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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】傷痍治療用医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/16 20150101AFI20220131BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220131BHJP
   C07K 14/435 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 38/39 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20220131BHJP
   A61P 3/10 20060101ALN20220131BHJP
【FI】
A61K35/16 A ZNA
A61P17/02
A61P17/10
A61P43/00 121
C07K14/435
A61K38/39
A61K38/17
A61P3/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529098
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 KR2019016011
(87)【国際公開番号】W WO2020106074
(87)【国際公開日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】10-2018-0146287
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521220460
【氏名又は名称】メディコスバイオテク インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MEDICOSBIOTECH, INC
(71)【出願人】
【識別番号】514291196
【氏名又は名称】コリア アドバンスト インスティチュート オブ サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】イ サンヨプ
(72)【発明者】
【氏名】ユ ウォンミン
(72)【発明者】
【氏名】キム スンチョル
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヘナ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジヨン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA44
4C084CA49
4C084DC50
4C084MA02
4C084MA16
4C084MA27
4C084MA28
4C084MA32
4C084MA43
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA89
4C084ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB35
4C087MA02
4C087MA16
4C087MA27
4C087MA28
4C087MA32
4C087MA43
4C087MA63
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZA89
4C087ZC75
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA50
4H045EA34
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、シルクタンパク質と血漿成分を有効成分として含有する創傷治療用医薬組成物に関し、本発明によれば、シルクタンパク質と血漿成分の相乗効果によって、より効率的に創傷が治癒できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血漿又は血清成分とシルクタンパク質とを有効成分として含有する、創傷治療用医薬組成物。
【請求項2】
前記血漿又は血清は、ヒト又は家畜から由来したものであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シルクタンパク質は、自然由来又は組換えシルクタンパク質由来のものであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記シルクタンパク質は、ドラグラインシルク(dragline silk)、エラスチン(elastin)、シルクフィブロイン(silk fibroin)、ビサス(byssus)、セリシン(sericin)、鞭毛状シルク(flagelliform silk)及びコラーゲン(collagen)からなる群から選ばれるタンパク質を構成する反復単位ペプチドで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記シルクタンパク質は、グリシン或いはセリン含有量が0.001%以上であるペプチドが1~160回反復されている構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
