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特表2022-512959自動車用途での自己発光ディスプレイ技術の場合における温度測定及び周囲光測定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】自動車用途での自己発光ディスプレイ技術の場合における温度測定及び周囲光測定
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20210101AFI20220131BHJP
   G01K 1/16 20060101ALI20220131BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220131BHJP
   G01J 1/02 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
G01K1/14 L
G01K1/16
G09F9/00 366G
G09F9/00 304B
G09F9/00 346A
G01J1/02 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524980
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(85)【翻訳文提出日】2021-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2019083107
(87)【国際公開番号】W WO2020114911
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】102018221239.2
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019203870.0
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
【住所又は居所原語表記】Vahrenwalder Strasse 9, D-30165 Hannover, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ベティス
(72)【発明者】
【氏名】マークス ヴェーバー
(72)【発明者】
【氏名】トルステン ラール
(72)【発明者】
【氏名】リューディガー ルッツ
【テーマコード(参考)】
2F056
2G065
5G435
【Fターム(参考)】
2F056CL07
2F056DA02
2F056DA04
2G065AA02
2G065AA20
2G065BA01
2G065CA30
5G435AA02
5G435AA12
5G435BB04
5G435BB05
5G435EE35
5G435EE47
5G435EE49
5G435GG44
5G435HH18
5G435LL17
(57)【要約】
本発明は、パネル(1)内に配置される自己発光ディスプレイ素子を有するディスプレイデバイスに関する。パネル(1)は、ディスプレイに使用される発光面(2)とは反対側のパネル(1)の背面(3)上に熱分散素子(4)を提供され、前記背面(3)から離れる方を向いている熱分散素子(4)の面(5)上に少なくとも1つの温度センサ(6)が配置される。熱分散素子(4)は、少なくとも1つの開口部(8)を有し、開口部(8)の後ろに光センサ(7)が配置される。光センサ(7)及び温度センサ(6)は、共通の支持体(9)上に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己発光ディスプレイ素子を有するディスプレイデバイスであって、前記自己発光ディスプレイ素子は、パネル(1)内に配置され、前記パネル(1)は、ディスプレイに使用される発光面(2)とは反対側の前記パネル(1)の背面(3)上に熱分散素子(4)を提供され、前記背面(3)から離れる方を向いている前記熱分散素子(4)の面(5)上において、少なくとも1つの温度センサ(6)が配置され、前記熱分散素子(4)は、少なくとも1つの開口部(8)を有し、前記開口部(8)の後ろに光センサ(7)が配置され、前記光センサ(7)及び前記温度センサ(6)は、共通の支持体(9)上に配置される、ディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記共通の支持体(9)は、可撓性のプリント回路基板(10)である、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記可撓性のプリント回路基板(10)は、第1の接触領域(11)及び第2の接触領域(12)並びにセンサ領域(13)を有し、前記センサ領域(13)及び前記第2の接触領域(12)は、前記第1の接触領域(11)と一体に具現化されるが、くぼみ(14)によって互いに分離される、請求項2に記載のディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記共通の支持体(9)は、機械的に安定したプリント回路基板(15)である、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