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特表2022-512696脱水素触媒およびその調整および使用のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】脱水素触媒およびその調整および使用のための方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/63 20060101AFI20220131BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20220131BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20220131BHJP
   B01J 23/96 20060101ALI20220131BHJP
   C07C 5/333 20060101ALI20220131BHJP
   C07C 11/06 20060101ALI20220131BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
B01J23/63 Z
B01J37/02 101D
B01J37/08
B01J23/96 Z
C07C5/333
C07C11/06
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520580
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(85)【翻訳文提出日】2021-04-14
(86)【国際出願番号】 US2019053725
(87)【国際公開番号】W WO2020091926
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】62/752,380
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596081005
【氏名又は名称】クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】397040605
【氏名又は名称】クラリアント ジャパン 株式会社
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン・ウラジーミル・ゼット
(72)【発明者】
【氏名】シン・ロン
(72)【発明者】
【氏名】グリーニー・マット
(72)【発明者】
【氏名】ロウ・デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ラグメアー・クラウス・ジー
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA10
4G169BA03A
4G169BA03B
4G169BB12C
4G169BC02A
4G169BC03A
4G169BC03B
4G169BC04A
4G169BC05A
4G169BC06A
4G169BC09A
4G169BC10A
4G169BC11A
4G169BC12A
4G169BC13A
4G169BC13B
4G169BC17A
4G169BC17B
4G169BC18A
4G169BC19A
4G169BC21A
4G169BC22A
4G169BC23A
4G169BC42A
4G169BC42B
4G169BC43A
4G169BC43B
4G169BC68A
4G169BC72A
4G169BC75A
4G169BC75B
4G169CB07
4G169DA06
4G169FB14
4G169FB19
4G169FB30
4G169FC08
4H006AA02
4H006AC12
4H006BA02
4H006BA06
4H006BA08
4H006BA09
4H006BA26
4H006BA30
4H006BA55
4H006BA60
4H006BA81
4H006BA85
4H039CA29
4H039CC10
(57)【要約】
本開示は、追加の金属成分をさらに含む1つ以上の特定の第13族および第14族元素に基づく脱水素触媒、そのような触媒を製造するための方法、およびそのような触媒を使用して炭化水素を脱水素するための方法に関する。本発明の一態様は、シリカ―アルミナ担体上に、Ga、In、Tl、Ge、SnおよびPbからなる群から選択される第一次種P1;ランタニドから選択される第一次種P2;Ni、PdおよびPtからなる群から選択される促進剤M1;Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、SrおよびBaからなる群から選択される促進剤M2、を含む焼成脱水素触媒を提供する。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約20重量%の範囲内の量で当組成物中に存在する第一次種P1;
ランタニドから選択され、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約10重量%の範囲内の量で当組成物中に存在する第一次種P2;
Ni、PdおよびPtからなる群から選択され、焼成ベースで元素金属として計算して約10ppm~約500ppmの範囲内の量で当組成物中に存在する促進剤M1;
Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、SrおよびBaからなる群から選択され、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約3重量%の範囲内の量で組成物中に存在する促進剤M2、および、
焼成ベースで元素金属として計算して約60重量%~約99重量%の範囲内の量で存在するシリカ―アルミナ担体S1、を含む焼成脱水素触媒。
【請求項2】
P1は、Ga、Ge、In、Sn、Tl、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
P1は、Gaである、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項4】
P1は、焼成ベースで元素金属として計算して約0.1重量%~約10重量%の範囲内の量で当組成物中に存在する、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項5】
M1は、PdおよびPtから選択される、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項6】
M1は、焼成ベースで元素金属として計算して約50ppm~約400ppmの範囲内の量で組成物中に存在する、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項7】
M2は、Li、Na、K、Cs、およびBaから選択される、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項8】
M2は、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約2重量%の範囲内の量で組成物中に存在する、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項9】
P1は、Gaであり、焼成ベースで元素金属として計算して約0.1重量%~約10重量%の範囲内の量で存在し;
P2は、Ceであり、焼成ベースで元素金属として計算し約0.1重量%~約6重量%の範囲内の量で存在し;
M1は、Ptであり、焼成ベースで元素金属として計算して約50ppm~約400ppmの範囲内の量で組成物中に存在する、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項10】
P1、P2、M1、およびM2のうちの1つ以上と任意に配合されたシリカ―アルミナ担体S1を提供する工程;
