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特表2022-512994CAR-T細胞を生成する2遺伝子ベクターおよびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】CAR-T細胞を生成する2遺伝子ベクターおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/867 20060101AFI20220131BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 15/33 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220131BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20220131BHJP
   C07K 14/725 20060101ALI20220131BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20220131BHJP
   C07K 14/005 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20220131BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20220131BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALN20220131BHJP
   C07K 19/00 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
C12N15/867 Z ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/13
C12N15/12
C12N15/33
C12N5/10
C07K16/28
C07K14/725
C07K14/47
C07K14/005
A61K35/17 Z
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/04
C12N5/0783
C07K19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525298
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(85)【翻訳文提出日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 US2019061549
(87)【国際公開番号】W WO2020102589
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】62/767,069
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521199007
【氏名又は名称】メディシックス セラピューティクス ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】イスマイール,リサール
(72)【発明者】
【氏名】リー,ユンチン
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,マレー
(72)【発明者】
【氏名】タン,イン,シム
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA94X
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB64
4C087BB65
4C087CA04
4C087NA05
4C087ZB02
4C087ZB09
4C087ZB26
4C087ZB27
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA01
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA28
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、抗CD7キメラ活性化受容体(CAR)をコードするポリヌクレオチドおよび抗CD7タンパク質発現ブロッカーをコードするポリヌクレオチドを含む2遺伝子レトロウイルスベクター組成物を提供する。製造する方法およびそのような組成物を癌療法において使用する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイシストロン性レトロウイルスベクターであって、
(a)配列番号28~31のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む抗CD7キメラ抗原受容体(CAR)をコードする第1のポリヌクレオチドと、
(b)内部リボソーム侵入部位(IRES)またはリボソームコドンスキッピング部位をコードする第2のポリヌクレオチドと、
(c)配列番号24~27のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む抗CD7タンパク質発現ブロッカー(PEBL)をコードする第3のポリヌクレオチドと、を含み、
前記第1のポリヌクレオチドは、前記第3のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている前記第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている、バイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項2】
前記抗CD7 CARが、配列番号28~31のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項3】
前記抗CD7 PEBLが、配列番号24~27のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター組成物。
【請求項4】
前記抗CD7 CARが配列番号29のアミノ酸配列を含み、前記抗CD7 PEBLが配列番号25のアミノ酸配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター組成物。
【請求項5】
前記抗CD7 CARが配列番号31のアミノ酸配列を含み、前記抗CD7 PEBLが配列番号27のアミノ酸配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター組成物。
【請求項6】
前記IRESが脳心筋炎ウイルス(EMCV)またはエンテロウイルスに由来する、請求項1~5のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項7】
前記リボソームコドンスキッピング部位が2A自己切断ペプチドを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項8】
前記2A自己切断ペプチドが、F2Aペプチド(口蹄疫ウイルス2Aペプチド)、E2Aペプチド(ウマ鼻炎Aウイルス2Aペプチド)、P2Aペプチド(ブタテッショウウイルス-12Aペプチド)、およびT2Aペプチド(トーセアアシグナウイルス2A)からなる群から選択される、請求項7に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項9】
配列番号12の核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項10】
配列番号13の核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む、請求項1~5および6のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項11】
配列番号13の核酸配列を含む、請求項10に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項12】
プロモーターエレメントをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項13】
前記プロモーターエレメントが、CMVプロモーター、EF1αプロモーター、EFSプロモーター、MSCVプロモーター、およびPGKプロモーターからなる群から選択される、請求項12に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項14】
前記プロモーターエレメントが、配列番号6~10からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む、請求項13に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項15】
前記プロモーターエレメントが、配列番号6~10からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列を含む、請求項13または14に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項16】
配列番号14~16からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む、請求項12~15のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項17】
配列番号14~16からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列を含む、請求項12~16のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項18】
前記レトロウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、請求項1~18のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクター。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクターを含む操作された免疫細胞。
【請求項20】
前記操作された免疫細胞が同種異系のT細胞である、請求項19に記載の操作された免疫細胞。
【請求項21】
前記操作された免疫細胞が自己T細胞である、請求項20に記載の操作された免疫細胞。
【請求項22】
前記操作された免疫細胞が、対応する免疫細胞と比較してCD7表面発現を減少させており、前記抗CD7 CARを発現する、請求項20または21に記載の操作された免疫細胞。
【請求項23】
薬学的組成物であって、請求項19に記載の操作された免疫細胞および薬学的に有効な担体を含む、薬学的組成物。
【請求項24】
対象の癌を治療する方法であって、治療有効量の請求項19~21のいずれか一項に記載の操作された免疫細胞、または請求項23に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
【請求項25】
操作された免疫細胞を産生する方法であって、請求項1~18のいずれか一項に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクターで免疫細胞に形質導入することと、前記操作された免疫細胞を回収することと、を含む、方法。
【請求項26】
前記免疫細胞が、末梢血単核細胞、分離されたCD4+T細胞、分離されたCD8+T細胞、および分離されたCD3+T細胞からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記操作された免疫細胞が、対応する免疫細胞と比較してCD7表面発現を減少させており、前記抗CD7 CARを発現する、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
組換えレトロウイルスベクターであって、
(a)配列番号28または配列番号30のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む抗CD7キメラ抗原受容体(CAR)をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1のプロモーターエレメントと、
(b)配列番号24または配列番号26のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む抗CD7タンパク質発現ブロッカー(PEBL)をコードする第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第2のプロモーターエレメントと、を含む、組換えレトロウイルスベクター。
【請求項29】
前記抗CD7 CARが、配列番号28または配列番号30のアミノ酸配列を含む、請求項28に記載の組換えレトロウイルスベクター。
【請求項30】
前記抗CD7 PEBLが、配列番号24または配列番号26のアミノ酸配列を含む、請求項28または29に記載の組換えレトロウイルスベクター。
【請求項31】
前記第1のプロモーターエレメントおよび/または前記第2のプロモーターエレメントが、CMVプロモーター、EF1αプロモーター、EFSプロモーター、MSCVプロモーター、およびPGKプロモーターからなる群から選択される、請求項28~30のいずれか一項に記載の組換えレトロウイルスベクター。
【請求項32】
前記第1のプロモーターエレメントおよび/または前記第2のプロモーターエレメントが、配列番号6~10からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む、請求項28~31のいずれか一項に記載の組換えレトロウイルスベクター。
【請求項33】
前記第1のプロモーターエレメントおよび/または前記第2のプロモーターエレメントが、配列番号6~10からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列を含む、請求項28~32のいずれか一項に記載の組換えレトロウイルスベクター。
【請求項34】
前記第1のプロモーターおよび前記第2のプロモーターが95%未満の配列同一性を共有する、請求項28~33のいずれか一項に記載の組換えレトロウイルスベクター。
【請求項35】
前記第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された前記第1のプロモーターエレメントが、前記第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結された前記第2のプロモーターエレメントの5’である、請求項28~34のいずれか一項に記載の組換えレトロウイルスベクター。
【請求項36】
前記第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結された前記第2のプロモーターエレメントが、前記第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された前記第1のプロモーターエレメントの5’である、請求項28~34のいずれか一項に記載の組換えレトロウイルスベクター。
【請求項37】
配列番号18~23からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む、請求項28~35のいずれか一項に記載の組換えレトロウイルスベクター。
【請求項38】
前記レトロウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、請求項28~37のいずれか一項に記載の組換えレトロウイルスベクター。
【請求項39】
操作された免疫細胞であって、請求項28~38のいずれか一項に記載の組換えレトロウイルスベクターを含む、操作された免疫細胞。
【請求項40】
前記操作された免疫細胞が同種異系のT細胞である、請求項39に記載の操作された免疫細胞。
【請求項41】
前記操作された免疫細胞が自己T細胞である、請求項40に記載の操作された免疫細胞。
【請求項42】
前記操作された免疫細胞が、対応する免疫細胞と比較してCD7表面発現を減少させており、前記抗CD7 CARを発現する、請求項40に記載の操作された免疫細胞。
【請求項43】
薬学的組成物であって、請求項39~42のいずれか一項に記載の操作された免疫細胞および薬学的に有効な担体を含む、薬学的組成物。
【請求項44】
対象の癌を治療する方法であって、治療有効量の請求項39~41のいずれか一項に記載の操作された免疫細胞、または請求項43に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
【請求項45】
操作された免疫細胞を産生する方法であって、請求項28~38のいずれか一項に記載の組換えレトロウイルスベクターで免疫細胞に形質導入することと、前記操作された免疫細胞を回収することと、を含む、方法。
【請求項46】
前記免疫細胞が、末梢血単核細胞、分離されたCD4+T細胞、分離されたCD8+T細胞、および分離されたCD3+T細胞からなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記操作された免疫細胞が、対応する免疫細胞と比較してCD7表面発現を減少させており、前記抗CD7 CARを発現する、請求項45または46に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月14日に出願された米国仮出願第62/767,069号の利益を主張する。その全体における開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表の参照
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる配列表を含む。この配列表は2019年11月14日に作成され、サイズが139,264バイトの「119419-5007-WO-Sequence-Listing_ST25.txt」というタイトルが付けられている。
【背景技術】
【0003】
キメラ抗原受容体(CAR)は、免疫細胞をリダイレクトして、腫瘍細胞を特異的に認識して死滅させることができる。CARは、膜貫通ドメインを介してシグナル伝達分子に連結された抗体の一本鎖可変領域(scFv)で構成される人工的な多分子タンパク質である。scFvがその同族抗原をライゲーションすると、シグナル伝達がトリガーされ、CAR発現細胞傷害性Tリンパ球による腫瘍細胞の死滅を引き起こす(Eshhar Z,Waks T,et al.PNAS USA.90(2):720-724,1993、Geiger TL,et al.J Immunol.162(10):5931-5939,1999、Brentjens RJ,et al.Nat Med.9(3):279-286,2003、Cooper LJ,et al.Blood 101(4):1637-1644,2003,Imai C,et al.Leukemia.18:676-684,2004)。CAR発現自己Tリンパ球を用いた臨床試験では、B細胞難治性白血病およびリンパ腫の患者で陽性反応が示されている(例えば、Till BG,et al.Blood 119(17):3940-3950,2012、Maude SL,et al.N Engl J Med.371(16):1507-1517,2014)。
【0004】
T細胞悪性腫瘍を標的とするCAR技術の開発は、B細胞の対応するものの進歩に大きく遅れをとっている。T細胞悪性腫瘍の新しい療法が必要であるが、これまでの進歩は遅かった。特に、効果的な免疫療法の選択肢が不足しており、T細胞急性リンパ性白血病(T-ALL)の治療は、集中的な化学療法および造血幹細胞移植に依存している。重大な罹患率に関連する積極的な治療計画にもかかわらず、これらのアプローチによる結果は決して満足のいくものではない。
【0005】
CAR-Tの標的抗原自体がCAR-T細胞で発現されるCAR-T細胞が最近開発された(Png et al.,Blood,2017,1(25):2348-2360,WO2018/098306)。自殺(例えば、フラトリサイド)を回避するために、CAR-T細胞はまた、CAR-Tの細胞表面上の標的抗原の発現を減少させるのに役立つPEBLを発現する。生存可能なCAR-T細胞を産生するために、最初にタンパク質発現ブロッカー(PEBL)タンパク質を発現させて、その後のCARの発現の前に、標的タンパク質に結合して隔離した。得られた操作されたT細胞の細胞表面上に標的抗原がすでに存在するため、CARおよびPEBLの同時発現はフラトリサイドをもたらした。特に、既存の細胞表面標的抗原は、新たに発現されたPEBLタンパク質による隔離の影響を受けず、新たに発現されたCARタンパク質によって認識および標的化される。
【0006】
同時発現の代わりに、順次発現が行われ得る。ただし、T細胞でのPEBLおよび続いてのCARの連続発現は、PEBL CAR-T細胞の臨床実施にいくつかの課題をもたらす。まず、T細胞の連続操作において、1つはPEBL用、もう1つはCAR用の別個のウイルスベクターを別々に製造および投与する必要がある。これにより、コストおよび時間が増加するだけでなく、操作されたCAR-T細胞を産生するための実験操作が複雑になる。さらに、T細胞の連続操作は、最終的な臨床産生物において操作された細胞の複雑な混合をもたらし、産生物の特性評価、均一性、および有効性に関する課題を生み出す。T細胞のごく一部のみが各操作ステップで導入された遺伝子を統合するため、最終産生物(操作T細胞)は、PEBL遺伝子のみを受け取った一部の細胞、CAR遺伝子のみを受け取った一部の細胞、および両方の遺伝子を受け取った一部の細胞を含む。
【0007】
要約していえば、T細胞悪性腫瘍の患者のために新しい治療オプションが著しく満たされていないために必要である。さらに、操作されたCAR-T細胞を産生し、CARを介したT細胞の自殺またはフラトリサイドを排除するための方法が必要である。
【発明の概要】
【0008】
いくつかの態様において、本発明は、バイシストロン性レトロウイルスベクターであって、(a)配列番号28~31のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む抗CD7キメラ抗原受容体(CAR)をコードする第1のポリヌクレオチドと、(b)内部リボソーム侵入部位(IRES)またはリボソームコドンスキッピング部位をコードする第2のポリヌクレオチドと、(c))配列番号24~27のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む抗CD7タンパク質発現ブロッカー(PEBL)をコードする第3のポリヌクレオチドと、を含み、第1のポリヌクレオチドは、第3のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている、バイシストロン性レトロウイルスベクターを提供する。
【0009】
いくつかの実施形態において、抗CD7 CARは、配列番号28~31のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、抗CD7 PEBLは、配列番号24~27のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、抗CD7 CARは、配列番号29のアミノ酸配列を含み、抗CD7 PEBLは、配列番号25のアミノ酸配列を含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、抗CD7 CARは、配列番号31のアミノ酸配列を含み、抗CD7 PEBLは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、IRESは、脳心筋炎ウイルス(EMCV)またはエンテロウイルスに由来する。
【0014】
いくつかの実施形態において、リボソームコドンスキッピング部位は、2A自己切断ペプチドを含む。いくつかの実施形態において、2A自己切断ペプチドは、F2Aペプチド(口蹄疫ウイルス2Aペプチド)、E2Aペプチド(ウマ鼻炎Aウイルス2Aペプチド)、P2Aペプチド(ブタテッショウウイルス-12Aペプチド)、およびT2Aペプチド(トーセアアシグナウイルス2A)からなる群から選択される。
【0015】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性レトロウイルスベクターは、配列番号12の核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性レトロウイルスベクターは、配列番号13の核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、バイシストロン性レトロウイルスベクターは、配列番号13の核酸配列を含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性レトロウイルスベクターは、プロモーターエレメントをさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、プロモーターエレメントは、CMVプロモーター、EF1αプロモーター、EFSプロモーター、MSCVプロモーター、およびPGKプロモーターからなる群から選択される。
【0019】
いくつかの実施形態において、プロモーターエレメントは、配列番号6~10からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、プロモーターエレメントは、配列番号6~10からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性レトロウイルスベクターは、配列番号14~16からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性レトロウイルスベクターは、配列番号14~16からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、レトロウイルスベクターはレンチウイルスベクターである。
【0024】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に概説されるバイシストロン性レトロウイルスベクターのいずれか1つを含む操作された免疫細胞である。
【0025】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、同種異系のT細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、自己T細胞である。
【0026】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、対応する免疫細胞と比較してCD7表面発現を減少させており、抗CD7 CARを発現する。
【0027】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載の操作された免疫細胞のいずれかおよび薬学的に有効な担体を含む薬学的組成物である。
【0028】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるのは、治療有効量の本明細書に記載の操作された免疫細胞のいずれかまたはその薬学的組成物を投与することを含む、対象の癌を治療する方法である。
【0029】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載のバイシストロン性レトロウイルスベクターのいずれか1つで免疫細胞に形質導入することと、操作された免疫細胞を回収することとを含む、操作された免疫細胞を産生する方法である。
【0030】
いくつかの実施形態において、免疫細胞は、末梢血単核細胞、分離されたCD4+T細胞、分離されたCD8+T細胞、および分離されたCD3+T細胞からなる群から選択される。
【0031】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、対応する免疫細胞と比較してCD7表面発現を減少させており、抗CD7 CARを発現する。
【0032】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるのは、(a)配列番号28または配列番号30のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む抗CD7キメラ抗原受容体(CAR)をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1のプロモーターエレメントと、(b)配列番号24または配列番号26のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む抗CD7タンパク質発現ブロッカー(PEBL)をコードする第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第2のプロモーターエレメントと、を含む、組換えレトロウイルスベクターである。
【0033】
いくつかの実施形態において、抗CD7 CARは、配列番号28または配列番号30のアミノ酸配列を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、抗CD7 PEBLは、配列番号24または配列番号26のアミノ酸配列を含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターエレメントおよび/または第2のプロモーターエレメントは、CMVプロモーター、EF1αプロモーター、EFSプロモーター、MSCVプロモーター、およびPGKプロモーターからなる群から選択される。
【0036】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターエレメントおよび/または第2のプロモーターエレメントは、配列番号6~10からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターエレメントおよび/または第2のプロモーターエレメントは、配列番号6~10からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび第2のプロモーターは、95%未満の配列同一性を共有する。
【0039】
いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1のプロモーターエレメントは、第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第2のプロモーターエレメントの5’である。
【0040】
いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第2のプロモーターエレメントは、第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1のプロモーターエレメントの5’である。
【0041】
いくつかの実施形態において、組換えレトロウイルスベクターは、配列番号18~23からなる群から選択されるいずれか1つの核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、レトロウイルスベクターはレンチウイルスベクターである。
【0043】
本明細書に記載の組換えレトロウイルスベクターのいずれか1つを含む操作された免疫細胞も提供される。
【0044】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、同種異系のT細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、自己T細胞である。
【0045】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、対応する免疫細胞と比較してCD7表面発現を減少させており、抗CD7 CARを発現する。
【0046】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載の操作された免疫細胞のいずれかおよび薬学的に有効な担体を含む薬学的組成物である。
【0047】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるのは、治療有効量の本明細書に記載の操作された免疫細胞のいずれかまたはその薬学的組成物を投与することを含む、対象の癌を治療する方法である。
【0048】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載の組換えレトロウイルスベクターのいずれか1つで免疫細胞に形質導入することと、操作された免疫細胞を回収することと、を含む、操作された免疫細胞を産生する方法である。
【0049】
いくつかの実施形態において、免疫細胞は、末梢血単核細胞、分離されたCD4+T細胞、分離されたCD8+T細胞、および分離されたCD3+T細胞からなる群から選択される。
【0050】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、対応する免疫細胞と比較してCD7表面発現を減少させており、抗CD7 CARを発現する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1A-1B】フローサイトメトリー(図1A)およびウエスタンブロット(図1B)による、形質導入された初代T細胞によるCARおよびPEBLの発現を示す。初代T細胞に示されたレトロウイルス(例えば、PEBL、CAR、PEBLおよびCARを順次、PEBL-IRES-CAR、およびCAR-P2A-PEBL)で形質導入し、CD7およびCAR発現についてフローサイトメトリーで分析した。示されたレトロウイルスで形質導入された初代T細胞からの細胞溶解物を、β-アクチン、Mycタグ付きPEBL、CARおよび内因性CD3ζ発現についてウエスタンブロットによって分析した。
