(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】骨採取システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/16 20060101AFI20220131BHJP
A61F 2/28 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
A61B17/16
A61F2/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517428
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(85)【翻訳文提出日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 US2019052230
(87)【国際公開番号】W WO2020068592
(87)【国際公開日】2020-04-02
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505026479
【氏名又は名称】アキュームド・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ウィリアム・セイコラ
(72)【発明者】
【氏名】ラリー・ダブリュー・エームケ
(72)【発明者】
【氏名】ブレント・レイン・ノリス
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA02
4C097BB01
4C097DD15
4C160LL04
4C160LL27
4C160LL70
(57)【要約】
シャフトから突出する可撓性のらせん状フィンを有するオーガーを使用して骨から骨デブリを取得しならびに/または取り除くための方法およびデバイスを含む骨採取システム。例示的な方法では、オーガーの先端領域が、骨内に延びる進入部位を介して、骨の髄腔のリーミング対象部分に配置される。骨デブリが、オーガーによって進入部位の方へ動かされる。進入部位を通過した骨デブリの少なくとも一部分が、骨の外部で収集される。いくつかの実施形態では、オーガーの先端領域は、らせん状フィンと髄腔の壁との接触によって変形され、先端領域内のらせん状フィンが髄腔の一部分に適合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の事前にリーミングされた髄腔から骨デブリを取り除くためのデバイスであって、
前記髄腔内に配置されるように構成された先端領域を有するオーガーを備え、前記オーガーが、シャフトから突出する可撓性のらせん状フィンを含む、デバイス。
【請求項2】
前記らせん状フィンと前記シャフトの少なくとも一部分は、互いに一体的に形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記シャフトの前記少なくとも一部分は管状である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記シャフトはロッドを含み、前記らせん状フィンは、前記ロッドの軸方向部分上に配設され前記軸方向部分にしっかりと取り付けられたシースによって提供される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ロッドは中実である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ロッドは中空である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
シースはポリマー製シースであり、ロッドは金属製ロッドである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記らせん状フィンは、前記オーガーの前記先端領域内の前記シャフトから鋭角に突出する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記鋭角は80度未満である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記らせん状フィンは、前記オーガーの前記先端領域内に近位または遠位の傾斜部を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記らせん状フィンは、前記傾斜部の近位または遠位の方向において、逆方向に対して優先的に変形するように構成される、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記オーガーの前記らせん状フィンは、らせん状経路に沿って配置された複数のフィンセグメントを形成する複数のスリットを画定する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記らせん状フィンは、前記らせん状フィンの根部と頂部との間で測定された高さを有し、前記高さは、前記オーガーの前記先端領域において、前記オーガーの前記先端領域内の前記シャフトの平均外径の2分の1よりも大きい平均を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記高さの前記平均は、前記シャフトの前記平均外径よりも大きい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記らせん状フィンは、前記オーガーが弛緩構成であるときに前記オーガーの前記先端領域内の前記シャフトの弧状リーダーから突出する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記らせん状フィンは、前記オーガーの前記先端領域内に平均高さおよび平均厚さを有し、前記平均厚さは、前記らせん状フィンの先端側部と終端側部との間で測定され、前記平均高さは前記平均厚さよりも大きい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記平均高さは、前記平均厚さの少なくとも2倍である、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記オーガーの前記先端領域内の前記らせん状フィンは、20度未満の半径方向のテーパの平均角度を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記オーガーの前記先端領域内の前記らせん状フィンは、前記先端領域内の前記らせん状フィンの先端側部と終端側部との間で測定された前記らせん状フィンの最大厚さの3倍よりも大きいピッチを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記らせん状フィンは、先端側部と終端側部とを有し、前記らせん状フィンは、前記先端側部と前記終端側部との間で実質的に中実である、請求項1に記載のデバイスである。
【請求項21】
少なくとも、前記らせん状フィンの軸方向部分と前記シャフトの一部分とは、互いに一体的に形成され、前記シャフトの前記一部分は外面を有し、前記らせん状フィンの前記軸方向部分は、前記シャフトの前記一部分の前記外面から突出する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記シャフトの前記一部分はチューブを含む、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記外面は円筒形である、請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
チューブは、前記シャフトの外側部分を形成し、前記チューブは、前記シャフトの内側部分を囲む、請求項21に記載のデバイス。
【請求項25】
骨デブリを取得する方法であって、
骨デブリを生成するために、骨の髄腔の少なくとも一部分を、前記骨内に延びる進入部位を介してリーミングするステップと、
シャフトから突出する可撓性のらせん状フィンを含むオーガーを選択するステップと、
前記オーガーの先端領域を、前記進入部位を介して前記髄腔のリーミング対象部分内に配置するステップと、
前記オーガーの前記らせん状フィンを使用して前記骨デブリの少なくとも一部分を前記進入部位の方へ動かすステップと、
前記進入部位を通過した前記骨デブリの少なくとも一部分を前記骨の外部で収集するステップとを含み、配置するステップおよび/または動かすステップは、前記らせん状フィンを前記髄腔の前記リーミング対象部分に適合させるために、前記らせん状フィンと前記髄腔の壁との間の接触によって前記オーガーの前記先端領域を変形させるステップを含む、方法。
【請求項26】