1以上の含浸工程で、シリカ―アルミナ担体S1を、P1、P2、M1およびM2のうち一つ以上で含浸させる工程、当各含浸工程は、当担体を、P1源、P2源、M1源およびM2源のうち1以上を含む含浸溶液と接触させる工程を含む;および、
当該含浸されたシリカ―アルミナ担体S1を焼成する工程、
を含む、請求項1に記載の脱水素触媒組成物を調製するための方法。
【請求項11】
シリカ―アルミナ担体S1を提供する工程は、S1源を反応させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
Gaを配合したシリカ―アルミナ担体S1を提供する工程;
当Ga配合シリカ―アルミナ担体S1を、P2源、M1源およびM2源を含む含浸溶液で含浸させて、ここで、Ceが当脱水素触媒中に存在する場合、当含浸溶液はBaおよびLaのうちの1以上を含む;および、
当該含浸されたGa配合シリカ―アルミナ担体S1を焼成する工程、
を含む、請求項1に記載の脱水素触媒組成物を調製するための方法。
【請求項13】
当該P2源は、塩、例えば、Ce(NOまたはLa(NOである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
炭化水素を脱水素化するための方法であって、当該方法は、炭化水素フィードを、請求項1に記載の触媒組成物と接触させることを含む。
【請求項15】
当該炭化水素フィードは、1以上のC3~C5アルカンを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、触媒材料、ならびにそれらを調製および使用するための方法に関する。より詳細には、本開示は、追加の金属成分をさらに含む1つ以上の特定の第13族および第14族元素に基づく脱水素触媒、そのような触媒を製造するための方法、およびそのような触媒を使用して炭化水素を脱水素するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカン脱水素は、ポリマー産業で使用するためのプロペンを製造するためのプロパンの脱水素化、タイヤ製造に有用なn-ブテンまたはアルキル化物およびブタジエンを製造するためのn-ブタンの脱水素、およびガソリンを補充および濃縮するためのメチルtert-ブチルエーテル、イソオクタン、およびアルキル化物への変換に適したイソブチレンを製造するためのイソブタンの脱水素のような、種々の有用な炭化水素生成物の製造のための認識されているプロセスである。軽質アルカンの接触脱水素に有用な現在の市販の触媒には、CrO/AlおよびPt―Sn/Al触媒があり、数十年間使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
CrO/Al脱水素触媒は、典型的には、アルミナ表面上のクロムの大部分はCr(III)酸化状態として含有する。しかしながら、典型的には、少量のCr(VI)が残存し、これは発癌性であり、従って触媒の取り扱い及び操作中に、健康上の危険性を示す。それらはまた、重大な環境汚染を引き起こし得る。
【0004】
ガリウムベースの脱水素触媒は、約20年前から知られている。それらは、一般に危険ではなく、使用しても重大な環境問題を起こさない。しかしながら、これらの触媒は、特に商業的に重要なプロパンの脱水素化においては、活性および安定性に限界がある。
【0005】
したがって、特にプロパンの脱水素化において、活性および安定性が改善された脱水素触媒が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約20重量%の範囲内の量で当組成物中に存在する第一次種P1;ランタニドから選択され、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約10重量%の範囲内の量で当組成物中に存在する第一次種P2;Ni、PdおよびPtからなる群から選択され、焼成ベースで元素金属として計算して約10ppm~約500ppmの範囲内の量で当組成物中に存在する促進剤M1;Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、SrおよびBaからなる群から選択され、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約3重量%の範囲内の量で組成物中に存在する促進剤M2、および、焼成ベースで元素金属として計算して約60重量%~約99重量%の範囲内の量で存在するシリカ―アルミナ担体S1、を含む焼成脱水素触媒である。
【0007】
本開示の別の態様は、炭化水素の脱水素化のための方法であって、当該方法は炭化水素フィードを本明細書で記載される触媒組成物に接触させることを含む。
【0008】
本開示の他の態様は、本明細書の開示を考慮すれば、当業者には明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に示されている詳細は、例として、本発明の好ましい実施形態の例示的な議論の目的のためのみであり、本発明の様々な実施形態の原理および概念的態様の最も有用であり、容易に理解される説明であると考えられるものを提供する原因において提示される。この点に関して、本発明の基本的な理解のために必要である以上に詳細に本発明の構造的詳細を示す試みはなされておらず、図面および/または例を用いてなされた説明は、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化され得るかを当業者に明らかにする。したがって、開示されたプロセスおよびデバイスが説明される前に、本明細書で説明された態様は、特定の実施形態、装置、または構成に限定されず、したがって、もちろん、変更することができることが理解される。本明細書で使用される用語は特定の態様のみを説明する目的のためであり、本明細書で特に定義されない限り、限定することを意図しないことも理解される。
【0010】
用語「a」、「an」、「The」および本発明を説明する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)使用される同様の指示対象は本明細書において特に示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を包含するように解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の引用は単に、範囲内にあるそれぞれの別個の値を個々に参照する短縮方法としての役割を果たすことが意図される。本明細書において特に示されない限り、それぞれの個々の値は本明細書に個々に引用されるかのように組み込まれる。範囲が本明細書において、1つの特定の値「約」から、および/または別の特定の値「約」までとして表現され得る。このような範囲が表現される場合、別の態様は1つの特定の値および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似として表現される場合、先行する「約」を使用することによって、特定の値が別の態様を形成することが理解される。範囲の始点及び終点はそれぞれ他方の点(終点及び始点)との関連において重要な意味を持ち、且つ、当該他方の点とは独立した意味を有している。
【0011】
本明細書に記載される全ての方法は本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切なステップの順序で実行することができる。本明細書で提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「そのような」)の使用は単に本発明をより明確にすることを意図したものであり、そわなければ特許請求される本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な特許請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0012】