図2A-2F】バイシストロン性プロモーター1-CAR-プロモーター2-PEBLレンチウイルス構築物の例示的な概略図を提供する。図2Aは、配列番号19のものなどの、MSCV-プロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-EFSプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なデュアルプロモーター構築物の概略図を示す。図2Bは、配列番号18のものなどの、MSCVプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なデュアルプロモーター構築物の概略図を示す。図2Cは、配列番号23のものなどの、PGKプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-EFSプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なデュアルプロモーター構築物の概略図を示す。図2Dは、配列番号22のものなどの、PGKプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なデュアルプロモーター構築物の概略図を示す。図2Eは、配列番号20のものなどの、PGKプロモーター-抗ヒトCD7(3A1F)CAR-EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なデュアルプロモーター構築物の概略図を示す。図2Fは、配列番号21のものなどの、PGKプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(3A1F)PEBLを含む例示的なデュアルプロモーター構築物の概略図を示す。
図3】フローサイトメトリーによる、形質導入された初代T細胞によるCARおよびCD7の発現を示す。初代T細胞に示されたデュアルプロモーターレンチウイルスを形質導入し、形質導入の5日後および14日後にフローサイトメトリーで分析した。
図4A-4C】バイシストロン性CAR-P2A-PEBLレンチウイルス構築物の例示的な概略図を提供する。図4Aは、配列番号14のものなどの、MSCVプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なバイシストロン性構築物の概略図を示す。図4Bは、配列番号15のものなどの、EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なバイシストロン性構築物の概略図を示す。図4Cは、配列番号16のものなどの、EFSプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なバイシストロン性構築物の概略図を示す。
図5】MSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入され、形質導入の3日後、6日後、および9日後にフローサイトメトリーによって分析された初代T細胞によるCARおよびCD7の発現を示す。
図6】フローサイトメトリーによる、形質導入された初代T細胞によるCARおよびCD7の発現を示す。初代T細胞に、示されたバイシストロン性CD7CAR-P2A-CD7PEBLおよびCD19CARレンチウイルスで形質導入し、形質導入の5日後および14日後にフローサイトメトリーで分析した。
図7A-7B】フローサイトメトリー(図7A)およびウエスタンブロット(図7B)による、形質導入された初代T細胞によるCARおよびPEBLの発現を示す。初代T細胞に、2つの独立して産生されたロットのMSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入し、フローサイトメトリーでCD7およびCARの発現を分析した。形質導入された細胞からの細胞溶解物を、β-アクチン、Mycタグ付きPEBL、CARおよび内因性CD3ζ発現についてウエスタンブロットによって分析した。
図8】フローサイトメトリーによる、形質導入された初代T細胞によるCARおよびCD7の発現を示す。バルクPBMC、CD4およびCD8正の選択(positively-selected)T細胞、およびCD3正の選択T細胞は、DynabeadsまたはTransActのいずれかで活性化され、MSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入された。形質導入の4日後、7日後、および10日後にフローサイトメトリーによって細胞を分析した。
図9A】MSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入し、無血清TexMACS培地または3%ヒトAB血清を補充したTexMACS培地で培養した初代T細胞によるCARおよびCD7の発現を示す。
図9B】活性化後11日での形質導入細胞の総増殖倍率を示す(生物学的複製の平均±SEM)。
図10A-10B】活性化後11日での形質導入細胞のCAR+T細胞の割合(図10A)および総増殖倍率(図10B)(生物学的複製の平均±SEM)を示す。初代T細胞を無血清TexMACS培地で培養し、活性化の1、2、3、または4日後にMSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入した。
図11】フローサイトメトリーによる、形質導入された初代T細胞によるCARおよびCD7の発現を示す。CD4およびCD8正の選択T細胞は、TransActにより活性化され、示された感染多重度(MOI)でMSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入された。形質導入の3日後および9日後にフローサイトメトリーによって細胞を分析した。
図12A-12B】活性化後11日での形質導入細胞のCAR+T細胞(図12A)の割合および導入遺伝子ベクターコピー数(VCN)(図12B)(生物学的複製の平均)を示す。初代T細胞を無血清TexMACS培地で培養し、MOI3、5、または10でMSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入した。T細胞をフローサイトメトリーによってCAR発現について分析した。形質導入された細胞からゲノムDNAを抽出し、RT-qPCR分析によって導入遺伝子VCNを決定した。
図13A-13E】活性化後11日でのMSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入された初代T細胞上の様々な表面マーカーの発現を示す。形質導入された細胞は、CARおよびCD7(図13A)、CD3およびCD14/CD19/CD56(図13B)、CD4およびCD8(図13C)、CD45ROおよびCCR7(図13D)、ならびにPD-1およびTim-3(図13E)についてフローサイトメトリーによって分析された。三重分析は、MOI10においてMSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入された3つの特異なドナーからの初代T細胞についてのものである。
図14A-14B】MSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで生成されたPEBL-CAR-T細胞の、IFNγ分泌(図14A)および細胞傷害性(図14B)によるCD7+Jurkat細胞およびCD7-Nalm6細胞に対する機能的応答を示す。IFNγ分泌は、JurkatまたはNalm6細胞と24時間示されたE:T比(技術的複製の平均±SD)で共培養されたPEBL-CAR-T細胞の培養上清で測定された。PEBL-CAR T細胞の細胞溶解活性は、JurkatまたはNalm6細胞との4時間の共培養後に、示されたE:T比(技術的複製の平均±SD)で測定された。
図15】CPPT-CMV-MCS-PGK-GFP-WPRE(配列番号1)の核酸配列を示す。CPPTは太字で、CMVプロモーターは一重下線が引かれ、PGKプロモーターは二重下線が引かれ、GFPは太字/一重下線が引かれ、WPREエレメントは太字/二重下線が引かれている。
図16】抗体TH69(配列番号2)に基づく例示的な抗ヒトCD7 PEBLの核酸配列を示す。CD8シグナルペプチドは位置1から始まり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、myc-KDELペプチドは二重下線が引かれ、停止コドンは配列を終了する。
図17】抗体3A1F(配列番号3)に基づく例示的な抗ヒトCD7 PEBLの核酸配列を示す。CD8シグナルペプチドは位置1から始まり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、myc-KDELペプチドは二重下線が引かれ、停止コドンは配列を終了する。
図18】抗体TH69(配列番号4)に基づく例示的な抗ヒトCD7 CARの核酸配列を示す。CD8シグナルペプチドは位置1から始まり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、CD8aヒンジおよび膜貫通ドメインは二重下線が引かれ、4-1BBシグナル伝達ドメインはCD8aヒンジおよび膜貫通ドメインとCD3ζシグナル伝達ドメインとの間にあり、CD3ζシグナル伝達ドメインは太字/二重下線が引かれ、停止コドンは配列を終了する。
図19】抗体3A1F(配列番号5)に基づく例示的な抗ヒトCD7 CARの核酸配列を示す。CD8シグナルペプチドは位置1から始まり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、CD8aヒンジおよび膜貫通ドメインは二重下線が引かれ、4-1BBシグナル伝達ドメインはCD8aヒンジおよび膜貫通ドメインとCD3ζシグナル伝達ドメインとの間にあり、CD3ζシグナル伝達ドメインは太字/二重下線が引かれ、停止コドンは配列を終了する。
図20】例示的なCMVプロモーター(配列番号6)の核酸配列を示す。
図21】例示的なEF1αプロモーター(配列番号7)の核酸配列を示す。
図22】例示的なEFSプロモーター(配列番号8)の核酸配列を示す。
図23】例示的なMSCVプロモーター(配列番号9)の核酸配列を示す。
図24】例示的なPGKプロモーター(配列番号10)の核酸配列を示す。
図25】抗ヒトCD7(TH69)PEBL-IRES-抗ヒトCD7(TH69)CAR(配列番号11)を含む例示的なバイシストロン性構築物の核酸配列を示す。抗ヒトCD7(TH69)PEBLは通常のフォントであり、IRESは太字であり、抗ヒトCD7(TH69)CARは二重下線が引かれている。
図26】抗ヒトCD7(TH69)CAR-IRES-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号12)を含む例示的なバイシストロン性構築物の核酸配列を示す。抗ヒトCD7(TH69)CARは通常のフォントであり、IRESは太字であり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは一重下線が引かれている。
図27】抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号13)を含む例示的なバイシストロン性構築物の核酸配列を示す。抗ヒトCD7(TH69)CARは通常のフォントであり、P2Aは太字であり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは一重下線が引かれている。
図28A-28B】MSCVプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号14)を含む例示的なバイシストロン性構築物の核酸配列を示す。MSCVプロモーターは二重下線が引かれ、制限酵素部位およびコザック配列はMSCVプロモーターとCARとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)CARは太字であり、P2Aは通常のフォントであり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは一重下線が引かれている。
図29A-29B】EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号15)を含む例示的なバイシストロン性構築物の核酸配列を示す。EF1αプロモーターは二重下線が引かれ、制限酵素部位およびコザック配列はEF1αプロモーターとCARとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)CARは太字であり、P2Aは通常のフォントであり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは一重下線が引かれている。
図30A-30B】EFSプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号16)を含む例示的なバイシストロン性構築物の核酸配列を示す。EFSプロモーターは二重下線が引かれ、制限酵素部位およびコザック配列はEFSプロモーターとCARとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)CARは太字であり、P2Aは通常のフォントであり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは一重下線が引かれている。
図31A-31B】MSCVプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-PGKプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号17)を含む例示的なデュアルプロモーター構築物の核酸配列を示す。MSCVプロモーターは二重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はMSCVプロモーターとCARとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)CARは太字であり、制限酵素部位(イタリック体)はCARとPGKプロモーターとの間にあり、PGKプロモーターは一重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はPGKプロモーターとPEBLとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは太字/一重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)は配列を終了する。
図32A-32B】MSCVプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号18)を含む例示的なデュアルプロモーター構築物の核酸配列を示す。MSCVプロモーターは二重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はMSCVプロモーターとCARとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)CARは太字であり、制限酵素部位(イタリック体)はCARとEF1aプロモーターとの間にあり、EF1aプロモーターは一重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はEF1aプロモーターとPEBLとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは太字/一重下線が引かれている。
図33A-33B】MSCVプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-EFSプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号19)を含む例示的なデュアルプロモーター構築物の核酸配列を示す。MSCVプロモーターは二重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はMSCVプロモーターとCARとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)CARは太字であり、制限酵素部位(イタリック体)はCARとEFSプロモーターとの間にあり、EFSプロモーターは一重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はEFSプロモーターとPEBLとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは太字/一重下線が引かれている。
図34A-34B】PGKプロモーター-抗ヒトCD7(3A1F)CAR-EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号20)を含む例示的なデュアルプロモーター構築物の核酸配列を示す。PGKプロモーターは二重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はPGKプロモーターとCARとの間にあり、抗ヒトCD7(3A1F)CARは太字であり、制限酵素部位(イタリック体)はCARとEF1aプロモーターとの間にあり、EF1aプロモーターは一重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はEF1aプロモーターとPEBLとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは太字/一重下線が引かれている。
図35A-35B】PGKプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(3A1F)PEBL(配列番号21)を含む例示的なデュアルプロモーター構築物の核酸配列を示す。PGKプロモーターは二重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はPGKプロモーターとCARとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)CARは太字であり、制限酵素部位(イタリック体)はCARとEF1aプロモーターとの間にあり、EF1aプロモーターは一重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はEF1aプロモーターとPEBLとの間にあり、抗ヒトCD7(3A1F)PEBLは太字/一重下線が引かれている。
図36A-36C】PGKプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号22)を含む例示的なデュアルプロモーター構築物の核酸配列を示す。PGKプロモーターは二重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はPGKプロモーターとCARとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)CARは太字であり、制限酵素部位(イタリック体)はCARとEF1aプロモーターとの間にあり、EF1aプロモーターは一重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はEF1aプロモーターとPEBLとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは太字/一重下線が引かれている。
図37A-37B】PGKプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-EFSプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)PEBL(配列番号23)を含む例示的なデュアルプロモーター構築物の核酸配列を示す。PGKプロモーターは二重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はPGKプロモーターとCARとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)CARは太字であり、制限酵素部位(イタリック体)はCARとEFSプロモーターとの間にあり、EFSプロモーターは一重下線が引かれ、制限酵素部位(イタリック体)およびコザック配列はEFSプロモーターとPEBLとの間にあり、抗ヒトCD7(TH69)PEBLは太字/一重下線が引かれている。
図38】抗体TH69(配列番号24)に基づく例示的な抗ヒトCD7 PEBLのアミノ酸配列を示す。CD8シグナルペプチドは1位から始まり、かつ通常のタイプであり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、myc-KDELペプチドには二重下線が引かれている。
図39】抗体TH69(配列番号25)に基づく例示的な抗ヒトCD7 PEBL変異体のアミノ酸配列を示す。N末端プロリンはイタリック体であり、CD8シグナルペプチドは2位から始まり、かつ通常のタイプであり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、myc-KDELペプチドは二重下線が引かれている。
図40】抗体3A1F(配列番号26)に基づく例示的な抗ヒトCD7 PEBLのアミノ酸配列を示す。CD8シグナルペプチドは1位から始まり、かつ通常のタイプであり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、myc-KDELペプチドには二重下線が引かれている。
図41】抗体3A1F(配列番号27)に基づく例示的な抗ヒトCD7 PEBL変異体のアミノ酸配列を示す。N末端プロリンはイタリック体であり、CD8シグナルペプチドは2位から始まり、かつ通常のタイプであり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、myc-KDELペプチドは二重下線が引かれている。
図42】抗体TH69(配列番号28)に基づく例示的な抗ヒトCD7 CARのアミノ酸配列を示す。CD8シグナルペプチドは1位から始まり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、CD8aヒンジおよび膜貫通ドメインは二重下線が引かれ、4-1BBシグナル伝達ドメインはCD8aヒンジおよび膜貫通ドメインとCD3ζシグナル伝達ドメインとの間にあり、かつ通常のタイプであり、CD3ζシグナル伝達ドメインは太字/二重下線が引かれている。
図43】抗体TH69(配列番号29)に基づく例示的な抗ヒトCD7 CAR変異体のアミノ酸配列を示す。CD8シグナルペプチドは1位から始まり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、CD8aヒンジおよび膜貫通ドメインは二重下線が引かれ、4-1BBシグナル伝達ドメインはCD8aヒンジおよび膜貫通ドメインとCD3ζシグナル伝達ドメインとの間にあり、かつ通常のタイプであり、CD3ζシグナル伝達ドメインは太字/二重下線が引かれ、CD3ζシグナル伝達ドメインのC末端のアミノ酸はP2A部位でのリボソームスキッピングを介して発生する。
図44】抗体3A1F(配列番号30)に基づく例示的な抗ヒトCD7 CARのアミノ酸配列を示す。CD8シグナルペプチドは1位から始まり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、CD8aヒンジおよび膜貫通ドメインは二重下線が引かれ、4-1BBシグナル伝達ドメインはCD8aヒンジおよび膜貫通ドメインとCD3ζシグナル伝達ドメインとの間にあり、かつ通常のタイプであり、CD3ζシグナル伝達ドメインは太字/二重下線が引かれている。
図45】抗体3A1F(配列番号31)に基づく例示的な抗ヒトCD7 CAR変異体のアミノ酸配列を示す。CD8シグナルペプチドは1位から始まり、抗CD7 VLドメインは太字であり、VLドメインとVHドメインとの間のリンカーは一重下線が引かれ、抗CD7 VHドメインは太字/一重下線が引かれ、CD8aヒンジおよび膜貫通ドメインは二重下線が引かれ、4-1BBシグナル伝達ドメインはCD8aヒンジおよび膜貫通ドメインとCD3ζシグナル伝達ドメインとの間にあり、かつ通常のタイプであり、CD3ζシグナル伝達ドメインは太字/二重下線が引かれ、CD3ζシグナル伝達ドメインのC末端のアミノ酸はP2A部位でのリボソームスキッピングを介して発生する。
図46】抗体TH69に基づく抗体TH69-P2A-抗ヒトCD7 PEBL(配列番号95)に基づく例示的な抗ヒトCD7 CARのアミノ酸配列を示す。CD7 CARは通常のフォントであり、P2Aは二重下線が引かれ、CD7 PEBLは太字/一重下線が引かれている。
【発明を実施するための形態】
【0052】
導入
本発明は、T細胞抗原を標的とする生存可能なCAR発現細胞傷害性Tリンパ球(CAR-T)をもたらす、T細胞におけるフラトリサイド誘導キメラ抗原受容体(例えば、CAR)およびフラトリサイド予防タンパク質(例えば、PEBL)の同時発現のための方法を提供する。
【0053】
単一の構築物から2つ以上の遺伝子を発現させることができるウイルスベクターが作製されている。典型的には、これらのベクターは、バイシストロンエレメントまたは2プロモーター構成のいずれかを使用する。バイシストロン性ベクターの場合、単一のメッセンジャーRNAから2つのタンパク質の翻訳を可能にする配列エレメントが2つの遺伝子の間に導入される。例としては、内部リボソーム侵入部位配列(IRES)およびウイルス由来の「コドンスキッピング」ペプチド配列(P2A、T2A、F2A、E2Aなど)が含まれる。2つのプロモーターで設計されたベクターの場合、各プロモーターがその近位に連結された遺伝子のmRNAを転写するように、別々のプロモーターエレメントが各遺伝子の上流に構成される。いくつかの実施形態において、発現ベクター(例えば、構築物)は、CARに作動可能に連結された第1のプロモーターおよびPEBLに作動可能に連結された第2のプロモーターを含む。
【0054】
2つの異なる遺伝子(例えば、CARをコードする遺伝子、およびPEBLをコードする遺伝子)の発現のための様々なバイシストロン性ベクターおよび2プロモーター設計ベクターを作製および試験するための方法が、本明細書に記載されている。予期せぬことに、特定の2つの遺伝子ベクターが、得られた操作されたT細胞が生き残り、増殖し、標的細胞を死滅させることができるように、T細胞におけるPEBLおよびCARタンパク質の両方の発現を指示できることが発見された。同定された2つの遺伝子ベクターにおける各遺伝子の発現の相対的なタイミングおよびレベルにより、CARが操作されたT細胞に過度のフラトリサイドを引き起こし得る前に、標的抗原の下方調節が可能になった。
【0055】
CD7に対して向けられたCARを発現するフラトリサイド耐性CAR-T細胞が本明細書に記載されており、そのようなCAR-T細胞には、CD7の表面発現が減少しているか、またはまったくない。本発明は、部分的に、バイシストロン性ウイルスベクターなどのバイシストロン性構築物を使用する、CD7に対して向けられたキメラ抗原受容体(CAR)、および免疫細胞(例えば、T細胞)におけるCD7に対して向けられたタンパク質発現ブロッカー(PEBL)の共発現に基づく。一態様において、本発明は、抗CD7 CARをコードするポリヌクレオチド配列および抗CD7 PEBLをコードするポリヌクレオチド配列を含むバイシストロン性構築物を含む操作された免疫細胞(例えば、操作されたT細胞)に関する。いくつかの実施形態において、CARは、4-1BBおよびCD3ζの細胞内シグナル伝達ドメイン、ならびにCD7に特異的に結合する抗体(例えば、一本鎖可変フラグメントまたはscFv)を含む。本発明のCD7 CARは、本明細書では「抗CD7-41BB-CD3ζ」と呼ばれることがある。いくつかの実施形態において、CARはまた、CD8αヒンジおよび膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗CD7 PEBLは、CD7および細胞内局在化配列に特異的に結合する抗体(例えば、scFv)を含む。特定の実施形態において、抗CD7 PEBLは、CD7、CD8αヒンジおよび膜貫通ドメイン、ならびに細胞内局在化配列に特異的に結合する抗体(例えば、scFv)を含む。
【0056】
CD7は、40kDaのI型膜貫通型糖タンパク質であり、T細胞悪性腫瘍の主要なマーカーであり、初期T細胞前駆細胞急性リンパ芽球性白血病(ETP-ALL)を含むT細胞ALLのすべての症例で高発現している。抗CD7 CARは、T細胞を誘導してT細胞の悪性腫瘍に対して特異的な細胞傷害性を発揮させることができる。さらに、エフェクターT細胞でのCD7発現の下方調節と組み合わせて抗CD7 CARを使用した場合、T細胞の細胞傷害性が著しく増加することが示されている。抗CD7 PEBLの発現を介したT細胞におけるCD7の下方調節(例えば、排除、減少、および/または再局在化)は、対応する抗CD7 CARによって発揮されるフラトリサイド効果を防止した。これにより、標的抗原(例えば、CD7)を保持した細胞と比較して、CAR発現後のT細胞の回復が促進され、T白血病/リンパ腫細胞に対する細胞傷害性がより効果的になった。
【0057】
定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の任意の方法および材料を本発明の試験の実施において使用することができるが、好ましい材料および方法が本明細書に記載されている。本発明を説明および請求する際に、以下の用語が使用される。
【0058】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0059】
冠詞「a」および「an」は、本明細書では、冠詞の文法的目的語の1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「エレメント(an element)」は、1つのエレメントまたは複数のエレメントを意味する。
【0060】
参照数値に関連する「約」という用語およびその文法的同等表現、ならびに本明細書で使用されるその文法的同等表現は、その値からプラスまたはマイナス10%の値の範囲を含むことができる。例えば、「約10」の量には、9~11の量が含まれる。参照数値に関連する「約」という用語はまた、その値からプラスまたはマイナス10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%の値の範囲を含むことができる。
【0061】
本明細書で使用される場合、「核酸」という用語は、複数のヌクレオチドモノマー(例えば、リボヌクレオチドモノマーまたはデオキシリボヌクレオチドモノマー)を含むポリマーを指す。「核酸」には、例えば、ゲノムDNA、cDNA、RNA、およびDNA-RNAハイブリッド分子が含まれる。核酸分子は、天然に存在する、組換え、または合成のものであり得る。さらに、核酸分子は、一本鎖、二本鎖、または三本鎖であり得る。特定の実施形態において、核酸分子は修飾され得る。二本鎖ポリマーの場合、「核酸」は、分子の一方または両方の鎖を指し得る。本明細書で使用される核酸およびポリヌクレオチドは交換可能である。
【0062】
核酸に関する「ヌクレオチド配列」という用語は、リン結合(例えば、ホスホジエステル、アルキルおよびアリールホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル結合)、および/または非リン結合(例えば、ペプチドおよび/またはスルファミン酸結合)などの共有結合によって結合された連続する一連のヌクレオチドを指す。特定の実施形態において、例えば、局在化ドメインに連結された標的結合分子をコードするヌクレオチド配列は、異種配列(例えば、異なる種または細胞型起源の遺伝子)である。
【0063】
「ヌクレオチド」および「ヌクレオチドモノマー」という用語は、天然に存在するリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドモノマー、ならびに天然に存在しない誘導体およびそれらの類似体を指す。したがって、ヌクレオチドには、例えば、天然に存在する塩基(例えば、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、イノシン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、またはデオキシシチジン)を含むヌクレオチド、および当技術分野で既知の修飾塩基を含むヌクレオチドが含まれ得る。
【0064】
「作動可能に連結された」という用語は、調節配列と異種核酸配列との間の機能的連結を指し、後者の発現をもたらす。例えば、第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的関係に置かれる場合、第1の核酸配列は、第2の核酸配列と作動可能に連結される。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を与える場合、プロモーターはコード配列に作動可能に連結されている。一般に、作動可能に連結されたDNA配列は隣接しており、2つのタンパク質コード領域を結合する必要がある場合は、同じリーディングフレーム内にある。
【0065】
「配列同一性」という用語は、デフォルトのギャップ重みを使用するプログラムGAPまたはBESTFITなどによって最適に整列された場合、2つのヌクレオチド配列または2つのアミノ酸配列が、少なくとも例えば70%の配列同一性、または少なくとも80%の配列同一性、または少なくとも85%の配列同一性、または少なくとも90%の配列同一性、または少なくとも95%の配列同一性またはこれ以上を共有することを意味する。配列比較では、典型的には、1つの配列が参照配列(例えば、親配列)として機能し、試験配列と比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験および参照配列がコンピュータに入力され、必要に応じてサブ配列座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。次に、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列(複数可)のパーセント配列同一性を計算する。
【0066】
