクリーン中にはmつの個別に制御できる発光領域を有する(
図8においてはm=3、すなわち各OLEDスクリーン中には3つの個別に制御できる発光領域を有する)。OLED1-1は1つ目のOLEDスクリーンにおける最も左側の発光領域を表し、OLED1-2は1つ目のOLEDスクリーンにおける中間の発光領域を表し、OLED1-3は1つ目のOLEDスクリーンの最も右側の発光領域を表す。言うまでもなく、mは3よりも大きくてよく、各OLEDスクリーン中には3より大きいmつの独立した発光領域を有することができる。注意すべき点として、NはNつの線形定電流チップを有することを表し、nは各線形定電流チップ中の出力チャネル数を表す。その関係は、N×n≧M×m、すなわち、線形定電流チップセットの出力チャネル総数は、個別に制御が必要なOLEDスクリーンの全発光領域数以上でなければならない。
【0065】
本実施例において、
図9に示すように、前記OLEDスクリーン光源160中にはOLEDスクリーン光源160の温度を検出するための過温度検出回路170が設けられ、前記マイクロプロセッサモジュール130に接続されて検出した温度を前記マイクロプロセッサモジュール130に伝送する。
【0066】
ランプ本体内部の最も熱い領域に過温度検出回路170を設置することができ、過温度検出回路170を介してランプ本体内の温度変化をマイクロプロセッサモジュール130に伝達する。マイクロプロセッサモジュール130が出力の制御戦略を適時調整できることによって、OLED光源を流れる電流の大きさを低減するか、又はOLED光源をオフし、高温によるOLED光源の破損を回避する。
【0067】
具体的には、
図10に示すように、本実施例において、前記過温度検出回路170はPCB回路基板171、前記PCB回路基板171上に設けられるサーミスタ、プルアップ分圧抵抗及びA/Dサンプリング回路172を含む。前記サーミスタと前記プルアップ分圧抵抗は接続され、前記A/Dサンプリング回路172の一端は前記サーミスタと前記プルアップ分圧抵抗との間の回線上に接続され、他端は前記マイクロプロセッサモジュール130に接続される。
【0068】
本実施例において、過温度保護の原理は以下の通りである。
【0069】
サーミスタは1つのPCB基板上にはんだ付けされ、電極引き出し線を有する。PCBは、OLED付近領域の温度を検知するために、物理的位置としてOLEDスクリーンに近い領域に取り付けられて固定される。回路構造上、過温度検出回路170は、プルアップ分圧抵抗、サーミスタ及びA/Dサンプリング回路172からなり、プルアップ分圧抵抗は一定の電圧VCCにプルアップ接続され、プルアップ分圧抵抗の下端はサーミスタに接続され、サーミスタの他の一端はグラウンドGNDに接続され、サーミスタとプルアップ抵抗の中間の接続点、すなわち分圧点の電圧は、マイクロプロセッサモジュール130(MCU)のA/Dサンプリング回路172によってマイクロプロセッサモジュール130(MCU)にサンプリングされる。サーミスタが温度変化によって抵抗値が変わるとき、マイクロプロセッサモジュール130(MCU)が分圧点の電圧の変化から感知することができる。これによりマイクロプロセッサモジュール130(MCU)はFBフィードバック信号(0~100%のPWM信号であってよい)を出力してフロントエンドDC/DC定電圧モジュール110を適時調節し、OLED光源を流れる電流を減少させるか、又は直接OLED光源をオフする。
【0070】
前記DC/DC定電圧モジュール110、前記外部トランシーバ120、前記第一内部トランシーバ140、前記マイクロプロセッサモジュール130、前記線形定電流モジュール及び前記OLEDスクリーン光源160のグラウンド端はそれぞれ、自動車電源線の陰極に接続される。
【0071】
本実施例において、前記OLED光源駆動制御回路の動作原理は以下の通りである。
【0072】
車体は前記OLED光源駆動制御回路に2種類の信号を入力する。1種はVBatとGNDの電源線である。VBatは電源線の陽極であり、GNDは電源線の陰極である。陽陰極は前記OLED光源駆動制御回路全体の電流回路を形成し、前記OLED光源駆動制御回路全体の電源給電を担う。もう1種は通信信号線LIN(1本のLIN線入力)又はCAN(CANHとCANLの2本の線に分かれた入力)である。前記OLED光源駆動制御回路の制御機能を担う。例えば、車体は、当該LIN又はCAN通信線を介してOLEDの電源をオンする必要が有るか否かを伝達する。又は、車体は、LIN又はCANを介して予め設定されたある信号を入力し、OLEDの異なる発光領域がそれぞれある特定の動的効果に基づいて動的表示を実行し、車体におけるある特殊場面の定義を表す(例えば「お出迎えモード」であり、車両のキーが近づくと、OLED後部ランプが予め設定されたある動的効果を表示して車両所有者を迎える)。
【0073】