文脈が別途明確に要求しない限り、明細書および特許請求の範囲を通じて、「備える」、「備える」などの語は排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、「含むがこれに限定されない」という意味で解釈されるべきであり、単数または複数を使用する語は、それぞれ、複数および単数も含む。加えて、本明細書で使用される場合、「本明細書」、「上」および「下」という語、ならびに同様の意味の語は本出願で使用される場合、本出願全体を指し、本出願の任意の特定の部分を指すものではない。
【0013】
当業者によって理解されるように、本明細書に開示される各実施形態は、その特定の記載された要素、工程、成分または成分を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなることができる。本明細書で使用されるように、遷移用語「含む」または「含む」は限定されるものではないが、主要な量であっても、特定されていない要素、工程、成分、または成分を含むことを可能にすることを意味する。遷移語句「からなる」は特定されていない任意の要素、工程、成分、または成分を除外する。遷移語句「から本質的になる」は実施形態の範囲を、特定された要素、工程、成分、または成分、および実施形態に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。
【0014】
特に断らない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、分子量、反応条件などの特性を表すすべての数字はすべての場合において「約」という用語によって修飾されるものと理解されるべきであり、したがって、反対に示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られるように求められる所望の特性に応じて変化し得る近似である。最低限でも、特許請求の範囲への均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。さらなる明確さが要求される場合、用語「約」は、記載された数値または範囲と併せて使用される場合、当業者によって合理的に帰属される意味を有する、すなわち、記載された値または範囲よりいくぶん多いか、または、いくぶん少ない範囲内、記載値の±20%、記載値の±19%、記載値の±18%、記載値の±17%、記載値の±16%、記載値の±15%、記載値の±14%、記載値の±13%、記載値の±12%、記載値の±11%、記載値の±10%、記載値の±9%、記載値の±8%、記載値の±7%、記載値の±6%、記載値の±5%、記載値の±4%、記載値の±3%、記載値の±2%、または記載値の±1%の値であることを意味する。
【0015】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。
【0016】
本明細書に開示される本発明の代替要素または実施形態のグループ化は、限定的に解釈されるべきではない。各グループメンバーは個々に、またはグループの他のメンバーまたは本明細書中に見出される他の要素との任意の組み合わせで、言及され、そしてクレームされ得る。グループの1以上のメンバーは便宜および/または特許性の理由から、グループに含まれてもよく、またはグループから削除されてもよいことが予想される。そのような包含または削除が生じた場合、本明細書は、修正されたグループを含むものとみなされ、したがって、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュグループの書面による説明を満たす。
【0017】
本発明を実施するための本発明者らに知られている最良の形態を含めて、本発明のいくつかの実施形態を本明細書に記載する。もちろん、これらの説明された実施形態の変形は、前述の説明を読めば当業者には明らかになるのであろう。本発明者らは当業者がそのような変形を適切に使用することを期待し、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明を実施することを意図している。従って本発明は準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正および均等物をすべて含む。更に、上述の要素のあらゆる可能な変形でのあらゆる組み合わせが、本明細書に別段の指示がない限り、または明らかに文脈に矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0018】
さらに、本明細書全体を通して、特許および印刷された刊行物について、多くの参照がなされている。引用された参考文献および印刷された刊行物の各々は、その全体が参照により本明細書に個々に組み込まれる。
【0019】
最後に、本明細書に開示される本発明の実施形態は、本発明の原理の例示であることを理解されたい。採用され得る他の修正は、本発明の範囲内である。したがって、限定ではなく例として、本発明の代替構成を、本明細書の教示に従って利用することができる。したがって、本発明は、正確に図示され説明されたものに限定されるものではない。
【0020】
様々な態様において、本開示は、特定の第13族および第14族元素から選択される第一次種、ランタニドから選択される第一次種、特定の第10族元素から選択される促進剤、特定の第1族および第2族元素から選択される促進剤、ならびにシリカ―アルミナ担体を含む脱水素触媒組成物に関する。本開示は、クロム含有材料を有利に含まないことができる、そのような触媒が、従来の市販の触媒と同等、もしくは、より良好な性能を示すことができることを示す。
【0021】
本開示の一態様は、焼成脱水素触媒組成物である。当該触媒組成物は、Ga、In、Tl、Ge、SnおよびPbおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%から約20重量%の範囲内の量で当組成物中に存在する、第一次種P1を含む。当該触媒組成物は、また、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約10重量%の範囲内の量で当組成物中に存在するランタニド(例えば、La、Ce、Ndおよびそれらの組み合わせ)から選択される第一次種P2を含む。当該触媒組成物は、Ni、Pd、Pt、および、それらの組み合わせからなる群から選択され、焼成重量ベースで元素金属として計算して約10ppm~約500ppmの範囲内の量で当組成物中に存在する促進剤M1をさらに含む。当該触媒組成物は、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、SrおよびBaならびにこれらの組み合わせからなる群より選択され、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約3重量%の範囲内の量で組成物中に存在する、促進剤M2をさらに含む。そして、当該触媒組成物は、焼成ベースで元素金属として計算して約60重量%~約99重量%の範囲内の量で組成物中に存在する、シリカ-アルミナ担体S1を含む。
【0022】
本明細書で使用される「アルミナ」および「シリカ」という用語はそれぞれ、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素を含み、本明細書で使用される「酸化物」という用語は例えば、「混合酸化物」、「酸化アルミニウム」、「酸化ケイ素」などを含み、あらゆる形態および結晶相の酸化物を含む。例えば、「酸化アルミニウム」はAl、Alを含み、ここで、xは、1~3の範囲内である。特に断らない限り、酸化物の実際の化学量論にかかわらず、酸化物は、重量パーセント測定の目的で最も安定な酸化物として計算される。例えば、当業者は、アルミニウムの非化学量論的酸化物、またはアルミニウムの別の形態でさえも、重量パーセント測定の目的のためにAlとして計算され得ることを理解する。さらに、特に断らない限り、組成物は焼成ベースとして記載されている。
