(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(54)【発明の名称】人工スキー場の運営管理システムおよび管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20220131BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534335
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(85)【翻訳文提出日】2021-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2019122634
(87)【国際公開番号】W WO2020119514
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】201811515722.5
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521258120
【氏名又は名称】クレイドン グループ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CLAYDON GROUP LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】ボヤルスキ,ピエール-ニコラ-ジャン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC18
5L049CC28
(57)【要約】
本発明は、人工スキー場の運営の技術分野、特に人工スキー場の運営管理システムおよび管理方法に関する。該スキー場の運営管理システムは、ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判断し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデの道路区間を画定するためのゲレンデ環境パラメータ処理モジュールを含む。ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、ユーザーの輸送ニーズを受信し、画定された人工スキー場の電子地図情報とユーザーの輸送ニーズをゲレンデ手配制御センターに送信する。ゲレンデ手配制御センターは、マークされた人工スキー場の地図とユーザーの輸送ニーズをリアルタイムで受信し、画定された人工スキー場の電子地図に基づいて、スキー道路区間使用禁止コマンドと輸送ニーズを生成して、車両を手配するために車両環境パラメータ処理モジュールにリアルタイムで送信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判断し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデの道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図をゲレンデ手配制御センターに送信するためのゲレンデ環境パラメータ処理モジュールと、
画定された人工スキー場の地図とユーザーの輸送ニーズをリアルタイムで受信し、画定された人工スキー場の電子地図に基づいて、スキー道路区間使用禁止コマンドを生成して、配車制御センターにリアルタイムで送信するためのゲレンデ手配制御センターと、を含む、
ことを特徴とする人工スキー場の運営管理システム。
【請求項2】
ゲレンデ環境パラメータは、ゲレンデの積雪厚さ、ゲレンデの積雪硬さ、ゲレンデの積雪密度、ゲレンデエリアの天気予報、ゲレンデ上の障害物を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項3】
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、ゲレンデ手配制御センターに通信可能に接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項4】
ゲレンデ環境パラメータを受信して記憶し、ゲレンデ環境パラメータをゲレンデ環境パラメータ処理モジュールに送信するためのゲレンデ環境パラメータデータベースをさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項5】
ゲレンデ環境パラメータデータベースは、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールに通信可能に接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項6】
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールとゲレンデ手配制御センターの両方にも、人工スキー場の電子地図が記憶されており、該人工スキー場の電子地図がスキー場エリア内の各ゲレンデ、スキー場エリア内宿泊施設、駐車場およびレストランの位置を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項7】
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、スキー場エリア内のユーザーがモバイル端末から発送した車両利用要求を受信して、車両利用要求を車両利用位置情報と輸送対象情報に解析し、車両利用位置情報と輸送対象情報に基づいて、使用位置に最も近く、かつ輸送対象に適する車両に輸送コマンドを送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項8】
輸送ニーズを配車可能な車両システムに送信し、該配車可能な車両システムは、複数の車両を含み、各車両がすべてゲレンデ手配制御センターからの実行コマンドを受信し、該実行コマンドに従って移動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項9】
配車可能な車両システムにおける各車両は、すべてゲレンデ手配制御センターに通信可能に接続される、
ことを特徴とする請求項8に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項10】
配車可能な車両システムにおける各車両は、すべてヘッド部と車体を含み、車体種類が輸送対象に応じて決定される、
ことを特徴とする請求項8に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項11】
配車可能な車両システムにおける各車両は、Alvis Bv206S履帯付きの全地形対応型の装甲車である、
ことを特徴とする請求項10に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項12】
ゲレンデ環境パラメータデータベースのゲレンデ環境パラメータは、手動で入力されるか、センサによって自動的に送信されるか、または外部データベースから呼び出される、
ことを特徴とする請求項4に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項13】
ゲレンデ手配制御センターは、ゲレンデの画像を継続的に受信し、ゲレンデ上の人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデ上の人数が事前に設定したしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが過負荷のゲレンデから離れるように、停止、減少またはルート変更の指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のスキー場の運営管理システム。
【請求項14】
ゲレンデ手配制御センターは、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデ上の障害物の危険度をリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデの危険度が事前に設定した危険度のしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが障害物のあるゲレンデから離れるように、ルートを変更するための指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のスキー場の運営管理システム。
【請求項15】