リーミングするステップは、前記髄腔の少なくとも一部分をリーミング直径までリーミングするステップを含み、前記オーガーは、前記先端領域内の前記らせん状フィンの直径が前記リーミング直径よりも大きい弛緩構成を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
リーミングするステップは、前記髄腔の少なくとも一部分をリーミング直径までリーミングするステップを含み、前記オーガーの前記先端領域は、前記髄腔の前記リーミング直径よりも大きい直径を有する回転の包絡線を画定する弛緩構成を有し、配置するステップおよび/または動かすステップは、前記らせん状フィンと前記髄腔の前記リーミング対象部分の壁との接触によって前記オーガーの前記先端領域を変形させ、前記回転の包絡線の直径を小さくして前記髄腔の前記リーミング直径に一致させる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記オーガーは、前記シャフトの少なくとも一部分と一体的に形成されたらせん状フィンを有する、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記シャフトの前記少なくとも一部分は管状である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
動かすステップは、前記シャフトをその長手方向軸の周りで回転させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
動かすステップは、前記シャフトを回転させる間、前記らせん状フィンによって前記髄腔の前記壁を拭くステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
動かすステップは、前記シャフトを前記長手方向軸の周りで回転させる間、前記シャフトの軸方向部分を前記髄腔から引き出すステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
オーガーは、前記シャフトが前記先端領域内に弧状リーダーを形成する弛緩構成を有し、配置するステップおよび/または動かすステップは、前記らせん状フィンと前記髄腔の前記リーミング対象部分の前記壁との間の接触によって前記リーダーを半径方向に変形させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記リーダーを変形させるステップは、前記弧状リーダーの湾曲を小さくする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記オーガーは、前記配置するステップおよび前記動かすステップでは骨が実質的には切断されない非切削オーガーである、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記オーガーは、半径方向において前記シャフトの軸方向部分を囲むスリーブに関連付けられ、配置するステップは、前記髄腔に沿って前記スリーブの遠位端を前進させるステップを含み、動かすステップは、前記スリーブに対して前記シャフトを前記シャフトの長手方向軸の周りで回転させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
前記オーガーの前記先端領域を前記髄腔から取り外すステップをさらに含み、前記オーガーの軸方向部分は、前記方法のいずれのステップ中またはステップ間のいずれのときにも半径方向において前記髄腔内の人工チューブによって囲まれない、請求項25に記載の方法。
【請求項38】
収集するステップは、前記進入部位において前記骨に吸引を施して、少なくとも主としてまたは排他的に前記骨の外部に位置するチューブ内に骨デブリを吸引するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項39】
収集するステップは、前記骨の外部で骨デブリをトレイに収集するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項40】
収集するステップは、骨デブリを前記オーガーから前記骨の外部の前記トレイに直接に送るステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
リーミングするステップは、前記髄腔の峡部をリーミングするステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項42】
配置するステップは、半径方向において前記オーガーの軸方向部分を囲む人工チューブに対して前記オーガーを軸方向に前進させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項43】
動かすステップは、前記オーガーを前記人工チューブに対して軸方向に移動させるステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
収集するステップは、前記人工チューブの遠位端が前記進入部位に位置する間、前記人工チューブに対して前記オーガーを軸方向に移動させるにつれて少なくとも部分的に実行される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記人工チューブを前記進入部位において前記骨に螺合するように配設するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
収集するステップは、前記骨の外部で前記人工チューブ内に骨デブリを吸引するステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記オーガーの前記先端領域は、弛緩構成であるとき、前記骨における前記進入部位の直径よりも大きい直径を有し、配置するステップは、前記らせん状フィンが前記骨における前記進入部位を通過するときに前記らせん状フィンを変形させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項48】
前記オーガーの前記らせん状フィンは、らせん状経路に沿って配置された複数のフィンセグメントを形成するスリットを画定する、請求項25に記載の方法。
【請求項49】
前記シャフトによって画定される軸方向チャネルを介して動かすステップの間前記オーガーの前記先端領域に灌注流体を供給するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項50】
リーミングするステップは、1つ以上のリーマーによって実施され、前記方法は、配置するステップの前に前記進入部位を介して前記骨から前記1つ以上のリーマーの各々を取り外すステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項51】
骨デブリを取得する方法であって、
骨内に延びる進入部位を形成するステップと、
リーマーの切削ヘッドを、前記進入部位を介して前記骨の前記髄腔内に配置するステップと、
骨デブリを生成するために、前記切削ヘッドによって前記髄腔の少なくとも一部分をリーミング直径までリーミングするステップと、
前記切削ヘッドを、前記進入部位を介して前記髄腔から取り外すステップと、
シャフトから突出する可撓性のらせん状フィンを含むオーガーを選択するステップであって、前記オーガーの先端領域の直径が、前記リーミング直径よりも大きい、ステップと、
前記オーガーの少なくとも前記先端領域を、前記進入部位を介して前記髄腔内に配置するステップと、
前記らせん状フィンが前記髄腔のリーミング対象部分の壁との接触によって変形されるときに、前記進入部位の方へ骨デブリを動かすステップであって、それによって、前記オーガーの前記先端領域の前記直径が前記髄腔の前記リーミング直径と一致する、ステップと、
前記進入部位を通過した骨デブリを収集するステップとを含む、方法。
【請求項52】
前記骨デブリを動かすステップは、前記オーガーを前記シャフトの長手方向軸の周りで回転させるステップを含む、請求項51に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先出願の相互参照
本出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に参照により組み込まれている、2018年9月27日に出願された米国特許出願第16/144979号に基づいており、パリ条約によるその利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
序論
整形外科用リーマーは、骨における腔を広げるための手術器具である。リーマーは、骨の髄腔の壁を切削し、骨が髄内釘を受け入れる準備を整えるために利用されることがある。生じた骨デブリは、骨孔を充填するために移植されるときにボーングラフトとして利用することができる。