創傷は、非治癒外傷性創傷、放射線照射による組織の破壊、擦過傷、骨壞疽、裂傷、剥脱創、貫通傷、銃創、切創、火傷、凍傷、皮膚潰瘍、皮膚乾燥、皮膚角化症、ひび、あかぎれ、皮膚炎、皮膚糸状菌症による痛み、手術上又は血管疾患創傷、打撲傷、角膜創傷、床擦れ、臥瘡、糖尿性皮膚糜爛のような糖尿病及び循環不良に関連した状態、慢性潰瘍、整形手術後縫合部位、脊椎傷害性創傷、婦人科的創傷、化学的創傷及びニキビからなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
クリーム、軟膏、ゲル、液剤、粉末剤及びパッチからなる群から選ばれるいずれか一つの形態であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
pHが3.5~6.5であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
血漿成分は、凍結乾燥製剤であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、創傷治療用医薬組成物に関し、より詳細には、シルクタンパク質と血漿又は血清成分を含有する創傷治療用医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、皮膚の創傷治療効果を示す物質として、表皮成長因子(EGF)、酸性及び塩基性線維芽細胞成長因子(酸性及び塩基性FGF)、形質転換因子(TGF-α及びTGF-β)及びインスリン様成長因子(IGF-I及びII)などの成長因子、フィブロネクチン、ラミリン、ビトロネクチンなどの接着因子、レチノイド及び類似化合物などが知られている。
【0003】
創傷治療と関連がある成長因子としてサイトカイン(cytokines)が明らかにされており、代表の例には、ケラチノサイト及び線維芽細胞から生成され、上皮細胞の成長を促進する線維成長因子(basic fibrogrowth factor)、血小板内皮組織から生成され、表皮成長因子(epidermal growth factor,EGF)と共に上皮細胞の異常増殖を促進する血小板由来成長因子(platelet-derived growth factor,PDGF)、線維芽細胞及び血小板から生成され、結合組織の生成を促進する形質転換成長因子(transforming growth factor-β,TGF-β)、唾液腺から生成され、上皮細胞の増殖を促進する上皮細胞成長因子、線維細胞成長因子(fibroblast growth factor,FGF)、及びマクロファージと上皮細胞から生成され、上皮細胞成長と運動性を促進するインターロイキン-1(interleukin-1)などが含まれる。Johnson & Johnson社から局所投与用創傷治療剤(商標名Regranex)として市販しているベカプレルミン(Becaplermin)は、遺伝工学的に生成されたPDGFである。ヨーロッパ特許第0575484号には、PDGFとデキサメタゾン(dexamethasone)を含む、哺乳動物の組織再生及び治療のための医薬組成物が開示されている。米国特許第5981606号には、TGF-βを含む創傷治療のための医薬組成物が開示されている。国際特許公開WO96/30038号には、TGF-β、フィブリン酸及び抗酸化剤を共に含む創傷治療のための医薬組成物が開示されている。米国特許第5183805号には、EGFを含有し、組織を再生する効果がある医薬組成物が開示されている。日本特許第05070365号及び米国特許第6165978号には、FGFを含む創傷治療剤が開示されている。
【0004】
また、活性成分としてヒアルロン酸(hyaluronic acid)を用いた製剤が皮膚創傷の治療に有用であると報告されたことがある(米国特許第5897880号)。ナトリウムヒアルロナートを含有する製剤は、LAM PharmaceuticsからIPN Wound GelTMの商標名で販売されている。
【0005】
また、局所投与されたフィブロネクチン(血漿に発見される糖タンパク質)が、角膜創傷(Nishida,Larch Ophthalmology 101:1046,1983)及び脚創傷(Wysocki et al.Arch.Dermatol.124:175,1988)の治療速度を増加させるのに有用であると報告されたことがある。
【0006】
なお、血漿(blood plasma)が創傷部位の異常細胞及び各種の細胞活性物質を正常化させることによって創傷治療効果を奏することを確認し、これを含有する創傷治療剤が開発されたことがある(大韓民国登録特許第0518152号及び大韓民国公開特許2007-0113876号)。
【0007】
