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特表2022-512822腫瘍を治療するための薬物の調製におけるファミチニブと組み合わせた抗PD-1抗体の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】腫瘍を治療するための薬物の調製におけるファミチニブと組み合わせた抗PD-1抗体の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20220131BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220131BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61K31/437
A61P35/00
A61P43/00 121
C07K16/28 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021522987
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2019115608
(87)【国際公開番号】W WO2020093993
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】201811313004.X
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510166892
【氏名又は名称】ジエンス ヘンルイ メデイシンカンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU HENGRUI MEDICINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】519126343
【氏名又は名称】スゥジョウ サンカディア バイオファーマシューティカルズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU SUNCADIA BIOPHARMACEUTICALS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100175477
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 林太郎
(72)【発明者】
【氏名】チャン リアンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チン
(72)【発明者】
【氏名】ワン チュアンリェン
(72)【発明者】
【氏名】フアン シャオシン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ チェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チャンヨン
(72)【発明者】
【氏名】イエ ティンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー シャオホア
【テーマコード(参考)】
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA14
4C085BB11
4C085GG02
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086GA14
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA06
4C086ZB26
4C086ZC20
4C086ZC75
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA76
4H045EA22
4H045EA28
(57)【要約】
本開示は、腫瘍を治療するための薬物の調製における、ファミチニブと組み合わせた抗PD-1抗体の使用を提供する。本技術的解決策では、毒性は制御可能かつ許容可能である。加えて、記載されている薬物の組み合わせは、反応性毛細血管内皮増殖の発生などの、抗PD-1抗体に対する副作用を効果的に軽減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍の治療のための薬剤の調製における、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントの使用。
【請求項2】
前記PD-1抗体の軽鎖可変領域は、配列番号4、配列番号5および配列番号6にそれぞれ示されるLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含み、前記PD-1抗体の重鎖可変領域は、配列番号1、配列番号2および配列番号3にそれぞれ示されるHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記PD-1抗体はヒト化抗体である、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記ヒト化抗体は、配列番号10に示される軽鎖可変領域またはそのバリアントを含み、当該バリアントは、配列番号10の前記軽鎖可変領域に、好ましくは0~10個のアミノ酸変化、より好ましくはA43Sアミノ酸変化を有し;かつ、前記ヒト化抗体は、配列番号9に示される重鎖可変領域またはそのバリアントを含み、当該バリアントは、配列番号9の前記重鎖可変領域に、好ましくは0~10個のアミノ酸変化、より好ましくはG44Rアミノ酸変化を有する、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記ヒト化抗体は、配列番号8に示される軽鎖またはそのバリアントを含み、当該バリアントは、前記軽鎖可変領域に、好ましくは0~10個のアミノ酸変化、より好ましくはA43Sアミノ酸変化を有し;かつ、前記ヒト化抗体は、配列番号7に示される重鎖またはそのバリアントを含み、当該バリアントは、前記重鎖可変領域に、好ましくは0~10個のアミノ酸変化、より好ましくはG44Rアミノ酸変化を有する、請求項3に記載の使用。
【請求項6】
前記ヒト化抗体は、配列番号8に示される軽鎖および配列番号7に示される重鎖を含む、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記腫瘍は、乳癌、肺癌、肝臓癌、胃癌、腸癌、腎臓癌、尿路上皮癌、子宮頸癌、卵巣癌、子宮内膜癌、黒色腫、非小細胞肺癌および甲状腺癌からなる群から選択され、好ましくは、前記腫瘍は、非小細胞肺癌、乳癌、黒色腫、肝臓癌、尿路上皮癌、子宮頸癌、卵巣癌、甲状腺癌、子宮内膜癌または腎臓癌である、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩のAUCは、単独で投与された同じ用量の前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩のAUCと比較した場合、少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも25%増加する、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩のCmaxは、単独で投与された同じ用量の前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩のCmaxと比較した場合、少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%増加する、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、2~3週間に1回、10mg~300mgの用量でヒト対象に投与される、請求項1に記載の使用。