【0003】
リーマー灌注吸引器(Reamer/Irrigator/Aspirator(RIA))システムは、DePuy Synthesから市販されており、同じ器具によって骨デブリを生成し収集する能力を有する。RIA器具は、(1)髄腔をリーミングして骨デブリを生成することと、(2)髄腔に流体を灌注することと、(3)流体内の骨デブリを髄腔から吸引することとを同時に行う。吸引物は濾過されてペーストが生成され、このペーストを骨伝導性、骨誘導性、および骨形成特性を有する自家移植片/同種移植片として使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019-0374233号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、RIAシステムはいくつかの欠点を有する。RIA器具のシャフトは比較的剛性が高く、それによって、RIA器具が骨に進入し、しかも髄腔に到達するにはどこから進入すればよいかが制限される。この剛性によって、RIA器具のリーマーが横滑りすることもあり、リーミングが非一様になる(中心からずれたリーミング)。さらに、RIA器具の切削ヘッドは、切削ヘッドを髄腔に導入するための比較的大きい進入部位を骨の中に形成する必要があり、それによって、手術後の合併症が生じる可能性が高くなる。さらに、リーミング中に髄腔に真空が加えられるので失血が生じる。失血の量は、真空が加えられる時間によって決まり、この時間は一般に、骨がリーミングされる時間に相当する。最後に、RIA器具では、リーミングと灌注と吸引が同時に行われるので医師の操作が複雑になることがある。骨を採取するための新しいデバイスおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、シャフトから突出する可撓性のらせん状フィンを有するオーガーを使用して骨から骨デブリを取得しならびに/または取り除くための方法およびデバイスを含む骨採取システムを提供する。例示的な方法では、オーガーの先端領域が、骨内に延びる進入部位を介して、骨の髄腔のリーミング対象部分(reamed portion)に配置される。骨デブリが、オーガーによって進入部位の方へ動かされる(drive)。進入部位を通過した骨デブリの少なくとも一部分が、骨の外部で収集される。いくつかの実施形態では、オーガーの先端領域は、らせん状フィンと髄腔の壁との接触によって変形され、先端領域内のらせん状フィンが髄腔の一部分に適合する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】断面視された遠位大腿骨のリーミング対象髄腔内に延びる例示的な骨採取デバイスであり、髄腔の壁を取り除き骨デブリを軸方向に進ませるための可撓性のオーガーを含む骨採取デバイスの図である。
【
図2】オーガーの先端領域が、骨髄のより広い部分に配置され、髄腔の壁との接触によって比較的小さい変形を受けた、
図1の骨採取デバイスおよび大腿骨の断片的な図である。
【
図3】オーガーの先端領域が、髄腔のより狭いリーミング対象部分に配置され、髄腔のリーミング対象部分の壁との接触によって比較的大きい変形を受けた、
図1の骨採取デバイスおよび大腿骨の断片的な図である。
【
図4】骨が存在せず、オーガーを弛緩した(変形していない)構成の、
図1の骨採取デバイスの側面図である。
【
図5】
図4の骨採取デバイスにおける、デバイスの中央長手方向平面の断面図である。
【
図6】
図5の骨採取デバイスにおける、デバイスの近位部の周りの断片的な拡大断面図である。
【
図7】弛緩した(変形していない)形態で示されている、
図4の骨採取デバイスのオーガーのみの断片的な図である。
【
図8】
図7に示すオーガーの遠位部の周囲であるが、周りを囲むスリーブが存在しない、
図5の骨採取デバイスの断片的な断面図であり、オーガーのシャフト内に流体流用の例示的な経路が存在し、スリーブが矢印で示されている図である。
【
図9】骨に進入するオーガーの遠位部がスリーブを有さない、オーガーを含む別の例示的な骨採取デバイスの部分断面図である。
【
図10】スリットによって互いに分離されたフィンセグメントで構成されたらせん状フィンを有する例示的なオーガーの先端領域の断片的な図である。
【
図11】高さが一様ならせん状フィンを有する例示的なオーガーの断片的な図である。
【
図12】オーガーと、骨にねじ込まれ、半径方向においてオーガーの近位部のみを密閉するチューブとを含む、収集容器に接続された例示的な骨採取デバイスの断片的な近位図である。
【
図13】
図11のオーガーを使用して内果を介して遠位脛骨から採取されている骨デブリと、脛骨の外部でオーガーから骨デブリを受け取るための収集トレイの図である。
【
図14】拡張可能な切削ヘッドを有するリーマーを含み、かつ切削ヘッドに対して近位方向に位置するオーガーを含む例示的な骨採取デバイスの部分断面図である。
【
図15】交換可能な切削ヘッドを有するリーマーを含み、かつ切削ヘッドに対して近位方向に位置するオーガーを含む例示的な骨採取デバイスの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、シャフトから突出する可撓性のらせん状フィンを有するオーガーを使用して骨から骨デブリを取得しならびに/または取り除くための方法およびデバイスを含む骨採取デバイスを提供する。例示的な方法では、オーガーの先端領域が、骨内に延びる進入部位を介して、骨の髄腔のリーミング対象部分の中に置かれる。骨デブリは、オーガーによって進入部位の方へ動かされる。進入部位を通過した骨デブリの少なくとも一部分が、骨の外部で収集される。いくつかの実施形態では、オーガーの先端領域は、らせん状フィンと髄腔の壁との接触によって変形され、先端領域内のらせん状フィンが髄腔の一部分に適合する。
【0009】
本開示の方法およびデバイスは、以下の利点のうちの1つ以上をもたらすことがある。オーガーの先端領域は、軸から外れておりならびに/または(弛緩構成において)オーガーの先端領域よりも直径が小さい骨の進入部位を介してリーミング対象骨の髄腔に導入されてもよく、医師により多くの選択肢が与えられ、骨への損傷が少なくなる。骨デブリは、髄腔の直径が一定でないときでも、らせん状フィンがデブリを髄腔の壁から周方向に取り除くことができるのでより効率的に収集されることがある。骨デブリは、リーマーによって形成されてもよく、リーマーは、骨からの骨デブリの取り除き専用であり、したがって、骨からの骨デブリの取り除き向けに最適化された非切削骨採取デバイスと交換されてもよい。
【0010】
本開示のさらなる態様は、(I)骨採取デバイスの概要、(II)骨デブリを採取する方法、および(III)実施例の各節に記載されている。
【0011】
I.骨採取デバイスの概要
この節では、例示的な骨採取デバイス50によって示される本開示の骨採取デバイスの概要を示す。
図1~
図8を参照されたい。
【0012】
図1は、遠位部52が大腿骨56の髄腔54内部に位置し、近位部58が大腿骨の外側に残る採取デバイス50を示す。大腿骨の皮質シェルを形成する皮質骨60と、皮質シェル60内部の海綿骨62が示されている。採取デバイス50の遠位部52は、骨の外面に形成され骨の中に延びる進入部位64(開口部)を介して大腿骨56に挿入されている。この挿入よりも前に、髄腔54は、進入部位64から大腿骨内に前進させられたリーマーによってリーミング直径(reamed diameter)66までリーミングされ、次いで除去された。(骨デブリは、骨粒子(細片骨)を含み、骨組織または移植可能骨と読み替えられてもよい。)場合によっては、リーマーは、拡張可能な切削ヘッドを利用してもよく、この切削ヘッドは、リーミング直径66を進入部位64の直径よりも大きくし、ならびに/または髄腔に沿って大きさを可変にするのを可能にする。
【0013】
採取デバイス50は、骨デブリ68を大腿骨56などのリーミング対象骨から進入部位64を介して移動させるかまたは少なくとも移動させるのを助けるためのオーガー70(オーガーコンベヤと読み替え可能である)を含む。オーガーは、シャフト72と、シャフトの周りに巻かれ、シャフトから左右方向外側に突出するらせん状フィン74とを含んでもよい(
図1~
図5、
図7、および
図8参照)。シャフト72とフィン74の各々は可撓性であってもよい。この可撓性によって、オーガーは、湾曲した進入部位から骨内部を髄腔に沿って進むことができ、異なる直径の髄腔において効率的に動作することができる。オーガー70は、弾性変形可能であり、髄腔54のリーミング直径66に対して横方向に過大に形成されてもよい。したがって、フィン74(および/またはシャフト72)は、フィン74と髄腔の壁との接触によって、オーガーが局所的に、特にオーガーの遠位端を形成するオーガーの先端領域76において髄腔に沿って(