血漿は、哺乳動物の血液中の有形成分、すなわち、細胞及び細胞断片が分離された淡黄色の液体である。血液に凝固防止剤を入れて遠心沈降させたり或いは低温(約0℃)に放置すると、上方には血漿が、下方には有形成分が分離させる。この場合、血漿の占める比率は、男女においてやや異なるが、約55%である。血漿の組成は、水が約90%、血漿タンパク質が7~8%であり、その他に、脂質・糖類・無機塩類と非タンパク質性窒素化合物として尿素・アミノ酸・尿酸などが含まれている。血漿タンパク質は、その大部分が肝で作られ、主にアルブミンとグロブリンがあるが、その他、血液凝固に関係するフィブリノーゲンも含まれている。脂質は、コレステロール・レシチンなどである。無機塩類はナトリウム・塩素・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどであり、その組成は海水と類似であり、体内の浸透圧を正常に維持する重要な役目を有する。また、血漿の総量と組成が疾病によって著しく変化する点で、疾病の診断や状態を知るために用いられている。
【0008】
血漿は、上記のように様々な活性成分を有し、その用途は無限であり、特に、血漿はアルブミンとフィブリノーゲンなどの、高い医学的用途を持つ活性物質を含んでおり、これら物質の提供源として広範囲に用いられている。しかし、家畜や人間の血液から分離しなければならず、経済的でない欠点がある。
【0009】
一方、シルクタンパク質の一種であるセリシンは、絹膠・シルクグルー(silk glue)とも呼ばれ、繭の繊維は、2本のフィブロインが3層のセリシンで覆われている。1865年にE Kramerが繭の繊維から分離し、絹を意味するラテン語sercum及びギリシャ語serikonにちなんでセリシンと名付けた。生糸の荒くて堅い質感はセリシンが付いているためであるが、精練すればセリシンが溶けてなくなり、絹糸特有の感触になる。セリシンは、アミノ酸組成中にセリンが37モル%程度と顕著に多く、熱い水に溶け、冷めればゲル化する特徴がある。
【0010】
シルクタンパク質のうちクモシルクタンパク質は、ドラグラインタンパク質及び/又は鞭毛状タンパク質があり、ドラグラインシルクは、円い網を作るクモ(orb weaving spider)がそれらの網でフレーム及び放射形を建てるのに用いられ、持続的に後に移動可能にする生命線(lifeline)である。このような目的から高い引張強度及び弾力性が要求される。これらの特性の組合せは、公知の材料よりも高い引張を示した。ドラグラインシルクは一般に、2つの主なタンパク質で構成されており、これらのタンパク質の一次構造は、共通の反復構造(common repetitive architecture)を共有する。鞭毛状(flagelliform gland)によって形成される粘性のシルクであり、鞭毛状シルクと名付けられたシルクで一部構成される円網(orb web)の螺旋状捕獲は弾力的であり、切れる前に3倍の長さに伸び得るが、ドラグラインシルクの引張強度の半分レベルである。単一反復単位の変異は、60個に至るアミノ酸を含むことができ、数回反復されてクモシルク配列の最大の部分を示す。このような反復単位は、別個のアミノ酸モチーフの制限されたセットを含む。全てのドラグラインシルク反復単位から発見される一つのモチーフは、典型的に6~9アラニン残基のブロックである。絹糸(silk threads)ではいくつかのポリアラニンモチーフが、引張強度をもたらす結晶β-シートスタック(stacks)を形成する。
【0011】
シルクタンパク質は、創傷に対して主に被服材として使用され、傷を外部から遮断する役割を担っており、ゲル形態のシルクタンパク質を作製して創傷被服材として使用する技術(大韓民国登録特許第1,617,075号)、シルクタンパク質を膜形態に作製して創傷被服材として使用する技術(大韓民国登録特許第0,315,168号)が知られているが、創傷を直接治療する効果については知られたことがない。
【0012】
本発明では、より経済的且つ効果的な創傷治療剤を開発するために鋭意努力した結果、血漿成分とシルクタンパク質を含有する創傷治療剤を作製し、それを創傷患部に塗布する場合、優れた創傷修復効果を示すことを確認し、本発明を完成するに至った。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、経済的且つ効果的な創傷治療用医薬組成物を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、血漿又は血清成分とシルクタンパク質を投与する段階を含む創傷の治療方法を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、創傷の治療のための血漿又は血清成分とシルクタンパク質の用途を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、創傷治療用薬剤の製造のための血漿又は血清成分とシルクタンパク質の使用を提供することにある。
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明は、血漿又は血清成分とシルクタンパク質を有効成分として含有する創傷治療用医薬組成物を提供する。
【0018】
本発明はまた、血漿又は血清成分とシルクタンパク質を投与する段階を含む創傷の治療方法を提供する。
