(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】ポリグリコライドコポリマー組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08L 67/04 20060101AFI20220131BHJP
C08G 63/06 20060101ALI20220131BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20220131BHJP
C08K 7/02 20060101ALI20220131BHJP
C08L 101/16 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
C08L67/04
C08G63/06 ZBP
C08K3/013
C08K7/02
C08L101/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523976
(86)(22)【出願日】2018-10-29
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 CN2018112462
(87)【国際公開番号】W WO2020087215
(87)【国際公開日】2020-05-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521186328
【氏名又は名称】プージン ケミカル インダストリー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PUJING CHEMICAL INDUSTRY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Room615-618, T1, Lane166, Minhong Road, Minhang District, Shanghai 201102 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】チャン, シンチョウ
【テーマコード(参考)】
4J002
4J029
4J200
【Fターム(参考)】
4J002AB012
4J002AH002
4J002BB032
4J002BG042
4J002CF062
4J002CF182
4J002CF191
4J002CL062
4J002CM052
4J002DA016
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4J002DE076
4J002DE106
4J002DE136
4J002DE186
4J002DE226
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4J002DG046
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4J002DJ016
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4J002DJ046
4J002DK006
4J002DL006
4J002FA042
4J002FA046
4J002FA066
4J002FD016
4J002FD057
4J002FD067
4J002FD087
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4J002FD207
4J002GB00
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4J002GK00
4J029AA02
4J029AB07
4J029AC01
4J029AC02
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4J029JA061
4J029JF371
4J200AA04
4J200AA27
4J200BA17
4J200EA07
4J200EA10
(57)【要約】
ポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーと充填剤とを含む、組成物。前記ポリグリコライドは、グリコリドから開環重合によって製造される。前記組成物の引張係数は5,800MPaを超えてもいい。前記コポリマーは10,000-1,000,000の重量平均分子量(Mw)を有してもいい。前記コポリマーの重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は1.0-10.0の範囲にあってもいい。前記ポリグリコライドコポリマーのメルトフローインデックス(MFR)は0.1-1000g/10minの範囲にあってもいい。さらに、前記組成物を製造する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の総重量に基づき、20-99.9wt%のポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーと、0.1-80wt%の充填剤とを含む組成物であって、前記組成物の引張係数は5,800MPaを超え、前記ポリグリコライドコポリマーは一つ以上のC-(A
x-B
y)
n-D繰り返し単位を含み、
Aは
【化1】
またはその組み合わせであり、
BはG-R
1-Wであり、
GとWはそれぞれ-CO-NH-、-CO-R
2-CO-OH、-CO-、-(CH
2)
2NH-CO-、-CH
2-CH(OH)-CH
2-、及び-NHからなる群より選ばれ、
R
1は脂肪族ポリマー、芳香族ポリマー、またはその組み合わせであり、
R
2はアルキル基、芳香族基、またはオレフィン基であり、
xは1-1500の間にあり、
yは1-1500の間にあり、
nは1-10000の間にあり、
CとDはそれぞれヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキル基、芳香族基、エーテル基、アルケニル基、ハロゲン化炭化水素基、及びその組み合わせからなる群より選ばれる末端基であり、
AとBは違う構造であり、かつ
前記ポリグリコライドコポリマーはグリコリドから開環重合によって得られるポリグリコライドを用いて製造される、組成物。
【請求項2】
前記充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛、炭化ケイ素、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選ばれる無機充填剤であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選ばれる有機充填剤であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物は、さらに、E、F、及びその組み合わせからなる群より選ばれる添加剤を含み、
Eは一つ以上のi-R