【請求項11】
前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回、0.1mg~100mgの用量で、好ましくは1日1回、1mg~20mgの用量でヒト対象に投与される、請求項1に記載の使用。
【請求項12】
前記ファミチニブの薬学的に許容される塩がリンゴ酸塩である、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
反応性毛細血管過形成の発生率は、単独で投与された同じ用量の請求項2~6のいずれか一項に記載の抗PD-1抗体によって引き起こされる反応性毛細血管過形成の発生率と比較した場合、15%以下である、請求項7に記載の使用
【請求項14】
抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメント、あるいはファミチニブまたはその薬学的に許容される塩によって引き起こされる副作用を軽減するための方法であって、当該方法は、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩を、請求項2~6のいずれか一項に記載の抗PD-1抗体と組み合わせて患者に投与することを含み、好ましくは、前記副作用は、前記抗PD-1抗体によって引き起こされる副作用であり、最も好ましくは反応性毛細血管過形成である、方法。
【請求項15】
前記反応性毛細血管過形成の発生率が15%以下である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
単独で投与された場合のPD-1抗体またはその抗原結合フラグメントの用量あるいはファミチニブまたはその薬学的に許容される塩の用量を減少させるための方法であって、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩を、請求項2~6のいずれか一項に記載のPD-1抗体と組み合わせて患者に投与することを含む、方法。
【請求項17】
ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と、請求項2~6のいずれか一項に記載のPD-1抗体またはその抗原結合フラグメントとを含む、医薬パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、腫瘍の治療のための薬剤の調製における、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた抗PD-1抗体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
癌にはさまざまな遺伝的変化およびエピジェネティック変化があり、免疫系によって認識され得る新しい抗原をもたらす。Tリンパ球とBリンパ球を含む適応免疫システムは、強力な抗癌ポテンシャル、広範な能力、およびさまざまな腫瘍抗原に応答するための優れた特異性を有する。さらに、免疫系はかなりの可塑性と記憶の要素を示す。適応免疫システムのこれらすべての特性をうまく利用することで、免疫療法は癌のすべての治療手段の中でユニークになる。
【0003】
癌の免疫療法は、活性化されたエフェクター細胞の養子移入、関連する抗原に対する免疫、またはサイトカインなどの非特異的免疫刺激剤の提供を通じて、腫瘍に対する免疫応答を増強する方法に焦点を合わせてきた。近年、進行性黒色腫の治療のためのCTLA抗体であるイピリムマブ(YERVOY(登録商標))(Hodi et al., 2010年)、programmed death receptor(PD-1)に特異的に結合するニボルマブまたはペンブロリズマブなど、免疫チェックポイント経路に特異的な阻害剤の開発は、癌の治療のための新しい免疫療法になった。
【0004】
PD-1抗体は、リンパ球の表面に存在するPD-1を特異的に認識および結合し、PD-1/PD-L1シグナル伝達経路を遮断し、これにより、免疫T細胞の効果を活性化して腫瘍を死滅させ、体の免疫系を動員して体内の腫瘍細胞を排除する。WO2015085847は、新規な抗PD-1抗体を開示している。PD-1抗体は、現在、臨床試験の段階にあり、一定の抗腫瘍効果を示している。
【0005】
ファミチニブの二次以上の標準化学療法が失敗した進行性/転移性結腸直腸腺癌の多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照第II相試験において、ファミチニブ群(25mg、1日1回、42日間)は、プラセボ群と比較して、進行性/転移性結腸直腸癌患者の無増悪生存期間(PFS)を1.3ヶ月改善する(HRは0.596、Pは0.0053である)。客観的寛解率(ORR)は2.2%、病勢コントロール率(DCR)は59.8%、生存期間中央値(mOS)は7.5か月、プラセボ群の生存期間中央値は7.6か月であり、有害事象はコントロールされている。その構造は次のとおりである:
【化1】
【0006】
現在、PD-1抗体とVEGFR阻害剤(スニチニブ、ソラフェニブなど)のいくつかの組み合わせ療法が臨床第II/III相にあり、それぞれ悪性肝臓癌(ソラフェニブとPD-1抗体の組み合わせ)と転移性腎細胞癌(スニチニブとPD-1抗体の組み合わせ)に適している。予備的な結果は、2つの薬物の組み合わせが単一の薬物よりも優れた効果を示すことを示している。しかしながら、ファミチニブとPD-1抗体の組み合わせに関する報告はない。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、腫瘍の治療のための薬剤の調製における、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントの使用を提供する。
【0008】
前記PD-1抗体は既知であり、好ましくは、前記PD-1抗体の軽鎖可変領域は、配列番号4、配列番号5および配列番号6にそれぞれ示されるLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む。
【0009】
前記PD-1抗体の重鎖可変領域は、配列番号1、配列番号2および配列番号3にそれぞれ示されるHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む。
【0010】
それらの中で、上記のCDR配列を次の表に示す:
【0011】
【表1】
【0012】
好ましくは、前記PD-1抗体はヒト化抗体である。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記ヒト化抗体は、配列番号10に示される軽鎖可変領域またはそのバリアントを含み、当該バリアントは、配列番号10の前記軽鎖可変領域に、好ましくは0~10個のアミノ酸変化、より好ましくはA43Sアミノ酸変化を有し;かつ、前記ヒト化抗体は、配列番号9に示される重鎖可変領域またはそのバリアントを含み、当該バリアントは、配列番号9の前記重鎖可変領域に、好ましくは0~10個のアミノ酸変化、より好ましくはG44Rアミノ酸変化を有する。
【0014】
前述のヒト化抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の配列は、以下のとおりである:
【0015】
【化2】
【0016】
他の実施形態では、前記ヒト化抗体は、配列番号8に示される軽鎖またはそのバリアントを含み、当該バリアントは、前記軽鎖可変領域に、好ましくは0~10個のアミノ酸変化、より好ましくはA43Sアミノ酸変化を有し;かつ、前記ヒト化抗体は、配列番号7に示される重鎖またはそのバリアントを含み、当該バリアントは、前記重鎖可変領域に、好ましくは0~10個のアミノ酸変化、より好ましくはG44Rアミノ酸変化を有する。