【0023】
理論に束縛されることを意図するものではないが、本発明者らは、P1は、本明細書に記載される触媒組成物によって媒介される脱水素反応において、第一次触媒種として作用すると考える。上記のように、本発明の組成物の一態様ではGa、In、Tl、Ge、Sn、Pb、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるP1は、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約20重量%の範囲内の量で存在する。特定の態様では、本明細書に記載のように、P1がGa、Ge、In、Sn、およびTlから選択される。例えば、特定の態様では、本明細書に記載のように、P1がGaである(またはGaを含む)。他の態様では、P1がIn、Snおよび/またはTlである(または、含む)。
【0024】
特定の実施形態において、本明細書に記載のように、P1は、焼成ベースで元素金属として計算して、約0.05重量%~約17.5重量%、または約0.05重量%~約15重量%、または約0.05重量%~約12.5重量%、または約0.05重量%~約10重量%、または約0.05重量%~約7.5重量%、または約0.05重量%~約5重量%、または約0.1重量%~約20重量%、または約0.25重量%~約20重量%、または約0.5重量%~約20重量%、または約0.75重量%~約20重量%、または約1重量%~約20重量%、または約1.5重量%~約20重量%、または約2重量%~約20重量%、または約2.5重量%~約20重量%、または約5.5重量%~約20重量%、または約7.5重量%~約20重量%、または約10重量%~約20重量%、または約12.5重量%~約20重量%、または約15重量%~約20重量%、または約0.1重量%~約17.5重量%、または約0.1重量%~約15重量%、または約0.1重量%~約12.5重量%、または約0.1重量%~約10重量%、または約0.5重量%~約7.5重量%の範囲内の量で当組成物中に存在する。
【0025】
理論に束縛されることを意図するものではないが、本発明者らは、P2は、本明細書に記載される触媒組成物によって媒介される脱水素反応において、第一次触媒種として作用すると考える。上述のように、本発明の組成物の一態様では、ランタニドから選択されるP2は、焼成ベースで元素金属として計算して、約0.05重量%~約10重量%の範囲内の量で組成物中に存在する。特定の態様では、本明細書に記載のように、P2は、La、Ce、およびNdから選択される。例えば、特定の実施態様では、本明細書に記載のように、P2は、Ceである(または、含む)。特定の実施態様では、本明細書に記載のように、P2は、Laである(または、含む)。例えば、特定の実施態様では、本明細書に記載のように、P2は、CeおよびLaである(または、含む)。本明細書に別途記載される組成物の他の実施形態では、P2は、Ndである(または、含む)。
【0026】
本明細書に記載される組成物の特定の実施形態では、P2は、焼成ベースで元素金属として計算して、約0.05重量%~約9重量%、または約0.05重量%~約8重量%、または約0.05重量%~約7重量%、または約0.05重量%~約6重量%、または約0.05重量%~約5重量%、または約0.05重量%~約4重量%、または約0.05重量%~約3重量%、または約0.05重量%~約2重量%、または約0.05重量%~約1重量%、または約0.1重量%~約10重量%、または約0.25重量%~約10重量%、または約0.5重量%~約10重量%、または約0.75重量%~約10重量%、または約1重量%~約10重量%、または約1.5重量%~約10重量%、または約2重量%~約10重量%、または約3重量%~約10重量%、または約4重量%~約10重量%、または約5重量%~約10重量%、または約0.1重量%~約9重量%、または約0.1重量%~約8重量%、または約0.1重量%~約7重量%、または約0.1重量%~約6重量%、または約0.25重量%~約5重量%、の範囲内の量で存在する。
【0027】
上記のように、本開示の組成物の一態様ではNi、Pd、およびPtからなる群から選択されるM1は、焼成重量ベース上の元素金属として計算して、約10ppm~約500ppmの範囲内の量で存在する。特定の実施態様では、本明細書に記載のように、M1は、PdおよびPtから選択される。例えば、特定の実施態様では、本明細書に記載のように、M1は、Ptである(または、含む)。本明細書に別途記載される組成物の他の実施形態では、M1は、Pdである(または、含む)。
【0028】
本明細書に別様に記載される組成物の特定の実施形態では、M1は、焼成重量ベース上の元素金属として計算して、約10ppm~約450ppm、または約10ppm~約400ppm、または約10ppm~約350ppm、または約10ppm~約300ppm、または約10ppm~約250ppm、または約10ppm~約200ppm、または約10ppm~約150ppm、または約10ppm~約100ppm、または約25ppm~約500ppm、または約50ppm~約500ppm、または約75ppm~約500ppm、または約100ppm~約500ppm、または約150ppm~約500ppm、または約200ppm~約500ppm、または約250ppm~約500ppm、または約300ppm~約500ppm、または約250ppm~約500ppm、または約25ppm~約450ppm、または約50ppm~約400ppm、または約75ppm~約350ppm、または約100ppm~約300ppmの範囲内の量で組成物中に存在する。
【0029】
上記のように、本発明の組成物の一態様ではLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、SrおよびBaからなる群から選択されるM2は、焼成ベースで元素金属として計算して約0.05重量%~約3重量%の範囲内の量で存在する。特定の実施態様では、本明細書に記載のように、M2は、Li、Na、K、Cs、およびBaから選択される。例えば、本明細書に別に記載される組成物の特定の実施形態では、M2は、Kである(または、含む)。一例では本明細書に別に記載される組成物の特定の実施形態では、M2は、BaおよびKである(または、含む)(例えば、P2はCeである、またはCeを含む)。
【0030】
特定の実施態様では、本明細書に記載のように、M2は、焼成重量ベース上の元素金属として計算して、約0.05重量%~約2.75重量%、または約0.05重量%~約2.5重量%、または約0.05重量%~約2.25重量%、または約0.05重量%~約2重量%、または約0.05重量%~約1.75重量%、または約0.05重量%~約1.5重量%、または約0.05重量%~約1.25重量%、または約0.05重量%~約1重量%、または約0.1重量%~約3重量%、または約0.25重量%~約3重量%、または約0.5重量%~約3重量%、または約0.75重量%~約3重量%、または約1重量%~約3重量%、または約1.25重量%~約3重量%、または約1.5重量%~約3重量%、または約1.75重量%~約3重量%、または約2重量%~約3重量%、または約0.1重量%~約2.5重量%、または約0.1重量%~約2重量%、または約0.1重量%~約1.75重量%、または約0.1重量%~約1.5重量%、または約0.1重量%~約1.25重量%、または約0.1重量%~約1重量%の範囲内の量で組成物中に存在する。
【0031】