逆接続防止回路は、OLED光源駆動制御回路全体において逆接続を防止する。ダイオード又は同等の効果を有するPMOS逆接続防止回路からなることができ、電源の陽陰極が逆接続した後にシステムが破損することを防ぐために用いられる。DC/DC定電圧モジュール110は、例えば降圧BUCK形式のDC/DC及びE522.10チップモデルであってよく、また、昇降圧形式のSEPIC及びZETA定電圧回路、ならびに他の類似した機能のDC/DCチップからなることもできる。
【0074】
図11において、DC/DC定電圧モジュール110の一例を示す。DC/DC定電圧モジュール110は、入力フィルタ回路、DC/DC駆動チップ(ELMOS製造のE522.10を例とする)及び定電圧トポロジ構成(BUCK降圧トポロジ又はSEPIC昇降圧トポロジ若しくはZETA形式昇降圧トポロジ)を構成する外周回路(
図11のDC/DC定電圧モジュール110で例を示す回路構造を参照)、出力フィルタ回路からなることができる。入力フィルタ回路はDC/DCスイッチング電源式回路のリップルを緩和するのに用いられる。
図11はDC/DC降圧式定電圧回路である(
図11の実施例はこの種類であるが、BUCK降圧の種類に限定されず、昇降圧形式SEPIC又はZETA形式の定電圧回路に拡張することができる)。
図11において、C1、L1、C2は入力フィルタ回路を構成し、U1、D1、L2、C5はDC/DC式BUCK降圧トポロジ構造を構成し、C8、C6、C7は出力フィルタ回路を構成し、
図11中の残りの素子はDC/DC定電圧BUCK回路の周辺外周回路を構成する。OLED光源駆動制御回路中のD1の陰極は
図11中のVIN-D1ポートに接続され、OLED光源駆動制御回路中のDC/DC定電圧出力モジュールの電源出力は
図11中のDC/DC-VOUTポートであるが、当該ポートはバックエンド線形定電流チップセットの電源入力端に接続される。DC/DC定電圧モジュール110は一定の電圧を出力してバックエンド線形定電流モジュール150の電源入力端に供給する。フロントエンドの一次定電圧を通じて、二次線形定電流チップセットの両端に印加する電圧を低減し、二次線形定電流チップ上の消費電力を減らすことができる。このようなフロントエンドDC/DC+バックエンド線形の回路構成によって駆動制御システム全体の効率を高め、電力消費から生じる熱量を減らし、PCB基板のサイズを小さくできる。
【0075】
線形定電流モジュール150中の各線形定電流チップ(TIのTPS929XXシリーズを例とする)における内部トランシーバの通信信号は、差動バス(ICANH及びICANL線)を介して第一内部トランシーバ140(内部CANトランシーバ)の通信ポートに接続され、制御信号が伝達される。第一内部トランシーバ140の入力信号ポートは、マイクロプロセッサモジュール130の通信ポートに接続されることでマイクロプロセッサモジュール130から伝達される制御信号を受信することにより、マイクロプロセッサモジュール130は、内部CANトランシーバによって信号を変換することができる。更に、差動バスを介して命令を出力し、各線形定電流チップの電源出力チャネルを個別に制御する。制御方法は、各チャネルのスイッチングと各チャネルにおける単独の調光、スイッチング及び遅延時間又は時間間隔の制御とを含む。各線形定電流チップはnつの電源出力チャネルCH1~nを有し、各出力チャネルはOLEDに一定の電流を供給して発光させるために1つのOLED個別制御発光領域のリード線で引き出される陽極に接続される。全てのOLED独立発光領域の陰極はいずれもグラウンドGNDに接続される。DC/DC定電圧モジュール110は、一定の電圧VCCの電源をマイクロプロセッサモジュール130及びLINトランシーバ121に供給して給電することもできる。LINトランシーバ121は車体の通信信号LINを受信し、車体の命令はLINトランシーバ121によって変換されてマイクロプロセッサモジュール130に伝達される。マイクロプロセッサモジュール130はこの信号命令を受信した後、更に、内部CANトランシーバ122によって信号を変換し、続いて、差動バスを介して制御信号をバックエンド各線形定電流チップに伝達することで、各チャネルの個別制御、すなわち各発光領域の個別制御を実現する。
【0076】
このほか、マイクロプロセッサモジュール130は内部CANトランシーバによって差動バスを介して各線形定電流チップの各チャネルが出力する電圧値を収集する。マイクロプロセッサモジュール130は、例えばOLEDの開放又は短絡とのような電圧値の異常発生時、当該異常値を収集し、イネーブル信号ENを相応に出力してフロントエンドDC/DC定電圧モジュール110の動作をオフすることができる。マイクロプロセッサモジュール130が内部CANトランシーバを通じ差動バスを介して収集する電圧値が、予め設定されたある値の範囲内において増加又は減少する場合、マイクロプロセッサモジュール130はフィードバック信号FBを出力することによってDC/DC定電圧モジュール110の出力電圧を調整し、更には、OLED劣化によりスクリーン電圧が変化することに起因するOLED電流の減少又は増大を補償することができる。
【0077】