図2および
図3参照)変形することができる(
図7および
図8参照)。したがって、オーガー70および特にフィン74は、オーガーが骨内を移動するときに髄腔の壁を取り除いてもよく、骨デブリを流体中で攪拌し浮遊させるのを助け、それによって、骨デブリの除去がより効率的になり、ならびに/またはボーングラフトで使用される収集された骨デブリの品質が向上する。フィン74は、ブレードと読み替えられてもよく、ブレードは実質的に切削を行わない。
【0014】
オーガー70は、採取デバイスの近位部58に、ドライバに係合する駆動領域78を含んでもよい。ドライバは、その長手方向軸80の周りでオーガーをユニットとして回転させる(
図4~
図6参照)。この回転は、フィン74を骨デブリ68を全体的に進入部位64の方へ進ませる回転方向、すなわち、
図1のように右巻きらせんを有するフィンの場合は(ユーザに対して)時計回りであり、または左巻きらせんの場合は反時計回りであってもよい。駆動領域78は、シャフト72の終端の近くまたは終端自体にしっかりと取り付けられた軸方向延長部および/または(たとえば、1つ以上の平坦部を有する)半径方向突起として形成されてもよい。他の実施形態では、駆動領域78は、K-ワイヤドライバなどのドライバが係合してシャフトを回転させてもよいシャフト72の露出された長さによって形成されてもよい。
【0015】
採取デバイス50および/またはオーガー70の各部、構成要素、および特徴を記述するために本明細書で使用される「近位」および「遠位」という用語は概して、骨を採取するために使用される間の駆動領域78および/または医師への相対的な近接さを示し、近位は、駆動領域および/または医師に対して遠位よりも近い。「終端」および「先端」という用語は、本明細書では「近位」および「遠位」のそれぞれの同義語として使用される。骨について説明するために本明細書で使用される「近位」および「遠位」という用語は、人体の中心または取り付け点に比較的近い(近位)かまたは人体の中心または取り付け点から比較的遠く(遠位)に位置する骨領域を示す。
【0016】
骨採取デバイス50は、ハウジング84(
図4~
図6参照)から遠位方向に突出する可撓性のシャンク82を有してもよい。シャンクは、オーガー70のみによって形成されてもよく、または特にオーガーおよび半径方向に囲むスリーブ86によって形成されてもよい。シャンク82、特にシャンクがスリーブ86を含む部分の直径は、進入部位64の直径よりも小さくてもよい(
図1参照)。
【0017】
オーガー70とハウジング84とスリーブ86は、互いに任意の適切な関係を有してもよい。オーガー70の軸方向部分は、半径方向においてハウジング84によって密閉されてもよく、一方、オーガーは、ハウジング84および/またはスリーブ86に対して長手方向軸80の周りで回転することが可能である。ハウジングは、オーガーのシャフトに沿って軸方向に滑り可能であってもよく、または滑り可能でなくてもよい。ハウジング84は、スリーブ86にしっかりと取り付けられてもよい。したがって、オーガーに沿ったスリーブの軸方向位置は固定されてもよく、または移動可能であってもよい。スリーブの遠位端は、オーガーとともに髄腔内を移動するように構成されてもよく、またはオーガーが骨内に前進するときに、実質的に、たとえば完全に骨の外側に残ってもよい(実施例4参照)。
【0018】
ハウジング84は、骨採取デバイスの使用時に骨の外側に残るように構成される(
図1参照)。ハウジングは、オーガー70の安定化、前進、後退、および/または方向付けを容易にするために、ユーザの手によって把持されるようなサイズを有する把持可能な部分88を含んでもよい(
図4~
図6参照)。ハウジングは、追加または代替として、採取デバイスの動作時に流体の入口および/または出口用の1つ以上のポートを形成してもよい。図示の実施形態では、ハウジング84は、流入ポート90と流出ポート92とを有する。各ポートは、ホースニプル94によって形成されてもよく、ホースニプル94にはとげ部が設けられてもよい(
図6参照)。
【0019】
流入ポート90は、外部流体源から灌注流体を受けることができる。灌注流体は、流入ポート90の上流側で加えられる陰圧(たとえば、流出ポート92を介して加えられる真空)および/または陽圧によって採取デバイスへと動かされ、ならびに/または採取デバイス内を流動させることができる。流入ポートは、流体をハウジング84のチャンバ96内に向ける(
図6参照)。オーガー70とハウジング84との間のチャンバ96からの軸方向漏れは、チャンバ96に対して近位および遠位に配置されたOリング98によって形成される液密シールの対によって防止されてもよい。灌注流体は、チャンバ96から、オーガーによって画定される左右方向開口部102を介してオーガー70の軸方向チャネル100に進入してもよい。軸方向チャネル100は、104に矢印によって示される灌注流体の流れを、オーガー外側スリーブ86の先端領域76によって画定される少なくとも1つの出口部位106に向けてもよい(
図8参照)。流体は、髄腔内において出口部位106の所でオーガーから流出する。図示の実施形態では、軸方向出口部位106は、先端領域76の遠位端に形成される。他の実施形態では、1つ以上の半径方向出口部位が半径方向に先端領域76に沿って形成されてもよい(たとえば、実施例2を参照されたい)。
【0020】
流出ポート92は、陰圧(すなわち、吸引(真空と読み替え可能である))下でハウジング84から引かれる流体(たとえば、骨デブリ68を運ぶ流体)を受けることができる(
図5および
図6参照)。流体は、スリーブ86に、107に矢印によって示される(
図8参照)スリーブ86の遠位端の所から進入することができる。流体は、ハウジング84に達する前にスリーブの内壁とオーガーの外部との間においてスリーブ86のルーメン107a内を流れる。いくつかの実施形態では、採取デバイスは、灌注流体を供給することなく(たとえば、実施例4および実施例5参照)ならびに/または吸引を施すことなく(たとえば、実施例5参照)動作させることができ、したがって、一方または両方のポート90、92をなくしてもよい。
【0021】
図7は、ここでは弛緩した(変形していない)構成で示されているオーガー70の例示的な構造および寸法態様を示す。シャフト72は、先端領域76内に非線形リーダー108を有してもよく、らせん状フィンの少なくとも軸方向部分がリーダー108から突出してもよい。より具体的には、シャフトは、事前に屈曲するように製造されてもよく、それによってリーダー108は、近位方向においてリーダー108に隣接する位置において、シャフトの長手方向軸80と同軸であるか、またはシャフトの接線方向に位置する線形軸110から離れる方向に屈曲する。したがって、リーダー108は、図示のように弧状であってもよい。
【0022】
オーガー70(および/またはフィン74)は、線形軸110の周りを1回転するときに回転の包絡線112を画定し、包絡線は、先端領域76に沿った各位置にらせん状フィン74の到達範囲を示す。(この回転は、低速でならびに/または概念的に実行することができ、それによって、この回転では、実質的にオーガーが変形されることはない。)リーダー108の事前に屈曲された構成によって、線形であるリーダーに対して包絡線112のサイズが大きくなる。言い換えれば、包絡線112の包絡線直径114(幅と読み替えられる)はらせん状フィン74の外径116よりも大きく、外径116は、オーガーの局所半径方向中心から測定された先端領域76におけるオーガーの最大半径118の2倍に等しい。したがって、事前に屈曲されたリーダー108が、先端領域76におけるリーダー108およびフィン74の弾性変形可能性と相まって、オーガーのフィンは、髄腔直径のより大きい範囲にわたって髄腔の壁と接触したままになることができる(たとえば、
図2および
図3参照)。髄腔が(
図3のように)より狭い場合、リーダー108は骨との接触によって変形され湾曲が小さくなる(すなわち、曲率半径が大きくなる)ことがあり、それによって、リーダーは真っすぐになる(すなわち、より直線に近くなる)。他の実施形態では、フィンの外径はフィンの回転の包絡線の直径に等しい(すなわち、シャフトのリーダーが直線状である場合)。
【0023】
らせん状フィン74は、任意の適切な特性を有してもよい(