例えば、特定の実施態様では、本明細書に記載のように、P1(例えば、Ga)は、焼成ベースで元素金属として計算して、約0.1重量%~約10重量%、約0.5重量%~約9重量%、約0.75重量%~約8重量%、または約1重量%~約7重量%,の範囲内の量で組成物中に存在する。特定のそのような実施形態では、P2(例えば、Ce、またはLaおよびCe)は、焼成ベースで元素金属として計算して、約0.1重量%~約6重量%、約0.25重量%~約5重量%、約0.5重量%~約4重量%、または約0.75重量%~約3重量%、の範囲内の量で組成物中に存在する。特定のこのような実施形態において、M1(例えば、Pt)は、焼成重量ベースで元素金属として計算して、約50ppm~約400ppm、約75ppm~約350ppm、または約100ppm~約300ppmの範囲内の量で組成物中に存在する。特定のそのような実施形態ではM2(例えば、K、またはKおよびBa)は、焼成ベースで元素金属として計算して、約0.05重量%~約2重量%、または約0.05重量%~約1.5重量%、または約0.1重量%~約1重量%、の範囲内の量で組成物中に存在する。
【0032】
上述のように、本開示の組成物の特定の一態様において、シリカ―アルミナ担体S1は、組成物中に存在する。当業者は、本明細書中で使用されるように、「シリカ―アルミナ」担体(例えば、S1)は、シリカとアルミナの混合物を含むことを理解し、さらに、シリカとアルミナの「混合物」が均質および不均質混合物を含むことを理解する。例えば、シリカ―アルミナ担体S1は、ケイ素原子およびアルミニウム原子の両方(例えば、―Si―O―Al―)を含む共有結合網状構造、またはシリカおよびアルミナの個別の領域を含む得る。
【0033】
特定の実施態様では、本明細書に記載のように、S1中に存在するシリカの量は、S1の約1重量%~約70重量%の範囲内である。例えば、本明細書に別様に記載される組成物の特定の実施形態では、S1中に存在するシリカの量は、S1の、約1重量%~約65重量%、または約1重量%~約60重量%、または約1重量%~約55重量%、または約1重量%~約50重量%、または約1重量%~約40重量%、または約1重量%~約30重量%、または約1重量%~約20重量%、または約1重量%~約10重量%、または約2.5重量%~約70重量%、または約5重量%~約70重量%、または約7.5重量%~約70重量%、または約10重量%~約70重量%、または約15重量%~約70重量%、または約20重量%~約70重量%、または約30重量%~約70重量%、または約40重量%~約70重量%、または約50重量%~約70重量%の範囲内である。本明細書に別様に記載される組成物の特定の実施形態では、S1中に存在するアルミナの量は、S1の、約30重量%~約99重量%の範囲内である。例えば、特定の実施態様では、本明細書に記載のように、S1中に存在するアルミナの量は、S1の、約30重量%~約97.5重量%、または約30重量%~約95重量%、または約30重量%~約90重量%、または約30重量%~約85重量%、または約30重量%~約80重量%、または約30重量%~約70重量%、または約30重量%~約60重量%、または約40重量%~約99重量%、または約50重量%~約99重量%、または約60重量%~約99重量%、または約70重量%~約99重量%、または約80重量%~約99重量%、または約85重量%~約99重量%、または約90重量%~約99重量%、または約50重量%~約97.5重量%、または約60重量%~約95重量%、または約70重量%~約90重量%.の範囲内である。
【0034】
特定の実施態様では、本明細書に記載のように、S1中のアルミナおよびシリカの総量は、少なくともS1の約80重量%である。例えば、特定の実施態様では、本明細書に記載のように、S1中のアルミナおよびシリカの総量は、少なくともS1の、約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約92.5重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97.5重量%、少なくとも約98重量%、または少なくとも約99重量%である。
【0035】
上述のように、本開示の組成物の一態様では、シリカ―アルミナ担体S1は、焼成ベースで酸化物として計算して、約60重量%~約99重量%の範囲内の量で存在する。特定の実施態様では、本明細書に記載のように、S1は、約60重量%~約97.5重量%、または約60重量%~約95重量%、または約60重量%~約90重量%、または約60重量%~約85重量%、または約60重量%~約80重量%、または約60重量%~約75重量%、または約65重量%~約99重量%、または約70重量%~約99重量%、または約75重量%~約99重量%、または約80重量%~約99重量%、または約85重量%~約99重量%、または約90重量%~約99重量%の範囲内の量で存在する。
【0036】
本明細書に別途記載されるような特定の実施形態では、P1は、Gaを含み、P2がCeを含む場合は、脱水素触媒はLaおよびBaのうちの1つ以上を含む。
【0037】
本明細書に別途記載されるような特定の実施形態では、P1はGaを含み、P2はCeを含み、脱水素触媒はLaおよびBaのうちの1つ以上を含む。
【0038】
当業者は、本明細書に別途記載されるようないくつかの実施形態において、触媒組成物は、Crを実質的に含まなくてもよいことを理解するのであろう。クロムを含まない組成物は環境の観点から特に望ましい。例えば、特定の実施態様では、本明細書に記載のように、触媒組成物は、焼成ベースでCrとして計算して、約1重量%未満、または0.9重量%未満、または0.8重量%未満、または0.7重量%未満、または0.6重量%未満、または0.5重量%未満、または0.4重量%未満、または0.3重量%未満、または0.2重量%未満、または0.1重量%未満、または0.05重量%未満、または約0.01重量%未満のCrを含む。
【0039】
本発明者らは、適切な脱水素触媒が本明細書に記載されるP1、P2、M1、M2およびS1成分を使用して、例えば、いくつかの実施形態においては、他のプロモーターまたは触媒種を使用せずに、作製され得ることを見出した。特定の望ましい組成物の実施形態では、本明細書に記載のように、第一次種(例えば、P1およびP2)、促進剤(例えば、M1およびM2)、および担体(例えば、S1)の総量は、組成物の、少なくとも約80重量%、または少なくとも約85重量%、または少なくとも約90重量%、または少なくとも約95重量%、または少なくとも約97重量%、または少なくとも約98重量%、または少なくとも約99重量%、または少なくとも約99.5重量%である(すなわち、焼成ベースで元素金属として計算されるP1、P2、M1、およびM2、および焼成ベースで酸化物として計算されるS1)。
【0040】
本明細書に別途記載される組成物の特定の望ましい実施形態では、S1は、共有結合網状構造を含み、その構造全体にわたって、第一次種(例えば、P1およびP2)および促進剤(例えば、M1およびM2)のうちの1つ以上が分散される。
【0041】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の脱水素触媒組成物を調製するための方法である。従来の方法は、本開示の脱水素触媒を調製する際に使用することができる。例えば、種々の加水分解―重縮合、沈殿および含浸プロセスを、単独でまたは組み合わせて使用して、組成物を提供することができる。シリカ―アルミナ担体材料は、例えば、加水分解―重縮合法によって(例えば、1つ以上の水酸化物またはオキシ化合物から)、適切に作ることができる。特定のP1、P2、M1およびM2種は、加水分解―重縮合によってシリカ―アルミナ担体と一緒に処方することができる。P1、P2、M1およびM2種は代替的にまたは追加的に、含浸によって担体に提供することができる。
【0042】
