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特表2022-512956高度なHARQ設計を用いてWLANを強化するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】高度なHARQ設計を用いてWLANを強化するための方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/16 20060101AFI20220131BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20220131BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20220131BHJP
【FI】
H04L1/16
H04W28/04 110
H04W84/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524957
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(85)【翻訳文提出日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 US2019060438
(87)【国際公開番号】W WO2020097441
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】62/757,512
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/790,852
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/846,215
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/900,084
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、ハンチン
(72)【発明者】
【氏名】シャヒン、アルファン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シャオフイ
(72)【発明者】
【氏名】オテリ、オゲネコム
(72)【発明者】
【氏名】ラシタ、フランク
(72)【発明者】
【氏名】スン、リーシャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ルイ
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ、ジョセフ エス.
【テーマコード(参考)】
5K014
5K067
【Fターム(参考)】
5K014DA02
5K014FA03
5K067AA21
5K067DD24
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067HH28
(57)【要約】
マルチハイブリッド自動再送要求(HARQ)送信のための方法および装置が提供される。アクセスポイント(AP)は、複数の局(STA)にマルチHARQ送信を送信し得る。APは、複数のSTAからH-ARQフィードバック応答を受信し得る。H-ARQフィードバックは、H-ARQフィードバックがコードワード(CW)/CWグループ(CWG)ベースの肯定応答であることを示すためのフィールドを含み得る。H-ARQフィードバックは、verify(ID)を含み得る。パケットIDは、HARQ送信ID、シーケンス番号、MPDU ID、またはPPDU IDであり得る。パケットIDは、PLCPヘッダ内で搬送され得る。H-ARQフィードバックは、アグリゲートされたCW/CWG肯定応答であり得る。H-ARQフィードバックは、ヌルデータパケット(NDP)内で搬送され得る。NDPパケットのPLCPヘッダは、広帯域PLCPヘッダと狭帯域PLCPヘッダとを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局(STA)によって実行される方法であって、
第1のアクセスポイント(AP)および第2のAPに対するマルチAP送信に関するインジケーションを受信することと、
前記第1のAPから第1のパケットを受信することと、
前記受信したインジケーションに基づいて前記第1のパケットに関連した情報を確認することであって、前記情報が、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)ヘッダ、AP ID、およびハイブリッド自動再送要求(HARQ) IDを含む、ことと、
前記第2のAPから第2のパケットを受信することと、
前記第1のAPおよび前記第2のAPへ応答をブロードキャストすることと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記第1のパケットを復号することと、
前記第1のパケットの復号された部分を記憶することと、
タイマを開始することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のパケットを復号することと、
前記第1のパケットの記憶された部分に基づいて前記復号された第2のパケットが前記第1のパケットを補完するかどうかを決定することと、
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記受信したインジケーションに基づいて前記第2のパケットに関連した情報を確認することであって、前記情報が、PLCPヘッダ、AP ID、およびHARQ IDを含む、ことと、
をさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記応答は、前記復号された第2のパケットが前記第1のパケットを補完すると決定されるかどうか、および前記タイマが終了したかどうかにに基づく、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のパケットは、拡張されたフレーム間空間(EIFS)期間の後に受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のAPおよび前記第2のAPは1つの仮想APである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
局(STA)であって、
送受信機と、
前記送受信機と動作可能に結合されたプロセッサと、
を備え、前記プロセッサおよび送受信機は、
第1のアクセスポイント(AP)および第2のAPに対するマルチAP送信に関するインジケーションを受信し、
前記第1のAPから第1のパケットを受信し、
前記受信したインジケーションに基づいて前記第1のパケットに関連した情報を確認し、前記情報が、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)ヘッダ、AP ID、およびハイブリッド自動再送要求(HARQ) IDを含み、
前記第2のAPから第2のパケットを受信し、
前記第1のAPおよび前記第2のAPへ応答をブロードキャストする、
ように構成された、STA。
【請求項9】
前記プロセッサおよび送受信機は、
前記第1のパケットを復号し、
前記第1のパケットの復号された部分を記憶し、
タイマを開始する、
ようにさらに構成された、請求項8に記載のSTA。
【請求項10】
前記プロセッサおよび送受信機は、
前記第2のパケットを復号し、
前記第1のパケットの記憶された部分に基づいて前記復号された第2のパケットが前記第1のパケットを補完するかどうかを決定する、
ようにさらに構成された、請求項9に記載のSTA。
【請求項11】
前記プロセッサおよび送受信機は、
前記受信したインジケーションに基づいて前記第2のパケットに関連した情報を確認するようにさらに構成され、前記情報が、PLCPヘッダ、AP ID、およびHARQ IDを含む、請求項10に記載のSTA。
【請求項12】
前記応答は、前記復号された第2のパケットが前記第1のパケットを補完すると決定されるかどうか、および前記タイマが終了したかどうかにに基づく、請求項11に記載のSTA。
【請求項13】
前記第2のパケットは、拡張されたフレーム間空間(EIFS)期間の後に受信される、請求項8に記載のSTA。
【請求項14】
前記第1のAPおよび前記第2のAPは1つの仮想APである、請求項8に記載のSTA。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、高度なHARQ設計を用いてWLANを強化するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、以下の米国特許仮出願の利益を主張し、以下の米国特許仮出願の全ては、参照によって本明細書に組み込まれている:2018年11月8日に出願された第62/757,512号、2019年1月10日に出願された第62/790,852号、2019年5月10日に出願された第62/846,215号、および、2019年9月13日に出願された第62/900,084号。
【0003】
ワイヤレス通信の分野においては、異なる技術および使用例に対処する、いくつかの異なるプロトコルが存在する。例えば、802.11プロトコルは、無線ローカルエリアネットワークに対処する。新たな使用例が生じるにつれて、プロトコルは、その新たな使用例に対処するために適合され、改善される必要があり得る。
【発明の概要】
【0004】
マルチアクセスポイント(AP)ハイブリッド自動再送要求(HARQ)送信のための方法および装置が提供される。一実施形態において、方法は、チャネルを監視する局(STA)を備える。方法は、第1のAPからチャネル上でパケットを受信するステップをさらに含む。第1のAPは、パケットがマルチAP HARQ送信であることを示す。方法は、受信された第1のAP識別(AID)が第1のAPに関連付けられていると決定するステップをさらに含む。方法は、受信されたパケットがマルチAP HARQ送信であると決定するステップをさらに含む。方法は、受信されたパケットが再送信であると決定するステップをさらに含む。方法は、タイマが終了していないと決定するステップをさらに含む。方法は、受信されたパケットと保存されたパケットとを組み合わせるステップをさらに含む。方法は、組み合わされたパケットを成功裡に復号するステップをさらに含む。方法は、タイマを停止させるステップをさらに含む。方法は、肯定応答ポリシーに基づいて、第1のAPに肯定応答を送信するステップをさらに含む。
【0005】
マルチハイブリッド自動再送要求(HARQ)送信のための方法および装置が提供される。方法は、複数の局(STA)にマルチHARQ送信を送信するアクセスポイント(AP)を備え得る。マルチHARQ送信は、複数のH-ARQプロセスのために複数のSTAの各々への複数の送信を含み得る。方法は、複数のSTAからH-ARQフィードバック応答を受信するステップを含み得る。方法は、APが、複数のSTAにH-ARQフィードバック応答トリガメッセージを送信するステップを含み得る。方法は、APが、H-ARQフィードバック応答トリガメッセージに基づいて、H-ARQフィードバック応答を受信するステップを含み得る。H-ARQフィードバック応答トリガメッセージは、STA識別(ID)を含み得る。H-ARQフィードバック応答トリガメッセージは、STAが使用するためのリソースユニット(RU)のセットを含み得る。H-ARQフィードバック応答トリガメッセージは、アップリンク送信のために許可されるRUの数を示すリソースユニット(RU)ファクタを含み得る。RUファクタは、RU目的を含み得る。RU目的は、反復送信であってもよい。RU目的は、独立した送信であってもよい。
【0006】
H-ARQフィードバックは、H-ARQフィードバックがコードワード(CW)/CWグループ(CWG)ベースの肯定応答であることを示すためのフィールドを含み得る。H-ARQフィードバックは、パケット識別(ID)を含み得る。パケットIDは、HARQ送信ID、シーケンス番号、MACプロトコルデータユニット(MPDU)ID、または物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)IDであり得る。パケットIDは、PLCPヘッダ内で搬送され得る。H-ARQフィードバックは、アグリゲートされたCW/CWG肯定応答であり得る。H-ARQフィードバックは、ヌルデータパケット(NDP)内で搬送され得る。NDPパケットは、PLCPヘッダを含み得る。NDPパケットのPLCPヘッダは、広帯域PLCPヘッダと狭帯域PLCPヘッダとを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
より詳細な理解は、添付の図面と共に例として与えられる、下記の説明から得ることができ、添付の図面において、図中の同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【0008】
図1A】1つまたは複数の開示される実施形態が実装され得る例示的な通信システムを例示するシステム図である。
図1B】一実施形態による、図1Aに示される通信システム内で使用され得る例示的なワイヤレス送受信ユニット(WTRU)を例示するシステム図である。
図1C】一実施形態による、図1Aに示される通信システム内で使用され得る例示的な無線アクセスネットワーク(RAN)および例示的なコアネットワーク(CN)を例示するシステム図である。
図1D】一実施形態による、図1Aに示される通信システム内で使用され得るさらなる例示的なRANおよびさらなる例示的なCNを例示するシステム図である。
図1E】1つまたは複数の開示される実施形態が実装され得る例示的な通信システムを例示するシステム図である。
図2】1つまたは複数のSTAについてのOFDMAを通じた並行HARQプロセスの例を例示する送信図である。
図3】複数のSTAについてのOFDMAを通じた並行HARQプロセスの例を例示する送信図である。
図4】OFDMAを通じた1つまたは複数のSTAについての並行なRV送信の例を例示する送信図である。
図5】STAの観点からのマルチAP HARQダウンリンクプロセスの例を例示するフロー図である。
図6】マルチAP HARQダウンリンク送信の例を例示する送信図である。
図7】マルチAP HARQダウンリンク送信の例を例示する送信図である。
図8】マルチAP HARQダウンリンク送信の例を例示する送信図である。
図9】STAの観点からのマルチAP HARQアップリンクプロセスの例を例示するフロー図である。
図10】マルチAP HARQアップリンク送信の例を例示する送信図である。
図11】マルチAP HARQアップリンク送信の例を例示する送信図である。
図12】マルチAP HARQ肯定応答の例を例示するSIG-B図である。
図13】複数のSTAのためのバックホール上で送信されるA-PPDUフォーマットの例を例示するパケット図である。
図14A】HARQプロセスごとに一意のSIG-Bフィールドを使用する、例示的な送信プロセスを例示するフロー図である。
図14B】HARQプロセスごとに一意のSIG-Bフィールドを使用する、異なるレベル/層の送信の例を例示する図である。
図15】単一のSIG-Bが、全てのPHYサブフレームに関連するHARQ情報を例示する例を例示するパケット図である。
図16】単一のSIG-Bが、PHYサブフレームのグループに関連するHARQ情報を示す例を例示するパケット図である。
図17】基本的なコードワード(CW)/CWグループ(CWG)ベースの肯定応答のためのフレームフォーマットの例を例示するSIG-B図である。
図18】アグリゲートされたコードワード(CW)/CWグループ(CWG)ベースの肯定応答のためのフレームフォーマットの例を例示するSIG-B図である。
図19】UL NDP CWベースの肯定応答と共にDL OFDMA送信の例を例示する送信図である。
図20】単一のコード(CW)についての例示的な低密度パリティチェック(LDPC)符号化を例示する図である。
図21】LDPC符号化におけるパンクチャリングの例を例示する図である。
図22】LDPC符号化におけるパディングの例を例示する図である。
図23】LDPC符号化におけるIR-HARQのためのパンクチャリングの例を例示する符号化図である。
図24】パリティバッファラップアラウンドと共にIR-HARQのためのパンクチャリングの例を例示する符号化図である。
図25】全バッファラップアラウンドと共にIR-HARQのためのパンクチャリングの例を例示する符号化図である。
図26】IR-HARQのためのパディングの例を例示する符号化図である。
図27】IR-HARQのためのパディングの例を例示する符号化図である。
図28A】2つのAPから単一のSTAへの共同送信の例を例示する図である。
図28B】バックホールを用いた、2つのAPから単一のSTAへの共同送信の例を例示する図である。
図28C】アクセスリンクのドリフトを修正するためにバックホールを使用する例を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1Aは、1つまたは複数の開示される実施形態が実装され得る例示的な通信システム100を例示するシステム図である。通信システム100は、複数の無線ユーザに対して、音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャスト等などのコンテンツを提供する多元接続システムであってもよい。通信システム100は、ワイヤレス帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、複数の無線ユーザがそのようなコンテンツにアクセスすることを可能にし得る。例えば、通信システム100は、1つまたは複数のチャネルアクセス方法、例えば、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)、ゼロテールユニークワード(zero-tail unique-word)離散フーリエ変換拡散OFDM(ZT-UW-DFT-S-OFDM)、ユニークワードOFDM(UW-OFDM)、リソースブロックフィルタードOFDM(resource block-filtered OFDM)、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC)等などを採用してもよい。
【0010】
図1Aに示されるように、通信システム100は、ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク(CN)106、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、および他のネットワーク112を含み得るが、開示される実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を想定することが認識されるであろう。WTRU 102a、102b、102c、102dの各々は、無線環境において動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスであってもよい。例として、WTRU 102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信および/または受信するように構成され得、ユーザ機器(UE)、移動局、固定またはモバイル加入者ユニット、サブスクリプション型ユニット、ページャ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、STA、ラップトップコンピュータ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、ワイヤレスセンサ、ホットスポットまたはMi-Fiデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、時計または他のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、車両、ドローン、医療デバイスおよびアプリケーション(例えば、遠隔手術)、産業デバイスおよびアプリケーション(例えば、産業用および/または自動処理チェーンコンテキストにおいて動作するロボットおよび/または他のワイヤレスデバイス)、家電デバイス、商業用および/または産業用ワイヤレスネットワーク上で動作するデバイス等と均等であってもよく、または、これらを含んでもよい。WTRU102a、102b、102cおよび102dのいずれも、互換的にUEと称されることがある。本明細書において論じられるように、WTRUは、互換的にSTAと称されることがあり、STAは、互換的にWTRUと称されることがあり、本明細書において論じられるように、STAおよびWTRUは、均等および/または同じであってもよい。
【0011】
通信システム100は、基地局114aおよび/または基地局114bも含み得る。基地局114a、114bの各々は、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つとワイヤレスでインターフェースして、1つまたは複数の通信ネットワーク、例えば、CN106、インターネット110、および/またはその他のネットワーク112などへのアクセスを促進するように構成された任意のタイプのデバイスであり得る。例として、基地局114a、114bは、基地送受信局(BTS)、ノードB、eノードB(eNB)、ホームノードB、ホームeノードB、gノードB(gNB)などの次世代ノードB、新無線(NR)ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ワイヤレスルータ等であり得る。基地局114a、114bは各々、単一の要素として図示されているが、基地局114a、114bが任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含んでもよいことが認識されるであろう。
【0012】
基地局114aは、RAN104の一部であってもよく、RAN104は、他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)、例えば、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、リレーノード等なども含んでもよい。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)と称され得る、1つまたは複数の搬送周波数上でワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成され得る。これらの周波数は、認可されたスペクトル、認可されていないスペクトル、または認可されたスペクトルと認可されていないスペクトルとの組み合わせであってもよい。セルは、比較的固定され得る、または時間と共に変化し得る特定の地理的領域へのワイヤレスサービスのためのカバレッジを提供し得る。セルは、セルセクタへとさらに分割されてもよい。例えば、基地局114aに関連付けられたセルは、3つのセクタへと分割されてもよい。したがって、1つのシナリオにおいて、基地局114aは、3つの送受信機(例えば、セルのセクタごとに1つ)を含み得る。1つのシナリオにおいて、基地局114aは、多入力多出力(MIMO)技術を採用してもよく、セルのセクタごとに複数の送受信機を利用してもよい。例えば、ビームフォーミングは、所望の空間方向において信号を送信および/または受信するために使用され得る。
【0013】
基地局114a、114bは、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数とエアインターフェース116上で通信し得、エアインターフェース116は、任意の適切なワイヤレス通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、センチメートル波、マイクロメートル波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光等)であり得る。エアインターフェース116は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立され得る。
【0014】
