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特表2022-512964燃料電池を製造し、その構成要素を処理する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】燃料電池を製造し、その構成要素を処理する方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/02 20160101AFI20220131BHJP
   H01M 8/1253 20160101ALI20220131BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20220131BHJP
   H01M 8/0202 20160101ALN20220131BHJP
   H01M 8/1213 20160101ALN20220131BHJP
   H01M 8/124 20160101ALN20220131BHJP
   H01M 4/88 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
H01M8/02
H01M8/1253
H01M8/12 101
H01M8/12 102A
H01M8/0202
H01M8/1213
H01M8/124
H01M4/88 K
H01M4/88 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525032
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 US2019059924
(87)【国際公開番号】W WO2020097119
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】62/819,289
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/809,602
(32)【優先日】2019-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/927,627
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/827,800
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/869,322
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/808,644
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/674,695
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/837,089
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/912,626
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/844,127
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/779,005
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/777,273
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/888,319
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/895,416
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/847,472
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/864,492
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/777,338
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/849,269
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/805,250
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/896,466
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/786,341
(32)【優先日】2018-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/768,864
(32)【優先日】2018-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/784,472
(32)【優先日】2018-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/840,381
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/863,390
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/758,778
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/767,413
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/771,045
(32)【優先日】2018-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/773,071
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/773,912
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/780,211
(32)【優先日】2018-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/783,192
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/791,629
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/797,572
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/798,344
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/804,115
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/814,695
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/819,374
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/824,229
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/825,576
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/834,531
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/839,587
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/844,126
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/852,045
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/856,736
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/866,758
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/875,437
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/877,699
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/904,683
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/899,087
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/925,210
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/928,326
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/674,580
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/674,629
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/674,657
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/756,257
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/756,264
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/757,751
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521193902
【氏名又は名称】ユティリティ グローバル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ホール,デイビッド アール.
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン,ジン
【テーマコード(参考)】
5H018
5H126
【Fターム(参考)】
5H018AA06
5H018AS02
5H018AS03
5H018BB00
5H018BB01
5H018BB07
5H018BB08
5H018EE02
5H018EE05
5H018EE06
5H018EE10
5H018EE12
5H018EE13
5H018HH03
5H018HH05
5H018HH06
5H018HH10
5H126AA02
5H126AA06
5H126AA14
5H126BB06
5H126GG02
5H126GG06
5H126GG08
5H126GG12
5H126GG13
5H126HH00
5H126HH01
5H126HH04
5H126JJ03
5H126JJ05
5H126JJ06
5H126JJ10
(57)【要約】
本明細書で、燃料電池の構成要素を電磁放射線(EMR)源に曝露する工程を含む、燃料電池の構成要素を処理する方法が開示される。構成要素は、第1の材料を含む。EMRは、10~1500nmの範囲の波長を有し、EMRは、0.1ジュール/cm2の最小エネルギー密度を有する。好ましくは、処理プロセスは、下記効果の1つ以上を有する:加熱、乾燥、硬化、焼結、アニーリング、シーリング、合金化、蒸発、再構成、発泡。一実施形態では、基材は、燃料電池における構成要素である。そのような構成要素は、アノード、カソード、電解質、触媒、バリア層、インターコネクト、リフォーマ、またはリフォーマ触媒を含む。一実施形態では、基材は、燃料電池における層または燃料電池における層の一部または燃料電池における層の組み合わせまたは燃料電池における部分層の組み合わせである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池の構成要素を処理する方法であって、
前記燃料電池の構成要素を電磁放射線(EMR)源に曝露することであって、前記構成要素は、第1の材料を含む、曝露すること;
を含み、
前記EMRは、10~1500nmの範囲の波長を有しかつ前記EMRは、0.1ジュール/cmの最小エネルギー密度を有する、方法。
【請求項2】
前記第1の材料は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、8YSZ(8mol%YSZ粉末)、イットリウム(Yttirum)、ジルコニウム、ガドリニアドープセリア(GDCまたはCGO)、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムガリウムマグネシウム酸化物(LSGM)、ニッケル、酸化ニッケル(NiO)、NiO-YSZ、銅(Cu)、Cu-CGO、CuO、CuO、セリウム、銀、crofer、鋼、ランタンクロマイト、ドープランタンクロマイト、フェライト鋼、ステンレス鋼、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理された構成要素は、亀裂を有しないまたは最小の亀裂を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記構成要素に第2の材料を付加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記電磁放射線に前記第2の材料を曝露することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の材料は、グラファイト、グラフェン、ナノダイヤモンド、またはそれらの組み合わせを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記燃料電池における前記構成要素中の前記第2の材料の体積分率は、50%以下、または30%以下、または20%以下、または10%以下、または3%以下、または1%以下である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
下記の少なくとも1つを制御することを含む、請求項1に記載の方法:
前記電磁放射線から前記構成要素までの距離;
前記電磁放射線のエネルギー密度;
前記電磁放射線の電圧;
前記電磁放射線のスペクトル;
前記構成要素の曝露体積;
前記構成要素の曝露位置;
曝露期間;
バースト周波数;ならびに
曝露の数。
【請求項9】
スクリーン印刷、テープキャスティング、噴霧、スパッタリング、物理蒸着、および付加製造からなる群より選択される少なくとも1つの工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
付加製造は、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電磁放射線は、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビーム、またはマイクロ波を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
基材上に材料を堆積させること;電磁放射線(EMR)を使用して前記材料を加熱することを含む燃料電池を製造する方法であって、前記堆積されかつ加熱された材料は、前記燃料電池の一部を形成する、方法。
【請求項13】
堆積させることは、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
加熱することは、その場で実施される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記電磁放射線は、1曝露、または10曝露以下、または100曝露以下、または1000曝露以下、または10,000曝露以下で実施される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記電磁放射線は、10-4-1000Hzまたは1-1000Hzまたは10-1000Hzのバースト周波数を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記電磁放射線は、50mm以下の曝露距離を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記電磁放射線は、0.1ms以上または1ms以上の曝露期間を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記電磁放射線は、任意で100V以上のコンデンサ電圧で、キセノンランプを用いて適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