比較のための配列の最適なアラインメントは、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムにより、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同アラインメントアルゴリズムにより、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似方法の検索により、これらのアルゴリズム(GAP,BESTFIT,FASTA,and TFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.)のコンピュータ化された実装により、または目視検査(一般に、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biologyを参照されたい)により行われ得る。配列同一性および配列類似性の割合を決定するのに適したアルゴリズムの一例は、Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403(1990)に記載されているBLASTアルゴリズムである。BLAST分析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationから公開されている(National Institutes of Health NCBIインターネットサーバーから公開されている)。典型的には、デフォルトのプログラムパラメータを使用して配列比較を実行できるが、カスタマイズされたパラメータも使用することができる。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、デフォルトとしてワード長(W)3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff&Henikoff、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1989)を参照されたい)を使用する。
【0067】
当業者によって理解されるように、いくつかの態様において、核酸はプラスミド配列をさらに含む。プラスミド配列は、例えば、プロモーター配列、選択マーカー配列、または標的遺伝子組換え配列の1つ以上の配列を含み得る。
【0068】
本明細書で使用される「プロモーター」または「プロモーターエレメント」という用語は、ポリヌクレオチド配列の特異的転写を開始するのに必要な、細胞の合成機構、または導入された合成機構によって認識されるDNA配列として定義される。
【0069】
「レトロウイルスベクター」という用語は、ガンマレトロウイルスベクターを指し得る。レトロウイルスベクターは、例えば、プロモーター、パッケージングシグナル、プライマー結合部位(PBS)、1つ以上(例えば、2つ)の長い末端反復(LTR)、および関心対象のポリヌクレオチド、例えば、CARをコードするポリヌクレオチドおよびPEBLをコードするポリヌクレオチドを含み得る。レトロウイルスベクターは、gag、pol、envなどのウイルス構造遺伝子を欠いている可能性がある。例示的なレトロウイルス(例えば、ガンマレトロウイルス)ベクターには、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、マウス白血病ウイルス(MLV)、脾臓焦点形成ウイルス(SFFV)、および骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、およびこれらに由来するベクターが含まれる。他のガンマレトロウイルスベクターについては、例えば、Maetzig et al.,Viruses,2011;3(6):677-713に記載されている。
【0070】
「バイシストロン性発現」という用語は、典型的には、本明細書に記載のポリヌクレオチドをプロモーターに作動可能に連結し、バイシストロン性構築物を発現ベクターに組み込むことによって達成される。ベクターは、複製および統合真核生物に適し得る。典型的なクローニングベクターは、所望の核酸配列の発現の調節に有用な転写および翻訳ターミネーター、開始配列、ならびにプロモーターを含む。核酸は、多くの種類のベクターにクローン化され得る。例えば、核酸は、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルス、およびコスミドを含むがこれらに限定されないベクターにクローン化され得る。特に関心対象となるベクターには、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、および配列決定ベクターが含まれる。
【0071】
「発現ベクター」は、発現されるヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む組換えポリヌクレオチドを含むベクターを指す。発現ベクターは、発現に十分なシス作用エレメントを含み、発現のための他の要素は、宿主細胞によって、またはインビトロ発現系において供給することができる。発現ベクターには、組換えポリヌクレオチドを組み込んだコスミド、プラスミド(例えば、裸のまたはリポソームに含まれている)、およびウイルス(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス)などの当技術分野で既知のすべてのものが含まれる。
【0072】
さらに、発現ベクターは、ウイルスベクターの形態で細胞に提供され得る。ウイルスベクター技術は当該技術分野で周知であり、例えば、Sambrook et al.,2012,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,volumes 1-4,Cold Spring Harbor Press,NY)、ならびに他のウイルス学および分子生物学のマニュアルに記載されている。ベクターとして有用なウイルスには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、およびレンチウイルスが含まれるが、これらに限定されない。一般に、適切なベクターは、少なくとも1つの生物において機能的な複製起点、プロモーター配列、便利な制限エンドヌクレアーゼ部位、および1つ以上の選択可能なマーカー(例えば、WO01/96584、WO01/29058、および米国特許第6,326,193号)を含む。
【0073】
追加のプロモーターエレメント、例えば、エンハンサーは、転写開始の頻度を調節する。典型的には、これらは開始部位の30~110bp上流の領域に位置するが、多くのプロモーターが開始部位の下流にも機能エレメントを含むことが示されている。プロモーターエレメント間の間隔はしばしば柔軟であるため、エレメントが互いに反転または移動した場合にプロモーター機能が維持される。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターにおいて、活性が低下し始める前に、プロモーターエレメント間の間隔を離して50bpまで増加し得る。プロモーターに応じて、個々のエレメントが協調的または独立して機能して、転写を活性化し得る。例示的なプロモーターには、最初期サイトメガロウイルス(CMV)、EF-1α、ユビキチンC、またはホスホグリセロキナーゼ(PGK)プロモーターが含まれる。それに作動可能に連結された任意のポリヌクレオチド配列の高レベルの発現を駆動することができる強力な構成的プロモーター配列を使用することができる。シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)長い末端反復(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、鳥類白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン-バールウイルス最初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ならびにこれらに限定されないが、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、伸長因子-1鳥類白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン-バールウイルス最初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーターなどのヒト遺伝子プロモーター、ならびにこれらに限定されないが、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーターなどのヒト遺伝子プロモーターを含むが、これらに限定されない他の構成的プロモーター配列が使用されてもよい。いくつかの実施形態において、プロモーターは、誘導性プロモーターであり、そのような発現が所望される場合に作動可能に連結されるポリヌクレオチド配列の発現をオンにするか、または発現が所望されない場合に発現をオフにすることができる分子スイッチを提供する。誘導性プロモーターの例には、メタロチオネインプロモーター、糖質コルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、およびテトラサイクリンプロモーターが含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書で使用される場合、「抗体」は、修飾または操作された無損傷抗体または抗原結合フラグメントを含む、またはヒト抗体である、無損傷抗体または抗体の抗原結合フラグメントを意味する。修飾または操作された抗体の例は、キメラ抗体、ヒト化抗体、多重パラトピック抗体(例えば、二重パラトピック抗体)、および多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)である。抗原結合フラグメントの例には、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、一本鎖抗体(例えばscFv)、ミニ抗体(minibody)および二重特異性抗体(diabody)が含まれる。
【0075】
「特異的に(または選択的に)結合する」または「特異的に(または選択的に)免疫反応性である」という用語は、タンパク質またはペプチドを指す場合、多くの場合、不均質なタンパク質およびその他の生物製剤の集団における、タンパク質の存在を決定する結合反応を指す。したがって、指定されたイムノアッセイ条件下で、指定された抗体は、バックグラウンドの少なくとも2倍、より典型的にはバックグラウンドの10~100倍を超えて特定のタンパク質に結合する。このような条件下での抗体への特異的結合には、特定のタンパク質に対する特異性のために選択された抗体が必要である。例えば、ポリクローナル抗体は、選択された抗原と特異的に免疫反応し、他のタンパク質に対しては免疫反応しないポリクローナル抗体のみを取得するように選択され得る。この選択は、他の分子と交差反応する抗体を減じることによって達成され得る。特定のタンパク質と特異的に免疫反応する抗体を選択するために、様々なイムノアッセイフォーマットを使用し得る。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、タンパク質と特異的に免疫反応する抗体を選択するために日常的に使用される(特定の免疫反応性を決定するために使用され得るイムノアッセイフォーマットおよび条件の説明のためには、例えば、Harlow&Lane、Using Antibodies,A Laboratory Manual(1998)を参照されたい)。
【0076】
特定の実施形態において、CD7に結合する抗体は、一本鎖可変フラグメント抗体(「scFv抗体」)である。scFvは、抗体のVHおよびVLドメインを含む抗体フラグメントを指し、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。一般に、Fvポリペプチドは、scFvが抗原結合に望ましい構造を形成できるようにするVHドメインとVLドメインの間にポリペプチドリンカーをさらに含む。scFvの総説については、Pluckthun(1994)The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.Springer-Verlag,New York,pp.269-315を参照されたい。PCT公開第WO88/01649および米国特許第4,946,778号および第5,260,203号も参照されたい。当業者によって理解されるように、様々な適切なリンカーは、当該技術分野において提供され、本明細書に開示されるように、最適な機能のために設計および試験され得る。
【0077】
本明細書で使用される場合、「操作された」免疫細胞は、天然に存在する免疫細胞と比較して遺伝子組換えされた免疫細胞を含む。例えば、本発明の方法に従って産生された操作されたT細胞は、本明細書に例示される核酸など、それが由来するT細胞において天然に存在しないヌクレオチド配列を含む核酸を担持する。
【0078】
本明細書で使用される場合、「実質的に精製された」細胞は、他の細胞型を本質的に含まない細胞である。実質的に精製された細胞はまた、それが天然に存在する状態に通常関連している他の細胞型から分離された細胞を指す。いくつかの例において、実質的に精製された細胞の集団は、細胞の均質な集団を指す。他の例において、この用語は単に、天然な状態に自然に関連している細胞から分離された細胞を指す。いくつかの実施形態において、細胞は、インビトロで培養される。他の実施形態において、細胞はインビトロで培養されない。
【0079】
本明細書で使用される場合、「CD7 CAR+/CD7陰性」T細胞は、ヒトCD7に対するキメラ抗原受容体を発現し、内因性CD7の表面発現が低いかまたは全くないT細胞を指す。いくつかの実施形態において、内因性CD7の表面発現が低いかまたは全くないのは、内因性CD7タンパク質がT細胞の表面に移動するのを防止または妨害するヒトCD7に対するPEBLの発現による。いくつかの例において、CD7の表面発現は、免疫細胞化学、フローサイトメトリー、またはFACSなどであるがこれらに限定されない、当業者に知られている標準的な方法を使用して決定することができる。
【0080】
本明細書で使用される「自己の」という用語およびその文法的同等表現は、同じ存在から由来することを指し得る。例えば、試料(例えば、細胞)は、除去され、処理され、後に同じ対象(例えば、患者)に戻され得る。自己プロセスは、ドナーおよびレシピエントが異なる対象である同種異系プロセスとは区別される。
【0081】
「同種異系」とは、同じ種の異なる動物に由来する移植片を指す。
【0082】
本明細書で使用する場合、「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、または「治療(treatment)」という用語は、臨床的に許容される基準に従って、医学的状態が改善される程度まで、医学的状態(例えば、T細胞悪性腫瘍に関係する状態)に対抗することを指す。
【0083】
本明細書で使用する場合、「対象」という用語は、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、マウス)を指す。特定の実施形態において、対象はヒトである。「治療を必要とする対象」とは、T細胞を誘導して悪性腫瘍T細胞に対して特異的な細胞傷害性を発揮することにより治療(例えば、改善、寛解、予防)することができる疾患または状態を、有するかまたは発症するリスクがある対象(例えば、患者)を指す。
【0084】
本明細書で定義されるように、「治療量」とは、対象に投与されると、投与条件下で対象において所望の治療効果を達成する(T細胞悪性腫瘍に関係する状態を治療する)のに十分である量を指す。投与される薬剤の有効量は、本明細書で提供されるガイダンスおよび当技術分野で知られている他の方法を使用して、および例えば、選択された特定の薬剤、対象の年齢、感受性、薬物に対する耐性および全体的な健康状態を含むいくつかの要因に依存して、通常の技能の臨床医が決定できる。
【0085】
発明を実施するための形態
以下で詳細に説明するように、抗CD7 CAR(「CD7 CAR」とも呼ばれる)は、TH69抗体に基づいてCD7を標的とする抗原結合ドメインを含み得る。いくつかの実施形態において、CD7 CARの抗原結合ドメインは、3A1F抗体に基づく。いくつかの実施形態において、CD7 CARの抗原結合ドメインは、T3-3A1抗体に基づく。いくつかの実施形態において、本発明のCD7 CARは、配列番号28、配列番号29、配列番号30、および配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、CD7 CARは、配列番号28、配列番号29、配列番号30、および配列番号31からなる群から選択されるものと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。場合によっては、本発明の操作された免疫細胞は、配列番号28のCD7 CARを含む。場合によっては、操作された免疫細胞は、配列番号28に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを含む。場合によっては、操作された免疫細胞は、配列番号29のCD7 CARを含む。場合によっては、操作された免疫細胞は、配列番号30に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを含む。場合によっては、操作された免疫細胞は、配列番号30に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを含む。場合によっては、操作された免疫細胞は、配列番号31に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを含む。場合によっては、操作された免疫細胞は、配列番号31に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを含む。
【0086】
いくつかの実施形態において、本発明のCD7 PEBLは、配列番号24、配列番号25、配列番号26、および配列番号27からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のCD7 PEBLは、配列番号24、配列番号25、配列番号26、および配列番号27からなる群から選択されるものと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの例において、本発明の操作された免疫細胞は、配列番号24のCD7 PEBLを含む。いくつかの例において、本発明の操作された免疫細胞は、配列番号25に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号24のCD7 PEBLを含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号25に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号26のCD7 PEBLを含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号26に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号27のCD7 PEBLを含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号27に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、配列番号24のCD7 PEBLおよび配列番号28のCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、配列番号24に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLおよび配列番号28に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、配列番号24のCD7 PEBLおよび配列番号30のCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、少なくとも90%の配列同一性配列番号24を有するCD7 PEBLおよび少なくとも90%の配列同一性配列番号30を有するCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、配列番号26のCD7 PEBLおよび配列番号28のCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、少なくとも90%の配列同一性配列番号26を有するCD7 PEBLおよび少なくとも90%の配列同一性配列番号28を有するCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、配列番号26のCD7 PEBLおよび配列番号308のCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、少なくとも90%の配列同一性配列番号26を有するCD7 PEBLおよび少なくとも90%の配列同一性配列番号30を有するCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、配列番号25のCD7 PEBLおよび配列番号29のCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、少なくとも90%の配列同一性配列番号25を有するCD7 PEBLおよび少なくとも90%の配列同一性配列番号29を有するCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、配列番号25のCD7 PEBLおよび配列番号31のCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、少なくとも90%の配列同一性配列番号25を有するCD7 PEBLおよび少なくとも90%の配列同一性配列番号31を有するCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、配列番号27のCD7 PEBLおよび配列番号29のCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、少なくとも90%の配列同一性配列番号27を有するCD7 PEBLおよび少なくとも90%の配列同一性配列番号29を有するCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、配列番号27のCD7 PEBLおよび配列番号31のCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞または操作された免疫細胞の集団は、少なくとも90%の配列同一性配列番号27を有するCD7 PEBLおよび少なくとも90%の配列同一性配列番号31を有するCD7 CARを含む。
【0088】
特定の実施形態において、操作された免疫細胞は、操作されたT細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、操作されたCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、操作されたCD8+T細胞である。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物またはデュアルプロモーター構築物を宿す操作された免疫細胞は、PBMCから生成される。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物またはデュアルプロモーター構築物を宿す操作された免疫細胞は、精製されたCD4+T細胞から生成される。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物またはデュアルプロモーター構築物を宿す操作された免疫細胞は、精製されたCD8+T細胞から生成される。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物またはデュアルプロモーター構築物を宿す操作された免疫細胞は、精製されたCD4+T細胞および精製されたCD8+T細胞を含む細胞の集団から生成される。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物またはデュアルプロモーター構築物を宿す操作された免疫細胞は、精製されたCD3+T細胞を含む細胞の集団から生成される。
【0089】
バイシストロン性発現構築物
本明細書に記載されるように、CARをコードするポリヌクレオチドおよびPEBLをコードするポリヌクレオチドを含む組換えバイシストロン性ウイルス構築物またはベクターが本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、組換えバイシストロン性ウイルス構築物は、CARの核酸配列とPEBLの核酸配列との間に内部リボソーム侵入部位(IRES)配列を含む。いくつかの実施形態において、組換えバイシストロン性ウイルス構築物は、CARの核酸配列とPEBLの核酸配列との間にリボソームコドンスキッピング部位配列(2A自己切断ペプチドをコードする配列とも呼ばれる)を含む。バイシストロン性構築物のいくつかの実施形態において、CARをコードするポリヌクレオチドは、IRES配列の上流(5’末端)に位置し、PEBLをコードするポリヌクレオチドは、IRESの下流(3’末端)に位置する。場合によっては、CARをコードする核酸配列はIRES配列に作動可能に連結され、IRES配列はPEBLをコードする核酸配列に操作可能に連結される。場合によっては、PEBLをコードする核酸配列は、IRES配列に作動可能に連結され、IRES配列は、CARをコードする核酸配列に作動可能に連結される。
【0090】
バイシストロン性構築物のいくつかの実施形態において、CARをコードするポリヌクレオチドは、2A自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドの上流(5’末端)に位置し、PEBLをコードするポリヌクレオチドは、2A自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドの下流(3’末端)に位置する。場合によっては、CARをコードする核酸配列は、2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列に作動可能に連結され、これは、PEBLをコードする核酸配列に作動可能に連結される。場合によっては、PEBLをコードする核酸配列は、2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列に作動可能に連結され、これは、CARをコードする核酸配列に作動可能に連結される。
【0091】
2Aペプチド配列を介したリボソームコドンスキッピングのメカニズムは、1つの転写物から2つのタンパク質を生成するのに有用であり、通常のペプチド結合は2A配列で損なわれ、1つの翻訳イベントから2つの不連続なタンパク質フラグメントをもたらす。自己切断2Aペプチド(例えば、2A切断部位)については、Kim et al.,PLoS One, 2011,6(4):e18556に記載されている。
【0092】
いくつかの実施形態において、IRESは、脳心筋炎ウイルスに由来する。いくつかの実施形態において、IRESは、エンテロウイルスに由来する。いくつかの実施形態において、IRES配列の核酸配列は、配列番号62に示されている(例えば、表1を参照されたい)。
【0093】
いくつかの実施形態において、リボソームコドンスキッピング部位は、2A自己切断ペプチドに基づく(例えば、表2を参照されたい)。いくつかの実施形態において、2A自己切断ペプチドは、P2A、E2A、F2A、およびT2Aからなる群から選択される。いくつかの例において、P2Aペプチドのアミノ酸配列は、配列番号67のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの例において、E2Aペプチドのアミノ酸配列は、配列番号68のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの例において、F2Aペプチドのアミノ酸配列は、配列番号69のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの例において、T2Aペプチドのアミノ酸配列は、配列番号70のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0094】
いくつかの実施形態において、ウイルス構築物(例えば、レトロウイルス構築物)は、P2A、E2A、F2A、およびT2Aからなる群から選択される2A自己切断ペプチド(例えば、2Aペプチド切断部位)をコードする核酸配列を含み、2A自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、CARをコードする核酸配列とPEBLをコードする核酸配列を連結する。言い換えれば、2A自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、CARをコードする核酸配列とPEBLをコードする核酸配列との間にある。上記のように、いくつかの実施形態において、構築物は、5’末端から3’末端までの、CARをコードする核酸配列と、P2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、PEBLをコードする核酸配列と、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、構築物は、5’末端から3’末端までの、本明細書に記載の任意のCD7 CARをコードする核酸配列と、P2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、本明細書に記載の任意のCD7 PEBLをコードする核酸配列と、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、構築物は、5’末端から3’末端までの、本明細書に記載の任意のCD7 CARをコードする核酸配列と、E2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、本明細書に記載の任意のCD7 PEBLをコードする核酸配列と、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、構築物は、5’末端から3’末端までの、本明細書に記載の任意のCD7 CARをコードする核酸配列と、F2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、本明細書に記載の任意のCD7 PEBLをコードする核酸配列と、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、構築物は、5’末端から3’末端までの、本明細書に記載の任意のCD7 CARをコードする核酸配列と、T2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、本明細書に記載の任意のCD7 PEBLをコードする核酸配列と、を含むか、またはそれらからなる。
【0095】
いくつかの実施形態において、構築物は、5’末端から3’末端までの、PEBLをコードする核酸配列と、P2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、CARをコードする核酸配列と、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、構築物は、5’末端から3’末端までの、PEBLをコードする核酸配列と、E2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、CARをコードする核酸配列と、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、構築物は、5’末端から3’末端までの、PEBLをコードする核酸配列と、F2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、CARをコードする核酸配列と、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、構築物は、5’末端から3’末端までの、PEBLをコードする核酸配列と、T2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、CARをコードする核酸配列と、を含むか、またはそれらからなる。
【0096】
いくつかの実施形態において、P2Aをコードする核酸配列は、配列番号63に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、P2Aをコードする核酸配列は、配列番号63の核酸を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、E2Aをコードする核酸配列は、配列番号64に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、E2Aをコードする核酸配列は、配列番号64の核酸を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、F2Aをコードする核酸配列は、配列番号65に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、F2Aをコードする核酸配列は、配列番号65の核酸を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、T2Aをコードする核酸配列は、配列番号66に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、T2Aをコードする核酸配列は、配列番号66の核酸を含むか、またはそれからなる。
【0097】
いくつかの実施形態において、PEBLをコードする核酸配列は、CARをコードする核酸配列の5’に配置される(例えば、位置する)。いくつかの実施形態において、CARをコードする核酸配列は、PEBLをコードする核酸配列の5’に配置される。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの:(a1)配列番号4、配列番号63、および配列番号2;(a2)配列番号4、配列番号63、および配列番号3;(a3)配列番号5、配列番号63、および配列番号2;(a4)配列番号5、配列番号63、および配列番号3;(b1)配列番号4、配列番号64、および配列番号2;(b2)配列番号4、配列番号64、および配列番号3;(b3)配列番号5、配列番号64、および配列番号2;(b4)配列番号5、配列番号64、および配列番号3;(c1)配列番号4、配列番号65、および配列番号2;(c2)配列番号4、配列番号65、および配列番号3;(c3)配列番号5、配列番号65、および配列番号2;(c4)配列番号5、配列番号65、および配列番号3;(d1)配列番号4、配列番号66、および配列番号2;(d2)配列番号4、配列番号66、および配列番号3;(d3)配列番号5、配列番号66、および配列番号2;(d4)配列番号5、配列番号66、および配列番号3;(e1)配列番号2、配列番号63、および配列番号4;(e2)配列番号3、配列番号63、および配列番号4;(e3)配列番号2、配列番号63、および配列番号5;(e4)配列番号3、配列番号63、および配列番号5;(f1)配列番号2、配列番号64、および配列番号4;(f2)配列番号3、配列番号64、および配列番号4;(f3)配列番号2、配列番号63、および配列番号5;(f4)配列番号3、配列番号64、および配列番号5;(g1)配列番号2、配列番号65、および配列番号4;(g2)配列番号3、配列番号65、および配列番号4;(g3)配列番号2、配列番号65、および配列番号5;(g4)配列番号3、配列番号65、および配列番号5;(h1)配列番号2、配列番号66、および配列番号4;(h2)配列番号3、配列番号66、および配列番号4;(h3)配列番号2、配列番号66、および配列番号5;または(h4)配列番号3、配列番号66、および配列番号5を含むか、またはそれらからなる。