1-j単位であり、iとjはそれぞれイソシアネート基(-N=C=O)、酸塩化物(acid chloride)基、オキサゾール基、オキサゾリン基、無水物(anhydride)、エポキシ基、アミノ基、及びその組み合わせからなる群より選ばれ、R
1は脂肪族基、芳香族基、またはその組み合わせであり、かつ
Fは抗酸化剤、金属不活性化剤、末端封止剤、核生成剤、除酸剤、熱安定剤、UV安定剤、潤滑可塑剤、架橋剤、及びその組み合わせからなる群より選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリグリコライドコポリマーの重量平均分子量は10,000-1,000,000である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリグリコライドコポリマーの重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は10-4.0であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリグリコライドコポリマーのメルトフローレート(MFR)は0.1-1000g/10minであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
組成物の製造方法であって、前記組成物は、前記組成物の総重量に基づき、20-99.9wt%のポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーと、0.1-80wt%の充填剤とを含み、前記ポリグリコライドコポリマーはグリコリドから開環重合によって得られるポリグリコライドを用いて製造され、前記組成物の引張係数は5,800MPaを超え、前記方法は、ポリグリコライドコポリマーと充填剤とを圧出、造粒することを含み、前記ポリグリコライドコポリマーは一つ以上のC-(A
x-B
y)
n-D繰り返し単位を含み、
Aは
【化2】
またはその組み合わせであり、
BはG-R
1-Wであり、
GとWはそれぞれ-CO-NH-、-CO-R
2-CO-OH、-CO-、-(CH
2)
2NH-CO-、-CH
2-CH(OH)-CH
2-、及び-NHからなる群より選ばれ、
R
1は脂肪族ポリマー、芳香族ポリマー、またはその組み合わせであり、
R
2はアルキル基、芳香族基、またはオレフィン基であり、
xは1-1500の間にあり、
yは1-1500の間にあり、
nは1-10000の間にあり、
CとDはそれぞれヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキル基、芳香族基、エーテル基、アルケニル基、ハロゲン化炭化水素基、及びその組み合わせからなる群より選ばれる末端基であり、かつ
AとBは違う構造であり、
従って前記組成物を製造する、組成物の製造方法。
【請求項9】
前記充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛、炭化ケイ素、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選ばれる無機充填剤であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選ばれる有機充填剤であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、さらに、前記ポリグリコライドと前記充填剤とを圧出、造粒する前に、前記ポリグリコライドを圧出、造粒することを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、さらに、前記ポリグリコライドと前記充填剤とを圧出、造粒する前に、前記ポリグリコライドと添加剤とを圧出、造粒することを含み、
前記添加剤は、E、F、またはその組み合わせからなる群より選ばれ、
Eは一つ以上のi-R
1-j単位であり、iとjはそれぞれイソシアネート基(-N=C=O)、酸塩化物(acid chloride)基、オキサゾール基、オキサゾリン基、無水物(anhydride)、エポキシ基、アミノ基、及びその組み合わせからなる群より選ばれ、R
1は脂肪族基、芳香族基、またはその組み合わせであり、かつ
Fは抗酸化剤、金属不活性化剤、末端封止剤、核生成剤、除酸剤、熱安定剤、UV安定剤、潤滑可塑剤、架橋剤、及びその組み合わせからなる群より選ばれることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、さらに、溶融状態下でのグリコリドを開環重合させることによって、前記ポリグリコライドを形成することを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
請求項8-13の何れか一項に記載の方法によって製造される、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い剛性、良好な溶融熱安定性、並びに、室温および高温における高い引張係数を有する新型ポリグリコライドコポリマー組成物及びその製造方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
ポリグリコライド、もしくはポリグリコール酸(PGA)は、生分解性を備えた環境に優しい高分子材料であり、近年大きな注目を集めている。他の生分解性プラスチック(ポリ乳酸など)と比べると、ポリグリコライドは、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性係数、硬度、柔軟性、および耐熱性などで有利である。ポリ乳酸とは異なり、ポリグリコライドはガスバリア性が高く、繊維、ダウンホールツール、包装、薄膜、医薬品担体、医療用インプラント、水中防汚材料などに適用できる。
【0003】
しかし、従来のポリグリコライドでは、引張係数が高温で急激に低下することが(CN1827686B)、高温環境でのポリグリコライドの適用を制限してしまう。ポリグリコライドと無機充填剤との混合物が報告されているが(CN104684997B)、このような無機充填剤の添加も、ポリグリコライドの分解を引き起こし、その熱安定性や機械的特性を損なう。
【0004】
良好な溶融熱安定性及び高い引張係数を有するポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーは依然として求められる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーを含む組成物、及びその製造方法を提供する。
組成物を提供する。上記組成物は、上記組成物の総重量に基づき、20-99.9wt%のポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーと、0.1-80wt%の充填剤とを含む。上記組成物の引張係数は5,800MPaを超える。上記ポリグリコライド組成物は一つ以上のC-(Ax-By)n-D繰り返し単位を含み、Aは
【0006】
【0007】