【0017】
別の実施形態では、前記ヒト化抗体は、配列番号8に示される軽鎖および配列番号7に示される重鎖を含む。
【0018】
前記ヒト化抗体の重鎖および軽鎖の配列は、以下のとおりである:
【化3】
【0019】
本明細書に開示されるファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた前記抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、相乗効果を有する。
【0020】
本開示による使用は、患者の体重に基づいて、前記抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントが、0.1mg/kg~10.0mg/kgの用量でヒト対象に投与され、当該0.1mg/kg~10.0mg/kgは、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8mg/kg、0.9mg/kg、1.0mg/kg、1.2mg/kg、1.4mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.4mg/kg、2.6mg/kg、2.8mg/kg、3.0mg/kg、3.2mg/kg、3.4mg/kg、3.6mg/kg、3.8mg/kg、4.0mg/kg、4.2mg/kg、4.4mg/kg、4.6mg/kg、4.8mg/kg、5.0mg/kg、5.2mg/kg、5.4mg/kg、5.6mg/kg、5.8mg/kg、6.0mg/kg、6.2mg/kg、6.4mg/kg、6.6mg/kg、6.8mg/kg、7.0mg/kg、7.2mg/kg、7.4mg/kg、7.6mg/kg、7.8mg/kg、8.0mg/kg、8.2mg/kg、8.4mg/kg、8.6mg/kg、8.8mg/kg、9.0mg/kg、9.2mg/kg、9.4mg/kg、9.6mg/kg、9.8mg/kg、10.0mg/kg、またはいずれかの2つの値の間の任意の値であり得る。
【0021】
代替の実施形態では、前記PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、10mg~300mgの用量でヒト対象に投与され、当該10mg~300mgは、10.0mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、またはいずれかの2つの値の間の任意の値であり得、好ましくは50mg~300mgであり得、最も好ましくは200mgであり得る。
【0022】
本開示の抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、または1月に1回の頻度で投与され、好ましくは3週間に1回の頻度で投与される。
【0023】
代替の実施形態では、本開示の抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、2~3週間に1回、50mg~300mgの用量で、より好ましくは2~3週間に1回、200mgの用量で投与される。
【0024】
本開示による使用は、患者の体重に基づいて、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩が、0.1mg/kg~10.0mg/kgの用量でヒト対象に投与され、当該0.1mg/kg~10.0mg/kgは、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8mg/kg、0.9mg/kg、1.0mg/kg、1.2mg/kg、1.4mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.4mg/kg、2.6mg/kg、2.8mg/kg、3.0mg/kg、3.2mg/kg、3.4mg/kg、3.6mg/kg、3.8mg/kg、4.0mg/kg、4.2mg/kg、4.4mg/kg、4.6mg/kg、4.8mg/kg、5.0mg/kg、5.2mg/kg、5.4mg/kg、5.6mg/kg、5.8mg/kg、6.0mg/kg、6.2mg/kg、6.4mg/kg、6.6mg/kg、6.8mg/kg、7.0mg/kg、7.2mg/kg、7.4mg/kg、7.6mg/kg、7.8mg/kg、8.0mg/kg、8.2mg/kg、8.4mg/kg、8.6mg/kg、8.8mg/kg、9.0mg/kg、9.2mg/kg、9.4mg/kg、9.6mg/kg、9.8mg/kg、10.0mg/kg、またはいずれかの2つの値の間の任意の値であり得る。
【0025】
代替の実施形態では、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、0.1mg~100mgの用量でヒト対象に投与され、当該0.1mg~100mgは、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、またはいずれかの2つの値の間の任意の値であり得、好ましくは1mg~20mgであり得る。
【0026】
本開示の使用では、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩が、1日1回;2日に1回;3日に1回;4日に1回;5日に1回;6日に1回;1週間に1回;毎週3日間、1日1回;毎週4日間、1日1回;毎週5日間、1日1回の頻度で投与される。
【0027】
代替の実施形態では、前記抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、10mg~300mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、0.1mg~100mgの用量でヒト対象に投与される。
【0028】
代替の実施形態では、前記抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、2~3週間に1回、10mg~300mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回、0.1mg~100mgの用量でヒト対象に投与される。
【0029】
代替の実施形態では、前記抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、50mg~300mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1mg~20mgの用量でヒト対象に投与される。
【0030】
代替の実施形態では、前記抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、2~3週間に1回、50mg~300mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1mg~20mgの用量でヒト対象に投与される。
【0031】
代替の実施形態では、前記抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、200mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1mg~20mgの用量でヒト対象に投与される。
【0032】
代替の実施形態では、前記抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、2~3週間に1回、200mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1mg~20mgの用量でヒト対象に投与される。
【0033】