【0098】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図16の配列、配列番号63、および図18の配列を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図16の配列、配列番号63~66のうちのいずれか1つ、および図19の配列を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図17の配列、配列番号63~66のうちのいずれか1つ、および図18の配列を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図17の配列、配列番号63~66のうちのいずれか1つ、および図19の配列を含むか、またはそれらからなる。
【0099】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図18の配列、配列番号63~66のうちのいずれか1つ、および図16の配列を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図19の配列、配列番号63~66のうちのいずれか1つ、および図16の配列を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図18の配列、配列番号63~66のうちのいずれか1つ、および図17の配列を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図19の配列、配列番号63~66のうちのいずれか1つ、および図17の配列を含むか、またはそれらからなる。
【0100】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号28のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号67のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号24のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図42のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号67のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図38のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号28のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号67のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号26のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図42のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号67のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図40のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号30のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号67のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号24のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図44のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号67のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図38のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号30のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号67のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号26のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図44のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号67のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図40のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号28のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号68のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号24のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図42のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号68のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図38のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号28のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号68のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号26のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図42のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号68のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図40のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号30のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号68のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号24のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図44のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号68のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図38のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号30のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号68のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号26のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図44のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号68のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図40のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号28のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号69のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号24のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図42のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号69のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、および図38のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号28のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号69のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号26のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図42のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号69のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図40のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号30のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号69のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号24のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図44のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号69のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図38のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号30のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号69のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号26のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図44のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号69のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図40のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号28のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号70のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号24のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図42のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号70のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図38のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号28のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号70のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号26のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図42のCD7(TH67)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号70のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図40のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号30のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号70のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号24のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図44のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号70のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図38のCD7(TH67)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、配列番号30のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号70のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、配列番号26のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、バイシストロン性構築物は、5’末端から3’末端までの、図44のCD7(3A1F)CARをコードするポリヌクレオチドと、配列番号70のP2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドと、図40のCD7(3A1F)PEBLをコードするポリヌクレオチドと、を含むか、またはそれらからなる。
【0101】
いくつかの実施形態において、PEBLをコードするポリヌクレオチド配列は、IRES部位の5’(上流)に配置され、IRES部位は、CARをコードするポリヌクレオチド配列の5’に配置される。いくつかの実施形態において、CARをコードするポリヌクレオチド配列は、IRES部位の5’に配置され、IRES部位は、PEBLをコードするポリヌクレオチド配列の5’に配置される。
【0102】
いくつかの実施形態において、PEBLをコードするポリヌクレオチド配列は、リボソームコドンスキッピング部位の5’(上流)に配置され、リボソームコドンスキッピング部位は、CARをコードするポリヌクレオチド配列の5’に配置される。いくつかの実施形態において、CARをコードするポリヌクレオチド配列は、リボソームコドンスキッピング部位の5’に配置され、リボソームコドンスキッピング部位は、PEBLをコードするポリヌクレオチド配列の5’に配置される。
【0103】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるのは、配列番号63、配列番号64、配列番号65、および配列番号66からなる群から選択される1つ以上の核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む組換えバイシストロン性構築物である。いくつかの実施形態において、組換えバイシストロン性構築物は、配列番号63の核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、組換えバイシストロン性構築物は、配列番号64の核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、組換えバイシストロン性構築物は、配列番号65の核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、組換えバイシストロン性構築物は、配列番号66の核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、組換えバイシストロン性構築物は、配列番号63、配列番号64、配列番号65、および配列番号66からなる群から選択されるものの核酸配列を含む。
【表1】

【表2】
【0104】
本発明は、本明細書に記載のポリヌクレオチドのいずれかが挿入されている発現ベクターなどのベクターを提供する。いくつかの実施形態において、ベクターは、レンチウイルスなどのレトロウイルスに由来する。このようなベクターは、外因性ポリヌクレオチド(例えば、導入遺伝子)の長期的で安定した組み込みおよび娘細胞におけるその増殖を可能にするため、長期的な遺伝子導入を達成するための適切なツールである。マウス白血病ウイルスなどの腫瘍レトロウイルスに由来するベクターとは異なり、レンチウイルスベクターは非増殖細胞に形質導入し得る。レンチウイルスベクターも免疫原性が低い。他の実施形態において、ベクターは、アデノウイルスベクターである。特定の実施形態において、ベクターは、プラスミドである。
【0105】
いくつかの実施形態において、プロモーターは、CMVプロモーターに対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、プロモーターは、CMVプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、CMVプロモーターは、配列番号6の配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の構築物のいずれかは、配列番号6のCMVプロモーターを含むか、またはそれからなる。
【0106】
いくつかの実施形態において、プロモーターは、EF1αプロモーターに対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、プロモーターは、EF1αプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、EF1αプロモーターは、配列番号7の配列を含む。いくつかの実施形態において、CMVプロモーターは、配列番号6の配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の構築物のいずれかは、配列番号7のEF1αプロモーターを含むか、またはそれからなる。
【0107】
いくつかの実施形態において、プロモーターは、EFSプロモーターに対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、プロモーターは、EFSプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、EFSプロモーターは、配列番号8の配列を含む。いくつかの実施形態において、CMVプロモーターは、配列番号6の配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の構築物のいずれかは、配列番号8のEFSプロモーターを含むか、またはそれからなる。
【0108】
いくつかの実施形態において、プロモーターは、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)プロモーターに対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、プロモーターは、MSCVプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、MSCVプロモーターは、配列番号9の配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の構築物のいずれかは、配列番号9のMSCVプロモーターを含むか、またはそれからなる。
【0109】
いくつかの実施形態において、プロモーターは、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)に対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、プロモーターは、PGKプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、PGKプロモーターは、配列番号10の配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の構築物のいずれかは、配列番号10のPGKプロモーターを含むか、またはそれからなる。
【0110】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号11の核酸配列を含むか、またはそれからなる。そのような配列の例示的な実施形態が図25に示されている。いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号11の配列に対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。バイシストロン性ベクターは、5’末端から3’末端までの、CD7 PEBLをコードする核酸配列、IRES配列、およびCD7 CARをコードする核酸配列を含む核酸配列、ならびに任意選択的に5’末端における、CMVプロモーター(例えば、配列番号6または図20)、EF1aプロモーター(例えば、配列番号7または図21)、EFSプロモーター(例えば、配列番号8または図22)、MSCVプロモーター(例えば、配列番号9または図23)、およびPGKプロモーター(例えば、配列番号10または図24)からなる群から選択されるプロモーター、を含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号12の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号12の配列に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。そのような配列の例示的な実施形態が図26に示されている。バイシストロン性ベクターは、5’末端から3’末端までの、CD7 CARをコードする核酸配列、IRES配列、およびCD7 PEBLをコードする核酸配列を含む核酸配列、任意選択的に5’末端における、CMVプロモーター、EF1aプロモーター、EFSプロモーター、MSCVプロモーター、およびPGKプロモーターからなる群から選択されるプロモーター、を含む。
【0112】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号13の核酸配列を含む。そのような配列の例示的な実施形態が図27に示されている。いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号13の配列に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。バイシストロン性ベクターは、5’末端から3’末端までの、CD7 CARをコードする核酸配列、P2Aペプチドをコードする核酸配列、およびCD7 PEBLをコードする核酸配列を含む核酸配列、任意選択的に5’末端における、CMVプロモーター、EF1aプロモーター、EFSプロモーター、MSCVプロモーター、およびPGKプロモーターからなる群から選択されるプロモーター、を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号14の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号14の配列に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。バイシストロン性ベクターは、5’末端から3’末端までの、プロモーター、CD7 CARをコードする核酸配列、P2A配列、およびCD7 PEBLをコードする核酸配列、を含む核酸配列を含む。いくつかの例において、バイシストロン性ベクターは、5’末端から3’末端までの、MSCVプロモーター、CD7 CARをコードする核酸配列、P2Aペプチドをコードする核酸配列、およびCD7 PEBLをコードする核酸配列、を含む核酸配列を含む。そのような配列の例示的な実施形態が図28A図28Bに示されている。
【0114】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号15の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号15の配列に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの例において、バイシストロン性ベクターは、5’末端から3’末端までの、EF1αプロモーター、CD7 CARをコードする核酸配列、P2Aペプチドをコードする核酸配列、およびCD7 PEBLをコードする核酸配列、を含む核酸配列を含む。そのような配列の例示的な実施形態が図29A図29Bに示されている。
【0115】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号16の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、バイシストロン性ベクターは、配列番号16の配列に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの例において、バイシストロン性ベクターは、5’末端から3’末端までの、EFSプロモーター、CD7 CARをコードする核酸配列、P2Aペプチドをコードする核酸配列、およびCD7 PEBLをコードする核酸配列、を含む核酸配列を含む。そのような配列の例示的な実施形態が図30A図30Bに示されている。
【0116】
デュアルプロモーターレトロウイルス構築物
T細胞などの細胞においてCARおよびPEBLを同時に発現させるための組換えレトロウイルス構築物(またはベクター)が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、レトロウイルス構築物は、本明細書に記載のCARのいずれかをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーター、および本明細書に記載のPEBLのいずれかをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、CARのプロモーターおよびPEBLのプロモーターは、90%未満の配列同一性、例えば、90%未満の同一性、80%未満の同一性、75%未満の配列同一性、70%未満の配列同一性、65%未満の配列同一性、60%未満の配列同一性、55%未満の配列同一性などを共有する。いくつかの実施形態において、CARのプロモーターおよびPEBLのプロモーターは、80%以下の配列同一性、例えば、80%の同一性、75%の配列同一性、70%の配列同一性、65%の配列同一性、60%の配列同一性、55%の配列同一性などを共有する。いくつかの実施形態において、CARのプロモーターおよびPEBLのプロモーターは、少なくとも50%の配列同一性、例えば、50%の配列同一性、55%の配列同一性、60%の配列同一性、65%の配列同一性、70%の配列同一性、75%の配列同一性、80%の配列同一性。85%の配列同一性、90%の配列同一性、95%の配列同一性、またはそれ以上の配列同一性を共有する。
【0117】
いくつかの実施形態において、CARのプロモーター(第1のプロモーターと呼ばれる)は、PEBLのプロモーター(第2のプロモーターと呼ばれる)とは異なる。第1のプロモーターおよび第2のプロモーターは同じ配列を有することができる。他の例において、第1のプロモーターおよび第2のプロモーターは異なる配列を有する。
【0118】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび/または第2のプロモーターは、CMVプロモーターに対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび/または第2のプロモーターは、CMVプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、CMVプロモーターは、配列番号6の配列を含む。
【0119】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび/または第2のプロモーターは、EF1αプロモーターに対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび/または第2のプロモーターは、EF1αプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、EF1αプロモーターは、配列番号7の配列を含む。
【0120】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび/または第2のプロモーターは、EFSプロモーターに対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび/または第2のプロモーターは、EFSプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、EFSプロモーターは、配列番号8の配列を含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび/または第2のプロモーターは、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)プロモーターに対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび/または第2のプロモーターは、MSCVプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、MSCVプロモーターは、配列番号9の配列を含む。
【0122】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび/または第2のプロモーターは、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーターに対して少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%またはそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターおよび/または第2のプロモーターは、PGKプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、PGKプロモーターは、配列番号10の配列を含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、5’末端から3’末端までのレトロウイルス構築物は、CARをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1のプロモーターおよびPEBLをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された第2のプロモーターを含む。様々な実施形態において、5’から3’までのレトロウイルス構築物は、PEBLをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された第2のプロモーターおよびCARをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1のプロモーターを含む。