基材上に材料を堆積させること;その場で前記材料を加熱して前記材料の少なくとも一部を焼結させることを含む燃料電池を製造する方法であって、前記堆積されかつ加熱された材料は、前記燃料電池の一部である、方法。
【請求項21】
加熱することは、電磁放射線(EMR)、またはプラズマ、または熱流体、または発熱体、またはそれらの組み合わせを用いて実施される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記電磁放射線は、キセノンランプにより提供される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
堆積させることは、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
堆積させることは、マルチノズル付加製造法を使用する、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C.119(e)の下、2018年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/756,257号、2018年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/756,264号、2018年11月8日に出願された米国仮特許出願第62/757,751号、2018年11月12日に出願された米国仮特許出願第62/758,778号、2018年11月14日に出願された米国仮特許出願第62/767,413号、2018年11月17日に出願された米国仮特許出願第62/768,864号、2018年11月24日に出願された米国仮特許出願第62/771,045号、2018年11月29日に出願された米国仮特許出願第62/773,071号、2018年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/773,912号、2018年12月10日に出願された米国仮特許出願第62/777,273号、2018年12月10日に出願された米国仮特許出願第62/777,338号、2018年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/779,005号、2018年12月15日に出願された米国仮特許出願第62/780,211号、2018年12月20日に出願された米国仮特許出願第62/783,192号、2018年12月23日に出願された米国仮特許出願第62/784,472号、2018年12月29日に出願された米国仮特許出願第62/786,341号、2019年1月11日に出願された米国仮特許出願第62/791,629号、2019年1月28日に出願された米国仮特許出願第62/797,572号、2019年1月29日に出願された米国仮特許出願第62/798,344号、2019年2月11日に出願された米国仮特許出願第62/804,115号、2019年2月13日に出願された米国仮特許出願第62/805,250号、2019年2月21日に出願された米国仮特許出願第62/808,644号、2019年2月23日に出願された米国仮特許出願第62/809,602号、2019年3月6日に出願された米国仮特許出願第62/814,695号、2019年3月15日に出願された米国仮特許出願第62/819,374号、2019年3月15日に出願された米国仮特許出願第62/819,289号、2019年3月26日に出願された米国仮特許出願第62/824,229号、2019年3月28日に出願された米国仮特許出願第62/825,576号、2019年4月1日に出願された米国仮特許出願第62/827,800号、2019年4月16日に出願された米国仮特許出願第62/834,531号、2019年4月22日に出願された米国仮特許出願第62/837,089号、2019年4月29日に出願された米国仮特許出願第62/840,381号、2019年5月7日に出願された米国仮特許出願第62/844,125号、2019年5月7日に出願された米国仮特許出願第62/844,127号、2019年5月14日に出願された米国仮特許出願第62/847,472号、2019年5月17日に出願された米国仮特許出願第62/849,269号、2019年5月23日に出願された米国仮特許出願第62/852,045号、2019年6月3日に出願された米国仮特許出願第62/856,736号、2019年6月19日に出願された米国仮特許出願第62/863,390号、2019年6月20日に出願された米国仮特許出願第62/864,492号、2019年6月26日に出願された米国仮特許出願第62/866,758号、2019年7月1日に出願された米国仮特許出願第62/869,322号、2019年7月17日に出願された米国仮特許出願第62/875,437号、2019年7月23日に出願された米国仮特許出願第62/877,699号、2019年8月16日に出願された米国仮特許出願第62/888,319号、2019年9月3日に出願された米国仮特許出願第62/895,416号、2019年9月5日に出願された米国仮特許出願第62/896,466号、2019年9月11日に出願された米国仮特許出願第62/899,087号、2019年9月24日に出願された米国仮特許出願第62/904,683号、2019年10月8日に出願された米国仮特許出願第62/912,626号、2019年10月23日に出願された米国仮特許出願第62/925,210号、2019年10月29日に出願された米国仮特許出願第62/927,627号、2019年10月30日に出願された米国仮特許出願第62/928,326号の恩典を主張する。上記出願の各々の開示内容は、これにより、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
この発明は燃料電池製造に関する。より特定的には、この発明は固体酸化物燃料電池または電気化学反応器を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
燃料電池は電気化学反応を介して、燃料からの化学エネルギーを電気に変換する電気化学装置である。時として、燃料電池により発生した熱もまた、使用可能である。多くの型の燃料電池が存在する。例えば、プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)は、電極、電解質、触媒、およびガス拡散層を含む膜電極接合体(MEA)から構成される。触媒のインク、炭素、および電極が固体電解質上に噴霧され、または塗工され、カーボン紙がどちらの側にもホットプレスされて、電池の内側を保護し、また、電極としても作用する。電池の最も重要な部分は三相界面であり、そこでは、電解質、触媒、および反応物が混合し、よって、そこで、電池反応が実際に起こる。半反応物が混合しないように膜は導電性であってはならない。
【0004】
PEMFCは車両および全てのサイズの他のモバイル用途(例えば、携帯電話)のための良好な候補であり、なぜなら、それは小型であるからである。しかしながら、水管理が性能に極めて重要であり:水が多すぎると膜が水浸しになり、少なすぎるとそれを乾燥させてしまい;どちらの場合でも、電力出力が落ちる。水管理はPEM燃料電池システムにおいて困難な問題であり、主に、膜内の水が、分極により電池のカソードに向かって引きつけられるからである。さらに、膜上の白金触媒は一酸化炭素により容易に被毒する(COレベルは1ppm以下である必要がある)。膜はまた、金属イオンのようなものに対し感受性であり、それらは金属バイポーラプレート、もしくは燃料電池システム中の金属構成要素の腐食により、または燃料および/または酸化剤中の混入物質から導入され得る。
【0005】
固体酸化物燃料電池(SOFC)は電解質として固体酸化物材料を使用する異なるクラスの燃料電池である。SOFCは、カソードからの負の酸素イオンをアノードへ伝導させる固体酸化物電解質を使用する。燃料(例えば、水素、一酸化炭素)による酸素イオンの電気化学酸化が、アノード側で起こる。いくつかのSOFCはプロトン伝導性電解質を使用し(PC-SOFC)、これは、電解質を通して酸素イオンの代わりにプロトンを輸送する。典型的には、酸素イオン伝導性電解質を使用するSOFCは、PC-SOFCより高い動作温度を有する。加えて、SOFCは典型的には、プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)などの低温燃料電池には典型的には必要である、高価な白金触媒材料を必要とせず、かつ一酸化炭素触媒被毒しやすくない。固体酸化物燃料電池は、住居および車両のための補助動力装置、ならびにデータセンタのための固定発電ユニットなどの、多種多様の用途を有する。SOFCはインターコネクトを含み、それらは、セルが直列に接続され、かつ各セルにより発生した電気が合わされるように、各個々のセルの間に配置される。SOFCの1つのカテゴリは横縞型(SIS)SOFCであり、この場合、電流は横方向の電解質に平行である。SIS型SOFCと対照的に、異なるカテゴリのSOFCは、横方向の電解質に垂直な電流を有する。これらの2つのカテゴリのSOFCは、異なって接続され、異なって製造される。
【0006】
燃料電池が適正に、かつ連続して機能するように、周辺機器(BOP)のための構成要素が必要とされる。例えば、機械的周辺機器は、空気予熱器、リフォーマおよび/またはプレリフォーマ、アフターバーナー、水熱交換器、アノードテールガス酸化器を含む。他の構成要素もまた必要とされ、パワーエレクトロニクス、硫化水素センサ、およびファンを含む電気的周辺機器などである。これらのBOP構成要素は、しばしば複雑で高価である。燃料電池および燃料電池システムは、高度生産システムおよび方法を開発するのに必要でありかつ興味を引く単純な例であり、そのため、これらの効率的なシステムは、経済的に生成され、広く開発され得る。
【発明の概要】
【0007】
本明細書では、燃料電池の構成要素を処理する方法が開示され、方法は上記構成要素を電磁放射線(EMR)源に曝露することを含み、構成要素は、第1の材料を含み;EMRは、10~1500nmの範囲の波長を有し、EMRは、0.1ジュール/cmの最小エネルギー密度を有する。一実施形態では、EMR源は、キセノンランプを含む。一実施形態では、EMR源はキセノンランプである。一実施形態では、ピーク波長は波長に対する相対放射照度に基づく。一実施形態では、第1の材料は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、8YSZ(8mol%YSZ粉末)、イットリウム(Yttirum)、ジルコニウム、ガドリニアドープセリア(GDCまたはCGO)、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムガリウムマグネシウム酸化物(LSGM)、ニッケル、酸化ニッケル(NiO)、NiO-YSZ、銅(Cu)、Cu-CGO、CuO、CuO、セリウム、銀、crofer、鋼、ランタンクロマイト、ドープランタンクロマイト、フェライト鋼、ステンレス鋼、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、処理済み構成要素は亀裂を有しない、または最小の亀裂を有する。
【0008】
一実施形態では、方法は、第2の材料を構成要素に付加することを含む。一実施形態では、方法は、第2の材料をEMRに曝露することを含む。一実施形態では、第2の材料は、グラファイト、グラフェン、ナノダイヤモンド、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、燃料電池における構成要素中の第2の材料の体積分率は、50%以下、または30%以下、または20%以下、または10%以下、または3%以下、または1%以下である。
【0009】
一実施形態では、方法は、下記の少なくとも1つを制御することを含む:EMRから構成要素までの距離;EMRのエネルギー密度;EMRのスペクトル;EMRの電圧;構成要素の曝露体積;構成要素の曝露位置;曝露期間;バースト周波数;および曝露数。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビーム、マイクロ波を含む。一実施形態では、EMRはキセノンランプにより提供される。
【0010】
一実施形態では、方法は、燃料電池の製造技術と組み合わされる。一実施形態では、上記製造技術は、スクリーン印刷、テープキャスティング、噴霧、スパッタリング、物理蒸着、付加製造を含む。一実施形態では、付加製造は、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む。
【0011】
本明細書で、材料を基材上に堆積させること;電磁放射線(EMR)を使用して材料を加熱することを含む燃料電池を製造する方法であって、堆積されかつ加熱される材料が、燃料電池の一部である、方法もまた記載される。一実施形態では、上記堆積は、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、加熱はその場で実施される。一実施形態では、EMRは1曝露、または10曝露以下、または100曝露以下、または1000曝露以下、または10,000曝露以下で実施される。一実施形態では、EMRは、10-4-1000Hzまたは1-1000Hzまたは10-1000Hzのバースト周波数を有する。一実施形態では、EMRは50mm以下の曝露距離を有する。一実施形態では、EMRは0.1msまたは1ms以上の曝露期間を有する。一実施形態では、EMRは100V以上のコンデンサ電圧を用いて適用される。一実施形態では、EMRはキセノンランプにより提供される。
【0012】
本明細書で、材料を基材上に堆積させること;材料をその場で加熱して材料の少なくとも一部を焼結させることを含み、堆積されかつ加熱される材料が、燃料電池の一部である、燃料電池を製造する方法が、さらに開示される。一実施形態では、加熱は、電磁放射線(EMR)、またはプラズマ、または熱流体、または発熱体、またはそれらの組み合わせを用いて実施される。一実施形態では、EMRは、キセノンランプにより提供される。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビーム、マイクロ波を含む。一実施形態では、堆積は、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、堆積は、マルチノズル付加製造方法を使用する。
【0013】
一実施形態では、第1の燃料電池に第2の燃料電池が積層され、そのためインターコネクトが第1の燃料電池の電極の表面Aと接触し、表面Aは、第1の燃料電池の電極の平均表面積より大きい面積を有し;インターコネクトは、第2の燃料電池の電極の表面Bと接触し、表面Bは、第2の燃料電池の電極の平均表面積より大きい面積を有し、電極の平均表面積は、電極の表面の数で割った電極の総表面積である。一実施形態では、燃料電池は非SIS型SOFCである。
【0014】
さらなる態様および実施形態が、下記の図面、発明を実施するための形態および特許請求の範囲において提供される。特に指定がない限り、本明細書で議論される特徴は組み合わせ可能であり、そのような組み合わせは全て、この開示の範囲内にある。
【0015】
下記図面は、本明細書で記載されるある実施形態を説明するために提供される。図面は例示にすぎず、特許請求される発明の範囲を制限することを意図せず、かつ、特許請求される発明の可能性のある特徴または実施形態全てを示すことを意図しない。図面は必ずしも縮尺通りに描かれておらず;場合によっては、図面のある要素が、説明目的で、図面の他の要素に対して拡大される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この開示の一実施形態による、アノード、電解質、およびカソードを含む燃料電池を示す。
図2】この開示の一実施形態による、アノード、電解質、少なくとも1つのバリア層、およびカソードを含む燃料電池を示す。
図3】この開示の一実施形態による、アノード、触媒、電解質、少なくとも1つのバリア層、およびカソードを含む燃料電池を示す。
図4】この開示の一実施形態による、アノード、触媒、電解質、少なくとも1つのバリア層、カソード、およびインターコネクトを含む燃料電池を示す。
図5】この開示の一実施形態による、燃料電池スタックを示す。
図6】この開示の一実施形態による、電磁放射線(EMR)を使用する統合された堆積および加熱の方法およびシステムを示す。
図7】この開示の一実施形態による、温度の関数としての、第1の組成物および第2の組成物のSRTを示す。
図8】この開示の一実施形態による、燃料電池の少なくとも一部を形成し加熱するためのプロセスフローを示す。
図9】この開示の一実施形態による、最大高さプロファイル粗さを示す。
図10】この開示の一実施形態による、電極(NiO-YSZ)上に印刷され焼結された電解質(YSZ)を示す走査電子顕微鏡像(側面図)である。
図11A】この開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)の斜視図を示す。