【0019】
本発明はまた、創傷の治療のための血漿又は血清成分とシルクタンパク質の用途を提供する。
【0020】
本発明はまた、創傷治療用薬剤の製造のための血漿又は血清成分とシルクタンパク質の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】ネズミの線維芽細胞であるNIH3T3細胞のかき傷に対する血漿成分の治癒効果を確認した結果を示す。
【0022】
図2】ネズミの線維芽細胞であるNIH3T3細胞のかき傷に対する血漿成分とセリシンタンパク質の治癒効果を確認した結果を示す。
【0023】
図3】ネズミの線維芽細胞であるNIH3T3細胞のかき傷に対する血漿成分と組換えクモシルクタンパク質の治癒効果を確認した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
別に断らない限り、本明細書で使われた全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術の分野における熟練した専門家に通常理解されるのと同じ意味を有する。一般に、本明細書における命名法は、本技術分野によく知られており、通常用いられるものである。
【0025】
本発明では、血漿又は血清成分とシルクタンパク質を含有する組成物を創傷部位に塗布する場合、血漿成分又はシルクタンパク質を塗布した場合に比べて優れた創傷修復効果を示すことを確認した。
【0026】
したがって、本発明は、一観点において、血漿又は血清成分とシルクタンパク質を有効成分として含有する創傷治療用医薬組成物に関する。
【0027】
本発明において、前記組成物のpHは、3.5~6.5であることを特徴とし、前記血漿又は血清は、ヒト又は家畜から由来したものであることを特徴とし得る。
【0028】
本発明において、前記血漿成分は、アルブミン、フィブリノーゲン及びトロンビンを分離して得られる血漿成分でよく、ヘパリン、アンチトロンビンIII、血液凝固第2因子、血液凝固第8因子、血液凝固第9因子及びIgGからなる群から選ばれる一つ以上がさらに除去されたものであることを特徴とし得る。
【0029】
本発明において、前記血漿又は血清成分は、凍結乾燥製剤であることを特徴とし、前記組成物中に血漿又は血清成分は0.001~99.999%で含まれていることを特徴とし得る。
【0030】
本発明において、前記組成物中にシルクタンパク質は0.001%~99.999%で含まれていることを特徴とし得る。
【0031】
本発明において、前記組成物は、好ましくは、血漿成分を0.01~10%、シルクタンパク質を0.001~10%含有でき、より好ましくは、血漿成分を0.1~2%、シルクタンパク質を0.01~1%含有でき、さらに好ましくは、血漿成分を0.2~1%、シルクタンパク質を0.02~0.1%含有できる。
【0032】
前記組成物において、血漿を10%以上含有すると、追加される量に比べて創傷治療効果の向上が期待できず、血漿を0.01%未満で含有すると、創傷治療効果が期待できない。シルクタンパク質を10%以上含有すると、追加される量に比べて創傷治療効果の向上が期待できず、シルクタンパク質を0.001%未満で含有すると、創傷治療効果が期待できない。
【0033】
本発明において、前記シルクタンパク質は、自然由来又は組換えシルクタンパク質であることを特徴とし、前記シルクタンパク質は、ドラグラインシルク(dragline silk)、エラスチン(elastin)、シルクフィブロイン(silk fibroin)、ビサス(byssus)、セリシン(sericin)、鞭毛状シルク(flagelliform silk)及びコラーゲン(collagen)からなる群から選ばれるタンパク質を構成する反復単位ペプチドであることを特徴とし得る。
【0034】
本発明において、前記シルクタンパク質は、グリシン或いはセリンの含有量が1%以上であるシルク反復単位ペプチドが1~160回反復されている構造を有することを特徴とし得る。
【0035】
本発明において、前記シルクタンパク質は、5~300kDaの分子量を有することを特徴とし得る。
【0036】
本発明において、組換えシルクタンパク質は、組換えクモタンパク質であることを特徴とし得る。
【0037】
本発明において、前記組換えクモシルクタンパク質は、韓国登録特許10-1317420B1に記載された方法で製造でき、下記の配列番号1又は配列番号2の配列を有するペプチドが1~96回反復されている構造を有する高分子量の組換えクモシルクタンパク質を使用することができる。
【0038】
配列番号1:NH2-SGRGGLGGQGAGMAAAAAMGGAGQGGYGGLGSQGT-COOH
【0039】
配列番号2:NH2-SSTGSSSNTDSNSNSVGSSTSGGSSTYGYSSNSRDGSV-COOH
【0040】
本発明において、前記創傷は、非治癒外傷性創傷、放射線照射による組織の破壊、擦過傷、骨壞疽、裂傷、剥脱創、貫通傷、銃創、切創、火傷、凍傷、皮膚潰瘍、皮膚乾燥、皮膚角化症、ひび、あかぎれ、皮膚炎、皮膚糸状菌症による痛み、手術上又は血管疾患創傷、打撲傷、角膜創傷、床擦れ、臥瘡、糖尿性皮膚糜爛のような糖尿病及び循環不良に関連した状態、慢性潰瘍、整形手術後縫合部位、脊椎傷害性創傷、婦人科的創傷、化学的創傷及びニキビからなる群から選ばれるものであることを特徴とし得る。