図12に示すように、本実施例は、フロントエンドDC/DC定電圧モジュールによる電圧の事前処理、及び高い干渉防止能力の差動バスによる制御信号の伝送を採用するため、本実施例のOLED光源駆動制御回路構成においては、逆接続防止ダイオードD1、DC/DC定電圧モジュール110、外部トランシーバ120、マイクロプロセッサモジュール130、第一内部トランシーバ140などの複数の機能モジュール回路を組み合わせて1つのランプ制御モジュール180にすることができる。ランプ制御モジュール180は、標準化、プラットフォーム化された個別に制御されるモジュールに設計することができる。ランプ制御モジュール180をOLED光源駆動制御回路構成の中から独立させることで、物理的に独立して存在する制御モジュールになる。ランプ制御モジュール180のハードウエア回路設計は異なる車両ランプに適用可能であり、異なる照明制御効果に対して異なるソフトウエアを作成して制御モジュールに組み込むことができる。ランプ制御モジュール180は、標準主制御モジュールMasterとして自動車ランプの外部に配置することができる。本実施例におけるOLED光源駆動制御回路構成内の線形定電流モジュール150とOLEDスクリーン光源160は一緒に、ランプ内部に個別配置することができる。線形定電流モジュール150はスレーブ駆動回路Slaveとして、異なるランプの形に合わせて異なる回路設計を行う。
【0078】
このほか、説明すべき点として、
図13-1及び
図13-2に示すように、上述のOLED光源駆動制御回路はLED光源190にも同様に適用される。例えば、複数のLED光源が構成する自動車ランプにおいて、動的表示又は各LED光源の単独でのスイッチング、調光、文字又は情報の表示を個別に制御するという機能が求められるときにも、当該発明の光源駆動制御回路方案を用いて機能を実現することができる。
図13-1及び
図13-2に示すように、
図13-1中の線形定電流チップはハイサイド駆動であり、
図13-2中の線形定電流チップはローサイド駆動であり、それぞれLED光源190に適用可能である。
【0079】
本発明の実施例はまた、OLEDランプを提供し、上述のOLED光源駆動制御回路を採用する。上記においてOLED光源駆動制御回路についての詳細な説明を行っているため、ここでは改めて述べない。
【0080】
以上に述べたことをまとめれば、本発明は差動バス通信方式を採用し、差動バス通信方式は従来のI2C又はSPI通信線と比較すると、より高い干渉防止能力を有する。本発明は、フロントエンドDC/DC定電圧モジュールとバックエンド線形定電流モジュールとを結び付けた回路方式を採用し、駆動システム全体の回路変換効率を効果的に高め、駆動で消費する電力と熱量を低減することにより、駆動板の面積を効果的に減らすことができる。本発明は、スイッチング電源式回路の外部放射による干渉を効果的に低減することができ、EMC電磁両立試験に合格しやすくなる。本発明は、制御回路構成を簡略化することでPCBの基板占有率を減らし、MCUにおけるI/Oポート又はPWMポートの必要数を抑える。また、OLED故障時のシャットダウン電流を減らすことができ、ランプが完成車工場車体BCMの故障診断に対する電流要求を満たしやすくなる。本発明は、スクリーンが劣化問題により電圧上昇した後、もともと設定されたバックエンド線形定電流駆動に供給される出力電圧が不足する(電圧差が不足する)ことでOLED電流が小さくなるということを回避できる。これによりOLEDにおける一定の光束出力を維持し、定出力するよう予め設定されたある限界電力を維持してOLED光源を駆動し、ランプシステム全体が過剰に過熱されることを回避することができる。本発明は、OLEDを流れる電流の大きさを低減するか、又はOLED光源をオフして、高温によるOLEDの破損を回避することができる。したがって、本発明は従来技術における種々の欠点を効果的に克服し、高度な産業利用価値を有する。
【0081】
上記の実施例は本発明の原理及びその効果を例示的に説明するに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。本技術を熟知する者であれば、本発明の精神及び範疇を逸脱しないことを前提に、上述の実施例を補足又は変更することが可能である。したがって、当業者が本発明で開示する精神と技術思想を逸脱することなく完了するあらゆる等価の補足又は変更は、依然として本発明の請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
110 DC/DC定電圧モジュール
120 外部トランシーバ
121 LINトランシーバ
122 CANトランシーバ
130 マイクロプロセッサモジュール
140 第一内部トランシーバ
150 線形定電流モジュール
151 第二内部トランシーバ
160 OLEDスクリーン光源
170 過温度検出回路
171 PCB回路基板
172 A/Dサンプリング回路
180 ランプ制御モジュール
190 LED光源
【国際調査報告】