ゲレンデ手配制御センターは、ゲレンデの画面を継続的に受信し、スキー場で事故が発生したかどうかをリアルタイムで分析および識別し、スキー場で事故が発生した場合、スキーヤーが事故のあるゲレンデから離れるように、指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のスキー場の運営管理システム。
【請求項16】
ゲレンデ手配制御センターは、各ゲレンデの画面を継続的に受信し、各ゲレンデ上の人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ユーザーのモバイル端末に送信して、ゲレンデ沿いやスキーリゾート内に配置された表示画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のスキー場の運営管理システム。
【請求項17】
ゲレンデ手配制御センターは、AI技術を使用して、過去の人の流れと当日の天気に基づいて、ゲレンデ上の人の流れを予測するためにも使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載のスキー場の運営管理システム。
【請求項18】
配車可能な車両システムにおける車両には、ゲレンデに沿ってゆっくりと移動しながら雪を造るための造雪機と水タンクが装備されている、
ことを特徴とする請求項10に記載のスキー場の運営管理システム。
【請求項19】
配車可能な車両システムにおける車両には、異なる種類の車室が装備されており、車室の種類によって運賃が異なる、
ことを特徴とする請求項10に記載の人工スキー場の運営管理システム。
【請求項20】
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールを使用して、ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判断し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデの道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図をゲレンデ手配制御センターに送信するステップと、
ゲレンデ手配制御センターを使用して、画定された人工スキー場の地図をリアルタイムで受信し、画定された人工スキー場の電子地図に基づいて、スキー道路区間使用禁止コマンドを生成して、配車可能な車両システムの各車両端末にリアルタイムで送信するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の人工スキー場の運営管理システムを実現する管理方法。
【請求項21】
ゲレンデ環境パラメータは、ゲレンデの積雪厚さ、ゲレンデの積雪硬さ、ゲレンデの積雪密度、ゲレンデエリアの天気予報、ゲレンデ上の障害物を含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【請求項22】
ゲレンデ環境パラメータデータベースを使用してゲレンデ環境パラメータを受信して記憶し、ゲレンデ環境パラメータをゲレンデ環境パラメータ処理モジュールに送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【請求項23】
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールとゲレンデ手配制御センターの両方にも、人工スキー場の電子地図が記憶されており、該人工スキー場の電子地図がスキー場エリア内の各ゲレンデ、スキー場エリア内の宿泊施設、駐車場、レストランおよび乗り場と降り場の位置を含む、
ことを特徴とする請求項20に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【請求項24】
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールを使用して、スキー場エリア内のユーザーがモバイル端末から発送した車両利用要求を受信して、車両利用要求を車両利用位置情報と輸送対象情報に解析し、車両利用位置情報と輸送対象情報に基づいて、使用位置に最も近く、かつ輸送対象に適する車両に輸送コマンドを送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【請求項25】
ゲレンデ手配制御センターを使用して、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデの人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデ上の人数が事前に設定したしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが過負荷のゲレンデから離れるように、停止、減少またはルート変更の指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【請求項26】
ゲレンデ手配制御センターを使用して、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデ上の障害物の危険度をリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデ上の危険度が事前に設定した危険度のしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが障害物のあるゲレンデから離れるように、ルートを変更するための指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【請求項27】
ゲレンデ手配制御センターを使用して、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデで事故が発生したかどうかをリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデで事故が発生した場合、スキーヤーユーザーが事故から離れるように、指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【請求項28】
ゲレンデ手配制御センターを使用して、各ゲレンデの画面を継続的に受信し、各ゲレンデ上の人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ユーザーのモバイル端末に送信して、ゲレンデ沿いやスキーリゾート内に配置された表示画面に表示するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【請求項29】
ゲレンデ手配制御センターを使用して、AI技術で、過去の人の流れと当日の天気に基づいて、ゲレンデ上の人の流れを予測するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【請求項30】
配車可能な車両システムにおける車両には、ゲレンデに沿ってゆっくりと移動しながら雪を造るための造雪機と水タンクが装備されている、
ことを特徴とする請求項10に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【請求項31】
配車可能な車両システムにおける車両には、異なる種類の車室が装備されており、車室の種類によって運賃が異なる、
ことを特徴とする請求項10に記載の人工スキー場の運営管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工スキー場の運営の技術分野に関し、特に人工スキー場の運営管理システムおよび管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここでの架空されたロープウェイは、チェアリフト、ゴンドラリフト、交走式ロープウェイなどの様々なロープウェイを含む。
【0003】
スキー場では、スキーヤーは、何らかの交通機関を使用してスキー場の下からスキー場の頂上まで行き、そして滑り降りることがよくある。現在、ロープウェイ、牽引ロープウェイ、マジックカーペットなどの交通機関の乗り場が固定されているため、スキーヤーは、自分で固定された乗り場に到着したときにのみスキー場の頂上に行くことができる。同時に、交通機関の乗り場の制限により、スキー場の各ゲレンデは、固定された始点と固定された終点を採用して運営することになり、つまり、交通機関の乗り場に沿ってのみ運営することができ、スキー場の設計と運営に深刻な影響を及ぼす。例えば、スキー場の限られたエリアの天候(風)が良くなく、交通機関(ロープウェイ)が運行停止した場合、スキー場全体が休業する必要がある。具体的には、ゲレンデのごく一部がスキーに適していない場合、またはスキー場のごく一部にある積雪がスキーの要件を満たしていない場合、運営者は、ゲレンデのほとんどのエリアを閉じるかスキーヤーに開放するかを決定する。ゲレンデの一部の天候が悪く、交通機関が運行停止した場合、悪天候のゲレンデの部分だけでなく、この部分に接続されているすべてのゲレンデも閉じることになる。