記安定したプリント回路基板(15)は、開口部(16)を有し、前記熱分散素子(4)から離れる方を向いている前記開口部(16)の面上に前記光センサ(6)が配置される、請求項4に記載のディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記温度センサ(6)は、熱伝導要素(17)によって前記熱分散素子(4)に熱的に結合される、請求項4又は5に記載のディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記プリント回路基板(15)は、接続素子(18、18’)によって前記熱分散素子(4)に配置される、請求項1~6の何れか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記接続素子(18、18’)は、クッション素子である、請求項7に記載のディスプレイデバイス。
【請求項9】
前記接続素子(18)は、少なくとも1つのくぼみ(26、27)を有し、前記少なくとも1つのくぼみ(26、27)は、前記温度センサ(6)及び光センサ(7)の少なくとも一方の領域に配置される、請求項7又は8に記載のディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、多くの場合にOLEDと略される有機発光ダイオード、多くの場合にμLEDと略されるマイクロ発光ダイオード、多くの場合にQLEDと略される量子ドット発光ダイオードに基づく自己発光ディスプレイのための技術、また発光ダイオード又は他の自己発光ディスプレイ素子に基づく他のディスプレイ技術における温度及び周囲光測定に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイに使用される発光面と反対側の背面に熱分散素子が提供されているパネル上に配置される自己発光ディスプレイ素子を備えたディスプレイデバイスであって、この熱分散素子の、前述の背面から離れる方を向いている面上に少なくとも1つの温度センサが配置される、ディスプレイデバイスは、米国特許第9,881,547B2号明細書から知られている。この場合、温度センサは、パネルに恒久的に組み込まれており、パネル内に自己発光ディスプレイ素子も配置される。これは、製造するのに費用がかかり、従って製造工程における要件の変化に適応することが困難である。可能な場合には周囲光測定も含む温度測定のための、それと比べて改善された解決策が望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によれば、熱分散素子は、少なくとも1つの開口部を有し、この開口部の後ろに光センサが配置され、光センサ及び温度センサは、共通の支持体上に配置される。共通の支持体上への配置により、これら2つのセンサを、互いに対して規定された方式で位置決めすることが可能になる。これにより、センサとの電気的接点を設けることも可能になる。パネルの内部ではなく、パネルの外部において背面上にセンサを配置することにより、センサを内蔵することなく製造される安価なパネルを使用することが可能になる。本発明によれば、意図する用途及び対応する境界条件に応じて異なって位置決めされるセンサは、それぞれ適切な位置に配置される。熱分散素子内に開口部を設けることは、対応して設けられた熱分散素子をパネルに取り付けるか、又はパネル上に既に配置された熱分散素子の対応する位置を取り除くことにより、多大な労力なく実施することができる。従って、提案される解決策は、安価でありながら、温度センサ又は周囲光センサを配置する方法を変更することにより、対応する製品ラインを異なる状況に適応させることができる。
【0004】
本発明による変形形態は、共通の支持体が可撓性のプリント回路基板であることを提供する。これには、可撓性のプリント回路基板が薄く、そのため、熱及び光の両方を透過させるという利点がある。センサは、熱分散素子から離れる方を向いている可撓性のプリント回路基板の面上に有利に配置され、それにより、センサの幾何学的寸法/異なる高さ等は、熱分散素子に悪影響を及ぼさず、むしろ、可撓性のプリント回路基板の滑らかで部品が実装されていない面は、熱分散素子の同様に滑らかな面と接触する。
【0005】
可撓性のプリント回路基板は、有利には、第1の接触領域及び第2の接触領域並びにセンサ領域も有する。センサ領域及び第2の接触領域は、ここで、第1の接触領域と一体に具現化される。しかしながら、センサ領域及び第2の接触領域は、くぼみによって互いから分離される。最も単純な実施形態では、このくぼみは、例えば、機械的な切り欠きによって作られる仕切りである。別の実施形態によれば、センサ領域及び第2の接触領域は、例えば、センサ領域と第2の接触領域との間の2次元の領域を切り取ることによってもたらされる、互いからより遠い距離に配置される。これには、可撓性のプリント回路基板が、多大な労力なく、センサアーム/センサ領域を取り付けることにより、温度及び光の測定を含むように拡張されるように、可撓性のプリント回路基板を具現化するという利点があり、可撓性のプリント回路基板は、何れにせよ、ディスプレイデバイスを制御ユニットに接触させる必要がある。
【0006】
