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特表2022-512740食料製品において使用するための組換え成分および組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】食料製品において使用するための組換え成分および組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/55 20060101AFI20220131BHJP
   C12N 15/29 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 15/31 20060101ALI20220131BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20220131BHJP
   A23L 33/18 20160101ALI20220131BHJP
   C07K 14/415 20060101ALI20220131BHJP
   C07K 14/37 20060101ALI20220131BHJP
   C07K 14/405 20060101ALI20220131BHJP
   C07K 14/195 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 15/90 20060101ALI20220131BHJP
   A23C 9/152 20060101ALI20220131BHJP
   A23J 3/08 20060101ALI20220131BHJP
   A23J 3/10 20060101ALI20220131BHJP
   A23C 11/00 20060101ALI20220131BHJP
   A23C 21/02 20060101ALI20220131BHJP
   A23G 9/38 20060101ALI20220131BHJP
   A23G 9/40 20060101ALI20220131BHJP
   A23D 7/02 20060101ALI20220131BHJP
   A23D 9/007 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20220131BHJP
   A23L 33/19 20160101ALN20220131BHJP
   A23L 33/185 20160101ALN20220131BHJP
   A23L 33/195 20160101ALN20220131BHJP
   C07K 14/47 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
C12N15/55 ZNA
C12N15/29
C12N15/31
C12P21/02 C
A23L33/18
C07K14/415
C07K14/37
C07K14/405
C07K14/195
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N15/90 100Z
A23C9/152
A23J3/08
A23J3/10
A23C11/00
A23C21/02
A23G9/38
A23G9/40
A23D7/02 500
A23D9/007
C12N15/12
A23L33/19
A23L33/185
A23L33/195
C07K14/47
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021521177
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(85)【翻訳文提出日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 US2019056703
(87)【国際公開番号】W WO2020081789
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】62/746,918
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】517058738
【氏名又は名称】パーフェクト・デイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ガイストリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヘザー ジャンセン
(72)【発明者】
【氏名】ラビラジシン ジャラ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク マーマン
(72)【発明者】
【氏名】バラクリシュナン ラメシュ
(72)【発明者】
【氏名】タイ ワゴナー
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー スコット ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント ウェイ-シアン ウー
(72)【発明者】
【氏名】フランセスカ マネア
【テーマコード(参考)】
4B001
4B014
4B018
4B026
4B064
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B001AC05
4B001AC07
4B001AC25
4B001BC99
4B001EC01
4B014GB18
4B014GB21
4B014GB22
4B014GB23
4B014GG11
4B014GG12
4B014GG15
4B014GP27
4B018MD15
4B018MD16
4B018MD20
4B018MD21
4B018MD79
4B018ME01
4B018ME07
4B018ME14
4B018MF13
4B018MF14
4B026DC01
4B026DL04
4B026DL08
4B026DL09
4B026DP10
4B064AG01
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA10
4B065AA01X
4B065AA62X
4B065AA72X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065CA24
4B065CA41
4B065CA42
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045CA10
4H045CA11
4H045CA30
4H045CA43
4H045EA01
4H045FA74
(57)【要約】
組換え成分を含む食料製品を生産するための方法、ならびにそのような方法で使用される組成物およびそのような方法により生産される食料製品が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換え成分を産生することができる組換え微生物宿主細胞により産生される組換え成分を含む食料製品を生産するための方法であって、エステラーゼの活性が本質的に除去されるまたはモジュレートされる少なくとも1つのステップを含む方法。
【請求項2】
前記エステラーゼは、単一エステラーゼである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エステラーゼは、少なくとも2つのエステラーゼを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エステラーゼは、カルボキシルエステルヒドロラーゼを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カルボキシルエステルヒドロラーゼは、UniProt配列G0RIU1、A2R1N7、G0RBM4、A0A2T4BBP9、G2Q379、A0A2T4AZ21、A2R8Z3、G0R9X3、A2QPC2、G0RCG3、A0A2T4BCL7、A0A2T4B416、およびA0A2T4BNI9から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記エステラーゼは、トリアシルグリセロールリパーゼを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記トリアシルグリセロールリパーゼは、UniProt配列A2QM14およびA2R709から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記エステラーゼは、ホスホリパーゼA2を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ホスホリパーゼA2は、UniProt配列A2QIF8と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記エステラーゼは、リゾホスホリパーゼを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記リゾホスホリパーゼは、UniProt配列G0RX90、G2Q0K1、A0A2T4B235、A2QC75、およびA2QF42から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記エステラーゼは、アセチルエステラーゼを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記アセチルエステラーゼは、UniProt配列G0RHJ4、A0A2T4BJD9、およびG2QL32から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エステラーゼは、ホスホリパーゼCを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ホスホリパーゼCは、UniProt配列G0REM9、A0A2T4BFY3、およびA2QAD7から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記エステラーゼは、クチナーゼを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記クチナーゼは、UniProt配列G0RH85、A2QBP1、A0A2T4BJB5、A5ABE6、A2R2W3、およびG2QH51から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記エステラーゼの前記活性は、本質的に除去されている、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記エステラーゼの前記活性は、減少している、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記エステラーゼの前記活性は、増加している、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記エステラーゼの前記活性は、本質的に除去されている第1のエステラーゼの活性および減少している第2のエステラーゼの活性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記エステラーゼの前記活性は、本質的に除去されている第1のエステラーゼの活性および増加している第2のエステラーゼの活性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記エステラーゼの前記活性は、減少している第1のエステラーゼの活性および増加している第2のエステラーゼの活性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
エステラーゼの活性が本質的に除去されるまたはモジュレートされる前記少なくとも1つのステップは、前記エステラーゼ活性を本質的に除去するまたはモジュレートするのに適切な条件下で前記組換え微生物宿主細胞を培養するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記適切な条件は、適切な消泡剤の存在を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記消泡剤は、ACP 1500、Antifoam 204、Erol DF6000K、Hodag K-60K、Industrol DF204、P-2000E、SAG 471、SAG 5693、SAG 710、SAG 730、シリコーン消泡剤、Struktol J647、Struktol J673A、およびヒマワリ油からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
エステラーゼ活性が本質的に除去されるまたはモジュレートされる前記少なくとも1つのステップは、対応する組換え微生物宿主細胞に含まれるエステラーゼの活性と比べて前記エステラーゼの前記活性を本質的に除去するまたはモジュレートする遺伝子改変を含む組換え微生物宿主細胞において前記組換え成分を産生するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記組換え微生物宿主細胞は、組換え糸状菌宿主細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記組換え糸状菌宿主細胞は、組換えクロコウジカビ宿主細胞、組換えマイセリオフトーラ・サーモフィラ宿主細胞、組換えトリコデルマ・リーゼイ宿主細胞、および組換えトリコデルマ・シトリノビリデ宿主細胞からなる群に由来する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
エステラーゼ活性が本質的に除去されるまたはモジュレートされる前記少なくとも1つのステップは、前記エステラーゼから分離して前記組換え成分を精製するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記組換え成分は、組換えタンパク質である、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記組換えタンパク質は、組換え植物タンパク質、組換え藻類タンパク質、組換え真菌タンパク質、組換え微生物タンパク質、および組換え動物タンパク質からなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記組換え動物タンパク質は、組換え乳タンパク質である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記組換え乳タンパク質は、組換え乳清タンパク質である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記組換え乳清タンパク質は、αラクトアルブミン、βラクトグロブリン、ラクトフェリン、トランスフェリン、血清アルブミン、ラクトペルオキシダーゼ、およびグリコマクロペプチドからなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記組換え乳タンパク質は、組換えカゼインである、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記組換えカゼインは、β-カゼイン、γ-カゼイン、κ-カゼイン、α-S1カゼイン、およびα-S2カゼインからなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記組換え成分を精製して、前記組換え成分、および対応する調製物と比べてエステラーゼの本質的に除去されたまたはモジュレートされた活性を含む調製物を得るステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記調製物は、所望の香味、所望の香り、所望のテクスチャー、所望のエマルジョン、所望の栄養内容物、および所望の貯蔵寿命からなる群から選択される1つまたは複数の特性を食料製品に与えるように最適化されているエステラーゼ活性プロファイルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記調製物は、粉末である、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
組換え成分を産生することができ、対応する組換え微生物宿主細胞に含まれるエステラーゼの活性または発現と比べてエステラーゼの活性または発現を本質的に除去するまたはモジュレートする遺伝子改変を含む組換え微生物宿主細胞。
【請求項43】
前記エステラーゼは、単一エステラーゼである、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項44】
前記エステラーゼは、少なくとも2つのエステラーゼを含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項45】
前記エステラーゼは、カルボキシルエステルヒドロラーゼを含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項46】
前記カルボキシルエステルヒドロラーゼは、UniProt配列G0RIU1、A2R1N7、G0RBM4、A0A2T4BBP9、G2Q379、A0A2T4AZ21、A2R8Z3、G0R9X3、A2QPC2、G0RCG3、A0A2T4BCL7、A0A2T4B416、およびA0A2T4BNI9から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項45に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項47】
前記エステラーゼは、トリアシルグリセロールリパーゼを含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項48】
前記トリアシルグリセロールリパーゼは、UniProt配列A2QM14およびA2R709から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項47に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項49】
前記エステラーゼは、ホスホリパーゼA2を含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項50】
前記ホスホリパーゼA2は、UniProt配列A2QIF8と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項51】
前記エステラーゼは、リゾホスホリパーゼを含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項52】
前記リゾホスホリパーゼは、UniProt配列G0RX90、G2Q0K1、A0A2T4B235、A2QC75、およびA2QF42から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項51に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項53】
前記エステラーゼは、アセチルエステラーゼを含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項54】
前記アセチルエステラーゼは、UniProt配列G0RHJ4、A0A2T4BJD9、およびG2QL32から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項53に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項55】
前記エステラーゼは、ホスホリパーゼCを含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項56】
前記ホスホリパーゼCは、UniProt配列G0REM9、A0A2T4BFY3、およびA2QAD7から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項55に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項57】
エステラーゼは、クチナーゼを含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項58】
前記クチナーゼは、UniProt配列G0RH85、A2QBP1、A0A2T4BJB5、A5ABE6、A2R2W3、およびG2QH51から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項57に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項59】
前記エステラーゼの前記活性は、本質的に除去されている、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項60】
前記エステラーゼの前記活性は、減少している、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項61】
前記エステラーゼの前記活性は、増加している、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項62】
前記エステラーゼの前記活性は、本質的に除去されている第1のエステラーゼの活性および減少している第2のエステラーゼの活性を含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項63】
前記エステラーゼの前記活性は、本質的に除去されている第1のエステラーゼの活性および増加している第2のエステラーゼの活性を含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項64】
前記エステラーゼの前記活性は、減少している第1のエステラーゼの活性および増加している第2のエステラーゼの活性を含む、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項65】
前記遺伝子改変は、前記エステラーゼのまたは前記エステラーゼの発現に必要なタンパク質の発現を推進する制御配列またはその機能的部分における遺伝子改変、前記エステラーゼの発現に必要なタンパク質またはその機能的部分をコードするコード配列における遺伝子改変、前記エステラーゼまたはその機能的部分をコードするコード配列における遺伝子改変、前記エステラーゼの内在性阻害因子の発現を推進する制御配列またはその機能的部分における遺伝子改変、前記エステラーゼの内在性阻害因子をコードするコード配列における遺伝子改変、および前記エステラーゼの異種阻害因子をコードするコード配列を導入する遺伝子改変からなる群から選択される、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項66】
前記遺伝子改変は、前記エステラーゼの発現を調節する転写因子の発現を推進する制御配列もしくはその機能的部分における、またはそのような転写因子もしくはその機能的部分をコードするコード配列における遺伝子改変である、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項67】
前記転写因子は、UniProt配列G0RX49、G0RHG1、A0A2T4B416、A0A2T4BJU6、A2R2J1、A2R903、G2Q2Z5、およびG2Q8I6から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項66に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項68】
組換え糸状菌宿主細胞である、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項69】
前記組換え糸状菌宿主細胞は、組換えクロコウジカビ宿主細胞、組換えマイセリオフトーラ・サーモフィラ宿主細胞、組換えトリコデルマ・リーゼイ宿主細胞、および組換えトリコデルマ・シトリノビリデ宿主細胞からなる群から選択される、請求項68に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項70】
前記組換え成分は、組換えタンパク質である、請求項42に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項71】
前記組換えタンパク質は、組換え植物タンパク質、組換え藻類タンパク質、組換え真菌タンパク質、組換え微生物タンパク質、および組換え動物タンパク質からなる群から選択される、請求項70に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項72】
前記組換え動物タンパク質は、組換え乳タンパク質である、請求項71に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項73】
前記組換え乳タンパク質は、組換え乳清タンパク質である、請求項72に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項74】
前記組換え乳清タンパク質は、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、ラクトフェリン、トランスフェリン、血清アルブミン、ラクトペルオキシダーゼ、およびグリコマクロペプチドからなる群から選択される、請求項73に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項75】
前記組換え乳タンパク質は、組換えカゼインである、請求項72に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項76】
前記組換えカゼインは、β-カゼイン、γ-カゼイン、κ-カゼイン、α-S1カゼイン、およびα-S2カゼインからなる群から選択される、請求項75に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項77】
組換え微生物宿主細胞により産生される組換え成分を含む食料製品であって、対応する食料製品におけるエステラーゼの活性と比べて本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼの活性をさらに含む食料製品。
【請求項78】
前記エステラーゼは、単一エステラーゼである、請求項77に記載の食料製品。
【請求項79】
前記エステラーゼは、少なくとも2つのエステラーゼを含む、請求項77に記載の食料製品。
【請求項80】
前記エステラーゼの前記活性が本質的にない、請求項77に記載の食料製品。
【請求項81】
前記エステラーゼの前記活性は、減少している、請求項77に記載の食料製品。
【請求項82】
前記エステラーゼの前記活性は、増加している、請求項77に記載の食料製品。
【請求項83】
乳製品代用品である、請求項77に記載の食料製品。
【請求項84】
前記乳製品代用品は、乳、ヨーグルト、チーズ、ディリースプレッド、クリーム、冷菓、バター、および乳製品粉末からなる群から選択される乳製品の代用品である、請求項83に記載の食料製品。
【請求項85】
乳タンパク質成分を含む、請求項77に記載の食料製品。
【請求項86】
前記乳タンパク質成分は、少なくとも1つの組換え乳タンパク質を含む、請求項85に記載の食料製品。
【請求項87】
前記少なくとも1つの組換え乳タンパク質は、単一組換え乳タンパク質である、請求項85に記載の食料製品。
【請求項88】
前記単一組換え乳タンパク質は、組換えβ-ラクトグロブリンである、請求項87に記載の食料製品。
【請求項89】
前記単一組換え乳タンパク質は、組換えα-ラクトアルブミンである、請求項87に記載の食料製品。
【請求項90】
前記単一組換え乳タンパク質は、組換えκ-カゼインである、請求項87に記載の食料製品。
【請求項91】
前記単一組換え乳タンパク質は、組換えβ-カゼインである、請求項87に記載の食料製品。
【請求項92】
前記単一組換え乳タンパク質は、組換えγ-カゼインである、請求項87に記載の食料製品。
【請求項93】
少なくとも1つの組換え乳タンパク質は、2つの組換え乳タンパク質である、請求項85に記載の食料製品。
【請求項94】
前記2つの組換え乳タンパク質は、組換えβ-ラクトグロブリンおよび組換えα-ラクトアルブミンである、請求項93に記載の食料製品。
【請求項95】
前記2つの組換え乳タンパク質は、組換えκ-カゼインおよび組換えβ-カゼインである、請求項93に記載の食料製品。
【請求項96】
前記2つの組換え乳タンパク質は、組換えκ-カゼインおよび組換えγ-カゼインである、請求項93に記載の食料製品。
【請求項97】
前記2つの組換え乳タンパク質は、組換えβ-カゼインおよび組換えγ-カゼインである、請求項93に記載の食料製品。
【請求項98】
前記2つの組換え乳タンパク質は、組換えβ-ラクトグロブリンおよび組換えκ-カゼインである、請求項93に記載の食料製品。
【請求項99】
前記2つの組換え乳タンパク質は、組換えκ-カゼインおよび組換えα-ラクトアルブミンである、請求項93に記載の食料製品。
【請求項100】
前記2つの組換え乳タンパク質は、組換えβ-ラクトグロブリンおよび組換えβ-カゼインである、請求項93に記載の食料製品。
【請求項101】
前記2つの組換え乳タンパク質は、組換えβ-カゼインおよび組換えα-ラクトアルブミンである、請求項93に記載の食料製品。
【請求項102】
前記2つの組換え乳タンパク質は、組換えβ-ラクトグロブリンおよび組換えγ-カゼインである、請求項93に記載の食料製品。
【請求項103】
前記2つの組換え乳タンパク質は、組換えγ-カゼインおよび組換えα-ラクトアルブミンである、請求項93に記載の食料製品。
【請求項104】
前記食料製品に望ましい感覚プロファイルを与える所望の範囲内である遊離の脂質内容物を含む、請求項77に記載の食料製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には動物由来食料製品の代替物に関する。特に、本発明は、食料製品において使用するための組換え成分および組成物、これらの成分および組成物を産生するための方法、ならびにこれらの成分および組成物を含む食料製品を生産するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願
本出願は2018年10月17日提出の米国特許仮出願第62/746,918号明細書の優先権を主張するものであり、前記特許文献は参照によりその全体を本明細書に組み込まれる。
【0003】
動物由来食料製品(例えば、肉、乳、卵)は評判の良い栄養源である。動物由来食料製品は、高品質のタンパク質、必須ミネラル(例えば、カルシウム、リン、亜鉛、マグネシウム)、およびビタミン(例えば、リボフラビン、ビタミンA、ビタミンB12)を含む。さらに、多くのそのような食料製品は、多種多様な派生的食料製品(例えば、ヨーグルト、チーズ、クリーム、アイスクリーム、バター、マヨネーズ)の生産を可能にする有利な機能的特性を有する。
【0004】
しかし、動物由来食料製品は、ヒトで不健康な反応を引き起こすことがある成分(例えば、ラクトース、アレルゲン、飽和脂肪、コレステロール)を含む。さらに、これらの食料製品の生産は、動物愛護および環境に重大な影響を及ぼし、病原体、残留農薬、重金属、およびアフラトキシンM1による汚染の可能性をもつ畜産を含む。
【0005】
こうした懸念があるために、動物由来食料製品の代替物の開発が奨励されてきた。一部のそのような代替物は、植物由来成分(例えば、タンパク質、脂質、ビタミン)を含む。しかし、動物由来食料製品の代替物は、組換え的に(例えば、微生物宿主細胞を使用して)産生される成分(例えば、タンパク質、脂質)から生産されることが増えている。
【0006】
食料製品での組換え成分の使用は新たな問題を引き起こしている。1つのそのような問題は、組換え成分から生産される食料製品が相当量のそのような組換え成分を(組換え成分が利用された以前の製品では典型的であったよりも多く)含有していることが多く、大量の組換え成分の使用は、その組換え成分を産生する微生物宿主細胞により同時に産生される他の望ましくないこともある成分による影響を受けることがあるという事実である。
【0007】
1つのそのような他の成分はエステラーゼ活性である。エステラーゼは、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、および/またはリポタンパク質中のエステル結合を加水分解して遊離脂肪酸を放出することができる。ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、および/またはリポタンパク質を含む組成物は、組換え成分を使用することができると考えられる種々の食料製品で使用される。一部のそのような食料製品では、エステラーゼで触媒される遊離脂肪酸の放出は、例えば、テクスチャー、乳化、香り、風味、および栄養素含有量などの特性に有害な効果を及ぼすことがある。他のそのような食料製品では、エステラーゼで触媒される遊離脂肪酸の放出は、例えば、香味プロファイル(例えば、熟成チーズの香味プロファイル)などの特性に有益な効果を及ぼすことがある。
【0008】
その結果、動物由来食料製品の代替物の生産のための組換え成分の産生、加工、および使用においては、特にエステラーゼ活性に関して難問を克服しなければならない。
【0009】
例示的実施形態は、添付の図面を使用することによって、追加の特異性および詳細とともに記載し、説明することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】PCTファイリングPCT/US2015/046428
【特許文献2】PCTファイリングPCT/US2017/48730
【特許文献3】国際公開第96/29391号パンフレット
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Hawksworth et al.,In,Ainsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi,8th edition,1995,CAB International,University Press,Cambridge,UK
【非特許文献2】Pearson.1990.Methods Enzymol.183:63
【非特許文献3】Altschul et al.1990.J.Mol.Biol.215:403
【非特許文献4】Malyshev et al.2014.Nature 509:385
【非特許文献5】Li et al.2014.J.Am.Chem.Soc.136:826
【非特許文献6】Deshpande et al.2008.Glycobiology 18(8):626
【非特許文献7】Kabir & Kazi.2011.Genet Mol Biol.34(4):587
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、動物由来食料製品の代替物を組換え成分から生産するのに用いることができる方法の、ならびに、そのような方法において使用されそのような方法から得られる組成物の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一態様では、組換え成分を産生することができる組換え微生物宿主細胞により産生される組換え成分を含む食料製品を生産するための方法であって、エステラーゼの活性が本質的に除去されるまたはモジュレートされる少なくとも1つのステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0014】
別の態様では、組換え成分、および対応する調製物に含まれるエステラーゼ活性と比べて本質的に除去されているまたはモジュレートされているエステラーゼ活性を含む調製物が本明細書で提供される。
【0015】
別の態様では、組換え成分を産生することができ、対応する組換え微生物宿主細胞に含まれるエステラーゼ活性と比べて本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む組換え微生物宿主細胞が本明細書で提供される。
【0016】
別の態様では、組換え微生物宿主細胞により産生される組換え成分を含む食料製品であって、対応する食料製品中のエステラーゼの活性と比べて本質的に除去されているまたはモジュレートされているエステラーゼの活性をさらに含む食料製品が本明細書で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】電荷(すなわち、イオン錯体形成)および熱不安定性/熱安定性に基づいてエステラーゼ活性を精製除去することから得られた組換えβ-ラクトグロブリン調製物の遊離脂肪酸(FFA)アッセイの結果示すチャートであり、「最終材料」が、本発明のさまざまな代表的な実施形態に従って、高濃度の塩を除去し、組換えβ-ラクトグロブリンを濃縮するために緩衝液を交換した後の調製物である。