より詳細には、上述したように、通信システム100は、多元接続システムであってもよく、1つまたは複数のチャネルアクセススキーム、例えば、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMA等などを採用してもよい。例えば、RAN104内の基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)地上無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実装してもよく、UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA)を使用してエアインターフェース116を確立し得る。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)および/または進化型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含み得る。HSPAは、高速ダウンリンク(DL)パケットアクセス(HSDPA)および/または高速アップリンク(UL)パケットアクセス(HSUPA)を含み得る。
【0015】
1つのシナリオにおいて、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、進化型UMTS地上無線アクセス(E-UTRA)などの無線技術を実装してもよく、E-UTRAは、ロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTEアドバンスト(LTE-A)および/またはLTEアドバンストプロ(LTE-A Pro)を使用して、エアインターフェース116を確立し得る。
【0016】
1つのシナリオにおいて、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、NR無線アクセスなどの無線技術を実装してもよく、NR無線アクセスは、NRを使用してエアインターフェース116を確立し得る。
【0017】
1つのシナリオにおいて、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、複数の無線アクセス技術を実装してもよい。例えば、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、例えばデュアル接続(DC)原理を使用して、LTE無線アクセスおよびNR無線アクセスを共に実装してもよい。したがって、WTRU102a、102b、102cによって利用されるエアインターフェースは、複数のタイプの無線アクセス技術ならびに/または複数のタイプの基地局(例えば、eNBおよびgNB)へ/から送られる送信によって特徴付けられ得る。
【0018】
他のシナリオにおいて、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、無線技術、例えば、IEEE802.11(すなわち、ワイヤレスフィデリティ(WiFi)、IEEE802.16(すなわち、マイクロ波アクセスのための世界的な相互運用性(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、暫定標準2000(IS-2000)、暫定標準95(IS-95)、暫定標準856(IS-856))、移動体通信用グローバルシステムシステム(GSM)、GSM進化型高速データレート(EDGE)、GSM EDGE(GERAN)等などを実装してもよい。
【0019】
図1Aの基地局114bは、例えば、ワイヤレスルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントであってもよく、局所的な領域、例えば、事業所、家庭、車両、キャンパス、産業施設、(例えば、ドローンによる使用のための)空中回廊、車道等などにおけるワイヤレス接続性を促進するために任意の適切なRATを利用し得る。1つのシナリオにおいて、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、IEEE802.11などの無線技術を実装して、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立し得る。1つのシナリオにおいて、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、IEEE802.15などの無線技術を実装して、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立し得る。別のシナリオにおいて、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、セルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-Aプロ、NR等)を利用して、ピコセルまたはフェムトセルを確立し得る。図1Aに示されるように、基地局114bは、インターネット110への直接接続を有し得る。したがって、基地局114bは、CN106を介してインターネット110にアクセスすることを必要とされなくてもよい。
【0020】
RAN104は、CN106と通信することができ、CN106は、音声、データ、アプリケーション、および/またはボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数に提供するように構成された任意のタイプのネットワークであり得る。データは、変動するサービス品質(QoS)要件、例えば、異なるスループット要件、レイテンシ要件、誤差許容要件、信頼度要件、データスループット要件、モビリティ要件等などを有し得る。CN106は、呼制御、課金サービス、モバイルロケーションベースのサービス、プリペイド通話、インターネット接続性、ビデオ配信等を提供し、および/またはユーザ認証などの高度なセキュリティ機能を実行し得る。図1Aには図示されていないが、RAN104および/またはCN106は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを採用する他のRANと直接的または間接的に通信し得ることが認識されるであろう。例えば、NR無線技術を利用しているかもしれないRAN104に対して接続されることに加えて、CN106は、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA、またはWiFi無線技術を採用する別のRAN(図示せず)とも通信し得る。
【0021】
CN106は、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108、インターネット110、および/またはその他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとしての役割も果たし得る。PSTN108は、旧来の電話サービス(POTS)を提供する回線交換電話網を含んでもよい。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイートにおける送信制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)および(または)インターネットプロトコル(IP)などの一般的な通信プロトコルを使用する、相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスのグローバルなシステムを含み得る。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運用される、有線および/またはワイヤレス通信ネットワークを含み得る。例えば、ネットワーク112は、1つまたは複数のRANに接続される別のCNを含んでもよく、1つまたは複数のRANは、RAN104と同じRATまたは異なるRATを採用していてもよい。
【0022】
通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dのうちの一部または全部は、マルチモード能力を含み得る(例えば、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なるワイヤレスリンク上で異なるワイヤレスネットワークと通信するための複数の送受信機を含み得る)。例えば、図1Aに示されるWTRU 102cは、セルラベースの無線技術を採用し得る基地局114a、およびIEEE802無線技術を採用し得る基地局114bと通信するように構成されてもよい。
【0023】
図1Bは、例示的なWTRU102を例示するシステム図である。図1Bに示されるように、WTRU102は、特に、プロセッサ118、送受信機120、送受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、非リムーバブルメモリ130、リムーバブルメモリ132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、および/または他の周辺機器138を含み得る。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、前述の要素の任意のサブ組み合わせを含んでもよいことが認識されるであろう。
【0024】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、任意の他のタイプの集積回路(IC)、状態機械等であってもよい。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入出力処理、および/またはWTRU102が無線環境内で動作することを可能にする任意の他の機能性を実行し得る。プロセッサ118は、送受信機120に結合され得、送受信機120は、送受信要素122に結合され得る。図1Bは、プロセッサ118および送受信機120を別個の構成要素として図示しているが、プロセッサ118および送受信機120は、電子パッケージまたはチップに共に一体化されてもよいことが認識されるであろう。
【0025】
送受信要素122は、エアインターフェース116上で、基地局(例えば、基地局114a)へ信号を送信し、または基地局から信号を受信するように構成され得る。例えば、送受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナであってもよい。1つのシナリオにおいて、送受信要素122は、例えば、IR信号、UV信号、または可視光信号を送信するように構成されたエミッタ/検出器であってもよい。別のシナリオにおいて、送受信要素122は、RF信号と光信号との両方を送信および/または受信するように構成されてもよい。送受信要素122は、ワイヤレス信号の任意の組み合わせを送信および/または受信するように構成されてもよいことが認識されるであろう。
【0026】
送受信要素122は、図1Bにおいて単一の要素として図示されているが、WTRU102は、任意の数の送受信要素122を含んでもよい。より詳細には、WTRU102は、MIMO技術を採用してもよい。したがって、1つのシナリオにおいて、WTRU102は、エアインターフェース116上でワイヤレス信号を送信および受信するための2つ以上の送受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含み得る。
【0027】
送受信機120は、送受信要素122によって送信されるべき信号を変調し、送受信要素122によって受信される信号を復調するように構成され得る。上述したように、WTRU102は、マルチモード能力を有し得る。したがって、送受信機120は、WTRU102が、例えば、NRおよびIEEE802.11などの複数のRATを介して通信することを可能にするための複数の送受信機を含み得る。
【0028】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイユニットもしくは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合され得、これらからユーザ入力データを受信し得る。プロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128にユーザデータも出力し得る。また、プロセッサ118は、非リムーバブルメモリ130および/またはリムーバブルメモリ132などの任意のタイプの適切なメモリからの情報にアクセスし、任意のタイプの適切なメモリにデータを記憶し得る。非リムーバブルメモリ130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他のタイプのメモリ記憶デバイスを含み得る。リムーバブルメモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリースティック、セキュアデジタル(SD)メモリーカード等を含み得る。他の実施形態において、プロセッサ118は、WTRU102上に物理的に位置せず、サーバまたはホームコンピュータ(図示せず)上などのメモリからの情報にアクセスし、メモリにデータを記憶してもよい。
【0029】
プロセッサ118は、電源134から電力を受信し得、WTRU 102内の他の構成要素に電力を分配および/または制御するように構成され得る。電源134は、WTRU102に電力供給するための任意の適切なデバイスであり得る。例えば、電源134は、1つまたは複数の乾電池バッテリ(例えば、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケルメタルハイドライド(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)等)、太陽電池、燃料電池等を含んでもよい。
【0030】
プロセッサ118は、GPSチップセット136にも結合され得、GPSチップセット136は、WTRU102の現在のロケーションに関する位置情報(例えば、経度および緯度)を提供するように構成され得る。GPSチップセット136からの情報に加えて、またはその代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインターフェース116上で位置情報を受信し、および/または2つ以上の近くの基地局から受信されている信号のタイミングに基づいて、その位置を決定し得る。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の適切な位置決定方法を通じて位置情報を獲得してもよいことが認識されるであろう。
【0031】
プロセッサ118は、他の周辺機器138にさらに結合されてもよく、他の周辺機器138は、さらなる特徴、機能性および/または有線もしくはワイヤレス接続性を提供する、1つまたは複数のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールを含み得る。例えば、周辺機器138は、加速度計、電子コンパス、人工衛星送受信機、(写真および/またはビデオのための)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動デバイス、テレビ送受信機、ハンズフリーヘッドセット、ブルートゥース(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、仮想現実(VR)および/または拡張現実感(AR)デバイス、アクティビティトラッカー等を含んでもよい。周辺機器138は、1つまたは複数のセンサを含み得る。センサは、ジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサ、磁力計、向きセンサ、近接センサ、温度センサ、時間センサ、ジオロケーションセンサ、高度計、光センサ、タッチセンサ、磁力計、気圧計、ジェスチャセンサ、生体認証センサ、湿度センサ等のうちの1つまたは複数であってもよい。
【0032】
WTRU102は、(例えば、(例えば、送信のための)ULと(例えば、受信のための)DLとの両方のための特定のサブフレームに関連付けられた)信号の一部または全部の送信および受信が並行および/または同時であり得る全二重無線を含み得る。全二重無線は、ハードウェア(例えば、チョーク)、またはプロセッサ(例えば、別個のプロセッサ(図示せず)もしくはプロセッサ118を介して)を介した信号処理のいずれかを介して、自己干渉を低減し、または実質的に除去するための干渉管理ユニットを含み得る。1つのシナリオにおいて、WTRU102は、(例えば、(例えば、送信のための)ULまたは(例えば、受信のための)DLのいずれかのための特定のサブフレームに関連付けられた)信号の一部または全部の送信および受信のための半二重無線を含んでもよい。
【0033】
図1Cは、1つまたは複数の実施形態によるRAN104およびCN106を例示するシステム図である。上述したように、RAN104は、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するためにE-UTRA無線技術を採用し得る。RAN104は、CN106とも通信し得る。
【0034】
RAN104は、eノードB160a、160b、160cを含み得るが、RAN104は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の数のeノードBを含んでもよいことが認識されるであろう。eノードB160a、160b、160cは各々、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数の送受信機を含み得る。1つのシナリオにおいて、eノードB160a、160b、160cは、MIMO技術を実装してもよい。したがって、eノードB160aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aへワイヤレス信号を送信し、および/またはWTRU102aからワイヤレス信号を受信してもよい。
【0035】
eノードB160a、160b、160cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられ得、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザのスケジューリング等を取り扱うように構成され得る。図1Cに示されるように、eノードB160a、160b、160cは、x2インターフェース上で互いに通信し得る。
【0036】
図1Cに示されるCN106は、モビリティ管理エンティティ(MME)162、サービングゲートウェイ(SGW)164、およびパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)166を含み得る。前述の要素は、CN106の一部として図示されているが、これらの要素のいずれも、CN運用者以外のエンティティによって所有および/または運用されてもよいことが認識されるであろう。
【0037】
MME162は、S1インターフェースを介してRAN104内のeノードB162a、162b、162cの各々に接続され得、制御ノードとしての役割を果たし得る。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ベアラアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ期間中に特定のサービングゲートウェイを選択すること等に関与する。MME162は、RAN104と、GSMおよび/またはWCDMAなどの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間の切り替えのための制御プレーン機能を提供し得る。
【0038】
SGW164は、S1インターフェースを介してRAN104内のeノードB160a、160b、160cの各々に接続され得る。SGW164は、一般に、WTRU 102a、102b、102cへ/からユーザデータパケットをルーティングおよび転送し得る。SGW164は、他の機能、例えば、eノードB間ハンドオーバの期間中にユーザプレーンをアンカリングすること、DLデータがWTRU102a、102b、102cにとって利用可能である場合にページングをトリガすること、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理および記憶すること等を実行し得る。
【0039】
SGW164は、PGW166に接続され得、PGW166は、WTRU 102a、102b、102cにインターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応のデバイスとの間の通信を促進し得る。
【0040】
CN106は、他のネットワークとの通信を促進し得る。例えば、CN106は、WTRU102a、102b、102cにPSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の固定電話通信デバイスとの間の通信を促進し得る。例えば、CN106は、CN106とPSTN108との間のインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含んでもよく、またはIPゲートウェイと通信してもよい。また、CN106は、WTRU102a、102b、102cに他のネットワーク112へのアクセスを提供し得、他のネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運用される、他の有線および/またはワイヤレスネットワークを含んでもよい。
【0041】
WTRUは、図1A図1Eにおいてワイヤレス端末として説明されているが、一定の代表的な実施形態においては、そのような端末が通信ネットワークとの有線通信インターフェースを(例えば、一時的にまたは恒久的に)使用し得ることが想定される。
【0042】
図1Dは、一実施形態によるRAN104およびCN106を例示するシステム図である。上述したように、RAN104は、NR無線技術を採用して、WTRU102a、102b、102cとエアインターフェース116上で通信し得る。RAN104は、CN106とも通信し得る。
【0043】
RAN104は、gNB180a、180b、180cを含み得るが、RAN104は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の数のgNBを含んでもよいことが認識されるであろう。gNB180a、180b、180cは各々、WTRU102a、102b、102cとエアインターフェース116上で通信するための1つまたは複数の送受信機を含み得る。1つのシナリオにおいて、gNB180a、180b、180cは、MIMO技術を実装してもよい。例えば、gNB180a、108bは、ビームフォーミングを利用して、gNB180a、180b、180cへ信号を送信し、および/またはgNB180a、180b、180cから信号を受信し得る。したがって、例えば、gNB180aは、複数のアンテナを使用して、WTRU102aへワイヤレス信号を送信し、および/またはWTRU102aからワイヤレス信号を受信し得る。1つのシナリオにおいて、gNB180a、180b、180cは、キャリアアグリゲーション技術を実装してもよい。例えば、gNB180aは、WTRU 102aに複数のコンポーネントキャリアを送信し得る(図示せず)。これらのコンポーネントキャリアのサブセットは、認可されていないスペクトル上にあることがあり、一方で、残りのコンポーネントキャリアは、認可されたスペクトル上にあることがある。1つのシナリオにおいて、gNB180a、180b、180cは、協調マルチポイント(CoMP)技術を実装してもよい。例えば、WTRU102aは、gNB180aおよびgNB180b(および/またはgNB180c)から協調送信を受信してもよい。
【0044】
WTRU102a、102b、102cは、スケーラブルヌメロロジーに関連付けられた送信を使用して、gNB180a、180b、180cと通信し得る。例えば、OFDMシンボル間隔および/またはOFDMサブキャリア間隔は、異なる送信、異なるセル、および/またはワイヤレス送信スペクトルの異なる部分に対して、変動することがある。WTRU102a、102b、102cは、様々なまたはスケーラブルな長さの(例えば、変動する数のOFDMシンボルを含む、および/または変動する長さの絶対的な時間が続く)サブフレームまたは送信時間間隔(TTI)を使用して、gNB180a、180b、180cと通信し得る。
【0045】
gNB180a、180b、180cは、スタンドアロン構成および/または非スタンドアロン構成において、WTRU102a、102b、102cと通信するように構成され得る。スタンドアロン構成において、WTRU102a、102b、102cは、他のRAN(例えば、eノードB160a、160b、160cなど)にさらにアクセスすることなく、gNB180a、180b、180cと通信し得る。スタンドアロン構成において、WTRU102a、102b、102cは、gNB180a、180b、180cのうちの1つまたは複数をモビリティアンカーポイントとして利用してもよい。スタンドアロン構成において、WTRU102a、102b、102cは、認可されていない帯域内の信号を使用して、gNB180a、180b、180cと通信し得る。非スタンドアロン構成において、WTRU102a、102b、102cは、eノードB160a、160b、160cなどの別のRANとも通信/接続しながら、gNB180a、180b、180cと通信/接続し得る。例えば、WTRU102a、102b、102cは、DC原理を実装して、1つまたは複数のgNB180a、180b、180cおよび1つまたは複数のeノードB160a、160b、160cと実質的に同時に通信し得る。非スタンドアロン構成において、eノードB160a、160b、160cは、WTRU102a、102b、102cのためのモビリティアンカーとしての役割を果たしてもよく、gNB180a、180b、180cは、WTRU102a、102b、102cにサービス提供するための付加的なカバレッジおよび/またはスループットを提供してもよい。