本発明による別の変形形態によれば、共通の支持体は、機械的に安定したプリント回路基板である。機械的に安定した、即ち可撓性のないプリント回路基板により、有利にはセンサの直接近くに評価電子機器などを配置することが可能になる。安定したプリント回路基板は、有利には、熱分散素子から離れて配置される。これにより、安定したプリント回路基板と熱分散素子との間の隙間を通して熱が放散されることが可能になる。安定したプリント回路基板又はその上に配置された構成部品による熱分散素子への熱的又は機械的な影響はない。
【0007】
安定したプリント回路基板は、有利には、開口部を提供され、熱分散素子から離れる方を向いている開口部の面上に光センサが配置される。これには、熱分散素子から離れる方を向いている面上への光センサの配置に起因して、熱分散素子がセンサによって機械的に悪影響を受けないという利点がある。開口部により、光センサが、パネルを通過し、熱分散素子内の開口部を通過した光を受け取り、検出できることが確実になる。熱分散素子と安定したプリント回路基板との間に隙間が配置される場合、有利には、それらの間に配置される中間空間に制限はなく、従って隙間風によって引き起こされる熱放散などは、低下しない。
【0008】
プリント回路基板は、接続素子によって熱分散素子に配置されることが好ましい。これにより、設置スペースが節約される。更に、従って、パネルのための制御電子機器、温度センサ及び/又は光センサのための評価電子機器並びに処理電子機器の1つ又は複数をパネルに直接的に配置し、それらを完全な部品として事前に組み立て、設置することが可能になる。例えば、接続素子として、両面接着フィルム、対応する接着テープ、硬化した接着剤配合物又はラッチ接続若しくはクランプ接続などの何らかの他の接続が設けられる。
【0009】
接続素子がクッション素子である場合、これには、振動が抑制され、熱膨張の違いが補償され、且つ熱分散素子がプリント回路基板との直接接触から保護されるという利点がある。逆に、プリント回路基板も、従って、熱分散素子との望ましくない接触から保護され、プリント回路基板が熱分散素子の表面と接触する場合、そこに取り付けられた導体トラック又は他の素子を損傷させる可能性がある。クッション素子が発泡性又は多孔質のかたまりから構成される場合、熱分散素子とプリント回路基板との間の断熱が更に保証される。これにより、プリント回路基板から熱分散素子への熱の持ち込みが低減され、従って温度測定値の改ざんが低減され、プリント回路基板の望ましくない加熱も低減される。
【0010】
接続素子は、少なくとも1つのくぼみを有することが好ましく、このくぼみは、センサ、即ち温度センサ及び光センサの少なくとも1つの領域に位置する。これにより、温度センサが熱分散素子の近くに配置され、且つ/又は光センサがパネルの近くに配置されることが確実になる。それぞれのセンサは、くぼみ内で望ましくない環境面の影響から遮蔽されている。パネルから到来したのではない迷光は、光センサに到達しない。パネルから到来したのではない温度センサへの熱伝達はない。好ましい変形形態によれば、空気又は別の適切な流体が熱伝導要素としてくぼみに配置される。
【0011】
本発明によれば、熱伝導要素によって温度センサが熱分散素子に熱的に結合されることが提供される。例えば、プリント回路基板と熱分散素子との間に配置された熱伝導ペースト、プリント回路基板内のくぼみに配置された熱伝導ペースト、プリント回路基板内に配置されたサーマルビア又はこれら若しくはその他と、当業者に知られている他の熱伝導要素との組み合わせが熱伝導要素として提供される。この変形形態の利点の1つは、場合により安定したプリント回路基板の遠い側に温度センサを離れて配置しているにも関わらず、良好な熱伝導、従って温度の非常に正確な測定が依然として可能であることである。
【0012】
ディスプレイデバイスの場合の問題領域は、明るい周囲光中のコントラストである。光センサは、通常、ディスプレイデバイス又はそのパネルの直接隣に取り付けられる。家電分野のOLEDディスプレイデバイスは、通常、外付けの温度センサを必要としない。しかしながら、自動車分野では、追加の温度センサが必要であり、なぜなら、ここでは、発生し得る高温及び起こり得る大きい温度変動に起因して、経年劣化を補償するための特定のアルゴリズムが使用されており、このアルゴリズムは、正確な温度検知を必要とするからである。センサをディスプレイ領域の外側のシステム側に統合すると、実際の温度が間接的且つ不正確にのみ検出される。正確な温度情報なしには、最適な経年劣化補償を行うことができない。パネル1に1つ又は複数の温度センサを統合することは、やはり非常に複雑であり、柔軟性がない。
【0013】
本発明によれば、輝度測定は、例えば、OLEDなどの自己発光ディスプレイパネルのアクティブディスプレイ領域を介して行われる。ディスプレイパネルの既存の光透過がこの目的のために使用される。温度は、ディスプレイパネルの背面と直接的に熱接触して測定される。
【0014】
本発明の更なる利点及び変形形態は、図に基づく例示的な実施形態の以下の説明においても見出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による第1の実施形態を示す。
図2】本発明による第2の実施形態を示す。
図3】本発明による更なる実施形態を示す。
図4】本発明による更なる実施形態を示す。