図11B】この開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)の断面図を示す。
図11C】この開示の一実施形態による、燃料電池カートリッジ(FCC)の上面図および底面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次の記載は、本明細書で開示される発明の様々な態様および実施形態を列挙する。いずれの特定の実施形態も発明の範囲を規定することを意図しない。むしろ、実施形態は、特許請求される発明の範囲内に含まれる様々な組成物および方法の非限定的な例を提供する。記載は、当業者の観点から読まれるべきである。よって、当業者によく知られている情報は必ずしも含まれない。
【0018】
次の用語および句は、本明細書で別段の定めがない限り、下で示される意味を有する。この開示は本明細書で明確に規定されていない他の用語および句を採用し得る。そのような他の用語および句は、当業者へのこの開示との関連で有する意味を持つであろう。場合によっては、用語または句は単数形または複数形で規定され得る。そのような場合、それとは反対のことが明確に示されない限り、単数形のいずれの用語もその複数の対応物を含んでよく、逆の場合も同じであることが理解される。
【0019】
本明細書では、単数形「1つの(a、an)」および「その(the)」は、文脈で明確に別記されない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「1つの置換基」への言及は、単一の置換基ならびに2つ以上の置換基を包含する、などである。本明細書では、「例えば」、「例として」、「などの」または「を含む」は、より一般的な対象物をさらに明確にする例を紹介することを意味する。別様に明確に示されない限り、そのような例は、本開示において示された実施形態を理解するための補助としてのみ提供され、いかなる様式でも制限することを意味しない。これらの句はまた、開示された実施形態へのどんな種類の優先性も示さない。
【0020】
本明細書では、組成物および材料は、他に特に規定がなければ、同じ意味で使用される。各組成物/材料は複数の要素、相、および成分を有し得る。加熱は本明細書では、能動的に組成物または材料にエネルギーを付加することを指す。この開示におけるその場で、は、処理(例えば、加熱)プロセスが、組成物または材料の形成プロセスの、同じ場所でまたは同じ装置内でのいずれかで実施されることを指す。例えば、堆積プロセスおよび加熱プロセスは同じ装置内で、かつ、同じ場所で、言い換えれば、装置を変えずに、かつ、装置内での場所を変えずに実施される。例えば、堆積プロセスおよび加熱プロセスは同じ装置内において、異なる場所で実施され、これもまた、その場で、と考えられる。
【0021】
付加製造(AM)は、材料を、通常一片ずつ、または、層の上に層を重ねて、接合させ、物体を作製する一群の技術を指す。AMは、機械加工または切除による材料の一部の除去を含む減法製造法と対照的である。AMはまた、積層造形、加法過程、加法技術、付加層製造、層製造、および自由形状製作と呼ばれる。AMのいくつかの例は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、積層、直接金属レーザー焼結(DMLS)、選択的レーザー焼結(SLS)、選択的レーザー溶融(SLM)、指向性エネルギー堆積(DED)、レーザーメタルデポジション(LMD)、電子ビーム(EBAM)、および金属バインダ噴射である。3DプリンタはAM機(AMM)の1つの型である。インクジェットプリンタまたは超音波インクジェットプリンタもまた、AMMである。
【0022】
本明細書では、「歪み速度テンソル」または「SRT」という句は、ある点の近くで、かつ、ある時間での材料の歪みの変化速度を指すことが意味される。それは、時間に関する歪みテンソルの導関数として規定できる。SRTまたはSRTの差がこの開示において比較される場合、使用されるのは大きさである。
【0023】
本明細書では、横は、非SIS型燃料電池における、層の積み重ね方向に垂直な方向を指す。よって、横方向は、燃料電池における層の積み重ね方向、または、堆積中に物体を形成する薄片の積み重ね方向に垂直な方向を指す。横はまた、堆積プロセスの広がりである方向を指す。
【0024】
この開示における合成ガス(すなわち、合成用ガス)は、主に、水素、一酸化炭素、および二酸化炭素から構成される混合物を指す。
【0025】
この開示では、吸光度は、物質のある波長の電磁放射線(EMR)を吸収する能力の尺度である。
【0026】
放射線の吸収は、放射線に曝露された時に物質により吸収されるエネルギーを指す。
【0027】
燃料電池の典型的な製造プロセスは時として、数十の機械を使用する100を超える工程を必要とする可能性がある。この開示の一実施形態によれば、燃料電池を製造する方法は、たった1つの付加製造機(AMM)を使用して燃料電池を製造することを含み、燃料電池は、アノード、電解質、およびカソードを含む。一実施形態では、燃料電池は、例えば、電解質とカソードの間、または電解質とカソードの間、または両方に少なくとも1つのバリア層を含む。少なくとも1つのバリア層もまた好ましくは、同じ単一のAMMにより製造される。一実施形態では、AMMはまた、インターコネクトを生成し、インターコネクトをアノード、カソード、バリア層(複数可)、および電解質と一緒に組み立てる。
【0028】
一実施形態では、インターコネクト、アノード、電解質、およびカソードは、層の上に層を重ねて形成され、例えば、層の上に層を重ねて印刷される。発明の範囲内で、これらの層を形成する順序は変化させることができることに注意することが重要である。言い換えれば、アノードまたはカソードのどちらか一方は、他方の前に形成されてよい。当然、電解質は、それがアノードとカソードの間にあるように形成される。バリア層(複数可)、触媒層(複数可)およびインターコネクト(複数可)は、それらの機能を果たすために、燃料電池内の適切な位置に存在するように形成される。
【0029】
一実施形態では、インターコネクト、アノード、電解質、およびカソードの各々は、6つの面を有する。場合によっては、アノードはインターコネクト上に印刷され、インターコネクトと接触し;電解質はアノード上に印刷され、アノードと接触し;カソードは電解質上に印刷され、電解質と接触する。各プリントは、例えば、EMRを使用して焼結される。そのようなものとして、組立てプロセスおよび形成プロセスは同時に起こり、これは、従来の方法では可能ではない。その上、好ましい実施形態により、必要とされる電気接触および気密性もまた、同時に達成される。対照的に、従来の燃料電池組立てプロセスは、燃料電池構成要素または層の加圧または圧縮によりこれを達成することが要求される。加圧または圧縮プロセスは燃料電池層に望ましくない亀裂を引き起こす可能性がある。
【0030】
様々な実施形態では、単一のAMMが、第1の燃料電池を製造し、燃料電池は、アノード、電解質、カソード、少なくとも1つのバリア層、およびインターコネクトを含む。様々な実施形態では、単一のAMMが、第2の燃料電池を製造する。様々な実施形態では、単一のAMMは、第1の燃料電池を第2の燃料電池と共に組立てて、燃料電池スタックを形成する。様々な実施形態では、AMMを用いる生成は、何回でも好きなだけ繰り返され;および燃料電池スタックは、AMMを用いて組立てられる。一実施形態では、燃料電池の様々な層は、AMMにより周囲温度を超えて、例えば、100℃超、100℃~500℃、100℃~300℃で生成される。様々な実施形態では、燃料電池または燃料電池スタックは、それが形成され/組立てられた後に加熱される。一実施形態では、燃料電池または燃料電池スタックは、500℃を超える温度で加熱される。一実施形態では、燃料電池または燃料電池スタックは、500℃~1500℃の温度で加熱される。
【0031】
様々な実施形態では、AMMは、そこで燃料電池の製造が起こるチャンバを含む。このチャンバは燃料電池の生成を可能にする高温に耐えることができる。一実施形態では、この高温は少なくとも300℃である。一実施形態では、この高温は少なくとも500℃である。一実施形態では、この高温は少なくとも800℃である。一実施形態では、この高温は少なくとも1000℃である。一実施形態では、この高温は少なくとも1500℃である。場合によっては、このチャンバはまた、燃料電池の加熱がチャンバ内で起こることを可能にする。様々な加熱方法、例えばレーザー加熱/硬化、電磁波加熱、熱流体加熱、またはチャンバと関連する加熱要素が、適用される。加熱要素は、加熱面または加熱コイルまたは加熱ロッドであってよく、チャンバ内の内容物が所望の温度範囲まで加熱されるようにチャンバと関連付けられる。様々な実施形態では、AMMのチャンバは、例えば、可動部(例えば、可動スタンプまたはプランジャー)を介して、内側の燃料電池(複数可)に圧力を適用できる。様々な実施形態では、AMMのチャンバは、圧力に耐えることができる。チャンバは、流体により加圧され、要望通り減圧され得る。チャンバ内の流体はまた、必要に応じ変更され/置き換えられ得る。
【0032】
一実施形態では、燃料電池または燃料電池スタックは、EMRを使用して加熱される。一実施形態では、燃料電池または燃料電池スタックは、オーブン硬化を使用して加熱される。一実施形態では、レーザービームは、拡大されて(例えば、1つ以上のミラーの使用により)均一な電力密度を有する加熱ゾーンを生成する。一実施形態では、燃料電池の各層は、別々にEMR硬化される。一実施形態では、燃料電池層の組み合わせ、例えば、アノード層、電解質層、およびカソード層の組み合わせは、別々にEMR硬化される。一実施形態では、第1の燃料電池がEMR硬化され、第2の燃料電池と共に組立てられ、次いで、第2の燃料電池がEMR硬化される。一実施形態では、第1の燃料電池は、第2の燃料電池と共に組立てられ、次いで第1の燃料電池および第2の燃料電池は、別々にEMR硬化される。一実施形態では、第1の燃料電池は、第2の燃料電池と共に組立てられて燃料電池スタックを形成し、次いで燃料電池スタックが、EMR硬化される。一連のレーザー加熱/硬化および組立ては、全ての他の加熱方法に適用可能である。
【0033】
一実施形態では、AMMは、多重燃料電池の各層を同時に生成する。一実施形態では、AMMは、多重燃料電池の各層を同時に組立てる。一実施形態では、多重燃料電池の各層の加熱または層の組み合わせの加熱は、同時に起こる。燃料電池または燃料電池スタックについての本明細書における議論はすべて、かつ、特徴は全て、多重燃料電池の生成、組立て、および加熱に適用可能である。一実施形態では、燃料電池の多重度は20以上である。一実施形態では、燃料電池の多重度は50以上である。一実施形態では、燃料電池の多重度は80以上である。一実施形態では、燃料電池の多重度は100以上である。一実施形態では、燃料電池の多重度は500以上である。一実施形態では、燃料電池の多重度は800以上である。一実施形態では、燃料電池の多重度は1000以上である。一実施形態では、燃料電池の多重度は5000以上である。一実施形態では、燃料電池の多重度は10,000以上である。
【0034】
本明細書では、次の効果の1つ以上を有する処理プロセスも開示される:加熱、乾燥、硬化、焼結、アニーリング、シーリング、合金化、蒸発、再構成、発泡。処理プロセスは、基材を電磁放射線(EMR)源に曝露することを含む。一実施形態では、EMRは、第1の材料を有する基材を処理する。様々な実施形態では、EMRは、10~1500nmの範囲の波長を有する。様々な実施形態では、EMRは、0.1ジュール/cmの最小エネルギー密度を有する。一実施形態では、EMRは、1-1000Hzまたは10-1000Hzのバースト周波数を有する。一実施形態では、EMRは、50mm以下の曝露距離を有する。一実施形態では、EMRは、0.1msまたは1ms以上の曝露期間を有する。一実施形態では、EMRは、100V以上のコンデンサ電圧を用いて適用される。例えば、EMRの単一パルスが、約10mmの曝露距離および5-20msの曝露期間を用いて適用される。
【0035】
次の詳細な説明は、固体酸化物燃料電池(SOFC)の生成を一例として取り上げる。当業者であれば認識するように、方法および製造プロセスは、任意の電気化学装置、反応器、容器、触媒、などに適用可能である。
【0036】
付加製造
第1の態様では、発明は、(a)付加製造機(AMM)を使用してアノードを生成すること;(b)AMMを使用して電解質を作製すること;ならびに(c)AMMを使用してカソードを製造することを含む、燃料電池を製造する方法である。一実施形態では、アノード、電解質、およびカソードは、AMMを利用して燃料電池へと組立てられる。一実施形態では、燃料電池は、AMMのみを使用して形成される。一実施形態では、工程(a)、(b)、および(c)は、テープキャスティングを排除し、スクリーン印刷を排除する。一実施形態では、方法は、組立てにおける圧縮を排除する。一実施形態では、層は、積み重ねて堆積され、そのようなものとして、組立ては、堆積と同時に達成される。この開示の方法は、平板型燃料電池の製造に有用である。この開示の方法は、燃料電池の製造に有用であり、電流は、燃料電池が使用される時に横方向の電解質に垂直である。
【0037】
一実施形態では、方法は、AMMを使用して少なくとも1つのバリア層を製造することを含む。一実施形態では、少なくとも1つのバリア層は、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方で使用される。一実施形態では、少なくとも1つのバリア層は、AMMを使用して、アノード、電解質、およびカソードと共に組立てられる。一実施形態では、バリア層は燃料電池において使用されない。
【0038】
一実施形態では、方法は、AMMを使用してインターコネクを製造することを含む。一実施形態では、インターコネクトは、AMMを使用して、アノード、電解質、およびカソードと共に組立てられる。一実施形態では、AMMは触媒を形成し、上記触媒を燃料電池に組み入れる。
【0039】
一実施形態では、アノード、電解質、カソード、およびインターコネクトは、100℃を超える温度で製造される。一実施形態では、方法は、燃料電池を加熱することを含み、上記燃料電池は、アノード、電解質、カソード、インターコネクト、および任意で少なくとも1つのバリア層を含む。一実施形態では、燃料電池は、触媒を含む。一実施形態では、方法は、燃料電池を、500℃を超える温度に加熱することを含む。一実施形態では、燃料電池は、EMRまたはオーブン硬化を使用して加熱される。
【0040】
一実施形態では、AMMは、マルチノズル付加製造法を利用する。一実施形態では、マルチノズル付加製造法は、ナノ粒子噴射を含む。一実施形態では、第1のノズルは、第1の材料を送達する。一実施形態では、第2のノズルは、第2の材料を送達する。一実施形態では、第3のノズルは、第3の材料を送達する。一実施形態では、第4の材料の粒子は、部分的に構成された燃料電池と接触して配置され、レーザー、光電効果、光、熱、重合、または結合を用いて部分的に構成された燃料電池に接着される。一実施形態では、アノード、またはカソード、または電解質は、第1、第2、第3または第4の材料を含む。一実施形態では、AMMは、複数の付加製造技術を実施する。様々な実施形態では、付加製造技術は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、積層を含む。様々な実施形態では、付加製造は、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせを含む堆積技術である。
【0041】
燃料電池スタックを製造する方法が本明細書でさらに記載され、方法は、(a)付加製造機(AMM)を使用してアノードを生成すること;(b)AMMを使用して電解質を作製すること;(c)AMMを使用してカソードを製造すること;(d)AMMを使用してインターコネクトを製造することであって;アノード、電解質、カソード、およびインターコネクトは第1の燃料電池を形成する、製造すること;(e)工程(a)-(d)を繰り返し、第2の燃料電池を製造すること;ならびに(f)第1の燃料電池および第2の燃料電池を組立てて燃料電池スタックにすること、を含む。
【0042】
一実施形態では、第1の燃料電池および第2の燃料電池は、AMMを使用してアノード、電解質、カソード、およびインターコネクトから形成される。一実施形態では、燃料電池スタックは、AMMのみを使用して形成される。一実施形態では、工程(a)-(f)は、テープキャスティングを排除し、かつ、スクリーン印刷を排除する。
【0043】
一実施形態では、方法は、AMMを使用して少なくとも1つのバリア層を製造することを含む。一実施形態では、少なくとも1つのバリア層は、第1の燃料電池および第2の燃料電池のために、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方で使用される。
【0044】
一実施形態では、工程(a)-(d)は100℃を超える温度で実施される。一実施形態では、工程(a)-(d)は100℃~500℃の温度で実施される。一実施形態では、AMMは触媒を製造し、上記触媒を燃料電池スタックに組み入れる。