【0046】
gNB180a、180b、180cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられてもよく、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザのスケジューリング、ネットワークスライシングのサポート、DC、NRとE-UTRAとの間のインターワーキング、ユーザプレーン機能(UPF)184a、184bへのユーザプレーンデータのルーティング、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)182a、182bへの制御プレーン情報のルーティング等を取り扱うように構成され得る。図1Dに示されるように、gNB180a、180b、180cは、Xnインターフェース上で互いに通信し得る。
【0047】
図1Dに示されるCN106は、少なくとも1つのAMF182a、182b、少なくとも1つのUPF 184a、184b、少なくとも1つのセッション管理機能(SMF)183a、183b、および、場合により、データネットワーク(DN)185a、185bを含み得る。前述の要素は、CN106の一部として図示されているが、これらの要素のいずれも、CN運用者以外のエンティティによって所有および/または運用されてもよいことが認識されるであろう。
【0048】
AMF182a、182bは、N2インターフェースを介してRAN104内のgNB180a、180b、180cのうちの1つまたは複数に接続され得、制御ノードとしての役割を果たし得る。例えば、AMF182a、182bは、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ネットワークスライシングのためのサポート(例えば、異なる要件を有する異なるプロトコルデータユニット(PDU)セッションを取り扱うこと)、特定のSMF183a、183bを選択すること、登録領域の管理、非アクセス層(NAS)シグナリングの終了、モビリティ管理等に関与し得る。ネットワークスライシングは、WTRU102a、102b、102cによって利用されているサービスのタイプに基づいて、WTRU102a、102b、102cのためのCNサポートをカスタマイズするために、AMF182a、182bによって使用され得る。例えば、異なるネットワークスライスが、異なる用途、例えば、超高信頼低遅延(URLLC)アクセスに依拠するサービス、拡張大規模モバイルブロードバンド(eMBB)アクセスに依拠するサービス、MTCアクセスのためのサービス等などのために確立され得る。AMF182a、182bは、RAN104と、他の無線技術、例えば、LTE、LTE-A、LTE-Aプロ、および/または、WiFiなどの非3GPPアクセス技術などを採用する他のRAN(図示せず)との間の切り替えのために、制御プレーン機能を提供し得る。
【0049】
SMF183a、183bは、N11インターフェースを介してCN106内のAMF182a、182bに接続され得る。SMF183a、183bは、N4インターフェースを介してCN106内のUPF184a、184bにも接続され得る。SMF183a、183bは、UPF 184a、184bを選択および制御し、UPF184a、184bを通じてトラフィックのルーティングを構成し得る。SMF183a、183bは、他の機能、例えば、UE IPアドレスを管理することおよび割り当てること、PDUセッションを管理すること、ポリシー施行およびQoSを制御すること、DLデータ通知を提供すること等などを実行し得る。PDUセッションタイプは、IPベースであっても、非IPベースであっても、イーサネットベース等であってもよい。
【0050】
UPF184a、184bは、N3インターフェースを介してRAN104内のgNB180a、180b、180cのうちの1つまたは複数に接続され得、N3インターフェースは、WTRU102a、102b、102cに、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を促進し得る。UPF184、184bは、他の機能、例えば、パケットをルーティングおよび転送すること、ユーザプレーンポリシーを施行すること、マルチホームPDUセッションをサポートすること、ユーザプレーンQoSを取り扱うこと、DLパケットをバッファリングすること、モビリティアンカリングを提供すること等などを実行し得る。
【0051】
CN106は、他のネットワークとの通信を促進し得る。例えば、CN 106は、CN106とPSTN108との間のインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含んでもよく、またはIPゲートウェイと通信してもよい。また、CN106は、WTRU102a、102b、102cに他のネットワーク112へのアクセスを提供し得、他のネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運用される、他の有線および/またはワイヤレスネットワークを含んでもよい。1つのシナリオにおいて、WTRU102a、102b、102cは、UPF184a、184bへのN3インターフェース、およびUPF184a、184bとDN185a、185bとの間のN6インターフェースを介して、UPF184a、184bを通じてローカルDN185a、185bに接続され得る。
【0052】
図1A図1E、および図1A図1Eの対応する説明を考慮して、WTRU102a~d、基地局114a~b、eノードB160a~c、MME162、SGW164、PGW166、gNB180a~c、AMF182a~b、UPF184a~b、SMF183a~b、DN185a~b、AP190a~b、および/または、本明細書において説明される任意の他のデバイスのうちの1つもしくは複数に関して、本明細書において説明される機能のうちの1つまたは複数、または全部は、1つまたは複数のエミュレーションデバイス(図示せず)によって実行されてもよい。エミュレーションデバイスは、本明細書において説明される機能のうちの1つまたは複数、または全部をエミュレートするように構成された、1つまたは複数のデバイスであり得る。例えば、エミュレーションデバイスは、他のデバイスをテストするために、ならびに/またはネットワーク機能および/もしくはWTRU機能をシミュレートするために、使用されてもよい。
【0053】
エミュレーションデバイスは、研究所環境において、および/または運用者ネットワーク環境において、他のデバイスの1つまたは複数のテストを実装するように設計され得る。例えば、1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、有線および/またはワイヤレス通信ネットワークの一部として、完全にまたは部分的に実装および/または展開されつつ、通信ネットワーク内の他のデバイスをテストするために、1つまたは複数、または全部の機能を実行し得る。1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、有線および/またはワイヤレス通信ネットワークの一部として一時的に実装/展開されつつ、1つまたは複数、または全部の機能を実行してもよい。エミュレーションデバイスは、空中ワイヤレス通信を使用してテストをする目的および/またはテストを実行する目的のために、別のデバイスに直接結合されてもよい。
【0054】
1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、有線および/またはワイヤレス通信ネットワークの一部として実装/展開されずに、1つ、または全部を含む複数の機能を実行してもよい。例えば、エミュレーションデバイスは、1つまたは複数の構成要素のテストを実装するために、テスト用研究室ならびに/または展開されない(例えば、テスト用の)有線および/もしくはワイヤレス通信ネットワーク内でのテスト用シナリオにおいて利用されてもよい。1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、テスト機器であってもよい。直接的なRF結合および/または(例えば、1つもしくは複数のアンテナを含み得る)RF回路構成を介したワイヤレス通信は、データを送信および/または受信するためにエミュレーションデバイスによって使用され得る。
【0055】
いくつかの例において、図1Aの他のネットワーク112は、IEEE802.11によって定義されるものなどの、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)であってもよい。図1Eは、例示的な通信システム(例えば、WLAN)を例示するシステム図である。
【0056】
インフラストラクチャ基本サービスセット(BSS)191aおよび191bモードにおけるWLANは各々、BSS191aおよび191bそれぞれのためのアクセスポイント(AP)190aおよび190b、ならびにAP190a、190bに関連付けられた1つまたは複数のWTRU102a~e(例えば、STA)を有し得る。本明細書において論じられるように、所与のBSSは、ネットワークと称されることがあり、局所的に発生する通信を指すことがある。AP190a、190bは、配信システム(DS:Distribution System)、またはBSS内へおよび/もしくはBSS外へトラフィックを搬送する別のタイプの有線/ワイヤレスネットワーク(図示せず)へのアクセスまたはインターフェースを有し得る。BSS(例えば191a、191b)の外部に由来するWTRUへのトラフィックは、AP(例えば、190a、190b)を通じて到達し得、WTRUへ配信され得る。BSS191aの外部の送信先への、WTRU190c~eに由来するトラフィックは、AP190aへ送られて、それぞれの送信先へ配信され得る。BSS191a内のWTRU190c~e間のトラフィックは、例えば、AP190aを通じて送られ得、ただし、送信元WTRU102cは、トラフィックをAP190aへ送り得、AP190aは、トラフィックを送信先STA190dへ配信し得る。BSS(例えば、191a)内のSTA(例えば、190c~e)間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックとして考慮され、および/または称され得る。ピアツーピアトラフィックは、ダイレクトリンクセットアップ(DLS)を用いて、送信元WTRUと送信先WTRUとの間で(例えば、これらの間で直接)送られ得る。いくつかの場合において、DLSは、802.11e DLSまたは、802.11zトンネル化DLS(TDLS:tunneled DLS)を使用してもよい。
【0057】
いくつかの場合において、独立BSS(IBSS:Independent BSS)モードを使用するWLANは、APを有しないことがあり、IBSS内の、またはIBSSを使用するSTA(例えば、STAの全部)は、互いに直接通信し得る。通信のIBSSモードは、通信の「アドホック」モードと本明細書において称されることがあり得る。
【0058】
802.11acインフラストラクチャ動作モードまたは同様の動作モードを使用する場合、APは、1次チャネルなどの固定チャネル上でビーコンを送信し得る。1次チャネルは、固定された幅(例えば、20MHzの広い帯域幅)であっても、または動的に設定される幅であってもよい。1次チャネルは、BSSの動作チャネルであり得、APとの接続を確立するためにSTAによって使用され得る。いくつかの状況において、衝突回避を伴うキャリアセンスマルチプルアクセス(CSMA/CA:Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)が、例えば、802.11システムにおいて実装されてもよい。CSMA/CAの場合、APを含むSTA(例えば、あらゆるSTA)は、1次チャネルを感知し得る。特定のSTAによって1次チャネルが感知/検出され、および/または使用中であると決定された場合、そのSTAはバックオフし得る。1つのSTA(例えば、1つの局のみ)が、所与のBSS内で任意の所定の時に送信し得る。
【0059】
高スループット(HT)STAは、例えば、20MHzの1次チャネルと、隣接するまたは隣接しない20MHzのチャネルとを組み合わせて、40MHzの広帯域チャネルを形成することにより、通信のために40MHzの広帯域チャネルを使用し得る。
【0060】
超高スループット(VHT)STAは、20MHz、40MHz、80MHz、および/または160MHzの広帯域チャネルをサポートし得る。40MHzおよび/または80MHzのチャネルは、近接する20MHzのチャネルを組み合わせることによって形成されてもよい。160MHzのチャネルは、8つの近接する20MHzのチャネルを組み合わせることによって、または、80+80構成と称され得る、2つの近接しない80MHzのチャネルを組み合わせることによって、形成されてもよい。80+80構成の場合、データは、チャネル符号化の後に、データを2つのストリームに分割するセグメントパーサに渡され得る。逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、および時間ドメイン処理は、各ストリームに対して別個に行われ得る。ストリームは、2つの80MHzのチャネル上へマッピングされ得、データは、送信側STAによって送信され得る。受信側STAの受信機においては、80+80構成の場合の上述された動作が逆にされ得、組み合わされたデータは、媒体アクセス制御(MAC)へ送られ得る。
【0061】
サブ1GHzの動作モードは、802.11afおよび802.11ahによってサポートされている。チャネル動作帯域幅、および搬送波は、802.11nおよび802.11acにおいて使用されるものに対して、802.11afおよび802.11ahにおいては低減される。802.11afは、テレビホワイトスペース(TVWS)スペクトルにおいて5MHz、10MHz、および20MHzの帯域幅をサポートし、802.11ahは、非TVWSスペクトルを使用して、1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、および16MHzの帯域幅をサポートする。いくつかの状況において、802.11ahは、メータタイプ制御/マシンタイプ通信(MTC)、例えば、マクロカバレッジ領域内のMTCデバイスなどをサポートし得る。MTCデバイスは、一定の能力、例えば、一定のおよび/または限定された帯域幅のためのサポート(例えば、これらのサポートのみ)を含む限定された能力を有し得る。MTCデバイスは、(例えば、非常に長い電池寿命を維持するための)閾値を超える電池寿命を有するバッテリを含んでもよい。
【0062】
複数のチャネルおよびチャネル帯域幅をサポートするWLANシステム、例えば、802.11n、802.11ac、802.11af、および802.11ahなどは、1次チャネルとして指定され得るチャネルを含み得る。1次チャネルは、BSS内の全てのSTAによってサポートされる最大の共通動作帯域幅に等しい帯域幅を有し得る。1次チャネルの帯域幅は、BSS内で動作する全てのSTAのうちで、最小帯域幅の動作モードをサポートするSTAによって設定および/または限定され得る。802.11ahの例においては、たとえBSS内のAPおよび他のSTAが、2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、および/または他のチャネル帯域幅の動作モードをサポートする場合であっても、1次チャネルは、1MHzモードをサポートする(例えば、これしかサポートしない)STA(例えば、MTCタイプデバイス)のために1MHzの幅であり得る。キャリアセンシングおよび/またはネットワーク割り当てベクトル(NAV:Network Allocation Vector)設定は、1次チャネルの状態に依存し得る。1次チャネルが使用中である場合、たとえ利用可能な周波数帯域の大部分が使用されていないままであっても、例えば、APに送信しているSTA(例えば、このSTAは、1MHzの動作モードのみをサポートする)に起因して、全ての利用可能な周波数帯域が使用中であると考慮され得る。
【0063】
米国において、802.11ahによって使用され得る利用可能な周波数帯域は、902MHzから928MHzであり得る。韓国において、利用可能な周波数帯域は、917.5MHzから923.5MHzである。日本において、利用可能な周波数帯域は、916.5MHzから927.5MHzである。802.11ahに対して利用可能な全帯域幅は、国コードに応じて、6MHzから26MHzである。
【0064】
一般に、高効率WLAN(HEW)は、2.4GHz、5GHz、および6GHzの帯域における高密度シナリオを含む、多くの使用法シナリオにおいて、ワイヤレスユーザの幅広いスペクトルについて全てのユーザが経験するサービスの品質を高め得る。AP、およびSTA、および関連する無線リソース管理(RRM)技術の密な展開をサポートする使用例が、HEWに含まれ得る。HEWについての考え得る適用例は、高いユーザ密度シナリオ(例えば、電車駅、競技場イベント、企業/小売り環境等)の使用法シナリオを含み得、医療用途のためのビデオ/データ配信およびワイヤレスサービスへの依存の増加に対処し得る。HEWは、802.11axにおいて実装され得る。
【0065】
また、802.11axは、短いパケットを有する多種多様なシナリオのためのトラフィックに対処し得る。シナリオは、バーチャルオフィス、TPC ACK、ビデオストリーミングACK、デバイス/コントローラ(マウス、キーボード、ゲームコントローラ等)、アクセス-プローブ要求/応答、ネットワーク選択-プローブ要求、ANQP、およびネットワーク管理-制御フレームを含む。
【0066】
802.11axは、ULおよびDL OFDMAならびにULおよびDL MU-MIMOを含むマルチユーザ(MU)機能を有し得る。さらに、異なる目的のためにULランダムアクセスを多重化するためのメカニズムがあり得る。
【0067】
ハイブリッド自動再送要求(HARQ)は、誤り訂正コードと再送信との組み合わせに依拠する、ワイヤレス通信ネットワークにおける送信誤り制御技法である。HARQは、3GPP UMTSおよびLTEなどの、いくつかの通信システムにおいて使用されてきた。
【0068】
2つの普及しているタイプのHARQ結合スキーム、すなわち、チェイス組み合わせ(CC:Chase Combining)HARQと、インクリメンタル冗長度(IR:Incremental Redundancy)HARQとがある。
【0069】
チェイス組み合わせHARQスキームの場合、各再送信は、同じデータおよびパリティビットを含有し得る。受信機は、最大比合成(MRC)を使用して、受信されたパケットと先行する送信とを組み合わせ得る。チェイス組み合わせは、各再送信が受信機におけるビット当たりのエネルギー対雑音電力スペクトル密度比率(Eb/NO)を増加させる、反復コーディングとして考えられてもよい。
【0070】
IR HARQスキームの場合、各再送信は、コーディング済みのビットの異なるセット(例えば、エンコーダ出力をパンクチャすることによって生成される異なる冗長バージョン)を使用し得る。ターボコードの場合、これは、異なるシステマチックビットおよびパリティビットを意味する。各再送信において、受信機は、追加の情報を獲得し得る。再送信は、パリティビットのみを含有してもよく、または、自己復号可能であってもよい。
【0071】
HARQスキームは、同期または非同期のどちらかに分類され得、各場合における再送信は、適応的または非適応的のどちらかである。同期HARQの場合、各プロセスについての再送信は、最初の送信に対して予め定義された時に発生し得る。このため、再送信タイミングから推測され得るHARQプロセスIDをシグナリングする必要はない。非同期HARQの場合、再送信は、最初の送信に対して任意の時に発生し得る。このため、受信機が各再送信を対応する先行する送信と正確に関連付けることができることを確実にするべく、HARQプロセスIDを示すために明示的なシグナリングが必要とされる。
【0072】
LTEにおいて、HARQエンティティは、MAC層に位置しており、MAC層は、送信/受信HARQ動作に関与する。送信HARQ動作は、トランスポートブロックの送信および再送信、ならびにACK/NAKシグナリングの受信および処理を含む。受信HARQ動作は、トランスポートブロックの受信、受信されたデータの組み合わせ、および復号結果に基づいたACK/NAKシグナリングの生成を含む。先行するトランスポートブロックが復号されている間に、連続的な送信を可能にするために、最大8個の並行したHARQプロセスが使用されて、マルチプロセス「ストップアンドウェイト」(SAW)HARQ動作がサポートされ得る。マルチプロセスHARQは、全ての送信リソースがプロセスのうちの1つによって使用されることが可能となるように、いくつかの独立したSAWプロセスを時間的にインターレースする。各HARQプロセスは、別個のSAW動作に関与し、別個のバッファを管理する。
【0073】
LTEにおいて、非同期適応HARQは、ダウンリンクにおいて使用され、適応的または非適応的のどちらであってもよい同期HARQは、アップリンクにおいて使用される。
【0074】
LTEにおいては、HARQをサポートするために、以下のシグナリング、すなわち、(例えば、非同期HARQのみについての)HARQプロセスID、新しいパケット送信が始まるたびにトグルされ得る新データインジケータ(NDI)、冗長バージョン(RV)、(例えば、適応HARQのみについての)送信ブロックのRV、および、(例えば、適応HARQのみについての)変調符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)が使用され得る。
【0075】
NRにおいては、以下のHARQ機能、すなわち、複数のHARQプロセス、動的および半静的なHARQ ACKコードブック、コードワードブロックグループ(CBG)レベルHARQ再送信、非同期適応HARQ、および、データ送信とHARQ ACKフィードバックとの間の柔軟なタイミングがサポートされ得る。
【0076】
NRにおいては、CBGレベルHARQ再送信があり得、CBGレベルHARQ再送信において、送信ブロック(TB)は、1つまたは複数のCBGを含有し得、1つまたは複数のCBGは、それら自身のHARQ ACKビットを有し得る。したがって、送信機は、部分的なTBを再送信し得る。2つのCBGに関連するシグナリングフィールド、すなわち、CBG送信情報(CBGTI:CBG transmission information )と、CBGフラッシングアウト情報(CBGFI:CBG flushing out information)とは、ダウンリンク制御情報(DCI)によって搬送され得る。CBGTIは、(再)送信が搬送するCBGを示す。CBGFIが「0」に設定されている場合、それは、送信されている同じCBGの以前に受信されたインスタンスが破損しているかもしれないことを示し得る。CBGFIが「1」に設定されている場合、それは、再送信されているCBGが、同じCBGの以前に受信されたインスタンスと組み合わせ可能であることを示し得る。
【0077】
1つもしくは複数の認可されていないもしくは共有される周波数リソースにおいて、または認可された帯域と認可されていない帯域との何らかの組み合わせにおいてデバイスが動作する、認可されていないNR(NR-U:NR unlicensed)において、HARQフィードバックは、認可されていない帯域上で送信され得る。NR-Uは、1つまたは複数のDL HARQプロセスについて、HARQフィードバックの柔軟なトリガリングおよび多重化をサポートするためのメカニズムを利用し得る。NR-Uは、複数のおよび/または補足的な時間および/または周波数ドメイン送信機会を提供するためのメカニズムを含むことによって、LBT障害に起因する所与のHARQプロセスについて、低減されたHARQ ACK/NAK送信機会を取り扱い得る。また、NR-Uは、同じ共有チャネル占拠/占有時間(COT:channel occupation/occupancy time)において、対応するデータのためのHARQ ACK/NAKの送信を有し得る。いくつかの場合において、対応するデータが送信されたCOTとは別個のCOTにおいて、HARQ ACK/NAKが送信されなければならない。