代替の実施形態では、前記抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、3週間に1回、200mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1mg~20mgの用量でヒト対象に投与される。
【0034】
別の態様に関し、代替の実施形態では、本開示の使用において、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩のAUCは、単独で投与された同じ用量のファミチニブまたはその薬学的に許容される塩のAUCと比較した場合、少なくとも15%(15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%以上を含む)、好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも25%増加する。
【0035】
代替の実施形態では、本開示の使用において、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩のCmaxは、単独で投与された同じ用量のファミチニブまたはその薬学的に許容される塩のCmaxと比較した場合、少なくとも15%(15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%以上を含む)、好ましくは少なくとも20%増加する。
【0036】
本開示の好ましい実施形態では、前記PD-1抗体は、皮下注射または静脈内注射などの注射によって投与され、前記PD-1抗体は、注射前に注射可能な形態に処方される。前記PD-1抗体の特に好ましい注射可能な形態は、注射溶液または凍結乾燥粉末注射であり、これは、前記PD-1抗体、緩衝液、安定剤、および任意に界面活性剤を含む。
緩衝液は、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、コハク酸緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される1つ以上であり得る。安定剤は、糖類またはアミノ酸、好ましくはスクロース、ラクトース、トレハロース、マルトースなどの二糖類から選択され得る。界面活性剤は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選択され、好ましくは、当該ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ポリソルベート20、40、60または80であり、最も好ましくはポリソルベート20である。PD-1抗体の最も好ましい注射可能な形態は、PD-1抗体、酢酸緩衝液、トレハロースおよびポリソルベート20を含む。
【0037】
本開示は、腫瘍の治療のための薬剤の調製に使用するための、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた上記の抗PD-1抗体を提供する。
【0038】
本開示は、副作用を軽減するための薬剤としての、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた上記の抗PD-1抗体を提供する。好ましくは、前記副作用は、前記抗PD-1抗体によって引き起こされるか、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩によって引き起こされる。
【0039】
代替の実施形態では、本開示の使用に記載されている副作用は、前記抗PD-1抗体によって引き起こされる副作用であり、最も好ましくは反応性毛細血管過形成である。
【0040】
いくつかの実施形態では、前記反応性毛細血管過形成の発生率は、単独で投与された同じ用量の前記抗PD-1抗体(例えば、その重鎖配列および軽鎖配列は、それぞれ配列番号7および配列番号8に示されている)と比較した場合、15%以下(15%、14.5%、14%、13.5%、13%、12.5%、12%、11.5%、11%、10.5%、10%、9.5%、9%、8.5%、8%、7.5%、7%、6.5%、6%、5.5%、5%、4%、4.5%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.5%、1%以下を含む)、好ましくは2.5%以下である。
【0041】
本開示は、単独で投与される抗PD-1抗体の用量および/または単独で投与されるファミチニブもしくはその薬学的に許容される塩の用量を減少させるための薬剤としての、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた上記の抗PD-1抗体を提供する。
【0042】
本開示では、腫瘍を治療するための方法であって、上記の抗PD-1抗体とファミチニブまたはその薬学的に許容される塩とを患者に投与することを含む、方法が提供される。
【0043】
本開示では、単独で投与される抗PD-1抗体および/または単独で投与されるファミチニブもしくはその薬学的に許容される塩の用量を減少させるための方法であって、上記の抗PD-1抗体を、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせて患者に投与することを含む方法が提供される。
【0044】
他の実施形態では、PD-1と組み合わせて使用される場合、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、単独で投与される用量の10%~100%(10%、15%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、75%、80%、90%、95%を含む)、好ましくは10%~75%、より好ましくは75%、50%、25%、12.5%で投与される。
【0045】
他の実施形態では、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせて使用される場合、前記抗PD-1抗体は、単独で投与される用量の10%~100%(10%、15%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、75%、80%、90%、95%を含む)、好ましくは10%~50%で投与される。
【0046】
本開示はまた、前記抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメント、あるいはファミチニブまたはその薬学的に許容される塩によって引き起こされる副作用を軽減するための方法であって、当該方法は、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩を、上記の抗PD-1抗体と組み合わせて患者に投与することを含み、好ましくは、前記副作用は、前記抗PD-1抗体によって引き起こされる副作用であり、最も好ましくは反応性毛細血管過形成である、方法を提供する。
【0047】
代替の実施形態では、本開示に記載されている副作用は、好ましくは前記抗PD-1抗体によって引き起こされる副作用であり、最も好ましくは反応性毛細血管過形成である。
【0048】
いくつかの実施形態では、前記反応性毛細血管過形成の発生率は、単独で投与された同じ用量の前記抗PD-1抗体(例えば、重鎖配列および軽鎖配列は、それぞれ配列番号7および配列番号8に示されている)と比較した場合、15%以下(15%、14.5%、14%、13.5%、13%、12.5%、12%、11.5%、11%、10.5%、10%、9.5%、9%、8.5%、8%、7.5%、7%、6.5%、6%、5.5%、5%、4%、4.5%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.5%、1%以下を含む)であり、好ましくは2.5%以下である。
【0049】
