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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】B細胞を活性化するCD73抗体
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20220131BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20220131BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61K39/395 D ZNA
A61P31/12
A61P35/00
A61P35/04
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K35/17 Z
C07K16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523933
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 US2019059933
(87)【国際公開番号】W WO2020097127
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】62/855,601
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/848,524
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/756,065
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518203618
【氏名又は名称】コーバス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン,エミリー・ピッチョーネ
(72)【発明者】
【氏名】バギー,ジョーセフ
(72)【発明者】
【氏名】ホットソン,アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB332
4C084ZC751
4C084ZC752
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB01
4C085BB36
4C085CC23
4C085DD61
4C085EE01
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB37
4C087MA02
4C087NA05
4C087ZB26
4C087ZB33
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA75
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、とりわけ、B細胞を活性化し、リンパ組織からリンパ器官へのB細胞の再分布に影響を及ぼすことができる抗CD73抗体を使用および包含する方法および組成物である。抗CD73抗体の以前は知られていなかったこの独特の効果は、様々な適応症の治療、例えば、免疫原性がんに対する免疫の増強、自己免疫性疾患(例えば、多発性硬化症)、炎症性疾患、または感染性疾患の治療に有用であり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象においてB細胞を活性化する方法であって、前記方法が、有効量の抗CD73抗体を前記対象に投与することを含み、前記抗CD73抗体が、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、方法。
【請求項2】
前記B細胞が、標準対照と比較してリンパ組織からの放出を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
リンパ器官における前記B細胞の滞留が、標準対照と比較して増加する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記対象が、がんを有する対象である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記対象が、免疫不全である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記対象が、免疫不全疾患または自己免疫性疾患を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記抗CD73抗体が、少なくとも100nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記抗CD73抗体が、約137nMのEC50で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記抗CD73抗体が、約189nMのEC50で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記有効量が、約1mg/kg、3mg/kg、6mg/kg、10mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、または120mg/kgである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記CDR L1が配列番号1の配列を有し、前記CDR L2が配列番号2の配列を有し、前記CDR L3が配列番号3の配列を有し、前記CDR H1が配列番号4の配列を有し、前記CDR H2が配列番号5の配列を有し、前記CDR H3が配列番号6の配列を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記抗CD73抗体が、IgGである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記抗CD73抗体が、IgG1である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記抗CD73抗体が、IgG4である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記抗CD73抗体が、Fab’断片である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記抗CD73抗体が、一本鎖抗体(scFv)である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記抗CD73抗体が、約0.3~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記抗CD73抗体が、約0.64nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記抗CD73抗体が、約7.5未満のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記抗CD73抗体が、約6.0~約7.0のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記抗CD73抗体が、約6.3のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記抗CD73抗体が、CD73抗原に結合している、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記CD73抗原が、細胞の一部を形成する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記細胞が、リンパ系細胞である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記細胞が、B細胞である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
抗ウイルス免疫原性剤および抗CD73抗体を含む抗ウイルス免疫原性組成物であって、前記抗CD73抗体が、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、抗ウイルス免疫原性組成物。
【請求項27】
前記CDR L1が配列番号1の配列を有し、前記CDR L2が配列番号2の配列を有し、前記CDR L3が配列番号3の配列を有し、前記CDR H1が配列番号4の配列を有し、前記CDR H2が配列番号5の配列を有し、前記CDR H3が配列番号6の配列を有する、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記抗CD73抗体が、IgGである、請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
前記抗CD73抗体が、IgG1である、請求項26に記載の組成物。
【請求項30】
前記抗CD73抗体が、IgG4である、請求項26に記載の組成物。
【請求項31】
前記抗CD73抗体が、Fab’断片である、請求項26に記載の組成物。
【請求項32】
前記抗CD73抗体が、一本鎖抗体(scFv)である、請求項26に記載の組成物。
【請求項33】
前記抗CD73抗体が、約0.3~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、請求項26に記載の組成物。
【請求項34】
前記抗CD73抗体が、約0.64nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、請求項26に記載の組成物。
【請求項35】
前記抗CD73抗体が、約7.5未満のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項26に記載の組成物。
【請求項36】
前記抗抗CD73抗体体が、約6.0~約7.0のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項26に記載の組成物。
【請求項37】
前記抗CD73抗体が、約6.3のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項26に記載の組成物。
【請求項38】
前記抗CD73抗体が、Kabatの297位に対応する位置にグルタミンをさらに含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項39】
前記抗CD73抗体が、CD73抗原に結合している、請求項26に記載の組成物。
【請求項40】
前記CD73抗原が、細胞の一部を形成する、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記細胞が、リンパ系細胞である、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記細胞が、B細胞である、請求項40に記載の組成物。
【請求項43】
がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、(i)有効量の抗CD73抗体を前記患者に投与することと、(ii)抗原提示細胞のレベルを監視することと、を含む、方法。
【請求項44】
前記抗原提示細胞のレベルを監視することが、(a)前記患者から生体試料を得ることと、(b)前記生体試料における前記抗原提示細胞のレベルを検出することと、を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記生体試料が、血液試料である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記生体試料が、末梢血試料である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記生体試料における前記抗原提示細胞のレベルを検出することが、フローサイトメトリー、免疫組織化学、またはそれらの組み合わせを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記抗原提示細胞が、がん腫瘍微小環境にある、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記抗原提示細胞が、B細胞である、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記B細胞が、CD19+である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記B細胞が、約0.5×10e6細胞/mL以上の量で前記生体試料に存在する、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記抗原提示細胞が、樹状細胞である、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
前記樹状細胞が、古典的樹状細胞である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記樹状細胞が、形質細胞様樹状細胞である、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記樹状細胞が、CD3、CD14、CD19、またはそれらの組み合わせに対して陽性である、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記樹状細胞が、CD86に対して陽性である、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記樹状細胞が、MHCクラスIIに対して陽性である、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記樹状細胞が、BDCA-2、BDCA-4、CD11c、CD45RA、CD123、ILT-7、TLR7、TLR9、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせに対して陽性である、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
前記樹状細胞が、約0.06×10e6細胞/mL以上の量で前記生体試料に存在する、請求項52に記載の方法。
【請求項60】
前記抗原提示細胞が、CD69、CD83、またはそれらの組み合わせを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項61】
前記抗CD73抗体が、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項62】
前記CDR L1が配列番号1の配列を有し、前記CDR L2が配列番号2の配列を有し、前記CDR L3が配列番号3の配列を有し、前記CDR H1が配列番号4の配列を有し、前記CDR H2が配列番号5の配列を有し、前記CDR H3が配列番号6の配列を有する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記ヒト化重鎖可変領域が、配列番号7の配列を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項64】
前記ヒト化軽鎖可変領域が、配列番号8の配列を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項65】
前記ヒト化重鎖可変領域が配列番号7の配列を含み、前記ヒト化軽鎖可変領域が配列番号8の配列を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項66】
前記抗CD73抗体が、IgGである、請求項43に記載の方法。
【請求項67】
前記抗CD73抗体が、IgG1である、請求項43に記載の方法。
【請求項68】
前記抗CD73抗体が、IgG4である、請求項43に記載の方法。
【請求項69】
前記抗CD73抗体が、Fab’断片である、請求項43に記載の方法。
【請求項70】
前記抗CD73抗体が、一本鎖抗体(scFv)である、請求項43に記載の方法。
【請求項71】
前記抗CD73抗体が、約0.3~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、請求項43に記載の方法。
【請求項72】
前記抗CD73抗体が、約0.64nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記抗CD73抗体が、約7.5未満のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項43に記載の方法。
【請求項74】
前記抗CD73抗体体が、約6.0~約7.0のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記抗CD73抗体が、約6.3のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記抗CD73抗体が、Kabatの297位に対応する位置にグルタミンをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項77】
前記抗CD73抗体が、CD73抗原に結合している、請求項43に記載の方法。
【請求項78】
前記CD73抗原が、細胞の一部を形成する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記細胞が、リンパ系細胞である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記細胞が、B細胞である、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記がんが、結腸直腸がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、トリプルネガティブ乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、膵臓がん、子宮内膜がん、肉腫、頭頸部扁平上皮がん、膀胱がん、転移性去勢抵抗性前立腺がん、または非ホジキンリンパ腫である、請求項43~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、(i)有効量の抗CD73抗体を前記患者に投与して、抗原提示細胞を効果的に活性化することと、(ii)前記抗原提示細胞のレベルを監視することと、を含む、方法。
【請求項83】
前記抗原提示細胞のレベルを監視することが、(a)前記患者から生体試料を得ることと、(b)前記生体試料における前記抗原提示細胞のレベルを検出することとを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記生体試料が、血液試料である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記生体試料が、末梢血試料である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記生体試料における前記抗原提示細胞のレベルを検出することが、フローサイトメトリー、免疫組織化学、またはそれらの組み合わせを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
前記抗原提示細胞が、がん腫瘍微小環境にある、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
前記抗原提示細胞が、B細胞である、請求項82に記載の方法。
【請求項89】
前記B細胞が、CD19+である、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記B細胞が、約0.5×10e6細胞/mL以上の量で前記生体試料に存在する、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記抗原提示細胞が、樹状細胞である、請求項82に記載の方法。
【請求項92】
前記樹状細胞が、古典的樹状細胞である、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記樹状細胞が、形質細胞様樹状細胞である、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記樹状細胞が、CD3、CD14、CD19、またはそれらの組み合わせに対して陽性である、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記樹状細胞が、CD86に対して陽性である、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記樹状細胞が、MHCクラスIIに対して陽性である、請求項91に記載の方法。
【請求項97】
前記樹状細胞が、BDCA-2、BDCA-4、CD11c、CD45RA、CD123、ILT-7、TLR7、TLR9、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせに対して陽性である、請求項91に記載の方法。
【請求項98】
前記樹状細胞が、約0.06×10e6細胞/mL以上の量で前記生体試料に存在する、請求項91に記載の方法。
【請求項99】
前記抗原提示細胞が、CD69、CD83、またはそれらの組み合わせを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項100】
前記抗CD73抗体が、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項101】
前記CDR L1が配列番号1の配列を有し、前記CDR L2が配列番号2の配列を有し、前記CDR L3が配列番号3の配列を有し、前記CDR H1が配列番号4の配列を有し、前記CDR H2が配列番号5の配列を有し、前記CDR H3が配列番号6の配列を有する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記ヒト化重鎖可変領域が、配列番号7の配列を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項103】
前記ヒト化軽鎖可変領域が、配列番号8の配列を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項104】
前記ヒト化重鎖可変領域が配列番号7の配列を含み、前記ヒト化軽鎖可変領域が配列番号8の配列を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項105】
前記抗CD73抗体が、IgGである、請求項82に記載の方法。
【請求項106】
前記抗CD73抗体が、IgG1である、請求項82に記載の方法。
【請求項107】
前記抗CD73抗体が、IgG4である、請求項82に記載の方法。
【請求項108】
前記抗CD73抗体が、Fab’断片である、請求項82に記載の方法。
【請求項109】
前記抗CD73抗体が、一本鎖抗体(scFv)である、請求項82に記載の方法。
【請求項110】
前記抗CD73抗体が、約0.3~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、請求項82に記載の方法。
【請求項111】
前記抗CD73抗体が、約0.64nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記抗CD73抗体が、約7.5未満のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項82に記載の方法。
【請求項113】
前記抗CD73抗体体が、約6.0~約7.0のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記抗CD73抗体が、約6.3のpHでCD73抗原に結合することができる、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記抗CD73抗体が、Kabatの297位に対応する位置にグルタミンをさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項116】
前記抗CD73抗体が、CD73抗原に結合している、請求項82に記載の方法。
【請求項117】
前記CD73抗原が、細胞の一部を形成する、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記細胞が、リンパ系細胞である、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記細胞が、B細胞である、請求項117に記載の方法。
【請求項120】
前記がんが、結腸直腸がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、トリプルネガティブ乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、膵臓がん、子宮内膜がん、肉腫、頭頸部扁平上皮がん、膀胱がん、転移性去勢抵抗性前立腺がん、または非ホジキンリンパ腫である、請求項82に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月31日に出願された米国仮出願第62/855,601号、2019年5月15日に出願された米国仮出願第62/848,524号、および2018年11月5日に提出された米国仮出願第62/756,065号の利益を主張するものであり、これらの出願は、参照により全体としてあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
ASCIIファイルとして提出される「配列表」、表、またはコンピュータプログラムリスト付属書類を参照
ファイル048517-543001WO_SEQUENCE_LISTING_ST25.txt(2019年10月31作成、9,939バイト、機械フォーマットIBM-PC、MS Windowsオペレーティングシステム)に記載の配列表が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー型CD73抗原は、細胞外アデノシンの生成における律速酵素とみなされている(Stagg J,Smyth MJ.Extracellular adenosine triphosphate and adenosine in cancer.Oncogene.2010;29:5346-58)。CD73は、様々な種類のがん細胞において高レベルで構成的に発現していることが見出され得る。CD73により生成するアデノシンは、適応抗腫瘍免疫応答を抑制し、それによって腫瘍の成長および転移を促進すると考えられている。抗体に基づくCD73がん治療が当技術分野で必要とされており、この治療はCD73の触媒活性を阻害し、それによってアデノシン産生を遮断し、アデノシン媒介性免疫抑制を軽減する。この開示は、当技術分野における上記および他のニーズに対処するものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Stagg J,Smyth MJ.Extracellular adenosine triphosphate and adenosine in cancer.Oncogene.2010;29:5346-58
【発明の概要】
【0005】
一態様では、対象を免疫刺激する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0006】
一態様では、対象においてB細胞を活性化する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0007】
一態様では、標準対照と比較して対象のリンパ組織からB細胞の放出を減少させる方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0008】
一態様では、標準対照と比較して対象のリンパ器官におけるB細胞の滞留を増加させる方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0009】
一態様では、標準対照と比較して対象におけるスフィンゴシン-1-ホスフェート受容体1(S1PR1)の内在化を増加させる方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0010】
一態様では、スフィンゴシン-1-ホスフェート受容体1(S1PR1)関連疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0011】
一態様では、感染性疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0012】
一態様では、炎症性疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0013】
一態様では、自己免疫性疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0014】
一態様では、抗がん免疫原性組成物が提供される。本組成物は、抗がん免疫原性剤および抗CD73抗体を含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0015】
一態様では、抗ウイルス免疫原性組成物が提供される。本組成物は、抗ウイルス免疫原性剤および抗CD73抗体を含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【0016】
一態様では、本開示は、抗原提示細胞を効果的に活性化するために有効量の抗CD73抗体を患者に投与することによって、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法を提供する。一態様では、本方法は、有効量の抗CD73抗体を患者に投与することと、抗原提示細胞のレベルを監視することと、を含む。諸態様では、本方法は、抗原提示細胞を効果的に活性化するために有効量の抗CD73抗体を患者に投与することと、抗原提示細胞のレベルを監視することと、を含む。諸態様では、抗原提示細胞のレベルを監視することは、患者から生体試料を得ることと、生体試料における抗原提示細胞のレベルを検出することと、を含む。一態様では、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。一態様では、抗CD73抗体は、配列番号7(重鎖)および配列番号8(軽鎖)を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】CPI-006がアデノシン産生を遮断し、アデノシン媒介性免疫抑制を軽減することを示す。図1Aは、CD73の構造の概略図を提供する。図1Bは、表示抗体の濃度の関数としてのCD73触媒活性を示す。図1Cは、表示抗体に基づくT細胞の増殖を示す。図1Dは、表示抗体に基づくIFN-ガンマの分泌を示す。各記号は、独立したドナーを表す。図1Eは、PBS、アイソタイプ対照、および10mg/kgのCPI-006を毎日投与されたMDA-MB-231異種移植モデルにおける20日間の治療過程にわたる腫瘍体積(mm)を示す。図1Fは、CPI-006がMDA-MB-231ヒトトリプルネガティブ乳がん(TNBC)異種移植モデルにおいてCD73酵素活性を遮断することを示し、CD73酵素活性を測定する方法は、Silver et al,J.Clin Invest.,56(5):1324-1327(1975)に記載されている。
図1B】CPI-006がアデノシン産生を遮断し、アデノシン媒介性免疫抑制を軽減することを示す。図1Aは、CD73の構造の概略図を提供する。図1Bは、表示抗体の濃度の関数としてのCD73触媒活性を示す。図1Cは、表示抗体に基づくT細胞の増殖を示す。図1Dは、表示抗体に基づくIFN-ガンマの分泌を示す。各記号は、独立したドナーを表す。図1Eは、PBS、アイソタイプ対照、および10mg/kgのCPI-006を毎日投与されたMDA-MB-231異種移植モデルにおける20日間の治療過程にわたる腫瘍体積(mm)を示す。図1Fは、CPI-006がMDA-MB-231ヒトトリプルネガティブ乳がん(TNBC)異種移植モデルにおいてCD73酵素活性を遮断することを示し、CD73酵素活性を測定する方法は、Silver et al,J.Clin Invest.,56(5):1324-1327(1975)に記載されている。
図1C】CPI-006がアデノシン産生を遮断し、アデノシン媒介性免疫抑制を軽減することを示す。図1Aは、CD73の構造の概略図を提供する。図1Bは、表示抗体の濃度の関数としてのCD73触媒活性を示す。図1Cは、表示抗体に基づくT細胞の増殖を示す。図1Dは、表示抗体に基づくIFN-ガンマの分泌を示す。各記号は、独立したドナーを表す。図1Eは、PBS、アイソタイプ対照、および10mg/kgのCPI-006を毎日投与されたMDA-MB-231異種移植モデルにおける20日間の治療過程にわたる腫瘍体積(mm)を示す。図1Fは、CPI-006がMDA-MB-231ヒトトリプルネガティブ乳がん(TNBC)異種移植モデルにおいてCD73酵素活性を遮断することを示し、CD73酵素活性を測定する方法は、Silver et al,J.Clin Invest.,56(5):1324-1327(1975)に記載されている。
図1D】CPI-006がアデノシン産生を遮断し、アデノシン媒介性免疫抑制を軽減することを示す。図1Aは、CD73の構造の概略図を提供する。図1Bは、表示抗体の濃度の関数としてのCD73触媒活性を示す。図1Cは、表示抗体に基づくT細胞の増殖を示す。図1Dは、表示抗体に基づくIFN-ガンマの分泌を示す。各記号は、独立したドナーを表す。図1Eは、PBS、アイソタイプ対照、および10mg/kgのCPI-006を毎日投与されたMDA-MB-231異種移植モデルにおける20日間の治療過程にわたる腫瘍体積(mm)を示す。図1Fは、CPI-006がMDA-MB-231ヒトトリプルネガティブ乳がん(TNBC)異種移植モデルにおいてCD73酵素活性を遮断することを示し、CD73酵素活性を測定する方法は、Silver et al,J.Clin Invest.,56(5):1324-1327(1975)に記載されている。
図1E】CPI-006がアデノシン産生を遮断し、アデノシン媒介性免疫抑制を軽減することを示す。図1Aは、CD73の構造の概略図を提供する。図1Bは、表示抗体の濃度の関数としてのCD73触媒活性を示す。図1Cは、表示抗体に基づくT細胞の増殖を示す。図1Dは、表示抗体に基づくIFN-ガンマの分泌を示す。各記号は、独立したドナーを表す。図1Eは、PBS、アイソタイプ対照、および10mg/kgのCPI-006を毎日投与されたMDA-MB-231異種移植モデルにおける20日間の治療過程にわたる腫瘍体積(mm)を示す。図1Fは、CPI-006がMDA-MB-231ヒトトリプルネガティブ乳がん(TNBC)異種移植モデルにおいてCD73酵素活性を遮断することを示し、CD73酵素活性を測定する方法は、Silver et al,J.Clin Invest.,56(5):1324-1327(1975)に記載されている。
図1F】CPI-006がアデノシン産生を遮断し、アデノシン媒介性免疫抑制を軽減することを示す。図1Aは、CD73の構造の概略図を提供する。図1Bは、表示抗体の濃度の関数としてのCD73触媒活性を示す。図1Cは、表示抗体に基づくT細胞の増殖を示す。図1Dは、表示抗体に基づくIFN-ガンマの分泌を示す。各記号は、独立したドナーを表す。図1Eは、PBS、アイソタイプ対照、および10mg/kgのCPI-006を毎日投与されたMDA-MB-231異種移植モデルにおける20日間の治療過程にわたる腫瘍体積(mm)を示す。図1Fは、CPI-006がMDA-MB-231ヒトトリプルネガティブ乳がん(TNBC)異種移植モデルにおいてCD73酵素活性を遮断することを示し、CD73酵素活性を測定する方法は、Silver et al,J.Clin Invest.,56(5):1324-1327(1975)に記載されている。
図2A】CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。図2A~2Cは、CPI-006がB細胞活性化マーカーのCD69(図2A)、CD83(図2B)、およびCD25(図2C)の発現を誘導することを示す。図2D~2Eは、CPI-006が抗原提示細胞のCD86(図2D)およびMHC-II(図2E)を活性化することを示す。図2A~2Eを参照すると、左から右に4本のバーから成る各群は、未処理のドナー、ヒトIgG1アイソタイプ対照で処理されたドナー、BCR刺激で処理されたドナー、およびCPI-006で処理されたドナーについてのデータを表す。図2A~2Eの実験は、B細胞(CD19POSCD3NEG)の表面マーカーのフローサイトメトリー分析で一晩処理された健康なドナーのPBMCに基づいている。これらのリンパ球マーカーは、B細胞および他の抗原提示細胞集団の活性化と一致している。図2Fは、B細胞活性化の誘導がCPI-006に特有であることを示している。図2Gは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がBTKを介してB細胞活性化を誘導することを示している。上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2H~2Iは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がアデノシンとは無関係にB細胞活性化を誘導することを示す。図2Hの場合、上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2Iの場合、上から下への凡例は、上から下へのデータを表す。図2Jは、CPI-006がCD4+T細胞またはCD8+T細胞よりも大幅にB細胞でホスフ-ERKシグナル伝達を誘導することを示す。4本のバーから成る各群について、上から下への凡例は左から右へのバーを表す。
図2B】CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。図2A~2Cは、CPI-006がB細胞活性化マーカーのCD69(図2A)、CD83(図2B)、およびCD25(図2C)の発現を誘導することを示す。図2D~2Eは、CPI-006が抗原提示細胞のCD86(図2D)およびMHC-II(図2E)を活性化することを示す。図2A~2Eを参照すると、左から右に4本のバーから成る各群は、未処理のドナー、ヒトIgG1アイソタイプ対照で処理されたドナー、BCR刺激で処理されたドナー、およびCPI-006で処理されたドナーについてのデータを表す。図2A~2Eの実験は、B細胞(CD19POSCD3NEG)の表面マーカーのフローサイトメトリー分析で一晩処理された健康なドナーのPBMCに基づいている。これらのリンパ球マーカーは、B細胞および他の抗原提示細胞集団の活性化と一致している。図2Fは、B細胞活性化の誘導がCPI-006に特有であることを示している。図2Gは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がBTKを介してB細胞活性化を誘導することを示している。上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2H~2Iは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がアデノシンとは無関係にB細胞活性化を誘導することを示す。図2Hの場合、上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2Iの場合、上から下への凡例は、上から下へのデータを表す。図2Jは、CPI-006がCD4+T細胞またはCD8+T細胞よりも大幅にB細胞でホスフ-ERKシグナル伝達を誘導することを示す。4本のバーから成る各群について、上から下への凡例は左から右へのバーを表す。