【0078】
超高スループット(EHT:Extremely High Throughput)は、増加するピークスループットに対処し、802.11ネットワークの効率を改善し得る。EHTの使用例は、ビデオオーバWLAN(Video-over-WLAN)、拡張現実(AR)、および仮想現実(VR)などの、高スループットおよび低遅延を必要とする適用例を含み得る。EHTは、以下の機能、すなわち、マルチAP、マルチ帯域、320MHz帯域幅、16個の空間ストリーム、HARQ、(時間および周波数ドメインにおける)全二重、AP協調、半直交多元接続(SOMA:Semi-Orthogonal Multiple Access)、および、6GHzチャネルアクセスのための新しい設計のうちの1つまたは複数を採用し得る。
【0079】
EHTのためのHARQは、弱いリンク適応を克服するために使用され得る。このHARQは、アグレッシブMCSと他のPHY機能とを組み合わせて、BSSエッジカバレッジ(例えば、APまたは別のSTAなどの最も近い送信源から、物理的に遠い、および、場合により、考え得る最も遠い距離におけるSTAのためのカバレッジ)のための拡張された性能を提供し得る。HARQは、MUまたはトリガベース(TB)のPPDUなどの、EHTの場合において利用され得る。HARQは、チェイス組み合わせを使用して10~30%の利得を提供し得、インクリメンタル冗長度が使用される場合には、より高いスループット利得を潜在的に提供することができる。
【0080】
本明細書において論じられる技法に関するプロセス、装置、およびシステムは、一般に、EHTシナリオにおけるHARQ実装に関連するが、これらの技法は、他のワイヤレス技術およびシナリオにも適用可能であり、説明の例および実例のいずれも、これらの技法がどのように、どこで、いつ、または何に対して適用され得るかを限定するようには意図されていない。
【0081】
低遅延適用例(例えば、ゲーム、拡張現実、仮想現実等)を含む、EHTについてのいくつかの使用例において、STAは、多くの小さいパケットを低遅延および高信頼度で送信する必要があり得る。1つのアプローチにおいて、これらの低遅延および高信頼度(例えば、超高信頼度)適用例をサポートするために、UL/DL OFDMAがHARQと共に使用されてもよい。一例において、HARQ送信は、複数のリソースユニット(RU)上で同時に行われ得る。本明細書において論じられるように、RUは、リソース(例えば、時間、周波数等)の基本的な送信ユニットであり得る。RUは、サブチャネルまたはチャネルのリソースと置換され得る。例えば、サブチャネルは、802.11における20MHzのチャネルであってもよい。
【0082】
図2は、OFDMAを通じた並行HARQプロセスの例を例示する送信図である。最初に、AP211は、複数のSTA 212のうちの単一のSTA1に複数のRUを割り当て得る。AP211は、STA1にN個のRUを割り当て得る。201および202において、AP211は、各送信が異なるRU上にある、異なるHARQプロセスIDを有する複数の並行送信を、STA1に同時に送信し得る。RU1上で、AP211は、HARQプロセスID 1についての第1の送信(例えば、STA1へのHARQ ID 1 Tx 1)を送信し得る。RU2上で、AP211は、HARQプロセスID 2についての第1の送信(例えば、STA1へのHARQ ID 2 Tx 1)を送信し得る。そして、RUN上で、APは、HARQプロセスID Nについての第1の送信を送信し得る。
【0083】
202において、STA1(例えば、および任意の他のSTA212)などの各STAからのHARQ応答をトリガするために各HARQ部分についてのHARQトリガフレーム(TRF)があり得、TRFは、HARQ送信を含有する同じPPDU内に含有され得る。例えば、RUN上のSTA1 HARQ ID NへのTRFまでの、RU1上のSTA1 HARQ ID 1へのTRF、RU2上のSTA1 HARQ ID 2へのTRFなどである。
【0084】
いくつかの場合において、APは、(例えば、202が201の前にあるであろう)1つまたは複数のRU上で、HARQデータのための送信を行う前に、HARQプロセスIDについてのトリガフレームを送信してもよい。
【0085】
203において、HARQ応答、例えば、所与のHARQプロセスについての1つまたは複数の肯定応答(ACK)、否定応答(NAK)、またはブロック肯定応答(BA)など(例えば、HARQトリガフレームに割り当てられたRUにおいて送信されるACK/NACK HARQ ID 1)が、STA212(例えば、STA1)から送られ得る。各ボックスがRUに対応する、空のボックスを用いて、203において示されるように、各RUについてHARQ応答がないことがあることに留意されたい。
【0086】
STA212は、そのHARQ応答時間をAP211に示してもよく、この逆も然りである。STA212は、STA212がAP(例えば、AP211)に関連付けられるHARQ応答時間を示し得、AP211は、自身のHARQ応答時間を要素(例えば、EHT能力要素、HARQ要素等)内に含み得る。そのようなインジケーションは、プローブ要求/応答フレーム、ビーコンおよび短ビーコンフレーム、(再)関連付け要求/応答フレーム、FILS発見フレーム、または他のタイプの制御管理フレーム内に含まれ得る。
【0087】
204および205において、STA212が、先立つHARQ送信を(例えば、201において)受信するかどうかに応じて、必要に応じてHARQプロセスが続き得る。したがって、いくつかの場合において、第2の送信(Tx 2)は、必要となり得るが、同じHARQ ID(例えば、STA1へのHARQ ID 2 Tx 2)を有することになる。送信が成功する、他の場合において、新しいHARQ IDを有する新しい第1の送信(Tx 1)が、そのリソースにおいて使用され得、以前に使用されたHARQ IDは、インクリメントされ得(例えば、STA1へのHARQ ID N+1 Tx 1)、これは、何らかの値kまで、または必要に応じて(例えば、STA1へのHARQ ID N+k Tx 1)続くことになる。205において、このプロセスの1つまたは複数の部分が繰り返され得る(例えば、HARQ送信の継続、肯定応答等)。
【0088】
本明細書において説明されるような、知られているHARQ応答時間がある場合などの、いくつかの場合において、送信側AP211は、マルチHARQ IDブロック肯定応答要求(BAR)を受信側STA212に送って、予定された時間に、または、送信側AP211がチャネルを獲得し、任意のHARQ応答時間が経過した場合に、1つまたは複数のHARQプロセスIDに関する応答を求め得る(例えば、206を参照)。マルチHARQ ID BARは、求められる応答についてのHARQプロセスIDを示し得る。
【0089】
207において、マルチHARQ ID BARが送られる場合において、受信側STA212は、次いで、マルチHARQブロック肯定応答(BA)を送信して、示されたHARQプロセスIDについてのHARQ動作の状態に関する応答を提供し得る。
【0090】
図2の例は、送信側APおよび受信側STAと共に示されているが、いくつかの場合において、送信側AP(例えば、AP211)が送信側STAによって置換されてもよく、および/または、受信側STAがAPによって置換されてもよい。
【0091】
別のSTAと共にHARQ動作を行っているSTAは、HARQ送信を含有するPPDUの終了時に開始する、示されたHARQ応答時間が経過する前に、他のSTAにHARQ ACK/NAK/BAを要求しないことがあり得る。応答は、トリガフレームによって示されるようなRU内に、またはチャネル帯域幅全体上にあり得る。また、HARQ ACK/NAK/BAは、いくつかの肯定応答応答オプション、例えば、ACK、NAK、準備未完了、信号非検出、衝突、干渉、およびHARQプロセスを再始動するための要求などを用いて実装され得る。ACK肯定応答オプションの場合、この応答は、HARQ送信および/またはそのRVが正確に受信され、復号されたことを示し得る。NAK肯定応答オプションの場合、この応答は、HARQ送信および/またはそのRVが受信されたが、復号は失敗したことを示し得る。NAKは、付加的なフィードバック情報、例えば、推奨されるRV、推奨されるMCS、推奨されるRU/チャネル、推奨される再送信等なども含有してもよい。準備未完了肯定応答オプションの場合、この応答は、受信側STAがHARQ送信および/またはそのRVの信号を検出したが、受信側STAが復号を終了しておらず、ACK/NAKが提供されること可能となる前に、さらに時間を必要とすることを示し得る。この応答オプションは、予期される応答時間も含んでもよい。信号非検出肯定応答オプションの場合、この応答は、受信側STAがHARQ送信および/またはそのRVを検出していないことを示し得る。これは、チャネルフェージング、信号の破壊的な追加、低い送信電力、または他の理由に起因し得る。衝突肯定応答オプションの場合、この応答は、HARQ送信および/またはそのRVが、ワイヤレス媒体上で、別のパケットまたはフレームと衝突を経験したことを示し得る。これは、受信される信号が将来の組み合わせおよび処理のために役立ち得ること、および新しい送信が送られるべきであることを示唆し得る。干渉肯定応答オプションの場合、この応答は、同じ帯域上に、高出力のマイクロ波エネルギーまたはNR-U送信などの強い干渉が存在することを示し得る。この応答は、受信される信号が将来の組み合わせおよび処理のために役立ち得ること、および新しい送信が送られるべきであることを示唆し得る。HARQプロセス肯定応答オプションを再始動するための要求の場合、この応答は、付加的なRVまたは再送信を継続する代わりに、HARQプロセスを再始動する方がより価値があると受信機が見出すことを示し得、これは、不良な信号、不良な受信される信号、不良なチャネル条件、または不良な干渉もしくは衝突に起因し得る。
【0092】
これらの応答(例えば、ACK、NAK、準備未完了、信号非検出、衝突、干渉、またはHARQプロセスを再始動するための要求)を受信する送信側STAは、異なる動作を行い得る。ACKを受信した場合、送信側STAは、HARQプロセスIDのためのバッファされたコピーを削除し、次のHARQプロセスIDに継続し得る。NAKを受信した場合、送信側STAは、同じフレームの別のコピー、または同じHARQプロセスIDのRVのいずれかを送信して、そのHARQプロセスIDについてのHARQ動作を継続することを決定し得る。再送信および/またはRVの数が閾値に到達した場合、送信側STAは、HARQプロセスを停止または放棄し得る。準備未完了応答を受信した場合、送信側STAは、いくらかの時間が経過した後に、別のHARQブロックACK要求(BAR)、またはトリガフレーム、またはMU HARQ BARを受信側STAへ送って、現在のHARQプロセスIDに対する応答を求め得る。そのような時間は、受信側STAによって、HARQ応答時間などとして示され、または準備未完了応答において示され得る。信号非検出、衝突、または干渉の応答を受信した場合、送信側STAは、パケット/フレームを再送信し、またはHARQプロセスIDについての別のRVを送り得る。これは、異なるRUもしくはチャネル上で、または異なる送信電力を使用して起こり得、これは、先行する応答において受信側STAによって推奨され得る。
【0093】
HARQプロセスを再始動するための要求の応答を受信した場合、送信側STAは、あたかも現在のHARQプロセスIDについての先行する送信が起きなかったかのように、現在のHARQプロセスを再始動し得る。このプロセスは、異なるRUもしくはチャネル上で、または異なる送信電力を使用して起こり得、これは、先行する応答において受信側STAによって推奨され、または示され得る。HARQプロセスIDについての応答のスケジューリングは、送信されたHARQフレームのヘッダ内で行われ得る。
【0094】
図3は、複数のSTAについてのOFDMAを通じた並行HARQプロセスの例を例示する送信図である。図3および図2は、図3が複数のSTAについての複数のHARQ送信の例を示すこと以外は、同様であり得る。301および302において、AP311は、複数のSTA312(例えば、STA1、STA2、STA3等)についての複数のHARQプロセスIDの同時送信を送信し得る。例えば、301は、パケット送信の最初の部分を示しており、ここで、302で示されるようにTRFが続き得る。図示されるように、STA1へのHARQ ID 1 Tx 1の送信、および異なるHARQ IDの同じSTA1への別の同時送信、および複数のHARQ IDについてのSTA2への同時HARQ送信があり得る。
【0095】
302において、各HARQ IDについてのHARQトリガフレーム(TRF)は、STA1などの各STA 312からのHARQ応答をトリガし得、TRFは、HARQ送信を含有する同じPPDU内に含有され得る。例えば、TRFは、HARQ ID 1からKを用いてSTA1へ送られ(例えば、STA 1 HARQ ID 1へのTRF)、同時に、HARQ ID 1からNについてのTRFがSTA2へ送られ得る。ここで、KおよびNは、何らかの整数である。
【0096】
303において、複数のSTA312についての並行HARQプロセスに対する応答は、図2の例において説明されたものと同様であってもよく、トリガフレームによってトリガされても、またはHARQ送信のヘッダ内の応答スケジューリングフィールドによってスケジューリングされても、または、HARQプロセスに対するSTAの応答をアップリンクにおいて送信するためにリソースがSTAに割り当てられ得る、マルチSTAマルチHARQ ID BARフレームによってトリガされてもよい。トリガフレーム、応答スケジューリングヘッダ、および/またはマルチSTAマルチHARQ ID BARフレームは、HARQプロセス応答がトリガされるRUの各々についてのHARQプロセスID、STA ID、またはトラフィックID(TID)のうちの1つまたは複数を含有し得るタプルの各々を識別し得る。
【0097】
304および305において、STAが、先立つHARQ送信を(例えば、301において)受信するかどうかに応じて、HARQプロセスは必要に応じて継続し得る。送信が失敗した場合、同じHARQ IDを有する第2の送信(Tx 2)があり得る(例えば、STA2へのHARQ ID 1 Tx 2、またはSTA1へのHARQ ID K Tx 2)。送信が成功した場合、新しいHARQ ID(例えば、STA1へのHARQ ID K+1 Tx 1)を有する新しい送信があり得る。305において、このプロセスの1つまたは複数のステップが繰り返され得る(例えば、HARQ送信の継続、肯定応答等)。
【0098】
本明細書において説明されるような、知られているHARQ応答時間がある場合など、いくつかの場合において、送信側AP311は、スケジューリングされた時間に、または送信側AP311がチャネルを獲得し、任意のHARQ応答時間が経過した場合に、マルチHARQ IDブロック肯定応答要求(BAR)を受信側STA312へ送って、1つまたは複数のHARQプロセスIDに関する応答を求め得る(例えば、306を参照)。マルチHARQ ID BARは、求められる応答についてのHARQプロセスIDを示し得る。307における応答は、HARQプロセスID、STA ID、またはTIDのうちの1つまたは複数を含有し得る。STA IDは、MACアドレスもしくは関連付けID(AID)、または、これらのIDもしくは他のIDの圧縮された形態であってもよい。
【0099】
いくつかの場合において、トリガフレーム(TRF)は、アップリンクにおいて同じまたは複数のSTAからの複数のHARQプロセスIDの送信を同時にトリガするために、APによって使用され得る。トリガフレームは、STA IDを示し得る。例えば、
【0100】
いくつかの場合において、トリガフレームは、アップリンクにおいて複数のSTAからの送信を同時にトリガし、送信側STAについてのRUのセットを示し、アップリンク送信に対して許可されるRUの数を示すRUファクタZをアナウンスするために、APによって使用されてもよい。APは、ファクタの目的(例えば、反復または独立した送信)も示してもよい。APは、各割り当てられたRUにおいてSTAのための送信方法を決定し得る。例えば、APは、MCS、HARQ ID、RV等を割り当て得る。APは、STAに、MCS、HARQ ID、RV等などの送信方法を決定させ得る。
【0101】
一般に、STAは、関連付けられたSTA(例えば、ネットワーク/AP/BSSに関連付けられるSTA)であっても、または関連付けられていないSTAであってもよく、チャネルにランダムにアクセスして遅延を低減し得る。送信側STAは、Z個のRUをランダムに選び得る。ファクタの目的が、独立した送信である場合、各送信側STAは、選択されたRUごとにHARQ IDを作成してもよく、またはファクタの目的が、Z個のRU上でRUの情報コンテンツ(すなわち、情報ビット)もしくは複合シンボル(例えば、周波数におけるシンボル)をSTAが繰り返し得る反復である場合、同じHARQ IDを使用し得る。
【0102】
いくつかの場合において、STAは、RUによって異なるRVを使用してもよい。例えば、RUxおよびRUyが、反復送信に対して割り当てられ得る。STAは、両方のRUに対して同じHARQ IDを使用し得るが、RUxはRV0を使用し得、RUyはRV1を使用し得る。STAは、異なるRUに対して、ダウンリンクにおけるそのRU上のマルチパスチャネル応答に基づいて、異なるMCSを使用し得る。STAは、RUごとに異なるチャネルエンコーダ構造を使用してもよく、レートは、異なって設定されてもよい。異なるRUに対するPPDU長さが不均等な場合には、より短いPPDUは、等しい長さを維持するためにパディングされ得る。UL PPDU長さは、APによって決定され得、トリガフレーム内で搬送され得る。
【0103】
一般に、APは、アナウンスされたRU内のコンテンツを復号し得る。APが、パケットを復号することができる場合、APは、全てのRUについてRUまたはBAごとのACKを送信し得る。APが、パケットを復号することができない場合、APは、NACKを送信し得る。APは、NACK送信期間中に、APがパケットを復号することができない理由(例えば、衝突、干渉、および低いSNR)を示してもよい。
【0104】
図4は、OFDMAを通じた1つまたは複数のSTAについての並行なRV送信の例を例示する送信図である。この例において、同じHARQプロセスの異なるRVは、同じまたは複数のSTAに対して同時に送信され得る。
【0105】
401において、AP411は、1つまたは複数のHARQ IDの並行なRVを、1つまたは複数のSTA412(例えばSTA1、STA2、STA3等)へOFDMAを通じて送信し得る。AP411は、RU1上でSTA 1へのHARQ ID 1についてのRV0を送信し、次いで、RU2(図示せず)上でSTA1へのHARQ ID 1についてのRV1を送信してもよく、これは、別のRU上でのSTA1へのHARQ ID 1についてのRVLまで継続してもよく、ただし、Lは、新しいRVがRUごとに送られると仮定した場合のRVの数である。送信のために選ばれるRUは、連続的でなくてもよい。同様に、STA2について、AP411は、STA2へのHARQ ID 1のRV0を同時に送信し得る。このアプローチも、所与のSTAについてHARQ ID(例えば、HARQ2、3等)ごとに繰り返され得る。このプロセスは、全てのSTA412に対して継続し得る。この例において、最後の同時送信は、HARQ ID K RV 2 STA2となり得る。
【0106】
402において、例えば、HARQ応答時間が経過した後、AP411は、STA412からのHARQレスポンスをトリガするためにトリガフレームを送信し得る。トリガフレームは、1つまたは複数のHARQプロセスIDについてのSTA412の応答を403において送信するために、STA412についてのRUリソースを識別し得る。あるいは、そのような応答403は、HARQ送信フレーム内で搬送される応答スケジューリングヘッダ、または他のタイプの送信によってトリガされ得る。
【0107】
404において、APは、最初の送信が成功したかどうかに応じて、既に送られた先立つ送信に基づいてRV番号をインクリメントし得る複数のSTAへ、複数のRVを送信し得る。例えば、HARQが、STA1およびHARQ ID 1について成功しないと仮定した場合、AP411は、RV L+1を用いてSTA1へHARQ ID 1を送信してもよく、ただし、Lは、STA1のHARQ ID 1について送られた最後のRVである。これは、STA1に対して継続され得、この例において、それは、RV L+3まで継続し得る。同様に、送信は、STA2 HARQ ID 1について成功しないかもしれず、したがって、AP411は、増加したRV、例えばRV3などを送信し得る。送信が成功した場合、HARQは増加し得る。例えば、HARQ ID Kが成功し得、したがって、AP411は、何らかのHARQ ID K+2を送信し得、(例えば、403におけるSTA2応答から決定されるように)HARQ ID Kは成功裡に送信されたので、HARQ ID K+2は、HARQ ID K以外の、何らかの他のHARQ IDプロセスを単に表す。
【0108】
405において、このプロセスの1つまたは複数のステップが繰り返され得る(例えば、HARQ送信の係属、肯定応答等)。
【0109】
HARQ応答407は、HARQプロセスID、STA ID、またはTIDのうちの1つまたは複数を含有し得るタプルごとにRUが識別される、406におけるマルチSTAマルチHARQ ID BARによってトリガされ、または求められ得る。
【0110】
EHTについて1つの機能は、マルチAPであり、複数のAPは、同じサービスセット(例えば、BSS)内で、例えば、家庭または職場環境内で展開される。複数のAPは、協調および一定のレベルの協力を行って、より高いピークスループットおよび効率の増加を達成し得る。より良好なBSSエッジカバレッジを達成するために、複数のAPは、1つまたは複数のSTAとのHARQ動作を使用し得る。これを成し遂げるためには、1つまたは複数のSTAと複数のAPとの間のHARQ動作の効率的な設計がなければならない。
【0111】
マルチAP HARQ送信は、2つ以上のAPが1つのSTAへパケットを送信することを可能にし得る。APは、パケットを非同期に送信し得る。換言すれば、送信は、TDD手法で実行され、1つのSTAへのパケットの送信を達成するために異なる時間スロットを使用し得る。
【0112】
APは、ビーコン、プローブ応答フレーム、(再)関連付け応答フレーム、および/または他の制御/管理フレーム内に、マルチAP能力フィールド/サブフィールドまたはマルチAP HARQ能力フィールド/サブフィールドを含め得る。APは、マルチAP HARQ送信を実行するために共に作動し得る、近隣のAPのリストもアナウンスし得る。
【0113】
STAは、そのプローブ要求フレーム、(再)関連付け要求フレーム、および/または他の制御/管理フレーム内に、マルチAP能力フィールド/サブフィールドまたはマルチAP HARQ能力フィールド/サブフィールドを含め得る。このフィールド/サブフィールド内に、STAは、そのHARQバッファ能力/制限を含め得る。HARQバッファ能力/制限は、バッファ寿命を含んでもよく、バッファ寿命は、破損したパケットがどれくらいの間バッファ内で保存され得るかの提案を与え得る。これは、マイクロ秒(μs)、ミリ秒(ms)、または秒(s)などの、時間での値であり得る。有効なバッファ寿命の予め定義された値/所定の値のリストがあってもよい。STAは、リストから1つまたは複数の値を選択してもよく、値インデックスが含められ、APへ送信され得る。有効なバッファ寿命は、STAへ非同期に送信するために使用されるAPの数と、それらのAPから予期される送信の最大回数とに依存し得る。HARQバッファ能力/制限は、HARQバッファが取り扱い得る最大のサイズを示唆し得るバッファサイズを含むことがある。これは、ビットまたはバイト単位の値であり得る。有効なサイズの予め定義された/所定の値のリストがあってもよい。有効な最大のバッファサイズは、反復またはインクリメンタル冗長度が使用されるかどうかなどの、HARQ再送信のタイプに依存し得る。STAは、リストから1つまたは複数の値を選択してもよく、値インデックスが含められ、APへ送信され得る。
【0114】