またはその組み合わせであり、BはG-R1-Wであり、GとWはそれぞれ-CO-NH-、-CO-R2-CO-OH、-CO-、-(CH2)2NH-CO-、-CH2-CH(OH)-CH2-、及び-NHからなる群より選ばれ、R1は脂肪族ポリマー、芳香族ポリマー、またはその組み合わせであり、R2はアルキル基、芳香族基、またはオレフィン基であり、xは1-1500の間にあり、yは1-1500の間にあり、nは1-10000の間にあり、CとDはそれぞれヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキル基、芳香族基、エーテル基、アルケニル基、ハロゲン化炭化水素基、及びその組み合わせからなる群より選ばれる末端基であり、かつ、AとBは違う構造をしている。上記ポリグリコライドは、グリコリドから開環重合によって製造される。
【0008】
上記充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛、炭化ケイ素、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選ばれる無機充填剤であってもいい。
【0009】
上記充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選ばれる有機充填剤であってもいい。
【0010】
上記組成物は、さらに、一つ以上のi-R1-j単位を含んでいてもよく、iとjはそれぞれイソシアネート基(-N=C=O)、酸塩化物(acid chloride)基、オキサゾール基、オキサゾリン基、無水物(anhydride)、エポキシ基、アミノ基、及びその組み合わせからなる群より選ばれ、R1は脂肪族基、芳香族基、またはその組み合わせである。
【0011】
上記組成物は、さらに、抗酸化剤、金属不活性化剤、末端封止剤、核生成剤、除酸剤、熱安定剤、UV安定剤、潤滑可塑剤、架橋剤、及びその組み合わせからなる群より選ばれる剤を含んでもいい。
【0012】
上記ポリグリコライドまたは上記ポリグリコライドコポリマーは、10,000-1,000,000の重量平均分子量を有してもいい。上記ポリグリコライドまたは上記ポリグリコライドコポリマーの重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は10-4.0であってもいい。
【0013】
上記組成物中のポリグリコライドコポリマーは、(a)溶融状態下でのグリコリドを開環重合させることによって、ポリグリコライドを形成すること、及び(b)上記ポリグリコライドを粒子になるよう圧出すること、を含む方法によって製造されてもいい。上記ポリグリコライドは、E、F、及びその組み合わせからなる群より選ばれる添加剤と共に圧出してもいい。上記組成物は、上記コポリマーの総重量に基づき、0.01-5wt%の上記添加剤を含む。Eは一つ以上のi-R1-j単位であってもよく、iとjはそれぞれイソシアネート基(-N=C=O)、酸塩化物(acid chloride)基、オキサゾール基、オキサゾリン基、無水物(anhydride)、エポキシ基、アミノ基、及びその組み合わせからなる群より選ばれ、R1は脂肪族基、芳香族基、またはその組み合わせである。Fは抗酸化剤、金属不活性化剤、末端封止剤、核生成剤、除酸剤、熱安定剤、UV安定剤、潤滑可塑剤、架橋剤、及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。
【0014】
上記組成物中のポリグリコライドコポリマーは、上記ポリグリコライドコポリマーと上記充填剤とを粒子になるよう圧出すること、を含む方法によって製造されてもいい。上記粒子は、上記粒子の総重量に基づき、0.1-80wt%の上記充填剤を含んでもいい。
【0015】
上記ポリグリコライドまたは上記ポリグリコライドコポリマーのメルトフローレート(MFR)は、0.1-1000g/10minであってもいい。
【0016】
本発明における各組成物に対し、その組成物を製造する方法を提供する。上記組成物は、上記組成物の総重量に基づき、20-99.9wt%のポリグリコライドコポリマーと、0.1-80wt%の充填剤とを含む。上記ポリグリコライドコポリマーは、グリコリドから開環重合によって得られるポリグリコライドを用いて製造される。上記組成物の引張係数は5,800MPaを超える。上記方法は、ポリグリコライドコポリマーと充填剤とを圧出、造粒することを含む。上記ポリグリコライドコポリマーは一つ以上のC-(Ax-By)n-D繰り返し単位を含む。Aは
【0017】
【0018】
またはその組み合わせであり、BはG-R1-Wであり、GとWはそれぞれ-CO-NH-、-CO-R2-CO-OH、-CO-、-(CH2)2NH-CO-、-CH2-CH(OH)-CH2-、及び-NHからなる群より選ばれ、R1は脂肪族ポリマー、芳香族ポリマー、またはその組み合わせであり、R2はアルキル基、芳香族基、またはオレフィン基であり、xは1-1500の間にあり、yは1-1500の間にあり、nは1-10000の間にあり、CとDはそれぞれヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキル基、芳香族基、エーテル基、アルケニル基、ハロゲン化炭化水素基、及びその組み合わせからなる群より選ばれる末端基であり、かつ、AとBは違う構造をしている。従って、上記組成物を製造する。
【0019】
本発明の方法によれば、上記充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛、炭化ケイ素、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選ばれる無機充填剤である。上記充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選ばれる有機充填剤であってもいい。
【0020】
上記方法は、さらに、上記ポリグリコライドと上記充填剤とを圧出、造粒する前に、上記ポリグリコライドを圧出、造粒することを含んでもいい。
【0021】
上記方法は、さらに、上記ポリグリコライドと上記充填剤とを圧出、造粒する前に、上記ポリグリコライドと添加剤とを圧出、造粒することを含んでもいい。
【0022】
上記添加剤は、E、F、またはその組み合わせからなる群より選んでもいい。Eは一つ以上のi-R1-j単位であってもよく、iとjはそれぞれイソシアネート基(-N=C=O)、酸塩化物(acid chloride)基、オキサゾール基、オキサゾリン基、無水物(anhydride)、エポキシ基、アミノ基、及びその組み合わせからなる群より選ばれ、R1は脂肪族基、芳香族基、またはその組み合わせである。Fは抗酸化剤、金属不活性化剤、末端封止剤、核生成剤、除酸剤、熱安定剤、UV安定剤、潤滑可塑剤、架橋剤、及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。
【0023】
上記方法は、さらに、溶融状態下でのグリコリドを開環重合させることによって、上記ポリグリコライドを形成することを含んでもいい。