図2】電荷(すなわち、イオン錯体形成)および熱不安定性/熱安定性に基づいてエステラーゼ活性を精製除去することから得られた組換えβ-ラクトグロブリン調製物の染色されたネイティブPAGEゲルを示す図であり、「最終材料」が、本発明のさまざまな代表的な実施形態に従って、高濃度の塩を除去し、組換えβ-ラクトグロブリンを濃縮するために緩衝液を交換した後の調製物である。
図3】電荷(すなわち、イオン錯体形成)および疎水性に基づいてエステラーゼ活性を精製除去することから得られた組換えβ-ラクトグロブリン調製物のFFAアッセイの結果を示すチャートであり、「最終材料」が、本発明のさまざまな代表的な実施形態に従って、高濃度の塩を除去し、組換えβ-ラクトグロブリンを濃縮するために緩衝液を交換した後の調製物である。
図4】電荷(すなわち、イオン錯体形成)および疎水性に基づいてエステラーゼ活性を精製除去することから得られた組換えβ-ラクトグロブリン調製物の染色されたネイティブPAGEゲルを示す図であり、「最終材料」が、本発明のさまざまな代表的な実施形態に従って、高濃度の塩を除去し、組換えβ-ラクトグロブリンを濃縮するために緩衝液を交換した後の調製物である。
図5】本発明のさまざまな代表的な実施形態に従って、示される消泡剤を含む培養物から得られた浄化された発酵ブロスのチューキークレーマー分析を用いたpNPLアッセイの結果を示すダイアグラムである。
図6】本発明の代表的な実施形態に従って、除去されたクチナーゼ活性を含む組換え宿主細胞を産生するために使用された標的ベクターのマップである。
図7】本発明のさまざまな代表的な実施形態に従って、対応する組換え宿主細胞から得られた組換えβ-ラクトグロブリン調製物と比較した、除去されたクチナーゼ活性を含む組換え宿主細胞から得られた組換えβ-ラクトグロブリン調製物に関するFFAアッセイの結果を示すチャートである。
図8】本発明のさまざまな代表的な実施形態に従って、対応する組換え宿主細胞から得られた組換えβ-ラクトグロブリン調製物と比較した、除去されたクチナーゼ活性を含む組換え宿主細胞から得られた組換えβ-ラクトグロブリン調製物の染色されたネイティブPAGEゲルを示す図である。
図9A】本発明のさまざまな代表的な実施形態によるエステラーゼ活性存在下または非存在下での組換えまたは天然ウシβ-ラクトグロブリンを含む冷凍菓子のゲル組成物の写真を示す。
図9B】本発明のさまざまな代表的な実施形態によるエステラーゼ活性存在下または非存在下での組換えまたは天然ウシβ-ラクトグロブリンを含む冷凍菓子のゲル組成物の写真を示す。
図9C】本発明のさまざまな代表的な実施形態によるエステラーゼ活性存在下または非存在下での組換えまたは天然ウシβ-ラクトグロブリンを含む冷凍菓子のゲル組成物の写真を示す。
図9D】本発明のさまざまな代表的な実施形態によるエステラーゼ活性存在下または非存在下での組換えまたは天然ウシβ-ラクトグロブリンを含む冷凍菓子のゲル組成物の写真を示す。
図9E】本発明のさまざまな代表的な実施形態によるエステラーゼ活性存在下または非存在下での組換えまたは天然ウシβ-ラクトグロブリンを含む冷凍菓子のゲル組成物の写真を示す。
図9F】本発明のさまざまな代表的な実施形態によるエステラーゼ活性存在下または非存在下での組換えまたは天然ウシβ-ラクトグロブリンを含む冷凍菓子のゲル組成物の写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
別段定義されなければ、本明細書で使用される全ての専門および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者が一般に理解しているのと同じ意味を有する。さらに、文脈が別段要求しなければ、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。
【0019】
定義
本明細書で使用される用語「1つ(a)」および「1つ(an)」および「その(the)」および類似の言及とは、本明細書で別段指示されなければまたは文脈と明白に矛盾していなければ、単数形と複数形の両方のことである。
【0020】
本明細書で使用される用語「約(about)」とは、当業者によって決定される特定の値についての許容し得る誤差範囲内であることを指し、その範囲は、その値がどのように測定されるかもしくは決定されるかに、または測定体系の限界にある程度依存することがある。
【0021】
本明細書で使用される用語「および/または」とは、互いに組み合わせたまたは互いを排除した複数の構成要素のことである。例えば、「x、y、および/またはz」は、「x」単独、「y」単独、「z」単独、「x、y、およびz」、「(xおよびy)またはz」、または「xまたはyまたはz」を指すことができる。
【0022】
本明細書で使用される用語「対応する調製物」は、「対応する調製物」に含まれるエステラーゼ活性が、(例えば、調製物が、本質的に除去されているもしくはモジュレートされているエステラーゼ活性を含む組換え微生物宿主細胞由来、および/もしくはエステラーゼ活性を本質的に除去するもしくはモジュレートするのに適切な条件下で培養された組換え微生物宿主細胞由来、および/もしくはエステラーゼ阻害因子を含む発酵ブロス由来ではないせいで、または組換え成分が精製されてエステラーゼ活性を取り除かれていないせいで)本明細書で提供されるようには本質的に除去されてもモジュレートされてもいないことを除いて、「対応する調製物」と比較される調製物と同一である調製物のことを指す。
【0023】
本明細書で使用される用語「対応する食料製品」は、「対応する食料製品」を生産するのに用いる方法が、本明細書で提供される方法において提供されるようにエステラーゼ活性が本質的に除去されるまたはモジュレートされる少なくとも1つのステップを含まないことを除いて、「対応する食料製品」と比べられる食料製品を生産するのに使用される方法と同一である方法により生産される食料製品のことを指す。
【0024】
用語「対応する組換え微生物宿主細胞」は、「対応する組換え微生物宿主細胞」のエステラーゼ活性が、本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞において提供されるようには本質的に除去されてもモジュレートされてもいないことを除いて、「対応する組換え微生物宿主細胞」と比べられる組換え微生物宿主細胞と同一である組換え微生物宿主細胞のことを指す。
【0025】
本明細書で使用される用語「本質的にない」および「本質的に除去される」とは、指示された成分が一般的な分析方法により指示された組成物中で検出可能ではないこと、または指示された成分が機能的ではないほど微量にしか存在していないことである。この文脈で使用される用語「機能的な」とは、指示された成分を微量に含む組成物の特性に寄与しないこと、または指示された成分を微量に含む指示された組成物において活性(例えば、酵素活性)をもたないこと、または指示された成分を微量に含む組成物の消費について健康有害効果を有しないことをいう。
【0026】
本明細書で使用される用語「エステラーゼ活性」または「エステラーゼの活性」とは、エステル結合を加水分解することができる酵素(すなわち、エステル結合に作用するヒドロラーゼ)の活性のことである。エステラーゼは酵素番号(EC番号)3.1.で示される。前記用語は本明細書では互換的に使用される。
【0027】
本明細書で使用される用語「発酵ブロス」とは、組換え成分を産生することができる組換え微生物宿主細胞を含む培養物をいう。
【0028】
本明細書で使用される用語「糸状菌細胞(filamentous fungal cell)」とは、細区分真菌類および卵菌門(非特許文献1により定義されている)の任意の糸状形態由来の細胞のことである。糸状菌細胞は、栄養生長中のその菌糸の伸長により酵母とは区別される。
【0029】
本明細書で使用される用語「真菌」とは、子嚢菌門、担子菌門、接合菌門、およびツボカビ門、卵菌門、およびグロムス門の生物のことをいう。しかし、真菌分類学は絶えず進化しており、したがって、真菌界のこの特定の定義は将来調整される可能性があることは理解されている。
【0030】
本明細書で使用される用語「異種の」とは、それが記述される文脈では通常存在しないことをいう。言い換えると、このように特徴付けられる実体は、それが記述される文脈では外来性である。糸状菌細胞により産生されるタンパク質に関連して使用される場合、前記用語は、前記タンパク質が糸状菌細胞により天然には産生されないことを暗示する。
【0031】
本明細書で使用される用語「宿主細胞」とは、組換え核酸が導入されている細胞をいう。そのような用語は、特定の対象細胞だけではなく、そのような細胞の子孫も指すことが意図されていることは理解されるべきである。突然変異または環境の影響のせいである特定の改変が続く世代で起こることがあるので、そのような子孫は実際には親細胞と同一ではない場合があるが、それでも本明細書で使用される用語「宿主細胞」の範囲内に含まれる。
【0032】
ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列という文脈において本明細書で使用される用語「同一の」とは、最大一致するように整列された場合、同じである2つの配列の参照ウィンドウ内の残基をいう。ヌクレオチド配列またはタンパク質配列の同一性を測定するのに使用することができる当技術分野で公知の異なるアルゴリズムがいくつか存在する。例えば、配列は、FASTA(例えば、Wisconsin Genetics Software Package Version 10.0、Genetics Computer Group、Madison、WIに提供されている)、GAP(例えば、Wisconsin Genetics Software Package Version 10.0、Genetics Computer Group、Madison、WIに提供されている)、BESTFIT(例えば、Wisconsin Genetics Software Package Version 10.0、Genetics Computer Group、Madison、WIに提供されている)、ClustalW(例えば、バージョン1.83のデフォルトパラメータを使用して)、またはBLAST(例えば、相互BLAST、PSI-BLAST、BLASTP、BLASTNを使用して;例えば、National Center for Biotechnology Informationを通じて提供されている)を使用して比較することができる(例えば、非特許文献2;非特許文献3参照)。これらの方法による整列では、デフォルトパラメータを使用してよい(例えば、BLASTNでは、デフォルトパラメータはGap opening penalty=5およびGap extension penalty=2であり、BLASTPでは、デフォルトパラメータはGap opening penalty=11およびGap extension penalty=1である)。参照ウィンドウは、2つの配列の全長から2つの配列のそれぞれの領域(例えば、少なくとも50ヌクレオチドまたは少なくとも10アミノ酸長である領域)のみまでの範囲に及び得る。
【0033】
本明細書で使用される用語「含む(including)」「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、またはそれらの異形は、用語「含む(comprising)」に類似するように包括的であることが意図されている。
【0034】
本明細書で使用される用語「微生物(microbe)」は、微生物(microorganism)の短縮形であり、単細胞生物のことである。本明細書で使用される場合、前記用語は、全ての細菌、古細菌、単細胞原生生物、単細胞動物、単細胞植物、単細胞真菌、単細胞藻類、原虫、およびクロミスタ生物を含む。
【0035】
エステラーゼ活性に関連して本明細書で使用される用語「モジュレートされる」とは、エステラーゼの活性の増加または減少を含む、エステラーゼの活性(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)の任意の変更のことをいう。そのようなモジュレートされたエステラーゼ活性は、典型的には、エステラーゼの濃度の増加もしくは減少のまたはエステラーゼの酵素活性の増加もしくは減少のせいである。
【0036】
本明細書で使用される用語「天然の」とは、自然界に見出されるもののことをいう。
【0037】
本明細書で使用される用語「必要に応じた」または「必要に応じて」とは、特長もしくは構造が存在するもしくはしないこと、またはイベントもしくは状況が生じるもしくは生じないことをいう。前記記述は、特定の特長もしくは構造が存在する場合および特長もしくは構造が存在しない場合、またはイベントもしくは状況が生じる場合およびイベントもしくは状況が生じない場合を含む。
【0038】
本明細書で開示される用語「ポリヌクレオチド」とは、RNA、cDNA、ゲノムDNAのセンス鎖とアンチセンス鎖の両方、ならびに上記の合成型および混合ポリマーをいう。ポリヌクレオチドは化学的にもしくは生化学的に改変されてもよく、または非天然もしくは誘導ヌクレオチド塩基を含有していてもよい。そのような改変は、例えば、標識、メチル化、天然に存在するヌクレオチドの1つまたは複数の類似体での置換、無荷電結合(linkage)(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、カルバメート)、荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート)、ペンダント部分(例えば、ポリペプチド)、インターカレータ(例えば、アクリジン、ソラレン)、キレータ、アルキル化剤、および改変された結合(例えば、アルファアノマー核酸)を含む。改変されたヌクレオチドの例は当技術分野では公知である(例えば、非特許文献4;非特許文献5参照)。水素結合および他の化学的相互作用を介して指定された配列に結合するその能力でポリヌクレオチドを模倣する合成分子も含まれる。そのような分子は当技術分野では公知であり、例えば、ペプチド結合が分子の骨格中のリン酸結合の代わりをする分子を含む。他の改変は、例えば、リボース環が架橋部分または「ロックド」ポリヌクレオチドに見出される改変などの他の構造体を含有する類似物を含むことができる。
【0039】
本明細書で使用される用語「調製物」とは、組換え成分が発酵ブロスの1つまたは複数の他の成分から分離されると得られる調製物のことをいう。
【0040】
本明細書で使用される用語「タンパク質」とは、任意の長さのアミノ酸のポリマー形のこといいを、このポリマー形はコードおよび非コードアミノ酸、天然に存在するアミノ酸および天然に存在しないアミノ酸、化学的にまたは生化学的に改変されたまたは誘導体化されたアミノ酸、ならびに改変されたペプチド骨格を有するポリペプチドを含むことができる。
【0041】
本明細書で使用される用語「精製する」とは、組換えタンパク質が組換え微生物宿主細胞の細胞成分(例えば、膜脂質、染色体、タンパク質)から実質的に分離されていることをいう。前記用語は、組換えタンパク質が他の全ての化学物質から分離されていることを(たとえ認めるにしても)必要としない。
【0042】
本明細書で使用される用語「組換え微生物宿主細胞」とは、組換えポリヌクレオチドを含む微生物細胞をいう。そのような用語は、特定の対象細胞だけではなく、そのような細胞の子孫も指すことが意図されていることは理解されるべきである。突然変異または環境の影響のせいで、ある特定の改変が、続く世代で起こることがあるので、そのような子孫は親細胞と同一ではない場合があるが、それでも本明細書で使用される用語「組換え微生物宿主細胞」の範囲内に含まれる。
【0043】
本明細書で使用される用語「組換えポリヌクレオチド」とは、その天然に存在する環境から取り除かれたポリヌクレオチド、それが天然に見出される場合のポリヌクレオチドと境を接するまたは近接するポリヌクレオチドの全てまたは一部と関連していないポリヌクレオチド、自然界ではそれが連結されていないポリヌクレオチドに作動可能に連結されているポリヌクレオチド、または自然界には存在しないポリヌクレオチドのことをいう。前記用語は、例えば、クローニングされたDNA単離物、または化学的に合成されたヌクレオチド類似物を含むポリヌクレオチドを記述するのに使用することができる。ポリヌクレオチドは、それが天然に存在しない任意の遺伝子改変を含有する場合には、「組換え」とも見なされる。例えば、内在性ポリヌクレオチドは、それが、例えば、人の介入により人工的に導入される1つまたは複数のヌクレオチドの挿入、欠失、または置換を含有する場合には、「組換えポリヌクレオチド」と見なされる。そのような改変は、ポリヌクレオチドに点突然変異、置換突然変異、欠失突然変異、挿入突然変異、ミスセンス突然変異、フレームシフト突然変異、重複突然変異、増幅突然変異、転座突然変異、または反転突然変異を導入することができる。前記用語は、宿主細胞の染色体中のポリヌクレオチド、ならびに宿主細胞の染色体にないポリヌクレオチド(例えば、エピソームに含まれるポリヌクレオチド)を含む。
【0044】
本明細書で使用される用語「組換えタンパク質」とは、自然界でタンパク質を産生する細胞の種もしくは型と比べた場合、異なる種もしくは型の細胞において産生される、またはそれが自然界では産生されないレベルで細胞において産生されるタンパク質のことをいう。
【0045】
本明細書で使用される用語「ベクター」とは、核酸が連結されている別の核酸を輸送することができる核酸分子のことである。ベクターの1タイプは「プラスミド」であり、これは一般に、追加のDNAセグメントがライゲートされている場合がある環状二本鎖DNAループのことをいうが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅からまたは制限酵素を用いた環状プラスミドの処理から生じる分子などの線状二本鎖分子も含む。他のベクターは、コスミド、バクテリア人工染色体(BAC)および酵母人工染色体(YAC)を含む。ベクターの別のタイプは、ウイルスベクターであり、当該ベクターでは追加のDNAセグメントがウイルスゲノム中にライゲートされている場合がある(下においてさらに詳細に考察される)。ある特定のベクターは、それが導入されている宿主細胞において自律増殖することができる(例えば、宿主細胞において機能する複製起点を有するベクター)。他のベクターは、宿主細胞中に導入されると宿主細胞のゲノム中に組み込むことができ、それによって宿主ゲノムと一緒に複製される。
【0046】
本明細書で使用される用語「酵母」とは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)およびピキア・パストリス(Pichia pastoris)などのサッカロミセス目(Saccharomycetales)の生物のことをいう。酵母の栄養生長は、単細胞葉状体の出芽/小疱形成により起こり、炭素異化作用は発酵性の場合がある。
【0047】
組換え成分を含む食料製品を生産するための方法
一態様では、組換え成分を産生することができる組換え微生物宿主細胞(例えば、本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞のいずれか)により産生される組換え成分(例えば、本明細書で開示される組換え成分のいずれか)を含む食料製品を生産するための方法が提供され、この方法は、エステラーゼの活性(すなわち、エステラーゼ活性;例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)が本質的に除去されるまたはモジュレートされる少なくとも1つのステップを含む。
【0048】
一部の実施形態では、本発明は、組換え成分を産生する組換え微生物宿主細胞は典型的にはエステラーゼ活性も生じるという発見に基づいて、組換え成分(例えば、本明細書で開示される組換え成分のいずれか)を含む食料製品を生産するための1つまたは複数の方法を提供する。そのようなエステラーゼ活性は組換え成分と同時精製(co-purify)することができる。次に組換え成分を使用して食料製品を生産する場合、エステラーゼ活性は、食料製品に含有されるジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、および/またはリポタンパク質中のエステル結合を加水分解し、このようにして、食料製品中の遊離脂肪酸の生成を触媒することができる。
【0049】
上述したように、食料製品中の遊離脂肪酸の生成は、例えば、嫌な香りおよび/または味を生じ、乳濁液の形成を妨げ、テクスチャーに望ましくない効果を及ぼし、必須栄養素(例えば、ビタミン)と相互作用をして、それによって養分含量を減らし、貯蔵寿命を低減することにより有害効果を及ぼすことがある。食料製品中の遊離脂肪酸の生成は、例えば、所望の香味プロファイル(例えば、熟成チーズの香味プロファイル)を生じる、またはプロセスチーズで使用するための酵素処理チーズを作ることにより有益な効果を及ぼすこともある。
【0050】
一部の実施形態では、本発明は、組換え宿主細胞により生じるエステラーゼ活性は哺乳動物から産生される乳に含有されるエステラーゼ活性とは異なるという発見に基づいて、組換え成分(例えば、本明細書で開示される組換え成分のいずれか)を含む食料製品を生産するための1つまたは複数の方法を提供する。
【0051】
したがって、本発明の種々の実施形態は、組換え微生物宿主細胞により生じるエステラーゼ活性を本質的に除去するまたはモジュレートするための特定の方法を含む。組換え微生物宿主細胞により産生される組換え成分を含む食料製品中のエステラーゼ活性を本質的に除去するまたはモジュレートすることにより、本発明は、嫌な匂いおよび味の生成を妨げるもしくは遅らせる、乳濁液を形成する、養分含量を増やす、テクスチャーをモジュレートする、貯蔵寿命を延ばす、ならびに/または食料製品中の所望の香味プロファイルをもっと迅速に生成するための方法を提供する。
【0052】
一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法は、エステラーゼ活性が本質的に除去される少なくとも1つのステップを含む。
【0053】
一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法は、エステラーゼ活性を減らす少なくとも1つのステップを含む。一部のそのような実施形態では、エステラーゼ活性は、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%減少する。
【0054】
一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法は、エステラーゼ活性を増やす少なくとも1つのステップを含む。一部の実施形態では、エステラーゼ活性は、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、少なくとも500%、少なくとも600%、少なくとも700%、少なくとも800%、少なくとも900%、または少なくとも1,000%増加する。
【0055】
一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法は、第1のエステラーゼ活性を本質的に除去し、第2のエステラーゼ活性を減少させる少なくとも1つのステップを含む。一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法は、第1のエステラーゼ活性を本質的に除去し、第2のエステラーゼ活性を増加させる少なくとも1つのステップを含む。一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法は、第1のエステラーゼ活性を増加させ、第2のエステラーゼ活性を減少させる少なくとも1つのステップを含む。
【0056】
一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法は、エステラーゼの活性(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)が本質的に除去されるまたはモジュレートされる1つのステップを含む。
【0057】
一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法は、エステラーゼの活性(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)が本質的に除去されるまたはモジュレートされる2つまたはそれよりも多いステップ(例えば、2ステップ、3ステップ、4ステップ、5ステップ)(例えば、本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性、例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性を提供する本明細書で開示されるステップから選択される2つまたはそれよりも多いステップ)を含む。
【0058】
エステラーゼ活性を本質的に除去するまたはモジュレートする
食料製品を生産するための本明細書で提供される方法でエステラーゼ活性(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)が本質的に除去されるまたはモジュレートされる少なくとも1つのステップは、本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を提供するいかなるステップも含むことができる。
【0059】
一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法でエステラーゼ活性(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)が本質的に除去されるまたはモジュレートされる少なくとも1つのステップは、エステラーゼ活性を本質的に除去するまたはモジュレートするのに適切な条件下で組換え成分を産生することができる組換え微生物宿主細胞を培養するステップを含む。
【0060】
したがって、一部のそのような実施形態では、本明細書で提供される方法は、a)組換え成分(例えば、本明細書で開示される組換え成分のいずれか)を産生することができる組換え微生物宿主細胞を得るステップ;b)エステラーゼ活性を本質的に除去するまたはモジュレートするのに適切な条件下の培養培地、ならびに組換え成分および本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む発酵ブロスを得るための組換え成分の産生および/または分泌に適切な条件下の培養培地において組換え微生物宿主細胞を培養するステップ;c)必要に応じて発酵ブロスから組換え成分を精製して、組換え成分および本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む調製物を得るステップ;ならびにd)組換え成分および本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む発酵ブロスまたは調製物から食料製品を調製するステップを含む。
【0061】
エステラーゼ活性を本質的に除去するまたはモジュレートするのに適切な条件下の培養培地で組換え微生物宿主細胞を培養するのに適切な条件は、例えば、その下で組換え微生物宿主細胞がエステラーゼ活性のその生成を本質的に除去するまたはモジュレートする条件である。そのような条件の非限定的例は、適切なpH、適切な温度、適切な送り量、適切な圧力、適切な養分含量(例えば、適切な炭素含有量、適切な窒素含有量、適切なリン含有量)、適切な栄養補助剤含有量、適切な微量金属含有量、および/または適切な酸素添加レベルを含む。一部の実施形態では、組換え微生物宿主細胞がエステラーゼ活性のその生成を本質的に除去するまたはモジュレートする適切なpHは、2と7.5、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、または2.5の間;2.5と7.5、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、または3の間;3と7.5、6.5、6、5.5、5、4.5、4、または3.5の間;3.5と7.5、6.5、6、5.5、5、4.5、4の間;4と7.5、6.5、6、5.5、5、4.5の間;4.5と7.5、6.5、6、5.5、5の間;5と7.5、6.5、6、5.5の間;5.5と7.5、6.5、6の間;6と7.5、6.5の間;6.5と7.5、もしくは7の間;または7と7.5の間のpHである。一部の実施形態では、組換え微生物宿主細胞がエステラーゼ活性のその生成を本質的に除去するまたはモジュレートする培養培地中の適切な栄養補助剤内容物は消泡剤である。適切な消泡剤の非限定的例は、Struktol J 673 A(Schill&Seilacher GmbH、Hamburg、Germany)、Industrol DF204(BASF Canada、Inc.、Mississauga、Canada)、ポリグリコールP-2000(Dow、Midland、MI)、Hodag K-60K(Hodag Chemical Corp.、Chicago、IL)、およびErol DF6000K(PMC Ouvrie、Carvin、France)、ACP 1500(Dow Chemical Company、Midland、MI)、Antifoam 204(Sigma-Aldrich、St Louis、MO)、SAG 471(Momentive Performance Materials Inc.、Waterford、NY)、SAG 5693(Momentive Performance Materials Inc.、Waterford、NY)、SAG 710(Momentive Performance Materials Inc.、Waterford、NY)、SAG 730(Momentive Performance Materials Inc.、Waterford、NY)、シリコーン消泡剤、Struktol J647(Schill&Seilacher、Hamburg、Germany)、ならびにサンフラワーオイルを含む。
【0062】
一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法でエステラーゼ活性(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)が本質的に除去されるまたはモジュレートされる少なくとも1つのステップは、組換え成分を産生することができる組換え微生物宿主細胞の培養物から得られる発酵ブロスまたは調製物においてエステラーゼ活性を本質的に除去するまたはモジュレートするステップを含む。
【0063】
したがって、一部のそのような実施形態では、本明細書で提供される方法は、a)組換え成分(例えば、本明細書で開示される組換え成分のいずれか)を産生することができる組換え微生物宿主細胞を得るステップ;b)組換え成分を含む発酵ブロスを得るための組換え成分の産生および/または分泌に適切な条件下の培養培地において組換え微生物宿主細胞を培養するステップ;c)必要に応じて発酵ブロスから組換え成分を精製して組換え成分を含む調製物を得るステップ;d)発酵ブロスまたは調製物においてエステラーゼ活性を本質的に除去またはモジュレートして、組換え成分および本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む発酵ブロスまたは調製物を得るステップ;ならびにe)組換え成分および本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む発酵ブロスまたは調製物から食料製品を調製するステップを含む。
【0064】
発酵ブロスまたは調製物中のエステラーゼ活性は、例えば、発酵ブロスまたは調製物にエステラーゼ阻害剤を添加することにより、本質的に除去するまたはモジュレートすることができる。適切なエステラーゼ阻害剤の非限定的例は、合成阻害剤(例えば、ホスホネート、ボロン酸、脂質類似物)ならびに、例えば、セイヨウネズ(Juniperus communis)、ハナノキ(Illicium religiosum)、チクセツニンジン(Panax japonicus rhizomes)、チョウセンニンジン(Panax ginseng)、アメリカニンジン(Panax quinquefolius)、エゾウコギ(Acanthopanax senticosus)、チャノキ変種シネンシス(Camellia sinensis var.sinensis)、チャノキ変種アッサミカ(Camellia sinensis var.assamica)、ホウキギ(Kochia scoparia)、キキョウ(Platycodi radix)、コタラヒムブツ(Salacia reticulate)、ハス(Nelumbo nucifera)、ウンリュウヤナギ(Salix matsudana)、ナルコビエ(Eriochloa villosa)、コタラヒムブツ、タカネマツムシソウ(Scabiosa tschiliensis Grun)、およびマンシュウウコギ(Acanthopanax sessiliflorus)などの供給源から単離された天然の阻害剤(例えば、β-ラクトン(例えば、バリラクトン、エベラクトンA&B、およびビブララクトン)、マンノオリゴ糖、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、コリンエステラーゼ阻害剤、ポリフェノール、サポニン、パンクリシン、ヘスペリジン、カウレルペニン、プロアントシアニジン、オルリスタット(ゼニカル)、カルノシン酸、エスチン、クロシン、クロセチン、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、フェルロイルキナ酸、e-ポリリジン、キトサン、キチン質)を含む。一部のそのような実施形態では、エステラーゼ阻害剤は、活性のためにはpHおよび/またはイオン強度調整剤の添加を必要とする。
【0065】
発酵ブロスまたは調製物中のエステラーゼ活性は、例えば、エステラーゼの活性に必要な補因子および/またはエステラーゼ阻害剤の活性に必要な補因子を発酵ブロスまたは調製物から取り除くおよび/または発酵ブロスまたは調製物に添加することによっても、本質的に除去するまたはモジュレートすることができる。そのような補因子の非限定的例は、金属(例えば、カルシウムなどの二価カチオン)を含む。一部の実施形態では、二価カチオン(例えば、カルシウム)は二価カチオンをキレート剤に結合させることにより取り除かれる。適切なキレート剤の非限定的例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)である。
【0066】
発酵ブロスまたは調製物中のエステラーゼ活性は、例えば、熱または非熱処理によっても、本質的に除去するまたはモジュレートすることができる。熱処理の非限定的例は、低温殺菌および無菌化を含む。非熱処理の非限定的例は、高圧低温殺菌(すなわち、高圧処理、HPP)、超音波処理、パルス電界処理、および照射を含む。一部の実施形態では、発酵ブロスまたは調製物中のエステラーゼ活性は、発酵ブロスまたは調製物を高温で比較的短時間(例えば、85℃から90℃の温度で5分から10分間)インキュベートすることにより本質的に除去されるまたは低減される。
【0067】
一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法でエステラーゼ活性(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼのまたは本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)が本質的に除去されるまたはモジュレートされる少なくとも1つのステップは、組換え成分を産生することができる組換え微生物宿主細胞であって、本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む組換え微生物宿主細胞を得るステップを含む。
【0068】
したがって、一部のそのような実施形態では、本明細書で提供される方法は、a)組換え成分(例えば、本明細書で開示される組換え成分のいずれか)を産生することができる組換え微生物宿主細胞であって、対応する組換え微生物宿主細胞に含まれるエステラーゼ活性と比べて本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む組換え微生物宿主細胞を得るステップ;b)組換え成分および本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む発酵ブロスを得るための組換え成分の産生および/または分泌に適切な条件下の培養培地において組換え微生物宿主細胞を培養するステップ;c)必要に応じて発酵ブロスから組換え成分を精製して組換え成分を含む調製物を得るステップ;ならびにd)組換え成分および本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む発酵ブロスまたは調製物から食料製品を調製するステップを含む。