【0124】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターは、第2のプロモーターの上流に位置する。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはCMVプロモーターであり、第2のプロモーターはEFSプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはCMVプロモーターであり、第2のプロモーターはEF1αプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはCMVプロモーターであり、第2のプロモーターはPGKプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはCMVプロモーターであり、第2のプロモーターはMSCVプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはCMVプロモーターであり、第2のプロモーターはCMVプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはMSCVプロモーターであり、第2のプロモーターはEFSプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはMSCVプロモーターであり、第2のプロモーターはEF1αプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはMSCVプロモーターであり、第2のプロモーターはPGKプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはMSCVプロモーターであり、第2のプロモーターはCMVプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはMSCVプロモーターであり、第2のプロモーターはMSCVプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはPGKプロモーターであり、第2のプロモーターはEFSプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはPGKプロモーターであり、第2のプロモーターはEF1αプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはPGKプロモーターであり、第2のプロモーターはMSCVプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはPGKプロモーターであり、第2のプロモーターはCMVプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはPGKプロモーターであり、第2のプロモーターはPGKプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはEF1αプロモーターであり、第2のプロモーターはMSCVプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはEF1αプロモーターであり、第2のプロモーターはPGKプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはEF1αプロモーターであり、第2のプロモーターはEFSプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはEF1αプロモーターであり、第2のプロモーターはCMVプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはEF1αプロモーターであり、第2のプロモーターはEF1αプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはEFSプロモーターであり、第2のプロモーターはMSCVプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはEFSプロモーターであり、第2のプロモーターはEF1αプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはEFSプロモーターであり、第2のプロモーターはPGKプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはEFSプロモーターであり、第2のプロモーターはCMVプロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターはEFSプロモーターであり、第2のプロモーターはEFSプロモーターである。
【0125】
いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号17に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上を有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号17の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号18に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上を有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号18の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号19に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上を有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号19の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号20に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上を有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号20の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号21に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上を有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号21の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号22に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上を有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号22の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号23に対して、少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはそれ以上を有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明のレトロウイルス構築物は、配列番号23の核酸配列を含む。
【0126】
CD7に結合する抗体
特定の実施形態において、TH69抗体に基づく抗CD7 scFvは、配列番号32および33にそれぞれ示されるVH配列およびVL配列に対して、各々が少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、可変重鎖(重鎖可変領域またはVH)および可変軽鎖(軽鎖可変領域またはVL)を含む。重鎖可変領域は、配列番号32のVH配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含み得る。軽鎖可変領域は、配列番号33のVL配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含み得る。いくつかの例において、重鎖可変領域は、配列番号32に示される配列において少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)のアミノ酸置換を含む。特定の例において、重鎖可変領域は、配列番号32に示される配列において10個以下のアミノ酸(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)置換を含む。いくつかの例において、軽鎖可変領域は、配列番号33に示される配列において少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)のアミノ酸置換を含む。特定の例において、軽鎖可変領域は、配列番号33に示される配列において10個以下のアミノ酸(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)置換を含む。本明細書に記載のアミノ酸置換のいずれも、同類置換または非同類置換であり得る。
【0127】
いくつかの実施形態において、抗CD7 scFvは、配列番号44(SASQGISNYLN)のVL CDR1、配列番号45(YTSSLHS)のVL CDR2、および配列番号46(QQYSKLPYT)のVL CDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗CD7 scFvは、配列番号47(SYAMS)のVH CDR1、配列番号48(SISSGGFTYYPDSVKG)のVH CDR2、および配列番号49(DEVRGYLDV)のVH CDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗CD7 scFvは、配列番号44のVL CDR1、配列番号45のVL CDR2、配列番号46のVL CDR3、配列番号47のVH CDR1、配列番号48のVH CDR2、および配列番号49のVH CDR3を含む。
【0128】
いくつかの実施形態において、VHをコードする核酸配列は、配列番号38に示される核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含む。他の実施形態において、VLをコードする核酸配列は、配列番号39に示される核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含む。
【0129】
特定の実施形態において、3A1F抗体に基づく抗CD7 scFvは、配列番号34および35にそれぞれ示される配列VHおよびVL配列に対して各々が少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有する配列を有する可変重鎖(重鎖可変領域またはVH)および可変軽鎖(軽鎖可変領域またはVL)を含む。重鎖可変領域は、配列番号34のVH配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含み得る。軽鎖可変領域は、配列番号35のVL配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含み得る。いくつかの例において、重鎖可変領域は、配列番号34に示される配列において少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)のアミノ酸置換を含む。特定の例において、重鎖可変領域は、配列番号34に示される配列において10個以下のアミノ酸(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)置換を含む。場合によっては、軽鎖可変領域は、配列番号35に示される配列において少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、またはそれ以上)のアミノ酸置換を含む。特定の場合において、重鎖可変領域は、配列番号35に示される配列において10個以下のアミノ酸(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個)置換を含む。本明細書に記載のアミノ酸置換はいずれも、同類置換または非同類置換であり得る。
【0130】
いくつかの実施形態において、抗CD7 scFvは、配列番号50のVL CDR1(RASQSISNNLH)、配列番号51のVL CDR2(SASQSIS)、および配列番号52のVL CDR3(QQSNSWPYT)を含む。いくつかの実施形態において、抗CD7 scFvは、配列番号53(SYWMH)のVH CDR1、配列番号54(KINPSNGRTNYNEKFKS)のVH CDR2、および配列番号55(GGVYYDLYYYALDY)のVH CDR3を含む。様々な実施形態において、抗CD7 scFvは、配列番号50のVL CDR1、配列番号51のVL CDR2、配列番号52のVL CDR3、配列番号53のVH CDR1、配列番号54のVH CDR2、および配列番号55のVH CDR3を含む。
【0131】
いくつかの実施形態において、VHをコードする核酸配列は、配列番号40に示される核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含む。他の実施形態において、VLをコードする核酸配列は、配列番号41に示される核酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含む。
【0132】
特定の実施形態において、T3-3A1抗体に基づく抗CD7 scFvは、配列番号36および37にそれぞれ示される配列VHおよびVL配列に対して各々が少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有する配列を有する可変重鎖(重鎖可変領域またはVH)および可変軽鎖(軽鎖可変領域またはVL)を含む。重鎖可変領域は、配列番号36のVH配列に対して、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含み得る。軽鎖可変領域は、配列番号37のVL配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含み得る。いくつかの例において、重鎖可変領域は、配列番号36に示される配列において少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)のアミノ酸置換を含む。特定の例において、重鎖可変領域は、配列番号36に示される配列において13個以下のアミノ酸(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13)置換を含む。場合によっては、軽鎖可変領域は、配列番号37に示される配列において少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)のアミノ酸置換を含む。特定の場合において、重鎖可変領域は、配列番号37に示される配列において5個以下のアミノ酸(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11)置換を含む。本明細書に記載のアミノ酸置換はいずれも、同類置換または非同類置換であり得る。
【0133】
いくつかの実施形態において、抗CD7 scFvは、配列番号56のVL CDR1(RASKSVSASGYSYMH)、配列番号57のVL CDR2(LASNLES)、および配列番号58のVL CDR3(QHSRELPYT)を含む。いくつかの実施形態において、抗CD7 scFvは、配列番号59のVH CDR1(SFGMH)、配列番号60のVH CDR2(YISSGSSTLHYADTVKG)、および配列番号61のVH CDR3(WGNYPHYAMDY)を含む。様々な実施形態において、抗CD7 scFvは、配列番号56のVL CDR1、配列番号57のVL CDR2、配列番号58のVL CDR3、配列番号59のVH CDR1、配列番号60のVH CDR2、および配列番号61のVH CDR3を含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、VHをコードする核酸配列は、配列番号42に示される核酸配列セットに対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含む。他の実施形態において、VLをコードする核酸配列は、配列番号43に示される核酸配列セットに対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含む。
【0135】
いくつかの実施形態において、本発明のscFvは、抗CD7抗体の可変重鎖配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、本発明のscFvは、CD7抗体の可変軽鎖配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含む。例えば、抗CD7抗体は、当業者によって認識されるものであればどれでもよい。
【表3】

【表4】
【0136】
CD7 PEBLを介した細胞内CD7の下方調節
本明細書に記載されるように、T細胞の細胞傷害性は、抗CD7 CARがエフェクターT細胞上のCD7発現の下方調節と組み合わせて使用された場合に著しく増加することが示された。本明細書に示されるように、CD7の下方調節(例えば、排除、減少、および/または再局在化)は、対応する抗CD7 CARによって発揮されるフラトリサイド効果を防ぎ、標的抗原(例えば、CD7)を保持する細胞と比較して、CAR発現後のより大きなT細胞回復、およびT白血病/リンパ腫細胞に対するより効果的な細胞傷害性を可能にする。当業者が理解するように、エフェクターT細胞上のCD7発現の下方調節は、例えば、CD7対するタンパク質発現ブロッカー(PEBL)(WO2016/126213に記載される)、CD7に対するRNAiを含む様々な既知の方法、または、例えば、メガヌクレアーゼ、TALEN、CRISPR/Cas9、ジンクフィンガーヌクレアーゼなどの遺伝子編集方法に従って達成することができる。本発明においては、標的抗原に結合し、標的抗原を細胞の細胞質に隔離するPEBLが記載される。標的抗原が合成され、細胞内でPEBLに結合する。
【0137】
特定の実施形態において、本明細書に提供されるのは、局在化ドメインに連結された標的結合分子(例えば、CD7抗原結合ドメイン)を含むPEBLをコードする核酸配列を含むポリヌクレオチドである。いくつかの例において、PEBLは、N末端からC末端まで、CD7抗原結合ドメイン、任意選択的なドメインリンカー、および細胞局在化ドメインを含む。いくつかの実施形態において、PEBLは、CD7抗原結合ドメインのN末端に融合されたシグナルペプチドをさらに含む。いくつかの実施形態において、CD7抗原結合ドメインは、VLドメイン、ドメインリンカー、およびVHドメインを含む。PEBLの例示的な実施形態は、参照により本明細書に組み込まれるUS2018/0179280の図3Eおよび図17に示されている。
【0138】
本明細書で使用される場合、タンパク質発現ブロッカーの文脈における「連結」は、1つ以上の局在化ドメインをコードする1つ以上の遺伝子に隣接するフレーム内で直接(例えば、リンカーなしで)標的結合分子をコードする遺伝子を指す。あるいは、標的結合分子をコードする遺伝子は、例えば、WO2016/126213に記載されているように、リンカー配列を介して、1つ以上の局在化ドメインをコードする1つ以上の遺伝子に接続され得る。当業者によって理解されるように、そのようなリンカー配列およびそのようなリンカー配列の変異体は、当技術分野で知られている。リンカー配列を組み込む構築物を設計する方法、および機能性を評価する方法は、当業者に容易に利用可能である。
【0139】
いくつかの実施形態において、PEBLの局在化ドメインは、小胞体(ER)またはゴルジ保持配列、またはプロテアソーム局在化配列を含む。特定の実施形態において、局在化ドメインは、表5の小胞体(ER)保持ペプチドを含む。特定の実施形態において、局在化ドメインは、表5に示されるプロテアソーム局在化配列を含む。局在化ドメインは、アプリケーションに応じて、ゴルジもしくは小胞体、プロテアソーム、または細胞膜などの特定の細胞内コンパートメントにPEBLを向けることができる。
【0140】
いくつかの実施形態において、プロテアソーム局在化は、scFv配列を、21(TRIM21)標的化ドメイン配列を含む三者モチーフに連結し、ヒトTRIM21 E3ユビキチンリガーゼタンパク質をコードする配列を共発現することによって達成される。TRIM21は、抗体のFcドメインに高い親和性で結合し、ユビキチン-プロテオソーム複合体を動員して、抗体に結合した分子(例えばタンパク質およびペプチド)を分解することができる。TRIM21標的化ドメイン配列は、IgG1、IgG2、またはIgG4などのヒト免疫グロブリンG(IgG)定常領域(Fc)遺伝子の群から選択されるアミノ酸配列をコードし、scFvおよびFcドメインを含む融合タンパク質を形成するために使用される。この実施形態において、外因的に発現されたTRIM21タンパク質は、標的タンパク質(例えば、CD7)に結合したscFv-Fc融合タンパク質に結合し、分解のために複合体をプロテアソームに向ける。
【0141】
ヒトTRIM21 E3リガーゼタンパク質のアミノ酸配列の詳細は、NCBIタンパク質データベースでは、例えば、NCBI参照配列番号NP_003132.2に見出すことができる。ヒトTRIM21 E3リガーゼタンパク質をコードする核酸配列の詳細については、例えば、NCBIタンパク質データベースにおいて、NCBI参照配列番号NM_003141.3に見出すことができる。
【0142】
いくつかの実施形態において、PEBLはまた、CD8α、CD8β、4-1BB、CD28、CD34、CD4、FcεRIγ、CD16、OX40、CD3ζ、CD3ε、CD3γ、CD3δ、TCRα、CD32、CD64、VEGFR2、FAS、またはFGFR2Bに由来するヒンジドメインおよび膜貫通ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態において、PEBLは、CD8αのヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD8βのヒンジおよび膜貫通ドメイン、4-1BBのヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD28のヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD34のヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD4のヒンジおよび膜貫通ドメイン、FcεRIγのヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD16のヒンジドメインおよび膜貫通ドメイン、OX40のヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD3ζのヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD3εのヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD3γのヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD3δのヒンジおよび膜貫通ドメイン、TCRαのヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD32のヒンジおよび膜貫通ドメイン、CD64のヒンジおよび膜貫通ドメイン、VEGFR2のヒンジおよび膜貫通ドメイン、FASのヒンジおよび膜貫通ドメイン、およびFGFR2Bのヒンジおよび膜貫通ドメインからなる群から選択されるヒンジおよび膜貫通ドメインを含む。
【0143】
特定の実施形態において、PEBLは、表5に示される1つ以上の構成要素を含む。
【表5】
【0144】
いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号32のアミノ酸配列、配列番号33のアミノ酸配列、およびVH-VLリンカーを含むCD7抗原結合ドメインを含む。VH-VLリンカーは、(GS)リンカーであり得、式中、nは、1~6、例えば、1、2、3、4、5、または6の範囲であり得る。一実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号32のアミノ酸配列、配列番号33のアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号32に対して少なくとも90%の配列同一性または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、配列番号33のアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号32のアミノ酸配列、配列番号33に対して少なくとも90%の配列同一性または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、抗CD7タンパク質発現ブロッカーは、配列番号32に対して少なくとも90%の配列同一性または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、配列番号33に対して少なくとも90%の配列同一性または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。
【0145】
いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号34のアミノ酸配列、配列番号35のアミノ酸配列、およびVH-VLリンカーを含むCD7抗原結合ドメインを含む。VH-VLリンカーは、(GS)リンカーであり得、式中、nは、1~6の範囲、例えば、1、2、3、4、5、または6であり得る。一実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号34のアミノ酸配列、配列番号35のアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号34に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、配列番号35のアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号34のアミノ酸配列、配列番号35に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号34に対して少なくとも90%の配列同一性または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、配列番号35に対して少なくとも90%の配列同一性または少なくとも95%の配列を有するアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号36のアミノ酸配列、配列番号37のアミノ酸配列、およびVH-VLリンカーを含むCD7抗原結合ドメインを含む。VH-VLリンカーは、(GS)リンカーであり得、式中、nは、1~5、例えば、1、2、3、4、5、または6の範囲であり得る。一実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号36のアミノ酸配列、配列番号37のアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号36に対して少なくとも90%の配列同一性または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、配列番号37のアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号36のアミノ酸配列、配列番号37に対して少なくとも90%の配列同一性または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号36に対して少なくとも90%の配列同一性または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、配列番号37に対して少なくとも90%の配列同一性または少なくとも95%の配列を有するアミノ酸配列、および配列番号79のアミノ酸配列を含む。
【0147】
いくつかの例において、CD7 PEBLはまた、配列番号72~77に示されるいずれか1つの配列から選択される局在化ドメインを含む。場合によっては、CD7 PEBLはまた、配列番号80に示されるCD8αシグナルペプチドなどであるがこれに限定されないCD8αシグナルペプチドを含む。他の場合において、抗CD7タンパク質発現ブロッカーはまた、配列番号78に示されるCD8αヒンジおよび膜貫通ドメインなどであるがこれらに限定されない、CD8αヒンジおよび膜貫通ドメインを含む。
【0148】
一実施形態において、本明細書に記載のバイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 PEBLは、配列番号24の配列およびN末端にプロリンを含む。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号25の配列を含む。N末端プロリン残基は2A切断から生じる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のバイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 PEBLは、配列番号26の配列およびN末端にプロリンを含む。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号27の配列を含む。
【0149】
いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、CD7 PEBLが配列番号24の配列およびN末端にプロリンまたは配列番号25の配列を含むように、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 PEBLを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、CD7 PEBLが配列番号24の配列およびN末端にプロリンまたは配列番号25の配列を含むように、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 PEBLを含むCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 PEBLを含むCD8+T細胞であり、CD7 PEBLは、配列番号24の配列およびN末端にプロリンまたは配列番号25の配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 PEBLを含むCD3+T細胞であり、CD7 PEBLは、配列番号24の配列およびN末端にプロリンまたは配列番号25の配列を含む。
【0150】
いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、CD7 PEBLが配列番号26の配列およびN末端にプロリンまたは配列番号27の配列を含むように、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 PEBLを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 PEBLを含むCD4+T細胞であり、CD7 PEBLは、配列番号26の配列およびN末端にプロリンまたは配列番号27の配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 PEBLを含むCD8+T細胞であり、CD7 PEBLは、配列番号26の配列およびN末端にプロリンまたは配列番号27の配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 PEBLを含むCD3+T細胞であり、CD7 PEBLは、配列番号26の配列およびN末端にプロリンまたは配列番号27の配列を含む。
【0151】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のデュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 PEBLは、配列番号24の配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のデュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 PEBLは、CD7に結合し、配列番号24に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のデュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 PEBLは、配列番号26の配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のデュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 PEBLは、CD7に結合し、配列番号26に対して少なくとも90%の配列同一性を含む。
【0152】
いくつかの実施形態において、CD7 PEBLをコードするポリヌクレオチドは、表6に示される1つ以上の核酸配列を含む。
【0153】
いくつかの実施形態において、PEBLの抗CD7 scFvのVHドメインは、配列番号38のヌクレオチド配列を含み、PEBLの抗CD7 scFvのVLドメインは、配列番号39のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態において、PEBLの抗CD7 scFvのVHドメインは、配列番号38に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含み、PEBLの抗CD7 scFvのVLドメインは、配列番号39に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、PEBLの抗CD7 scFvのVHドメインは、配列番号38に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含み、PEBLの抗CD7 scFvのVLドメインは、配列番号39に対して、またはそのコドン最適化変異体に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
【0154】
いくつかの実施形態において、PEBLの抗CD7 scFvのVHドメインは、配列番号40のヌクレオチド配列を含み、PEBLの抗CD7 scFvのVLドメインは、配列番号41のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態において、PEBLの抗CD7 scFvのVHドメインは、配列番号40に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含み、PEBLの抗CD7 scFvのVLドメインは、配列番号41に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、PEBLの抗CD7 scFvのVHドメインは、配列番号40に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含み、PEBLの抗CD7 scFvのVLドメインは、配列番号41に対して、またはそのコドン最適化変異体に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、PEBLの抗CD7 scFvのVHドメインは、配列番号42のヌクレオチド配列を含み、PEBLの抗CD7 scFvのVLドメインは、配列番号43のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態において、PEBLの抗CD7 scFvのVHドメインは、配列番号42に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含み、PEBLの抗CD7 scFvのVLドメインは、配列番号43に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、PEBLの抗CD7 scFvのVHドメインは、配列番号42に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含み、PEBLの抗CD7 scFvのVLドメインは、配列番号43に対して、またはそのコドン最適化変異体に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