STAは、関連付けられたAPによってアナウンスされたAPと、他のAPとの両方を含む、近隣の(関連付けられていない)APに関する情報、例えば、AP識別子、能力情報、チャネル情報、測定情報、コンテキスト情報、または他の関連情報などを含めてもよい。例えば、STAが含め得る情報は、SSID、BSSID、MACアドレス、他のAP識別子、チャネル番号、動作クラス、またはPHYタイプ、受信チャネル電力インジケータ(RCPI)、チャネル幅、チャネル中心周波数セグメント0、チャネル中心周波数セグメント1、ビーコン間隔、クリアチャネル評価(CCA:Clear Channel Assessment)、受信電力インジケータ(RPI)、チャネル負荷、雑音ヒストグラム、ビーコン、フレーム、STA統計値、ロケーション構成情報(LCI)[緯度、経度、高度]、送信ストリーム/カテゴリ測定、マルチキャスト診断、ロケーションシビック(Location Civic)、ロケーション識別子、指向性チャネル品質、指向性測定、指向性統計値、ファインタイミング測定範囲、および任意の他の近隣AP情報であってもよい。STAは、任意の付加的なタイプの情報も含めてもよい。
【0115】
マスタAPがHARQプロセスを管理するマルチAP HARQ構成の場合、STAは、APに関連付けられ得、そのAPが、マスタAPとなり、または既にマスタAPであってもよく、関連付けられたSTAへの、および関連付けられたSTAからのHARQトラフィックを管理し得る。マスタAPは、HARQパケットを送り、および/または受信し得るAPのリストを、STAに供給し得る。マスタAPは、関連付けられたSTAに、他のAPの特徴を測定することを要求し得る。マスタAPは、STAから、測定された特徴を受信し得る。マスタAPは、HARQ APを管理する場合に、測定された特徴情報を考慮し得る。マスタAPは、マルチAP HARQパケットを受信するためにSTAがどのAPを監視するべきかに関して、STAに通知し得る。
【0116】
STAへ送られるHARQパケットの場合、マスタAPは、HARQ冗長パケットを生成し、パケットを送信することになるとマスタAPが決定したAPに、HARQ冗長パケットを提供し得る。マスタAPは、送られるべきデータ、および送信のための所望のHARQパケットを作成するために、どのHARQ冗長バージョンが使用されるべきかを、APに提供し得る。この情報から、APは、APが送るべきであるとマスタAPが決定した所望のHARQ冗長パケットを作成し得る。APが、HARQパケットを受信または生成すると、マスタAPは、トリガパケットを送ることによってパケットを送ることをAPに要求し(トリガし)得る。要求は、定義されたプロトコルを介したAP間シグナリングにより、無線で(例えば、ワイヤレスで)送られ得る。要求は、有線のAP間ネットワーク接続を介して送られてもよい。マスタAPは、いつデータもしくはHARQ冗長パケットがAPへ送られるかという送信時間、または所望の送信時間に先立つ任意の時間をAPに特定し得る。
【0117】
STAは、マスタAPおよび他のAPによって送られたHARQパケットを受信し得、パケットが成功裡に受信されるまで、標準的なHARQ手続きを使用して、パケットを処理し得る。
【0118】
STAは、マスタAPによって指示される通りに、マスタAPおよび/または他のAPへHARQパケットを送り得る。HARQパケットは、APに対して特にアドレス指定され得る。マスタAPおよびその他のAPは、それら(例えば、AP)に対して特にアドレス指定されていないが、それらのうちのいずれか(例えば、パケットを送信しているAPのうちのいずれか、またはネットワーク内の任意のAP)に対してアドレス指定されている、STAによって送られたパケットを受信しようと試行し得る。これは、STAによって送られたHARQパケットが複数のAPによって検出されることを可能にし得る。これらの検出されたパケットは、マスタAPへ転送されて、HARQ結合されてもよく、または、それらは、各APにおいて独立して、もしくはAPの任意の組み合わせにおいて、組み合わされてもよい。
【0119】
分散型HARQプロセス制御を使用する複数のAPに関連付けられたSTAを有するマルチAP HARQ構成の場合、STAは、複数のAPに関連付けられ得る。STAおよび関連付けられたAPは、関連付けられたSTAへの、および関連付けられたSTAからのHARQトラフィックを管理し得る。STAは、どのAPにSTAが関連付けられているかをAPに通知し得、APは、STAとおよび互いに協調して、どの1つまたは複数のAPがHARQパケットを送り得るか、どの冗長バージョンが送られるべきか、および、いつパケットが送られるべきかを決定し得る。APは、関連付けられたSTAに、他のAPの特徴を測定することを要求し得る。APは、STAから、測定された特徴を受信し得る。APは、HARQプロセスを管理する場合に、測定された特徴情報を考慮し、または他のAPを関連付けるようにSTAに提案し得る。
【0120】
STAへ送られるHARQパケットの場合、APは、それら全てが、送られるべきデータに気づいていると仮定して、様々な合意されたHARQ冗長パケットを独立して生成し得、または、APは、どのようにパケットが生成されるか、および、どの1つまたは複数のAPがパケットを送るべきかに関して、AP同士の間で協調し得る。STAは、APにフィードバックを提供し得る。APは、どのようにパケットが送られ得るかを協調する際にフィードバックを使用してもよい。APは、ワイヤレスで、有線ネットワークを介して、または、この2つの任意の組み合わせで、協調し得る。
【0121】
STAは、APによって送られたHARQパケットを受信し得、パケットが成功裡に受信されるまで、標準的なHARQ手続きを使用してパケットを処理し得る。
【0122】
STAは、APとSTAとによって指示され、合意された通りに、APのいずれかへHARQパケットを送り得る。HARQパケットは、APに対して特にアドレス指定され得る。APは、それらに対してアドレス指定されていないが、このプロセスに参加している他のAPに対してアドレス指定されている、STAによって送られたパケットを受信しようと試行し得る。これは、STAによって送られたHARQパケットが複数のAPにおいて検出されることを可能にし得る。これらの検出されたパケットは、HARQ結合されるようにAPのうちの1つへ転送され得、または、それらは、各APにおいて独立して、またはAPの任意の合意された組み合わせにおいて、組み合わされ得る。
【0123】
仮想BSSおよびマスタAPがHARQプロセスを管理するマルチAP HARQ構成の場合、AP(例えば、マスタAP)は、STAについてのHARQプロセスをサポートする全てのAPが所属し得る仮想BSSを定義し得る。APに関連付けられたSTAは、マルチAP HARQサポートを要求し得る。このAPは、マスタAPになり得、STAが使用することになるマルチAP HARQプロセスをサポートするマルチAPのための仮想BSSを作成し得る。マスタAPは、関連付けられたSTAに、他のAPの特徴を測定することを要求し得る。マスタAPは、STAから、測定された特徴を受信し得る。マスタAPは、仮想BSSを管理および作成する場合、測定された特徴情報を考慮し得る。マスタAPが、仮想BSSをサポートすることとなるAPを選び、これらのAPと、仮想BSS構成は何か(例えば、SSID、MACアドレス、および全ての他のBSSパラメータ)に関して協調すると、マスタAPは、BSSパラメータに関してSTAに通知し得、STAは、BSSに関連付けられ得る。STAは、マスタAPとのその関連付けを非マルチAP HARQトラフィックについて維持し得る。マスタAPは、仮想BSSに関連付けられたSTAへの、および仮想BSSに関連付けられたSTAからのHARQトラフィックを管理し得る。どのAPが仮想BSSを備えるかに関する知識は、これらのAPからの全ての送信が、それらが単一のBSSから到来するように見え得るので、STAは有しなくてもよい。マスタAPまたは仮想BSSは、マスタAPが仮想BSSを管理することができるように、どのAPに関してSTAが測定情報を提供するべきかに関して、STAに通知し得る。
【0124】
STAへ送られるHARQパケットの場合、マスタAPは、HARQ冗長パケットを生成し、それらを、仮想BSS識別を使用してパケットを送ることになるとマスタAPが決定したAPへ提供し得る。マスタAPは、送られるべきデータ、および送信のための所望のHARQパケットを作成するために、どのHARQ冗長バージョンが使用されるべきかを、APに提供し得る。この情報から、APは、仮想BSSカラー識別を使用してAPが送るべきであるとマスタAPが決定した所望のHARQ冗長パケットを作成し得る。APが、HARQパケットを受信または生成すると、マスタAPは、トリガパケットを送ることによってパケットを送ることをAPに要求し(トリガし)得る。要求は、定義されたAP間プロトコルを介してワイヤレス媒体上で送られ得る。要求は、有線のAP間ネットワーク接続を介して送られてもよい。マスタAPは、いつデータもしくはHARQ冗長パケットがAPへ送られるかという送信時間、または所望の送信時間に先立つ任意の時間をAPに特定し得る。
【0125】
STAは、仮想BSS識別を使用してAPのうちのいずれかによって送られたHARQパケットを受信し、これらのパケットを、パケットが成功裡に受信されるまで、標準的なHARQ手続きを使用して処理し得る。ACKパケットおよびNACKパケットは、仮想BSSへ送られ得、仮想BSS内の1つまたは全てのAPによって受信され得る。
【0126】
STAは、仮想BSSに対してHARQパケットをアドレス指定することによって、仮想BSS内のAPへHARQパケットを送り得る。仮想BSS内の全てのAPまたはAPの任意のサブセットは、STAによって送られたパケットを受信することを試行し得る。これは、STAによって送られた全てのHARQパケットが複数のAPにおいて検出されることを可能にし得る。これらの検出されたパケットは、マスタAPへ転送されて、HARQ結合されてもよく、または、それらは、仮想BSS内の各APにおいて独立して、もしくはマスタAPによって構成されるAPの任意の組み合わせにおいて、組み合わされてもよい。
【0127】
STAがHARQプロセスを管理するマルチAP HARQ構成の場合、STAは、複数のAPに関連付けられ得、APを管理して、マルチAP HARQサービスを提供し得る。STAは、関連付けられたAPのうちの1つに、STAのプライマリAPとなることを要求し得る。APが、その役割に合意する場合、APは、プライマリAPとなり得、分散型システム(DS)として、プライマリAPは、STAのトラフィックをその宛先へルーティングし得、APは、STAによって要求されたその他のAPと協調して、マルチAPグループを形成して、STAについてのマルチAPサービスをサポートし得る。プライマリAPは、どのAPがマルチAPグループ内にあるかをSTAが管理し得ること以外、上述した「マスタAP」の役割と同様の役割を引き受け得る。プライマリAPは、マルチAPグループに追加することをSTAが考慮するべきであるとプライマリAPが考える他のAPの存在を、STAに通知し得る。STAは、どのAPがHARQパケットのどの冗長バージョンを送るべきか、およびパケットを送るためにどの順序が好適かに関する要求を、プライマリAPに提供し得る。プライマリAPは、様々なHARQ冗長パケットを生成し、それらを送ることになるとプライマリAPが決定したAPへ、それらを提供し得、またはプライマリAPは、送られるべきデータ、および送信のための所望のHARQパケットを作成するために、どのHARQ冗長バージョンが使用されるべきかを、マルチAPグループ内のAPに提供し得る。この情報から、APは、プライマリAPがAPに送るように要求した所望のHARQ冗長パケットを作成し得る。APが、HARQパケットを受信または生成すると、プライマリAPは、トリガパケットを送ることによってパケットを送ることをAPに要求し(トリガし)得る。トリガパケットは、定義されたプロトコルを介したAP間シグナリングによって、ワイヤレスで送られ得る。トリガパケットは、有線のAP間ネットワーク接続を介して送られてもよい。プライマリAPは、いつデータもしくはHARQ冗長パケットがAPへ送られるかという送信時間、または所望の送信時間に先立つ任意の時間をAPに特定し得る。
【0128】
STAは、STAが望む通りに、マルチAPグループ内のAPへHARQパケットを送り得る。マルチAPグループ内の全てのAPまたはAPの任意のサブセットは、STAによって送られた任意のパケットを受信することを試行し得る。STAによって送られたHARQパケットは、複数のAP、またはSTAによってアドレス指定されたAPだけにおいて、検出されることを可能にされ得る。この構成は、マルチAPグループについてSTAにより要求された構成によって制御されてもよく、プライマリAPによって要求されてもよい。これらの検出されたパケットは、プライマリAPへ転送されて、HARQ結合されてもよく、または、それらは、マルチAPグループ内の各APにおいて独立して、もしくはSTAの要求により構成され、プライマリAPによって要求される、APの任意の組み合わせにおいて、組み合わされてもよい。
【0129】
一般に、任意のマルチAP HARQ状況中に、ダウンリンク(DL)送信に関するシナリオに適用する、STAおよび複数のAPに関する多くの機能またはアクションがあり得る。そのようなシナリオにおいて、STAは、複数のAP(例えば、第1のAPおよび第2のAP)に関連付けられ、および/またはネゴシエートし得、次いで、APのうちの1つまたは複数は、送信を送り得、この送信の全てをSTAは受信することもあれば、または受信しないこともあり、その後に、HARQプロセスは、データ送信の不完全な/完全な受信に対処し得る。APによって送られた送信は、インジケーション、例えば、BSSID/カラー、アクセスポイント識別子(AID)、マルチAP HARQ送信、ACKポリシー、および/またはHARQ関連情報などを含み得る。
【0130】
BSSID/カラーは、フィールド内で示され得、このフィールドは、BSS/APについての局所的に一意なIDであり得る、BSSIDまたはBSSIDもしくはBSS色の圧縮バージョンを搬送し得る。APは、AIDをフィールド内で示し得る。このフィールドは、STAがパケットの所望の受信機かどうかをSTAが知り得るように、PLCPヘッダ内で搬送され得る。
【0131】
マルチAP HARQ送信インジケーションは、フィールド内で示され得、APは、このフィールドを使用して、送信がマルチAP HARQ送信であることを明示的または黙示的に示し得、これは、異なる受信AIDを有する受信されたパケットをSTAが組み合わせることを可能にし得る。マルチAP HARQフィールドはPLCPヘッダ内で搬送され得る。HARQタイプフィールドにおける特別な値は、到来する送信がマルチAP HARQ送信であることを示すために使用され得る。HARQプロセスIDにおける特別な値は、到来する送信がマルチAP HARQ送信であることを示すために使用され得る。明示的または黙示的なマルチAP HARQシグナリングは、PLCPヘッダまたはMACヘッダ内で搬送され得る。
【0132】
APは、PLCPヘッダまたはMACヘッダ内でACKポリシーを示し得る。異なるACKポリシーは、異なるAP/STAフレーム交換手続きに由来し得る。ACKポリシーは、マルチAP HARQデータパケットと共に、PLCPヘッダまたはMACヘッダ内で搬送され得る。ACKポリシーは、マルチAP HARQデータ送信の前に、ネゴシエートされ、決定され得る。
【0133】
例示的なACKポリシーにおいて、即時肯定応答は、各送信の後にACK/NAK/NTXと共に送られる。ここで、ACK/NAKは、それぞれ肯定的/否定的な応答である。NTXは、パケット全体が失われた場合に発生し得る無送信であり、STAは、応答を送信しないことがあり得る。
【0134】
例示的なACKポリシーにおいて、即時ACKは、構成された送信の全ての後に送られる。例えば、2つの送信(例えば、マルチAP HARQ送信)が、STAに対して構成され得る。第1のAPおよび第2のAPが、STAへのそれらの送信を完了した場合、STAは、肯定応答を送り得る。
【0135】
例示的なACKポリシーにおいて、遅延したACKが送られてもよい。この場合において、肯定応答は、遅延されたバージョンで送信され得る。遅延されたACKが受信される前に、単一のHARQプロセスが繰り返し送信され得る。遅延された肯定応答が受信される前に、2つ以上のHARQプロセスがサポートされ、送信され得る。
【0136】
例示的なACKポリシーにおいて、トリガされた/ポーリングされたACKが送られてもよい。これが設定される場合、ACKの送信は、制御/管理フレームを使用して、ピアSTAによってトリガされ、またはポーリングされる必要があり得る。
【0137】
例示的なACKポリシーにおいて、マルチAP ACKが送られてもよい。このフィールドが設定される場合、STAは、マルチAP肯定応答をAPへ送信することが可能となり得る。このフィールドが設定されない場合、STAは、毎回、単一のAPへ送信し得る。マスタAPへの単一の肯定応答は、STA送信が無指向性ではない場合において、好都合となり得る。複数の肯定応答フレームは、複数のAPが肯定応答を要求し得る場合において、フレーム間空間(xIFS)と共にまたは共にでなく連続して送信され得る。
【0138】
例示的なACKポリシーにおいて、AP反復送信間に肯定応答がないことを示す値が送られてもよい。この場合において、APは、STAへのマルチAP HARQ送信を実行し得るAPの数もシグナリングし得る。APは、この送信の後であって、予期される肯定応答の前に送信し得るAPの数をシグナリングしてもよい。APは、マルチAP HARQ送信において送信し得るAPの総数をシグナリングしてもよい。APは、例えば、AP送信の総数と、肯定応答の前の残りのAP送信の数との両方をシグナリングしてもよい。
【0139】
第1のAPは、HARQ関連情報、例えば、HARQプロセス識別子(ID)、冗長バージョン(RV)、変調符号化方式(MCS)、再送信インジケーション等などを示し得る。
【0140】
送信に基づいて、STAは、1つもしくは複数の決定を行い、および/または、1つもしくは複数のアクションを行い得る。パケットを受信すると、STAは、(例えば、パケットと共に送られ、受信されたPLCPヘッダ内の)AIDおよびBSSID/カラーフィールドインジケーション/情報をチェックし、それを対応するBSS内のSTAに割り当てられたAIDと比較し得る(例えば、関連付け/ネゴシエーション期間中に構成される)。AID同士が一致する場合、STAは、STA自身をパケットの所望の受信機であると考慮し得る。STAは、他のインジケーション/情報(例えば、PLCPヘッダ)をチェックすることを継続してもよく、送信がマルチAP HARQ用であると決定し得る。STAは、これがマルチAP HARQについての新しい送信または再送信であると決定し得る。STAは、ネゴシエーションフェーズ期間中に、対応するAPから予期される送信の最大数を知り得る。STAは、送信IDまたはHARQプロセスIDを保存してもよく、送信IDまたはHARQプロセスIDは、同じパケットの送信を識別するために使用され得る。STAは、同じ送信IDを有する先行して受信された送信と共に使用され得る送信のRVを決定し、保存し得る。
【0141】
パケットが受信されると、STAは、パケットを復号し得る。パケットが成功裡に復号される場合、STAは、本明細書において論じられるようなACKポリシーに基づいて、肯定応答を送信し得る。STAは、第1のAPと第2のAPとの両方へ、またはマスタ/プライマリAPのみ(例えば、第1のAP)へ、マルチAP肯定応答を送信し得る。パケットが成功裡に復号されない場合、STAは、HARQタイマを開始し得る。STAは、STA自身のバッファ内に破損したパケットを記憶し得る。ACKポリシーに応じて、STAは、STAがNAKを送り得るかどうかを決定し得る。いくつかの場合において、STAは、何も送信しなくてもよく、または、パケット全体が失われた場合には、NTXを送ってもよい。
【0142】
パケットを用いた第1のAPからの最初の信号の送信の後に、応答のための期間があり得る。第2のAPは、この期間中に、いかなる肯定的な応答もSTAから受信しないことがあり、そのマルチAP HARQ再送信を開始し得る。第2のAPのこの待機期間は、予め定義されていても、または所定であってもよく、全ての当事者に知られていてもよい。期間は、ACK送信をカバーするのに十分であり、短いフレーム間空間(SIFS:short inter-frame space)持続期間に、分散協調機能(DCF:distributed coordinated function)フレーム間空間(DIFS)持続期間を足したものである。例えば、第2のPAは、再送信を準備するために、拡張されたフレーム間空間(EIFS:extended inter-frame space)持続期間、待機する必要があり得る。第2のAPは、第1のAPと同じ制御シグナリングのセットを搬送してもよく、または、第2のAPは、第1のAPによって搬送される制御シグナリングのサブセットを搬送してもよい。第2のAPは、そのBSSID/カラーおよびAIDをSTAに割り当ててもよく、これらは、第1のAPによって搬送されるものと同じでなくてもよい。
【0143】
第2のAPによって送信されるパケットを受信すると、STAは、PLCPヘッダ内のAIDおよびBSSID/カラーフィールドをチェックし、それを対応するBSS内のその割り当てられたAIDと比較し得る。AID同士が一致する場合、STAは、STA自身をパケットの所望の受信機と考慮し得る。STAは、PLCPヘッダをチェックすることを継続し得る。STAは、送信がマルチAP HARQ用であると決定し得る。STAは、これがマルチAP HARQのための再送信であると決定し得る。STAは、対応するHARQタイマをチェックし得る。タイマが終了した場合、STAは、その送信を新しい送信として取り扱い得る。タイマが終了していない場合、STAは、受信されるパケットを、そのバッファ内に保存されたパケットと組み合わせ得る。2つ以上のHARQプロセスが許可され得る。STAは、そのバッファをチェックし、組み合わせるべき正確なAIDおよびHARQプロセスIDを有するパケットを選択し得る。STAは、異なるAPに関連付けられた異なるAIDを有し得る。STAは、AIDと対応するAPとの関係を知っていてもよい。STAは、異なるAPにおける異なるHARQプロセスIDを有してもよい。STAは、ネゴシエーションフェーズ期間中にHARQプロセスIDおよび対応するAPを知っていてもよい。STAは、送信のRVをそのバッファ内に保存されたものと組み合わせる場合、送信のRVを考慮し得る。STAは、ネゴシエーションフェーズ期間中に、対応するAPから予期される送信の最大数を知り得る。
【0144】
図5は、STAの観点からのマルチAP HARQダウンリンクプロセスの例を例示するフロー図である。この例の目的のために、たとえ明示的に記載されていなくても、本明細書において説明される一般的なマルチHARQシナリオ機能/アクションのいずれかが適用され得ると仮定され得る。本明細書において説明されるような、マルチHARQシナリオについてのSTAと2つのAPとの間のネゴシエーションの結果として、501において、STAは、チャネルを監視し得る。502において、STAは、監視されるチャネル上で、関連付けられたAPのうちの1つ(例えば、第1のAP)から、信号内のパケットを受信し得る。STAは、AP AIDが(例えば、関連付け/ネゴシエーション期間中に)構成されたものと一致すると決定し得る。503において、STAは、(例えば、PLCPヘッダに基づいて)信号がマルチHARQ信号であると決定し得る。504において、STAは、信号が新しい送信である(例えば、再送信ではない)と決定し得る。信号が新しい送信である場合、505において、STAは、パケットが成功裡に復号されることが可能かを決定する。パケットが成功裡に復号されることが可能である場合、506において、STAは、ACKを生成し、関連付けられたAPへ送信またはブロードキャストし得る。505において、パケットは成功裡に復号されることができないとSTAが決定した場合、STAは、508においてタイマを開始する。510において、次いで、STAは、パケットをバッファ内に保存し、次いで、プロセス501の始めに戻って、再送信を待つ。いくつかの場合において、パケットが部分的に復号されることが可能であった(例えば、依然として成功しない)場合、STAは、NACKを送信し、プロセス501の始めに戻って、再送信を待ってもよい(図示せず)。504において、受信されたマルチHARQ信号は新しい送信ではない(例えば、再送信)とSTAが決定した場合、STAは、507において、タイマが終了したかを決定する。タイマが終了している場合、STAは、508においてタイマを開始し、そこから上述したように継続する。タイマが終了していない場合、509において、STAは、受信されたパケットをバッファ内に記憶されたものと組み合わせ得る。STAは、次いで、511において、パケットが成功裡に復号された(例えば、STAがパケット全体を復号した)かを決定する。STAがパケットを成功裡に復号した場合、512において、STAは、タイマを停止し、次いで、506において、関連付けられたAPへACKをブロードキャストすることに進む。パケットが511において成功裡に復号されない場合、STAは、510においてパケットをバッファ内に保存し、そこからプロセスを継続する。511における、パケットが復号されるかどうかの決定は、再送信のためのみに行われることに留意されたい。