【0004】
また、交通機関の乗り場の制限により、交通機関の乗り場に近いスキー場のホテルは宿泊料金が高く、交通機関の乗り場から遠く離れたホテルの料金は安い。
【0005】
現在、
図1に示すように、ゲレンデ上の交通機関は主にロープウェイであり、これらのロープウェイの乗り場と降り場の位置は固定されている。ゲレンデ2は、固定されたロープウェイの下部31と、固定されたロープウェイの上部32を有する。すべてのロープウェイサポートにはセメント基礎が必要であるため、冬に位置を変更することはほとんど不可能である。ドラッグロープのような短いロープウェイだけがほんの数日で動くことができる。
【0006】
積み込み場は、乗り位置とも呼ばれ、貨物や観光客を輸送システムに乗せることができる場所を指す。降ろし場は、降り位置とも呼ばれ、輸送システムに乗せっている貨物や観光客を降ろす場所を指す。乗り場と降り場は、レストラン用品の補給、雪、造雪機の輸送などの、スキー場での他の様々なニーズにも対応できる。
【0007】
ロープウェイの乗り場と降り場の位置は固定されているため、ゲレンデは始点と終点が固定されている場合にのみ運営できる。ゲレンデに沿って滑れない位置がある場合は、ゲレンデ全体が閉じられなければならない。ロープウェイの前の駅または次の駅に滑り込まない場合は、ロープウェイ全体を停止する必要があるため、それに接続されているすべてのゲレンデも閉じる必要がある。ある場所にスキー可能な条件がなく、スキー場の他の部分がスキーをすることができたとしてもだめであり、このように、スキー場全体が妨げられてしまう。
図2に示すように、スキー場の底部の雪量が不足であるため、スキーヤーはスキー場に滑って戻ることができず、その結果、スキー場全体が閉じられることになり、つまり、スキー場の雪不足エリア4により、エリア5がスキー可能であるが使用できなくなる。
【0008】
ロープウェイの国家基準の要件に従って、ロープウェイの夜間の運行は制限されている。現在、道路交通のない高地のレストランの運営は、夜にレストランから滑り降りることができる優秀なスキーヤーに限定されている。現在、夜にホテルへのロープウェイが運行停止されており、お客様が夜に山を登ってチェックインしたり、雪に囲まれたホテルから離れたりすることが難しいため、道路交通のない高地のホテルは、スムーズに運営できない。
【0009】
大規模なスキー場では、ゲレンデネットワークに造雪機システム(給水管、給電ケーブル、圧縮空気管、通信ケーブルなど)を設置する必要がある。これらの設備はゲレンデに沿って配置される。該造雪パイプネットワークは通常、地下に埋設されており、特定の水圧と1時間当たりの流量を備える。したがって、造雪機の給水装置、および給電装置は、ゲレンデネットワークに沿ってのみ固定できる。
【0010】
さらに、その初期設計には、この高い1時間当たりの輸送能力がある段階で必要とされない場合でも、最初から将来の1時間当たりの輸送能力の仕様を含める必要がある。このように、初期投資が非常に大きくなり、スキー市場の需要の増加する可能性を考慮する必要がある。したがって、スキー場の初期の運営期間に、ロープウェイは多額の投資と低い利用率を必要とする。スキー場は、最初の数年間に投資を回収できない恐れがある。
【0011】
ロープウェイは特定の位置に固定されており、特定の山に合わせて特別に設計されている。ロープウェイをある場所から別の場所に移動するコストは非常に高いため、ロープウェイには正式な中古品市場がなく、リースや請負もできない。
【0012】
ロープウェイの輸送と設置期間は6か月から1年である。
【0013】
各ロープウェイでは、関連する国家の部門が現場で安全制御検査を実施する必要があるが、これには時間がかかり、スキー場の運営に影響を及ぼす。
【0014】
ロープウェイの1時間あたりの輸送能力は、乗りと降りの速度によって異なる。ほとんどの場合、乗ると降りることは搬器が動いている間に行われるため、スキーヤーにとってセキュリティ上のリスクがある。
【0015】
ロープウェイにより、スキー場の運営がロープウェイの運休(風が強い)や故障に非常に敏感である。ロープウェイが運休する場合があり、このとき、該ロープウェイによりサービスが提供されるゲレンデは運営を停止しなげればならない。
【0016】
ロープウェイは固定されており、頂上の駅の位置は、できるだけ多くの、ここを出発点としてのゲレンデにサービスを提供する必要がある。これにより、ゲレンデネットワークの設計が制限されている。
【0017】
ほとんどのスキーヤーは、あるスキーエリアから別のスキーエリアに切り替えるのがスキー場で一般的である。例えば、冷たい影を避けるために太陽の下でスキーをしたり、午後に雪の質に優れたところに行ってスキーをする。1日の特定の時間帯にロープウェイの使用率が非常に低い場合でも、スキー場の各エリアには、完全負荷能力のある(輸送能力が高い)ロープウェイが必要であり、これはスキー場のロープウェイとゲレンデへの過剰な投資、および低い使用率につながる。
【0018】
ロープウェイが停止または故障すると、コース全体が運行停止する。避難が必要な場合は数時間かかる場合があり、スキー場の気温が-10℃に達すると、乗客にとって非常に危険になる。
【0019】
故障したロープウェイは一晩で検査して修理し、翌朝、営業を始める前に修理ができる必要があり、作業員は大きなプレッシャーにさらされている。この種の作業は、特に夜間の気温が-20℃から-30℃で、強風が吹いている場合、困難で危険である。
【0020】
ほとんどのロープウェイ技術は同じ搬器を使用し、混合型リフトのみが同時にゴンドラ/チェアを使用している。このように、ファーストクラスとエコノミークラスに応じて運賃を計算することはできないが、ゲレンデのカバー範囲に応じてのみ計算することができる。
【0021】
伝統的に、造雪機は雪を造るときに、位置が固定されている。それらは雪の山を作り、次に圧雪機で平らにする。固定された位置で雪を造るとき、造雪機に近いエリアでは雪の質が良く、造雪機から遠いエリアでは雪の質が悪いことになる。スキーヤーはこの雪の質の変化に不満を持っており、リスクも高まる。時々、氷の地殻から柔らかい雪への雪の質の変化は、60から80センチメートルしか離れていなく、スキーヤーが受け入れるのが難しい。
【発明の概要】
【0022】
上記の問題を考慮して、上記の問題を克服するか、または少なくとも部分的に上記の問題を解決する人工スキー場の運営管理システムおよび管理方法を提供するために、本発明を提案する。
【0023】
本発明は、ゲレンデのより良い運営および管理、より高い利用率、より安全で効率的な山岳輸送システムを提案する。例えば:移動可能な乗り場、降り場、より高い時間当たりの輸送能力、より長い輸送距離、より良い雪の質などにより、スキー場は、新しい商業コンセプト、新しいゲレンデネットワークレイアウト設計方法、異なる都市計画、より迅速な建設速度を持つようになり、運用モデルを変更して、投資コストを削減するとともに、より良い運営効果に達することができる。
【0024】
本発明の一態様は、人工スキー場運営管理システムを提供し、
ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判断し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデの道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図をゲレンデ手配制御センターに送信するためのゲレンデ環境パラメータ処理モジュールと、
画定された人工スキー場の地図をリアルタイムで受信し、画定された人工スキー場の電子地図に基づいて、スキー道路区間使用禁止コマンドを生成して、配車可能な車両システムの各車両端末にリアルタイムで送信するためのゲレンデ手配制御センターと、を含む。
【0025】
さらに、ゲレンデ環境パラメータは、ゲレンデの積雪厚さ、ゲレンデの積雪硬さ、ゲレンデの積雪密度、ゲレンデエリアの天気予報、ゲレンデ上に障害物があるかどうか、画像解析、ユーザー情報とニーズなどを含む。
【0026】
さらに、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、ゲレンデ手配制御センターに通信可能に接続される。
【0027】
さらに、上記の人工スキー場の運営管理システムは、ゲレンデ環境パラメータを受信して記憶し、ゲレンデ環境パラメータをゲレンデ環境パラメータ処理モジュールに送信するためのゲレンデ環境パラメータデータベースをさらに含む。