図2C】CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。図2A~2Cは、CPI-006がB細胞活性化マーカーのCD69(図2A)、CD83(図2B)、およびCD25(図2C)の発現を誘導することを示す。図2D~2Eは、CPI-006が抗原提示細胞のCD86(図2D)およびMHC-II(図2E)を活性化することを示す。図2A~2Eを参照すると、左から右に4本のバーから成る各群は、未処理のドナー、ヒトIgG1アイソタイプ対照で処理されたドナー、BCR刺激で処理されたドナー、およびCPI-006で処理されたドナーについてのデータを表す。図2A~2Eの実験は、B細胞(CD19POSCD3NEG)の表面マーカーのフローサイトメトリー分析で一晩処理された健康なドナーのPBMCに基づいている。これらのリンパ球マーカーは、B細胞および他の抗原提示細胞集団の活性化と一致している。図2Fは、B細胞活性化の誘導がCPI-006に特有であることを示している。図2Gは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がBTKを介してB細胞活性化を誘導することを示している。上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2H~2Iは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がアデノシンとは無関係にB細胞活性化を誘導することを示す。図2Hの場合、上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2Iの場合、上から下への凡例は、上から下へのデータを表す。図2Jは、CPI-006がCD4+T細胞またはCD8+T細胞よりも大幅にB細胞でホスフ-ERKシグナル伝達を誘導することを示す。4本のバーから成る各群について、上から下への凡例は左から右へのバーを表す。
図2D】CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。図2A~2Cは、CPI-006がB細胞活性化マーカーのCD69(図2A)、CD83(図2B)、およびCD25(図2C)の発現を誘導することを示す。図2D~2Eは、CPI-006が抗原提示細胞のCD86(図2D)およびMHC-II(図2E)を活性化することを示す。図2A~2Eを参照すると、左から右に4本のバーから成る各群は、未処理のドナー、ヒトIgG1アイソタイプ対照で処理されたドナー、BCR刺激で処理されたドナー、およびCPI-006で処理されたドナーについてのデータを表す。図2A~2Eの実験は、B細胞(CD19POSCD3NEG)の表面マーカーのフローサイトメトリー分析で一晩処理された健康なドナーのPBMCに基づいている。これらのリンパ球マーカーは、B細胞および他の抗原提示細胞集団の活性化と一致している。図2Fは、B細胞活性化の誘導がCPI-006に特有であることを示している。図2Gは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がBTKを介してB細胞活性化を誘導することを示している。上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2H~2Iは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がアデノシンとは無関係にB細胞活性化を誘導することを示す。図2Hの場合、上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2Iの場合、上から下への凡例は、上から下へのデータを表す。図2Jは、CPI-006がCD4+T細胞またはCD8+T細胞よりも大幅にB細胞でホスフ-ERKシグナル伝達を誘導することを示す。4本のバーから成る各群について、上から下への凡例は左から右へのバーを表す。
図2E】CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。図2A~2Cは、CPI-006がB細胞活性化マーカーのCD69(図2A)、CD83(図2B)、およびCD25(図2C)の発現を誘導することを示す。図2D~2Eは、CPI-006が抗原提示細胞のCD86(図2D)およびMHC-II(図2E)を活性化することを示す。図2A~2Eを参照すると、左から右に4本のバーから成る各群は、未処理のドナー、ヒトIgG1アイソタイプ対照で処理されたドナー、BCR刺激で処理されたドナー、およびCPI-006で処理されたドナーについてのデータを表す。図2A~2Eの実験は、B細胞(CD19POSCD3NEG)の表面マーカーのフローサイトメトリー分析で一晩処理された健康なドナーのPBMCに基づいている。これらのリンパ球マーカーは、B細胞および他の抗原提示細胞集団の活性化と一致している。図2Fは、B細胞活性化の誘導がCPI-006に特有であることを示している。図2Gは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がBTKを介してB細胞活性化を誘導することを示している。上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2H~2Iは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がアデノシンとは無関係にB細胞活性化を誘導することを示す。図2Hの場合、上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2Iの場合、上から下への凡例は、上から下へのデータを表す。図2Jは、CPI-006がCD4+T細胞またはCD8+T細胞よりも大幅にB細胞でホスフ-ERKシグナル伝達を誘導することを示す。4本のバーから成る各群について、上から下への凡例は左から右へのバーを表す。
図2F】CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。図2A~2Cは、CPI-006がB細胞活性化マーカーのCD69(図2A)、CD83(図2B)、およびCD25(図2C)の発現を誘導することを示す。図2D~2Eは、CPI-006が抗原提示細胞のCD86(図2D)およびMHC-II(図2E)を活性化することを示す。図2A~2Eを参照すると、左から右に4本のバーから成る各群は、未処理のドナー、ヒトIgG1アイソタイプ対照で処理されたドナー、BCR刺激で処理されたドナー、およびCPI-006で処理されたドナーについてのデータを表す。図2A~2Eの実験は、B細胞(CD19POSCD3NEG)の表面マーカーのフローサイトメトリー分析で一晩処理された健康なドナーのPBMCに基づいている。これらのリンパ球マーカーは、B細胞および他の抗原提示細胞集団の活性化と一致している。図2Fは、B細胞活性化の誘導がCPI-006に特有であることを示している。図2Gは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がBTKを介してB細胞活性化を誘導することを示している。上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2H~2Iは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がアデノシンとは無関係にB細胞活性化を誘導することを示す。図2Hの場合、上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2Iの場合、上から下への凡例は、上から下へのデータを表す。図2Jは、CPI-006がCD4+T細胞またはCD8+T細胞よりも大幅にB細胞でホスフ-ERKシグナル伝達を誘導することを示す。4本のバーから成る各群について、上から下への凡例は左から右へのバーを表す。
図2G】CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。図2A~2Cは、CPI-006がB細胞活性化マーカーのCD69(図2A)、CD83(図2B)、およびCD25(図2C)の発現を誘導することを示す。図2D~2Eは、CPI-006が抗原提示細胞のCD86(図2D)およびMHC-II(図2E)を活性化することを示す。図2A~2Eを参照すると、左から右に4本のバーから成る各群は、未処理のドナー、ヒトIgG1アイソタイプ対照で処理されたドナー、BCR刺激で処理されたドナー、およびCPI-006で処理されたドナーについてのデータを表す。図2A~2Eの実験は、B細胞(CD19POSCD3NEG)の表面マーカーのフローサイトメトリー分析で一晩処理された健康なドナーのPBMCに基づいている。これらのリンパ球マーカーは、B細胞および他の抗原提示細胞集団の活性化と一致している。図2Fは、B細胞活性化の誘導がCPI-006に特有であることを示している。図2Gは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がBTKを介してB細胞活性化を誘導することを示している。上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2H~2Iは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がアデノシンとは無関係にB細胞活性化を誘導することを示す。図2Hの場合、上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2Iの場合、上から下への凡例は、上から下へのデータを表す。図2Jは、CPI-006がCD4+T細胞またはCD8+T細胞よりも大幅にB細胞でホスフ-ERKシグナル伝達を誘導することを示す。4本のバーから成る各群について、上から下への凡例は左から右へのバーを表す。
図2H】CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。図2A~2Cは、CPI-006がB細胞活性化マーカーのCD69(図2A)、CD83(図2B)、およびCD25(図2C)の発現を誘導することを示す。図2D~2Eは、CPI-006が抗原提示細胞のCD86(図2D)およびMHC-II(図2E)を活性化することを示す。図2A~2Eを参照すると、左から右に4本のバーから成る各群は、未処理のドナー、ヒトIgG1アイソタイプ対照で処理されたドナー、BCR刺激で処理されたドナー、およびCPI-006で処理されたドナーについてのデータを表す。図2A~2Eの実験は、B細胞(CD19POSCD3NEG)の表面マーカーのフローサイトメトリー分析で一晩処理された健康なドナーのPBMCに基づいている。これらのリンパ球マーカーは、B細胞および他の抗原提示細胞集団の活性化と一致している。図2Fは、B細胞活性化の誘導がCPI-006に特有であることを示している。図2Gは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がBTKを介してB細胞活性化を誘導することを示している。上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2H~2Iは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がアデノシンとは無関係にB細胞活性化を誘導することを示す。図2Hの場合、上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2Iの場合、上から下への凡例は、上から下へのデータを表す。図2Jは、CPI-006がCD4+T細胞またはCD8+T細胞よりも大幅にB細胞でホスフ-ERKシグナル伝達を誘導することを示す。4本のバーから成る各群について、上から下への凡例は左から右へのバーを表す。
図2I】CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。図2A~2Cは、CPI-006がB細胞活性化マーカーのCD69(図2A)、CD83(図2B)、およびCD25(図2C)の発現を誘導することを示す。図2D~2Eは、CPI-006が抗原提示細胞のCD86(図2D)およびMHC-II(図2E)を活性化することを示す。図2A~2Eを参照すると、左から右に4本のバーから成る各群は、未処理のドナー、ヒトIgG1アイソタイプ対照で処理されたドナー、BCR刺激で処理されたドナー、およびCPI-006で処理されたドナーについてのデータを表す。図2A~2Eの実験は、B細胞(CD19POSCD3NEG)の表面マーカーのフローサイトメトリー分析で一晩処理された健康なドナーのPBMCに基づいている。これらのリンパ球マーカーは、B細胞および他の抗原提示細胞集団の活性化と一致している。図2Fは、B細胞活性化の誘導がCPI-006に特有であることを示している。図2Gは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がBTKを介してB細胞活性化を誘導することを示している。上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2H~2Iは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がアデノシンとは無関係にB細胞活性化を誘導することを示す。図2Hの場合、上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2Iの場合、上から下への凡例は、上から下へのデータを表す。図2Jは、CPI-006がCD4+T細胞またはCD8+T細胞よりも大幅にB細胞でホスフ-ERKシグナル伝達を誘導することを示す。4本のバーから成る各群について、上から下への凡例は左から右へのバーを表す。
図2J】CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。図2A~2Cは、CPI-006がB細胞活性化マーカーのCD69(図2A)、CD83(図2B)、およびCD25(図2C)の発現を誘導することを示す。図2D~2Eは、CPI-006が抗原提示細胞のCD86(図2D)およびMHC-II(図2E)を活性化することを示す。図2A~2Eを参照すると、左から右に4本のバーから成る各群は、未処理のドナー、ヒトIgG1アイソタイプ対照で処理されたドナー、BCR刺激で処理されたドナー、およびCPI-006で処理されたドナーについてのデータを表す。図2A~2Eの実験は、B細胞(CD19POSCD3NEG)の表面マーカーのフローサイトメトリー分析で一晩処理された健康なドナーのPBMCに基づいている。これらのリンパ球マーカーは、B細胞および他の抗原提示細胞集団の活性化と一致している。図2Fは、B細胞活性化の誘導がCPI-006に特有であることを示している。図2Gは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がBTKを介してB細胞活性化を誘導することを示している。上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2H~2Iは、CD69(左パネル)およびCD83(右パネル)の抗体染色によって証明されるように、CPI-006がアデノシンとは無関係にB細胞活性化を誘導することを示す。図2Hの場合、上から下への棒グラフの凡例は、左から右へのデータバーを表す。図2Iの場合、上から下への凡例は、上から下へのデータを表す。図2Jは、CPI-006がCD4+T細胞またはCD8+T細胞よりも大幅にB細胞でホスフ-ERKシグナル伝達を誘導することを示す。4本のバーから成る各群について、上から下への凡例は左から右へのバーを表す。
図3A】ヒト患者への初回注入後のCPI-006の薬物動態/薬力学およびCD73受容体の占有率を示す。図3Aは、投薬量に基づく時間の関数としての血清CPI-006濃度を示し、7日目に見られる最上の2線は12mg/kgの用量であり、7日目に見られる次に低い3線は6mg/kgの用量であり、7日目に見られる次に低い3線は3mg/kgの用量であり、7日目にデータ点のない一番下の線は1mg/kgの用量である。図3Bは、CPI-006の用量および時間に基づくCD73受容体の占有率を示し、21日目の最上線は12mg/kgであり、21日目の次に低い線は6mg/kgの用量であり、21日目の次に低い線は3mg/kgの用量であり、21日目の最低線は1mg/kgの用量である。点線は、100パーセントの占有率であるCD73受容体の占有率を示す。図3Cは、基線(左パネル)および24時間後(右パネル)でのCD73競合抗体対非競合抗体を示している。図3Dは、CPI-006の投与前およびCPI-66の投与30分後の全細胞表面のCD73および遊離細胞表面のCD73を示す。
図3B】ヒト患者への初回注入後のCPI-006の薬物動態/薬力学およびCD73受容体の占有率を示す。図3Aは、投薬量に基づく時間の関数としての血清CPI-006濃度を示し、7日目に見られる最上の2線は12mg/kgの用量であり、7日目に見られる次に低い3線は6mg/kgの用量であり、7日目に見られる次に低い3線は3mg/kgの用量であり、7日目にデータ点のない一番下の線は1mg/kgの用量である。図3Bは、CPI-006の用量および時間に基づくCD73受容体の占有率を示し、21日目の最上線は12mg/kgであり、21日目の次に低い線は6mg/kgの用量であり、21日目の次に低い線は3mg/kgの用量であり、21日目の最低線は1mg/kgの用量である。点線は、100パーセントの占有率であるCD73受容体の占有率を示す。図3Cは、基線(左パネル)および24時間後(右パネル)でのCD73競合抗体対非競合抗体を示している。図3Dは、CPI-006の投与前およびCPI-66の投与30分後の全細胞表面のCD73および遊離細胞表面のCD73を示す。
図3C】ヒト患者への初回注入後のCPI-006の薬物動態/薬力学およびCD73受容体の占有率を示す。図3Aは、投薬量に基づく時間の関数としての血清CPI-006濃度を示し、7日目に見られる最上の2線は12mg/kgの用量であり、7日目に見られる次に低い3線は6mg/kgの用量であり、7日目に見られる次に低い3線は3mg/kgの用量であり、7日目にデータ点のない一番下の線は1mg/kgの用量である。図3Bは、CPI-006の用量および時間に基づくCD73受容体の占有率を示し、21日目の最上線は12mg/kgであり、21日目の次に低い線は6mg/kgの用量であり、21日目の次に低い線は3mg/kgの用量であり、21日目の最低線は1mg/kgの用量である。点線は、100パーセントの占有率であるCD73受容体の占有率を示す。図3Cは、基線(左パネル)および24時間後(右パネル)でのCD73競合抗体対非競合抗体を示している。図3Dは、CPI-006の投与前およびCPI-66の投与30分後の全細胞表面のCD73および遊離細胞表面のCD73を示す。
図3D】ヒト患者への初回注入後のCPI-006の薬物動態/薬力学およびCD73受容体の占有率を示す。図3Aは、投薬量に基づく時間の関数としての血清CPI-006濃度を示し、7日目に見られる最上の2線は12mg/kgの用量であり、7日目に見られる次に低い3線は6mg/kgの用量であり、7日目に見られる次に低い3線は3mg/kgの用量であり、7日目にデータ点のない一番下の線は1mg/kgの用量である。図3Bは、CPI-006の用量および時間に基づくCD73受容体の占有率を示し、21日目の最上線は12mg/kgであり、21日目の次に低い線は6mg/kgの用量であり、21日目の次に低い線は3mg/kgの用量であり、21日目の最低線は1mg/kgの用量である。点線は、100パーセントの占有率であるCD73受容体の占有率を示す。図3Cは、基線(左パネル)および24時間後(右パネル)でのCD73競合抗体対非競合抗体を示している。図3Dは、CPI-006の投与前およびCPI-66の投与30分後の全細胞表面のCD73および遊離細胞表面のCD73を示す。
図4A】CPI-006が末梢B細胞を一過性に再分布させることを示す。図4Aは、1mg/kg(左パネル)、3mg/kg(中央パネル)、および6mg/kg(右パネル)のCPI-006用量に基づいて、B細胞(CD19CD3)のレベルを全リンパ球のパーセントとして示す。図4Bは、B細胞(2つの左パネル)およびT細胞(2つの右パネル)について報告された非競合抗CD73抗体を用いたCD73の発現を示す。図4Cは、様々な用量のCPI-006で処理されたB細胞のCD69(左パネル)およびS1P1(右パネル)の表面レベルを示す。上から下への凡例は、左から右に3本のバーから成る各群を表す。本発明の理論に拘束されることを意図することなく、図4Dは、CPI-006による末梢B細胞のレベルの低減をもたらす機構についてのモデルを提供する。
図4B】CPI-006が末梢B細胞を一過性に再分布させることを示す。図4Aは、1mg/kg(左パネル)、3mg/kg(中央パネル)、および6mg/kg(右パネル)のCPI-006用量に基づいて、B細胞(CD19CD3)のレベルを全リンパ球のパーセントとして示す。図4Bは、B細胞(2つの左パネル)およびT細胞(2つの右パネル)について報告された非競合抗CD73抗体を用いたCD73の発現を示す。図4Cは、様々な用量のCPI-006で処理されたB細胞のCD69(左パネル)およびS1P1(右パネル)の表面レベルを示す。上から下への凡例は、左から右に3本のバーから成る各群を表す。本発明の理論に拘束されることを意図することなく、図4Dは、CPI-006による末梢B細胞のレベルの低減をもたらす機構についてのモデルを提供する。
図4C】CPI-006が末梢B細胞を一過性に再分布させることを示す。図4Aは、1mg/kg(左パネル)、3mg/kg(中央パネル)、および6mg/kg(右パネル)のCPI-006用量に基づいて、B細胞(CD19CD3)のレベルを全リンパ球のパーセントとして示す。図4Bは、B細胞(2つの左パネル)およびT細胞(2つの右パネル)について報告された非競合抗CD73抗体を用いたCD73の発現を示す。図4Cは、様々な用量のCPI-006で処理されたB細胞のCD69(左パネル)およびS1P1(右パネル)の表面レベルを示す。上から下への凡例は、左から右に3本のバーから成る各群を表す。本発明の理論に拘束されることを意図することなく、図4Dは、CPI-006による末梢B細胞のレベルの低減をもたらす機構についてのモデルを提供する。
図4D】CPI-006が末梢B細胞を一過性に再分布させることを示す。図4Aは、1mg/kg(左パネル)、3mg/kg(中央パネル)、および6mg/kg(右パネル)のCPI-006用量に基づいて、B細胞(CD19CD3)のレベルを全リンパ球のパーセントとして示す。図4Bは、B細胞(2つの左パネル)およびT細胞(2つの右パネル)について報告された非競合抗CD73抗体を用いたCD73の発現を示す。図4Cは、様々な用量のCPI-006で処理されたB細胞のCD69(左パネル)およびS1P1(右パネル)の表面レベルを示す。上から下への凡例は、左から右に3本のバーから成る各群を表す。本発明の理論に拘束されることを意図することなく、図4Dは、CPI-006による末梢B細胞のレベルの低減をもたらす機構についてのモデルを提供する。
図5】12mg/kgのCPI-006で治療された結腸直腸患者の腫瘍生検におけるCD73の占有率および阻害を示す。腫瘍生検は、投与前3のトラフで得られた後腹膜病変であった。
図6A】様々な用量のCPI-006単独(図6A)またはCPI-006とシフォラデナントの併用療法(図6B)で治療されているがん患者を示す。サイクルは21日に1回である。疾患評価は、3~4サイクルごとに行われた。破線は、6mg/kgおよび12mg/kgの用量で末梢血に持続的なCD73受容体の占有があったが、1mg/kgおよび3mg/kgの用量では持続しなかったことを示している。HDNCKは頭頸部がんを指す。mCRPCは、転移性去勢抵抗性前立腺がんを指す。BLADDは膀胱がんを指す。PANCは膵臓がんを指す。COLORECTは結腸直腸がんを指す。RCCは腎細胞がんを指す。SDは安定を示し、PDは進行を示す。
図6B】様々な用量のCPI-006単独(図6A)またはCPI-006とシフォラデナントの併用療法(図6B)で治療されているがん患者を示す。サイクルは21日に1回である。疾患評価は、3~4サイクルごとに行われた。破線は、6mg/kgおよび12mg/kgの用量で末梢血に持続的なCD73受容体の占有があったが、1mg/kgおよび3mg/kgの用量では持続しなかったことを示している。HDNCKは頭頸部がんを指す。mCRPCは、転移性去勢抵抗性前立腺がんを指す。BLADDは膀胱がんを指す。PANCは膵臓がんを指す。COLORECTは結腸直腸がんを指す。RCCは腎細胞がんを指す。SDは安定を示し、PDは進行を示す。
図7A】CPI-006による治療が血中B細胞およびT細胞の急速な変化を誘発することを示す。図7Aは、治療前および1mg/kg~12mg/kgの投薬量でCPI-006投与0.5時間後でのCD73POS B細胞を含むリンパ球のパーセンテージを示す。図7Bは、CPI-004投与0.5時間後のCD73POS CD4 T細胞、CD73NEG CD4 T細胞、CD73POS CD8 T細胞、CD73NEG CD8 T細胞、および単球の細胞頻度の倍率変化を示す。図7Cは、4種類のCPI-006用量での経時的なCD73POS B細胞の変化を示している。10日目の最高線は、1mg/kg、10日目の2番目に高い線は3mg/kg、10日目の2番目に低い線は6mg/kg、10日目の最低線は12mg/kgを表す。図7Dは、6mg/kgのCPI-006単剤療法を受けているがん患者におけるHLA-DR(ヒト白血球抗原、DRアイソタイプ)発現の変化を示している。図7Eは、治療前の前立腺腫瘍(左パネル)、および2サイクルの治療後、すなわち42日後の前立腺腫瘍のサイズの縮小(右パネル)を示している。図7Fは、図7Eに示される72歳の転移性前立腺がん患者の経時的な循環CD73POS B細胞(実線)およびCD73NEG B細胞(破線)の変化を示し、このがん患者は以前にリュープロリド/ビカルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、およびドセタキセルで治療されていた。
図7B】CPI-006による治療が血中B細胞およびT細胞の急速な変化を誘発することを示す。図7Aは、治療前および1mg/kg~12mg/kgの投薬量でCPI-006投与0.5時間後でのCD73POS B細胞を含むリンパ球のパーセンテージを示す。図7Bは、CPI-004投与0.5時間後のCD73POS CD4 T細胞、CD73NEG CD4 T細胞、CD73POS CD8 T細胞、CD73NEG CD8 T細胞、および単球の細胞頻度の倍率変化を示す。図7Cは、4種類のCPI-006用量での経時的なCD73POS B細胞の変化を示している。10日目の最高線は、1mg/kg、10日目の2番目に高い線は3mg/kg、10日目の2番目に低い線は6mg/kg、10日目の最低線は12mg/kgを表す。図7Dは、6mg/kgのCPI-006単剤療法を受けているがん患者におけるHLA-DR(ヒト白血球抗原、DRアイソタイプ)発現の変化を示している。図7Eは、治療前の前立腺腫瘍(左パネル)、および2サイクルの治療後、すなわち42日後の前立腺腫瘍のサイズの縮小(右パネル)を示している。図7Fは、図7Eに示される72歳の転移性前立腺がん患者の経時的な循環CD73POS B細胞(実線)およびCD73NEG B細胞(破線)の変化を示し、このがん患者は以前にリュープロリド/ビカルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、およびドセタキセルで治療されていた。
図7C】CPI-006による治療が血中B細胞およびT細胞の急速な変化を誘発することを示す。図7Aは、治療前および1mg/kg~12mg/kgの投薬量でCPI-006投与0.5時間後でのCD73POS B細胞を含むリンパ球のパーセンテージを示す。図7Bは、CPI-004投与0.5時間後のCD73POS CD4 T細胞、CD73NEG CD4 T細胞、CD73POS CD8 T細胞、CD73NEG CD8 T細胞、および単球の細胞頻度の倍率変化を示す。図7Cは、4種類のCPI-006用量での経時的なCD73POS B細胞の変化を示している。10日目の最高線は、1mg/kg、10日目の2番目に高い線は3mg/kg、10日目の2番目に低い線は6mg/kg、10日目の最低線は12mg/kgを表す。図7Dは、6mg/kgのCPI-006単剤療法を受けているがん患者におけるHLA-DR(ヒト白血球抗原、DRアイソタイプ)発現の変化を示している。図7Eは、治療前の前立腺腫瘍(左パネル)、および2サイクルの治療後、すなわち42日後の前立腺腫瘍のサイズの縮小(右パネル)を示している。図7Fは、図7Eに示される72歳の転移性前立腺がん患者の経時的な循環CD73POS B細胞(実線)およびCD73NEG B細胞(破線)の変化を示し、このがん患者は以前にリュープロリド/ビカルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、およびドセタキセルで治療されていた。
図7D】CPI-006による治療が血中B細胞およびT細胞の急速な変化を誘発することを示す。図7Aは、治療前および1mg/kg~12mg/kgの投薬量でCPI-006投与0.5時間後でのCD73POS B細胞を含むリンパ球のパーセンテージを示す。図7Bは、CPI-004投与0.5時間後のCD73POS CD4 T細胞、CD73NEG CD4 T細胞、CD73POS CD8 T細胞、CD73NEG CD8 T細胞、および単球の細胞頻度の倍率変化を示す。図7Cは、4種類のCPI-006用量での経時的なCD73POS B細胞の変化を示している。10日目の最高線は、1mg/kg、10日目の2番目に高い線は3mg/kg、10日目の2番目に低い線は6mg/kg、10日目の最低線は12mg/kgを表す。図7Dは、6mg/kgのCPI-006単剤療法を受けているがん患者におけるHLA-DR(ヒト白血球抗原、DRアイソタイプ)発現の変化を示している。図7Eは、治療前の前立腺腫瘍(左パネル)、および2サイクルの治療後、すなわち42日後の前立腺腫瘍のサイズの縮小(右パネル)を示している。図7Fは、図7Eに示される72歳の転移性前立腺がん患者の経時的な循環CD73POS B細胞(実線)およびCD73NEG B細胞(破線)の変化を示し、このがん患者は以前にリュープロリド/ビカルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、およびドセタキセルで治療されていた。
図7E】CPI-006による治療が血中B細胞およびT細胞の急速な変化を誘発することを示す。図7Aは、治療前および1mg/kg~12mg/kgの投薬量でCPI-006投与0.5時間後でのCD73POS B細胞を含むリンパ球のパーセンテージを示す。図7Bは、CPI-004投与0.5時間後のCD73POS CD4 T細胞、CD73NEG CD4 T細胞、CD73POS CD8 T細胞、CD73NEG CD8 T細胞、および単球の細胞頻度の倍率変化を示す。図7Cは、4種類のCPI-006用量での経時的なCD73POS B細胞の変化を示している。10日目の最高線は、1mg/kg、10日目の2番目に高い線は3mg/kg、10日目の2番目に低い線は6mg/kg、10日目の最低線は12mg/kgを表す。図7Dは、6mg/kgのCPI-006単剤療法を受けているがん患者におけるHLA-DR(ヒト白血球抗原、DRアイソタイプ)発現の変化を示している。図7Eは、治療前の前立腺腫瘍(左パネル)、および2サイクルの治療後、すなわち42日後の前立腺腫瘍のサイズの縮小(右パネル)を示している。図7Fは、図7Eに示される72歳の転移性前立腺がん患者の経時的な循環CD73POS B細胞(実線)およびCD73NEG B細胞(破線)の変化を示し、このがん患者は以前にリュープロリド/ビカルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、およびドセタキセルで治療されていた。
図7F】CPI-006による治療が血中B細胞およびT細胞の急速な変化を誘発することを示す。図7Aは、治療前および1mg/kg~12mg/kgの投薬量でCPI-006投与0.5時間後でのCD73POS B細胞を含むリンパ球のパーセンテージを示す。図7Bは、CPI-004投与0.5時間後のCD73POS CD4 T細胞、CD73NEG CD4 T細胞、CD73POS CD8 T細胞、CD73NEG CD8 T細胞、および単球の細胞頻度の倍率変化を示す。図7Cは、4種類のCPI-006用量での経時的なCD73POS B細胞の変化を示している。10日目の最高線は、1mg/kg、10日目の2番目に高い線は3mg/kg、10日目の2番目に低い線は6mg/kg、10日目の最低線は12mg/kgを表す。図7Dは、6mg/kgのCPI-006単剤療法を受けているがん患者におけるHLA-DR(ヒト白血球抗原、DRアイソタイプ)発現の変化を示している。図7Eは、治療前の前立腺腫瘍(左パネル)、および2サイクルの治療後、すなわち42日後の前立腺腫瘍のサイズの縮小(右パネル)を示している。図7Fは、図7Eに示される72歳の転移性前立腺がん患者の経時的な循環CD73POS B細胞(実線)およびCD73NEG B細胞(破線)の変化を示し、このがん患者は以前にリュープロリド/ビカルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、およびドセタキセルで治療されていた。
図8A】CPI-006による治療が免疫活性化と一致するサイトカインを誘導することを示す。特に、炎症性サイトカインの急速な誘導があり((図8A);続いて、CRP(C反応性タンパク質)およびSAA(血清アミロイドA)が誘導される(図8B)。
図8B】CPI-006による治療が免疫活性化と一致するサイトカインを誘導することを示す。特に、炎症性サイトカインの急速な誘導があり((図8A);続いて、CRP(C反応性タンパク質)およびSAA(血清アミロイドA)が誘導される(図8B)。
図9】CPI-006の作用機序の理論に拘束されることを意図することなく、CPI-006の免疫調節活性についての提案モデルを示す。
図10】CPI-006の作用機序の理論に拘束されることを意図することなく、本開示の概略図を提供する。
図11A】CP1-006で治療された3名の患者についてのT細胞クローンのクローン存在量プロットを示す。T細胞受容体のVb領域の配列決定を行い、12mg/kg CPI-006+シフォラデナント(図11A)、12mg/kg CPI-006(図11B)、または18mg/kg CPI-006(図11C)の6週間の治療前および治療中に採取された末梢血試料の特有なT細胞クローンの頻度を同定した。新しいT細胞クローンの増殖は、CPI-006で治療された8名の評価患者のうち3名で6週間後に観察された。
図11B】CP1-006で治療された3名の患者についてのT細胞クローンのクローン存在量プロットを示す。T細胞受容体のVb領域の配列決定を行い、12mg/kg CPI-006+シフォラデナント(図11A)、12mg/kg CPI-006(図11B)、または18mg/kg CPI-006(図11C)の6週間の治療前および治療中に採取された末梢血試料の特有なT細胞クローンの頻度を同定した。新しいT細胞クローンの増殖は、CPI-006で治療された8名の評価患者のうち3名で6週間後に観察された。
図11C】CP1-006で治療された3名の患者についてのT細胞クローンのクローン存在量プロットを示す。T細胞受容体のVb領域の配列決定を行い、12mg/kg CPI-006+シフォラデナント(図11A)、12mg/kg CPI-006(図11B)、または18mg/kg CPI-006(図11C)の6週間の治療前および治療中に採取された末梢血試料の特有なT細胞クローンの頻度を同定した。新しいT細胞クローンの増殖は、CPI-006で治療された8名の評価患者のうち3名で6週間後に観察された。
図12】CPI-006またはCPI-006とシフォラデナント(PCI-444)の併用による治療後最初の24時間における循環リンパ球動態を示す。全血は、治療前、またはCPI-006を単剤として(左)またはCPI-444と併用して(右)投与してから0.5時間後または24時間後に採取した。CD19+B細胞、CD3+T細胞、CD3+CD4+T細胞、CD3+CD8+T細胞、およびCD3-CD16+CD56+NK細胞の絶対数は、定量ビーズを用いたフローサイトメトリーによって決定した。循環細胞の数は、評価された全てのリンパ球サブセットについて、治療後0.5時間で減少したが、治療後24時間で回復し、B細胞の場合、これは部分的な回復であった一方、他の細胞型は24時間でほぼ基線レベルに回復した。
図13】CPI-006による治療後の循環CD73B細胞およびCD73B細胞のレベルを示す。治療前またはCPI-006投与の0.5時間後に採血した。CD19B細胞の絶対数、およびCD73陽性B細胞のパーセンテージは、フローサイトメトリーを使用して決定した。循環CD73B細胞の数は、治療後0.5時間で実質的に減少した一方、CD73B細胞は、患者間で変化がないか、やや減少した。
【発明を実施するための形態】
【0018】
I.定義
「CPI-006」または「CPX-006」は、ヒト化CD73抗体であり、軽鎖は配列番号8であり、重鎖は本明細書に記載の配列番号7である。CPI-006は、WO2017/100670にも記載されており(この開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、重鎖は配列番号53であり、軽鎖は配列番号55であり、これらは配列番号9および配列番号10にそれぞれ対応する。
【0019】
本開示において、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(containing)」および「有する」などは、米国特許法においてそれらに帰する意味を有することができ、「含む(includes)」、「含む(including)」などを意味し得る。「本質的になる(Consisting essentially of)」または「本質的になる(consists essentially)」も同様に、米国特許法に帰する意味を有し、該用語は制約がなく、列挙事項の基本特性または新規特性が列挙事項にとどまらない存在によって変化しない限り、列挙事項にとどまらない存在が許容されるが、先行技術の実施形態は除外される。
【0020】
「遺伝子」という用語は、タンパク質の産生に関与するDNAのセグメントを意味し、これには、コーディング領域の前後領域(リーダーおよびトレーラー)、および個々のコーディングセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)が含まれる。リーダー、トレーラー、およびイントロンには、遺伝子の転写および翻訳中に必要な調節エレメントが含まれている。さらに、「タンパク質遺伝子産物」は、特定の遺伝子から発現するタンパク質である。
【0021】
本明細書に記載の特定のタンパク質(抗体またはその断片)の場合、指定タンパク質には、タンパク質の天然に存在する形態、タンパク質転写因子の活性を維持する変異体または相同体のいずれかが含まれる(例えば、未変性タンパク質と比較して少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の活性内)。諸態様では、変異体または相同体は、天然に存在する形態と比較して配列全体または配列の一部(例えば、50、100、150、または200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有する。諸態様では、タンパク質は、そのNCBI配列参照によって同定されるタンパク質である。諸態様では、タンパク質は、そのNCBI配列参照によって同定されるタンパク質、その相同体または機能的断片である。
【0022】
タンパク質のアミノ酸残基は、所与の残基と同じタンパク質内の本質的な構造的位置を占める場合、所与の残基に「対応する」。
【0023】
「単離された」という用語は、核酸またはタンパク質に適用される場合、核酸またはタンパク質が天然の状態で関連する他の細胞成分を本質的に含まないことを意味する。これは、例えば、均一な状態であり、乾燥または水溶液のいずれかであり得る。純度および均一性は、通常、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技術を使用して決定される。調製物中に存在する優勢種であるタンパク質は、実質的に精製されている。
【0024】