【0045】
一実施形態では、方法は、燃料電池スタックを加熱することを含む。一実施形態では、方法は、燃料電池スタックを500℃を超える温度に加熱することを含む。一実施形態では、燃料電池スタックは、EMRまたはオーブン硬化を使用して加熱される。一実施形態では、レーザーはレーザービームを有し、上記レーザービームは拡大されて、均一な電力密度を有する加熱ゾーンを生成する。一実施形態では、レーザービームは、1つ以上のミラーの使用により拡大される。一実施形態では、燃料電池の各層は、別々にEMR硬化される。一実施形態では、燃料電池層の組み合わせは、別々にEMR硬化される。一実施形態では、第1の燃料電池がEMR硬化され、第2の燃料電池と共に組立てられ、次いで第2の燃料電池がEMR硬化される。一実施形態では、第1の燃料電池は、第2の燃料電池と共に組立てられ、次いで第1の燃料電池および第2の燃料電池が、別々にEMR硬化される。一実施形態では、第1の燃料電池および第2の燃料電池は、別々にEMR硬化され、次いで第1の燃料電池が第2の燃料電池と共に組立てられて、燃料電池スタックを形成する。一実施形態では、第1の燃料電池が第2の燃料電池と共に組立てられて燃料電池スタックを形成し、次いで燃料電池スタックがEMR硬化される。
【0046】
本明細書で、(a)付加製造機(AMM)を使用して同時に多重アノードを生成すること;(b)AMMを使用して同時に多重電解質を作製すること;ならびに(c)AMMを使用して同時に多重カソードを製造すること、を含む多重燃料電池を製造する方法もまた記載される。一実施形態では、アノード、電解質、およびカソードは、AMMを利用して同時に組立てられて燃料電池にされる。一実施形態では、燃料電池は、AMMのみを使用して形成される。
【0047】
一実施形態では、方法は、同時に、多重燃料電池の各々のために、AMMを使用して少なくとも1つのバリア層を製造することを含む。一実施形態では、上記少なくとも1つのバリア層は、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方で使用される。一実施形態では、上記少なくとも1つのバリア層は、各燃料電池のためにAMMを使用して、アノード、電解質、およびカソードと共に組立てられる。
【0048】
一実施形態では、方法は、同時に、多重燃料電池の各々のために、AMMを使用してインターコネクトを製造することを含む。一実施形態では、上記インターコネクトは、各燃料電池のためにAMMを使用して、アノード、電解質、およびカソードと共に組立てられる。一実施形態では、AMMは、同時に多重燃料電池の各々のために触媒を形成し、上記触媒を燃料電池の各々に組み入れる。一実施形態では、各層の加熱または多重燃料電池の層の組み合わせの加熱は、同時に起こる。一実施形態では、多重燃料電池は、20燃料電池以上である。
【0049】
一実施形態では、AMMは、同時に異なる材料を噴射/印刷するために異なるノズルを使用する。例えば、AMMにおいて、同時に、第1のノズルは燃料電池1のためのアノードを製造し、第2のノズルは燃料電池2のためのカソードを製造し、および第3のノズルは燃料電池3のための電解質を製造する。例えば、AMMにおいて、同時に、第1のノズルは燃料電池1のためのアノードを製造し、第2のノズルは燃料電池2のためのカソードを製造し、第3のノズルは燃料電池3のための電解質を製造し、および第4のノズルは燃料電池4のためのインターコネクトを製造する。
【0050】
燃料電池の製造が起こるチャンバを含む付加製造機(AMM)が本明細書で開示され、上記チャンバは、少なくとも300℃の温度に耐えることができる。一実施形態では、上記チャンバは、燃料電池の生成を可能にする。一実施形態では、上記チャンバは、その場での燃料電池の加熱を可能にする。一実施形態では、上記チャンバは、レーザー、または電磁波/電磁放射線(EMR)、または熱流体、またはチャンバと関連する加熱要素、またはそれらの組み合わせにより加熱される。一実施形態では、上記加熱要素は、加熱面または加熱コイルまたは加熱ロッドを含む。一実施形態では、上記チャンバは、内側の燃料電池に圧力を適用するように構成される。一実施形態では、圧力は、チャンバと関連する可動部を介して適用される。一実施形態では、上記可動部は、可動スタンプまたはプランジャーである。一実施形態では、上記チャンバは、圧力に耐えるように構成される。一実施形態では、上記チャンバは、流体により加圧され、または減圧されるように構成される。一実施形態では、チャンバ内の上記流体は、変更されるまたは置き換えられる。
【0051】
場合によっては、チャンバは封入される。場合によっては、チャンバは密閉される。場合によっては、チャンバは開放である。場合によっては、チャンバは上壁および側壁のないプラットフォームである。
【0052】
図6を参照して、601は堆積ノズルまたは材料噴射ノズルを概略的に表し;602はEMR源、例えば、キセノンランプを表し;603は形成される物体を表し;ならびに604はAMMの一部としてのチャンバを表す。図6に示されるように、チャンバまたはレシーバ604は、ノズルからの堆積物およびEMR源からの放射線の両方を受理するように構成される。様々な実施形態では、堆積ノズル601は可動である。様々な実施形態では、チャンバまたはレシーバ604は可動である。様々な実施形態では、EMR源602は可動である。様々な実施形態では、物体は、触媒、触媒担体、触媒複合物、アノード、カソード、電解質、電極、インターコネクト、シール、燃料電池、電気化学ガス発生器、電解槽、電気化学コンプレッサ、反応器、熱交換器、容器、またはそれらの組み合わせを含む。
【0053】
この開示に好適な付加製造技術は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、および積層を含む。一実施形態では、付加製造は、押出付加製造である。押出付加製造は、材料(例えば、熱可塑性物質)の空間的に制御された堆積を含む。それは、この開示では溶融フィラメント製造(FFF)または熱溶解積層法(FDM)とも呼ばれる。
【0054】
一実施形態では、付加製造は光重合、すなわち、この開示のプロセスのためのステレオリソグラフィー(SLA)である。SLAは、走査レーザーまたは高解像度投射画像を使用し、それを架橋固体に変換する、光活性液体(「フォトレジン」)の空間的に規定される硬化を含む。光重合は、マイクロメートル~メートルスケールの範囲の細部および寸法を有する部品を生成する。
【0055】
一実施形態では、付加製造は、粉末床溶融結合(PBF)である。PBF AMプロセスは、粉末化供給原料、例えば、ポリマまたは金属を溶融することにより物体を構築する。PBFプロセスは、構築エリア全体に粉末の薄層を広げることにより開始する。断面が次いで、ほとんどの場合レーザー、電子ビーム、または高強度赤外線ランプを使用して、一度に1層溶融される。一実施形態では、金属のPBFは、選択的レーザー溶融(SLM)または電子ビーム溶融(EBM)である。一実施形態では、ポリマのPBFは、選択的レーザー焼結(SLS)である。様々な実施形態では、SLSシステムは、熱可塑性ポリマ材料、ポリマ複合物、またはセラミックを印刷する。様々な実施形態では、SLMシステムは、様々な純粋金属および合金に好適であり、合金はSLMにおいて起こる急速固化に適合する。
【0056】
一実施形態では、付加製造は、材料噴射である。材料噴射による付加製造は、空間制御して材料の小滴(または液滴)を堆積させることにより達成される。様々な実施形態では、材料噴射は、三次元的に(3D)または二次元的に(2D)または両方で実施される。一実施形態では、3D噴射は、1層ずつ達成される。一実施形態では、プリント作成は、コンピューター支援設計(CAD)を、材料組成、色、および他の変数の仕様と共に、各層に対する印刷命令に変換する。バインダ噴射AMは、液体バインダの粉末床上へのインクジェット堆積を含む。場合によっては、バインダ噴射は、他のAMプロセスの物理特性を組み合わせる:粉末を広げて粉末床を作製すること(SLS/SLMに類似)、およびインクジェット印刷。
【0057】
一実施形態では、付加製造は、指向性エネルギー堆積(DED)である。上で検討された粉末床を使用する代わりに、DEDプロセスは、レーザー、電気アーク、または電子ビームなどのエネルギー集約源と共に、粉末の指向流またはワイヤフィードを使用する。一実施形態では、DEDは、直接書きプロセスであり、材料堆積の場所が堆積ヘッドの移動により決定され、これは粉末床の制約なしに大きな金属構造が構築されることを可能にする。
【0058】
一実施形態では、付加製造は、積層AM、または積層物体製造(LOM)である。一実施形態では、シート材料の連続した層が、連続して接着され、3D構造を形成するために切断される。
【0059】
ミリング、粉砕、濾過、分析、混合、結合、蒸発、エージング、乾燥、押出、展延、テープキャスティング、スクリーン印刷、スタッキング、加熱、加圧、焼結、および圧縮を含むがこれらに限定はされない、100を超える工程を含み得る、燃料電池スタックを製造する従来の方法とは対照的に、この開示の方法は、1つのAMMを使用して燃料電池または燃料電池スタックを製造する。
【0060】
この開示のAMMは好ましくは、押出およびインク噴射の両方を実施して、燃料電池または燃料電池スタックを製造する。押出は、燃料電池のより厚い層、例えば、アノードおよび/またはカソードを製造するために使用される。インク噴射は、燃料電池の薄層を製造するために使用される。インク噴射は、電解質を製造するために使用される。AMMは、AMM自体において硬化を可能にするのに十分な温度範囲で動作する。そのような温度範囲は、100℃以上、例えば100℃-300℃または100℃-500℃である。
【0061】
好ましい実施形態では、燃料電池の層は全て、印刷により形成され、組立てられる。アノード、カソード、電解質、およびインターコネクトを、それぞれ製造するための材料は、溶媒および粒子(例えば、ナノ粒子)を含むインク形態にされる。2つのカテゴリのインク配合物が存在する-水性インクおよび非水性インク。場合によっては、水性インクは、水性溶媒(例えば、水、脱イオン水)、粒子、分散剤、および界面活性剤を含む。場合によっては、水性インクは、水性溶媒(例えば、水、脱イオン水)、粒子、分散剤、界面活性剤を含むが、ポリマバインダは含まない。水性インクは任意で、共溶媒、例えば、有機混和性溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)を含む。そのような共溶媒は好ましくは、水より低い沸点を有する。分散剤は、静電分散剤、立体分散剤、イオン性分散剤、非イオン性分散剤、またはそれらの組み合わせである。界面活性剤は好ましくは、非イオン性、例えば、アルコールアルコキシレート、アルコールエトキシレートである。非水性インクは、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール)および粒子を含む。
【0062】
例えば、CGO粉末が水と混合されて、分散剤が添加されかつ界面活性剤が添加されるがポリマバインダは添加されない、水性インクを形成する。質量に基づくCGO割合は、10wt%~25wt%の範囲にある。例えば、CGO粉末はエタノールと混合されて、ポリビニルブタリル(polyvinyl butaryl)が添加された非水性インクを形成する。質量に基づくCGO割合は、3wt%~30wt%の範囲にある。例えば、LSCFはn-ブタノールまたはエタノールと混合されて、ポリビニルブタリル(polyvinyl butaryl)が添加された非水性インクを形成する。質量に基づくLSCF割合は、10wt%~40wt%の範囲にある。例えば、YSZ粒子は水と混合されて、分散剤が添加されかつ界面活性剤が添加されるがポリマバインダは添加されない、水性インクを形成する。質量に基づくYSZ割合は、3wt%~40wt%の範囲にある。例えば、NiO粒子は水と混合されて、分散剤が添加されかつ界面活性剤が添加されるがポリマバインダは添加されない、水性インクを形成する。質量に基づくNiO割合は、5wt%~25wt%の範囲にある。
【0063】
一例として、燃料電池のカソードについては、LSCFまたはLSM粒子が溶媒に溶解され、溶媒は、水またはアルコール(例えば、ブタノール)またはアルコールの混合物である。アルコール以外の有機溶媒もまた、使用され得る。一例として、LSCFは、層へと堆積される(例えば、印刷される)。キセノンランプは、LSCF層をEMRで照射して、LSCFを焼結させる。ラッシュランプは、400Vの電圧および10Hzの周波数で1000msの総曝露期間の間適用される、10kWユニットである。
【0064】
例えば、電解質については、YSZ粒子が溶媒と混合され、溶媒は、水(例えば、脱イオン水)またはアルコール(例えば、ブタノール)またはアルコールの混合物である。アルコール以外の有機溶媒もまた、使用され得る。インターコネクトについては、金属の粒子(例えば、銀ナノ粒子)が溶媒に溶解され、溶媒は、水(例えば、脱イオン水)、有機溶媒(例えばモノ、ジ、またはトリエチレングリコールまたは高級エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールまたはそのようなグリコールのエーテル、チオジグリコール、グリセロールならびにそれらのエーテルおよびエステル、ポリグリセロール、モノ、ジ、およびトリエタノールアミン、プロパノールアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリドン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、炭酸プロピレン)、およびそれらの組み合わせを含み得る。燃料電池におけるバリア層については、CGO粒子が溶媒に溶解され、溶媒は、水(例えば、脱イオン水)またはアルコール(例えば、ブタノール)またはアルコールの混合物である。アルコール以外の有機溶媒もまた、使用され得る。CGOはLSCFのためのバリア層として使用される。YSZもまた、LSMのためのバリア層として使用され得る。場合によっては、水が溶媒である水性インクについては、ポリマバインダは水性インクに添加されない。
【0065】
処理プロセス
本明細書では、次の効果の1つ以上を有する処理プロセスが開示され:加熱、乾燥、硬化、焼結、アニーリング、シーリング、合金化、蒸発、再構成、発泡、焼結が最も好ましいプロセスである。好ましくは、処理プロセスは、基材を電磁放射線(EMR)源に曝露することを含む。一実施形態では、EMRは、第1の材料を有する基材を処理する。様々な実施形態では、EMRは、10~1500nmの範囲のピーク波長を有する。使用されるEMRの波長は、焼結される材料に依存する。曝露距離および薄片厚さもまた、異なる材料について所望の印刷および焼結結果を達成するように調整される。
【0066】
様々な実施形態では、EMRは、0.1ジュール/cmの最小エネルギー密度を有する。一実施形態では、EMRは、10-4-1000Hzまたは1-1000Hzまたは10-1000Hzのバースト周波数を有する。一実施形態では、EMRは、50mm以下の曝露距離を有する。一実施形態では、EMRは、0.1msまたは1ms以上の曝露期間を有する。一実施形態では、EMRは、100V以上のコンデンサ電圧で適用される。例えば、EMRの単一パルスは、約10mmの曝露距離および5-20msの曝露期間で適用される。例えば、EMRの多重パルスは、100Hzのバースト周波数で、約10mmの曝露距離および5-20msの曝露期間で適用される。一実施形態では、EMRは、1曝露で実施される。一実施形態では、EMRは、10曝露以下、または100曝露以下、または1000曝露以下、または10,000曝露以下で実施される。
【0067】
様々な実施形態では、金属およびセラミックは、パルス光を使用してほとんど瞬時に(<<10ミクロンではミリ秒)焼結される。焼結温度は、100℃~2000℃の範囲であるように制御される。焼結温度は、深さの関数として調整される。1つの場合では、表面温度は1000℃であり、表面下は100℃で維持され、表面下は表面の下方100ミクロンである。一実施形態では、この処理プロセスに好適な材料としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、8YSZ(8mol%YSZ粉末)、イットリウム(Yttirum)、ジルコニウム、ガドリニアドープセリア(GDCまたはCGO)、サマリアドープセリア(SDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムガリウムマグネシウム酸化物(LSGM)、ニッケル、NiO、NiO-YSZ、Cu-CGO、CuO、CuO、セリウム、銅、銀、crofer、鋼、ランタンクロマイト、ドープランタンクロマイト、フェライト鋼、ステンレス鋼、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0068】