例えば、特定の実施形態では、本明細書に記載される脱水素触媒の製造方法は、シリカ―アルミナ担体S1(例えば、1つ以上のケイ素およびアルミニウムオキシ化合物の加水分解―重縮合反応の生成物)を提供すること、1つ以上の含浸工程を介してシリカ―アルミナ担体S1をP1、P2、M1およびM2で含浸させて、最終触媒中に所望の量のP1、P2、M1およびM2を提供することを含む。このような各含浸工程では、P1源、P2源、M1源、およびM2源のうちの1つ以上を含有する含浸溶液(例えば、水性含浸溶液)を、担体と接触させる。含浸された担体から溶液を除去した後、それを乾燥および/または焼成することができる。特定のこのような実施形態では、シリカ―アルミナ担体S1を提供することは、例えば加水分解―重縮合反応において、1つ以上のS1源を反応させることを含み、S1源は、1つ以上のオキシ化合物、例えば酸化物(例えばアルミナ、シリカ)、アルコキシド(例えばテトラエチルオルトシリケート、アルミニウムイソプロポキシド)、オキシ硝酸塩、硝酸塩、アセチルアセトネート、または水酸化物(例えば水酸化アルミニウム)である。様々な成分(例えば、P1、P2、M1、M2、およびS1)の量および同定は、本開示の触媒組成物に関して上記で記載された通りであり得る(すなわち、最終触媒組成物に関して測定される)。
【0043】
別の例では、様々な態様および実施形態において、当該方法は、P1源、P2源、M1源、およびM2源のうちの1つ以上の存在下で、S1源(例えば、本明細書に別途記載されるような)を反応させること、および、反応生成物を焼成して、P1、P2、M1、およびM2のうちの1つ以上が配合されたシリカ―アルミナ担体S1を提供することを含む。次いで、P1源、P2源、M1源、およびM2源のうちの1つまたは複数を、1つまたは複数の含浸工程を介して焼成反応生成物に供給して、最終触媒中に所望の量のP1、P2、M1、およびM2を提供することができる(すなわち、それぞれが、担体と一緒に配合される、含浸を介して添加される、またはそれらの組合せに由来する)。様々な成分(例えば、P1、P2、M1、M2、S1)の量および同定は、本開示の触媒組成物に関して別途記載したとおりであり得る。
【0044】
特定の実施形態では、本明細書に記載のように、当該方法は、シリカ―アルミナ担体S1を、P1塩(例えば、ガリウム塩)を含む含浸溶液で含浸させて、P1配合担体S1(例えば、Ga配合)を形成することを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載のように、当該方法は、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ、およびガリウムの水溶液を酸性化することによって(例えば、硝酸塩、イソプロポキシド、またはアセチルアセトネートの形態で)、P1源の存在下でS1源を反応させるうこと、および、反応生成物を焼成して、P1(例えば、Ga)が配合されたシリカ―アルミナ担体S1を提供することを含む。
【0045】
特定の実施形態では、本明細書に記載のように、当該方法は、シリカ―アルミナ担体S1を、P2塩(例えば、セリウム塩および/またはランタン塩)を含む含浸溶液で含浸させて、P2配合担体S1を提供することを含む。別の実施形態では、本明細書に記載のように、当該方法は、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ、アリウム(例えば、硝酸塩、イソプロポキシドまたはアセチルアセトネートの形態で)およびセリウムおよび/またはランタン(例えば、イソプロポキシド、アセチルアセトネートまたは硝酸塩の形態で)の水性混合物を酸性化することによって、P2源の存在下でS1源を反応させること、および、反応生成物を焼成して、P2(例えば、CeまたはLa)が配合されたシリカ―アルミナ担体S1を提供することを含む。
【0046】
特定の実施形態では、本明細書に記載のように、当該方法は、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ、セリウムおよび/またはランタン(例えば、イソプロポキシド、アセチルアセトネートまたは硝酸塩の形態で)の水性混合物を酸性化することによって、P1源およびP2源の存在下でS1源を反応させること、および、反応生成物を焼成して、P1およびP2(例えば、ガリウムおよびセリウムおよび/またはランタン)が配合されたシリカ―アルミナ担体S1を提供することを含む。
【0047】
特定の実施形態では、本明細書に記載される脱水素化触媒の調製法は、P1(例えば、Ga)が配合されたシリカ―アルミナ担体S1を提供することを含む。P1の配合は、最初の含浸工程を経るか、または、P1源とS1源との反応を経ることができる。P1配合シリカ―アルミナ担体S1は、P2、M1、およびM2で含浸させることができる(例えば、P2源、M1源、およびM2源を含む含浸溶液を使用できる)。特定のそのような実施形態において、Ceが脱水素触媒中に存在する場合、担体は、BaおよびLaのうちの1以上で含浸される。次に、含浸された材料を焼成することができる。
【0048】
特定の実施形態では、本明細書に記載される脱水素化触媒の調製法は、P1(例えば、Ga)およびP2(例えば、Ce)を配合したシリカ―アルミナ担体S1を提供することを含む。P1およびP2の配合は、最初の含浸工程を経るか、またはP1源およびP2源とS1源との反応を経ることができる。P1/P2配合シリカ―アルミナ担体S1は、M1およびM2で含浸させることができる(例えば、M1源およびM2源を含む含浸溶液を使用できる)。特定のこのような実施形態において、当該担体は、BaおよびLaのうちの1以上で含浸される。次に、含浸された材料を焼成することができる。
【0049】
特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、P1源は、ガリウム塩、例えば、硝酸ガリウム、ガリウムイソプロポキシド、またはガリウムアセチルアセトネートである。
【0050】
特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、P2源は、塩である。例えば、特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、P2源は、セリウム塩、例えば、硝酸セリウム、セリウムイソプロポキシドまたはセリウムアセチルアセトネートである。別の例では、特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、P2源は、ランタン塩、例えば、硝酸セリウム、イソプロポキシドセリウムまたはアセチルアセトネートセリウムである。
【0051】
特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、M1源は、塩である。例えば、特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、M1源は、白金塩、例えば、Pt(NH(NO、または、HPtClである。別の例では、特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、M1源は、パラジウム塩、例えばPd(NOである。
【0052】
特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、M2源は、塩である。例えば、特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、M1源は、第1族元素の塩、例えばKNOである。別の例では、特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、M2源は、第2族元素の塩、例えば、Mg(NO、Ca(NO、Sr(NO、またはBa(NOである。
【0053】
特定の塩種を上記に記載したが、当業者は他の塩および他の金属を、本明細書に記載の方法において使用することができることを、理解しうる。
【0054】
上述のように、当該方法は、含浸されたシリカ―アルミナ担体S1を焼成することを含む。特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当該含浸されたシリカ―アルミナ担体S1は、約300℃~約900℃の範囲内の温度で焼成される。例えば、特定の実施形態では、当該含浸された担体S1は、約350℃~約900℃、または約400℃~約900℃、または約450℃~約900℃、または約500℃~約900℃、または約550℃~約900℃、または約300℃~約850℃、または約300℃~約800℃、または約300℃~約750℃、または約300℃~約700℃、または約300℃~約650℃、または約350℃~約850℃、または約400℃~約800℃、または約450℃~約750℃の範囲内の温度で、焼成される。