図5】本発明による更なる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明による第1の実施形態の平面図及び断面図を示す。自己発光ディスプレイ素子、例えば有機発光ダイオード、OLEDが配置されているパネル1が見られる。これは、ディスプレイに使用される発光面2を有する。熱分散素子4は、発光面2とは反対側にあるパネル1の背面3上に配置されている。温度センサ6及び光センサ7は、背面3から離れる方を向いている熱分散素子4の面5上に配置されている。光センサ7は、多くの場合、フォトセンサとも呼ばれる。熱分散素子4は、開口部8を有し、開口部8の後ろに光センサ7が配置される。光センサ7及び温度センサ6は、共通の支持体9上に配置される。図示する実施形態では、共通の支持体9は、可撓性のプリント回路基板10である。プリント回路基板10は、第1の接触領域11及び第2の接触領域12を有する。第1の接触領域11は、パネル1の制御線及び場合により他の電気線と接触するために使用される。データ及び供給線(ここでは図示せず)は、第1の接触領域11から第2の接触領域12まで延びている。可撓性のプリント回路基板10は、センサ領域13を更に有し、その上に温度センサ6及び光センサ7が配置される。センサ領域13及び第2の接触領域12は、第1の接触領域11と一体に具現化されるが、くぼみ14によって互いに分離される。これは、図1の左側の平面図において明確に見ることができ、図1では、可撓性のプリント回路基板10は、依然として組み立てられていない状態で示されている。組み立てるために、センサ領域13は、下向きに曲げられ、右下の断面図に見られるように、下から熱分散素子4を背にして配置される。このとき、光センサ7は、開口部8と整列する。
【0017】
可撓性のプリント回路基板10は、センサ領域13において、平面図では斜線を引いて示される補強素子130を提供される。これは、センサ6、7の周囲の領域で可撓性のプリント回路基板10を補強する役割を果たす。従って、可撓性のプリント回路基板10への損傷が防止される。更に、温度センサ6及び光センサ7の互いに対する相対的な規定された配置が確実になる。結果として、それらのセンサは、1つの平面内に配置される。補強素子130は、例えば、隆起したプリントの、可撓性のプリント回路基板10に取り付けられた剛性の2次元の素子から構成され、これは、安定化構造などを有することがある。
【0018】
従って、可撓性のプリント回路基板10の主要部分にわたって延びるデータ及び供給線に加えて、パネル1から開始して、支線は、温度及び周囲輝度のために取り付けられたセンサ6、7を伴う第2の指、即ちセンサ領域13にわたって延びる。可撓性のプリント回路基板10上の線のルーティングは、それに応じて、可撓性のプリント回路基板10の主要部分を介してシステムプリント回路基板(ここでは図示せず)と接触するように設計されている。
【0019】
図2は、本発明による第2の実施形態を断面図で示す。同じであるか又は同じ効果を有する要素は、上述したものと同じ参照符号によって示されており、主に上述したものと異なる場合、その異なる範囲にわたって再度説明される。この図は、パネル1と、開口部8を備えた、パネル1の背面3上に配置された熱分散素子4とを示す。この例示的な実施形態では、温度センサ6及び光センサ7は、支持体9として機能する機械的に安定したプリント回路基板15上に配置される。プリント回路基板15は、例えば、システムプリント回路基板である。これは、開口部16を有し、熱分散素子4から離れる方を向いている開口部16の面上に光センサ7が配置される。温度センサ6は、2つの熱伝導要素17によって熱分散素子4に熱的に結合される。熱伝導ペースト171は、熱分散素子4と安定したプリント回路基板15との間に配置され、このペーストは、プリント回路基板15と熱分散素子4との間の隙間を熱的に橋渡しする。更に、プリント回路基板15内にサーマルビア172が設けられる。サーマルビア172は、例えば、プリント回路基板15を貫通する複数の隣接する細い孔からなり、それらは、金属充填物を提供される。金属充填物は、良好な熱伝導を引き起こす。プリント回路基板内の孔は、プリント回路基板内の他の孔と同様に標準として作製され、従って労力の増大を表すものではない。金属充填物も通常の金属接点と同様にプリント回路基板に施され、従っていかなる製造費用の増加も必要としない。
【0020】
従って、プリント回路基板15は、OLEDディスプレイのパネル1の真後ろに取り付けられる。2つのセンサ6、7は、パネル1から離れる方を向いている面上に他の構成要素(ここでは図示せず)と一緒に取り付けられる。感光面が開口部16に向かって整列されているフォトセンサは、例えば、プリント回路基板内の孔として設計された開口部16を通して光を受け取る。温度センサは、サーマルビア172及び熱伝導材料171を介してパネル1に接続される。複数の光センサ7が取り付けられる場合、輝度を、例えば影ができるのに起因して発生する光の入射の変化に局所的に適応させることもできる。
【0021】