「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣体を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによってコード化されたアミノ酸、ならびに例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、およびO-ホスホセリンなど、後で修飾されるアミノ酸である。アミノ酸類似体とは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造、つまり、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合しているα炭素を有する化合物を指し、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムである。このような類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を保持している。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様に機能する化合物を指す。「天然に存在しないアミノ酸」および「非天然アミノ酸」という用語は、天然には見られないアミノ酸類似体、合成アミノ酸、およびアミノ酸模倣物を指す。
【0025】
アミノ酸は、本明細書では、一般的に知られている3文字記号またはIUPAC-IUB生化学命名委員会によって推奨される1文字記号のいずれかによって言及され得る。同様に、ヌクレオチドは、一般的に認められている一文字コードによって言及され得る。
【0026】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書で互換的に使用され、ポリマーは、アミノ酸から構成されない部分に結合し得る。この用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工化学模倣物であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーに対して適用される。「融合タンパク質」は、単一の部分として組換え発現する2つ以上の別々のタンパク質配列をコードするキメラタンパク質を指す。
【0027】
本明細書で使用され得るように、「核酸」、「核酸分子」、「核酸オリゴマー」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸配列」、「核酸断片」および「ポリヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、様々な長さを有し得る互いに共有結合したヌクレオチドのポリマー形態、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドのいずれか、またはそれらの類似体、誘導体もしくは修飾物を含むことが意図されるが、これらに限定されない。異なるポリヌクレオチドは、異なる三次元構造を有し、既知または未知の様々な機能を実行し得る。ポリヌクレオチドの非限定的な例には、遺伝子、遺伝子断片、エクソン、イントロン、遺伝子間DNA(異質染色質のDNAを含むがこれらに限定されない)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、単離されたDNA配列、単離されたRNA配列、核酸プローブ、およびプライマーが挙げられる。本開示の方法において有用なポリヌクレオチドは、天然の核酸配列およびその変異体、人工核酸配列、またはこのような配列の組み合わせを含み得る。
【0028】
ポリヌクレオチドは、通常4つのヌクレオチド塩基、すなわち、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、およびチミン(T)(ポリヌクレオチドがRNAの場合、チミン(T)の代わりにウラシル(U))の特定配列で構成される。したがって、「ポリヌクレオチド配列」という用語は、ポリヌクレオチド分子のアルファベット表示であり、あるいは、この用語は、ポリヌクレオチド分子自体に適用され得る。このアルファベット表示は、中央処理装置を備えたコンピュータのデータベースに入力でき、機能ゲノミクスおよび相同性検索などのバイオインフォマティクスアプリケーションに使用できる。ポリヌクレオチドは、1つ以上の非標準ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、および/または修飾ヌクレオチドを任意で含み得る。
【0029】
「保存的に修飾された変異体」は、アミノ酸および核酸の両配列に適用される。特定の核酸配列に関して、「保存的に修飾された変異体」とは、同一または本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を指す。遺伝コードの縮重のため、多くの核酸配列が任意の所与のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUは全て、アミノ酸アラニンをコードする。したがって、アラニンがコドンによって指定される全ての位置で、コドンは、コードされるポリペプチドを変更することなく、記載の対応するコドンのいずれかに変更できる。このような核酸バリエーションは、保存的に修飾されたバリエーションの一種である「サイレントバリエーション」である。ポリペプチドをコードする本明細書の全核酸配列は、あらゆる可能な核酸のサイレントバリエーションについても記載する。当業者は、核酸の各コドン(通常、メチオニンの唯一のコドンであるAUG、および通常はトリプトファンの唯一のコドンであるTGGを除く)を修飾して、機能的に同一の分子を生じ得ることを認識するであろう。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレントバリエーションは、それぞれの記載配列に潜在している。
【0030】
アミノ酸配列に関して、当業者は、コード配列の単一アミノ酸またはごく一部のアミノ酸を変更し、付加し、または欠失させる、核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列に対する個々の置換、欠失、または付加が、これらの変更により、化学的に類似したアミノ酸でのアミノ酸の置換がもたらされる「保存的に修飾された変異体」であることを認識するであろう。機能的に類似するアミノ酸を提供する保存的置換表は、当該技術分野で周知である。このような保存的に修飾された変異体は、本開示の多型変異体、種間相同体、および対立遺伝子に加えられ、それらを除外しない。
【0031】
以下の8群は、互いに対して保存的置換であるアミノ酸をそれぞれ含む。(1)アラニン(A)、グリシン(G)、(2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、(3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、(4)アルギニン(R)、リジン(K)、(5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、(6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、(7)セリン(S)、トレオニン(T)、および(8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えば、Creighton,Proteins(1984)を参照)。
【0032】
アミノ酸またはヌクレオチド塩基の「位置」は、N末端(または5’末端)に対するその位置に基づいて、参照配列中の各アミノ酸(またはヌクレオチド塩基)を順次同定する番号によって示される。最適なアラインメントを決定する際に考慮しなければならない欠失、挿入、トランケーション、融合などのため、一般に、単純にN末端からカウントすることよって決定される試験配列のアミノ酸残基数は、必ずしも参照配列の対応する位置の数と同じではない。例えば、変異体が整列した参照配列と比べて欠失を有する場合、欠失部位には参照配列の位置に対応する変異体のアミノ酸は存在しないであろう。整列した参照配列に挿入がある場合、その挿入は参照配列の付番のアミノ酸位置に対応しない。トランケーションまたは融合の場合、参照配列または整列配列のいずれかに、対応する配列のいずれのアミノ酸にも対応しないアミノ酸の区間が存在し得る。
【0033】
所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列の付番の文脈で使用される場合、「参照して付番される」または「対応する」という用語は、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列が参照配列と比較された場合の特定の参照配列の残基の付番を指す。
【0034】
「アミノ酸側鎖」という用語は、アミノ酸に含まれる官能置換基を指す。例えば、アミノ酸側鎖は、天然に存在するアミノ酸の側鎖であり得る。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによってコードされるアミノ酸(例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリン)、および後で修飾されるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、およびO-ホスホセリンである。諸態様では、アミノ酸側鎖は、非天然アミノ酸側鎖であり得る。諸態様では、アミノ酸側鎖は、H、
【化1】
である。
【0035】
「非天然アミノ酸側鎖」という用語は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造、つまり、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合しているα炭素を有する化合物の官能置換基を指し、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム、アリルアラニン、2-アミノイソ酪酸である。非天然アミノ酸は、天然に存在するか、化学的に合成される非タンパク質原性アミノ酸である。このような類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を保持している。非限定的な例には、エキソ-シス-3-アミノビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-カルボン酸塩酸塩、シス-2-アミノシクロヘプタンカルボン酸塩酸塩、シス-6-アミノ-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸塩酸塩、シス-2-アミノ-2-メチルシクロヘキサンカルボン酸塩酸塩、シス-2-アミノ-2-メチルシクロペンタンカルボン酸塩酸塩、2-(Boc-アミノメチル)安息香酸、2-(Boc-アミノ)オクタン二酸、Boc-4,5-デヒドロ-Leu-OH(ジシクロヘキシルアンモニウム)、Boc-4-(Fmoc-アミノ)-L-フェニルアラニン、Boc-β-ホモピル-OH、Boc-(2-インダニル)-Gly-OH、4-Boc-3-モルホリン酢酸、4-Boc-3-モルホリン酢酸、Boc-ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、Boc-ペンタフルオロ-L-フェニルアラニン、Boc-Phe(2-Br)-OH、Boc-Phe(4-Br)-OH、Boc-D-Phe(4-Br)-OH、Boc-D-Phe(3-Cl)-OH、Boc-Phe(4-NH2)-OH、Boc-Phe(3-NO2)-OH、Boc-Phe(3,5-F2)-OH、2-(4-Boc-ピペラジノ)-2-(3,4-ジメトキシフェニル)酢酸(純粋(purum))、2-(4-Boc-ピペラジノ)-2-(2-フルオロフェニル)酢酸(純粋)、2-(4-Boc-ピペラジノ)-2-(3-フルオロフェニル)酢酸(純粋)、2-(4-Boc-ピペラジノ)-2-(4-フルオロフェニル)酢酸(純粋)、2-(4-Boc-ピペラジノ)-2-(4-メトキシフェニル)-酢酸(純粋)、2-(4-Boc-ピペラジノ)-2-フェニル酢酸(純粋)、2-(4-Boc-ピペラジノ)-2-(3-ピリジル)酢酸(純粋)、2-(4-Boc-ピペラジノ)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-酢酸(純粋)、Boc-β-(2-キノリル)-Ala-OH、N-Boc-1,2,3,6-テトラヒドロ-2-ピリジンカルボン酸、Boc-β-(4-チアゾリル)-Ala-OH、Boc-β-(2-チエニル)-D-Ala-OH、Fmoc-N-(4-Boc-アミノブチル)-Gly-OH、Fmoc-N-(2-Boc-アミノエチル)-Gly-OH、Fmoc-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-Gly-OH、Fmoc-(2-インダニル)-Gly-OH、Fmoc-ペンタフルオロ-L-フェニルアラニン、Fmoc-Pen(Trt)-OH、Fmoc-Phe(2-Br)-OH、Fmoc-Phe(4-Br)-OH、Fmoc-Phe(3,5-F2)-OH、Fmoc-β-(4-チアゾリル)-Ala-OH、Fmoc-β-(2-チエニル)-Ala-OH、および4-(ヒドロキシメチル)-D-フェニルアラニンが含まれる。
【0036】
「核酸」とは、一本鎖、二本鎖、もしくは多重鎖のいずれかの形態のヌクレオチド(例えば、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド)およびそれらのポリマー、またはそれらの相補体を指す。「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「オリゴ」などの用語は、通常および慣習的な意味で、ヌクレオチドの線状配列を指す。「ヌクレオチド」という用語は、通常のおよび慣習的な意味で、単一のポリヌクレオチド単位、すなわちモノマーを指す。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはそれらの修飾型であり得る。本明細書で企図されるポリヌクレオチドの例には、一本鎖および二本鎖のDNA、一本鎖および二本鎖のRNA、ならびに一本鎖および二本鎖のDNAとRNAの混合物を有するハイブリッド分子が含まれる。本明細書で企図される核酸、例えばポリヌクレオチドの例には、あらゆる種類のRNA、例えば、mRNA、siRNA、miRNA、およびガイドRNA、ならびにあらゆる種類のDNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、およびミニサークルDNA、ならびにそれらの任意の断片が含まれる。ポリヌクレオチドの文脈における「二本鎖」という用語は、通常のおよび慣習的な意味で、二本鎖性を指す。核酸は、直鎖または分岐鎖であり得る。例えば、核酸は、ヌクレオチドの直鎖であり得るか、または核酸は、例えば、核酸がヌクレオチドの1つ以上のアームまたは分岐を含むように分岐し得る。任意に、分岐核酸は、繰り返し分岐して、デンドリマーなどの高次構造を形成する。
【0037】
例えばホスホチオエート骨格を有する核酸を含む核酸は、1つ以上の反応性部分を含み得る。本明細書で使用される場合、反応性部分という用語は、共有結合、非共有結合、または他の相互作用を介して別の分子、例えば、核酸またはポリペプチドと反応することができる任意の基を含む。例として、核酸は、共有結合、非共有結合、または他の相互作用を介してタンパク質またはポリペプチド上のアミノ酸と反応するアミノ酸反応性部分を含み得る。
【0038】
この用語はまた、既知のヌクレオチド類似体または修飾された骨格残基もしくは結合を含む核酸も包含し、これらは、合成、天然に存在する、および天然に存在せず、参照核酸と同様の結合特性を有し、参照ヌクレオチドと同様に代謝される。このような類似体の例としては、例えば、ホスホルアミデート、ホスホロジアミデート、ホスホロチオエート(ホスフェートの酸素を二重結合硫黄で置換するホスホチオエートとしても知られる)、ホスホロジチオエート、ホスホノカルボン酸、ホスホノカルボキシレート、ホスホノ酢酸、ホスホノギ酸、メチルホスホネート、ホスホン酸ホウ素、またはO-メチルホスホロアミダイト結合を含むホスホジエステル誘導体(Eckstein,OLIGONUCLEOTIDES AND ANALOGUES:A PRACTICAL APPROACH,Oxford University Pressを参照)、ならびに5-メチルシチジンまたはプソイドウリジンの場合などのヌクレオチド塩基に対する修飾、ならびにペプチド核酸の骨格および結合が挙げられるが、これらに限定されない。他の類似体核酸としては、米国特許第5,235,033号および同第5,034,506号、ならびに第6章および第7章、ASC Symposium Series 580、CARBOHYDRATE MODIFICATIONS IN ANTISENSE RESEARCH,Sanghui&Cook,eds.に記載されているものを含む、陽性骨格、非イオン性骨格、修飾糖、および非リボース骨格(例えば、当該技術分野で既知のホスホロジアミデートモルホリノオリゴまたは架橋型核酸(LNA))を有するものが挙げられる。1つ以上の炭素環式糖を含む核酸も、核酸の1つの定義内に含まれる。リボース-ホスフェート骨格の修飾は、例えば、生理学的環境におけるこのような分子の安定性および半減期を増加させるために、またはバイオチップ上のプローブとして、様々な理由で行うことができる。天然に存在する核酸と類似体の混合物が作製され得るか、あるいは、異なる核酸類似体の混合物、および天然に存在する核酸と類似体の混合物が作製され得る。諸態様では、DNAのヌクレオチド間結合は、ホスホジエステル、ホスホジエステル誘導体、または両方の組み合わせである。
【0039】
核酸は、非特異的配列を含み得る。本明細書中で使用される場合、「非特異的配列」という用語は、任意の他の核酸配列に相補的であるか、または部分的にのみ相補的であるように設計されていない一連の残基を含む核酸配列を指す。例として、非特異的核酸配列は、細胞または生物と接触した場合に阻害性核酸として機能しない核酸残基の配列である。
【0040】
本明細書で使用される「相補体」という用語は、相補的なヌクレオチドまたはヌクレオチドの配列と塩基対合することができるヌクレオチド(例えば、RNAまたはDNA)またはヌクレオチドの配列を指す。本明細書に記載され、当該技術分野において一般的に知られているように、アデノシンの相補的(マッチング)ヌクレオチドは、チミジンであり、グアニジンの相補的(マッチング)ヌクレオチドは、シトシンである。したがって、相補体は、第2の核酸配列の対応する相補的ヌクレオチドと塩基対合するヌクレオチドの配列を含み得る。相補体のヌクレオチドは、第2の核酸配列のヌクレオチドと部分的にまたは完全に一致し得る。相補体のヌクレオチドが第2の核酸配列の各ヌクレオチドと完全に一致する場合、その相補体は、第2の核酸配列の各ヌクレオチドと塩基対を形成する。相補体のヌクレオチドが第2の核酸配列のヌクレオチドと部分的に一致する場合、相補体のヌクレオチドの一部のみが第2の核酸配列のヌクレオチドと塩基対を形成する。相補配列の例には、コード配列および非コード配列が含まれ、非コード配列は、コード配列に対する相補的ヌクレオチドを含み、したがって、コード配列の相補体を形成する。相補配列のさらなる例は、センス配列およびアンチセンス配列であり、センス配列は、アンチセンス配列に対する相補的ヌクレオチドを含み、したがってアンチセンス配列の相補体を形成する。
【0041】
本明細書に記載されるように、配列の相補性が部分的である場合、一部の核酸のみが塩基対合に従って一致し、または完全な場合、全ての核酸が塩基対合に従って一致する。したがって、互いに相補的な2つの配列は、特定のパーセンテージの同一ヌクレオチド(すなわち、特定領域にわたって約60%の同一性、好ましくは65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性)を有し得る。
【0042】
「配列同一性のパーセンテージ」は、比較ウィンドウにわたって2つの最適に整列した配列を比較することによって決定され、比較ウィンドウにおけるポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適整列用の参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して付加または欠失(すなわちギャップ)を含み得る。パーセンテージは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両配列に存在する位置数を決定し、一致する位置数を出し、その一致する位置数を比較ウィンドウにおける位置の総数で割り、その結果に100を掛けて配列同一性のパーセンテージを得ることによって算出される。
【0043】
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における「同一の」または「同一性」の割合という用語は、下記のデフォルトパラメータを用いたBLASTまたはBLAST2.0配列比較アルゴリズムを使用するか、マニュアル整列および目視検査によって測定されるように、同一であるか、または同一である特定のパーセンテージ(すなわち、比較ウィンドウまたは指定領域にわたって最大一致するように比較および整列を行った場合に、特定領域にわたって約60%の同一性、好ましくは65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%以上の同一性)のアミノ酸残基またはヌクレオチドを有する、2つ以上の配列または部分配列を指す(例えば、NCBIウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/などを参照)。次いで、このような配列は、「実質的に同一」であると言われる。この定義はまた、試験配列の相補体を指すか、またはこれに適用することができる。定義は、欠失および/または付加を有する配列、ならびに置換を有する配列も含む。以下に説明するように、好ましいアルゴリズムは、ギャップなどを計算することができる。好ましくは、同一性は、少なくとも約25のアミノ酸長またはヌクレオチド長の領域にわたり、またより好ましくは50~100のアミノ酸長またはヌクレオチド長の領域にわたって存在する。
【0044】
「抗体」という用語は、抗原に特異的に結合し認識する、免疫グロブリン遺伝子またはその機能的断片によってコードされるポリペプチドを指す。認識される免疫グロブリン遺伝子には、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、およびミュー定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖は、カッパまたはラムダとして分類される。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンとして分類され、これらは順に免疫グロブリンクラスのIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEをそれぞれ定義する。
【0045】
抗体に「特異的に(または選択的に)結合する」または「特異的に(または選択的に)免疫反応する」という語句は、タンパク質またはペプチドを指す場合、多くはタンパク質および他の生物製剤の不均一な集団において、タンパク質の存在を決定する結合反応を指す。したがって、指定されたイムノアッセイ条件下で、特定の抗体は、バックグラウンドの少なくとも2倍、より一般的にはバックグラウンドの10~100倍超で特定のタンパク質に結合する。このような条件下での抗体への特異的結合には、特定のタンパク質に対する特異性のために選択された抗体が必要である。例えば、ポリクローナル抗体は、選択された抗原と特異的に免疫反応性があり、他のタンパク質とは免疫反応性がない抗体サブセットのみを得るように選択され得る。この選択は、他の分子と交差反応する抗体を差し引くことによって達成することができる。特定のタンパク質と特異的に免疫反応性のある抗体を選択するために、様々なイムノアッセイフォーマットを使用することができる。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、タンパク質と特異的に免疫反応する抗体を選択するために日常的に使用される(例えば、Harlow&Lane,Using Antibodies,A Laboratory Manual(1998)for a description of immunoassay formats and conditions that can be used to determine specific immunoreactivityを参照)。
【0046】
例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、テトラマーを含む。各テトラマーは、同一な2対のポリペプチド鎖からなり、各対は、1本の「軽」鎖(約25kDa)および1本の「重」鎖(約50~70kDa)を有する。各鎖のN末端は、主として、抗原認識を担う約100~110以上のアミノ酸の可変領域を規定している。「可変重鎖」、「V」、または「VH」という用語は、Fv、scFv、dsFv、またはFabを含む免疫グロブリン重鎖の可変領域を指す一方、「可変軽鎖」、「V」、または「VL」という用語は、Fv、scFv、dsFv、またはFabを含む免疫グロブリン軽鎖の可変領域を指す。
【0047】
抗体機能性断片の例としては、完全抗体分子、Fvなどの抗体断片、一本鎖Fv(scFv)、相補性決定領域(CDR)、VL(軽鎖可変領域)、VH(重鎖可変領域)、Fab、F(ab)2’、およびこれらの任意の組み合わせまたは標的抗原に結合することができる免疫グロブリンペプチドの任意の他の機能的部分(例えば、FUNDAMENTAL IMMUNOLOGY (Paul ed.,4th ed.2001)を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。当業者には理解されるように、様々な抗体断片は、様々な方法、例えば、ペプシンなどの酵素による無傷抗体の消化、またはデノボ合成によって得ることができる。抗体断片は、化学的にまたは組換えDNA方法を使用することによってデノボ合成されることが多い。したがって、本明細書で使用される抗体という用語は、全抗体の修飾によって産生される抗体断片、または組換えDNA方法を用いてデノボ合成される抗体断片(例えば一本鎖Fv)またはファージディスプレイライブラリを用いて同定される抗体断片を含む(例えば、McCafferty et al.,(1990)Nature 348:552を参照)。「抗体」という用語には、二価または二重特異性分子、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディも含まれる。二価および二重特異性分子は、例えば、Kostelny et al.(1992)J.Immunol.148:1547、Pack and Pluckthun (1992)Biochemistry 31:1579、Hollinger et al.(1993),PNASUSA 90:6444、Gruber et al.(1994)J Immunol.152:5368、Zhu et al.(1997)Protein Sci.6:781、Hu et al.(1996)Cancer Res.56:3055、Adams et al.(1993)Cancer Res.53:4026、およびMcCartney,et al.(1995)Protein Eng.8:301に記載されている。
【0048】
キメラ抗体は、マウス(または他のげっ歯類)抗体の可変領域がヒト抗体の定常領域と組み合わされている抗体であり、これらの遺伝子操作による構築はよく知られている。このような抗体は、マウス抗体の結合特異性を保持しながら、ヒトの約3分の2である。マウス、キメラおよびヒト化抗体に存在する非ヒト配列の割合は、キメラ抗体の免疫原性がマウスとヒト化抗体の中間であることを示唆している。マウス抗体と比較して免疫原性が低減している可能性のある他のタイプの遺伝子操作抗体には、ファージディスプレイ法を使用して(Dower et al.,WO91/17271、McCafferty et al.,WO92/001047、Winter,WO92/20791、およびWinter,FEBS Lett.23:92,1998、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる)またはトランスジェニック動物を使用して(Lonberg et al.,WO93/12227、Kucherlapati WO91/10741、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる)作製されたヒト抗体が含まれる。
【0049】
ヒト化抗体を設計するための他のアプローチも、上記の米国特許第5,530,101号および第5,585,089号の方法、例えば、「超ヒト化(superhumanization)」(Tan et al.J.Immunol.169:1119、2002、および米国特許第6,881,557号を参照)またはStudnicak et al.,Protein Eng.7:805,1994の方法と同じ結果を達成するために使用され得る。さらに、遺伝子操作された免疫原性の低減したmAbを産生するための他のアプローチには、例えば、Vaswami et al.,Annals of Allergy,Asthma and Immunology 81:105,1998、Roguska et al.Protein Eng.9:895,1996、ならびに米国特許第6,072,035号および第5,639,641号に記載されるように、「再形成」、「ハイパーキメラ化」およびベニアリング/リサーフェシングが含まれる。
【0050】
ヒト化抗体は、マウス抗体(「ドナー抗体」、これはラット、ハムスター、または他の非ヒト種でもあり得る)からの少なくとも1つのCDR(またはその機能的断片)がヒト抗体(「アクセプター抗体」)にグラフティングされる遺伝子操作された抗体である。ヒト抗体は、ヒトで免疫応答を誘発しない、ヒトで有意な免疫応答を誘発しない、またはマウスで誘発される免疫応答よりも少ない免疫応答を誘発する非天然(例えば、天然に存在しない、またはヒトによって天然で産生されない)抗体である。諸態様では、2つ以上のマウスCDRがグラフティングされる(例えば、全6つのマウスCDRがグラフティングされる)。アクセプター抗体の配列は、例えば、成熟ヒト抗体配列(またはその断片)、ヒト抗体配列のコンセンサス配列(またはその断片)、または生殖系列領域配列(またはその断片)であり得る。したがって、ヒト化抗体は、ドナー抗体からの1つ以上のCDRおよび可変領域フレームワーク(FR)を有する抗体であり得る。FRは、ヒト抗体内の定常領域および/または可変領域の一部を形成し得る。さらに、高い結合親和性を保持するために、ヒトアクセプター配列のアミノ酸を、ドナー配列からの対応するアミノ酸で置き換えることができ、例えば、(1)アミノ酸はCDR内にある、(2)アミノ酸はヒトフレームワーク領域にある(例えば、アミノ酸はCDRの1つに直接隣接している)。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,530,101号および第5,585,089号を参照のこと。当該号は、ヒト化抗体の構築に関する詳細な説明を提供する。ヒト化抗体は、マウス抗体からの全6つのCDR(例えば、Kabatにより定義された通りであるが、Chothiaにより定義された超可変ループH1も含むことが多い)を組み込むことが多いが、より少ないマウスCDRおよび/または完全なマウスCDR配列よりも少ないもので作製することもできる(例えば、CDRの機能的断片)(例えば、Pascalis et al.,J.Immunol.169:3076,2002、Vajdos et al.,Journal of Molecular Biology,320:415-428,2002、Iwahashi et al.,Mol.Immunol.36:1079-1091,1999、Tamura et al,Journal of Immunology,164:1432-1441,2000)。
【0051】
典型的には、本明細書で提供されるヒト化抗体は、(i)マウス抗体(本明細書ではマウスCDRとも呼ばれる)からの少なくとも1つのCDR(多くの場合、3つのCDR)およびヒト可変領域フレームワークを含む軽鎖、ならびに(ii)マウス抗体からの少なくとも1つのCDR(多くの場合、3つのCDR)およびヒト可変領域フレームワーク(FR)を含む重鎖を含み得る。軽鎖および重鎖の可変領域フレームワーク(FR)はそれぞれ、成熟ヒト抗体の可変領域フレームワーク配列(またはその断片)、生殖系列の可変領域フレームワーク配列(J領域配列と組み合わせて)(またはその断片)、またはヒト抗体の可変領域フレームワーク配列(またはその断片)のコンセンサス配列であり得る。諸態様では、ヒト化抗体は、軽鎖ヒト定常領域および重鎖定常領域とともに、(i)に記載の軽鎖、(ii)に記載の重鎖を含む。
【0052】
本明細書で言及される「CD73タンパク質」または「CD73抗原」は、5’-ヌクレオチダーゼ(5’-NT)またはエクト-5’ヌクレオチダーゼとしても知られる分化抗原群73(CD73)の任意の組換え型または天然型、またはCD73ヌクレオチダーゼ活性(例えば、CD73と比較して少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%以内の活性)を維持するそれらの変異体もしくは相同体を含む。いくつかの諸態様では、変異体または相同体は、天然に存在するCD73タンパク質と比較して配列全体または配列の一部(例えば、50、100、150、または200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有する。諸態様では、CD73タンパク質は、UniProt参照番号21589によって同定されるタンパク質、またはそれに対して実質的な同一性を有する変異体もしくは相同体と実質的に同一である。諸態様では、CD73タンパク質は、UniProt参照番号Q61503によって同定されるタンパク質、またはそれに対して実質的な同一性を有する変異体もしくは相同体と実質的に同一である。
【0053】
本明細書で提供される「MEDI9447」は、Hay CMら(“Targeting CD73 in the tumor microenvironment with MEDI9447.” Oncoimmunology.2016 Jul 11;5(8))によって記載された抗CD73抗体を指し、この文献は全体としてあらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【0054】
本明細書で提供される「AD2」は、Borrione Pら(“CD38 stimulation lowers the activation threshold and enhances the alloreactivity of cord blood T cells by activating the phosphatidylinositol 3-kinase pathway and inducing CD73 expression.” J Immunol 162:6238-46 (1999)によって記載された抗CD73抗体を指し、この文献は全体としてあらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【0055】
本明細書で使用される「細胞」とは、そのゲノムDNAを保存または複製するのに十分な代謝機能または他の機能を実行する細胞を指す。細胞は、例えば、無傷膜の存在、特定の染料による染色、子孫(progeny)を産む能力、または配偶子の場合、第2の配偶子と組み合わせて、生存能力のある子孫(offspring)を産む能力を含む、当技術分野において周知の方法によって同定することができる。細胞には、原核細胞および真核細胞が含まれ得る。原核細胞には、細菌が含まれるが、これに限定されない。真核細胞には、酵母細胞ならびに植物および動物に由来する細胞、例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞(例えば、Spodoptera)、およびヒト細胞が含まれるが、これらに限定されない。細胞は、天然で非接着性であるか、または、例えばトリプシン処理によって、表面に接着しないように処理されている場合に有用であり得る。
【0056】
「リンパ系細胞」は、その平易な通常の意味に従って使用され、免疫に関与する白血球サブセットを指し、T細胞、B細胞、およびナチュラルキラー細胞を含む。T細胞およびB細胞は、抗原を認識すると適応免疫応答の細胞成分を形成する。ナチュラルキラー細胞は自然免疫系の一部であり、例えばMHCクラスIなどの細胞表面受容体の変化を認識することにより、がん細胞およびウイルスに感染した細胞から宿主を防御する。
【0057】
「樹状細胞」は、その平易な通常の意味に従って使用され、免疫系の抗原提示細胞を指す。樹状細胞は、T細胞による認識のために、抗原を処理して表面に提示する。
【0058】
「形質細胞様樹状細胞」(pDC)は、自然免疫系と適応免疫系とを結びつけ、抗ウイルス機構に関与し得る免疫細胞の一種を指す。例えば、pDCは、ウイルス感染に応答して大量の1型インターフェロン(IFN)を分泌する。前駆体として骨髄を離れる従来の樹状細胞とは対照的に、pDCは発生の完了時に骨髄を離れ、リンパ器官および末梢血に行く。
【0059】
「対照」または「対照実験」は、その平易な通常の意味に従って使用され、実験の手順、試薬、または変動を省略する以外は、並行実験などの場合、実験の対象または試薬が処理される実験を指す。場合によっては、対照は、実験効果を評価する際の比較基準として使用される。諸態様では、対照は、本明細書(実施形態および実施例を含む)に記載する化合物の不在下でのタンパク質活性の測定値である。
【0060】
「接触させる」とは、その平易な通常の意味に従って使用され、少なくとも2つの異なる種(例えば、生体分子または細胞を含む化合物)が反応し、相互作用し、または物理的に接触するのに十分近接することを可能にするプロセスを指す。しかしながら、得られる反応生成物が、添加試薬間の反応から直接、または反応混合物中に生成され得る添加試薬のうちの1つ以上に由来する中間体から生成され得ることを理解されたい。
【0061】
「接触させる」という用語は、2つの種が反応し、相互作用し、または物理的に接触することを可能にすることを含み、2つの種は、本明細書に記載の化合物およびタンパク質または酵素であり得る。諸態様では、接触させることは、本明細書に記載の化合物が、シグナル伝達経路に関与するタンパク質または酵素と相互作用することを可能にすることを含む。
【0062】
本明細書で定義されるように、細胞(例えば、B細胞)-リガンド相互作用に関して「活性化」、「活性化する」、「活性化すること」、「活性化因子」などの用語は、リガンドの不在下における細胞の活性または機能と比較して細胞の活性または機能に良い影響を及ぼす(例えば、増大させる)ことを意味する。諸態様では、活性化は、活性化因子の不在下における細胞の増殖速度または生体活性と比較して細胞の増殖速度または生体活性に良い影響を及ぼす(例えば、増大させる)ことを意味する。これらの用語は、活性化、すなわち、細胞のシグナル伝達または酵素活性または遺伝子発現を活性化すること、感作させること、または上方調節することを指し得る。したがって、活性化は、活性化因子の不在下と比較して刺激を部分的にもしくは完全に増大させること、活性化を増大もしくは可能にすること、またはシグナル伝達もしくは酵素活性もしくは遺伝子発現を活性化すること、感作させること、もしくは上方調節することを少なくとも部分的に含み得る。活性化は、刺激を部分的にもしくは完全に増大させること、活性化を増大もしくは可能にすること、またはシグナル伝達もしくは酵素活性もしくは遺伝子発現を活性化すること、感作させること、もしくは上方調節することを少なくとも部分的に含み得る。
【0063】