【0028】
さらに、ゲレンデ環境パラメータデータベースは、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールに通信可能に接続される。
【0029】
さらに、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールとゲレンデ手配制御センターの両方にも、人工スキー場の電子地図が記憶されており、該人工スキー場の電子地図がスキー場エリア内の各ゲレンデ、スキー場エリア内の宿泊施設、駐車場およびレストランの位置、車両のリアルタイムの位置を含む。
【0030】
さらに、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、スキー場エリアの各宿泊施設、駐車場、およびレストランの予約人数データを受信し、異なる宿泊施設、駐車場およびレストランの予約人数に基づいて、各宿泊施設、駐車場およびレストランの出口で必要な車両数を計算し、各宿泊施設、駐車場およびレストランの出口に必要な車両数を、ゲレンデ手配制御センターに送信する。
【0031】
さらに、上記の人工スキー場の運営管理システムは、複数の車両を含む配車可能な車両システムをさらに備え、各車両がすべてゲレンデ手配制御センターからの実行コマンドを受信し、該実行コマンドに従って移動する。
【0032】
さらに、配車可能な車両システムにおける各車両は、すべてゲレンデ手配制御センターに通信可能に接続される。
【0033】
さらに、配車可能な車両システムにおける各車両は、すべてヘッド部と車体を含み、車体種類が輸送対象に応じて決定される。
【0034】
さらに、配車可能な車両システムにおける各車両は、Alvis Bv206S履帯付きの全地形対応型の装甲車または他の全地形対応車である。
【0035】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、モバイル端末から発送した車両利用要求を受信して、車両利用要求を車両利用位置情報と輸送対象情報に解析し、車両利用位置情報と輸送対象情報に基づいて、使用位置に最も近く、かつ輸送対象に適する車両に輸送コマンドを送信する。さらに、ゲレンデ環境パラメータデータベースによって受信されたゲレンデ環境パラメータは、外部データベースに手動で入力されるか、センサによって送信される。
【0036】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、ゲレンデに対向するカメラで撮影したゲレンデの画面を受信し、ゲレンデ上の人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデ上の人数が事前に設定したしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが過負荷のゲレンデから離れるように、停止、減少またはルート変更の指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信する。
【0037】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、ゲレンデに対向するカメラで撮影したゲレンデの画面を受信し、ゲレンデ上の障害物の危険度をリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデ上の危険度が事前に設定した危険度のしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが障害物のあるゲレンデから離れるように、ルートを変更するための指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信する。
【0038】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、ゲレンデに対向するカメラによって撮影したゲレンデの画面を受信し、スキー場で事故が発生したかどうかをリアルタイムで分析および識別し、スキー場で事故が発生した場合、スキーヤーユーザーが事故のあるゲレンデから離れるように、指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信する。
【0039】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、ゲレンデに対向するカメラによって撮影した各ゲレンデの画面を受信し、各ゲレンデ上の人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ユーザーのモバイル端末に送信して、ゲレンデ沿いやスキーリゾート内に配置された表示画面に表示する。
【0040】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、AI技術を使用して、過去の経験と当日の状況に基づいて、ゲレンデ上の人の流れを予測する。
【0041】
さらに、配車可能な車両システムにおける車両には、ゲレンデに沿ってゆっくりと移動するときに雪を造るための造雪機と水タンクが装備されている。
【0042】
さらに、配車可能な車両システムにおける車両には、異なる種類の車室が装備されており、車室の種類によって運賃が異なる。
【0043】
本発明の別の態様では、上記の人工スキー場の運営管理システムを実現する管理方法を提供し、
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールを使用して、ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータが、ゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判断し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデの道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図をゲレンデ手配制御センターに送信するステップと、
ゲレンデ手配制御センターを使用して、画定された人工スキー場の地図をリアルタイムで受信し、画定された人工スキー場の電子地図に基づいて、スキー道路区間使用禁止コマンドを生成して、配車可能な車両システムの各車両端末にリアルタイムで送信するステップと、を含む。
【0044】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ環境パラメータデータベースを使用してゲレンデ環境パラメータを受信して記憶し、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールにゲレンデ環境パラメータを送信するステップをさらに含む。
【0045】
さらに、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールとゲレンデ手配制御センターの両方にも、人工スキー場の電子地図が記憶されており、該人工スキー場の電子地図がスキー場エリア内の各ゲレンデ、スキー場エリア内の宿泊施設、駐車場およびレストランの位置、車両のリアルタイムの位置を含む。
【0046】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールを利用して、スキー場エリアの各宿泊施設、駐車場、およびレストランの予約人数データを受信し、異なる宿泊施設、駐車場およびレストランの予約人数に基づいて、各宿泊施設、駐車場およびレストランに必要な車両数を計算し、各宿泊施設、駐車場およびレストランに必要な車両数をゲレンデ手配制御センターに送信するステップをさらに含む。
【0047】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、配車可能な車両システムの各車両を使用して、ゲレンデ手配制御センターからの実行コマンドを受信し、該実行コマンドに従って移動するステップをさらに含む。
【0048】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールを使用して、ユーザーがモバイル端末から発送した輸送ニーズを受信して、輸送ニーズを輸送位置情報と輸送対象情報に解析し、輸送位置情報と輸送対象情報に基づいて、輸送位置に最も近く、かつ輸送対象に適する車両に輸送コマンドを送信するステップをさらに含む。