本開示はまた、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩とPD-1抗体とを含む、医薬キット、または医薬パッケージ、または医薬の組み合わせを提供する。
【0050】
本開示は、腫瘍の治療のための薬剤の調製における、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた抗PD-L1抗体または抗CTAL-4抗体の使用を提供する。
【0051】
代替の実施形態では、患者の体重に基づいて、前記抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは前記抗CTAL-4抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、0.1mg/kg~10.0mg/kgの用量でヒト対象に投与され、当該0.1mg/kg~10.0mg/kgは、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8mg/kg、0.9mg/kg、1.0mg/kg、1.2mg/kg、1.4mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.4mg/kg、2.6mg/kg、2.8mg/kg、3.0mg/kg、3.2mg/kg、3.4mg/kg、3.6mg/kg、3.8mg/kg、4.0mg/kg、4.2mg/kg、4.4mg/kg、4.6mg/kg、4.8mg/kg、5.0mg/kg、5.2mg/kg、5.4mg/kg、5.6mg/kg、5.8mg/kg、6.0mg/kg、6.2mg/kg、6.4mg/kg、6.6mg/kg、6.8mg/kg、7.0mg/kg、7.2mg/kg、7.4mg/kg、7.6mg/kg、7.8mg/kg、8.0mg/kg、8.2mg/kg、8.4mg/kg、8.6mg/kg、8.8mg/kg、9.0mg/kg、9.2mg/kg、9.4mg/kg、9.6mg/kg、9.8mg/kg、10.0mg/kgであり得る。
【0052】
別の代替の実施形態では、前記抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは前記抗CTAL-4抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、50mg~700mgの用量でヒト対象に投与され、当該50mg~700mgは、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、395mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、600mg、605mg、610mg、615mg、620mg、625mg、630mg、635mg、640mg、645mg、650mg、655mg、660mg、665mg、670mg、675mg、680mg、685mg、690mg、695mg、700mgであり得、好ましくは50mg~600mgであり得、最も好ましくは200mgであり得る。
【0053】
本開示の抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは抗CTAL-4抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、または1月に1回の頻度で投与される。
【0054】
代替の実施形態では、本開示に記載の抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは抗CTAL-4抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、2~3週間に1回、50mg~600mgの用量で、より好ましくは2~3週間に1回、200mgの用量でヒト対象に投与される。
【0055】
代替の実施形態では、前記抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは前記抗CTAL-4抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、2~3週間に1回、50mg~700mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回、0.1mg~100mgの用量でヒト対象に投与される。
【0056】
代替の実施形態では、前記抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは前記抗CTAL-4抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、50mg~600mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1mg~20mgの用量でヒト対象に投与される。
【0057】
代替の実施形態では、前記抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは前記抗CTAL-4抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、2~3週間に1回、50mg~600mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1mg~20mgの用量でヒト対象に投与される。
【0058】
代替の実施形態では、前記抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは前記抗CTAL-4抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、200mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1mg~20mgの用量でヒト対象に投与される。
【0059】
代替の実施形態では、前記抗PD-L1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは前記抗CTAL-4抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、2~3週間に1回、200mgの用量でヒト対象に投与され、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1mg~20mgの用量でヒト対象に投与される。
【0060】
本開示の好ましい実施形態では、前記PD-L1抗体または前記抗CTAL-4抗体は、皮下注射または静脈内注射などの注射によって投与され、前記PD-L1抗体または前記抗CTAL-4抗体は、注射前に注射可能な形態に処方される。
【0061】
本開示は、副作用を軽減するための薬剤としての、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた上記の抗PD-L1抗体または前記抗CTAL-4抗体を提供する。好ましくは、前記副作用は、前記抗PD-L1抗体または前記抗CTAL-4抗体によって引き起こされるか、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩によって引き起こされる。
【0062】
本開示は、単独で投与される抗PD-L1抗体の用量および/または単独で投与されるファミチニブもしくはその薬学的に許容される塩の用量を減少させるための薬剤としての、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた上記の抗PD-L1抗体を提供する。
【0063】
