IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヘリオス ゲレーテバウ フュア クンストストッフテクニーク ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2022-512619バルク材からダストを除去する装置とその方法
<>
  • 特表-バルク材からダストを除去する装置とその方法 図1a
  • 特表-バルク材からダストを除去する装置とその方法 図1b
  • 特表-バルク材からダストを除去する装置とその方法 図2
  • 特表-バルク材からダストを除去する装置とその方法 図3
  • 特表-バルク材からダストを除去する装置とその方法 図3.1
  • 特表-バルク材からダストを除去する装置とその方法 図4
  • 特表-バルク材からダストを除去する装置とその方法 図5
  • 特表-バルク材からダストを除去する装置とその方法 図6
  • 特表-バルク材からダストを除去する装置とその方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】バルク材からダストを除去する装置とその方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/00 20060101AFI20220131BHJP
   B65G 65/40 20060101ALI20220131BHJP
   B07B 7/02 20060101ALI20220131BHJP
   B65G 53/56 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
B08B5/00 A
B65G65/40 D
B07B7/02
B65G53/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518783
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(85)【翻訳文提出日】2021-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2019072710
(87)【国際公開番号】W WO2020069798
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】102018124207.7
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521136770
【氏名又は名称】ヘリオス ゲレーテバウ フュア クンストストッフテクニーク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【弁理士】
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルヘルム、クラウス
【テーマコード(参考)】
3B116
3F047
3F075
4D021
【Fターム(参考)】
3B116AA48
3B116AB32
3B116BB22
3B116BB72
3B116BB89
3B116CD41
3F047BA02
3F047BA08
3F075AA07
3F075BA02
3F075BB01
3F075DA13
3F075DA26
4D021FA15
4D021GA02
4D021GA06
4D021GA08
4D021GA13
4D021GA14
4D021GA15
4D021GA21
4D021HA10
(57)【要約】
バッチモードによる稼動の場合、顆粒(4)をダスト除去タンク(9)に充填するが、その場合、前記ダスト除去タンクの下方顆粒排出口(25)に密閉エレメントがなく、同ダスト除去タンクの下部にある排出ホッパー(28)には、圧縮空気を注入する渦流吹上ノズル(31)が設置されており、また、特に前記ダスト除去タンクの下にある中間タンク(14)内の充填レベルに応じて、逆流(32)を発生させずに下方へ落下させ、オプションで用意される上方排気口付近の負圧によって注入された空気でダストを除去する-この場合は、自由に浮遊している微粒子ダストしか吸引されない-か、または、すでに充填プロセスの段階で逆流(32)を発生させ、この逆流によって、充填した顆粒(4)の一部を顆粒排出口(25)から下方へ落下させずに、ほぼ浮遊したまま、ダスト除去タンク(9)の下から1/3または1/4の高さに維持する。逆流(32)を調整することにより、渦状に吹き上げられた顆粒粒子(4)の反転エリア(30)の高さだけでなく、顆粒(4)のダスト除去タンク(9)内における滞留時間もコントロールでき、したがって本装置は連続稼働も可能となっている。
【選択図】図3.1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダスト除去タンク(9)の上流に設置され、圧縮空気噴射ノズル(21a)の形になっている搬送空気発生器と、圧縮空気コネクタと、ダスト除去タンク(9)を備えた、特にバッチモードで顆粒(4)からダストを除去する装置(1)であって、この場合、前記ダスト除去タンクは、
-顆粒(4)用の少なくとも1つの顆粒入口(8)と、
-ダスト除去タンク(9)の下部、特に同ダスト除去タンクの底面に設けられた顆粒排出口(25)と、
-前記ダスト除去タンク(9)の特に上部に設けられた排気口(18)と、
-イオン化装置(37)と、
-前記ダスト除去タンク(9)内の顆粒(4)を渦状に上方へ吹き上げる吹き上げユニットと、
-前記吹き上げユニットとすべての可動パーツ、特に本装置のバルブをコントロールすることができる制御装置(22)
を備えており、さらに、
-前記顆粒排出口(25)が常時開いており、
-前記ダスト除去タンク(9)の円周壁の、少なくとも内部空間に面した内壁面が、絶縁材料、特にガラス製になっており、
-前記吹き上げユニットには、圧縮空気コネクタと接続し上方を向いた渦流吹上ノズル(31)が、前記ダスト除去タンク(9)の下部、特に顆粒排出口(25)の中に設置されている
ことを特徴とする顆粒のダスト除去装置。
【請求項2】
-前記ダスト除去タンク(9)の断面の下部は、顆粒排出口(25)に向かって次第に細くなる円錐面(28‘)になっており、