【0069】
エステラーゼ活性は、エステラーゼ(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼまたは本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せ)の発現(すなわち、活性タンパク質の産生)を本質的に除去するもしくはモジュレートすることにより、またはエステラーゼの活性を本質的に除去するもしくはモジュレートすることにより、組換え微生物宿主細胞において、本質的に除去するまたはモジュレートすることができる。組換え微生物宿主細胞においてエステラーゼの発現を本質的に除去するまたはモジュレートすることは、例えば、組換え微生物宿主細胞において、エステラーゼの発現が本質的に除去されるまたはモジュレートされるように、エステラーゼの発現を推進する制御配列(例えば、プロモーター配列、エンハンサー配列、シグナルペプチド、転写終結因子、または遺伝子の発現(すなわち、転写および/または翻訳)を制御する任意の他の配列)、またはそれらの機能的な部分(すなわち、制御配列の機能にとって十分である部分)を遺伝子改変することにより達成することができる。
【0070】
組換え微生物宿主細胞においてエステラーゼの発現を本質的に除去するまたはモジュレートすることは、例えば、組換え微生物宿主細胞において、エステラーゼの発現が本質的に除去されるまたはモジュレートされるように、エステラーゼの発現に必要なタンパク質の発現を推進する制御配列、もしくはその機能的な部分(例えば、転写因子(例えば、UniProt配列G0RX49、G0RHG1、A0A2T4B416、A0A2T4BJU6、A2R2J1、A2R903、G2Q2Z5、およびG2Q8I6から選択される配列と少なくとも50%同一である(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれよりも多い)アミノ酸配列を含むタンパク質)、エステラーゼの活性型の産生に必要な翻訳後修飾酵素)を遺伝子改変することにより、またはエステラーゼの発現に必要なタンパク質、もしくはその機能的な部分(例えば、転写因子のDNA結合ドメイン、翻訳後修飾酵素の触媒ドメイン)をコードするコード配列を遺伝子改変することによっても達成することができる。
【0071】
組換え微生物宿主細胞においてエステラーゼの発現を本質的に除去するまたはモジュレートすることは、例えば、組換え微生物宿主細胞中に、エステラーゼをコードするコード配列に相補的である、またはエステラーゼに特異的であるRNAi構築物をコードするヌクレオチド配列を含む組換えポリヌクレオチドを導入することによっても達成することができる。
【0072】
組換え微生物宿主細胞においてエステラーゼの発現または活性を本質的に除去するまたはモジュレートすることは、例えば、組換え微生物宿主細胞において、エステラーゼまたはその機能的な部分(例えば、触媒ドメイン)をコードするコード配列を遺伝子改変することによっても達成することができる。
【0073】
組換え微生物宿主細胞においてエステラーゼの活性を本質的に除去するまたはモジュレートすることは、例えば、エステラーゼの内在性阻害因子の発現および/もしくは活性が組換え微生物宿主細胞において本質的に除去されるもしくはモジュレートされるように、組換え微生物宿主細胞においてエステラーゼの内在性阻害因子の発現を推進する制御配列を遺伝子改変するおよび/もしくはエステラーゼの内在性阻害因子をコードするコード配列を遺伝子改変することにより、または組換え微生物宿主細胞にエステラーゼの異種阻害因子をコードする組換えポリヌクレオチドを導入することによっても達成することができる。
【0074】
遺伝子改変は、例えば、ヌクレオチド配列において1つまたは複数のヌクレオチドを導入する、置換する、または取り除くことにより生じることができる。例えば、1つまたは複数のヌクレオチドを挿入してもしくは取り除いて停止コドンを導入する、開始コドンを取り除く、オープンリーディングフレームのフレームシフトを挿入する、または点突然変異、ミスセンス突然変異、置換突然変異、欠失突然変異、フレームシフト突然変異、挿入突然変異、重複突然変異、増幅突然変異、転座突然変異、もしくは反転突然変異を作り出してもよい。
【0075】
微生物宿主細胞を遺伝子改変するための方法は当技術分野では周知であり、ランダム変異誘発およびスクリーニング、部位特異的変異誘発、PCR変異誘発、挿入変異、化学的突然変異生成(例えば、ヒドロキシルアミン、N-メチル-N’-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(MNNG)、N-メチル-N’-ニトロソグアニジン(NTG)、O-メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、エチルメタンスルホン酸(EMS)、重亜硫酸ナトリウム、蟻酸、ヌクレオチド類似物を使用して)、照射(例えば、紫外線(UV)照射)、コードもしくは非コードヌクレオチド配列の欠失、相同組換え、FLP/FRT組換え、遺伝子破壊、CRISPR遺伝子編集、および遺伝子変換を限定せずに含む。
【0076】
一部の実施形態では、食料製品を生産するための本明細書で提供される方法でエステラーゼ活性(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)が本質的に除去されるまたはモジュレートされる少なくとも1つのステップは、組換え微生物宿主細胞により生じるエステラーゼ活性から分離して組換え成分を精製するステップを含む。
【0077】
したがって、一部のそのような実施形態では、本明細書で提供される方法は、a)組換え成分(例えば、本明細書で開示される組換え成分のいずれか)を産生することができる組換え微生物宿主細胞を得るステップ;b)組換え成分を含む発酵ブロスを得るための組換え成分の産生および/または分泌に適切な条件下の培養培地において組換え微生物宿主細胞を培養するステップ;c)調製物が本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含むように、発酵ブロスから組換え成分を精製して組換え成分を含む調製物を得るステップ;ならびにd)組換え成分および本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む調製物から食料製品を調製するステップを含む。
【0078】
発酵ブロスから組換え成分を精製することは、組換え成分をエステラーゼと区別するまたは組換え成分とエステラーゼの間で共有されるいずれか1つの特性または特性の組合せに基づいて達成することができる。そのような特性の非限定的例は、サイズ、分子量、特定のプロテアーゼまたはプロテアーゼの組合せによる分解、等電点(pI)、電荷、熱不安定性/熱安定性、特定の分子に対する親和性、可溶性、pH安定性、疎水性、および親水性を含む。
【0079】
一部の実施形態では、組換え成分は、熱不安定性/熱安定性に基づいて精製される。一部のそのような実施形態では、組換え成分を含む発酵ブロス(例えば、澄ませた発酵ブロス(すなわち、細胞および細胞片を取り除いた発酵ブロス))または調製物は、エステラーゼが変性され溶液から沈澱するが組換え成分は構造的に完全で可溶性のままである温度まで加熱される。沈澱したエステラーゼはそれに続いて、1-g沈降、遠心分離による加速沈降、および/またはフィルターパッド、シート、もしくは膜を使用するデプス濾過またはタンジェンシャルフロー濾過を含むがこれらに限定されない種々の濾過技法を含むいかなる適切な方法によっても可溶性組換え成分から分離することができる。
【0080】
一部の実施形態では、組換え成分は、疎水性に基づいて精製される。一部のそのような実施形態では、適切なクロマトグラフ保持体は組換え成分を含む発酵ブロス(例えば、澄ませた発酵ブロス)または調製物に添加され、発酵ブロスまたは調製物のpHおよび/またはイオン強度は、エステラーゼまたは組換え成分(しかし両方ではない)がクロマトグラフ保持体に結合し(例えば、疎水性相互作用に基づいて)、それぞれ可溶性組換え成分またはエステラーゼを非結合部分に残すように調整される。適切なクロマトグラフ保持体の非限定的例は、フェニルセファロース、ブチルセファロース、およびオクチルセファロースを含む。結合したエステラーゼまたは組換え成分を有するクロマトグラフ保持体は、それに続いて、1-g沈降、遠心分離、または濾過を含むがこれらに限定されない当技術分野で公知のいかなる適切な方法によってでも、それぞれ可溶性の組換え成分またはエステラーゼから分離することができる。あるいは、クロマトグラフ保持体は、組換え成分を含む発酵ブロスまたは調製物を移動させる静止保持体(例えば、カラム中の吸着剤)であることが可能であり、組換え成分が非結合部分で得られ、エステラーゼがクロマトグラフ保持体に結合しているか、または組換え成分がクロマトグラフ保持体に結合しており、エステラーゼが非結合部分に残り、そして結合した組換え成分はそれに続いて、例えば、pHおよび/またはイオン強度を調整することによりクロマトグラフ保持体から放出される。
【0081】
一部の実施形態では、組換え成分は、荷電に基づいて精製される。一部のそのような実施形態では、対イオンまたはイオン交換樹脂またはナトリウム酸性塩が組換え成分を含む発酵ブロス(例えば、澄ませた発酵ブロス)または調製物に添加され、発酵ブロスまたは調製物のpHおよび/またはイオン強度は、対イオンまたはイオン交換樹脂またはナトリウム酸性塩が組換え成分またはエステラーゼと複合体を形成し、それぞれ可溶性エステラーゼまたは組換え成分を後に残すように調整される。複合体は、それに続いて、1-g沈降、遠心分離による加速沈降、および/またはフィルターパッド、シート、もしくは膜を使用するデプス濾過またはタンジェンシャルフロー濾過を含むがこれらに限定されない種々の濾過技法を含む、当技術分野で公知のいかなる適切な方法によっても単離することができる。組換え成分が対イオンまたはイオン交換樹脂またはナトリウム酸性塩と複合体化される実施形態では、組換え成分は、組換え成分と対イオンまたはイオン交換樹脂またはナトリウム酸性塩と互いに反発するように、pHおよび/またはイオン強度を調整することにより複合体から抽出することができる。
【0082】
一部の実施形態では、組換え成分は、pH安定性に基づいて精製される。一部のそのような実施形態では、組換え成分を含む発酵ブロス(例えば、澄ませた発酵ブロス)または調製物のpHは、エステラーゼが変性され溶液から沈澱して、可溶性組換え成分を後に残すように調整される。沈澱したエステラーゼはそれに続いて、1-g沈降、遠心分離による加速沈降、および/またはフィルターパッド、シート、もしくは膜を使用するデプス濾過またはタンジェントフロー濾過を含むがこれらに限定されない種々の濾過技法を含むがこれらに限定されないいかなる適切な方法によっても可溶性組換え成分から分離することができる。
【0083】
一部の実施形態では、組換え成分は、荷電、熱不安定性/熱安定性、疎水性、サイズ、分子量、pH安定性、等電点(pI)、特定の分子に対する親和性、および可溶性のうちの2つまたはそれよりも多くに基づいて精製され、分離のための種々の戦略は、連続して(例えば、荷電に基づいた分離続いて疎水性に基づく分離、疎水性に基づく分離続いてpH安定性に基づく分離)または同時に(例えば、pH安定性と熱不安定性/熱安定性に基づく分離、pH安定性と特定の分子に対する親和性に基づく分離、可溶性とpH安定性および/または熱不安定性/熱安定性および/またはpIに基づく分離)実施される。
【0084】
エステラーゼ活性
本明細書で提供される本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性(例えば、組換え成分を含む発酵ブロスもしくは調製物に含まれる、または組換え成分を産生することができる本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞に含まれる本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性)は、いずれか1つのエステラーゼのまたは少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、またはそれよりも多い)のエステラーゼの任意の組合せの本質的に除去されたまたはモジュレートされた活性であることが可能である。
【0085】
そのようなエステラーゼの非限定的例は、カルボキシエステルヒドロラーゼ(EC番号3.1.1)、リン酸ジエステルヒドロラーゼ(EC番号3.1.4)、エキソリボヌクレアーゼ(EC番号3.1.13)、カルボキシルエステラーゼ(EC番号3.1.1.1)、アリールエステラーゼ(EC番号3.1.1.2)、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC番号3.1.1.3)、ホスホリパーゼA2(EC番号3.1.1.4)、リゾホスホリパーゼ(EC番号3.1.1.5)、アセチルエステラーゼ(EC番号3.1.1.6)、アセチルコリンエステラーゼ(EC番号3.1.1.7)、ホスホリパーゼC(EC番号3.1.4.3)、ホスホリパーゼD(EC番号3.1.4.4)、ホスホイノシチドホスホリパーゼC(EC番号3.1.4.11)、ペクチンエステラーゼ(EC番号3.1.1.11)、グルコノラクトナーゼ(EC番号3.1.1.17)、アシルグリセロールリパーゼ(EC番号3.1.1.23)、3-オキソアジピン酸エノールラクトナーゼ(EC番号3.1.1.24)、1,4-ラクトナーゼ(EC番号3.1.1.25)、ガラクトリパーゼ(EC番号3.1.1.26)、ホスホリパーゼA1(EC番号3.1.1.32)、リポタンパク質リパーゼ(EC番号3.1.1.34)、セファロスポリン-Cデアセチラーゼ(EC番号3.1.1.41)、カルボキシメチレンブテノリダーゼ(EC番号3.1.1.45)、2-ピロン-4,6-ジカルボン酸ラクトナーゼ(EC番号3.1.1.57)、フェルロイルエステラーゼ(EC番号3.1.1.73)、クチナーゼ(EC番号3.1.1.74)、およびホルモン感受性リパーゼ(EC番号3.1.1.79)を含む。
【0086】
適切なカルボキシルエステルヒドロラーゼの非限定的例は、表1に収載されるカルボキシルエステルヒドロラーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0087】
【表1】

【0088】
一部の実施形態では、カルボキシルエステルヒドロラーゼは、UniProt配列G0RIU1、A2R1N7、G0RBM4、A0A2T4BBP9、G2Q379、A0A2T4AZ21、A2R8Z3、G0R9X3、A2QPC2、G0RCG3、A0A2T4BCL7、A0A2T4B416、およびA0A2T4BNI9から選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0089】
適切なリン酸ジエステルヒドロラーゼの非限定的例は、表1に収載されるリン酸ジエステルヒドロラーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0090】
適切なエキソリボヌクレアーゼの非限定的例は、表1に収載されるエキソリボヌクレアーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0091】
適切なカルボキシルエステラーゼの非限定的例は、表1に収載されるカルボキシルエステラーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0092】
適切なアリールエステラーゼの非限定的例は、表1に収載されるアリールエステラーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0093】
適切なトリアシルグリセロールリパーゼの非限定的例は、表1に収載されるトリアシルグリセロールリパーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。一部の実施形態では、トリアシルグリセロールリパーゼは、UniProt配列A2QM14およびA2R709から選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0094】
適切なホスホリパーゼA2の非限定的例は、表1に収載されるホスホリパーゼA2をコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0095】
適切なリゾホスホリパーゼの非限定的例は、表1に収載されるリゾホスホリパーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。一部の実施形態では、リゾホスホリパーゼは、UniProt配列G0RX90、G2Q0K1、A0A2T4B235、A2QC75およびA2QF42から選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0096】
適切なアセチルエステラーゼの非限定的例は、表1に収載されるアセチルエステラーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。一部の実施形態では、アセチルエステラーゼは、UniProt配列G0RHJ4、A0A2T4BJD9およびG2QL32から選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0097】
適切なアセチルコリンエステラーゼの非限定的例は、表1に収載されるアセチルコリンエステラーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0098】
適切なホスホリパーゼCの非限定的例は、表1に収載されるホスホリパーゼCをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。一部の実施形態では、ホスホリパーゼCは、UniProt配列G0REM9、A0A2T4BFY3およびA2QAD7から選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0099】
適切なホスホリパーゼDの非限定的例は、表1に収載されるホスホリパーゼDをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0100】
適切なホスホイノシチドホスホリパーゼCの非限定的例は、表1に収載されるホスホイノシチドホスホリパーゼCをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0101】
適切なペクチンエステラーゼの非限定的例は、表1に収載されるペクチンエステラーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0102】
適切なグルコノラクトナーゼの非限定的例は、表1に収載されるグルコノラクトナーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0103】
適切なアシルグリセロールリパーゼの非限定的例は、表1に収載されるアシルグリセロールリパーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0104】
適切な3-オキソアジピン酸エノールラクトナーゼの非限定的例は、表1に収載される3-オキソアジピン酸エノールラクトナーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0105】
適切な1,4-ラクトナーゼの非限定的例は、表1に収載される1,4-ラクトナーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0106】
適切なガラクトリパーゼの非限定的例は、表1に収載されるガラクトリパーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0107】
適切なホスホリパーゼA1の非限定的例は、表1に収載されるホスホリパーゼA1をコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0108】
適切なリポタンパク質リパーゼの非限定的例は、表1に収載されるリポタンパク質リパーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0109】
適切なセファロスポリン-Cデアセチラーゼの非限定的例は、表1に収載されるセファロスポリン-Cデアセチラーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0110】
適切なカルボキシメチレンブテノリダーゼの非限定的例は、表1に収載されるカルボキシメチレンブテノリダーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0111】
適切な2-ピロン-4,6-ジカルボン酸ラクトナーゼの非限定的例は、表1に収載される2-ピロン-4,6-ジカルボン酸ラクトナーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0112】
適切なフェルロイルエステラーゼの非限定的例は、表1に収載されるフェルロイルエステラーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0113】
適切なクチナーゼの非限定的例は、表1に収載されるクチナーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。一部の実施形態では、クチナーゼは、UniProt配列G0RH85、A2QBP1、A0A2T4BJB5、A5ABE6、A2R2W3およびG2QH51から選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0114】
適切なホルモン感受性リパーゼの非限定的例は、表1に収載されるホルモン感受性リパーゼをコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0115】
追加の適切なエステラーゼの非限定的例は、表1に収載される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼ、および表2に収載されるInterProドメインのいずれか1つに少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むエステラーゼを含む。
【0116】
【表2】

【0117】
本明細書で開示されるエステラーゼは、本明細書で開示されるエステラーゼの保存的に改変された変異体であるエステラーゼを含む。本明細書で使用される用語「保存的に改変された変異体」とは、コードされたアミノ酸配列への個別の置換、欠失、または付加のことであり、これによりアミノ酸が化学的に類似するアミノ酸で置換される。機能的に類似するアミノ酸を提供する保存的置換表は当技術分野では周知である。本明細書で開示されるエステラーゼは、本明細書で開示されるエステラーゼの多形変異体、種間相同物、および対立遺伝子をさらに含む。
【0118】
本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性(例えば、組換え成分を含む発酵ブロスもしくは調製物に含まれる、または組換え成分を産生することができる本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞に含まれる本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性)が、少なくとも2つのエステラーゼの本質的に除去されたまたはモジュレートされた活性を含む実施形態では、そのような少なくとも2つのエステラーゼは、1つまたは複数(例えば、2つまたはそれよりも多い、3つまたはそれよりも多い、4つまたはそれよりも多い、5つまたはそれよりも多い、6つまたはそれよりも多い、7つまたはそれよりも多い、8つまたはそれよりも多い、9つまたはそれよりも多い、10個またはそれよりも多い、11個またはそれよりも多い、12個またはそれよりも多い、等)の任意のエステラーゼ(例えば、本明細書で提供される任意のエステラーゼ)を含むことができる。
【0119】
そのようなエステラーゼの非限定的例は、カルボキシルエステルヒドロラーゼ(EC番号3.1.1)、リン酸ジエステルヒドロラーゼ(EC番号3.1.4)、エキソリボヌクレアーゼ(EC番号3.1.13)、カルボキシルエステラーゼ(EC番号3.1.1.1)、アリールエステラーゼ(EC番号3.1.1.2)、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC番号3.1.1.3)、ホスホリパーゼA2(EC番号3.1.1.4)、リゾホスホリパーゼ(EC番号3.1.1.5)、アセチルエステラーゼ(EC番号3.1.1.6)、アセチルコリンエステラーゼ(EC番号3.1.1.7)、ホスホリパーゼC(EC番号3.1.4.3)、ホスホリパーゼD(EC番号3.1.4.4)、ホスホイノシチドホスホリパーゼC(EC番号3.1.4.11)、ペクチンエステラーゼ(EC番号3.1.1.11)、グルコノラクトナーゼ(EC番号3.1.1.17)、アシルグリセロールリパーゼ(EC番号3.1.1.23)、3-オキソアジピン酸エノールラクトナーゼ(EC番号3.1.1.24)、1,4-ラクトナーゼ(EC番号3.1.1.25)、ガラクトリパーゼ(EC番号3.1.1.26)、ホスホリパーゼA1(EC番号3.1.1.32)、リポタンパク質リパーゼ(EC番号3.1.1.34)、セファロスポリン-Cデアセチラーゼ(EC番号3.1.1.41)、カルボキシメチレンブテノリダーゼ(EC番号3.1.1.45)、2-ピロン-4,6-ジカルボン酸ラクトナーゼ(EC番号3.1.1.57)、フェルロイルエステラーゼ(EC番号3.1.1.73)、クチナーゼ(EC番号3.1.1.74)、ホルモン感受性リパーゼ(EC番号3.1.1.79)、およびそれらの組合せを含む。
【0120】
それらのそのような組合せの非限定的例は:1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;エステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のリゾホスホリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼC;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼC;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼC;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のホスホリパーゼC;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2およびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つ
または複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のGDSLリパーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは
複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼA2およびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のホスホリパーゼCおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよび1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のGDSLリパーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子および1つまたは複数の他のカルボキシルエステルヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは
複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のリゾホスホリパーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼC;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のトリアシルグリセロールリパーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のホスホリパーゼC;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2および1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼA2およびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼCおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼCおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルキシランエステラーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質および1つまたは複数のアセチルエステラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質および1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質および1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数の細胞外リパーゼ様タンパク質およびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアセチルエステラーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼ;1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のGDSLリパーゼおよびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子;ならびに1つまたは複数のクチナーゼおよび1つまたは複数のアルファ/ベータヒドロラーゼフォールドドメイン含有タンパク質およびエステラーゼの発現を調節する1つまたは複数の転写因子を含む。
【0121】
食料製品を生産するための本明細書で提供される方法の少なくとも1つのステップにおいて、または組換え成分を含む本明細書で提供される発酵ブロスもしくは調製物において、または組換え成分を産生することができる本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞においてその活性が本質的に除去またはモジュレートされなければならないエステラーゼの適切な数および/または組合せは当技術分野で公知の方法により特定することができる。例えば、エステラーゼは、当技術分野で公知の方法(例えば、アフィニティークロマトグラフィー、ザイモグラムアッセイ、ゲル電気泳動)により単離し、in vitroで試験して、少なくとも2つのエステラーゼのうちのどちらの1つがまたはどちらの組合せが、特定のジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、またはリポタンパク質の相当量の分解を提供するのかを判定することができる。その上、組換え成分(例えば、本明細書で開示される任意の組換え成分)を産生することができ、少なくとも2つのエステラーゼのいずれか1つまたは任意の組合せにおいて本質的に除去されたまたはモジュレートされた活性を含む組換え微生物宿主細胞を得ることができ、それぞれのそのような組換え微生物宿主細胞により産生される組換え成分を含む食料製品の脂質分解の低減または除去の程度は当技術分野で公知の方法により測定することができる。
【0122】
一部の実施形態では、組換え成分を含む本明細書で提供される発酵ブロスもしくは調製物、または組換え成分を産生することができる本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、特定の食料製品の生産に有用であるエステラーゼ活性の特定のプロファイル(すなわち、エステラーゼ活性プロファイル)を提供するエステラーゼ活性の組合せおよび/またはレベルを含む。一部のそのような実施形態では、エステラーゼ活性プロファイルは、食料製品の所望の風味、香り、テクスチャー、乳化、栄養内容物、および/または貯蔵寿命を提供するよう最適化される。
【0123】
エステラーゼ活性は、酵素アッセイを使用して測定することができる。例えば、酵素活性は、比色反応生成物または、例えば、PAGEゲル、分光光度計、画像化、UV/Vis、光、およびHPLCを使用して検出することができる生成物(例えば、トリグリセリドのエステラーゼ触媒加水分解から生成される遊離脂肪酸および/またはグリセロール)の産生により決定することができる。
【0124】
組換え成分を産生し本質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む組換え微生物宿主細胞
別の態様では、組換え成分を産生することができ、対応する組換え微生物宿主細胞に含まれるエステラーゼ活性と比べて本質的に除去されているまたはモジュレートされているエステラーゼ活性(例えば、本明細書で開示される任意の1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)を含む組換え微生物宿主細胞が本明細書で提供される。
【0125】
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞に含まれるエステラーゼ活性は、いかなる手段によっても本質的に除去するまたはモジュレートすることができる。一部の実施形態では、エステラーゼ活性は、エステラーゼの発現(すなわち、活性タンパク質の産生)を本質的に除去するもしくはモジュレートすることにより、またはエステラーゼの活性を本質的に除去するもしくはモジュレートすることにより本質的に除去されるまたはモジュレートされる。したがって、さまざまな実施形態では、本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、a)エステラーゼの発現を推進する制御配列、もしくはその機能的部分(すなわち、制御配列の機能にとって十分である部分)(例えば、プロモーター配列、エンハンサー配列、シグナルペプチド、転写終結因子、または遺伝子の発現(すなわち、転写および/または翻訳)を制御する任意の他の配列)の遺伝子改変(ここで、遺伝子改変はエステラーゼの発現を本質的に除去するもしくはモジュレートする);b)エステラーゼもしくはその機能的部分(例えば、触媒ドメイン)をコードするコード配列の遺伝子改変(ここで、遺伝子改変はエステラーゼの活性を本質的に除去するもしくはモジュレートする);c)エステラーゼの発現に必要なタンパク質(例えば、転写因子、エステラーゼの活性型の産生に必要な翻訳後修飾酵素)の発現を推進する制御配列、もしくはその機能的部分(すなわち、制御配列の機能にとって十分である部分)の遺伝子改変(ここで、遺伝子改変はエステラーゼの発現に必要なタンパク質の発現を本質的に除去するもしくはモジュレートし、それによってエステラーゼの発現を本質的に除去するもしくはモジュレートする);d)エステラーゼの発現に必要なタンパク質もしくはその機能的部分(例えば、転写因子のDNA結合ドメイン、翻訳後修飾酵素の触媒ドメイン)をコードするコード配列の遺伝子改変(ここで、遺伝子改変はエステラーゼの発現に必要なタンパク質の活性を本質的に除去するもしくはモジュレートし、それによってエステラーゼの発現を本質的に除去するもしくはモジュレートする);e)エステラーゼの内在性阻害因子の発現を推進する制御配列、もしくはその機能的部分(すなわち、制御配列の機能にとって十分な部分)の遺伝子改変(ここで、遺伝子改変は内在性阻害因子の発現を本質的に除去するもしくはモジュレートし、それによってエステラーゼの発現を本質的に除去するもしくはモジュレートする);f)エステラーゼの内在性阻害因子をコードするコード配列の遺伝子改変(ここで、遺伝子改変は内在性阻害因子の活性を本質的に除去するもしくはモジュレートし、それによってエステラーゼの発現を本質的に除去するもしくはモジュレートする);および/またはg)エステラーゼの異種(すなわち、非天然の)阻害因子をコードするコード配列を導入する遺伝子改変(ここで、遺伝子改変は異種阻害因子の産生を提供し、それによってエステラーゼの発現を本質的に除去するもしくはモジュレートする)を含む。
【0126】