【0049】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターを使用して、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデ上の人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデ上の人数が事前に設定した人数のしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが過負荷のゲレンデから離れるように、停止、減少またはルート変更の指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信するステップをさらに含む。
【0050】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターを使用して、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデ上の障害物の危険度をリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデ上の危険度が事前に設定した危険度のしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが障害物のあるゲレンデから離れるように、ルートを変更するための指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信するステップをさらに含む。
【0051】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターを使用して、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデで事故が発生したかどうかをリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデで事故が発生した場合、スキーヤーユーザーが事故のあるゲレンデから離れるように、指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信するステップをさらに含む。
【0052】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターを使用して、各ゲレンデの画面を継続的に受信し、各ゲレンデ上の人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ユーザーのモバイル端末に送信して、ゲレンデ沿いやスキーリゾート内に配置された表示画面に表示するステップをさらに含む。
【0053】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターによって、AI技術を使用して、過去の経験と当日の状況に基づいて、ゲレンデ上の人の流れを予測するステップをさらに含む。
【0054】
さらに、配車可能な車両システムにおける車両には、ゲレンデに沿ってゆっくりと移動するときに雪を造るための造雪機と水タンクが装備されている。
【0055】
さらに、配車可能な車両システムにおける車両には、異なる種類の車室が装備されており、車室の種類によって運賃が異なる。
【0056】
従来の技術と比較して、本発明によって提供される人工スキー場の運営管理システムおよび管理方法は、以下のように改善された。
(1)本発明のゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、ゲレンデ環境パラメータに基づいて、滑走禁止道路区間を算出し、新しい乗り場および降り場を決定して、ゲレンデ手配制御センターに送信し、ゲレンデ手配制御センターが新しい乗り場および降り場を配車可能な車両システムの各車両にリアルタイムで送信し、各車両を介して乗り場の輸送対象を降り場に輸送し、滑走禁止道路以外のスキー道路が継続的に運営することを確保する。
(2)本発明のゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、異なる宿泊施設、駐車場およびレストランの予約人数に応じて、各宿泊施設、駐車場およびレストランに必要な車両数を算出し、各宿泊施設、駐車場およびレストランに必要な車両数をゲレンデ手配制御センターに送信し、配車可能な車両システム内の車両を合理的に手配し、配車可能な車両システムの最大利用率を達成する。
(3)本発明のゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、画像解析支援、スキーヤーのモバイル端末のGPS測位機能を使用して、スキーヤーの行動を計算し、スキーヤーおよび捜索救助員に提案を提供し、スキー場の安全性を改善する。
(4) 造雪機と水タンクを搭載した車両は、徐行中に雪を造るとき、雪をゲレンデに均一にまき散らすことができる。スキー場が冬にオープンする前や、営業期間中の夜間に、休業して車両を使用しないとき、移動式の造雪機に変えることができる。スキーヤーを満足させる良好な雪質を維持するための最も良い方法は、すべてのゲレンデで毎日数ミリの雪を積むことである。このような車両は、毎晩すべてのゲレンデに数ミリの雪を造ることができ、圧雪車で広げる必要はない。また、ゲレンデの外に沿って、スキーヤーがぶつかる恐れのある造雪機を設置しなくなったため、ゲレンデの幅や安全性も向上された。
(5) 各車両が独立して走行するため、25席のエコノミータイプ、より快適な16席のファーストクラスタイプ、特別企画専用タイプなどの、異なる車種を同時に使用することができる。
【0057】
上記の説明は、本発の技術的解決手段の概要に過ぎない。本発明の技術的手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができる。本発明の上記および他の目的、特徴および利点を、より明白で理解しやすいように、以下では、本発明の具体的な実施形態を挙げて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、他の様々な利点および有益箇所が当業者に明らかになる。添付の図面は、好ましい実施形態を説明する目的でのみ使用され、本発明への限定とは見なされない。また、図面全体を通して、同じ参照記号が同じ部材を表す。
【
図1】
図1は、従来技術のスキー場の概略図である。
【
図2】
図2は、従来技術のスキー場運営問題の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明による人工スキー場の運営管理システムのブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明による人工スキー場の運営管理方法のステップ図である。
【
図5】
図5は、本発明によるスキー場の運営の概略図である。
【
図6】
図6は、ゲレンデの滑走禁止エリアの異なる条件に従ってスキーヤーを運ぶ本発明の配車可能な車両の概略図である。
【
図7】
図7は、独立した滑走可能なエリアを有する2つのゲレンデ間に輸送する本発明の配車可能な車両の概略図である。
【
図8a】
図8aは、本発明によるスキー場の底部が滑走不能の場合に新設した乗り場と降り場の概略図である。
【
図8b】
図8bは、本発明によるスキー場の頂上が滑走不能の場合に新設した乗り場と降り場の概略図である。
【
図9】
図9は、本発明によるスキー場における各ゲレンデに滑走不能エリアが現れた概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下において添付の図面を参照して、本開示による例示的な実施例をより詳細に説明する。図面は本開示による例示的な実施例を示しているが、本開示を様々な形態で実施することができ、本明細書に記載の実施例によって限定されるべきではないことを理解されたい。それどころか、本開示をより完全に理解することができ、本開示の範囲を当業者に完全に伝えることができるようにするために、これらの実施例を提供する。
【0060】
当業者は、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)が、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することを理解することができる。また、一般辞書で定義されているような用語は、先行技術の文脈における意味と一致する意味を有すると理解されるべきであり、特に定義されない限り、それらは理想化された意味または過度に形式的な意味を使用しないことも理解されるべきである。
【0061】