-前記圧縮空気ノズル(31)は、前記円錐面(28‘)内に設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記渦流吹上ノズル(31)の、圧力および/または流速および/または流量は、特に制御装置(22)によって調整できることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記イオン化装置(37)は、空気供給ダクトの開いている末端に設置され、前記ダスト除去タンク(9)の壁面の空気供給口(36)に、または、前記ダスト除去タンク(9)の内部空間にまで突出しているイオン化装置の先端ノズルを備えていることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記気体供給口(36)は、同気体供給口に接続したイオン化装置(37)を有しており、また同イオン化装置は、
-前記ダスト除去タンク(9)の下部、特に排出ホッパー(28)の上部または同排出ホッパー(28)内、特に前記気体供給口(36)の内部または表面に接する状態で設置されているか、
-または、中間タンク(14)内にある顆粒排出口(25)の下、特に前記中間タンクの上部に設置されている
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記排気口(18)は、常時完全に開いた状態になっており、また特にフィルタ(5)で覆われていないことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記ダスト除去タンク(9)の高さは、少なくとも100mm、好適には少なくとも200mm、さらに好適には少なくとも300mm、一層好適には少なくとも400mmあることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載装置。
【請求項8】
前記ダスト除去タンク(9)の円周壁面は垂直に直立し、上部および下部ともに開いたガラス管であって、特に断面は回転対称になっており、また断面はタンクの全長に渡り変わっていないことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
本装置は、ダスト濾過装置、特に排気フィルタ(2)および/または負圧発生器、特に、前記ダスト除去タンク(9)の下部に設置された圧縮空気噴射ノズル(21b)を有していることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記顆粒入口(8)は、前記ダスト除去タンク(9)の上半分の高さ、特に上部1/3の高さに設置されていることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記渦流吹上ノズル(31)は、上方に向って吹き上げる逆流(32)を作り出し、作り出された逆流によって吹き上げられた顆粒(4)が上方排気口(18)に達する前に、同顆粒の上昇運動を、その重力によってほぼ終了させることができることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
-前記制御装置(22)の稼動モードにはバッチモードと連続モードがあり、同制御装置は前記2つのモードを切り替えることができる、
および/または
-前記顆粒排出口(25)の下部には、前記ダスト除去タンク(9)の下側に中間タンク(14)が設置されていることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
-前記ダスト除去タンク(9)には複数の顆粒入口(8)が設けられており、また前記各顆粒入口はそれぞれ1つの供給ダクト(15)を介して吸引ランス(16)に接続し、前記吸引ランス内には圧縮空気噴射ノズル(21a)が設置されている、または、
-前記ダスト除去タンク(9)には1つの顆粒入口(8)しかなく、前記顆粒入口に繋がる供給ダクト(15)は、前記ダスト除去タンク(9)の外部で2つの吸引ランス(16)に分岐しており、また分岐した各吸引ランス内にはそれぞれ1つの圧縮空気噴射ノズル(21a)が設置されていることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
特に前記請求項のいずれかに記載の装置を用いて顆粒(4)のダストを除去する、特に顆粒(4)に付着したダスト(11)を除去する方法であって、この場合、バッチモードでは、
F)ダスト除去タンク(9)内に逆流(32)を発生させた場合と発生させない場合があるが、いずれの場合もダスト除去タンク内に、事前に定めたレベルまで顆粒を充填し、
G)充填レベルに達したら充填プロセスを停止し、
H)注入した電離気体、特にイオン化空気を用いて、ダスト除去タンク(9)に充填されたバッチ(4‘)からダストを除去し、また、逆流(32)で顆粒(4)を渦状に吹き上げ、ダストが含まれている気体を外へ排出、特に吸引して排出し、
I)前記ダスト除去タンク(9)に電離気体、特にイオン化空気を吹き付けて洗浄し、
J)事前に定めた充填レベルより低い位置まで充填レベルが低下した後、少なくともA)~C)およびE)のステップを再び実行し、
また、連続モードでは、
d)前記ダスト除去タンク(9)から消費される顆粒(4)に応じて、ダスト除去タンク(9)内に連続的に顆粒(4)を充填し、
e)同時に、ダスト除去タンク(9)内で、注入した電離気体、特にイオン化空気で顆粒(4)のダクトを除去し、また、逆流(32)で顆粒(4)を渦状に吹き上げ、ダストが含まれている気体を外へ排出、特に吸引して排出し、
f)その場合、ダスト除去タンク(9)内における顆粒(4)の平均滞留時間は、逆流(32)強度の調整具合で定まる
、前記方法。
【請求項15】
ステップA)では、
-前記逆流(32)の強度は、前記渦流吹上ノズル(31)の圧力および/または流速および/または流量を調整することによって設定される、
または、
-前記逆流(32)は、前記ダスト除去タンク(9)の下部に供給される電離気体によってのみ影響される
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ダスト除去タンク(9)からダストが含まれている気体を吸引する処理と、渦流吹上ノズル(31)による空気の注入は同時に、特に毎回同時にのみ行われることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
ステップC)では、
前記顆粒(4)の渦状吹き上げ処理は、前後して複数回行われることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
ステップAおよび/またはステップC)では、
前記顆粒(4)の大部分は、前記アッパー排気口(18)、特に投入ノズル(24)まで到達しないことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記顆粒排出口(25)は、どのような稼働状態にあっても、本装置に設置されている密閉エレメントによって封鎖されることはないことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