【0145】
図6は、マルチAP HARQダウンリンク送信の例を例示する送信図である。この例の目的のために、たとえ明示的に記載されていなくても、本明細書において説明される一般的または例示的なマルチHARQシナリオ機能/アクションのいずれかが適用され得ると仮定され得る。STA503は、2つ以上のAP(例えば、AP601およびAP602)と関連付けられ得る。AP601、AP602、およびSTA603は、ダウンリンク(DL)マルチAP HARQ送信(例えば、プロセス511~515)を実行するためにネゴシエートし得る。ネゴシエーションの結果、STA603は、AP601がAID1を有し、AP602がAID2を有することを示され/通知されていることがある。AP601は、STA603のためのメイン/プライマリ/マスタAPであってもよく、AP602は、STA603のためのセカンダリ/サーバントAPであってもよい。この例において、ACKポリシーは、パケットが受信されない場合、またはパケットは受信されるが、完全には復号されない場合、応答しないことであってもよい。
【0146】
関連付けの後、AP601、AP602、およびSTA603は、ネゴシエートして、マルチAP HARQ送信(例えば、AP601とAP602との両方からSTA603へのPPDU送信)を実行し得る。ネゴシエーションは、最初のマルチAP HARQ送信の前のいつでも発生し得、これは、611において、AP601がSTA603へマルチAP HARQパケットを送信する(例えば、AID1を有するPPDUを送る)場合に発生し、マルチAP HARQパケットは、本明細書において開示されるような情報/インジケーションを含み得る(例えば、BSSID/カラー、アクセスポイント識別子(AID)、マルチAP HARQ送信、ACKポリシー、HARQ関連情報等)。この例では、612において、STA603はパケットを受信しないかもしれず(例えば、復号が失敗する)、したがって、パケットの送信に続く肯定応答は送られないことがある。
【0147】
一定の期間613の後、AP602は、STA603からいかなる応答も受信しないことがあり、そのマルチAP HARQ再送信を614において開始し得る。AP602の待機期間は、予め定義されていても、または所定であってもよい。期間は、ACK送信をカバーするのに十分であり、短いフレーム間空間(SIFS)持続期間に、分散協調機能(DCF)フレーム間空間(DIFS)持続期間を足したものである。例えば、AP602は、613において示されるように、再送信を準備するために、拡張されたフレーム間空間(EIFS)持続期間、待機する必要があり得る。AP602は、AP601と同じ制御シグナリングのセットを提供してもよく、または、AP602は、AP601によって提供されるような制御シグナリングのサブセットを搬送してもよい。AP602は、そのBSSID/カラーおよびAID(例えば、AID2)がSTA603に提供されるようにしてもよく、これはAP501によって提供されるものと同じでなくてもよい。
【0148】
STA603は、AP602から送られた再送信を成功裡に復号し得る。予め構成されたACKポリシーに基づいて、STA603は、肯定応答送信を準備し得る。615において、STA603は、パケットの終わりからxIFS持続時間において、AP601とAP602との両方へマルチAP ACKを送信し得る。
【0149】
図7は、マルチAP HARQダウンリンク送信の例を例示する送信図である。図から分かるように、図7は、明示的なNAK送信を有する、マルチAP HARQ送信手続きの例を例示する図であるのに対して、図6は、明示的なNAK送信がない、マルチAP HARQ送信手続きの例である。図7に示される例の目的のために、たとえ明示的に記載されていなくても、本明細書において説明される一般的または例示的なマルチHARQシナリオ機能/アクションのいずれかが適用され得ると仮定され得る。マルチHARQシナリオについて本明細書において説明される一般的なプロセスと同様に、AP701、AP702、およびSTA703は、マルチHARQ送信をネゴシエートし得る。AP701はAID1を有し得、AP702はAID2を有し得る。この例において、ACKポリシーは、各送信の後にACK/NAK/NTXにより即時肯定応答を示す値に設定され得る。ここで、ACK/NAKは、それぞれ肯定的/否定的な応答であり得る。
【0150】
711において、AP701は、AID1を有するパケット(例えば、PPDU)をSTA703へ送信し得る。712において、パケットが成功裡に復号されない場合、STA703は、HARQタイマを開始し得る。STA703は、そのバッファ内に破損したパケットを保存し得る。STA703は、ネゴシエーションフェーズ期間中に、対応するAPから予期される送信の最大数を知り得る。ACKポリシーに応じて、713において、STA703は、AP701および/またはAP702へNAKを送信し得る。STA703は、AP701および/またはAP702へ制御/管理フレームを送信し得る。あるいは、STA703は、再送信をトリガするために、AP702へフレームを送ってもよい。制御/管理フレームにおいて、STA703は、好適なまたは提案されるHARQ再送信パラメータを示し得る。AP702は、714において、そのマルチAP HARQ再送信をトリガし得る、STA703からのNAKを受信し得、714において、AP702は、AID2を有するパケット(例えば、再送信)を送る。AP702は、AP701と同じ制御シグナリングのセットを搬送してもよく、または、AP702は、AP701によって搬送される制御シグナリングのサブセットを搬送してもよい。AP702は、そのBSSID/カラーおよびAIDをSTA703に割り当てられるようにしてもよく、これはAP701によって搬送されるものと同じでなくてもよい。715において、STAが714の再送信のパケットを成功裡に復号した後、STA703は、ACKポリシーに基づいて肯定応答送信を準備し得、次いで、STA703は、パケットの終わりからxIFS持続時間に、AP701とAP702との両方へマルチAP ACKを送信し得る。
【0151】
図8は、マルチAP HARQダウンリンク送信の例を例示する送信図である。この例においては、繰り返される送信、例えば、ACKポリシーについてのものなどがあり得、タイマ期間(例えば、EIFS)または応答(例えば、ACK/NACK)を待機する必要がない。この例の目的のために、たとえ明示的に記載されていなくても、本明細書において説明される一般的または例示的なマルチHARQシナリオ機能/アクションのいずれかが適用され得ると仮定され得る。AP801、AP802、およびSTA803は、マルチAP HARQ送信を可能にするためにネゴシエートし得、これはマルチAP HARQ送信811の前のいつでも発生し得る。ネゴシエーション期間中に、ACKポリシーが示され得る。ACKポリシーは、AP反復送信間の肯定応答を示さない値に設定され得る。STA803は、マルチAP HARQ送信を実行し得るAPの数、この送信の後であって、予期される肯定応答の前に送信し得るAPの数、マルチAP HARQ送信において送信し得るAPの総数、ならびに/または、完全なAP送信の数および肯定応答の前の残りのAP送信の数のうちの1つまたは複数に関するインジケーションを受信し得る。
【0152】
811において、AP801は、マルチAP HARQパケットをSTA803へ送信し得る。812において、STA803は、マルチAP HARQ送信間にACKが必要とされないというインジケーションがあることに留意し得る。復号が失敗した場合、STA803は、本明細書において開示されるような受信/復号が失敗した場合の手続きに進み得る。受信が成功した(例えば、STA803がMAC本体を成功裡に復号することができる)場合、STA803は、いかなる将来の反復送信も無視し得る。813において、AP802は、時間期間または肯定応答を待機せずに、AP801から送信の後にマルチAP HARQ再送信を開始し得る。
【0153】
全ての送信が送られると、STA803は、814において肯定応答送信を準備し得る。STA803は、パケットの終わりからxIFS持続時間(例えば、ブロードキャストACKフレーム期間中)にAP801とAP802との両方へマルチAP ACKを送信し得る。
【0154】
図8の例は、APごとに反復送信がある状況へと拡張され得る。例えば、AP801は、パケットを2回以上(例えば、2回)送信してもよく、AP802は、パケットを2回以上(例えば、2回)送信してもよく、STA803は、全ての反復が完了した後に肯定応答を送信してもよい。
【0155】
本明細書において論じられるように、HARQプロセスにおける各送信に対する物理リソース割り当ては、周波数ダイバーシティを達成するために異なり得る。例えば、第1の送信は、RUセット1を使用してもよく、第2の送信は、RUセット2を使用してもよい。RUセット1とRUセット2とは、完全に重複していても、もしくは完全に重複していなくてもよく、または部分的に重複してもよい。たとえRUセット1がRUセット2に重複することがあっても、物理リソースマッピングに対する変調されたシンボルは、各送信について異なり得る。
【0156】
図6図7、および図8に示される例においては、例示の単純さのために、1つのSTAへ送信する2つのAPがあるが、これらの例は、3つ以上のAPが1つのSTAへ送信する状況へと拡張され得る。さらに、マルチAP HARQプロセスのこれらの例は、マルチバンドHARQの場合において使用されてもよい。
【0157】
一般に、任意のマルチAP HARQ状況期間中に、アップリンク(UL)送信に関するシナリオに適用する、STAおよび複数のAPに関する多くの機能またはアクションがあり得る。そのようなシナリオにおいて、STAは、1つまたは複数のAP(例えば、第1のAPおよび第2のAP)からトリガを受信し得る。第1のAPは、プライマリ/マスタAPであってもよく、第2のAPは、セカンダリ/サーバントAPであってもよい。STAは、次いで、両方のAPへ、両方のための1つのリソースを使用して、またはAPごとに異なるリソースを使用して、HARQ送信を送信し得る。次いで、STAは、APのうちの1つまたは両方から、肯定応答を受信し得る。
【0158】
最初に、STAは、アップリンクマルチAP HARQ送信のためのリソースを決定する必要があり得る。1つの場合において、STAは、(例えば、トリガにおいて)両方のAP上の共通のリソースを割り当てられてもよく、単一のHARQ RVを両方のAPへ同時に送信してもよい。ジョイントアップリンクHARQ結合の場合、APは、チェイス結合とIR結合との組み合わせを使用して、パケットを復号し得る。特定の時にSTAから送られたパケットから集められた両方のAPからの情報は、共にチェイス結合され得る。他の時に送られたパケットの付加的なRVバージョンは、元々受信されたパケットとIR結合され得る。
【0159】
別の場合において、STAは、各AP上で異なるリソースを割り当てられ得る。リソースは、周波数(例えばRU)または時間によって分離され得る。この場合において、APは、異なるAPのための異なるリソースからの情報をIR結合し得る。
【0160】
APに指示される場合において、STAは、両方のAPのための1つのリソース、またはAPごとの異なるリソースを割り当てられ得る。一例において、(マスタAPからの)1つの単一のマスタトリガフレームは、両方のAPのためのリソースをSTAに割り当ててもよい。STAは、このマスタトリガを読み取り、HARQ ID、RV、送信電力、および両方のAPのためのリソースに基づいて、APへ情報を送信し得る。別の例においては、別個のトリガフレームが、各APによって独立して送られてもよい。
【0161】
自律STAの場合において、STAは、必要なAP上でHARQ送信リソースを独立して獲得し、所望のAPへ送信し得る。これは、EDCAによっても、またはUL OFDMAランダムアクセス(UORA)トリガフレームに応答することによってもよい。STAパケットは、所望のAPのアドレスを示し得る。
【0162】
STAのリソースが決定されると、STAは、パケットを用いて送信を送り得、APは、割り当てられたリソース上で送信を受信し、それらを独立してまたは共同で処理し得る。
【0163】
一例において、バックホールが、異なるAPに到達する情報のHARQ結合(例えば、ジョイントアップリンクHARQ結合)を可能にするために使用されてもよい。
【0164】
一例において、各APは、情報を独立して復号し、ローカルHARQ結合(例えば、別個のアップリンクHARQ結合)を実行してもよい。この例において、AP間の通信は、成功した復号があったか否か、および復号プロセスの成功または失敗がどのようにSTAへ送信されることになるかに限定され得る。
【0165】
送信が処理されると、APは、マルチAP HARQ応答をSTAへ送る必要がある。ACK/NAK応答は、各APから独立して送られてもよく、または指定されたプライマリAPによって送られてもよい。
【0166】
AP応答について信頼性の向上が必要とされ得るシナリオにおいて、両方のAPは、応答を独立して送り得る。これは、(例えば、ダイバーシティが、STAへの異なるチャネルに、またはそのACKの送信を意図的に遅延させる1つのAPに由来して、チャネルの周波数選択性を増加させることに起因して、より多くのチャネルバリエーションを提供するマルチAPシフトダイバーシティなどの、付加的なダイバーシティを提供するために)同じリソース上で送られても、または異なるリソース上で送られてもよい。
【0167】
プライマリAPがHARQ結合を実行するシナリオにおいて、プライマリAPは、ACK/NAKを送り得る。あるいは、プライマリAPは、復号を実行し、フィードバックの状態をセカンダリAPへ送ってもよい。各APは、次いで、応答をSTAへ日和見的に送り得る。
【0168】
一般に、たとえ例において明示的に記載されていなくても、本明細書において説明されるマルチHARQダウンリンクシナリオの機能/アクションのいずれかは、アップリンク状況に互恵的な様式で適用され得る。
【0169】
図9は、STAの観点からのマルチAP HARQアップリンクプロセスの例を例示するフロー図である。この例の目的のために、たとえ明示的に記載されていなくても、本明細書において説明される一般的なマルチHARQシナリオ機能/アクションのいずれかが適用され得ると仮定され得る。最初に、STAは、複数のAPに関連付けられ、これらのAPとマルチHARQ構成についてネゴシエートし得る。901において、STAは、(例えば、ネゴシエーションの結果として)チャネルを監視し得る。1つのオプションでは、902aにおいて、STAは、関連付けられたAPのうちの1つからアップリンクHARQトリガを受信し、AIDが一致すると決定し得る。別のオプションでは、902bにおいて、STAは、プライマリAPからUORAトリガを受信し得る。いずれの場合にも、903において、STAは、トリガからULアップリンクマルチAP HARQリソースを示され得る。904において、STAは、示されたリソース上で、(例えば、HARQ ID、RV等を含む)アップリンクマルチAP HARQ送信を送り得る。905において、STAは、APからのマルチAP肯定応答をリッスンし得る。
【0170】
いくつかの場合において、肯定応答フレームは、STAから複数のAPへ送信され得る。図9の例において、マルチAP肯定応答は、1つのHARQ送信についての肯定応答を含有し得るが、肯定応答は、2つ以上のAPへ配信される必要があることがある。したがって、以下の情報、すなわち、マルチAP HARQ ACKなどの肯定応答タイプ、APを示すために使用されるようなAP ID、HARQ ID、および/または肯定応答のうちの1つもしくは複数、または全部が、肯定応答フレームにおいて必要とされ得る。
【0171】
図10は、マルチAP HARQアップリンク送信の例を例示する送信図である。この例の目的のために、たとえ明示的に記載されていなくても、本明細書において説明される一般的なマルチHARQシナリオ機能/アクションのいずれかが適用され得ると仮定され得る。マルチAP HARQアップリンク送信を実行するためのネゴシエーションを行うAP1001、AP1002、およびSTA1003が存在し得る。1011において、AP1001(例えば、プライマリAP)は、全てのAP(例えば、AP1001およびAP1002)のためのリソースをSTA1003に割り当てる、ULマルチAP HARQ送信のための1つの単一のマスタトリガフレームを送り得る。トリガは、HARQ ID、RV、送信電力、および両方のAPのためのリソースに関連する情報を示し得る。STA1002は、(例えば、単一のRVを有する)トリガに基づいて、APへパケットを送信し得る。いくつかの場合において、別個のトリガフレームが、各APによって独立して送られてもよい(図示せず)。1013において、APは、共通のリソース上でパケットを受信し得る。いくつかの場合において、APは、パケットを独立して復号してもよい(図示せず)。別の場合において、APは、バックホール/コントローラを使用してHARQ結合してもよく、ここで、APは、チェイス結合とIR結合との組み合わせを使用して、パケットを復号し得る。特定の時に送られたパケットに関する両方のAPからの情報は、共にチェイス結合され得る。1014および1015において、各APは、肯定応答(例えば、シフトダイバーシティを使用するACK)を独立して送り得る。
【0172】
図11は、マルチAP HARQアップリンク送信の例を例示する送信図である。この例の目的のために、たとえ明示的に記載されていなくても、本明細書において説明される一般的なマルチHARQシナリオ機能/アクションのいずれかが適用され得ると仮定され得る。マルチAP HARQアップリンク送信を実行するためにネゴシエートするAP1101、AP1102、およびSTA1103があり得る。1111において、AP1101(例えば、プライマリAP)は、全てのAP(例えば、AP1101とAP1102)のためのリソースをSTA1103に割り当てる、ULマルチAP HARQ送信のための1つの単一のマスタトリガフレームを送り得る。トリガは、HARQ ID、RV、送信電力、および両方のAPのためのリソースに関連する情報を示し得る。1112および1113において、STA1103は、異なるリソースを使用して、各APへ1つを送信し得る。リソースは、周波数(例えば、RU)または時間によって分離され得る。1114において、AP1101およびAP1102は、本明細書において説明されるように、異なるAPのための異なるリソースからの情報をIR結合し得る。1115において、ACK/NAK応答が、全てのAP情報に基づいてAP1101(例えば、プライマリ/マスタAP)から送られ得る。
【0173】
図12は、マルチAP HARQ肯定応答の例を例示するSIG-B図である。一般に、マルチSTA BA(例えば、802.11axにおいて定義されるものなど)は、マルチAP肯定応答を実現するために修正され得る。このようにして、各APは、それ自身の肯定応答部分を有し得る。例えば、図12に示されるように、1つまたは複数のフィールドが適合され得る。1つのフィールドは、BAタイプフィールド1212であってもよく、ただし、BAタイプは、マルチAP HARQ肯定応答を示すために使用され得る。別のフィールドは、BSSID11フィールド1251であってもよく、BSSID11フィールド1251は、AID TID情報フィールドにおいて定義され得る。BSSID11は、AP IDを示すために使用され得る。別のフィールドは、HARQ IDフィールド1242であってもよく、HARQ IDフィールド1242は、AID TID情報フィールドごとに定義され得る。HARQ IDは、APによって異なってもよいが、APは、HARQ IDおよびBSSID11を共に使用して、肯定応答されたパケットを識別し得る。このフィールドは、1つのHARQ IDのみが使用される場合には、任意選択であってもよい。
【0174】
いくつかの場合においては、有線バックホールが利用可能ではないことがあり、したがって、ワイヤレスバックホールが利用される必要があり得る。ワイヤレスバックホールを有するマルチAP HARQ状況において、APは、マルチAP送信(例えば、AP間通信)の前に、互いとの間でデータペイロードを共有し得る。AP間のこの通信は、STAによって再使用されない限り、オーバーヘッドとして考慮され得る。STAは、AP間通信のために使用されるチャネル上で信号を受信することが可能であり得る。
【0175】
このワイヤレスバックホール状況の場合、通信の2つの段階、すなわち、1つのAPがSTAのためのペイロードを1つまたは複数のAPと共有するバックホール送信段階と、1つまたは複数のAPがSTAへ送信するために協調し得るマルチAP送信段階とがあり得る。AP間のデータペイロード共有をSTA側で再使用可能にするために、データペイロード共有(例えば、バックホール送信段階)は、1つまたは複数のアルゴリズム、すなわち、単一STAデータ共有、および/または、マルチSTAデータ共有を使用し得る。
【0176】
単一のSTAデータ共有の場合、1つのAPは、STAへ意図されたデータをパケット内にパックし、これを1つまたは複数のAPと共有し得る。パケットは、各PPDUが個々にコーディングされるように、アグリゲートされたPPDUフォーマットで送信され得、後でSTAへ独立して送信され得る。パケットは、特別なSIGフィールドを有し得、特別なSIGフィールドは、1つまたは複数の情報フィールドを含有し得る。
【0177】
1つの情報フィールドは、バックホール送信インジケーションであってもよく、このフィールドは、送信がSTAのためのデータペイロードを共有するAP間のバックホール送信であることを示し得る。
【0178】
1つまたは複数の情報フィールドは、送信元AP ID、送信先AP ID、および意図されるSTA IDとし得る。送信元AP ID/送信先AP IDは、送信機および受信機IDを示し得る。意図されるSTA IDは、PPDU内で搬送されるデータがSTAに所属し得ることを示し得る。IDは、MACアドレス、BSSID、AID、または他のタイプの圧縮IDもしくは非圧縮IDであってもよい。
【0179】
1つまたは複数の情報フィールドは、HARQプロセスID、新しい送信インジケーション等などのマルチAP HARQ関連情報であってもよい。いくつかの実例において、STAのためのバックホール送信段階およびマルチAP送信段階において送信される同じパケットのために、同じHARQプロセスIDが使用され得、その結果、STAがマルチAP送信段階においてパケットを受信する場合に、STAが受信機側でHARQ結合を実行することができるかをSTAが決定し得る。
【0180】
図13は、複数のSTAのためのバックホール上で送信されるA-PPDUフォーマットの例を例示するパケット図である。マルチSTAデータ共有の場合、1つのAPは、1つまたは複数のSTAへ意図されるデータをパケット内にパックし、それを1つまたは複数のAPと共有し得る。パケットは、各PPDUが個々にコーディングされるように、アグリゲートされたPPDUフォーマットで送信され得、後でSTAへ独立して送信され得る。例えば、パケットは、STA 1301への2つのPPDUと、STA 1302への3つのPPDUとを含有し得る。一例において、SIGフィールドは、STA固有であり、図13に示されるように、STAに所属するPPDUの前に挿入され得る。別の例において、SIGフィールドは、PPDU固有であり、各PPDUの前に挿入されてもよい(図示せず)。SIGフィールドは、1つまたは複数の情報フィールドを含有し得る。
【0181】
1つの情報フィールドは、バックホール送信インジケーションであってもよく、このフィールドは、送信がSTAのためのデータペイロードを共有するためのAP間のバックホール送信であることを示し得る。あるいは、このフィールドはPLCPヘッダ内の共通SIGフィールド内で搬送されてもよい。
【0182】
1つまたは複数の情報フィールドは、送信元AP ID、送信先AP ID、および意図されるSTA IDとし得る。送信元AP ID/送信先AP IDは、送信機および受信機IDを示し得る。意図されるSTA IDは、PPDU内で搬送されるデータがSTAに所属し得ることを示し得る。IDは、MACアドレス、BSSID、AID、または他のタイプの圧縮IDもしくは非圧縮IDであってもよい。
【0183】