本発明の方法によって、組成物が製造される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、新規な硬質ポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマー組成物、及びその製造方法を提供する。驚くことに、本発明者は、ポリグリコライドは、圧出によってポリグリコライド組成物を製造する際に分解するが、圧出によってポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマー組成物を製造する際に、タルク、ガラス繊維、炭素繊維、およびアラミド繊維などの充填剤を添加することで、ポリマーの溶融熱安定性、並びに/または、室温および高温における引張係数が向上することを見出した。本発明のポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマー組成物は、改善された熱安定性、加水分解安定性、及び機械的特性を有し、例えば、繊維、ダウンホールツール、包装、薄膜、医薬品担体、研磨剤、医療用インプラント、水中防汚材料などの様々な用途に適している。
【0025】
ここで、互換的に使用される用語「ポリグリコライド」、「ポリ(グリコール酸)(PGA)」、及び「ポリグリコール酸」とは、グリコール酸モノマーから構成される生分解性熱可塑性ポリマーである。ポリグリコライドは、グリコール酸から重縮合反応により、またはグリコリドから開環重合反応によって製造できる。ポリグリコライドに添加剤を添加することによって、所望な特性を得られる。
【0026】
用語「ポリグリコライドコポリマー」とは、グリコリドまたはグリコール酸モノマー及び異なるポリマーのモノマーから誘導されるポリマーである。例えば、ポリグリコライドコポリマーは、ポリグリコライドとADR4368(市販のBASFスチレンアクリルエポキシ樹脂)から圧出によって製造できる。
【0027】
ここで使用される用語「充填剤」とは、ポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーを含む組成物中の空間に充填される化合物である。
【0028】
組成物を提供する。上記組成物は、(a)ポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーと、(b)無機または有機充填剤とを含む。上記ポリグリコライドは、グリコリドから開環重合によって製造される。上記組成物の引張係数は、約5,000、5,500、5,600、5,700、5,800、5,900、または6,000MPaを超えてもいい。
【0029】
上記組成物は、上記組成物の総重量に基づき、約20-99.9wt%、20-99wt%、30-95wt%、40-90wt%、50-80wt%、または60-70wt%の上記ポリグリコライドまたは上記ポリグリコライドコポリマーを含んでもいい。
【0030】
上記組成物は、上記組成物の総重量に基づき、約0.1-80wt%、1-70wt%、5-60wt%、10-50wt%、または20-40wt%の上記充填剤を含んでもいい。上記充填剤は無機物であってもいい。上記充填剤は有機物であってもいい。上記無機充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛、炭化ケイ素、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。上記有機充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、一つ以上のポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。上記充填剤は、タルク、ガラス繊維、炭素繊維、またはアラミド繊維であってもいい。
【0031】
上記組成物は、さらに、一つ以上のi-R1-j単位を含んでもいい。iとjはそれぞれイソシアネート基(-N=C=O)、酸塩化物(acid chloride)基、オキサゾール基、オキサゾリン基、無水物(anhydride)、エポキシ基、アミノ基、及びその組み合わせからなる群より選ばれる。R1は脂肪族基、芳香族基、またはその組み合わせであってもいい。
【0032】
上記組成物は、さらに、抗酸化剤、金属不活性化剤、末端封止剤、核生成剤、除酸剤、熱安定剤、UV安定剤、潤滑可塑剤、架橋剤、及びその組み合わせからなる群より選んだ剤を含んでもいい。
【0033】
上記ポリグリコライドコポリマーは、一つ以上のC-(Ax-By)n-D繰り返し単位を含んでもいい。Aは
【0034】
【0035】
及びその組み合わせからなる群より選ばれる。BはG-R1-Wであり、GとWはそれぞれ-CO-NH-、-CO-R2-CO-OH、-CO-、-(CH2)2NH-CO-、-CH2-CH(OH)-CH2-および-NHからなる群より選ばれ、R1は脂肪族ポリマー、芳香族ポリマー、またはその組み合わせであり、R2はアルキル基、芳香族基、またはオレフィン基である。xは1-1500の間にある。yは1-1500の間にある。nは1-10000の間にある。CとDはそれぞれヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキル基、芳香族基、エーテル基、アルケニル基、ハロゲン化炭化水素基、及びその組み合わせからなる群より選ばれる末端基である。AとBは違う構造をしている。
【0036】
上記コポリマーは、さらに、Eを含んでもいい。Eは一つ以上のi-R1-j単位であってもいい。iとjはそれぞれイソシアネート基(-N=C=O)、酸塩化物(acid chloride)基、オキサゾール基、オキサゾリン基、無水物(anhydride)、エポキシ基、アミノ基、及びその組み合わせからなる群より選ばれる。R1は脂肪族基、芳香族基、またはその組み合わせであってもいい。
【0037】
上記コポリマーは、さらに、Fを含んでもいい。Fは抗酸化剤、金属不活性化剤、末端封止剤、核生成剤、除酸剤、熱安定剤、UV安定剤、潤滑可塑剤、架橋剤、及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。
【0038】
抗酸化剤は、BASF Irganox 168、101、245、1024、1076、1098、3114、MD 1024、1025;ADEKA AO-60、80;STAB PEP-36、8T;Albemarle AT-10、245、330、626、702、733、816、1135;及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。
【0039】
金属不活性化剤は、BASF Chel-180;Eastman OABH;Naugard XL-1;MD24;ADEKA STAB CDA-1、6;シュウ酸誘導体;ヒドラジン;サリチル酸誘導体;ベンゾトリアゾール;グアニジン化合物;及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。
【0040】