同じ1つの装置でバッチモードと連続モードを選択でき、また特に本装置の制御装置(22)は、バッチモードと連続モードを切り替えることができることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
ステップE)で充填レベルを下げた後の、ステップA)による充填プロセスは、事前に定めた時間が経過してから初めて開始されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記顆粒(4)が吹き上げられる高さである反転エリア(30)の位置は、
前記逆流(32)の強度で設定できることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
ステップD)の洗浄は、ステップC)のダスト除去終了後、特にステップe)の充填レベルが事前に定めた充填レベルより低下した後に初めて実施することを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
ステップD)の洗浄を行う場合、
-ダスト除去タンク(9)の総容量の何倍もの量の電離気体(34)を注入し、
および/または、
-この間に少なくとも一部はすでに電離していない状態になっている前記気体(34)を、前記ダスト除去タンク(9)から連続的に排出する、特に吸引して排出する
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
顆粒のバッチ(4‘)からダストを除去した後、逆流(32)を停止するか、少なくともダスト除去タンク(9)内にある顆粒(4)が顆粒排出口(25)から下方に落下するレベルまで低減させることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
-顆粒(4)は圧縮空気によってダスト除去タンク(9)へ搬送され、
および/または
-ダスト(11)は吸引空気によってダスト除去タンク(9)から除去される
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
イオン化装置(37)の先端ノズルの周囲には、ダスト除去タンク(9)内に注入される気体、特に空気が流れることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
電離気体、特にイオン化空気は、
-前記ダスト除去タンク(9)の下部、特に排出ホッパー(28)の上部から、または同排出ホッパー(28)を通って、または
-前記顆粒排出口(25)の下部から、前記中間タンク(14)内へ送られる
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
I.使用領域
本発明は、バルク材から、バルク材に含まれているダスト―この場合、ダストは特に静電気を帯電しているため顆粒に付着している―を、特にイオン化することによって除去することに係る。
【背景技術】
【0002】
II.技術的背景
特にプラスチック技術や医薬品産業、また食品などの分野では、原材料を、顆粒や粉砕材、粗い粒子などのバルク材の形で取引する必要がある。本願では、すべてのバルク材を簡略化した「顆粒」という概念で表記している。
【0003】
このようなバルク材を輸送する場合、よく用いられる方法として圧縮空気を利用した搬送法、特に空気輸送がある。空気輸送では、顆粒が、空気の流れによって、また大部分がその空気の流れの中に含まれて一緒に希望する場所へ輸送される。
【0004】
顆粒に関しては、樹脂の射出成形機で使用する素材など、さらに他の用途に使用される場合には、極力清浄な状態になっている必要があり、特にダスト状の汚染物質による汚れなどは厳禁である。こうしたダスト状の汚染物質は、他の原材料の製造や輸送時に意図せぬ形で顆粒に付着した異物であったり、顆粒と同じ素材のダスト粒子であったりすることもあるが、いずれの場合も、後の用途にとって好ましいことではない。
【0005】
本明細書におけるダストないしダスト状の汚染物質とは、直径が、顆粒の特に最大1/10、好適には最大1/30、より好適には最大1/100、もっとも好適には最大1/1000の大きさの粒子のことを意味する。
【0006】
したがって、顆粒を使用する前に、そうした顆粒に含まれるダスト部分を除去することが一般的な目標となっている。
【0007】
単純にフィルタを通す方法から、顆粒と搬送空気を分離し、搬送空気をフィルタにかける方法、さらにはサイクロンを用いて成分の一部を分離する方法に至るまで様々な技術が存在している。
【0008】
そうした方法で生じる問題の1つに、ダストの粒子と顆粒の粒子が強く密着すること、および、ダスト粒子が供給ダクト、顆粒の容器などの装置部品に付着するという問題がある。
【0009】
こうした強力な密着は静電気の帯電によって生じることが多く、そうした結合力が解消された後でなければ、機械的な処理でダストを除去できないのが通例である。
【0010】
原理的には既存の方法、すなわち、異なる静電気を帯電しているため互いに引き合う分子、この場合はダスト粒子と顆粒粒子を、一部にアースを付けるなどの方法で除電すれば結合力を解消できる。
【0011】
しかし、そうした方法も、本事例の場合のように微粉粒子の数が極めて多いと難しいのが実状である。
【0012】
下を密閉したダスト除去容器内で顆粒を常時上方に吹き上げてバラバラにし、内部までイオン化空気に触れさせる方法などは従来からすでに試みられてきた。しかし、単に顆粒を衝突させるだけではさらに粉塵が生じ、結果的にダストが増大するだけになっていた。
【0013】
また別な方法として、ダストを含んだ空気を、加圧して顆粒容器から押し出して排出するのではなく、排気口から吸引するという方法-その場合、前記排気口は、顆粒が通過できないフィルタで密閉されている-も試みられてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
III.本発明の説明
a)技術的課題
したがって本発明は、個々のパーツの数を可能な限り削減しまさにそれによって信頼性が極めて高い稼働を実現した、非常にコンパクトで軽量構造、かつ低価格で製造可能な、顆粒からダストを除去する装置を創出すること、および、そうした装置を稼働する可変性に富む方法を創出することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
b)課題の解決方法