遺伝子改変は、例えば、ポリヌクレオチド配列における1つまたは複数のヌクレオチドの挿入、置換、または欠失からなることが可能である。遺伝子改変は、例えば、停止コドンを導入する;開始コドンを移動させる;オープンリーディングフレームのフレームシフトを挿入する;または点突然変異、ミスセンス突然変異、置換突然変異、欠失突然変異、フレームシフト突然変異、挿入突然変異、重複突然変異、増殖突然変異、転座突然変異、もしくは反転突然変異を作成することができる。
【0127】
一部の実施形態では、本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、エステラーゼ(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼまたは本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せ)をコードするコード配列に相補的である、エステラーゼに対して特有のRNAi構築物をコードする、またはエステラーゼ活性の異種阻害因子をコードするヌクレオチド配列を含む組換えポリヌクレオチドを含む。
【0128】
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞が、エステラーゼの発現に必要なタンパク質の発現または活性を本質的に除去するもしくはモジュレートする遺伝子改変を含む一部の実施形態では、エステラーゼの発現に必要なそのようなタンパク質はエステラーゼの発現を調節する転写因子である。一部のそのような実施形態では、エステラーゼの発現を調節する転写因子は、表1に収載されるエステラーゼの発現を調節する転写因子をコードする配列のいずれかから選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部のそのような実施形態では、エステラーゼの発現を調節する転写因子は、UniProt配列G0RX49、G0RHG1、A0A2T4B416、A0A2T4BJU6、A2R2J1、A2R903、G2Q2Z5、およびG2Q8I6から選択される配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部のそのような実施形態では、本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、1つまたは複数のエステラーゼの発現を調節する少なくとも2つの転写因子の組合せの発現または活性を本質的に除去するまたはモジュレートする1つまたは複数の遺伝子改変を含む。
【0129】
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、組換え成分を産生することができ、対応する組換え微生物宿主細胞に含まれるエステラーゼ活性と比べて、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%低減されているエステラーゼ活性(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)を含む。一部のそのような実施形態では、本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、本質的に除去されたエステラーゼ活性を含む。他の実施形態では、本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、組換え成分を産生することができ、対応する組換え微生物宿主細胞に含まれるエステラーゼ活性と比べて少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、少なくとも500%、少なくとも600%、少なくとも700%、少なくとも800%、少なくとも900%、または少なくとも1,000%増加しているエステラーゼ活性(例えば、本明細書で開示されるいずれか1つのエステラーゼの活性または本明細書で開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)を含む。
【0130】
微生物宿主細胞
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、いかなる微生物細胞にでも由来することが可能である。一部の実施形態では、本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、組換え細菌宿主細胞である。組換え細菌宿主細胞は、当技術分野で公知であるいかなる細菌株にでも由来することが可能である。細菌株の非限定的例は、ファーミキューテス門、シアノバクテリア(ラン藻類)、オシラトリオフシデア(oscillatoriophcideae)、バチルス目、ラクトバチルス目、ユレモ目、バチルス科、ラクトバチルス科、アセトバクター・スボキシダンス(Acetobacter suboxydans)、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)、アクチノプラネス属放線菌(Actinoplanes missouriensis)、アルスロスピラ・プラテンシス(Arthrospira platensis)、アルスロスピラ・マキシマ(Arthrospira maxima)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、大腸菌(Escherichia coli)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラクチス・ランスフィールドN群(Lactococcus lactis Lancefield Group N)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ロイコノストック・シトロボルム(Leuconostoc citrovorum)、ロイコノストック・デキストラニカム(Leuconostoc dextranicum)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)株NRRL B-512(F)、マイクロコッカス・リゾデイクティカス(Micrococcus lysodeikticus)、スピルリナ属(Spirulina)、クレモリス菌(Streptococcus cremoris)、ストレプトコッカス・ラクチス(Streptococcus lactis)、ストレプトコッカス・ラクティス亜種ジアセチラクチス(Streptococcus lactis subspecies diacetylactis)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトマイセス・チャタノオゲンシス(Streptomyces chattanoogensis)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、ストレプトマイセス・ナタレンシス(Streptomyces natalensis)、ストレプトマイセス・オリバセウス(Streptomyces olivaceus)、ストレプトマイセス・オリボクロモゲネス(Streptomyces olivochromogenes)、ストレプトマイセス・ルビギノーサス(Streptomyces rubiginosus)、テトラヒメナ・サーモフィル(Tetrahymena thermophile)、テトラヒメナ・ヘゲウィスキ(Tetrahymena hegewischi)、テトラヒメナ・ヒペラングラリス(Tetrahymena hyperangularis)、テトラヒメナ・マラセンシス(Tetrahymena malaccensis)、テトラヒメナ・ピグメントーサ(Tetrahymena pigmentosa)、テトラヒメナ・ピリフォルミス(Tetrahymena pyriformis)、およびテトラヒメナ・ボラックス(Tetrahymena vorax)、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、ならびにそれらの派生物および交雑種を含む。
【0131】
一部の実施形態では、本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は組換え酵母宿主細胞である。組換え酵母宿主細胞は、当技術分野で公知のいかなる酵母株にでも由来することが可能である。酵母株の非限定的例は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・エチェルシー(Candida etchellsii)、カンジダ・ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)、カンジダ・フミリス(Candida humilis)、カンジダ・リポリティカ(Candida lipolytica)、カンジダ・シュードトロピカリス(Candida pseudotropicalis)、トルラ酵母(Candida utilis)、カンジダ・バーサチリス(Candida versatilis)、デバリオミセス・ハンゼニー(Debaryomyces hansenii)、エレモテシウム・アシュビー(Eremothecium ashbyii)、ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クリベロマイセス菌種(Kluyveromyces sp.)、クリベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クリベロマイセス・マルキシアナス(Kluyveromyces marxianus)、クリベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)、ピキア菌種(Pichia sp.)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・フィンランディカ(Pichia finlandica)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)、ピキア・コクラマエ(Pichia koclamae)、ピキア・メンブラネファシエンス(Pichia membranaefaciens)、ピキア・ミヌタ(Pichia minuta)(オガタエア・ミヌタ(Ogataea minuta)、ピキア・リンドネリ(Pichia lindneri))、ピキア・オプンチアエ(Pichia opuntiae)、ピキア・テルモトレランス(Pichia thermotolerans)、ピキア・サリクタリア(Pichia salictaria)、ピキア・グエルクウム(Pichia guercuum)、ピキア・ピジュペリ(Pichia pijperi)、ピキア・スチプチス(Pichia stiptis)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ロドトルラ菌種(Rhodotorula sp.)、サッカロマイセス菌種(Saccharomyces sp.)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、サッカロマイセス・ベティカス(Saccharomyces beticus)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロマイセス・ディアスタティクス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・エリプソイデウス(Saccharomyces ellipsoideus)、サッカロマイセス・イグジグース(Saccharomyces exiguus)、サッカロマイセス・フロレンチヌス(Saccharomyces florentinus)、サッカロマイセス・フラジリス(Saccharomyces fragilis)、ビール酵母(Saccharomyces pastorianus)、分裂酵母(Saccharomyces pombe)、清酒酵母(Saccharomyces sake)、サッカロマイセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum)、カンキツにせ黄斑病菌(Sporobolomyces roseus)、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、チゴサッカロミセス・ルーキシィ(Zygosaccharomyces rouxii)、ならびにそれらの派生物および交雑種を含む。
【0132】
一部の実施形態では、本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、組換え糸状菌宿主細胞である。組換え糸状菌宿主細胞は、その任意のホロモルフィック、テレモルフィック、またはアナモルフィック形を含む、当技術分野で公知である任意の糸状菌株を由来とすることができる。糸状菌株の非限定的例は、アクレモニウム属(Acremonium)、アスペルギルス属(Aspergillus)、アウレオバシジウム属(Aureobasidium)、カナリオマイセス属(CAnariomyces)、ケトニウム属(Chaetonium)、ケトミジウム属(Chaetomidium)、コリナスカス属(Corynascus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、クリソスポリウム属(Chrysosporium)、コネメリア属(Coonemeria)、ダクチロミセス属(Dactylomyces)、エメリセラ属(Emericella)、フィロバシディウム属(Filibasidium)、フザリウム属(Fusarium)、ジベレラ属(Gibberella)、ヒューミコラ属(Humicola)、レンチヌラ属(Lentinula)、マグナポルテ属(Magnaporthe)、マルブランチウム属(Malbranchium)、メラノカルパス属(Melanocarpus)、ムコール属(Mucor)、マイセリオフトーラ属(Myceliophthora)、ミロテシウム属(Myrothecium)、ネオカリマスティクス属(Neocallimastix)、ニューロスポラ属(Neurospora)、ペシロマイセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属(Penicillium)、ファネロケーテ属(Phanerochaete)、フレビア属(Phlebia)、ピロミセス属(Piromyces)、リゾプス属(Rhizopus)、シゾフィラム属(Schizophyllum)、スキタリジウム属(Scytalidium)、スポロトリクム属(Sporotrichum)、ステレウム属(Stereum)、タラロミセス属(Talaromyces)、サーモアスカス属(Thermoascus)、サーモマイセス属(Thermomyces)、ティエラビア属(Thielavia)、トリポクラディウム属(Tolypocladium)、およびトリコデルマ属(Trichoderma)株を含む。
【0133】
アクレモニウム属株の非限定的例は、アクレモニウム・アラバメンセ(Acremonium alabamense)を含む。アスペルギルス属株の非限定的例は、アスペルギルス・アクレアタス(Aspergillus aculeatus)、アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・クラバタス(Aspergillus clavatus)、黄色コウジ菌(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フェチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)、偽巣性コウジ菌(Aspergillus nidulans)、クロコウジカビ(Aspergillus niger)、クロコウジカビ変種アワモリ(Aspergillus niger var. awamori)、コウジカビ(Aspergillus oryzae)、ショウユコウジカビ(Aspergillus sojae)、およびアスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、ならびに、エメリセラ属(Emericella)、ネオサルトリア属(Neosartorya)、およびペトロマイセス種(Petromyces species)を含む。クリソスポリウム属株の非限定的例は、クリソスポリウム・ボトリオイデス(Chrysosporium botryoides)、クリソスポリウム・カリミカエリ(Chrysosporium carmichaeli)、クリソスポリウム・クラッシツニカタム(Chrysosporium crassitunicatum)、クリソスポリウム・オイローパ(Chrysosporium europae)、クリソスポリウム・エボルセアンヌイ(Chrysosporium evolceannui)、クリソスポリウム・ファリニコーラ(Chrysosporium farinicola)、クリソスポリウム・ファスチジウム(Chrysosporium fastidium)、クリソスポリウム・フィリホルメ(Chrysosporium filiforme)、クリソスポリウム・ゲオルギエ(Chrysosporium georgiae)、クリソスポリウム・グロビフェルム(Chrysosporium globiferum)、クリソスポリウム・グロビフェルム変種アーティクラタム(Chrysosporium globiferum var.articulatum)、クリソスポリウム・グロビフェルム変種ニベウム(Chrysosporium globiferum var.niveum)、クリソスポリウム・ヒルンド(Chrysosporium hirundo)、クリソスポリウム・ヒスパニクム(Chrysosporium hispanicum)、クリソスポリウム・ホルミー(Chrysosporium holmii)、クリソスポリウム・インジクム(Chrysosporium indicum)、クリソスポリウム・イオプス(Chrysosporium iops)、クリソスポリウム・ケラティノフィラム(Chrysosporium keratinophilum)、クリソスポリウム・クレイセリー(Chrysosporium kreiselii)、クリソスポリウム・クズロビアヌム(Chrysosporium kuzurovianum)、クリソスポリウム・リグノラム(Chrysosporium lignorum)、クリソスポリウム・オバタム(Chrysosporium obatum)、クリソスポリウム・ラクノウェンス(Chrysosporium lucknowense)、クリソスポリウム・ラクノウェンスガーグ27K(Chrysosporium lucknowense Garg 27K)、クリソスポリウム・メディウム(Chrysosporium medium)、クリソスポリウム・メディウム変種スピッセセンス(Chrysosporium medium var.spissescens)、クリソスポリウム・メフィチクム(Chrysosporium mephiticum)、クリソスポリウム・メルダリウム(Chrysosporium merdarium)、クリソスポリウム・メルダリウム変種ロゼウム(Chrysosporium merdarium var.roseum)、クリソスポリウム・マイナー(Chrysosporium minor)、クリソスポリウム・パンニコーラ(Chrysosporium pannicola)、クリソスポリウム・パルブム(Chrysosporium parvum)、クリソスポリウム・パルブム変種クレッセンス(Chrysosporium parvum var.crescens)、クリソスポリウム・ピロスム(Chrysosporium pilosum)、クリソスポリウム・プソイドメルダリウム(Chrysosporium pseudomerdarium)、クリソスポリウム・ピリホルミス(Chrysosporium pyriformis)、クリソスポリウム・クイーンスランジクム(Chrysosporium queenslandicum)、クリソスポリウム・シグレリ(Chrysosporium sigleri)、クリソスポリウム・スルフレウム(Chrysosporium sulfureum)、クリソスポリウム・シンクロヌム(Chrysosporium synchronum)、クリソスポリウム・トロピクム(Chrysosporium tropicum)、クリソスポリウム・アンダラタム(Chrysosporium undulatum)、クリソスポリウム・バルレナレンズ(Chrysosporium vallenarense)、クリソスポリウム・ヴェスペルティリオ(Chrysosporium vespertilium)、およびクリソスポリウム・ゾナタム(Chrysosporium zonatum)を含む。
【0134】
フザリウム属株の非限定的例は、フザリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・プロリフェラツム(Fusarium proliferatum)、フザリウム・ベルチシリオイデス(Fusarium verticiollioides)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・クルークウェレンセ(Fusarium crookwellense)、フザリウム・ポアエ(Fusarium poae)、フザリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・サムブシヌム(Fusarium sambuccinum)、およびフザリウム・トルロスム(Fusarium torulosum)、ならびに、その関連ジベレラ属テレモルフィック形を含む。マイセリオフトーラ属株の非限定的例は、マイセリオフトーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)を含む。ムコール属株の非限定的例は、ムコール・ミエヘイ変種クーニイエトエマーソン(Mucor miehei var. Cooney et Emerson)(リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)(Cooney&R.Emerson))Schipper、およびムコール・プシルス(Mucor pusillus)Lindtを含む。ニューロスポラ属株の非限定的例は、アカパンカビ(Neurospora crassa)を含む。
【0135】
ペニシリウム属株の非限定的例は、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)およびペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roquefortii)を含む。リゾプス属株の非限定的例は、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)を含む。スポロトリクム属株の非限定的例は、スポロトリクム・セルロフィラム(Sporotrichum cellulophilum)を含む。ティエラビア属株の非限定的例は、ティエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)を含む。トリコデルマ属株の非限定的例は、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギー(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、トリコデルマ・ビレンス(Trichoderma virens)、トリコデルマ・シトリノビリデ(Trichoderma citrinoviride)、およびトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、ならびに、その代替の有性/テレモルフィック形(すなわち、ヒポクレア種)を含む。
【0136】
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、胞子形成能があるまたは胞子形成欠損性が可能である。
【0137】
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、野生型微生物細胞由来またはその遺伝子変異体(例えば、突然変異体)由来が可能である。
【0138】
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、食品医薬品局合格証(GRAS)工業菌株由来が可能である。
【0139】
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、高い外来性分泌タンパク質/バイオマス比を有することが可能である。一部のそのような実施形態では、その比は、約1対1よりも大きい、約2対1よりも大きい、約3対1よりも大きい、約4対1よりも大きい、約5対1よりも大きい、約6対1よりも大きい、約7対1よりも大きい、または約8対1よりも大きい。
【0140】
一部の実施形態では、エステラーゼのまたは少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、またはそれよりも多い)のエステラーゼの組合せの本質的に除去されたまたはモジュレートされた活性を含む本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、エステラーゼのまたは少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、またはそれよりも多い)のエステラーゼの組合せの本質的に除去されたまたはモジュレートされた活性を含む組換えトリコデルマ・リーゼイ宿主細胞(すなわち、トリコデルマ・リーゼイ株に由来する組換え宿主細胞)、エステラーゼのまたは少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、またはそれよりも多い)のエステラーゼの組合せの本質的に除去されたまたはモジュレートされた活性を含む組換えクロコウジカビ宿主細胞(すなわち、クロコウジカビ株に由来する組換え宿主細胞)、エステラーゼのまたは少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、またはそれよりも多い)のエステラーゼの組合せの本質的に除去されたまたはモジュレートされた活性を含む組換えトリコデルマ・シトリノビリデ宿主細胞(すなわち、トリコデルマ・シトリノビリデ株に由来する組換え宿主細胞)、およびエステラーゼのまたは少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、またはそれよりも多い)のエステラーゼの組合せの本質的に除去されたまたはモジュレートされた活性を含む組換えマイセリオフトーラ・サーモフィラ宿主細胞(すなわち、マイセリオフトーラ・サーモフィラ株に由来する組換え宿主細胞)からなる群から選択される。
【0141】
組換え成分
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、組換え成分を産生することができる。組換え成分の非限定的例は、タンパク質、脂質、炭水化物、小分子、食品添加物、栄養補助食品(例えば、ビタミン)、機能性食品、およびプロバイオティクスを含む。
【0142】
一部の実施形態では、組換え成分は組換えタンパク質である。一部の実施形態では、組換えタンパク質は組換え植物タンパク質である。本明細書で使用される用語「植物タンパク質」とは、植物に天然に見出されるタンパク質(すなわち、植物細胞原産であるタンパク質)中のアミノ酸の配列と少なくとも80%同一である(例えば、少なくとも80%同一である、少なくとも85%同一である、少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一である、少なくとも99%同一である、100%同一である)少なくとも20アミノ酸(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも150、および通常は250以下のアミノ酸)の配列を含むポリペプチドのことをいう。植物タンパク質の非限定的例は、ソテツ、イチョウ、針葉樹、糸杉、ビャクシン、クロベ属、スギ材、マツ、アンゼリカ、ヒメウイキョウ、コリアンダー、クミン、ウイキョウ、パセリ、ディル、タンポポ、ムギワラギク属、マリゴールド、ヨモギ、ベニバナ、カモミール、レタス、ニガヨモギ、キンセンカ属、シトロネラソウ、セージ、タイム、チャシード、カラシナ、オリーブ、コーヒー、トウガラシ、ナス、パプリカ、クランベリー、キーウィ、野菜植物(例えば、ニンジン、セロリ)、タゲテス属、エゾヨモギギク、タラゴン、ヒマワリ、イチャクソウ、バジル、ヒソップ、ラベンダー、レモンバーベナ、マージョラム、セイヨウヤマハッカ属、パチョリ、ボレイハッカ、セイヨウハッカ、マンネンロウ、ゴマ、スペアミント、イチゲサクラソウ、翼果、トウガラシ、ピメント、ジャガイモ、サツマイモ、トマト、ブルーベリー、イヌホウズキ、ペチュニア、アサガオ、ライラック、ジャスミン、スイカズラ、キンギョソウ、サイリウム、アリタソウ、ソバ、アマランス、フダンソウ、キノア、ホウレンソウ、ルバーブ、ジョジョバ、キプセレア属、クロレラ、マルラ、ヘーゼルナッツ、キャノーラ、ケール、チンゲンサイ、ルタバガ、フランキンセンス、ミルラ、エレミ、タイマ、カボチャ、スカッシュ、ウル科、マニオク、ダルベルギア属、マメ科植物(例えば、アルファルファ、レンズマメ、マメ、クローバ、エンドウマメ、ハッショウマメ、フリホールボラロヤ(frijole bola roja)、黒インゲンマメ、ハギ属、カンゾウ、ハウチワマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、タマリンド、フジ、カシア属、ヒヨコマメ/ガルバンゾー、コロハ、グリンピース、イエローピー、サヤエンドウ、アオイマメ、ソラマメ)、ゼラニウム、アマ、ザクロの木、綿、オクラ、ニーム、イチジク、クワ、チョウジ、ユーカリ、ティーツリー、ニアウリ、果実植物(例えば、リンゴ、アンズ、モモ、プラム、セイヨウナシ、ズバイモモ)、イチゴ、ブラックベリー、キイチゴ、サクランボ、プルーン、バラ、タンジェリン、柑橘類(例えば、グレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジ、ダイダイ、マンダリン、タンジェリン)、マンゴー、シトラスベルガモット、ブークー、ブドウ、ブロッコリー、芽キャベツ、アマナズナ科、カリフラワー、セイヨウアブラナ、ナタネ(キャノーラ)、カブ、キャベツ、キュウリ、スイカ、ハネデューメロン、ズッキーニ、カバノキ、クルミ、キャッサバ、バオバブ、オールスパイス、アーモンド、パンノキ、ビャクダン、マカダミア属、タロイモ、ゲッカコウ、アロエベラ、ニンニク、タマネギ、シャロット、バニラ、ユッカ、ベチバー、ゲットウ、オオムギ、穀類、ハルウコン、ショウガ、レモングラス、カラスムギ、ヤシ、パイナップル、イネ、ライムギ、モロコシ、ライコムギ、ウコン、ヤマノイモ、タケ、オオムギ、カユプテ、カンナ、カルダモン、トウモロコシ、カラスムギ、コムギ、シナモン、サッサフラス、リンデラベンゾイン、月桂樹、アボカド、イランイラン、メース、ナツメグ、ワサビノキ属、トウサ、オレガノ、コリアンダー葉、チャービル、エゾネギ、集合果、穀物植物、薬草植物、葉菜類、非穀類豆類植物、ナッツ植物、多肉植物、陸生植物、水性植物、ダルベルギア属、キビ、核果、分離果、顕花植物、非顕花植物、培養植物、野生植物、樹木、灌木、花、草、草本植物、ブラッシュ(brushes)、リアナ、サボテン、熱帯植物、亜熱帯植物、温帯植物、ならびにそれらの誘導物および交雑種由来のタンパク質を含む。
【0143】
一部の実施形態では、植物タンパク質はピープロテイン(例えば、レグミン、ビシリン、コビシリン)である。他の実施形態では、植物タンパク質はジャガイモタンパク質(例えば、ツベリン、プロテアーゼインヒビターノウティトII)である。
【0144】
一部の実施形態では、組換えタンパク質は、組換え動物タンパク質である。本明細書で使用される用語「動物タンパク質」とは、動物に天然に見出されるタンパク質(すなわち、動物細胞原産であるタンパク質)中のアミノ酸の配列と少なくとも80%同一である(例えば、少なくとも80%同一である、少なくとも85%同一である、少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一である、少なくとも99%同一である、100%同一である)少なくとも20アミノ酸(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも150、および通常は250以下のアミノ酸)の配列を含むポリペプチドのことをいう。動物タンパク質の非限定的例は、昆虫(例えば、ハエ)、哺乳動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、ブタ、ヒト)、またはトリ(例えば、ニワトリ)に由来するタンパク質を含む。一部の実施形態では、動物タンパク質は構造タンパク質(例えば、コラーゲン、トロポエラスチン、エラスチン)である。他の実施形態では、動物タンパク質は、卵タンパク質(例えば、卵白アルブミン)である。
【0145】
さらに他の実施形態では、組換えタンパク質は、組換え乳タンパク質である。本明細書で使用される用語「ミルクタンパク質」とは、哺乳動物で産生される乳に天然に見出されるタンパク質(すなわち、哺乳動物産生乳原産であるタンパク質)中のアミノ酸の配列と少なくとも80%同一である(例えば、少なくとも80%同一である、少なくとも85%同一である、少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一である、少なくとも99%同一である、100%同一である)少なくとも20アミノ酸(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも150、および通常は250以下のアミノ酸)の配列を含むポリペプチドのことをいう。
【0146】
組換え乳タンパク質は、組換え乳清タンパク質または組換えカゼインが可能である。本明細書で使用される用語「乳清タンパク質」または「カゼイン」とは、それぞれ天然の乳清タンパク質またはカゼイン中のアミノ酸の配列と少なくとも80%同一である(例えば、少なくとも80%同一である、少なくとも85%同一である、少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一である、少なくとも99%同一である、100%同一である)少なくとも20アミノ酸(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも150、および通常は250以下のアミノ酸)の配列を含むポリペプチドのことをいう。乳清タンパク質の非限定的例は、α-ラクトアルブミン、β-ラクトアルブミン、ラクトフェリン、トランスフェリン、血清アルブミン、ラクトペルオキシダーゼ、およびグリコマクロペプチドを含む。カゼインの非限定的例は、β-カゼイン、γ-カゼイン、κ-カゼイン、α-S1カゼイン、およびα-S2カゼインを含む。乳清タンパク質およびカゼインをコードする核酸配列の非限定的例は、2015年8月21日に提出の特許文献1、および2017年8月25日に提出の特許文献2に開示されており、前記特許文献はこれによりその全体を本明細書に組み込まれる。
【0147】
組換え乳タンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、スイギュウ、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカク、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、オポッサム、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリン、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、およびハリモグラを含むがこれらに限定されないいかなる哺乳動物種からでも由来することが可能である。
【0148】
組換え乳タンパク質は、ヒトまたは動物において免疫応答を誘発することができるエピトープを欠くことが可能である。そのような組換え乳タンパク質は、食料製品において使用するのに特に適切である。
【0149】