【0055】
特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当該含浸されたシリカ―アルミナ担体S1は、約5分~約12時間の範囲内の時間で、焼成される。例えば、本明細書に他に記載されるような方法の特定の実施形態では、当該含浸された担体S1は、約10分~約12時間、または約15分~約12時間、または約20分~約12時間、または約30分~約12時間、または約45分~約12時間、または約1hr.~約12hr.,または約1.5時間~約12時間、または約2時間~約12時間、または約5分~約11時間、または約5分~約10時間、または約5分~約9時間、または約5分~約8時間、または約5分~約7.5時間、または約5分~約7時間、または約5分~約6.5時間、または約5分~約6時間、または約5分~約5.5時間、または約5分~約5時間、または約30分~約11時間、または約1時間~約10時間、または約1.5時間~約9時間、または約2時間~約8時間の範囲内の時間で、焼成される。
【0056】
特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当該含浸されたシリカ―アルミナ担体S1は、焼成前に、乾燥される。特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当該含浸された担体S1は、約80℃~約240℃の範囲内の温度で乾燥される。例えば、本明細書に別様に記載される方法の特定の実施形態では、当該含浸された担体S1は、約80℃~約220℃、または約80℃~約200℃、または約80℃~約180℃、または約100℃~約240℃、または約120℃~約240℃、または約140℃~約240℃、または約100℃~約220℃、または約120℃~約200℃、または約140℃~約180℃の範囲内の温度で乾燥される。
【0057】
特定の方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当該含浸されたシリカ―アルミナ担体S1は、約4時間~36時間の範囲内の時間で、乾燥される。例えば、本明細書に別様に記載される方法の特定の実施形態では、当該含浸された担体S1は、約4時間~30時間、または約4時間~約24時間、または約4時間~約22時間、または約4時間~約20時間、または約6時間~約36時間、または約8時間~約36時間、または約10時間~約36時間、または約12時間~約36時間、または約6時間~約30時間、または約8時間~約24時間、または約10時間~約22時間、または約12時間~約20時間の範囲内の時間で、乾燥される。
【0058】
本開示の別の態様は、本明細書に記載の方法によって調製される触媒組成物である。
【0059】
有利には、本発明者らは、本明細書に記載の触媒組成物の使用が、従来の市販の触媒材料と同等またはそれよりも優れた効率で、炭化水素脱水素反応をすすめることができることを見出した。
【0060】
本明細書に記載の組成物は、炭化水素脱水素反応において特に有用である。したがって、本開示の別の態様は、炭化水素脱水素化を引き起こすのに十分な条件下で、炭化水素フィードを本明細書に記載される触媒組成物と接触させることを含む、アルカンを脱水素化するための方法である。
【0061】
当該脱水素化方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載のように、当該炭化水素フィードは、1以上のC3~C5アルカンを含む。例えば、当該脱水素化方法の特定の実施形態では、本明細書に記載のように、当該炭化水素フィードは、プロパンを含む。
【0062】
当該フィードと本明細書に記載の触媒組成物との接触は、当業者によく知られている様々な方法で行うことができる。有益な性能を提供するために、本開示の触媒組成物と組み合わせて、従来の装置およびプロセスを使用することができる。従って、当該触媒は反応容器内の1の床に含まれていてもよいし、反応器内の複数の床に分割されていてもよい。反応系は、1以上の反応容器を直列に含むことができる。反応ゾーンへのフィードは、典型的なプラグフロー反応器中の触媒床を通って垂直に上方向へ、あるいは下方向へ、または、ラジアルフロー型反応器中の触媒床を横切って水平に流れることができる。
【0063】
当該フィードと当触媒組成物との接触は、従来の方法を用いて行うことができる。例えば、フィードは、触媒組成物を含有する反応ゾーンに一定速度で、または代わりに可変速度で導入することができる。
【0064】
特定の脱水素化方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当フィードは、約0.5h-1~約4h-1の範囲内の液体空間速度(LHSV)で、提供された触媒組成物と接触される。例えば、特定の脱水素化方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当フィードは、約0.75h-1~約4h-1、または約1h-1~約4h-1、または約1.25h-1~約4h-1、または約1.5h-1~約4h-1、または約0.5h-1~約3.75h-1、または約0.5h-1~約3.5h-1、または約0.5h-1~約3.25h-1、または約0.5h-1~約3h-1、または約0.5h-1~約2.75h-1、または約0.5h-1~約2.5h-1、または約0.75h-1~約3.5h-1、または約1h-1~約3h-1、または約1.25h-1~約2.75h-1、または約1.5h-1~約2.5h-1の範囲内の液体空間速度で、提供された触媒組成物と接触される。
【0065】
特定の脱水素化方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当該方法は、約400℃~約750℃の範囲内の温度で実施される。例えば、特定の脱水素化方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当該方法は、約400℃~約700℃、または約400℃~約650℃、または約400℃~約600℃、または約400℃~約550℃、または約450℃~約750℃、または約500℃~約750℃、または約550℃~約750℃、または約600℃~約750℃、または約450℃~約700℃、または約500℃~約650℃の範囲内の温度で実施される。
【0066】
特定の脱水素化方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当該方法は、約0.1バール~約1バールの範囲内の圧力で、実施される。例えば、特定の脱水素化方法の実施形態では、本明細書に記載のように、当該方法は、約0.1バール~約0.9バール、または約0.1バール~約0.8バール、または約0.1バール~約0.7バール、または約0.1バール~約0.6バール、または約0.1バール~約0.5バール、または約0.2バール~約1バール、または約0.3バール~約1バール、または約0.4バール~約1バール、または約0.5バール~約1バール、または約0.2バール~約0.9バール、または約0.3バール~約0.8バール、または約0.4バール~約0.7バールの範囲内の圧力で、実施される。
【実施例
【0067】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態、およびその様々な使用を例示するものである。それらは、説明の目的のためだけに記載されており、本発明を限定するものとして解釈されるべきものではない。
実施例1触媒の調製
【0068】