この課題を本発明では、請求項1と14の特徴によって解決している。好適実施例は、従属請求項から明らかになる。
【0016】
方法に関しては、ダスト除去タンク内に、下から上方に流れる充分な強度の逆流を作り出し、顆粒-従来の技術では、ダスト除去タンクの底面を形成する閉じた密閉エレメント上にあるバッチとして存在していたが-を、その逆流で下から上方へ動かしバラバラにするという既存の方法で実現している。
【0017】
特に、高さが増すに連れて逆流の速度が低下する場合、具体的には、空気流の断面が、上に行くに従って拡大するような場合、顆粒に上向きにかかる力がしだいに低下し、重力がその上向きの力に勝るようになると、顆粒は特定の高さで現れる反転エリアで上昇運動を止め、通常、空気流の断面の外側または空気流の端部にある顆粒は、再び顆粒の集合体へ落下して行く。
【0018】
逆流がさらに持続していれば、顆粒はその顆粒の集合体から再び空気流に乗って上昇し、空気流が垂直に維持されている時間に応じて、この循環運動が複数回繰り返される。
【0019】
バラバラになったことにより、顆粒にダスト粒子がまだ軽く付着している場合でも、特に反転エリア内または反転エリアより上の部分の対応する負圧で、ダスト粒子を上方へ吸引することができるとわかっている。
【0020】
この場合、先ずバッチモード連続モードを分ける必要がある。
【0021】
従来の技術では、顆粒、特に圧縮空気で輸送される顆粒のダスト除去は、バッチ単位で実施されてきた。すなわち、ダスト除去タンクの下端部に設けられている顆粒排出口は閉鎖されており、事前に定めた充填レベルまでダスト除去タンク内にバッチ単位で顆粒を充填し、その後、重力とは逆向きの逆流などを用いて顆粒を渦状に吹き上げ、ダストは含まれているが顆粒は含まれていない空気を上方へ吸引し、外部に排出していた。
【0022】
また、ダスト除去タンク内で空気をイオン化する点も従来から知られている方法である。
【0023】
引き続き、顆粒排出口の密閉エレメントを開け、ダストが除去された顆粒を下の中間タンクへ落下させていた。
【0024】
本発明ではバッチモードの場合、充填プロセス中も、密閉蓋のような装置の密閉エレメントで下方顆粒排出口を密閉することがなく、また、そもそもそうした密閉エレメントが存在していないことが特長となっている。
【0025】
充填プロセス中に逆流を発生させない場合、顆粒の多くは、下の中間タンク内にバラ積みされた顆粒の上表面に落下するが、その場合、前記の上表面は、ダスト除去タンクの下方顆粒排出口の高さ、または顆粒排出口の高さよりやや高い位置にあり、したがってすでにダスト除去タンク内に入り込んでいることも有り得る。
【0026】
そうなると、ごくわずかなダストしか除去されないことになる。なぜならば、ダスト除去タンクに注入された空気が、好適には近くにある負圧によって押し出しされるか、または吸引されて外へ排出されるのだが、負圧によって吸引されるのは空気中に浮遊しているダスト粒子だけだからである。
【0027】
中間タンク内のバルク材の上表面が極めて高い位置にある、あるいはすでにダスト除去タンクに到達している場合、新規に投入したバッチは、投入した時点ですでにダスト除去タンク内に入っていることになり、引き続き渦状に吹き上げれば、より簡単にダスト除去が行える。
【0028】
また、すでに充填プロセス中に逆流が存在していることが長所となっている。本発明の処理プロセスを細分化すると以下のようになる:
A)ダスト除去タンク(9)内に逆流(32)を発生させる場合と発生させない場合があるが、いずれの場合も先ずそのダスト除去タンクに事前に定めた充填レベルまで顆粒(4)を充填し、
B)充填レベルに達したら充填プロセスを停止し、
C)電離気体、特にイオン化空気を注入し、ダスト除去タンク(9)内の充填されたバッチ(4‘)からダストを除去し、顆粒粒子(4)を逆流(32)で渦状に吹き上げ、外へ排出特にダストが含まれている気体を吸引して排出し、
D)ダスト除去タンク(9)を電離気体、特にイオン化空気で洗浄し、
E)充填レベルが事前に定めた充填レベルより下回ったら、少なくともA~C)およびE)のステップを再び実施する。
【0029】
逆流の強度、すなわち逆流の流速および/またはその流量および/または圧力は、主にステップA)で調整され、顆粒の大部分は、顆粒排出口より上の部分に保持される、すなわち、いわゆる浮遊しており、しかもその場合、過度に吹き上げられることもない点が特長となっている。
【0030】
この場合、大部分とは、量割合で70%超、好適には80%超、より好適には90%超、さらに好適には95%超、もっとも好適には98%のことである。
【0031】
また、ここで言う過度に吹き上げることがないとは、顆粒の大部分が、ダスト除去タンクの下から1/4、特に1/3の高さより上方には吹き上げられないという意味である。
【0032】
この場合、逆流は、ダスト除去タンクの顆粒入口における圧力が、顆粒用の投入ノズルにおける圧力より大きくならないよう調整する必要がある。さもないと充填プロセスが中断する可能性があるからである。
【0033】
通常、上向きの逆流は、圧縮空気を噴射することによって発生するが、弱い逆流なら、電離気体、特にイオン化空気を流しても作り出すことはできる。
【0034】
ステップC)の渦状の吹き上げも、それぞれ短時間前後に繰り返し圧縮空気を注入することで作り出せる。
【0035】
充填プロセス終了後、ダスト除去タンクに入れられたバッチからダストを除去するが、その場合、顆粒の大部分を渦状に吹き上げるが、その高さは過度に高くせず、上方排気口まで到達しない高さ、好適には、場合によって上方排気口よりもさらに低い位置に設けられている投入ノズルにも達しない高さにする。
【0036】
顆粒排出口は好適には常に開いているが、これは、顆粒排出口を密閉できる密閉エレメントが、装置のパーツとしては存在していないということでもある。
【0037】
顆粒が、顆粒排出口の下から、すなわち顆粒排出口の下にある中間タンクなどから顆粒排出口を通過して蓄積する場合、顆粒排出口の一部ないしすべてが閉鎖されることも可能性としてはあるが、堅固に密閉する装置のパーツになっている、密閉エレメントで閉鎖されることはない。そのため、顆粒排出口の通過率は、逆流を変更することにより程度の差はあるが連続的に調整できる。
【0038】
顆粒は、正圧によって貯蔵タンクからダスト除去タンクへ搬送される。
【0039】
一方、ダストが含まれている空気は、吸引空気によって、ダスト除去タンクから好適には上方へ吸引されて排出されるが、その場合の吸引力は、顆粒をブロックするフィルタが排気口に設置されていない場合でも、吸引空気によってダストが排気口から排出されない程度の吸引力に調整できるようになっている。
【0040】