組換え乳タンパク質は、翻訳後修飾を有することが可能である。本明細書で使用される用語「翻訳後修飾」またはその頭字語「PTM」とは、タンパク質生合成後のタンパク質への化学基の共有結合のことをいう。PTMは、タンパク質のアミノ酸側鎖でまたはそのCもしくはN末端で生じることができる。PTMの非限定例は、グリコシル化(すなわち、C-結合、N-結合、もしくはO-結合を介した、またはグリピエーション(すなわち、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカーの付加)もしくはリン酸グリコシル化(すなわち、ホスホセリンのリン酸を通じて連結される)を介した、グルカン基(すなわち、単糖、二糖、多糖、線形グリカン、分岐グリカン、galf残基のあるグリカン、硫酸および/またはリン酸残基のあるグリカン、D-グルコース、D-ガラクトース、D-マンノース、L-フコース、N-アセチル-D-ガラクトースアミン、N-アセチル-D-グルコースアミン、N-アセチル-D-ノイラミン酸、ガラクトフラノース、リン酸ジエステル、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、シアル酸、およびこれらの組合せ;例えば、非特許文献6参照)のタンパク質への共有結合)、リン酸化(すなわち、リン酸基のタンパク質への共有結合)、アルキル化(すなわち、アルカン基(例えば、メチル化でのメタン基)のタンパク質への共有結合)、および脂質化(すなわち、脂質基(例えば、プレニル化およびイソプレニル化でのイソプレニド基(例えば、ファルネシル化でのファルネソール基、ゲラニル化でのゲラニオール基、ゲラニルゲラニル化でのゲラニルゲラニオール)、脂肪酸アシル化での脂肪酸基(例えば、ミリストイル化でのミリスチン酸、パルミトイル化でのパルミチン酸)、グリピエーションでのグリコシルホスファチジルイノシトールアンカー))、ヒドロキシル化(すなわち、水酸化物基の共有結合)、SUMO化(すなわち、低分子ユビキチン様修飾因子(またはSUMO)タンパク質のタンパク質への結合)、ニトロシル化(すなわち、NO基のタンパク質への結合)、ならびにチロシンニトロ化(すなわち、ニトレート基のタンパク質のチロシン残基への結合)を含む。組換え乳タンパク質のPTMは、天然PTM、非天然PTM、または少なくとも1つの天然PTMと少なくとも1つの非天然PTMの混合物が可能である。本明細書で使用される「非天然PTM」とは、タンパク質における1つもしくは複数のPTM(例えば、グリコシル化、リン酸化)の1つもしくは複数の位置の違い、および/または天然のタンパク質(すなわち、「天然のPTM」を有するタンパク質)と比べてタンパク質における1つもしくは複数の位置での1つもしくは複数のPTMのタイプの違いのことをいう。
【0150】
組換え乳タンパク質は、乳タンパク質反復を有することが可能である。本明細書で使用される用語「乳タンパク質反復」とは、哺乳動物産生乳に見出せるタンパク質(例えば、乳清タンパク質、カゼイン)中のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であり(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一である、少なくとも99%同一である)、組換え乳タンパク質中に一度ならず(例えば、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも15回、少なくとも20回、少なくとも30回、少なくとも40回、少なくとも50回、少なくとも75回、少なくとも100回、少なくとも150回、または少なくとも200回)存在するアミノ酸配列のことをいう。乳タンパク質反復は、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、または少なくとも150、および通常は200以下のアミノ酸を含んでよい。組換え乳タンパク質における乳タンパク質反復は、連続的である(すなわち、介在するアミノ酸配列がない)または非連続的である(すなわち、介在するアミノ酸配列がある)が可能である。非連続的に存在する場合、介在するアミノ酸配列は、望ましくない特性を導入することなく分子量を提供するのに受動的な役割を果たしていてもよく、または特定の特性(例えば、可溶性、生分解性、他の分子への結合)を提供するのに積極的な役割を果たしていてもよい。
【0151】
一部の実施形態では、組換えタンパク質は、組換え藻類タンパク質である。本明細書で使用される用語「藻類タンパク質」とは、藻類中に天然に見出されるタンパク質(すなわち、藻類細胞原産のタンパク質)におけるアミノ酸の配列と少なくとも80%同一である(例えば、少なくとも80%同一である、少なくとも85%同一である、少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一である、少なくとも99%同一である、100%同一である)少なくとも20アミノ酸(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも150、および通常は250以下のアミノ酸)の配列を含むポリペプチドのことをいう。
【0152】
一部の実施形態では、組換えタンパク質は、組換え真菌タンパク質である。本明細書で使用される用語「真菌タンパク質」とは、真菌中に天然に見出されるタンパク質(すなわち、真菌細胞原産のタンパク質)におけるアミノ酸の配列と少なくとも80%同一である(例えば、少なくとも80%同一である、少なくとも85%同一である、少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一である、少なくとも99%同一である、100%同一である)少なくとも20アミノ酸(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも150、および通常は250以下のアミノ酸)の配列を含むポリペプチドのことをいう。
【0153】
一部の実施形態では、組換えタンパク質は、組換え微生物タンパク質である。本明細書で使用される用語「微生物タンパク質」とは、微生物中に天然に見出されるタンパク質(すなわち、微生物細胞原産のタンパク質)におけるアミノ酸の配列と少なくとも80%同一である(例えば、少なくとも80%同一である、少なくとも85%同一である、少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一である、少なくとも99%同一である、100%同一である)少なくとも20アミノ酸(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも150、および通常は250以下のアミノ酸)の配列を含むポリペプチドのことをいう。
【0154】
一般的方法
組換え成分を産生することができる組換え微生物宿主細胞は、当技術分野で公知の方法を使用して得ることができる。組換え微生物宿主細胞は、典型的には、組換え成分をコードする組換えポリヌクレオチド(例えば、組換えベクター)を含む。組換えポリヌクレオチドは、直接的化学合成およびクローニングを含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知のいかなる適切な方法によっても調製することができる。
【0155】
組換えポリヌクレオチドは、典型的には、1つまたは複数の発現カセットを含み、それぞれの発現カセットは:プロモーター(例えば、真菌プロモーター)、必要に応じたシグナル配列(すなわち、新生タンパク質が合成される細胞の外部へのペプチドに結合している新生タンパク質の送達を媒介するペプチドをコードする配列)、組換えタンパク質をコードする配列、および終結配列(termination sequence)(または複数の終結配列)を含み、プロモーターは必要に応じたシグナル配列にセンス配向で作動可能に連結しており(すなわち、プロモーターおよび必要に応じたシグナル配列およびタンパク質をコードするそれに続く配列は、プロモーターが必要に応じたシグナル配列およびタンパク質をコードする配列の転写を調節するのに効果的であるように配置されている)、必要に応じたシグナル配列は組換えタンパク質をコードする配列にセンス配向で作動可能に連結しており(すなわち、シグナル配列および組換えタンパク質をコードする配列は、転写と翻訳が機能的シグナル配列を含む組換えタンパク質を産生するように配置されている)、および終結配列は組換えタンパク質をコードする配列に作動可能に連結している(すなわち、組換えタンパク質をコードする配列および終結配列は、ターミネーターが必要に応じたシグナル配列および組換えタンパク質をコードする配列の転写を終結させるのに効果的であるように配置されている)。
【0156】
プロモーターは、組換え微生物宿主細胞において機能的であるいかなる適切なプロモーターでもよい。一部の実施形態では、プロモーターは構成的プロモーターである。他の実施形態では、プロモーターは、誘導性プロモーターまたは抑制性プロモーター(例えば、グルコース、ガラクトース、ラクトース、スクロース、セルロース、ソホロース、ゲンチオビオース、ソルボース、セルラーゼプロモーターを誘導する二糖、デンプン、トリプトファン、またはリン酸塩の存在下で誘導されるまたは抑制されるプロモーター)である。組換え糸状菌宿主細胞において使用するのに適したプロモーターの非限定的例は、以下のタンパク質:グルコアミラーゼ(例えば、クロコウジカビ、アワモリコウジカビ、アスペルギルス・ジャポニクス、アスペルギルス・ツビンゲンシス(Aspergillus tubingensis)、アスペルギルス・フェチダス、またはアスペルギルス・カルボナリウス(Aspegillus carbonariusのglaA)、アミラーゼ(例えば、コウジカビTAKAアミラーゼ、クロコウジカビ中性アルファアミラーゼ、クロコウジカビ酸安定性アルファアミラーゼ、真菌α-アミラーゼ(amy)、細菌アルファアミラーゼ)、プロテアーゼ(例えば、リゾムコール・ミエヘイアスパラギン酸プロテアーゼ、コウジカビアルカリプロテアーゼ、フザリウム・オキシスポラムトリプシン様プロテアーゼ、トリコデルマ・リーゼイプロテアーゼ)、リパーゼ(例えば、リゾムコール・ミエヘイリパーゼ)、イソメラーゼ(例えば、コウジカビトリオースリン酸イソメラーゼ、真菌トリオースリン酸イソメラーゼ(tpi)、酵母トリオースリン酸イソメラーゼ)、アセトアミダーゼ(例えば、偽巣性コウジ菌もしくはコウジカビまたは他の真菌アセトアミダーゼ(amdS))、デヒドロゲナーゼ(例えば、真菌アルコールデヒドロゲナーゼ(adhA)、真菌グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(gpd)、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ)、キシラナーゼ(例えば、真菌キシラナーゼ(xlnA)、トリコデルマ・キシラナーゼ(Trichoderma xylanases)(xyn1、xyn2、bxl1))、キナーゼ(例えば、酵母3-ホスホグリセリン酸キナーゼ)、ヒドロラーゼ(例えば、真菌セロビオヒドロラーゼI(cbh1)、トリコデルマヒドロラーゼ(cbh2、egl1、egl2))、ホスファターゼ(例えば、フザリウム酸ホスファターゼ)、および他の真菌タンパク質(例えば、真菌エンドα-L-アラビナーゼ(abnA)、真菌α-L-アラビノフラノシダーゼA(abfA)、真菌α-L-アラビノフラノシダーゼB(abfB)、真菌フィターゼ、真菌ATPシンセターゼ、真菌サブユニット9(oliC)、真菌胞子形成特異的タンパク質(Spo2)、真菌SSO、酵母アルコールオキシダーゼ、酵母ラクターゼ、アカパンカビCPC1、偽巣性コウジ菌trpC、真菌キチン分解酵素(例えば、エンド-およびエキソ-キチナーゼ、ベータグルカナーゼ)、真菌VAZMP関連タンパク質(VAP)、真菌翻訳伸長因子(TEF1)、真菌DNA損傷応答タンパク質(DDRP)、真菌(例えば、フザリウムまたはアカパンカビ)ヘキサゴナルペルオキシソーム(Hex1)、真菌(例えば、アカパンカビ)カタラーゼ)および組換え糸状菌宿主細胞において高レベルで産生される任意の他のタンパク質のいずれかをコードする遺伝子のプロモーター、およびその機能的部分を含む。
【0157】
組換え細菌または酵母宿主細胞において使用するのに適したプロモーターの非限定的例は、以下のタンパク質:LAC4、T7ポリメラーゼ、TAC、GAL1、λPL、λPR、ベータラクタマーゼ、spa、CYC1、TDH3、GPD、TEF1、ENO2、PGL1、GAP、SUC2、ADH1、ADH2、HXT7、PHO5、CLB1、AOX1、セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、キシリナーゼ、および組換え糸状菌宿主細胞において高レベルで産生される任意の他のタンパク質のいずれかをコードする遺伝子のプロモーター、およびその機能的部分を含む。
【0158】
一部の実施形態では、プロモーターは、ストレス(例えば、熱ショック)応答遺伝子(例えば、hac1、BIP)のプロモーターである。
【0159】
シグナル配列は、組換え微生物宿主細胞において機能的であるいかなる適切なシグナル配列でもよい。
【0160】
組換えポリヌクレオチドにより典型的にコードされる組換えタンパク質は、組換え乳タンパク質(例えば、本明細書で開示される組換え乳タンパク質(例えば、組換えβラクトグロブリン、組換えαラクトアルブミン、組換えκカゼイン、組換えβカゼイン)のいずれか)、組換え卵タンパク質(例えば、オボトランスフェリン(コンアルブミン)、オボムチン、卵白アルブミン、オボトランスフェリン、リゾチーム)、ビタミンの産生に必要な組換えタンパク質、脂質、風味を生み出す小分子、テクスチャーを作り出すポリマーおよびエマルジョンの産生に必要な組換えタンパク質、ならびにそれらの組合せを含む、任意の組換えタンパク質(例えば、本明細書で開示される組換え成分)が可能である。
【0161】
終結配列は、組換え微生物宿主細胞において機能的であるいかなる適切な終結配列でもよい。組換え糸状菌宿主細胞において使用するのに適切な終結配列の非限定的例は、コウジカビ(例えば、TAKAアミラーゼ遺伝子の終結配列)、クロコウジカビ(例えば、glaA、gpdA、aamA、trpC、pdc1、adh1、amdS、またはtef1遺伝子の終結配列)、フザリウム・オキシスポラム(例えば、セリンプロテアーゼ(トリプシン)遺伝子の終結配列)、トリコデルマ・リーゼイ(例えば、cbh1、pdc1、TEF1、gpd1、xyn1、またはadh1遺伝子の終結配列)、ピキア・パストリス(例えば、aox1、gap1、adh1、tef1、tps1、またはpgk1遺伝子の終結配列)、出芽酵母(例えば、adh1、cyc1、gal1、tef1、pdc1、pgk1、またはtps1遺伝子の終結配列)の終結配列、合成終結配列、および上に列挙された配列の任意の組合せを含むがこれらに限定されない。組換え酵母宿主細胞において使用するのに適切な終結配列の非限定的例は、PGK1およびTPS1終結配列を含むがこれらに限定されない。
【0162】
組換えポリヌクレオチドは、追加のエレメントをさらに含むことができる。そのような追加のエレメントの非限定的例は、エンハンサー配列、応答エレメント、タンパク質認識部位、誘導性エレメント、タンパク質結合配列、5’および3’非翻訳領域、ポリアデニル化配列、イントロン、複製起点、オペレーター(すなわち、プロモーターに隣接しタンパク質結合ドメインを含む核酸の配列であって、このドメインにリプレッサータンパク質が結合してプロモーターの活性を低減するまたは除去することができる核酸の配列)、および選択マーカー(すなわち、糸状菌細胞の栄養素要求性を補完する、抗生物質耐性を与える、または色変化をもたらすことができるタンパク質をコードする遺伝子)を含む。そのようなエレメントは当技術分野では公知である。複製起点の非限定的例は、AMA1およびANSIを含む。適切な選択マーカーの非限定的例は、amdS(アセトアミダーゼ(acetamidase))、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG/pyr4(オロチジン5’-リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)、およびtrpC(アントラニル酸シンターゼ)、ならびにそれらの誘導体を含む。一部の実施形態では、選択マーカーは、選択マーカーの産生を減少させる変更を含み、したがってポリヌクレオチドを含む糸状菌細胞を選択下で生存させるのに必要なコピー数を増加させる。
【0163】
組換えポリヌクレオチドが2つまたはそれよりも多い発現カセットを含む実施形態では、作動可能に連結されたプロモーター、必要に応じたシグナル配列、ポリペプチド終結配列をコードする配列、および必要に応じた追加のエレメントは、2つまたはそれよりも多い発現カセットの間で同一であるまたは異なることが可能である。
【0164】
組換えポリヌクレオチドを微生物細胞中に導入して組換え微生物宿主細胞を得るための方法は、当技術分野では周知である。そのような方法の非限定的例は、リン酸カルシウムトランスフェクション、デンドリマートランスフェクション、リポソームトランスフェクション(例えば、カチオン性リポソームトランスフェクション)、カチオン性ポリマートランスフェクション、細胞スクイージング(cell squeezing)、ソノポレーション、光トランスフェクション、プロトプラスト融合、インペールフェクション(impalefection)、ハイドロダイナミック送達、遺伝子銃、マグネトフェクション、ウイルス形質導入、電気穿孔および化学的形質転換(例えば、PEGを使用して)を含む。
【0165】
一部の実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、組換え微生物宿主細胞において染色体外で発現ベクター(すなわち、宿主細胞を形質導入し、形質転換し、またはこれに感染し、宿主細胞原産の核酸および/またはタンパク質以外の核酸および/またはタンパク質を宿主細胞に固有ではない様式で宿主細胞に発現させる核酸)上に維持される。他の実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、組換え微生物宿主細胞のゲノム(例えば、染色体)内に安定的に組み込まれる。ゲノム中への組込みでは、組換えポリヌクレオチドは、相同または非相同組換えによるゲノム中への組込みのための配列を含むことができる。一部の実施形態では、そのような配列は宿主ゲノム中への正確な位置での組込みを可能にする。組換えポリヌクレオチドは、相同組換えの可能性を増強するために、組換え微生物宿主細胞のゲノム中の標的配列に高度に相同である少なくとも100個、少なくとも250個、少なくとも500個、少なくとも750個、少なくとも1000個、または少なくとも10,000個の塩基対を含んでいてもよい。そのような高度に相同な配列は非コード配列でもよい。組換えポリヌクレオチドの1つよりも多いコピーを組換え微生物宿主細胞中に挿入して組換えタンパク質の産生を増加させてもよい。
【0166】
組換え微生物宿主細胞は、当技術分野で公知のいかなる適切な発酵容器(例えば、培養プレート、振盪フラスコ、発酵槽(例えば、撹拌タンク発酵槽、エアリフト発酵槽、気泡塔発酵槽、固定床バイオリアクター、実験室発酵槽、産業用発酵槽、またはそれらの任意の組合せ))においても、ならびに当技術分野で公知のいかなる規模(例えば、小規模、大規模)および工程(例えば、連続、バッチ、フェドバッチ、または固体状態)でも培養することができる。
【0167】
適切な培養培地は、組換え微生物宿主細胞が成長するおよび/または生存可能なままでいることができるいかなる培養培地も含む。一部の実施形態では、培養培地は、炭素、窒素(例えば、無水アンモニア、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸モノアンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素、ペプトン、タンパク質加水分解物、酵母抽出物)、およびリン酸塩源を含む水性媒体である。培養培地は、無機塩、ミネラル、金属、遷移金属、ビタミン、乳化性油、界面活性物質、および任意の他の栄養物をさらに含むことができる。適切な炭素源の非限定的例は、単糖、二糖、多糖、アセテート、エタノール、メタノール、グリセロール、メタン、およびそれらの組合せを含む。単糖の非限定的例は、ブドウ糖(グルコース)、フルクトース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、およびそれらの組合せを含む。二糖の非限定的例は、サクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオース、およびそれらの組合せを含む。多糖の非限定的例は、デンプン、グリコーゲン、セルロース、アミロース、ヘミセルロース、マルトデキストリン、およびそれらの組合せを含む。適切な培養培地は、商業供給元から入手可能であるまたは公表されている組成物(例えば、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)の目録で)に従って調製してもよい。
【0168】
組換え成分の産生に適切な条件は、その元で組換え微生物宿主細胞が成長するおよび/または生存可能なままでいることができる条件である。そのような条件の非限定的例は、適切なpH、適切な温度、適切な送り量、適切な圧力、適切な養分含量(例えば、適切な炭素含有量、適切な窒素含有量、適切なリン含有量)、適切な栄養補助剤含有量、適切な微量金属含有量、および適切な酸化レベルを含む。
【0169】
一部の実施形態では、培養培地は、組換えタンパク質の分解を予防することができるプロテアーゼ(例えば、植物由来プロテアーゼ)、組換えタンパク質を分解することができるプロテアーゼの活性を低減するプロテアーゼ阻害因子、および/またはプロテアーゼ活性をそらすことができる犠牲タンパク質をさらに含む。一部の実施形態では、培養培地は、産生された組換えタンパク質での組込みのための非天然アミノ酸をさらに含む。
【0170】
他の遺伝子改変
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、組換え成分の産生を改良する遺伝子改変をさらに含むことができる。そのような遺伝子改変の非限定的例は、変更されたプロモーター、変更されたキナーゼ活性、変更されたホスファターゼ活性、変更されたタンパク質フォールディング活性、変更されたタンパク質分泌活性、および変更された遺伝子発現誘導経路を含む。
【0171】
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、組換えタンパク質の分解を最小限に抑えるように低減されたまたは本質的に除去されたプロテアーゼの活性をさらに有することができる(例えば、特許文献3参照)。低減されたまたは本質的に除去されたプロテアーゼの活性を有する糸状菌細胞は、当技術分野で公知の方法により突然変異体をスクリーニングすることによってまたは特定の遺伝子改変によって得ることができる。
【0172】
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、天然のまたは異種グリコシルトランスフェラーゼをさらに含むことができる。そのような内在性または異種グリコシルトランスフェラーゼの非限定的例は、フコシルトランスフェラーゼ、ガラクトシルトランスフェラーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、キシロシルトランスフェラーゼ、アセチラーゼ、グルコロニルトランスフェラーゼ(glucoronyltransferases)、グルコロニルエピメラーゼ(glucoronylepimerases)、シアリルトランスフェラーゼ、マンノシルトランスフェラーゼ、スルホトランスフェラーゼ、β-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、およびN-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼを含む。
【0173】
本明細書で提供される組換え微生物宿主細胞は、天然のまたは異種キナーゼまたはホスファターゼをさらに含むことができる。そのような天然のまたは異種キナーゼまたはホスファターゼの非限定的例は、プロテインキナーゼA、プロテインキナーゼB、プロテインキナーゼC、クレアチンキナーゼB、プロテインキナーゼCベータ、プロテインキナーゼG、TmkA、Fam20キナーゼ(例えば、Fam20C)、ATM、CaM-II、cdc2、cdk5、CK1、CKII、DNAPK、EGFR、GSK3、INSR、p38MAPK、RSK、SRC、ホスホトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ(例えば、UniProtKB-O77578)、酸ホスファターゼ、および他のもの(例えば、非特許文献7参照)を含む。
【0174】
組換え成分および実質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む調製物
別の態様では、組換え成分(例えば、本明細書において開示される組換え成分のいずれか)および対応する調製物に含まれるエステラーゼ活性と比較して実質的に除去またはモジュレートされたエステラーゼ活性(例えば、本明細書において開示される任意の1つのエステラーゼの活性または本明細書において開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)を含む調製物が本明細書において提供される。
【0175】
一部の実施形態では、本明細書において提供される調製物は、組換え成分、および対応する調製物に含まれるエステラーゼ活性と比較して少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%減少している、実質的に除去されたまたはモジュレートされたエステラーゼ活性を含む。一部のそのような実施形態では、本明細書において提供される調製物は、組換え成分および実質的に除去されたエステラーゼ活性を含む。他の実施形態では、本明細書において提供される調製物は、組換え成分、および対応する調製物に含まれるエステラーゼ活性と比較して少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、少なくとも500%、少なくとも600%、少なくとも700%、少なくとも800%、少なくとも900%、または少なくとも1,000%減少しているエステラーゼ活性を含む。
【0176】
本明細書において提供される調製物は、組換え微生物宿主細胞を含む発酵ブロスから本明細書において提供される組換え微生物宿主細胞によって産生された組換え成分を精製することによって得てもよい。
【0177】
発酵ブロスから組換え成分を精製するための方法は、当技術分野において周知である(例えば、Protein Purification, JC Janson and L Ryden, Eds., VCH Publishers, New York, 1989;Protein Purification Methods: A Practical Approach, ELV Harris and S Angel, Eds., IRL Press, Oxford, England, 1989を参照のこと)。
【0178】
組換え成分は、その分子量に基づいて、例えば、サイズ排除/交換クロマトグラフィー、膜に通過させる限外濾過、ゲル浸透クロマトグラフィー(例えば、分取ディスクゲル電気泳動)、または密度遠心分離によって精製してもよい。
【0179】
組換え成分はまた、その表面電荷または疎水性/親水性に基づいて、例えば、等電沈殿、アニオン/カチオン交換クロマトグラフィー、等電点電気泳動(IEF)、または逆相クロマトグラフィーによって精製してもよい。
【0180】
組換え成分はまた、その溶解度に基づいて、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、等電沈殿、界面活性剤、デタージェント、または溶媒抽出によって精製してもよい。
【0181】
組換え成分はまた、別の分子に対するその親和性に基づいて、例えば、親和性クロマトグラフィー、反応性色素、またはヒドロキシアパタイトによって精製してもよい。親和性クロマトグラフィーは、組換え成分に対して特異的結合親和性を有する抗体、またはHis標識組換えタンパク質に対するニッケルNTA、または組換えタンパク質の糖部分に結合するためのレクチン、または組換え成分に特に結合する任意の他の分子の使用を含んでいてもよい。一部の実施形態では、組換え成分は、精製を促進するタグを有する。そのようなタグの非限定的な例としては、エピトープタグおよびタンパク質タグがある。エピトープタグの非限定的な例としては、c-myc、血球凝集素(HA)、ポリヒスチジン(6x-HIS)、GLU-GLU、およびDYKDDDDK(FLAG)エピトープタグがある。タンパク質タグの非限定的な例としては、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、およびマルトース結合タンパク質(MBP)がある。エピトープまたはタンパク質タグは、組換え成分の単離後に(例えば、プロテアーゼ開裂を介して)除去してもよい。
【0182】
組換え成分が組換え微生物宿主細胞によって分泌される実施形態では、組換え成分は、発酵ブロスから直接精製してもよい。他の実施形態では、組換え成分は細胞溶解物から精製してもよい。
【0183】
組換え成分の同一性は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ウェスタンブロット解析、イースタンブロット分析、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、酵素産物の形成、酵素基質の消失、および2-次元質量分光法(2D-MS/MS)配列同定によって確認および/または定量化してもよい。
【0184】
一部の実施形態では、組換え成分は、発酵ブロス中に含まれる他の成分に対して、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、97%超、または99%超の純度に精製される。一部の実施形態では、組換え成分は、調製物中の他の成分に対して、発酵ブロス中のものよりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍豊富になるように精製される。一部の実施形態では、組換え成分は、30重量%超、35重量%超、40重量%超、45重量%超、50重量%超、55重量%超、60重量%超、65重量%超、70重量%超、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、95重量%超、97重量%超、または99重量%超の純度に精製される。
【0185】
一部の実施形態では、調製物は液体である。他の実施形態では、調製物は固形物である。一部のそのような実施形態では、調製物は粉末である。一部のそのような実施形態では、粉末は、10重量%未満、7重量%未満、5重量%未満、3重量%未満、または1重量%未満の水分含有量を含む。粉末は、例えば、スプレードライまたは蒸発を介した濃縮によって得てもよい。
【0186】
一部の実施形態では、調製物は、後処理された組換え成分を含む。組換え成分の後処理は、断片化(例えば、化学的手段によってまたはプロテアーゼ酵素(例えば、トリプシン、ペプシン、カルマペプシン)に曝露することによって)、反応性部位の除去(例えば、酸化によるメチオニンおよび/またはトリプトファン残基の反応性部位の除去)、モジュレート(例えば、化学的、光化学的、および/または酵素的戦略を介した)、環化、ビオチン化(すなわち、ビオチンを結合させること)、および他の要素(例えば、ポリエチレングリコール、抗体、リポソーム、リン脂質、DNA、RNA、核酸、糖、二糖類、多糖類、デンプン、セルロース、デタージェント、細胞壁)へのコンジュゲートを含んでいてもよい。
【0187】
後処理は、ランダム様式でまたは部位特異的様式で(例えば、システイン残基のスルフヒドリル基(例えば、アミノエチル化、ヨードアセトアミドの形成、マレイミドの形成、Dhaの形成、ジスルフィド結合を介した共有結合、および脱硫化のために);リシン残基の第一級アミン基(例えば、活性化エステル、塩化スルホニル、イソチオシアネート、不飽和アルデヒドエステル、およびアルデヒドの結合のために);チロシン残基のフェノール性ヒドロキシル基;ヒトにおける免疫応答を誘発することができる特異的エピトープ(例えば、グリカン基)の除去;アゾ電子環状化において)行ってもよい。
【0188】
後処理は、これらに限定されないが、サイズ、電荷、疎水性、親水性、溶媒和、タンパク質フォールディング、および化学的反応性を含む、組換え成分のある特定の化学的および/または物理的性質を変化させる場合がある。
【0189】
組換え成分を含む食料製品
別の態様では、本明細書において提供される組換え微生物宿主細胞によって産生された組換え成分(例えば、本明細書において開示される組換え成分のいずれか)を含み、実質的に除去された、または対応する食料製品中のエステラーゼ活性と比較してモジュレートされたエステラーゼ活性(例えば、本明細書において開示される任意の1つのエステラーゼの活性または本明細書において開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)を含む食料製品が本明細書において提供される。本明細書で使用される場合、「食料製品」という用語は、飼育動物(例えば、犬、猫)、家畜(例えば、牛、豚、馬)、および野生動物(例えば、非飼育捕食性動物)を含むヒトまたは動物によって摂取することができる製品を指す。この用語は、1つまたは複数の他の成分と組み合わせるかまたはそれに添加して、ヒトまたは動物によって摂取することができる食料製品を作製することができる製品を含む。さまざまな実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、米国食品医薬品局(FDA)、米国農務省、欧州食品安全機関、および/または他の州または地域の食品規制当局によって要求される食品安全性の基準を満たす。
【0190】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、少なくとも0.000075重量%、少なくとも0.0001重量%、0.00025重量%、少なくとも0.0005重量%、少なくとも0.00075重量%、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.0025重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.0075重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.025重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.075重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7.5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12.5重量%、少なくとも15重量%、少なくとも17.5重量%、少なくとも20重量%、少なくとも22.5重量%、少なくとも25重量%、少なくとも27.5重量%、少なくとも30重量%、少なくとも32.5重量%、少なくとも35重量%、少なくとも37.5.重量%、少なくとも40重量%、少なくとも42.5重量%、少なくとも45重量%、少なくとも47.5重量%、少なくとも50重量%、少なくとも52.5重量%、少なくとも55重量%、少なくとも57.5重量%、少なくとも60重量%、少なくとも62.5重量%、少なくとも65重量%、少なくとも67.5重量%、少なくとも70重量%、少なくとも72.5重量%、少なくとも75重量%、少なくとも77.5重量%、少なくとも80重量%、少なくとも82.5重量%、少なくとも85重量%、少なくとも87.5重量%、少なくとも90重量%、少なくとも92.5重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97.5重量%、または100重量%の、本明細書において提供される1つまたは複数の組換え微生物宿主細胞によって産生された1つまたは複数の組換え成分(例えば、本明細書において開示される組換え成分のいずれか)を含む。
【0191】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、エステラーゼ活性(例えば、本明細書において開示される任意の1つのエステラーゼの活性または本明細書において開示される少なくとも2つのエステラーゼの任意の組合せの活性)を実質的に含まない。
【0192】
一部の実施形態では、食料製品は、非動物供給源由来の成分から主にまたは完全に構成される。代替的実施形態では、食料製品は、動物供給源に一部由来する成分からなるが、非動物供給源由来の成分が添加されている。一部のそのような実施形態では、食料製品は、5重量%から100重量%、90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、または10重量%の間;10重量%から100重量%、90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、または20重量%の間;20重量%から100重量%、90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、または30重量%の間;30重量%から100重量%、90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、または40重量%の間;40重量%から100重量%、90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、または50重量%の間;50重量%から100重量%、90重量%、80重量%、70重量%、または60重量%の間;60重量%から100重量%、90重量%、80重量%、または70重量%の間;70重量%から100重量%、90重量%、または80重量%の間;80重量%から100重量%、または90重量%の間;または90重量%から100重量%の間の非動物供給源由来の成分を含む。