「アゴニスト」、「活性化因子」、「上方調節因子」などの用語は、所与の細胞の活性または増殖を検出できる程に増大させることができる物質を指す。アゴニストは、アゴニストの不在下での対照と比較して活性または増殖を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%以上増大させることができる。諸態様では、増殖または活性は、アゴニストの不在下での増殖または活性よりも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍以上高い。
【0064】
「発現」という用語は、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、および分泌を含むが、これらに限定されない、ポリペプチド産生に関与する任意の段階を含む。発現は、タンパク質を検出するための従来の技法(例えば、ELISA、ウエスタンブロッティング、フローサイトメトリー、免疫蛍光、免疫組織化学など)を使用して検出され得る。
【0065】
「調節因子」という用語は、調節因子の不在下と比較して標的分子のレベルまたは標的分子の機能または分子の標的の物理的状態を増減させる因子を指す。諸態様では、調節因子は、調節因子の不在下と比較して細胞(例えば、B細胞)の増殖速度または細胞の機能または細胞の物理的状態を増減させる。
【0066】
「調節する」という用語は、その平易な通常の意味に従って使用され、1つ以上の特性を変化または変動させる作用を指す。「調節」とは、1つ以上の特性を変化または変動させるプロセスを指す。例えば、標的タンパク質に及ぼす調節因子の効果に適用されるように、調節するとは、標的分子の特性もしくは機能または標的分子の量を増減させることによって変化させることを意味する。
【0067】
疾患(例えば、タンパク質関連疾患、がん(例えば、がん、炎症性疾患、自己免疫性疾患、または感染性疾患))に関連する物質または物質の活性もしくは機能の文脈において、「関連した」または「に関連する」という用語は、その疾患(例えば、がん、炎症性疾患、自己免疫性疾患、または感染性疾患)が(全体的にまたは部分的に)引き起こされるか、または疾患の症状が(全体的にまたは部分的に)物質または物質の活性もしくは機能によって引き起こされることを意味する。本明細書で使用されるように、疾患に関連すると記載されるものは、原因物質である場合、疾患治療の標的であり得る。
【0068】
本明細書で使用される「異常な」という用語は、正常とは異なることを指す。酵素活性またはタンパク質機能を説明するために使用される場合、異常なとは、正常な対照または正常な非疾患対照試料の平均よりも高いまたは低い活性または機能を指す。異常活性とは、疾患をもたらす活性の量を指してもよく、(例えば、化合物を投与するか、または本明細書に記載の方法を使用することによって)異常な活性を正常な量または非疾患関連量に戻すことにより、疾患または1つ以上の病徴の低減がもたらされる。
【0069】
本明細書で使用される「シグナル伝達経路」という用語は、1つの成分の変化を1つ以上の他の成分に伝達し、次に、当該成分が追加の成分に変化を伝達し、これが他のシグナル伝達経路成分に任意に伝播される、細胞成分および任意の細胞外成分(例えば、タンパク質、核酸、小分子、イオン、脂質)間の一連の相互作用を指す。
【0070】
「疾患」または「状態」という用語は、本明細書で提供される化合物または方法で治療することができる患者または対象の存在状態または健康状態を指す。疾患は、がんであり得る。疾患は、自己免疫性疾患であり得る。疾患は、炎症性疾患であり得る。疾患は、感染性疾患であり得る。いくつかのさらなる例では、「がん」とは、ヒトのがんおよびがん腫、肉腫、腺がん、リンパ腫、白血病などを指し、固形およびリンパ系のがん、腎がん、乳がん、肺がん、膀胱がん、結腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膵がん、胃がん、脳がん、頭頸部がん、皮膚がん、子宮がん、精巣がん、神経膠腫、食道がん、および肝がんを含み、肝細胞がん、リンパ腫を含み、B急性リンパ芽球性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(例えば、バーキット、小細胞、および大細胞リンパ腫)、ホジキンリンパ腫、白血病(AML、ALL、およびCMLを含む)、または多発性骨髄腫を含む。
【0071】
本明細書で使用される場合、「炎症性疾患」という用語は、異常な炎症(例えば、疾患を患っていない健常者などの対照と比較して炎症レベルが増加する)を特徴とする疾患または状態を指す。炎症性疾患の例には、自己免疫性疾患、関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性特発性関節炎、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、重症筋無力症、若年発症糖尿病、1型真性糖尿病、ギラン・バレー症候群、橋本脳症、橋本甲状腺炎、強直性脊椎炎、乾癬、シェーグレン症候群、血管炎、糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、ベーチェット病、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、魚鱗癬、グレーブス眼症、炎症性腸疾患、アジソン病、白斑、喘息、アレルギー性喘息、尋常性ざ瘡、セリアック病、慢性前立腺炎、炎症性腸疾患、骨盤炎症性疾患、再灌流障害、虚血再灌流障害、脳卒中、サルコイドーシス、移植拒絶、間質性膀胱炎、アテローム性動脈硬化症、強皮症、およびアトピー性皮膚炎が含まれる。
【0072】
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、哺乳動物(例えば、ヒト)に見出される全種類のがん、新生物、または悪性腫瘍を指し、白血病、リンパ腫、がん腫、および肉腫を含む。本明細書で提供される化合物または方法を用いて治療され得る例示的ながんとしては、脳がん、神経膠腫、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、前立腺がん、結腸直腸がん、膵がん、髄芽細胞腫、黒色腫、子宮頸がん、胃がん、卵巣がん、肺がん、頭部がん、ホジキン病、および非ホジキンリンパ腫が挙げられる。本明細書で提供される化合物または方法を用いて治療され得る例示的ながんとしては、甲状腺がん、内分泌系がん、脳がん、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、頭頸部がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、直腸がん、胃がん、および子宮がんが挙げられる。さらなる例としては、甲状腺がん、胆管がん、膵臓腺がん、皮膚の皮膚黒色腫、結腸腺がん、直腸腺がん、胃腺がん、食道がん、頭頸部扁平上皮がん、乳房浸潤がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、非小細胞肺がん、中皮腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形性膠芽細胞腫、卵巣がん、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、悪性膵インスリノーマ(insulanoma)、悪性カルチノイド、膀胱がん、前悪性皮膚病変、精巣がん、甲状腺がん、神経芽細胞腫、食道がん、泌尿生殖器がん、悪性高カルシウム血症、子宮内膜がん、副腎皮質がん、内分泌もしくは外分泌膵臓新生物、甲状腺髄様がん(medullary thyroid cancer)、甲状腺髄様がん(medullary thyroid carcinoma)、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺乳頭がん、肝細胞がん、または前立腺がんが挙げられる。
【0073】
「白血病」という用語は、造血器官の進行性の悪性疾患を広く指し、一般に血液および骨髄での白血球およびそれらの前駆細胞の歪んだ増殖および発達により特徴付けられる。白血病は、一般に、(1)疾患の持続期間および特徴-急性または慢性、(2)関与する細胞の種類、すなわち骨髄(骨髄性)、リンパ(リンパ行性)、または単球性、ならびに(3)血中の異常細胞数の増加または非増加-白血性または非白血性(亜白血性)に基づいて臨床的に分類される。本明細書で提供される化合物または方法を用いて治療され得る例示的な白血病としては、例えば、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞性白血病、非白血性白血病、白血球性白血病(leukocythemic leukemia)、好塩基球性白血病、芽細胞性白血病、ウシ白血病、慢性骨髄球性白血病、皮膚白血病、胎児性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、ヘアリー細胞性白血病、血芽球性白血病(hemoblastic leukemia)、血球芽細胞性白血病(hemocytoblastic leukemia)、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ行性白血病、リンパ様白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞性白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄球性白血病、骨髄顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞白血病、多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、幹細胞性白血病、亜白血性白血病、または未分化細胞白血病が挙げられる。
【0074】
本明細書で使用される場合、「リンパ腫」という用語は、造血組織およびリンパ系組織に影響を及ぼすがんの一群を指す。主にリンパ節、脾臓、胸腺、および骨髄に見られる血液細胞であるリンパ球で発症する。2つの主な種類のリンパ腫は、非ホジキンリンパ腫およびホジキン病である。ホジキン病は、診断された全リンパ腫のおよそ15%に相当する。これは、リード-ステルンベルグ悪性Bリンパ球に関連するがんである。非ホジキンリンパ腫(NHL)は、がんが増殖する速度および関与する細胞の種類に基づいて分類され得る。NHLには侵襲性(高悪性度)および緩徐進行性(低悪性度)の種類がある。関与する細胞の種類に基づいて、B細胞およびT細胞のNHLがある。本明細書で提供される化合物または方法を用いて治療され得る例示的なB細胞リンパ腫としては、小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、節外性(MALT)リンパ腫、節性(単球性B細胞)リンパ腫、脾リンパ腫、びまん性大細胞Bリンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、免疫芽球性大細胞リンパ腫、または前駆体Bリンパ芽球性リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される化合物または方法を用いて治療され得る例示的なT細胞リンパ腫としては、皮膚T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、菌状息肉腫、および前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
「肉腫」という用語は、一般に、胚生結合組織のような物質から構成される腫瘍であって、一般に線維性物質または均質な物質に埋め込まれた密集細胞から構成される腫瘍を指す。本明細書で提供される化合物または方法を用いて治療され得る肉腫としては、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫(melanosarcoma)、粘液肉腫、骨肉腫、アベメシー肉腫、脂肪性肉腫、脂肪肉腫、胞状軟部肉腫、エナメル上皮線維肉腫、ブドウ状肉腫、緑色肉腫、絨毛がん腫、胎児性肉腫、ウィルムス腫瘍性肉腫、子宮内膜肉腫、間質肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞性肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫、B細胞免疫芽球性肉腫、リンパ腫、T細胞免疫芽球性肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、傍骨性肉腫、網赤血球性肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫、滑膜肉腫、または毛細血管拡張性肉腫が挙げられる。
【0076】
「黒色腫」という用語は、皮膚および他の臓器のメラニン細胞系から生じる腫瘍を意味すると解釈される。本明細書で提供される化合物または方法で治療され得る黒色腫としては、例えば、末端黒子型黒色腫、無色素性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディング・パッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、結節性黒色腫、爪下黒色腫、または表在拡大型黒色腫が挙げられる。
【0077】
「がん腫」という用語は、周囲組織に浸潤し、転移を生じる傾向のある上皮細胞から構成される悪性新生物を指す。本明細書で提供される化合物または方法を用いて治療され得る例示的ながん腫としては、例えば、甲状腺髄様がん、家族性甲状腺髄様がん、細葉細胞がん、腺房細胞がん、腺嚢がん、腺様嚢胞がん、腺腫性がん(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質がん、肺胞がん、肺胞細胞がん、基底細胞がん、基底細胞がん(carcinoma basocellulare)、類基底細胞がん、基底扁平細胞がん、細気管支肺胞がん、細気管支がん、気管支原性がん、大脳様がん(cerebriform carcinoma)、胆管細胞がん、絨毛がん、膠様がん、面疱がん、体がん(corpus carcinoma)、篩状がん、鎧状がん、皮膚がん、円筒状がん、円筒細胞がん、腺管がん、硬膜がん(carcinoma durum)、胎児性がん、脳様がん、類表皮がん、上皮アデノイドがん、外方増殖性がん、潰瘍がん、繊維性がん、膠状がん、ゼラチン質がん、巨細胞がん、巨細胞性がん、腺がん、顆粒膜細胞がん、毛母がん、血液様がん、肝細胞がん、ヒュルトレ細胞がん、ガラス質がん、副腎様がん、乳児性胎児性がん、上皮内がん(carcinoma in situ)、表皮内がん、上皮内がん、Krompecherがん(Krompecher’s carcinoma)、Kulchitzky細胞がん、大細胞がん、レンズ状がん、レンズ性がん、脂肪腫性がん、リンパ上皮がん、髄様がん(carcinoma medullare)、髄様がん(medullary carcinoma)、黒色がん、軟性がん(carcinoma molle)、粘液性がん、粘液分泌性がん(carcinoma muciparum)、粘液細胞性がん、粘表皮がん、粘膜性がん(carcinoma mucosum)、粘液がん、粘液腫様がん、上咽頭がん、燕麦細胞がん、骨化性がん、骨様がん、乳頭状がん、門脈周辺がん、前浸潤がん、有棘細胞がん、髄質様がん、腎臓の腎細胞がん、貯蔵細胞がん、肉腫様がん、シュナイダーがん、硬性がん、陰嚢がん、印環細胞がん、単純がん、小細胞がん、ソラノイドがん(solanoid carcinoma)、球状細胞がん、紡錘細胞がん、海綿様がん、扁平上皮がん、扁平上皮細胞がん、ストリングがん(string carcinoma)、血管拡張性がん、毛細血管拡張様がん、移行上皮がん、結節性がん(carcinoma tuberosum)、結節状がん、疣状がん、および絨毛がんが挙げられる。
【0078】
本明細書で使用する場合、「転移」、「転移性」、および「転移性がん」という用語は、互換的に使用することができ、ある器官もしくは別の非隣接器官または身体の一部からの、増殖性疾患または障害、例えば、がんの広がりを指す。「転移性がん」は、「ステージIVのがん」とも呼ばれる。がんは、発生部位、例えば乳房で生じ、この部位は、原発性腫瘍、例えば、原発性乳がんと称される。原発性腫瘍または発生部位における一部のがん細胞は、局所領域での周囲の正常組織に浸透および浸潤する能力、ならびに/またはリンパ系もしくは血管系の壁に浸透し、系を介して身体の他の部位および組織へと循環する能力を獲得する。原発性腫瘍のがん細胞から形成された第2の臨床的に検出可能な腫瘍は、転移性腫瘍または二次性腫瘍と呼ばれる。がん細胞が転移した場合、転移性腫瘍およびその細胞は元の腫瘍のものと同様であると推定される。したがって、肺がんが乳房に転移する場合、乳房の部位の二次性腫瘍は、異常な肺細胞からなり、異常な乳房細胞からなるのではない。乳房の二次性腫瘍は、転移性肺がんと称される。したがって、転移性がんという語句は、対象が、原発性腫瘍を有するかまたは有していた、1つ以上の二次性腫瘍を有する疾患を指す。非転移性がん、または転移性ではないがんを有する対象という語句は、対象が原発性腫瘍を有するが1つ以上の二次性腫瘍を有しない疾患を指す。例えば、転移性肺がんは、原発性肺腫瘍の病歴を有するかまたは病歴を有し、第2の部位または複数の部位に、例えば乳房に、1つ以上の二次性腫瘍を有する対象の疾患を指す。
【0079】
「皮膚の転移」または「皮膚転移」という用語は、皮膚における二次性悪性細胞増殖を指し、悪性細胞は、原発性がん部位(例えば、乳房)に由来する。皮膚の転移では、原発性がん部位からのがん性細胞が皮膚に移動し、そこで分裂して病変を引き起こす可能性がある。皮膚の転移は、乳がん腫瘍から皮膚へのがん細胞の移動に起因する可能性がある。
【0080】
「内臓転移」という用語は、器官(例えば、心臓、肺、肝臓、膵臓、腸)または体腔(例えば、胸膜、腹膜)における二次性悪性細胞増殖を指し、悪性細胞は、原発性がん部位に由来する(例えば、頭頸部、肝臓、乳房)。内臓転移では、原発性がん部位からのがん性細胞が内臓に移動し、そこで分裂して病変を引き起こす可能性がある。内臓転移は、肝臓がん腫瘍または頭頸部腫瘍から内臓へのがん細胞の移動に起因する可能性がある。
【0081】
本明細書で使用される場合、「自己免疫性疾患」という用語は、対象の免疫系が、健常者では通常は免疫応答を誘発しない物質に対して異常な免疫応答をする疾患または状態を指す。本明細書に記載の化合物、医薬組成物、または方法で治療できる自己免疫性疾患の例には、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫血管浮腫、自己免疫再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索型または神経型神経障害、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)、慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)、チャーグ-ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円盤状狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エヴァンス症候群、線維筋痛症、線維性肺胞炎、巨細胞動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)(以前はウェゲナー肉芽腫症と呼ばれていた)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポタンパク質、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(1型糖尿病)、若年性筋炎、川崎症候群、ランバート-イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病(LAD)、狼瘡(SLE)、ライム病、慢性、メニエール病、顕微鏡的多血管炎、混合結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック)、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS(連鎖球菌関連小児自己免疫神経精神障害)、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリ-ロンベルグ症候群、パーソネージ-ターナー症候群、毛様体扁平部炎(末梢ブドウ膜炎)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、I型、II型、III型自己免疫性多腺症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球ろう、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、下肢静止不能症候群、後腹膜線維症、リウマチ性発熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子および精巣自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織疾患(UCTD)、ブドウ膜炎、血管炎、水疱性皮膚症、白斑、またはウェゲナー肉芽腫症(すなわち、多発血管炎性肉芽腫症(GPA))が含まれる。
【0082】
本明細書で使用される場合、「炎症性疾患」という用語は、異常な炎症(例えば、疾患を患っていない健常者などの対照と比較して炎症レベルが増加する)を特徴とする疾患または状態を指す。炎症性疾患の例には、外傷性脳損傷、関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性特発性関節炎、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、重症筋無力症、若年発症糖尿病、真性糖尿病1型、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、強直性脊椎炎、乾癬、シェーグレン症候群、血管炎、糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、ベーチェット病、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、魚鱗癬、グレーブス眼症、炎症性腸疾患、アジソン病、白斑、喘息、喘息、アレルギー性喘息、尋常性ざ瘡、セリアック病、慢性前立腺炎、炎症性腸疾患、骨盤炎症性疾患、再灌流障害、サルコイドーシス、移植拒絶、間質性膀胱炎、アテローム性動脈硬化症、およびアトピー性皮膚炎が含まれる。
【0083】
本明細書で使用される場合、「免疫不全(immune deficiency)」または「免疫不全(immunodeficiency)」は、免疫系が弱いか、損なわれているか、または完全に欠如している状態を指す。免疫不全は、外因性の要因に起因する場合もあれば、内因性の場合もある。免疫不全は、疾患、障害、栄養、または医薬品から生じる可能性がある。免疫不全を引き起こす可能性のある医薬品には、ステロイド、化学療法、および放射線療法が含まれる。免疫不全を引き起こす可能性のある二次疾患には、エイズ、白血病、リンパ腫、ウイルス性肝炎が含まれる。原発性免疫不全障害には、分類不能型免疫不全症およびX連鎖無ガンマグロブリン血症が含まれる場合がある。
【0084】
本明細書で使用される場合、「神経変性疾患」という用語は、対象の神経系の機能が損なわれる疾患または状態を指す。本明細書に記載の化合物、医薬組成物、または方法を用いて治療され得る神経変性疾患の例としては、アレキサンダー病、アルパース病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、毛細血管拡張性運動失調症、バッテン病(シュピールマイアー・フォークト・シェーグレン・バッテン病としても知られる)、牛海綿状脳症(BSE)、カナバン病、慢性疲労症候群、コケイン症候群、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト・ヤコブ病、前頭側頭型認知症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群、ハンチントン病、HIV関連認知症、ケネディ病、クラッベ病、クールー、レヴィー小体型認知症、マシャド・ジョセフ病(脊髄小脳失調症3型)、多発性硬化症、多系統萎縮症、筋痛性脳脊髄炎、ナルコレプシー、神経ボレリア症、パーキンソン病、ペリツェウス・メルツバッハ病、ピック病、原発性側索硬化症、プリオン病、レフサム病、サンドホフ病、シルダー病、悪性貧血に続発する脊髄の亜急性連合変性症、統合失調症、脊髄小脳失調症(様々な特徴を有する複数の種類)、脊髄性筋萎縮症、スティール・リチャードソン・オルスゼフスキー病、進行性核上性麻痺、または脊髄癆が挙げられる。
【0085】
「治療する」または「治療」という用語は、損傷、疾患、病態、または状態の治療または改善における成功の兆候を指し、任意の客観的または主観的なパラメータ、例えば、緩解、寛解、症状を軽減すること、または損傷、病態、もしくは状態を患者にとってより許容できるものにすること、変性もしくは減退の速度を遅延させること;変性の最終点をより衰弱的でないものにすること;患者の身体的もしくは精神的な健康を改善することを含む。症状の治療または改善は、客観的または主観的なパラメータに基づくことができ、それらは、身体検査、神経精神検査、および/または精神病学評価の結果を含む。「治療すること」という用語およびその活用は、損傷、病態、状態、または疾患の予防を含み得る。諸態様では、治療は予防である。諸態様では、治療は予防を含まない。
【0086】
本明細書で使用される(かつ当技術分野で十分に理解されている)「治療すること」または「治療」は、臨床結果を含む、対象の状態における有益な結果または所望の結果を得るための任意のアプローチも広範に含む。有益なまたは所望の臨床結果としては、部分的であるか全体であるかを問わず、かつ検出可能であるか検出不可能であるかを問わず、1つ以上の症状または状態の緩和または改善、疾患の程度の低減、病状の安定化(すなわち、悪化させない)、疾患の感染または拡散の予防、疾患増悪の遅延または減速、病状の改善または軽減、疾患再発の減少、および寛解が挙げられ得るが、これらに限定されない。言い換えれば、本明細書で使用される「治療」とは、疾患の任意の治癒、改善、または予防を含む。治療は、疾患が発症するのを防ぐか、疾患の拡散を阻害するか、疾患の症状(例えば、眼痛、光周辺で光輪を見ること、目の充血、非常に高い眼圧)を軽減するか、疾患の根本原因を完全にもしくは部分的に除去するか、疾病期間を短縮するか、またはこれらの組み合わせを行い得る。
【0087】
本明細書で使用される「治療すること」および「治療」には、予防的治療が含まれる。治療方法は、治療有効量の活性剤を対象に投与することを含む。投与段階は、単回投与からなり得るか、または一連の投与を含み得る。治療期間の長さは、状態の重症度、患者の年齢、活性剤の濃度、治療に使用される組成物の活性、またはそれらの組み合わせなどの様々な要因に依存する。治療または予防のために使用される薬剤の有効投薬量が特定の治療計画または予防計画の間に増減し得ることも理解されよう。投薬量の変更がなされ、これは、当技術分野で既知の標準的な診断アッセイによって明白になり得る。いくつかの例では、慢性投与が必要とされ得る。例えば、組成物は、患者を治療するのに十分な量および期間で対象に投与される。諸態様では、治療することまたは治療は、予防的治療ではない。
【0088】
「予防する」という用語は、患者における疾患症状の発生の減少を指す。上述のように、予防は、治療なしで発症する可能性が高いであろう症状よりも少ない症状が観察されるように、完全(検出可能な症状なし)または部分的であり得る。
【0089】
「患者」または「治療を必要とする対象」とは、本明細書に提供されるような医薬組成物の投与によって治療することができる疾患または状態に罹患しているかまたは罹患しやすい生物を指す。非限定的な例には、ヒト、他の哺乳動物、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、ウシ、シカ、および他の非哺乳動物が含まれる。諸態様では、患者はヒトである。
【0090】
「有効量」とは、化合物の不在下と比較して表明目的を達成する(例えば、化合物が投与される効果を達成する、疾患を治療する、酵素活性を低減する、酵素活性を増大させる、シグナル伝達経路を低減させる、または疾患もしくは状態の1つ以上の症状を低減する)ための化合物に十分な量である。「有効量」の例は、疾患の症状(複数可)の治療、予防、または低減に寄与するのに十分な量であり、「治療有効量」とも称され得る。症状(複数可)(およびこの語句の文法的同等語)の「低減」は、症状(複数可)の重症度もしくは頻度の減少、または症状(複数可)の除去を意味する。薬物の「予防有効量」とは、対象に投与されると、意図された予防効果があるであろう薬物の量、例えば、損傷、疾患、病態、もしくは状態の発症(もしくは再発)を予防もしくは遅延するか、または損傷、疾患、病変、もしくは状態、もしくはこれらの症状の発症(もしくは再発)の可能性を低減させる薬物の量である。完全な予防効果は、必ずしも1回用量の投与によって生じるとは限らず、一連の用量の投与後にのみ生じ得る。したがって、予防有効量は、1回以上の投与で投与され得る。本明細書で使用される「活性を減少させる量」とは、アンタゴニストの不在下と比較して酵素の活性を減少させるのに必要なアンタゴニストの量を指す。本明細書で使用される「機能を妨害する量」とは、アンタゴニストの不在下と比較して酵素またはタンパク質の機能を妨害するのに必要なアンタゴニストの量を指す。正確な量は、治療の目的に依存し、既知の技法を使用して当業者によって確認可能であろう(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992)、Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999)、Pickar,Dosage Calculations(1999)、およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照)。
【0091】
本明細書に記載の任意の化合物(抗体または他の薬剤)については、治療有効量は、細胞培養アッセイから最初に決定され得る。標的濃度は、本明細書に記載の方法または当該技術分野で既知の方法を使用して測定すると、本明細書に記載の方法を達成することが可能である活性化合物(複数可)の濃度であろう。
【0092】
当技術分野で周知であるように、ヒトで使用される治療有効量は、動物モデルからも決定され得る。例えば、ヒトの用量は、動物において有効であることが見出されている濃度を達成するように製剤化され得る。ヒトの投薬量は、上記のように、化合物の有効性を監視し、投薬量を上方または下方に調整することによって調整され得る。上記の方法および他の方法に基づいて、ヒトで最大有効性を達成するように用量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0093】
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、上記のように、障害を改善するのに十分な治療剤の量を指す。例えば、所与のパラメータについて、治療有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、または少なくとも100%の増減を示すであろう。治療有効性は、「~倍」の増減としても表され得る。例えば、治療有効量は、対照よりも少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、または5倍以上の効果を有し得る。
【0094】
投薬量は、患者の必要条件および使用される化合物に応じて異なり得る。本開示に照らして、患者に投与される用量は、有益な治療応答を患者に経時的にもたらすのに十分であるべきである。用量のサイズは、任意の有害な副作用の存在、性質、および程度によっても決定されるであろう。特定の状況で適切な投薬量の決定は、当業者の能力の範囲内である。一般に、治療は、化合物の最適な用量未満であるより少ない投薬量から開始される。その後、投薬量は、環境下で最適な効果に達するまで少しずつ増加する。投薬量および間隔は、治療される特定の臨床的適応に有効な投与化合物のレベルを提供するように個別に調整され得る。これにより、個体の病状の重症度にふさわしい治療計画が提供されるであろう。
【0095】
本明細書で使用される場合、「投与すること」という用語は、対象への、経口投与、坐薬としての投与、局所接触、静脈内、非経口、腹腔内、筋内、病巣内、髄腔内、鼻腔内、もしくは皮下の投与、または徐放デバイス、例えば、小型浸透圧ポンプの埋込みを意味する。投与は、非経口および経粘膜(例えば、口腔、舌下、口蓋、歯肉、経鼻、膣内、直腸内、または経皮)を含む、任意の経路による。非経口投与には、例えば、静脈内、筋内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、および頭蓋内の投与が含まれる。他の送達様式としては、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が挙げられるが、これらに限定されない。諸態様では、投与には、列挙された活性剤以外のいかなる活性剤の投与も含まれない。
【0096】
「同時投与する」とは、本明細書に記載の組成物が、1つ以上のさらなる治療剤の投与と同時に、その直前に、またはその直後に投与されることを意味する。本明細書で提供される化合物は、患者に、単独で投与され得るか、または同時投与され得る。同時投与は、個別にまたは組み合わせて(2つ以上の化合物)化合物の同時投与または順次投与を含むよう意図される。したがって、調製物は、所望の場合、(例えば、代謝分解を低減させるために)他の活性物質とも組み合わせられ得る。本開示の組成物は、局所経路によって経皮送達され得るか、またはアプリケータスティック、溶液、懸濁液、乳剤、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗料、粉末、およびエアロゾルとして製剤化され得る。
【0097】
本明細書で使用されるがんモデル生物は、生物内でがん、またはがんを引き起こす要素の活性を示す表現型を示す生物である。がんという用語は上記で定義されている。多種多様な生物ががんモデル生物として機能する可能性があり、例えば、がん細胞、およびげっ歯類(例えば、マウスまたはラット)および霊長類(ヒトなど)などの哺乳動物生物が含まれる。がん細胞株は、インビボのがんに類似した表現型または遺伝子型を示す細胞として当業者に広く理解されている。本明細書で使用されるがん細胞株には、動物(例えば、マウス)およびヒトに由来する細胞株が含まれる。
【0098】
「感染」または「感染性疾患」という用語は、細菌、ウイルス、真菌または任意の他の病原性微生物剤などの生物によって引き起こされる可能性のある疾患または状態を指す。諸態様では、感染性疾患は病原性細菌によって引き起こされる。病原性細菌は、(例えば、ヒトに)病気を引き起こす細菌である。諸態様では、感染性疾患は、細菌関連疾患(例えば、Mycobacterium tuberculosisによって引き起こされる結核)である。非限定的な細菌関連疾患には、StreptococcusおよびPseudomonasなどの細菌によって引き起こされ得る肺炎、または、Shigella、Campylobacter、およびSalmonellaなどの細菌によって引き起こされ得る食中毒が含まれる。細菌関連疾患には、破傷風、腸チフス、ジフテリア、梅毒、およびハンセン病も含まれる。諸態様では、疾患は、細菌性膣炎(すなわち、健康な膣微生物群を維持するLactobacilli種を締め出す細菌の異常増殖によって引き起こされる膣微生物叢を変化させる細菌)(例えば、酵母感染、またはTrichomonas vaginalis)、細菌性髄膜炎(すなわち、髄膜の細菌性炎症)、細菌性肺炎(すなわち、肺の細菌性感染)、尿路感染、細菌性胃腸炎、または細菌性皮膚感染(膿痂疹、または蜂巣炎)である。諸態様では、感染性疾患は、Campylobacter jejuni、Enterococcus faecalis、Haemophilus influenzae、Helicobacter pylori、Klebsiella pneumoniae、Legionella pneumophila、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitides、Staphylococcus aureus、Streptococcus pneumonia、またはVibrio choleraの感染である。
【0099】
「免疫応答」などの用語は、通常の慣習的な意味で、疾患から防御する生物による応答を指す。応答は、当技術分野でよく知られているように、自然免疫系によってまたは適応免疫系によって開始することができる。
【0100】
「免疫応答を調節する」などの用語は、薬剤、例えば、その実施形態を含む、本明細書に開示される化合物の投与の結果としての対象の免疫応答の変化を指す。したがって、免疫応答は、薬剤、例えば、その実施形態を含む、本明細書に開示される化合物の投与の結果として活性化または不活性化され得る。
【0101】
「B細胞」または「Bリンパ球」は、当技術分野における標準的な使用を指す。B細胞は、白血球細胞(白血球)の一種であるリンパ球であり、形質細胞(「成熟B細胞」)に発達して抗体を産生する。「未成熟B細胞」は、成熟B細胞に発達することができる細胞である。一般に、プロB細胞は免疫グロブリン重鎖再配列を経てプロBプレB細胞になり、さらに免疫グロブリン軽鎖再配列を経て未成熟B細胞になる。未成熟B細胞にはT1およびT2B細胞が含まれる。
【0102】
本明細書で使用される「T細胞」または「Tリンパ球」は、細胞性免疫において中心的な役割を果たすリンパ球の一種(白血球細胞のサブタイプ)である。これらは、細胞表面にT細胞受容体が存在することにより、B細胞およびナチュラルキラー細胞などの他のリンパ球と区別することができる。T細胞には、例えば、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)、制御性T(Treg)細胞、およびTヘルパー細胞が含まれる。T細胞検出剤を使用することにより、様々な種類のT細胞を区別することができる。
【0103】
本明細書で言及される「CD4」という用語は、Tヘルパー細胞、制御性T細胞、単球、マクロファージ、および樹状細胞の表面に発現する糖タンパク質である。CD4はもともとleu-3およびT4として知られていた(OKT4モノクローナル抗体の後)。本明細書で言及されるCD4は、細胞の細胞外表面に露出する4つの免疫グロブリンドメイン(D~D)を有する。参照により組み込まれるENTREZ No.920、UNIPROT No.P01730、およびGENBANK(登録商標)受入番号NP000607を参照。
【0104】
本明細書で言及される「CD8」という用語は、T細胞受容体(TCR)の補助受容体として機能する膜貫通糖タンパク質である。TCRと同様に、CD8は主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合するが、クラスI MHCタンパク質に特異的である。参照により本明細書に組み込まれる、ENTREZ No.925およびUNIPROT No.P01732を参照。
【0105】
本明細書で使用される「CD19タンパク質」または「CD19」という用語は、CD19分子(表面抗原群19)としても知られるBリンパ球抗原CD19、Bリンパ球表面抗原B4、T細胞表面抗原Leu-12およびCVID3の任意の組換え型または天然型、またはCD19活性(例えば、CD19と比較して少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%以内の活性)を維持するそれらの変異体もしくは相同体を含む。いくつかの諸態様では、変異体または相同体は、天然に存在するCD19タンパク質と比較して配列全体または配列の一部(例えば、50、100、150、または200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有する。諸実施形態では、CD19タンパク質は、UniProt参照番号P15391によって同定されるタンパク質、またはそれに対して実質的な同一性を有する変異体もしくは相同体と実質的に同一である。
【0106】