圧縮空気を注入して渦状に吹き上げるプロセスと、ダストが含まれている空気を吸引空気でダスト除去タンクから吸引するプロセスは、主として常に同時に行われる点が特長となっている。
【0041】
これに対し、ダスト除去タンクの下方に設置された負圧源によって、顆粒を、中間タンクからダスト除去タンクを通って吸引することはできない。負圧源によって、常時開いている顆粒排出口から別の空気が吸引されてしまい、貯蔵タンクから顆粒を吸引できないからである。
【0042】
ステップA)および/またはステップC)では、逆流の強度が調整され、顆粒が上方排気口および/または投入ノズルに達しないようになっている。
【0043】
ダスト除去が終了すると、逆流は削減ないし完全に遮断され、顆粒は下方に落下し、下にある中間タンク内の充填レベルに応じて、中間タンクまで落下する。
【0044】
本発明の方法の重要な特長の1つとして、連続モードによる稼動が可能なことも挙げられる。連続モードでは、
a)前記ダスト除去タンク(9)で消費される顆粒(4)に応じて、ダスト除去タンク(9)内に連続的に顆粒(4)を充填し、
b)同時に、ダスト除去タンク(9)内で、注入した電離気体、特にイオン化空気で顆粒(4)のダストを除去し、また逆流(32)で顆粒(4)を渦状に吹き上げ、ダストが含まれている気体を外へ排出、特に吸引して排出し、
c)その場合、ダスト除去タンク(9)内における顆粒(4)の平均滞留時間は、逆流(32)強度の調整具合で定まる。
【0045】
バッチモード、連続モードいずれの場合も、逆流の強度、特に逆流の流速および/またはその流量を調整することにより、顆粒が、ダスト除去タンクのどの程度の高さまで吹き上がるか調整できる。
【0046】
連続モードの場合、充填プロセスを中断できるのは、ダスト除去タンクの下で消費される顆粒の量が、搬送ダクトを通じて単位時間当たりに供給される顆粒の量より少なくなった場合、すなわち、特にダスト除去タンクの下にある中間タンクが完全に充填されて満杯になり、堆積した顆粒がダスト除去タンクの内部にまで上昇した場合だけである。その場合は、中間タンク内の充填レベルの許容上限値を常時点検できるようにしておく。
【0047】
その場合、投入ノズル、すなわち顆粒入口からダスト除去タンクに落下してきたばかりの顆粒は一度も上方に向けて動くことがなく、直ちに顆粒排出口から下の中間タンクへ落下することになり、顆粒に付着したダスト粒子はまだ完全には除去されてない状態になる。ただ、こうした事態が発生する統計的な確率は比較的低い。
【0048】
したがって本発明の処理プロセスでは-バッチモードだけでなく連続モードの場合も-装置の製造コストと圧縮空気の供給に必要なエネルギーコストに関し、低コストのダスト除去と理想的なダスト除去結果との間に妥協が図られている。
【0049】
バッチモード、連続モードいずれの場合も、空気のイオン化はダスト除去タンク内で行われ、イオン化装置の先端ノズルが、ダスト除去タンクの内部空間に接触している。
【0050】
バッチモードと連続モードは互いに切り替えることができ、制御装置に2つのモードが組み込まれていれば、同じ1つの装置で2つのモードを実行できる。
【0051】
イオン化装置の先端ノズルの周囲を、ダスト除去タンク内に注入された気体、特にイオン化空気が通過するため、ダスト除去タンク内に流れ込み前記先端ノズルの周囲を通過する空気がイオン化されることが特長となっている。イオン化装置の先端ノズルが、気体用の搬送ダクトの入口にある点も特長となっている。この点は、注入する空気をイオン化するうえで極めて効率的な方法となっている。
【0052】
電離気体、特にイオン化空気は、以下のような複数のポイントから注入できる:
・ダスト除去タンクの下部で、同ダスト除去タンクの円周壁を貫通する形で、特に顆粒排出口から極力直近の上部、なかでも排出ホッパーの極力直近上部、および/または、
・離れている、気体用の搬送ダクトを通る形で、したがって渦流吹上ノズルとは一緒にならない、排出ホッパーまたは同排出ホッパーの下端部、すなわち顆粒排出口の高さ、またその下の中間タンク内、および/または、
・ダスト除去タンクの下にある中間タンクの壁面を貫通する形。
【0053】
そのため、渦流吹上ノズルによって作り出される逆流には、極めて大量のイオン化空気が確実に含まれることになる。
【0054】
特にバッチモードの特殊な例では、ダスト除去開始時点で、比較的大量の顆粒が用意されている:
【0055】
その時点で、ダスト除去タンクの下にある中間タンクはまだ空の状態で、ダストを除去され中間タンクにバッチが落下して初めて充填されてゆく。
【0056】
通常稼働の場合、中間タンクは顆粒排出口まで充填される。その後、新規にダストが除去されたバッチがダスト除去タンクを埋めてゆき、中間タンク内にある顆粒の上表面の上に留まるため、充填プロセス中は、必ずしも逆流を作り出す必要はない。
【0057】
ただし、中間タンクが顆粒排出口まで充填されない場合はそうはいかない。逆流を発生させないと、新たに充填された顆粒粒子が直ぐに中間タンクへ落下してしまうからである。
【0058】
ダストを除去した後、および/またはダストを除去したバッチを中間タンクに落下させてダスト除去タンクを空にした後、ステップD)に従いダスト除去タンクをイオン化空気で洗浄するが、その場合、ダスト除去タンクを、同ダスト除去タンクの容量の何倍もの量のイオン化空気で洗浄し、排気口から正圧で押し出すか、吸引して外へ排出する。この時、ダスト除去タンクの内部空間面に付着したダスト粒子も排出される、または前記空間面に付着した顆粒は溶解する。
【0059】
特にこれまで説明してきたダスト除去方法を実行するには、バッチモードでダストを除去する場合と同様、少なくとも1つの顆粒入口と、1つの顆粒排出口と、さらに除去したダストと一緒に空気を排出する、特に吸引して排出する排気口を備えたダスト除去タンクを有する装置が必要になる。
【0060】
顆粒入口および/または排気口は、好適には上部、特に上半分または上1/3の部分にあり、また前記排気口は、好適にはダスト除去タンクの上蓋にある。これに対し、顆粒排出口は、顆粒のダスト除去タンクの、特に下1/3の部分、好適にはダスト除去タンクの底面にある。
【0061】
また、従来のダスト除去装置では、圧縮空気を注入してダスト除去タンク内で顆粒を渦状に吹き上げる吹き上げユニットと、制御装置、特に装置全体、したがってすべての可動パーツ、特にバルブおよび/または空力装置、あるいは装置の電動ないし電子パーツを制御できる電子制御装置が設置されている。
【0062】
しかし本発明では、顆粒排出口には作動や停止できる密閉エレメントが存在せず、顆粒排出口は常に開いた状態になっている。そのため、装置の構造およびメンテナンスが簡素化されている。