図7参照)。フィンは可変高さを有してもよい。たとえば、高さは、先端領域76ではより大きく、場合によっては一様であり、先端領域76の近位ではより小さく、場合によっては一様である。代替的には、フィンは一様な高さを有してもよい(たとえば、実施例3を参照されたい)。フィンは、連続していてもよく、またはスリットなどの開口部によって互いに分離された2つ以上のフィンセグメントに分割されてもよい(たとえば、実施例2を参照されたい)。フィン74は、シャフト72の周りに、特に少なくとも1回、2回、3回、4回、5回、7回、または10回など、任意の適切な回数だけ巻かれてもよい。フィン74のピッチは、フィンに沿って一定であってもよくまたは一定でなくてもよい。オーガーは、1つのみのフィン74または2つ以上のフィンを有してもよい。2つ以上のフィンは、
図7のように軸方向の重なりを有さなくてもよく、または軸方向に重なり合ってもよい。
【0024】
図7および
図8は、オーガー70用の例示的な構成を示す。オーガーは、ロッド120と、ロッドの少なくとも軸方向部分上に配置されこの軸方向部分を覆う1つ以上のシース122、124とを含んでもよい。各シース122または124は、シャフト72の外側層と、管状ベースの周りに巻かれた(場合によってはベースと一体的に形成された)フィン74を形成する管状ベース126を有してもよい(
図8参照)。シースは、接着剤、1つ以上のファスナ、締まりばめなどによってロッド120にしっかりと取り付けられてもよい。ロッド120は、図示のようにチューブであってもよく、または特に中実であってもよい。
【0025】
らせん状フィン74は、シャフト72から厳密に半径方向に突出してもよく、または厳密に半径方向に突出していなくてもよい。たとえば、フィン74は、
図8に示すように近位傾斜部を有するか、または遠位傾斜部を有する突起128の軸に沿ってシャフト72から外側に突出してもよい。フィンの傾斜部は、傾斜部の方向に対応する変形の優先的な(近位または遠位)方向を形成してもよく、それによってオーガーは髄管に沿ってより容易に移動することができならびに/または髄管の壁の除去効率を向上させることができる。
【0026】
フィン74は、シャフト72の局所長手方向軸に直交する方向において、根部132と頂部134の間の高さとして測定される高さ130を有する。フィンの幅136は、フィンの先端側部138と終端側部140の間の幅として測定される。フィンは、側部間において実質的に中実であってもよい。高さ130は、幅136の少なくとも2倍など、幅136よりも大きくてもよく、フィンの十分な可撓性と所望の程度の折り畳み可能性をもたらす。
【0027】
フィン74は、側部138、140間にある角度のテーパ142を有してもよい(またはテーパを有さない)。テーパの角度は、特に約30度、20度、15度、10度、または5度よりも小さくてよい。テーパの角度が小さいほど、フィンのシャフトの近くの可撓性を高め、シャフトに向かう近位方向または遠位方向におけるフィンの「折り畳み」を容易にし、フィンの直径と髄腔の直径の間のより大きい差に対処することができる。テーパの角度を大きくすると、フィンのシャフトの近くの剛性を高めることができ、それによってフィンの頂部のより近くで変形が生じるようになる。
【0028】
II.骨デブリを取得する方法
本説では、骨デブリを取得する例示的な方法について説明する。この節で説明する方法ステップは、本開示の任意の適切な骨採取デバイス(および/またはデバイスの特徴の組合せ)を使用して任意の適切な順序および組合せで実行されてもよい。方法のさらなる態様については、第I節および第III節などの、本開示の他の部分で説明する。
【0029】
この方法を実施する骨が選択されてもよい。任意の適切な骨が選択されてもよい。骨は、たとえば、特に、患者の脚の骨(たとえば、大腿骨、脛骨、もしくは腓骨)または腕の骨(たとえば、上腕骨、尺骨、または橈骨)などの長い骨、骨盤の骨(たとえば、腸骨)、または鎖骨であってもよい。好ましい実施形態では、骨は大腿骨または脛骨である。いくつかの実施形態では、選択された骨は、特に、髄内釘またはプレートなどの固定デバイスを設置することによって固定される不連続部(たとえば、骨折部または切れ目)を有してもよい。
【0030】
選択された骨の外面に進入部位が形成されてもよい。骨が長い骨である場合、進入部位は、骨の長手方向軸上または長手方向軸からずれた位置において、骨の解剖学的近位端または解剖学的遠位端の近くまたは解剖学的近位端または解剖学的遠位端自体に形成されてもよい。進入部位は、特に、オール、ドリル、またはそれらの組合せなど、任意の適切な器具によって形成されてもよい。進入部位は、骨の髄腔に到達するのを可能にする。
【0031】
骨の髄腔がリーミングされてもよい。リーミングは、切削ヘッドを有する少なくとも1つのリーミングデバイス(リーマー)によって実施されてもよい。切削ヘッドは、骨に形成された進入部位を介して髄腔内に配置されてもよい。切削ヘッドは、一定の直径または調整可能な直径を有してもよい。切削ヘッドが一定の直径を有する場合、一定の直径は進入部位の直径よりも小さくてもよい。切削ヘッドは、調整可能な直径を有する場合、進入部位の直径よりも小さい直径を有する収縮構成である間に進入部位を介して髄腔内に配置されてもよい。その場合、切削ヘッドは、髄腔内部に位置した後、進入部位の直径よりも大きい直径を有する拡張構成に変更されてもよい。切削ヘッドにより髄腔の壁から骨材を取り除いて骨デブリを生成することによって髄腔の少なくとも一部分がリーミング直径まで広げられてもよい。リーミング直径は、切削ヘッドが一定の直径を有する場合には単一の直径であってもよく、または拡張可能な切削ヘッドが使用される場合には2つ以上の異なる直径であってもよい。いくつかの実施形態では、リーミングは、灌注流体を髄腔に供給する間に実行されてもよい。骨デブリは、皮質骨、髄骨、またはそれらの組合せを表してもよく、特に、骨髄、血液、および/または灌注流体と混合されてもよい。いくつかの実施形態では、漸次大きくなる直径を有する一連の切削ヘッドの各切削ヘッドによって骨デブリが生成されてもよい。リーミング後、リーマーの切削ヘッドは、進入部位を介して取り外されてもよい。
【0032】
骨デブリを取り除くためのオーガーが選択されてもよい。オーガーは、特に、スリーブ(人工チューブと読み替え可能である)、ハウジング、流入ポートおよび/もしくは流出ポート、収集容器(場合によってはフィルタを含む)、灌注流体の供給、ならびに/または吸引源の任意の組合せも含む骨採取デバイスの一部分であってもよい。オーガーは、本明細書で開示される特徴の任意の適切な組合せを有してもよい。
【0033】
先端領域を含むオーガーの遠位部は、骨に形成された進入部位を介してリーミング対象髄腔内に配置されてもよい。先端領域は、最大静的直径(弛緩し静止しているとき)および/または進入部位の直径および/もしくはリーミング直径よりも大きい先端領域の回転の包絡線の最大直径を有してもよい。したがって、先端領域および特に先端領域内のらせん状フィンは、先端領域が進入部位を通って前進しならびに/または髄腔のリーミング対象部分に進入するときに変形されてもよい。いくつかの実施形態では、先端領域は、髄腔のリーミング対象部分を越えて髄腔の非リーミング部分まで前進してもよい。
【0034】
オーガーは、骨デブリを進入部位の方へ動かすステップために使用されてもよい。骨デブリは、(たとえば、オーガーを漸次骨から引き出しならびに/またはオーガーをその長手方向軸の周りで回転させることによって)オーガーを軸方向に移動させることによって進ませてもよい。いくつかの実施形態では、先端領域は、オーガーが回転する間髄腔のリーミング対象部分を通して引かれる。オーガーは、手動で回転させてもよく、またはモーターによって、特に毎秒約0.5回転、約1回転、約2回転、または約5回転より速いなどの、任意の適切な速度で回転させてもよい。例示的な実施形態では、オーガーは、モーターを有するドライバを使用して毎分約750回転で駆動される。灌注流体は、オーガーが骨デブリを動かすステップときにオーガーを介して髄腔に供給されてもよい。流体および骨デブリの骨からの移動は、特に、出口部位または髄腔内部において吸引を施すことによって容易にされてもよい。
【0035】
出口部位を通過した骨デブリは、骨の外部で収集されてもよい。収集は、陰圧に維持された収集容器、または特に大気圧に配設されたトレイによって実行されてもよい。骨デブリは、内部で濾過されるか、または収集容器まで移動する際に濾過されてもよい。収集された骨デブリは、患者または別の患者にボーングラフトとして移植されてもよい。
【0036】
III.(実施例)
以下の実施例では、骨採取方法およびデバイスに関する本開示の選択された態様および実施形態について説明する。これらの例は、例示のために含められ、本開示の範囲全体を制限または定義するためのものではない。この節で説明する方法およびデバイスの要素、ステップ、および特徴は、任意の適切な組合せとして互いに組み合わされてもよく、かつ本開示内の他の部分で説明する要素、ステップ、および特徴のうちの任意の要素、ステップ、および特徴と任意の適切な組合せとして組み合わされてもよい。