【0193】
さまざまな実施形態では、食料製品は、国民健康栄養調査によって定義される食料製品カテゴリーのいずれかから選択される食料製品であるか、またはそのような食料製品に類似している(すなわち、食料製品代替品である)。
【0194】
そのような食料製品カテゴリーの非限定的な例(およびそのような食料製品の非限定的な例)としては、スナック食品およびガム(例えば、スナックバー、クラッカー、穀物製品からの塩味スナック、チューインガム);パン、穀物、およびパスタ(例えば、オート麦パンおよびロール、トウモロコシパン、トウモロコシマフィン、トルティーヤ、小麦粉およびドライミックス、ビスケット、マルチグレインパンおよびロール、全粒粉パンおよびロール、パスタ、ライ麦パンおよびロール、粗挽き小麦パンおよびロール、白パンおよびロール);飲料(例えば、ビールおよびエール、濃縮飲料、飲料、エネルギードリンク、スポーツドリンク、補液、ソフトドリンク、炭酸飲料、ジュース、ワイン、カクテル、栄養ドリンク、栄養粉末);菓子およびデザート(例えば、ケーキ、キャンディー、チップス、クッキー、コブラー、ペストリー、アイスまたは棒付きアイス、マフィン、パイ、糖代替品または代用品、シロップ、ハチミツ、ゼリー、ジャム、プリザーブ、サラダ、クレープ、デニッシュ、朝食用ペストリー、ドーナツ);朝食用食品(例えば、穀物粒、シリアル、コメ、フレンチトースト、パンケーキ、ワッフル、コーヒーケーキ);卵(例えば、卵料理、卵スープ、卵白で作られた混合物、卵代用品、卵代用品で作られた混合物);乳製品(dairy product);サラダドレッシング、油、ソース、調味料(例えば、調理用脂肪、植物油、サラダドレッシング、トマトソース、グレービー);ポテト(例えば、ポテトサラダ、ポテトスープ、チップスおよびスティック、フライドポテト、マッシュポテト、スタッフドポテト、パフ);およびスープ(例えば、野菜スープ、野菜ブロス)、食事、メイン料理、タンパク質(例えば、肉代用品)、およびシーフードが含まれる。
【0195】
一部のそのような実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、乳製品(dairy product)であるかまたは乳製品(dairy product)と類似している(すなわち、乳製品(dairy product)代替品である)。「乳製品(dairy product)」という用語は、本明細書で使用される場合、乳(例えば、全乳(少なくとも3.25%の乳脂肪)、部分脱脂乳(1%から2%の乳脂肪)、脱脂乳(0.2%未満の乳脂肪)、調理用ミルク、コンデンスミルク、フレーバーミルク、ヤギミルク、ヒツジミルク、粉ミルク、無糖練乳、ミルクフォーム)、およびこれらに限定されないが、ヨーグルト(例えば、全乳ヨーグルト(170g当たり少なくとも6グラムの脂肪)、低脂肪ヨーグルト(170g当たり2から5グラムの間の脂肪)、無脂肪ヨーグルト(170g当たり0.5グラムまたはそれ未満の脂肪)、ギリシャヨーグルト(乳清が除去された水切りヨーグルト(strained yogurt))、ホイップヨーグルト、ヤギミルクヨーグルト、レブネ(labneh)(レブネ(labne))、ヒツジミルクヨーグルト、ヨーグルトドリンク(例えば、全乳ケフィア、低脂肪乳ケフィア)、ラッシー)、チーズ(例えば、乳清チーズ、例えばリコッタ;パスタフィラータチーズ、例えばモツァレラ;セミソフトチーズ、例えばハバーティおよびミュエンスター;セミハードチーズ、例えばスイスおよびヤールスベルグ;ハードチーズ、例えばチェダーおよびパルメザン;ウォッシュドカードチーズ、例えばコルビーおよびモントレージャック;ソフト熟成チーズ、例えばブリおよびカマンベール;フレッシュチーズ、例えばカッテージチーズ、フェタチーズ、クリームチーズ、およびカード;プロセスチーズ;プロセスチーズ食品;プロセスチーズ製品;プロセスチーズスプレッド;酵素でモジュレートされたチーズ;コールドパックチーズ)、デイリーベースの(dairy-based)ソース(例えば、生、冷凍、冷蔵、または常温保存可能)、デイリースプレッド(例えば、低脂肪スプレッド、低脂肪バター)、クリーム(例えば、ドライクリーム、ヘビークリーム、ライトクリーム、ホイッピングクリーム、ハーフアンドハーフ、コーヒー用粉状ミルク、コーヒー用クリーム、サワークリーム、クレームフレーシュ(creme fraiche))、冷凍菓子(例えば、アイスクリーム、スムージー、ミルクシェイク、フローズンヨーグルト、サンデー、ジェラート、カスタード)、デイリーデザート(例えば、生、冷蔵、または冷凍)、バター(例えば、ホイップバター、発酵バター)、乳製品粉末(例えば、全乳粉末、脱脂乳粉末、脂肪添加(fat-filled)乳粉末(すなわち、全てのまたは一部の動物脂肪の代わりに植物脂肪を含む乳粉末)、乳幼児用処方、乳タンパク質濃縮物(すなわち、少なくとも80重量%のタンパク質含有量)、乳タンパク質単離物(すなわち、少なくとも90重量%のタンパク質含有量)、乳清タンパク質濃縮物、乳清タンパク質単離物、脱ミネラル乳清タンパク質濃縮物、脱ミネラル乳清タンパク質濃縮物、β-ラクトグロブリン濃縮物、β-ラクトグロブリン単離物、α-ラクトアルブミン濃縮物、α-ラクトアルブミン単離物、グリコマクロペプチド濃縮物、グリコマクロペプチド単離物、カゼイン濃縮物、カゼイン単離物、栄養サプリメント、テクスチャーライジング(texturizing)ブレンド、香味料ブレンド、着色料ブレンド)、調製済み飲料または調製済み混合製品(例えば、生、冷蔵、または常温保存可能デイリータンパク質飲料、減量飲料、栄養飲料、スポーツ回復飲料、およびエネルギードリンク)、プディング、ゲル、チュアブル、クリスプ、およびバーを含む乳由来の製品を指す。
【0196】
「食料製品代替品」(例えば、「乳製品(dairy product)代替品」)という用語は、本明細書で使用される場合、従来の食料製品と類似している(例えば、従来の食料製品の代わりに使用することができる)食料製品を指す。そのような類似性は、任意の物理的、化学的、または機能的な属性に起因する場合がある。一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品と従来の食料製品との類似性は、物理的属性に起因する。物理的属性の非限定的な例としては、色、形状、機械的特性(例えば、硬度、G’貯蔵弾性率値、形状保持、凝集性、テクスチャー(すなわち、知覚(例えば、口当たり、脂肪質、クリーミーさ、均質性、豊富さ、滑らかさ、厚さ)と相関する機械的特性)、粘度、および結晶化度が含まれる。一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品および従来の食料製品の類似性は、化学的/生物学的属性に起因する。化学的属性の非限定的な例としては、栄養素含有量(例えば、アミノ酸のタイプおよび/または量(例えば、PDCAASスコア)、脂質のタイプおよび/または量、炭水化物のタイプおよび/または量、ミネラルのタイプおよび/または量、ビタミンのタイプおよび/または量)、pH、消化率、保存期間、空腹感および/または満腹感の調節、味、および香りが含まれる。一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品と従来の食料製品との類似性は、機能的属性に起因する。機能的属性の非限定的な例としては、ゲル化/凝集挙動(例えば、ゲル化能力(すなわち、物理的および/または化学的条件(例えば、撹拌、温度、pH、イオン性強度、タンパク質濃度、糖濃度、イオン性強度)に対する応答における最大強度のゲル(すなわち、水素結合によってタンパク質分子に結合された溶媒で満たされた空間を有するタンパク質ネットワーク)を形成するために必要な時間)、凝集能力(すなわち、物理的および/または化学的条件に対する応答における沈殿物(すなわち、タンパク質分子間の強い相互作用および溶媒の排除に基づく強いタンパク質ネットワーク)を形成するための能力)、ゲル強度(すなわち、力/単位面積(例えば、パスカル(Pa))で測定される、形成されたゲルの強度)、ゲル化時の保水能力、ゲル化時の離液(すなわち、経時的に水が浸出すること))、発泡挙動(例えば、発泡能力(すなわち、物理的および/または化学的条件に応答して保持される空気の量)、泡安定性(すなわち、物理的および/または化学的条件に応答して形成される泡の半減期)、泡の広がり)、増粘能力、使用多用途性(すなわち、さまざまな様式で食料製品を使用するためのおよび/または食料製品から他の多様な組成物を得るための能力;例えば、乳派生製品、例えばヨーグルト、チーズ、クリーム、およびバターに類似している食料製品を生成するための能力)、およびタンパク質二量体を形成するための能力が含まれる。
【0197】
さまざまな実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、乳代替品(すなわち、乳と類似しているもの)、ヨーグルト代替品(すなわち、ヨーグルトと類似しているもの)、チーズ代替品(すなわち、チーズと類似しているもの)、冷凍デザート代替品(すなわち、冷凍デザート(例えば、アイスクリーム)と類似しているもの)、または任意の他の乳製品(dairy product)代替品(すなわち、乳製品(dairy product)と類似しているもの(例えば、本明細書において開示される任意の乳製品(dairy product)))である。
【0198】
乳タンパク質成分
一部の実施形態では、食料製品(例えば、乳製品(dairy product)、卵製品)は乳タンパク質成分を含み、乳タンパク質成分は組換え乳タンパク質を含み、エステラーゼの活性は実質的に除去されている、または本明細書において提供される方法に従って産生されていない(すなわち、エステラーゼの活性が実質的に除去またはモジュレートされた少なくとも1つのステップを含む方法によって産生されていない)乳タンパク質成分のエステラーゼ活性と比較してモジュレートされている。「乳タンパク質成分」という用語は、本明細書で使用される場合、乳清タンパク質のサブセットまたはカゼインのサブセットまたは乳清タンパク質のサブセットおよびカゼインのサブセットの混合物(すなわち、乳清タンパク質濃縮物またはミセルカゼイン濃縮物、またはカゼインナトリウム、または酸カゼイン、または乳タンパク質濃縮物または乳タンパク質単離物に存在する全てではないが一部のタンパク質由来)からなる成分を指す。その用語は、乳タンパク質成分中の乳タンパク質が、食料製品中に含まれる唯一の乳タンパク質である(すなわち、食料製品は、乳タンパク質成分を構成する乳タンパク質以外の他の乳タンパク質を含まない)ことをさらに暗示する。
【0199】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、0.1重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、もしくは0.2重量%の間;0.2重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%もしくは0.3重量%の間;0.3重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%もしくは0.4重量%の間;0.4重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%もしくは0.5重量%の間;0.5重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%もしくは0.6重量%の間;0.6重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%もしくは0.7重量%の間;0.7重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%もしくは0.8重量%の間;0.8重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、
20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%もしくは0.9重量%の間;0.9重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%もしくは1重量%の間;1重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%もしくは2重量%の間;2重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%もしくは3重量%の間;3重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%もしくは4重量%の間;4重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%もしくは5重量%の間;5重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%もしくは6重量%の間;6重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%もしくは7重量%の間;7重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%もしくは8重量%の間;8重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、
40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%もしくは9重量%の間;9重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%もしくは10重量%の間;10重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%もしくは11重量%の間;11重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%、13重量%もしくは12重量%の間;12重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、14重量%もしくは13重量%の間;13重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%もしくは14重量%の間;14重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%もしくは15重量%の間;15重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%もしくは20重量%の間;20重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%もしくは25重量%の間;25重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%もしくは30重量%の間;30重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%もしくは35重量%の間;35重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%もしくは40重量%の間;40重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%もしくは45重量%の間;45重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%もしくは50重量%の間;50重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%もしくは55重量%の間;55重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%もしくは60重量%の間;60重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%もしくは65重量%の間;65重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%もしくは70重量%の間;70重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%もしくは75重量%の間;75重量%から100重量%、95重量%、90重量%、85重量%もしくは80重量%の間;80重量%から100重量%、95重量%、90重量%もしくは85重量%の間;または85重量%から100重量%、95重量%、90重量%の間;90重量%から100重量%もしくは95重量%の間、または95重量%から100重量%の間の乳タンパク質成分を含む。
【0200】
本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ超)の乳タンパク質(例えば、1つまたは複数の乳清タンパク質、1つまたは複数のカゼイン、または1つまたは複数の乳清タンパク質および1つまたは複数のカゼインの混合物)からなる場合があり、乳タンパク質のうちの少なくとも1つは、組換え微生物宿主細胞によって産生された組換え乳タンパク質(例えば、本明細書において開示される組換え乳タンパク質のいずれか)である。
【0201】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、1つまたは複数(例えば、2、3、4個、またはそれ超)の乳清タンパク質(例えば、β-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリンおよびα-ラクトアルブミンの混合物、異なる翻訳後改変(PTM)を有する2個またはそれ超のβ-ラクトグロブリンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のα-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のβ-ラクトグロブリンおよびα-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のα-ラクトアルブミンおよびβ-ラクトグロブリンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のβ-ラクトグロブリンの混合物、ならびに異なるPTMを有する2個またはそれ超のα-ラクトアルブミンの混合物);1つまたは複数(例えば、2、3、4個、またはそれ超)のカゼイン(例えば、κ-カゼイン、β-カゼイン、γ-カゼイン、κ-カゼインおよびβ-カゼインの混合物、κ-カゼインおよびγ-カゼインの混合物、β-カゼインおよびγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のκ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のβ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のκ-カゼインおよびβ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のκ-カゼインおよびγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のβ-カゼインおよびκ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のβ-カゼインおよびγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のγ-カゼインおよびκ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のγ-カゼインおよびβ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超のκ-カゼインおよび/または異なるPTMを有する2個またはそれ超のβ-カゼインおよび/または異なるPTMを有する2個またはそれ超のγ-カゼインの混合物);またはこれらの任意の組合せからなる。
【0202】
少なくとも1つの組換え乳タンパク質は単一の組換え乳タンパク質であってもよい。単一の組換え乳タンパク質は単一の組換え乳清タンパク質(例えば、組換えβ-ラクトグロブリンまたは組換えα-ラクトアルブミン)または単一の組換えカゼイン(例えば、組換えκ-カゼインまたは組換えβ-カゼインまたは組換えγ-カゼイン)であってもよい。あるいは、少なくとも1つの組換え乳タンパク質は、2個またはそれ超の組換え乳タンパク質であってもよい。2個またはそれ超の組換え乳タンパク質は、2個またはそれ超の組換え乳清タンパク質(例えば、組換えβ-ラクトグロブリンおよび組換えα-ラクトアルブミン)、2個またはそれ超の組換えカゼイン(例えば、組換えκ-カゼインおよび組換えβ-カゼイン、組換えκ-カゼインおよび組換えγ-カゼイン、組換えκ-カゼインおよび組換えβ-カゼインおよび組換えγ-カゼイン)、または少なくとも1つの組換え乳清タンパク質および少なくとも1つの組換えカゼインの混合物(例えば、組換えβ-ラクトグロブリンおよび組換えα-ラクトアルブミンのうちの一方または両方と組換えκ-カゼインおよび組換えβ-カゼインおよび組換えγ-カゼインのうちの1つまたは2つまたは全てとの組合せ)であってもよい。
【0203】
一部の実施形態では、少なくとも1つの組換え乳タンパク質は、PTMを有する少なくとも1つの組換え乳タンパク質を含む。さまざまなそのような実施形態では、PTMは、天然PTM、非天然PTM、またはこれらの混合物であってもよい。一部の実施形態では、組換え乳タンパク質のPTMのタイプおよび/または数は、本明細書において提供される食料製品に望ましい属性を付与する。
【0204】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、1つまたは複数(例えば、2、3、4個、またはそれ超)の組換え乳清タンパク質(例えば、組換えβ-ラクトグロブリン、組換えα-ラクトアルブミン、組換えβ-ラクトグロブリンおよび組換えα-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-ラクトグロブリンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えα-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-ラクトグロブリンおよび組換えα-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えα-ラクトアルブミンおよびβ-ラクトグロブリンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-ラクトグロブリンの混合物、ならびに異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えα-ラクトアルブミンの混合物);1つまたは複数(例えば、2、3、4個、またはそれ超)の組換えカゼイン(例えば、組換えκ-カゼイン、組換えβ-カゼイン、組換えγ-カゼイン、組換えκ-カゼインおよび組換えβ-カゼインの混合物、組換えκ-カゼインおよび組換えγ-カゼインの混合物、組換えβ-カゼインおよび組換えγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えκ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えκ-カゼインおよび組換えβ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えκ-カゼインおよびγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-カゼインおよび組換えκ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-カゼインおよびγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えγ-カゼインおよび組換えκ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えγ-カゼインおよびβ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えκ-カゼインおよび/または異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-カゼインおよび/または異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えγ-カゼインの混合物);またはこれらの任意の組合せを含む。
【0205】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、1つまたは複数(例えば、2、3、4個、またはそれ超)の組換え乳清タンパク質(例えば、組換えβ-ラクトグロブリン、組換えα-ラクトアルブミン、組換えβ-ラクトグロブリンおよび組換えα-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-ラクトグロブリンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えα-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-ラクトグロブリンおよび組換えα-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えα-ラクトアルブミンおよびβ-ラクトグロブリンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-ラクトグロブリンの混合物、ならびに異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えα-ラクトアルブミン混合物);1つまたは複数(例えば、2、3、4個、またはそれ超)の組換えカゼイン(例えば、組換えκ-カゼイン、組換えβ-カゼイン、組換えγ-カゼイン、組換えκ-カゼインおよび組換えβ-カゼインの混合物、組換えκ-カゼインおよび組換えγ-カゼインの混合物、組換えβ-カゼインおよび組換えγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えκ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えκ-カゼインおよび組換えβ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えκ-カゼインおよびγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-カゼインおよび組換えκ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-カゼインおよびγ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えγ-カゼインおよび組換えκ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えγ-カゼインおよびβ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えκ-カゼインおよび/または異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えβ-カゼインおよび/または異なるPTMを有する2個またはそれ超の組換えγ-カゼインの混合物);またはこれらの任意の組合せからなる。
【0206】
乳タンパク質成分は、1つまたは複数の天然乳タンパク質をさらに含んでいてもよい。一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、1つまたは複数(例えば、2、3、4個、またはそれ超)の天然乳清タンパク質(例えば、天然β-ラクトグロブリン、天然α-ラクトアルブミン、天然β-ラクトグロブリンおよび天然α-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然β-ラクトグロブリンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然α-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然β-ラクトグロブリンおよび天然α-ラクトアルブミンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然α-ラクトアルブミンおよび天然β-ラクトグロブリンの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然β-ラクトグロブリンの混合物、ならびに異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然α-ラクトアルブミンの混合物);1つまたは複数(例えば、2、3、4個、またはそれ超)の天然カゼイン(例えば、天然κ-カゼイン、天然β-カゼイン、天然γ-カゼイン、天然κ-カゼインおよび天然β-カゼインの混合物、天然κ-カゼインおよび天然γ-カゼインの混合物、天然β-カゼインおよび天然γ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然κ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然β-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然γ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然κ-カゼインおよび天然β-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然κ-カゼインおよび天然γ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然β-カゼインおよび天然κ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然β-カゼインおよび天然γ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然γ-カゼインおよび天然κ-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然γ-カゼインおよび天然β-カゼインの混合物、異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然κ-カゼインおよび/または異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然β-カゼインおよび/または異なるPTMを有する2個またはそれ超の天然γ-カゼインの混合物);またはこれらの任意の組合せを含む。
【0207】
一部のそのような実施形態では、本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、乳清タンパク質およびカゼインから、約10対約1から約1対約10の間(例えば、約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2対1、約1対1、約1対2、約1対3、約1対4、約1対5、約1対6、約1対7、約1対8、約1対9、または約1対10)の重量比率でなる。
【0208】
一部のそのような実施形態では、本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、組換え乳清タンパク質および天然乳清タンパク質から、約10対約1から約1対約10の間(例えば、約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2対1、約1対1、約1対2、約1対3、約1対4、約1対5、約1対6、約1対7、約1対8、約1対9、または約1対10)の重量比率でなる。
【0209】
一部のそのような実施形態では、本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、組換えカゼインおよび天然カゼインから、約10対約1から約1対約10の間(例えば、約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2対1、約1対1、約1対2、約1対3、約1対4、約1対5、約1対6、約1対7、約1対8、約1対9、または約1対10)の重量比率でなる。
【0210】
一部のそのような実施形態では、本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、組換え乳清タンパク質および組換えカゼインから、約10対約1から約1対約10の間(例えば、約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2対1、約1対1、約1対2、約1対3、約1対4、約1対5、約1対6、約1対7、約1対8、約1対9、または約1対10)の重量比率でなる。
【0211】
一部のそのような実施形態では、本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、天然乳清タンパク質および天然カゼインから、約10対約1から約1対約10の間(例えば、約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2対1、約1対1、約1対2、約1対3、約1対4、約1対5、約1対6、約1対7、約1対8、約1対9、または約1対10)の重量比率でなる。
【0212】
一部のそのような実施形態では、本明細書において提供される食料製品中に含まれる乳タンパク質成分は、組換え乳タンパク質および天然乳タンパク質から、約10対約1から約1対約10の間(例えば、約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2対1、約1対1、約1対2、約1対3、約1対4、約1対5、約1対6、約1対7、約1対8、約1対9、または約1対10)の重量比率でなる。
【0213】
全ての実施形態では、乳タンパク質成分は、乳清タンパク質のサブセットのみ、またはカゼインのサブセット、または乳清タンパク質のサブセットおよびカゼインのサブセットの混合物からなる。一部の実施形態では、乳清タンパク質のサブセットは、β-ラクトグロブリンおよび/またはα-ラクトアルブミンからなる。一部の実施形態では、カゼインのサブセットは、κ-カゼインおよび/またはβ-カゼインおよび/またはγ-カゼインからなる。さまざまな実施形態では、乳清タンパク質のサブセットおよびカゼインのサブセットの混合物は、β-ラクトグロブリンおよび/またはα-ラクトアルブミンとκ-カゼインおよび/またはβ-カゼインおよび/またはγ-カゼインとの組合せからなる。一部のそのような実施形態では、混合物は、β-ラクトグロブリンおよびκ-カゼインからなる。他のそのような実施形態では、混合物は、α-ラクトアルブミンおよびκ-カゼインからなる。さらに他のそのような実施形態では、混合物は、β-ラクトグロブリンおよびα-ラクトアルブミンおよびκ-カゼインからなる。
【0214】
非乳タンパク質成分
一部の実施形態では、食料製品(例えば、乳製品(dairy product)、卵製品)は、非乳タンパク質成分を含み、非乳タンパク質成分は、組換え非乳タンパク質、および本明細書において提供される方法に従って産生されていない(すなわち、エステラーゼの活性が実質的に除去またはモジュレートされた少なくとも1つのステップを含む方法によって産生されていない)非乳タンパク質成分のエステラーゼ活性と比較して実質的に除去またはモジュレートされたエステラーゼの活性を含む。
【0215】
本明細書において提供される食料製品中に含まれる非乳タンパク質成分は、任意の供給源由来の非乳タンパク質、ならびにさまざまな供給源由来の非乳タンパク質の混合物を含んでいてもよい。そのような供給源の非限定的な例としては、動物、植物、藻類、真菌、および微生物が含まれる。
【0216】
動物の非限定的な例としては、昆虫(例えば、ハエ)、哺乳動物(例えば牛、羊、山羊、兎、豚、ヒト)、および鳥類(例えば、鶏)が含まれる。
【0217】