この処理プロセスは、燃料電池の製造プロセスにおいて適用可能である。一実施形態では、燃料電池の層(アノード、カソード、電解質、シール、触媒)が、この開示のプロセスを用いて処理されて加熱、硬化、焼結、密閉、合金化、発泡、蒸発、再構成、乾燥、またはアニールされる。一実施形態では、燃料電池の層の一部(アノード、カソード、電解質、シール、触媒)が、この開示のプロセスを用いて処理されて加熱、硬化、焼結、密閉、合金化、発泡、蒸発、再構成、乾燥、またはアニールされる。一実施形態では、燃料電池の層の組み合わせ(アノード、カソード、電解質、シール、触媒)が、この開示のプロセスを用いて処理されて加熱、硬化、焼結、密閉、合金化、発泡、蒸発、再構成、乾燥、またはアニールされ、層は完全層または部分層であってよい。好ましくは、処理プロセスは、焼結であり、EMRにより達成される。
【0069】
この開示の処理プロセスは好ましくは迅速であり、処理期間がマイクロ秒~ミリ秒で変動する。処理期間は正確に制御される。この開示の処理プロセスは、亀裂がない、または最小の亀裂を有する燃料電池層を生成する。最小の亀裂により、存在するどの亀裂も、燃料電池の性能を低下させないことが意味される。この開示の処理プロセスは、処理される材料の処理体積において電力密度またはエネルギー密度を制御する。処理体積は正確に制御される。一実施形態では、この開示の処理プロセスは、処理体積において同じエネルギー密度または異なるエネルギー密度を提供する。一実施形態では、この開示の処理プロセスは、処理体積において同じ処理期間または異なる処理期間を提供する。一実施形態では、この開示の処理プロセスは、1つ以上の処理体積に対する同時処理を提供する。一実施形態では、この開示の処理プロセスは、1つ以上の燃料電池層または部分層または層の組み合わせに対する同時処理を提供する。一実施形態では、処理体積は、処理深さを変更することにより変化する。
【0070】
一実施形態では、処理体積の第1の部分は、第1の波長の電磁放射線により処理され;処理体積の第2の部分は、第2の波長の電磁放射線により処理される。場合によっては、第1の波長は、第2の波長と同じである。場合によっては、第1の波長は、第2の波長とは異なる。一実施形態では、処理体積の第1の部分は、処理体積の第2の部分とは異なるエネルギー密度を有する。一実施形態では、処理体積の第1の部分は、処理体積の第2の部分とは異なる処理期間を有する。
【0071】
一実施形態では、EMRは、所望の効果が、異なる吸収特性を有する幅広い材料について達成されるように、ブロードな発光スペクトルを有する。この開示では、電磁放射線(EMR)の吸収は、光子のエネルギーが、原子の電子などの物質により取り込まれる、プロセスを指す。よって、電磁エネルギーは、吸収体の内部エネルギー、例えば、熱エネルギーに変換される。例えば、EMRスペクトルは深紫外(UV)範囲から近赤外(IR)範囲に広がり、ピークパルス電力は220nm波長にある。そのようなEMRの電力は、メガワットのオーダーである。そのようなEMR源は、化学結合破壊、焼結、アブレーション(ablating)または滅菌などのタスクを実行する。
【0072】
一実施形態では、EMRは、0.1、1、または10ジュール/cm以上のエネルギー密度を有する。一実施形態では、EMRは、1ワット(W)、10W、100W、1000W以上の電力出力を有する。EMRは、基材に1W、10W、100W、1000W以上の電力を送達する。一実施形態では、そのようなEMR曝露は、基材中の材料を加熱する。一実施形態では、EMRは、異なる波長の範囲またはスペクトルを有する。様々な実施形態では、処理される基材は、燃料電池のアノード、カソード、電解質、触媒、バリア層、またはインターコネクトの少なくとも一部である。
【0073】
一実施形態では、EMRのピーク波長は、50~550nmの間または100~300nmの間である。一実施形態では、EMRの波長は、50~550nmの間または100~300nmの間である。一実施形態では、10~1500nmの間のEMRの少なくとも1つの周波数についての基材の少なくとも一部の吸収は、30%以上、または50%以上である。一実施形態では、50~550nmの間の少なくとも1つの周波数についての基材の少なくとも一部の吸収は、30%以上、または50%以上である。一実施形態では、100~300nmの間の少なくとも1つの周波数についての基材の少なくとも一部の吸収は、30%以上、または50%以上である。
【0074】
焼結は、それを液化点まで溶融させずに熱または圧力により、材料の固体塊を圧縮および成形するプロセスである。この開示では、EMR曝露下の基材は、焼結されるが溶融されない。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビーム、マイクロ波である。一実施形態では、基材は、1マイクロ秒以上、1ミリ秒以上の間EMRに曝露される。一実施形態では、基材は、1度に1秒未満または1度に10秒未満EMRに曝露される。一実施形態では、基材は、1秒未満または10秒未満の間EMRに曝露される。一実施形態では、基材は繰り返して、例えば、1回超、3回超、10回超EMRに曝露される。一実施形態では、基材は、EMR源から、50cm未満、10cm未満、1cm未満、または1mm未満離される。
【0075】
一実施形態では、EMR曝露後に、第2の材料が第1の材料に付加され、またはその上に配置される。様々な場合において、第2の材料は、第1の材料と同じである。一実施形態では、第2の材料は、EMRに曝露される。場合によっては、第3の材料が付加される。一実施形態では、第3の材料は、EMRに曝露される。
【0076】
一実施形態では、第1の材料は、YSZ、8YSZ、イットリウム(Yttirum)、ジルコニウム、GDC、SDC、LSM、LSCF、LSC、ニッケル、NiO、セリウムを含む。一実施形態では、第2の材料は、グラファイトを含む。一実施形態では、電解質、アノード、またはカソードは、第2の材料を含む。場合によっては、電解質、アノード、またはカソードにおける第2の材料の体積分率は、20%、10%、3%、または1%未満である。少なくとも1つの周波数(例えば、10~1500nmの間または100~300nmの間または50~550nmの間)に対する第2の材料の吸収速度は、30%超または50%超である。
【0077】
様々な実施形態では、パラメータの1つまたは組み合わせが制御され、そのようなパラメータとしては、EMR源と基材の間の距離、EMRのエネルギー密度、EMRのスペクトル、EMRの電圧、曝露期間、バースト周波数、およびEMR曝露数が挙げられる。好ましくは、これらのパラメータは、基材における亀裂の形成を最小に抑えるように制御される。
【0078】
一実施形態では、EMRエネルギーは、1mm以上、または1cm以上、または10cm以上、または100cm以上の表面積に送達される。場合によっては、第1の材料のEMR曝露中に、隣接する材料の少なくとも一部は、第1の材料からの熱の伝導により少なくとも一部加熱される。様々な実施形態では、燃料電池の層(例えば、アノード、カソード、電解質)は、薄い。好ましくは、それらは30ミクロン以下、10ミクロン以下、または1ミクロン以下である。
【0079】
一実施形態では、基材の第1の材料は、粉末、ゾルゲル、コロイド懸濁液、ハイブリッド溶液、または焼結材料の形態である。様々な実施形態では、第2の材料は、蒸着により付加され得る。一実施形態では、第2の材料は、第1の材料をコートする。一実施形態では、第2の材料は、光、例えば集束光と、レーザーによるように、反応し、かつ第1の材料と共に焼結またはアニールする。
【0080】
利点
この開示の好ましい処理プロセスは、従来の、コストのかかる、時間のかかる、高価な焼結プロセスを排除すること、および所望であれば単一の機械における燃料電池の層の連続製造を可能にする迅速なその場法にそれらを置き換えることにより、燃料電池の迅速製造を可能にする。このプロセスはまた、焼結時間を時間および日から、秒またはミリ秒さらにはマイクロ秒へと短くする。
【0081】
様々な実施形態では、この処理方法は、スクリーン印刷、テープキャスティング、噴霧、スパッタリング、物理蒸着、および付加製造のような製造技術と組み合わせて使用される。
【0082】
この好ましい処理方法は、基材の層の厚さおよび隣接層への熱伝導を制御することと組み合わせてEMR特性(例えば、波長、エネルギー密度、バースト周波数、および曝露期間)を調整することにより、調整されおよび制御された加熱を可能にして、各所望の標的温度で各層を焼結、アニール、または硬化させることを可能にする。この好ましいプロセスは、より均一なエネルギー適用を可能にし、亀裂を減少させまたは排除し、これは電解質性能を改善する。この好ましいプロセスで処理された基材はまた、より均一な加熱のためより少ない熱応力を有する。
【0083】
統合した堆積および加熱
本明細書で開示される方法は、組成物を基材上に一片ずつ堆積させて物体を形成させること;電磁放射線(EMR)を使用して物体をその場で加熱することを含み;上記組成物は、第1の材料および第2の材料を含み、第2の材料は、第1の材料より高い放射線吸光度を有する。様々な実施形態では、加熱は、乾燥、硬化、焼結、アニーリング、シーリング、合金化、蒸発、再構成、発泡、またはそれらの組み合わせを含む効果を引き起こす。好ましい効果は、焼結である。一実施形態では、EMRは、10~1500nmの範囲の波長を有し、EMRは、0.1ジュール/cmの最小エネルギー密度を有する。一実施形態では、ピーク波長は、波長に対する相対放射照度に基づく。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビームを含む。
【0084】
図6は、この開示の好ましい実施形態による、堆積ノズルおよびその場加熱のためのEMRにより形成された基材上の物体を示す。
【0085】
一実施形態では、第1の材料は、YSZ、SSZ、CGO、SDC、NiO-YSZ、LSM-YSZ、CGO-LSCF、ドープランタンクロマイト、ステンレス鋼、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、第2の材料は、炭素、酸化ニッケル、ニッケル、銀、銅、CGO、SDC、NiO-YSZ、NiO-SSZ、LSCF、LSM、ドープランタンクロマイトフェライト鋼、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、上記物体は、触媒、触媒担体、触媒複合物、アノード、カソード、電解質、電極、インターコネクト、シール、燃料電池、電気化学ガス発生器、電解槽、電気化学コンプレッサ、反応器、熱交換器、容器、またはそれらの組み合わせを含む。
【0086】
好ましい実施形態では、第2の材料は、第1の材料と同じ薄片で堆積される。他の実施形態では、第2の材料は、第1の材料を含む別の薄片に隣接する薄片で堆積される。一実施形態では、上記加熱は、第2の材料の少なくとも一部を除去する。一実施形態では、上記除去は、第2の材料の部分の最小残留物を残す。好ましくは、この工程は、第2の材料の部分の最小残留物を残し、これはすなわち、プロセスのその後の工程または構成される装置の動作を妨害するであろう有意な残留物が存在しないということである。より好ましくは、これは、第2の材料の部分の測定可能な残留物を残さない。
【0087】
一実施形態では、第2の材料は、加熱中に、熱エネルギーを第1の材料に加える。一実施形態では、第2の材料は、第1の材料の少なくとも5倍である放射線吸光度を有し;好ましくは第2の材料は、第1の材料の少なくとも10倍である放射線吸光度を有し;より好ましくは第2の材料は、第1の材料の少なくとも50倍である放射線吸光度を有し;最も好ましくは第2の材料は、第1の材料の少なくとも100倍である放射線吸光度を有する。
【0088】
一実施形態では、第2の材料は、200nm以上、または250nm以上、または300nm以上、または400nm以上、または500nm以上のピーク吸光度波長を有する。一実施形態では、第1の材料は、700nm以下、または600nm以下、または500nm以下、または400nm以下、または300nm以下のピーク吸光度波長を有する。一実施形態では、EMRは、200nm以上、または250nm以上、または300nm以上、または400nm以上、または500nm以上の波長を有する。一実施形態では、第2の材料は、炭素、酸化ニッケル、ニッケル、銀、銅、CGO、NiO-YSZ、LSCF、LSM、フェライト鋼、またはそれらの組み合わせを含む。場合によっては、フェライト鋼はCrofer 22APUである。好ましくは、第2の材料は炭素であり、グラファイト、グラフェン、炭素ナノ粒子、ナノダイヤモンド、またはそれらの組み合わせの形態である。最も好ましくは、炭素はグラファイト粒子の形態である。
【0089】
一実施形態では、堆積は、材料噴射、バインダ噴射、インクジェット印刷、エアロゾル噴射、またはエアロゾルジェット印刷、液槽光重合、粉末床溶融結合、材料押出、指向性エネルギー堆積、シート積層、超音波インクジェット印刷、またはそれらの組み合わせにより達成される。
【0090】
一実施形態では、堆積は、EMRから基材までの距離、EMRエネルギー密度、EMRスペクトル、EMR電圧、EMR曝露期間、EMR曝露面積、EMR曝露体積、EMRバースト周波数、EMR曝露繰り返し数、またはそれらの組み合わせを制御することにより操作される。好ましくは、物体は、堆積と加熱の間で場所を変更しない。一実施形態では、EMRは、1W、または10W、または100W、または1000W以上の電力出力を有する。
【0091】
本明細書で、少なくとも1つの堆積ノズル、電磁放射線(EMR)源、および堆積レシーバを含むシステムも開示され、堆積レシーバは、同じ場所でEMR曝露および堆積を受けるように構成される。
【0092】
次の詳細な説明は、一例として固体酸化物燃料電池(SOFC)の生成を取り上げる。当業者であれば認識するように、方法および製造プロセスは全ての燃料電池型に適用可能である。そのようなものとして、全ての燃料電池型の生成はこの開示の範囲内にある。
【0093】
燃料電池
燃料電池は、電気化学反応を介して、燃料からの化学エネルギーを電気に変換する電気化学装置である。上記のように、多くの型の燃料電池、例えば、プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)、固体酸化物燃料電池(SOFC)が存在する。燃料電池は典型的には、アノード、カソード、電解質、インターコネクト、任意でバリア層および/または任意で触媒を含む。アノードおよびカソードのどちらも電極である。
【0094】
図1-5は、燃料電池または燃料電池スタックにおける構成要素の様々な実施形態を示す。これらの実施形態では、アノード、カソード、電解質、およびインターコネクトは直方体または長方形の角柱である。
【0095】
図1を参照して、101は概略的にアノードを表し;102はカソードを表し;ならびに103は電解質を表す。
【0096】
図2を参照して、201は概略的にアノードを表し;202はカソードを表し;203は電解質を表し;ならびに204はバリア層を表す。
【0097】
図3を参照して、301は概略的にアノードを表し;302はカソードを表し;303は電解質を表し;304はバリア層を表し;ならびに305は触媒を表す。
【0098】
図4を参照して、401は概略的にアノードを表し;402はカソードを表し;403は電解質を表し;404はバリア層を表し;405は触媒を表し;ならびに406はインターコネクトを表す。
【0099】
図5は、2つの燃料電池のスタックを示す。品目501は概略的にアノードを表し;502はカソードを表し;503は電解質を表し;504はバリア層を表し;505は触媒を表し;ならびに506はインターコネクトを表す。2つの燃料電池繰り返し単位または2つの燃料電池は、図示されるスタックを形成する。見てわかるように、1つの側で、インターコネクトは上部燃料電池(または燃料電池繰り返し単位)のカソードの最大表面と接触し、反対側で、インターコネクトは底部燃料電池(または燃料電池繰り返し単位)の触媒(任意的な)またはアノードの最大表面と接触する。これらの繰り返し単位または燃料電池は、電気配線を介してではなくインターコネクトを用いた直接接触を介して互いの上に積み重ねられることおよびその間のインターコネクトを共有することにより、並列に接続される。この種の構造は、横縞型(SIS)型燃料電池とは対照的である。
【0100】
燃料電池における電極、電解質、およびインターコネクトについての材料のリストは例示にすぎず、制限的ではない。アノード材料およびカソード材料の指定もまた、制限的ではなく、なぜなら動作中の材料の機能(例えば、それが酸化するか、または還元するか)が、材料がアノードとして使用されるか、またはカソードとして使用されるかを決定するからである。
【0101】
カソード