本発明は、ゲレンデが部分的に開いているかまたは閉じているゲレンデネットワークをどのように運営するかを目的としている。ゲレンデの一部がスキーをすることができないか、またはゲレンデの一部が閉じられている場合でも、本発明のシステムおよび方法を用いて、ゲレンデネットワークを運営し続けることができる。したがって、本発明のシステムおよび方法は、ゲレンデの始点および終点を時間内に変更または移すことができることが必要である。ゲレンデの始点と終点を変更する理由には、雪の量や質、雪崩のリスク、風、霧、スキーヤーの安全、オペレーターの決定など、様々がある。
【0062】
図3に示すように、本発明によって提供された人工スキー場の運営管理システムは、
ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判断し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデの道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図をゲレンデ手配制御センターに送信するためのゲレンデ環境パラメータ処理モジュールと、
画定された人工スキー場の地図をリアルタイムで受信し、画定された人工スキー場の電子地図に基づいて、スキー道路区間使用禁止コマンドを生成して、配車可能なシステムの各車両端末にリアルタイムで送信するためのゲレンデ手配制御センターと、を含む。
【0063】
本発明において、「人工スキー場」とは、少なくともゲレンデに沿って人工造雪機用の全長2000メートルの給水管を設置し、ゲレンデネットワークは実際に500人以上が同時にスキーをすることができ、ゲレンデの累積長さが3000メートルを超え、設備の輸送能力が1時間あたり1000人を超えることを指す。
【0064】
ゲレンデ手配制御センターは、参考情報をゲレンデのユーザーにリアルタイムで提供するために使用される。
【0065】
本発明は、各車両により乗り場の輸送対象を降り場に運送し、滑走禁止区間以外のゲレンデ区間の継続的な運営を確保することができる。
【0066】
本発明のゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、ゲレンデ環境パラメータに基づいてゲレンデの滑走禁止道路区間を算出し、新たな乗り場と降り場を決定してゲレンデ手配制御センターに送信し、新たな乗り場と降り場を配車可能な車両システムの各車両にリアルタイムで送信し、各車両を介して乗り場の輸送対象を降り場まで運搬し、滑走禁止エリアを除いたゲレンデ道路区間の継続的な運営を確保することができる。ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、ゲレンデ手配制御センターに通信可能に接続されている。
【0067】
ゲレンデ環境パラメータは、ゲレンデの積雪厚さ、ゲレンデの積雪硬さ、ゲレンデの積雪密度、ゲレンデエリアの天気予報、ゲレンデ上に障害物があるかどうかを含む。スキー場の環境変数は、ゲレンデの積雪厚さの事前に設定したしきい値が10cmを超えること、ゲレンデの積雪の硬さの事前に設定したしきい値が600Pa未満であること、ゲレンデの積雪密度の事前に設定したしきい値が 0.3~0.6g/cm3であることを含み、ゲレンデ領域の天気予報の事前に設定したしきい値が、風速が60km/h未満で、視程が200メートルを超え、日中の光強度が300ルクスを超え、夜間スキーの光強度が20ルクスを超え、気温が-20°Cを超え、湿度が90%未満であることを含む。
【0068】
図3に示すように、上記の人工スキー場の運営管理システムは、ゲレンデ環境パラメータを受信して記憶し、ゲレンデ環境パラメータをゲレンデ環境パラメータ処理モジュールに送信するためのゲレンデ環境パラメータデータベースをさらに含む。ゲレンデ環境パラメータデータベースは、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールに通信可能に接続される。ゲレンデ環境パラメータデータベースによって受信されたゲレンデ環境パラメータは、センサによって自動的に送信されるか、また外部データベースから呼び出される。
【0069】
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールとゲレンデ手配制御センターの両方にも、人工スキー場の電子地図が記憶されており、該人工スキー場の電子地図がスキー場エリア内の各ゲレンデ、スキー場エリア内の宿泊施設、駐車場およびレストランの位置、車両のリアルタイムの位置を含む。
【0070】
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、スキー場エリア内の各宿泊施設、駐車場およびレストランの予約人数データを受信して、異なる宿泊施設、駐車場およびレストランの予約人数に応じて、各場所に必要な車両数を算出し、各場所に必要な車両数をゲレンデ手配制御センターに送信し、配車可能な車両システム内の車両を合理的に手配し、配車可能な車両システムの最大利用率を達成する。
【0071】
上記の人工スキー場の運営管理システムは、複数の車両を含む配車可能な車両システムをさらに備え、各車両がすべてゲレンデ手配制御センターからの実行コマンドを受信し、該実行コマンドに従って移動する。配車可能な車両システムにおける各車両は、すべてゲレンデ手配制御センターに通信可能に接続される。配車可能な車両システムにおける各車両は、すべてヘッド部と車体を含み、車体種類が輸送対象に応じて決定される。例えば、昼間はスキーヤーを運ぶ必要があり、車体が有人車体であり、夜にスキーヤーを運ぶ必要がない場合、車体を、雪を運ぶための車体に替えて夜間に雪を運ぶことができる。当然ながら、有人車体はスキーヤーを運ぶだけでなく、例えば、夏には観光客を運ぶこともできる。配車可能な車両システムの各車両は、Alvis Bv206S 履帯付きの全地形対応型の装甲車であってもよいが、これに限定されない。
【0072】
ゲレンデ手配制御センターは、また、ユーザーがモバイル端末から発送した車両利用要求を受信して、車両利用要求を輸送位置情報と輸送対象情報に解析し、輸送位置情報と輸送対象情報に基づいて、輸送位置に最も近く、かつ輸送対象に適する車両に輸送コマンドを送信する。
【0073】
本発明の人工スキー場の運営管理システムにおいて、車両利用要求は、スキーヤーをスキー条件のあるゲレンデの下からスキー条件のあるゲレンデの頂上まで運び、宿泊施設へアクセスするゲレンデには、スキー条件が整っていない場合、スキーヤーを宿泊施設に送り返し、ゲレンデに沿って、例えば、疲れたスキーヤー、難易度が高すぎて挑戦できないスキーヤー、軽傷等でスキーをあきらめたスキーヤーなどの滑り降りることができないスキーヤーを受け入れ、彼らを宿泊場所に送り返すことを含む。
【0074】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、ゲレンデの画像を継続的に受信し、ゲレンデの人のリアルタイムの流れをリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデの人数が事前に設定したしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが過負荷のゲレンデから離れるように、停止、減少またはルート変更の指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信する。ゲレンデの人数は、ゲレンデに向けたカメラで撮影して得られる。
【0075】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデ上の障害物の危険度をリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデ上の危険度が事前に設定した危険度のしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが障害物のあるゲレンデから離れるように、ルートを変更するための指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信する。危険度は、障害物の数と体積を含む。ゲレンデ上の障害物の画面は、ゲレンデに向けたカメラで撮影して得られる。
【0076】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデで事故が発生したかどうかをリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデで事故が発生した場合、スキーヤーユーザーが事故のあるゲレンデから離れるように、指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信する。事故は、雪崩などを含む。