【表6】
【0156】
本発明の特定の態様において、PEBLは、糖タンパク質のCD1ファミリーのメンバー、CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD25、CD28、CD30、CD38、CD45、CD45RA、CD45RO、CD52、CD56、CD57、CD99、CD127、およびCD137を含むがこれらに限定されない細胞の表面で発現される分子に結合することができる。
【0157】
いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号2に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含み、CD7に結合する。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号2に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含み、CD7に結合する。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号2に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0158】
いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号3に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含み、CD7に結合する。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号3に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含み、CD7に結合する。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号3に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0159】
いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、配列番号2に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性構築物によってコードされるCD7 PEBLを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号2に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性ベクター構築物によってコードされるCD7 PEBLを含むCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号2に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性構築物によってコードされるCD7 PEBLを含むCD8+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号2に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性構築物によってコードされるCD7 PEBLを含むCD3+T細胞である。また、そのような細胞を含む集団も本明細書に提供される。
【0160】
いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、配列番号3に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性構築物によってコードされるCD7 PEBLを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号3に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性ベクター構築物によってコードされるCD7 PEBLを含むCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号3に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性構築物によってコードされるCD7 PEBLを含むCD8+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号3に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性構築物によってコードされるCD7 PEBLを含むCD3+T細胞である。また、そのような細胞を含む集団も本明細書に提供される。
【0161】
CD7に結合するキメラ抗原受容体
いくつかの実施形態において、本発明のCARは、4-1BBおよびCD3ζの細胞内シグナル伝達ドメイン、ならびにCD7に特異的に結合する抗原結合ドメイン(例えば、一本鎖可変フラグメントまたはscFv)を含む。本発明のCD7 CARは、本明細書では「抗CD7-41BB-CD3ζ」と呼ばれることがある。いくつかの実施形態において、CARはまた、配列番号84のアミノ酸配列などであるがこれに限定されない、CD8αヒンジドメインおよび膜貫通ドメインも含む。
【0162】
当業者が理解するように、特定の実施形態において、様々な成分のアミノ酸配列(例えば、scFv、細胞内シグナル伝達ドメイン、リンカー、およびそれらの組み合わせ)のいずれかが、本明細書に開示される特定の対応する配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有し得る。例えば、特定の実施形態において、細胞内シグナル伝達ドメイン4-1BBは、所望の機能を有する限り、配列番号85に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有し得る。特定の実施形態において、4-1BBの細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号85に示されるアミノ酸配列を含む。
【0163】
別の例として、特定の実施形態において、細胞内シグナル伝達ドメイン4-1BBは、CD28、OX40、ICOS、CD27、GITR、HVEM、TIM1、LFA1、またはCD2などの共刺激分子からの別の細胞内シグナル伝達ドメインに置き換えられ得る。いくつかの実施形態において、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28、OX40、ICOS、CD27、GITR、HVEM、TIM1、LFA1、またはCD2の細胞内シグナル伝達ドメインに対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有し得る。
【0164】
別の例として、特定の例において、4-1BBの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28、OX40、ICOS、CD27、GITR、HVEM、TIM1、LFA1、またはCD2などの共刺激分子からの別の細胞内シグナル伝達ドメイン(またはその一部)も含み得る。いくつかの実施形態において、追加の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28、OX40、ICOS、CD27、GITR、HVEM、TIM1、LFA1、またはCD2の細胞内シグナル伝達ドメインに対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有し得る。他の実施形態において、追加の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28、OX40、ICOS、CD27、GITR、HVEM、TIM1、LFA1、またはCD2の1つ以上の細胞内シグナル伝達ドメインフラグメントに対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含む。
【0165】
別の例として、特定の実施形態において、細胞内シグナル伝達ドメインCD3ζは、所望の機能を有する限り、配列番号86に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有し得る。特定の実施形態において、CD3ζの細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号86に示されるアミノ酸配列を含む。
【0166】
いくつかの例において、細胞内シグナル伝達ドメインは、所望の機能を有する限り、免疫受容体チロシン系活性化モチーフ(ITAM)またはその一部を含む。CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、ITAMに対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有する配列を含み得る。特定の実施形態において、細胞内シグナル伝達ドメインは、所望の機能を有する限り、FcεRIγ、CD4、CD7、CD8、CD28、OX40、またはH2-Kbに対して少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有し得る。
【0167】
特定の実施形態において、抗CD7 CARは、ヒンジドメインおよび/または膜貫通ドメインをさらに含む。本発明での使用に適したヒンジおよび膜貫通ドメインは当該技術分野で知られており、例えば、参照によりその全体が組み込まれる刊行物WO2016/126213において提供されている。いくつかの実施形態において、抗CD7 CARのヒンジおよび膜貫通ドメインは、CD8β、4-1BB、CD28、CD34、CD4、FcεRIγ、CD16、OX40、CD3ζ、CD3ε、CD3γ、CD3δ、TCRα、CD32、CD64、VEGFR2、FAS、FGFR2B、または別の膜貫通タンパク質からのシグナル伝達ドメイン(例えば、ヒンジおよび膜貫通ドメイン)を含む。
【0168】
特定の実施形態において、抗CD7 CARは、CD8αシグナルペプチドをさらに含む。本明細書に記載の実施形態を含む抗CD7 CARの概略図は、US2018/0179280の図17に示されている。
【0169】
いくつかの実施形態において、キメラ抗原受容体(CAR)は、糖タンパク質のCD1ファミリーのメンバー、CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD25、CD28、CD30、CD38、CD45、CD45RA、CD45RO、CD52、CD56、CD57、CD99、CD127、およびCD137を含むがこれらに限定されない、細胞の表面上で発現される分子に結合され得る。
【0170】
特定の実施形態において、本発明の分離されたポリヌクレオチドは、表7によるCARをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、表7によるCARの構成要素をコードする核酸配列を含む。
【表7】
【0171】
いくつかの実施形態において、CD7 CARは、CD7抗原結合ドメイン、4-1BB細胞内シグナル伝達ドメイン、CD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン、ならびにCD8ヒンジおよび膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD7抗原結合ドメインは、VHドメインおよびVLドメイン、ならびに(GS)リンカーなどであるがこれらに限定されないVH-VLリンカーを含み、式中、nは、1~6、例えば、1、2、3、4、5、または6の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、CD7 CARは、N末端からC末端まで、CD8シグナルペプチド、CD7抗原結合ドメイン、CD8ヒンジおよび膜貫通ドメイン、4-1BB細胞内シグナル伝達ドメイン、およびCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインを含む。
【0172】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のバイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARは、配列番号28のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のバイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARは、配列番号29のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のバイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARは、配列番号30のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のバイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARは、配列番号31のアミノ酸配列を含む。本発明のCD7 CARの例示的な実施形態は、図42~45に示されている。
【0173】
いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARを含み、その結果、CD7 CARは、配列番号28の配列、および2A自己切断ペプチドの切断によって生成されるN末端での追加のアミノ酸残基を含むか、またはCD7 CARは、配列番号29の配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD4+T細胞であり、その結果、CD7 CARは、配列番号28の配列、および2A自己切断ペプチドの切断によって生成されるN末端での追加のアミノ酸残基を含むか、またはCD7 CARは、配列番号29の配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD8+T細胞であり、その結果、CD7 CARは、配列番号28の配列、および2A自己切断ペプチドの切断によって生成されるN末端での追加のアミノ酸残基を含むか、またはCD7 CARは、配列番号29の配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD3+T細胞であり、その結果、CD7 CARは、配列番号28の配列、および2A自己切断ペプチドの切断によって生成されるN末端での追加のアミノ酸残基を含むか、またはCD7 CARは、配列番号29の配列を含む。また、そのような細胞を含む集団が本明細書で提供される。
【0174】
いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARを含み、その結果、CD7 CARは、配列番号30の配列、および2A自己切断ペプチドの切断によって生成されるN末端での追加のアミノ酸残基を含むか、またはCD7 CARは、配列番号31の配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD4+T細胞であり、その結果、CD7 CARは、配列番号30の配列、および2A自己切断ペプチドの切断によって生成されるN末端での追加のアミノ酸残基を含むか、またはCD7 CARは、配列番号31の配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD8+T細胞であり、その結果、CD7 CARは、配列番号30の配列、および2A自己切断ペプチドの切断によって生成されるN末端での追加のアミノ酸残基を含むか、またはCD7 CARは、配列番号31の配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、バイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD3+T細胞であり、その結果、CD7 CARは、配列番号30の配列、および2A自己切断ペプチドの切断によって生成されるN末端での追加のアミノ酸残基を含むか、またはCD7 CARは、配列番号31の配列を含む。また、そのような細胞の集団が本明細書で提供される。
【0175】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のデュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 CARは、配列番号28のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、CD7 CARが配列番号28の配列を含むように、デュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、CD7 CARが配列番号28の配列を含むように、デュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、CD7 CARが配列番号28の配列を含むように、デュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD8+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、CD7 CARが配列番号28の配列を含むように、デュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD3+T細胞である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のバイシストロン性ベクターによってコードされるCD7 CARは、配列番号30のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、CD7 CARが配列番号30の配列を含むように、デュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、CD7 CARが配列番号30の配列を含むように、デュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、CD7 CARが配列番号30の配列を含むように、デュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD8+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、CD7 CARが配列番号30の配列を含むように、デュアルプロモーターベクターによってコードされるCD7 CARを含むCD3+T細胞である。また、そのような細胞の集団が本明細書で提供される。
【0176】
特定の実施形態において、本発明のCD7 CARの分離されたポリヌクレオチドは、表8の1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸配列は、表8に示されるように、CARの1つ以上の構成要素をコードする配列を含む。
【表8】
【0177】
いくつかの実施形態において、CD7 CARをコードするポリヌクレオチドは、CD7に結合する抗原結合ドメインの核酸配列、CD8αヒンジおよび膜貫通ドメインの核酸配列、4-1BBの細胞内シグナル伝達ドメインの核酸配列、およびCD3ζの細胞内シグナル伝達ドメインを含む。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドはまた、CD8シグナルペプチドの核酸配列を含む。
【0178】
特定の実施形態において、抗原結合ドメインは、抗CD7 scFvである。いくつかの実施形態において、scFvのVH配列は、配列番号38の配列に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有する核酸配列を含み、VL配列は、配列番号39の配列に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有する核酸配列を含む。
【0179】
いくつかの実施形態において、scFvのVH配列は、配列番号40の配列に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有する核酸配列を含み、VL配列は、配列番号41の配列に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、scFvのVH配列は、配列番号42の配列に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有する核酸配列を含み、VL配列は、配列番号43の配列に対して少なくとも90%の配列同一性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性)を有する核酸配列を含む。
【0180】
いくつかの実施形態において、CD7 CARをコードするポリヌクレオチドは、5’末端から3’末端まで、CD7に結合する抗原結合ドメインの核酸配列、配列番号96、配列番号97、および配列番号98を含む。いくつかの実施形態において、CD7 CARをコードするポリヌクレオチドは、5’末端から3’末端まで、配列番号81、CD7に結合する抗原結合ドメインの核酸配列、配列番号96、配列番号97、および配列番号98を含む。
【0181】
いくつかの実施形態において、CD7 CARは、配列番号4に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含み、CD7に結合する。いくつかの実施形態において、CD7 CARは、配列番号3に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含み、CD7に結合する。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号4に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0182】
いくつかの実施形態において、CD7 CARは、配列番号5に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含み、CD7に結合する。いくつかの実施形態において、CD7 CARは、配列番号3に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を含み、CD7に結合する。いくつかの実施形態において、CD7 PEBLは、配列番号5に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0183】
いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、配列番号4に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上)の配列同一性を有するCD7 CARの核酸配列を含むバイシストロン性構築物またはデュアルプロモーター構築物によってコードされるCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号4に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性ベクター構築物またはデュアルプロモーター構築物によってコードされるCD7 CARを含むCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号4に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性構築物によってコードされるCD7 PEBLを含むCD8+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号4に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性構築物によってコードされるCD7 PEBLを含むCD3+T細胞である。また、そのような細胞を含む集団も本明細書に提供される。
【0184】
いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、配列番号5に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上)の配列同一性を有するCD7 CARの核酸配列を含むバイシストロン性構築物またはデュアルプロモーター構築物によってコードされるCD7 CARを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号5に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性ベクター構築物によってコードされるCD7 CARを含むCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号5に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性構築物によってコードされるCD7 PEBLを含むCD8+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号5に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLの核酸配列を含むバイシストロン性構築物によってコードされるCD7 PEBLを含むCD3+T細胞である。また、そのような細胞を含む集団も本明細書に提供される。
【0185】
バイシストロン性ベクターを発現する操作された免疫細胞
特定の実施形態において、バイシストロン性構築物を含む操作された免疫細胞であって、本明細書に例示されるように、(i)キメラ抗原受容体(CAR)をコードするポリヌクレオチドであって、CARが、4-1BBおよびCD3ζの細胞内シグナル伝達ドメイン、ならびにCD7に特異的に結合する抗原結合ドメインを含む、ポリヌクレオチドと、(ii)局在化ドメインに連結された標的結合分子をコードするポリヌクレオチドであって、標的結合分子がCD7に結合する抗原結合ドメインであり、局在化ドメインが小胞体保留配列を含む、ポリヌクレオチドと、(iii)2A自己切断ペプチドまたはIRES配列をコードする核酸配列と、を含む、免疫細胞が提供される。
【0186】
特定の実施形態において、CARとの関連で、ならびにCD7に対する抗原結合ドメインとの関連で、CD7に結合する抗原結合ドメインは、配列番号32に示されるVH配列および配列番号33に示されるVL配列、配列番号34に示されるVH配列および配列番号35に示されるVL配列、または配列番号36に示されるVH配列および配列番号37に示されるVL配列を含む。本明細書に記載されるように、特定の実施形態において、抗原結合ドメインは、それぞれ配列番号32および33、それぞれ配列番号34および35、またはそれぞれ配列番号36および37に示されるVHおよびVL配列に対して、各々が少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を含む配列を有するVHおよびVLを含む。特定の実施形態において、CARとの関連でCD7に結合する抗原結合ドメインは、本明細書に記載されるように、標的結合分子(タンパク質発現ブロッカーまたはPEBL)との関連でCD7に結合する抗体とは異なり得る。
【0187】
いくつかの実施形態において、核酸構築物を含むバイシストロン性構築物を含む操作された免疫細胞は、5’末端から3’末端までの、局在化ドメインに連結された標的結合分子をコードするポリヌクレオチド(例えば、CD7 PEBL)であって、標的結合分子がCD7に結合する、ポリヌクレオチドと、IRES配列と、およびCD7に対するキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド(例えば、CD7 CAR)と、を含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号11を含む核酸構築物を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるのは、配列番号11を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。他の実施形態において、本明細書で提供されるのは、配列番号11を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるのは、配列番号11を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0188】
いくつかの実施形態において、核酸構築物を含むバイシストロン性構築物を含む操作された免疫細胞は、5’末端から3’末端までの、CD7に対するキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドと、IRES配列と、局在化ドメインに連結された標的結合分子をコードするポリヌクレオチドであって、標的結合分子がCD7に結合する、ポリヌクレオチド(例えば、CD7に対するPEBL)と、を含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号12または図26に示される配列を含む核酸構築物を含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号12または図26に示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号12または図26に示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号12または図26に示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0189】
いくつかの実施形態において、核酸構築物を含むバイシストロン性構築物を含む操作された免疫細胞は、5’末端から3’末端までの、CD7に対するキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド(例えば、CD7 CAR)と、2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、標的結合分子がCD7に結合する局在化ドメインに連結された標的結合分子をコードするポリヌクレオチド(例えば、CD7 PEBL)と、を含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号13または図27に示される配列を含む核酸構築物を含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号13または図27に示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号13または図27に示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号13または図27に示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0190】
いくつかの実施形態において、核酸構築物を含むバイシストロン性構築物を含む操作された免疫細胞は、5’末端から3’末端までの、局在化ドメインに連結された標的結合分子をコードするポリヌクレオチドであって、標的結合分子がCD7に結合する、ポリヌクレオチドと、2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、CD7に対するキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドと、を含む。
【0191】
いくつかの実施形態において、核酸構築物を含むバイシストロン性構築物を含む操作された免疫細胞は、5’末端から3’末端までの、プロモーターと、CD7に対するキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド(例えば、CD7 CAR)と、2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、局在化ドメインに連結された標的結合分子をコードするポリヌクレオチドであって、標的結合分子がCD7に結合する、ポリヌクレオチド(例えば、CD7 PEBL)と、を含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号14~16の核酸配列のうちのいずれか1つに対して少なくとも85%の配列同一性を含む核酸構築物を含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号14~16の核酸配列のうちのいずれか1つを含む核酸構築物を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号14に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を含む核酸構築物を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号15に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を含む核酸構築物を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号16に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を含む核酸構築物を含む。