本発明における各コポリマーに対し、そのコポリマーを製造する方法を提供する。上記方法は、溶融状態でのグリコリドを開環重合させること、及び得られたポリグリコライドを圧出し造粒すること、を含む。上記ポリグリコライドは、E、F、及びその組み合わせからなる群より選ばれる添加剤と共に圧出してもいい。上記方法は、さらに、ポリグリコライドをEとFが添加されている圧出機に供給することを含んでもいい。
【0041】
グリコリドの開環重合は、三段階反応であってもいい。
第1段階では、約60-180℃、好ましくは約80-160℃の温度で、グリコリドと開環重合触媒を約150分間、好ましくは約120分間以下反応させてもいい。 上記グリコリドと触媒を均一に混合してもいい。第1段階は反応器の中で行われてもいい。
【0042】
開環重合触媒は、金属触媒であってもいいし、非金属触媒であってもいい。上記触媒は、希土類元素、希土類元素酸化物、金属マグネシウム化合物、アルカリ金属キレート(例えばスズ、アンチモン、またはチタン)、金属ルテニウム、及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。上記触媒は、グリコリドの約0.01-5wt%、好ましくは約0.1-5wt%、より好ましくは約1-3wt%であってもいい。
【0043】
第2段階では、約100-200℃、好ましくは約120-280℃の温度で、第1段階からの混合物を約0.1分間-約90時間、好ましくは約1分間-約72時間保持してもいい。第2段階はプラグフロー反応器の中で行われてもいい。上記プラグフロー反応器は、静止型混合器、二軸スクリュー圧出機、または水平型ディスクリアクターであってもいい。プラグフロー反応器が二軸スクリュー圧出機である場合、第2段階は約200-300℃、好ましくは約230-280℃、更に好ましくは約240-270℃で行われてもいい。
【0044】
第3段階では、約150-300℃、好ましくは約160-280℃の温度、かつ絶対圧力が約6,000Pa以下、好ましくは約5,000Pa以下で、第2段階からの混合物を約0.1分間-約36時間、好ましくは約1分間-約24時間保持してもいい。結果としては、ポリグリコライドが製造される。上記第3段階は脱揮反応器の中で行われてもいい。
【0045】
本発明のコポリマーは、コポリマーの総重量に基づき、約0.01-5wt%、好ましくは約0.01-3wt%、より好ましくは約0.01-1wt%の添加剤を含んでもいい。添加剤は、E、F、及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。
【0046】
上記ポリグリコライドまたは上記ポリグリコライドコポリマーは、10,000-1,000,000の重量平均分子量を有してもいい。上記ポリグリコライドまたは上記ポリグリコライドコポリマーの重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は10-4.0であってもよく、好ましくは1.1-3.0であり、より好ましくは1.2-2.5である。
【0047】
上記コポリマーは、約0.1-1000g/10min、好ましくは約0.15-500g/10min、より好ましくは約0.2-100g/10minのメルトフローインデックス(MFR)を有してもいい。コポリマーのMFRは、MFR法によって測定できる。上記MFR法は、約100-110℃(例えば約105℃)の真空下でコポリマーを乾燥すること、乾燥コポリマーをロッドになるよう圧着すること、220-240℃(例えば約230℃)の温度でロッドを0.5-1.5分間(例えば約1.0分間)保持すること、15-45秒ごとに(例えば約30秒ごとに)ロッドから一つの段を切り落とすこと、MFR=600W/t(g/10min)により各段のMFRを確定すること、を含む。Wは各段の平均質量である。tは各段の切断時間間隔である。約3-5g(例えば4g)の乾燥コポリマーをバレルに装填してもよく、ピストンをバレルに挿入することで、乾燥コポリマーをロッドになるよう圧着してもよく、2-3kg(例えば2.16kg)の重りをピストンの最上部に置いてもいい。
【0048】
熱可塑性ポリマーに対し、以下の試験にて測定を行う:1)105℃で、ポリマーを真空乾燥機の中で乾燥させる、2)試験機械を230℃まで改めて加熱する、3)4gの乾燥ポリマーサンプルを漏斗でバレルに装填し、ピストンをバレルに挿入することで、バレルの中で乾燥ポリマーサンプルを圧密する、4)230℃のバレルの中で、圧密された乾燥ポリマーサンプルを1分間保持する、5)ピストンの最上部に2.16kgの重りを設け、サンプルをバレルに対して圧し通す、6)30秒ごとに、圧着されたサンプルを一段切り落とし、合計五つの段を得る、及び7)各段の質量を量り、10分間あたりの段の平均質量の600倍をポリマーのMFRとして算出する(すなわち、MFR=600W/t(g/10min)、Wは各段ポリマーの平均質量であり、tは切断時間間隔である)。
【0049】
上記組成物中のポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーは、上記ポリグリコライドコポリマーと上記充填剤とを粒子になるよう圧出すること、を含む方法によって製造されてもいい。上記粒子は、上記粒子の総重量に基づき、0.1-80wt%、好ましくは0.1-50wt%、より好ましくは0.1-30wt%の充填剤を含んでもいい。上記組成物中のポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーのメルトフローレート(MFR)は、0.1-1000g/10min、好ましくは0.15-500g/10min、より好ましくは0.2-100g/10minであってもいい。
【0050】
組成物を製造する方法を提供する。上記組成物は、上記組成物の総重量に基づき、20-99.9wt%のポリグリコライドコポリマーと、0.1-80wt%の充填剤とを含む。上記ポリグリコライドコポリマーは、グリコリドから開環重合によって得られるポリグリコライドを用いて製造される。上記組成物の引張係数は5,800MPaを超える。上記方法は、ポリグリコライドコポリマーと充填剤とを圧出、造粒することを含む。上記ポリグリコライドコポリマーは一つ以上のC-(Ax-By)n-D繰り返し単位を含む。Aは
【0051】
【0052】
またはその組み合わせであり、BはG-R1-Wであり、GとWはそれぞれ-CO-NH-、-CO-R2-CO-OH、-CO-、-(CH2)2NH-CO-、-CH2-CH(OH)-CH2-、及び-NHからなる群より選ばれ、R1は脂肪族ポリマー、芳香族ポリマー、またはその組み合わせであり、R2はアルキル基、芳香族基、またはオレフィン基であり、xは1-1500の間にあり、yは1-1500の間にあり、nは1-10000の間にあり、CとDはそれぞれヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキル基、芳香族基、エーテル基、アルケニル基、ハロゲン化炭化水素基、及びその組み合わせからなる群より選ばれる末端基であり、かつ、AとBは違う構造をしている。従って、組成物を製造する。