【0041】
本発明において、前記治療用組成物の剤形は、クリーム、軟膏、ゲル、液剤、粉末剤及びパッチからなる群から選ばれるいずれか一つの形態であることを特徴とし得る。
【0042】
他の観点において、本発明はまた、血漿又は血清成分とシルクタンパク質を投与する段階を含む創傷の治療方法に関する。
【0043】
さらに他の観点において、本発明は、創傷の治療のための血漿又は血清成分とシルクタンパク質の用途に関する。
【0044】
さらに他の観点において、本発明は、創傷治療用薬剤製造のための血漿又は血清成分とシルクタンパク質の使用に関する。
【0045】
本発明において、創傷(wound)は、生体が損傷した状態を意味し、生体内部又は外部表面をなす組織、例えば、皮膚、筋肉、神経組織、骨、軟組織、内部器官又は血管組織が分断又は破壊された病理学的状態を包括する。
【0046】
創傷の例には、これらに限定されないが、非治癒外傷性創傷、放射線照射による組織の破壊、擦過傷(abrasion)、骨壞疽、裂傷(laceration)、剥脱創(avulsion)、貫通傷(penetrated wound)、銃創(gun shot wound)、切創、火傷、凍傷、打撲傷(contusion or bruise)、皮膚潰瘍、皮膚乾燥、皮膚角化症、ひび、あかぎれ、皮膚炎、皮膚糸状菌症による痛み、手術傷、血管疾患創傷、角膜創傷などの創傷、床擦れ、臥瘡、糖尿性皮膚糜爛のような糖尿病及び循環不良に関連した状態、慢性潰瘍、整形手術後縫合部位、脊椎傷害性創傷、婦人科的創傷、化学的創傷及びニキビを含み、個体のいかなる部分の損傷も含む。このような観点で、本発明に係る製剤は、かかる損傷した組織を復元(repair)、復位(replacement)、好転、加速化、促進又は完治させるのに非常に有用である。
【0047】
本発明で用いられる血漿は、ヒトを含む哺乳動物のいかなる種の血液から分離されたものも含み、例えば、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマ、イヌ、ウシなどを含む家畜、その他霊長類、齧歯類などの血液から分離されたものを含む。本発明において血漿は、よく知られた通常の方法、例えば、遠心分離、沈降又は濾過法によって血液から容易に分離できる。遠心分離は、血漿から血液細胞を沈降させるのに適した条件下で行うことができる。例えば、血液を約1,400gで約10分間遠心分離し、血球及び白血球だけでなく、実質的に血小板を含む全ての細胞断片を沈殿させるのに十分である。血漿を含有する上澄液は、標準技術によって沈降した細胞から容易に分離可能である。
【0048】
前記濾過法は、血液を、血漿から血液細胞を分離するのに適したフィルターに通過させることによって行うことができ、前記フィルターはタンパク質を透過させ易い微細孔膜であることが好ましい。血漿は、採血後に遠心分離又は沈殿させて得た新鮮液状血漿状態又は液状製剤状態の他にも、使用する前に様々な状態で保存する方法が知られており、例えば、新鮮凍結製剤、凍結沈殿製剤、凍結乾燥製剤又は濃縮製剤などの形態を挙げることができる。本発明では、上記のようないかなる形態の血漿も使用することができる。
【0049】
本発明に係る組成物は、液状又は粉末状に創傷に直接適用することができる。すなわち、創傷部位に散布することができる。シート形態の場合は、創傷部位に塗布するが、この時、塗布した部位に適切にドレッシングし、創傷を保護しながら活性成分の治療効果が減少することを防止する。ドレッシングは、市販中の又は周知のいずれのものを使用してもよい。市販中のドレッシングの例には、Comfeel、Duoderm、Tegaderm及びOpsiteを挙げることができる。
【0050】
本発明に係る活性成分として薬剤学的に有効な量の血漿成分を含有する組成物は、薬剤学的に許容される担体と共に種々の形態に剤形化できる。剤形化は、当該分野に公知の方法によって行うことができる。製剤の形態は、これに限定されないが、液状塗布剤、噴霧剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、パスタ剤、リニメント剤、軟膏剤、エアゾール、粉末剤及び経皮吸収剤などの、通常の外用剤の形態が含まれる。それらの剤形は、全ての製薬化学に一般に公知された処方箋である文献[Remington’s Pharmaceutical Science,15th Edition,1975,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvania 18042(Chapter87:Blaug,Seymour)]に記述されている。
【0051】