【0192】
いくつかの実施形態において、核酸構築物を含むバイシストロン性構築物を含む操作された免疫細胞は、5’末端から3’末端までの、プロモーターと、CD7に対するキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドと、2A自己切断ペプチドをコードする核酸配列と、局在化ドメインに連結された標的結合分子をコードするポリヌクレオチドであって、標的結合分子がCD7に結合する、ポリヌクレオチドと、を含む。いくつかの例において、プロモーターは、MSCVプロモーター、PGKプロモーター、EF1αプロモーター、およびEFSプロモーターから選択される。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号14または図28A~28Bに示される配列を含むポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号14または図28A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号14または図28A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号14または図28A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0193】
いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号15を含むポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号15または図29A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号15または図29A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号15または図29A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号15または図29A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0194】
いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号16または図30A~Bに示される配列を含むポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号16または図30A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号16または図30A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号16または図30A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0195】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の操作された免疫細胞またはその集団は、少なくとも10%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも15%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも20%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも25%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも30%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも35%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも40%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも45%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも50%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも55%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも60%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも65%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも70%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも75%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも80%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも85%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも90%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも95%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも96%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも97%のCD7 CAR+ /CD7陰性T細胞、少なくとも98%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも99%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、または100%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に概説される操作された免疫細胞は、実質的に精製されたCD7 CAR/CD7陰性T細胞の集団を含み、そのような細胞は、記載されたバイシストロン性構築物のうちのいずれか1つを発現する。
【0196】
デュアルプロモーターベクターを発現する操作された免疫細胞
いくつかの実施形態において、(a)本明細書に記載のCARのうちのいずれかをコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1のプロモーターと、(b)本明細書に記載のPEBLのうちのいずれかをコードする第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第2のプロモーターと、を含む組換えレトロウイルスベクターを含む操作された免疫細胞が提供される。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、CAR発現を駆動するプロモーターおよびPEBL発現を駆動する別のプロモーターを含む、本明細書に記載の組換えレトロウイルスベクターのうちのいずれかを含む。
【0197】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号17に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む組換えレトロウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号18に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む組換えレトロウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号19に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む組換えレトロウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号20に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む組換えレトロウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号21に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む組換えレトロウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号22に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む組換えレトロウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号23に対して少なくとも85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の配列同一性を有する核酸配列を含む組換えレトロウイルスベクターを含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、操作されたCD4+T細胞またはその集団またはそれを含む集団である。いくつかの例において、操作された免疫細胞は、操作されたCD8+T細胞またはその集団またはそれを含む集団である。
【0198】
いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号17または図31A~Bに示される配列を含むポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号17または図31A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号17または図31A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号17または図31A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0199】
いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号18を含むポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号18または図32A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号18または図32A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号18または図32A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0200】
いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号19または図33A~Bに示される配列を含むポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号19または図33A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号19または図33A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号19または図33A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0201】
いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号20または図34A~Bに示される配列を含むポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号20または図34A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号20または図34A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号20または図34A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0202】
いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号21または図35A~Bに示される配列を含むポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号21または図35A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号21または図35A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号21または図35A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0203】
いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号22または図36A~Bに示される配列を含むポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号22または図36A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号22または図36A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号22または図36A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0204】
いくつかの例において、操作された免疫細胞は、配列番号23または図37A~Bに示される配列を含むポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号23または図37A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD4+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号23または図37A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD8+T細胞またはその集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、配列番号23または図37A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む、操作されたCD3+T細胞またはその集団である。
【0205】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の操作された免疫細胞またはその集団は、少なくとも10%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも15%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも20%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも25%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも30%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも35%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも40%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも45%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも50%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも55%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも60%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも65%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも70%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも75%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも80%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも85%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも90%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも95%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも96%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも97%のCD7 CAR+ /CD7陰性T細胞、少なくとも98%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、少なくとも99%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞、または100%のCD7 CAR+/CD7陰性T細胞を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に概説される操作された免疫細胞は、実質的に精製されたCD7 CAR/CD7陰性T細胞の集団を含み、そのような細胞は、記載されたデュアルプロモーター構築物のうちのいずれか1つを発現する。
【0206】
内因性CD7の発現が減少したCD7 CAR+操作された免疫細胞
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の操作された免疫細胞は、CD7 CARを発現し、操作されていない免疫細胞と比較して、内因性CD7発現が減少しているか、または全くない。このような操作された免疫細胞は、免疫細胞の表面でCD7の内因性発現を最小化または排除するCD7 PEBLを発現する。いくつかの実施形態において、CD7の発現の減少は、細胞による表面CD7の下方調節または部分的な下方調節を指す。場合によっては、発現低下には、野生型または非操作細胞の発現レベルと比較して、発現レベルにおいて少なくとも5%(例えば、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、24%、25%、28%、40%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)の減少が含まれる。いくつかの実施形態において、本明細書に概説される操作された免疫細胞は、実質的に精製されたCD7 CAR/CD7陰性T細胞の集団を含む。
【0207】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される操作された免疫細胞は、配列番号24に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを発現する。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号25に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを発現する。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号26に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを発現する。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号27に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを発現する。
【0208】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される操作された免疫細胞は、配列番号28に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号29に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号30に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号31に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。
【0209】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の操作された免疫細胞は、配列番号24に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLおよび配列番号28に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の操作された免疫細胞は、配列番号24に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLおよび配列番号30に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。
【0210】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号25に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを発現し、配列番号29に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号25に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを発現し、配列番号31に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。
【0211】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号26に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLおよび配列番号28に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号26に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLおよび配列番号30に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。
【0212】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号27に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを発現し、配列番号29に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、配列番号27に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 PEBLを発現し、配列番号31に対して少なくとも90%の配列同一性を有するCD7 CARを発現する。
【0213】
特定の実施形態において、操作された免疫細胞は、操作されたT細胞、操作されたナチュラルキラー(NK)細胞、操作されたNK/T細胞、操作された単球、操作されたマクロファージ、または操作された樹状細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、操作されたCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、操作されたCD8+T細胞である。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、操作されたCD3+T細胞である。本明細書に記載の操作された細胞のいずれか1つの集団も提供される。
【0214】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、少なくとも約50%(例えば、約50%、55%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、73%、75%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%85%、86%、87%、88%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)のCD7 CAR陽性細胞、内因性CD7陰性細胞を含む操作された免疫細胞(例えば、CD3+T細胞、CD4+T細胞、またはCD8+T細胞)の集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、少なくとも約50%(例えば、約50%、55%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、73%、75%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)のCD7 CAR陽性細胞、内因性CD7陰性CD4+T細胞を含む操作された免疫細胞の集団である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、少なくとも約50%(例えば、約50%、55%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、71%、73%、75%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)のCD7 CAR陽性細胞、内因性CD7陰性CD8+T細胞を含む操作された免疫細胞の集団である。このような細胞の集団は、末梢血単核細胞(PBMC)、精製CD4+T細胞、精製CD8+T細胞、または精製CD4+T細胞および精製CD8+T細胞を含む集団から産生され得る。
【0215】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の操作された免疫細胞は、内因性CD7の発現が減少した高純度のCD7 CAR-T細胞の集団を生成するために培養される。純度のレベルは、少なくとも約75%(例えば、約75%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、90%、91%、92%、94%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)の、CD7の表面発現のないCD7 CAR-T細胞であり得る。発現レベルCD7は、免疫細胞化学、フローサイトメトリー、およびFACS分析を含むがこれらに限定されない、当業者に知られている標準的な方法に従って決定され得る。
【0216】
いくつかの実施形態において、本発明の操作された免疫細胞は、CD45RO+細胞を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、CCR7陰性細胞を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、セントラルメモリーT細胞を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、エフェクターメモリーT細胞を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、エフェクターT細胞を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、ナイーブT細胞を含む。
【0217】
いくつかの例において、操作された免疫細胞の集団は、エフェクターメモリーT細胞、セントラルメモリーT細胞、エフェクターT細胞、およびナイーブT細胞を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞の集団は、エフェクターT細胞およびナイーブT細胞よりも高い割合のエフェクターメモリーT細胞およびセントラルメモリーT細胞を含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞の集団は、約40%以上のエフェクターメモリーT細胞を含む。
【0218】
いくつかの例において、操作された免疫細胞の集団は、PD1陰性細胞を含む。いくつかの例において、操作された免疫細胞の集団は、TIM-1陰性細胞を含む。いくつかの実施形態において、集団は、約60%以上のPD1陰性細胞、TIM-1陰性細胞を含む。いくつかの実施形態において、集団は、約4%~約20%のPD1陽性細胞、TIM-1陽性細胞を含む。
【0219】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、免疫応答を生成し、インターフェロン-γを分泌する。操作された免疫細胞は、CD7発現癌細胞などの癌細胞に応答してT細胞媒介性細胞傷害性を誘導する。
【0220】
いくつかの実施形態において、バイシストロン性発現ベクターを含む本明細書に記載の細胞は、CD7 CAR+/CD7-陰性T細胞の集団を生成するために使用され得る。CD7 CAR+/CD7-陰性T細胞は、時間の経過とともに増殖および濃縮され得る。CD7 CAR+/CD7-陰性T細胞は、バルクPBMC、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む精製T細胞、ならびに精製CD3+T細胞を含むがこれらに限定されない細胞から生成され得る。CD7 CAR+/CD7-陰性T細胞は、TEM細胞、TCM細胞、Teff細胞、ナイーブT細胞を含むT細胞の様々なサブセットを産生するために使用され得る。
【0221】
別の態様において、本明細書に記載の実施形態のいずれかを有する操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、および操作されたCD8+T細胞)を産生するための方法も提供され、この方法は、本発明のバイシストロン性構築物またはデュアルプロモーター構築物のいずれかを免疫細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、療法として操作された免疫細胞を受け取る対象から得られた免疫細胞に由来する。いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、ドナーから得られた免疫細胞に由来し、得られた操作された免疫細胞は、療法として対象に投与される。
【0222】
様々な態様において、本明細書に記載の操作された免疫細胞を産生するためのキットも提供される。本キットは、例えば、抗CD7 CAR媒介性細胞傷害性活性を有する同種異系または自己T細胞を産生するために使用され得る。いくつかの実施形態において、キットは、抗CD7 CAR媒介性細胞傷害性活性を有する同種異系エフェクターT細胞を産生するために有用である。特定の実施形態において、キットは、抗CD7 CAR媒介性細胞傷害性活性を有する自己エフェクターT細胞を産生するために有用である。
【0223】
したがって、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載のバイシストロン性構築物またはデュアルプロモーター構築物のいずれか1つを含むキットである。
【0224】
特定の実施形態において、バイシストロン性構築物は、例えば、クローニングおよび/または発現を可能にする配列(例えば、プラスミドまたはベクター配列)をさらに含む。例えば、ヌクレオチド配列は、例えば、トランスフェクション、形質導入、または細胞(免疫細胞)へのエレクトロポレーションのために、他のプラスミドおよび/またはベクター(発現ベクターまたはウイルス発現ベクター)へのクローニングを容易にするためのプラスミドの一部として提供され得る。
【0225】
典型的には、キットは使いやすさのために区画化されており、試薬が入った1つ以上の容器を含むことができる。特定の実施形態において、キットの構成要素はすべて一緒に包装される。あるいは、キットの1つ以上の個別の構成要素を、他のキットの構成要素とは別のパッケージで提供できる。キットには、キットの構成要素を使用するための指示も含まれ得る。
【0226】
操作された免疫細胞の投与
他の態様において、本明細書に記載の実施形態のいずれかを有する治療量の操作された免疫細胞を対象に投与し、それによってそれを必要とする対象の癌を治療することを含む、それを必要とする対象の癌を治療する方法も提供される。
【0227】
特定の実施形態において、この方法は、CARをコードする核酸配列を含むポリヌクレオチドおよびPEBLをコードする核酸配列を含むポリヌクレオチドを含むバイシストロン性ウイルス構築物を含む治療量の操作された免疫細胞を投与することを含む。様々な実施形態において、この方法は、(a)本明細書に概説されるCD7キメラ抗原受容体(CD7 CAR)をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1のプロモーターと、(b)本明細書に概説されるCD7タンパク質発現ブロッカー(CD7 PEBL)をコードする第2のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第2のプロモーターと、を含む組換えレトロウイルスベクターを含む、本明細書に記載の操作された免疫細胞のいずれか1つの治療量を投与することを含む。
【0228】