【0053】
本発明の方法によれば、上記充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛、炭化ケイ素、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選ばれる無機充填剤であってもよい。上記充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選ばれる有機充填剤であってもいい。
【0054】
上記方法は、さらに、上記ポリグリコライドと上記充填剤とを圧出、造粒する前に、上記ポリグリコライドを圧出、造粒することを含んでもいい。
【0055】
上記方法は、さらに、上記ポリグリコライドと上記充填剤とを圧出、造粒する前に、上記ポリグリコライドと添加剤とを圧出、造粒することを含んでもいい。
【0056】
上記添加剤は、E、F、またはその組み合わせからなる群より選んでもいい。Eは一つ以上のi-R1-j単位であってもよく、iとjはそれぞれイソシアネート基(-N=C=O)、酸塩化物(acid chloride)基、オキサゾール基、オキサゾリン基、無水物(anhydride)、エポキシ基、アミノ基、及びその組み合わせからなる群より選ばれ、R1は脂肪族基、芳香族基、またはその組み合わせである。Fは抗酸化剤、金属不活性化剤、末端封止剤、核生成剤、除酸剤、熱安定剤、UV安定剤、潤滑可塑剤、架橋剤、及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。
【0057】
上記方法は、さらに、溶融状態下でのグリコリドを開環重合させることによって、上記ポリグリコライドを形成することを含んでもいい。
本発明の各製造方法に対し、その方法によって製造される組成物を提供する。
【0058】
ここで、数量、パーセントなどの測定可能な値に関する場合、規定値から±20%または±10%、より好ましくは±5%、さらに好ましくは±1%、最も好ましくは±0.1%の変化は合理的であるため、使用される用語「約」とは、このような変化が含まれることを意味する。
【実施例】
【0059】
実施例1.ポリマーの製造方法
120℃で、グリコリドと、グリコリドに対し0.01重量部の開環重合触媒である二塩化スズ二水和物とを予備タンク反応器の中で60分間均一に混合した。
【0060】
そして、予備タンク反応器中の材料を重合反応器に導入し、200℃で、かつ絶対圧力が0.1MPaで、300分間反応させた。上記重合反応器はプラグフロー反応器であり、それは静止型混合器、二軸スクリュー圧出機、または水平型ディスクリアクターであってもいい。
【0061】
そして、200RPMの混合速度において、220℃で、かつ絶対圧力が50Paで、重合反応器中の材料を最適化反応器に導入した。反応時間は30分間であった。結果としては、ポリグリコライドが製造された。
【0062】
実施例2.特性評価
1.重量平均分子量及びその分布
5mmol/Lトリフルオロ酢酸ナトリウムのヘキサフルオロイソプロパノール溶液中にサンプルを溶かし、0.05-0.3wt%(質量分率)の溶液を作製した。そして、0.4μmの孔径を有するポリテトラフルオロエチレンフィルターで、この溶液をろ過した。ろ過後の溶液20μLをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)インジェクターに添加し、サンプルの分子量を測定した。分子量の補正には、分子量の異なる5つのメタクリル酸メチルの標準分子量を用いた。
【0063】
2.引張強度の測定
引張強度はGB/T1040 1-2006に基づいて測定し、引張速度は50mm/minであった。
【0064】
3.メルトフローレート(MFR)の測定
以下の測定で、熱可塑性ポリマーのメルトフローレート(MFR)(もしくはメルトフローインデックス(MFI))を測定した:1)105℃で、ポリマーを真空乾燥機の中で乾燥させる、2)試験機械を230℃まで改めて加熱する、3)4gの乾燥ポリマーサンプルを漏斗でバレルに装填し、ピストンをバレルに挿入することで、バレルの中で乾燥ポリマーサンプルを圧密する、4)230℃のバレルの中で、圧密された乾燥ポリマーサンプルを1分間保持する、5)ピストンの最上部に2.16kgの重りを設け、サンプルをバレルに対して圧し通す、6)30秒ごとに、圧着されたサンプルを一段切り落とし、合計五つの段を得る、及び7)各段の質量を量り、10分間あたりの段の平均質量の600倍をポリマーのMFRとして算出する(すなわち、MFR=600W/t(g/10min)、Wは各段ポリマーの平均質量であり、tは切断時間間隔である)。
【0065】
実施例3.ポリグリコライドとポリグリコライドコポリマーサンプル
ポリグリコライドと一つ以上の添加剤とを用いて、四つのサンプルを作った:ポリグリコライド1、ポリグリコライド2、ポリグリコライドコポリマー1、及びポリグリコライドコポリマー2。実施例1のポリグリコライドと、添加剤、例えば、得られるサンプルの総重量に基づき、0.06wt%のIrganox 168、0.06wt%のNaugard XL-1、0.1wt%のADR4368、及び/または0.06%のSTAB PEP-36とを、二軸スクリュー圧出機に入れ、そして250℃の圧出温度で圧出し、粒子に造粒した。粒子は、120℃で4時間乾燥し、そして射出成形機を使用し、250℃の射出温度及び100℃の成形温度で、測定用のストリップ状に成形した。これら四つのサンプルの組成及び測定結果は表1に示される。
【0066】
【0067】
一般的に、ポリグリコライドは、圧出で処理された後でも分解する。圧出造粒後の粒子のMFRは、ポリマーの溶融熱安定性を反映する。造粒後の粒子のMFRが高いほど、ポリマーの溶融熱安定性が悪い。ポリグリコライド1とポリグリコライド2との比較から、金属不活性化剤Naugard XL-1の添加がMFR値を低減させ、溶融熱安定性が改善されていることがわかった。ポリグリコライドコポリマー1および2とポリグリコライド2との比較から、構成調整剤の添加がMFR値をさらに低減させ、溶融熱安定性がさらに改善されていることがわかった。
【0068】
実施例4.ポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマー組成物
量の異なる実施例3のポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーと、量の異なる無機充填剤とを含む九つの組成物。ポリグリコライド1、ポリグリコライド2、ポリグリコライドコポリマー2のポリグリコライドコポリマー1、任意的に、得られる組成物の総質量に基づき、10wt%の滑石、10または30wt%のガラス繊維、25wt%の炭素繊維、10wt%のアラミド繊維(TWARON繊維)を二軸スクリュー圧出機に入れ、そして250℃の圧出温度で圧出し、粒子に造粒した。粒子は、120℃で4時間乾燥し、そして圧出成形機を使用し、250℃の圧出温度及び100℃の成形温度で、測定用のストリップ状サンプルに成形した。これら粒子組成物の組成及び測定結果は表2に示される。