【0037】
(実施例1)
スリーブなしオーガーを有する骨採取デバイス
この実施例では、髄腔内部で半径方向において骨デブリを拘束するために半径方向において人工スリーブ(人工チューブと読み替え可能である)によって囲まれていない「スリーブなし」オーガー70を利用する例示的な骨採取デバイス150について説明する。
図9を参照されたい。代替として、髄腔の壁がこの機能を実施する。
【0038】
採取デバイス150は、(
図1~
図8の採取デバイス50、特にハウジング84およびスリーブ86と比べて)スリーブを使用して吸引を施すことなく髄腔から骨デブリを取り除くように構成される。デバイス150は、上記の第I節で説明した特徴の任意の適切な組合せを有し、シャフト72と、らせん状フィン74と、ドライバに係合するための駆動領域78と、灌注流体を出口部位106から髄腔内に導入するための軸方向チャネル100とを含むオーガー70を含む。ハウジング152は、骨の外側に残るオーガー70の近位部を囲み、デバイスを操作するための把持可能な部分88を構成する。ハウジング152は、ホースニプル94によって形成され、オーガー70の軸方向チャネル100と流体連通するように配置された流入ポート90を有する。ポート90およびチャネル100は、154における流入矢印と156における流出矢印によって示されるように、採取デバイス50と同様に髄腔に灌注流体を供給する。しかし、ハウジング152は、吸引を施して髄腔から流体および骨デブリを吸引するための流出ポートを有さない(以下の実施例5も参照されたい)。
【0039】
(実施例2)
セグメント化されたらせん状フィンを有するオーガー
この実施例では、複数のフィンセグメント162を形成するスリット160を画定するらせん状フィン74を有するオーガー70について説明する。
図10を参照されたい。
【0040】
この例のオーガー70は、第I節などの本明細書の他の部分に記載された特徴の任意の適切な組合せを有してもよく、ならびに/または本開示の骨採取デバイスのうちの任意の骨採取デバイスに組み込まれてもよい。フィン74は、フィンのらせん状経路に沿って配置されたスリット160を画定してもよい。スリットは、らせん状フィン74の可撓性を高めるように働いてもよく、それによって、より強靭でより剛性の高い材料のシース124によってフィンを形成することができる。各スリット160は、フィン74の頂部からシャフト72までの全域に延びてもよく、あるいはフィンの高さの約50%、75%、もしくは90%よりも大きい長さならびに/またはフィンの高さの約90%、75%、もしくは50%よりも小さい長さなどにわたって、シャフトの途中までのみ延びてもよい。らせん状フィン74は、フィンの1巻き当たり少なくとも2つ、3つ、4つ、または5つなど任意の適切な数のスリット160を有してもよい。
【0041】
灌注流体用の1つ以上の出口部位は、オーガー70先端領域76によって画定されてもよい。軸方向出口部位106は、チューブとして構成されたロッド120によって画定されてもよい。1つ以上の半径方向出口部位106aが、ロッド120および/またはシース124の管状のベース126によって画定されてもよい。
【0042】
(実施例3)
高さが一様なフィンを有するオーガー
この実施例では、高さが一様な単一のらせん状フィンを有する例示的なオーガー70について説明する。
図11を参照されたい。
【0043】
この例のオーガー70は、第I節などの本明細書の他の部分に記載された特徴の任意の適切な組合せを有してもよく、ならびに/または本開示の骨採取デバイスのうちの任意の骨採取デバイスに組み込まれてもよい。オーガーは、フィンの長さに沿って一定の外径116を有するらせん状フィン74を有してもよい。オーガー70は、灌注流体なしで使用される中実シャフト72を有してもよく、またはシャフトは、髄腔に灌注流体を供給するのを可能にするようにカニューレを備えてもよい。中実シャフト72を使用すると、オーガーはより強靭になり、より壊れにくくまたはねじれにくくなる。
【0044】
(実施例4)
近位吸引チューブを有する骨採取デバイス
この実施例では、オーガー70と、遠位大腿骨56(または別の骨もしくは骨領域)にねじ込まれる同軸近位吸引チューブ182とを有する例示的な骨採取デバイス180について説明する。
図12を参照されたい。
【0045】
オーガー70は、第I節または第III節の他の例などの本明細書の他の部分で開示された特徴の任意の適切な組合せを有してもよい。オーガーは、第I節に記載されたように灌注流体の供給を可能にするようにカニューレを備えてもよく、または中実であってもよい。オーガー70は、吸引チューブ182内を延び、吸引チューブの近位に位置する駆動領域を有してもよい。
【0046】
吸引チューブ182は、遠位大腿骨56における進入部位64に螺合するように雄ねじ186を形成する遠位チップ184を有してもよい。この螺合によって、吸引チューブ182が骨にしっかりと取り付けられる。
【0047】
チューブ182の近位端は、吸引が施される流出ポートを有する収集容器に接続されてもよい。収集容器に進入した流体は、骨デブリを保持して流体から分離するフィルタを通過してもよい。
【0048】
他の実施形態では、遠位チップ184は、骨に進入せずに骨の表面に吸引を施すように構成された吸引チップと交換されてもよい。吸引チップは、進入部位64よりも広い口部を形成してもよい。したがって、吸引チップは、進入部位64の周りで骨の外面に係合して、吸引が施されたときにシールを形成してもよい。いくつかの実施形態では、吸引チップはエラストマによって形成される。
【0049】
(実施例5)
骨デブリを収集するためのトレイ
この実施例では、スリーブのないオーガー70によりリーミング対象骨192から送り出された骨デブリ68を収集するための例示的なトレイ190について説明する。
図13を参照されたい(
図9および
図11も参照されたい)。
【0050】
骨192は、たとえば、図示のように脛骨の解剖学的遠位部であってもよく、または任意の他の適切な骨であってもよい。骨192に進入部位64が形成されてもよく、リーマーによって骨をリーミングして骨デブリ68を生成してもよい。リーマーを取り外した後、オーガー70は、進入部位64を介して骨内に配置されてもよく、次いで、回転させられならびに/または軸方向に引き出されるにつれて骨デブリ68を進入部位を介して骨から送り出してもよい。骨デブリはトレイ190に収集されてもよい。いくつかの実施形態では、骨デブリは何ら助けなしにオーガーからトレイ内に落下してもよい。他の実施形態では、オーガーからの骨デブリの分離を、特に、骨の外部で流体を作用させる(たとえば、骨の外部でオーガーに流体流を向ける)か、またはトレイに取り付けられた分離器具(へらなど)を使用することによって助けてもよい。
【0051】
(実施例6)
リーマーを備える骨採取デバイス
この実施例では、リーミングによって骨デブリを生成するために切削ヘッドも備える例示的な骨採取デバイスについて説明する。
図14および
図15を参照されたい。
【0052】
図14は、骨をリーミングするための拡張可能な切削ヘッド212と、骨デブリを骨から送り出すのを容易にするためのオーガー70とを含む骨採取デバイス210を示す。オーガーと切削ヘッドは、オーガーのシャフト72が回転するときに一緒にユニットとして回転し、それによって、デバイスは骨のリーミングと骨デブリの送り出しを同時に行うことができる。
【0053】
切削ヘッド212は、切削ヘッドの直径を変更するために調整可能に配備することができる複数の切削部材214を含んでもよい。切削部材の配備は、シャフト72内部の軸方向ロッドなどのアクチュエータ216によって管理されてもよい。アクチュエータは、調整ノブなどのユーザインターフェース218に接続される。ユーザインターフェースは、アクチュエータを長手方向に移動させるように操作する(たとえば、回転させる)ことができ、それによって、切削ヘッド212のサイズが変更される。好適である場合がある例示的な拡張可能な切削ヘッドのさらなる態様は、2018年6月6日に出願された特許文献1に記載されており、この出願は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0054】
骨採取デバイス210およびそのオーガー70は、本明細書の他の部分で説明した特徴および要素の任意の適切な組合せを有してもよい。たとえば、デバイス210は、半径方向においてオーガー70の軸方向部分を囲み、骨デブリを取り込んで移動させるためのルーメン107aを形成するシャンク82、ハウジング84、およびスリーブ86を含んでもよい。ハウジング84は、上記で第I節において骨採取デバイス50について説明したように、把持可能な部分88と、流入ポート90と、流出ポート92と、チャンバ96とを形成してもよい。オーガー70は、近位駆動領域78を有し、遠位において流体用の出口部位106aを画定するシャフト72を含んでもよい。オーガーは、シャフト72から突出してシャフト72の周りに巻かれたらせん状フィン74を有してもよい。