本発明の外用剤において、薬剤学的に許容される担体には、その剤形によって異なるが、ワセリン、流動パラフィン、ゲル化炭化水素(別名:プラスチベース)などの炭化水素類;重鎖脂肪酸トリグリセリド、豚脂、ハードファット、カカオ脂などの動植物性オイル;セタノール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸イソプロピルなどの高級脂肪酸アルコール及び脂肪酸及びそのエステル類;マクロゴール(ポリエチレングリコール)、1,3-ブチレングリコール、グリセロール、ゼラチン、白糖、糖アルコールなどの水溶性基剤;グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油などの乳化剤;アクリル酸エステル、アルギン酸ナトリウムなどの粘着剤;液化石油ガス、二酸化炭素などの噴射剤;パラオキシベンゾ酸エステル類などの防腐剤などを挙げることができ、本発明の外用剤は、それらを用いて通常の方法で製造できる。また、それらの他にも、安定剤、香料、着色剤、pH調整剤、希釈剤、界面活性剤、保存剤、抗酸化剤などを、必要によって配合することができる。本発明の外用剤の使用は、通常の方法によって局所創傷部に塗布することができる。
【0052】
また、本発明に係る外用剤は、通常の絆創膏の創傷剥離カバーなどのような固体支持体上に粘着して用いることができる。粘着は、商用成分が除去された血漿分画で固体支持体を飽和させた後に脱水して達成する。本発明の態様として、固体支持体をまず粘着層で被覆し、固体支持体への、商用成分が除去された血漿成分の付着を向上させる。粘着剤の例には、ポリアクリレート及びシアノアクリレートが含まれる。
【0053】
このような形態の剤形は市販されているものが多く、例えば、穿孔されたプラスチックフィルム形態の非付着性傷剥離カバーを持つ絆創膏(Smith & Nephew Ltd)、Johnson & Johnsonの薄いストリップ(strip)、パッチ(patch)、スポット(spot)、可塑性ストリップ形態のバンド-エイド(BAND-AID(登録商標));Colgate-Palmolive Co(Kendall)のキュリティキュラド(Curity CURAD、アウチレス(Ouchless))絆創膏;及びAmerican WhiteCross Laboratories,Incのスティック-タイト(登録商標)(STIK-TITE(登録商標))弾性ストリップを挙げることができる。
【0054】
一態様として、本発明に係る医薬組成物は、血漿粉末と生理食塩水を一定の体積比で混合し、pHを3.5~6.5に調整して液状塗布剤の形態に剤形化することができる。他の態様として、本発明に係る医薬組成物は、上記の本発明の血漿粉末と水溶性軟膏基剤を混合し、ここに生理食塩水を添加して軟膏剤の形態に剤形化することができる。好ましい態様として、本発明に係る医薬組成物は、前記軟膏剤のpHを3.5~6.5に調整して剤形化する。
【0055】
本発明において、創傷の治癒を加速化するために、ゲル又は微小球のような製薬担体を用いることができる。米国特許第5,264,207号、WO2000/24378、WO96/13164及びWO94/13333には、一つ又はそれ以上の活性製薬又は化粧用物質のための担体として働くポリマーの微小球が記述されている。
【0056】
本発明の医薬組成物は、哺乳動物の様々な創傷症状を治療するために使用することができる。これは、感染状態、悪性、巨大血管動脈不足、小血管動脈不足、心静脈遮断又は不足、表層静脈不足、リンパ管障害、内因性循環不足、血液異常、コラーゲン血管異常、放射線皮膚炎、栄養性原因などに起因するものを含む大部分の悪性潰瘍に対して効果的である。
【0057】
本発明の組成物に使用される血漿成分の薬剤学的有効量は、創傷部位の異常細胞及び各種細胞活性物質を正常化させることによって創傷の治療効果を示す活性成分の量を指す。有効量は、患者の創傷種類、適用部位、処理回数、処理時間、剤形、患者の状態、補助剤の種類などによって変わってよい。投与回数は、1日2回~週1回であってよい。一態様において、本発明の医薬組成物の1日有効量は、粉末剤を全層の皮膚損失創傷に適用時に、0.01~0.1g/cm、好ましくは0.02~0.09g/cm、より好ましくは0.02~0.07g/cmである。
【0058】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されると解釈されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【0059】
実施例1.血漿分画の製造
HIV、HCV及びHBVを含む可能な病源体に対して検査した結果において陰性と判定されたヒト由来の新鮮な血液(中央血液院)を30℃の水槽で解凍させた後、3000rpmで10分間遠心分離し、赤血球及び白血球などの沈殿物を除外した上層の淡黄色の血漿を分離した。
【0060】
分離された血漿を、EDTAやヘパリンなどの抗凝固剤が添加されていないガラスチューブに収集し、前記血漿を4℃で一晩静置し、沈殿したフィブリノーゲン塊(clot)をパステルピペットを用いて除去した。塊が除去された血液を4℃、4000rpmで20分間遠心分離し、フィブリノーゲンが除去された血漿分画を得た。
【0061】