【0077】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、各ゲレンデの画面を継続的に受信し、各ゲレンデ上の人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ユーザーのモバイル端末に送信して、ゲレンデ沿いやスキーリゾート内に配置された表示画面に表示する。
【0078】
さらに、ゲレンデ手配制御センターは、AI技術を使用して、過去の経験と当日の状況に基づいて、ゲレンデ上の人の流れを予測する。AI技術は人工知能技術である。
【0079】
本発明の人工スキー場の運営管理システムは、スキーヤーの動的スキー情報を受信し、該動的スキー情報に基づいてスキーヤーが危険にさらされているかどうかを判断し、実行命令を生成して送信するためのスキーヤー情報処理モジュールをさらに含む。スキーヤーの動的スキー情報は、スキーヤーが転んで再び動かなくなった情報、ゲレンデが閉じられた後、スキーヤーがまだゲレンデに滞在した情報、スキーヤーが自分のスキーレベルを超えたゲレンデで滑っている情報を含む。
【0080】
スキーヤー情報処理モジュールは、スキーヤーが転んで後に再び動かなかったという情報を受信すると、スキーヤー情報処理モジュールは、救助情報を編集し、ゲレンデ手配制御センターに送信して、車両を手配して救助を行う。
【0081】
スキーヤー情報処理モジュールは、ゲレンデが閉じられた後もスキーヤーがまだゲレンデに滞在しているという情報を受信した後、救助情報を編集し、ゲレンデ手配制御センターに送信して、車両を手配して救助を行う。
【0082】
スキーヤー情報処理モジュールは、スキーヤーが自分のスキーレベルを超えたゲレンデでスキーをしているという情報を受信すると、スキーヤーに注意を促すために、警告メッセージを編集してモバイル端末に送信する。
【0083】
配車可能な車両システムの車両には、ゲレンデに沿ってゆっくりと移動しながら雪を造るための造雪機と水タンクが装備されている。造雪機と水タンクを搭載した車両は、徐行中に雪を造るとき、雪を均一にゲレンデにまき散らすことができる。スキー場が積雪期にオープンする前や、営業期間中の夜間に、休業して車両を使用しないとき、移動式の造雪機に変えることができる。スキーヤーを満足させる良好な雪質を維持するための最も良い方法は、すべてのゲレンデで毎日数ミリの雪を積むことである。このような車両は、毎晩すべてのゲレンデに数ミリの雪を造ることができ、圧雪車で平にする必要はない。また、ゲレンデの外に沿って、スキーヤーがぶつかる恐れのある造雪機を設置しなくなったため、ゲレンデの幅や安全性も向上された。
【0084】
配車可能な車両システムの車両には異なる種類の車室が搭載されており、車室の種類によって運賃も異なる。各車両が独立して走行するため、25席のエコノミータイプ、より快適な16席のファーストクラスタイプ、特別企画専用タイプなどの、異なる車種を同時に使用することができる。
【0085】
図4に示すように、本発明は、上記の人工スキー場の運営管理システムを実現する管理方法を提供し、
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールを使用して、ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判断し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデの道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図をゲレンデ手配制御センターに送信するステップと、
ゲレンデ手配制御センターを使用して、画定された人工スキー場の地図をリアルタイムで受信し、画定された人工スキー場の電子地図に基づいて、スキー道路区間使用禁止コマンドを生成して、配車可能な車両システムの各車両端末にリアルタイムで送信するステップと、を含む。
【0086】
本発明のゲレンデ環境パラメータ処理モジュールは、ゲレンデ環境パラメータに基づいてゲレンデの滑走禁止道路区間を算出し、新たな乗り場と降り場を決定してゲレンデ手配制御センターに送信し、新たな乗り場と降り場を配車可能な車両システムの各車両にリアルタイムで送信し、各車両を介して乗り場の輸送対象を降り場まで運搬し、滑走禁止エリア以外のゲレンデの部分の継続的な運営を確保することができる。
【0087】
上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ環境パラメータデータベースを使用してゲレンデ環境パラメータを受信して記憶し、ゲレンデ環境パラメータをゲレンデ環境パラメータ処理モジュールに送信するステップをさらに含む。
【0088】
ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールとゲレンデ手配制御センターの両方にも、人工スキー場の電子地図が記憶されており、該人工スキー場の電子地図がスキー場エリア内の各ゲレンデ、スキー場エリア内の宿泊施設、駐車場、レストランなどの位置、および車両のリアルタイムの位置を含む。
【0089】
上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ環境パラメータ処理モジュールを使用して、スキー場エリア内の各宿泊施設、駐車場およびレストランの予約人数を受信し、異なる宿泊施設、駐車場およびレストランの予約人数に応じて、各宿泊施設、駐車場、レストランに必要な車両数を算出し、各宿泊施設、駐車場およびレストランの出口に必要な車両数を配車制御センターに送信し、配車可能な車両システム内の車両を合理的に手配して、配車可能な車両システムの最大利用率を達成するステップをさらに含む。
【0090】
上記人工スキー場の運営管理方法は、配車可能な車両システムの各車両を使用して、ゲレンデ手配制御センターからの実行コマンドを受信し、該実行コマンドに従って移動するステップをさらに含む。
【0091】
上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターを使用して、ユーザーがモバイル端末から発送した輸送ニーズを受信して、輸送ニーズを輸送位置情報と輸送対象情報に解析し、輸送位置情報と輸送対象情報に基づいて、輸送位置に最も近く、かつ輸送対象に適する車両に輸送コマンドを送信する。
【0092】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターを使用して、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデ上の人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデ上の人数が事前に設定したしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが過負荷のゲレンデから離れるように、停止、減少またはルート変更の指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信するステップをさらに含む。
【0093】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターを使用して、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデ上の障害物の危険度をリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデ上の危険度が事前に設定した危険度のしきい値を超えた場合、ゲレンデのユーザーが障害物のあるゲレンデから離れるように、ルートを変更するための指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信するステップをさらに含む。
【0094】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターを使用して、ゲレンデの画面を継続的に受信し、ゲレンデで事故が発生したかどうかをリアルタイムで分析および識別し、ゲレンデで事故が発生した場合、スキーヤーユーザーが事故のあるゲレンデから離れるように、指示を編集してゲレンデ手配制御センターに送信するステップをさらに含む。
【0095】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターを使用して、各ゲレンデの画面をリアルタイムで受信し、各ゲレンデ上の人の流れをリアルタイムで分析および識別し、ユーザーのモバイル端末に送信して、ゲレンデ沿いやスキーリゾート内に配置された表示画面に表示するステップをさらに含む。
【0096】