【0055】
らせん状フィン74は、切削ヘッド212の近位に位置してもよく、スリーブ86の内部および外部においてシャフト72の周りを任意の適切な回数だけ延びてもよい。たとえば、フィンは、スリーブ86の内側および/またはスリーブの外側においてシャフト72の周りを少なくとも1回、2回、3回、または5回延びてもよい。らせん状フィンは、一定の高さを有してもよく、または高さは一定でなくてもよい(たとえば、スリーブ86の内部と比較してスリーブ86の外部の方が大きい)。いくつかの実施形態では、スリーブ86の遠位のフィン74の最大直径は、スリーブ86の遠位端の近くにおけるスリーブの外径よりも大きくてもよい。
【0056】
図15は、骨をリーミングするための交換可能な切削ヘッド232と、骨デブリを骨から送り出すのを容易にするためのオーガー70とを含む骨採取デバイス230を示す。オーガー70と切削ヘッド232は、オーガーのシャフト72が回転するときに一緒にユニットとして回転し、それによって、デバイスは骨のリーミングと骨デブリの送り出しを同時に行うことができる。
【0057】
デバイス230は、デバイス210に適切な特徴および要素のいずれを有してもよい(
図14参照)。ここでは、2つのデバイス間の選択された違いについて説明する。
【0058】
切削ヘッド232は、結合部位234などにおいてオーガー70のシャフト72に取り外し可能に取り付けられてもよい。切削ヘッドは、(たとえば、髄腔のリーミング直径を漸次大きくするために)必要に応じて異なるサイズの別の切削ヘッドと交換することができる。
【0059】
デバイス230は、デバイス内を全域にわたって延びる軸方向チャネル236を画定してもよい。軸方向チャネルは、骨の中に事前に設置されたガイドワイヤ238上にデバイス230を配置し、ガイドワイヤ238に沿ってデバイス230を前進させることができる。
【0060】
スリーブ86は、
図15に示すように、ハウジング84と一体的に形成されてもよい。代替として、スリーブは(デバイス210と同様に)別個に形成されてもよい。
【0061】
(実施例7)
選択された実施形態
この実施例では、本開示の選択された実施形態を一連のインデックス付きパラグラフとして説明する。
【0062】
パラグラフ1
骨デブリを取得する方法であって、(a)骨デブリを生成するために、骨の髄腔の少なくとも一部分を、骨内に延びる進入部位を介してリーミングするステップと、(b)シャフトから突出する可撓性のらせん状フィンを含むオーガーを選択するステップと、(c)オーガーの先端領域を進入部位を介して髄腔のリーミング対象部分内に配置するステップと、(d)オーガーのらせん状フィンを使用して骨デブリの少なくとも一部分を進入部位の方へ動かすステップと、(e)進入部位を通過した骨デブリの少なくとも一部分を骨の外部で収集するステップとを含み、配置するステップと動かすステップが、らせん状フィンを髄腔のリーミング対象部分に適合させるために、らせん状フィンと髄腔の壁との間の接触によってオーガーの先端領域を変形させるステップを含む、方法。
【0063】
パラグラフ2
リーミングするステップは、髄腔の少なくとも一部分をリーミング直径までリーミングするステップを含み、オーガーは、先端領域内のらせん状フィンの直径がリーミング直径よりも大きい弛緩構成を有する、パラグラフ1の方法。
【0064】
パラグラフ3
リーミングするステップは、髄腔の少なくとも一部をリーミング直径までリーミングするステップを含み、オーガーの先端領域は、髄腔のリーミング直径よりも大きい直径を有する回転の包絡線を画定する弛緩構成を有し、配置するステップおよび/または動かすステップは、らせん状フィンと髄腔のリーミング対象部分の壁との接触によってオーガーの先端領域を変形させ、回転の包絡線の直径を小さくして髄腔のリーミング直径に一致させる、パラグラフ1または2の方法。
【0065】
パラグラフ4
オーガーは、シャフトの少なくとも一部分と一体的に形成されたらせん状フィンを有する、パラグラフ1から3のいずれかの方法。
【0066】
パラグラフ5
シャフトの少なくとも一部分は管状である、パラグラフ4の方法。
【0067】
パラグラフ6
動かすステップは、シャフトをその長手方向軸の周りで回転させるステップを含む、パラグラフ1から5のいずれかの方法。
【0068】
パラグラフ7
動かすステップは、シャフトを回転させる間、せん状フィンによって髄腔の壁を拭くステップを含む、パラグラフ6の方法。
【0069】
パラグラフ8
動かすステップは、シャフトを長手方向軸の周りで回転させるにつれてシャフトの軸方向部分を髄腔から引き出すステップを含む、パラグラフ6または7の方法。
【0070】
パラグラフ9
オーガーは、シャフトが先端領域内に弧状リーダーを形成する弛緩構成を有し、配置するステップならびに/または動かすステップは、らせん状フィンと髄腔のリーミング対象部分の壁との間の接触によってリーダーを半径方向に変形させるステップを含む、パラグラフ1から8のいずれかの方法。
【0071】
パラグラフ10
リーダーを変形させるステップは、弧状リーダーの湾曲を小さくする、パラグラフ9の方法。
【0072】
パラグラフ11
オーガーは、配置するステップおよび動かすステップでは骨が実質的には切断されない非切削オーガーである、パラグラフ1から10のいずれかの方法。
【0073】
パラグラフ12
オーガーは、半径方向においてシャフトの軸方向部分を囲むスリーブに関連付けられ、配置するステップは、髄腔に沿ってスリーブの遠位端を前進させるステップを含み、動かすステップは、スリーブに対してシャフトをシャフトの長手方向軸の周りで回転させるステップを含む、パラグラフ1から11のいずれかの方法。
【0074】
パラグラフ13
オーガーの先端領域を髄腔から取り外すステップをさらに含み、オーガーの軸方向部分は、方法のいずれのステップ中またはステップ間のいずれのときにも半径方向において髄腔内の人工チューブによって囲まれない、パラグラフ1から12のいずれかの方法。
【0075】
パラグラフ14
収集するステップは、進入部位において骨に吸引を施して、少なくとも主としてまたは排他的に骨の外部に位置する位置するチューブ内に骨デブリを吸引するステップを含む、パラグラフ1から13のいずれかの方法。
【0076】
パラグラフ15
収集するステップは、骨の外部で骨デブリをトレイに収集するステップを含む、パラグラフ1から14のいずれかの方法。
【0077】
パラグラフ16
収集するステップは、骨デブリをオーガーから骨の外部のトレイに直接に送るステップを含む、パラグラフ15の方法。
【0078】
パラグラフ17
リーミングするステップは、髄腔の峡部をリーミングするステップを含む、パラグラフ1から16のいずれかの方法。
【0079】
パラグラフ18
配置するステップは、半径方向においてオーガーの軸方向部分を囲む人工チューブに対してオーガーを軸方向に前進させるステップを含む、パラグラフ1から17のいずれかの方法。
【0080】
パラグラフ19
動かすステップは、オーガーを人工チューブに対して軸方向に移動させるステップを含む、パラグラフ18の方法。
【0081】
パラグラフ20
収集するステップは、人工チューブの遠位端が進入部位に位置する間人工チューブに対してオーガーを軸方向に移動させるにつれて少なくとも部分的に実行される、パラグラフ19の方法。
【0082】
パラグラフ21
人工チューブを進入部位において骨に螺合するように配設するステップをさらに含む、パラグラフ18から20のいずれかの方法。
【0083】
パラグラフ22
収集するステップは、骨の外部で人工チューブ内に骨デブリを吸引するステップを含む、パラグラフ18から20のいずれかの方法。
【0084】
パラグラフ23
オーガーの先端領域は、弛緩構成であるとき、骨における進入部位の直径よりも大きい直径を有し、配置するステップは、らせん状フィンが骨における進入部位を通過するときにらせん状フィンを変形させるステップを含む、パラグラフ1から22のいずれかの方法。
【0085】
パラグラフ24
オーガーのらせん状フィンは、らせん状経路に沿って配置された複数のフィンセグメントを形成するスリットを画定する、パラグラフ1から23のいずれかの方法。
【0086】
パラグラフ25
シャフトによって画定される軸方向チャネルを介して動かすステップの間オーガーの先端領域に灌注流体を供給するステップをさらに含む、パラグラフ1から24のいずれかの方法。