前記フィブリノーゲンが除去された血漿分画に存在するトロンビンを酸性条件で分離した。フィブリノーゲンが除去された血漿分画に存在するプロトロンビンを沈殿させるために、酢酸溶液を用いて血漿分画のpHを5.1~5.3に下げた。pHを下げた溶液を20℃で1時間静置し、プロトロンビンを完全に沈殿させた後、20℃、4200rpmで20分間遠心分離し、沈殿したトロンビンを除去して、フィブリノーゲン及びトロンビンが除去された血漿分画を得た。
【0062】
前記フィブリノーゲン/トロンビン除去血漿分画に含まれているアルブミンは、SwellGel Blueアルブミン除去キット(Pierce Biotechnology社、USA)を用いてメーカーの方法にしたがって除去した。前記アルブミン除去方法を経て商用成分除去血漿分画を得た。
【0063】
実施例2.血漿分画のウイルス不活性化
実施例1で得た商用成分が除去された血漿分画は、次の3つの方法を連続して行って、血漿成分中に存在し得るウイルスを不活性化させた。
【0064】
(1)ガンマ線照射
フィブリノーゲン/トロンビン/アルブミン除去及びシルクタンパク質ペプチド追加の血漿分画は、15℃でコバルト源(60Co)を用いて1.8kGy/hrの強度で合計25kGyのガンマ線を照射した。
【0065】
(2)メチレンブルー光処理
ガンマ線照射されたフィブリノーゲン/トロンビン/アルブミン除去及びシルクタンパク質ペプチド追加の血漿分画に、最終濃度1μM濃度でメチレンブルー(Methylene blue)を添加し、60,000luxで1時間白色光を照射した。残余メチレンブルーは濾過して除去し、-80℃で8時間凍結させ、-48℃で7日間乾燥させて凍結乾燥した。
【0066】
(3)蒸気処理
フィブリノーゲン/トロンビン/アルブミン除去及びシルクタンパク質ペプチド追加の血漿分画は、篩にかけて濾過し、粉砕して均質化させた後、ステンレススチールタンク中で水分含有量が8%(w/w)となるように水蒸気を徐々に注入した。前記水蒸気処理された血漿を、乾燥窒素で充填されたステンレススチールシリンダーに移して酸素を除去した後、60℃で10時間加熱し、ウイルスが不活性化された血漿分画を得た。
【0067】
実施例3.血漿分画と組換えクモシルクタンパク質の製造
実施例2で得られた、ウイルスが不活性化された血漿分画を、1N HCl(塩酸)又は1N NaOH(水酸化ナトリウム)を添加して撹拌しながらpH測定機(Orion)でpHを測定してpH5.5に調整し、凍結乾燥させて血漿分画物を得た。
【0068】
凍結乾燥は、一般の凍結乾燥器を用いて-30~-40℃、40.9~77.5Torrで12時間凍結乾燥させ、0.2μm除菌フィルターを装着して徐々に行い、乾燥した血漿成分を得、これを以降の創傷治療効果の確認に用いた。
【0069】
組換えクモシルクタンパク質は、下記方法で製造した。
【0070】
組換えクモシルクタンパク質は、組換えシルクタンパク質を製造した先行特許(韓国登録特許10-1317420B1)に記載の方法で製造した。
【0071】
下記配列番号1の配列を持つペプチドが48回反復されている構造を有する高分子量の組換えシルク又はシルク様タンパク質を使用した。
【0072】
配列番号1:NH2-SGRGGLGGQGAGMAAAAAMGGAGQGGYGGLGSQGT-COOH
【0073】
実施例4.血漿分画の傷治療効果確認
実施例3で製造した凍結乾燥血漿分画の傷治療効果を確認するために、ネズミの線維芽細胞であるNIH3T3細胞株(KCTC 4612)を用いて傷再生確認実験を行った。細胞培養プレートにNIH3T3細胞を50万/プレート濃度でシードし、DMEM培地(DMEM,Gibco)に10%ウシ胎児血清(FBS,Thermo Fisher)と1%ペニシリンストレプトマイシン(Pen-strep,Sigma-Aldrich))を混合した細胞成長用培地で1週間コンフルエントに細胞が成長するようにした。
【0074】
その後、1日間、FBSが含まれていない無血清培地を用いて細胞を餓死(starvation)させた後、傷治療効果を確認するために、一定の間隔でプレート上に成長した細胞にかき傷をつけ、無血清培地に血漿分画を0.1%(w/v)、0.5%(w/v)、1%(w/v)及び2%(w/v)の濃度で添加して処理した。
【0075】
陰性対照群(Negative control)としては無血清培地だけを添加して実験を行った。
【0076】
12時間細胞の傷治療を確認した結果、図1に示すように、創傷治療用製剤を添加した実験群から、かき傷部分に線維芽細胞の成長が確認され、血漿分画を0.5%添加した場合、最も効果的な傷治癒が確認できた。
【0077】
実施例5.血漿分画とセリシンタンパク質を含有した創傷治療製剤の傷治療効果確認
実施例3で得られた凍結乾燥血漿分画とセリシンタンパク質(Sigma-Aldrich)を含有する創傷治療製剤の傷治療効果を確認するために、実施例4と同様に、NIH3T3細胞株を用いて傷再生確認実験を行った。実施例4と同様に、10% FBS含有細胞成長用培地でコンフルエントに細胞を成長させ、1日間、無血清培地を用いて細胞を餓死させた後、傷治療効果を確認するために、プレート上に成長した細胞にかき傷をつけ、無血清培地に血漿成分を0.5%の濃度で添加し、ここにセリシンタンパク質をそれぞれ0.05%(w/v)及び0.5%(w/v)の濃度で添加した。対照群として無血清培地だけを処理した群と血漿成分だけを含有する群を用いて実験を行った。これらの実験群を12時間培養後に、かき傷が治癒されたか否かを確認した。