【0069】
【0070】
一般的に、ポリグリコライドは、二回目の圧出工程において、必然的にある程度分解する。表2で示されるように、100wt%のポリグリコライド1を含む組成物1のMFRは37から97g/minまで増加し、組成物2のMFRは1から68g/minに増加している。組成物3-7と組成物2との比較から、タルク、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの充填剤の添加は、23℃及び150℃での引張係数を大幅に向上させていることがわかった。30wt%のガラス繊維を含む組成物5及び25wt%の炭素繊維を含む組成物6では、引張係数の向上が最も顕著であった。
【0071】
ポリグリコライドに無機充填剤を添加すると、ポリグリコライドを分解させる。組成物5と8との比較から、Naugard XL-1およびADR4368を含むポリグリコライド組成物1の使用によって、組成物5のMFRがさらに低くなり、溶融熱安定性が向上し、分解が減少していることがわかった。また、ポリグリコライドコポリマー1におけるNaugard XL-1及びADR4368の添加は、23℃及び150℃における組成物5の引張係数を著しく向上させた。組成物5と9の結果から、組成物5中のIrganox 168に代わって組成物9中の抗酸化剤STAB PEP-36を使用しても、MFRを低減させ、引張係数を向上させることができる。
【0072】
ここで、特定の実施例を参照して本発明を例示、説明してきたが、本発明は、示された詳細に限定されるものではない。本発明から逸脱しない限り、特許請求の範囲と同等の範囲内で様々な修正を詳細に行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の総重量に基づき、20-99.9wt%のポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーと、0.1-80wt%の充填剤とを含む組成物であって、前記組成物の引張係数は5,800MPaを超え、前記ポリグリコライドコポリマーは一つ以上のC-(A
x-B
y)
n-D繰り返し単位を含み、
Aは
【化1】
またはその組み合わせであり、
BはG-R
1-Wであり、
GとWはそれぞれ-CO-NH-、-CO-R
2-CO-OH、-CO-、-(CH
2)
2NH-CO-、-CH
2-CH(OH)-CH
2-、及び-NHからなる群より選ばれ、
R
1は脂肪族ポリマー、芳香族ポリマー、またはその組み合わせであり、
R
2はアルキル基、芳香族基、またはオレフィン基であり、
xは1-1500の間にあり、
yは1-1500の間にあり、
nは1-10000の間にあり、
CとDはそれぞれヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキル基、芳香族基、エーテル基、アルケニル基、ハロゲン化炭化水素基、及びその組み合わせからなる群より選ばれる末端基であり、
AとBは違う構造であり、かつ
前記ポリグリコライドコポリマーはグリコリドから開環重合によって得られるポリグリコライドを用いて製造される、組成物。
【請求項2】
前記充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛
、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選ばれる無機充填剤であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選ばれる有機充填剤であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物は、さらに、E、F、及びその組み合わせからなる群より選ばれる添加剤を含み、
Eは一つ以上のi-R
1-j単位であり、iとjはそれぞれイソシアネート基(-N=C=O)、酸塩化物(acid chloride)基、オキサゾール基、オキサゾリン基、無水物(anhydride)、エポキシ基、アミノ基、及びその組み合わせからなる群より選ばれ、R
1は脂肪族基、芳香族基、またはその組み合わせであり、かつ
Fは抗酸化剤、金属不活性化剤、末端封止剤、核生成剤、除酸剤、熱安定剤、UV安定剤、潤滑可塑剤、架橋剤、及びその組み合わせからなる群より選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリグリコライドコポリマーの重量平均分子量は10,000-1,000,000である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリグリコライドコポリマーの重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は
1.0-4.0であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリグリコライドコポリマーのメルトフローレート(MFR)は0.1-1000g/10minであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
組成物の製造方法であって、前記組成物は、前記組成物の総重量に基づき、20-99.9wt%のポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーと、0.1-80wt%の充填剤とを含み、前記ポリグリコライドコポリマーはグリコリドから開環重合によって得られるポリグリコライドを用いて製造され、前記組成物の引張係数は5,800MPaを超え、前記方法は、ポリグリコライドコポリマーと充填剤とを圧出、造粒することを含み、前記ポリグリコライドコポリマーは一つ以上のC-(A
x-B
y)
n-D繰り返し単位を含み、
Aは
【化2】
またはその組み合わせであり、
BはG-R
1-Wであり、
GとWはそれぞれ-CO-NH-、-CO-R
2-CO-OH、-CO-、-(CH
2)
2NH-CO-、-CH
2-CH(OH)-CH
2-、及び-NHからなる群より選ばれ、
R
1は脂肪族ポリマー、芳香族ポリマー、またはその組み合わせであり、
R
2はアルキル基、芳香族基、またはオレフィン基であり、
xは1-1500の間にあり、
yは1-1500の間にあり、
nは1-10000の間にあり、
CとDはそれぞれヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキル基、芳香族基、エーテル基、アルケニル基、ハロゲン化炭化水素基、及びその組み合わせからなる群より選ばれる末端基であり、かつ
AとBは違う構造であり、
従って前記組成物を製造する、組成物の製造方法。
【請求項9】
前記充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛
、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選ばれる無機充填剤であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選ばれる有機充填剤であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、さらに、前記ポリグリコライドと前記充填剤とを圧出、造粒する前に、前記ポリグリコライドを圧出、造粒することを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、さらに、前記ポリグリコライドと前記充填剤とを圧出、造粒する前に、前記ポリグリコライドと添加剤とを圧出、造粒することを含み、
前記添加剤は、E、F、またはその組み合わせからなる群より選ばれ、
Eは一つ以上のi-R
1-j単位であり、iとjはそれぞれイソシアネート基(-N=C=O)、酸塩化物(acid chloride)基、オキサゾール基、オキサゾリン基、無水物(anhydride)、エポキシ基、アミノ基、及びその組み合わせからなる群より選ばれ、R
1は脂肪族基、芳香族基、またはその組み合わせであり、かつ
Fは抗酸化剤、金属不活性化剤、末端封止剤、核生成剤、除酸剤、熱安定剤、UV安定剤、潤滑可塑剤、架橋剤、及びその組み合わせからなる群より選ばれることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、さらに、溶融状態下でのグリコリドを開環重合させることによって、前記ポリグリコライドを形成することを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
請求項8-13の何れか一項に記載の方法によって製造される、組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選ばれる無機充填剤であってもいい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
上記ポリグリコライドまたは上記ポリグリコライドコポリマーは、10,000-1,000,000の重量平均分子量を有してもいい。上記ポリグリコライドまたは上記ポリグリコライドコポリマーの重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は1.0-4.0であってもいい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明の方法によれば、上記充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選ばれる無機充填剤である。上記充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選ばれる有機充填剤であってもいい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
上記組成物は、上記組成物の総重量に基づき、約0.1-80wt%、1-70wt%、5-60wt%、10-50wt%、または20-40wt%の上記充填剤を含んでもいい。上記充填剤は無機物であってもいい。上記充填剤は有機物であってもいい。上記無機充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。上記有機充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、一つ以上のポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選んでもいい。上記充填剤は、タルク、ガラス繊維、炭素繊維、またはアラミド繊維であってもいい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
第2段階では、約100-300℃、好ましくは約120-280℃の温度で、第1段階からの混合物を約0.1分間-約90時間、好ましくは約1分間-約72時間保持してもいい。第2段階はプラグフロー反応器の中で行われてもいい。上記プラグフロー反応器は、静止型混合器、二軸スクリュー圧出機、または水平型ディスクリアクターであってもいい。プラグフロー反応器が二軸スクリュー圧出機である場合、第2段階は約200-300℃、好ましくは約230-280℃、更に好ましくは約240-270℃で行われてもいい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
上記ポリグリコライドまたは上記ポリグリコライドコポリマーは、10,000-1,000,000の重量平均分子量を有してもいい。上記ポリグリコライドまたは上記ポリグリコライドコポリマーの重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は1.0-4.0であってもよく、好ましくは1.1-3.0であり、より好ましくは1.2-2.5である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
本発明の方法によれば、上記充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウム、ナノクレイ、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、二酸化チタン、シリカ、モンモリロナイト、鋼繊維、麻繊維、竹繊維、木質繊維、木粉、木片、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、黒鉛、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、セラミックウィスカー、無機塩ウィスカー、金属ウィスカー、及びその組み合わせからなる群より選ばれる無機充填剤であってもよい。上記充填剤は、セルロースウィスカー、ポリ(アクリル酸ブチル-スチレン)、ポリ(4-ヒドロキシベンジルエステル)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリアミド繊維、及びその組み合わせからなる群より選ばれる有機充填剤であってもいい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
実施例4.ポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマー組成物
量の異なる実施例3のポリグリコライドまたはポリグリコライドコポリマーと、量の異なる無機充填剤とを含む九つの組成物。ポリグリコライド1、ポリグリコライド2、ポリグリコライドコポリマー1またはポリグリコライドコポリマー2、任意的に、得られる組成物の総質量に基づき、10wt%の滑石、10または30wt%のガラス繊維、25wt%の炭素繊維、10wt%のアラミド繊維(TWARON(登録商標)繊維)を二軸スクリュー圧出機に入れ、そして250℃の圧出温度で圧出し、粒子に造粒した。粒子は、120℃で4時間乾燥し、そして圧出成形機を使用し、250℃の圧出温度及び100℃の成形温度で、測定用のストリップ状サンプルに成形した。これら粒子組成物の組成及び測定結果は表2に示される。
【国際調査報告】