【0087】
パラグラフ26
リーミングするステップは、1つ以上のリーマーによって実施され、この方法は、配置するステップの前に進入部位を介して骨から1つ以上のリーマーの各々を取り外すステップをさらに含む、パラグラフ1から25のいずれかの方法。
【0088】
パラグラフ27
骨デブリを取得する方法であって、(a)骨内に延びる進入部位を形成するステップと、(b)リーマーの切削ヘッドを進入部位を介して骨の髄腔内に配置するステップと、(c)骨デブリを生成するために、切削ヘッドによって髄腔の少なくとも一部分をリーミング直径までリーミングするステップと、(d)切削ヘッドを進入部位を介して髄腔から取り外すステップと、(e)シャフトから突出する可撓性のらせん状フィンを含むオーガーを選択するステップであって、オーガーの先端領域の直径が、リーミング直径よりも大きい、ステップと、(f)オーガーの少なくとも先端領域を進入部位を介して髄腔内に配置するステップと、(g)らせん状フィンが髄腔のリーミング対象部分の壁との接触によって変形されるときに、進入部位の方へ骨デブリを動かすステップであって、それによって、オーガーの先端領域の直径が髄腔のリーミング直径と一致する、ステップと、(h)進入部位を通過した骨デブリを収集するステップとを含む、方法。
【0089】
パラグラフ28
骨デブリを動かすステップは、オーガーをシャフトの長手方向軸の周りで回転させるステップを含む、パラグラフ27の方法。
【0090】
パラグラフ29
骨の事前にリーミングされた髄腔から骨デブリを取り除くためのデバイスであって、髄腔内に配置されるように構成された先端領域を有するオーガーを備え、オーガーが、シャフトから突出する可撓性のらせん状フィンを含む、デバイス。
【0091】
パラグラフ30
らせん状フィンとシャフトの少なくとも一部分は、互いに一体的に形成される、パラグラフ29のデバイス。
【0092】
パラグラフ31
シャフトの少なくとも一部分は管状である、パラグラフ30のデバイス。
【0093】
パラグラフ32
シャフトはロッドを含み、らせん状フィンは、ロッドの軸方向部分上に配設され軸方向部分にしっかりと取り付けられたシースによって提供される、パラグラフ29から31のいずれかのデバイス。
【0094】
パラグラフ33
ロッドは中実である、パラグラフ32のデバイス。
【0095】
パラグラフ34
ロッドは中空である、パラグラフ32のデバイス。
【0096】
パラグラフ35
シースはポリマー製シースであり、ロッドは金属製ロッドである、パラグラフ32~34のいずれかのデバイス。
【0097】
パラグラフ36
らせん状フィンは、オーガーの先端領域内のシャフトから鋭角に突出する、パラグラフ29~35のいずれかのデバイス。
【0098】
パラグラフ37
鋭角は80度未満である、パラグラフ36のデバイス。
【0099】
パラグラフ38
らせん状フィンは、オーガーの先端領域内に近位または遠位の傾斜部を有する、パラグラフ29~37のいずれかのデバイス。
【0100】
パラグラフ39
らせん状フィンは、傾斜部の方向において、逆方向に対して優先的に変形するように構成される、パラグラフ38のデバイス。
【0101】
パラグラフ40
オーガーのらせん状フィンは、らせん状経路に沿って配置された複数のフィンセグメントを形成する複数のスリットを画定する、パラグラフ29~39のいずれかのデバイス。
【0102】
パラグラフ41
らせん状フィンは、らせん状フィンの根部と頂部との間で測定された高さを有し、この高さは、オーガーの先端領域内において、オーガーの先端領域内のシャフトの平均外径の2分の1よりも大きい平均を有する、パラグラフ29~40のいずれかのデバイス。
【0103】
パラグラフ42
高さの平均は、シャフトの平均外径よりも大きい、パラグラフ29~41のいずれかのデバイス。
【0104】
パラグラフ43
らせん状フィンは、オーガーが弛緩構成であるときに、オーガーの先端領域内のシャフトの弧状リーダーから突出する、パラグラフ29~42のいずれかのデバイス。
【0105】
パラグラフ44
らせん状フィンは、オーガーの先端領域内に平均高さおよび平均厚さを有し、平均厚さは、らせん状フィンの先端側部と終端側部との間で測定され、平均高さは平均厚さよりも大きい、パラグラフ29~43のいずれかのデバイス。
【0106】
パラグラフ45
平均高さは、平均厚さの少なくとも2倍である、パラグラフ44のデバイス。
【0107】
パラグラフ46
オーガーの先端領域内のらせん状フィンは、20度未満の半径方向のテーパの平均角度を有する、パラグラフ29~45のいずれかのデバイス。
【0108】
パラグラフ47
オーガーの先端領域内のらせん状フィンは、先端領域内のらせん状フィンの先端側部と終端側部との間で測定されたらせん状フィンの最大厚さの3倍よりも大きいピッチを有する、パラグラフ29~46のいずれかのデバイス。
【0109】
パラグラフ48
らせん状フィンは、先端側部と終端側部とを有し、らせん状フィンは、先端側部と終端側部との間で実質的に中実である、パラグラフ29~47のいずれかのデバイスである。
【0110】
パラグラフ49
少なくとも、らせん状フィンの軸方向部分とシャフトの一部分とは、互いに一体的に形成され、シャフトの上記の一部分は外面を有し、らせん状フィンの軸方向部分は、シャフトの上記の一部分の外面から突出する、パラグラフ29~48のいずれかのデバイス。
【0111】
パラグラフ50
シャフトの上記の一部分はチューブを含む、パラグラフ49のデバイス。
【0112】
パラグラフ51
外面は円筒形である、パラグラフ49または50のデバイス。
【0113】
パラグラフ52
チューブは、シャフトの外側部分を形成し、チューブは、シャフトの内側部分を囲む、パラグラフ49~51のいずれかのデバイス。
【0114】
上記の本開示は、独立した用途を有する複数の異なる発明を包含してもよい。これらの発明の各々は、その好ましい形態で開示されているが、本明細書で開示され例示された本発明の特定の実施形態は、多数の変形例が考えられるので限定的な意味で検討すべきではない。本発明の主題は、本明細書で開示された様々な要素、特徴、機能、および/または特性のすべての新規の非自明な組合せおよび部分組合せを含む。以下の特許請求の範囲は特に、新規で非自明なものと見なされる特定の組合せおよび部分組合せを指摘する。特徴、機能、要素、および/または特性の他の組合せおよび部分組合せで具現化された発明が、本出願または関連出願からの優先権を請求する出願において請求されてもよい。そのような特許請求の範囲は、異なる発明を対象とするかそれとも同じ発明を対象とするかにかかわらず、元の特許請求の範囲よりも広いかそれとも狭いか、元の特許請求の範囲と等しいかそれとも異なるかにかかわらず、本開示の発明の主題内に含まれると見なされる。さらに、要素を識別するための第1、第2、または第3などの序数標識は、各要素を区別するために使用され、特に明記しない限り、そのような要素の特定の位置または順序を示すものではない。最後に、本開示は参照によって内容を組み込んでいる。この参照による組み込みから用語の意味に曖昧さまたは矛盾が生じる場合、出願の文字通りの内容が用語の構成を決定する。
【符号の説明】
【0115】
50 骨採取デバイス
52 遠位部
54 髄腔
56 大腿骨
58 近位部
60 皮質シェル
62 海綿骨
64 進入部位
66 リーミング直径
68 骨デブリ
70 オーガー
72 シャフト
74 らせん状フィン
76 先端領域
78 駆動領域
80 長手方向軸
82 可撓性のシャンク
84 ハウジング
86 半径方向に囲むスリーブ
88 把持可能な部分
90 流入ポート
92 流出ポート
94 ホースニプル
96 チャンバ
98 Oリング
100 軸方向チャネル
102 左右方向開口部
104 灌注流体流
106 出口部位
106a 半径方向出口部位
107 遠位端
107a ルーメン
108 リーダー
110 線形軸
112 回転の包絡線
114 包絡線直径
116 外径
118 最大半径
120 ロッド
122、124 シース
126 管状のベース
128 突起
130 高さ
132 根部
134 頂部
136 幅
138 先端側部
140 終端側部
142 テーパ
150 採取デバイス
152 ハウジング
154 流入
156 流出
160 スリット
162 フィンセグメント
180 骨採取デバイス
182 吸引チューブ
184 遠位チップ
186 雄ねじ
190 トレイ
192 リーミング対象骨
210 骨採取デバイス
212 切削ヘッド
214 切削部材
216 アクチュエータ
218 ユーザインターフェース
230 骨採取デバイス
232 切削ヘッド
234 結合部位
236 軸方向チャネル
238 ガイドワイヤ
【国際調査報告】