本明細書で言及される「CD73レベル」は、腫瘍が発現するCD73のレベルである。
【0107】
本明細書で言及される「上昇したレベルのCD73」は、対照と比較した場合に、対象の腫瘍によって発現する(例えば、mRNA、タンパク質)上昇したレベルのCD73である。CD73レベルは、対象から得られる腫瘍試料(例えば、切除、生検)または血液試料(例えば、末梢血)などの生体試料から測定され得る。腫瘍は、原発性腫瘍または転移性であり得る。本明細書で提供される腫瘍は、がん細胞および非がん細胞を含む細胞塊である。腫瘍の一部を形成する非がん細胞は、間質細胞および免疫細胞(例えば、T細胞、樹状細胞、B細胞、マクロファージ)であり得る。したがって、上昇したレベルのCD73は、非がん細胞(例えば、間質細胞)またはがん細胞(例えば、悪性T細胞)によって発現され得る。この用語は本明細書でさらに定義される。
【0108】
「抗CD73化合物」とは、CD73に結合することができるか、または他の方法でCD73がアデノシン経路において正常な機能を発揮する能力を阻害することができる、任意の化合物(例えば、小分子、ペプチド、タンパク質、抗体)を指す。諸態様では、抗CD73化合物は、抗CD73抗体である。例示的な抗CD73抗体には、1E9抗体、IgG1抗体、ヒト化1E9抗体、ヒト化IgG1抗体などが含まれる。
【0109】
「生体試料」とは、対象から採取された任意の生体試料を指す。生体試料としては、血液、血漿、血清、腫瘍、組織、細胞などが挙げられる。諸態様では、生体試料は、血液試料である。諸態様では、生体試料は、末梢血試料である。諸態様では、生体試料は、腫瘍試料である。諸態様では、生体試料は、原発性腫瘍試料である。諸態様では、生体試料は、転移性腫瘍試料である。諸態様では、生体試料は、切除された腫瘍試料である。諸態様では、生体試料は、腫瘍生検試料である。諸態様では、生体試料は、原発性腫瘍から切除された腫瘍試料である。諸態様では、生体試料は、転移性腫瘍から切除された腫瘍試料である。諸態様では、生体試料は、原発性腫瘍由来の腫瘍生検試料である。諸態様では、生体試料は、転移性腫瘍由来の腫瘍生検試料である。生体試料は、当技術分野で既知の方法によって対象から採取され、当該技術分野で既知の方法によって分析され得る。
【0110】
本明細書で使用する場合、「がんを治療すること」および「がん腫瘍を治療すること」とは、がん腫瘍のサイズまたは体積の増加を防止することを意味する。諸態様では、がん腫瘍は、固形腫瘍である。諸態様では、がん腫瘍を治療することは、がん腫瘍の体積のサイズを減少させることを含む。諸態様では、がん腫瘍を治療することは、がん腫瘍を完全に排除することを含む。諸態様では、がん腫瘍は、磁気共鳴画像法(MRI)、陽電子放出断層撮影(PET)スキャン、X線コンピュータ断層撮影法(CT)、超音波、または単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)などの画像検査によって検出することができない場合に排除される。諸態様では、がん腫瘍を治療することは、がん腫瘍の転移を低減または防止することをさらに含む。
【0111】
抗CD73抗体
本方法に使用され、実施形態を含む本明細書で提供される本組成物に含まれる抗CD73抗体は、とりわけ、CD73タンパク質に結合し、CD73触媒活性を阻害し、それにより転移を防止することができる。WO2017/100670に記載されている抗CD73抗体(例えば、1E9抗体)のいずれも、本明細書で提供される方法および組成物に使用することができ、この文献は、参照により全体としてあらゆる目的で組み込まれる。以下に記載される下記の実施形態は、その実施形態を含む、本明細書で提供される方法および組成物に適用可能である。
【0112】
本明細書で提供される抗体は、CD73タンパク質に結合し、B細胞を活性化および再分布し、マウスモノクローナル抗体1E9のCDR(CDR L1、CDR L2、CDR L3、CDR H1、CDR H2、およびCDR H3)またはその機能的断片を含むことが可能である(本明細書では1E9抗体とも呼ばれる)(Thomson LF et al.Tissue Antigens 2008,Volume 35,Issue 1:Production and characterization of monoclonal antibodies to the glycosyl phosphatidylinositol-anchored lymphocyte differentiation antigen ecto-5′-nucleotidase(CD73))。この実施形態を含む本明細書に記載の抗体は、本明細書および以下に記載される方法または組成物のいずれかに使用することができる。
【0113】
本明細書で提供される抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、および1E9抗体CDR L3を含むヒト化軽鎖可変領域、ならびに1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含むヒト化重鎖可変領域を含み得る。諸態様では、CDR L1は配列番号1の配列を有し、CDR L2は配列番号2の配列を有し、CDR L3は配列番号3の配列を有し、CDR H1は配列番号4の配列を有し、CDR H2は配列番号5の配列を有し、CDR H3は配列番号6の配列を有する。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、少なくとも1つの結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、少なくとも1つの結合フレームワーク領域残基を含む。エピトープ結合(例えば、CD73結合)に関与する(または重要な)フレームワーク領域残基は、本明細書では結合フレームワーク領域残基と呼ばれる。結合フレームワーク領域残基は、ヒト化軽鎖可変領域(すなわち、FR L1、FR L2、FR L3、FR L4)のフレームワーク領域に存在し得るか、またはヒト化重鎖可変領域(すなわち、FR H1、FR H2、FR H3、FR H4)のフレームワークに存在し得る。ヒト化軽鎖のFR L3領域に存在する結合フレームワーク残基は、本明細書ではFR L3結合フレームワーク領域残基と呼ばれる。したがって、ヒト化重鎖のFR H3領域に存在する結合フレームワーク領域残基は、本明細書では、FR H3結合フレームワーク領域残基と呼ばれる。
【0114】
本明細書で提供される抗CD73抗体は、ヒト化軽鎖可変領域およびヒト化重鎖可変領域を含み得る。ヒト化軽鎖可変領域には、(i)配列番号1に記載のCDR L1、配列番号2に記載のCDR L2、配列番号3に記載のCDR L3、ならびに(ii)Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にアスパラギン酸もしくはロイシン、Kabatの12位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの18位に対応する位置にリジンもしくはプロリン、Kabatの43位に対応する位置にアラニン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの74位に対応する位置にスレオニン、Kabatの76位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの77位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンもしくはロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの100位に対応する位置にグルタミン、Kabatの104位に対応する位置にバリン、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアラニン、Kabatの3位に対応する位置にグルタミン、Kabatの10位に対応する位置にフェニルアラニンもしくはスレオニン、Kabatの11位に対応する位置にグルタミン、Kabatの13位に対応する位置にアラニンもしくはロイシン、Kabatの14位に対応する位置にスレオニン、Kabatの15位に対応する位置にバリンもしくはプロリン、Kabatの16位に対応する位置にリジン、Kabatの17位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、Kabatの22位に対応する位置にスレオニン、Kabatの42位に対応する位置にリジン、Kabatの45位に対応する位置にアルギニン、Kabatの58位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの67位に対応する位置にチロシン、Kabatの73位に対応する位置にフェニルアラニン、Kabatの85位に対応する位置にチロシン、またはKabatの87位に対応する位置にフェニルアラニンが含まれ得る。
【0115】
ヒト化重鎖可変領域には、(i)配列番号4に記載のマウスCDR H1、配列番号5に記載のマウスCDR H2、および配列番号6に記載のマウスCDR H3、ならびに(ii)Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの40位に対応する位置にアラニンもしくはプロリン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシンもしくはスレオニン、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの83位に対応する位置にアルギニンもしくはリジン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、Kabatの89位に対応する位置にバリンもしくはメチオニン、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸もしくはリジン、Kabatの20位に対応する位置にイソロイシンもしくはバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの24位に対応する位置にバリン、Kabatの44位に対応する位置にアルギニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの80位に対応する位置にロイシン、またはKabatの81位に対応する位置にグルタミン酸が含まれ得る。
【0116】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、結合フレームワーク領域残基を含み、その残基は、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にアスパラギン酸もしくはロイシン、Kabatの12位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの18位に対応する位置にリジンもしくはプロリン、Kabatの43位に対応する位置にアラニン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの74位に対応する位置にスレオニン、Kabatの76位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの77位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンもしくはロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの100位に対応する位置にグルタミン、Kabatの104位に対応する位置にバリン、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアラニン、Kabatの3位に対応する位置にグルタミン、Kabatの10位に対応する位置にフェニルアラニンもしくはスレオニン、Kabatの11位に対応する位置にグルタミン、Kabatの13位に対応する位置にアラニンもしくはロイシン、Kabatの14位に対応する位置にスレオニン、Kabatの15位に対応する位置にバリンもしくはプロリン、Kabatの16位に対応する位置にリジン、Kabatの17位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、Kabatの22位に対応する位置にスレオニン、Kabatの42位に対応する位置にリジン、Kabatの45位に対応する位置にアルギニン、Kabatの58位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの67位に対応する位置にチロシン、Kabatの73位に対応する位置にフェニルアラニン、Kabatの85位に対応する位置にチロシン、またはKabatの87位に対応する位置にフェニルアラニンである。
【0117】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの2位に対応する位置にバリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの4位に対応する位置にメチオニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの9位に対応する位置にアスパラギン酸またはロイシンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの12位に対応する位置にプロリンまたはセリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの18位に対応する位置にリジンまたはプロリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの43位に対応する位置にアラニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの60位に対応する位置にプロリンまたはセリンである結合フレームワーク領域残基を含む。
【0118】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの74位に対応する位置にスレオニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの76位に対応する位置にアスパラギンまたはセリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの77位に対応する位置にアスパラギンまたはセリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンまたはロイシンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの80位に対応する位置にセリンまたはアラニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの100位に対応する位置にグルタミンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの104位に対応する位置にバリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸またはアラニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの3位に対応する位置にグルタミンである結合フレームワーク領域残基を含む。
【0119】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの10位に対応する位置にフェニルアラニンまたはスレオニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの11位に対応する位置にグルタミンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの13位に対応する位置にアラニンまたはロイシンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの14位に対応する位置にスレオニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの15位に対応する位置にバリンまたはプロリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの16位に対応する位置にリジンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの17位に対応する位置にグルタミン酸またはアスパラギン酸である結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの22位に対応する位置にスレオニンである結合フレームワーク領域残基を含む。
【0120】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの42位に対応する位置にリジンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの45位に対応する位置にアルギニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの58位に対応する位置にイソロイシンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの67位に対応する位置にチロシンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの73位に対応する位置にフェニルアラニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの85位に対応する位置にチロシンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの87位に対応する位置にフェニルアラニンである結合フレームワーク領域残基を含む。
【0121】
本明細書で提供されるヒト化重鎖可変領域は、結合フレームワーク領域残基を含み、その残基は、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの40位に対応する位置にアラニンもしくはプロリン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシンもしくはスレオニン、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの83位に対応する位置にアルギニンもしくはリジン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、Kabatの89位に対応する位置にバリンもしくはメチオニン、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸もしくはリジン、Kabatの20位に対応する位置にイソロイシンもしくはバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの24位に対応する位置にバリン、Kabatの44位に対応する位置にアルギニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの80位に対応する位置にロイシン、またはKabatの81位に対応する位置にグルタミン酸である。
【0122】
諸実施形態では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの40位に対応する位置にアラニンまたはプロリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの43位に対応する位置にリジンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの70位に対応する位置にセリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシンまたはスレオニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの83位に対応する位置にアルギニンまたはリジンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの84位に対応する位置にアラニンである結合フレームワーク領域残基を含む。
【0123】
諸実施形態では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの85位に対応する位置にセリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの89位に対応する位置にバリンまたはメチオニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの5位に対応する位置にバリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの7位に対応する位置にセリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの11位に対応する位置にバリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸またはリジンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの20位に対応する位置にイソロイシンまたはバリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの38位に対応する位置にアルギニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの66位に対応する位置にアルギニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの67位に対応する位置にバリンである結合フレームワーク領域残基を含む。
【0124】
諸実施形態では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの71位に対応する位置にアラニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの73位に対応する位置にリジンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの87位に対応する位置にスレオニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸である結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの24位に対応する位置にバリンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの44位に対応する位置にアルギニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの48位に対応する位置にメチオニンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの80位に対応する位置にロイシンである結合フレームワーク領域残基を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸である結合フレームワーク領域残基を含む。
【0125】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にロイシン、Kabatの12位に対応する位置にプロリン、またはKabatの18位に対応する位置にプロリンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの40位に対応する位置にプロリン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの83位に対応する位置にリジン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、またはKabatの89位に対応する位置にメチオニンを含む。
【0126】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にロイシン、Kabatの12位に対応する位置にプロリン、およびKabatの18位に対応する位置にプロリンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの40位に対応する位置にプロリン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの83位に対応する位置にリジン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、またはKabatの89位に対応する位置にメチオニンを含む。
【0127】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にロイシン、Kabatの12位に対応する位置にプロリン、またはKabatの18位に対応する位置にプロリンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの40位に対応する位置にプロリン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの83位に対応する位置にリジン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、およびKabatの89位に対応する位置にメチオニンを含む。
【0128】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にロイシン、Kabatの12位に対応する位置にプロリン、およびKabatの18位に対応する位置にプロリンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの40位に対応する位置にプロリン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの83位に対応する位置にリジン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、およびKabatの89位に対応する位置にメチオニンを含む。
【0129】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの12位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの43位に対応する位置にアラニン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの74位に対応する位置にスレオニン、Kabatの76位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの77位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンもしくはロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの100位に対応する位置にグルタミン、またはKabatの104位に対応する位置にバリンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸もしくはリジン、Kabatの20位に対応する位置にイソロイシンもしくはバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニンもしくはプロリン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシンもしくはスレオニン、Kabatの83位に対応する位置にアルギニンもしくはリジン、またはKabatの87位に対応する位置にスレオニンを含む。
【0130】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの12位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの43位に対応する位置にアラニン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの74位に対応する位置にスレオニン、Kabatの76位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの77位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンもしくはロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの100位に対応する位置にグルタミン、およびKabatの104位に対応する位置にバリンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸もしくはリジン、Kabatの20位に対応する位置にイソロイシンもしくはバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニンもしくはプロリン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシンもしくはスレオニン、Kabatの83位に対応する位置にアルギニンもしくはリジン、またはKabatの87位に対応する位置にスレオニンを含む。
【0131】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの12位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの43位に対応する位置にアラニン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの74位に対応する位置にスレオニン、Kabatの76位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの77位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンもしくはロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの100位に対応する位置にグルタミン、またはKabatの104位に対応する位置にバリンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸もしくはリジン、Kabatの20位に対応する位置にイソロイシンもしくはバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニンもしくはプロリン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシンもしくはスレオニン、Kabatの83位に対応する位置にアルギニンもしくはリジン、およびKabatの87位に対応する位置にスレオニンを含む。
【0132】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの12位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの43位に対応する位置にアラニン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの74位に対応する位置にスレオニン、Kabatの76位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの77位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンもしくはロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの100位に対応する位置にグルタミン、およびKabatの104位に対応する位置にバリンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸もしくはリジン、Kabatの20位に対応する位置にイソロイシンもしくはバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニンもしくはプロリン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシンもしくはスレオニン、Kabatの83位に対応する位置にアルギニンもしくはリジン、およびKabatの87位に対応する位置にスレオニンを含む。
【0133】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアラニン、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの3位に対応する位置にグルタミン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にアスパラギン酸もしくはロイシン、Kabatの10位に対応する位置にフェニルアラニンもしくはスレオニン、Kabatの11位に対応する位置にグルタミン、Kabatの12位に対応する位置にセリンもしくはプロリン、Kabatの13位に対応する位置にアラニンもしくはロイシン、Kabatの14位に対応する位置にスレオニン、Kabatの15位に対応する位置にバリンもしくはプロリン、Kabatの16位に対応する位置にリジン、Kabatの17位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、Kabatの18位に対応する位置にリジンもしくはプロリン、Kabatの22位に対応する位置にスレオニン、Kabatの42位に対応する位置にリジン、Kabatの45位に対応する位置にアルギニン、Kabatの58位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの67位に対応する位置にチロシン、Kabatの73位に対応する位置にフェニルアラニン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの85位に対応する位置にチロシン、またはKabatの87位に対応する位置にフェニルアラニンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの24位に対応する位置にバリン、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの44位に対応する位置にアルギニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの80位に対応する位置にロイシン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、またはKabatの89位に対応する位置にバリンもしくはメチオニンを含む。
【0134】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアラニン、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの3位に対応する位置にグルタミン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にアスパラギン酸もしくはロイシン、Kabatの10位に対応する位置にフェニルアラニンもしくはスレオニン、Kabatの11位に対応する位置にグルタミン、Kabatの12位に対応する位置にセリンもしくはプロリン、Kabatの13位に対応する位置にアラニンもしくはロイシン、Kabatの14位に対応する位置にスレオニン、Kabatの15位に対応する位置にバリンもしくはプロリン、Kabatの16位に対応する位置にリジン、Kabatの17位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、Kabatの18位に対応する位置にリジンもしくはプロリン、Kabatの22位に対応する位置にスレオニン、Kabatの42位に対応する位置にリジン、Kabatの45位に対応する位置にアルギニン、Kabatの58位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの67位に対応する位置にチロシン、Kabatの73位に対応する位置にフェニルアラニン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの85位に対応する位置にチロシン、およびKabatの87位に対応する位置にフェニルアラニンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの24位に対応する位置にバリン、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの44位に対応する位置にアルギニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの80位に対応する位置にロイシン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、またはKabatの89位に対応する位置にバリンもしくはメチオニンを含む。
【0135】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアラニン、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの3位に対応する位置にグルタミン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にアスパラギン酸もしくはロイシン、Kabatの10位に対応する位置にフェニルアラニンもしくはスレオニン、Kabatの11位に対応する位置にグルタミン、Kabatの12位に対応する位置にセリンもしくはプロリン、Kabatの13位に対応する位置にアラニンもしくはロイシン、Kabatの14位に対応する位置にスレオニン、Kabatの15位に対応する位置にバリンもしくはプロリン、Kabatの16位に対応する位置にリジン、Kabatの17位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、Kabatの18位に対応する位置にリジンもしくはプロリン、Kabatの22位に対応する位置にスレオニン、Kabatの42位に対応する位置にリジン、Kabatの45位に対応する位置にアルギニン、Kabatの58位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの67位に対応する位置にチロシン、Kabatの73位に対応する位置にフェニルアラニン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの85位に対応する位置にチロシン、またはKabatの87位に対応する位置にフェニルアラニンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの24位に対応する位置にバリン、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの44位に対応する位置にアルギニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの80位に対応する位置にロイシン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、およびKabatの89位に対応する位置にバリンもしくはメチオニンを含む。
【0136】