一実施形態では、カソードは、ペロブスカイト、例えばLSC、LSCF、LSMを含む。一実施形態では、カソードは、ランタン、コバルト、ストロンチウム、マンガナイトを含む。一実施形態では、カソードは多孔性である。一実施形態では、カソードは、YSZ、窒素、窒素ホウ素ドープグラフェン、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3、SrCo0.5Sc0.5O3、BaFe0.75Ta0.25O3、BaFe0.875Re0.125O3、Ba0.5La0.125Zn0.375NiO3、Ba0.75Sr0.25Fe0.875Ga0.125O3、BaFe0.125Co0.125、Zr0.75O3を含む。一実施形態では、カソードは、LSCo、LCo、LSF、LSCoFを含む。一実施形態では、カソードは、ペロブスカイトLaCoO3、LaFeO3、LaMnO3、(La,Sr)MnO3、LSM-GDC、LSCF-GDC、LSC-GDCを含む。LSCFを含むカソードが、中間温度燃料電池動作に好適である。
【0102】
一実施形態では、カソードは、ランタンストロンチウムマンガナイト、ランタンストロンチウムフェライト、およびランタンストロンチウムコバルトフェライトからなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、カソードは、ランタンストロンチウムマンガナイトを含む。
【0103】
アノード
一実施形態では、アノードは、銅、ニッケル-酸化物、ニッケル-酸化物-YSZ、NiO-GDC、NiO-SDC、アルミニウムドープ酸化亜鉛、酸化モリブデン、ランタン、ストロンチウム、クロマイト、セリア、ペロブスカイト(LSCF[La{1-x}Sr{x}Co{1-y}Fe{y}O3]またはLSM[La{1-x}Sr{x}MnO3]など、ここで、xは通常0.15-0.2であり、yは0.7~0.8である)を含む。一実施形態では、アノードは、コーキングおよび硫黄被毒を低減させるために、SDCまたはBZCYYbコーティングまたはバリア層を含む。一実施形態では、アノードは、多孔性である。一実施形態では、アノードは、電解質材料および電気化学的に活性な材料の組み合わせ、電解質材料および導電性材料の組み合わせを含む。
【0104】
一実施形態では、アノードは、ニッケルおよびイットリア安定化ジルコニアを含む。一実施形態では、アノードは、酸化ニッケルおよびイットリア安定化ジルコニアを含む材料の還元により形成される。一実施形態では、アノードは、ニッケルおよびガドリニウム安定化セリアを含む。一実施形態では、アノードは、酸化ニッケルおよびガドリニウム安定化セリアを含む材料の還元により形成される。
【0105】
電解質
一実施形態では、燃料電池における電解質は、安定化ジルコニア、例えば、YSZ、YSZ-8、Y0.16Zr0.84O2を含む。一実施形態では、電解質は、ドープLaGaO3、例えば、LSGM、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3を含む。一実施形態では、電解質は、ドープセリア、例えば、GDC、Gd0.2Ce0.8O2を含む。一実施形態では、電解質は、安定化酸化ビスマス、例えば、BVCO、Bi2V0.9Cu0.1O5.35を含む。
【0106】
一実施形態では、電解質は、酸化ジルコニウム、イットリア安定化酸化ジルコニウム(YSZ、YSZ8(8モル%YSZ)としても知られている)、セリア、ガドリニア、スカンジア、マグネシア、カルシアを含む。一実施形態では、電解質は、著しいガス輸送を防止し、著しい電気伝導を防止し;ならびにイオン伝導性を可能にするために十分不透過性である。一実施形態では、電解質は、ドープ酸化物、例えば酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化ランタンを含む。一実施形態では、電解質は、ペロブスカイト、例えば、LaCoFeO3またはLaCoO3またはCe0.9Gd0.1O2(GDC)またはCe0.9Sm0.1O2(SDC、サマリアドープセリア)またはスカンジア安定化ジルコニアを含む。
【0107】
一実施形態では、電解質は、ジルコニア、セリア、およびガリア(gallia)からなる群より選択される材料を含む。一実施形態では、材料は、スカンジウム、サマリウム、ガドリニウム、およびイットリウムからなる群より選択される安定化材料で安定化される。一実施形態では、材料は、イットリア安定化ジルコニアを含む。
【0108】
インターコネクト
一実施形態では、インターコネクトは、銀、金、白金、AISI441、フェライト系ステンレス鋼、ステンレス鋼、ランタン、クロム、酸化クロム、クロマイト、コバルト、セシウム、Cr2O3を含む。一実施形態では、アノードは、Cr2O3上のLaCrO3コーティングまたはNiCo2O4もしくはMnCo2O4コーティングを含む。一実施形態では、インターコネクト表面は、コバルトおよび/またはセシウムでコートされる。一実施形態では、インターコネクトは、セラミックを含む。一実施形態では、インターコネクトは、ランタンクロマイトまたはドープランタンクロマイトを含む。一実施形態では、インターコネクトは、金属、ステンレス鋼、フェライト鋼、crofer、ランタンクロマイト、銀、金属合金、ニッケル、酸化ニッケル、セラミック、またはグラフェンを含む材料から製造される。
【0109】
触媒
様々な実施形態では、燃料電池は、触媒、例えば、白金、パラジウム、スカンジア、クロム、コバルト、セシウム、CeO2、ニッケル、酸化ニッケル、亜鉛(zine)、銅、チタニア(titantia)、ルテニウム、ロジウム(rhodiu)、MoS2、モリブデン、レニウム、バンジア(vandia)、マンガン、マグネシウム、鉄を含む。様々な実施形態では、触媒は、メタン改質反応を促進して、燃料電池において酸化される水素および一酸化炭素を生じる。非常に多くの場合、触媒はアノードの一部であり、とりわけニッケルアノードは、固有のメタン改質特性を有する。一実施形態では、触媒は1%-5%の間の質量%、または0.1質量%~10質量%である。一実施形態では、触媒は、アノード表面上またはアノード中で使用される。様々な実施形態では、そのようなアノード触媒は、有害なコーキング反応および炭素堆積物を低減させる。様々な実施形態では、触媒の単純酸化物バージョン、または、ペロブスカイトが使用される。例えば、2%質量のCeO2触媒が、メタン式燃料電池のために使用される。様々な実施形態では、触媒は、アノード上で浸漬される、またはコートされる。様々な実施形態では、触媒は、付加製造機(AMM)により製造され、AMMを使用して燃料電池に組み入れられる。
【0110】
本明細書で記載される独特の製造方法は、超薄燃料電池および燃料電池スタックの製造を可能にした。従来、構造統合性を達成するために、燃料電池は、アノード(アノード支持型燃料電池)またはインターコネクト(インターコネクト支持型燃料電池)のような、1つの繰り返し単位あたり少なくとも1つの厚い層を有する。上記のように、加圧または圧縮工程が、従来の製造プロセスにおいて気密性および/または適正な電気接触を達成するように燃料電池構成要素を組立てるために必要とされる。そのようなものとして、厚い層が必要とされ、なぜなら、従来の方法(テープキャスティングような)は超薄層を形成できないからだけではなく、層は、加圧または圧縮工程に耐えるために厚くなければならないからである。この開示の製造方法は、加圧または圧縮の必要性を排除した。この開示の製造方法はまた、超薄層の製造を可能にした。燃料電池または燃料電池スタックにおける層の多重度は、それらがこの開示に従い製造される場合、適正な動作のために十分な構造統合性を提供する。
【0111】
本明細書で、1mmまたは500ミクロンまたは300ミクロンまたは100ミクロンまたは50ミクロン以下または25ミクロン以下の厚さのアノード、1mmまたは500ミクロンまたは300ミクロンまたは100ミクロンまたは50ミクロン以下または25ミクロン以下の厚さのカソード、および1mmまたは500ミクロンまたは300ミクロンまたは100ミクロンまたは50ミクロンまたは30ミクロン以下の厚さ電解質を含む燃料電池が開示される。一実施形態では、燃料電池は、50ミクロン以上の厚さを有するインターコネクトを含む。場合によっては、燃料電池は、25ミクロン以下の厚さのアノード、25ミクロン以下の厚さのカソード、および10ミクロンまたは5ミクロン以下の厚さの電解質を含む。一実施形態では、燃料電池は、50ミクロン以上の厚さを有するインターコネクトを含む。一実施形態では、インターコネクトは、50ミクロン~5cmの厚さを有する。
【0112】
好ましい実施形態では、燃料電池は、100ミクロン以下の厚さのアノード、100ミクロン以下の厚さのカソード、20ミクロン以下の厚さの電解質、および30ミクロン以下の厚さのインターコネクトを含む。より好ましい実施形態では、燃料電池は、50ミクロン以下の厚さのアノード、50ミクロン以下の厚さのカソード、10ミクロン以下の厚さの電解質、および25ミクロン以下の厚さのインターコネクトを含む。一実施形態では、インターコネクトは、1ミクロン~20ミクロンの範囲の厚さを有する。
【0113】
好ましい実施形態では、燃料電池は、アノードと電解質の間のバリア層、またはカソードと電解質の間のバリア層、または両方のバリア層を含む。場合によっては、バリア層はインターコネクトである。そのような場合、反応物は、アノードおよびカソードに直接噴射される。
【0114】
好ましい実施形態では、カソードは、15ミクロン以下、または10ミクロン以下、または5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、アノードは、15ミクロン以下、または10ミクロン以下、または5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、電解質は、5ミクロン以下、または2ミクロン以下、または1ミクロン以下、または0.5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、インターコネクトは、金属、ステンレス鋼、銀、金属合金、ニッケル、酸化ニッケル、セラミック、またはグラフェンを含む材料から製造される。一実施形態では、燃料電池は、1ミクロン以上の全厚を有する。
【0115】
本明細書で、多重燃料電池を含む燃料電池スタックもまた記載され、各燃料電池は、25ミクロン以下の厚さのアノード、25ミクロン以下の厚さのカソード、10ミクロン以下の厚さの電解質、および100nm~100ミクロンの厚さを有するインターコネクトを含む。一実施形態では、各燃料電池は、アノードと電解質の間のバリア層、またはカソードと電解質の間のバリア層、または両方のバリア層を含む。一実施形態では、バリア層はインターコネクトである。例えば、インターコネクトは銀で製造される。例えば、インターコネクトは、500nm~1000nmの厚さを有する。一実施形態では、インターコネクトは、金属、ステンレス鋼、フェライト鋼、crofer、ランタンクロマイト、銀、金属合金、ニッケル、酸化ニッケル、セラミック、またはグラフェンを含む材料から製造される。
【0116】
一実施形態では、カソードは、15ミクロン以下、または10ミクロン以下、または5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、アノードは、15ミクロン以下、または10ミクロン以下、または5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、電解質は、5ミクロン以下、または2ミクロン以下、または1ミクロン以下、または0.5ミクロン以下の厚さを有する。一実施形態では、各燃料電池は、1ミクロン以上の全厚を有する。
【0117】
本明細書で、下記を含む燃料電池を製造する方法がさらに記載される:(a)25ミクロン以下の厚さのアノードを形成すること、(b)25ミクロン以下の厚さのカソードを形成すること、および(c)10ミクロン以下の厚さの電解質を形成すること。一実施形態では、工程(a)-(c)は、付加製造を使用して実施される。様々な実施形態では、上記付加製造は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、積層を使用する。
【0118】
一実施形態では、方法は、付加製造を使用してアノード、カソード、および電解質を組立てることを含む。一実施形態では、方法は、インターコネクトを形成すること、およびインターコネクトをアノード、カソード、および電解質と共に組立てることを含む。
【0119】
一実施形態では、方法は、少なくとも1つのバリア層を製造することを含む。一実施形態では、上記少なくとも1つのバリア層は、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方で使用される。一実施形態では、上記少なくとも1つのバリア層は、インターコネクトである。
【0120】
一実施形態では、方法は、アノード、カソード、および電解質の収縮速度が釣り合うように、燃料電池を加熱することを含む。一実施形態では、そのような加熱は、30分以下、好ましくは30秒以下、最も好ましくは30ミリ秒以下の間起こる。この開示で、加熱中の収縮速度を釣り合わせることは、下で詳細に記載される(SRTの釣り合い)。燃料電池が第1の組成物および第2の組成物を含む場合、第1の組成物は、第1の収縮速度を有し、第2の組成物は、第2の収縮速度を有し、この開示で記載される加熱は好ましくは、第1の収縮速度と第2の収縮速度の間の差が第1の収縮速度の75%以下であるように起こる。
【0121】
好ましい実施形態では、加熱は、電磁放射線(EMR)を使用する。様々な実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビームを含む。好ましくは、加熱は、その場で、すなわち、層が堆積されるのと同じ機械において、およびその機械における同じ場所において実施される。
【0122】
本明細書で、多重燃料電池を含む燃料電池スタックを製造する方法もまた開示され、方法は、(a)各燃料電池において25ミクロン以下の厚さのアノードを形成すること、(b)各燃料電池において25ミクロン以下の厚さのカソードを形成すること、(c)各燃料電池において10ミクロン以下の厚さの電解質を形成すること、ならびに(d)各燃料電池において100nm~100ミクロンの厚さを有するインターコネクトを生成すること、を含む。
【0123】
一実施形態では、工程(a)-(d)は、付加製造を使用して実施される。様々な実施形態では、上記付加製造は、押出、光重合、粉末床溶融結合、材料噴射、バインダ噴射、指向性エネルギー堆積、および/または積層を使用する。
【0124】
一実施形態では、方法は、付加製造を使用してアノード、カソード、電解質、およびインターコネクトを組立てることを含む。一実施形態では、方法は、各燃料電池において少なくとも1つのバリア層を製造することを含む。一実施形態では、上記少なくとも1つのバリア層は、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方で使用される。一実施形態では、上記少なくとも1つのバリア層は、インターコネクトである。
【0125】
一実施形態では、方法は、アノード、カソード、および電解質の収縮速度が釣り合うように各燃料電池を加熱することを含む。一実施形態では、そのような加熱は30分以下、または30秒以下、または30ミリ秒以下の間起こる。一実施形態では、上記加熱は、電磁放射線(EMR)を含む。様々な実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビームを含む。一実施形態では、加熱は、その場で実施される。
【0126】
一実施形態では、方法は、アノード、カソード、および電解質の収縮速度が釣り合うように燃料電池スタック全体を加熱することを含む。一実施形態では、そのような加熱は、30分以下、または30秒以下、または30ミリ秒以下の間起こる。
【0127】
本明細書で、(a)コロイド懸濁液を配合することであって、コロイド懸濁液が、添加物、ある直径の範囲およびあるサイズ分布を有する粒子、および溶媒を含む、配合すること;(b)コロイド懸濁液を含む電解質を形成すること;ならびに(c)電解質の少なくとも一部を加熱すること、を含む電解質を製造する方法が記載され;ここで、コロイド懸濁液を配合することは好ましくは、コロイド懸濁液のpH、またはコロイド懸濁液中のバインダの濃度、またはコロイド懸濁液中のバインダの組成、または粒子の直径の範囲、または粒子の最大直径、または粒子の中央径、または粒子のサイズ分布、または溶媒の沸点、または溶媒の表面張力、または溶媒の組成、または電解質の最小寸法の厚さ、または粒子の組成、またはそれらの組み合わせを制御することにより最適化される。
【0128】