シリカ―アルミナ担体を、ゾルゲル合成により、調製した。89.4gのアルミニウムイソプロポキシドを、90℃に加熱した848gのDI水に加えた。9.8gのテトラエチルオルトシリケートを、当該混合物に添加し、次いでこれを90℃で30分間撹拌した。18.0gのHNOおよび5.5gのDI水の水溶液を、当該混合物に加え、次いで、86~90℃で~75分間よく撹拌して、濃縮スラリー/ゲルを得た。この組成物を、大気中120℃で16時間乾燥し、大気中600℃で4時間焼成して、10重量%のシリカを含むシリカ―アルミナ担体を得た。触媒A1は、溶液滴下含浸法によって、当シリカ―アルミナ担体を、Ga(NO、KNO、Ce(NO・6HO、およびPt(NH(NOを含む水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0069】
ゾルゲル合成によりシリカ―アルミナ担体を調製した。72.3gのアルミニウムイソプロポキシドを、90℃に加熱した848gのDI水に加えた。当該混合物に、28gのテトラエチルオルトシリケートを加え、次いで90℃で30分間撹拌した。18.0gのHNOおよび5.5gのDI水の水溶液を、当該混合物に添加し、次いでこれを86~90℃で~3時間よく撹拌して、濃縮スラリー/ゲルを得た。この組成物を、大気中120℃で16時間乾燥し、大気中600℃で4時間焼成して、25重量%のシリカを含むシリカ―アルミナ担体を得た。触媒A2は、溶液滴下含浸法によって、当シリカ―アルミナ担体を、Ga(NO、KNO、Ce(NO・6HO、およびPt(NH(NOを含む水溶液で含浸させて作製した。当該触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0070】
触媒A3は、溶液滴下含浸法によって、5重量%のシリカ(Sasol Siralox5)を含有するシリカ―アルミナ担体を、Ga(NO、KNO、Ce(NO・6HO、およびPt(NH(NOを含有する水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0071】
触媒A4は、溶液滴下含浸法によって、5重量%のシリカ(Sasol Siralox5)を含有するシリカ―アルミナ担体を、Ga(NO、KNO、Ce(NO・6HO、およびPt(NH(NOを含有する水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0072】
触媒A5は、溶液滴下含浸法によって、10重量%のシリカ(Sasol Siralox10)を含有するシリカ―アルミナ担体を、Ga(NO、KNO、Ce(NO・6HO、およびPt(NH(NOを含有する水溶液で含浸させることによって作製した。当該触媒を、大気中室温で1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0073】
触媒A6は、溶液滴下含浸法によって、10重量%のシリカ(Sasol Siralox10)を含有するシリカ―アルミナ担体を、Ga(NO、KNO、Ce(NO・6HO、およびPt(NH(NOを含有する水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0074】
触媒A7は、溶液滴下含浸法によって、20重量%のシリカ(Sasol Siralox20)を含有するシリカ―アルミナ担体を、Ga(NO、KNO、Ce(NO・6HO、およびPt(NH(NOを含有する水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0075】
触媒A8は、溶液滴下含浸法によって、30重量%のシリカ(Sasol Siralox30)を含有するシリカ―アルミナ担体を、Ga(NO、KNO、Ce(NO・6HO、およびPt(NH(NOを含有する水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0076】
触媒A9は、溶液滴下含浸法によって、40重量%のシリカ(Sasol Siralox40)を含有するシリカ―アルミナ担体を、Ga(NO、KNO、Ce(NO・6HO、およびPt(NH(NOを含有する水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0077】
ガリウム含浸シリカ―アルミナ担体を、解膠および押出しによって調製した。4.5gのHO、1.0~3.0gの10重量%ガリウム水溶液、および3gの濃縮Cを、90重量%の水酸化アルミニウムおよび10重量%のシリカ(Sasol SIRAL10)を含む13.3gの混合物に添加し、目視で均一になるまで十分に混合した。当該混合物を、円筒状成形品に押出し、大気中120℃で4時間乾燥し、大気中670℃で4時間焼成して、2重量%のガリウムを含むシリカ―アルミナ担体を得た。触媒A10は、溶液滴下含浸法で、当ガリウム含浸シリカ―アルミナ担体を、KNO、Ce(NOおよびPt(NH(NOを含む水溶液でさらに含浸させて作製した。当該触媒を、大気中120℃で4時間乾燥し、大気中640℃で4時間焼成した。
【0078】
ガリウムおよびセリウム含浸シリカ―アルミナ担体を解膠および押出しによって調製した。4.5gのHO、1.0~3.0gの10重量%のガリウム水溶液、1.0~4.0gの10重量%のCe(NO水溶液、および3gの濃縮Cを、90重量%の水酸化アルミニウムおよび10重量%のシリカを含む混合物(SasloSIRAL10)13.3gに添加し、目視で均一になるまで十分に混合した。当該混合物を、円筒状押出物に押し出し、大気中120℃で4時間乾燥し、大気中670℃で4時間焼成して、3重量%のガリウムおよび2重量%のセリウムを含むシリカ―アルミナ担体を得た。触媒A11は、溶液滴下含浸法で、当ガリウムおよびセリウム含浸担体を、KNOおよびPt(NH(NOを含む水溶液でさらに含浸させて作製した。当該触媒を、大気中120℃で4時間乾燥し、大気中640℃で4時間焼成した。
【0079】
触媒A12は、溶液滴下含浸法で、1.5%のSiOを含むシリカ―アルミナ担体(Sasol SIRALOX1)を、Ga(NO、KNO、Pt(NH(NO、Ce(NOおよびBa(NOを含む水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0080】
触媒A13は、溶液滴下含浸法で、10%のSiOを含むシリカ―アルミナ担体(Sasol SIRALOX10)を、Ga(NO、KNO、Pt(NH(NO、Ce(NOおよびLa(NOを含む水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0081】
触媒A14は、溶液滴下含浸法で、1.5%のSiO2を含むシリカ―アルミナ担体(Sasol SIRALOX1)を、Ga(NO、KNO、Pt(NH(NO、Ce(NOおよびBa(NOを含む水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0082】
触媒A15は、溶液滴下含浸法で、5%のSiOを含むシリカ―アルミナ担体(Sasol SIRALOX5)をGa(NO、KNO、Pt(NH(NO、Ce(NOおよびBa(NOを含む水溶液で含浸させて作製した。当触媒を、大気中室温で少なくとも1時間乾燥し、大気中750℃で1時間焼成した。
【0083】
比較用のアルミナ担持クロム触媒Cは、従来の方法に従って調製された。
【表1】
実施例2プロパン脱水素
【0084】
実施例1に従って調製した触媒組成物を、固定床反応器に備えて試験した。100モル%のプロパンを含有するフィードを、サイクルモードにて、2.0h-1の液体空間速度(LHSV)、540~600℃の範囲内の温度、0.5atmの全圧で、触媒床上に通し、10分間のプロパン脱水素化の後に大気中で触媒再生を行った。結果を以下の表2に示す。
【表2】
【0085】
結果は、試験した触媒の性能が許容可能であり、クロムの非存在下でも良好な収率、選択率および転化率を提供したことを示す。

【国際調査報告】