諸実施形態では、ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアラニン、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの3位に対応する位置にグルタミン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にアスパラギン酸もしくはロイシン、Kabatの10位に対応する位置にフェニルアラニンもしくはスレオニン、Kabatの11位に対応する位置にグルタミン、Kabatの12位に対応する位置にセリンもしくはプロリン、Kabatの13位に対応する位置にアラニンもしくはロイシン、Kabatの14位に対応する位置にスレオニン、Kabatの15位に対応する位置にバリンもしくはプロリン、Kabatの16位に対応する位置にリジン、Kabatの17位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、Kabatの18位に対応する位置にリジンもしくはプロリン、Kabatの22位に対応する位置にスレオニン、Kabatの42位に対応する位置にリジン、Kabatの45位に対応する位置にアルギニン、Kabatの58位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの67位に対応する位置にチロシン、Kabatの73位に対応する位置にフェニルアラニン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの85位に対応する位置にチロシン、およびKabatの87位に対応する位置にフェニルアラニンを含み、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの24位に対応する位置にバリン、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの44位に対応する位置にアルギニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの80位に対応する位置にロイシン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、およびKabatの89位に対応する位置にバリンもしくはメチオニンを含む。
【0137】
諸実施形態では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの20位に対応する位置にバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にスレオニン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの83位に対応する位置にアルギニン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、またはKabatの89位に対応する位置にバリンを含む。
【0138】
諸実施形態では、ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの20位に対応する位置にバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にスレオニン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの83位に対応する位置にアルギニン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、およびKabatの89位に対応する位置にバリンを含む。
【0139】
諸実施形態では、ヒト化重鎖可変領域は、配列番号7の配列を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、配列番号7である。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、配列番号8の配列を含む。諸態様では、ヒト化軽鎖可変領域は、配列番号8である。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は、配列番号7の配列を含み、ヒト化軽鎖可変領域は、配列番号8の配列を含む。諸態様では、ヒト化重鎖可変領域は配列番号7であり、ヒト化軽鎖可変領域は配列番号8である。
【0140】
本明細書で提供される抗CD73抗体は、Fab’断片であり得る。抗CD73抗体がFab’断片である場合、抗CD73抗体は、ヒト化重鎖(例えば、定常領域および可変領域を含む)およびヒト化軽鎖(例えば、定常領域および可変領域を含む)を含む。諸態様では、抗CD73抗体は、Fab’断片である。諸態様では、抗CD73抗体は、ヒト定常領域を含む。諸態様では、抗CD73抗体はIgGである。諸態様では、抗CD73抗体はIgG1である。諸態様では、抗CD73抗体はIgG4である。諸態様では、抗CD73抗体はIgAである。諸態様では、抗CD73抗体はIgMである。
【0141】
諸実施形態では、抗CD73抗体は一本鎖抗体である。一本鎖抗体には、可変軽鎖および可変重鎖が含まれる。当業者は、ポリペプチド鎖の2つの同一対を含み、各対が1つの軽鎖および1つの重鎖を有する免疫グロブリン抗体とは対照的に、一本鎖抗体は単一の軽鎖および単一の重鎖を含むことを直ちに理解するであろう。次に、それぞれの軽鎖および重鎖は、2つの領域からなる。標的抗原の結合に関与する可変(「V」)領域(すなわち、可変軽鎖および可変重鎖)、および免疫系の他の成分と相互作用する定常(「C」)領域。一本鎖抗体の可変軽鎖および可変重鎖は、リンカーペプチドを介して連結され得る。一本鎖抗体のリンカーペプチドの例は、Bird,R.E.,Hardman,K.D.,Jacobson,J.W.,Johnson,S.,Kaufman,B.M.,Lee,S.M.,Lee,T.,Pope,S.H.,Riordan,G.S.and Whitlow,M.(1988)に記載されている。scFv抗体を作製する方法が記載されている。Huse et al.,Science 246:1275-1281(1989)、Ward et al.,Nature 341:544-546(1989)、およびVaughan et al.,Nature Biotech.14:309-314(1996)を参照。簡潔には、免疫動物からのB細胞のmRNAが単離され、cDNAが調製される。免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の可変領域に特異的なプライマーを使用して、cDNAを増幅する。PCR産物を精製し、核酸配列を結合する。リンカーペプチドが望まれる場合、ペプチドをコードする核酸配列は、重鎖および軽鎖の核酸配列間に挿入される。scFvをコードする核酸はベクターに挿入され、適切な宿主細胞で発現する。
【0142】
特定のエピトープ(例えば、CD73)に結合する抗体の能力は、平衡解離定数(K)によって説明することができる。本明細書で定義される平衡解離定数(K)は、CD73タンパク質に対する抗CD73抗体の解離速度(K-オフ)および会合速度(K-オン)の比である。次の式で表される。K=K-オフ/K-オン。諸態様では、抗CD73抗体は、約0.5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約1~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約1.5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約2~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約2.5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約3~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約3.5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約4~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、7.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.0未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約4.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0~約7.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.1のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.2のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.3のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.4のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.6のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.7のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.8のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.9のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。
【0143】
諸実施形態では、抗CD73抗体は、約4.5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5.5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約8~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、7.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.0未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約4.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0~約7.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.1のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.2のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.3のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.4のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.6のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.7のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.8のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.9のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。
【0144】
諸実施形態では、抗CD73抗体は、約8.5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約9~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約9.5~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約10~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約11~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約12~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約13~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約14~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約15~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約16~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、7.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.0未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約4.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0~約7.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.1のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.2のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.3のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.4のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.6のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.7のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.8のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.9のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。
【0145】
諸実施形態では、抗CD73抗体は、約17~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約18~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約19~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約20~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約21~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約22~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約23~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約24~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約0.5、1 2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、7.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.0未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約4.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0~約7.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.1のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.2のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.3のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.4のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.6のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.7のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.8のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.9のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。
【0146】
諸実施形態では、抗CD73抗体は、約7.1nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.9nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約9.4nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約19.5nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約17.8nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約15.9nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、7.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.0未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約4.5未満のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0~約7.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.1のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.2のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.3のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.4のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.5のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.6のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.7のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.8のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約6.9のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。諸態様では、抗CD73抗体は、約7.0のpHで、この段落の平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる。
【0147】
この実施形態を含む本明細書で提供される抗CD73抗体は、Kabatの297位に対応する位置にグルタミンを含み得る。諸態様では、抗CD73抗体は、CD73抗原に結合している。諸態様では、CD73抗原は、細胞の一部を形成する。諸態様では、細胞はリンパ系細胞である。諸態様では、細胞はB細胞である。
【0148】
免疫刺激およびB細胞調節の方法
本方法に使用され、実施形態を含む本明細書で提供される本組成物に含まれる抗CD73抗体は、とりわけ、CD73タンパク質に結合し、CD73触媒活性を阻害し、それにより転移を防止することができる。本明細書に記載の抗CD73抗体がT細胞の免疫抑制を元に戻すだけでなく、これまで知られていなかった意外な直接効果をB細胞に及ぼすという出願人の意外な発見に基づく新規の方法および組成物を本明細書で提供する。他の既知の抗CD73抗体(例えば、MEDI9447、AD2)とは対照的に、1E9抗CD73抗体がB細胞を活性化し、末梢からリンパ組織/器官へのB細胞の再分布に影響を及ぼすことができると最初に記載したのは出願人である。出願人により、直接的なB細胞活性化は出願人の抗CD73抗体で特異的に起こることが示される一方、他の抗CD73はこの効果を示さない。抗CD73抗体のこのこれまで知られていなかった独特の特徴は、様々な適応症の治療、例えば、免疫原性がんに対する免疫の増強、自己免疫性疾患(例えば、多発性硬化症)、炎症性疾患、または感染性疾患の治療に有用である可能性がある。
【0149】
抗CD73抗体について上述された実施形態のいずれも、その実施形態を含む本明細書で提供される方法に適用可能であり得る。したがって、本明細書で提供される組成物に使用される抗CD73抗体は、例えば、重鎖および軽鎖のCDRを含み(CDR L1は、配列番号1の配列を有し、CDR L2は、配列番号2の配列を有し、CDR L3は、配列番号3の配列を有し、CDR H1は配列番号4の配列を有し、CDR H2は配列番号5の配列を有し、該CDR H3は配列番号6の配列を有する)、配列番号7の配列を含むヒト化重鎖可変領域を含み、IgG4であり、約0.3nM~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合し、Kabatの297位に対応する位置にグルタミンを任意でさらに含むか、または任意で細胞の一部を形成する(この細胞はB細胞である)。諸態様では、本明細書に記載の方法で使用される抗CD73抗体は、CPI-006である。
【0150】
一態様では、対象を免疫刺激する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。本明細書で提供される「免疫刺激する」または「免疫刺激」という用語は、免疫系を活性化する能力、またはその成分のいずれかの活性を増大させる能力を指す。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象の炎症性サイトカインを増加させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象の炎症性サイトカインを増加させることを含み、炎症性サイトカインは、TNF-α、TNF-β、MIP-1α、MIP-1β、IL-6、IL-10、IL-8、IP-10、MCP-1、MCP-2、IL-1Ra、GRO-α、MIP-3α、TNF-RII、IL-7、MMP-9、CRP、SAA、MMP-3、MDC、YKL-40、IL-27、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせである。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象の炎症性サイトカインを増加させることを含み、炎症性サイトカインは、TNF-α、TNF-β、MIP-1α、MIP-1β、IL-6、IL-10、IL-8、IP-10、MCP-1、MCP-2、IL-1Ra、GRO-α、MIP-3α、TNF-RII、IL-7、MMP-9、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせである。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象の炎症性サイトカインを増加させることを含み、炎症性サイトカインは、TNF-α、TNF-β、MIP-1α、MIP-1β、IL-6、IL-10、IL-8、IP-10、MCP-1、MCP-2、IL-1Ra、GRO-α、MIP-3α、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせであり、任意で、炎症性サイトカインは、抗CD73抗体の投与後約0.5時間~約2時間少なくとも2のlog倍率の増加を有する。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象の炎症性サイトカインを増加させることを含み、炎症性サイトカインは、CRP、SAA、MMP-3、MDC、YKL-40、IL-27、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせである。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象の炎症性サイトカインを増加させることを含み、炎症性サイトカインは、C反応性タンパク質(CRP)、血清アミロイドA(SAA)、またはそれらの組み合わせであり、任意で、炎症性サイトカインは、抗CD73抗体の投与後約1日~約8日少なくとも2のlog倍率の増加を有する。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象の活性化マーカーを増加させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象の抗原提示細胞を増加させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象のB細胞を増加させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象の樹状細胞を増加させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象の抗原提示細胞を増加させることを含み、抗原提示細胞は、CD3、CD14、CD19、CD25、CD69、CD83、CD86、MHCクラスII(例えば、HLA-DR)、BDCA-2、BDCA-4、CD11c、CD45RA、CD123、ILT-7、TLR7、TLR9、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせを発現する(すなわち、含む)。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象、例えば対象の血液中の単球を減少させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象、例えば対象の血液中のCD73NEG CD8 T細胞を減少させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象、例えば対象の血液中のCD73POS CD8 T細胞を減少させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象、例えば対象の血液中のCD73NEG CD4 T細胞を減少させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象、例えば対象の血液中のCD73POS CD4 T細胞を減少させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象、例えば対象の血液中のCD4/CD8比を増加させることを含む。諸態様では、対象を免疫刺激する方法は、対象、例えば対象の血液中のCD73NEG CD4/CD73NEG CD8比を増加させることを含む。
【0151】
諸態様では、免疫刺激が必要な対象を免疫刺激する方法は、対象から生体試料を得ることと、生体試料の活性化マーカーを監視することと、をさらに含む。諸態様では、活性化マーカーは、B細胞、樹状細胞、CD69、CD83、CD25、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせである。諸態様では、活性化マーカーはB細胞である。諸態様では、活性化マーカーは樹状細胞である。諸態様では、活性化マーカーはCD69である。諸態様では、活性化マーカーはCD83である。諸態様では、活性化マーカーはCD25である。諸態様では、生体試料の活性化マーカーは、対照と比較して(例えば、抗CD73抗体の投与前に採取された生体試料の活性化マーカーと比較して)増加している。諸態様では、本方法は、活性化マーカーが対照と比較して増加する場合に、有効量の抗CD73抗体を投与することをさらに含む。
【0152】
諸態様では、免疫刺激が必要な対象を免疫刺激する方法は、対象から生体試料を得ることと、生体試料の抗原提示細胞を監視することと、をさらに含む。諸態様では、抗原提示細胞はB細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は樹状細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、CD3、CD14、CD19、CD25、CD69、CD83、CD86、MHCクラスII(例えば、HLA-DR)、BDCA-2、BDCA-4、CD11c、CD45RA、CD123、ILT-7、TLR7、TLR9、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせを含む。諸態様では、抗原提示細胞は、CD3、CD14、CD19、CD86、MHCクラスII(例えば、HLA-DR)、BDCA-2、BDCA-4、CD11c、CD45RA、CD123、ILT-7、TLR7、TLR9、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせを含む。諸態様では、抗原提示細胞は、CD3、CD14、CD86、MHCクラスII(例えば、HLA-DR)、BDCA-2、BDCA-4、CD11c、CD45RA、CD123、ILT-7、TLR7、TLR9、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせを含む。諸態様では、抗原提示細胞は、CD86を含む。諸態様では、抗原提示細胞は、MHCクラスIIを含む。諸態様では、抗原提示細胞は、HLA-DRを含む。諸態様では、生体試料の抗原提示細胞は、対照と比較して(例えば、抗CD73抗体の投与前に採取された生体試料の抗原提示細胞と比較して)増加している。諸態様では、本方法は、抗原提示細胞が対照と比較して増加する場合に、有効量の抗CD73抗体を投与することをさらに含む。
【0153】
諸態様では、免疫刺激が必要な対象を免疫刺激する方法は、対象から生体試料(例えば、血液試料)を得ることと、生体試料における単球、CD73POS CD4 T細胞、CD73NEG CD4 T細胞、CD73POS CD8 T細胞、CD73NEG CD8 T細胞、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせを監視することと、をさらに含む。諸態様では、生体試料における単球、CD73POS CD8 T細胞、CD73NEG CD8 T細胞、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせは、対照と比較して(例えば、抗CD73抗体の投与前に採取された生体試料における単球CD73POS CD8 T細胞、CD73NEG CD8 T細胞とそれぞれ比較して)減少している。諸態様では、本方法は、単球、CD73POS CD8 T細胞、CD73NEG CD8 T細胞、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせが対照と比較して減少する場合に、有効量の抗CD73抗体を投与することをさらに含む。諸態様では、生体試料におけるCD73POS CD4 T細胞、CD73NEG CD4 T細胞、または両細胞は、対照と比較して(例えば、抗CD73抗体の投与前に採取された生体試料におけるCD73POS CD4 T細胞またはCD73NEG CD4 T細胞とそれぞれ比較して)増加している。諸態様では、本方法は、CD73POS CD4 T細胞、CD73NEG CD4 T細胞、または両細胞が対照と比較して減少する場合に、有効量の抗CD73抗体を投与することをさらに含む。
【0154】
一態様では、対象のB細胞を活性化する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。本明細書で提供される「B細胞活性化」または「B細胞を活性化する」という用語は、当技術分野で周知の用語であり、当技術分野の従来の意味に従って使用される。例えば、B細胞活性化には、抗原にB細胞受容体(BCR)が結合すること、またはT細胞がB細胞に活性化シグナルを提供すること(胸腺依存性活性化)が含まれる。活性化されると、B細胞は、活性化B細胞の特徴である特定のB細胞活性化マーカータンパク質(例えば、CD69、CD83)の発現を上方制御する。
【0155】
一態様では、対象の末梢B細胞を再分布させる方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。本明細書で提供される「再分布する」または「再分布」という用語は、化合物(例えば、本明細書で提供される抗CD73抗体)が生物におけるB細胞の位置に及ぼす影響を指す。諸態様では、化合物(例えば、本明細書で提供される抗CD73抗体)は、CD73を発現するB細胞に結合し、標準対照と比較して生物におけるB細胞の位置を調節する。諸態様では、化合物(例えば、本明細書で提供される抗CD73抗体)が生物におけるB細胞の位置を調節する場合、生物の末梢(例えば、末梢血)のB細胞は、化合物の不在下と比較して少ない。諸態様では、対象の末梢血に存在するB細胞の量(B細胞の数)は、抗CD73抗体の不在下と比べて少ない。諸態様では、対象の一次リンパ器官(例えば、脾臓または胸腺)に存在するB細胞の量(数)は、抗CD73抗体の不在下と比較して多い。
【0156】
一態様では、標準対照と比較して対象のリンパ組織からB細胞の放出を減少させる方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。本明細書で提供される「リンパ組織」は、リンパ細胞の任意のびまん性または非カプセル化の束を含む。リンパ組織は、細網線維ネットワークに関連するリンパ球およびマクロファージで構成され、リンパ小節、パイエル板、扁桃腺が含まれるが、これらに限定されない。
【0157】
本明細書で提供される「標準対照」とは、通常は既知の参照である、試験試料との比較用の参照として機能する試料を指す。例えば、試験試料は、疾患(例えば、自己免疫性疾患、炎症性疾患、がん)が疑われる患者から採取され、疾患があると分かっている患者または既知の正常(非疾患)個体に由来する試料と比較され得る。対照は、類似の個体、例えば、類似の医学的背景、同じ年齢、体重などを有する疾患患者または健康な個体の群から収集された平均値も表すことができる。対照値は、同じ個体から、例えば、以前に得られた試料から、疾患前または治療前に得ることもできる。当業者は、任意の数のパラメータ評価のために対照を設計し得ることを認識するであろう。当業者は、どの対照が所与の状況において有益であるかを理解し、対照値との比較に基づいてデータを分析することができるであろう。対照はまた、データの有意性を判断するためにも有益である。例えば、所与のパラメータの値が対照において大きく変動する場合、試験試料の変動は有意であるとみなされない。
【0158】
開示方法のいくつかの例において、リンパ組織またはリンパ器官に存在するB細胞の量(数)またはB細胞活性が評価されるか、またはリンパ組織からのB細胞の放出が測定される場合、この量(数)はB細胞またはB細胞活性(例えば、健康な対象または未治療の対象)の対照量(数)と比較される。対照とは、リンパ組織もしくはリンパ器官におけるB細胞の量(数)、または疾患を有していない試料もしくは対象、疾患もしくは病状の選択ステージにある試料もしくは対象、または治療剤などの特定の変数の不在下におけるB細胞の活性を意味する。あるいは、対照は、リンパ組織または器官に存在するB細胞の既知の量(数)またはB細胞の活性を含む。このような既知量は、疾患を有していない対象、疾患もしくは病状の選択ステージにある対象、または治療剤などの特定の変数の不在下における対象の平均レベルと相関する。対照は、リンパ組織もしくはリンパ器官に存在するB細胞の量(数)、または本明細書に記載される1つ以上の選択された試料もしくは対象のB細胞活性も含む。例えば、対照は、疾患を有さない対象、疾患もしくは病状の選択ステージにある対象、または疾患の治療を受けていない対象からの試料におけるB細胞の量(数)またはB細胞活性の評価を含む。別の例示的な対照レベルは、疾患を有さない複数の対象、疾患の選択ステージにある複数の対象、または疾患の治療を受けていない複数の対象から採取された試料のB細胞の量(数)またはB細胞活性の評価を含む。
【0159】
B細胞の対照量(数)またはB細胞活性が、治療剤の不在下における試料または対象のB細胞量またはB細胞活性を含む場合、対照の試料または対象は、任意で、治療剤による治療前後に試験される同じ試料もしくは対象であるか、または治療剤の不在下で選択された試料または対象である。あるいは、標準対照は、特定の疾患を有していない多くの対象から計算された平均発現レベルである。対照レベルには、既知の対照レベルまたは当技術分野で既知の値も含まれる。
【0160】
一態様では、標準対照と比較して対象のリンパ器官におけるB細胞の滞留を増加させる方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。本明細書で提供される「リンパ器官」は、当技術分野で周知の用語であり、当技術分野での従来の意味に従って本明細書で使用される。リンパ器官の例には、胸腺および脾臓が含まれる。諸態様では、化合物(例えば、本明細書で提供される抗CD73抗体)は、標準対照と比較して生物におけるB細胞の位置を調節する。諸態様では、化合物(例えば、本明細書で提供される抗CD73抗体)が生物におけるB細胞の位置を調節する場合、生物のリンパ器官(例えば、脾臓)におけるB細胞は、化合物の不在下と比較して多い。諸態様では、対象の一次リンパ器官(例えば、脾臓または胸腺)におけるB細胞の量は、抗CD73抗体の不在下と比較して多い。
【0161】
一態様では、標準対照と比較して対象の細胞におけるスフィンゴシン-1-ホスフェート受容体1(S1PR1)の内在化を増加させる方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。
【0162】
諸実施形態では、対象は、がんを有する対象である。諸態様では、対象は、免疫不全である。諸態様では、対象は、免疫不全疾患または自己免疫性疾患を有する。
【0163】
治療方法
本明細書で提供される方法は、とりわけ、S1PR1機能に関連するまたは関する疾患、感染性疾患、炎症性疾患、および自己免疫性疾患を治療するために有用である。
【0164】
抗CD73抗体について上述された実施形態のいずれも、その実施形態を含む本明細書で提供される方法に適用可能であり得る。したがって、本明細書で提供される組成物に使用される抗CD73抗体は、例えば、重鎖および軽鎖のCDRを含む場合があり(CDR L1は、配列番号1の配列を有し、CDR L2は、配列番号2の配列を有し、CDR L3は、配列番号3の配列を有し、CDR H1は配列番号4の配列を有し、CDR H2は配列番号5の配列を有し、該CDR H3は配列番号6の配列を有する)、配列番号7の配列を含むヒト化重鎖可変領域を含む場合があり、IgG4である場合もあり、約0.3nM~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合可能である場合もあり、Kabatの297位に対応する位置にグルタミンをさらに含む場合もあるか、または細胞の一部を形成する場合もある(この細胞はB細胞である)。
【0165】
本明細書で提供される「スフィンゴシン-1-ホスフェート受容体1」、「S1P1」または「S1PR1」という用語は、内皮分化遺伝子1(EDG1)としても知られるスフィンゴシン-1-ホスフェート受容体1(S1PR1)の任意の組換え型または天然型、またはS1PR1活性(例えば、S1PR1と比較して少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%以内の活性)を維持するそれらの変異体もしくは相同体を含む。いくつかの諸態様では、変異体または相同体は、天然に存在するS1PR1タンパク質と比較して配列全体または配列の一部(例えば、50、100、150、または200個の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有する。諸態様では、S1PR1タンパク質は、UniProt参照番号P21453によって同定されるタンパク質、またはそれに対して実質的な同一性を有する変異体もしくは相同体と実質的に同一である。