植物の非限定的例は、ソテツ、イチョウ、針葉樹、糸杉、ビャクシン、クロベ属、スギ材、マツ、アンゼリカ、ヒメウイキョウ、コリアンダー、クミン、ウイキョウ、パセリ、ディル、タンポポ、ムギワラギク属、マリゴールド、ヨモギ、ベニバナ、カモミール、レタス、ニガヨモギ、キンセンカ属、シトロネラソウ、セージ、タイム、チャシード、カラシナ、オリーブ、コーヒー、トウガラシ、ナス、パプリカ、クランベリー、キーウィ、野菜植物(例えば、ニンジン、セロリ)、タゲテス属、エゾヨモギギク、タラゴン、ヒマワリ、イチャクソウ、バジル、ヒソップ、ラベンダー、レモンバーベナ、マージョラム、セイヨウヤマハッカ属、パチョリ、ボレイハッカ、セイヨウハッカ、マンネンロウ、ゴマ、スペアミント、イチゲサクラソウ、翼果、トウガラシ、ピメント、ジャガイモ、サツマイモ、トマト、ブルーベリー、イヌホウズキ、ペチュニア、アサガオ、ライラック、ジャスミン、スイカズラ、キンギョソウ、サイリウム、アリタソウ、ソバ、アマランス、フダンソウ、キノア、ホウレンソウ、ルバーブ、ホホバ、キプセレア属、クロレラ、マルラ、ヘーゼルナッツ、キャノーラ、ケール、チンゲンサイ、ルタバガ、フランキンセンス、ミルラ、エレミ、タイマ、カボチャ、スカッシュ、ウル科、マニオク、ダルベルギア属、マメ科植物(例えば、アルファルファ、レンズマメ、マメ、クローバ、エンドウマメ、ハッショウマメ、フリホールボラロヤ、黒インゲンマメ、ハギ属、カンゾウ、ハウチワマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、ピーナッツ、タマリンド、フジ、カシア属、ヒヨコマメ/ガルバンゾー、コロハ、グリンピース、イエローピー、サヤエンドウ、アオイマメ、ソラマメ)、ゼラニウム、アマ、ザクロの木、綿、オクラ、ニーム、イチジク、クワ、チョウジ、ユーカリ、ティーツリー、ニアウリ、果実植物(例えば、リンゴ、アンズ、モモ、プラム、セイヨウナシ、ズバイモモ)、イチゴ、ブラックベリー、キイチゴ、サクランボ、プルーン、バラ、タンジェリン、柑橘類(例えば、グレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジ、ダイダイ、マンダリン)、マンゴー、シトラスベルガモット、ブークー、ブドウ、ブロッコリー、芽キャベツ、アマナズナ科、カリフラワー、セイヨウアブラナ、ナタネ(キャノーラ)、カブ、キャベツ、キュウリ、スイカ、ハネデューメロン、ズッキーニ、カバノキ、クルミ、キャッサバ、バオバブ、オールスパイス、アーモンド、パンノキ、ビャクダン、マカダミア属、タロイモ、ゲッカコウ、アロエベラ、ニンニク、タマネギ、シャロット、バニラ、ユッカ、ベチバー、ゲットウ、オオムギ、穀類、ハルウコン、ショウガ、レモングラス、カラスムギ、ヤシ、パイナップル、イネ、ライムギ、モロコシ、ライコムギ、ウコン、ヤマノイモ、タケ、オオムギ、カユプテ、カンナ、カルダモン、トウモロコシ、カラスムギ、コムギ、シナモン、サッサフラス、リンデラベンゾイン、月桂樹、アボカド、イランイラン、メース、ナツメグ、ワサビノキ属、トウサ、オレガノ、コリアンダー葉、チャービル、エゾネギ、集合果、穀物植物、薬草植物、葉菜類、非穀類豆類植物、ナッツ植物、多肉植物、陸生植物、水性植物、ダルベルギア属、キビ、核果、分離果、顕花植物、非顕花植物、培養植物、野生植物、樹木、灌木、花、草、草本植物、ブラッシュ、リアナ、サボテン、熱帯植物、亜熱帯植物、温帯植物、ならびにそれらの誘導物および交雑種を含む。
【0218】
藻の非限定的な例としては、緑藻類(例えば、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ピレノイドサ(Chlorella pyrenoidosa)、茶色藻類(例えば、アラリア・マルギナータ(Alaria marginata)、アリナプス・ジャポニカス(Analipus japonicus)、アスコフィルム・ノドスム(Ascophyllum nodosum)、エクロニア種(Ecklonia sp)、エイセニア・ビシクリス(Eisenia bicyclis)、ヒジキア・フシホルメ(Hizikia fusiforme)、ケルマニエラ・ジャラタ(Kjellmaniella gyrata)、ラミナリア・アングスタータ(Laminaria angustata)、ラミナリア・ロンギルルリス(Laminaria longirruris)、ラミナリア・ロンギシマ(Laminaria Longissima)、ラミナリア・オコテンシス(Laminaria ochotensis)、ラミナリア・クラウストニア(Laminaria claustonia)、ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina)、ラミナリア・ジギタータ(Laminaria digitata)、ラミナリア・ジャポニカ(Laminaria japonica)、マクロシスティス・ピリフェラ(Macrocystis pyrifera)、ペタロニア・ファスシア(Petalonia fascia)、サイトサイフォン・ローメ(Scytosiphon lome))、赤色藻類(例えば、コンドラス・クリスプス(Chondrus crispus)、コンドラス・オセラツス(Chondrus ocellatus)、ユチェウマ・コットニイ(Eucheuma cottonii)、ユチェウマ・スピノサム(Eucheuma spinosum)、フルセラリア・ファスチギアータ(Furcellaria fastigiata)、グラシラリア・ブルサ-パストリス(Gracilaria bursa-pastoris)、グラシラリア・リチェノイズ(Gracilaria lichenoides)、グロイオペルティス・フルカタ(Gloiopeltis furcata)、ギガルチナ・アシクラリス(Gigartina acicularis)、ギガルティナ・ブルサ-パストリス(Gigartina bursa-pastoris)、ギガルティナ・ピィスティラータ(Gigartina pistillata)、ギガルティナ・ラドゥラ(Gigartina radula)、ギガルティナ・スコッツベルギ(Gigartina skottsbergii)、ギガルティナ・ステラタ(Gigartina stellata)、パルマリア・パルマタ(Palmaria palmata)、ポルフィラ・コロンビナ(Porphyra columbina)、ポルフィラ・クリスパタ(Porphyra crispata)、ポルフィラ・デウタタ(Porhyra deutata)、ポルフィラ・ペルフォラタ(Porhyra perforata)、ポルフィラ・スボルビキュラタ(Porhyra suborbiculata)、ポルフィラ・テネラ(Porphyra tenera)、ポルフィリジウム・クルエンタム(Porphyridium cruentum)、ポルフィリディウム・プルプレウム(Porphyridium purpureum)、ポルフィリジウム・アエルギネウム(Porphyridium aerugineum)、ロデラ・マクラテ(Rhodella maculate)、ロデラ・レチクラタ(Rhodella reticulata)、ロデラ・ビオラセア(Rhodella violacea)、ロディメニア・パルマタ(Rhodymenia palmata))、ならびにこれらの派生物および交配物が含まれる。
【0219】
真菌の非限定的な例としては、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・ニガー変種アワモリ(Aspergillus niger var. awamori)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・エチェルシー(Candida etchellsii)、カンジダ・ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)、カンジダ・フミリス(Candida humilis)、カンジダ・リポリティカ(Candida lipolytica)、カンジダ・シュードトロピカリス(Candida pseudotropicalis)、カンジダ・ユチリス(Candida utilis)、カンジダ・バーサチリス(Candida versatilis)、クリソスポリウム・ロックンオウンズ(Chrysosporium lucknowense)、デバリオミセス・ハンゼニイ(Debaryomyces hansenii)、エンドシア・パラシチカ(Endothia parasitica)、エレモセシウム・アシュビー(Eremothecium ashbyii)、フサリウム・グラミニューム(Fusarium gramineum)、フサリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、フサリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ハンセヌラ・ポリモーファ(Hansenula polymorpha)、クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クルイベロマイセス・マルキシアヌス変種ラクチス(Kluyveromyces marxianus var. lactis)、クルイベロマイセス・サーモトレラン(Kluyveromyces thermotolerans)、モルティエレラ・ビナセア変種ラフィノセウチリゼル(Morteirella vinaceae var. raffinoseutilizer)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、ムコール・ミエヘイ変種クーニイエトエマーソン(Mucor miehei var. Cooney et Emerson)、ムコール・プシルス・リント(Mucor pusillus Lindt)、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophile)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・ロッケフォルティ(Penicillium roquefortii)、フィスコミトレラ・パテンス(Physcomitrella patens)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・フィンランディカ(Pichia finlandica)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)、ピキア・コクラマエ(Pichia koclamae)、ピキア・メンブラネファシエンス(Pichia membranaefaciens)、ピキア・ミヌタ(Pichia minuta)、オガタエア・ミヌタ(Ogataea minuta)、ピキア・リンドネリ(Pichia lindneri)、ピキア・オプンチアエ(Pichia opuntiae)、ピキア・テルモトレランス(Pichia thermotolerans)、ピキア・サリクタリア(Pichia salictaria)、ピキア・グエルクウム(Pichia guercuum)、ピキア・ピジュペリ(Pichia pijperi)、ピキア・スチプチス(Pichia stiptis)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、サッカロマイセス・ベティカス(Saccharomyces beticus)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロマイセス・ディアスタティクス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・エリプソイデウス(Saccharomyces ellipsoideus)、サッカロマイセス・イグジグース(Saccharomyces exiguus)、サッカロマイセス・フロレンチヌス(Saccharomyces florentinus)、サッカロマイセス・フラジリス(Saccharomyces fragilis)、ビール酵母(Saccharomyces pastorianus)、分裂酵母(Saccharomyces pombe)、清酒酵母(Saccharomyces sake)、サッカロマイセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum)、スポリディオボルス・ジョンソニイ(Sporidiobolus johnsonii)、スポリディオボルス・サルモニコロル(Sporidiobolus salmonicolor)、スポロボロマイセス・ロセウス(Sporobolomyces roseus)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、キサントフィロマイセス・デンドロホス(Xanthophyllomyces dendrorhous)、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、チゴサッカロミセス・ルーキシィ(Zygosaccharomyces rouxii)、ならびにこれらの派生物および交配物が含まれる。
【0220】
微生物の非限定的な例としては、ファーミキューテス門(firmicutes)、シアノバクテリア門(cyanobacteria)(青緑色藻類)、オシラトリオフシデア(oscillatoriophcideae)、バチルス目(bacillales)、ラクトバチルス目(lactobacillales)、ユレモ目(oscillatoriales)、バチルス科(bacillaceae)、ラクトバチルス科(lactobacillaceae)、アセトバクター・スボキシダンス(Acetobacter suboxydans)、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)、アクチノプラネス属放線菌(Actinoplane missouriensis)、アルスロスピラ・プラテンシス(Arthrospira platensis)、アルスロスピラ・マキシマ(Arthrospira maxima)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・スブチルス(Bacillus subtilus)、バチルス・セルス(Bacillus cerus)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、大腸菌(Escherichia coli)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラクチス・ランスフィールドN群(Lactococcus lactis Lancefield Group N)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ロイコノストック・シトロボルム(Leuconostoc citrovorum)、ロイコノストック・デキストラニカム(Leuconostoc dextranicum)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、マイクロコッカス・リゾデイクティカス(Micrococcus lysodeikticus)、スピルリナ、ストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus cremoris)、ストレプトコッカス・ラクチス(Streptococcus lactis)、ストレプトコッカス・ラクチス亜種ジアセチラクチス(Streptococcus lactis subspecies diacetylactis)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトマイセス・チャタノオゲンシス(Streptomyces chattanoogensis)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、ストレプトマイセス・ナタレンシス(Streptomyces natalensis)、ストレプトマイセス・オリバセウス(Streptomyces olivaceus)、ストレプトマイセス・オリボクロモゲネス(Streptomyces olivochromogenes)、ストレプトマイセス・ルビギノーサス(Streptomyces rubiginosus)、テトラヒメナ・サーモフィラ(Tetrahymena thermophile)、テトラヒメナ・ヘゲウィスキ(Tetrahymena hegewischi)、テトラヒメナ・ヒペラングラリス(Tetrahymena hyperangularis)、テトラヒメナ・マラセンシス(Tetrahymena malaccensis)、テトラヒメナ・ピグメントーサ(Tetrahymena pigmentosa)、テトラヒメナ・ピリフォルミス(Tetrahymena pyriformis)、テトラヒメナ・ボラックス(Tetrahymena vorax)、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、ならびにこれらの派生物および交配物が含まれる。
【0221】
一部の実施形態では、非乳タンパク質は動物タンパク質である。そのようなタンパク質の非限定的な例としては、コラーゲンが含まれる。
【0222】
一部の実施形態では、非乳タンパク質は植物タンパク質である。そのような非乳植物タンパク質の非限定的な例としては、エンドウ豆タンパク質およびジャガイモタンパク質が含まれる。
【0223】
一部の実施形態では、非乳タンパク質は真菌性タンパク質である。そのようなタンパク質の非限定的な例としては、グルコアミラーゼ、キシラゼーゼ、アミラーゼ、グルカナーゼ、SUNファミリー(Sim1p、Uth1p、Nca3p、Sun4p)のメンバー、伸長因子1-アルファ、ミトコンドリアロイシル-tRNAシンテターゼ、アルファ-アミラーゼ、アルファ-ガラクトシダーゼ、セルラーゼ、エンド-1,4-ベータ-キシラゼーゼ、エンドグルカナーゼ、エキソ-1,4-ベータ-キシロシダーゼ、グルコアミラーゼ、ペプチダーゼ、アスペルギロペプシン-1、1,4-ベータ-D-グルカンセロビオヒドロラーゼA、アルファ-ガラクトシダーゼA、アルファ-ガラクトシダーゼB、アルファ-ガラクトシダーゼD、アルファ-グルクロニダーゼA、ベータ-ガラクトシダーゼC、グルカン1,3-ベータ-グルコシダーゼA、ヒドロホビン、およびグルカンエンド-1,3-ベータ-グルコシダーゼeglCが含まれる。
【0224】
一部の実施形態では、非乳タンパク質は、宿主細胞(例えば、本明細書において開示される、動物、植物、藻類、真菌、または微生物の天然または組換え宿主細胞のいずれか)によって分泌された非乳タンパク質由来である。好適な分泌された非乳タンパク質は、例えば、セクレトームを得ることによって(すなわち、例えば、液体培養物中で動物、植物、藻類、真菌、または微生物細胞を培養し、細胞培養物から細胞を(例えば、遠心分離によって)除去し、必要に応じて残りの培養培地を濃縮することによって得られた分泌されたタンパク質;またはゲノムシークエンシングし、分泌されたタンパク質(例えば、Mattanovich et al. 2009. Microbial Cell Factories 8:29を参照のこと)、全細胞抽出物、または分画された全細胞抽出物をin silicoで同定し;必要に応じてタンパク質を部分的に消化、グリコシル化、リン酸化するか、そうでなければ酵素的に処置し;次いでそれらを、例えば乳タンパク質と比較して同様の、同一の、または異なる特性を有するタンパク質に関してアッセイ(例えば、高スループットアッセイ)でスクリーニングすることによって)同定してもよい。好適な分泌された非乳タンパク質はまた、大豆タンパク質、例えば乳タンパク質と比較して同様の、同一の、または異なる特性を有するタンパク質のカルシウムが豊富なフラクションをスクリーニングすることによって同定してもよい。好適な分泌された非乳タンパク質の非限定的な例は、2017年8月25日に出願されたPCT出願であるPCT/US2017/48730で提供されている。一部の実施形態では、非乳タンパク質は、分泌された真菌性タンパク質(すなわち、真菌(例えば、本明細書において開示される真菌のいずれか)によって分泌されたタンパク質)である。
【0225】
一部の実施形態では、非乳タンパク質成分は、組換え非乳タンパク質を含む。一部のそのような実施形態では、組換え非乳タンパク質は、非天然PTMを有し、および/またはヒトもしくは動物において免疫応答を誘発することができるエピトープを有していない。
【0226】
他の成分
本明細書において提供される食料製品は、1つまたは複数の他の成分をさらに含んでいてもよい。例えば、一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は脂質をさらに含む。脂質の非限定的な例としては、脂肪、油、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、および遊離脂肪酸からなる群から選択される脂質がある。
【0227】
油の非限定的な例としては、植物油(例えば、ヒマワリ油、ココナツ油、マスタード油、落花生油、キャノーラ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、菜種油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、アーモンド油、ブナナッツ油、ブラジルナッツ油、カシュー油、ヘーゼルナッツ油、マカダミアナッツ油、モンゴンゴナッツ油、ピーカン油、松の実油、ピスタチオナッツ油、クルミ油、アボカド油、グレープ油)、微生物由来油、藻類由来油、真菌由来油、海洋動物油(例えば、大西洋魚油、太平洋魚油、地中海魚油、軽プレス魚油(light pressed fish oil)、アルカリ処置魚油、熱処置魚油、軽および重茶色魚油(light and heavy brown fish oil)、カツオ油、イワシ油、マグロ油、シーバス油、ハリバ油、フウライカジキ油、バラクーダ油、タラ油、メンハーデン油、サーディン油、アンチョビ油、カペリン油、大西洋タラ油、大西洋ニシン油、大西洋サバ油、大西洋メンハーデン油、サケ科油、およびサメ油、イカ油、コウイカ魚油、タコ油、オキアミ油、アザラシ油、クジラ油)、非精油、精油、天然油、非水素化油、部分水素化油、水素化油(例えば、水素化ココナツ油)、粗製油、半精製(アルカリ精製とも称する)油、エステル交換油、および精製油がある。一部の実施形態では、長鎖油(例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、オリーブ油、大豆油、落花生油、クルミ油、アーモンド油、ゴマ油、綿実油、キャノーラ油、ベニバナ油、亜麻仁油、パーム油、パーム核油、パーム果実油、ココナツ油、ババス油、シアバター、マンゴーバター、ココアバター、小麦胚芽油、米糠油、オレイン酸を400%過剰発現する遺伝子操作されたヒマワリ油)は、エステル交換された脂肪酸エステルを産生するために短鎖トリグリセリドと組み合わされる。トリグリセリドおよび長鎖油のさまざまな組合せは、多数の異なる香味プロファイルを生成するために組み込むことができる。
【0228】
モノグリセリドおよびジグリセリドの非限定的な例としては、植物由来モノグリセリドおよびジグリセリド、(例えば、ヒマワリ、ココナツ、落花生、綿実、オリーブ、パーム、菜種、ベニバナ、ゴマ種子、大豆、アーモンド、ブナナッツ、ブラジルナッツ、カシュー、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、モンゴンゴナッツ、ピーカン、松の実、ピスタチオ、クルミ、およびアボカド由来のモノグリセリドおよびジグリセリド)がある。モノグリセリドおよびジグリセリドは、本明細書において列挙される遊離脂肪酸のいずれかのアシル鎖を含んでいてもよい。モノグリセリドおよびジグリセリドの追加の例は当技術分野において公知である。
【0229】
遊離脂肪酸の非限定的な例としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、オメガ-脂肪酸(例えば、アラキドン酸、オメガ-3-脂肪酸、オメガ-6-脂肪酸、オメガ-7-脂肪酸、オメガ-9-脂肪酸)、4~16炭素長の偶数の炭素を有する脂肪酸、モノ飽和酸(特に18個の炭素を有する)、界面張力が低い(例えば、20未満、15未満、11未満、9未満、7未満、5未満、3未満、2未満、1未満、または0.5ダイン/cm未満、0.1から20、1から15、2から9、3から9、4から9、5から9、2から7、0.1から5、0.3から2、または0.5から1ダイン/cm、0.1、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、または20.0の)脂肪酸、sn-3においてエステル化された酪酸(4:0)またはカプロン酸(6:0)、sn-1およびsn-2の位置でエステル化された中鎖脂肪酸(8:0~14:0)ならびに16:0、ステアリン酸(18:0)がsn-1の位置にある脂肪酸、オレイン酸(18:1)がsn-1およびsn-3の位置にある脂肪酸、さまざまな炭素原子(例えば、8から40、10から38、12から36、14から34、16から32、18から30、または20から28個の炭素原子)を有する脂肪酸、少なくとも1つの不飽和結合(すなわち、炭素-炭素二重または三重結合;例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、または少なくとも8個の炭素-炭素二重結合および/または三重結合)を含む脂肪酸、共役不飽和結合(すなわち、炭素-炭素二重および/または三重結合の少なくとも1つのペアがそれらの間にメチレン(CH2)基なしで互いに結合している(例えば、4CH:CHiCH:CHi))を含む脂肪酸、ならびに上記の脂肪酸の誘導体(例えば、エステル(例えば、メチルおよびエチルエステル)、塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、トリグリセリド誘導体、ジグリセリド誘導体、モノグリセリド誘導体)が含まれる。遊離脂肪酸は飽和または不飽和であってもよい。一部の実施形態では、遊離脂肪酸は、哺乳動物に由来しないかまたはそれによって産生されない。遊離脂肪酸の追加の例は当技術分野において公知である。
【0230】
リン脂質の非限定的な例としては、レシチンリン脂質(例えば、大豆レシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、綿レシチンリン脂質、菜種レシチンリン脂質、米糠レシチンリン脂質、トウモロコシレシチンリン脂質、小麦粉レシチンリン脂質)、カルジオリピン、セラミドホスホコリン、セラミドホスホエタノールアミン、グリセロリン脂質、ホスファチジル酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスホスフィンゴ脂質、およびホスファチジルセリンがある。一部の実施形態では、リン脂質は哺乳動物に由来しないかまたはそれによって産生されない。
【0231】
トリグリセリドの非限定的な例としては、トリブチリン、短鎖トリグリセリド、3つのオレイン酸を含む短鎖トリグリセリド;ヘキサン酸を含む短鎖トリグリセリド;ヘキサン酸および酪酸を含む短鎖トリグリセリド;ヘキサン酸およびデカン酸を含む短鎖トリグリセリド;および1つの酪酸、1つのヘキサン酸、ならびに1つのオクタン酸を含む短鎖トリグリセリドがある。
【0232】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、0.3重量%未満、0.25重量%未満、0.2重量%未満、0.15重量%未満、0.1重量%未満、または0.05重量%未満;0.05重量%から3重量%、2.6重量%、2.2重量%、1.8重量%、1.4重量%、1.0重量%、0.6重量%、0.2重量%、または0.1重量%の間;0.1重量%から3重量%、2.6重量%、2.2重量%、1.8重量%、1.4重量%、1.0重量%、0.6重量%、または0.2重量%の間;0.2重量%から3重量%、2.6重量%、2.2重量%、1.8重量%、1.4重量%、1.0重量%、または0.6重量%の間;0.6重量%から3重量%、2.6重量%、2.2重量%、1.8重量%、1.4重量%、または1.0重量%の間;1.0重量%から3重量%、2.6重量%、2.2重量%、1.8重量%、または1.4重量%の間;1.4重量%から3重量%、2.6重量%、2.2重量%、または1.8重量%の間;1.8重量%から3重量%、2.6重量%、または2.2重量%の間;2.2重量%から3重量%、または2.6重量%の間;または2.6重量%から3重量%の間の遊離脂質含有量を有する。
【0233】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、専門家ヒト官能パネルによって判定されるような所望の範囲内の(例えば、専門家ヒト官能パネルによって嫌なものではないことが判定される香りおよび/または味を有する;専門家ヒト官能パネルによって望ましいことが判定される香味プロファイルを有する)遊離脂質含有量を有する。
【0234】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、炭水化物をさらに含む。炭水化物の非限定的な例としては、デンプン、小麦粉、および食用繊維がある。デンプンの非限定的な例としては、マルトデキストリン、イヌリン、フルクトオリゴ糖、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、トウモロコシデンプン、オート麦デンプン、ジャガイモデンプン、コメデンプン、エンドウ豆デンプン、および小麦デンプンが含まれる。小麦粉の非限定的な例としては、アマランス粉、オート麦粉、キヌア粉、コメ粉、ライ麦粉、ソルガム粉、大豆粉、小麦粉、およびトウモロコシ粉が含まれる。食用繊維の非限定的な例としては、竹繊維、大麦ふすま、ニンジン繊維、柑橘類繊維、トウモロコシふすま、溶解性食物繊維、不溶性食物繊維、オート麦ふすま、エンドウ豆繊維、米糠、もみ殻(head husks)、大豆繊維、大豆ポリサッカライド、小麦ふすま、および木材パルプセルロースが含まれる。一部の実施形態では、炭水化物の少なくとも一部は植物由来である。一部のそのような実施形態では、炭水化物の少なくとも一部はエンドウ豆由来である。
【0235】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、天然または人工甘味剤をさらに含む。甘味剤の非限定的な例としては、ステビア、アスパルテーム、シクラメート、サッカリン、スクラロース、モグロシド、ブラゼイン、クルクリン、エリスリトール、グリシルリジン、イヌリン、イソマルト、ラシチトール、マビンリン、マリチトール、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、タウマチン、キシリトール、アセスルファームカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム-アセスルファーム、シクラミン酸ナトリウム、ズルチン、グルシン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、P-4000、および炭水化物を含まない甘味剤が含まれる。
【0236】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、ミネラルをさらに含む。ミネラルの非限定的な例としては、脂溶性ミネラル、水溶性ミネラル、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、シトレート、塩化物、ホスフェート、マグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄、モリブデン、マンガン、および銅が含まれる。
【0237】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、乳化剤をさらに含む。乳化剤の非限定的な例としては、アニオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、バイオ乳化剤、立体乳化剤、ピッケリング乳化剤、糖脂質(例えば、トレハロース脂質、ソフォロ脂質、ラムノ脂質、マンノシルエリスリオール脂質)、オリゴペプチド(例えば、グラミシジンS、ポリミキシン)、リポペプチド(例えば、サーファクチン)、リン脂質、脂肪酸、中性脂質、高分子バイオ界面活性剤、両親媒性多糖、リポ多糖、タンパク質(例えば、エンドウ豆タンパク質、大豆タンパク質、ヒヨコ豆タンパク質、藻類タンパク質、酵母タンパク質、ジャガイモタンパク質、レンチルタンパク質)、マンノタンパク質、リン酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、モノグリセリドのモノ-およびジアセチル酒石酸エステル、リン脂質、モノステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸マグネシウム、脂肪酸のナトリウム/カリウム/カルシウム塩、ステアロイル乳酸カルシウム、ポリ-グリセロールエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノグリセリドの酢酸エステル、モノグリセリドの乳酸エステル、モノグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリグリセロールポリリシノレート、脂肪酸のプロパン-1,2-ジオールエステル、糖エステル、脂肪酸のスクロースエステル、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、ジグリセリド、リン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸エステル、ステアロイル-2-乳酸ナトリウム/カルシウム、ホスファチドアンモニウム、ポリソルベート、ポリソルベート-80、カルボキシメチルセルロース(CMC)、モジュレートされたセルロース、クエン酸エステル、ローカストビーンガム、グアーガム、リポサン、エマルサン、レシチン、界面活性剤(例えば、トリオレイン酸ソルビタン(Span85)、トリステアリン酸ソルビタン(Span65)、セスキオレイン酸ソルビタン(Arlacel83)、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン(Span80)、モノステアリン酸ソルビタン(Span60)、モノパルミチン酸ソルビタン(Span40)、モノラウリン酸ソルビタン(Span20)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(Tween65)、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(Tween85)、ポリエチレングリコール400モノステアレート、ポリソルベート60(Tween60)、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリソルベート80(Tween80)、ポリソルベート40(Tween40)、ポリソルベート20(Tween20)、PEG20トリステアレート、PEG20トリオレエート、PEG20モノステアレート、PEG20モノオレエート、PEG20モノパルミテート、およびPEG20モノラウレートソルビタン)、およびこれらの誘導体および混合物が含まれる。
【0238】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、抗酸化物質をさらに含む。抗酸化剤の非限定的な例としては、天然抗酸化剤(例えば、α-トコフェロール(例えば、ウシ乳中に含まれるトコフェロール);低分子量チオール(例えば、ウシ乳中に含まれる低分子量チオール);レチノール(例えば、ウシ乳中に含まれるレチノール);TBHQ;カロテノイド(例えば、ウシ乳中に含まれるカロテノイド);ビタミンE;苦楝皮(Azadirachta indica)抽出物;リボフラビン;ローズマリー抽出物;ローズマリー抽出物中に含まれるフェノールジテルペン(例えば、カルノソール、カルノシン酸);セージ抽出物;アスコルビン酸およびその塩;乳酸およびその塩;ブドウ残渣サイレージ;ブドウ残渣サイレージ中に含まれるフェノール化合物(例えば、フェルラ酸);大豆(グリシンマックス)抽出物;イソフラボンまたはポリフェノール化合物中に含まれる大豆抽出物;ガーリック(ニンニク(Allium sativum))抽出物;ガーリック抽出物中に含まれる硫黄、フェノール、フラボノイド、またはテルペノイド化合物;フェンネル(ウイキョウ(Foeniculum vulgare Mill.))抽出物;カモミール(カミツレ(Matricaria recutita L.))抽出物;茶色藻類(例えば、アスコフィラム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、フコス・ベシクロサス(Fucus vesiculosus));未成熟ピンクペッパーの精油(GEO);成熟ピンクペッパーの精油(MEO);緑茶抽出物;ブチル化ヒドロキシアニソール(E320);ブチル化ヒドロキシトルエン(E321);およびカテキン(例えば、緑茶抽出物中に含まれる没食子酸エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン、Cカテキン、エピカテキン、カテキン)が含まれる。一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、2,000重量ppm未満の抗酸化物質を含む。