さらに、上記人工スキー場の運営管理方法は、ゲレンデ手配制御センターを使用して、AI技術で、過去の経験と当日の状況に基づいて、ゲレンデ上の人の流れを予測するステップをさらに含む。
【0097】
配車可能な車両システムの車両には、ゲレンデに沿ってゆっくりと移動しながら雪を造るための造雪機と水タンクが装備されている。造雪機と水タンクを搭載した車両は、徐行中に雪を造るとき、雪をゲレンデに均一にまき散らすことができる。スキー場が積雪期にオープンする前や、営業期間中の夜間に、休業して車両を使用しないとき、移動式の造雪機に変えることができる。スキーヤーを満足させる良好な雪質を維持するための最も良い方法は、すべてのゲレンデで毎日数ミリの雪を積むことである。このような車両は、毎晩すべてのゲレンデに数ミリの雪を造ることができ、圧雪車で広げる必要はない。また、ゲレンデの外に沿って、スキーヤーがぶつかる恐れのある造雪機を設置しなくなったため、ゲレンデの幅や安全性も向上された。
【0098】
配車可能な車両システムの車両には異なる種類の車室が搭載されており、車室の種類によって運賃も異なる。各車両が独立して走行するため、25席のエコノミータイプ、より快適な16席のファーストクラスタイプ、特別企画専用タイプなどの、異なる車種を同時に使用することができる。
【0099】
図5は、本発明のスキー場の運営概略図である。
図5に示すように、スキー場は、リゾートまたはスキー用具ホール1、ゲレンデ2、滑走不能エリア6、滑走可能なエリア7、新設した乗り場8、元の乗り場9、新設した降り場10を含み、スキー場には2つの滑走不能エリア6が含まれる場合、新設した乗り場8、元の乗り場9、および新設した降り場10を設置することにより、配車可能な車両システムと組み合わせることで、該スキー場は運営を継続できる。したがって、本発明の人工スキー場の運営管理システムおよび管理方法は、ゲレンデの長さを可変にすることを可能にし、ゲレンデの上部および下部が滑走不能エリアである。該ゲレンデの中央部分は、新しい乗り場と降り場を増設し、スキーヤーがこの滑走可能なエリアでスキーをすることを可能にし、それによってそれを開いたままにする。リゾートには依然として乗り場と降り場が保留しているため、スキーヤーはリゾートから滑走可能なエリアに出入りできる。
【0100】
図6は、ゲレンデの滑走不能エリアの異なる状況に従ってスキーヤーを運ぶための本発明の配車可能な車両の概略図であり、1つのゲレンデに対し、滑走不能エリア6と滑走可能なエリア7が存在する場合、配車可能な車両システムを介して、スキーヤーを底部にあるリゾートAから新設した降り場C、新設した降り場Eまで運び、新設した乗り場Bから新設した降り場C、新設した降り場E、リゾートAまで運び、新設した乗り場Dから新設した降り場C、新設した降り場E、リゾートAまで運び、山頂Fから新設した降り場C、新設した降り場E、リゾートAまで運ぶことができる。
【0101】
図7は、独立した滑走可能なエリアを有する2つのゲレンデ間に輸送する本発明の配車可能な車両の概略図である。
図7に示すように、配車可能な車両システムを使用して、独立した滑走可能なエリアを有する2つのゲレンデを接続することができ、例えば、スキーヤーを新設した乗り場Hから新設した降り場Kまで、新設した乗り場Iから新設した降り場Jまで運ぶことができ、当然ながら、配車可能な車両システムを使用して、スキーヤーを新設した乗り場H、山頂L、リゾートまたはスキー用具ホールGから新設した降り場Kまで運ぶこともできる。
【0102】
図8aは、本発明によるスキー場の底部が滑走不能の場合に、新設した乗り場と降り場の概略図である。図に示すように、滑走不能エリア6がリゾートまたはスキー用具ホール1にある場合、スキー場の中央部分の滑走可能なエリア7に乗り場11と降り場12を増設し、配車可能な車両システムによってほとんどのゲレンデの運営を維持することができる。
【0103】
図8bは、本発明によるスキー場の頂上が滑走不能の場合に新設した乗り場と降り場の概略図である。図に示すように、滑走不能エリア6が山頂Lにある場合、スキー場の中央部にある滑走可能なエリア7に、乗り場11と降り場12を増設し、配車可能な車両システムによってほとんどのゲレンデの運営を維持することができる。
【0104】
図9は、本発明のスキー場の各ゲレンデに現れる滑走不能エリアの概略図である。
【0105】
滑走不能エリア6が、リゾートまたはスキー用具ホールGであるゲレンデの底部にあるか、山頂Lであるゲレンデの頂上にあるか、またはゲレンデの中央部にあるかに関係なく、乗り場11と降り場12を増設することにより、滑走可能なエリア7を引き続き運営を維持でき、スキー場の部分的に開いたゲレンデは、これら3つの条件の任意の組み合わせにすることができる。
【0106】
従来のロープウェイの代わりに、本発明の配車可能な車両システムを利用することは、以下の利点を有する。
【0107】
配車可能な車両システムは、スキー市場の需要に応じていつでも輸送能力を調整することができる。
【0108】
配車可能な車両システムは、ロープウェイの規制を受けずに夜間に運行することができる(ロープウェイの規制では夜間の救助は許可されない)。このシステムにより、スキー場の夜間営業は安定しており、例えば、道路にアクセスできない高地のレストランや、高地の宿泊施設、駐車場およびレストランなどの夜間営業が可能になる。配車可能な車両システムは、上りと下りの多くの独立した車両で構成されている。
【0109】
配車可能な車両システムを使用して、ゲレンデに沿ってパイプネットワークを埋める必要なしに、雪のピッキングポイントから雪が必要な任意の場所まで雪を運送することができる。配車可能な車両システムは、スキー場が積雪期にオープンする前やスキー場の営業期間の夜など、スキーヤーを運ぶ必要がないときに雪を運ぶために使用できる。このようにして、造雪システムへの投資を半分にすることができる。さらに、ほとんどの造雪システムを移動可能にすることができ、リースやローンによる資金調達が可能である。
【0110】
配車可能な車両システムは低価格で簡単に転売して別のスキー場に再設置でき、リースやローンによる資金調達にも便利である。
【0111】
配車可能な車両システムは、スキー場まで1か月以内に輸送でき、設置なしで時間を節約できる。また、配車可能な車両システムは、時間のかかる厳しい監査や年次検査がなく、メーカーの工場で品質検査を受けるだけで済む。
【0112】
配車可能な車両システムの乗車と降車は静止した状態で行われ、スキーヤーにとって非常に安全である。
【0113】
配車可能な車両システムの個々の車両の故障は、スキー場全体の運営にほとんど影響を与えない。
【0114】
スキー場のローカルエリアの風速が速すぎる場合、配車可能な車両システムの車両は、走行を継続するか、無風区間を選択して走行することができる。
【0115】
配車可能な車両システムへの投資は5kmのロープウェイの4分の1未満であるため、これにより、収益性の高いスキー場とリゾートを山に設計できるが、従来は高価なロープウェイを用いたスキー場は収益性がない。それはゲレンデネットワークの計画と設計を変えた。
【0116】
配車可能な車両システムは、複数の滑り始点にサービスを提供することが許可されているため、収益性のない一部のゲレンデが収益性の高いゲレンデに変わり、ゲレンデネットワークの計画と設計を変えた。
【0117】
配車可能な車両システムは、日中に1時間当たりの輸送能力の変化に応じて、ある場所から別の場所に簡単に移動できる。これにより、投資が削減され、内部収益率が向上された。
【0118】
最後に、上記の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためにのみ使用され、それらを限定するものではないことに留意されたい。本発明が、前述の実施例を参照して詳細に説明されているが、当業者は、以下を理解する必要がある。前述の実施例に記載された技術的解決手段を変更するか、またはその技術的特徴のいくつかを同等に置き換えることができるが、これらの変更または置き換えは、対応する技術的解決手段の本質を、本発明に係る各実施例の精神および範囲から逸脱させない。
【符号の説明】
【0119】
1-リゾートまたはスキー用具ホール、2-ゲレンデ、3-ロープウェイ、31-固定されたロープウェイの下部、32-固定されたロープウェイの上部、4-雪不足エリア、5-滑り可能であるが使用できないエリア、6-滑走不能エリア、7-滑走可能なエリア、8-新設した乗り場、9-元の乗り場、10-新設した降り場、A-リゾート、B-新設した乗り場、C-新設した降り場、D-新設した乗り場、E-新設した降り場、F-山頂、G-リゾートまたはスキー用具ホール、H-新設した乗り場、I-新設した乗り場、J-新設した降り場、K-新設した降り場、L-山頂、11-乗り場、12-降り場。
【国際調査報告】