本明細書で、(a)カソードおよびアノードを獲得すること;(b)カソード表面およびアノード表面を修飾すること;(c)コロイド懸濁液を配合することであって、コロイド懸濁液は、添加物、ある直径の範囲およびあるサイズ分布を有する粒子、および溶媒を含む、配合すること;(d)修飾アノード表面と修飾カソード表面の間でコロイド懸濁液を含む電解質を形成すること;ならびに(e)電解質の少なくとも一部を加熱すること、を含む燃料電池を製造する方法が記載され;ここで、コロイド懸濁液を配合することは、コロイド懸濁液のpH、またはコロイド懸濁液中のバインダの濃度、またはコロイド懸濁液中のバインダの組成、または粒子の直径の範囲、または粒子の最大直径、または粒子の中央径、または粒子のサイズ分布、または溶媒の沸点、または溶媒の表面張力、または溶媒の組成、または電解質の最小寸法の厚さ、または粒子の組成、またはそれらの組み合わせを制御することを含む。様々な実施形態では、アノードおよびカソードは、任意の好適な手段を介して獲得される。一実施形態では、修飾アノード表面および修飾カソード表面は、コロイド懸濁液中の粒子の平均直径未満である最大高さプロファイル粗さを有する。最大高さプロファイル粗さは、図9に示されるように、任意のトラフと隣接するピークの間の最大距離を指す。様々な実施形態では、アノード表面およびカソード表面は、任意の好適な手段を介して修飾される。
【0129】
本明細書で、(a)カソードおよびアノードを獲得すること;(b)コロイド懸濁液を配合することであって、コロイド懸濁液は、添加物、ある直径の範囲およびあるサイズ分布を有する粒子、および溶媒を含む、こと;(c)コロイド懸濁液を含む電解質をアノードとカソードの間で形成すること;ならびに(d)電解質の少なくとも一部を加熱すること、を含む燃料電池を製造する方法がさらに開示され;ここで、コロイド懸濁液を配合することは、コロイド懸濁液のpH、またはコロイド懸濁液中のバインダの濃度、またはコロイド懸濁液中のバインダの組成、または粒子の直径の範囲、または粒子の最大直径、または粒子の中央径、または粒子のサイズ分布、または溶媒の沸点、または溶媒の表面張力、または溶媒の組成、または電解質の最小寸法の厚さ、または粒子の組成、またはそれらの組み合わせを制御することを含む。様々な実施形態では、アノードおよびカソードは、任意の好適な手段を介して獲得される。一実施形態では、電解質と接触するアノード表面および電解質と接触するカソード表面は、コロイド懸濁液中の粒子の平均直径未満である最大高さプロファイル粗さを有する。
【0130】
一実施形態では、溶媒は、水を含む。一実施形態では、溶媒は、有機成分を含む。一実施形態では、溶媒は、エタノール、ブタノール、アルコール、テルピネオール、ジエチルエーテル1,2-ジメトキシエタン(DME(エチレングリコールジメチルエーテル)、1-プロパノール(n-プロパノール、n-プロピルアルコール)、またはブチルアルコールを含む。一実施形態では、溶媒表面張力は、空気中での水の表面張力の半分未満である。一実施形態では、溶媒表面張力は、大気条件で30mN/m未満である。
【0131】
一実施形態では、電解質は、第1の基材に隣接して形成される。一実施形態では、電解質は、第1の基材と第2の基材の間に形成される。一実施形態では、第1の基材は、粒子の平均直径未満である最大高さプロファイル粗さを有する。一実施形態では、粒子は、40%超、または50%超、または60%超の充填密度を有する。一実施形態では、粒子は、ランダム最密充填(RCP)密度に近い充填密度を有する。
【0132】
ランダム最密充填(RCP)は、それらがランダムに充填された時に得られる固体物体の最大体積分率を特徴づけるために使用される経験的パラメータである。容器はランダムに物体で満たされ、次いで容器は、物体がそれ以上詰まらなくなるまで振盪され、または軽くたたかれ、この時点で充填状態はRCPである。充填率は、ある体積空間における粒子数により取られる体積である。充填率は、充填密度を決定する。例えば、固体容器が粒子で満たされる場合、容器を振盪することは、物体により占められる体積を低減し、よって、より多くの粒子が容器に添加されることを可能にする。振盪は、充填される物体の密度を増加させる。振盪がもはや充填密度を増加させないと、限界に達し、規則的な結晶格子への明らかな充填なしにこの限界に到達する場合、これは経験的ランダム最密充填密度である。
【0133】
一実施形態では、中央粒径は好ましくは、50nm~1000nm、または100nm~500nm、またはおよそ200nmである。一実施形態では、第1の基材は、ある中央粒径を有する粒子を含み、電解質の中央粒径は第1の基材の中央粒径の10倍以下、かつ、1/10以上である。一実施形態では、第1の基材は、二峰性である、すなわち第1のモードおよび第2のモードを有し、それぞれがある中央粒径を有する、粒子サイズ分布を含む。一実施形態では、第1の基材の第1のモードにおける中央粒径は、第2のモードのそれの2倍超、または5倍超、または10倍超である。一実施形態では、第1の基材の粒子サイズ分布は、加熱中の第1の基材の挙動を変化させるように調整される。一実施形態では、第1の基材は、加熱温度の関数である収縮を有する。一実施形態では、コロイド懸濁液中の粒子は、最大粒径および最小粒径を有し、最大粒径は、最小粒径の2倍未満、または3倍未満、または5倍未満、または10倍未満である。一実施形態では、電解質の最小寸法は、10ミクロン未満、または2ミクロン未満、または1ミクロン未満、または500nm未満である。
【0134】
一実施形態では、電解質は、1ミリダルシー以下、好ましくは100マイクロダルシー以下、最も好ましくは1マイクロダルシー以下のガス透過性を有する。好ましくは、電解質は、電解質の最小寸法を貫通する亀裂を有しない。一実施形態では、溶媒の沸点は、200℃以上、または100℃以上、または75℃以上である。一実施形態では、溶媒の沸点は、125℃以下、または100℃以下、または85℃以下、70℃以下である。一実施形態では、コロイド懸濁液のpHは、7以上、または9以上、または10以上である。
【0135】
一実施形態では、添加物は、ポリエチレングリコール(PEG)、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルブチラール(PVB)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、ポリアルカリングリコール(polyalkalyne glycol)(PAG)を含む。一実施形態では、添加物濃度は、100mg/cm3以下、または50mg/cm3以下、または30mg/cm3以下、または25mg/cm3以下である。
【0136】
一実施形態では、コロイド懸濁液は、ミリングされる。一実施形態では、コロイド懸濁液は、回転ミルを使用してミリングされる。一実施形態では、回転ミルは、20rpm以上、または50rpm以上、または100rpm以上、または150rpm以上で動作される。一実施形態では、コロイド懸濁液は、ジルコニアミリングボールまたは炭化タングステンボールを使用してミリングされる。一実施形態では、コロイド懸濁液は、2時間以上、または4時間以上、または1日以上、または10日以上ミリングされる。
【0137】
一実施形態では、コロイド懸濁液における粒子濃度は、30wt%以下、または20wt%以下、または10wt%以下である。一実施形態では、コロイド懸濁液における粒子濃度は、2wt%以上である。一実施形態では、コロイド懸濁液における粒子濃度は、10vol%以下、または5vol%以下、または3vol%以下、または1vol%以下である。一実施形態では、コロイド懸濁液における粒子濃度は、0.1vol%以上である。
【0138】
一実施形態では、電解質は、付加製造機(AMM)を使用して形成される。一実施形態では、第1の基材は、AMMを使用して形成される。一実施形態では、上記加熱は、電磁放射線(EMR)の使用を含む。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザーを含む。一実施形態では、第1の基材および電解質は、加熱されて共焼結を引き起こす。一実施形態では、第1の基材、第2の基材、および電解質は、加熱されて共焼結を引き起こす。一実施形態では、EMRは、第1の基材を電解質よりも優先的に焼結させるように制御される。
【0139】
一実施形態では、電解質は、加熱後その厚さ全体にわたって圧縮状態にある。一実施形態では、第1の基材および第2の基材は、加熱後に圧縮応力を電解質に適用する。一実施形態では、第1の基材および第2の基材は、燃料電池のアノードおよびカソードである。一実施形態では、電解質の最小寸法は、500nm~5ミクロンである。一実施形態では、電解質の最小寸法は、1ミクロン~2ミクロンである。
【0140】
詳細な説明は一般には、一例として固体酸化物燃料電池(SOFC)の生成に関する。当業者であれば認識するように、方法および製造プロセスは、全ての燃料電池型に適用可能である。そのようなものとして、全ての燃料電池型の生成は、この開示の範囲内である。
【0141】
燃料電池カートリッジ
様々な実施形態では、燃料電池スタックは、容易に取り外し可能なフランジ付燃料電池カートリッジ(FCC)設計などの、カートリッジ形態に製造されるように構成される。図11Aを参照して、1111はボルト用の穴を表し;1112はFCCにおけるカソードを表し;1113はFCCにおける電解質を表し;1114はFCCにおけるアノードを表し;1115は電極(アノードおよびカソード)におけるガスチャネルを表し;1116はFCCにおける統合多流体熱交換器を表す。一実施形態では、カソードと電解質の間にバリア層は存在しない。図11Cを参照して、1130はFCCにおけるボルト用の穴を表し;1131は吸気口を表し;1132は排気口を表し;1133は燃料入口を表し;1134は燃料出口を表し;1135はFCCの底面を表し;1136はFCCの上面を表す。図11Cは、FCCの一実施形態の上面図および底面図を示し、図において、FCCの酸化剤側の長さはLで示され、FCCの燃料側の長さはLで示され、酸化剤(空気)入口の幅はWで示され、燃料入口の幅はWで示される。図11Cでは、2つの流体出口(排気口1132および燃料出口1134)が示される。場合によっては、アノード排気およびカソード排気は、混合され、1つの流体出口を通して取り出される。
【0142】
図11Bを参照して、1121はボルト電気絶縁を表し;1125はアノードを表し;1123はアノードを気流から遮断するシールを表し;1126はカソードを表し;1124はカソードを燃料流から遮断するシールを表す。図11Bは、FCCの断面図を示し、気流はアノードから遮断され、燃料流はカソードから遮断される。ボルトは、シールにより同様に電気的に絶縁される。様々な実施形態では、シールは、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)または3YSZ(3mol%Yを含むZrO)および8YSZ(8mol%Yを含むZrO)の混合物を含む二重機能シール(DFS)である。実施形態では、DFSは、非イオン性物質に対して不透過性であり、かつ、電気絶縁性である。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、10/90~90/10の範囲にある。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、約50/50である。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、100/0または0/100である。
【0143】
本明細書で、アノード、カソード、電解質、インターコネクト、FCCの燃料側の燃料入口、FCCの酸化剤側の酸化剤入口、少なくとも1つの流体出口を含む燃料電池カートリッジ(FCC)が開示され、燃料入口はWの幅を有し、FCCの燃料側はLの長さを有し、酸化剤入口はWの幅を有し、FCCの酸化剤側はLの長さを有し、W/Lは0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、W/Lは0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にある。
【0144】
一実施形態では、上記入口および出口は、FCCの1つの表面上にあり、上記FCCは、上記表面上に突出した流路を含まない。一実施形態では、上記表面は、滑らかであり、1mm以下、または100ミクロン以下、または10ミクロン以下の最大高度変化を有する。
【0145】
一実施形態では、FCCは、電解質とカソードの間または電解質とアノードの間または両方にバリア層を含む。一実施形態では、FCCは、非イオン性物質に対して不透過性であり、かつ電気絶縁性である、二重機能シールを含む。一実施形態では、上記二重機能シールは、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)または3YSZ(3mol%Yを含むZrO)および8YSZ(8mol%Yを含むZrO)の混合物を含む。
【0146】
一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0147】
一実施形態では、FCCは、あわせ面に取り外し可能に固定され、上記あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。一実施形態では、FCCは、上記あわせ面にボルトで固定される、または加圧される。一実施形態では、上記あわせ面は、整合燃料入口、整合酸化剤入口、および少なくとも1つの整合流体出口を含む。
【0148】
本明細書で、アノード、カソード、電解質、インターコネクト、燃料入口、酸化剤入口、少なくとも1つの流体出口を含む燃料電池カートリッジ(FCC)もまた記載され、上記入口および出口は、FCCの1つの表面上にあり、上記FCCは、上記表面上に突出した流路を含まない。一実施形態では、上記表面は、滑らかであり、1mm以下、または100ミクロン以下、または10ミクロン以下の最大高度変化を有する。
【0149】
一実施形態では、FCCは、非イオン性物質に対して不透過性であり、かつ電気絶縁性である、二重機能シールを含む。一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0150】
一実施形態では、FCCは、あわせ面に取り外し可能に固定され、上記あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。一実施形態では、FCCは、上記あわせ面にボルトで固定される、または加圧される。一実施形態では、上記あわせ面は、整合燃料入口、整合酸化剤入口、および少なくとも1つの整合流体出口を含む。
【0151】
本明細書で、燃料電池カートリッジ(FCC)およびあわせ面を含む組立て品がさらに開示され、FCCは、アノード、カソード、電解質、インターコネクト、FCCの燃料側の燃料入口、FCCの酸化剤側の酸化剤入口、少なくとも1つの流体出口を含み、燃料入口は、Wの幅を有し、FCCの燃料側は、Lの長さを有し、酸化剤入口は、Wの幅を有し、FCCの酸化剤側は、Lの長さを有し、W/Lは、0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、W/Lは、0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、FCCは、あわせ面に取り外し可能に固定される。
【0152】
一実施形態では、FCCは、上記あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。一実施形態では、FCCは、上記あわせ面にボルトで固定される、または加圧される。一実施形態では、上記あわせ面は、整合燃料入口、整合酸化剤入口、および少なくとも1つの整合流体出口を含む。
【0153】
一実施形態では、上記入口および出口は、FCCの1つの表面上にあり、上記FCCは、上記表面上に突出した流路を含まない。一実施形態では、上記表面は、滑らかであり、1mm以下、または100ミクロン以下、または10ミクロン以下の最大高度変化を有する。
【0154】
一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0155】
本明細書で、燃料電池カートリッジ(FCC)およびあわせ面を一緒に加圧またはボルト固定することを含む方法が記載され、上記方法は、FCCおよびあわせ面を一緒に溶接またははんだ付けすることを排除し、FCCは、アノード、カソード、電解質、インターコネクト、FCCの燃料側の燃料入口、FCCの酸化剤側の酸化剤入口、少なくとも1つの流体出口を含み、燃料入口は、Wの幅を有し、FCCの燃料側は、Lの長さを有し、酸化剤入口は、Wの幅を有し、FCCの酸化剤側は、Lの長さを有し、W/Lは、0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、W/Lは、0.1~1.0、または0.1~0.9、または0.2~0.9、または0.5~0.9、または0.5~1.0の範囲にあり、FCCおよびあわせ面は、取り外し可能である。
【0156】
一実施形態では、上記入口および出口は、FCCの1つの表面上にあり、上記FCCは、上記表面上に突出した流路を含まない。一実施形態では、上記表面は、滑らかであり、1mm以下、または100ミクロン以下、または10ミクロン以下の最大高度変化を有する。一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、上記インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0157】