本開示は、単独で投与される抗CTAL-4抗体の用量および/または単独で投与されるファミチニブもしくはその薬学的に許容される塩の用量を減少させるための薬剤としての、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせた上記の抗CTAL-4抗体を提供する。
【0064】
本開示では、上記の抗PD-L1抗体または抗CTAL-4抗体とファミチニブまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、腫瘍を治療するための方法が提供される。
【0065】
本開示では、単独で投与された抗PD-L1抗体の用量および/または単独で投与されたファミチニブもしくはその薬学的に許容される塩の用量を減少させるための方法であって、上記の抗PD-L1抗体を、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせて患者に投与することを含む方法が提供される。
【0066】
本開示では、単独で投与された抗CTAL-4抗体の用量および/または単独で投与されたファミチニブもしくはその薬学的に許容される塩の用量を減少させるための方法であって、上記の抗CTAL-4抗体を、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせて患者に投与することを含む方法が提供される。
【0067】
代替の実施形態では、PD-L1と組み合わせて使用される場合、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、単独で投与される用量の10%~100%(10%、15%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、75%、80%、90%、95%を含む)、好ましくは10%~75%、より好ましくは75%、50%、25%、12.5%で投与される。
【0068】
代替の実施形態では、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせて使用される場合、前記抗PD-L1抗体の用量は、単独で投与される用量の10%~100%(10%、15%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、75%、80%、90%、95%を含む)、好ましくは10%~50%である。
【0069】
代替の実施形態では、抗CTAL-4抗体と組み合わせて使用される場合、前記ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩の用量は、単独で投与される用量の10%~100%、好ましくは10%~75%、より好ましくは75%、50%、25%、12.5%である。
【0070】
代替の実施形態では、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせて使用される場合、前記抗CTAL-4抗体の用量は、単独で投与される用量の10%~100%、好ましくは10%~50%である。
【0071】
本開示はまた、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩と、PD-L1抗体または抗CTAL-4抗体とを含む、医薬キットまたは医薬パッケージを提供する。
【0072】
本開示の使用において、腫瘍の例は、以下から選択されるが、これらに限定されない:乳癌(トリプルネガティブ乳癌など)、肺癌、胃癌、腸癌(直腸癌、結腸直腸癌など)、腎臓癌(腎細胞癌など)、肝臓癌(原発性肝臓癌、肝細胞癌、胆管癌、転移性肝臓癌、続発性肝臓癌など)、黒色腫(転移性黒色腫など)、非小細胞肺癌、尿路上皮癌(膀胱癌、尿管癌、尿道癌など)、子宮頸癌、卵巣癌(再発性卵巣癌など)、子宮内膜癌、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、甲状腺癌、慢性リンパ性白血病、有毛細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫巨核細胞性白血病、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、骨髄異形成症候群(MDS)。
【0073】
代替の実施形態では、本開示の使用による腫瘍は、非小細胞肺癌、甲状腺癌、乳癌(トリプルネガティブ乳癌など)、黒色腫(例えば、転移性黒色腫)、腎臓癌、尿路上皮癌(膀胱癌、尿管癌、尿道癌など)、子宮頸癌、甲状腺癌、卵巣癌(例えば、再発性卵巣癌)、子宮内膜癌、腸癌または肝臓癌である。
【0074】
好ましい実施形態では、腫瘍患者はプラチナベースの薬で治療されてきた。例えば、プラチナベースの薬剤による治療の失敗を経験した患者もしくはプラチナベースの薬剤に不耐性の患者、またはプラチナ療法による治療中もしくは治療後6か月以内に進行もしくは再発した疾患。
【0075】
いくつかの実施形態では、本開示の使用における前記腫瘍は、腎臓癌(腎細胞癌)である。好ましくは、前記腫瘍は、組織学または細胞診によって診断された進行性腎明細胞癌(腎明細胞癌などの混合腫瘍)である。
【0076】
好ましい実施形態では、本開示の使用における腎細胞癌患者は、以前にインターロイキン-2および/または抗血管新生標的薬で治療され、当該治療は失敗した。
【0077】
いくつかの実施形態では、本開示の使用において記載される腫瘍は、尿路上皮癌(膀胱癌、尿管癌、および尿道癌など)である。好ましくは、前記腫瘍は、組織学または細胞診によって診断された不治の尿路上皮癌(腎盂癌、尿管癌、膀胱癌、尿道癌など、および組織学による移行上皮癌サブタイプなどの混合型癌)である。
【0078】
好ましい実施形態では、本開示の使用における尿路上皮癌患者は、プラチナベースの薬物で治療されてきた。例えば、プラチナベースの薬剤による治療の失敗を経験した患者もしくはプラチナベースの薬剤に不耐性の患者、またはプラチナ療法による治療中もしくは治療後に進行もしくは再発した疾患。
【0079】
いくつかの実施形態では、本開示の使用における腫瘍は子宮頸癌である。好ましくは、前記腫瘍は、組織学または細胞診によって診断された進行した子宮頸部扁平上皮癌である。
【0080】
好ましい実施形態では、患者に以前の1ライン以上のシステムを使用した子宮頸癌の治療は失敗した。
【0081】
他の実施形態では、本開示の使用における腫瘍は、卵巣癌、好ましくは再発性卵巣癌であり、さらに、組織病理学によって診断された再発性卵巣上皮癌、卵管癌または原発性腹膜癌である。
【0082】
好ましい実施形態では、再発性卵巣癌患者は、プラチナベースの薬物で治療されてきた。例えば、プラチナベースの薬剤による治療の失敗を経験した患者もしくはプラチナベースの薬剤に不耐性の患者、またはプラチナ療法による治療中もしくは治療後6か月以内に進行もしくは再発した疾患(4コース以上の治療が終了した)。
【0083】
いくつかの他の実施形態では、本開示の使用における腫瘍は、子宮内膜癌、好ましくは組織病理学によって診断された子宮内膜癌である。好ましい実施形態では、子宮内膜癌患者は、プラチナベースの薬物で治療されてきた。例えば、プラチナベースの薬剤による治療の失敗を経験した患者もしくはプラチナベースの薬剤に不耐性の患者、またはプラチナ療法による治療中もしくは治療後6か月以内に進行もしくは再発した疾患(4コース以上の治療が終了した)。
【0084】
本開示はまた、TYRO3および/またはAXLおよび/またはMERの阻害から利益を受ける障害の治療のための薬剤の調製における、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0085】