【0078】
その結果、図2に示すように、血漿分画(0.5%)と0.05%のセリシンタンパク質が添加された群(BP 0.5%、Ser 0.05%))が、血漿成分だけを含有した群に比べて優れた治癒能力を有することが確認でき、セリシンタンパク質混合の最適濃度は0.05%であることを確認した。
【0079】
実施例6.血漿分画と組換えクモシルクタンパク質を含有する成分の傷治療効果確認
実施例3で得た凍結乾燥血漿分画と組換えシルクタンパク質を含有する製剤の傷治療効果を確認するために、実施例4と同じ方法でNIH3T3細胞株を用いて傷再生確認実験を行った。
【0080】
実施例4と同様に、10% FBS含有細胞成長用培地においてコンフルエントに細胞を成長させ、1日間無血清培地を用いて細胞を餓死させた後、傷治療効果を確認するために、プレート上に成長した細胞にかき傷をつけた。
【0081】
無血清培地に、作製した血漿成分を0.5%(w/v)の濃度で添加し、ここに組換えシルクタンパク質をそれぞれ0.05%(w/v)、0.1%(w/v)及び0.5%(w/v)の濃度で添加した。対照群として無血清培地だけを処理した群と血漿成分だけを含有する群で実験を行った。これらの実験群は、12時間培養後に、かき傷が治癒されたか否かを確認した。
【0082】
その結果、図3に示すように、血漿分画と組換えクモシルクタンパク質が共に添加された群が、血漿分画だけを処理した群に比べて、かき傷の部分が新しい細胞でよく詰められ、よく治癒されたことを確認し、0.05%の組換えクモシルクタンパク質が添加されたとき、傷再生能力が最大に向上することを確認した。組換えクモシルクタンパク質混合の最適濃度は、0.05%濃度であることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明によれば、シルクタンパク質と血漿成分の相乗効果によって、より効率的に創傷を治癒することができる。
【0084】
以上、本発明内容の特定の部分を詳細に記述したところ、当業界における通常の知識を有する者にとって、それらの具体的記述は単に好ましい実施の態様であるだけで、それらによって本発明の範囲が制限されないという点が明らかであろう。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付する請求項及びそれらの等価物によって定義されるといえよう。
図1
図2
図3
【配列表】
2022513123000001.app
【手続補正書】
【提出日】2021-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血漿又は血清成分とシルクタンパク質とを有効成分として含有する、創傷治療用医薬組成物。
【請求項2】
前記血漿又は血清は、ヒト又は家畜から由来したものであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シルクタンパク質は、自然由来又は組換えシルクタンパク質由来のものであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記シルクタンパク質は、ドラグラインシルク(dragline silk)、エラスチン(elastin)、シルクフィブロイン(silk fibroin)、ビサス(byssus)、セリシン(sericin)、鞭毛状シルク(flagelliform silk)及びコラーゲン(collagen)からなる群から選ばれるタンパク質を構成する反復単位ペプチドで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記シルクタンパク質は、グリシン或いはセリン含有量が%以上であるペプチドが1~160回反復されている構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
創傷は、非治癒外傷性創傷、放射線照射による組織の破壊、擦過傷、骨壞疽、裂傷、剥脱創、貫通傷、銃創、切創、火傷、凍傷、皮膚潰瘍、皮膚乾燥、皮膚角化症、ひび、あかぎれ、皮膚炎、皮膚糸状菌症による痛み、手術上又は血管疾患創傷、打撲傷、角膜創傷、床擦れ、臥瘡、糖尿性皮膚糜爛のような糖尿病及び循環不良に関連した状態、慢性潰瘍、整形手術後縫合部位、脊椎傷害性創傷、婦人科的創傷、化学的創傷及びニキビからなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
クリーム、軟膏、ゲル、液剤、粉末剤及びパッチからなる群から選ばれるいずれか一つの形態であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
pHが3.5~6.5であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
血漿成分は、凍結乾燥製剤であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【国際調査報告】