【0166】
本明細書で提供される「スフィンゴシン-1-ホスフェート受容体1(S1PR1)関連疾患」は、S1PR1機能に関連する疾患の障害または症状を広く指すために使用される。諸態様では、疾患は、異常なS1PR1機能によって引き起こされるか、または疾患の症状が引き起こされる。本明細書に記載のS1PR1機能は、S1PR1によって影響を受ける任意の細胞機能を指し、内皮細胞の細胞骨格構造、遊走、毛細血管様ネットワーク形成、血管成熟、リンパ球成熟の調節、リンパ球遊走およびリンパ球輸送の調節を含むがこれらに限定されない。
【0167】
本明細書で提供される「内在化」という用語は、エンドサイトーシスを介した分子(例えば、S1PR1)の細胞取り込みを指す。本明細書で提供されるエンドサイトーシスは、原形質膜の領域に囲まれ、それによって摂取分子を形成する分子の細胞プロセスを指す。摂取分子を含む原形質膜の領域は、その後、細胞内で出芽し、摂取分子を含む小胞を形成する。
【0168】
したがって、一態様では、スフィンゴシン-1-ホスフェート受容体1(S1PR1)関連疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、S1PR1関連疾患は、移植片対宿主疾患、自己免疫性疾患、炎症性疾患、ウイルス性心筋炎、ウイルス性心筋炎によって引き起こされるウイルス性疾患、脱髄性疾患、または器官もしくは組織の移植片拒絶である。諸態様では、S1PR1関連疾患は自己免疫性疾患である。諸態様では、S1PR1関連疾患は、多発性硬化症(multiple sclerosis)、関節リウマチ、アトピー性湿疹(アトピー性皮膚炎)、ベーチェット病、ブドウ膜疾患、全身性紅斑性狼瘡、シェーグレン症候群、多発性硬化症(polysclerosis)、重症筋無力症、I型糖尿病、内分泌眼障害、原発性胆汁性肝硬変、クローン病、糸球体腎炎、サルコイドーシス、乾癬、天疱瘡、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、アレルギー、結節性多発動脈炎、進行性全身性硬化症、混合性結合組織疾患、大動脈炎症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、ウェゲナー肉芽腫症、潰瘍性大腸炎、活動性慢性肝炎、自己免疫性溶血性貧血、エヴァンス症候群、気管支喘息、肝不全、腎不全、または花粉症である。
【0169】
一態様では、感染性疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。
【0170】
一態様では、炎症性疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。
【0171】
一態様では、自己免疫性疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法が提供される。本方法は、有効量の抗CD73抗体を対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。
【0172】
がん治療の方法
諸実施形態では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与して、抗原提示細胞を効果的に活性化することを含む方法を提供する。諸態様では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与することと、抗原提示細胞のレベルを監視することとを含む方法を提供する。諸態様では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与して、抗原提示細胞を効果的に活性化することと、抗原提示細胞のレベルを監視することとを含む方法を提供する。諸態様では、生体試料における抗原提示細胞のレベルは、フローサイトメトリー、免疫組織化学、またはそれらの組み合わせにより監視される。諸態様では、抗原提示細胞は、がん腫瘍微小環境にある。諸態様では、抗原提示細胞のレベルは、患者の生体試料、例えば、末梢血試料などの血液試料を介して監視される。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.2×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.3×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.4×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.5×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.6×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.03×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.04×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.05×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.06×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.07×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、抗原提示細胞は、B細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、CD19+であるB細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、樹状細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、古典的樹状細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、形質細胞様樹状細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、CD3、CD14、CD19、CD69、CD83、CD86、MHCクラスII(例えば、HLA-DR)、BDCA-2、BDCA-4、CD11c、CD45RA、CD123、ILT-7、TLR7、TLR9、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせに対して陽性である。諸態様では、抗CD73抗体は、本明細書に記載されているもののいずれかである。諸態様では、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。
【0173】
諸実施形態では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与して、抗原提示細胞を効果的に活性化することと、患者から生体試料を得ることと、生体試料における抗原提示細胞のレベルを検出することとを含む方法を提供する。諸態様では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与することと、患者から生体試料を得ることと、生体試料における抗原提示細胞のレベルを検出することとを含む方法を提供する。諸態様では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与して、抗原提示細胞を効果的に活性化することと、患者から生体試料を得ることと、生体試料における抗原提示細胞のレベルを検出することとを含む方法を提供する。諸態様では、生体試料における抗原提示細胞のレベルは、フローサイトメトリー、免疫組織化学、またはそれらの組み合わせにより監視される。諸態様では、抗原提示細胞は、がん腫瘍微小環境にある。諸態様では、抗原提示細胞のレベルは、患者の生体試料、例えば、末梢血試料などの血液試料を介して監視される。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.2×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.3×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.4×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.5×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.6×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.03×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.04×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.05×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.06×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.07×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、抗原提示細胞は、B細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、CD19+であるB細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、樹状細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、古典的樹状細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、形質細胞様樹状細胞である。諸態様では、抗原提示細胞は、CD3、CD14、CD19、CD69、CD83、CD86、MHCクラスII(例えば、HLA-DR)、BDCA-2、BDCA-4、CD11c、CD45RA、CD123、ILT-7、TLR7、TLR9、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせに対して陽性である。諸態様では、抗CD73抗体は、本明細書に記載されているもののいずれかである。諸態様では、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。諸態様では、抗CD73抗体はCPI-006である。
【0174】
諸実施形態では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与して、活性化マーカーを効果的に活性化することを含む方法を提供する。諸態様では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与することと、活性化マーカーのレベルを監視することとを含む方法を提供する。諸態様では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与して、活性化マーカーを効果的に活性化することと、活性化マーカーのレベルを監視することとを含む方法を提供する。諸態様では、活性化マーカーはB細胞である。諸態様では、活性化マーカーは樹状細胞である。諸態様では、活性化マーカーはCD69である。諸態様では、活性化マーカーはCD83である。諸態様では、活性化マーカーはCD25である。諸態様では、生体試料における活性化マーカーのレベルは、フローサイトメトリー、免疫組織化学、またはそれらの組み合わせにより監視される。諸態様では、活性化マーカーのレベルは、患者の生体試料、例えば、末梢血試料などの血液試料を介して監視される。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.2×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.3×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.4×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.5×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.6×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.03×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.04×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.05×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.06×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.07×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。
【0175】
諸実施形態では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与して、活性化マーカーを効果的に活性化することと、患者から生体試料を得ることと、生体試料における活性化マーカーのレベルを検出することとを含む方法を提供する。諸態様では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与することと、患者から生体試料を得ることと、生体試料における活性化マーカーのレベルを検出することとを含む方法を提供する。諸態様では、本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与して、活性化マーカーを効果的に活性化することと、患者から生体試料を得ることと、生体試料における活性化マーカーのレベルを検出することとを含む方法を提供する。諸態様では、生体試料における活性化マーカーのレベルは、フローサイトメトリー、免疫組織化学、またはそれらの組み合わせにより監視される。諸態様では、活性化マーカーはB細胞である。諸態様では、活性化マーカーは樹状細胞である。諸態様では、活性化マーカーはCD69である。諸態様では、活性化マーカーはCD83である。諸態様では、活性化マーカーはCD25である。諸態様では、生体試料における活性化マーカーのレベルは、フローサイトメトリー、免疫組織化学、またはそれらの組み合わせにより監視される。諸態様では、活性化マーカーのレベルは、患者の生体試料、例えば、末梢血試料などの血液試料を介して監視される。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.2×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.3×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.4×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.5×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.6×10e6細胞/mL以上の量のB細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.03×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.04×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.05×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.06×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。諸態様では、生体試料は、フローサイトメトリーによって測定されるように、約0.07×10e6細胞/mL以上の量の樹状細胞を含む。
【0176】
投薬量
抗CD73阻害剤は、対象の疾患を治療するのに有効な量で対象に投与される。諸実施形態では、有効量は、約1mg/kg、3mg/kg、6mg/kg、10mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、または120mg/kgである。諸態様では、有効量は、約0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、6mg/kg、10mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、または120mg/kgである。諸態様では、有効量は約0.05mg/kgである。諸態様では、有効量は0.05mg/kgである。諸態様では、有効量は約0.1mg/kgである。諸態様では、有効量は0.1mg/kgである。諸態様では、有効量は約0.3mg/kgである。諸態様では、有効量は0.3mg/kgである。諸態様では、有効量は約1mg/kgである。諸態様では、有効量は1mg/kgである。諸態様では、有効量は約3mg/kgである。諸態様では、有効量は3mg/kgである。諸態様では、有効量は約6mg/kgである。諸態様では、有効量は6mg/kgである。諸態様では、有効量は約10mg/kgである。諸態様では、有効量は10mg/kgである。諸態様では、有効量は約12mg/kgである。諸態様では、有効量は12mg/kgである。諸態様では、有効量は約30mg/kgである。諸態様では、有効量は30mg/kgである。諸態様では、有効量は約40mg/kgである。諸態様では、有効量は40mg/kgである。諸態様では、有効量は約120mg/kgである。諸態様では、有効量は120mg/kgである。諸態様では、投与される有効量は、約10μg/mlの抗体の血清レベルをもたらす。
【0177】
諸実施形態では、抗CD73抗体は、少なくとも1mg/kgの有効量で対象に投与される。諸態様では、有効量は少なくとも2mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも2mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも3mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも4mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも5mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも6mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも7mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも8mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも9mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも10mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも11mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも12mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも13mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも14mg/kgである。諸態様では、有効量は少なくとも15mg/kgである。諸態様では、有効量は、約1mg/kg~約100mg/kgである。諸態様では、有効量は、約2mg/kg~約90mg/kgである。諸態様では、有効量は、約3mg/kg~約80mg/kgである。諸態様では、有効量は、約4mg/kg~約70mg/kgである。諸態様では、有効量は、約5mg/kg~約60mg/kgである。諸態様では、有効量は、約6mg/kg~約50mg/kgである。諸態様では、有効量は、約4mg/kg~約25mg/kgである。諸態様では、有効量は、約5mg/kg~約25mg/kgである。諸態様では、有効量は、約6mg/kg~約25mg/kgである。諸態様では、有効量は、約7mg/kg~約25mg/kgである。諸態様では、有効量は、約8mg/kg~約25mg/kgである。諸態様では、有効量は、約9mg/kg~約25mg/kgである。諸態様では、有効量は、約10mg/kg~約25mg/kgである。諸態様では、有効量は、約5mg/kg~約15mg/kgである。諸態様では、有効量は、約6mg/kg~約12mg/kgである。諸態様では、有効量は約4mg/kgである。諸態様では、有効量は約5mg/kgである。諸態様では、有効量は約6mg/kgである。諸態様では、有効量は約7mg/kgである。諸態様では、有効量は約8mg/kgである。諸態様では、有効量は約9mg/kgである。諸態様では、有効量は約10mg/kgである。諸態様では、有効量は約11mg/kgである。諸態様では、有効量は約12mg/kgである。諸態様では、有効量は約13mg/kgである。諸態様では、有効量は約14mg/kgである。諸態様では、有効量は約15mg/kgである。諸態様では、有効量は約16mg/kgである。諸態様では、有効量は約17mg/kgである。諸態様では、有効量は約18mg/kgである。諸態様では、有効量は約19mg/kgである。諸態様では、有効量は約20mg/kgである。諸態様では、有効量は約21mg/kgである。諸態様では、有効量は約22mg/kgである。諸態様では、有効量は約23mg/kgである。諸態様では、有効量は約24mg/kgである。諸態様では、有効量は約25mg/kgである。
【0178】
諸態様では、抗CD73抗体は、非経口注射によって投与される。諸態様では、注射はボーラス注射である。諸態様では、注射は注入である(例えば、5分~2時間の間、または約30分~約90分の間)。諸態様では、抗CD73抗体は、週に1回(すなわち、7日に1回)、2週間に1回(例えば、14日に1回)、3週間に1回(例えば、21日に1回)、または1ヵ月に1回(例えば、28日に1回)投与される。
【0179】
本明細書で提供される方法の諸実施形態では、抗CD73抗体は、少なくとも100nM(例えば、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、210、220、230、240、250nM)の最大半数効果濃度(EC50)で投与され得る。諸態様では、抗CD73抗体は、少なくとも100nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、110nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、115nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、120nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、125nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、130nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、135nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、140nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、145nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、150nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、155nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、160nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、165nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、170nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、175nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、180nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、185nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、190nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、195nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、200nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、210nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、220nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、230nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、240nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。諸態様では、本抗体は、250nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される。
【0180】
諸実施形態では、本抗体は、約137nMのEC50で投与される。諸態様では、本抗体は、137nMのEC50で投与される。諸態様では、本抗体は、約189nMのEC50で投与される。諸態様では、本抗体は、189nMのEC50で投与される。
【0181】
組成物
抗CD73抗体について上述された実施形態のいずれも、その実施形態を含む本明細書で提供される組成物に適用可能であり得る。したがって、本明細書で提供される組成物に使用される抗CD73抗体は、例えば、重鎖および軽鎖のCDRを含む場合があり(CDR L1は、配列番号1の配列を有し、CDR L2は、配列番号2の配列を有し、CDR L3は、配列番号3の配列を有し、CDR H1は配列番号4の配列を有し、CDR H2は配列番号5の配列を有し、該CDR H3は配列番号6の配列を有する)、配列番号7の配列を含むヒト化重鎖可変領域を含む場合があり、IgG4である場合もあり、約0.3nM~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合可能である場合もあり、Kabatの297位に対応する位置にグルタミンをさらに含む場合もあるか、または細胞の一部を形成する場合もある(この細胞はB細胞である)。
【0182】
一態様では、抗がん免疫原性組成物が提供される。本組成物は、抗がん免疫原性剤および抗CD73抗体を含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。本明細書で提供される「抗がん免疫原性剤」は、抗がんおよび免疫原性の能力を有する薬剤を指す。「免疫原性」という用語は、当技術分野でよく知られている用語であり、その従来の意味に従って本明細書で使用される。免疫原性剤は、ヒトまたは他の動物の体内で免疫応答を誘発する能力を有する薬剤(例えば、化合物分子、抗原、エピトープ)である。「免疫原性」という用語は、体液性および/または細胞性の免疫応答を誘導する能力を指す。諸態様では、抗がん免疫原性剤は、腫瘍溶解性ウイルスまたはがん細胞成分である。
【0183】
別の態様において、抗ウイルス免疫原性組成物が提供される。本組成物は、抗ウイルス免疫原性剤および抗CD73抗体を含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む。
【0184】
本明細書に記載の実施例および実施形態は例示目的のみのためであり、それを考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の主旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることが理解されよう。本明細書で引用される全ての刊行物、特許、および特許出願は、あらゆる目的のために参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例
【0185】
以下の実施例は、例示を目的としており、開示または特許請求の主旨または範囲を限定することを意図するものではない。
【0186】
実施例1
MDA-MB-231細胞(例えば、HTB-26(商標)としてATCC(登録商標)で入手可能)を、ヒトIgG1アイソタイプ対照、CPI-006、CPX-016、またはアデノシン5’-(α、β-メチレン)ジホスフェート(APCPとしても知られ、CD73酵素活性の小分子阻害剤である)とインキュベーションした後、250μMのアデノシンモノホスフェート(AMP)を添加した。CD73の触媒活性を図1Bに示す。Sensolyteマラカイトグリーンアッセイキットを使用して、細胞培養上清中のホスフェートレベルを測定した。末梢血単核細胞(PBMC)を健康なドナーから単離し、CellTrace(商標)バイオレット(ThermoFisher Scientific)で標識した後、1μg/mLの抗CD3および抗CD28、200ユニット/mLのIL-2、3 mM AMPと培養し、指示される処置を行った(500nMでのCPI-006、500nMでのCPX-016、890nMでのヒトIgG1アイソタイプ対照)。T細胞の増殖は、Cell Traceバイオレット希釈によって測定され、未刺激のPBMCと比較してゲーティングすることによって定義された(図1C)。IFN-ガンマの産生は、AlphaLISAによって細胞培養上清で測定された(図1D)。図1B~Dに示される結果は、CD73活性の阻害が免疫調節活性にアゴニスト効果を及ぼすことを示す。
【0187】
実施例2
PBMCを健康なドナーから単離し、ビーズと結合した抗IgM、CPI-006(10μg/mL)、またはヒトIgG1アイソタイプ対照(10μg/mL)と一晩インキュベーションした。B細胞(CD19+CD3-)のゲーティングをしてフローサイトメトリー分析を実施し、図2A~2Cに示すように、細胞表面マーカーのCD69、CD83、およびCD25に対する抗体を用いた染色についての平均蛍光強度(MFI)が報告された。PBMCを健康なドナーから単離し、CPI-006、CPI-016、ヒトIgG1アイソタイプ対照、および抗ヒトCD73抗体であるクローンAD2(Bio-Rad Antibodiesから入手可能)とともに、約0.1μg/mL~10μg/mL超の濃度範囲でインキュベーションした。B細胞(CD19+CD3-)のゲーティングをしてフローサイトメトリー分析を実施し、図2Fに示すように、CD69の抗体染色についての平均蛍光強度(MFI)が報告される。PBMCを健康なドナーから単離し、ビーズと結合した抗IgMまたはCPI-006(1μg/mL)+/-BTK阻害剤であるイブルチニブ(100nM)とともに一晩インキュベーションした。B細胞(CD19+CD3-)のゲーティングをしてフローサイトメトリー分析を実施し、図2Gに示すように、CD69およびCD83の抗体染色についての平均蛍光強度(MFI)が報告される。PBMCを健康なドナーから単離し、APCP(1μM)またはCPI-006(1μg/mL)+/-NECA(5’-N-エチルカルボキサミドアデノシン)とともに一晩インキュベーションした。B細胞(CD19+CD3-)のゲーティングをしてフローサイトメトリー分析を実施し、図2H~2Iに示すように、CD69の抗体染色についての平均蛍光強度(MFI)が報告される。PBMCを健康なドナーから単離し、指示される処置とともに15分間インキュベーションした。図2Jに示されるように、指示される細胞集団のゲーティングをしてフローサイトメトリー分析を実施し、ホスホERKの染色を評価した。上記の研究結果は、CPI-006がヒトBリンパ球を直接活性化することを示す。
【0188】
実施例3
第1相/1B臨床試験は、表1に示すプロトコルを使用して設計された。本研究の第一目的は、活性剤の安全性および忍容性を示すことであり、本研究の第二目的は、PK/PDプロファイル、薬効、およびバイオマーカーを同定することであった。適格患者は、1~5回の前治療で進行し、ECOGステータスが0または1の適切な臓器機能を有し、CD73発現を示した(用量拡大試験では必要だが、用量漸増試験では必要ない)固形腫瘍を有する成人であった。アデノシン遺伝子シグネチャーは、患者の選択には使用されなかった。用量拡大には、非小細胞肺がん、腎細胞がん、非ホジキンリンパ腫、および他の種類のがん(例えば、膀胱、前立腺、膵臓、結腸直腸、頭頸部の扁平上皮がん)の治療が含まれる。CPI-006は、3週間ごとに1時間の注入として投与され、併用療法では、100mgのシフォラデナントが1日2回経口投与された。腫瘍、末梢血リンパ球サブセット、標的の抗体占有率、および血清サイトカインにおけるCD73発現の影響についてバイオマーカー評価を実施した。ステージ1の疾患コホートで1つ以上の応答が観察された場合、研究はステージ2に進んだ。
【表1】
【0189】
患者の基線人口統計を以下の表2に示し、有害事象を表3に示す(TEAEとは、グレード3もしくは4の事象、または全グレードの2つ以上に基づく治療関連有害事象を指す)。
【表2】
【表3】
【0190】
表1を参照して、図3Aに示されるように、CPI-006単独で治療された(すなわち、単剤療法)患者から血清試料を採取し、遊離CPI-006のレベルをELISAによって測定した。図3Bに示すように、CPI-006単独で治療した患者の全血試料を固定し、CD73+CD8T細胞をゲーティングするフローサイトメトリーによって受容体占有率を測定した。図3A~3Dに示されるように、CPI-006の用量増加とともに、CPI-006への受容体曝露は増加し、クリアランスは減少し、CIP-006は、6mg/kg以上の単一用量を投与後21日間検出可能である。さらに、全細胞表面CD73は変化せず、CPI-006結合部位が占有されている。本研究の他の結果は、以下および表4に記載される。BLQは定量限界を下回る。TBDは未定である。グレード3/4の有害事象は報告されなかった。
【表4】
【0191】
CPI-006で治療された結腸直腸がん患者から採取された腫瘍生検は、CD73酵素活性の阻害について評価された。図5に示される結果は、CD73が腫瘍細胞に存在することと、CPI-006がCD73に結合して飽和することと、を示している。さらに、CPI-006結合は、CD73酵素活性を阻害することが示され、CPI-006がインビボで機能することが確認された。
【0192】
CPI-006単剤療法またはCPI-006とシフォラデナントの併用療法で治療されたがん患者は、疾患管理について評価された。図6Aに示されるように、より高用量のCPI-006単剤療法は、より長期の疾患管理を提供する。さらに、併用療法は、図6Bに示されるように、疾患管理も改善する。
【0193】
CPI-006による治療を伴う治療でB細胞およびT細胞の変化を評価した。図7A~7Bに示されるように、CPI-006による治療により、血液からのCD73POS B細胞の輸送、T細胞(CD73NEG)および単球の再分布、およびCD73NEGサブセットを含む、CD4/CD8比の増大と一致する結果が示される。さらに、図7Cに示されるように、CD73POS B細胞のレベルは、CPI-006の注入ごとに減少し、その後、部分的に新しい定常状態レベルに回復する。これらの結果は、リンパ組織へのB細胞の再分布と一致する。治療後にCD73NEG B細胞で有意な変化は生じなかった。図7Dの結果は、HLA-DR発現の増加と、それに続くHLA-DRレベルの漸減を示している。6mg/mkgのCPI-006単剤療法を受けている患者において、図7Eに示されるように、11サイクルにわたって進行中の治療で標的群(target legion)の減少が観察された。図7Fは、6mg/mkgのCPI-006単剤療法を受けている同一患者で、治療後に循環CD73POS B細胞が減少したことを示す。これらの結果により、CPI-006は患者のCD74POS B細胞レベルを低下させ、CPI-006投与の患者は標的群の減少を含む好ましい反応基準を示すことが示される。
【0194】
CPI-006の免疫調節活性は、CPI-006を投与された患者で評価された。患者のサイトカインレベルの変化は、図8A~8Bに示されるように、CPI-006治療後に測定された。TNF-α、TNF-β、MIP-1α、MIP-1β、IL-6、IL-10、IL-8、IP-10、MCP-1、MCP-2、IL-1Ra、GRO-α、MIP-3α、TNF-RII、IL-7、MMP-9を含むサイトカインの迅速な誘導、およびそれに続くCRPとSAAのレベル上昇は、初期の炎症反応と一致している。これらの結果は、CP1-006がCD73によるアデノシンの産生を遮断し、したがって免疫応答を調節することを示している。さらに、T細胞の活性化は、CPI-006の単剤療法またはCPI-006とシフォラデナントの併用療法の様々な投薬量を用いた治療で評価された。T細胞クローンが活性化されると、クローンは増殖し、元のクローンのクローンコピーを作成することができる。図11A~11Cに示されるように、新しいT細胞クローンは、単剤療法および併用療法での治療時に生成した。さらに本結果により、CPI-006はCD73陽性細胞の免疫調節剤であることが確認される。
【0195】
科学理論に拘束されることなく、図10は、シフォラデナントによるCPI-006のアゴニスト免疫調節効果の概略図を示す。腫瘍微小環境のアデノシンは免疫抑制剤である。CD73は、T細胞およびB細胞のサブセットを含む多くの組織に存在する表面酵素であり、CD73はAMPをアデノシンに変換し、リンパ球の接着、遊走、および活性化に機能する。CPI-006は、ヒト化IgG1 Fcγ受容体欠損抗CD73であり、触媒活性の遮断、およびCD73陽性細胞に対するアゴニスト免疫調節活性の発揮などの独自の特性を備えている。シフォラデナントは、動物およびヒトの臨床試験で抗腫瘍活性を有するアデノシンA2A受容体アンタゴニストであり、腫瘍のアデノシンシグネチャーはアデノシン応答と相関する。
【0196】
CPI-006単剤療法の単回投与(すなわち、1mg/kg、3mg/kg、または6mg/kg)で治療された患者からの全血試料をフローサイトメトリーによって分析して、免疫調節効果をさらに評価した。図4Aに示されるように、B細胞(CD19+CD3-)のレベルは、(散乱特性に基づいてゲーティングした)全リンパ球のパーセントとして報告される。CD73発現は、非競合抗CD73抗体を用いて評価され、図4Bに示すように、B細胞(CD19+CD3-)およびT細胞(CD19-CD3+)について報告される。健康なヒトドナーからの精製されたB細胞を、0.1μg/mL、1μg/mL、および10μg/mLの濃度のCPI-006またはヒトIgG1アイソタイプ対照とともに30分間インキュベーションした。CD69およびS1P1の表面レベルは、図4Cに示すように、CD73+B細胞についてゲーティングするフローサイトメトリーによって決定された。
【0197】