いくつかの実施形態において、配列番号11または図25に示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号12または図26に示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号13または図27に示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号14または図28A~28Bに示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号15または図29A~29Bに示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号16または図30A~30Bに示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号17または図31A~31Bに示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号18または図32A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号19または図33A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号20または図34A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号21または図35A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含む治療量の操作された免疫細胞またはその集団(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、もしくは操作されたCD8+T細胞)または配列番号22または図36A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含むその集団が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)または配列番号23または図37A~Bに示される配列を含む核酸構築物を含むその集団が、癌を有する対象に投与される。
【0229】
いくつかの実施形態において、配列番号25のCD7 PEBLを含む治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)の集団が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号27のCD7 PEBLを含む治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)の集団が、癌を有する対象に投与される。
【0230】
いくつかの実施形態において、配列番号29のCD7 CARを含む治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)の集団が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号31のCD7 CARを含む治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)の集団が、癌を有する対象に投与される。
【0231】
いくつかの実施形態において、配列番号25のCD7 PEBLおよび配列番号29のCD7 CARを含む、治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)の集団が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号27のCD7 PEBLおよび配列番号29のCD7 CARを含む、治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)の集団が、癌を有する対象に投与される。
【0232】
いくつかの実施形態において、配列番号25のCD7 PEBLおよび配列番号31のCD7 CARを含む、治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)の集団が、癌を有する対象に投与される。いくつかの実施形態において、配列番号27のCD7 PEBLおよび配列番号31のCD7 CARを含む、治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)の集団が、癌を有する対象に投与される。
【0233】
いくつかの実施形態において、治療量の操作された免疫細胞(例えば、操作されたCD3+T細胞、操作されたCD4+T細胞、または操作されたCD8+T細胞)の集団が、癌を有する対象に投与され、操作された免疫細胞は、配列番号95を含む。
【0234】
特定の実施形態において、癌は、T細胞悪性腫瘍、例えば、T細胞白血病またはT細胞リンパ腫、例えば、T細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞性前リンパ球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、腸管症型T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、原発性皮膚ガンマデルタT細胞リンパ腫、特に明記されていない末梢性T細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫である。特定の実施形態において、T細胞悪性腫瘍は、初期T細胞前駆細胞急性リンパ芽球性白血病(ETP-ALL)である。
【0235】
いくつかの実施形態において、操作された免疫細胞は、治療、例えば、癌治療を必要とする対象に対して自己由来である。他の実施形態において、操作された免疫細胞は、治療を必要とする対象に対して同種異系である。
【0236】
特定の実施形態において、操作された免疫細胞は、静脈内注入、動脈内注入、腫瘍への直接注射および/または手術後の腫瘍母地の灌流、人工スキャフォールドにおける腫瘍部位での移植、髄腔内投与、ならびに眼内投与によって対象に投与される。
【0237】
特定の実施形態において、操作された免疫細胞は、対象への注入によって投与される。免疫細胞(例えば、同種異系または自己免疫細胞)を注入する方法は、当技術分野で知られている。病気の症状を改善するために、十分な数の細胞がレシピエントに投与される。典型的には、10~1010個の細胞の投与量、例えば、10個の細胞の投与量が、で1回の設定で注入される。注入は、1回の10個の細胞用量として、または数回に分けた10個の細胞の投与量として投与される。注入の頻度は、毎日、2~30日ごと、または必要に応じて、または必要ならばより長い間隔にすることができる。注入の量は、一般に、対象ごとに少なくとも1回の注入であり、好ましくは、許容されるように、または疾患の症状が改善されるまで、少なくとも3回の注入である。細胞は、50~250ml/時間の速度で静脈内に注入することができる。他の適切な投与様式には、動脈内注入、腹腔内注入、腫瘍への直接注射および/または手術後の腫瘍床の灌流、人工足場の腫瘍部位への移植、髄腔内投与が含まれる。本発明をそのような送達様式に適合させる方法は、当業者に容易に利用可能である。
【0238】
特定の実施形態において、本発明による癌を治療する方法は、少なくとも1つの他の既知の癌療法、例えば、放射線療法、化学療法、または他の免疫療法と組み合わされる。
【0239】
また、他の態様において、提供されるのは、癌を治療するための本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかを有する操作された免疫細胞の使用であって、治療量の操作された免疫細胞を癌の治療を必要とする対象に投与することを含む、使用である。特定の実施形態において、癌はT細胞悪性腫瘍である。特定の実施形態において、T細胞悪性腫瘍は、初期T細胞前駆細胞急性リンパ芽球性白血病(ETP-ALL)である。
【0240】
特定の実施形態において、操作された免疫細胞は、静脈内注入、動脈内注入、腹腔内注入、腫瘍への直接注射および/または手術後の腫瘍床の灌流、人工足場における腫瘍部位での移植、および髄腔内投与によって対象に投与される。
【実施例
【0241】
例1:キメラ抗原受容体T細胞におけるCD7発現の遮断のためのバイシストロン性発現ベクターの使用
この例は、バイシストロン性発現構築物を使用した抗CD7 CAR-T細胞におけるCD7発現の遮断を示している。
【0242】
方法
細胞培養
293T細胞(ATCC CRL-3216)は、10%FBS(Hyclone)、100U/mLペニシリン、100ug/mLストレプトマイシン(Gibco)を含むDMEM(Gibco)で維持した。JurkatクローンE6-1細胞(ATCC TIB-152)およびNALM6クローンG5細胞(CRL-3273)は、10%FBS(Hyclone)、100U/mLのペニシリン、100ug/mLのストレプトマイシン(Gibco)および1x GlutaMAX(Gibco)を含むRPMI1640(Gibco)中に維持された。
【0243】
レンチウイルスの産生
Lipofectamine 2000(Invitrogen)を使用して、293T細胞にレンチウイルストランスファーベクターおよびVirapowerパッケージングプラスミドミックス(Invitrogen)を1:3の比率でコトランスフェクトした。トランスフェクション培地は、トランスフェクションの6時間後に10%FBS(Hyclone)を含む新鮮なDMEM(Gibco)と交換した。48時間後に、ウイルス上清を収集し、0.45μMフィルターに通し、次いでLenti-X Concentrator(Clontech)を使用して100倍に濃縮した。濃縮レンチウイルスストックは、使用するまで-150℃で保存した。
【0244】
レトロウイルスの産生
X-tremeGENE 9 DNAトランスフェクション試薬(Roche)を使用して、293T細胞にレトロウイルストランスファーベクターとpEQおよびpRDFパッケージングプラスミドをコトランスフェクトした。トランスフェクション培地は、トランスフェクションの6時間後に10%FBS(Hyclone)を含む新鮮なDMEM(Gibco)と交換した。24時間後および48時間後に、ウイルス上清を収集し、0.45μMフィルターに通した。レトロウイルスは新鮮な状態で使用するか、または使用するまで-150℃で保存した。
【0245】
293T細胞でのレンチウイルス滴定
5μg/mLポリブレン(Sigma)の存在下の異なる量のレンチウイルスで、293T細胞を形質導入した。15時間一晩培養した後、形質導入培地を除去し、細胞を新鮮な培地中の10U/mLのDNaseI(New England Biolabs)で37℃において15分間処理した。次いで、さらなる培養のために、10%FBSを含む新鮮なDMEMと培地を交換した。形質導入の≧72時間後に、形質導入された細胞を分析のために採取した。ウイルス力価を、フローサイトメトリーおよびRT-qPCRを使用して決定した。
【0246】
形質導入ユニット(TU)力価を、等式:[TU/mL=(試料あたりの293T細胞の数×%CAR+細胞)÷ウイルス量(mL)]を使用してフローサイトメトリーデータから計算した。TU力価は、%CAR+細胞およびウイルス量の線形範囲内の試料を使用して計算した。
【0247】
積分単位(IU)力価は、等式:[IU/ml=(試料あたりの293T細胞数×ゲノムあたりのプロウイルス遺伝子コピー数)÷ウイルス量(mL)]を使用して、ゲノムDNAのRT-qPCRデータから計算した。IU力価は、プロウイルス遺伝子のコピー数とウイルス量との線形範囲内の試料を使用して計算した。
【0248】
Jurkat細胞のレンチウイルス形質導入
レンチウイルスは、8μg/mLのポリブレン(Sigma)の有無にかかわらずJurkat細胞に直接添加された。培養物からレンチウイルスを除去するために、2日後に完全な培地交換を実行した。形質導入された細胞を、形質導入の≧2日後に分析のために採取した。
【0249】
初代T細胞培養
凍結したヒト初代末梢血単核細胞(PBMC)(ATCCカタログ番号PCS-800-011およびStemcell Technologiesカタログ番号70025)を解凍し、一晩回収し、10%のFBS(Hyclone)、100U/mLのペニシリン、100ug/mLのストレプトマイシン(Gibco)および1xのGlutaMAX(Gibco)を含むRPMI1640(Gibco)、3%ヒトAB血清(Sigma)を補充したTexMACS培地(Miltenyi Biotec)、または無血清TexMACS培地中で100万細胞/mLに維持した。培地には、2~3日ごとに120IU/mLのインターロイキン-2(Miltenyi Biotec)を補充した。
【0250】
PBMCを、さらに選択せずに大量に培養するか、または一晩回収した後にT細胞用に精製した。CD4+およびCD8+T細胞を、CD4Microbeads(Miltenyi Biotec)およびCD8 Microbeads(Miltenyi Biotec)を使用して分離した。CD3+T細胞を、CD3 Microbeads(Miltenyi Biotec)を使用して分離した。
【0251】
T細胞を、製造元の推奨に従って、T Cell TransAct(Miltenyi Biotec)またはT細胞増殖および活性化のためのDynabeads Human T-Activator CD3/CD28(Gibco)のいずれかで活性化した。Dynabeadsを、ビーズ対細胞の比率が1:1になるように添加した。ビーズを4日後に枯渇させた。
【0252】
初代T細胞のレンチウイルス形質導入
初代T細胞は、活性化の1~4日後に形質導入された。レンチウイルスをT細胞に直接添加する静的形質導入を実行した。培養物からレンチウイルスを除去するために、2日後に完全な培地交換を実行した。形質導入された細胞を、形質導入の≧3日後にフローサイトメトリーによって分析した。
【0253】
初代T細胞のレトロウイルス形質導入
レトロネクチンベースのレトロウイルス形質導入を、初代T細胞で実行した。未処理の組織培養プレートを、製造元の推奨に従って、2.5μg/cm2のRetroNectin Recombinant Human Fibronectin Fragment (Takara)でコーティングした。レトロウイルスの上清をレトロネクチンでコーティングしたプレートに添加し、32℃において2時間1000xgで遠心分離した。次いで、ウイルス上清をウェルから除去した。T細胞を添加する前に、ウェルを培地ですすいだ。形質導入された細胞を、形質導入の≧3日後にフローサイトメトリーによって分析した。
【0254】
フローサイトメトリー
抗体の染色および洗浄を、染色バッファー(1xPBS pH7.4、0.2%BSA、0.02%アジ化ナトリウム)を用いて実行する。細胞を氷の上で抗体とともに15分間インキュベートし、3回洗浄した。次の抗体を染色に使用した:抗マウスF(ab’)2-ビオチン(Jackson Immunoresearch 115-066-072)、ストレプトアビジン-APC(Jackson Immunoresearch 016-130-084)、抗ヒトCD7-PE(BD 555361)、抗ヒトCD3 eFluor780(eBioscience 47-0037-42)。抗マウスF(ab’)2-ビオチンで染色された細胞は、残りの抗体を添加する前に、3μgのマウスIgG1アイソタイプ対照抗体(BioXCell)で5分間ブロックされた。DAPIを、生/死の識別のために1μg/mLで使用した。染色された細胞は、Invitrogen Attune NxTフローサイトメーターで収集し、FlowJov10ソフトウェアで分析した。
【0255】
リアルタイム定量PCR(RT-qPCR)
DNeasy Blood and Tissue Kit(Qiagen)およびRNase A(Qiagen)を使用して、細胞からゲノムDNAを抽出した。MN NucleoSpin RNA Kit(Macherey-Nagel)を使用して細胞から全RNAを抽出し、Maxima First Strand cDNA Synthesis Kit(Thermo Scientific)を使用してcDNAを合成した。すべてのキットを、製造元の推奨に従って使用した。RT-qPCRは、CFX96 Touch(商標)リアルタイムPCR検出システム(Bio-Rad)でiTaq Universal SYBR Green Supermix(Bio-Rad)を使用して、実行した。
【0256】
使用したプライマーは次のとおりである。
RPPH1-F:5’-GAGGGAAGCTCATCAGTGGG-3’(配列番号87)
RPPH1-R:5’-CATCTCCTGCCCAGTCTGAC-3’(配列番号88)
WPRE-F:5’-CCTTTCCGGGACTTTCGCTTT-3’(配列番号89)
WPRE-R:5’-GCAGAATCCAGGTGGCAACA-3’(配列番号90)
TH69CD7CAR-F:5’-GCAGCCTTTCATGAGACCAG-3’(配列番号91)
TH69CD7CAR-R:5’-TGCCCAGGTTCAGCTCATTA-3’(配列番号92)
TH69CD7PEBL-F:5’-ACCTGCCGCATACAAGGATA-3’(配列番号93)
TH69CD7PEBL-R:5’-CCACTGTGCAGACTAGAGGT-3’(配列番号94)
すべてのアッセイプライマーは、90%~110%のプライマー効率を有した。
【0257】
すべての遺伝子の倍率変化は、等式[倍率変化=2^-(Ct(標的遺伝子)-Ct(ハウスキーピング遺伝子))]を使用してハウスキーピング遺伝子に対して正規化された。標的遺伝子のコピー数は、293T細胞におけるRNasePのゲノムコピー数に対して正規化された。
【0258】
ウエスタンブロット
細胞をRIPAバッファー(Pierce)およびプロテアーゼ阻害剤(Pierce)で溶解した。細胞溶解物のタンパク質定量を、製造元の推奨に従って、Bradford Coomassieタンパク質アッセイキット(Thermo Scientific)を使用して実行した。ウエスタンブロットを、12-230kDaのWes分離モジュールとともに自動ウエスタンブロットシステムであるSimple Western Wes(ProteinSimple)と使用して実行した。以下の一次抗体を使用した:抗β-アクチン、クローン13E5(Cell Signaling Technology);抗Myc-Tag、クローン71D10(Cell Signaling Technology);および抗CD3ζポリクローナル抗体、カタログ番号ab226475(Abcam)。Wes Anti-Rabbit Detection Moduleの二次抗体を使用した。データを、Compass for Simple Westernソフトウェアを使用して分析した。
【0259】
IFNγ分泌
エフェクターCAR-T細胞は、10細胞/mLの細胞密度で再懸濁され、ウェルあたり100,000個のCAR-T細胞を96ウェル丸底プレートに播種された。標的細胞を、様々なエフェクター:標的(E:T)比で24時間エフェクターCAR-T細胞と共培養した。24時間後、細胞をスピンダウンし、上清を収集して-150℃で保存した。ELISA MAX Standard Set Human IFN-γキット(Biolegend)を製造元の推奨に従って使用して、上清をIFNγ分泌について評価した。
【0260】
細胞傷害性アッセイ
標的細胞は、10細胞/mLの細胞密度で再懸濁され、0.4μg/mlのカルセイン赤橙色AM(Invitrogen)が10分間添加された(loaded)。次に、添加された細胞を3回洗浄して、過剰なカルセインを除去した。ウェルあたり100,000個の標的細胞を96ウェル丸底プレートに播種した。標的細胞は、様々なエフェクター:標的(E:T)比で4時間エフェクターCAR-T細胞と共培養された。4時間後、DAPIをすべてのウェルに添加し、細胞をフローサイトメーターで収集した。残りの生きた標的細胞の数がすべてのウェル内で計数された。細胞傷害性の割合が、次式で計算された:
細胞傷害性の割合=[(S-E)/S]*100%
S=標的細胞のみ対照ウェル内の残りの生きた標的細胞
E=実験ウェル内でのエフェクターT細胞と共培養した後の残りの生きた標的細胞
【0261】
結果
初代T細胞に(1)PEBL、(2)CAR、(3)PEBLおよびCARを順番に、(4)PEBL-IRES-CAR、または(5)CAR-P2A-PEBLを発現する様々なレトロウイルスが形質導入された。形質導入された細胞を、CD7およびCAR発現についてフローサイトメトリーによって分析した(図1A)。示されたレトロウイルスで形質導入された初代T細胞からの細胞溶解物を、β-アクチン、Mycタグ付きPEBL、CARおよび内因性CD3ζ発現についてウエスタンブロットによって分析した(図1B)。
【0262】
デュアルプロモーターレンチウイルス構築物は、単一のベクターから抗CD7 CARおよび抗CD7 PEBLを発現するように調製された。図2A図2Fに示されるように、5’末端から3’末端までのデュアルプロモーター構築物の一般的なフォーマットは、第1のプロモーター-抗CD7 CAR-第2のプロモーター-抗CD7 PEBLを含んでいた。試験されたプロモーターには、MSCVプロモーター、EFSプロモーター、PGKプロモーター、およびEF1aプロモーターが含まれる。例示的なデュアルプロモーター構築物の核酸配列は、配列番号19~23として提供され、図33A~33B、図34A~34B、図35A~35B、図36A~36B、および図37A~37Bに示される。そのような構築物は、TH69抗体に基づく抗CD7 CARおよび3A1F抗体に基づく抗CD7 CARを含む抗CD7 CAR、ならびにTH69抗体に基づく抗CD7 PEBLおよび3A1F抗体に基づく抗CD7 PEBLを含む抗CD7 PEBLをコードした。
【0263】
デュアルプロモーターレンチウイルスベクターを細胞に形質導入して、表面CD7発現の部分的な下方調節および抗CD7 CARの低発現を伴う細胞を産生した。CARを発現する細胞の割合は、延長された時間培養した後も低いままであった。図3は、形質導入後5日目および形質導入後14日目の細胞におけるCARの発現(y軸)およびCD7の発現(x軸)を示している。図は、例示的なデュアルプロモーター構築物で形質導入された細胞(例えば、健康なドナーリンパ球を含む健康なドナー細胞)の発現が配列番号18~23として提供され、かつ図32A~32B、33A~33B、図34A~34B、図35A~35B、図36A~36B、および図37A~37Bに示されることを示している。一例として、MSCVプロモーター-CD7(TH69)CAR-EF1aプロモーター-CD7(TH69)PEBLを含むデュアルプロモーターレンチウイルスベクターで形質導入された細胞は、CD7 CAR-陰性/CD7-陰性細胞(52.8%)、CD7 CAR+/CD7-陰性細胞(2.98%)、CD7 CAR-陰性/CD7+細胞(40.4%)、および形質導入の5日後にCD7 CAR+/CD7+細胞(3.84%)を含む細胞の集団を産生した。形質導入の14日後に、MSCVプロモーター-CD7(TH69)CAR-EF1aプロモーター-CD7(TH69)PEBL形質導入細胞には、CD7 CAR-陰性/CD7-陰性細胞(42.6%)、CD7 CAR+/CD7-陰性細胞(0.14%)、CD7 CAR-陰性/CD7+細胞(54.9%)、およびCD7 CAR+/CD7+細胞(2.37%)を含む細胞の集団が含まれていた。
【0264】
CD7 CARおよびCD7 PEBLの単一プロモーターの発現を最適化するために、バイシストロン性レンチウイルス構築物が生成された。そのような構築物の例示的な概略図が、図4A図4B、および図4Cに提供されている。図4Aは、配列番号14のものなどの、MSCVプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なバイシストロン性構築物の概略図を示す。図4Bは、配列番号15のものなどの、EF1aプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なバイシストロン性構築物の概略図を示す。図4cは、配列番号16のものなどの、EFSプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBLを含む例示的なバイシストロン性構築物の概略図を示す。
【0265】
MSCVプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBLレンチウイルスで形質導入された細胞は、CD7 CAR+/CD-陰性T細胞の集団を生成した。図5は、形質導入の0~9日後にCD7 CAR+/CD7-陰性T細胞の増殖および集積を示している。例えば、0日目に、細胞の10.9%がCD7 CAR-陰性/CD7-陰性細胞、0.016%がCD7 CAR+/CD7-陰性細胞、87.9%がCD7 CAR-陰性/CD7 +細胞、および1.21%がCD7 CAR+/CD7+細胞であった。3日目に、細胞の24.1%がCD7 CAR-陰性/CD7-陰性細胞、17.7%がCD7 CAR+/CD7-陰性細胞、53.8%がCD7 CAR-陰性/CD7+細胞、および4.33%がCD7 CAR+/CD7+細胞であった。6日目に、細胞の27.5%がCD7 CAR-陰性/CD7-陰性細胞、63.7%がCD7 CAR+/CD7-陰性細胞、6.25%がCD7 CAR-陰性/CD7+細胞、および2.57%がCD7 CAR+/CD7+細胞であった。9日目に、細胞の16.1%がCD7 CAR-陰性/CD7-陰性細胞、83.7%がCD7 CAR+/CD7-陰性細胞、0.012%がCD7 CAR-陰性/CD7+細胞、および0.095%がCD7 CAR+/CD7+細胞であった。
【0266】
異なるプロモーターを有する抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBLバイシストロン性レンチウイルスベクターで形質導入された細胞は、経時的に培養が集積されるCD7 CAR+/CD7-陰性細胞を産生した。図6は、形質導入の5日後および形質導入の14日後にCD7 CAR+/CD7-陰性細胞の割合の増加を示す。例えば、EFSプロモーター抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBLレンチウイルスベクターで形質導入された細胞は、67.3%のCD7 CAR-陰性/CD7-細胞を産生し、31.2%がCD7 CAR+/CD7-陰性細胞であり、0.44%がCD7 CAR-陰性/CD7+細胞であり、形質導入の5日後に1.06%がCD7 CAR+/CD7+細胞であった。形質導入の14日後までに、25.0%のCD7 CAR-陰性/CD7-細胞、73.8%がCD7 CAR+/CD7-陰性細胞であり、0.80%がCD7 CAR-陰性/CD7+細胞であり、0.46%がCD7 CAR+/CD7+細胞であった。対照として、形質導入の5日後に抗CD19 CARの上流にEF1aプロモーターを含むレンチウイルスベクターを細胞に形質導入し、細胞の34.7%がCD19 CAR+/CD7+であり、60.1%がCD19 CAR-陰性/CD7+であり、4.58%が二重陰性であり、0.68%がCD19 CAR+/CD7-陰性であった。また、形質導入の14日後に、細胞の47.5%がCD19 CAR+/CD7+であり、50.4%がCD19 CAR-陰性/CD7+であり、1.01%が二重陰性であり、1.06%がCD19 CAR+/CD7-陰性であった。したがって、CD19 CAR発現細胞の集積は時間の経過とともにほとんど検出されなかった。
【0267】
単一プロモーターバイシストロン性ベクターの一貫性および再現性を評価するために、細胞に2つの独立したロットのMSCVプロモーター-抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBLレンチウイルスを形質導入した。CD7 PEBLはmycタグ付けされ、ウエスタンブロットによって検出された。CD7 CARも検出された(図7B)。図7Aは、形質導入された細胞におけるCD7 CARおよびCD7発現のフローサイトメトリー分析を示す。最初のロットは、53.8%のCD7 CAR+/CD7-陰性細胞および46.1%のCD7-陰性/CD7-陰性細胞を含む形質導入細胞の集団を産生した。2番目のロットは、65.5%のCD7 CAR+/CD7-陰性細胞および34.5%のCD7-陰性/CD7-陰性細胞を含む形質導入細胞の集団を産生した。形質導入されていない細胞には、98.6%のCAR-陰性/CD7+細胞が含まれていることが注目された。
【0268】
本明細書に記載の単一プロモーターバイシストロン性ベクターが、バルクPBMC、CD4+およびCD8+T細胞を含む精製T細胞、および精製CD3+T細胞を含む異なる開始細胞からCD7 PEBL-CAR-T細胞を産生するために首尾よく使用されたことに留意されたい。さらに、T細胞増殖および活性化のためのDynabeads(登録商標)Human T-Activator CD3/CD28(Gibco)およびT Cell TransAct(商標)(Miltenyi Biotec)を含む様々なT細胞活性化試薬を使用した。図8は、抗ヒトCD7(TH69)CAR-P2A-抗ヒトCD7(TH69)PEBL形質導入細胞が経時的に培養された場合のCD7 CAR+/CD7-陰性T細胞の割合の増加を示す。CD7 CAR+/CD7-陰性T細胞の同等の増殖が、異なる開始細胞タイプ間および2つの活性化試薬間で検出された。
【0269】
本明細書に記載の細胞(例えば、CD7 CAR+/CD7-陰性T細胞)は、無血清TexMACS培地または3%ヒトAB血清を補充したTexMACS培地のいずれかにおいて培養された精製CD4+正の選択およびCD8+正の選択T細胞から生成された。T細胞にMOI10でCD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスを形質導入してCD7-CAR+T細胞を生成した。細胞活性化の11日後に形質導入された細胞の総倍率変化は、血清補充培地でより高かった(図9Aおよび図9B)。
【0270】
活性化後の異なる日(1日~4日)にCD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入された精製CD4+およびCD8+選択T細胞は、CAR+T細胞の純度の高い集団を生成した(図10Aおよび図10B)。異なる日に形質導入された細胞は、製造プロセス中に拡大および増殖した。図10Bは、細胞が活性化後1、2、3、または4日目で形質導入された場合に、形質導入されたT細胞が平均して約5倍~10倍の増殖を示したことを示す。
【0271】
CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスの異なるMOIで形質導入されたT細胞におけるCARおよび内因性CD7の発現をFACSによって測定した。より低いMOIで形質導入されたT細胞は、形質導入プロセスの初期にはCD7 CAR+/CD7-陰性T細胞の割合が低かったが、より高いMOIの形質導入で得られたCD7 CAR+/CD7-陰性T細胞の割合と一致するように増加した(例えば、図11を参照されたい)。例えば、MOIが3のレンチウイルスで形質導入されたドナー1のT細胞において、形質導入の3日後にCD7 CAR+/CD7-陰性T細胞が9.76%であり、9日後にCD7 CAR+/CD7-陰性T細胞が69.9%であった。MOIが10のレンチウイルスで形質導入されたドナー1のT細胞において、形質導入の3日後にCD7 CAR+/CD7-陰性が17.7%であり、形質導入の9日後にCD7 CAR+/CD7-陰性が83.7%であった。
【0272】
3つの独特なドナー由来の精製CD4+およびCD8+T細胞に、2つの個別のウェルにおいて表わされたMOIでCD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスを形質導入した。CAR+細胞の割合をフローサイトメトリーによって分析した。細胞ペレットを収集し、ゲノムDNAを抽出して、RT-qPCR分析によってベクターコピー数(VCN)を決定した。より高いMOIはより高いVCNと相関した(図12B)が、CD7 CAR+T細胞の割合はMOI5および10で類似していた(図12A)。
【0273】
様々な表面マーカーの発現は、活性化の11日後にMSCV-CD7CAR-P2A-CD7PEBLレンチウイルスで形質導入された初代T細胞で測定された。図13Aは、3人の異なるドナー由来の形質導入された細胞におけるCD7 CARおよび内因性CD7発現を示す。CD14/CD19/CD56と比較したCD3の発現を図13Bに示す。CD4およびCD8の発現を図13Cに示す。形質導入された細胞が、TEM細胞、TCM細胞、Teff細胞、およびCD45ROおよびCCR7発現によって決定されるナイーブT細胞を含むT細胞の異なるサブセットを生成したことを、図13Dは示す。図13Dは、形質導入されたT細胞におけるPD-1およびTIM-3の発現を示す。
【0274】
CD7+Jurkat細胞およびCD7陰性Nalm6細胞に対する形質導入されたPEBL-CAR T細胞の応答は、IFNγ分泌(図14A)および細胞傷害性(図14B)によって決定された。24時間示されたE:T比でJurkat細胞またはNalm6細胞と共培養されたPEBL-CAR T細胞の培養上清において、IFN-g分泌が測定された(技術的複製についての平均±SD)。PEBL-CAR-T細胞は、Nalm6細胞とではなくCD7+Jurkat細胞と培養する場合に、PEBL-CAR-T細胞によってIFNγが分泌されるため、標的特異的な機能的反応を示した。さらに、PEBL-CAR-T細胞はCD7+Jurkat細胞を死滅させたが、細胞傷害性アッセイではCD7-陰性Nalm6細胞は死滅させなかった。
【0275】
この例は、CD7 CAR-P2A-CD7 PEBLバイシストロン性レンチウイルスベクターを使用して産生されたPEBL-CAR-T細胞の生成および増殖を示している。このような細胞は、IFNγ分泌およびCD7+標的細胞株に対する特異的毒性などの抗原特異的なT細胞の機能的反応を示した。PEBL-CAR-T細胞は、CD7陰性のCAR+T細胞の純度が高いことを示した。
【0276】
本明細書で引用されたすべての特許、公開された出願および参考文献の教示は、その全体が参照により組み込まれる。
【0277】
本発明をその例示的な実施形態を参照して特に示し、説明したが、添付の特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行うことができることを当業者は理解するであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29A
図29B
図30A
図30B
図31A
図31B
図32A
図32B
図33A
図33B
図34A
図34B
図35A
図35B
図36A
図36B
図36C
図37A
図37B
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
【配列表】
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【国際調査報告】