【0239】
食料製品特性
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品のpHは、2から10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、または2.5の間;2.5から10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、または3の間;3から10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、または3.5の間;3.5から10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、または4の間;4から10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、または4.5の間;4.5から10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、または5の間;5から10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、または5.5の間;5.5から10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、または6の間;6から10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、または6.5の間;6.5から10、9.5、9、8.5、8、7.5、または7の間;7から10、9.5、9、8.5、8、または7.5の間;7.5から10、9.5、9、8.5、または8の間;8から10、9.5、9、または8.5の間;8.5から10、9.5、または9の間;9から10、または9.5の間;または9.5から10の間であり、pHは、4重量%のタンパク質含有量を含む脱イオン水の溶液中で測定される。
【0240】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、0.04から0.999、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1の間;0.1から0.999、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、または0.2の間;0.2から0.999、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、または0.3の間;0.3から0.999、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、または0.4の間;0.4から0.999、0.9、0.8、0.7、0.6、または0.5の間;0.5から0.999、0.9、0.8、0.7、または0.6の間;0.6から0.999、0.9、0.8、または0.7の間;0.7から0.999、0.9、または0.8の間;0.8から0.999、または0.9の間;または0.9から0.999の間の水分活性を有する。
【0241】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は、ホモジネートされた食料製品(すなわち、ホモジネートが行われた食料製品)であり、0.11μmから15μm、12μm、10μm、8μm、6μm、4μm、2μm、1μm、または0.5μmの間;0.5μmから15μm、12μm、10μm、8μm、6μm、4μm、2μm、または1μmの間;1μmから15μm、12μm、10μm、8μm、6μm、4μm、または2μmの間;2μmから15μm、12μm、10μm、8μm、6μm、または4μmの間;4μmから15μm、12μm、10μm、8μm、または6μmの間;6μmから15μm、12μm、10μm、または8μmの間;8μmから15μm、12μm、または10μmの間;10μmから15μm、または12μmの間;または12μmから15μmの間の平均直径を有する分散相液滴を含む。
【0242】
一部の実施形態では、本明細書において提供される食料製品は粗大懸濁食料製品(すなわち、高圧ホモジネート(例えば、コロイドミル、超音波破砕機、ローターステーターユニット中での)を使用せずに乳化された食料製品;例えば、サラダドレッシング、マヨネーズ)であり、1μmから10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、または2μmの間;2μmから10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、または3μmの間;3μmから10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、または4μmの間;4μmから10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、または5μmの間;5μmから10μm、9μm、8μm、7μm、または6μmの間;6μmから10μm、9μm、8μm、または7μmの間;7μmから10μm、9μm、または8μmの間;8μmから10μm、または9μmの間;または9μmから10μmの間の平均直径を有する分散相液滴である。
【0243】
食料製品調製物
食料製品を調製するためのさまざまなレシピが存在し、任意のそのようなレシピは、本明細書において提供される食料製品を産生するための本明細書において提供される方法において使用してもよい。組換え成分を含む発酵ブロスまたは調製物を、慣例的に使用される食品成分の代わりに、またはそれに加えて、そのようなレシピにおいて使用してもよい。
【0244】
本発明は、そのある特定の具体的な実施形態と併記してきたが、前述の説明は、例示することを意図しており、発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。発明の範囲内の他の態様、利点、および修正は、本発明が属する当業者であれば明らかであろう。
【実施例1】
【0245】
以下の例は、本発明の具体的な実施形態を例示するために含まれる。例で開示される技術は、本発明の実施に際して十分に機能するために本発明者らによって発見された技術を表すが;当業者であれば、本開示を考慮して、開示される具体的な実施形態において多くの変更を行うことができ、発明の趣旨および範囲から逸脱することなく類似のまたは同様の結果をやはり得る点を理解するべきである。その結果、例で説明されるかまたは示される全ての事項は例示として判断されるべきであり、限定的な意味ではない。
【実施例2】
【0246】
精製を介したエステラーゼ活性の除去
組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換えトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)宿主細胞は、トリコデルマ・リーゼイ株のプロトプラストを、ゲノム組込みについて標的化され、誘導性プロモーターの制御下でβ-ラクトグロブリンをコードするポリヌクレオチドを用いて形質転換することによって生成した。形質転換体を、組換えポリヌクレオチドを組み込むために選択されたマーカーを含む培地上で選択した。
【0247】
組換え宿主細胞を、組換え宿主細胞の成長ならびに組換えβ-ラクトグロブリンの産生および分泌に好適な培養培地で発酵させた。
【0248】
発酵ブロスを収集し、バイオマスおよび細胞デブリを遠心分離によって除去して、浄化された発酵ブロスを得た。組換えβ-ラクトグロブリンを、電荷(すなわち、イオン錯体形成)、熱不安定性/熱安定性、および/または疎水性に基づいて浄化された発酵ブロスから単離した。
【0249】
例えば、組換えβ-ラクトグロブリンは、電荷に基づいて分離し(すなわち、特定のpHおよび/またはイオン強度(例えば、酸ナトリウム塩)で組換えβ-ラクトグロブリンと反対の電荷を有する粒子とイオン錯体形成させ、続いて複合体を単離し、pHおよび/またはイオン強度の調整を介して単離された複合体から組換えβ-ラクトグロブリンを溶出し)、続いて親水性に基づいて分離する(すなわち、好適なpHおよび/またはイオン強度(例えば、0.8M Na2SO4)でフェニルセファロースカラムへ組換えβ-ラクトグロブリン調製物を充填して、エステラーゼをフェニルセファロースへ結合させ、フロースルー中の溶解性β-ラクトグロブリンの収集を可能にする)ことによって単離した。β-ラクトグロブリン調製物を必要に応じてスプレードライして、β-ラクトグロブリン粉末調製物を得た。
【0250】
別の例では、組換えβ-ラクトグロブリンは、電荷に基づいて分離し(すなわち、特定のpHおよび/またはイオン強度(例えば、酸ナトリウム塩)で組換えβ-ラクトグロブリンと反対の電荷を有する粒子とイオン錯体形成させ、続いて複合体を単離し、pHおよび/またはイオン強度調整を介して単離された複合体から組換えβ-ラクトグロブリンを溶出し)、続いて熱不安定性/熱安定性に基づいて分離する(すなわち、好適なpHおよび/またはイオン強度で(例えば、pH3および2mS/cm未満の伝導度、例えば、透析濾過によって得られる)で加熱して(例えば、80~85℃で20~60分間)、エステラーゼ活性を析出させ、続いて遠心分離によって沈殿物を除去して、溶解性のβ-ラクトグロブリンを得る)ことによって単離した。β-ラクトグロブリン調製物を必要に応じてスプレードライして、β-ラクトグロブリン粉末調製物を得た。
【0251】
β-ラクトグロブリン調製物中に含まれるエステラーゼ活性は、β-ラクトグロブリン粉末調製物(3%w/w)をココナツおよび/またはヒマワリ油に添加し、200バールでホモジネートして、エマルションを形成することによって決定した。混合物を、FFAキット(製品番号KA1667;Abnova(Taipei City、Taiwan))を使用して、遊離脂肪酸の存在に関してアッセイした。
【0252】
図1~4で示すように、精製することによって得られたβ-ラクトグロブリン調製物は、実質的に除去されたエステラーゼ活性を含んでいた。
【実施例3】
【0253】
培養を介したエステラーゼ活性の除去
組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換えトリコデルマ・リーゼイ宿主細胞は、トリコデルマ・リーゼイ株のプロトプラストを、ゲノム組込みについて標的化され、誘導性プロモーターの制御下でβ-ラクトグロブリンをコードするポリヌクレオチドを用いて形質転換することによって生成した。形質転換体を、組換えポリヌクレオチドを組み込むために選択されたマーカーを含む培地上で選択した。
【0254】
組換え宿主細胞を、組換え宿主細胞の成長ならびに組換えβ-ラクトグロブリンの産生および分泌に好適な培養培地を含む3つの培養物中で発酵させた。3つの培養物は、培養培地中に含まれる消泡剤のタイプのみが互いに異なっており、これらはIndustrol DF204、Polyglycol P-2000、およびErol DF6000Kからなるリストから選択された。
【0255】
発酵ブロスを各培養物から収集し、バイオマスおよび細胞デブリを遠心分離によって除去して、浄化された発酵ブロスを得た。浄化された発酵ブロス中に含まれるエステラーゼ活性を、pNPL(製品番号61716;Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)および4MUoアッセイ(製品番号75164;Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)を使用することによって基本的に製造業者のプロトコールごとに決定した。4Muoアッセイに関しては、浄化された発酵ブロス20μLを、0.1M酢酸ナトリウム緩衝液pH4.3、20μL、および0.1mM 4MU-o 40μLと白色96-ウェルプレート中で合わせ、混合物を43℃で60分間インキュベートしてから、それを0.1M Borax溶液pH9.22、80μLでクエンチし、蛍光を365nmでの励起および450nmでの発光読取りによって読み取った。pNPLアッセイに関しては、pH4.3の浄化された発酵ブロス40μLを1mM pNPL溶液40μLと96ウェルPCRプレート中で合わせ、混合物を、43℃で60分間インキュベートしてから、それを等体積の0.1M Borax溶液pH9.22でクエンチし、蛍光を400nmでの発光読み込みによって読み取った。
【0256】
図5で示すように、チューキークレーマー分析によって、消泡剤Industrol DF204またはPolyglycol P-2000として利用された培養物から得られた浄化された発酵ブロスは、消泡剤Erol DF6000Kとして利用された培養物から得られた浄化された発酵ブロスよりも有意に低いエステラーゼ活性を生じたことが実証された。
【実施例4】
【0257】
遺伝子改変を介したエステラーゼ活性の除去
組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができ、実質的に除去されたクチナーゼ(例えば、cut1(UniProt番号G0RH85))活性を含む組換えトリコデルマ・リーゼイ宿主細胞(「クチナーゼノックアウト組換え宿主細胞」)を、クチナーゼ遺伝子座において相同的組換えによって組み込むように、かつクチナーゼオープンリーディングフレームを選択マーカーで置き換えるように遺伝子操作されたポリヌクレオチド(標的ベクター)を用いて、組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができるトリコデルマ・リーゼイ株(「対応する組換え宿主細胞」)のプロトプラストを形質転換することによって生成した。
【0258】
標的ベクターの一般的な構造を図6に示す。標的ベクターは、トリコデルマ・リーゼイゲノムにおけるクチナーゼオープンリーディングフレームにフランキングしている上流および下流ポリヌクレオチド配列と相同のポリヌクレオチド配列によってフランキングされた選択的マーカー(ウラシル添加なしで成長可能なpyr4遺伝子)を含んでいた。上流配列および下流配列は、本明細書においてそれぞれ配列番号1および配列番号2として提供される。
【0259】
形質転換体を最小培地上で選択し、次いでPCRによってスクリーニングして、クチナーゼノックアウト組換え宿主細胞を同定した。クチナーゼノックアウト組換え宿主細胞および対応する組換え宿主細胞を、組換え宿主細胞の成長、ならびに組換えβ-ラクトグロブリンの産生および分泌に好適な培養培地で発酵させた。発酵ブロスを収集し、バイオマスおよび細胞デブリを遠心分離によって除去して、浄化された発酵ブロスを得た。組換えβ-ラクトグロブリンを、電荷(すなわち、静電的相互作用)に基づいて浄化された発酵ブロスから単離した。
【0260】
クチナーゼノックアウト株および親株から得られたβ-ラクトグロブリン調製物中のクチナーゼ活性を、FFAアッセイを使用してアッセイした。
【0261】
図7で示すように、FFAアッセイでは、対応する組換え宿主細胞から得られたβ-ラクトグロブリン調製物は、経時的に遊離脂肪酸を産生し、これは、β-ラクトグロブリン調製物中のリパーゼ活性の存在の指標である。遊離脂肪酸のそのような生成(すなわち、エステラーゼ活性)は、クチナーゼノックアウト組換え宿主細胞から得られたβ-ラクトグロブリン調製物中では実質的に除去された。
【実施例5】
【0262】
糸状菌細胞中で産生された組換えβ-ラクトグロブリンを含み、低下したエステラーゼ活性をさらに含むアイスクリーム組成物。
以下の試料を調製し、4℃で16時間インキュベートした:
【0263】
【表3】

【0264】
図9Aで示すように、糸状菌細胞によって産生された組換えβ-ラクトグロブリンの使用は、望まないゲル組成物の形成をもたらした。さらに、調製物は嫌な香りおよび味を生成させた。
【0265】
図9Bで示すように、組換えβ-ラクトグロブリンの熱処置は、ゲル化を阻止した(かつ嫌な香りおよび味の生成を低下させた)。
【0266】
図9Cで示すように、トリアシルグリセロールリパーゼの添加は、調製物がゲル組成物を(嫌な香りおよび味とともに)再び形成するという点において、組換えβ-ラクトグロブリンの熱処置の効果を打ち消した。
【0267】
図9Dで示すように、乳清から精製したウシβ-ラクトグロブリンの使用は、望まないゲル組成物を提供しなかった。それはまた、嫌な香りおよび味を生成しなかった。
【0268】
図9Eで示すように、トリアシルグリセロールリパーゼのウシβ-ラクトグロブリンへの添加は、ゲル形成をもたらした(かつ嫌な香りおよび味を生成した)。
【0269】
図9Fで示すように、実質的に除去されたエステラーゼ活性を含む組換えβ-ラクトグロブリン調製物の使用は、望ましいアイスクリームテクスチャーを望ましい香りおよび味とともに提供した。
【0270】
まとめると、データは、糸状菌細胞によって産生された組換えβ-ラクトグロブリンの調製物は、食品組成物のテクスチャー、香り、および味に対して悪影響を有するエステラーゼの活性を含む場合があることを示唆する。
【実施例6】
【0271】
望ましい官能プロファイルを提供するエステラーゼ活性の同定
組換え成分(例えば、組換え乳タンパク質)を産生することができる追加の組換え宿主細胞(例えば、追加の組換えトリコデルマ・リーゼイ宿主細胞、追加の組換えアスペルギルス・ニガー宿主細胞、追加の組換えトリコデルマ・シトリノビリデ(Trichoderma citrinoviride)宿主細胞、追加の組換えミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)宿主細胞)は、例3で開示されたものと同様であるが標的化されたエステラーゼ遺伝子座に対して特異的な上流および下流標的配列を含む標的ベクターを使用して、または突然変異(例えば、1つまたは複数のヌクレオチドの変化、欠失、または挿入)を、エステラーゼの発現を調節するヌクレオチド配列に導入するため、またはモジュレートされた(すなわち、高いまたは低い)もしくは実質的に除去されたエステラーゼ活性を含む組換え宿主細胞を産生するためのエステラーゼをコードするオープンリーディングフレームに導入するための他の突然変異誘発スキームを使用して、他のエステラーゼ(例えば、カルボキシルエステルヒドラーゼ(例えば、UniProt番号G0RBM4、G0RIU1)、ホスホリパーゼC(例えば、UniProt番号G0REM9)、アセチルエステラーゼ(例えば、UniProt番号G0RHJ4)、およびエステラーゼの発現を調節する転写因子(例えば、UniProt番号G0RX49)、および本明細書において開示される任意の他のエステラーゼ、2個またはそれ超のそのような他のエステラーゼの組合せ、および1つまたは複数のそのような他のエステラーゼとクチナーゼとの組合せ(例えば、UniProt番号G0RH85)を標的とすることによって、例3で記載したように産生される。組換え成分調製物は、本明細書において述べられる方法に従ってそのような組換え宿主細胞から得られ、食料製品を調製するために使用される。食料製品は望ましい官能プロファイルをその食料製品に提供する好適なエステラーゼ活性またはエステラーゼ活性の組合せを同定するための所望の官能特性(例えば、所望の臭気、所望の味、所望のテクスチャー、所望の乳化)に関して試験される。特定の食料製品に望ましい官能プロファイルを提供する好適なエステラーゼ活性またはエステラーゼ活性の組合せは、食料製品の特定の組成(例えば、食料製品の特定の脂質プロファイル)に依存する場合がある。
【0272】
本明細書において述べられる全ての刊行物、特許、特許出願、配列、データベースエントリ、および他の参考文献は、個々の文献、特許、特許出願、配列、データベースエントリ、または他の参考文献がそれぞれ具体的にかつ個々に示された場合と同じ程度に参照により組み込まれるものとする。矛盾がある場合は、定義を含む本明細書が優先されることになる。本明細書において使用される専門用語および説明は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、発明の範囲を限定することは意図しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
【配列表】
2022512740000001.app
【手続補正書】
【提出日】2021-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換え成分を産生することができる組換え微生物宿主細胞により産生される組換え成分を含む食料製品を生産するための方法であって、前記組換え微生物宿主細胞が、対応する組換え微生物宿主細胞に含まれるエステラーゼの活性または発現に比較して、エステラーゼの活性または発現を低下するまたは本質的に除去する遺伝子改変を含み、前記エステラーゼがクチナーゼを含む、方法。
【請求項2】
前記エステラーゼは、クチナーゼからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クチナーゼは、UniProt配列G0RH85、A2QBP1、A0A2T4BJB5、A5ABE6、A2R2W3、G0R6X2、およびG2QH51から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記クチナーゼは、UniProt配列G0RH85から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記エステラーゼは、カルボキシルエステルヒドロラーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エステラーゼは、トリアシルグリセロールリパーゼさらにを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エステラーゼは、ホスホリパーゼA2をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記エステラーゼは、リゾホスホリパーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記エステラーゼは、アセチルエステラーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記エステラーゼは、ホスホリパーゼCをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記エステラーゼは、GDSLリパーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0RIU1、A2R1N7、G0RBM4、A0A2T4BBP9、G2Q379、A0A2T4AZ21、A2R8Z3、A2QPC2、G0RCG3、A0A2T4BCL7、A0A2T4B416、およびA0A2T4BNI9から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0R9X3およびG0RHJ4から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0RX90、G2Q0K1、A0A2T4B235、A2QC75、G0RLB0、G0RLB7、G0RWS1、及びA2QF42から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0RJ76、G0RKL4、およびG0RRK3から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0REM9、A0A2T4BFY3、A2QAD7、G0RGQ7、G0RJC6、G0RQN5、G0RTR6、G0RBZ6、およびG0RDK5から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0R707、A2QM14、およびA2R709から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0RBJ0、G0RJY0、およびG0RMI3から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記組換え微生物宿主細胞は、組換え細菌宿主細胞、組換え酵母宿主細胞、および組換え糸状菌宿主細胞からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記組換え糸状菌宿主細胞は、クロコウジカビ(Aspergillus niger)宿主細胞、マイセリオフトーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)宿主細胞、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)宿主細胞、およびトリコデルマ・シトリノビリデ(Trichoderma citrinoviride)宿主細胞からなる群から選択される糸状菌宿主細胞に由来する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記組換え成分は、組換えタンパク質である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記組換えタンパク質は、組換え植物タンパク質、組換え藻類タンパク質、組換え真菌タンパク質、組換え微生物タンパク質、および組換え動物タンパク質からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記組換え動物タンパク質は、組換え乳タンパク質である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組換え乳タンパク質は、組換え乳清タンパク質である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記組換え乳清タンパク質は、組換えβ-ラクトグロブリンである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記組換え乳清タンパク質は、組換えα-ラクトアルブミンである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記組換え乳タンパク質は、組換えカゼインである、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記組換えカゼインは、κ-カゼインである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記組換えカゼインは、β-カゼインである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、エステラーゼの活性を更に低下する、または本質的に除去するのに適した条件下で、前記組換え微生物宿主細胞を培養するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記方法は、エステラーゼから分離して前記組換え成分を精製して、前記組換え成分、および対応する調製物と比べて低下されたまたは本質的に除去された活性を含む調製物を得るステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記調製物は、所望の香味、所望の香り、所望のテクスチャー、所望のエマルジョン化、所望の栄養内容物、および所望の貯蔵寿命からなる群から選択される1つまたは複数の特性を食料製品に与えるように最適化されているエステラーゼ活性プロファイルを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記調製物は、粉末である、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記食料製品は、乳製品代用品である、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記乳製品代用品は、乳、ヨーグルト、チーズ、ディリースプレッド、クリーム、冷菓、バター、および乳製品粉末からなる群から選択される乳製品の代用品である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
組換え成分を産生することができ、対応する組換え微生物宿主細胞に含まれるエステラーゼの活性または発現と比べてエステラーゼの活性または発現を低下するまたは本質的に除去する遺伝子改変を含む、組換え微生物宿主細胞。
【請求項37】
前記エステラーゼは、クチナーゼからなる、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項38】
前記クチナーゼは、UniProt配列G0RH85、A2QBP1、A0A2T4BJB5、A5ABE6、A2R2W3、G0R6X2、およびG2QH51から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項36または37に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項39】
前記クチナーゼは、UniProt配列G0RH85から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項38に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項40】
前記エステラーゼは、カルボキシルエステルヒドロラーゼをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項41】
前記エステラーゼは、トリアシルグリセロールリパーゼさらにを含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項42】
前記エステラーゼは、ホスホリパーゼA2をさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項43】
前記エステラーゼは、リゾホスホリパーゼをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項44】
前記エステラーゼは、アセチルエステラーゼをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項45】
前記エステラーゼは、ホスホリパーゼCをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項46】
前記エステラーゼは、GDSLリパーゼをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項47】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0RIU1、A2R1N7、G0RBM4、A0A2T4BBP9、G2Q379、A0A2T4AZ21、A2R8Z3、A2QPC2、G0RCG3、A0A2T4BCL7、A0A2T4B416、およびA0A2T4BNI9から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項48】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0R9X3およびG0RHJ4から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項49】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0RX90、G2Q0K1、A0A2T4B235、A2QC75、G0RLB0、G0RLB7、G0RWS1、及びA2QF42から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項50】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0RJ76、G0RKL4、およびG0RRK3から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項51】
前記エステラーゼの前記活性は、UniProt配列G0REM9、A0A2T4BFY3、A2QAD7、G0RGQ7、G0RJC6、G0RQN5、G0RTR6、G0RBZ6、およびG0RDK5から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項52】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0R707、A2QM14、およびA2R709から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項53】
前記エステラーゼは、UniProt配列G0RBJ0、G0RJY0、およびG0RMI3から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むエステラーゼをさらに含む、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項54】
前記遺伝子改変は、前記エステラーゼの発現を調節する転写因子の発現を推進する制御配列またはその機能的部分における遺伝子改変、または、そのような転写因子をコードするコード配列またはその機能的部分における遺伝子改変である、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項55】
前記転写因子は、UniProt配列G0RX49、G0RHG1、A0A2T4B416、A0A2T4BJU6、A2R2J1、A2R903、G2Q2Z5、およびG2Q8I6から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項54に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項56】
前記組換え微生物宿主細胞は、組換え細菌宿主細胞、組換え酵母宿主細胞、および組換え糸状菌宿主細胞からなる群から選択される、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項57】
前記組換え糸状菌宿主細胞は、クロコウジカビ(Aspergillus niger)宿主細胞、マイセリオフトーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)宿主細胞、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)宿主細胞、およびトリコデルマ・シトリノビリデ(Trichoderma citrinoviride)宿主細胞からなる群から選択される糸状菌宿主細胞に由来する、請求項56に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項58】
前記組換え成分は、組換えタンパク質である、請求項36に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項59】
前記組換えタンパク質は、組換え植物タンパク質、組換え藻類タンパク質、組換え真菌タンパク質、組換え微生物タンパク質、および組換え動物タンパク質からなる群から選択される、請求項58に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項60】
前記組換え動物タンパク質は、組換え乳タンパク質である、請求項59に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項61】
前記組換え乳タンパク質は、組換え乳清タンパク質である、請求項60に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項62】
前記組換え乳清タンパク質は、組換えβ-ラクトグロブリンである、請求項61に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項63】
前記組換え乳清タンパク質は、組換えα-ラクトアルブミンである、請求項61に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項64】
前記組換え乳タンパク質は、組換えカゼインである、請求項60に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項65】
前記組換えカゼインは、κ-カゼインである、請求項64に記載の組換え微生物宿主細胞。
【請求項66】
前記組換えカゼインは、β-カゼインである、請求項64に記載の組換え微生物宿主細胞。
【国際調査報告】