本発明のいかなる理論に拘束されることを意図することなく、図4Dは、CPI-006による末梢B細胞のレベルの低減をもたらす機構についてのモデルを提供する。CD73+B細胞に結合するCPI-006は、S1P1の内在化を促進するCD69の発現を誘導する。S1P1の内在化は、リンパ器官におけるリンパ球の滞留を促進する。Shiow et al,Nature(2006)Vol 440,540-544。S1Pは血液中に豊富に存在し、末梢リンパ球の表面では受容体S1P1のレベルは低い。S1P1は、リンパ器官に移動した後、リンパ球で上方制御される。S1P1シグナル伝達は、リンパ組織からのリンパ球の放出を仲介し、S1P1の表面発現は放出を促進するシグナル伝達に必要である。対照的に、S1P1の下方調節はリンパ器官からの放出を遮断する。
【0198】
結論。本明細書に示されるデータに基づいて、CPI-006がCD73の新規エピトープを標的とし、酵素活性部位を阻害することによりアデノシンの産生を遮断し、B細胞を活性化することが分かり、これはCD69の発現増加をもたらす。臨床データは、CPI-006が1、3、および6mg/kgの用量で耐容性良好であり、用量制限毒性がないことを示し、用量比例PKおよび受容体占有が観察され、CPI-006は、B細胞の一過性再分布によって示されるように、Bリンパ球の輸送に影響を及ぼす。
【0199】
本明細書に記載の実施例および実施形態は例示目的のみのためであり、それを考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の主旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることが理解されよう。本明細書で引用される全ての刊行物、特許、および特許出願は、あらゆる目的のために参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0200】
非公式の配列表
配列番号1:RASKNVSTSGYSYMH
配列番号2:LASNLES
配列番号3:QHSRELPFT
配列番号4:GYTFTSYWIT
配列番号5:PGSGNTNYNEKFKT
配列番号6:EGGLTTEDYALDY
配列番号7:
QVQLVQSGAEVEKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIYPGSGNTNYNEKFKTRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAKEGGLTTEDYALDYWGQGTLVTV
配列番号8:
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASKNVSTSGYSYMHWYQQKPGQAPRLLIYLASNLESGIPPRFSGSGYGTDFTLTINNIESEDAAYYFCQHSRELPFTFGQGTKVEIK
配列番号9
MEWSWVFLFFLSVTTGVHS
QVQLVQSGAEVEKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIYPGSGNTNYNEKFKTRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAKEGGLTTEDYALDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYQSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号10
MSVPTQVLGLLLLWLTDARC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASKNVSTSGYSYMHWYQQKPGQAPRLLIYLASNLESGIPPRFSGSGYGTDFTLTINNIESEDAAYYFCQHSRELPFTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0201】
実施形態
本開示はさらに、以下の実施形態を提供する。
【0202】
実施形態1.対象を免疫刺激する方法であって、有効量の抗CD73抗体を該対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、方法。
【0203】
実施形態2.対象においてB細胞を活性化する方法であって、有効量の抗CD73抗体を該対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、方法。
【0204】
実施形態3.標準対照と比較して対象のリンパ組織からB細胞の放出を減少させる方法であって、有効量の抗CD73抗体を該対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、方法。
【0205】
実施形態4.標準対照と比較して対象のリンパ器官におけるB細胞の滞留を増加させる方法であって、有効量の抗CD73抗体を該対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、方法。
【0206】
実施形態5.標準対照と比較して対象の細胞におけるスフィンゴシン-1-ホスフェート受容体1(S1PR1)の内在化を増加させる方法であって、有効量の抗CD73抗体を該対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、方法。
【0207】
実施形態6.該対象が、がんを有する対象である、実施形態1~5の1つに記載の方法。
【0208】
実施形態7.該対象が、免疫不全である、実施形態1~5の1つに記載の方法。
【0209】
実施形態8.該対象が、免疫不全疾患または自己免疫性疾患を有する、実施形態1~5の1つに記載の方法。
【0210】
実施形態9.スフィンゴシン-1-ホスフェート受容体1(S1PR1)関連疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を該対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、方法。
【0211】
実施形態10.該S1PR1関連疾患が、移植片対宿主疾患、自己免疫性疾患、炎症性疾患、ウイルス性心筋炎、ウイルス性心筋炎によって引き起こされるウイルス性疾患、脱髄性疾患、または器官もしくは組織の移植片拒絶である、実施形態9に記載の方法。
【0212】
実施形態11.該S1PR1関連疾患が、自己免疫性疾患である、実施形態9に記載の方法。
【0213】
実施形態12.該S1PR1関連疾患が、多発性硬化症(multiple sclerosis)、関節リウマチ、アトピー性湿疹(アトピー性皮膚炎)、ベーチェット病、ブドウ膜疾患、全身性紅斑性狼瘡、シェーグレン症候群、多発性硬化症(polysclerosis)、重症筋無力症、I型糖尿病、内分泌眼障害、原発性胆汁性肝硬変、クローン病、糸球体腎炎、サルコイドーシス、乾癬、天疱瘡、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、アレルギー、結節性多発動脈炎、進行性全身性硬化症、混合性結合組織疾患、大動脈炎症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、ウェゲナー肉芽腫症、潰瘍性大腸炎、活動性慢性肝炎、自己免疫性溶血性貧血、エヴァンス症候群、気管支喘息、肝不全、腎不全、または花粉症である、実施形態10または11に記載の方法。
【0214】
実施形態13.感染性疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を該対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、方法。
【0215】
実施形態14.炎症性疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を該対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、方法。
【0216】
実施形態15.自己免疫性疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を該対象に投与することを含み、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、方法。
【0217】
実施形態16.該抗CD73抗体が、少なくとも100nMの最大半数効果濃度(EC50)で投与される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
実施形態17.該抗CD73抗体が、約137nMのEC50で投与される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
実施形態18.該抗CD73抗体が、約189nMのEC50で投与される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
実施形態19.該有効量が、約1mg/kg、3mg/kg、6mg/kg、10mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、または120mg/kgである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
実施形態20.該CDR L1が配列番号1の配列を有し、該CDR L2が配列番号2の配列を有し、該CDR L3が配列番号3の配列を有し、該CDR H1が配列番号4の配列を有し、該CDR H2が配列番号5の配列を有し、該CDR H3が配列番号6の配列を有する、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0222】
実施形態21.抗CD73抗体が、ヒト化軽鎖可変領域およびヒト化重鎖可変領域を含み、
該ヒト化軽鎖可変領域が、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にアスパラギン酸もしくはロイシン、Kabatの12位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの18位に対応する位置にリジンもしくはプロリン、Kabatの43位に対応する位置にアラニン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの74位に対応する位置にスレオニン、Kabatの76位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの77位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンもしくはロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの100位に対応する位置にグルタミン、Kabatの104位に対応する位置にバリン、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアラニン、Kabatの3位に対応する位置にグルタミン、Kabatの10位に対応する位置にフェニルアラニンもしくはスレオニン、Kabatの11位に対応する位置にグルタミン、Kabatの13位に対応する位置にアラニンもしくはロイシン、Kabatの14位に対応する位置にスレオニン、Kabatの15位に対応する位置にバリンもしくはプロリン、Kabatの16位に対応する位置にリジン、Kabatの17位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、Kabatの22位に対応する位置にスレオニン、Kabatの42位に対応する位置にリジン、Kabatの45位に対応する位置にアルギニン、Kabatの58位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの67位に対応する位置にチロシン、Kabatの73位に対応する位置にフェニルアラニン、Kabatの85位に対応する位置にチロシン、またはKabatの87位に対応する位置にフェニルアラニンを含み、
該ヒト化重鎖可変領域が、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの40位に対応する位置にアラニンもしくはプロリン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシンもしくはスレオニン、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの83位に対応する位置にアルギニンもしくはリジン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、Kabatの89位に対応する位置にバリンもしくはメチオニン、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸もしくはリジン、Kabatの20位に対応する位置にイソロイシンもしくはバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの24位に対応する位置にバリン、Kabatの44位に対応する位置にアルギニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの80位に対応する位置にロイシン、またはKabatの81位に対応する位置にグルタミン酸を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0223】
実施形態22.該ヒト化重鎖可変領域が、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの20位に対応する位置にバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にスレオニン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの83位に対応する位置にアルギニン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、またはKabatの89位に対応する位置にバリンを含む、実施形態21に記載の方法。
【0224】
実施形態23.該ヒト化重鎖可変領域が、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの20位に対応する位置にバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にスレオニン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの83位に対応する位置にアルギニン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、およびKabatの89位に対応する位置にバリンを含む、実施形態21または22に記載の方法。
【0225】
実施形態24.該ヒト化重鎖可変領域が、配列番号7の配列を含む、実施形態21~23のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
実施形態25.該ヒト化軽鎖可変領域が、配列番号8の配列を含む、実施形態21~24のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
実施形態26.該抗CD73抗体が、IgGである、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0228】
実施形態27.該抗CD73抗体が、IgG1である、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法。
【0229】
実施形態28.該抗CD73抗体が、IgG4である、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法。
【0230】
実施形態29.該抗CD73抗体が、Fab’断片である、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0231】
実施形態30.該抗CD73抗体が、一本鎖抗体(scFv)である、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0232】
実施形態31.該抗CD73抗体が、約0.3~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、実施形態1~30のいずれか1つに記載の方法。
【0233】
実施形態32.該抗CD73抗体が、約0.64nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法。
【0234】
実施形態33.該抗CD73抗体が、約7.5未満のpHでCD73抗原に結合することができる、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法。
【0235】
実施形態34.該抗抗CD73抗体体が、約6.0~約7.0のpHでCD73抗原に結合することができる、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
【0236】
実施形態35.該抗CD73抗体が、約6.3のpHでCD73抗原に結合することができる、実施形態1~34のいずれか1つに記載の方法。
【0237】
実施形態36.該抗CD73抗体が、Kabatの297位に対応する位置にグルタミンをさらに含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
実施形態37.該抗CD73抗体が、CD73抗原に結合している、実施形態1~35のいずれか1つに記載の方法。
【0239】
実施形態38.該CD73抗原が、細胞の一部を形成する、実施形態37に記載の方法。
【0240】
実施形態39.該細胞が、リンパ系細胞である、実施形態38に記載の方法。
【0241】
実施形態40.該細胞が、B細胞である、実施形態38に記載の方法。
【0242】
実施形態41.抗がん免疫原性剤および抗CD73抗体を含む抗がん免疫原性組成物であって、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、抗がん免疫原性組成物。
【0243】
実施形態42.該抗がん免疫原性剤が、腫瘍溶解性ウイルスまたはがん細胞成分である、実施形態41に記載の抗がん免疫原性組成物。
【0244】
実施形態43.抗ウイルス免疫原性剤および抗CD73抗体を含む抗ウイルス免疫原性組成物であって、抗CD73抗体は、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、抗ウイルス免疫原性組成物。
【0245】
実施形態44.該CDR L1が配列番号1の配列を有し、該CDR L2が配列番号2の配列を有し、該CDR L3が配列番号3の配列を有し、該CDR H1が配列番号4の配列を有し、該CDR H2が配列番号5の配列を有し、該CDR H3が配列番号6の配列を有する、実施形態41~43のいずれか1つに記載の組成物。
【0246】
実施形態45.抗CD73抗体が、ヒト化軽鎖可変領域およびヒト化重鎖可変領域を含み、
該ヒト化軽鎖可変領域が、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にアスパラギン酸もしくはロイシン、Kabatの12位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの18位に対応する位置にリジンもしくはプロリン、Kabatの43位に対応する位置にアラニン、Kabatの60位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの74位に対応する位置にスレオニン、Kabatの76位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの77位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンもしくはロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの100位に対応する位置にグルタミン、Kabatの104位に対応する位置にバリン、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアラニン、Kabatの3位に対応する位置にグルタミン、Kabatの10位に対応する位置にフェニルアラニンもしくはスレオニン、Kabatの11位に対応する位置にグルタミン、Kabatの13位に対応する位置にアラニンもしくはロイシン、Kabatの14位に対応する位置にスレオニン、Kabatの15位に対応する位置にバリンもしくはプロリン、Kabatの16位に対応する位置にリジン、Kabatの17位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、Kabatの22位に対応する位置にスレオニン、Kabatの42位に対応する位置にリジン、Kabatの45位に対応する位置にアルギニン、Kabatの58位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの67位に対応する位置にチロシン、Kabatの73位に対応する位置にフェニルアラニン、Kabatの85位に対応する位置にチロシン、またはKabatの87位に対応する位置にフェニルアラニンを含み、
該ヒト化重鎖可変領域が、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの40位に対応する位置にアラニンもしくはプロリン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシンもしくはスレオニン、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの83位に対応する位置にアルギニンもしくはリジン、Kabatの84位に対応する位置にアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、Kabatの89位に対応する位置にバリンもしくはメチオニン、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸もしくはリジン、Kabatの20位に対応する位置にイソロイシンもしくはバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの24位に対応する位置にバリン、Kabatの44位に対応する位置にアルギニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの80位に対応する位置にロイシン、またはKabatの81位に対応する位置にグルタミン酸を含む、実施形態41~44のいずれか1つに記載の組成物。
【0247】
実施形態46.該ヒト化重鎖可変領域が、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの20位に対応する位置にバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にスレオニン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの83位に対応する位置にアルギニン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、またはKabatの89位に対応する位置にバリンを含む、実施形態45に記載の組成物。
【0248】
実施形態47.該ヒト化重鎖可変領域が、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの20位に対応する位置にバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にスレオニン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの83位に対応する位置にアルギニン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、およびKabatの89位に対応する位置にバリンを含む、実施形態45または46に記載の組成物。
【0249】
実施形態48.該ヒト化重鎖可変領域が、配列番号7の配列を含む、実施形態45~47のいずれか1つに記載の組成物。
【0250】
実施形態49.該ヒト化軽鎖可変領域が、配列番号8の配列を含む、実施形態45~48のいずれか1つに記載の組成物。
【0251】
実施形態50.該抗CD73抗体が、IgGである、実施形態41~49のいずれか1つに記載の組成物。
【0252】
実施形態51.該抗CD73抗体が、IgG1である、実施形態41~50のいずれか1つに記載の組成物。
【0253】
実施形態52.該抗CD73抗体が、IgG4である、実施形態41~50のいずれか1つに記載の組成物。
【0254】
実施形態53.該抗CD73抗体が、Fab’断片である、実施形態41~49のいずれか1つに記載の組成物。
【0255】
実施形態54.該抗CD73抗体が、一本鎖抗体(scFv)である、実施形態41~49のいずれか1つに記載の組成物。
【0256】
実施形態55.該抗CD73抗体が、約0.3~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、実施形態41~54のいずれか1つに記載の組成物。
【0257】
実施形態56.該抗CD73抗体が、約0.64nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、実施形態41~55のいずれか1つに記載の組成物。
【0258】
実施形態57.該抗CD73抗体が、約7.5未満のpHでCD73抗原に結合することができる、実施形態41~56のいずれか1つに記載の組成物。
【0259】
実施形態58.該抗抗CD73抗体体が、約6.0~約7.0のpHでCD73抗原に結合することができる、実施形態41~57のいずれか1つに記載の組成物。
【0260】
実施形態59.該抗CD73抗体が、約6.3のpHでCD73抗原に結合することができる、実施形態41~58のいずれか1つに記載の組成物。
【0261】
実施形態60.該抗CD73抗体が、Kabatの297位に対応する位置にグルタミンをさらに含む、実施形態41~59のいずれか1つに記載の組成物。
【0262】
実施形態61.該抗CD73抗体が、CD73抗原に結合している、実施形態41~60のいずれか1つに記載の組成物。
【0263】
実施形態62.該CD73抗原が、細胞の一部を形成する、実施形態61に記載の組成物。
【0264】
実施形態63.該細胞が、リンパ系細胞である、実施形態62に記載の方法。
【0265】
実施形態64.該細胞が、B細胞である、実施形態62に記載の組成物。
【0266】
実施形態65.がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、有効量の抗CD73抗体を患者に投与して、抗原提示細胞を効果的に活性化することを含む、方法。
【0267】
実施形態66.がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、(i)有効量の抗CD73抗体を患者に投与することと、(ii)抗原提示細胞のレベルを監視することと、を含む、方法。
【0268】
実施形態67.がんの治療を必要とする患者においてそれを治療する方法であって、(i)有効量の抗CD73抗体を患者に投与して、抗原提示細胞を効果的に活性化することと、(ii)抗原提示細胞のレベルを監視することと、を含む、方法。
【0269】
実施形態68.抗原提示細胞のレベルを監視することが、(a)患者から生体試料を得ることと、(b)生体試料における抗原提示細胞のレベルを検出することと、を含む、実施形態66または67に記載の方法。
【0270】
実施形態69.生体試料が、血液試料である、実施形態68に記載の方法。
【0271】
実施形態70.生体試料が、末梢血試料である、実施形態68に記載の方法。
【0272】
実施形態71.生体試料における抗原提示細胞のレベルを検出することが、フローサイトメトリー、免疫組織化学、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態68~70のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
実施形態72.抗原提示細胞が、がん腫瘍微小環境にある、実施形態65~71のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
実施形態73.抗原提示細胞が、B細胞である、実施形態65~72のいずれか1つに記載の方法。
【0275】
実施形態74.B細胞が、CD19+である、実施形態73に記載の方法。
【0276】
実施形態75.B細胞が、約0.5×10e6細胞/mL以上の量で生体試料に存在する、実施形態73または74に記載の方法。
【0277】
実施形態76.抗原提示細胞が、樹状細胞である、実施形態65~72のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
実施形態77.樹状細胞が、古典的樹状細胞である、実施形態76に記載の方法。
【0279】
実施形態78.樹状細胞が、形質細胞様樹状細胞である、実施形態76に記載の方法。
【0280】
実施形態79.樹状細胞が、CD3、CD14、CD19、またはそれらの組み合わせに対して陽性である、実施形態76に記載の方法。
【0281】
実施形態80.樹状細胞が、CD86に対して陽性である、実施形態76に記載の方法。
【0282】
実施形態81.樹状細胞が、MHCクラスIIに対して陽性である、実施形態76に記載の方法。
【0283】
実施形態82.樹状細胞が、BDCA-2、BDCA-4、CD11c、CD45RA、CD123、ILT-7、TLR7、TLR9、またはそれらのうちの2つ以上の組み合わせに対して陽性である、実施形態76~81のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
実施形態83.樹状細胞が、約0.06×10e6細胞/mL以上の量で生体試料に存在する、実施形態76~82のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
実施形態84.抗原提示細胞が、CD69、CD83、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態65~72のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
実施形態85.抗CD73抗体が、1E9抗体CDR L1、1E9抗体CDR L2、1E9抗体CDR L3、1E9抗体CDR H1、1E9抗体CDR H2、および1E9抗体CDR H3を含む、実施形態65~84のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
実施形態86.該CDR L1が配列番号1の配列を有し、該CDR L2が配列番号2の配列を有し、該CDR L3が配列番号3の配列を有し、該CDR H1が配列番号4の配列を有し、該CDR H2が配列番号5の配列を有し、該CDR H3が配列番号6の配列を有する、実施形態85に記載の方法。
【0288】
実施形態87.抗CD73抗体が、ヒト化軽鎖可変領域およびヒト化重鎖可変領域を含み、該ヒト化軽鎖可変領域は、Kabatの2位に対応する位置にバリン、Kabatの4位に対応する位置にメチオニン、Kabatの9位に対応する位置にアスパラギン酸もしくはロイシン、Kabatの12位に対応する位置にプロリンもしくはセリン、Kabatの18位に対応する位置におけるリジンもしくはプロリン、Kabatの43位に対応する位置におけるアラニン、Kabatの60位に対応する位置におけるプロリンもしくはセリン、Kabatの74位に対応する位置にスレオニン、Kabatの76位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの77位に対応する位置にアスパラギンもしくはセリン、Kabatの78位に対応する位置にイソロイシンもしくはロイシン、Kabatの80位に対応する位置にセリンもしくはアラニン、Kabatの100位に対応する位置にグルタミン、Kabatの104位に対応する位置にバリン、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアラニン、Kabatの3位に対応する位置にグルタミン、Kabatの10位に対応する位置にフェニルアラニンもしくはスレオニン、Kabatの11位に対応する位置にグルタミン、Kabatの13位に対応する位置にアラニンもしくはロイシン、Kabatの14位に対応する位置にスレオニン、Kabatの15位に対応する位置にバリンもしくはプロリン、Kabatの16位に対応する位置にリジン、Kabatの17位に対応する位置にグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、Kabatの22位に対応する位置にスレオニン、Kabatの42位に対応する位置にリジン、Kabatの45位に対応する位置にアルギニン、Kabatの58位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの67位に対応する位置にチロシン、Kabatの73位に対応する位置にフェニルアラニン、Kabatの85位に対応する位置にチロシン、またはKabatの87位に対応する位置にフェニルアラニンを含み、該ヒト化重鎖可変領域は、Kabatの37位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの40位に対応する位置にアラニンもしくはプロリン、Kabatの43位に対応する位置にリジン、Kabatの70位に対応する位置にセリン、Kabatの75位に対応する位置にイソロイシンもしくはスレオニン、Kabatの82位に対応する位置にトリプトファン、Kabatの83位に対応する位置にアルギニンもしくはリジン、Kabatの84位に対応する位置にあるアラニン、Kabatの85位に対応する位置にセリン、Kabatの89位に対応する位置にバリンもしくはメチオニン、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸もしくはリジン、Kabatの20位に対応する位置にイソロイシンもしくはバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、Kabatの1位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの24位に対応する位置にバリン、Kabatの44位に対応する位置にアルギニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの80位に対応する位置にロイシン、またはKabatの81位に対応する位置にグルタミン酸を含む、実施形態65~84のいずれか1つに記載の方法。
【0289】
実施形態88.該ヒト化重鎖可変領域が、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの20位に対応する位置にバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にスレオニン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの83位に対応する位置にアルギニン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、またはKabatの89位に対応する位置にバリンを含む、実施形態87に記載の方法。
【0290】
実施形態89.該ヒト化重鎖可変領域が、Kabatの5位に対応する位置にバリン、Kabatの7位に対応する位置にセリン、Kabatの11位に対応する位置にバリン、Kabatの12位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの20位に対応する位置にバリン、Kabatの38位に対応する位置にアルギニン、Kabatの40位に対応する位置にアラニン、Kabatの48位に対応する位置にメチオニン、Kabatの66位に対応する位置にアルギニン、Kabatの67位に対応する位置にバリン、Kabatの69位に対応する位置にイソロイシン、Kabatの71位に対応する位置にアラニン、Kabatの73位に対応する位置にリジン、Kabatの75位に対応する位置にスレオニン、Kabatの81位に対応する位置にグルタミン酸、Kabatの83位に対応する位置にアルギニン、Kabatの87位に対応する位置にスレオニン、およびKabatの89位に対応する位置にバリンを含む、実施形態87または88に記載の方法。
【0291】
実施形態90.該ヒト化重鎖可変領域が、配列番号7の配列を含む、実施形態65~84のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
実施形態91.該ヒト化軽鎖可変領域が、配列番号8の配列を含む、実施形態65~84のいずれか1つに記載の方法。
【0293】
実施形態92.該ヒト化重鎖可変領域が配列番号7の配列を含み、該ヒト化軽鎖可変領域が配列番号8の配列を含む、実施形態65~84のいずれか1つに記載の方法。
【0294】
実施形態93.該抗CD73抗体が、IgGである、実施形態65~84のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
実施形態94.該抗CD73抗体が、IgG1である、実施形態65~84のいずれか1つに記載の方法。
【0296】
実施形態95.該抗CD73抗体が、IgG4である、実施形態65~84のいずれか1つに記載の方法。
【0297】
実施形態96.該抗CD73抗体が、Fab’断片である、実施形態65~84のいずれか1つに記載の方法。
【0298】
実施形態97.該抗CD73抗体が、一本鎖抗体(scFv)である、実施形態65~84のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
実施形態98.該抗CD73抗体が、約0.3~約25nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、実施形態65~97のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
実施形態99.該抗CD73抗体が、約0.64nMの平衡解離定数(K)でCD73抗原に結合することができる、実施形態99に記載の方法。
【0301】
実施形態100.該抗CD73抗体が、約7.5未満のpHでCD73抗原に結合することができる、実施形態65~99のいずれか1つに記載の方法。
【0302】
実施形態101.該抗CD73抗体体が、約6.0~約7.0のpHでCD73抗原に結合することができる、実施形態100に記載の方法。
【0303】
実施形態102.該抗CD73抗体が、約6.3のpHでCD73抗原に結合することができる、実施形態101に記載の方法。
【0304】
実施形態103.該抗CD73抗体が、Kabatの297位に対応する位置にグルタミンをさらに含む、実施形態65~102のいずれか1つに記載の方法。
【0305】
実施形態104.該抗CD73抗体が、CD73抗原に結合している、実施形態65~103のいずれか1つに記載の方法。
【0306】
実施形態105.該CD73抗原が、細胞の一部を形成する、実施形態104に記載の方法。
【0307】
実施形態106.該細胞が、リンパ系細胞である、実施形態105に記載の方法。
【0308】
実施形態107.該細胞が、B細胞である、実施形態105の方法。
【0309】
実施形態108.がんが、結腸直腸がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、トリプルネガティブ乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、膵臓がん、子宮内膜がん、肉腫、頭頸部扁平上皮がん、膀胱がん、転移性去勢抵抗性前立腺がん、または非ホジキンリンパ腫である、実施形態65~107のいずれか1つに記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
【配列表】
2022512901000001.app
【国際調査報告】