図3は、本発明による更なる実施形態を示し、この実施形態では、プリント回路基板15は、接続素子18によって熱分散素子4に接続される。パネル1は、熱分散素子4に隣接しており、その下側において、多くの場合に「低温ポリシリコン」又はLTPS層とも呼ばれる制御素子のフィールド100を有する。その上にカバーガラス101が配置され、このカバーガラス101は、パネル1の上側に配置された偏光子103に、光学的に透明な接着層102によって取り付けられる。
【0022】
ここでは図示していないが、可撓性のプリント回路基板1001によってプリント回路基板15に接続されるタッチセンサ又は近接センサは、パネル1上に配置される。制御素子のフィールド100も可撓性のプリント回路基板1002によってプリント回路基板15に接続される。プリント回路基板15の下側には、ここでより詳細に説明しないが、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、集積部品などの電子素子19が見られる。温度センサ6及び光センサ7は、プリント回路基板15の上面に配置される。温度センサ6は、くぼみ26内に配置され、温度センサ7は、くぼみ27内に配置されていることが見てとれる。くぼみ27は、熱分散素子4の開口部16に移行する。従って、パネル1から到来する迷光は、遮られることなく光センサ7に到達することが可能である。この目的のために、近赤外範囲、好ましくは800~900nmの範囲内のパネル透過が検出されることが好ましい。
【0023】
図4は、本発明による更なる変形形態を示し、この変形形態は、接続素子18によってパネル1に固定されるプリント回路基板15を伴う。上記と同じ要素は、同じ参照符号を用いて提供され、必ずしも再び説明されない。この場合、温度センサ6及び光センサ7は、プリント回路基板15の下側に配置されることが見てとれる。この目的のために、プリント回路基板15は、くぼみ27及び開口部16を隣接させる開口部16を有し、その結果、光センサ7は、ここでも同様にパネル1との視覚的接点を有する。温度センサ6は、サーマルビア172によってくぼみ26に接続され、この中には、この場合には熱伝導ペースト171が配置される。
【0024】
図5は、本発明による更なる実施形態を示す。ここで、パネル1を制御するのに必要な回路を含むプリント回路基板15’が設けられている。温度センサ6及び光センサ7は、補強素子130を提供される別個の可撓性のプリント回路基板10の上に配置される。ここで、補強素子130は、可撓性のプリント回路基板10の下側に示されているが、その上側への配置も本発明の範囲内である。プリント回路基板15’は、接続素子18’を介して熱分散素子4に接続される一方、可撓性のプリント回路基板10は、接続素子18によって熱分散素子4に接続される。ここでもやはり、開口部16及びくぼみ27は、再び光センサ7と一直線に配置される。温度センサ6は、くぼみ26内に配置される。ここで、可撓性のプリント回路基板10は、開口部16とくぼみ27との間の最適な位置合わせが、プリント回路基板15’全体をずらす必要なく達成され得るという利点を有する。プリント回路基板15’にフレキシブルに接続された可撓性のプリント回路基板10のみが、呼応して整列される必要がある。別の利点は、プリント回路基板15’及び可撓性のプリント回路基板10を互いに独立して設計及び製造することができるため、結果として、プリント回路基板15’の機能と、可撓性のプリント回路基板10の機能との調節を互いに独立して行い得ることである。これにより、例えば、センサを変更することなく制御部の変更を必要とするか、又は制御部を変更することなく温度センサ若しくは光センサの変更を必要とする、他の又はより優れたパネルが利用可能になった場合など、変化する状況に対する柔軟性及び適応力が向上する。本発明の有利な変形形態によれば、可撓性のプリント回路基板10に配置される接続素子18は、補強素子130に対応する機能を提供する。従って、別個の補強素子130は、必要なくなる。
【0025】
図3図5の実施形態は、両面に接着面を有するクッションテープによってパネル1の背面に直接的に接着されるプリント回路基板15、15’を有する。温度センサ6及び光センサ7は、パネル1を制御するのに必要な回路を含むプリント回路基板15の上に直接的に配置されるか、又はそれらのセンサは、可撓性のプリント回路基板10に配置され、別個のプラグ20を介してプリント回路基板15に接続される。従って、光センサ7は、パネル1を通してのぞくことになり、OLEDの場合には近赤外範囲にあるパネル透過を使用する。これは、所望の機能を実現するのに十分である。温度センサ6は、プリント回路基板15上にパネル1の方向に配置されるか、又はサーマルビア172を介してこれに接続される。
【0026】
本発明に従って提案される変形形態には、とりわけ、以下の利点がある。OLEDディスプレイ又は一般的に自己発光ディスプレイの背面上への輝度センサ及び温度センサの簡単な統合が可能になる。そのようなディスプレイは、熱を生成し、この熱は、過熱及び早期劣化を防止するために放散される。経年劣化する部品の近くでの正確な温度測定が可能になる。これに関連して、経年劣化補償の改善も可能になる。周囲光のコントラストの最適化も可能である。これは、航空機産業におけるディスプレイ、列車におけるディスプレイ、医療技術におけるディスプレイなど、モバイル用途の全てのディスプレイにも適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】