本開示はまた、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩によるTYRO3および/またはAXLおよび/またはMERの阻害から利益を受ける障害を治療するための方法であって、上記のファミチニブまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。さらに、代替の実施形態では、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、単独でまたは組み合わせて使用され得る。
【0086】
さらに、代替の実施形態では、ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、単独でまたは組み合わせて投与され得る。
【0087】
本開示に記載されるTYRO3(Tyro3チロシンキナーゼ受容体阻害剤)および/またはAXL(Axlチロシンキナーゼ受容体阻害剤)および/またはMER(Merチロシンキナーゼ受容体阻害剤)の阻害から利益を受ける障害の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、有毛細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫巨核細胞性白血病、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、骨髄異形成症候群(MDS)、血栓性障害(心筋梗塞、虚血性脳梗塞、末梢血管疾患、静脈血栓塞栓症など)等。
【0088】
本開示におけるファミチニブの薬学的に許容される塩は、限定されないが、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、ジフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩およびリン酸塩から選択され、好ましくはリンゴ酸塩である。
【0089】
本開示のいくつかの実施形態では、ファミチニブの薬学的に許容される塩は、その遊離塩基の形態に基づいて計算された用量でヒト対象に投与される。
【0090】
それに反する説明がない限り、本開示の用語は以下のように定義される。
【0091】
本開示において、「AUC」は、時間軸に対する薬物動態学的血中薬物濃度の曲線で囲まれた面積を指す。このパラメータは、in vivoでの薬物の曝露プロファイルを反映し、薬物吸収の程度を評価するための重要な指標である。薬物動態研究における血中薬物濃度は特定の時点tまでしか観察できないため、AUCは次の2つの手段で表すことができる:AUC(0-t)およびAUC(0-∞)。ここで、AUC(0-t)は台形面積から導出され、AUC(0-∞)は次の式で計算される:AUC(0-∞)=AUC(0-t)+エンドポイント濃度/エンドポイント除去率。本出願で言及されるAUCは、単回投与または複数回投与後に定常状態に達する患者の平均AUC0-24、好ましくは、複数回投与後に定常状態に達する患者の平均AUC0-24を指す(即ち、AUCss)。
【0092】
本開示において、「組み合わせ」は、投与様式を指す;これは、ファミチニブまたは薬学的に許容される塩の少なくとも1用量、および抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントの少なくとも1用量が一定期間内に投与され、両方の物質が薬理学的効果を示すことを意味する。当該期間は、1回の投与サイクル内、好ましくは4週間以内、3週間以内、2週間以内、1週間以内、または24時間以内であり得る。ファミチニブまたはその薬学的に許容される塩は、抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントとともに同時にまたは連続して投与され得る。この期間には、ファミチニブまたは薬学的に許容される塩が、同じまたは異なる投与経路を介して抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントとともに投与されるような治療が含まれる。本開示の組み合わせ投与様式は、同時投与、別個の製剤の同時投与、および別個の製剤の連続投与からなる群から選択される。全生存期間(OS)とは、ランダムな時間から何らかの原因による死亡までの期間を指す。最後のフォローアップでまだ生きている対象については、最後のフォローアップの時間がOSのための打ち切りデータとして記録される。フォローアップに失敗した対象については、対象が生きていることを確認できた最後の時間がOSのための打ち切りデータとして記録される。打ち切りデータを有するOSは、ランダムな群化の時間からデータが打ち切られる時間までの期間として定義される。
【0093】
客観的寛解率(客観的奏効率、ORR)とは、CRおよびPRの症例を含め、腫瘍が特定のレベルまで縮小し、特定の期間維持された患者の割合を指す。固形腫瘍応答評価基準(RECIST 1.1基準)を使用して、腫瘍の客観的寛解を評価した。対象は、ベースラインで測定可能な腫瘍病変を伴う必要がある。有効性評価基準では、有効性は、RECIST 1.1基準に従って、完全寛解(CR)、部分寛解(PR)、病勢安定(SD)、および病勢進行(PD)に分類することができる。
【0094】
病勢コントロール率(DCR)とは、治療効果を評価できる患者数に対する、完全寛解、部分寛解、および病勢安定(8週間以上)が確認された症例数の割合を指す。
【0095】
完全寛解(CR):すべての標的病変が消失し、すべての病理学的リンパ節(標的および非標的結節を含む)のより短い直径が10mm未満(<10mm)に減少する必要がある。
【0096】
部分寛解(PR):標的病変の直径の合計は、ベースラインレベルから少なくとも30%減少する。
【0097】
病勢進行(PD):すべての標的病変の直径の合計は、実験研究全体で測定された直径の合計の最小値(基準値として)と比較して、少なくとも20%増加する(ベースラインで測定されたすべての標的病変の直径の合計が最小値である場合には、それが基準値として使用される);さらに、直径の合計の絶対値が少なくとも5mm増加する必要がある(1つ以上の新しい病変の発生も病勢進行と見なされる)。
【0098】
病勢安定(SD):標的病変の減少度はPRに到達せず、増加度はPDレベルに到達しない、PRとPDの間の状態。直径の合計の最小値は、調査中の基準値として使用され得る。
【0099】
「mpk」:mg/kg。
【0100】
本開示で使用される試薬、生物学的サンプルまたは活性剤は市販されており、例えば、4~5週齢のヒトPD-1トランスジェニックマウスは、Cephrim B iosciences、Inc.UKから購入した。
【発明の詳細な説明】
【0101】
以下の例は、本開示をさらに説明するために提供されているが、開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例
【0102】
・例1:
ヒトPD-1トランスジェニックマウスを試験動物として使用し、PD-1抗体とファミチニブの同時投与の効率を、マウス結腸癌細胞MC-38の腫瘍C57を移植したヒトPD-1トランスジェニックマウスで評価した(PD-L1)。
【0103】
化合物A:本開示の配列番号7および配列番号8に示される重鎖配列および軽鎖配列を有するPD-1抗体。使用のために20mg/mlとして処方された200mg/各バイアル。
【0104】
化合物B:特許出願WO2007085188の方法に従って調製されたファミチニブリンゴ酸塩。
【0105】
試験プロトコル:
【0106】
7日目に、MC38細胞(5×10)を40匹のヒトPD-1トランスジェニックマウス(オスとメスを含む)の右脇腹に皮下接種した。マウスの平均腫瘍体積が約100mmに達したとき、32匹のマウスを選択し、ランダムに4群に分け、各群に8匹のマウスを入れた。群化後、プロトコルに従って、マウスにビヒクル対照、化合物Aの腹腔内注射、化合物の強制経口投与、および両方の同時投与を与えた。腫瘍体積を週に2回測定し、マウスの体重を測定し、データを記録した。