本明細書では、燃料電池および燃料電池ケーシングを含む燃料電池カートリッジ(FCC)が開示され、燃料電池は、アノード、カソード、および電解質を含み、燃料電池ケーシングの少なくとも一部は、電解質と同じ材料で製造される。一実施形態では、電解質は、同じ材料で製造された燃料電池ケーシングの部分と接触する。一実施形態では、電解質および燃料電池ケーシングの部分は、二重機能シール(DFS)で製造され、DFSは、3YSZ(3mol%Y2O3を含むZrO2)および8YSZ(8mol%Y2O3を含むZrO2)を含み、3YSZ/8YSZの質量比は、100/0~0/100または10/90~90/10の範囲にあり、DFSは、非イオン性物質に対して不透過性であり、かつ電気絶縁性である。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、約50/50または40/60または60/40または30/70または70/30または20/80または80/20である。
【0158】
一実施形態では、上記燃料電池ケーシングは、アノードのための燃料入口および燃料通路、カソードのための酸化剤入口および酸化剤通路、および少なくとも1つの流体出口を含む。一実施形態では、上記入口および出口は、FCCの1つの表面上にあり、上記FCCは、上記表面上に突出した流路を含まない。一実施形態では、燃料電池ケーシングは、アノードの少なくとも一部と接触する。
【0159】
一実施形態では、FCCは、電解質とカソードの間および燃料電池ケーシングとカソードの間にバリア層を含む。一実施形態では、FCCは、インターコネクトを含み、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、FCCは、インターコネクトを含み、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0160】
一実施形態では、FCCは、あわせ面に取り外し可能に固定され、上記あわせ面にはんだ付けも溶接もされない。一実施形態では、上記あわせ面は、整合燃料入口、整合酸化剤入口、および少なくとも1つの整合流体出口を含む。
【0161】
本明細書で、3YSZ(3mol%Y2O3を含むZrO2)および8YSZ(8mol%Y2O3を含むZrO2)を含む二重機能シール(DFS)もまた記載され、3YSZ/8YSZの質量比は、10/90~90/10の範囲にあり、DFSは、非イオン性物質に対して不透過性であり、かつ電気絶縁性である。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、約50/50または40/60または60/40または30/70または70/30または20/80または80/20である。一実施形態では、DFSは、燃料電池における電解質として、または燃料電池ケーシングの一部として、または両方として使用される。
【0162】
本明細書で、燃料電池システムにおいて二重機能シール(DFS)を提供することを含む方法がさらに開示され、DFSは、3YSZ(3mol%Y2O3を含むZrO)および8YSZ(8mol%Yを含むZrO)を含み、3YSZ/8YSZの質量比は、100/0~0/100または10/90~90/10の範囲にあり、DFSは、非イオン性物質に対して不透過性であり、かつ電気絶縁性である。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、約50/50または40/60または60/40または30/70または70/30または20/80または80/20である。
【0163】
一実施形態では、DFSは、燃料電池システムにおいて電解質または燃料電池ケーシングの一部または両方として使用される。一実施形態では、燃料電池ケーシングの上記一部は、燃料電池ケーシング全体である。一実施形態では、燃料電池ケーシングの上記一部は、燃料電池ケーシング上のコーティングである。一実施形態では、電解質および燃料電池ケーシングの上記一部は、接触している。
【0164】
本明細書で、6つの表面を有するアノード、6つの表面を有するカソード、電解質、およびアノードの少なくとも3つの表面と接触するアノード囲いを含む燃料電池システムが開示され、電解質は、アノード囲いの一部であり、上記アノード囲いは、電解質と同じ材料で製造される。一実施形態では、上記同じ材料は、3YSZ(3mol%Y2O3を含むZrO2)および8YSZ(8mol%Y2O3を含むZrO2)を含む二重機能シール(DFS)であり、3YSZ/8YSZの質量比は、100/0~0/100または10/90~90/10の範囲にあり、DFSは、非イオン性物質に対して不透過性であり、かつ電気絶縁性である。一実施形態では、3YSZ/8YSZの質量比は、約50/50または40/60または60/40または30/70または70/30または20/80または80/20である。
【0165】
一実施形態では、アノード囲いは、アノードの5つの表面と接触する。一実施形態では、燃料電池システムは、カソードとカソード囲いの間にバリア層を含み、バリア層は、カソードの少なくとも3つの表面と接触し、電解質は、カソード囲いの一部であり、上記カソード囲いは、電解質と同じ材料で製造される。
【0166】
一実施形態では、燃料電池システムは、アノード囲いおよびカソード囲いにおいて、燃料通路および酸化剤通路を含む。一実施形態では、燃料電池システムは、インターコネクトを含み、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体分散構成要素を含む。一実施形態では、燃料電池システムは、インターコネクトを含み、インターコネクトは、流体分散要素を含まず、上記アノードおよびカソードは、流体チャネルを含む。
【0167】
SRTの釣り合い
この開示で、SRTは、歪み速度テンソルの構成要素を示す。SRTを釣り合わせることが、加熱および冷却プロセスの両方において企図される。燃料電池では、複数の材料または組成物が存在する。これらの異なる材料または組成物はしばしば、異なる熱膨張係数を有する。そのようなものとして、加熱または冷却プロセスはしばしば、材料において歪みまたはさらに亀裂を引き起こす。我々は予想外に、異なる材料/組成物のSRTを釣り合わせて望ましくない効果を低減させる、最小に抑える、または実に排除する、処理プロセス(加熱または冷却)を発見した。
【0168】
本明細書で燃料電池を製造する方法が記載され、燃料電池は、第1の組成物および第2の組成物を含み、方法は、第1および第2の組成物を加熱することを含み、第1の組成物は、第1のSRTを有し、かつ第2の組成物は、第2のSRTを有し、第1のSRTと第2のSRTの間の差が第1のSRTの75%以下であるようにされる。実例として、図7は、温度の関数としての、第1の組成物および第2の組成物のSRTを示す。
【0169】
一実施形態では、SRTはmm/分で測定される。一実施形態では、第1のSRTと第2のSRTの間の差は、第1のSRTの50%または30%または20%以下である。一実施形態では、加熱は、下記の少なくとも1つにより達成される:伝導、対流、放射線。一実施形態では、加熱は、電磁放射線(EMR)を含む。一実施形態では、EMRは、UV光、近紫外光、近赤外光、赤外光、可視光、レーザー、電子ビームを含む。
【0170】
一実施形態では、第1の組成物および第2の組成物は、同時に加熱される。一実施形態では、第1の組成物および第2の組成物は、異なる時間に加熱される。一実施形態では、第1の組成物は第1の期間加熱され、第2の組成物は第2の期間加熱され、第1の期間の少なくとも一部は、第2の期間と重なる。
【0171】
一実施形態では、加熱は、第1の組成物、または第2の組成物、または両方について複数回起こる。一実施形態では、第1の組成物および第2の組成物は、異なる温度で加熱される。一実施形態では、第1の組成物および第2の組成物は、異なる手段を使用して加熱される。一実施形態では、第1の組成物および第2の組成物は、異なる期間加熱される。一実施形態では、第1の組成物の加熱は、例えば、伝導により、第2の組成物の少なくとも部分的な加熱を引き起こす。一実施形態では、加熱は、第1の組成物、または第2の組成物、または両方の高密度化を引き起こす。
【0172】
一実施形態では、第1の組成物は、修正された第1のSRTをもたらす部分的な高密度化を達成するように加熱され;次いで第1および第2の組成物は、修正された第1のSRTと第2のSRTの間の差が第1の修正されたSRTの75%以下であるように、加熱される。一実施形態では、第1の組成物は、修正された第1のSRTをもたらす部分的な高密度化を達成するように加熱され、第2の組成物は、修正された第2のSRTをもたらす部分的な高密度化を達成するように加熱され;次いで第1および第2の組成物は、修正された第1のSRTと第2の修正されたSRTの間の差が第1の修正されたSRTの75%以下であるように、加熱される。
【0173】
一実施形態では、燃料電池は、第3のSRTを有する第3の組成物を含む。一実施形態では、第3の組成物は、第1のSRTと第3のSRTの間の差が第1のSRTの75%以下であるように加熱される。一実施形態では、第3の組成物は、修正された第3のSRTをもたらす部分的な高密度化を達成するように加熱され、;次いで第1および第2および第3の組成物は、第1のSRTと修正された第3のSRTの間の差が第1のSRTの75%以下であるように、加熱される。一実施形態では、第1および第2および第3の組成物は、修正された第1のSRT、修正された第2のSRT、および修正された第3のSRTをもたらす部分的な高密度化を達成するように加熱され;次いで第1および第2および第3の組成物は、修正された第1のSRTと修正された第2のSRTの間の差が修正された第1のSRTの75%以下である、かつ、修正された第1のSRTと修正された第3のSRTの間の差が修正された第1のSRTの75%以下であるように、加熱される。
【0174】
様々な実施形態では、方法は、燃料電池において亀裂のない電解質を生成する。様々な実施形態では、加熱は、その場で実施される。様々な実施形態では、加熱は、焼結または共焼結または両方を引き起こす。様々な実施形態では、加熱は、30分以下、または30秒以下、または30ミリ秒以下の間起こる。
【0175】
図8を参照して、一実施形態では、燃料電池の少なくとも一部を形成し加熱するためのプロセスフロー図が示される。810は組成物1を形成することを表す。820は組成物1を温度T1で時間t1の間加熱することを表す。830は組成物2を形成することを表す。840は組成物1および組成物2を同時に温度T2で時間t2の間加熱することを表し、T2で、組成物1のSRTと組成物2のSRTの間の差は、組成物1のSRTの75%以下である。あるいは、840は組成物1および組成物2を同時に温度T2およびT2’で(例えば、異なる加熱メカニズムを使用して)時間t2の間加熱することを表し、T2およびT2’で、組成物1のSRTと組成物2のSRTの間の差は、組成物1のSRTの75%以下である。
【0176】
実施例
下記実施例は、本発明の様々な実施形態の開示の一部として提供される。そのようなものとして、下で提供される情報はいずれも発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0177】
実施例1.燃料電池スタックの製造
実施例1は、燃料電池スタックを製造する好ましい方法を説明する。方法は、Ceradrop製のAMMモデルno.0012323およびXenon社製のEMRモデルno.092309423を使用する。インターコネクト基材が置かれて、印刷を開始する。
【0178】
第1の工程として、アノード層がAMMにより製造される。この層は、下記表で示される組成を有するスラリーAとして、AMMにより堆積される。この層は、赤外線ランプにより熱を適用することにより乾燥させられる。このアノード層は、1秒間キセノンフラッシュランプからの電磁パルスをそれに当てることにより焼結される。
【0179】
電解質層が、下記表に示される組成を有するスラリーBを堆積させるAMMによりアノード層の上面に形成される。この層は、赤外線ランプにより熱を適用することにより乾燥させられる。この電解質層は、60秒間キセノンフラッシュランプからの電磁パルスをそれに当てることにより焼結される。
【0180】
次に、カソード層が、下記表に示される組成を有するスラリーCを堆積させるAMMにより電解質層の上面に形成される。この層は、赤外線ランプにより熱を適用することにより乾燥させられる。このカソード層は、1/2秒間キセノンフラッシュランプからの電磁パルスをそれに当てることにより焼結される。
【0181】
インターコネクト層が、下記表に示される組成を有するスラリーDを堆積させるAMMによりカソード層の上面に形成される。この層は、赤外線ランプにより熱を適用することにより乾燥させられる。このインターコネクト層は、30秒間キセノンフラッシュランプからの電磁パルスをそれに当てることにより焼結される。
【0182】
これらの工程は次いで、60回繰り返され、アノード層がインターコネクトの上面に形成される。結果は、61個の燃料電池を有する燃料電池スタックである。
【表1】
【0183】
実施例2.エタノール中のLSCF
200mlのエタノールを30グラムのLSCF粉末とビーカー中で混合する。混合物を遠心分離し、上方分散物および下方分散物を得る。上方分散物を取り出し、3Dプリンタを用いて基材上に堆積させ、LSCF層を形成する。キセノンランプ(10kW)を使用して、1,000msの総曝露期間の間400Vの電圧かつ10Hzのバースト周波数でLSCF層を照射する。
【0184】
実施例3.エタノール中のCGO
200mlのエタノールを30グラムのCGO粉末とビーカー中で混合する。混合物を遠心分離し、上方分散物および下方分散物を得る。上方分散物を取り出し、3Dプリンタを用いて基材上に堆積させ、CGO層を形成する。キセノンランプ(10kW)を使用して、8,000msの総曝露期間の間400Vの電圧かつ10Hzのバースト周波数でCGO層を照射する。
【0185】
実施例4.水中のCGO
200mlの脱イオン水を30グラムのCGO粉末とビーカー中で混合する。混合物を遠心分離し、上方分散物および下方分散物を得る。上方分散物を取り出し、3Dプリンタを用いて基材上に堆積させ、CGO層を形成する。キセノンランプ(10kW)を使用して、8,000msの総曝露期間の間400Vの電圧かつ10Hzのバースト周波数でCGO層を照射する。
【0186】
実施例5.水中のNiO
200mlの脱イオン水を30グラムのNiO粉末とビーカー中で混合する。混合物を遠心分離し、上方分散物および下方分散物を得る。上方分散物を取り出し、3Dプリンタを用いて基材上に堆積させ、NiO層を形成する。キセノンランプ(10kW)を使用して、15,000msの総曝露期間の間400Vの電圧かつ10Hzのバースト周波数でNiO層を照射する。
【0187】
実施例6.焼結結果
図10を参照して、電解質1001(YSZ)は、電極1002上で印刷され、焼結される(NiO-YSZ)。走査電子顕微鏡画像は、焼結構造の側面図を示し、これは、電解質と電極の間の気密接触、電解質の完全高密度化、および焼結された多孔性電極微細構造を示す。
【0188】
実施例7.燃料電池スタック構造
48ボルト燃料電池スタックは、約1000ワットの電力出力を有する69個の電池を有する。このスタックにおける燃料電池は、約4cm×4cmの長さ×幅および約7cmの高さの寸法を有する。48ボルト燃料電池スタックは、約5000ワットの電力出力を有する69個の電池を有する。このスタックにおける燃料電池は、約8.5cm×8.5cmの長さ×幅および約.7cmの高さの寸法を有する。
【0189】
この開示は発明の異なる特徴、構造、または機能を実行するための例示的な実施形態を記載することが理解されるべきである。構成要素、配列、および構造の例示的な実施形態が本開示を簡略化するために記載される;しかしながら、これらの例示的な実施形態は、単に例として提供され、本発明の範囲を制限することを意図しない。本明細書で提示される実施形態は、他に特に規定がなければ、組み合わせることができる。そのような組み合わせは本開示の範囲から逸脱しない。
【0190】
加えて、ある一定の用語が、説明および特許請求の範囲を通して、特定の構成要素または工程を示すために使用される。当業者が認識するように、様々な実体が異なる名称により同じ構成要素またはプロセス工程を示すことができ、そのようなものとして、本明細書で記載される要素のための命名規則は本発明の範囲を制限することを意図しない。さらに、本明細書で使用される用語および命名規則は、名称が異なっているが、機能は異なっていない構成要素、特徴、および/または工程間で区別することを意図しない。
【0191】
本開示は様々な改変および代替形態を受けやすいが、その特定の実施形態が、図面および説明において例として示される。しかしながら、図面および詳細な説明は、本開示を開示される特定の形態に制限することを意図せず、それどころか、本開示の精神および範囲内にある全ての改変、等価物および代替物を包含することを意図することが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
【国際調査報告】