1つまたは複数の情報フィールドは、HARQプロセスID、新しい送信インジケーション等などのマルチAP HARQ関連情報であってもよい。いくつかの実例において、STAのためのバックホール送信段階およびマルチAP送信段階において送信される同じパケットのために、同じHARQプロセスIDが使用され得、その結果、STAがマルチAP送信段階においてパケットを受信する場合に、STAが受信機側でHARQ結合を実行することができるかをSTAが決定し得る。
【0184】
1つの情報フィールドは、次のSIGフィールドであってもよく、A-PPDU内の次のSIGフィールドのロケーションを示すために使用され得る。
【0185】
ワイヤレスバックホールシナリオの場合、STAは、STAへ意図されたPPDUをSTAが検出したことを示すために、バックホール送信期間中に、またはバックホール送信の後に、肯定応答を送信することを許可され得る。STAからの肯定応答送信は、AP間の最後の肯定応答後のxIFS時間であってもよい。あるいは、STAからの肯定応答送信は、ポーリングベースであってもよい。例えば、1つのAPは、マルチAP送信の前に、1つまたは複数のSTAへポーリングフレームを送信してもよく、STAからの肯定応答が、APのうちの1つによって成功裡に受信され得る場合、マルチAP送信段階は必要とされないことがある。
【0186】
STAが、バックホールチャネルにおいて肯定応答を送信し得る状況の場合、STAは、バックホールチャネルを最初に監視し得る。STAが、受信されるパケット内のSIGフィールドを成功裡に検出した場合、STAは、それがバックホール送信であるか、およびSTA IDがSTA自身のIDと一致するかをチェックし得る。両方のチェックを通過した場合、STAは、後続のPPDUを復号しようとし得る。STAがPPDUを成功裡に復号した場合、STAはAPに肯定応答し得る。STAがPPDUを成功裡に復号しない場合、STAは、受信された信号をバッファ内に保存し、その動作チャネルを監視することを継続し得る。その後、STAが、同じHARQ IDを有するSTAへの送信を検出した場合、STAは、受信された信号をバッファ内に保存された信号と組み合わせ、復号し得る。STAは、本明細書において説明されるような任意の他のステップも実行してもよい。
【0187】
図14Aは、HARQプロセスごとに一意のSIG-Bフィールドを使用する、例示的な送信プロセスを例示するフロー図である。図14Bは、HARQプロセスごとに一意のSIG-Bフィールドを使用する、異なるレベル/層の送信シナリオの例を例示する図である。図14Aの説明は、図14Bに適用され得、両方の図に例示されるような例は、図14の例と称されることがある。各STAについてのMp HARQプロセスを有するHARQベースのPPDU送信があり得、送信は、PLCPサービスデータユニット(PSDU)(例えば、物理層から見たMPDU)、サービスフィールドビット、およびパディングビットを含み得る情報を含有し得る。この情報は、M≦Mp個のセグメントに分割され得、各セグメントは、対応するPHYサブフレームに関連付けられた一意のSIG-Bフィールドと、1つまたは複数のスタンドアロンコードワード(CW)と共に送信され得る。例えば、PSDUは、K個のA-MPDUサブフレームとエンドオブフレーム(EOF)とから構成され得る(例えば、図14Bの1421MAC層を参照)。次いで、下記が、複数のSIG-Bフィールド(例えば、図14Bの1422PHY層、1423ビットレベル、および1423信号レベル)を有するセグメントベースのHARQ送信を可能にするべく、PSDUを送信するために適用され得る。このプロセスは、STAまたはAPによって実行され得る。
【0188】
1401において、PSDUおよびサービスフィールドビットは、連結され、Npad_PSDU個のビットでパディングされ得、これは送信されるべき情報ビットとして合計Nbits個のビットを生み出し得る。情報コンテンツのビットは、スクランブラを用いてスクランブルされてもよく、またはインターリーバを用いてインターリーブされてもよい。
【0189】
1402において、Nbits個の情報ビットは、M個のセグメントに分割され得、ただし、各セグメントは、Nsegment個のビットを含む。いくつかの場合において、情報ビットがM個のセグメントへグループ化され、パディングが各セグメントに適用される、分散セグメント化が実行されてもよい(例えば、図14Bの1425分散セグメント化)。例えば、パディングビットの数は、各セグメントがNpad_PSDU個のパディングビットを有するように、セグメント間で一様に分散されてもよい。あるいは、パディングビットは、まずバイトへグループ化されてもよく、バイト数は、最後を除くセグメント間で一様に分散されてもよい。セグメント化は、LDPCコードワードサイズの関数であってもよい。
【0190】
1403において、先行する失敗したセグメントおよび新しい利用可能なセグメントに基づいて、セグメントは、異なるHARQプロセスに割り当てられ得る。各HARQプロセスは、送信まで、および同じセグメントの全ての冗長バージョンが送信され得るまで、同じセグメントを送信し得る。
【0191】
1404において、各HARQプロセスにおける未加工データは、Npad_preFEC個のビットでパディングされ、NphyCRC個のCRCビットでプリペンドされ得、これは、Nblock=Nsegment+Npad_preFEC+NphyCRC個のビットにつながる。ブロックは、未加工データ、パディング、およびCRCを含み得る。各ブロック内のビットは、スクランブラを用いてスクランブルされてもよい。各ブロック内のビットは、インターリーバを用いてインターリーブされてもよい。
【0192】
1405において、各ブロックは、各メッセージがNmessage個のビットを含有し得る、Mmessage個のメッセージへ分けられ得る。
【0193】
1406において、各メッセージは、コードレート
【0194】
【数1】
【0195】
で、LPDCエンコーダまたはBCCエンコーダなどのエンコーダを用いて符号化され得、これは、長さNcwビットのコードワードを生成し得る。符号化されたブロックは、Mmessage個のコードワードを連結することによって生成され得、ただし、符号化されたブロックのサイズは、NencodedBlock=Mmessagecwとし得る。
【0196】
1407において、ビットレベルにおける対応するPHYサブフレームは、符号化されたブロックをNpad_postFEC個のゼロでパディングすることによって生成され得、これは、ビットレベルにおける各PHYサブフレームについての、長さNPHYsubframe=NencodedBlock+Npad_postFECビットにつながる。
【0197】
1408において、ビットレベルインターリーバが、Ncw個のコーディング済みのビット、またはNencodedBlock個のビット、または、NPHYsubframe個のビットに適用され得る。
【0198】
m番目のPHYサブフレームの場合、一意のSIG-Bフィールドが、以下のコンテンツを用いて準備され得る。後続のPHYサブフレーム上でどのセグメントが搬送されるかを示し得るセグメントインジケータ
【0199】
【数2】
【0200】
(例えば、それが2である場合、PHYサブフレームは、第2のセグメントに関連する情報を含有する)。新セグメントインジケータ(1ビット)は、後続のPHYサブフレームのコンテンツが新しいか否かを示し得る(例えば、それが0である場合、それは同じセグメント(例えば、図14BのセグメントX)の再送信であり、それが1である場合は、新しいセグメントが送信されることを意味する)。冗長バージョンインデックスは、セグメントの冗長バージョンを示し得る(例えば、それが3である場合、示されたセグメントの第3の冗長バージョンが、後続のPHYサブフレーム内で送信される)。多くのプレFECパディングビット
【0201】
【数3】
【0202】
が、後続のPHYサブフレーム内で使用されてもよい。多くのポストFECパディングビット
【0203】
【数4】
【0204】
が、後続のPHYサブフレーム内で使用されてもよい。多くのPSDUパディングビット
【0205】
【数5】
【0206】
が、後続のPHYサブフレーム内で使用されてもよい。変調コーディングインデックスが、後続のPHYサブフレーム内で使用されてもよい。コーディング前の情報ビットのサイズを示し得る、セグメント長さが使用され得、ただし、サイズは、バイト単位であり得、このフィールドは、未加工のブロックおよびプレFECパディングビットのサイズを示してもよく、ならびに/または、このフィールドは、未加工のブロックのサイズを示してもよい。
【0207】
1409において、各PHYサブフレーム内のビットは、変調シンボルにマッピングされ得、これは、NmodSymbol=NPHYsubframe/log2Sにつながり得、ただし、変調Sは、変調次数(例えば、64QAMの場合はS=6)であり得る。
【0208】
シンボルレベルインターリーバは、NmodSymbol個のシンボルに適用され得る。あるいは、シンボルレベルインターリーバは、各OFDMシンボルに適用されてもよい。
【0209】
1410において、変調シンボルは、次いで、参照シンボルと共にOFDMシンボル内の時間リソースおよび周波数リソースにマッピングされ得、結果として生じるOFDMシンボルは、信号レベルにおいて対応するPHYサブフレームを生成し得る。
【0210】
1411において、m番目のPHYサブフレームについての対応するSIG-Bフィールドは、OFDM送信を使用することによって信号へ変換され得る。
【0211】
m番目のPHYサブフレームに関連付けられたm番目のSIG-Bフィールドは、連続して送信され得る。
【0212】
1つの場合において、Npad_preFECは、各ブロックに対して一様に選ばれてもよく、これは受信機設計を単純化し得る。別の場合において、Npad_preFECは、オーバーヘッドを低減するために、送信される最後のブロックを除いて、0に設定され得る。例えば、ビットは、ユニットに対して均等に分散されても(各ユニットにおけるプレFECパディング)、または、各ユニットに対してバイトレベルで均等に分散されてもよく、最後のユニットは、プレFECパディングを必要とし得る。
【0213】
EHT-MARKフィールドは、HARQ PPDUに関連するシグネチャ情報も含有し得る。それは、RL-SIGの回転されたバージョンであってもよい。例えば、EHT-MARKは、1i*RL-SIGであってもよい。
【0214】
セグメント化計算は、コードワード長さに基づき得る。例えば、異なるサイズを有する様々なパリティチェック行列が、LPDCのために考慮されてもよく、これは異なるコードワード長さを生み出し得る。この問題に対処するために、Nbits個の情報ビットは、M=NCW,total個のグループへパーティション化され得る。CRC追加の後、各グループは、複数のコードワード(すなわち、ブロック)へ符号化され得る。選択されたパリティチェック行列のサイズに基づいて、NCW,totalが決定され得る。
【0215】
図15は、単一のSIG-Bが、全てのPHYサブフレームに関連するHARQ情報を示す例を例示するパケット図である。PPDU持続時間を低減するために、複数のPHYサブフレームに関連する情報を含み得る複数のOFDMシンボルから構成され得るSIG-Bフィールド。この1つのPPDUについて、EHT-SIG-B1 1508は、M番目のPHYサブフレーム1516まで、PHYサブフレーム1 1509、PHYサブフレーム2 1510等についての情報を提供し得る。
【0216】
図16は、単一のSIG-Bが、PHYサブフレームのグループに関連するHARQ情報を示す例を例示するパケット図である。ここで、1つのPPDUについて、単一のSIG-B1608は、Mr個のPHYサブフレームに関連する情報を示し得、後続のPHYサブフレームは、LTFと共に別のSIG-B1613によって示される。
【0217】
いくつかの場合において、HARQ再送信を用いて、長いパケットについてのチャネル推定性能を強化するために、LTFはMr番目のPHYサブフレームの後に再送信され得る。例えば、Mr=4の場合、第4のPHYサブフレームと第5のPHYサブフレームとの間で、LTFが再送信され得る。
【0218】
1つのアプローチにおいて、単一のHARQプロセスIDを有するセグメント化された送信があり得る。PPDU送信は、単一のHARQプロセスIDと、最大でMmax個のPHYサブフレームとを有し得、ただし、Mmaxは、予め定義され/所定であり得る。あるいは、値は、APによって動的に決定され、管理/制御フレーム、例えば、ビーコンフレーム、トリガフレーム等などにおいてシグナリングされてもよい。STAごとに、PSDU、サービスフィールドビット、およびパディングビットを含み得る情報コンテンツは、M≦Mmax個のセグメントに分割されてもよく、各セグメントは、対応するPHYサブフレームに関連付けられた一意のSIG-Bフィールド、および1つまたは複数のスタンドアロンコードワードと共に送信され得る。単一のHARQプロセスIDが、1つのPSDUによって生成され得る全てのセグメントに対して使用されてもよく、各セグメントは、それ自身のセグメントIDを有し得る。1つの送信、またはA-PPDUにおいて、PHYサブフレームが異なるHARQプロセスIDを有し得ることが可能であり得る。例えば、いくつかのPHYサブフレームが、HARQプロセスID xを有する再送信のために使用されてもよく、いくつかのPHYサブフレームが、HARQプロセスID yを有する新しい送信のために使用されてもよい。セグメントIDおよびHARQプロセスIDは共に、PHYサブフレーム/セグメントを一意に識別し得る。
【0219】
手続きは、図14Aに関連して論じられた手続きと同じであり得るが、シグナリング部分が修正され得る。SIG-Bフィールドが、各PHYサブフレームの前に搬送され得る場合において、m番目のPHYサブフレームについて、SIG-Bフィールドは、HARQプロセスIDを用いて準備され得、このHARQプロセスIDは、PHYサブフレームのためのHARQプロセスIDを示し得る。SIG-Bフィールドは、セグメントIDを用いて準備され得、セグメントIDは、後続のPHYサブフレーム上でどのセグメントが搬送されるかを示し得、このフィールドは、
【0220】
【数6】
【0221】
個のビット、または
【0222】
【数7】
【0223】
個のビットを有し得る。SIG-Bフィールドは、セグメントインジケータ(1ビット)を用いて準備され得、セグメントインジケータは、後続のPHYサブフレームのコンテンツが新しい送信か否かを示し得る(例えば、それが0である場合、それは同じセグメント(例えば、図14B内のセグメントX)の再送信であり得、それが1である場合、それは新しいセグメントが送信されることを示し得る)。SIG-Bフィールドは、冗長バージョンインデックスを用いて準備されてもよく、冗長バージョンインデックスは、セグメントの冗長バージョンを示し得る(例えば、それが3である場合、示されたセグメントの第3の冗長バージョンが、後続のPHYサブフレーム内で送信され得る)。SIG-Bフィールドは、後続のPHYサブフレーム内で使用される、多くのプレFECパディングビット
【0224】
【数8】
【0225】
を用いて準備されてもよい。SIG-Bフィールドは、後続のPHYサブフレーム内で使用される、多くのポストFECパディングビット
【0226】
【数9】
【0227】
を用いて準備されてもよい。SIG-Bフィールドは、後続のPHYサブフレーム内で使用される、多くのPSDUパディングビット
【0228】
【数10】
【0229】
を用いて準備されてもよい。SIG-Bフィールドは、後続のPHYサブフレーム内で使用される変調コーディングインデックスを用いて準備されてもよい。SIG-Bフィールドは、セグメント長さを用いて準備されてもよく、セグメント長さは、コーディング前の情報ビットのサイズを示し得、ただし、サイズは、バイト単位であり得、このフィールドは、未加工のブロックおよびプレFECパディングビットのサイズを示してもよく、ならびに/または、このフィールドは、未加工のブロックのサイズを示してもよい。
【0230】
図17は、基本的なコードワード(CW)/CWグループ(CWG)ベースの肯定応答のためのフレームフォーマットの例を例示するSIG-B図である。一般に、基本的なCW/CWGベースの肯定応答は、パケットID1721を有するパケットについてのCW/CWGベースの肯定応答を搬送するために使用され得る。パケットIDは、HARQ送信ID、シーケンス番号、MACプロトコルデータユニット(MPDU)IDまたはPPDU IDであってもよい。パケットID1721は、期間内のパケットを一意に識別するために使用され得る。パケットIDは、PLCPヘッダ内で搬送され得、パケットのコンテンツは、データフィールド内で搬送され得る。パケットは、1つまたは複数のコードワードから構成され得る。CW/CWGの最大数は、予め定義されていても、所定であっても、または構成されてもよい。
【0231】
BAタイプフィールド1712内の値は、基本的なCW/CWGベースの肯定応答を示し得る。このフィールドを検出することによって、受信機は、BA情報フィールド1706がパケットIDフィールド1721およびCW/CWGビットマップフィールド1722などのフィールドを含有することを予期し得る。
【0232】
パケットIDフィールド1721は、肯定応答されたパケットのIDを搬送するために使用され得る。パケットIDは、HARQ送信ID、シーケンス番号、MPDU IDまたはPPDU IDであってもよい。パケットIDは、期間内のパケットを一意に識別するために使用され得る。
【0233】
CW/CWGビットマップフィールド1722は、パケットについてのCWまたはCWG肯定応答を搬送し得る。ビットマップのサイズは、パケットに対して許可されるCW/CWGの最大数によって決定され得る。パケット当たりのCW/CWGの最大数は、所定であっても、予め定義されていても、または構成されてもよい。1つの場合において、パケット当たりのCW/CWGの最大数は、トラフィック識別子(TID)値に関連し得る。例えば、TID1の場合、n1個の CW/CWGが許可されてもよく、TID2の場合、n2個のCW/CWGが許可されてもよい。ビットマップ内のk番目のビットは、k番目のCWまたはCWGが正確に復号され得るかを示し得る。
【0234】
図18は、アグリゲートされたコードワード(CW)/CWグループ(CWG)ベースの肯定応答のためのフレームフォーマットの例を例示するSIG-B図である。ここで、アグリゲートされたCW/CWGベースの肯定応答は、1つまたは複数のパケットIDについてのCW/CWGベースの肯定応答を搬送するために使用され得る。肯定応答は、アグリゲートされた肯定応答であってもよい。
【0235】
BAタイプ1812フィールド内の値は、アグリゲートされたCW/CWGベースの肯定応答を示し得る。このフィールドを検出することによって、受信機は、BA情報1806フィールドがパケットIDフィールド1831およびCW/CWGビットマップフィールド1832などのフィールドを含有することを予期し得る。BA情報フィールド1806は、1つまたは複数の、パケットごとの情報フィールド(例えば、1821、1822、1823)を搬送し得る。パケットごとの情報フィールドは、パケットIDフィールド1831と、CW/CWGビットマップフィールド1832とを搬送し得る。
【0236】
いくつかの場合において、肯定応答は、PHY層肯定応答であり、限定された情報を搬送し得る。そのような情報は、ヌルデータパケット(NDP)内で搬送され得、ヌルデータパケットは、PLCPヘッダを有し、MAC本体を有しない。
【0237】
CWベースのNDP ACKは、1つまたは複数のフィールドを有し得る。CWベースのNDP ACKは、広帯域PLCPヘッダを含み得、広帯域PLCPヘッダは、L-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIGフィールド等を含み得る。これらのフィールドの送信は、動作帯域全体上であり得る。
【0238】
CWベースのNDP ACKは、NDP肯定応答を有する狭帯域PLCPヘッダを含み得、NDP肯定応答は、EHT-STF、EHT-LTF、CWシーケンスを含み得る。これらのフィールドの送信は、帯域全体上で、または割り当てられたRU(例えば、狭帯域)上であり得る。
【0239】
肯定応答について定義されたリソースユニット(RU)ベースのCWシーケンスがあってもよい。1つの場合において、2つのシーケンスが定義されてもよく、一方のシーケンスは、肯定的なACKを示し得、他方のシーケンスは、否定的なACKを示し得る。別の場合において、3つのシーケンスが定義されてもよく、ただし、1つのシーケンスは、肯定的なACKを示し得、第2のシーケンスは、否定的なACKを示し得、第3のシーケンスは、同じ境界への送信をパディングするために使用され得る。
【0240】
図19は、UL NDP CWベースの肯定応答と共にDL OFDMA送信の例を例示する送信図である。一般に、CWシーケンスは、割り当てられたRU上、およびN個のOFDMシンボル上で送信され得る。RUは、明示的に割り当てられても、または黙示的に割り当てられてもよい。黙示的な割り当てにより、RUは、CW ACKを搬送するために使用され得、肯定応答されたデータ送信のためのRUの同じセットであり得る。1つの場合において、RUベースのCWシーケンスは、割り当てられたRU上で繰り返され得る。
【0241】
Nは、許可されたCWの最大数、または全てのユーザ間の肯定応答されたデータ送信におけるCWの最大数によって決定され得る。例えば、4つのCWがデータ送信に対して許可される場合、4つのCWを有する、AP1903からSTA1901への送信で示されるように、Nは4nであり得る(例えば、4つのCWおよび2つのパッドを示す1915を参照)。第1のn個のOFDMシンボルは、第1のCWに対応するCWシーケンスを搬送するために使用され得る。第2のn個のOFDMシンボルは、第2のCWに対応するCWシーケンスを搬送するために使用され得る等々である。ここで、nは、予め定義された、所定の、または構成された整数であってもよく、例えば、n=1である。STA1902への送信においては、6つのCWがあり得(例えば、6つのCWを示す1917を参照)、したがって、N=6nである。
【0242】
低密度パリティチェック(LDPC)は、WLANのためのコーディング方式のうちの1つとして使用され得る。アグリゲートされたパケットは、複数のLDPCコードワードグループを含有し得る。チャネルおよび干渉変動に起因して、コードワードグループのうちのいくつかは、正確に復号され得る一方で、他のコードワードグループは、正確に復号されないことがある。その結果、より高いピークスループットを達成するべく、より効率的なHARQ送信を可能にするために、WLANパケットのための改善されたLDPC符号化の必要があるということになる。
【0243】
図20は、単一のCWについての例示的なLDPC符号化を例示する図である。例えば802.11におけるLDPC符号化および復号インクリメンタル冗長度(IR)HARQにおいて、各冗長バージョンについて選択されるビットは、異なり得る。この例示的なプロセスにおいて、データビットは、2001においては入力される。次に、2002において、短縮されたビットが、LDPC符号化の直前に挿入されて、2003において、符号化されたビット長に適合する。その後、2004において、短縮されたビットは廃棄される。必要に応じて、2005および2006において、パンクチャリングおよび繰り返しが続いて、最終的なCWが生成され得る。
【0244】
図21は、LDPC符号化におけるパンクチャリングの例を例示する図である。一般に、LDPC符号化において、パンクチャされたビットは、最初のNpunc mod NCWコードワードが残りのコードワードよりも1ビット多くパンクチャされる状態で、全てのNCWコードワード上に等しく分散され得る。コードワード当たりのパンクチャされるビットの数は、Nppcw=floor(Npunc/Ncw)として定義され得る。Nppcw>0の場合、パンクチャリングは、符号化されたパケットの最後のNppcw個のパリティビットを廃棄することによって実行され得る。この例においては、データビット2101とパリティビット2102とを有するRV1符号化されたパケット2111がある。パンクチャリングは、最後のP1 2103符号化されたRV1パケット2111の終わりからのパリティビット2102を廃棄することによって実行され得る。
【0245】