【0063】
さらに、ダスト除去タンクの円周壁の少なくとも内部空間に面した内壁面が、絶縁材料、特にガラス製になっている。静電気を帯電したダスト粒子を電気的に中和させるため、イオン化空気をダスト除去タンクに注入するとイオン化空気は内壁面に接触するが、上記のように内壁面がガラス製なので、イオン化空気はすぐに中和されることはない。ダスト除去タンクの内壁面がすべてガラス製、特に円筒状のガラス管の一部になっている点が特長になっている。
【0064】
吹き上げユニットには、上方を向いた渦流吹上ノズルが設置されており、また前記渦流吹上ノズルは、圧縮空気用のコネクタと接続し、ダスト除去タンク下部の顆粒排出口付近に、好適にはダスト除去タンクの下部を形成し、その断面が下方へ行くに連れ狭くなっている金属製の排出ホッパー内に、設置されている。
【0065】
そのため、渦流吹上ノズルによって作り出された下から上方へ向かう逆流は、排出ホッパーの部分にある顆粒排出口の上で拡散する。その結果、次第に拡散すると逆流の流速は低下し、特定の高さ、すなわちいわゆる反転エリアまで来ると、流速は低下しすぎて、顆粒粒子を重力に抗って動かすこと、あるいは同じ高さで浮遊した状態のまま維持することができなくなる。
【0066】
渦流吹上ノズルにかかる圧力および/または同渦流吹上ノズルを通る流量を調整することで、ダスト除去タンク内の渦流吹上ノズルの上部にある顆粒を上方へ吹き上げる際の高さおよび強度もコントロールできるようになっている。
【0067】
その場合、渦流吹上ノズルの構造および同渦流吹上ノズルに供給される圧縮空気に関しては、圧縮空気が顆粒を上方へ吹き上げた時に、その顆粒を吹き上げながら、少なくとも顆粒排出口の上部のある位置に浮遊した状態で維持できる逆流を作り出せる構造および圧縮空気になっている。
【0068】
使用するイオン化装置には、先端ノズルが設けられている点も特長となっており、また同先端ノズルは、気体供給ダクト、特に空気供給口の開いている末端部に配置され、ダスト除去タンクの壁面の貫通孔の中に突出しているか、または前記貫通孔を突き抜けダスト除去タンクの内部空間にまで達している。イオン化装置は、好適にはダスト除去タンクの壁の外面に設置されている。イオン化装置は主に1つのみ設置されていることも特長となっている。
【0069】
ダスト除去タンク内の下部、特に排出ホッパーの上に、気体供給口、特に空気供給口を設けることも可能である。渦流吹上ノズルによって注入された空気は、渦流吹上ノズルの上方で、イオン化装置によってイオン化される。これにより、ダスト除去タンクの内部空間に、最適な形でイオン化空気を注入できる。
【0070】
排気口は完全に開いている点も特長となっており、また特にフィルタで覆われていない。そのためフィルタが、ダストやいわゆるエンジェルヘアーで目詰まりを起こすことも回避できる。
【0071】
排気口の下流側にある負圧は調整され、顆粒粒子が排気口に吸引されないようになっている。
【0072】
そのためにダスト除去タンクの高さは、少なくとも100mm、好適には少なくとも200mm、さらに好適には少なくとも300mm、一層好適には少なくとも400mmあり、また顆粒の渦状吹き上げは、排気口から充分離れた下の位置で終わらせることができ、渦状に吹き上げられた顆粒の反転エリアも、下方顆粒排出口から上方に充分距離を取った位置、すなわち、顆粒粒子に付着したダストを電気的に中和して顆粒粒子から除去するに足りる充分離れた位置に配置されている。
【0073】
排気口から正圧で押し出しされるか、または吸引されて排出されるダストが含まれる空気は、ダスト除去タンクからさらに離れた位置に設置できるダスト濾過装置、特にフィルタへ送られる。
【0074】
このために、いわゆる圧縮空気噴射ノズルなどの負圧発生器が、排気口とダスト濾過装置の間に設置されているか、または負荷発生器、特にブロアーなどがダスト濾過装置の下流に設置されている点が特長となっている。このような一般に知られている圧縮空気噴射ノズルに圧縮空気を送り込むと、圧縮空気噴射ノズルは周囲の空気を巻き込んで負圧を作り出し、また下流には正圧を発生させる。
【0075】
本装置には、従来型の圧縮空気噴射ノズルの形にすることができる搬送流発生装置が、顆粒用の供給ダクト内に設けられており、またこの搬送流発生装置は、搬送ダクトの空いている末端部にあり吸引ランスの構造になっている。貯蔵タンク内では顆粒粒子が吸引され、搬送ダクト内の正圧によって搬送流発生装置からダスト除去タンクへ送られる。
【0076】
ダスト除去タンクの顆粒排出口の下には中間タンクがあり、主に顆粒は顆粒排出口からその中間タンクに落下できる点が特長となっている。
【0077】
本装置には、主に唯一の充填レベルセンサがダスト除去タンクおよび/または中間タンク内に設置されている点も特長となっている。
【0078】
また、2種類の成分からなる顆粒混合物を製造できるようにするため、ダスト除去タンクには、異なる貯蔵タンク用に2つの吸引ランスがそれぞれ1つの供給ダクトを介して接続できるようになっており、また、前記2つの吸引ランスは、ダスト除去タンク内の2つに分離した顆粒入口内で、またはその供給ダクトがダスト除去タンクの外側で一つにまとまり、共に唯一の搬送ダクトへ、および顆粒入口へ送られる。
【実施例
【0079】
c)実施例
次に、本発明による顆粒からダストを除去する装置の実施例を、機能が異なる状態の図面を用いて詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1a図1a,bは、中間タンクに初めて充填した状態の本装置の側面図で、一部は垂直断面図になっている。
図1b図1a,bは、中間タンクに初めて充填した状態の本装置の側面図で、一部は垂直断面図になっている。
図2図2は、ダスト除去タンクに初めて充填した状態の本装置の側面図で、一部は垂直断面図になっている。
図3図3は、ダスト除去タンク内の顆粒からダストを除去している本装置である。
図3.1】図3.1は、図3の拡大断面図である。
図4図4は、ダスト除去工程終了時点の本装置である。
図5図5は、ダスト除去タンクが空になっている本装置である。
図6図6は、空のダスト除去タンク洗浄中の本装置である。
図7図7は、ダスト除去タンクの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
顆粒4のダスト除去は、ダスト除去タンク9内でバッチモードまたは連続モードで行われる。
【0082】
先ず、バッチモードによる稼動について説明する。
【0083】