【0107】
【表2】
【0108】
この実験の結果は、PD-1抗体(3mpk)とファミチニブリンゴ酸塩(10mpk)の組み合わせの有効性が、PD-1抗体またはファミチニブリンゴ酸塩単独の有効性よりも優れていることを示している。各群のマウスの体重は正常であり、薬物には明らかな副作用がなかったことを示している。
【0109】
・例2:TYRO3、AXLおよびMERキナーゼのin vitro活性に対するファミチニブリンゴ酸塩の効果
【0110】
(1)IC50Profile(商標)の実験手順
【0111】
【表3】
【0112】
適切な量のキナーゼおよびペプチド基質を、異なる濃度のファミチニブリンゴ酸塩(1nM、3nM、10nM、30nM、100nM、300nM、1μM、3μM、10μM)と別々に混合し、室温で60分間インキュベートした。酢酸マグネシウムおよび[γ-33P]-ATPを添加してキナーゼ触媒反応を開始し、反応を室温で40分間行った。反応終了後、3%リン酸溶液を加えて反応を停止させた。10μLの反応混合物を取り、ろ過するためにP30フィルター膜上に加えた。膜を75mMリン酸緩衝液で3回洗浄し、メタノールで1回洗浄して、遊離[γ-33P]-ATPを除去した。タンパク質を固定し、膜を乾燥させた。液体シンチレーションアナライザーを使用して、33Pの量をカウントことによってペプチド基質の量を決定した。
【0113】
(2)試験結果
【0114】
濃度-阻害曲線による、フィッティングから得られたIC50値を表1に示す。
【0115】
【表4】
【0116】
・例3:
1.試験する抗体および化合物
化合物A:その重鎖および軽鎖配列は、本開示の配列番号7および配列番号8に示されるとおりである。使用のために20mg/mlとして処方された200mg/各バイアル;
化合物B:特許出願WO2007085188の方法に従って調製されたファミチニブリンゴ酸塩。
【0117】
2.登録基準:進行腎臓癌、尿路上皮癌、子宮頸癌、再発卵巣癌および子宮内膜癌の患者。
【0118】
腎細胞癌の場合:組織学または細胞診によって診断された進行腎明細胞癌(混合型の腫瘍、例えば、主要な構成要素としての腎明細胞癌をグループに含めることができる);原発腫瘍は外科的に切除され、インターロイキン-2および/または抗血管新生標的薬で治療されたが、治療は失敗した。
【0119】
(2)尿路上皮癌の場合:腎盂癌、尿路癌、膀胱癌および尿道癌を含む、組織学または細胞診によって診断された不治の尿路上皮癌。混合型の癌の場合、主な組織型は移行上皮癌のサブタイプである必要がある;以前のプラチナベースレジメンの治療後に疾患が進行または再発し、以前の全身治療レジメンは2種類以下であった。
【0120】
(3)子宮頸癌の場合:組織学または細胞診によって診断された進行した子宮頸部扁平上皮癌;以前に1ライン以上の全身治療で治療されたが失敗した。
【0121】
(4)再発性卵巣癌の場合:組織病理学によって診断され、以前にプラチナベースレジメンで治療された再発性卵巣上皮癌、卵管癌または原発性腹膜癌であって、該疾患は治療中またはプラチナベース治療による治療後6か月以内に疾患が進行または再発した(4コース以上の治療が終了した)もの。
【0122】
(5)子宮内膜癌の場合:組織病理学によって診断され、以前に少なくともプラチナベースレジメンで治療された子宮内膜癌であって、該疾患は治療後または治療中に疾患が進行または再発したもの。
【0123】
3.投与レジメン:
化合物A:静脈内注射、200mg、3週間に1回、3週間に1サイクル;化合物B:20mgまたは15mg、経口投与、1日1回。
【0124】
4.安全性データ
化合物Aを化合物Bと組み合わせて投与した場合、薬物関連の死亡は観察されなかった。グレード3以上の有害事象の発生率は60%であったが、それらはすべて制御可能であった。毒性反応は主に化合物Bの投与に関連しており、それはレジメンを調整するか、化合物Bの投与を中断することで効果的に制御された。研究者によって決定された免疫関連の有害事象の発生率は低く(13.8%)、実質的に低グレードの有害事象であった。1例のみがグレード3の急性腸炎であり、他はグレード2以下の有害事象であった。さらに、2つの薬物を同時投与した場合、反応性皮膚毛細血管過形成を発症したのは2人の対象(2.5%)のみであり、固形腫瘍の治療において、その発生率は化合物A単独の発生率(54.3%)よりも有意に低く、化合物Aの副作用は、化合物Bとの同時投与によって軽減できることが示唆された。重篤な有害事象の全体的な発生率は高くなく、重篤な有害事象(SAE)のために治療を中止したのは2人(2.5%)の対象のみであった。このため、泌尿器系および婦人科腫瘍の治療のための化合物Aと化合物Bの同時投与は安全である。
【0125】
5.有効性
80人の対象のうち75人が少なくとも1回の有効性評価を経験し、5人の対象は1回目の評価の前に離脱または死亡したために評価できなかった。
【0126】
腎臓癌コホートの25人の対象のうち、23人の対象が有効性について評価された。12人の対象は部分寛解(PR)を示し、9人の対象は病勢安定(SD)を示し、2人の対象は病勢進行(PD)を示した。客観的寛解率(ORR)は52.2%であり、病勢コントロール率(DCR)は91.3%であった。ORRは、腎臓癌の治療のための化合物B 25mg単独(1日4回)のORR(36%)よりも優れていた。
【0127】
尿路上皮癌コホートの10人の対象のうち、9人の対象が有効性について評価された。3人の対象は部分寛解(PR)を示し、3人の対象は病勢安定(SD)を示し、3人の対象は病勢進行(PD)を示した。客観的寛解率(ORR)は33.3%であり、病勢コントロール率(DCR)は66.7%であった。
【0128】
卵巣癌コホートの24人の対象が有効性について評価された。8人の対象は部分寛解(PR)を示し、10人の対象は病勢安定(SD)を示し、7人の対象は病勢進行(PD)を示した。客観的寛解率(ORR)は33.3%であり、病勢コントロール率(DCR)は75%であった。
【0129】
子宮内膜癌コホートの5人の対象のうち、4人の対象が有効性について評価された。2人の対象は部分寛解(PR)を示し、1人の対象は病勢安定(SD)を示し、1人の対象は病勢進行(PD)を示した。客観的寛解率(ORR)は50%であり、病勢コントロール率(DCR)は75%であった。
【0130】
子宮頸癌コホートの16人の対象のうち、15人の対象が有効性について評価された。8人の対象は部分寛解(PR)を示し、5人の対象は病勢安定(SD)を示し、2人の対象は病勢進行(PD)を示した。客観的寛解率(ORR)は53.3%であり、病勢コントロール率(DCR)は86.7%であった。
【0131】
全体として、80人の対象のうち75人が少なくとも1回の有効性評価を経験し、33人の対象は部分寛解(PR)を示し、27人の対象は病勢安定(SD)を示し、15人の対象は病勢進行(PD)を示した。客観的寛解率(ORR)は44.0%であり、病勢コントロール率(DCR)は80.0%であった。
【0132】
6.薬物動態
薬物動態試験に参加した12人の対象のうち、9人の対象からPK血液を採取した。
【0133】
結果は、(化合物Aと同時投与した場合の)化合物Bの曝露量が、単独で投与した場合の化合物Bの曝露量と比較して増加し、化合物BのPKパラメータ(Css,min、Css,max、AUCssを含む)が、単独で投与した場合のPKパラメータよりも良好であることを示した。
【0134】
【表5】
【0135】
7.まとめ
化合物Aと化合物Bの同時投与の場合、耐性は良好であり、毒性は制御可能かつ許容可能である。加えて、同時投与は、反応性毛細血管過形成(化合物Aによって引き起こされる一般的な副作用)の発生を効果的に低減し、好ましい治療効果をもたらすことができる。
【国際調査報告】