図22は、LDPC符号化におけるパディングの例を例示する図である。一般に、パディングについて、コードワード当たりのコーディング済みのビットの数は、繰り返されるべきNrepとして定義され得、Nrepは計算される。繰り返されるべきコーディング済みのビットの数は、最初のコードワードに対して、残りのコードワードに対してよりも1つまたは複数多いビットが繰り返される状態で、全てのコードワード上に等しく分散され得る。任意のコードワードについて繰り返されるべきコーディング済みのビットは、情報ビットi(0)(例えば、第1のビット)から開始し、情報ビット(例えば、データビット2201)を通じて連続的に続き、必要な場合には、パリティビット(例えば、2202)内へ、必要とされる数の繰り返されるビットがそのコードワードに対して取得されるまで、そのコードワード自体からコピーされ得る(例えば、繰り返されるビット2204a~2204bをコピーする)。繰り返されるビット(例えば、2203)は、短縮されるビットが除去された後に、コードワードからコピーされてもよい。このプロセスにおいて異なる冗長バージョンを可能にするために、特定のビットが、IR-HARQについての(例えば、パンクチャリングにおける)除去または(例えば、パディングにおける)反復のために選択される必要があり得る。
【0246】
IR-HARQの場合、付加的な冗長バージョン(RV)は、パンクチャされたビットの開始インデックスまたはパディングのためのデータビットから選択されるビットを変更することによって選択され得る。残りのLDPC符号化手続きは、同じままであり得る。
【0247】
図23は、LDPC符号化におけるIR-HARQのためのパンクチャリングの例を例示する符号化図である。IR-HARQについてのパンクチャリングの場合、パンクチャされるビット(例えば、P1 2303および2312)の開始インデックスは、RV2 2300およびRV3 2310について示されるように、RVごとに変更され得る。RV2 2300のためのパリティビット2303は、RV3 2310のパリティビット2312とは異なる時からが開始することに留意されたい。
【0248】
図24は、パリティバッファラップアラウンドと共にIR-HARQのためのパンクチャリングの例を例示する符号化図である。パンクチャされるべきビットの始まりが、パンクチャされたビットがデータビット2401のうちのいくつかとなるようなものである場合、パンクチャされるべきビットがパリティビットバッファ2403の始まりおよび終わりにあるように、パリティバッファはラップアラウンドされる。P1 2402が、P2 2404と共にパリティビット2403をラップアラウンドしていることを参照されたい。これは、データビット2401が影響を受けないことを確実にし、システムが自己復号可能であることを確実にし得る。
【0249】
図25は、全バッファラップアラウンドと共にIR-HARQのためのパンクチャリングの例を例示する符号化図である。RV4 2500において、パンクチャされるべきビットの始まりが、パンクチャされたビットP1 2502がデータビット2501およびパリティビット2503のうちのいくつかとなるようなものである場合、全ラップアラウンドが採用され得る。RV4 2510において、P1 2511が最初にあり、P2 2514が終わりにある(例えば、ラップアラウンドしている)ラップアラウンドが示されている。
【0250】
図26は、IR-HARQのためのパディングの例を例示する符号化図である。IR-HARQのためのパディングを実行するために、パディングされたビットの開始インデックスは、冗長バージョンごとに変更され得る。例えば、RV2 2600について、2604aにおける開始インデックスは、2604bにおいて繰り返しビット2603にコピーされ得、RV3 2610において、開始インデックス2614aは、RV2 2600に比べて前方へ移動し得、繰り返されるビット2613は、2614bへ行く。
【0251】
図27は、IR-HARQのためのパディングの例を例示する符号化図である。組み合わされたデータ2701およびパリティビットバッファ2702のサイズを越える開始インデックスを有するRV1 2700などのRVの場合、バッファは、ラップアラウンドされ得る(例えば、ビット2は、データビット2701から、繰り返されたビット2703の終わりにコピーされ、ビット1は、パリティビットの終わりから、繰り返されたビット2703の始めにコピーされる)。
【0252】
MACヘッダ内の持続時間フィールドは、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)の終わりから開始し、送信機会(TXOP)の終わりまでの持続時間を示し得、持続時間フィールドは、応答フレームおよび/または送信機と受信機との間の複数回の交換を含み得る。第1のHARQ送信およびHARQ再送信における持続時間フィールドは、同じではなくてもよい。HARQ送信が、異なるTXOPにあり得る場合においては、持続時間フィールドが、異なる値を搬送し得るように、TXOPフォーマットが異なり得る。HARQ送信が、単一のTXOPにあり得るような場合において、HARQ送信によって搬送される各持続時間フィールドは、持続時間フィールドを搬送するPPDUの終わりから、TXOPの終わりまでの持続時間を示し得る。したがって、持続時間フィールドは、HARQ送信ごとに異なり得る。
【0253】
持続時間フィールドが同じでない場合、MACフレームが異なり得る。第1の送信と再送信とは、異なる情報ビットを搬送することがあり、このことは、HARQ結合に対して問題を引き起こすことがある。持続時間フィールドは、ネットワーク割り当てベクトル(NAV:Network Allocation Vector)を設定するために、意図されないSTAに対して使用されることがあり、ネットワーク割り当てベクトルは、同じ持続時間フィールドを強要し得、これは問題を引き起こすことがある。
【0254】
上記の問題に対処するためのアプローチにおいて、信号(SIG)フィールドによって搬送されるTXOP持続時間フィールド、およびMACヘッダによって搬送される持続時間フィールドは、HARQ送信と共に潜在的なTXOP持続時間を共同でシグナリングするために使用され得る。このアプローチは、任意の送信機および受信機に適用可能であり得、これらのどちらかは、STAまたはAPであってもよい。
【0255】
HARQ送信の場合、送信機は、PLCHヘッダまたはSIGフィールド内に、送信が第1の送信かどうかを示す送信インジケータを設定し得る。送信機は、PLCHヘッダまたはSIGフィールド内に、このPPDUの終わりからTXOPの終わりまでの量子化されたTXOP持続時間を示し得るTXOP持続時間フィールドを設定してもよく、TXOP持続時間は長く、多くのビットを必要とし得るのに対して、SIGフィールドは、限定された空間を有し、したがって、TXOPの何らかの量子化が必要とされ得るので、量子化されたTXOPが必要とされ得る。TXOP持続時間フィールドは、同じデータパケットについての各HARQ送信について異なり得る。
【0256】
HARQ送信の場合、送信機は、PPDUデータフィールド内で搬送されるMACヘッダ内に、持続時間フィールドを設定し得る。HARQ送信シーケンスの第1の送信の場合、持続時間フィールドは、このPPDUの終わりからTXOPの終わりまでのTXOP持続時間を示し得る。HARQ送信シーケンスの再送信の場合、持続時間フィールドは、第1のHARQ送信における値と同じ値に設定されてもよく、したがって、同じデータパケットについての全てのHARQ送信の間で同じであってもよい。
【0257】
所望の受信側STAと非所望の受信側STAとを含む受信側STAは、PLCPヘッダをチェックし得る。受信側STAが、PLCPヘッダおよびSIGフィールドを成功裡に検出した場合、受信側STAは、新しい送信インジケーションをチェックし、本明細書において論じられるような復号手続きを継続し得る。受信側STAが、PLCPヘッダを成功裡に検出しない場合、受信側STAは、復号を停止し得る。新しい送信インジケーションが、新しい送信(例えば、第1の送信、HARQ送信シーケンス)を示す場合、受信側STAは、TXOP持続時間フィールド内の値を保存し、データフィールドをチェックすることを継続し得る。データフィールドが成功裡に復号され、受信側STAが所望の受信側STAではない場合、受信側STAは、MACヘッダ内で搬送される持続時間フィールドに基づいて、NAVを設定し得る。データフィールドが成功裡に復号され、受信側STAが所望の受信側STAである場合、必要であれば、受信側STAが肯定応答を準備し得る。データフィールドが成功裡に復号されない場合、受信側STAは、PLCPヘッダ内で搬送されるTXOP持続時間フィールドに基づいて、NAVを設定し得る。
【0258】
新しい送信インジケーションが再送信を示す場合、受信側STAは、TXOP持続時間フィールド内に値を保存し、STAが所望の受信側STAであるかをチェックすることを継続し得る。STAが、所望の受信側STAである場合、STAは、データフィールドを復号することを継続し得る。HARQ結合が実行されてもよい。STAが、所望の受信側STAではない場合、STAは、PLCPヘッダで搬送されるTXOP持続時間値を使用して、NAVを設定または更新し得る。
【0259】
いくつかの場合において、MACヘッダ内で搬送されるべきフィールドは、2つのグループへ分割され得る。HARQ送信ごとに変更され得るフィールドは、第1のグループに入れられてもよく、その他のフィールドは、第2のグループに入れられてもよい。例えば、第1のグループは、持続時間フィールド、再試行フィールド、および/または受信アドレスフィールドを含んでもよい。第1のグループは、PPDU内に存在し得るHARQ SIGフィールド内で搬送され得る。HARQ送信またはHARQ再送信の場合、第2のグループ情報は、MACヘッダを置換するために使用され得る。いくつかの実例において、MACヘッダのフォーマットは、変更されなくてもよく、MACヘッダのコンテンツは、x番目のHARQ送信からy番目のHARQ送信へ修正されなくてもよい。ここで、xおよびyは、1からNmaxまでの任意の整数であってもよく、Nmaxは、最大許容HARQ送信であり得る。HARQ再送信の受信時に、受信機は、MACヘッダによって搬送されるHARQ SIGフィールドおよび第2のグループ情報に着目して、パケットについての制御情報を獲得し得る。
【0260】
HARQ SIGフィールドの存在は、任意選択であってもよく、SIG-AフィールドまたはSIG-Bフィールドなどの一般的なSIGフィールド内のHARQ SIG存在フィールドによってシグナリングされてもよい。
【0261】
CWベースのHARQ送信の場合において、HARQ SIGフィールドは、受信機がCWを識別するための情報を含み得る。例えば、HARQ SIGフィールドは、MACアドレス、圧縮MACアドレス、AID、圧縮AID、または送信機および受信機の他のタイプのIDを有してもよい。HARQ SIGフィールドは、受信されるCWがMPDUまたはPPDUに所属することを受信機が知り得るように、MPDU ID、PPDU IDなどのパケットIDを含み得る。MPDU IDは、シーケンス番号であってもよい。MACヘッダ全体が、他のHARQ関連情報と共に、HARQ SIGフィールドへ移動されてもよい。
【0262】
図28Aは、2つのAPから単一のSTAへの共同送信の例を例示する図である。単一のSTAの観点からのMU-MIMO共同送信において、サーバントトリガは、STA2801への共同送信の前に、アンカーAP2802からサーバントAP2803へ送られ得る。トリガは、AP(例えば、2802および2803)間の搬送波およびシンボル周波数を同期させて、共同送信に先立ってSTA2802によってCSIが取られたときの条件と一致させ得る。
【0263】
雑音は、サーバントAPによって受信される場合、サーバントトリガに追加され得る。サーバントトリガの搬送波周波数オフセット(CFO)補正/同期の後に、サーバントAP2803における搬送波/シンボル周波数が、アンカーAP2802のそれらとまったく同じであり得るという保証はないことがある。さらに、APのクロックは、共同送信期間中のこの同期の後にドリフトすることがあり、AP間で同期された周波数も、STA2801搬送波/シンボル周波数に対してオフセットを有し得る。したがって、受信側/非AP STA側におけるCFO補正が必要とされ得る。
【0264】
いくつかの802.11プロトコルにおいて、STAがPPDUを受信する場合、1つの空間ストリームの送信機は、単一のクロックを有する単一のエンティティであり得る。この仮定に基づいて、受信側STAは、短いトレーニングフレーム(STF)および/または長いトレーニングフレーム(LTF)および/またはパイロットに基づいて推定して、最初のおよび残留CFO/サンプル周波数オフセット(SFO)を訂正し得る。
【0265】
共同送信において、空間ストリームの送信機は、複数のAPであってもよく、各APは、それ自身のクロックを有してもよい。異なるAPからの信号は、受信機側で分離可能ではないことがある、同じ空間ストリームについての同じSTF/LTFシーケンスを使用することがあるので、最初のCFOを推定するためのSTF/LTFの使用は理想的ではないことがある。さらに、同じ空間ストリームの異なるAPから送信されるデータ部分も、受信機側で分離可能ではないことがある(例えば、単一のアンテナSTAへの共同送信)。これは、特定のAPから到来する信号に対して特定の訂正を適用することを受信機にとっての現在の問題とし得る。
【0266】
共同送信手続きは、STA2801にとって透過的であり得るので(例えば、2つ以上のAPがビームフォーミングされた送信に参加したことに、STAが気づいていない可能性がある場合)、インジケーションが、共同送信PPDUのプリアンブル内でシグナリングされて、それが共同送信PPDUであることを示し得、それにより、STAは、CFO/SFO訂正手続き、または単一のエンティティから到来するPPDUに対して適用される他の受信機手続きを使用しなくてもよい。
【0267】
例えば、STAが、共同送信インジケーションを有する2つの空間ストリームを有するPPDUを受信する場合、それは、2つのストリームが、それ自身のクロックとは異なる周波数オフセットを有すると仮定し得る。これに基づいて、それは、2つのストリームからのこれらの基準信号を組み合わせて、両方のストリームに対する単一のCFO/SFO訂正を共同で決定する代わりに、各ストリームのSTF/LTF/パイロットに基づいて、ストリームごとのCFO/SFO訂正を別個に実行し得る。
【0268】
図28Bは、バックホールを用いた、2つのAPから単一のSTAへの共同送信の例を例示する図である。2つのAPは、帯域B(例えば、STAへの共同送信のために使用される帯域とは異なる帯域)上で動作する、バックホール2804リンクを有し得る。
【0269】
図28Cは、アクセスリンクのドリフトを訂正するためにバックホールを使用する例を例示する図である。
【0270】
1つの場合において、アンカーAP2803は、そのバックホールリンクおよびアクセスリンク送信機が同じクロック源を有し、または両方のリンク上の搬送波/シンボル周波数が相関させられることを、サーバントAP2803へシグナリングし得る。
【0271】
別の場合において、アンカーAP2802は、両方のリンク上でのそのバックホールリンクおよびアクセスリンク搬送波/シンボル周波数ドリフトがどのように相関させられるかを、サーバントAP2803へシグナリングし得る。例えば、アンカーAP2802からのバックホールリンクが、XppmのCFO/SFOを有する場合、アンカーAP2802からのアクセスリンクも、XppmのCFO/SFOを有し、ただし、Xは何らかの数である。例えば、ソースクロックが通常よりも3ppm遅くなった場合、5Hzにおける搬送波周波数は、5GHz *3ppm遅くなり得、2.4GHzにおける搬送波周波数は、2.4GHz*3ppm遅くなり得る。
【0272】
サーバントAP2803は、それが上記インジケーションを使用して、バックホールリンク2804の観察に基づいて、アクセスリンクに対する周波数同期を実行し得ることを、アンカーAP2802に示し得る。サーバントAP2803は、バックホールリンクとアクセスリンクとに同じクロック源を共有させてもよく、または、サーバントAP2803は、バックホールリンクとアクセスリンクとの間のそれ自身のクロック差をリアルタイムで観察することが可能であってもよい。アンカーAP2802は、全てのサーバントAP(例えば、2803からこの情報を収集すると、共同送信期間中にバックホールにより支援される周波数訂正を起動すること、および/または共同送信がミッドアンブルの送信を必要としないことを、全てのサーバントAP(例えば、2803)に示すことを決め得る。
【0273】
バックホール上での受信がある場合、サーバントAP(例えば、2803)は、受信期間中に、最初に推定LTF/STFに基づいて、および、後でパイロット追跡に付加的に基づいて、バックホールCFO/SFOを導出し得る。観察されるCFO/SFOは、受信されるバックホール信号を訂正するために使用され得る。例えば、APは、同じシンボルの全てのOFDMトーンにシンボル依存のフェーズオフセットを適用して、CFOを補償し、および/または、OFDMシンボルに対するFFTの前に、時間ドメインサンプルのウィンドウを移動させて、SFOを補償し得る。
【0274】
バックホールにより支援されるCFO/SFO訂正の起動の後に、共同送信期間中に、バックホール上での受信がある場合、サーバントAP2803は、そのときのバックホールのCFO/SFO推定を、場合により、アンカーAP2802によって提供されるバックホールリンクとアクセスリンクとの間の周波数の相関と共に使用して、信号が送信されるときのサーバントAP2803におけるアクセスリンクにおけるCFO/SFOについての訂正を決定し得る。例えば、APは、同じシンボルの全てのOFDMトーンにシンボル依存のフェーズオフセットを適用して、CFOを補償し、および/または、IFFTの後に時間ドメイン波形を調整して、SFOを補償し得る。
【0275】
STA2801は、共同送信受信時に、あたかもそれが、単一のAPから到来する、アンテナからビームフォーミングされた送信を受信したかのように、CFO/SFO訂正を実行して、STA2801とアンカーAP2802との間の周波数の誤りを補償し得る。理想的には、サーバントA2803は、上述された手続きを実行して、アンカーAP2802の周波数と一致させ、あたかもそれらがアンカーAP2802のアンテナであるかのように振る舞っていてもよい。
【0276】
機能および要素は、特定の組み合わせにおいて上述されているが、当業者は、各機能または要素が単独でまたは他の機能および要素との任意の組み合わせにおいて使用されることが可能であることを認識するであろう。また、本明細書において説明される方法は、コンピュータまたはプロセッサによる実行のためのコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにおいて実装されてもよい。コンピュータ可読媒体の例は、(有線接続またはワイヤレス接続上で送信される)電気信号およびコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体、ならびに、CD-ROMディスクおよびデジタルバーサタイルディスク(DVD)などの光学媒体を含むが、これらに限定されない。ソフトウェアと関連するプロセッサは、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータにおける使用のための無線周波数送受信機を実装するために使用されてもよい。
【0277】
本明細書において説明される解決策は、802.11固有のプロトコルを考慮しているが、本明細書において説明される解決策が、このシナリオに制限されず、他のワイヤレスシステムに同様に適用可能であることが理解される。
【0278】
SIFSは、設計および手続きの例において様々なフレーム間間隔を示すために使用されるが、RIFS、AIFS、DIFSまたは他の合意された時間間隔などの、あらゆる他のフレーム間間隔が、同じ解決策において適用され得る。
【0279】
トリガされるTXOP当たり4つのRBが、いくつかの図において例として示されているが、利用されるRB/チャネル/帯域幅の実際の数は変わり得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
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図17
図18
図19
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図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図28C
【手続補正書】
【提出日】2021-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局(STA)によって実行される方法であって、
第1のアクセスポイント(AP)および第2のAPに対するマルチAP送信に関するインジケーションを受信することと、
前記第1のAPから関連付けられたID(AID)を有する第1のパケットを受信することと、
前記受信したインジケーションに基づいて前記第1のパケットに関連した情報を確認することであって、前記情報が、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)ヘッダ、AID、およびハイブリッド自動再送要求(HARQ) IDを含む、ことと、
前記第2のAPから関連付けられたID(AID)を有する第2のパケットを受信することと、
前記第1のAPおよび前記第2のAPへ応答をブロードキャストすることと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記第1のパケットを復号することと、
タイマを開始することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のパケットを復号することと、
前記第2のパケットを復号することおよび前記第1のパケットを復号することに基づいて前記第2のパケットが前記第1のパケットを補完するかどうかを決定することと、
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記受信したインジケーションに基づいて前記第2のパケットに関連した情報を確認することであって、前記情報が、PLCPヘッダ、AID、およびHARQ IDを含む、ことと、
をさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記応答は、前記第2のパケットが前記第1のパケットを補完すると決定されるかどうか、および前記タイマが終了したかどうかにに基づく、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のパケットは、拡張されたフレーム間空間(EIFS)期間の後に受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のAPおよび前記第2のAPは1つの仮想APである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
局(STA)であって、
第1のアクセスポイント(AP)および第2のAPに対するマルチAP送信に関するインジケーションを受信する手段と、
前記第1のAPから関連付けられたID(AID)を有する第1のパケットを受信する手段と、
前記受信したインジケーションに基づいて前記第1のパケットに関連した情報を確認する手段であって、前記情報が、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)ヘッダ、AID、およびハイブリッド自動再送要求(HARQ) IDを含む、手段と、
前記第2のAPから関連付けられたID(AID)を有する第2のパケットを受信する手段と、
前記第1のAPおよび前記第2のAPへ応答をブロードキャストする手段と、
を備えた、STA。
【請求項9】
前記第1のパケットを復号する手段と、
タイマを開始する手段と、
をさらに備えた、請求項8に記載のSTA。
【請求項10】
前記第2のパケットを復号する手段と、
前記第2のパケットを復号することおよび前記第1のパケットを復号することに基づいて前記第2のパケットが前記第1のパケットを補完するかどうかを決定する手段と、
をさらに備えた、請求項9に記載のSTA。
【請求項11】
前記受信したインジケーションに基づいて前記第2のパケットに関連した情報を確認する手段であって、前記情報が、PLCPヘッダ、AP ID、およびHARQ IDを含む、手段をさらに備えた、請求項10に記載のSTA。
【請求項12】
前記応答は、前記第2のパケットが前記第1のパケットを補完すると決定されるかどうか、および前記タイマが終了したかどうかにに基づく、請求項11に記載のSTA。
【請求項13】
前記第2のパケットは、拡張されたフレーム間空間(EIFS)期間の後に受信される、請求項8に記載のSTA。
【請求項14】
前記第1のAPおよび前記第2のAPは1つの仮想APである、請求項8に記載のSTA。
【国際調査報告】