バッチモードでは、図2のように、先ず顆粒4のバッチ4‘をダスト除去タンク9に充填するが、その場合、前記ダスト除去タンク9の下および同ダスト除去タンクの下方顆粒排出口25の下にあり上部が開いている中間タンク14を、顆粒排出口25まで充填し、ダスト除去タンク9に新規に供給されるバッチ4‘が、中間タンク14のバラ積みされた顆粒4の表面の上に堆積し、前記バラ積みされた顆粒によって保持されるようにする。
【0084】
この目的のために、貯蔵タンク7内にある顆粒4のストック内には、吸引ランス16が挿入されている。吸引ランス16には供給ダクト15が接続し、前記供給ダクトの反対側の末端は投入ノズル24になっており、前記投入ノズルの開いている先端、すなわち顆粒入口8はダスト除去タンク9内にあり、さらに、顆粒は、貯蔵タンク7から、流れる方向10に向けて流れて顆粒4も運ぶ搬送空気3と一緒に、ダスト除去タンク9へ送られる。この一連のプロセスは、吸引ランス16の内部ないし近傍に設置された圧縮空気で作動する圧縮空気噴射ノズル21aによって行われる。
【0085】
ここでは投入ノズル24が、ダスト除去タンク9の壁面を貫通した、角度の付いたダクトピースになっており、前記ダスト除去タンクの壁面の貫通部分は密閉され、また前記ダクトピースの開いている末端は、ダスト除去タンク9内にあって下向きになっている。そのため、供給ダクト15を通じて送られてきた顆粒4は、顆粒入口8から下方に向けて流れ、中間タンク14のバラ積みされた顆粒の表面上に、すなわち、顆粒排出口25を超える高さ、ないしほぼ排出ホッパー28の高さ、あるいはそれを大きく超えて、顆粒4の供給スイッチを遮断する充填レベルセンサ19aの高さまで堆積する。そこまで来ると、吸引ランス16内にある圧縮空気噴射ノズル21aへの圧縮空気の供給は終了する。
【0086】
充填プロセス中、搬送空気3は、ダスト除去タンク9から、同ダスト除去タンク9の蓋27に設けられた排気口18を通って排出され、また、前記排気口には、搬送空気3、および搬送空気に含まれる可能性があるダスト11は通過するが顆粒4は通過できないフィルタ5を設置できるようになっている。
【0087】
搬送空気3は、前記排気口から出ると排気6となって、ダスト用ダクト20に沿って流れる方向10に進んでダスト収集タンク12に到り、排気フィルタ2を通過する。その場合、前記排気フィルタは、特にダスト収集タンク12の蓋に設置されており、またダスト11は通過できない。
【0088】
排気6の流れは、オプションの負圧発生器、この場合には再び圧縮空気噴射ノズル21bによって、排気口18の下流に向かう流れが作り出されるか、または少なくとも強化されるようになっており、また、前記圧縮空気噴射ノズルは、ダスト用ダクト20内の、排気口18直後の下流域、または遠く離れた排気フィルタ2の下流に設置することができる。
【0089】
このような圧縮空気噴射ノズル21a,bは、大部分が固定設置された圧縮空気ネットワーク17から供給される圧縮空気を、希望の流れる方向10に向けて各搬送ダクト内に発射し、それによって搬送ダクト内の、圧縮空気噴射ノズル21の上流に負圧を作り出し、その結果、方向10の方向に流れる搬送空気が作り出される。
【0090】
図1a~6の断面図、および図7の平面図を見ると、ダスト除去タンク9は、直立した本質的に円筒型のタンクで、装置の内周壁は回転対称になっており、また、同タンクの下部の、同タンク内に同軸に配置され円錐面28‘の形状をした顆粒排出口25の部分では、前記内周壁が両側から互いに接近していることが分かる。
【0091】
この場合、ダスト除去タンク9の円筒部分の円周壁は、絶縁材料製の、好適にはガラス製のダクトピースによって形成されており、また同ダスト除去タンクの開いている上側には蓋27が設けられ、同ダスト除去タンクの開いている下側は、内側に円錐面28‘が形成されている排出ホッパー28の上にある。前記円錐面28‘内には、ダスト除去タンク9内に圧縮空気を噴射し前記円錐面内にある顆粒4を渦状に吹き上げることができる渦流吹上ノズル31が入り込んでおり、また前記円錐面には、制御電気信号や電流と同様、制御装置22から個々の成分が提供されている。
【0092】
排出ホッパー28は、顆粒排出口25と同心円状に配置され、一方の側が圧縮空気供給管と、反対側が渦流吹上ノズル31とそれぞれ接続したリングチャンネル33を有している。
【0093】
図7から分かるように、特に円形の顆粒排出口25の面積は、ダスト除去タンク9の、内側の、開いている特に円形の断面より本質的に小さくすることができ、また、特に円形の顆粒入口8の断面、すなわち、投入ノズル24の端末にある注入口も、一般的には、ダスト除去タンク9の、内側の、開いている特に円形の断面より小さくなっている。ただし、上記の2点に関しては、本発明を実現する上での条件にはなっていない。
【0094】
図3および図3.1の拡大図で示したように、ダスト除去タンク9内のバッチからは、その後ダストが除去される。
【0095】
ダストを除去するため、オプションとして、先ずダスト用ダクト20内に負圧を作り出す、すなわち、そこにある圧縮空気噴射ノズル21bに圧縮空気を供給する。
【0096】
気体供給口36からイオン化した空気をダスト除去タンク9内に送り込む。イオン化空気が、静電気を帯電したダスト11および顆粒4を中和する。この中和処理を効率よく機能させるため、渦流吹上ノズル31を通った圧縮空気を円錐面28‘から、特に斜め上方に向けて、ダスト除去タンク9内に注入する。そうすると、重力とは逆方向の流れ32が発生し、この重力とは逆方向の流れが、図3で示したように、顆粒4を上方へ渦状に吹き上げてバラバラにする。
【0097】
上方への渦状の吹き上げはコントロールされ、反転エリア30で顆粒4の上方への動きが止まり、再び排出ホッパー28の方向へ落下するようになっており、またその場合、前記反転エリア30は、投入ノズル24よりさらに下方に位置し、投入ノズル24付近での顆粒4の衝突を回避できるようになっている。そのため、顆粒4は、上方排気口18にも到達できず、したがって、たとえダスト用ダクト20が、図1aのようにフィルタ5で覆われていない、あるいは図1bのように完全にオープンになっている場合でも、前記上方排気口に存在する負圧によって前記ダスト用ダクト内に吸入されることもない。
【0098】
特に、渦流吹上ノズル31へ送る圧縮空気と、ダスト用ダクト20内に負圧を作り出すために圧縮空気噴射ノズル21bへ送る圧縮空気は、組み合わせて制御装置22によって制御されている。
【0099】
逆流32の持続時間に応じて顆粒4はこのような循環運動を複数回行う。ただし、逆流32は、実行と停止を複数回繰り返して行われる。
【0100】
したがって、中間タンク14のバラ積みされたバッチ4‘は、その上表面によって、下方向にはほぼ顆粒排出口25の高さに維持されていたが、逆流32はそのバッチの中を貫通するため、逆流は、顆粒4の大部分を、顆粒排出口25から下方へ落下させる力ではなく、ダスト除去タンク9の断面の少なくとも中央部分では、逆流32によって顆粒が上方へ運ばれるほどの力を有している。ただし、その力を有しているのは、逆流32が拡散するため、空気流中の流速が、一緒に運ばれてきた顆粒粒子4をさらに上方へ吹き上げる速度、あるいはそうした吹き上げられた状態を維持できる速度になっている間だけである。
【0101】
顆粒排出口25の下方、したがってダスト除去タンク9の下方には、同様に直立した円筒形の中間タンク14が設置されている。この中間タンク14は、図1aのみに示されているように、射出成形装置などの各種消費機器50の上面の上に設置されることも多く、中間貯蔵庫として機能し、中間タンク14の下方開口部を開けると顆粒4を消費機器50に送ることができる。
【0102】
顆粒ダスト除去処理を長時間実施し作業を終了すると、図4のように、ダストが除去された顆粒のバッチ4‘が、再びダスト除去タンク9の下部、特に排出ホッパー28の部分に集まる。
【0103】
消費機器50が顆粒4を消費するため、中間タンク14内の充填レベルは低下し、バラ積みされた顆粒の上表面が、図5のように、顆粒排出口25の下のレベルなどまでに低下すると、直ちに、前述の図2および3で示したように、顆粒4のバッチ4‘が新たに投入されてダストの除去が行われる。
【0104】
実際の作業では、充填レベルセンサ19が高さに基づく充填レベルを検出できなくなると、直ちに新たなバッチ4‘が開始され、その時点から、事前に定めた待機時間は削除される。そのため、さらに別の充填レベルセンサは不要となっている。
【0105】
ただし、新たなバッチ4‘を投入する前に、図6からも分かるように、この時点で空になっているダスト除去タンク9の、特に内壁面に堆積したダスト11を除去しておく。
【0106】
この目的のため、ダスト除去タンク9を、特にダスト除去タンク9の容量の好適には何倍もの量のイオン化空気34で洗浄する。すなわち、イオン化装置37の後に設置されている空気供給口36からイオン化空気34を供給し、ダスト用ダクト20内の負圧によって吸引する。
【0107】
制御装置22から各空気供給口36までの各圧縮空気管26内には、それぞれ1つの調圧バルブ29を設置できる。
【0108】
説明したすべてのプロセスは、1つの中央制御装置22で制御されている。
【0109】
前記制御装置は、下記の各種パーツに、圧力および/または量および/または時間をコントロールしながら圧縮空気管26を通じて圧縮空気を供給する。
-少なくとも1つの吸引ランス16内にある少なくとも1つの圧縮空気噴射ノズル21a、
-空気供給口36、
オプションで用意される、ダスト用ダクト20内に負圧を作り出す少なくとも1つの圧縮空気噴射ノズル21b。
【0110】
さらに、制御装置は、ダスト除去タンク9および中間タンク14に設置されているすべての充填レベルセンサ19a,bと電気コード13で接続され信号の送受信を行うことができ、信号に対応して適切な時点に充填プロセスを終了させることなどもできる。
【0111】
また、イオン化装置37も制御装置22から給電され、またコントロールもされている。
【0112】
中間タンク14内の充填レベルが、バッチモードの場合、次にダスト除去タンク9に入れられるバッチ4‘を支持できるレベルになるようにするため、ダスト除去プロセス全体を開始する前に、先ず、図1a,bで示したように、この中間タンク14を一度満杯に充填する必要がある:
【0113】
その場合、吸引ランス16内にある圧縮空気噴射ノズル21aを稼働させて顆粒4を顆粒入口8からダスト除去タンク9に供給し、同時に、圧縮空気噴射ノズル21bで排気ダクト20内に負圧を発生させ、渦流吹上ノズル31から圧縮空気を中へ注入させて顆粒粒子8の落下方向とは逆の上向きの逆流32を発生させる。
【0114】
これにより、投入ノズル24から落下する顆粒4は、下方の顆粒排出口25に向かう途中で一部ダストが除去される。
【0115】
渦流吹上ノズル31による圧力および/または流量の設定に応じて、したがって逆流32の強度に応じて、投入ノズル24から落下する比較的大型または比較的小型の顆粒粒子4は、直ちに顆粒排出口25を通って落下せず、1~2回ほど渦状に上方へ吹き上げられ、それによって一層効率的にダストが除去され、その後で初めて下方の中間タンク14へ落下する。
【0116】
したがって逆流32の強度は、希望するダスト除去品質および/または消費機器50が単位時間当たりに消費する顆粒4の量に応じて調整できる。
【0117】
バッチモードの場合、中間タンク14内の充填レベルを、図1bのようにダスト除去タンク9の顆粒排出口25の高さまで上昇させてからバッチ単位でのダスト除去ができるようにすることが求められており、またその場合、バッチ4‘からダストを除去した後の充填レベルが、再び前記の高さになるようにする必要がある。もっとも、流れの下流方向に配置されている消費機器が消費する顆粒4の量が影響を受けることは通常なく、また、前記の高さ目標は、顆粒をダスト除去タンク9にアナログ方式で搬送し、顆粒からダストを除去することでしか到達できない。
【0118】
しかし、本装置では連続モードでもこの方法で稼働でき、逆流32、およびダスト除去タンク9への、好適には連続的に行われる充填を調整し、中間タンク14内にバラ積みされた顆粒4の上表面が、同中間タンクの下端に決して到達しないようにし、かつ好適にはダスト除去タンク9の顆粒排出口25より上にも上昇しないようにすることで、連続モードでの稼動を可能にしている。
【符号の説明】
【0119】
参照番号リスト
1 ダスト除去装置
2 排気フィルタ
3 搬送空気
4 顆粒粒子、顆粒集合体、顆粒
4‘ バッチ
5 フィルタ
6 排気
7 貯蔵タンク
8 顆粒入口
9 ダスト除去タンク
10 流れる方向
11 ダスト
12 ダスト収集タンク
13 電気コード
14 中間タンク
15 供給ダクト
16 吸引ランス
17 圧縮空気源
18 排気口
19 充填レベルセンサ
20 ダスト用ダクト
21a,b 圧縮空気噴射ノズル
22 制御装置
23
24 投入ノズル
25 顆粒排出口
26 圧縮空気管
27 蓋
28 排出ホッパー
28‘ 円錐面
29 調圧バルブ
30 反転エリア
31 渦流吹上ノズル
32 逆流
33 リングチャンネル
34 電離気体
36 空気供給口
37 イオン化装置

50 消費機器
図1a
図1b
図2
図3
図3.1】
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】